JP2024034984A - 皮膚用乳化組成物 - Google Patents

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耕二 柚口
Koji Yuzuguchi
ひとみ 荒木
Hitomi Araki
真美 小野澤
Mami Onozawa
泰宏 寺田
Yasuhiro Terada
裕也 小井川
Yuya Koikawa
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Abstract

【課題】優れた乳化安定性を発揮するだけでなく、塗布時の感触が軽く、肌上での延展性が良好で、べたつきのないサラっとした使用感が得られる皮膚用乳化組成物の提供。【解決手段】成分A:ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸、成分B:多価アルコール、成分C:室温で液状の油剤、並びに成分D:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーおよび/又は(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーを含有することを特徴とする皮膚用乳化組成物とする。【選択図】なし

Description

皮膚用乳化組成物に採用される乳化技術は、化粧品、医薬部外品、医薬品等の製品で広く利用されている。これらの製品では、乳化を安定化させるために、微細で均一な乳化滴をもつ水中油型乳化組成物の形態とすることが求められている。
このような微細な水中油型乳化物を得る方法としては、D相乳化法が一般的に知られている。D相乳化とは、乳化剤(界面活性剤)を含んだ多価アルコール溶液に油相を添加して乳化する方法であり、これによって多価アルコール中油型乳化組成物が得られる。次に、当該多価アルコール中油型乳化組成物を水相に混合することで微細な水中油型乳化組成物が得られる。
D相乳化方法を利用した例としては、コエンザイムQ10と、ポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有する多価アルコール中油型組成物が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた多価アルコール中油型組成物では、塗布時の感触に重たさを感じ易く、肌上での延展性が悪くなることから、よりべたつきを感じ易くなるという欠点があった。
一方、塗布時のべたつきを抑えた試みとしては、界面活性剤を含有せずに、グリチルリチン酸または塩等の水溶性有効成分と、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーと、ムコ多糖と、コラーゲンとを含有する多価アルコール中油型エマルションが開示されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、当該試みでは、界面活性剤が配合されないため、肌上での延展性が良い反面、界面活性剤を用いた多価アルコール中油型組成物と比べて、乳化安定性が悪いという課題があった。
特開2007-209251号公報 特開2015-091783号公報
したがって、本発明は、上記技術に鑑みてされたものであり、優れた乳化安定性を発揮するだけでなく、塗布時の感触が軽く、肌上での延展性が良好で、べたつきのないサラっとした使用感が得られる皮膚用乳化組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記成分A、下記成分B、下記成分C、並びに下記成分Dを含有することを特徴とする皮膚用乳化組成物を提供する。
成分A:ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸
成分B:多価アルコール
成分C:室温で液状の油剤
成分D:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーおよび/又は(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
上記成分Aに対する上記成分Bの含有量の比(成分B/成分A)が、50~800であることが好ましい。
上記成分Aに対する上記成分Cの含有量の比(成分C/成分A)が、20~500であることが好ましい。
上記成分Aに対する上記成分Dの含有量の比(成分D/成分A)が、0.1~80であることが好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物は、上記構成要件を満たすことにより、優れた乳化安定性を発揮するとともに、塗布時の感触が軽く、肌上での延展性が良好で、べたつきのないサラっとした使用感が得られるという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[成分A]
上記成分Aは、ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸である。ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸とは、アスコルビン酸の2位の位置にグリセリル基、3位の位置にミリスチル基が結合したアスコルビン酸誘導体である。なお、上記成分Aは、アスコルビン酸の2位の位置にミリスチル基、3位の位置にグリセリル基が結合したミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸とは異なる。
本発明において上記成分Aは、驚くべきことに、本発明の必須構成成分と組み合わせることにより、乳化させることが可能となるだけでなく、格段に優れた乳化安定性を発揮させることができる。また、汎用されている界面活性剤を用いた皮膚用乳化組成物と比べて、塗布時の感触が軽い皮膚用乳化組成物を調製することができる。なお、本発明における「塗布時の感触が軽い」とは、塗布時において濃厚クリームのような厚みのある感触ではなく、みずみずしいサラっとした感触のことを意味する。
本発明において上記成分Aは、市販品を用いることもできる。上記成分Aの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
