JP2024032301A - 解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中の車両のタイヤによって路面から跳ね上げられた砕屑物の挙動を解析可能な解析装置を提供する。【解決手段】路面Rs上を走行中の車両のタイヤ35の回転中心を通る鉛直線と、タイヤの外周面における路面から離れ始める位置と回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度である接地角、及び、路面上に位置する砕屑物Sdの大きさを表す砕屑物寸法に基づいて、タイヤによって飛ばされた砕屑物の移動方向及び移動力Fmixを推定する砕屑物挙動推定部を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、解析装置に関する。
下記特許文献1には、車両のタイヤの路面との接地面積をコントロールし、タイヤによる路面上の砕屑物の吸着量を減らすことにより、タイヤによって跳ね上げられた砕屑物が車体に接触することにより発生する音を小さくする発明が開示されている。
特開2022-69100号公報
上記特許文献1の発明を用いて、砕屑物と車体に衝突に起因する音を解析するためには、車両を試験路において走行させる試験を行う必要がある。
本発明は上記事実を考慮し、走行中の車両のタイヤによって路面から跳ね上げられた砕屑物の挙動を解析可能な解析装置を得ることを目的とする。
請求項1の解析装置は、路面上を走行中の車両のタイヤの回転中心を通る鉛直線と、前記タイヤの外周面における前記路面から離れ始める位置と前記回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度である接地角、及び、前記路面上に位置する砕屑物の大きさを表す砕屑物寸法に基づいて、前記タイヤによって飛ばされた前記砕屑物の移動方向及び移動力を推定する砕屑物挙動推定部を備える。
請求項1に記載の解析装置は、路面上を走行中の車両のタイヤの回転中心を通る鉛直線と、タイヤの外周面における路面から離れ始める位置と回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度である接地角、及び、路面上に位置する砕屑物の大きさを表す砕屑物寸法に基づいて、タイヤによって路面から飛ばされた砕屑物の移動方向及び移動力を推定する。そのため請求項1の解析装置は、走行中の車両のタイヤによって路面から跳ね上げられた砕屑物の挙動を解析可能である。
以上説明したように、本発明に係る解析装置は、走行中の車両のタイヤによって路面から跳ね上げられた砕屑物の挙動を解析可能である、という優れた効果を有する。
実施形態に係る解析装置の解析対象の一つである車輪を有する車両の側面図である。 車輪の斜視図である。 タイヤの要部の断面図である。 解析装置のハードウェアの制御ブロック図である。 解析装置の機能ブロック図である。 (a)はタイヤ諸元及び車両諸元が基準値の場合のタイヤの変形形状であり、(b)は径方向の剛性及び接線方向の剛性のみが基準値より小さい場合の変形形状であり、(c)はタイヤ空気圧のみが基準値より大きい場合の変形形状である。 タイヤの空気圧とRRCの変化率の関係を示すグラフである。 車輪の振動の周波数と伝達関数の関係を示すグラフである。 タイヤの溝によって跳ね上げられた第1寸法の砕屑物の挙動を説明するための模式図である。 タイヤのトレッドパターンによって跳ね上げられた第1寸法の砕屑物の挙動を説明するための模式図である。 タイヤによって跳ね上げられた第2寸法の砕屑物の挙動を説明するための模式図である。 CPUが実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る解析装置10について図面を参照しながら説明する。図中に適宜示される矢印FRは車両前後方向の前側を示し、矢印UPは車両上下方向の上側を示す。
解析装置10を説明する前に、解析装置10によって解析される解析対象物である車両30について図1~図3を参照しながら説明する。
車両30は、車体31と、左右一対の前輪32Fと、左右一対の後輪32Rと、を有する。車体31の左右両側部の下縁部の中央部は、側面視において略水平且つ略直線形状のロッカー部31Cによって構成されている。車体31の左右両側部の下縁部には、ロッカー部31Cの直前に位置する前側ホイールハウス31Fと、ロッカー部31Cの直後に位置する後側ホイールハウス31Rと、が形成されている。前輪32F及び後輪32Rは、車体31に設けられた車軸(図示省略)に回転可能に支持されたホイール33と、ホイール33の外周面に装着されたゴム製のタイヤ35と、を備える。図2及び図3に示されたようにタイヤ35は、トレッド部36、ショルダー部37、サイドウォール部38及びビード部39を有する。タイヤ35は、チューブレスタイプ及びチューブタイプの何れでもよい。
