JP2024033535A - 燃料電池冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を抑制しつつ、燃料電池の冷却を効率的に行う燃料電池冷却システムを構成する。【解決手段】一次側ポンプP1で供給される一次側冷媒L1をFCスタック3aに接触させて気化させ、気化熱によりFCスタック3aを冷却し、気化後の一次側冷媒L1を凝縮器13の一次側に供給して液化させ、液化した一次側冷媒L1を一次側ポンプP1に戻す一次側冷却回路10と、凝縮器13の二次側に二次側冷媒L2を供給することで熱交換により一次側冷媒L1を冷却し、凝縮器13の二次側に流れた二次側冷媒L2を二次側ポンプP2でラジエータ22に供給して放熱し、放熱後に二次側ポンプP2に戻す二次側冷却回路20とを備えている。一次側冷媒L1として、二次側冷媒L2よりも沸点が低い低沸点冷媒を用いている。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池冷却システムに関する。
燃料電池冷却システムとして、特許文献1には、燃料電池に入口と出口とが形成され、入口から燃料電池の内部に一次側冷却液を供給して燃料電池を冷却し、この後、一次側冷却液を出口から送り出す循環系を備え、一次側冷却液を熱交換器において冷却するための二次側冷却液の循環系が記載されている。
また、燃料電池冷却システムとして、特許文献2の図3には、燃料電池がスタックケースに格納され、スタックケースの1次側冷却液を循環させる1次側冷却液循環通路を備え、この1次側冷却液循環通路の冷却液と熱交換を行うように2次側冷却液を循環させる2次側冷却液循環通路が記載されている。
この特許文献2の1次側循環通路には、気液分離器が備えられ、この気液分離器で分離したガスをガス抜流路で捕集タンクに送り、この捕集タンクの1次側冷却液を1次側循環通路戻す戻し通路が記載されている。更に、この特許文献2の1次側循環通路にはスタックケースを迂回するバイパス通路にイオン交換器が記載されている。
特開2002-124269号公報 特開2002-134138号公報
特許文献1,2に記載される冷却システムでは、1次側の冷却液として水とエチレングリコールとを混合した混合液が用いられている。この冷却液の熱量は、熱交換により2次側の冷却液に蓄えられ、最終的に大気に放出される。
また、特許文献1,2に記載される熱交換器は、高温側の冷却液の熱が低温側の冷却液に移動する原理を利用するものである。従って、効率的な冷却を可能にするために二次側の冷却液の温度を低下させ、熱交換器の熱交換面積を拡大する等の構成の利用が考えられるものの、この構成はシステム全体の大型化を招くことが懸念される。
このような理由から、大型化を抑制しつつ、燃料電池の冷却を効率的に行う燃料電池冷却システムが求められる。
本発明に係る燃料電池冷却システムの特徴構成は、一次側ポンプで供給される一次側冷媒をFCスタックに接触させて気化させ、気化熱により前記FCスタックを冷却し、気化後の前記一次側冷媒を凝縮器の一次側に供給して液化させ、液化した前記一次側冷媒を前記一次側ポンプに戻す一次側冷却回路と、前記凝縮器の二次側に、二次側冷媒を供給することで熱交換により前記一次側冷媒を冷却し、前記凝縮器の二次側に流れた前記二次側冷媒を二次側ポンプでラジエータに供給して放熱し、放熱後に前記二次側ポンプに戻す二次側冷却回路とを備え、前記一次側冷媒は、前記二次側冷媒よりも沸点が低い低沸点冷媒である点にある。
この特徴構成によると、低沸点冷媒で構成される一次側冷媒をFCスタックに供給することで体積膨張によりほぼ全量が気化するため、気化熱によるFCスタックの効率的な冷却を可能にする。一次側冷却回路では凝縮器の一次側に一次側冷媒が流れることにより液化され、液化された一次側冷媒を一次側ポンプでFCスタックに供給することにより継続的な冷却が可能となる。また、二次側ポンプによって二次側冷媒を凝縮器の二次側に流すことにより一次側冷媒を熱交換によって凝縮させ、一次側冷媒の熱が蓄えられた二次側冷媒をラジエータに供給して放熱できる。
