JP2024031862A - 導電性ペースト、電極、電子部品及び電子機器 - Google Patents

導電性ペースト、電極、電子部品及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することのできる導電性ペースト、導電性ペーストを用いて形成された電極及びその電極を有するチップ抵抗器などの電子部品を提供する。【解決手段】導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む導電性ペーストであって、導電性粒子が、表面処理金属粒子を含み、前記表面処理金属粒子が、金属粒子と、前記金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層とを含み、高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電子部品の電極の形成に用いられる導電性ペーストに関する。また、本発明は、その導電性ペーストを用いて形成された電極、及びその電極を有するチップ抵抗器などの電子部品に関する。
電子部品の1つであるチップ抵抗器の電極の形成には、銀粉(銀粒子)を含む導電性ペーストが用いられる。図1に、チップ抵抗器100の断面構造の一例を示す。チップ抵抗器100は、矩形のアルミナ基板102を有しており、アルミナ基板102の上面には、抵抗体104と、抵抗体104から電気を取り出すための取り出し電極106が形成されている。また、アルミナ基板102の下面には、チップ抵抗器100を基板へ実装するための下面電極108が形成されている。更に、アルミナ基板102の端面には、取り出し電極106と下面電極108とを接続するための接続電極110が形成されている。取り出し電極106及び下面電極108は、アルミナ基板102の上面及び下面に導電性ペーストを印刷によって塗布した後に焼成することでそれぞれ形成される。取り出し電極106、下面電極108、及び接続電極110の上には、ニッケルめっき膜112及びスズめっき膜114が形成されることが一般的である。
電極の形成に用いられる導電性ペーストとして、特許文献1には、導電性粉末、ガラスフリット、無機結合剤を有機ビヒクル中に分散して成るチップ抵抗器上面電極用ペーストが開示されている。
また、特許文献2には、(A)Ag及びSnを含む表面処理金属粒子と、(C)ガラスフリットと、(B)バインダー樹脂と、を含有し、(A)導電性粒子におけるSnの重量割合が、10重量%未満である、導電性ペーストが開示されている。
特開平7-335402号公報 国際公開第2021/145269号
ガソリン自動車及び火力発電所などにおいて、化石燃料が燃焼されることで、大気中に硫黄酸化物が大量に排出されている。また、また、下水処理場、及びごみ処理場などにおいても、硫黄が嫌気性細菌によって還元されて硫化水素が発生している。そのため、大気中には、硫黄酸化物及び硫化水素など、硫黄を含む成分が存在している。
大気中の硫黄を含む成分が銀などの金属の表面に達すると、銀などの金属の表面に硫黄成分が付着し、銀などの金属と反応して硫化銀などの金属硫化物になる。例えば、チップ抵抗器の電極などの銀を主材料とした電極においても、同様の反応が起こるため、電極内部の銀などの金属が硫化銀などの金属硫化物になることがある。電極内部に硫化銀などの金属硫化物が発生すると、電極に断線が生じる場合がある。そのため、銀などの金属を材料とした電極を有するチップ抵抗器などのデバイスでは、動作不良が生じることがある。このような現象を、硫化による断線という。硫化による断線は、銀以外に、銅、インジウム及びアルミニウム、並びにこれらの少なくとも1つを含む合金の電極でも発生する可能性がある。
硫化による断線を抑制するために、チップ抵抗器などのデバイスに用いられる銀などの金属を主材料とする電極には、耐硫化性の高い電極が必要である。
耐硫化性の高い電極を形成するための導電性ペーストの導電性粒子としてパラジウム単体、あるいはパラジウムを所定量(例えば20重量%程度)添加することが提案されている。しかしながら、パラジウムの価格は高いため、パラジウム単体あるいはパラジウムの添加により、導電性ペーストのコストが上昇し、電極のコストが高くなる、という問題がある。
そこで、本発明は、高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することのできる導電性ペーストを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
構成1は、(A)導電性粒子と、
(B)バインダー樹脂と
を含む導電性ペーストであって、
(A)導電性粒子が、表面処理金属粒子を含み、
前記表面処理金属粒子が、金属粒子と、前記金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層とを含み、
前記表面処理層が、パラジウム化合物を含む、導電性ペーストである。
(構成2)
構成2は、前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.01~1.0重量部である、構成1の導電性ペーストである。
(構成3)
構成3は、前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.01~0.6重量部である、構成1又は2の導電性ペーストである。
(構成4)
構成4は、前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.05~0.4重量部である、構成1~3のいずれかの導電性ペーストである。
(構成5)
構成5は、前記表面処理層が、更に有機物を含む、構成1~4のいずれかの導電性ペーストである。
(構成6)
構成6は、前記金属粒子が、銀を50重量%以上含む、構成1~5のいずれかの導電性ペーストである。
(構成7)
構成7は、前記(A)表面処理金属粒子の平均粒径(D50)が0.1~10μmである、構成1~6のいずれかの導電性ペーストである。
(構成8)
構成8は、前記(B)バインダー樹脂の含有量が、前記(A)表面処理金属粒子100重量部に対して0.1~30重量部である、構成1~7のいずれかの導電性ペーストである。
(構成9)
構成9は、前記導電性ペーストが、(C)ガラスフリットを更に含む、構成1~8のいずれかの導電性ペーストである。
(構成10)
構成10は、前記(C)ガラスフリットが、Biを含む、構成9の導電性ペーストである。
(構成11)
構成11は、前記導電性ペーストの前記(C)ガラスフリットの含有量が、前記(A)表面処理金属粒子100重量部に対し0.05~10重量部である、構成9又は10の導電性ペーストである。
(構成12)
構成12は、前記導電性ペーストが、(F)硬化剤を更に含む、構成1~11のいずれかの導電性ペーストである。
(構成13)
構成13は、構成1~12のいずれかの導電性ペーストを焼成又は熱処理して得られる電極である。
(構成14)
構成14は、前記電極が、パラジウムを0.01~10重量%含む、構成13の電極である。
(構成15)
構成15は、構成13又は14の電極を含む、電子部品又は電子機器である。
本発明によれば、高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することのできる導電性ペーストを提供することができる。
チップ抵抗器の断面構造の一例を示す模式図である。 実施例及び比較例の耐硫化性試験のための試験片の形状を示す模式図である。 実施例及び比較例の耐マイグレーション試験のための試験片の試験用印刷パターンの形状を示す光学顕微鏡写真である。 図3に示す耐マイグレーション試験のための試験片の試験用印刷パターンの光学顕微鏡写真の中央付近を拡大した光学顕微鏡写真である。 実施例3と同様の条件で作製した試験片を、硫黄を含む気体雰囲気中で150時間保管して硫化させた後の、導電性ペーストの焼成体の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率5000倍)である。 比較例1と同様の条件で作製した試験片を、硫黄を含む気体雰囲気中で150時間保管して硫化させた後の、導電性ペーストの焼成体の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率5000倍)である。 耐マイグレーション試験を行った際の実施例1、実施例3及び比較例1の絶縁抵抗値の時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
本実施形態の導電性ペーストは、(A)導電性粒子と、(B)バインダー樹脂とを含む。本実施形態の導電性ペーストは、チップ抵抗器などの電子部品の電極を形成するために好ましく用いることができる。(A)導電性粒子は、パラジウム化合物によって表面処理された表面処理層を含む表面処理金属粒子を50重量%以上含むことができる。
まず、本実施形態の導電性ペーストに含まれる成分について、説明する。
<(A)導電性粒子>
本実施形態の導電性ペーストは、(A)導電性粒子を含む。(A)導電性粒子は、表面処理金属粒子を含む。表面処理金属粒子は、金属粒子と、金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層とを含む。表面処理層は、パラジウム化合物を含む薄膜である。表面処理層は、金属粒子を前記パラジウム化合物によって表面処理することにより形成される。(A)導電性粒子が、所定の表面処理金属粒子を含むことにより、導電性粒子に含まれる金属の硫化を抑制することができる。そのため、本実施形態の導電性ペーストを用いることにより、高い耐硫化性を有する電極を形成することができる。
