JP2024034606A - Pzt薄膜積層体の成膜方法およびpzt薄膜積層体 - Google Patents

Pzt薄膜積層体の成膜方法およびpzt薄膜積層体 Download PDF

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Kohei Matsuoka
達朗 露木
Tatsuro Tsuyuki
宏樹 小林
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祥貴 石渡
Yoshiki Ishiwatari
浩一 松本
Koichi Matsumoto
正樹 對馬
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【課題】さらに圧電特性を向上させることができるPZT薄膜積層体の成膜方法およびPZT薄膜積層体を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係るPZT薄膜積層体の成膜方法は、基板上に設けられた白金電極層を有する基板を準備し、ランタン及びニッケルと、ニオブとをドープした成膜源を用いてPZT膜を形成する工程を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いたPZT薄膜積層体を製造する方法およびPZT薄膜積層体に関する。
優れた圧電性、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)(以下、PZTともいう)からなる薄膜は、その強誘電性を生かし、不揮発性メモリ(FeRAM)等のメモリ素子、インクジェットヘッドや加速度センサ等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術に応用されている。
近年、スパッタリングによってPZT膜を形成する場合、下地層として白金電極層とPZT薄膜との間にLaNiOからなるバッファ層を形成することによって、圧電定数及び絶縁耐圧を向上させることが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、ニッケルを含有する金属をドープしたPZTターゲットを用い、500℃未満の温度下において、LaNiO3からなるバッファ層上にスパッタリングによってPZT薄膜層を形成することで、PZT薄膜の絶縁耐圧を向上させる技術が開示されている。
国際公開第2015/137198号 特開2019-52326号公報
このようにPZT膜は、圧電特性の向上が求められている。そこで本発明の目的は、さらに圧電特性を向上させることができるPZT膜の成膜方法およびPZT薄膜積層体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るPZT薄膜積層体の製造方法は、基板上に設けられた白金電極層を有する基板を準備することを含む。
ランタン及びニッケルと、ニオブとをドープした成膜源を用いてPZT膜を形成する工程を有する。
上記白金電極層上に設けられたLaNiOからなるバッファ層を有してもよい。
上記バッファ層の厚みは、5nm以上200nm以下であってもよい。
上記ランタンの含有量は、化学量論組成のチタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して0.5原子%以上5原子%以下であり、
上記ニッケルの含有量は、化学量論組成のチタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して0.5原子%以上5原子%以下であり、
上記ニオブの含有量は、上記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して2原子%以上20原子%以下であってもよい。
上記ランタンの含有量は、上記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して3原子%であり、
上記ニッケルの含有量は、上記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して3原子%であり、
上記ニオブの含有量は、上記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して6原子%であってもよい。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るPZT薄膜積層体は、基板上に設けられた白金電極層と、上記白金電極層上に設けられたランタン及びニッケルとニオブとが所定量含有されたPZT膜と備える。