このように、一次側冷却回路では、気化熱を利用して冷却を行うため冷媒量の増大や、凝縮器の大型化を招くことがない。また、二次側冷却回路において非沸騰型の二次側冷媒を用いることにより構成の単純化を図ることが可能となる。従って、大型化を抑制しつつ、燃料電池の冷却を効率的に行う燃料電池冷却システムが構成された。
上記構成に加えた構成として、前記一次側冷却回路は、前記FCスタックの下流側に、気化後の前記一次側冷媒の運動エネルギーを回収するタービンを備えても良い。
この特徴構成によると、気化後の一次側冷媒の熱エネルギーでタービンを駆動することにより一次側冷媒の運動エネルギーを回転力に変換して電気エネルギーとして取り出すことが可能となる。その結果、タービンを経た一次側冷媒の熱量が低下し、凝縮器による二次側冷媒の温度上昇が低減されるため、一次側冷媒の熱エネルギーを有効活用しつつラジエータの大型化を防止できる。
上記構成に加えた構成として、前記FCスタックから排出された前記一次側冷媒を前記タービンに送る流路に、気化状態にある前記一次側冷媒に含まれる液体を分離する気液分離器を備えても良い。
これによると、FCスタックで気化した一次側冷媒に含まれる液滴を取り除くことが可能となり、タービンの効率を高めるだけでなく、液滴衝撃エロージョンによるタービンのブレード等の損傷を防止する。
上記構成に加えた構成として、前記凝縮器の一次側に流れ液化された状態で送り出された前記一次側冷媒を前記一次側ポンプに供給する供給流路に、液化した前記一次側冷媒を貯留するレシーバを備えても良い。
例えば、夏季と冬季とのように温度が異なる環境では、タービンの駆動により等しいエネルギーを得るために必要とする一次側冷媒の流量が異なる。具体的には、夏季における一次側冷媒の流量が冬季より多くなる。これに対応するように、レシーバを備えることにより、一次側冷媒の量の貯留量を増大させ、状況に応じた必要量の一次側冷媒を一時側冷却回路に供給することができる。
上記構成に加えた構成として、前記一次側ポンプが、前記一次側冷却回路において前記FCスタックの上流側に配置されても良い。
これによると、一次側冷却回路において凝縮器を経た液相の一次側冷媒が一次側ポンプに供給され、気泡が発生し難く、キャビテーションを抑制できる。
第1実施形態の燃料電池車の構成の概要を示す全体図である。 第1実施形態の燃料電池冷却システムの回路図である。 第2実施形態の燃料電池車の構成の概要を示す全体図である。 第2実施形態の燃料電池冷却システムの回路図である。 燃料電池冷却システムの熱サイクルを示すモリエル線図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態:基本構成〕
図1に示すように、自動車等の車両1に燃料電池3と、燃料電池3からの電流を制御するインバータ4と、インバータ4で制御された電流が供給される電動モータ5を備え、燃料電池3のFCスタック3aの温度上昇を抑制する燃料電池冷却システムAを備えて燃料電池車(FCV)が構成されている。
燃料電池3は、燃料タンク2に貯留された燃料ガスとしての水素ガスと、酸化ガスとして酸素を含む空気を供給することにより発電するFCスタック3aを、複数備えており、燃料電池冷却システムAは、複数のFCスタック3aの温度上昇を抑制する。
図2に示すように、燃料電池冷却システムAは、一次側冷却回路10と、二次側冷却回路20とを備えると共に、これらの間で熱交換を行う凝縮器13を備えている。一次側冷却回路10は、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロカーボン等の低沸点冷媒が循環する閉ループ型の循環流路として構成され、二次側冷却回路20は、エチレングリコールと水との混合液等の冷却水から成る二次側冷媒L2が循環する流れる閉ループ型の循環流路として構成されている。