なお、本発明の発明者らは、本実施形態の導電性ペーストの(A)導電性粒子が、所定の表面処理金属粒子を含むことにより、付加的な効果として、得られる電極の耐マイグレーション性も向上することを見出した。耐マイグレーション性とは、マイグレーションを抑制することのできる性質を意味する。マイグレーションとは、1対の電極(プラス電極及びマイナス電極)に対して電圧を印加したときに、電極近傍に水及び/又は水蒸気が存在すると、電極及び配線部に含まれる金属がイオン化し、プラス電極からマイナス電極に移動し金属のデンドライトが発生し、配線部間の絶縁性が低下する現象である。また、マイグレーションは、100℃以上又は真空中等のように水分による影響の無い雰囲気下においても発生する場合がある。この場合には、1対の電極が短絡に近い状態になっても、配線部間に、水分の存在下でのマイグレーション発生時に必ず見られるデンドライトの発生が無く、また、極性も見られない(つまりプラス電極とマイナス電極との極性に関わらず発生する)。耐マイグレーション性とは、このような従来より広く知られているマイグレーションを抑制することのできる性質を意味する。金属のマイグレーションにより、1対の電極が短絡する可能性がある。耐マイグレーション性が向上することにより、電極の短絡を抑制することができる。また、本実施形態の導電性ペーストが、比較的高温(例えば、500~900℃)で焼成するタイプの導電性ペーストの場合だけでなく、比較的低温(例えば、100~200℃)での熱処理により熱硬化させる熱硬化型の導電性ペーストの場合であっても、得られる電極の耐マイグレーション性が向上することを見出した。ただし、耐マイグレーション性の向上という利点は、必ずしも本実施形態の導電性ペーストの必須の効果ではなく、1つの利点であると考えられる。
(A)導電性粒子は、表面処理金属粒子以外の金属を含むことができる。ただし、低い電気抵抗であり、かつ高い耐硫化性を有する電極を確実に得るためには、(A)導電性粒子は、表面処理金属粒子を50重量%以上含むことが好ましく、表面処理金属粒子を80重量%以上含むことがより好ましく、表面処理金属粒子を90重量%以上含むことが更に好ましく、表面処理金属粒子のみからなることが特に好ましい。なお、本明細書において、「(A)導電性粒子は、表面処理金属粒子のみからなる」とは、(A)導電性粒子として、意図的に表面処理金属粒子以外の金属を配合しないことを意味し、不可避的に混入する表面処理金属粒子以外の導電性粒子が含有することまでも排除するものではない。
(A)導電性粒子は、本実施形態の効果を損ねない範囲で、表面処理金属粒子以外の金属粒子として、Zn、In、Al及び/又はSiなどの材料の金属粒子を含むことができる。表面処理金属粒子に含まれる金属粒子、及び表面処理金属粒子以外の金属粒子は、合金の金属粒子であることができる。また、表面処理金属粒子に含まれる金属粒子、及び表面処理金属粒子以外の金属粒子は、種類の異なる複数の金属又は合金の金属粒子を含むことができる。
表面処理金属粒子は、金属粒子と、金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層とを含む。表面処理層は、金属粒子の表面の少なくとも一部に形成された薄膜である。金属粒子を、パラジウム化合物によって表面処理することにより、金属粒子の表面の少なくとも一部に表面処理層を形成することができる。したがって、表面処理金属粒子は、パラジウム化合物によって表面処理された金属粒子とすることができる。
パラジウム化合物によって表面処理される金属粒子の材料は、Ag、Cu、In、Al、又はこれらの合金などを用いることができる。電気伝導率が比較的高いことから、金属粒子の材料は、Ag及び/又はCuであることが好ましく、Agであることがより好ましい。
本実施形態の導電性ペーストは、金属粒子が、銀(Ag)を50重量%以上含むことが好ましく、銀(Ag)を80重量%以上含むことがより好ましく、銀(Ag)を90重量%以上含むことが更に好ましく、銀(Ag)を95重量%以上含むことが特に好ましい。最も好ましい実施形態では、本実施形態の導電性ペーストに含まれる表面処理金属粒子の金属粒子は、銀(Ag)粒子のみからなる。銀の電気伝導率が、他の金属と比べると比較的高いためである。なお、本明細書において、「表面処理金属粒子の金属粒子は、銀(Ag)粒子のみからなる」とは、金属粒子として、意図的に銀(Ag)粒子以外の金属粒子を用いないことを意味し、不可避的に混入する銀(Ag)粒子以外の金属粒子が含有することまでも排除するものではない。他の同様の記載についても同様に、不可避的に混入する物質を排除するものではない。
本実施形態の導電性ペーストは、導電性ペースト100重量部に対し、表面処理金属粒子を50重量部以上含むことが好ましく、70重量部以上含むことがより好ましく、80重量部以上含むことが更に好ましい。
また、本実施形態の導電性ペーストは、導電性ペースト100重量部に対し、表面処理金属粒子を50~99重量部含むことが好ましく、70~97重量部以上含むことがより好ましく、80~95重量部含むことが更に好ましい。上記範囲であることにより、高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することができる
金属粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、還元法、粉砕法、電解法、アトマイズ法、熱処理法、又はそれらの組合せによって製造することができる。フレーク状の金属粒子は、例えば、球状又は粒状の金属粒子をボールミル等によって押し潰すことによって製造することができる。
表面処理金属粒子は、金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層を含む。表面処理層は、金属粒子を、パラジウム化合物を含む表面処理剤によって表面処理することにより、金属粒子の表面の少なくとも一部に形成された薄膜である。
金属粒子を表面処理するための原料となるパラジウム化合物として、塩化パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)、有機パラジウム化合物、フッ化パラジウム、パラジウム炭素、n-アリルパラジウム錯体、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、臭化パラジウム、及びオレイン酸パラジウムのようなパラジウムの脂肪酸錯体等のパラジウム錯体から選択される少なくとも1つを用いることができる。金属粒子を表面処理するための原料となるパラジウム化合物として、塩化パラジウムを用いることが好ましい。
表面処理層は、パラジウム化合物を用いて、公知の方法で表面処理することにより形成することができる。具体的には、表面処理層は、パラジウム又はパラジウムイオンと、これらを分散させるための有機物と、溶剤とを含むパラジウムソープ溶剤(表面処理剤)を、金属粒子の表面に付着させ、乾燥工程により、溶剤を除去したものである。これにより、金属粒子の表面にパラジウム化合物を含んだ表面処理層を形成することができる。
パラジウム又はパラジウムイオンを分散させるための有機物としては、脂肪酸及びトリアゾール化合物から選択される少なくとも1つであることが好ましい。溶剤として脂肪酸を用いる場合、脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カブリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、及びメリシン酸などから選択される少なくとも1つを使用することができる。これらの脂肪酸の中でも、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸から選択される少なくとも1つを使用することが好ましい。表面処理剤に含まれる有機物(脂肪酸)として、オレイン酸を使用することがより好ましい。パラジウム又はパラジウムイオンを分散させるための有機物としてトリアゾール化合物を用いる場合、トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾールを使用することができる。
なお、表面処理層を形成するための表面処理剤に含まれる溶剤は、パラジウム又はパラジウムイオンを分散させ、金属粒子に対しパラジウム化合物を良好に付着させるために用いられるものであればよい。溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、酢酸エチレン等の有機酸類、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等のN-アルキルピロリドン類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、テルピネオール(TEL)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール、BC)等の環状カーボネート類、ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールモノイソブチラート(テキサノール)、並びに水等が挙げられる。
上述のパラジウム化合物を分散させた溶剤を含む表面処理剤を金属粒子の表面に付着させ、溶剤を乾燥により除去することによって、金属粒子の表面に表面処理層を形成することができる。このようにして、表面処理金属粒子を得ることができる。