図2及び図3に示されたように、タイヤ35には以下の諸元(タイヤ諸元)がある。
a:タイヤ外径[mm]
b:タイヤ幅(左側のサイドウォール部38とショルダー部37の境界部と右側のサイドウォール部38とショルダー部37の境界部との間の距離)[mm]
c:タイヤ空気圧[kPa]
d:トレッド部36の厚み[mm]
e:トレッド部36のゴムの密度[kg/m
f:トレッド部36のゴムのヤング率[Pa]
g:径方向の剛性[N/m
h:接線方向の剛性[N/m
さらに図1に示されたように、車両30には以下の諸元(車両諸元)がある。
i:車速[kph]
j:軸重[N]
k:駆動力(タイヤ駆動力)[N]
l:最低地上高[mm]
m:ホイールベース[mm]
続いて図4を参照しながら解析装置10について説明する。解析装置10はハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、ストレージ12D、通信I/F(Inter Face)12E及び入出力I/F12Fを含んで構成されている。CPU12A、ROM12B、RAM12C、ストレージ12D、通信I/F12E及び入出力I/F12Fは、バス12Zを介して相互に通信可能に接続されている。
CPU12Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU12Aは、ROM12B又はストレージ12Dからプログラムを読み出し、RAM12Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU12Aは、ROM12B又はストレージ12Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理(情報処理)を行う。
ROM12Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。このプログラムには、例えば、タイヤ変形解析プログラム、RRC解析プログラム、振動解析プログラム、砕屑物挙動解析プログラム及び音解析プログラムが含まれる。RAM12Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ12Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F12Eは、このハードウェア構成が他の機器と通信するためのインタフェースである。入出力I/F12Fは、様々な装置と通信するためのインタフェースである。
解析装置10には入力装置15及びディスプレイ17が接続されている。入力装置15は、様々な情報を入力するための装置である。この情報には、例えば文字情報が含まれる。ディスプレイ17は様々な情報を表示可能である。この情報には、例えば、入力装置15によって入力された情報、並びに後述するRRC、振動伝達特性及び音量の演算結果が含まれる。
図5には解析装置10の機能構成の一例がブロック図で示されている。解析装置10は、機能構成として、変形解析部121、RRC解析部122、振動解析部123、砕屑物挙動推定部124及び音解析部125を有する。これらは、解析装置10のCPU12AがROM12Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
変形解析部121は、入力装置15を介して解析装置10に入力された上述のタイヤ諸元に基づいて、タイヤ35の2次元断面での変形形状モデルを生成する。より詳細には、変形解析部121は、下記の論文1に記載された数式を用いて変形形状モデルを生成する。変形形状モデルには、径方向変形形状モデル及び周方向変形形状モデルが含まれる。

論文1:JAMES T. JENKINS(1982) The Circumferential Contact Problem for the Belted Radial Passenger Car Tire, Vehicle System Dynamics, 11:5-6,325-343,
さらに論文1では、タイヤが2次元形状の弾性円環と仮定され、タイヤの振動モード形状が推定される。さらに各振動モードの寄与率に基づいて、各振動モード形状が合算され、動的転動状態のタイヤの変形形状が予測される。