なお、本発明の皮膚用乳化組成物中の成分Aの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、乳化安定性を高める観点、並びに、塗布時の感触が軽く、肌上での延展性が良好で、べたつきのないサラっとした使用感が得られる観点から、組成物100質量%中、0.01質量%~0.2質量%であることが好ましく、0.02質量%~0.12質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Aの含有量は、純分に換算した量である。
[成分B]
上記成分Bは、多価アルコールである。本発明においては、上記成分Bを用いることにより、優れた乳化安定性をより一層高めることができる。上記成分Bとしては、例えば、2価のアルコール、3価以上のアルコール等が挙げられる。なお、本明細書において、上記2価のアルコールを「成分B1」、上記3価以上のアルコールを「成分B2」と称することがある。
上記成分B1とは、炭化水素の2個の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称である。具体的な上記成分B1としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これら成分B1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記成分B1の中でも、乳化安定性を高める観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオールおよび1,2-ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、プロピレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオールおよび1,2-ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
上記成分B2とは、炭化水素の3個以上の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称である。具体的な上記成分B2としては、例えば、グリセリン(濃グリセリン)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、グルコシルトレハロース等が挙げられる。これら成分B2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記成分B2の中でも、乳化安定性を高める観点から、グリセリン(濃グリセリン)、ソルビトール、ジグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、グリセリン(濃グリセリン)、ソルビトールおよびジグリセリンから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
本発明において上記成分Bは、市販品を用いることもできる。上記成分Bの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
本発明の皮膚用乳化組成物中の上記成分Bの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、乳化安定性をより一層高める観点から、組成物100質量%中、1質量%~30質量%であることが好ましく、6質量%~25質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Bの含有量は、純分に換算した量である。
本発明では、優れた乳化安定性をより一層高める観点から、上記成分Bの総量に対する上記成分B1の量の質量比(成分B1の量/成分Bの総量)は、0.005~0.95の範囲を満たし調製することが好ましく、0.01~0.9の範囲を満たし調製することがより好ましい。
本発明では、優れた乳化安定性をより一層高める観点から、上記成分Bの総量に対する上記成分B2の量の質量比(成分B2の量/成分Bの総量)は、0.05~0.99の範囲を満たし調製することが好ましく、0.1~0.98の範囲を満たし調製することがより好ましい。
本発明では、優れた効果を発揮させるには、上記成分Bの総量に対する上記成分B1の量の質量比、若しくは、上記成分Bの総量に対する上記成分B2の量の質量比の何れか一方を満たし調製すればよいが、優れた乳化安定性をより顕著に発揮させるには、上記成分Bの総量に対する上記成分B1の量の質量比、並びに上記成分Bの総量に対する上記成分B2の量の質量比の双方を満たし調製することがより好ましい。
なお、本発明においては、乳化安定性をより一層高める観点から、上記成分Aに対する上記成分Bの含有量の比(成分B/成分A)は、50~800の範囲を満たし調製することが好ましく、65~700の範囲を満たし調製することがより好ましく、70~650の範囲を満たし調製することが最も好ましい。
[成分C]
上記成分Cは、室温で液状の油剤である。本発明においては、上記成分Cを用いることにより、優れた乳化安定性をより一層高めることができるだけでなく、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させることができる。
上記成分Cとしては、例えば、室温で液状である、油脂、炭化水素油、脂肪酸エステル油および高級アルコール等が挙げられる。本発明において上記成分Cは、室温で液状である、油脂、炭化水素油、脂肪酸エステル油および高級アルコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、本明細書において「室温で液状」とは、1~30℃の温度範囲で流動性がある性状をいう。
具体的な室温で液状の油脂としては、例えば、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、大豆油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、月見草油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ホホバ種子油、アボカド油等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状の油脂の中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、オリーブ油、ホホバ種子油、マカデミアナッツ油、ゴマ油、コメヌカ油、月見草油およびアボカド油から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、オリーブ油、ホホバ種子油およびマカデミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