本発明によれば、PZT薄膜層を形成する際に、ランタン及びニッケルとニオブとを含有する金属をドープした成膜源を用いることにより、PZT膜の圧電特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るPZT薄膜積層体の一構成例を示す概略断面図である。 PZT薄膜積層体にドープする金属の種類およびバッファ層の厚みによる圧電定数の関係を示す実験結果である。 PZT薄膜積層体にドープする金属の種類によるPZT薄膜積層体の平均故障寿命の関係を示す図である。 PZT薄膜積層体にドープする金属の種類による圧電定数と成膜温度の関係を示す実験結果である。 PZT薄膜積層体のX線解析の実験結果であり、(A)は比較例2における実験結果、(B)は実施例1における実験結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[PZT薄膜積層体]
図1は、本発明の一実施形態に係るPZT薄膜積層体100の一構成例を示す概略断面図である。
PZT薄膜積層体100は、基板1上に、酸化シリコン層2、密着層3、白金層4、バッファ層5及びPZT層6を順に積層することで構成される。
基板1は、典型的には、Si基板等の半導体基板である。これ以外にも、ガラス基板等の他の材料で構成された基板が採用されてもよい。基板1の厚みは特に限定されず、例えば、725μmである。
酸化シリコン層2は、基板1の表面に形成された自然酸化膜(熱酸化膜)でもよいし、基板1の表面にスパッタ法やCVD法などで形成されたスパッタ膜や蒸着膜などであってもよい。酸化シリコン層2の厚みは特に限定されず、例えば、100nmである。
密着層3は、酸化シリコン層2と白金層4との間の密着性を高めるためのもので、例えば、酸化チタンあるいは金属チタンで構成される。密着層3は例えばスパッタ法で形成される。密着層3の厚みは特に限定されず、例えば、35nmである。
白金層4は、下部電極として構成される導体層であり、例えば、スパッタ法で密着層3の上に形成される。白金層4の厚みは特に限定されず、例えば、100nmである。
バッファ層5は、PZT層6の下地層を構成し、PZT層6と同様にペロブスカイト構造を有する。バッファ層5は、ランタン(La)とニッケル(Ni)と酸素(O)を含む材料(LNO:LaNiO)で構成される。バッファ層5は、例えば、スパッタ法で白金層4の上の形成される。この場合、スパッタリングターゲットとしてLaNiOターゲットを用い、スパッタガスである例えばアルゴンガス中において、高周波電力(例えば13.56MHz)を印加してスパッタリングを行う。スパッタリングの際の基板温度は、400℃より低い温度に設定することが好ましい。例えば、300℃以上350℃以下に設定することが好ましい。
バッファ層5の厚みは特に限定されず、例えば、5nm以上200nm以下である。バッファ層5の厚みを200nm以下とすることで、パイロクロア相などの異相のない、ペロブスカイト単相構造の膜を安定に形成することができる。また、PZT層6の下地層としてバッファ層5が5nm以上形成されることにより、結晶性の高いPZT層6を安定に形成することができ、10nm以上形成されることにより、より結晶性の高いPZT層6を安定に形成することができる。
PZT層6は、ペロブスカイト構造を有するPZT膜である。PZT層6は、化学量論組成のチタン酸ジルコン酸鉛(ここでは、Pb1.30Zr0.52Ti0.483(以下、「PurePZT」ともいう))に対して、ランタン(La)及びニッケル(Ni)とニオブ(Nb)とがそれぞれ所定量ずつドープされたPZTターゲットをスパッタすることで形成される。PZT層6の厚みは特に限定されず、例えば、2μmである。
PZTターゲットにおけるランタン及びニッケルを含有する金属のドープ量は特に限定されることはないが、PZT100atm%に対してそれぞれ0.5atm%以上5atm%以下に設定することが好ましく、より好ましくはPZT100atm%に対して3atm%である。
またPZTターゲットにおけるニオブを含有する金属のドープ量は特に限定されることはないが、PZT100atm%に対して2atm%以上20atm%以下に設定することが好ましく、より好ましくはPZT100atm%に対して6atm%以上20atm%以下であり、最も好ましくはPZT100atm%に対して6atm%である。
本実施形態では、PurePZTにランタン及びニッケルとニオブとが所定量ずつドープされているがこの組み合わせに限らない。これ以外にも、マンガン(Mn2+、Mn3+)などを追加でドープしてもよい。