一次側冷却回路10は、一次側冷媒L1が液状で流れる液相側流路11と、気化したガス状の一次側冷媒L1が流れる気相側流路12とを備えている。液相側流路11のうち、FCスタック3aより上流側に電動型の一次側ポンプP1を備え、この一次側ポンプP1からFCスタック3aに一次側冷媒L1を供給することにより、このFCスタック3aの熱によって一次側冷媒L1を気化させ、このように気化により気相に変化した一次側冷媒L1を、気相側流路12を介して凝縮器13の一次側に送り液化させる。
気相側流路12のうち、凝縮器13の一次側で熱を奪われ、凝縮した(液化した)一次側冷媒L1は、一次側ポンプP1より上流側のレシーバ14に戻される。レシーバ14は、凝縮器13の一次側から送り出された液相の一次側冷媒L1を一時的に貯留するように機能する。このレシーバ14は、一次側冷却回路10に流れる一次側冷媒L1の流量を増大する制御が行われた場合でも、一次側冷却回路10に不足することなく一次側冷媒L1を流せるように貯留量が設定されている。
二次側冷却回路20は、冷却水が流れる冷却回路21に、二次側ポンプP2と、ラジエータ22とを備え、電動型の二次側ポンプP2により凝縮器13の二次側に供給することにより一次側冷媒L1との間で熱交換を行い、この後、ラジエータ22で放熱を行う。
二次側冷媒L2は、車両のエンジンの冷却に用いられる冷却水と同様にエチレングリコールと水との混合液と同様の液体が用いられる。
図面には示していないが、ラジエータ22は電動型のラジエータファンにより外気を吸引して二次側冷媒L2の冷却を行う。前述したように一次側ポンプP1と二次側ポンプP2とが電動型に構成されている。
この燃料電池冷却システムAでは、FCスタック3aの温度を検出する温度センサ(図示せず)と、この温度センサの検出値が入力する制御部(図示せず)とを備えている。この制御構成から、制御部は、温度センサの検出結果に基づき一次側ポンプP1と二次側ポンプP2とによる冷媒の供給量を制御し、ラジエータファンによる冷却風の風量を設定する制御により、FCスタック3aの温度を適正な値に維持する。
〔第1実施形態の作用効果〕
このように燃料電池冷却システムAは、一次側冷却回路10の液相側流路11を流れる一次側冷媒L1がFCスタック3aの熱により気化し、この気化時における吸熱によりFCスタック3aを冷却する。また、気化した一次側冷媒L1は、凝縮器13の一次側に供給され、この凝縮器13の二次側に供給される二次側冷媒L2との熱交換により液化され、レシーバ14に一時的に貯留される。このようにレシーバ14に貯留された一次側冷媒L1をFCスタック3aに供給することにより継続的な冷却を可能にする。
一次側ポンプP1を一次側冷却回路10においてFCスタック3aの上流側に配置することにより、キャビテーションを抑制する。更に、液相の一次側冷媒L1が気化する際の気化熱(気化潜熱)を利用してFCスタック3aを冷却するため、例えば、潜熱を利用しない(非沸騰型の冷媒を使用する)構成と比較して、一次側冷却回路10における冷媒の流量の増大を抑制し、システム全体の小型化を可能にする。
〔第2実施形態:基本構成〕
図3に示すように、自動車等の車両1に燃料電池3と、燃料電池3からの電流を制御するインバータ4と、インバータ4で制御された電流が供給される電動モータ5を備え、燃料電池3のFCスタック3aの温度上昇を抑制する燃料電池冷却システムAを備えて燃料電池車(FCV)が構成されている。
燃料電池3は、燃料タンク2に貯留された燃料ガスとしての水素ガスと、酸化ガスとして酸素を含む空気を供給することにより発電するFCスタック3aを、複数備えており、燃料電池冷却システムAは、複数のFCスタック3aの温度上昇を抑制すると同時に発電を行い、発電により得られた電流をバッテリー6に充電し、このバッテリー6からインバータ4に電力を供給する。
図4に示すように、燃料電池冷却システムAは、第1実施形態と同様に、一次側冷却回路10と、二次側冷却回路20とを備えると共に、これらの間で熱交換を行う凝縮器13を備えている。一次側冷却回路10は、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロカーボン等の低沸点冷媒が循環する閉ループ型の循環流路として構成され、二次側冷却回路20は、冷却水で成る二次側冷媒L2が循環する流れる閉ループ型の循環流路として構成されている。
