JP2024033676A - 両面粘着シート - Google Patents

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JP2024033676A JP2022137411A JP2022137411A JP2024033676A JP 2024033676 A JP2024033676 A JP 2024033676A JP 2022137411 A JP2022137411 A JP 2022137411A JP 2022137411 A JP2022137411 A JP 2022137411A JP 2024033676 A JP2024033676 A JP 2024033676A
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健太 定司
Kenta Jozuka
卓也 藤田
Takuya Fujita
一樹 箕浦
Kazuki Minoura
智行 尾▲崎▼
Tomoyuki Ozaki
勇人 幾波
Hayato Ikunami
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Abstract

【課題】耐衝撃性に優れ、且つ糊はみだしが起こりにくい両面粘着シートを提供する。【解決手段】両面粘着シート1は、基材2と、基材2の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層3,4とを備える。粘着剤層3,4の厚さは12μm以上である。両面粘着シート1の厚さは60μm以上である。両面粘着シート1は、サイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層し、厚さ方向に1.5MPaの荷重を加え、その後荷重を解除する操作を1000回繰り返す圧縮試験において、1000回目圧縮後の厚さの減衰率は30%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は両面粘着シートに関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯電子機器に用いられる粘着シートには、高い粘着力をはじめとする様々な性能が求められている。例えば、高い粘着力を有することに加え、衝撃が加わった場合であっても剥がれることがなく、且つ、部品に強い衝撃が加わらないことも必要とされている。
特許文献1および2には、優れた耐衝撃性を発現できる両面粘着シートとして特定のフィラーを含む粘着剤組成物により形成された粘着剤層を備える両面粘着テープが開示されている。
特開2020-128454号公報 特開2021-24907号公報
粘着シートの耐衝撃性をさらに向上させようとした際、粘着剤層の柔軟性を向上させることが考えられる。しかし、粘着剤層の柔軟性が高い場合、粘着シートが繰り返し屈曲を受けた際などに粘着剤層が接着領域からはみ出る、いわゆる糊はみだしが起こりやすくなるという問題があった。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、その目的は、耐衝撃性に優れ、且つ糊はみだしが起こりにくい両面粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造および性質を有する両面粘着シートによれば、耐衝撃性に優れ、且つ糊はみだしが起こりにくい両面粘着シートを提供可能であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、基材と、上記基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを備える両面粘着シートであり、
上記粘着剤層の厚さは12μm以上であり、
上記両面粘着シートの厚さは60μm以上であり、
サイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層し、厚さ方向に1.5MPaの荷重を加え、その後荷重を解除する操作を1000回繰り返す圧縮試験において、1000回目圧縮後の厚さの減衰率は30%以下である両面粘着シートを提供する。
上記基材の貯蔵弾性率は2MPa以上であり、
上記両面粘着シートの厚さに対する上記基材の厚さの割合は10%以上であることが好ましい。
上記基材の厚さは20μm以上であることが好ましい。
上記粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力は0.6MPa以上であることが好ましい。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、またはウレタン系粘着剤を少なくとも含むことが好ましい。
上記両面粘着シートは電気電子機器における部材同士の固定用の両面粘着シートであることが好ましい。
また、本発明は、上記両面粘着シートを備え、
上記両面粘着シートは両方の粘着面で部材同士を固定している、電気電子機器を提供する。
本発明の両面粘着シートによれば、耐衝撃性に優れ、且つ糊はみだしが起こりにくい両面粘着シートを提供することが可能である。このため、例えば携帯電子機器に使用した際、落下衝撃を受けた場合や被着体が変形した場合であっても破損や剥離が起こりにくく、それでいて例えば繰り返しの屈曲を受けた場合であっても粘着剤層が粘着領域からはみだしにくい。
本発明の両面粘着シートの一実施形態を示す断面模式図である。 圧縮試験の評価方法を説明するための断面模式図である。
[両面粘着シート]
本発明の一実施形態に係る両面粘着シートは、基材と、上記基材の両面に設けられた粘着剤層と、を備える。
図1は、本発明の両面粘着シートの一実施形態を示す断面模式図である。図1に示すように、両面粘着シート1は、基材2と、基材2の一方の面に設けられた粘着剤層3と、基材2の他方の面に設けられた粘着剤層4とを備える。粘着剤層3および粘着剤層4の表面には、それぞれ、はく離ライナー5およびはく離ライナー6が設けられていてもよい。
本発明の両面粘着シートの厚さは、60μm以上であり、好ましくは100μm以上である。上記厚さが60μm以上であることにより、耐衝撃性に優れる。上記厚さは、500μm以下が好ましく、より好ましくは400μm以下である。上記厚さが500μm以下であると、糊はみ出しがより起こりにくい。また、加工性に優れる。なお、上記両面粘着シートの厚さは、一方の粘着面から他方の粘着面までの厚さ、すなわち粘着体の厚さをいい、はく離ライナーを含まない。
本発明の両面粘着シートは、サイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層し、厚さ方向に1.5MPaの荷重を加え、その後荷重を解除する操作を1000回繰り返す圧縮試験において、1000回目圧縮後の厚さの減衰率が30%以下であり、好ましくは28%以下、より好ましくは24%以下、さらに好ましくは20%以下である。上記減衰率が30%以下であることにより、繰り返しの屈曲を受けた場合であっても両面粘着シートの厚さが変化しにくく、糊はみだしが起こりにくい。上記減衰率は、耐衝撃性に優れる観点から、例えば1%以上、好ましくは5%以上であり、10%以上であってもよい。
上記圧縮試験は、両面粘着シート(はく離ライナーを備えない粘着体)をサイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層した粘着シート積層体について評価され、下記式により算出される。なお、上記粘着シート積層体は、厚さ1mm以上となるまで積層して得られ、1mm以上となった段階で次の両面粘着シートの積層は行わない。上記厚さ減衰率は、両面粘着シートにおける基材の厚さ割合、貯蔵弾性率、粘着剤層の厚さ割合などを調整することによって適宜に設計することができる。
厚さ減衰率(%)=(初期厚さ-試験後厚さ)/初期厚さ×100
上記両面粘着シートの総厚さ(粘着体の厚さ)に対する基材の厚さの割合は、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。上記割合が10%以上であると、厚さ減衰率をより低くすることができる。また、両面粘着シートを任意のタイミングや方法で簡単に解体できる易解体性(リワーク性)に優れる。上記割合は、80%以下が好ましく、より好ましくは65%以下、さらに好ましくは50%以下である。上記割合が80%以下であると、相対的に粘着剤層の厚さが厚くなり、耐衝撃性により優れる。
上記両面粘着シートの総厚さ(粘着体の厚さ)に対する粘着剤層の総厚さの割合は、20%以上であることが好ましく、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは50%以上である。上記割合が20%以上であると、耐衝撃性により優れる。上記割合は、90%以下が好ましく、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下である。上記割合が90%以下であると、厚さ減衰率をより低くすることができ、またリワーク性に優れる。
上記両面粘着シートの総厚さ(粘着体の厚さ)に対する片面の粘着剤層の総厚さの割合は、17%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。上記割合が17%以上であると、耐衝撃性により優れる。上記割合は、45%以下が好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である。上記割合が45%以下であると、厚さ減衰率をより低くすることができ、またリワーク性に優れる。
上記両面粘着シートは、衝撃吸収量が0.4J以上であることが好ましく、より好ましくは0.5J以上、さらに好ましくは0.6J以上、さらに好ましくは0.7J以上、特に好ましくは0.8J以上である。上記衝撃吸収量が0.4J以上であると、耐衝撃性により優れる。また、上記両面粘着シートの耐衝撃性に優れる観点から、上記両面粘着シートは、粘着剤層がフィラーを含むこと、および、両面粘着シート中の粘着剤層の総厚さが150μm以上であることの少なくとも一方を満たすことが好ましい。
(基材)
上記基材は、両面粘着シートにおいて支持体として機能する要素である。上記基材は、単層であってもよいし、同種または異種の基材の積層体であってもよい。
上記基材の貯蔵弾性率は、2MPa以上であることが好ましく、より好ましくは5MPa以上であり、1000MPa以上であってもよい。上記貯蔵弾性率が2MPa以上であると、厚さ減衰率をより低くすることができる。上記貯蔵弾性率は、室温環境下で、動的粘弾性を周波数1Hzにおいて実施した時に測定されるものである。
