JP2024033173A - 医薬組成物及び医薬製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロペラミド塩酸塩とウコンとを含有する医薬組成物において、変色抑制と溶出率向上とを図る。【解決手段】(A)成分:ロペラミド及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種と、(B)成分:ウコン及びそのエキスからなる群から選択される少なくとも1種と、(C)成分:アルミニウム、マグネシウムからなる1種以上の金属を含むケイ酸塩及びヒドロタルサイトから選ばれる1種以上と、を含有し、前記(C)成分/前記(A)成分で表される質量比は50~1000であることよりなる。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物及び医薬製剤に関する。
下痢の原因は、食べ過ぎ飲みすぎ、食あたり、ストレス等様々であるが、どのような原因であっても、下痢止め用薬としては即効性が要求される。
例えば食べ過ぎ飲み過ぎによる下痢の場合、下痢以外に胃や肝機能の低下による消化不良等の合併症を引き起こすことがある。そのため、有効成分として止瀉成分だけでなく、例えば胃や肝臓の働きを正常にする生薬の配合が望まれている。
肝機能の回復に効果を有する生薬成分として、ウコンが知られている。しかし、止瀉成分であるロペラミド又はその塩(ロペラミド類)とウコンとを単に組み合わせると、ウコンが変色する、ロペラミド類等の有効成分の溶出率が低下する、という問題がある。有効成分の溶出率が低下すると、血中への有効成分の吸収量が低下し、有効成分による効果を十分に発揮できないおそれがある。
こうした問題に対して、特許文献1には、ロペラミド類とウコンと有機酸とを有する医薬組成物が提案されている。特許文献1の発明によれば、ウコンの変色の抑制を図っている。
また、特許文献2には、ロペラミド類と生薬と特定の有機溶剤とを含有する医薬組成物が提案されている。特許文献2の発明によれば、ロペラミド類の溶出率の向上が図られている。
特開2018-203688号公報 特開2018-203689号公報
しかしながら、ロペラミド類とウコンとを含有する医薬組成物においては、ウコン由来の変色抑制と、ロペラミド類の溶出率向上とを図れる新たな技術が求められている。
そこで、本発明は、ロペラミド類とウコンとを含有し、変色抑制と、ロペラミド類の溶出率向上とを図れる医薬組成物を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1>
(A)成分:ロペラミド及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種と、
(B)成分:ウコン及びそのエキスからなる群から選択される少なくとも1種と、
(C)成分:アルミニウム、マグネシウムからなる1種以上の金属を含むケイ酸塩及びヒドロタルサイトから選ばれる1種以上と、を含有し、
前記(C)成分/前記(A)成分で表される質量比は、50~1000である、医薬組成物。
<2>
前記(C)成分/前記(B)成分で表される質量比は、0.05~2である、<1>に記載の医薬組成物。
<3>
前記(C)成分が、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、三ケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸マグネシウム、メタケイ酸マグネシウム、二ケイ酸三マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトから選ばれる1種以上である、<1>又は<2>に記載の医薬組成物。
<4>
前記(C)成分の含有量は、医薬組成物の総質量に対して2~80質量%である、<1>~<3>のいずれかに記載の医薬組成物。
<5>
<1>~<4>のいずれかに記載の医薬組成物を含む医薬製剤。
<6>
経口製剤である、<5>に記載の医薬製剤。
<7>
錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又は細粒剤である、<6>に記載の医薬製剤。
本発明の医薬組成物によれば、医薬組成物及び医薬製剤において、ロペラミド塩酸塩とウコンとを含有し、変色抑制と溶出率向上とを図れる。
(医薬組成物)
本発明の医薬組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含み、かつ(A)成分、(B)成分及び(C)成分が共存している。
<(A)成分>
(A)成分は、ロペラミド(Loperamide)及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種(「ロペラミド類」ということがある)である。ロペラミド類は下痢の頻度を減少させる際に用いられる止瀉薬成分である。ロペラミド類は、胃腸炎、炎症性腸疾患、短腸症候群に伴う下痢の治療に頻用される。
(A)成分における塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等が挙げられる。
前述の有効性の観点から、(A)成分としては、ロペラミド塩酸塩が好ましい。
(A)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(A)成分がロペラミド塩酸塩の場合、(A)成分の投与量は、例えば、0.5~3mg/日程度である。