また、表面処理金属粒子の表面処理層は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず、金属粒子を水に分散させる。金属粒子分散させた水中に、被覆剤として、上述のパラジウム化合物を分散させた溶剤を添加して、パラジウムを含む被覆剤で被覆された金属粒子を含む水スラリーを得た後、デカンテーションにより被覆剤で被覆された金属粒子を沈降させる。次に、上澄み液を除去して、得られたウエットな状態の被覆剤で被覆された金属粒子をアクリル系分散剤とともに沸点が150~300℃の極性溶剤に添加する。その後、窒素雰囲気中において室温から100℃の温度、好ましくは80℃以下の温度で12時間以上乾燥させて水分を除去することにより、表面処理金属粒子を製造することができる。なお、乾燥温度が高過ぎると表面処理金属粒子が焼結してしまうので好ましくない。
本実施形態の導電性ペーストに含まれる表面処理金属粒子の表面処理層は、更に有機物を含むことが好ましい。例えば、表面処理層が、上述のパラジウム化合物を用いて形成される場合には、表面処理層が有機物を含むことになる。表面処理金属粒子が、有機物を含む表面処理層を有することにより、パラジウム化合物量が少量であっても、得られる電極が高い耐硫化性を有することができる。なお、有機物は液状の有機脂肪酸であってもよく、固形の脂肪酸であってもよい。液状の脂肪酸の例としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、及びペラルゴン酸等の飽和脂肪酸、並びにミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの脂肪酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、オレイン酸、リノール酸又はこれらの混合物を用いることが好ましい。固形の脂肪酸の例としては、カプリン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸等の炭素原子数10以上の飽和脂肪酸、並びにクロトン酸、及びソルビン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
本実施形態に用いる表面処理金属粒子の表面処理層は、パラジウム化合物の薄膜である。本実施形態では、表面処理金属粒子の表面処理層は、パラジウム金属又はパラジウム合金を材料とする薄膜ではないことに特徴がある。表面処理層が、パラジウム金属又はパラジウム合金を材料とする薄膜である場合には、パラジウムの配合量が多すぎるため、得られる電極の電気抵抗が増加するなどの悪影響が生じることがある。また、焼成後、パラジウム金属又はパラジウム合金が金属粒子の表面に多く存在することにより、銀粒子などの金属粒子に対するはんだの濡れ性が悪くなり、はんだ付けが阻害される可能性が高くなる。また、パラジウムの使用量が多くなると、高コストである。
表面処理層は、金属粒子の表面の少なくとも一部に形成された薄膜である。表面処理層は、金属粒子の表面の50%以上を覆う薄膜であることが好ましく、金属粒子の表面の80%以上を覆う薄膜であることがより好ましく、金属粒子の表面の90%以上を覆う薄膜であることが好ましく、金属粒子の表面の95%以上を覆う薄膜であることが特に好ましい。表面処理層は、金属粒子の表面全体を覆う薄膜であることが最も好ましい。
表面処理金属粒子の表面処理層の膜厚は、必ずしも均一である必要はないが、金属粒子の硫化をより効果的に抑制するために、均一であることが好ましい。なお、表面処理層の膜厚の制御は、例えば、パラジウム化合物が溶剤中に分散されたパラジウムソープ溶剤(表面処理剤)の粘度、及びパラジウムソープ溶剤(表面処理剤)中のパラジウム化合物の濃度を調節することにより、制御することができる。また、表面処理層の膜厚の制御することにより、表面処理層に含まれるパラジウムの量を制御することができる。なお、表面処理層の膜厚は、1~100nm以下であることが好ましく、1~70nm以下であることがより好ましく、1~50nm以下であることが特に好ましい。表面処理層の厚みは、例えばX線光電子分光法にて測定できる。表面処理層の膜厚をこの範囲とすることで、パラジウム化合物量を少量としながらも耐硫化性の高い電極を形成することができる。
本実施形態の導電性ペーストが、(A)導電性粒子として、パラジウム化合物によって表面処理された表面処理金属粒子を含むことにより、高価なパラジウムを多く使用せずに高い耐硫化性を有する電極を形成することができる。したがって、本実施形態の導電性ペーストを用いることにより、高い耐硫化性を有し、比較的低コストの電極を形成することができる。特に、金属粒子として銀粒子を用いる場合、銀は硫化されやすい。本実施形態の導電性ペーストを用いることにより、銀を主材料とする電極が硫化によって断線することを、低コストで、効果的に抑制することができる。
例えば、銀粒子を金属粒子として用いた場合、パラジウム化合物によって表面処理された表面処理金属粒子(表面処理銀粒子)を用いることによって、銀粒子の硫化を抑制することができることの理由は、以下のように推論することができる。すなわち、表面処理成分としてのパラジウムと金属粒子とが焼結により均一な合金層を形成することで耐硫化性が向上したものと推定される。パラジウム化合物中のパラジウムは、比較的高温(例えば、500~900℃)で焼成するタイプの導電性ペーストの場合は、焼成により金属粒子とパラジウム金属合金層(金属粒子が銀粒子の場合は、パラジウム-銀合金層)として存在するようになる。このパラジウム金属合金層は、金属粒子に高い耐硫化性を付与することになると考えられる。また、比較的低温(例えば、100~200℃)での熱処理により熱硬化させる熱硬化型の導電性ペーストの場合は、銀粒子などの金属粒子の表面にパラジウム化合物が薄膜として形成されることで、耐硫化性が得られると考えられる。なお、表面処理層に含まれるパラジウムの含有量はあまり多くはない。そのため、別途パラジウム粒子を添加する場合と比べて、パラジウムの使用量が少なくて済むので、比較的低コストで高い耐硫化性を得ることができる。このようにして得られた電極は、高い耐硫化性を有し、基板への密着性が優れている。銀粒子以外の他の金属粒子についても同様に推論できる。ただし、本発明は、この推論に拘束されるものではない。
本実施形態の導電性ペーストの(A)導電性粒子が、所定の表面処理金属粒子を含むことにより、付加的な効果として、得られる電極の耐マイグレーション性も向上することができる。パラジウム化合物によって表面処理された表面処理金属粒子(表面処理銀粒子)を用いることによって、耐マイグレーション性も向上することができることの理由は、パラジウム化合物によって表面処理された表面処理金属粒子を用いることで、パラジウムの耐マイグレーションの効果は持ちつつ、電極の緻密性も向上する。これにより、耐マイグレーション性が向上するものと推測される。ただし、本発明は、この推論に拘束されるものではない。
本実施形態の導電性ペーストは、表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、金属粒子100重量部に対し、0.01重量部以上であることが好ましく、0.05重量部以上であることがより好ましく、0.08重量部以上であることが特に好ましい。また、パラジウムの含有量は、金属粒子100重量部に対し、1.0重量部以下であることが好ましく、0.8重量部以下であることがより好ましく、0.6重量部以下であることが更に好ましく、0.4重量部以下であることが特に好ましく、0.3重量部以下であることが最も好ましい。表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が上記範囲であることにより、パラジウムの使用量が少なく、低コストでありながら電極の硫化による電極の抵抗値の変化を小さくすることができる。なお、表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量は、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)で測定することができる。
(A)導電性粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、粒状、フレーク状及び/又は鱗片状の表面処理金属粒子を用いることが可能である。
(A)導電性粒子の平均粒径は、0.1μm~10μmが好ましく、より好ましくは0.2μm~8μmであり、更に好ましくは0.3μm~7μmであり、特に好ましくは0.4~6μmである。ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる体積基準メジアン径(D50)を意味する。(A)導電性粒子の平均粒径(D50)が10μm以上である場合には、焼結性が悪く、緻密な膜が得られない。また、(A)導電性粒子の平均粒径(D50)が0.1μm以下である場合には、分散性が悪くなる傾向になり、導電性ペーストを印刷したときに均一な薄膜が得られにくい場合がある。
<(B)バインダー樹脂>
本実施形態の導電性ペーストは、(B)バインダー樹脂を含む。
(B)バインダー樹脂は、導電性ペースト中において(A)導電性粒子同士をつなぎあわせるものである。なお、本実施形態の導電性ペーストは、後述の(C)ガラスフリットを含むことができるし、含まないことができる。本実施形態の導電性ペーストに含まれる(B)バインダー樹脂の機能は、(C)ガラスフリットを含む場合と、(C)ガラスフリットを含まない場合とで、異なる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布し、比較的高温(例えば500~900℃)で焼成することにより、電極を形成することができる。この場合、(B)バインダー樹脂は、焼成の際に焼失する。したがって、この場合の(B)バインダー樹脂の機能は、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布したときに、(A)導電性粒子同士をつなぎあわせることである。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布し、比較的低温(例えば100~200℃)で熱処理することにより、電極を形成することができる。この場合、(B)バインダー樹脂は、熱処理の際に焼失しない。この場合の(B)バインダー樹脂の機能は、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布したときに(A)導電性粒子同士をつなぎあわせることに加え、熱処理後に(A)導電性粒子同士をつなぎあわせることにより、熱処理後の電極の形状を保つことである。