成膜条件としては、スパッタガスである例えばアルゴンガス中において、高周波電力(例えば13.56MH)を印加してスパッタリングを行う。
スパッタリングの際の基板温度は、500℃より低い温度に設定することが好ましい。例えば、425℃以上485℃以下に設定することが好ましい。
なお図示せずとも、PZT薄膜積層体100は、上部電極として、PZT膜6の上に形成された導体層をさらに有する。上部電極は、下部電極(白金層)と同様な導体層で構成されてもよい。
[PZT薄膜積層体の製造方法]
続いて、PZT薄膜積層体100の製造方法について説明する。
<LaNiOからなるバッファ層の形成>
Si基板上に、SiO層(酸化シリコン層2)と、密着層であるTiO層(密着層3)と、白金電極層(白金層4)がこの順序で形成された評価用基板を用いた。
この評価用基板を用い、DCパルススパッタリング法により、白金層4の表面に、膜厚100nmのLaNiO層からなるバッファ層5を形成した。この場合、スパッタリングターゲットとしてLaNiOターゲットを用い、スパッタガスとしてアルゴンガスを用いて圧力0.1Paとした。また、スパッタリングの際の基板温度は350℃となるように制御した。
<PZT薄膜層の形成>
PZT層6は、スパッタリング装置(株式会社ULVAC製 SME200E)を用いてRFマグネトロンスパッタリング法で成膜される。ターゲット材料には、上述のように、PurePZTに対して、ランタン及びニッケルとニオブ(Nb)とがそれぞれ所定量ずつドープされた成膜源であるPZTターゲットが用いられる。PZTターゲットは、図示しない真空チャンバに設置される。なおPZT薄膜層の形成はスパッタリング法に限定されることなく、蒸着法、CVD法やゾルゲル法など公知の成膜技術を採用することができる。
上述した蒸着法の場合、例えば真空蒸着法では、真空チャンバ内でPurePZTに対して、ランタン及びニッケルとニオブ(Nb)とがそれぞれ所定量ずつドープされた成膜源である蒸着材料を蒸発させてPZT層6を形成することができる。
また上述したCVD法の場合、例えば熱CVD法では、チャンバ内にPurePZTに対して、ランタン及びニッケルとニオブ(Nb)とがそれぞれ所定量ずつドープされガス化された成膜源を供給し、熱エネルギーを加えることによってPZT層6を形成することができる。
また上述したゾルゲル法の場合、PurePZTに対して、ランタン及びニッケルとニオブ(Nb)とがそれぞれ所定量ずつドープされ、溶媒に溶かされた成膜源である溶液を例えばスピンコート法によってバッファ層5表面に塗布してPZT層6を形成することができる。
酸化シリコン層2、密着層3、白金層4及びバッファ層5が順に積層された基板1は、減圧雰囲気に維持された真空チャンバの内部に搬入され、PZTターゲットに対向配置されたステージ上に載置される。真空チャンバの内部にアルゴンガスが導入され、所定の圧力下においてPZTターゲットをスパッタすることで、基板1のバッファ層5上にPZT層6が成膜される。
放電方式としては、典型的には、高周波電力(例えば、13.56MHz)を用いたマグネトロンRF放電方式が採用される。成膜圧力は、典型的には、0.5Pa以下であり、好ましくは、0.03Pa以上0.5Pa以下である。成膜圧力が低いほど、高温安定性、絶縁耐圧に優れたPZT膜を形成することができる。
基板温度は、500℃以下が好ましく、例えば、425℃以上485℃以下である。基板温度を500℃以下にすることで、PZTの粒成長が抑制され、PZT層6の表面粗さを小さくすることができる。
真空チャンバ内において基板1を支持するステージは、典型的にはフローティング電位に接続される。これに限られず、ステージは、グランド電位との間のインピーダンスを制御可能に構成されてもよい。これにより、スパッタ時における基板1の電位を任意に調整することが可能となり、プラズマ中のイオンによる基板表面への逆スパッタを制御することで、内部欠陥の少ないPZT層6を形成することができる。
PurePZT100原子%に対して、ランタン及びニッケルをそれぞれ0.5原子%以上ドープされたPZTターゲットをスパッタすることで形成されるPZT層6は、ランタン(La)により酸素イオンの空孔の発生が抑制され、ニッケル(Ni)により鉛イオンの空孔の発生が抑制されるため、欠陥が抑制されたペロブスカイト構造のPZT結晶を安定に形成することができる。これにより、PZT層6の絶縁耐圧及び高温安定性を向上させることができる。