具体的な室温で液状の炭化水素油としては、例えば、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状の炭化水素油の中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、スクワラン、流動パラフィン、軽質イソパラフィンおよび流動イソパラフィンから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、スクワラン、流動パラフィンおよび軽質イソパラフィンから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
上記脂肪酸エステル油においては、室温で液状のモノエステル油、室温で液状のジエステル油および室温で液状のトリエステル油等が挙げられる。
具体的な室温で液状のモノエステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル等の直鎖脂肪酸と低級アルコールとのモノエステル油;カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル等の直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのモノエステル油;カプリル酸プロピルヘプチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノール酸オクチルドデシル等の直鎖脂肪酸と分岐アルコールとのモノエステル油;2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、イソステアリン酸ヘキシル等の分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールとのモノエステル油;ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル等の分岐脂肪酸と分岐アルコールとのモノエステル油等が挙げられる。これら室温で液状のモノエステル油は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状のモノエステル油の中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸セチルおよびイソステアリン酸イソステアリルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸セチルおよびイソステアリン酸イソステアリルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
具体的な室温で液状のジエステル油としては、例えば、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸と多価アルコールとのジエステル油;コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル等の二塩基酸のジエステル油;炭酸ジカプリリル等の炭酸のジエステル油等が挙げられる。これら室温で液状のジエステル油は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状のジエステル油の中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、セバシン酸ジエチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジイソプロピルおよび炭酸ジカプリリルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、セバシン酸ジエチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールおよびセバシン酸ジイソプロピルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
具体的な室温で液状のトリエステル油としては、例えば、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等の脂肪酸と多価アルコールとのトリエステル油等が挙げられる。これら室温で液状のトリエステル油は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状のトリエステル油の中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルおよびトリイソパルミチン酸グリセリルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、トリエチルヘキサノイン、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリルおよびトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
具体的な室温で液状の高級アルコールとしては、例えば、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、ホホバアルコール等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記室温で液状の高級アルコールの中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノールおよびオレイルアルコールから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールおよびヘキシルデカノールから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
本発明において上記成分Cは、市販品を用いることもできる。上記成分Cの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