さらに変形解析部121は、径方向変形形状モデル及び周方向変形形状モデルに、様々な大きさのタイヤ諸元及び車両諸元を適用することにより、タイヤの転動時の変形形状を演算する。図6(a)~(c)は、タイヤ諸元及び車両諸元として様々な値が適用された場合のタイヤの転動時の変形形状を表す。各図中の符号Ctはタイヤの回転中心を表し、符号VLは回転中心Ctを通る鉛直線を表す。横軸のLは前後方向の位置を表す。横軸の「0」は鉛直線VLと路面との交点である。縦軸のHは高さを表す。縦軸の「0」は路面の位置を表す。各図中の仮想線で表された直線Ctlはタイヤの外周面における路面との接地領域である。接地領域Ctlの後端と回転中心Ctとを結ぶ直線RLと、鉛直線VLがなす角度θは、タイヤの路面との接地角である。さらに路面と直線RLの交点におけるタイヤの外周面の接線をTLとする場合、接線TLと路面とがなす角度もθである。
図6(a)は各タイヤ諸元及び各車両諸元が基準値の場合のタイヤの変形形状である。図6(b)は径方向の剛性及び接線方向の剛性のみが基準値より小さい場合のタイヤの変形形状である。図6(b)の接地領域Ctl及び接地角θは図6(a)より大きい。図6(c)はタイヤ空気圧のみが基準値より大きい場合のタイヤの変形形状である。図6(c)の接地領域Ctl及び接地角θは図6(a)より小さい。変形解析部121は、変形形状モデル、タイヤ諸元及び車両諸元を用いた演算処理を行ない、図6に示されたようにタイヤ35がどのように変形するかを推定する。
RRC解析部122は、変形解析部121が求めたタイヤ35の転動時の変形形状に基づいて、タイヤ35のRRC(転がり抵抗)を推定する。RRCとタイヤ35の燃費性能は相関関係がある。RRCは、タイヤのヒステリシス減衰によって決まる。下記の論文2では、タイヤの変形形状(接地角θ)に基づいてRRCを推定する方法が提案されている。RRC解析部122は、論文2の理論及びタイヤ35の変形形状(接地角θ)に基づいてタイヤ35のRRCを求める。

論文2:Bharat Mohan Redrouthu Sisharth Das; ''Tyre modelling for rolling resistance'', Master's thesis in automotive engineering, Chalmers University of Technology, 2014
即ち、RRC解析部122は、様々な大きさのタイヤ空気圧を用いて、多数の図6(c)に相当する変形形状を演算する。この変形形状を演算するために用いられるタイヤ空気圧以外の各タイヤ諸元及び各車両諸元は、各諸元固有の所定値(一定値)である。さらにRRC解析部122は、求めた各変形形状における接地角θを演算する。さらにRRC解析部122は、各タイヤ空気圧に対応する接地角θと論文2の理論を用いて、各接地角θに対応するRRC変化率を演算する。図7は、このようにして求めたRRC変化率とタイヤ空気圧との関係を表す。図7のグラフAに対応するタイヤ空気圧以外の各タイヤ諸元及び各車両諸元の大きさと、グラフBに対応するタイヤ空気圧以外の各タイヤ諸元及び各車両諸元の大きさは互いに異なる。図7の縦軸の単位は%である。即ち、縦軸の100%は基準値であり、例えば120%とは基準値に対して20%変化していることを表す。なお、RRC解析部122は、様々な大きさのタイヤ空気圧の代わりに、様々な大きさのタイヤ空気圧とは異なるタイヤ諸元又は車両諸元を用いて、多数の図6(c)に相当する変形形状を演算してもよい。
振動解析部123は、タイヤ35の動的特性に基づいて、車輪(前輪32F、後輪32R)の振動伝達特性を求める。車輪の振動伝達特性とは、タイヤ35の接地領域Ctlとホイール33の中央部との間の振動の伝達特性のことである。この振動伝達特性は、タイヤ35が持つ動的特性によって決定される。この動的特性には、例えば共振周波数が含まれる。変形解析部121が求めたタイヤ35の転動時の変形形状は、振動モード形状(共振特性)の合算(重ね合わせ)で表現されている。そのため変形解析部121によるタイヤ35の変形形状の演算過程において、タイヤ35の動的特性が取得される。下記の論文3では、タイヤの動的特性に基づいて車輪の振動伝達特性を演算する方法が提案されている。振動解析部123は、論文3の理論を用いて車輪の振動伝達特性(伝達関数)を求める。

論文3:S. Gong, A Study of In-Plane Dynamics of Tires, Delft University, 1993.