上記基材は、23℃における周波数10kHz~3.5MHzでの損失正接tanδの最大値が0.83以下であることが好ましく、より好ましくは0.80以下、さらに好ましくは0.75以下、さらに好ましくは0.70以下、さらに好ましくは0.65以下、さらに好ましくは0.60以下、特に好ましくは0.50以下である。上記tanδの最大値は、耐衝撃性により優れる観点から、例えば0.20以上であり、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.35以上である。上記基材が複層(積層体)で構成される場合、全ての基材について、上記tanδの最大値は0.83以下であることが好ましい。上記周波数の範囲は落下衝撃に対応する周波数であり、上記周波数領域におけるtanδの最大値が0.83以下であると、耐衝撃性に優れつつ、リワーク性にも優れる。
上記基材としては、例えば、プラスチック基材(例えばプラスチックフィルム)、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シートなどが挙げられる。上記基材としては、プラスチック基材(特にプラスチックフィルム)が好ましい。また、上記基材は非発泡シートであることが好ましい。
上記プラスチック基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン(ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン等)、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ゴム系樹脂(天然ゴム系、合成ゴム系、これらの混合系等):ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルイミド;アラミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド;ポリフェニルスルフィド;フッ素樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;セルロース樹脂;シリコーン樹脂などが挙げられる。上記樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく熱硬化性樹脂であってもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。上記熱可塑性樹脂は熱可塑性ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーであってもよい。上記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)は、硬質相(ハードセグメント)と軟質相(ソフトセグメント)からなる。
上記基材としては、中でも、貯蔵弾性率を上記範囲内とすることが容易である観点から、ポリウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂を少なくとも含むことが好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂は、通常、ポリイシソアネートと、長鎖ポリオールと、鎖伸長剤(鎖延長剤)と、必要に応じて他のイソシアネート反応性化合物とを反応させることにより得られる。
上記ポリイソシアネートは、分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物である。上記ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。上記ポリイソシアネートとしては、また、上記脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、および/または芳香脂肪族ポリイソシアネートによる二量体や三量体、反応生成物または重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども挙げられる。上記ポリイソシアネートは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記長鎖ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオールなどが挙げられる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、通常、500以上であり、好ましくは500~10000、より好ましくは600~6000、さらに好ましくは800~4000である。上記長鎖ポリオールは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記鎖伸長剤としては、ポリウレタンエラストマーの製造に通常用いられる鎖伸長剤を用いることができ、例えば、低分子量のポリオール、ポリアミンなどが挙げられる。鎖伸長剤の分子量は、通常、500未満であり、好ましくは300以下である。上記鎖伸長剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記ポリウレタン系樹脂は、上記tanδの最大値を上記範囲内とすることが容易である観点から、上記長鎖ポリオールとしてポリエーテルポリオールを含むもの(ポリエーテルポリオール系ポリウレタン樹脂)を含むことが好ましい。また、さらに、上記長鎖ポリオールとしてポリエステルポリオールを含むもの(ポリエステルポリオール系ポリウレタン樹脂)とを含んでいてもよい。
上記ポリウレタン系樹脂は、上記基材の貯蔵弾性率を上記範囲内とすることが容易である観点から、硬質ポリウレタン系樹脂を含むことが好ましい。上記硬質ポリウレタン系樹脂は、二種以上のポリウレタン系樹脂を含む場合は最も硬度が高いポリウレタン系樹脂である。上記硬質ポリウレタン系樹脂のショア硬度Dは、30以上が好ましく、より好ましくは40以上である。上記硬質ポリウレタン系樹脂のショア硬度Dは、例えば50以下である。
上記ポリウレタン系樹脂は、上記硬質ポリウレタンと共に、上記硬質ポリウレタンよりも硬度が低いポリウレタン系樹脂(軟質ポリウレタン系樹脂)を含んでいてもよい。上記軟質ポリウレタン系樹脂のショア硬度Aは、70以下が好ましく、より好ましくは66以下である。上記軟質ポリウレタン系樹脂のショア硬度Aは、40以上が好ましく、より好ましくは50以上である。
上記ポリウレタン系樹脂中の上記硬質ポリウレタン系樹脂の割合は、上記基材の貯蔵弾性率を上記範囲内とすることが容易である観点から、上記ポリウレタン系樹脂の総量(100質量%)に対して、50質量%超が好ましく、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。上記割合は、特に限定されず、99質量%以下であってもよく、95質量%以下であってもよい。
上記基材は、上記ポリウレタン系樹脂とともに、ゴム系樹脂等の他の樹脂を含んでいてもよい。上記基材中のポリウレタン系樹脂およびゴム系樹脂の合計に対するポリウレタン系樹脂の割合は、上記tanδの最大値を上記範囲内とすることが容易である観点から、50質量%超が好ましく、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。上記割合は、特に限定されず、99質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
上記基材は、公知乃至慣用の方法により製造することができ、例えば、押出成形、インフレーション成形、Tダイキャスト成形、カレンダーロール成形などが挙げられる。
上記基材中の熱可塑性樹脂(特に、ポリウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される一種以上の樹脂)の割合は、上記基材の総量(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
上記基材は、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、着色剤(顔料や染料)、分散剤(界面活性剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。各種添加剤の配合割合は、上記基材の総質量100質量%に対して、30質量%未満(例えば20質量%未満、典型的には10質量%未満)程度である。
上記基材は、補助的な層を含むものであってもよい。上記補助的な層の例としては、上記基材の表面に設けられた着色層、反射層、下塗り層、帯電防止層などが挙げられる。
上記基材表面は、粘着剤層との密着性、保持性等を高める目的で、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の物理的処理;クロム酸処理等の化学的処理;コーティング剤(下塗り剤)による易接着処理等の表面処理が施されていてもよい。密着性を高めるための表面処理は、基材の表面全体に施されていることが好ましい。
上記基材の厚さは、特に限定されないが、20μm以上であることが好ましく、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上である。上記厚さが20μm以上であると、リワーク性により優れる。上記厚さは、特に限定されないが、例えば400μm以下であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
(粘着剤層)
上記両面粘着シートにおける基材の両面に設けられた粘着剤層は、同一の粘着剤層であってもよく、組成、厚さ、物性などが異なる粘着剤層であってもよい。また、上記基材の一方の面に設けられた粘着剤層は、単層であってもよく、同一または組成、厚さ、物性などが異なる層から構成される複層であってもよい。
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、公知乃至慣用のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系、合成ゴム系、これらの混合系等)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン系粘着剤などが挙げられる。中でも、粘着剤層を構成する粘着剤としては、密着性、耐候性、コスト、粘着剤の設計のしやすさの点より、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤が好ましい。上記粘着剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記アクリル系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含有する。上記アクリル系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー)を含むポリマーである。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む。なお、アクリル系ポリマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、上記アクリル系ポリマーは、モノマー成分としてアクリル系モノマーを一種のみを含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」(「アクリル」および「メタクリル」のうち、いずれか一方または両方)を表し、他も同様である。