上記成分Cの中でも、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、室温で液状である油脂、炭化水素油および脂肪酸エステル油から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、室温で液状である油脂、炭化水素油およびトリエステル油から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、オリーブ油、スクワラン、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリルおよびトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)から選ばれる少なくとも1種を用いることが最も好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物中の上記成分Cの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から組成物100質量%中、1質量%~30質量%であることが好ましく、2質量%~20質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Cの含有量は、純分に換算した量である。
本発明においては、乳化安定性をより一層高める観点、並びに、肌上での延展性をより良好にし、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感を発揮させる観点から、上記成分Aに対する上記成分Cの含有量の比(成分C/成分A)は、20~500の範囲を満たし調製することが好ましく、30~440の範囲を満たし調製することがより好ましく、40~380の範囲を満たし調製することが最も好ましい。
[成分D]
上記成分Dは、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーおよび/又は(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーである。本発明においては、上記成分Dを用いることにより、優れた乳化安定性を更に一層高めることができる。また、格段に優れた乳化安定性を有することから、肌上での延展性、更にはべたつきのないサラっとした使用感においても各段に優れた効果を発揮させることができる。なお、上記「VP」とは、ビニルピロリドンの略であり、ビニルピロリドンを意味する。
本発明において上記成分Dは、市販品を用いることもできる。上記成分Dの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
なお、本発明の皮膚用乳化組成物中の成分Dの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、格段に優れた乳化安定性を発揮させる観点、更には、格別に良好な使用感を発揮させる観点から、組成物100質量%中、0.1質量%~1.5質量%であることが好ましく、0.3質量%~1質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Dの含有量は、純分に換算した量である。
本発明においては、乳化安定性を更に一層高める観点から、上記成分Aに対する上記成分Dの含有量の比(成分D/成分A)は、0.1~80の範囲を満たし調製することが好ましく、0.5~60の範囲を満たし調製することがより好ましく、1.0~40の範囲を満たし調製することが最も好ましい。
加えて、上記した乳化安定性や使用感といった本発明特有の効果を最大限に発揮させる観点から、上記成分Aに対する上記成分B、上記成分Cおよび上記成分Dの総量の含有量の比((成分B+成分C+成分D)/成分A)は、50~1200の範囲を満たし調製することが好ましく、80~1100の範囲を満たし調製することがより好ましく、100~1050の範囲を満たし調製することが最も好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物のpHは、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、乳化安定性の観点から、3.5~7.0であることが好ましい。pHが7.0を超えると、上記成分Aに起因する組成物の粘度低下が経時的に生じ易く、また、乳化粒子の凝縮によりクリーミングや分離を引き起こし易くなるため好ましくない。
本発明において上記pH領域に調製することができるのであれば、pH調整剤を用いても、用いなくとも構わないが、pH調製剤により調製する場合には、例えば、クエン酸、乳酸、リン酸およびこれらの塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギニン等を用いることができる。
本発明の皮膚用乳化組成物は、肌への刺激を低減させる観点、並びに、べたつきのないサラっとした良好な使用感を発揮させる観点から、実質的に上記成分A以外の界面活性剤を含有しないことが好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物は、上記成分A以外の界面活性剤が無くとも安定性に良好な乳化組成物を調製できることから、上記成分A以外の界面活性剤を実質的に含有しないことが好ましい。本発明における界面活性剤とは、一つの分子内に親水基と親油基を持つ物質であり、乳化力、可溶化力、分散力に優れた物質である界面活性剤のことを意味する。
なお、本発明における「実質的に上記成分A以外の界面活性剤を含有しない」とは、別途、乳化作用を発揮させるために界面活性剤を含有させることをしないという意味であり、各配合成分に含まれる少量の界面活性剤まで除外するものではない。即ち、本発明の皮膚用乳化組成物は、界面活性剤を含まないか、又は界面活性剤を含み且つ組成物100質量%中の界面活性剤の含有量が2質量%以下であることが好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物の用途は、肌に適用することで優れた効果を発揮することができれば特に限定されないが、例えば、乳液、美容液、保湿化粧料、シワ抑制化粧料、たるみ抑制化粧料、アクネケア化粧料等のスキンケア化粧料として用いることが好ましい。また、本発明の皮膚用乳化組成物は、化粧料、医薬部外品、指定医薬部外品、雑貨等の形態をとり得る。
本発明の皮膚用乳化組成物は、乳化安定性が良好、且つ、肌上での延展性が良く、べたつきのないサラっとしたより良好な使用感が得られることから、例えば、リキッドファンデーション、化粧下地等のメイクアップ化粧料;日焼け止め化粧料等の化粧料としても用いることができる。