(B)バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等のセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルセルロース等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂は、単独で使用することができ、2種類以上を混合して使用することができる。
(B)バインダー樹脂としては、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等のセルロース系樹脂、及びアルキド樹脂から選択した少なくとも1つを用いることが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合、本実施形態の導電性ペーストは、表面処理金属粒子同士の接着性を向上させるために、(B)バインダー樹脂として、エポキシ樹脂を含むことができる。エポキシ樹脂の種類については特に制限はなく、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、テトラメチルビフェニル型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型、ジシクロペンタジエンフェノール縮合型、フェノールアラルキル縮合型、及びグリシジルアミン型などのエポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、並びに脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、表面処理金属粒子同士の接着性を向上させることを目的として、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を用いてもよい。さらに、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリカボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
(B)バインダー樹脂の含有量は、(A)導電性粒子100重量部に対して、好ましくは0.1~30重量部であり、より好ましくは、0.5~15重量部であり、更に好ましくは1~10重量部であり、特に好ましくは1.5~8重量部である。導電性ペースト中の(B)バインダー樹脂の含有量が上記の範囲内の場合、導電性ペーストの基板(基材)への塗布性、及び/又はペーストレベリング性が向上し、優れた印刷形状を得ることができる。一方、(B)バインダー樹脂の含有量が上記の範囲を超えると、塗布した導電性ペースト中に含まれる(B)バインダー樹脂の量が多すぎる。そのため、電極等を高精度に形成することができなくなる可能性がある。
<(C)ガラスフリット>
本実施形態の導電性ペーストは、(C)ガラスフリットを更に含むことができる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布し、比較的高温(例えば500~900℃)で焼成することにより、電極を形成することができる。この場合、上述の(B)バインダー樹脂は、焼成の際に焼失する。導電性ペーストに含まれる(C)ガラスフリットよって、(A)導電性粒子同士をつなぎあわせることにより、焼成後の電極の形状を保つことができる。
ガラスフリットは、特に限定されるものではないが、好ましくは軟化点300℃以上、より好ましくは軟化点400~900℃、更に好ましくは軟化点500~800℃のガラスフリットを用いることができる。ガラスフリットの軟化点は、熱重量測定装置(例えば、BRUKER AXS社製、TG-DTA2000SA)を用いて測定することができる。
(C)ガラスフリットの例として、ホウケイ酸系、及びホウケイ酸バリウム系等のガラスフリットを挙げることができる。また、ガラスフリットの例として、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系、ホウ酸ビスマス系、及びホウ酸亜鉛系等のガラスフリットを挙げることができる。これらのガラスフリットは、2種以上を混合して用いることもできる。ガラスフリットは、環境への配慮の点から鉛フリーであることが好ましい。
ガラスフリットは、ZnO、Bi、BaO、NaO、CaO及びAlからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。ガラスフリットは、ZnO及びBiからなる群から選択される少なくとも1つを含むことがより好ましい。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、ガラスフリットは、ZnOを含むことが更に好ましい。ガラスフリットとしてZnOを含むガラスフリット(亜鉛系ガラスフリット)を用いる場合には、より高い耐硫化性の電極を得ることができる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、ガラスフリットは、Biを含むことが更に好ましい。ガラスフリットとしてBiを含むガラスフリット(ビスマス系ガラスフリット)を用いる場合には、電極の緻密性を向上させることができる。
ガラスフリットの平均粒径は、好ましくは0.1~20μm、より好ましくは0.2~10μm、特に好ましくは0.5~5μmである。ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる体積基準メジアン径(D50)のことを意味する。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、(C)ガラスフリットの含有量は、(A)導電性粒子100重量部に対して0.05~10重量部であることが好ましく、0.5~8重量部であることがより好ましく、1~6重量部であることが更に好ましく、2~4重量部であることが特に好ましい。ガラスフリットの含有量がこの範囲よりも少ない場合、導電性ペーストを焼成して得られる電極の基板(基材)への密着性が低下する。ガラスフリットの含有量がこの範囲よりも多い場合、導電性ペーストを焼成して得られる電極の抵抗値は高く、焼成体の表面がガラス成分で覆われるため、めっき付け性が悪くなる。なお、ガラスフリットの含有量が比較的少ない場合には、低抵抗の電極を得ることができる。また、ガラスフリットの含有量が比較的多い場合には、耐薬品性に優れる電極を得ることができる。耐薬品性は、電極の表面にめっき膜を形成する場合に、めっき前処理が必要であるために求められる特性である。めっき前処理は、電極の表面から汚染物質を除去し、電極の表面を活性化し、めっきに適した清浄な状態にすることを目的として行われる。除去するべき汚染物質には有機系と無機系に大別できる。前処理工程は、単独の工程ですべての汚染物質を除去する工程ではない。例えば有機系物質は、アルカリ系洗浄剤を用いた工程で除去する。無機系物質は、酸系洗浄剤を用いた工程で除去する。そのため、電極に高い耐薬品性が求められる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合には、温度の上昇とともにガラスフリットが軟化し、(A)導電性粒子の焼結(焼成)が進む。ガラスフリット含有量が多い場合には、ガラス成分が焼成体の表面に押し出されてくることがある。その場合、焼成体の表面はガラス成分で覆われることがある。(C)ガラスフリットが酸化亜鉛を含む場合には、結晶化温度でガラスフリット中のZn成分がZnOとして析出するため、表面処理金属粒子中のパラジウムと同様に、焼成後の(A)導電性粒子の耐硫化性に対して寄与することができる。
<(D)添加剤>
本実施形態の導電性ペーストは、(D)添加剤として分散剤を含むことができる。本実施形態の導電性ペーストが分散剤を含むことにより、導電性ペースト中の(A)導電性粒子の分散性を高めることができ、(A)導電性粒子が凝集することを防止することができる。
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができる。分散剤として、例えば、脂肪酸アミド、酸型の低分子分散剤、又は酸化ビスマス(Bi)を用いることができる。
本実施形態の導電性ペーストは、分散剤以外の(D)添加剤として、有機添加材及び無機添加材などを含むことができる。(D)添加剤として、例えば、シリカフィラー、レオロジー調整剤、及び/又は顔料などを用いることができる。
(D)添加剤として、導電性ペーストに有機添加材を添加することにより、導電性ペーストの印刷性を向上させることができる。(D)添加剤として、導電性ペーストに分散剤を添加することにより、(A)導電性粒子などの分散性を向上することができる。(D)添加剤として、導電性ペーストに無機添加材を添加することにより、導電性ペーストの焼成後の密着性を向上させることができる。
<(E)溶剤>