なお、本明細書において、ベースポリマーとは、粘着剤層を構成する粘着剤におけるポリマー成分の中の主成分、例えば50質量%を超えて含まれるポリマー成分をいうものとする。上記粘着剤層中のベースポリマーの含有割合は、粘着剤層の総量100質量%に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を質量割合で最も多く含むポリマーであることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、中でも、炭素数が1~20(好ましくは2~12、より好ましくは4~10)の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。上記炭素数が上記範囲内であると、上記アクリル系ポリマーのガラス転移温度の調整が容易であり、粘着性をより適切なものとしやすい。
上記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル等の一環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル等の二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステルなどが挙げられる。
上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルによる粘着性等の基本特性を上記粘着剤層において適切に発現させるためには、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分における上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルの割合は、上記全モノマー成分の総量(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上であってもよい。また、上記割合は、他のモノマー成分を共重合可能とし当該他のモノマー成分の効果を得る観点から、99.9質量%以下であってもよく、98質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下であってもよい。
上記アクリル系ポリマーは、凝集力の向上や架橋点の導入等の改質を目的として、上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。上記他のモノマー成分としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、窒素原子含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物モノマー、ケト基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー等の極性基含有モノマーなどが挙げられる。上記他のモノマー成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマーなどが挙げられる。上記アミド基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。上記窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、N-(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。上記酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
上記ケト基含有モノマーとしては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテートなどが挙げられる。
上記アルコキシシリル基含有モノマーとしては、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどが挙げられる。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100質量%)中の、上記極性基含有モノマーの割合の合計は、特に限定されないが、極性基含有モノマーの使用による効果をよりよく発揮する観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上である。また、上記割合の合計は、適度な柔軟性を有する粘着剤層を得る観点から、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下である。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分としては、さらに、その他のモノマーを含んでいてもよい。上記その他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α-メチルスチレン等)、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有モノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマーなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分の総量100質量%中の、上記その他のモノマーの割合は、例えば、0.05質量%以上、0.5質量%以上であってもよい。上記割合は、例えば、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下であってもよく、実質的に含まなくてもよい。
上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、5×104以上であることが好ましく、より好ましくは10×104以上、さらに好ましくは20×104以上、特に好ましくは30×104以上である。上記Mwが5×104以上であると、良好な凝集性を示す粘着剤が得られやすい。また、上記Mwは500×104以下であることが好ましい。上記Mwが500×104以下であると、適度な流動性(ポリマー鎖の運動性)を示す粘着剤を形成しやすいことから、リワーク性に優れる。
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーを少なくとも含む組成物を重合することにより得られる。これらの重合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、熱重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。中でも、粘着剤層の透明性、コストなどの点より、塊状重合方法、熱重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましい。また、得られるアクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれであってもよい。
上記ポリエステル系粘着剤は、ベースポリマーとしてポリエステル系樹脂を含有する。上記ポリエステル系樹脂は、ポリマーを構成するモノマー成分として、ポリオールおよび多価カルボン酸を含むポリマーである。すなわち、上記ポリエステル系樹脂は、ポリオールに由来する構成単位および多価カルボン酸に由来する構成単位を含む。上記ポリエステル系樹脂は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記多価カルボン酸としては、ジカルボン酸や三価以上のカルボン酸などが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸、等の脂肪族ジカルボン酸;不飽和脂肪酸のダイマー酸;1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ドデセニル無水コハク酸等の不飽和ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸、ベンジルマロン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;これらの誘導体などが挙げられる。上記誘導体としては、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステルなどが挙げられる。三価以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸、トリマー酸などが挙げられる。上記多価カルボン酸は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記ポリオールとしては、ジオールや三価以上のポリオールなどが挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類;1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール;ダイマージオール;1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;4,4’-チオジフェノール、4,4’-メチレンジフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、o-,m-、およびp-ジヒドロキシベンゼン、2,5-ナフタレンジオール、p-キシレンジオール、およびこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体等の芳香族ジオールなどが挙げられる。三価以上のポリオールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6-ヘキサントリオール、アダマンタントリオールなどが挙げられる。上記ポリオールは、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記ポリエステル系樹脂中のジカルボン酸に由来する構成単位およびジオールに由来する構成単位の合計の含有割合は、上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマーに由来する構成単位の総量100質量%に対して、90質量%以上が好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、特に好ましくは99質量%以上(例えば99~100質量%)である。