図8は、振動解析部123が求めた車輪の伝達関数と、振動の周波数との関係を表すグラフである。なお、タイヤ諸元(例えば、タイヤ空気圧)の大きさが変化するとグラフの形状が変化する。なお、図8の縦軸の各目盛りの間隔(尺度)は5dBである。
砕屑物挙動推定部124は、転動時のタイヤの変形形状(接地角θ)及び砕屑物Sdの寸法(砕屑物寸法)に基づいて、路面Rs上を前進走行する車両30のタイヤ35によって路面Rsから跳ね上げられた砕屑物Sdの移動ベクトルFmix(移動方向及び移動力)を推定する。なお、砕屑物Sdは、その大きさ(径)によって、泥、砂及び礫に分類される。
図9は、砕屑物Sdの寸法が所定の第1寸法の場合のタイヤ35を示す。第1寸法は第1所定値以上の大きさである。第1所定値の一例は2.0mmである。この場合、砕屑物Sdの一部が、タイヤ35のトレッドパターン(ブロックパターン)を形成する外周面に設けられた溝(図示略)内に位置するが、砕屑物Sdは溝の内面によって挟まれない。そのためこの場合のタイヤ35による砕屑物Sdの保持力を表す保持力ベクトルFpの大きさ、砕屑物Sdに及ぶ遠心力ベクトルFcの大きさ、及び、砕屑物Sdに及ぶ車速ベクトルFmの大きさはゼロである。この溝は、タイヤ35の周方向と平行ではない部位を有する。そのため、この回転するタイヤの溝の内面によって押された砕屑物Sdは、タイヤ35の接地領域Ctlの後端においてタイヤ35から離れ且つ移動ベクトルFmixが表す方向に移動する。この移動ベクトルFmixは、タイヤ35の初速ベクトルVintと、砕屑物Sdと路面Rsとの摩擦を表す摩擦ベクトルFfと、を合わせた合計ベクトルである。初速ベクトルVintは、タイヤ35の回転力Frのタイヤ35の外周面の接線方向の分力を表すベクトル(分力ベクトル)である。図9から明らかなように、この場合の砕屑物Sdの移動ベクトルFmixは、後ろ向き且つ接地領域Ctlの後端における接線方向と略平行になり易い。そのため、例えば前輪32Fのタイヤ35によって跳ね上げられた砕屑物Sdは、ロッカー部31Cの後端部及び車両30の当該後端部より後方の部位に衝突する可能性が高い。
図10は、砕屑物Sdの寸法が第1寸法であり、且つ、砕屑物Sdが接地領域Ctlに設けられたトレッドパターン(ブロックパターン)の表面にめり込んだ場合のタイヤ35を示す。この場合のタイヤ35による砕屑物Sdの保持力ベクトルFpの大きさは、ゼロより大きい値である。そのため砕屑物Sdは、接地領域Ctlの後端に到達してから微小時間が経過したときにタイヤ35から離れて移動ベクトルFmixが示す方向に移動する。この場合に砕屑物Sdに及ぶ保持力ベクトルFp、遠心力ベクトルFc、及び車速ベクトルFmの大きさはゼロより大きい。そのため、移動ベクトルFmixは、初速ベクトルVintと、摩擦ベクトルFfと、車速ベクトルFmと、保持力ベクトルFpと、遠心力ベクトルFcと、の合計である。この場合の移動ベクトルFmixが示す方向は、真上より僅かに後ろ向きになり易い。そのため、例えば前輪32Fのタイヤ35によって跳ね上げられた砕屑物Sdは、ロッカー部31Cの前端部と後端部の間の領域に衝突する可能性が高い。