本実施形態の導電性ペーストは、(E)溶剤を含むことができる。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、酢酸エチレン等の有機酸類、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等のN-アルキルピロリドン類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、テルピネオール(TEL)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール、BC)等の環状カーボネート類、ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールモノイソブチラート(テキサノール)、並びに水等が挙げられる。
本実施形態の導電性ペースト中の溶剤の含有量は、特に限定されない。溶剤の含有量は、例えば、(A)導電性粒子100重量部に対して、好ましくは1~100重量部、より好ましくは5~60重量部、更に好ましくは8~35重量部である。
本実施形態の導電性ペーストの粘度は、好ましくは50~700Pa・s(せん断速度:4.0sec-1)、より好ましくは100~300Pa・s(せん断速度:4.0sec-1)である。本実施形態の導電性ペーストの粘度は、溶剤の含有量を適切に制御することにより、調整することができる。導電性ペーストの粘度がこの範囲に調整されることによって、導電性ペーストの基板(基材)への塗布性及び/又は取り扱い性が良好になり、導電性ペーストを均一の厚みで基板へ塗布することが可能になる。なお、導電性ペーストの粘度は、HB型粘度計(ブルックフィールド社製)(SC4-14スピンドル)を使用して、温度25℃、10rpmで測定することができる。
<(F)硬化剤>
本実施形態の導電性ペーストは、(F)硬化剤を更に含むことが好ましい。本実施形態の導電性ペーストが、(B)バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含む場合には、(F)硬化剤を含むことにより、エポキシ樹脂の硬化を適切に制御することができる。
(F)硬化剤は、公知の硬化剤を用いることができる。(F)硬化剤として、フェノール系硬化剤、カチオン重合開始剤、イミダゾール系硬化剤、及び三フッ化ホウ素化合物から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。三フッ化ホウ素化合物としては、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素ピペリジン、及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル等が挙げられる。(F)硬化剤として、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを好ましく用いることができる。
本実施形態の導電性ペーストは、(A)導電性粒子と、(C)バインダー樹脂であるエポキシ樹脂との合計重量を100重量部とした場合、導電性ペーストが、(F)硬化剤を0.1~5重量部含むことが好ましく、0.15~2重量部含むことがより好ましく、0.2~1重量部含むことが更に好ましく、0.3~0.6重量部含むことが特に好ましい。(F)硬化剤の重量割合を所定の範囲とすることにより、(B)バインダー樹脂成分であるエポキシ樹脂の硬化を適切に行うことができ、所望の形状の電極を得ることができる。
本実施形態の導電性ペーストは、上記の各成分を、例えば、ライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、及び/又は二軸ミキサー等を用いて混合することで製造することができる。
<電極>
本実施形態は、上述の本実施形態の導電性ペーストを焼成又は熱処理して得られる電極である。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布し、比較的高温(例えば500~900℃)で、空気雰囲気中で焼成することにより、電極を形成することができる。したがって、本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合の電極は、表面処理金属粒子を含む(A’)導電性粒子と、(C)ガラスフリットを材料とする(C’)ガラス成分と、を含有することができる。焼成後、(A’)導電性粒子は、焼結された状態になる。なお、本実施形態の導電性ペーストを比較的高温(例えば500~900℃)で焼成する場合、導電性ペーストに含まれる(B)バインダー樹脂及び(E)溶剤は、焼成の際に気化又は燃焼する。そのため、電極は実質的に(B)バインダー樹脂及び(E)溶剤を含まない。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合、本実施形態の導電性ペーストを所定の電極パターンとなるように所定の基材に塗布し、比較的低温(例えば100~200℃)で熱処理することにより、電極を形成することができる。したがって、本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合の本実施形態の電極は、表面処理金属粒子を含む(A’)導電性粒子と、(B)バインダー樹脂を材料とする(B’)バインダー成分と、を含有することができる。(A’)導電性粒子は、(B’)バインダー成分を介してつなぎあわされた状態になる。
本実施形態の導電性ペーストに含まれる表面処理金属粒子は、パラジウム化合物によって表面処理されているので、本実施形態の電極は、パラジウムを含むことになる。本実施形態の電極は、パラジウムを0.01~10重量%含むことが好ましく、パラジウムを0.05~5重量%含むことがより好ましく、パラジウムを0.07~1重量%含むことが更に好ましく、パラジウムを0.08~0.5重量%含むことが特に好ましい。なお、本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合には、本実施形態の電極は、(C)ガラスフリットに起因するパラジウムを含むことができる。本実施形態の電極が所定量のパラジウムを含むことにより、本実施形態の電極が高い耐硫化性を有することができる。なお、電極中のパラジウムの含有量は、EDS(エネルギー分散型X線分光法、Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)による元素分析により測定することができる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合には、本実施形態の電極は、(C)ガラスフリットに起因する亜鉛(酸化亜鉛)を含むことができる。本実施形態の電極が、パラジウムの他に亜鉛を含むことにより、高い耐硫化性を得ることができる。
本実施形態の電極となる薄膜のシート抵抗は、膜厚により異なるが、概ね10mΩ/□(10mΩ/square)程度又は10mΩ/□以下とすることができる。このため、低抵抗であることが要求される電極の形成に好ましく用いることができる。
次に、本実施形態の導電性ペーストを用いて基板(基材)上に電極を形成する方法について説明する。まず、導電性ペーストを基板上に塗布する。導電性ペーストの塗布方法は任意であり、例えば、ディスペンス、ジェットディスペンス、孔版印刷、スクリーン印刷、ピン転写、又はスタンピングなどの公知の方法を用いて塗布することができる。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合、基板上に導電性ペーストを塗布した後、必要に応じて乾燥させ、基板を焼成炉等に投入する。そして、基板上に塗布された導電性ペーストを、500~900℃、より好ましくは600~880℃、更に好ましくは700~870℃で焼成する。焼成温度の具体例は、850℃である。これにより、導電性ペーストに含まれる溶剤成分は300℃以下で蒸発し、樹脂成分は400℃~600℃で焼失し、導電性ペーストの焼成体(電極)を形成する。また、表面処理金属粒子に含まれる有機成分は、空気雰囲気中での焼成により消失し、パラジウム化合物中のパラジウムは、金属粒子の表面にパラジウム金属合金層(金属粒子が銀粒子の場合は、パラジウム-銀合金層)として存在するようになる。金属粒子表面のパラジウム金属合金層は、金属粒子に高い耐硫化性を付与することになると考えられる。したがって、金属粒子がパラジウム化合物を含む薄膜の表面処理層を含むことにより、高い耐硫化性を得ることができる。また、表面処理層に含まれるパラジウムの含有量はあまり多くはない。そのため、別途パラジウム粒子を添加する場合と比べて、パラジウムの使用量が少なくて済むので、比較的低コストで高い耐硫化性を得ることができる。このようにして得られた電極は、高い耐硫化性を有し、基板への密着性が優れている。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合、基板上に導電性ペーストを塗布した後、基板を熱処理炉等に投入する。そして、基板上に塗布された導電性ペーストを、100~200℃、より好ましくは150~200℃で熱処理する。熱処理時間は、20~90分であることが好ましく、30~60分であることがより好ましい。熱処理条件の具体例は、150℃で60分間である。これにより、導電性ペーストに含まれる溶剤成分を乾燥させ、導電性ペーストを熱硬化させることにより、導電性ペーストの硬化体(電極)を形成することができる。このようにして得られた電極は、高い耐硫化性を有し、基板への密着性が優れている。
本実施形態の導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含まない場合、本実施形態の電極中に含まれるパラジウムの特に好ましい含有量の例は、0.2~0.5重量%である。