医薬組成物における(A)成分の含有量は、1回の服用量として0.1~100mgが好ましく、0.5~30mgがより好ましく、0.5~5mgがさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、(A)成分による薬理効果(特に飲酒に起因する下痢止め)をより高められる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば、苦みをより抑えられ、服用性をより高められる。
医薬組成物の総質量に対する(A)成分の含有割合は、0.01~1質量%が好ましく、0.03~0.6質量%がより好ましく、0.05~0.3質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有割合が下限値以上であれば、(A)成分による薬理効果(特に飲酒に起因する下痢止め)をより高められる。(A)成分の含有割合が上限値以下であれば、苦みをより抑えられ、服用性をより高められる。
後述する医薬製剤の総質量に対する(A)成分の含有割合は、0.01~1質量%が好ましく、0.03~0.6質量%がより好ましく、0.05~0.3質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有割合が上記下限値以上であれば、(A)成分による薬理効果(特に飲酒に起因する下痢止め)をより高められる。(A)成分の含有割合が上記上限値以下であれば、苦みをより抑えられ、服用性をより高められる。
なお、医薬製剤が錠剤であって、1回に1錠服用する場合、各成分の1回の服用量は錠剤1錠当たりの含有量(mg)に相当する。
(A)成分の存在形態は、結晶、非晶質等が挙げられる。
<(B)成分>
(B)成分は、ウコン及びそのエキスからなる群から選択される少なくとも1種である。
(B)成分は、胃や肝臓の働きを正常にする胃腸薬として機能する。
ウコンはショウガ科の多年草本で、卵型や円筒形の表面に輪状に節がある直径3~4cm、内側は黄色を呈する根茎を有している。ウコンは高温多湿を好み、インドから東南アジアを中心とした熱帯夜亜熱帯で広く栽培されている。日本では、沖縄、奄美大島等で栽培されており、根茎が薬用、食用、染料に用いられる。ウコンの主な薬理作用としては、肝機能改善、抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用等がある。
(B)成分としては特に限定されないが、ウコン末;ウコン軟エキス、ウコン流エキス、ウコン乾燥エキス等のウコンエキス等が挙げられる。ウコン末は、第18改正日本薬局方にも収載されている。これらの中でもチュアブル錠及び口腔内崩壊錠の製造性(打錠障害の生じ難さ)や保存安定性(素錠同士の固結の生じ難さ)の点で、ウコン末、ウコン乾燥エキスが好ましく、ウコン乾燥エキスがより好ましい。
なお、ウコンエキスとしては、第18改正日本薬局方に収載される製剤総則に記載の、生薬固有製剤「エキス剤」を製造する方法に準じて製造されたものを用いてもよい。上記方法としては、具体的には、適切な大きさとした生薬を処方に従って一定量ずつ量り、全量に水10~20倍量を加え、一定時間加熱し、遠心分離等により固液分離し、得られた浸出液を適切な方法で濃縮又は乾燥する方法が挙げられる。ウコン軟エキスは水あめ様の稠度とし、ウコン乾燥エキスは砕くことができる固塊、粒状又は粉末とする。
(B)成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(B)成分の含有量は、1回の服用量として、ウコンエキスでは原生薬換算で10~3000mgが好ましく、10~2000mgがより好ましく、10~900mgがさらに好ましい。ウコン末では10~1000mgが好ましく、10~300mgがより好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、(B)成分による薬理作用がより向上する。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、不快味がより少なくなり、服用性がより向上する。
医薬組成物の総質量に対する(B)成分の含有割合は、ウコン末の場合は3~70質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましい。ウコン流エキスの場合は1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。ウコン軟エキスの場合は1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。ウコン乾燥エキスの場合は1~70質量%が好ましく、4~50質量%がより好ましく、4~40質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有割合が上記下限値以上であれば、(B)成分による薬理作用がより向上する。(B)成分の含有割合が上記上限値以下であれば、不快味がより少なくなり、服用性がより向上する。