本発明の皮膚用乳化組成物をメイクアップ化粧料の用途として用いる場合には、上記した成分の他に、例えば、無機粉体、有機粉体等を配合することが好ましい。
上記無機粉体の形状、粒子径、粒子構造、表面処理の有無等は、メイクアップ効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、形状としては、例えば、板状、球状、針状等が挙げられる。粒子径としては、例えば、煙霧状、微粒子、顔料級等が挙げられる。粒子構造としては、例えば、無孔質、多孔質等が挙げられる。表面処理としては、例えば、シリコーン処理、フッ素処理、金属石鹸処理等の疎水化処理等が挙げられる。
具体的な上記無機粉体としては、例えば、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化亜鉛、群青、コンジョウ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、赤酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、シリカ、ケイ酸アルミニウム、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、硫酸バリウム、カオリン、窒化ホウ素、ベントナイト、ホウケイ酸(Ca/Al)、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化亜鉛被覆マイカ等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記無機粉体の含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、メイクアップ効果を付与する観点から、組成物100質量%中、0.5質量%~20質量%であることが好ましく、2質量%~15質量%であることがより好ましい。なお、上記無機粉体の含有量は、純分に換算した量である。
上記有機粉体も無機粉体と同様に、メイクアップ効果を発揮できるのであれば特に限定されない。具体的な上記有機粉体としては、例えば、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、ポリエチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリウレタンパウダー、結晶セルロースパウダー、メタクリル酸-アクリロニトリル共重合体パウダー等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記有機粉体の含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、メイクアップ効果を付与する観点から、組成物100質量%中、0.1質量%~15質量%であることが好ましく、1質量%~10質量%であることがより好ましい。なお、上記有機粉体の含有量は、純分に換算した量である。
一方、本発明の皮膚用乳化組成物を日焼け止め化粧料の用途として用いる場合には、上記した成分の他に、紫外線防御効果を発揮する、例えば、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等を配合することが好ましい。
具体的な上記紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、サリチル酸エチレングリコール、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ポリシリコーン-15(ジメチコジエチルベンザルマロネート)、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、サリチル酸ホモメンチル、トリスビフェニルトリアジン、サリチル酸エチルヘキシル等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記紫外線吸収剤の含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、紫外線防御効果を発揮させる観点から、組成物100質量%中、2質量%~25質量%であることが好ましく、5質量%~20質量%であることがより好ましい。なお、上記紫外線吸収剤の含有量は、純分に換算した量である。
具体的な上記紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、酸化クロム、黒酸化鉄、酸化ジルコニウム、黄酸化鉄、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、セリサイト、紺青、カオリン、水酸化アルミニウム、群青、モンモリナイト、炭酸カルシウム、無水ケイ酸等が挙げられる。これら成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記紫外線散乱剤の含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、紫外線防御効果を発揮させる観点から、組成物100質量%中、2質量%~25質量%であることが好ましく、4質量%~20質量%であることがより好ましい。なお、上記紫外線散乱剤の含有量は、純分に換算した量である。
[その他成分]
本発明の皮膚用乳化組成物には、上記した成分の他に、例えば、上記した成分C以外の油剤;上記した成分D以外の増粘剤;保湿剤、香料、pH調整剤、皮膜形成剤、キレート剤、低級アルコール、アルカリ剤、ビタミン剤、収れん剤、酸化防止剤、防腐剤、着色料、植物発酵エキス、精製水等を目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の皮膚用乳化組成物の性状は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、例えば、乳液状、クリーム状とすることが好ましい。