また、本実施形態の導電性ペーストを用いて上述のようにして得られた電極は、耐マイグレーション性が向上するという付加的な利点を有することができる。この付加的な利点は、導電性ペーストが(C)ガラスフリットを含む場合及び(C)ガラスフリットを含まない場合の両方の場合において、得ることができる。ただし、この利点は、必ずしも本実施形態の導電性ペーストの必須の効果ではなく、1つの利点であると考えられる。
<電子部品又は電子機器>
本実施形態は、上述の電極を有する電子部品又は電子機器である。本明細書において、電子部品とは、チップ抵抗器及び基板回路など、電子機器などに使用される部品を意味する。本明細書において、電子部品とは電子的に作動する部品を意味し、具体的には直流の48V以下で動作する部品であることができる。本明細書において、電子機器とは、本実施形態の電極を有する電子部品を含む機器を意味する。
本実施形態の導電性ペーストは、電子部品又は電子機器の回路の形成、電極の形成、及び電子部品などのデバイス(例えば半導体チップ)の基板(基材)への接合等に用いることが可能である。
本実施形態の導電性ペーストは、チップ抵抗器の電極の形成に好ましく用いることができる。図1に、本実施形態のチップ抵抗器100の断面構造の一例を示す。チップ抵抗器100は、矩形のアルミナ基板102と、アルミナ基板102の表面に配置された抵抗体104及び取り出し電極106とを有することができる。取り出し電極106は、抵抗体104から電気を取り出すための電極である。また、アルミナ基板102の下面には、チップ抵抗器100を基板へ実装するための下面電極108を配置することができる。更に、取り出し電極106と下面電極108とを接続するための接続電極110を、アルミナ基板102の端面に配置することができる。本実施形態の導電性ペーストを用いて、取り出し電極106、下面電極108、及び接続電極110の少なくとも1つを形成することができる。特に、取り出し電極106は、本実施形態の導電性ペーストを用いて形成されることが好ましい。なお、取り出し電極106、下面電極108、及び接続電極110の上面(アルミナ基板102とは反対側の表面)に、ニッケルめっき膜112及びスズめっき膜114を配置することができる。
本実施形態の電極は、チップ抵抗器の電極に限られない。本実施形態の導電性ペーストを用いて形成した電極は、様々な種類の電子部品の電極として用いることができる。電子部品としては、受動部品(例えば、チップ抵抗器、コンデンサ、抵抗器及びインダクタ等)、回路基板(例えば、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板及びガラス基板などの基板の上に所定の回路(電極又は配線)を形成したもの)、太陽電池セル、及び電磁波シールドなどを挙げることができる。本実施形態の導電性ペーストを用いて、これらの電子部品の電極及び/又は配線を形成することができる。本実施形態の電極を有する電子部品を含む電子機器としては、半導体装置、太陽光発電モジュール、及び回路基板を含む電子機器を挙げることができる。
本実施形態の導電性ペーストは、半導体装置において半導体チップを取り付けるためのダイアタッチ材として用いることができる。半導体装置がパワー半導体装置である場合には、パワー半導体チップを取り付けるためのロウ材として用いることができる。本実施形態の導電性ペーストは、太陽電池の電極として用いることができる。本実施形態の導電性ペーストは、導電性接着剤として用いることができる。また、本実施形態の導電性ペーストは、チップ抵抗器の端子電極の形成に限らず、例えば、MLCC、チップインダクタ等の受動部品の端子電極用の導電性ペーストとしても好適に使用することができる。
本実施形態の導電性ペーストを用いることにより、高い耐硫化性を有し、かつ低抵抗で、比較的低コストの電極を形成することができる。そのため、本実施形態の導電性ペーストを用いることにより、信頼性の高い電極が形成されたチップ抵抗器等の電子部品を、比較的低コストで得ることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[導電性ペーストの調製]
以下の(A)~(F)成分を、表1~3に示す割合で混合して導電性ペーストを調製した。なお、表1~3に示す各成分の割合は、すべて重量部で示している。表1~3では、(A)導電性粒子の重量(金属粒子及び表面処理金属粒子の合計重量)を100重量部とした。また、平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる体積基準メジアン径(D50)のことを意味する。
(A)導電性粒子
表5に、実施例及び比較例の(A)導電性粒子((A)成分)として用いた金属粒子a1~a4及び表面処理金属粒子A1~A6を示す。金属粒子a1及びa2は銀粒子であり、金属粒子a4は、パラジウム粒子である。金属粒子a1~a4には、表面処理はされていない。表面処理金属粒子A1~A6は、金属粒子である銀粒子に、パラジウム化合物が溶剤中に分散されたパラジウムソープ溶剤(表面処理剤)を金属粒子の表面に付着させ、乾燥工程により、溶剤を除去することによって、表面処理をした。したがって、表面処理金属粒子A1~A6は、パラジウム化合物を含む表面処理層を有する。表4の「Pd含有量」欄に、表面処理金属粒子A1~A6の重量に対する表面処理層に含まれるパラジウムの重量割合を、重量%の単位で示す。表面処理金属粒子中のパラジウムの重量割合は、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定した。
銀粒子に対するパラジウム化合物の表面処理は、次のようにして行った。すなわち、銀粒子に対するパラジウム化合物の表面処理は、パラジウム化合物と、これらを分散させるための有機物と、溶剤とを含むパラジウムソープ溶剤(表面処理剤)を用いて行った。表面処理は、パラジウムソープ溶剤(表面処理剤)を銀粒子の表面に付着させ、乾燥工程により溶剤を除去することにより、行った。パラジウム化合物として、塩化パラジウムを用いた。更に銀粒子の表面処理剤に含まれる溶剤としては、オレイン酸を用いた。以上のようにして、表面処理金属粒子A1~A6に表面処理層を形成した。
(B)バインダー樹脂
表5に、実施例及び比較例で用いた(B)バインダー樹脂(樹脂B1~B5)を示す。表1~3に、実施例及び比較例の導電性ペーストの樹脂B1~B5の配合量を示す。
(C)ガラスフリット
表6に、実施例及び比較例で用いた(C)ガラスフリット(C1~C4)を示す。表1~3に、実施例及び比較例の導電性ペーストのガラスフリットC1~C4の配合量を示す。
(D)添加剤
表7に、実施例及び比較例で用いた(D)添加剤(添加剤D1~D3)を示す。表1~3に、実施例及び比較例の導電性ペーストの添加剤D1~D3の配合量を示す。添加剤D1は有機添加材である。添加剤D1を添加することにより、導電性ペーストの印刷性を向上させることができる。添加剤D2は分散剤である。添加剤D2を添加することにより、(A)導電性粒子などの分散性を向上することができる。添加剤D3は無機添加材である。添加剤D3を添加することにより、導電性ペーストの焼成後の密着性を向上させることができる。
(E)溶剤
表8に、実施例及び比較例で用いた(E)溶剤(溶剤E1~E3)を示す。表1~3に、実施例及び比較例の導電性ペーストの溶剤E1~E3の配合量を示す。
(F)硬化剤
実施例及び比較例の導電性ペーストでは、(F)硬化剤F1として、三フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ株式会社、型番:BF3MEA)を用いた。表1~3に、実施例及び比較例の導電性ペーストの硬化剤F1の配合量を示す。
[耐硫化性試験の試験片50の作製]
図2に、耐硫化性試験の試験片50の模式図を示す。(C)ガラスフリットを含む導電性ペーストを用いて、以下の手順により、実施例1~16及び比較例1~5の耐硫化性試験の試験片50を作製した。
まず、20mm×20mm×1mm(t)の耐硫化性試験用アルミナ基板52(純度96%)上に、スクリーン印刷によって、図2に示すようなジグザグ状の耐硫化性試験用印刷パターン54となるように、導電性ペーストを塗布した。耐硫化性試験用印刷パターン54の2つの端部54a、54bの間の長さは71mm、耐硫化性試験用印刷パターン54の幅は1mmである。導電性ペーストの耐硫化性試験用印刷パターン54を形成するために、ステンレス製の325メッシュのスクリーン(乳剤厚さ5μm)を用いてスクリーン印刷をした。次に、バッチ式の熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストの耐硫化性試験用印刷パターン54を乾燥させた。導電性ペーストの耐硫化性試験用印刷パターン54を乾燥させた後、ベルト式の焼成炉を用いて、耐硫化性試験用印刷パターン54を焼成した。焼成温度は850℃で10分間保持した。焼成炉に入れてから取り出すまでの合計時間は60分だった。以上のようにして、実施例1~16及び比較例1~5の試験片50を作製した。
(C)ガラスフリットを含まない導電性ペーストを用いた実施例17~19についても、実施例1~16及び比較例1~5と同様に、実施例17~19の導電性ペーストを用いて、20mm×20mm×1mm(t)の耐硫化性試験用アルミナ基板52(純度96%)上に、スクリーン印刷によって、幅1mm及び長さ71mmのジグザグ状の耐硫化性試験用印刷パターン54(図2参照)となるように、導電性ペーストを塗布した。次に、バッチ式の熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストの耐硫化性試験用印刷パターン54を熱処理することにより、耐硫化性試験用印刷パターン54を硬化させた。以上のようにして、実施例17~19の試験片50を作製した。
[耐硫化性試験方法]