医薬製剤の総質量に対する(B)成分の含有割合は、ウコン末の場合は3~70質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましい。ウコン流エキスの場合は、1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。ウコン軟エキスの場合は、1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。ウコン乾燥エキスの場合は、1~70質量%が好ましく、4~50質量%がより好ましく、4~40質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有割合が上記下限値以上であれば、(B)成分による薬理作用がより向上する。(B)成分の含有割合が上記上限値以下であれば、不快味がより少なくなり、服用性がより向上する。
(B)成分の(A)成分に対する質量比であり、(B)成分/(A)成分で表される質量比(B/A比)は、65~6000が好ましく、83~2000がより好ましい。詳細は、以下の通りである。
(B)成分がウコンエキスである場合、B/A比は200~6000が好ましく、600~2000がより好ましい。B/A比が上記下限値以上であれば、下痢止め効果に加えて胃や肝機能の回復効果がより向上する。B/A比が上記上限値以下であれば、不快味がより少なくなり、服用性がより向上する。
(B)成分がウコン末である場合、B/A比は65~2000が好ましく、83~2000がより好ましい。B/A比の下限値理由及び上限値理由は、ウコンエキスの場合と同様である。
なお、(B)成分がウコンエキスである場合、B/A比における(B)成分の質量は、原生薬換算とする。また、(B)成分がウコン末である場合、B/A比における(B)成分の質量は、ウコン末の質量である。
<(C)成分>
(C)成分は、アルミニウム、マグネシウムからなる1種以上の金属を含むケイ酸塩((c1)成分)及びヒドロタルサイト((c2)成分)から選ばれる1種以上である。(C)成分を含有することで、(A)成分と(B)成分とが共存していても、医薬組成物の変色抑制及び(A)成分の溶出率向上を図れる。
アルミニウムを含むケイ酸塩としては、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げれる。
マグネシウムを含むケイ酸塩としては、三ケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸マグネシウム、メタケイ酸マグネシウム、二ケイ酸三マグネシウム等が挙げられる。
アルミニウム及びマグネシウムを含むケイ酸塩としては、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ケイ酸アルミン酸マグネシウムとメタケイ酸アルミン酸マグネシウムとを総じて「(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム」ということがある)等が挙げられる。
(c1)成分におけるアルミニウムの含有量は、(c1)成分の総質量に対して5~25質量%が好ましく、6.8~18.8質量%がより好ましい。アルミニウムの含有量が上記範囲内であると、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められる。
(c1)成分におけるマグネシウムの含有量は、(c1)成分の総質量に対してマグネシウムの量は5~30質量%が好ましく、6.8~27.1質量%が好ましい。マグネシウムの含有量が上記範囲内であると、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められる。
(c2)成分としては、合成ヒドロタルサイトが挙げられる。合成ヒドロタルサイトとしては、例えば、日本薬局方外医薬品規格2002に適合する粉末又は粒が挙げられる。
(C)成分としては、アルミニウム及びマグネシウムを含むケイ酸塩、ヒドロタルサイトが好ましく、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトがより好ましい。これらの(C)成分は、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率を高められる。加えて、これらの(C)成分は、医薬組成物又は医薬製剤が錠剤である場合、錠剤の賦形剤としての機能も有する。
これらの(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(C)成分の含有量は、1回の服用量として、10~650mgが好ましく、20~500mgがより好ましく、40~500mgがさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められ、(C)成分による薬理効果(制酸効果)が得られ易くなる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、医薬組成物又は医薬製剤が錠剤である場合、錠剤の崩壊性をより高められる。
医薬組成物の総質量に対する(C)成分の含有割合は、2~80質量%が好ましく、6~70質量%がより好ましく、12~70質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められ、(C)成分による薬理効果(制酸効果)が得られ易くなる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、医薬組成物又は医薬製剤が錠剤である場合、錠剤の崩壊性をより高められる。
医薬製剤の総質量に対する(C)成分の含有割合は、2~80質量%が好ましく、6~70質量%がより好ましく、12~70質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められ、(C)成分による薬理効果(制酸効果)が得られ易くなる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、医薬組成物又は医薬製剤が錠剤である場合、錠剤の崩壊性をより高められる。