一次側冷却回路10は、一次側冷媒L1が液状で流れる液相側流路11と、気化したガス状の一次側冷媒L1が流れる気相側流路12とを備えている。液相側流路11のうち、FCスタック3aより上流側に電動型の一次側ポンプP1を備え、この一次側ポンプP1からFCスタック3aに一次側冷媒L1を供給することにより、このFCスタック3aの熱によって一次側冷媒L1を気化させ、このように気化により気相に変化した一次側冷媒L1を、気相側流路12を介して凝縮器13の一次側に送り液化する。
この第2実施形態の燃料電池冷却システムAは、一次側冷却回路10において一次側冷媒L1の運動エネルギーによりタービン15を駆動し、このタービン15が発電機16を駆動して発電を行うように構成されている。また、FCスタック3aの熱によって気化した一次側冷媒L1をタービン15に送る流路(気相側流路12の一部)に、気化状態にある一次側冷媒L1に含まれる液体(液滴)を分離する気液分離器17を備え、凝縮器13の下流側で一次側ポンプP1より上流側にレシーバ14を備えている。
これにより、FCスタック3aで気化した一次側冷媒L1に含まれる液滴を、気液分離器17で取り除き、この気相の一次側冷媒L1がタービン15に供給され、気液分離器17で分離された液相の一次側冷媒L1は一次側ポンプP1の上流側に戻される。
気相側流路12のうち、凝縮器13の一次側で熱を奪われ、凝縮した(液化した)一次側冷媒L1は、一次側ポンプP1より上流側のレシーバ14に戻される。レシーバ14は、凝縮器13の一次側から送り出された液相の一次側冷媒L1を一時的に貯留するように機能する。このレシーバ14は、一次側冷却回路10に流れる一次側冷媒L1の流量を増大する制御が行われた場合でも、一次側冷却回路10に不足することなく一次側冷媒L1を流せるように貯留量が設定されている。
二次側冷却回路20は、第1実施形態と同様に、冷却水が流れる冷却回路21に、二次側ポンプP2と、ラジエータ22とを備え、電動型の二次側ポンプP2により凝縮器13の二次側に供給することにより一次側冷媒L1との間で熱交換を行い、この後、ラジエータ22で放熱を行う。
この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、二次側冷媒L2に車両のエンジンの冷却に用いられる冷却水と同様にエチレングリコールと水との混合液と同様の液体が用いられている。また、ラジエータ22は電動型のラジエータファンにより外気を吸引して二次側冷媒L2の冷却を行う。更に、FCスタック3aの温度を検出する温度センサ(図示せず)と、制御部(図示せず)とを備え、制御部は、温度センサの検出結果に基づき一次側ポンプP1と二次側ポンプP2とによる冷媒の供給量を制御し、ラジエータファンによる冷却風の風量を設定する制御により、FCスタック3aの温度を適正な値に維持する。
この燃料電池冷却システムAでは、先に一部説明したように、発電機16で発電した電流を、バッテリー6に充電し、充電した電流を、インバータ4を介して車両1の走行用の電動モータ5に供給する構成であるが、発電機16で発電した電流を、バッテリー6に充電することなく、他の電気機器に供給するように構成することも考えられる。
〔熱力学サイクル〕
図5に示すように、この第2実施形態の一次側冷媒L1に作用する圧力(Kpa)を縦軸に取り、一次側冷媒L1の比エンタルピー(kJ/kg)を横軸に取ったモリエル線図を示している。この線図では、夏季において燃料電池冷却システムAにおいて設定された発電量(例えば3Kw)を得るため夏季熱力学サイクルCsを実線で示している。
夏季熱力学サイクルCsでは、第1点h1、第2点h2、第3点h3、第4点h4の順序で一次側冷媒L1に作用する圧力と比エンタルピーが変化する。具体的には、タービン15の入口における一次側冷媒L1に作用する圧力と比エンタルピーとの関係を第1点h1として示し、このタービン15の出口における一次側冷媒L1に作用する圧力と比エンタルピーとの関係を第2点h2として示している。