上記ポリエステル系樹脂中の多価カルボン酸に由来する構成単位の含有量は、ポリオール1当量あたり、例えば0.5当量以上であり、好ましくは0.58当量以上、より好ましくは0.66当量以上、さらに好ましくは0.83当量以上、さらに好ましくは0.88当量以上、特に好ましくは0.95当量以上である。また、上記含有量は、ポリオール1当量あたり、例えば2.0当量以下であり、好ましくは1.7当量以下、より好ましくは1.5当量以下、さらに好ましくは1.2当量以下、さらに好ましくは1.1当量以下、特に好ましくは1.05当量以下である。
上記ポリエステル系樹脂中の多価カルボン酸に由来する構成単位と、ポリオールに由来する構成単位との当量比は、特に限定されず、目的とするポリマー物性や合成性等を考慮して、適当な当量比が設定され得る。多価カルボン酸の当量比が高いと、多価カルボン酸に基づく特性を容易に発現させることができる。また、ポリオールの当量比が高いと、ポリオールに基づく特性を容易に発現させることができる。
モノマー成分の重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。上記溶剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
モノマー成分のラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
モノマー成分の重合に用いられる重合開始剤としては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などが使用可能である。上記重合開始剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルマレエート、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等)、フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤、芳香族カルボニル化合物、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。中でも、特開2002-69411号公報に開示されたアゾ系重合開始剤が好ましい。上記アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリアン酸などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー成分100質量部に対して例えば0.01~5質量部、好ましくは0.05~3質量部の範囲から選択することができる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。他にも、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。上記α-ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)-オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。上記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。上記チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウムなどが挙げられる。光重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー成分100質量部に対して例えば0.01~5質量部、好ましくは0.05~3質量部の範囲から選択することができる。
上記アクリル系ポリマーおよび上記ポリエステル系樹脂は、上記架橋剤に由来する構造部を含んでいてもよい。すなわち、上記アクリル系ポリマーおよび上記ポリエステル系樹脂は、上記架橋剤により架橋したものであってもよい。架橋剤を用いることにより、アクリル系粘着剤層におけるアクリル系ポリマー中に架橋構造を形成し、ゲル分率をコントロールすることができる。また、上記架橋剤は、ポリエステル同士を架橋する作用を有するものであり、ポリエステル系樹脂の鎖延長剤としても機能し得る。上記架橋剤を用いると、粘着剤層において、ベースポリマーの架橋構造が形成され、凝集力が向上する。上記架橋剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、シリコーン系架橋剤、シラン系架橋剤(シランカップリング剤)などが挙げられる。
上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量部に対して、0.001~20質量部が好ましく、より好ましくは0.01~15質量部、特に好ましくは0.5~10質量部である。
上記イソシアネート系架橋剤は、1分子あたり平均2個以上のイソシアネート基を有する化合物(多官能イソシアネート化合物)である。上記イソシアネート系架橋剤としては、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類等が挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート;1,2-テトラメチレンジイソシアネート、1,3-テトラメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート等のテトラメチレンジイソシアネート;1,2-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5-ヘキサメチレンジイソシアネート等のヘキサメチレンジイソシアネート;2-メチル-1,5-ペンタンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環族ポリイソシアネート類としては、例えば、イソホロンジイソシアネート;1,2-シクロヘキシルジイソシアネート、1,3-シクロヘキシルジイソシアネート、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート等のシクロヘキシルジイソシアネート;1,2-シクロペンチルジイソシアネート、1,3-シクロペンチルジイソシアネート等のシクロペンチルジイソシアネート;水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネート類としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジフェニルプロパン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1,4-ジイソシアネート、キシリレン-1,3-ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートL」、東ソー株式会社製)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(商品名「コロネートHL」、東ソー株式会社製)、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物(商品名「タケネートD-110N」、三井化学株式会社製)などの市販品も挙げられる。
なお、乳化重合にて作製した変性アクリル系ポリマーの水分散液では、イソシアネート系架橋剤を用いなくてもよいが、必要な場合には、水と反応し易いために、ブロック化したイソシアネート系架橋剤を用いることもできる。
上記架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合の上記イソシアネート系架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上である。上記含有量は、10質量部以下が好ましく、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。また、上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、商品名「テトラッドC」(三菱ガス化学株式会社製)などの市販品も挙げられる。
上記架橋剤としてエポキシ系架橋剤を用いる場合の上記エポキシ系架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量部に対して、0質量部を超えて1質量部以下が好ましく、より好ましくは0.001~0.5質量部、さらに好ましくは0.002~0.2質量部、さらに好ましくは0.005~0.1質量部、さらに好ましくは0.008~0.1質量部、特に好ましくは0.009~0.05質量部である。
上記過酸化物系架橋剤としては、熱によりラジカル活性種を発生してベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80~160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90~140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
上記過酸化物系架橋剤としては、例えば、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t-ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t-ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t-ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ-n-オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t-ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)などが挙げられる。