医薬組成物において、(A)成分に対する(C)成分の質量比であり、(C)成分/(A)成分で表される質量比(C/A比)は、50~1000であり、50~650が好ましく、50~500がより好ましい。C/A比が上記下限値以上であると、(A)成分の溶出率を高められる。C/A比が上記上限値以下であると、(A)成分の薬理効果を高め、錠剤とした場合の崩壊性を高められる。
医薬組成物において、(B)成分に対する(C)成分の質量比であり、(C)成分/(B)成分で表される質量比(C/B比)は、0.05~2が好ましい。C/B比が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果をより高められる。C/B比が上記上限値以下であると、(B)成分の薬理効果(肝機能改善)をより高め、錠剤とした場合の崩壊性をより高められる。
(B)成分がウコンエキスである場合、C/B比は、0.05~1.7が好ましく、0.08~1.1がより好ましく、0.08~0.84がさらに好ましい。(B)成分がウコンエキスの場合、(B)成分の質量は、原生薬換算値である。C/B比が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果をより高められる。C/B比が上記上限値以下であると、(B)成分の薬理効果(肝機能改善)をより高め、錠剤とした場合の崩壊性をより高められる。
(B)成分がウコン末である場合、C/B比は、0.08~2が好ましく、0.08~1.4がより好ましく、0.08~0.84がさらに好ましい。(B)成分がウコン末の場合、(B)成分の質量は、ウコン末の質量である。C/B比が上記下限値以上であると、医薬組成物に対する変色抑制効果をより高められる。C/B比が上記上限値以下であると、(B)成分の薬理効果(肝機能改善)をより高め、錠剤とした場合の崩壊性をより高められる。
医薬組成物において、(C)成分に対する(A)成分と(B)成分との合計の質量比((A+B)/C比)は、0.04~13.7が好ましく、0.14~12.4がより好ましく、0.3~10がさらに好ましい。(A+B)/C比が上記下限値以上であれば、(A)成分及び(B)成分の薬理効果をより高められる。(A+B)/C比が上記上限値以下であれば、医薬組成物に対する変色抑制効果及び(A)成分の溶出率をより高められる。
<任意成分>
本発明の医薬組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、既知の薬効成分等を任意成分として含有してもよい。
任意成分としては、(A)成分及び(B)成分以外の生理活性成分(他の生理活性成分)、(C)成分以外の添加剤(他の添加剤)等が挙げられる。
他の添加剤としては、例えば、賦形剤(但し、(C)成分を除く)、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、防腐剤、酸味剤、甘味剤、着色剤、香料、界面活性剤、可塑剤等が挙げられる。
これら任意成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
これらの任意成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で、目的に応じて適宜設定することができる。
他の生理活性成分としては、タンニン酸ベルベリン、ロートエキス、アクリノール、サリチル酸フェニル、グアヤコール、次サリチル酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、塩化ベルベリン、クレオソート、タンニン酸アルブミン、アズレンスルホン酸ナトリウム、胆汁末、胆汁エキス、デヒドロコール酸、オウバク、オウゴン、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、(B)成分以外の生薬及びそのエキス(シャクヤク、エンゴサク、カンゾウ、アセンヤク、ウバイ、ゲンノショウコ、五倍子、サンザシ、クジン、センブリ、ヨウバイヒ、コウボク、アカメガシワ)、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、スクラルファート水和物、グリチルリチン酸及びその塩類、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、無水カフェイン、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム)、生菌成分等が挙げられる。
生薬の抽出方法は特に限定されず、原末だけでなく、流エキス、乾燥エキス、チンキ等を加工原料として用いることができる。
他の生理活性成分は、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤等を用いて造粒し、生理活性成分造粒物としてもよい。
医薬組成物が他の生理活性成分を含有する場合、その含有割合は、各生理活性成分の有効用量に応じて適宜設定される。