まず、実施例及び比較例の試験片の印刷パターン54の2つの端部54a、54bの間の電気抵抗(初期電気抵抗)を測定した。次に、硫黄粉10gを平らになるように入れたシャーレ(高さ18mm、直径86mm)を、ガラス製のデシケーター(高さ420mm、直径300mm)の底に入れ、中フタの上に実施例及び比較例の試験片を載置した。このデシケーターを、60℃一定の恒温槽に150時間、保管して試験片を硫化させた。次に、硫化後の電気抵抗を測定した。表1~3の「抵抗値変化割合(耐硫化性試験)」欄に、実施例及び比較例の初期電気抵抗に対する硫化後の電気抵抗の抵抗値変化割合をパーセント単位で示す。抵抗値変化割合は、下記の式で示すことができる。
抵抗値変化割合=(硫化後の電気抵抗-初期電気抵抗)/初期電気抵抗
[接着強度試験の試験片の作製]
調製した導電性ペーストを用いて、以下の手順により、(C)ガラスフリットを含む実施例1~16及び比較例1~5の試験片を作製した。まず、20mm×20mm×1mm(t)のアルミナ基板(純度96%)上に、スクリーン印刷によって導電性ペーストを塗布した。これにより、一辺が1.5mmの角パッド形状からなる接着強度試験用パターンを、アルミナ基板上に25個(5個×5個)形成した。導電性ペーストの接着強度試験用パターンを形成するために、ステンレス製の325メッシュのスクリーン(乳剤厚さ5μm)を用いてスクリーン印刷をした。
次に、バッチ式の熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストを乾燥させた。導電性ペーストの接着強度試験用パターンを乾燥させた後、ベルト式の焼成炉を用いて、導電性ペーストの接着強度試験用パターンを焼成した。焼成温度は850℃で10分間保持した。焼成炉に入れてから取り出すまでの合計時間は60分だった。以上のようにして、実施例1~16及び比較例1~5の試験片を作製した。
次に、接着強度試験用パターンにNi/Auめっきを行った。次に、はんだ(千住金属工業株式会社製M705、Sn-Agを3.0重量%及びCuを0.5重量%含むSn合金)を、260℃で3秒間、接着強度試験用パターンに付着させた後に、Snめっき軟銅線(直径0.8mm)を接着強度試験用パターンにはんだ付けした。なお、Snめっき軟銅線のはんだ付けは、アルミナ基板上の5個×5個の接着強度試験用パターンのうち、第2列の5個に対してそれぞれ1本ずつ計5個のSnめっき軟銅線をはんだ付けし、第4列の5個に対してそれぞれ1本ずつ計5個のSnめっき軟銅線をはんだ付けすることにより行った。計10個のSnめっき軟銅線をはんだ付けし、強度試験機でリード線の引張り接着強度を測定した。具体的には、接着強度試験用パターンが上面になるようにアルミナ基板を強度試験機に対して90度の角度となるように垂直に設置し、リード線をアルミナ基板に対して垂直に上方向に引っ張ることにより、引張り接着強度を測定した。リード線が剥がれたときの力(N)を引張り接着強度とした。
実施例1~16及び比較例1~5の試験片と同様に、実施例17~19として調製した導電性ペーストを用いて、20mm×20mm×1mm(t)のアルミナ基板(純度96%)上に、スクリーン印刷によって導電性ペーストを塗布した。これにより、一辺が1.5mmの角パッド形状からなる接着強度試験用パターンを、アルミナ基板上に25個(5個×5個)形成した。次に、熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストを熱処理することにより、導電性ペーストの接着強度試験用パターンを硬化させた。以上のようにして、実施例17~19の試験片を作製した。次に、実施例1~16及び比較例1~5と同様に、実施例17~19の接着強度試験用パターンにNi/Auめっきを行った。次に、実施例1~16及び比較例1~5の試験片と同様に、Snめっき軟銅線(リード線)を接着強度試験用パターンにはんだ付けし、強度試験機でリード線の引張り接着強度を測定した。
各実施例及び各比較例の10個の試験片について引張り接着強度を測定することにより、接着強度試験の結果を得た。表1~3の「接着強度(N)」欄に、上述のようにして測定した各実施例及び各比較例の10個の試験片の引張り接着強度の平均値を示す。
[耐マイグレーション試験]
図3に、耐マイグレーション試験の試験片60の一例の試験用印刷パターン64a、64bの光学顕微鏡写真を示す。調製した導電性ペーストを用いて、以下の手順により、実施例1、3及び17~19及び比較例1の耐マイグレーション試験の試験片60を作製した。
実施例1、3及び比較例1の耐マイグレーション試験の試験片60は、次の手順で作製した。まず、110mm×20mm×0.8mm(t)の耐マイグレーション試験用アルミナ基板62(純度96%)上に、スクリーン印刷によって、図3、及び図3の拡大写真である図4に示すように、2つのくし型状の耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bが互い違いとなるように、導電性ペーストを塗布した。耐マイグレーション試験用印刷パターン64aは第1電極66aに接続し、耐マイグレーション試験用印刷パターン64bは第2電極66bに接続する。耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bの印刷幅Lは200μmであり、耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bの間のスペースSは200μmである。導電性ペーストの耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64b及び電極66a、66bを形成するために、ステンレス製の400メッシュのスクリーン(乳剤厚さ10μm)を用いてスクリーン印刷をした。次に、バッチ式の熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストの耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64b及び電極66a、66bを乾燥させた。導電性ペーストの耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64b及び電極66a、66bを乾燥させた後、ベルト式の焼成炉を用いて、耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64b及び電極66a、66bを焼成した。焼成温度は850℃で10分間保持した。焼成炉に入れてから取り出すまでの合計時間は60分だった。焼成後のマイグレーション試験用印刷パターン64a、64b及び電極66a、66bの厚さは10~20μmだった。以上のようにして、実施例1~16及び比較例1~5の、耐マイグレーション試験の試験片60を作製した。
実施例17~19の耐マイグレーション試験の試験片60は、次の手順で作製した。まず、実施例1、3及び比較例1の試験片60と同様に、110mm×20mm×0.8mm(t)の耐マイグレーション試験用アルミナ基板62(純度96%)上に、スクリーン印刷によって、図3及び図4に示すように、2つのくし型状の耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bが互い違いとなるように、導電性ペーストを塗布した。次に、熱風式乾燥機を用いて、200℃で30分間、導電性ペーストを熱処理することにより、導電性ペーストの接着強度試験用パターンを硬化させた。以上のようにして、実施例17~19の耐マイグレーション試験のための試験片を作製した。
実施例1、3及び17~19及び比較例1の試験片60の耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bの耐マイグレーション性を、以下の手順で測定した。まず、図3に示すように、2つの耐マイグレーション試験用印刷パターン64a、64bの第1電極66aと、第2電極66bとの間に電圧(40V)を印加した。温度85℃及び湿度85%の環境で保管した状態で、第1電極66aと第2電極66bとの間の絶縁抵抗値を測定した。絶縁抵抗値は、第1電極66aと、第2電極66bとの間に流れる電流の測定値と、印加電圧40Vとから算出した。印加電圧40Vを印加した試験片60を、最長487時間、温度85℃及び湿度85%の環境下に保持した。表9に、耐マイグレーション試験の結果を示す。試験前はすべての試料の絶縁抵抗値は、10Ω以上だった。10時間以内に絶縁抵抗値が10Ω以下になった試験片60を不良と判断し、表9に「不良」と記載した。80時間経過しても絶縁抵抗値が10Ω以下にならなかった試験片60を、耐マイグレーション性がある程度優れているため用途によっては使用可能であると判断し、表9に「使用可能」と記載した。487時間経過しても絶縁抵抗値が10Ω以下にならなかった試験片60を、耐マイグレーション性が優れていると判断し、表9に「良」と記載した。
図7に、耐マイグレーション試験を行った際の実施例1、実施例3、及び比較例1の絶縁抵抗値の時間変化を示す。耐マイグレーション性が優れていると判断された実施例3の試験片60(表9に「良」と記載)は、480時間経過しても絶縁抵抗値が10Ω以下にならなかった。耐マイグレーション性がある程度優れているため用途によっては使用可能であると判断した実施例1の試験片60(表9に「使用可能」と記載)は、80時間経過しても絶縁抵抗値が10Ω以下にならなかった。耐マイグレーション性が劣っていると判断された比較例1の試験片60(表9に「不良」と記載)は、10時間以内に絶縁抵抗値が10Ω以下になった。
[はんだ耐熱性試験]
調製した導電性ペーストを用いて、以下の手順により、(C)ガラスフリットを含む実施例1~16及び比較例1~5のはんだ耐熱性試験のための試験片を作製した。