上記過酸化物系架橋剤の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であり、過酸化物の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログなどに記載されており、例えば、日油株式会社の「有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」などに記載されている。なお、反応処理後の残存した過酸化物分解量の測定方法としては、例えば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により測定することができる。より具体的には、例えば、反応処理後の粘着剤を約0.2gずつ取り出し、酢酸エチル10mlに浸漬し、振とう機で25℃下、120rpmで3時間振とう抽出した後、室温で3日間静置する。次いで、アセトニトリル10ml加えて、25℃下、120rpmで30分振とうし、メンブランフィルター(0.45μm)によりろ過して得られた抽出液約10μlをHPLCに注入して分析し、反応処理後の過酸化物量とすることができる。
上記架橋剤として過酸化物系架橋剤を用いる場合の上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量部に対して、2質量部以下含有することが好ましく、より好ましくは0.02~2質量部、さらに好ましくは0.05~1質量部である。
また、上記架橋剤として、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを併用してもよい。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Tiなどが挙げられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子などが挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物などが挙げられる。
上記架橋剤としては、中でも、イソシアネート系架橋剤を含むことが好ましい。また、イソシアネート系架橋剤と共に他の架橋剤を含むことがより好ましい。上記他の架橋剤としては、エポキシ系架橋剤が好ましい。このような架橋剤を用いると、上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂との組み合わせ(特に、上述の好ましい上記アクリル系ポリマーおよび/または上記ポリエステル系樹脂との組み合わせ)により、薄くてもより密着性に優れた粘着剤層とすることができる。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤;イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体、再生ゴムや、これらの変性体などが挙げられる。また、上記ゴム系粘着剤が共重合体である場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。
上記シリコーン系粘着剤としては、例えば、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴムやシリコーンレジン、または、これらにシロキサン系架橋剤、過酸化物系架橋剤などの架橋剤を添加して架橋・重合したものなどが挙げられる。
上記粘着剤層は、粘着付与樹脂を含有していてもよい。粘着付与樹脂を含むと、上記粘着剤層は薄くてもより良好な密着性を有する傾向がある。上記粘着剤層が、アクリル系粘着剤および/またはポリエステル系粘着剤と、粘着付与樹脂とを含む場合、被着体との密着性に優れ、より剥がれにくくなる。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、フェノール系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。上記粘着付与樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記フェノール系粘着付与樹脂としては、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂が挙げられる。上記テルペンフェノール樹脂は、テルペン残基およびフェノール残基を含むポリマーであり、テルペン類とフェノール化合物との共重合体(テルペン-フェノール共重合体樹脂)、テルペン類の単独重合体または共重合体をフェノール変性したもの(フェノール変性テルペン樹脂)が挙げられる。上記テルペンフェノール樹脂を構成するテルペン類としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン(d体、l体、d/l体(ジペンテン)等)等のモノテルペン類が挙げられる。上記水素添加テルペンフェノール樹脂は、上記テルペンフェノール樹脂を水素化した構造を有する樹脂である。上記アルキルフェノール樹脂は、アルキルフェノールとホルムアルデヒドから得られる樹脂(油性フェノール樹脂)である。上記アルキルフェノール樹脂としては、例えば、ノボラックタイプおよびレゾールタイプのものが挙げられる。上記ロジンフェノール樹脂は、ロジン類または後述の各種ロジン誘導体のフェノール変性物である。上記ロジンフェノール樹脂としては、例えば、ロジン類または後述の各種ロジン誘導体にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合する方法等により得られる。
上記テルペン系粘着付与樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、d-リモネン、l-リモネン、ジペンテン等のテルペン類(典型的にはモノテルペン類)の重合体が挙げられる。上記テルペン類の重合体は、一種のテルペン類の単独重合体であってもよく、二種以上のテルペン類の共重合体であってもよい。一種のテルペン類の単独重合体としては、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体などが挙げられる。上記変性テルペン系粘着付与樹脂は、上記テルペン樹脂を変性したもの(変性テルペン樹脂)である。上記変性テルペン樹脂としては、スチレン変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂などが挙げられる。
上記ロジン系粘着付与樹脂としては、ロジン類およびロジン誘導体樹脂が挙げられる。上記ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水素添加、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等)などが挙げられる。上記ロジン誘導体樹脂としては、上記ロジン類の誘導体が挙げられる。上記ロジン誘導体樹脂としては、例えば、未変性ロジンとアルコール類とのエステルである未変性ロジンエステルや、変性ロジンとアルコール類とのエステルである変性ロジンエステル等のロジンエステル類;ロジン類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;ロジン類または上記の各種ロジン誘導体のカルボキシ基を還元処理したロジンアルコール類;ロジン類または上記の各種ロジン誘導体の金属塩などが挙げられる。上記ロジンエステル類の具体例としては、未変性ロジンまたは変性ロジンのメチルエステル、トリエチレングリコールエステル、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
上記炭化水素系粘着付与樹脂としては、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン-オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などが挙げられる。
上記粘着剤層中の上記粘着付与樹脂の含有量は、特に限定されないが、上記ベースポリマーの総量100質量部に対して、例えば1質量部以上(例えば、1~100質量部)であり、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上である。上記含有量が1質量部以上であると、粘着剤層は薄くてもよりいっそう優れた密着性を有する。上記含有量は、耐熱凝集力が優れる観点から、100質量部以下が好ましく、より好ましくは60質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
上記粘着剤層は、フィラーを含有していてもよく、含有していなくてもよい。上記フィラーを含有すると、両面粘着シートを意図的に剥離しようとした際の粘着剤層の粘着性を低下させ、リワーク性により優れる。上記フィラーは、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記フィラーとしては、粒子状の有機物および無機物が挙げられる。上記無機物を構成する材料としては、例えば、銅、銀、金、白金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、ステンレス等の金属;酸化アルミニウム、酸化ケイ素(二酸化ケイ素、シリカ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化銅、酸化ニッケル等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、珪酸、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化バリウム、酸化ジルコニウム水和物、酸化スズ水和物、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ドウソナイト、硼砂、ホウ酸亜鉛等の金属水酸化物および水和金属化合物;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化窒素、炭化カルシウム等の炭化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ガリウム等の窒化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩;チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等のチタン酸塩;カーボンブラック、カーボンチューブ(カーボンナノチューブ)、カーボンファイバー、ダイヤモンド等の炭素系物質;ガラス等の無機材料;火山シラス、クレー、砂等の天然原料粒子などが挙げられる。