賦形剤としては、結晶セルロース、メチルセルロース、乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、トレハロース、マルチトール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルスターチ、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、リン酸水素カルシウム、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、酸化チタン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。賦形剤の含有割合は、医薬製剤の剤形を勘案して適宜決定できる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、部分アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
医薬組成物が崩壊剤を含有する場合、崩壊剤の含有割合は、医薬組成物の総質量に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.2~20質量%がより好ましい。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、寒天、ハチミツ等が挙げられる。
医薬組成物が結合剤を含有する場合、結合剤の含有割合は、医薬組成物の総質量に対して、0.01~30質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、タルク等が挙げられる。
医薬組成物が滑沢剤を含有する場合、滑沢剤の含有割合は、医薬組成物の総質量に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.05~2.0質量%がより好ましい。
抗酸化剤又は防腐剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α-トコフェロール、クエン酸、アルキルパラベン等のパラベン類や、安息香酸、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
酸味剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びこれらの塩等が挙げられる。
医薬組成物が酸味剤を含有する場合、酸味剤の含有割合は、医薬組成物の総質量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.05~8質量%がより好ましい。
甘味剤としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、精製白糖、サッカリン、グリチルリチン等が挙げられる。
医薬組成物が甘味剤を含有する場合、甘味剤の含有割合は、医薬組成物の総質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
着色剤としては、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黄色5号、黄色4号等が挙げられる。
香料としては、粉末香料を好適に使用でき、例えば、メントール、リモネン、及び植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、及びレモン油等)をアラビアゴムやデキストリン、乳糖、ゼラチン等で倍散させた粉末香料が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
可塑剤としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン、セタノール等が挙げられる。
上述した任意成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
(医薬製剤)
本発明の医薬製剤は、本発明の医薬組成物を含む。
本発明の医薬製剤は、本発明の医薬組成物のみからなるものでもよく、本発明の医薬組成物と他の部材(担体、被膜等)とを組み合わせたものでもよい。
担体としては、例えば、医薬組成物を収容する容器(カプセル等)、医薬組成物からなる層をその表面に保持する基材(貼付基材等)等が挙げられる。
被膜としては、フィルムコーティング層、糖衣層等が挙げられる。
本発明の医薬製剤の剤形は、投与形態に応じて適宜選定できる。本発明の医薬製剤の投与形態としては、経口(口腔内に適用する製剤を含む)、非経口(静脈内、動脈内、吸入、直腸内、膣内、経皮等)等が挙げられる。経口製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤(発泡顆粒剤等)、散剤、細粒剤、液剤(エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、自己乳化型製剤、リモナーテ剤)、シロップ剤、ゼリー剤等が挙げられる。錠剤としては、素錠、コーティング錠(フィルムコーティング錠、糖衣錠等)、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠等が挙げられる。カプセル剤としては、軟質カプセル剤、硬質カプセル剤等が挙げられる。カプセル剤は、マイクロカプセル剤であってもよい。口腔内に適用する製剤としては、口腔用錠剤、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤、口腔用スプレー剤、ゼリー状ドロップ剤等が挙げられる。非経口製剤としては、吸入剤、軟膏、坐剤、経皮吸収剤(貼付剤等)等の外用剤、注射剤(乳濁性、懸濁性、非水性)、用時乳濁又は懸濁して用いる固形注射剤、輸液製剤等が挙げられる。