またPurePZT100原子%に対して、ニオブ(Nb)がドープされたPZTターゲットをスパッタすることで形成されるPZT層6の圧電定数を向上させることができる。ニオブ(Nb)が20原子%を超えると結晶配向性が悪くなる場合がある。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
厚み100nmのSiO層(酸化シリコン層2)が形成された直径8インチのSi基板(基板1)上に、スパッタ法により、厚み35nmのTiO層(密着層3)と、厚み100nmの白金電極層(白金層4)とをこの順序で形成した。
続いて、DCパルススパッタリング法により、白金層4の表面に、厚み100nmのLaNiO層からなるバッファ層5を形成した。なお、スパッタリングターゲットとしてLiNiOターゲットを用い、0.1Paのアルゴンガス雰囲気中でスパッタした。また、このときの基板温度は350℃とした。
続いて、RFマグネトロンスパッタ法により、バッファ層5の表面に、厚み2μmのPZT薄膜(PZT層6)を形成した。スパッタリングターゲットには、PurePZT100原子%に対して、ランタン及びニッケルをそれぞれ3原子%、とニオブ(Nb)を6原子%それぞれドープしたPZTターゲットを用い、0.2Paのアルゴンガス雰囲気中で当該PZTターゲットをスパッタした。基板温度は、485℃とした。
成膜したPZT層6の評価結果を以下に示す。図2は、PZT層6にドープする金属の種類およびバッファ層5の厚みによる圧電定数の関係を示す実験結果である。図2に示されるように、本実施例のPZT薄膜積層体であるPZTAの圧電定数(-e31)は、16.5C/mであった。
また図3は、PZT薄膜積層体100にドープする金属の種類によるPZT薄膜積層体100の平均故障寿命の関係を示す図である。図3に示すように、実施例1における成膜したPZT層6の高温安定性を評価した。高温安定性の評価とは、低電界における経時破壊現象TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)の評価をいい、上記上部電極が形成されたPZT膜の平均故障寿命(MTTF:Mean Time to Failure)を測定した。MTTF(単位;時間(h))は、ワイブル分布(Weibll distribution)を用いて計算した。MTTFは、85℃の高温環境下において、+40Vの電圧をPZT膜に印加し続けたときの絶縁破壊に至るまでの時間とした。ここでは、直径500μmの上部電極に1μAを超えるリーク電流を検出しことをもってPZT膜の絶縁破壊と定義した。測定値は、ワイブル分布モデルを用いて10回以上の測定結果から算出した結果、本実施例のPZT薄膜積層体であるPZTAのMTTFは、おおよそ1×10時間であった。
さらに図4は、圧電定数と成膜温度の関係を示す図であり、図4に示されるように、成膜温度が600℃を超える(特に700℃を超える)と圧電定数が低下した。
図5は、PZT薄膜積層体100のX線解析の実験結果であり、(A)は比較例2における実験結果、(B)は実施例1における実験結果である。
図5(B)に示されるように本実施例のPZT薄膜積層体であるPZTAの(001)/(100)の配向からパイロクロア相の成長は確認されなかった。
(実施例2)
本実施例ではバッファ層5の厚みが40nmであること以外は実施例1と同一の条件である。
図2に示されるように本実施例のPZT薄膜積層体であるPZTA'の圧電定数(-e31)は、17.5C/mであった。
(比較例1)
PZTターゲットとして、PurePZTを用いたこと以外は実施例1と同一の条件でPZT膜を成膜した。
図2に示されるように本比較例のPZT薄膜積層体の圧電定数(-e31)は、14.6C/mであった。
図3に示されるように、本比較例のPZT薄膜積層体のMTTFは、おおよそ2000時間であった。
(比較例2)
PZTターゲットとして、PurePZT100原子%に対してランタン及びニッケルをそれぞれ3原子%ドープしたターゲットを用いたこと以外は実施例1と同一の条件でPZT膜を成膜した。
図2に示されるように本比較例のPZT薄膜積層体の圧電定数(-e31)は、14.7C/mであった。
図3に示されるように、本比較例のPZT薄膜積層体のMTTFは、おおよそ2×10時間であった。
また図5(A)に示されるように、本比較例のPZT薄膜積層体の(001)/(100)の配向からパイロクロア相の成長は確認されなかった。
実施例1、2及び比較例1、2におけるPZTターゲット組成及びPZT層6の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2024034606000002