上記有機物を構成する材料としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート)、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン(一種以上のα-オレフィンをモノマー成分とするポリマー;例えばLLDPE、LDPE、HDPE等のLLDPE、LDPE、HDPE等のポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド(例えばナイロン等)、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン等のポリマーなどが挙げられる。
上記フィラーは、中空体構造を有するものであってもよい。上記中空体構造を有するフィラーの中空部(中空粒子の内部の空間)は、真空状態であってもよいし、媒質で満たされていてもよい。上記媒質としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスや空気、揮発性溶剤などが挙げられる。
上記フィラーとしては、中でも、表面がベースポリマーのタイプ以外の有機物または無機物で構成されるフィラー、中空体構造を有するフィラーが好ましい。上記ベースポリマーのタイプ以外の有機物は、例えば、上記ベースポリマーがアクリル系ポリマーである場合はアクリル系ポリマー以外の有機物であり、上記ベースポリマーがポリエステル系樹脂である場合はポリエステル系樹脂以外の有機物である。
上記フィラーは、内部と外部の組成が異なるフィラー(コアシェル型フィラー)であってもよく、内部と外部の組成が同一であるフィラー(内部と外部の境界がないフィラー)であってもよい。
上記表面がベースポリマーのタイプ以外の有機物で構成されるフィラーとしては、表面がオレフィン系樹脂で構成されるフィラーや、表面がシリコーン系樹脂で構成されるフィラーが挙げられる。上記表面がオレフィン系樹脂で構成されるフィラーとしては、全体的にオレフィン系樹脂から構成されるオレフィン系フィラー、および、表面がオレフィン系樹脂で構成され内部が異なる材料で構成されるフィラーが挙げられる。上記表面がシリコーン系樹脂で構成されるフィラーとしては、全体的にシリコーン系樹脂から構成されるシリコーン系フィラー、および、表面がシリコーン系樹脂で構成され内部が異なる材料で構成されるフィラーが挙げられる。このようなフィラーは、アクリル系粘着剤層中のアクリル成分やポリエステル系粘着剤層中のモノマー成分との相互作用が小さく、粘着剤層が延びた際に破断しにくく、リワーク性により優れる。
上記フィラーの形状としては、球状、フレーク状(鱗片状)、樹枝状、繊維状、不定形(多面体)などが挙げられる。中でも、均等な分散性に優れる観点から、球状が好ましい。
上記フィラー全体の平均粒径は、例えば0.5μm以上であり、好ましくは0.8μm以上(例えば3μm以上、典型的には5μm以上)である。上記平均粒径を上記数値以上であると、粘着剤組成物の粘度や分散性を良好に保持する点で好ましい。上記平均粒径の上限は、例えば50μm以下であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。平均粒径が小さくなると、粘着性能の低下が抑制される傾向がある。粘着剤層外観の点でも平均粒径は小さいことが望ましい。なお、本明細書中において、フィラーの平均粒径とは、篩分け法に基づく測定により得られた粒度分布において重量基準の累積粒度が50%となる粒径(50%メジアン径)をいう。
上記粘着剤層の総質量に対する上記フィラーの体積割合は、0.01×10-2~30×10-2cm3/gであることが好ましく、より好ましくは0.1×10-2~25×10-2cm3/g、さらに好ましくは0.5×10-2~20×10-2cm3/g、さらに好ましくは0.7×10-2~10×10-2cm3/g、特に好ましくは1×10-2~7×10-2cm3/gである。上記体積割合が上記範囲内であると、耐衝撃性およびリワーク性の両方により優れる。上記フィラーの体積割合は、[粘着剤層中のフィラーの体積(cm3)/粘着剤層の総質量(g)]で算出される。
上記粘着剤層中の上記フィラーの含有量は、上記ベースポリマーの総量100質量部に対して、0質量部超40質量部以下が好ましく、より好ましくは、0.008~30質量部、さらに好ましくは0.1~20質量部、さらに好ましくは0.2~10質量部、特に好ましくは0.4~6質量部である。上記含有量が40質量部以下であると、耐衝撃性およびリワーク性の両方により優れる。
上記粘着剤層中の上記フィラーの割合は、上記粘着剤層の総量100質量%に対して、0.05~30質量%が好ましく、より好ましくは0.1~20質量%、さらに好ましくは0.5~10質量%、特に好ましくは1~5質量%である。上記割合が上記範囲内であると、粘着剤層の硬さを適度なものとすることができる。また、リワーク性に優れる。
上記粘着剤層は、必要に応じて、さらに、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、箔状物、防錆剤、着色剤(染料、顔料等)などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。上記添加剤は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記防錆剤は、金属の錆(さび)や腐食を防ぐ化合物である。被着体が金属である場合、上記両面粘着シートを貼り合わせた際の錆や腐食を抑制することができる。上記防錆剤としては、例えば、アミン化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、亜硝酸塩類などが挙げられる。他にも、安息香酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、シクロヘキシルアンモニウム-N-シクロヘキシルカルバメート(CHC)などが挙げられる。上記防錆剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記防錆剤の含有量は、特に限定されないが、ベースポリマー100質量部に対して、0.02~15質量部であることが好ましい。上記含有量が0.02質量部以上であると、良好な腐食防止性能が得やすくなる。上記含有量が15質量部以下であると、透明性を確保しやすくなる。
中でも、上記防錆剤は、ベースポリマーに対する相溶性、接着信頼性、透明性、および腐食防止性の特性を、バランスよく高いレベルで得ることができる点、優れた外観性を得ることができる点より、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、特に限定されないが、ベースポリマー100質量部に対して、0.02~3質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02~2.5質量部、さらに好ましくは0.02~2質量部である。
上記粘着剤層の厚さ(片面の粘着剤層の総厚さ)は、12μm以上であり、好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上、さらに好ましくは50μm以上、特に好ましくは60μm以上である。上記厚さが12μm以上であることにより、粘着シートの耐衝撃性に優れる。上記粘着剤層の厚さは、例えば200μm以下であり、好ましくは100μm以下である。上記厚さが200μm以下であると、両面粘着シートの厚さをより薄くすることができる。なお、両面の粘着剤層の厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明の両面粘着シート中の粘着剤層の総厚さ(基材の両面の粘着剤層の合計)は、特に限定されないが、25μm以上であることが好ましく、より好ましくは40μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。上記厚さが25μm以上であると、両面粘着シートの耐衝撃性により優れる。上記片面の粘着剤層の総厚さは、例えば300μm以下であり、好ましくは200μm以下である。上記厚さが300μm以下であると、両面粘着シートの厚さをより薄くすることができる。
上記粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力は、0.6MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.7MPa以上である。上記Z軸接着力が0.6MPa以上であると、両面粘着シートが衝撃を受けた際に被着体からより剥離しにくい。なお、上記両面粘着シートが基材の片面に複数の粘着剤層を有する場合、少なくとも一つの粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力が上記範囲内であることが好ましく、全ての粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力が上記範囲内であることがより好ましい。
上記粘着剤層は、いずれの形態であってもよく、例えば、エマルジョン型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。中でも、生産性に優れる粘着剤層が得やすい点より、溶剤型、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物が好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好ましい。すなわち、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤層は紫外線硬化型粘着剤層が好ましい。
上記粘着剤層は、例えば、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物をはく離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層を乾燥硬化させることや、上記粘着剤組成物をはく離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化させて製造することができる。また、必要に応じて、さらに、加熱乾燥してもよい。
(はく離ライナー)
上記両面粘着シートは、使用時まで、粘着剤層の表面(粘着面)にはく離ライナーが貼り合わせられていてもよい。上記両面粘着シートにおける両面の各粘着面は、2枚のはく離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているはく離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態(巻回体)で保護されていてもよい。はく離ライナーは粘着剤層の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。なお、はく離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