これらの剤形に製剤化するには、上述した任意成分の他、薬学上許容し得る液体又は固体状の適当な成分を加えてもよい。
本発明の医薬製剤は、(A)成分及び(B)成分の薬理効果の発現性を高める観点から、経口製剤が好ましい。
本発明の医薬製剤は、(A)成分の安定性の点から、固形製剤が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤がさらに好ましく、医薬製剤の吸湿が抑制され、(A)成分の安定性がより優れる点で、錠剤が特に好ましい。
医薬製剤が固形製剤の場合、水分量としては、固形製剤の総質量に対して0.01~10質量%が好ましく、0.03~5質量%がより好ましい。水分量が上記範囲内であれば、固形製剤の保形性を容易に担保でき、(A)成分の安定性をより高められる。
素錠の水分量は、カールフィッシャー水分計(例えば、京都電子工業株式会社製、製品名「MKC-210」)を用いて測定される値である。
医薬製剤がコーティング錠である場合、コーティング錠は、医薬組成物を含む素錠と、素錠の表面を被覆する被膜を有する。被膜を有することで、(A)成分の安定性をさらに高め、より容易に服用できる。また、コーティング錠がチュアブル錠の場合、被膜を有することで、チュアブル錠に噛み応えを付与できる。
なお、口腔内崩壊錠はコーティング層を有しない(即ち、素錠のみからなる)ことが好ましい。
素錠は、単層構造(単層錠)でもよいし、積層構造(多層錠)でもよい。
素錠が単層錠の場合、素錠は、本発明の医薬組成物のみからなる。素錠が積層錠の場合、素錠は、本発明の医薬組成物からなる薬物層を少なくとも1層有する。1つの層が医薬組成物からなる薬物層である場合、他の層は、医薬組成物からなる薬物層でもよいし、薬物層以外の層(任意層)でもよい。積層錠が2つ以上の薬物層を有する場合、2つ以上の薬物層の組成は、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
なお、素錠が積層錠の場合、層の数は2層であってもよいし、3層以上であってもよい。
また、素錠が積層錠の場合、任意層は、(A)~(C)成分のいずれか1つ以上を含んでいてもよいし、いずれも含まなくてもよい。任意層におけるこれらの成分の含有の有無及び含有割合等は、1回当たりのこれらの成分の服用量や、素錠におけるこれら成分の含有割合等を勘案して適宜、選択することができる。また、上述した任意成分は、薬物層のみに含まれていてもよいし、任意層のみに含まれていてもよいし、薬物層及び任意層の両方に含まれていてもよい。素錠が単層錠の場合、任意成分は薬物層に含まれる。
素錠の形状としては特に限定されないが、スミ角平錠、スミ丸平錠、丸みを帯びたR錠もしくは2段R錠が好ましい。口腔内崩壊錠においては、スミ角平錠、スミ丸平錠がより好ましい。
素錠の寸法は特に限定されないが、素錠の取り扱いやすさと服用性の観点から素錠の直径φとして5~14mmが好ましく、6~13mmがより好ましく、7~12mmがさらに好ましい。また素錠1錠あたりの質量は、100~1000mgが好ましく、200~600mgがより好ましい。
素錠の硬度は、錠剤サイズに応じた硬度に設定すればよい。例えば、直径φ9.5mmの2段R錠の錠剤の場合、硬度は2~20kgfが好ましく、3~15kgfがより好ましく、5~15kgfがさらに好ましい。直径φ9.5mmの2段R錠のチュアブル錠の場合、硬度は3~15kgfが好ましく、4~14kgfがより好ましく、6~14kgfがさらに好ましい。直径φ9.5mmの2段R錠の口腔内崩壊錠の場合、硬度は3~12kgfが好ましく、3~10kgfがより好ましく、3~8kgfがさらに好ましい。
なお、硬度は錠剤硬度計(例えばPHARMATEST社製の製品名「PTB111E」)を用いて測定することができる。
素錠の水分量は、素錠の総質量に対して0.01~10質量%が好ましく、0.03~5質量%がより好ましい。水分量が上記範囲内であれば、錠剤の硬度等を維持でき、保形性を容易に担保でき、(A)成分の安定性をより高められる。
素錠の水分量の測定方法は、医薬製剤で説明した通りである。
素錠の水分量の調整方法としては、混合前の各成分のうち任意の成分の粉体そのものを、もしくは錠剤とした後に恒温槽や乾燥機、流動層造粒機等で加湿、乾燥することで調整することができる。製剤の安定性を確保する点から、配合成分の一部を混合前に流動層造粒機等を用いて水をスプレーする、もしくは乾燥させることで調整することが望ましい。
コーティング層は、コーティング剤を含む。
コーティング剤としては、コーティング剤の物性(例えば、崩壊性等)を著しく損なわないものを選択することが好ましい。コーティング剤としては、水溶性高分子化合物、可塑剤、着色剤及び矯味剤の1つ以上を含有することが好ましく、少なくとも水溶性高分子化合物を含有することがより好ましい。
コーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、コーティング剤として、Opadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品を用いてもよい。
水溶性高分子化合物としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、セルロースアセテート、トリメリテート(CAT)、ポリビニルアセテートフタレート、セラック等が挙げられる。