図11は、砕屑物Sdの寸法が所定の第2寸法の場合のタイヤ35を示す。第2寸法は、第1所定値より小さい大きさである。この場合は、砕屑物Sdはタイヤ35の接地領域Ctlの溝に嵌り、且つ、接地領域Ctlに設けられたトレッドパターンの表面にめり込む。さらに、この場合のタイヤ35による砕屑物Sdの保持力ベクトルFpの大きさは図10の場合より大きい。そのため砕屑物Sdは、接地領域Ctlの後端に到達してから、上記微小時間より長いある程度の時間が経過したときにタイヤ35から離れて移動ベクトルFmixが示す方向に移動する。この場合の移動ベクトルFmixは、初速ベクトルVintと、摩擦ベクトルFfと、車速ベクトルFmと、保持力ベクトルFpと、遠心力ベクトルFcと、の合計である。さらにこの場合は、砕屑物Sdがタイヤ35によって保持される時間が図10の場合より長いので、砕屑物Sdは車速ベクトルFmの影響を図10の場合より大きく受ける。そのため、この場合の砕屑物Sdの移動ベクトルFmixが示す方向は、真上より前向きになり易い。そのため、例えば前輪32Fのタイヤ35によって跳ね上げられた砕屑物Sdは、前側ホイールハウス31F及びロッカー部31Cの前端部に衝突する可能性が高い。
さらに砕屑物挙動推定部124は、ROM12Bに記録されている車両30の形状を表す車両形状情報及び移動ベクトルFmixに基づいて、車体31に砕屑物Sdが衝突したときの力である加振力、並びに、車体31における砕屑物Sdが衝突する位置である加振位置を推定する。車両形状情報には、車体31、前輪32F、後輪32Rの形状に関する情報、並びに、前輪32F及び後輪32Rと車体31との相対位置に関する情報が含まれる。さらに車両形状情報には、最低地上高及びホイールベースが含まれる。
音解析部125は、車体31の加振位置及びその周辺部の仕様(材質、板材の肉厚など)と加振力に基づいて、加振位置において発生すると予想される音量(音圧)を推定する。この推定方法には、様々な周知の方法が存在する。
続いて、解析装置10のCPU12Aが行う処理の流れについて、図12のフローチャートを用いて説明する。
まずステップS10(以下、「ステップ」の文字を省略する)においてCPU12Aは、入力装置15によってタイヤ諸元が入力されたか否かを判定する。
S10でYesと判定されたとき、CPU12AはS11へ進み、各タイヤ諸元に基づいてタイヤ35の変形形状モデルを生成する。
続いてCPU12AはS12において、入力装置15によって車両諸元が入力されたか否かを判定する。
S12でYesと判定されたとき、CPU12AはS13へ進み、各タイヤ諸元及び各車両諸元に基づいてタイヤ35の転動時の変形形状を演算する。
続いてCPU12AはS14において、タイヤ35の転動時の変形形状に基づいて、タイヤ35のRRCを演算する。さらにCPU12Aはディスプレイ17を制御して、ディスプレイ17にRRCの演算結果を表示させる。
続いてCPU12AはS15において、タイヤ35の振動伝達特性を求める。さらにCPU12Aはディスプレイ17を制御して、ディスプレイ17に振動伝達特性の演算結果を表示させる。
続いてCPU12AはS16において、タイヤ35の転動時の変形形状(接地角θ)及び砕屑物寸法に基づいて、車両30のタイヤ35によって路面Rsから跳ね上げられた砕屑物Sdの移動ベクトルFmixを演算する。
続いてCPU12AはS17において、車両30の車両形状情報及び移動ベクトルFmixに基づいて、車体31に砕屑物Sdが衝突したときの加振力及び車体31における砕屑物Sdの加振位置を演算する。
続いてCPU12AはS18において、加振位置及びその周辺部の仕様に関する情報並びに加振力に基づいて、加振位置において発生すると予想される音量(音圧)を演算する。さらにCPU12Aはディスプレイ17を制御して、ディスプレイ17に音量の演算結果を表示させる。
S18の処理を終えたとき又はS10、12でNoと判定したとき、CPU12Aは図9のフローチャートの処理を一旦終了する。