この第1点h1と第2点h2との位置関係から明らかなように、タービン15の入口から出口に流れた一次側冷媒L1は気相を維持しつつ、圧力が低下し、比エンタルピーの値がE5~E4に低下する。このE5とE4との夏季エネルギー差Esの値がタービン15を駆動したエネルギーに相当する。
次に、タービン15の出口から凝縮器13に送られた一次側冷媒L1は、図5の比エンタルピーとの関係が第2点h2から第3点h3に変化する。この変化では、一次側冷媒L1は、圧力を維持したまま凝縮器13で熱量が奪われることにより比エンタルピーだけがE4~E2に低下し、気相から液相に変化する。更に、一次側ポンプP1で圧力が作用することにより、一次側冷媒L1は、第3点h3から第4点h4に移動し、比エンタルピーを維持したまま圧力が上昇する。
この後、一次側冷媒L1は、FCスタック3aを通過することにより、圧力と比エンタルピーとの関係が第4点h4から第1点h1に移動する。この移動では、FCスタック3aから熱量が与えられることにより、一次側冷媒L1の圧力が変化することなく、比エンタルピーが上昇する。
先に説明した夏季熱力学サイクルCsに対し、冬季熱力学サイクルCwを図5に一部破線で示している。この冬季熱力学サイクルCwでは、第1点h1だけが共通するものの、他の第2点h2が第2点h2′(以下、シフト第2点h2′と称する)にシフトし、第3点h3が第3点h′(以下、シフト第3点h3′と称する)にシフトし、第4点h4が第4点h4′(以下、シフト第4点h4′と称する)にシフトする。
この冬季熱力学サイクルCwでは、第1点h1、シフト第2点h2′、シフト第3点h3′、シフト第4点h4′の順序で一次側冷媒L1に作用する圧力と比エンタルピーが変化する。尚、シフト第3点h3での比エンタルピーの値をE1として示しており、このE1の値は、第3点h3における比エンタルピーの値E2より小さい。
この冬季熱力学サイクルCwにおいて、タービン15に一次側冷媒L1が流れることによる圧力と比エンタルピーの変化、凝縮器13に一次側冷媒L1が流れることによる圧力と比エンタルピーの変化、一次側ポンプP1に一次側冷媒L1が流れることによる圧力と比エンタルピーの変化は夏季熱力学サイクルCsの説明と共通する。
特に、この冬季熱力学サイクルCwにおいて、タービン15の入口から出口に流れた一次側冷媒L1は、比エンタルピーの値がE5~E3に低下し、このE5とE3との冬季エネルギー差Ewの値がタービン15を駆動したエネルギーに相当する。
図5に示すように、夏季エネルギー差Esの値は、冬季エネルギー差Ewの値より小さいため、発電機16において夏季と冬季とにおいて予め設定された発電量を得るためには、夏季における一次側冷媒L1の流量を、冬季における一次側冷媒L1の流量より増大させる必要がある。
このような理由から、レシーバ14に貯留可能な一次側冷媒L1の量を決めている。これにより、夏季においても一次側冷却回路10に流れる一次側冷媒L1の流量不足を招くことがないように構成されている。
〔第2実施形態の作用効果〕
このように燃料電池冷却システムAは、一次側冷却回路10の液相側流路11を流れる一次側冷媒L1がFCスタック3aの熱により気化し、この気化時における吸熱によりFCスタック3aの冷却を可能にする。また、気化した一次側冷媒L1の運動エネルギーでタービン15を駆動し、発電機16での発電を実現する。タービン15から排出された一次側冷媒L1は、凝縮器13の一次側に供給され、この凝縮器13の二次側に供給される二次側冷媒L2との熱交換により液化され、レシーバ14に一時的に貯留される。このように液化されレシーバ14に貯留された一次側冷媒L1をFCスタック3aに供給することにより継続的な冷却が可能にする。