可塑剤としては、例えばマクロゴール、グリセリン、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
着色剤としては、例えば酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黄色5号、黄色4号(又はアルミニウムレーキ)等が挙げられる。
矯味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びこれらの塩等、精製白糖、サッカリン、グリチルリチン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア等が挙げられる。
水溶性高分子化合物、可塑剤、着色剤及び矯味剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コーティング錠におけるコーティング剤の使用量(被覆量)は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定される。例えば、コーティング剤の使用量は、素錠100質量部に対し、0.1~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。コーティング剤の使用量が上記下限値以上であれば、コーティング錠の服用性を良好に維持できる。加えて、主に(A)成分に起因する不快味、特に服用後数分後の不快味をより改善できる。コーティング剤の使用量が上記上限値以下であれば、崩壊性を良好に維持できる。
なお、コーティング錠とした場合の、コーティング錠の形態、コーティング錠の硬度、コーティング錠の水分量は、素錠のそれぞれの項で説明した通りである。
(医薬製剤の製造方法)
本発明の医薬製剤は、剤形に応じた従来公知の方法で製造できる。
例えば、錠剤の製造方法は、素錠を得、必要に応じて得られた素錠に被膜を設ける。
素錠の製造方法は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合し、得られた混合物(混合粉体)を打錠して、素錠とする(打錠工程)方法が挙げられる。各成分は公知の製造方法により得られたものでもよく、市販のものを用いてもよい。また、各成分は原末がそのまま用いられてもよく、造粒されたものでもよい。本発明においては、各成分を一括混合、あるいは逐次混合して混合粉体とし、この混合粉体を打錠してもよいし、一部又は全部の成分を共粉砕した後、混合して混合粉体としてもよい。また、錠剤中の含量均一性の点からの点から、一部又は全部の成分を造粒した後、混合してもよい。
打錠機としては、例えばロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ2」)等が挙げられる。
(A)成分は、混合均一性や打錠均一性を確保する点から、事前に造粒物としておいてもよい。予め造粒物とすることで、(A)成分の溶出率をより高められる。造粒方法としては従来公知の方法が挙げられ、例えば、流動層造粒、撹拌造粒、押出造粒が挙げられる。例えば流動層造粒により(A)成分を造粒する場合、流動層造粒機(フロイント産業株式会社製、製品名「FLO-5」)に(A)成分と、必要に応じて(B)成分や(C)成分、及び賦形剤の1つ以上とを投入後、結合液(ポリビニルアルコール等の結合剤の水溶液等)を噴霧して流動層造粒を行い、排気温度が65℃となるまで乾燥させて造粒物を得る。得られた造粒物は、篩を使用する等して粒子径を整えてもよい。
素錠に被膜を設けて(コーティング工程)、コーティング錠としてもよい。コーティング工程は、素錠の表面にコーティング層を設ける工程である。コーティング工程は、錠剤の服用性及び安定性(生理活性成分の分解抑制、錠剤の物性維持)の向上等を目的として必要に応じて行われる工程である。コーティング剤の調製方法、コーティング処理方法は、従来知られた方法を用いることができ、例えば、HC-FZ-LABO(フロイント産業(株)製)、アクアコーター(フロイント産業(株)製)等のパン型コーティング装置を用いることができる。まず、コーティング剤を水等の溶媒に分散させ、必要に応じて着色剤等を添加し、コーティング液を得る。その後、前記コーティング液を噴霧等によって素錠を被覆する。その後、コーティング液の前記溶媒の成分を乾燥させ、コーティング錠を得る。コーティング工程で使用するコーティング剤や、コーティング剤の使用量は上述の通りである。
本発明の医薬組成物及び医薬製剤によれば、(A)成分と(B)成分と(C)成分とが共存していることで、(A)成分の溶出率を高め、変色を防止できる。これらの効果は、(C)成分を共存させることで、(A)成分と(B)成分との間に働く官能基や金属イオン等の相互作用に影響し、(A)成分の溶出率を高め、(B)成分に由来する変色を防止すると推測される。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各例で使用した原料、打錠条件及び評価方法は、以下の通りである。
(使用原料)
<(A)成分>
・ロペラミド塩酸塩:製品名「ロペラミド塩酸塩」、シオノケミカル(株)製、局外規適合品。
<(B)成分>
・ウコン乾燥エキス:製品名「ウコン乾燥エキス」、松浦薬業(株)製。
・ウコン末:製品名「ウコン末」、日本粉末薬品(株)製、日局適合品。
<(C)成分>
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:商品名「ノイシリン」、富士化学工業(株)製、日局適合品。