以上説明したように本実施形態の解析装置10は、接地角θ及び砕屑物Sdの寸法に基づいて、タイヤ35によって飛ばされた砕屑物Sdの移動ベクトルFmix(移動方向及び移動力)を推定する。より詳細には、解析装置10は、接地角θ、砕屑物Sdの寸法、初速ベクトルVint、車速ベクトルFm、保持力ベクトルFp、遠心力ベクトルFc及び摩擦ベクトルFfに基づいて、砕屑物Sdの移動ベクトルFmixを推定する。このように解析装置10は、多数のパラメータを用いるので、前進走行中の車両30のタイヤ35によって路面Rsから跳ね上げられた砕屑物Sdの挙動を高い精度で予測可能である。
さらに解析装置10は、第1寸法の砕屑物Sdがタイヤ35の溝に入ったときの車速ベクトルFm、保持力ベクトルFp及び遠心力ベクトルFcの大きさをゼロとして扱う。また解析装置10は、第1寸法の砕屑物Sdがタイヤ35のトレッドパターンの表面にめり込んだとき、並びに、第2寸法の砕屑物Sdがタイヤ35の溝に入ったとき及びトレッドパターンの表面にめり込んだときの車速ベクトルFm、保持力ベクトルFp及び遠心力ベクトルFcの大きさをゼロより大きい値として扱う。さらに解析装置10は、第2寸法の砕屑物Sdがタイヤ35の溝に入ったとき及びトレッドパターンの表面にめり込んだときの保持力ベクトルFpの大きさを、第1寸法の砕屑物Sdがトレッドパターンの表面にめり込んだときの保持力ベクトルFpの大きさより大きい値として扱う。このように解析装置10は、砕屑物Sdの大きさの違い及びタイヤ35による砕屑物Sdの保持状態の違いに基づいて、車速ベクトルFm、保持力ベクトルFp及び遠心力ベクトルFcの大きさを適切な値に設定するので、移動ベクトルFmixを正確に推定できる。
さらに解析装置10は、車両30の車両形状情報及び移動ベクトルFmixに基づいて、車体31に砕屑物Sdが衝突したときの力である加振力、並びに、車体31における砕屑物Sdが衝突した位置である加振位置を高い精度で推定できる。
さらに解析装置10は、加振位置及び加振力に基づいて、加振位置において発生すると予想される音の特性(砕屑物の跳ね上げ特性)を推定できる。さらに解析装置10はタイヤの変形形状モデルに基づいて、タイヤ35のRRC特性及び車輪32F、32Rの振動伝達特性を推定できる。従って、解析装置10は、解析対象であるタイヤ35の砕屑物の跳ね上げ特性、RRC特性及び振動伝達特性が、それぞれ適正であるか否かを推定できる。
さらに解析装置10は、タイヤ諸元に基づいてタイヤの変形形状モデルを生成し、且つ、タイヤ諸元及び車両諸元と変形形状に基づいて接地角θを推定する。そのため解析装置10は、CAE(Computer Aided Engineering)解析を利用する場合よりも簡単な手法により、タイヤの変形形状モデルを生成し且つ接地角θを推定できる。
以上、実施形態に係る解析装置10について説明したが、解析装置10は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
例えば、砕屑物Sdの寸法を2つの大きさ(第1寸法、第2寸法)に分類したが、3つ以上の大きさに分類してもよい。
車両30が後進走行する場合に本発明が適用されてもよい。
解析装置10が、車両30の後輪32R(タイヤ35)によって跳ね上げられた砕屑物Sdの移動ベクトルFmix(移動方向及び移動力)を推定し、且つ、車両30に追従走行する後続車両(図示省略)の車体(例えば、フロントウィンドシールド)における砕屑物Sdの加振位置及び加振力を求めてもよい。
