JP2024031833A - ハブベアリング用の密封装置 - Google Patents

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【課題】泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制する密封装置を実現する。【解決手段】ハブベアリング100の外輪部材30と内輪部材20との間の隙間の密封を図るためのハブシール10であって、環状の基体2と、基体2に取り付けられ、環状の弾性材料から形成されたシール部材1とを備え、シール部材1は、外側に向かって延びるサイドリップ11と、サイドリップ11よりも内周側において外側に向かって延びる中間リップ12とを有しており、サイドリップ11の外輪部材30と内輪部材20との間の隙間の密封のために接触する摺動面11aは、中間リップ12の外輪部材30と内輪部材20との間の隙間の密封のために接触する摺動面12aよりも粗い。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等のハブベアリングにおいて、外輪部材と内輪部材との間の隙間を封止して異物の侵入を防ぐハブベアリング用の密封装置に関する。
筒状の外輪部材と、外輪部材の内側で外輪部材に対し相対的に回転する軸状部を含む内輪部材と、を有するハブベアリングに設けられ、外輪部材と内輪部材の間の隙間を封止して異物(泥水等)の侵入を防ぐハブベアリング用の密封装置が従来から知られている。密封装置には、外輪部材側に固定された弾性材料からなるシール部材が備えられており、シール部材には、内輪部材に向かって延びて内輪部材に当接することで外輪部材と内輪部材の間の隙間を封止するサイドリップや中間リップが形成されている。これらサイドリップや中間リップは、隙間を封止した状態で内輪部材の回転に伴い内輪部材に相対的に摺動し、これらサイドリップや中間リップにより、異物の侵入が抑制される。
密封装置の中には、サイドリップや中間リップの摺動面に梨地状の凹凸が形成されているものもある。このような密封装置では、梨地状の凹凸により内輪部材との接触面積を減らして過度の摩擦力の発生を抑えることで回転トルクの低減が図られている(たとえば、特許文献1~3参照)。
特開2013-124764号公報 国際公開第2018/097233号 特開2018-071604号公報
しかしながら、このような密封装置が、泥水にさらされることがきわめて多い泥水環境下で使用されると、梨地状の凹凸の微小な隙間から泥水中の異物が少しずつ侵入しサイドリップや中間リップよりも内部側で蓄積してしまうことがある。この場合、異物侵入の抑制効果が十分に発揮されず密封装置のシール性が低下することになりかねない。このように、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制する密封装置の実現にあたってはさらなる工夫の余地がある。
上記の事情を鑑み、本発明では、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブベアリング用の密封装置の実現を図っている。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下の密封装置を提供する。
[1-1] 筒状の外輪部材と、該外輪部材の内側で該外輪部材に対し相対的に回転する軸状部を含む内輪部材と、を有するハブベアリングに設けられ、前記外輪部材と前記内輪部材の間の隙間を封止して異物の侵入を防ぐハブベアリング用の密封装置において、前記外輪部材の内周面側から該外輪部材に取り付けられることで該外輪部材に固定される、環状の剛体板からなる基体と、前記基体の一方の面を覆う態様で該基体に接合した、弾性材料からなる環状のシール部材であって、前記内輪部材に向かって前記基体の前記一方の面から離れる方向に延びて前記内輪部材に当接することで前記外輪部材と前記内輪部材の間の前記隙間を封止しつつ前記内輪部材の回転に伴い該内輪部材に相対的に摺動するシールリップ部である、サイドリップおよび中間リップを有するシール部材と、を備え、前記サイドリップは、前記中間リップよりも前記隙間の開口部に近い位置で前記内輪部材に当接して摺動するものであって、梨地状の凹凸が形成された、前記中間リップの摺動面よりも粗い摺動面を有するものであるハブベアリング用の密封装置。
[1-2] 筒状の外輪部材と、該外輪部材の内側で該外輪部材に対し相対的に回転する軸状部を含む内輪部材と、を有するハブベアリングに設けられ、前記外輪部材と前記内輪部材の間の隙間を封止して異物の侵入を防ぐハブベアリング用の密封装置において、前記外輪部材の内周面側から該外輪部材に取り付けられることで該外輪部材に固定される、剛体板を環状に成形してなる基体と、前記基体の一方の面を覆う態様で該基体に接合した、弾性材料からなる環状のシール部材であって、前記内輪部材に向かって前記基体の前記一方の面から離れる方向に延びて前記内輪部材に当接することで前記外輪部材と前記内輪部材の間の前記隙間を封止しつつ前記内輪部材の回転に伴い該内輪部材に相対的に摺動するシールリップ部である、サイドリップおよび中間リップを有するシール部材と、を備え、
前記サイドリップは、前記中間リップよりも前記隙間の開口部に近い位置で前記内輪部材に当接して摺動し、粒径が所定値以上の異物の粒子の侵入を防ぐが粒径が所定値未満の異物の粒子の侵入は許すような表面形状を形成する表面加工が施された摺動面を有するものであり、
前記中間リップは、前記表面加工が施されていない未加工の摺動面を有するものであり、前記サイドリップを超えて侵入してきた粒径が前記所定値未満の異物の粒子の侵入を防ぐものであるハブベアリング用の密封装置。
[1-3] 前記サイドリップは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisが、前記中間リップの前記摺動面における凹凸の十点平均粗さRzjisよりも大きい梨地状の凹凸が形成された摺動面を有するものである[1-1]又は[1-2]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[1-4] 前記サイドリップは、十点平均粗さRzjisが0.8μm以上の梨地状の凹凸が形成された摺動面を有するものであり、
前記中間リップの前記摺動面における凹凸の十点平均粗さRzjisは0.7μm以下である[1-3]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[1-5] 前記サイドリップは、十点平均粗さRzjisが10μm以上の梨地状の凹凸が形成された摺動面を有するものであり、
前記中間リップの前記摺動面における凹凸の十点平均粗さRzjisは0.5μm以下である[1-4]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[1-6] 前記密封装置によって封止された前記外輪部材と前記内輪部材の間の前記隙間内には、潤滑材としてグリスが蓄えられており、前記シール部材は、前記サイドリップおよび前記中間リップとは別の前記シールリップ部として、前記隙間からの前記グリスの漏出を抑制するためのグリスリップを有するものであり、前記グリスリップは、前記中間リップよりも前記隙間の前記開口部から離れた位置で前記内輪部材に当接して摺動するものであって、十点平均粗さRzjisが前記サイドリップの前記摺動面における前記梨地状の凹凸の十点平均粗さRzjisよりも大きい梨地状の凹凸が形成された摺動面を有するものである[1-5]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-1] ハブベアリングの外輪部材と内輪部材との間の隙間の密封を図るためのハブベアリング用の密封装置であって、軸線周りに環状の基体と、前記基体に取り付けられ、前記軸線周りに環状の弾性材料から形成された弾性体部とを備え、前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びるサイドリップと、前記サイドリップよりも内周側において前記一方の側に向かって延びる中間リップとを有しており、前記サイドリップの前記隙間の密封のために接触する面であるシール面は、前記中間リップの前記隙間の密封のために接触する面であるシール面よりも粗い、ハブベアリング用の密封装置。