・ケイ酸アルミン酸マグネシウム:商品名「ノイシリンA AS」、富士化学工業(株)製、日局適合品。
・合成ヒドロタルサイト:商品名「アルカマック」、協和化学工業(株)製、局外規適合品。
<(C’)成分>(C)成分の比較品
・炭酸水素ナトリウム:商品名「重炭酸ナトリウムKP」、AGC(株)製、日局適合品。
<任意成分>
・賦形剤:結晶セルロース、製品名「セオラスUF-711」、旭化成(株)製、日局適合品。
・賦形剤:エリスリトール、製品名「エリスリトール50M」、物産フードサイエンス(株)製、薬添規適合品。
・結合剤:ポリビニルアルコール、三菱ケミカル(株)製、薬添規適合品。
・滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、製品名「ステアリン酸マグネシウム(軽質)植物性」、太平化学産業(株)製、日局適合品。
(評価方法)
<溶出率>
下記試験条件に従い、各例の錠剤(素錠)を試料とし、試料を試験液(37℃)に投入し、次いで試験液を振盪して、試料中の成分を試験液に溶出した。試験液の一部を試料液として採取し、下記定量方法で試験液中の(A)成分の含有量を求め、下記式(s)にて溶出率を算出した。
溶出率が85質量%以上であると、十分に溶出していると判断できる(例えば、後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン(薬生薬審発0319第1号 令和2年3月19日,別紙1)参照)。
≪試験条件≫
試料投入量:ロペラミド類の含有量が0.5mgとなる量。
試験液:日局溶出第2液(pH1.2)、50mL。
振盪条件:200rpm、30分。
試料採取量:5mL。
≪定量方法≫ロペラミド塩酸塩の定量(HPLC)
試験機:LC-2010CHT((株)島津製作所)。
移動相:塩酸トリエチルアミン3.0gを水540mLに溶かし、薄めたリン酸(1→10)10mL及びアセトニトリル450mLを加える。
カラム:ODS。
カラム温度:40℃。
注入量:100μL。
(A)成分の溶出率(質量%)=(試験液中の(A)成分の質量)/(錠剤に配合した(A)成分の質量(0.5mg))×100 ・・・(s)
<変色抑制>
各例の錠剤(素錠)をガラス瓶に入れ密閉状態とし、これを50℃、70%RHの恒温槽内で5日間保管した。
色差計(CM/700D、コニカミノルタ社製)を用いて、5日間保管した錠剤について、b値(黄色方向の色度)を測定した。
(実施例1~7、比較例1~2)
表1の組成に従い、各成分の混合粉体を調製した。混合粉体を単発打錠機((株)菊水製作所製)で打錠し、直径9.5mmの錠剤(素錠)を得た。なお、打錠圧は、錠剤硬度測定器(ヤマト科学(株)製)にて、硬度6kgf~8kgfになるように調整した。
得られた錠剤について、溶出率及び変色抑制を評価し、その結果を表中に示す。
表中、各成分の配合量は、純分である。
なお表中、比較例2の「(C)成分含有量(質量%)」、「C/B比」、「C/A比」、「(A+B)/C比」における(C)成分の質量は、(C’)成分の質量である。
Figure 2024033173000001
表1に示すように、本発明を適用した実施例1~7の溶出率は、90.3~94.8質量%であり、bが2.61~8.99であった。
(C)成分を欠く比較例1の溶出率は、83.3質量%であった。比較例1のbは、19.13であり、いずれの実施例と比べても明らかに黄変していた。
(C)成分に代えて(C’)成分を用いた比較例2の溶出率は、66.2質量%であった。
以上の結果から、(A)成分及び(B)成分の共存下に、(C)成分を共存させることで、変色を防止し、(A)成分の溶出率を高められることを確認できた。

Claims (7)

  1. (A)成分:ロペラミド及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種と、
    (B)成分:ウコン及びそのエキスからなる群から選択される少なくとも1種と、
    (C)成分:アルミニウム、マグネシウムからなる1種以上の金属を含むケイ酸塩及びヒドロタルサイトから選ばれる1種以上と、を含有し、
    前記(C)成分/前記(A)成分で表される質量比は、50~1000である、医薬組成物。
  2. 前記(C)成分/前記(B)成分で表される質量比は、0.05~2である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記(C)成分が、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、三ケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸マグネシウム、メタケイ酸マグネシウム、二ケイ酸三マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量は、医薬組成物の総質量に対して2~80質量%である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む医薬製剤。
  6. 経口製剤である、請求項5に記載の医薬製剤。
  7. 錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又は細粒剤である、請求項6に記載の医薬製剤。
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