砕屑物Sdと車両との衝突により生じる音は、加振力に比例すると考えらえる。そのため解析装置10が、車体に砕屑物Sdが衝突したときの力である加振力を求める一方で、音の特性の推定を行わなくてもよい。
四輪車以外の車両に本発明が適用されてもよい。例えば、二輪車に本発明が適用されてもよい。
10 解析装置
121 変形解析部
124 砕屑物挙動推定部
30 車両
31 車体
35 タイヤ
Ct タイヤの回転中心
Rs 路面
RL 直線
θ 接地角
Sd 砕屑物
Fmix 移動ベクトル()
Ff 摩擦ベクトル
Fm 車速ベクトル
Fp 保持力ベクトル
Fc 遠心力ベクトル
VL 鉛直線
Vint 初速ベクトル(分力ベクトル)

Claims (7)

  1. 路面上を走行中の車両のタイヤの回転中心を通る鉛直線と、前記タイヤの外周面における前記路面から離れ始める位置と前記回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度である接地角、及び、前記路面上に位置する砕屑物の大きさを表す砕屑物寸法に基づいて、前記タイヤによって飛ばされた前記砕屑物の移動方向及び移動力を推定する砕屑物挙動推定部を備える解析装置。
  2. 前記砕屑物挙動推定部が、前記接地角、前記砕屑物寸法、前記タイヤの回転力の接線方向の分力を表す分力ベクトル、前記車両の車速ベクトル、前記タイヤが前記砕屑物を保持する力を表す保持力ベクトル、前記タイヤによって保持されている前記砕屑物に生じる遠心力を表す遠心力ベクトル、及び前記砕屑物と前記路面との摩擦を表す摩擦ベクトルに基づいて、前記砕屑物の前記移動方向及び前記移動力を推定する請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記砕屑物挙動推定部が、前記砕屑物寸法を、第1寸法及び前記第1寸法より小さい第2寸法に分類し、且つ、前記第1寸法の前記砕屑物が前記タイヤの溝に入ったときの前記車速ベクトル、前記保持力ベクトル及び前記遠心力ベクトルの大きさがゼロである請求項2に記載の解析装置。
  4. 前記第1寸法の前記砕屑物が前記タイヤのトレッドパターンの表面にめり込んだとき、並びに、前記第2寸法の前記砕屑物が前記タイヤの前記溝に入ったとき及び前記トレッドパターンの表面にめり込んだときの前記車速ベクトル、前記保持力ベクトル及び前記遠心力ベクトルの大きさがゼロより大きい値である請求項3に記載の解析装置。
  5. 前記第2寸法の前記砕屑物が前記タイヤの前記溝に入ったとき及び前記トレッドパターンの表面にめり込んだときの前記保持力ベクトルの大きさが、前記第1寸法の前記砕屑物が前記タイヤのトレッドパターンの表面にめり込んだときの前記保持力ベクトルの大きさより大きい値である請求項4に記載の解析装置。
  6. 前記砕屑物挙動推定部が、前記車両の形状を表す車両形状情報、前記移動方向及び前記移動力に基づいて、前記車両の車体に前記砕屑物が衝突したときの力である加振力、及び、前記車体における前記砕屑物が衝突した位置である加振位置を推定する請求項1又は請求項2に記載の解析装置。
  7. 前記タイヤの諸元であるタイヤ諸元に基づいて前記タイヤの変形形状モデルを生成し、且つ、前記タイヤ諸元及び前記車両の諸元である車両諸元と前記変形形状モデルとに基づいて前記接地角を推定するタイヤ変形解析部を備える請求項1又は請求項2に記載の解析装置。
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