実施例1によれば、比較例1、2よりも圧電定数の値が向上することが確認された。また、実施例1によれば、比較例1、2よりもTDDBにおけるМTTFの値が大幅に向上することが確認された。これにより、圧電定数の値の向上およびМTTFの値の大幅な向上をさせることができる(圧電特性の向上が確認された)。
実施例2によれば、実施例1よりも圧電定数の値が向上することが確認された。さらにバッファ層5を薄くすることができるので(少ない材料で生産できるので)、生産性を向上させることができる。またバッファ層5を薄くすることができるため、PZT薄膜積層体100全体を薄くすることができるため、軽量化や小型化が可能となる。
つまり、バッファ層5の厚みを薄くするほど、圧電定数の値を大幅に向上させることができる。またLa(ランタン)及びNi(ニッケル)とNb(ニオブ)とをドープすることで圧電定数の値と、TDDBとを向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、PurePZT100原子%に対するランタン及びニッケルのドープ量を0.5原子%以上5原子%以下としたが、これに限られず、所望とする圧電特性、絶縁耐圧、及び高温安定性が得られる限りにおいて、5原子%を超える量のランタン及びニッケルがドープされてもよい。またニオブにおいても同様にドープ量を2原子%以上20原子%以下としたが、これに限られず、所望とする圧電特性、絶縁耐圧、及び高温安定性が得られる限りにおいて、20原子%を超える量のニオブがドープされてもよいし、2原子%未満のニオブがドープされてもよい。また以上の実施形態では、白金層4上にバッファ層5を介してPZT層6を設けていたが、これに限らず、白金層4上にPZT層6を設けてもよい。さらに以上の実施形態では、酸化シリコン層2上に密着層3を介して白金層4を設けていたが、これに限らず、酸化シリコン層2上に白金層4を設けてもよい。
1…基板
2…酸化シリコン層
3…密着層
4…白金層
5…バッファ層
6…PZT層
100…PZT薄膜積層体

Claims (6)

  1. 基板上に設けられた白金電極層を有する基板を準備し、
    ランタン及びニッケルと、ニオブとをドープした成膜源を用いてPZT膜を形成する工程を有する
    PZT薄膜積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のPZT薄膜積層体の製造方法であって、
    前記白金電極層上に設けられたLaNiOからなるバッファ層を有する
    PZT薄膜積層体の製造方法。
  3. 請求項2に記載のPZT薄膜積層体の製造方法であって、
    前記バッファ層の厚みは、5nm以上200nm以下である
    PZT薄膜積層体の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載のPZT薄膜積層体の製造方法であって、
    前記ランタンの含有量は、化学量論組成のチタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して0.5原子%以上5原子%以下であり、
    前記ニッケルの含有量は、化学量論組成のチタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して0.5原子%以上5原子%以下であり、
    前記ニオブの含有量は、前記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して2原子%以上20原子%以下である
    PZT薄膜積層体の製造方法。
  5. 請求項4に記載のPZT薄膜積層体の製造方法であって、
    前記ランタンの含有量は、前記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して3原子%であり、
    前記ニッケルの含有量は、前記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して3原子%であり、
    前記ニオブの含有量は、前記チタン酸ジルコン酸鉛100原子%に対して6原子%である
    PZT薄膜積層体の製造方法。
  6. 基板上に設けられた白金電極層と、前記白金電極層上に設けられたランタン及びニッケルとニオブとが所定量含有されたPZT膜と
    を具備するPZT薄膜積層体。
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