一次側ポンプP1を一次側冷却回路10においてFCスタック3aの上流側に配置することにより、キャビテーションを抑制する。更に、液相の一次側冷媒L1が気化する際の気化熱(気化潜熱)を利用してFCスタック3aを冷却するため、例えば、潜熱を利用しない(非沸騰型の冷媒を使用する)構成と比較して、一次側冷却回路10における冷媒の流量の増大を抑制し、システム全体の小型化を可能にする。
レシーバ14を備えることにより、夏季と冬季とにおいて等しい発電を行う際に、夏季に必要とする一次側冷媒L1の流量が増大する場合にも一次側冷媒L1の流量を減少させることなく、発電が実現する。
発電機16で発電された電流を、バッテリー6に充電するだけでなく、充電した電流の一部を、インバータ4を介して車両1の走行用の電動モータ5に供給することにより燃費を向上させる。
また、FCスタック3aで気化した一次側冷媒L1に含まれる液滴を、気液分離器17で取り除くことにより、タービン15の駆動の効率を高めるだけでなく、液滴衝撃エロージョンによるタービン15の損傷を防止する。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)燃料電池冷却システムAを、車両以外に、工場に設置された燃料電池3によって発電する発電装置に用いることや、船舶の発電装置に用いることが可能である。
(b)第2実施形態のように、一次側冷媒L1によってタービン15を駆動するシステムでは、タービン15の駆動力を、車両1の走行車輪に直接伝えるように構成することにより燃費の向上を図る構成を採用する。このような構成において、車両1が走行を停止した場合にタービン15の駆動力で発電を行うように構成することも考えられる。
(c)一次側冷媒L1は、実施形態に記載した低沸点冷媒の材料に限るものではなく、二次側冷媒L2はエチレングリコールと水との混合液に限るものはなく、一次側冷媒L1より沸点が高いものであれば良い。
(d)上述した第二実施形態における気液分離器17を省略しても良い。この場合、一次側冷媒L1は、FCスタック3aにて全量が気化される低沸点冷媒であることが好ましい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、燃料電池冷却システムに利用することができる。
3a FCスタック
10 一次側冷却回路
13 凝縮器
15 タービン
14 レシーバ
17 気液分離器
20 二次側冷却回路
22 ラジエータ
L1 一次側冷媒
L2 二次側冷媒
P1 一次側ポンプ
P2 二次側ポンプ

Claims (5)

  1. 一次側ポンプで供給される一次側冷媒をFCスタックに接触させて気化させ、気化熱により前記FCスタックを冷却し、気化後の前記一次側冷媒を凝縮器の一次側に供給して液化させ、液化した前記一次側冷媒を前記一次側ポンプに戻す一次側冷却回路と、
    前記凝縮器の二次側に、二次側冷媒を供給することで熱交換により前記一次側冷媒を冷却し、前記凝縮器の二次側に流れた前記二次側冷媒を二次側ポンプでラジエータに供給して放熱し、放熱後に前記二次側ポンプに戻す二次側冷却回路とを備え、
    前記一次側冷媒は、前記二次側冷媒よりも沸点が低い低沸点冷媒である燃料電池冷却システム。
  2. 前記一次側冷却回路は、前記FCスタックの下流側に、気化後の前記一次側冷媒の運動エネルギーを回収するタービンを備えている請求項1に記載の燃料電池冷却システム。
  3. 前記FCスタックから排出された前記一次側冷媒を前記タービンに送る流路に、気化状態にある前記一次側冷媒に含まれる液体を分離する気液分離器を備えている請求項2に記載の燃料電池冷却システム。
  4. 前記凝縮器の一次側に流れ液化された状態で送り出された前記一次側冷媒を前記一次側ポンプに供給する供給流路に、液化した前記一次側冷媒を貯留するレシーバを備えている請求項1~3の何れか一項に記載の燃料電池冷却システム。
  5. 前記一次側ポンプが、前記一次側冷却回路において前記FCスタックの上流側に配置されている請求項2又は3に記載の燃料電池冷却システム。
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