本発明の皮膚用乳化組成物は、乳化剤型をとり得るのであれば、O/Wエマルション(水中油型)、W/Oエマルション(油中水型)、W/O/Wエマルション(水中油中水型)、O/W/Oエマルション(油中水中油型)の何れの形態であっても特に限定されないが、乳化安定性に優れ、塗布時の感触が軽く、格段に優れた使用感が得られる観点から、O/Wエマルション(水中油型)であることが好ましく、中でも、延展時の使用感を良好にする観点から、D相乳化法により調製したO/Wエマルション(水中油型)であることがより好ましい。なお、D相乳化法によるO/Wエマルション(水中油型)の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて調製することができる。
本発明の皮膚用乳化組成物を適用する部位は、特に限定されないが、一例として、顔(額、目元、目じり、頬、口元等)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、デコルテ、脇、背中等に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。
実施例および比較例では、下記成分を用いた。
[成分A]
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸:商品名「Amitose GMA」(株式会社成和化成社製)
[成分B]
成分B1)1,3-ブチレングリコール:商品名「精製1,3-BG(B)」(日本リファイン株式会社製)
成分B1)プロパンジオール:商品名「Zemea Select プロパンジオール」(デュポンテートアンドライルバイオプロダクツ社製)
成分B1)1,2-ペンタンジオール:商品名「A-Leen 5(Green Pentanediol)」(Minasolve社製)
成分B1)ジプロピレングリコール:商品名「ジプロピレングリコール(DPG-FC)」(AGC株式会社製)
成分B1)1,2-ヘキサンジオール:商品名「KMO-6」(株式会社感光社製)
成分B2)グリセリン:商品名「局方濃グリセリン」(花王株式会社製)
[成分C]
オリーブ油:商品名「NIKKOL オリーブ油」(日光ケミカルズ株式会社製)
スクワラン:商品名「NIKKOL シュガースクワラン」(日光ケミカルズ株式会社製)
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル:商品名「Miglyol 829」(IOI OLEOCHEMICAL社製)
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル:商品名「MYRITOL GTEH」(BASFジャパン株式会社製)
パルミチン酸2-エチルヘキシル:商品名「NIKKOL IOP」(日本サーファクタント工業株式会社製)
セバシン酸ジエチルヘキシル:商品名「FineNeo-EHS」(日本精化株式会社製)
イソステアリルアルコール:商品名「イソステアリルアルコール EX」(高級アルコール工業株式会社製)
[成分D]
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー:商品名「ARISTOFLEX AVC」(クラリアントジャパン株式会社製)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:商品名「PEMULEN TR-2 POLYMER」(Lubrizol社製)
(試料の調製1)
表1~表3に記した組成に従い、実施例1~14および比較例1~6の皮膚用乳化組成物を常法に準じて調製し、下記評価に供した。結果を表1~表3に記す。なお、表中の配合量は、全ての純分換算した値である。
(試験例1:乳化安定性の評価)
実施例および比較例の各試料を50mL容の透明ガラス容器に夫々封入し、50℃の恒温槽に3週間保管した。保管後の乳化系の状態を目視観察し、以下の評価基準に従って評価した。
<乳化安定性の評価基準>
◎(非常に良好):製剤直後と全く変化が認められない
○(良好):僅かな減粘が認められるものの、ほとんど変化は認められない
△(不十分):明らかな減粘が認められる
×(不良):液状へと変化している、若しくは、分離している。
上記試験例1の乳化安定性の評価において、「◎(非常に良好)」、「○(良好)」、「△(不十分)」の結果が得られた各試料について下記試験に供した。
(試験例2:使用感の評価)
各実施例および各比較例で得られた皮膚用乳化組成物1gを手の甲へ塗布して使用試験を実施し、「塗布時の感触」、「延展性」、「延展後のべたつき」に関して官能評価を行い、下記1点~5点の評価点に従ってスコア付けをした。なお、評価は、5名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合判断して決定した。
「塗布時の感触」の評価は、塗布した際の感触が軽いほど高得点とした。「延展性」の評価は、塗布した際の延び広がりが良いほど高得点とした。「延展後のべたつき」の評価は、延展後のべたつきを感じず、サラっとしているほど高得点とした。
下記5段階の評価基準に従って評価した。結果は、専門評価パネルの平均点を算出し、下記判定基準に従って判定を行った。
<評価基準>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<判定基準>
◎:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
Figure 2024034984000001
Figure 2024034984000002
Figure 2024034984000003
表1および表2の結果からも明らかなように、本発明の必須構成成分を充足する実施例1~14では、乳化安定性、塗布時の感触、塗布時の延展性および延展後のべたつきにおいて非常に良好であることが分かる。すなわち、本発明の皮膚用乳化組成物は、乳化安定性に優れ、塗布時の感触が軽く、格段に優れた使用感が得られるだけでなく、肌上での延展性に優れ、べたつきのないサラっとした使用感が得られるという、これまでには発揮させることができなかった格別顕著な効果を奏するものであると言える。
これに対して、本発明の必須構成成分を充足しない比較例1~6では、乳化安定性を十分に発揮できていないことが分かる。加えて、必須成分であるミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸を、乳化作用を有する界面活性剤として汎用のステアリン酸ポリグリセリル-10に置き換えた比較例5では、本発明特有の効果である、塗布時の感触が軽く、格段に優れた使用感が得られるだけでなく、肌上での延展性に優れ、べたつきのないサラっとした使用感を発揮できないものであることが分かった。