上記はく離ライナーとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などが挙げられる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙などが挙げられる。上記フッ素ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)などが挙げられる。なお、はく離ライナーは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、はく離ライナーの厚さも特に限定されない。
上記両面粘着シートは、電気電子機器に備えられる部材に貼り合わせて使用される、電気電子部材貼付用であることが好ましい。上記両面粘着シートは、両方の粘着面にそれぞれ、電気電子機器に備えられる部品を貼り合わせて使用される用途、すなわち電気電子機器における部材同士の固定用の両面粘着シートであることが好ましい。上記両面粘着シートは、上記部材同士を固定する用途、あるいは仮固定する用途のいずれに使用されるものであってもよい。例えば、両面粘着シートを電気電子機器に備えられる部品の固定や仮固定に用いる場合、両面粘着シートの貼り付け作業に不具合が起こったために両面粘着シートを剥離してリワークしなければならない場合があったり、両面粘着シートを貼り付けた被着体を備えた部材を修理、交換、検査、リサイクル等するために両面粘着シートを剥離しなければならない場合があったりする。このように、両面粘着シートを、例えば、電気電子機器に備えられる部品の固定や仮固定に用いる場合には、特に、両面粘着シートを除去する頻度が高い。
上記両面粘着シートは、中でも、光学部材(特に、電気電子機器)の外枠同士を貼り合わせて使用されることが好ましい。このため、上記両面粘着シートは、5mm以下、好ましくは3mm以下の幅であっても好ましく使用することができる。
なお、「電気電子機器」とは、電気機器または電子機器の少なくともいずれかに該当する機器をいう。上記電気電子機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置や、携帯電子機器などが挙げられる。
上記携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、各種ウェアラブル機器(例えば、腕時計のように手首に装着するリストウェア型、クリップやストラップ等で体の一部に装着するモジュラー型、メガネ型(単眼型や両眼型。ヘッドマウント型も含む。)を包含するアイウェア型、シャツや靴下、帽子等に例えばアクセサリの形態で取り付ける衣服型、イヤホンのように耳に取り付けるイヤウェア型等)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音響機器(携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー等)、計算機(電卓等)、携帯ゲーム機器、電子辞書、電子手帳、電子書籍、車載用情報機器、携帯ラジオ、携帯テレビ、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデムなどが挙げられる。なお、本明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは充分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。上記両面粘着シートは、例えば、粘着剤層が上記携帯電子機器の部材に密着するように用いられる。
本発明の両面粘着シートは、耐衝撃性に優れ、且つ糊はみだしが起こりにくい。このため、例えば携帯電子機器に使用した際、落下衝撃を受けた場合や被着体が変形した場合であっても破損や剥離が起こりにくく、それでいて例えば繰り返しの屈曲を受けた場合であっても粘着剤層が粘着領域からはみだしにくい。また、本発明の両面粘着シートは、屈曲性に優れる構成とすることが可能であり、その場合、繰り返しの屈曲を受けた場合であっても粘着剤層が粘着領域からはみだしにくい。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、各実施例および比較例で作製した基材、粘着剤層、および粘着シートにおける各成分の配合量、物性等を表に示した。表中の各成分の配合量は質量部を示す。
実施例1
(粘着剤層の作製)
温度計、撹拌機、窒素導入管、および還流冷却機を備えた反応器に、トルエン68質量部、アクリル酸ブチル(BA)95質量部、およびアクリル酸(AA)5質量部を仕込み、1時間以上窒素置換をした。開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部を投入し、その後内浴温度を62℃まで昇温し、同様の温度を維持し、反応がほぼ終了するまで継続し、その後、冷却して重合反応を終了させた。得られたポリマー:100質量部に対して、イソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、東ソー株式会社製):5質量部およびエポキシ化合物(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社製):0.02質量部を添加し、さらにテルペンフェノール系粘着付与樹脂(商品名「YSポリスターT115」、ヤスハラケミカル株式会社製):20質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、およびベンゾトリアゾール:0.8質量部を添加して粘着剤組成物を調製した。
上記粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理層上に塗布し、100℃で3分間乾燥させ、粘着剤層を作製した。
(粘着シートの作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「ルミラーS10」、東レ株式会社製)を基材とし、当該基材の両面に上記で得られた粘着剤層をそれぞれ貼り合わせ、実施例1の基材付き両面粘着シートを作製した。なお、実施例および比較例において、基材の一方の面に設けられた粘着剤層を「第一粘着剤層」、他方の面に設けられた粘着剤層を「第二粘着剤層」と称する場合がある。
実施例2
基材としてウレタン系フィルム(商品名「エスマーURS ET-B」、ポリエーテルポリオール系、周波数10kHz~3.5MHzでの損失正接tanδの最大値:0.40、ショア硬度D:90、日本マタイ株式会社製)を使用し、粘着剤層の厚さを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の基材付き両面粘着シートを作製した。
実施例3
基材としてポリプロピレンフィルム(商品名「トレファン」、東レ株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の基材付き両面粘着シートを作製した。
実施例4
基材の厚さおよび基材の両面に形成する粘着剤層の厚さ(第一粘着剤層および第二粘着剤層の厚さ)を表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例4の基材付き両面粘着シートを作製した。
実施例5
(粘着剤層の作製)
温度計、撹拌機、窒素導入管、および還流冷却機を備えた反応器に、トルエン68質量部、アクリル酸ブチル(BA)95質量部、およびアクリル酸(AA)5質量部を仕込み、1時間以上窒素置換をした。開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、その後内浴温度を62℃まで昇温し、同様の温度を維持し、反応がほぼ終了するまで継続し、その後、冷却して重合反応を終了させた。得られたポリマー:100質量部に対して、イソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、東ソー株式会社製):5質量部およびエポキシ化合物(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社製):0.02質量部を添加し、さらにテルペンフェノール系粘着付与樹脂(商品名「YSポリスターT115」、ヤスハラケミカル株式会社製):20質量部、およびベンゾトリアゾール:0.8質量部を添加して粘着剤組成物を調製した。
上記粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理層上に塗布し、100℃で3分間乾燥させ、粘着剤層を作製した。
(粘着シートの作製)
ウレタン系フィルム(商品名「DUS604」、シーダム株式会社製)を基材とし、当該基材の両面に上記で得られた粘着剤層をそれぞれ貼り合わせ、実施例5の基材付き両面粘着シートを作製した。
実施例6
(粘着剤層の作製)
温度計、撹拌機、窒素導入管、および還流冷却機を備えた反応器に、トルエン68質量部、アクリル酸ブチル(BA)95質量部、およびアクリル酸(AA)3質量部を仕込み、1時間以上窒素置換をした。開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、その後内浴温度を62℃まで昇温し、同様の温度を維持し、反応がほぼ終了するまで継続し、その後、冷却して重合反応を終了させた。得られたポリマー:100質量部に対して、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)(商品名「タフテック」、旭化成株式会社製):2質量部、イソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、東ソー株式会社製):5質量部およびエポキシ化合物(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社製):0.02質量部を添加し、さらにテルペンフェノール系粘着付与樹脂(商品名「YSポリスターT115」、ヤスハラケミカル株式会社製):20質量部、フィラーとしてのポリエチレン粉末(商品名「フローセンUF-80」、住友精化株式会社製):2質量部、およびベンゾトリアゾール:0.8質量部を添加して粘着剤組成物を調製した。
上記粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理層上に塗布し、100℃で3分間乾燥させ、粘着剤層を作製した。
(粘着シートの作製)
ウレタン系フィルム(商品名「エスマーURS ET-B」、日本マタイ株式会社製)を基材とし、当該基材の両面に上記で得られた粘着剤層をそれぞれ貼り合わせ、実施例6の基材付き両面粘着シートを作製した。
実施例7,8