まず、20mm×20mm×1mm(t)のアルミナ基板(純度96%)上に、スクリーン印刷によって導電性ペーストを塗布した。これにより、一辺が1.5mmの角パッド形状からなる接着強度試験用パターンを、アルミナ基板上に25個(5個×5個)形成した。導電性ペーストの接着強度試験用パターンを形成するために、ステンレス製の325メッシュのスクリーン(乳剤厚さ5μm)を用いてスクリーン印刷をした。
次に、バッチ式の熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストを乾燥させた。導電性ペーストの接着強度試験用パターンを乾燥させた後、ベルト式の焼成炉を用いて、導電性ペーストの接着強度試験用パターンを焼成した。焼成温度は850℃で10分間保持した。焼成炉に入れてから取り出すまでの合計時間は60分だった。以上のようにして、実施例1~16及び比較例1~5の試験片を作製した。
実施例1~16及び比較例1~5のはんだ耐熱性試験のための試験片と同様に、(C)ガラスフリットを含まない導電性ペーストを用いて、実施例17~19のはんだ耐熱性試験のための試験片を作製した。ただし、実施例17~19の試験片の場合には、導電性ペーストの接着強度試験用パターンの乾燥及び焼成の代わりに、熱風式乾燥機を用いて、150℃で10分間、導電性ペーストを熱処理することにより、導電性ペーストの接着強度試験用パターンを硬化させた。
次に、はんだ(千住金属工業株式会社製M705、Sn-Agを3.0重量%及びCuを0.5重量%含むSn合金)が入ったはんだ槽(はんだの温度:260℃)に、試験片を10秒間浸漬させた。
はんだ槽への試験片の浸漬後、試験片を取り出し、試験片に電極が95%以上残存したものを、はんだ耐熱性試験に合格したものと判断した。表9の「はんだ耐熱性」欄に、はんだ耐熱性試験に合格した場合には「良」と記載し、はんだ耐熱性試験に不合格だった場合には「不良」と記載した。
[SEMによる表面及び断面観察、並びにEDS分析による断面観察]
図5に、抵抗値変化割合が比較的小さかった実施例3の耐硫化性試験の試験片50と同様の条件で作製した試験片の表面を、5000倍の倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影したSEM写真を示す。図6に、抵抗値変化割合が大きかった比較例1の耐硫化性試験の試験片50と同様の条件で作製した試験片の表面を、5000倍の倍率でSEMによって撮影したSEM写真を示す。なお、試験片は、耐硫化性試験の場合と同様に、硫黄雰囲気(60℃)で150時間、保管した後に、SEM観察を行った。
[評価]
表1~3に示す結果から明らかなように、実施例1~19の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンは、抵抗値変化割合は65.0%(実施例11)以下であり、比較的低かった。これに対し、比較例1~5の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンは、抵抗値変化割合が140%(比較例5)以上だった。したがって、実施例1~19の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンは、耐硫化性に優れているといえる。
表1~3に示す結果から明らかなように、実施例1~19の導電性ペーストを焼成して得られた接着強度試験用パターンの引張り接着強度は、13.2N(実施例17)~17.8N(実施例11及び15)の範囲であり、高い引張り接着強度を得ることができた。一方、比較例1~4の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンの引張り接着強度は、14.2N(比較例4)~15.2N(比較例1~3)の範囲であり、引張り接着強度としては問題のない範囲だった。また、比較例5の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンの引張り接着強度は、7.1Nだった。比較例5の導電性ペーストは、他の実施例及び比較例と比べて焼結性が悪いため、引張り接着強度が低い値だったと考えられる。
表1~3に示す結果から明らかなように、実施例1~19の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンのはんだ耐熱性試験の結果は、すべて合格(「良」)だった。一方、比較例1~4の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンのはんだ耐熱性試験の結果は、不合格(「不良」)だった。なお、比較例5の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンのはんだ耐熱性試験の結果は、合格(「良」)だった。以上のことから、実施例1~19の導電性ペーストを焼成して得られた電極パターンは、はんだ耐熱性に優れているといえる。
表9に示す結果から、本実施形態の実施例1、3及び17~19の電極は、比較例1と比べて、耐マイグレーション性が優れていることが明らかである。
図5に示す実施例3と、図6に示す比較例1のSEM写真を比較すると、実施例3に比べ、比較例1は硫化により硫化銀20の結晶が大きく形成されていることが理解できる。他の実施例及び比較例についても同様の傾向が観察された。したがって、本実施形態の実施例の電極は、比較例と比べて、高い耐硫化性を有するといえる。また、実施例3の試料の深さ方向のPdの含有量をX線光電子分光法(XPS)により測定したところ、深さ80nmにおいてPdの含有量が30原子%程度ある部分が存在することが確認された。このことは、少なくとも実施例3の試料では、電極の表面に銀-パラジウム合金層が形成されることにより、電極の耐硫化性が向上したことを示唆している。
Figure 2024031862000001
Figure 2024031862000002
Figure 2024031862000003
Figure 2024031862000004
Figure 2024031862000005
Figure 2024031862000006
Figure 2024031862000007
Figure 2024031862000008
Figure 2024031862000009
50 耐硫化性試験の試験片
52 耐硫化性試験用アルミナ基板
54 耐硫化性試験用印刷パターン
54a、54b 耐硫化性試験用印刷パターンの端部
60 耐マイグレーション試験の試験片
62 耐マイグレーション試験用アルミナ基板
64a、64b 耐マイグレーション試験用印刷パターン
66a 第1電極
66b 第2電極
100 チップ抵抗器
102 アルミナ基板
104 抵抗体
106 取り出し電極
108 下面電極
110 接続電極
112 ニッケルめっき膜
114 スズめっき膜

Claims (15)

  1. (A)導電性粒子と、
    (B)バインダー樹脂と
    を含む導電性ペーストであって、
    (A)導電性粒子が、表面処理金属粒子を含み、
    前記表面処理金属粒子が、金属粒子と、前記金属粒子の表面の少なくとも一部に配置される表面処理層とを含み、
    前記表面処理層が、パラジウム化合物を含む、導電性ペースト。
  2. 前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.01~1.0重量部である、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.01~0.6重量部である、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記表面処理金属粒子に含まれるパラジウムの含有量が、前記金属粒子100重量部に対し、0.05~0.4重量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  5. 前記表面処理層が、更に有機物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  6. 前記金属粒子が、銀を50重量%以上含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  7. 前記(A)表面処理金属粒子の平均粒径(D50)が0.1~10μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記(B)バインダー樹脂の含有量が、前記(A)表面処理金属粒子100重量部に対して0.1~30重量部である、請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  9. 前記導電性ペーストが、(C)ガラスフリットを更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  10. 前記(C)ガラスフリットが、Biを含む、請求項9に記載の導電性ペースト。
  11. 前記導電性ペーストの前記(C)ガラスフリットの含有量が、前記(A)表面処理金属粒子100重量部に対し0.05~10重量部である、請求項9又は10に記載の導電性ペースト。
  12. 前記導電性ペーストが、(F)硬化剤を更に含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の導電性ペーストを焼成又は熱処理して得られる電極。
  14. 前記電極が、パラジウムを0.01~10重量%含む、請求項13に記載の電極。
  15. 請求項13又は14に記載の電極を含む、電子部品又は電子機器。
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