以下、本発明の皮膚用乳化組成物の一実施形態を示す。なお、配合量は「質量%」を表す。製法は常法による。
<実施例15:スキンクリーム(pH4.3)>
プロパンジオール 8.0%
グリセリン 7.5%
スクワラン 5.0%
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル 5.0%
1,3-ブチレングリコール 3.0%
1,2-ペンタンジオール 2.0%
セテアリルアルコール 1.0%
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0%
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー 0.70%
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸 0.05%
t-ブタノール 0.02%
クエン酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0%
<実施例16:スキンクリーム(pH3.5)>
プロパンジオール 8.0%
グリセリン 7.5%
スクワラン 5.0%
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル 5.0%
1,3-ブチレングリコール 3.0%
1,2-ペンタンジオール 2.0%
セテアリルアルコール 1.0%
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0%
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.90%
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸 0.05%
3-0-エチルアスコルビン酸 1.0%
水酸化カリウム 0.12%
クエン酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0%
<実施例17:乳液(pH4.5)>
プロパンジオール 8.0%
スクワラン 5.0%
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル 5.0%
グリセリン 3.5%
1,3-ブチレングリコール 3.0%
1,2-ペンタンジオール 2.0%
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0%
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー 0.4%
セテアリルアルコール 0.2%
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸 0.05%
t-ブタノール 0.01%
クエン酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0%
<実施例18:リキッドファンデーション(pH6.5)>
グリセリン 12.0%
プロパンジオール 8.0%
酸化チタン 8.0%
スクワラン 5.0%
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル 5.0%
1,3-ブチレングリコール 3.0%
1,2-ペンタンジオール 2.0%
含水シリカ 1.3%
セテアリルアルコール 1.3%
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.0%
酸化鉄 0.8%
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー 0.7%
水酸化Al 0.1%
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸 0.1%
t-ブタノール 0.02%
クエン酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0%
<実施例19:ジェルクリーム(pH4.3)>
プロパンジオール 8.0%
グリセリン 5.5%
スクワラン 1.0%
オリーブ油 0.5%
パルミチン酸2-エチルヘキシル 0.5%
セバシン酸ジエチルヘキシル 0.5%
イソステアリルアルコール 0.5%
(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル 3.0%
1,3-ブチレングリコール 2.0%
1,2-ペンタンジオール 1.0%
プロピレングリコール 1.0%
ジプロピレングリコール 0.5%
1,2-ヘキサンジオール 0.5%
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー 0.70%
ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸 0.05%
t-ブタノール 0.02%
クエン酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0%
上記実施例15~19の皮膚用乳化組成物においても、上記と同様の試験を行った結果、乳化安定性、塗布時の感触、塗布時の延展性および延展後のべたつきにおいて非常に良好な結果が得られた。

Claims (4)

  1. 下記成分A、下記成分B、下記成分C、並びに下記成分Dを含有することを特徴とする皮膚用乳化組成物。
    成分A:ミリスチル2-グリセリルアスコルビン酸
    成分B:多価アルコール
    成分C:室温で液状の油剤
    成分D:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーおよび/又は(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
  2. 前記成分Aに対する前記成分Bの含有量の比(成分B/成分A)が、50~800である請求項1に記載の皮膚用乳化組成物。
  3. 前記成分Aに対する前記成分Cの含有量の比(成分C/成分A)が、20~500である請求項1又は2に記載の皮膚用乳化組成物。
  4. 前記成分Aに対する前記成分Dの含有量の比(成分D/成分A)が、0.1~80である請求項1又は2に記載の皮膚用乳化組成物。
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