基材の両面に形成する粘着剤層の厚さ(第一粘着剤層および第二粘着剤層の厚さ)を表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例7および8の基材付き両面粘着シートを作製した。
比較例1
(基材の作製)
温度計、撹拌機、窒素導入管、および還流冷却機を備えた反応器に、酢酸エチル63質量部に、ポリエステル系ポリマー溶液(商品名「ニチゴーポリエスターNP-110S50EO」、固形分濃度:50質量%、三菱ケミカル株式会社製)の樹脂分:100質量部に対して、イソシアネート化合物(商品名「コロネートHX」、東ソー株式会社製):3質量部を添加し、さらにテルペンフェノール系粘着付与樹脂(商品名「YSポリスターT115」、ヤスハラケミカル株式会社製):20質量部を添加して粘着剤組成物を調製した。
上記粘着剤組成物を、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理層上に塗布し、100℃で3分間乾燥させ、基材として粘着剤層Xを形成した。
(粘着シートの作製)
上記で得られた粘着剤層Xの両面に実施例1で作製した粘着剤層をそれぞれ貼り合わせ、比較例1の両面粘着シートを作製した。
比較例2
基材の厚さおよび基材の両面に形成する粘着剤層の厚さ(第一粘着剤層および第二粘着剤層の厚さ)を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の基材付き両面粘着シートを作製した。
比較例3
基材の厚さおよび基材の両面に形成する粘着剤層の厚さ(第一粘着剤層および第二粘着剤層の厚さ)を表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして比較例3の基材付き両面粘着シートを作製した。
比較例4
基材の厚さおよび基材の両面に形成する粘着剤層の厚さ(第一粘着剤層および第二粘着剤層の厚さ)を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例4の基材付き両面粘着シートを作製した。
<評価>
実施例および比較例で得られた両面粘着シートについて、以下の評価を行った。結果を表に示す。
(1)基材の貯蔵弾性率
実施例および比較例で作製した基材を5mm×30mm幅にカットし、動的粘弾性測定装置(商品名「Rheogel-E4000」、株式会社ユービーエム製)に30mmの長辺側をチャック間隔15mmでチャックし、昇温速度を5℃/minとして-60℃~100℃の範囲で引張粘弾性率を測定し、基準温度23℃でマスターカーブを合成することにより23℃における周波数10kHz~3.5MHzでの損失正接tanδの最大値を算出した。
(2)圧縮試験
図2に示すようにして圧縮試験を行った。具体的には、まず、実施例および比較例で作製した両面粘着シートからはく離ライナーを剥離し、総厚さが1mm以上となるまで複数積層し、両面粘着シート積層体を作製した。次に、上記両面粘着シート積層体を5mm×5mmの正方形に切り取り、評価サンプル7を作製した。評価サンプル7を平面のステージ9上に載置し、評価サンプル7の上面に、片面をシリコーンで剥離処理した厚さ25μmのPETフィルム8(製品名「MRF25」、三菱ケミカル株式会社製)を貼り合わせた。そして、マイクロサーボ(型番「MMT-250NM-10」、島津アクセス株式会社製)を用い、常温環境下、応力1.5MPa、周波数0.5Hzの条件で、上記PETフィルムの上側から評価サンプル7の厚さ方向に荷重Pを加え、その後荷重Pを解除する操作を1000回繰り返し、圧縮試験を行った。圧縮試験前の評価サンプル7の厚さを初期厚さ、圧縮試験後の評価サンプル7の厚さを試験後厚さとし、下記式により厚さ減衰率を算出した。
厚さ減衰率(%)=(初期厚さ-試験後厚さ)/初期厚さ×100
(3)Z軸接着力
実施例および比較例で作製した、はく離ライナーに挟まれた状態の両面粘着シートを、外径24.5mm角、幅2mmの枠状に打ち抜いた。その後、両面粘着シートからはく離ライナーを剥離し、厚さ2mm、外形50mm角の正方形の中央部に穴の開いたステンレスプレートと、厚さ3mm、外形25mm角の正方形のステンレスプレートとの間に挟み込んで圧着し、温度50℃の環境下に2時間静置し、常温に戻して評価サンプルとした。引張試験機「精密万能試験機 オートグラフ AG-IS」(株式会社島津製作所製)を使用し、引張試験機の上側治具に、直径10mmの円柱を取り付け、下側には台座を設置し、その上に試験片を、正方形のステンレスプレート(穴の開いていないステンレスプレート)を下側にして載せた。その後、直径10mmの円柱で、速度50mm/minで正方形のステンレスプレート(穴の開いていないステンレスプレート)を押し込み、剥がれた際の応力と歪量から、エネルギーに換算した。
Z軸接着力(MPa)=剥がれるまでの応力(N)/接着面積(mm2
(4)耐衝撃性
実施例および比較例で作製した、はく離ライナーに挟まれた状態の両面粘着シートを、外径24.5mm角、幅2mmの枠状に打ち抜いた。その後、両面粘着シートからはく離ライナーを剥離し、厚さ2mm、外形50mm角の正方形の中央部に穴の開いたステンレスプレートと、厚さ3mm、外形25mm角の正方形のステンレスプレートとの間に挟み込んで圧着し、温度50℃の環境下に2時間静置し、その後常温に戻して評価サンプルとした。デュポン式衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)の台座の上に、長さ50mm、外径49mm、内径43mmの円柱状の測定台を設置し、その上に試験片を、正方形のステンレスプレート(穴の開いていないステンレスプレート)を下側にして載せた。先端半径3.1mmのステンレス製の撃芯を試験片に載せ、落下おもり重量と落下高さを、100gにて50~500mmまで50mmずつ変化、150gにて350~500mmまで50mmずつ変化、200gにて400~500mmまで50mmずつ変化、300gにて350~500mmまで50mmずつ変化させ、剥がれが生じるまでエネルギーが増えていくようにした。この際に、評価済みであるエネルギーについては、試験を行わず、エネルギー量が重複しないように荷重と高さを設定した。その後、少なくともいずれか一方のステンレスプレートが剥がれる前までのエネルギーを荷重×高さで算出して結果とし、得られた値を衝撃吸収量として表に示した。
(5)糊はみだし
上記(2)圧縮試験後において、評価サンプルの端部に粘着剤のはみだしが目視で確認できなかった場合を「良好(○)」、確認できた場合を「不良(×)」と評価した。
Figure 2024033676000002
表1に示すように、実施例の両面粘着シートは、厚さが60~400μmであり、厚さの減衰率が30%以下であることから、衝撃吸収量が大きく耐衝撃性に優れ、また、糊はみだしが確認されず良好であると評価された。一方、両面粘着シートの厚さ減衰率が30%を超える場合(比較例1,2)、糊はみだしが確認され不良であると評価された。また、粘着剤層の厚さが薄い場合(比較例3,4)、耐衝撃性に劣ると評価された。
以下、本開示に係る発明のバリエーションを記載する。
[付記1]基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを備える両面粘着シートであり、
前記粘着剤層の厚さは12μm以上であり、
前記両面粘着シートの厚さは60μm以上であり、
サイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層し、厚さ方向に1.5MPaの荷重を加え、その後荷重を解除する操作を1000回繰り返す圧縮試験において、1000回目圧縮後の厚さの減衰率は30%以下である両面粘着シート。
[付記2]前記基材の貯蔵弾性率は2MPa以上であり、
前記両面粘着シートの厚さに対する前記基材の厚さの割合は10%以上である、付記1に記載の両面粘着シート。
[付記3]前記基材の厚さは20μm以上である、付記1または2に記載の両面粘着シート。
[付記4]前記粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力は0.6MPa以上である、付記1~3のいずれか1つに記載の両面粘着シート。
[付記5]前記粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、またはウレタン系粘着剤を少なくとも含む、付記1~4のいずれか1つに記載の両面粘着シート。
[付記6]電気電子機器における部材同士の固定用の両面粘着シートである付記1~5のいずれか1つに記載の両面粘着シート。
[付記7]付記6に記載の両面粘着シートを備え、
前記両面粘着シートは両方の粘着面で部材同士を固定している、電気電子機器。
1 両面粘着シート
2 基材
3,4 粘着剤層
5,6 はく離ライナー
7 評価サンプル
8 PETフィルム
9 ステージ

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを備える両面粘着シートであり、
    前記粘着剤層の厚さは12μm以上であり、
    前記両面粘着シートの厚さは60μm以上であり、
    サイズ5mm×5mmで厚さ1mm以上となるまで積層し、厚さ方向に1.5MPaの荷重を加え、その後荷重を解除する操作を1000回繰り返す圧縮試験において、1000回目圧縮後の厚さの減衰率は30%以下である両面粘着シート。
  2. 前記基材の貯蔵弾性率は2MPa以上であり、
    前記両面粘着シートの厚さに対する前記基材の厚さの割合は10%以上である、請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記基材の厚さは20μm以上である、請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記粘着剤層の23℃におけるZ軸接着力は0.6MPa以上である、請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  5. 前記粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、またはウレタン系粘着剤を少なくとも含む、請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  6. 電気電子機器における部材同士の固定用の両面粘着シートである請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  7. 請求項6に記載の両面粘着シートを備え、
    前記両面粘着シートは両方の粘着面で部材同士を固定している、電気電子機器。
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