[2-2] 前記隙間の密封のために接触した前記サイドリップのシール面は、前記隙間の密封のために接触した前記中間リップのシール面よりも、大きな異物の通過を許容するようになっている、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-3] 前記前記サイドリップのシール面の表面粗さは、前記中間リップのシール面の表面粗さよりも粗い、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-4] 前記サイドリップのシール面の表面粗さは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisであり、前記中間リップのシール面の表面粗さは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisである、[2-3]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-5] 前記サイドリップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面であり、前記中間リップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面、又は表面加工が施されないで形成されたシール面である、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-6] グリスリップを更に備え、前記グリスリップは、前記隙間の密封のために接触する面であるシール面を有しており、前記グリスリップのシール面の接触する位置は、前記中間リップのシール面の接触する位置よりも内周側であり、前記グリスリップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面、又は表面加工が施されないで形成されたシール面である、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-7] 前記サイドリップのシール面および前記中間リップのシール面には、グリスが付いており、前記グリスの基油は、40℃における動粘度が10mm/s以上40mm/s以下の基油である、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-8] 前記サイドリップのシール面は、前記内輪部材に接触するようになっており、前記中間リップのシール面は、前記内輪部材に接触するようになっている、[2-1]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-9] 前記内輪部材に取り付けられる、前記軸線周りに環状のスリンガーを更に備え、前記サイドリップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっており、前記中間リップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっている、[2-1]から[2-7]のいずれか一項に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-10] 前記スリンガーは、前記軸線方向に面する環状の面を有しており、前記サイドリップのシール面は、前記スリンガーの前記環状の面に接触するようになっており、前記中間リップのシール面は、前記スリンガーの前記環状の面に接触するようになっている、[2-9]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-11] 前記スリンガーは、前記内輪部材のフランジ部に沿って延びている、[2-9]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-12] 前記ハブシールは、アウター側のハブシールである、[2-11]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-13] 前記スリンガーの前記環状の面は、前記軸線に直交する面に沿って延びている、[2-10]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-14] 前記ハブシールは、インナー側のハブシールである、[2-13]に記載のハブベアリング用の密封装置。
[2-15] 前記グリスリップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっている、[2-6]に従属する[2-9]に記載のハブベアリング用の密封装置。
本発明に係るハブベアリング用の密封装置によれば、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るハブベアリングを模式的に示す断面図である。 図1および本発明の第1実施形態に係る密封装置の斜視図である。 図1の密封装置の断面図である。 グリスを説明するための図2に示す密封装置の端面図である。 ハブベアリングに取り付けられた状態における、本発明の第2実施形態に係るハブシールの軸線xを含む平面による断面を示す断面図である。 ハブベアリングに取り付けられた状態における、本発明の第3実施形態に係るハブシールの軸線xを含む平面による断面を示す断面図である。 図6に示すハブシールのハブシール本体の端面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明の一実施形態が用いられているハブベアリング100を模式的に示す断面図である。
図1のハブベアリング100は自動車用のハブベアリングであり、筒状の外輪部材30と、外輪部材30の内側で外輪部材30に対し相対的に回転する軸状部22を含む内輪部材20と、を有している。外輪部材30は自動車の筐体側の部材であり、回転することなく筐体とともに静止状態に維持される。一方、内輪部材20は、不図示のタイヤ側の部材であり、タイヤを取り付けるための部位として、軸状部22の周りに広がるフランジ部21を有している。フランジ部21は軸状部22と一体化されており、タイヤの回転とともに、軸状部22およびフランジ部21を含む内輪部材20全体が回転する。
ハブベアリング100はさらに、外輪部材30と内輪部材20の間に配置された複数のボール40も備えている。ボール40は、外輪部材30を回転させることなく内輪部材20の回転に伴って回転する部材であり、これにより、外輪部材30は、回転する内輪部材20に、静止状態のまま支持される。ここで、図1には、内輪部材20の回転中心軸を含む面でハブベアリング100を切断したときの、外輪部材30、内輪部材20、およびボール40の各断面が表されている。
また、ハブベアリング100は、内輪部材20と外輪部材30との間の隙間を封止して異物(泥水等)の侵入を防ぐ密封装置10,50も備えている。密封装置10,50は、ハブベアリング用の密封装置であり、以下、ハブシールと称する。ここで、ハブベアリング100を備えた自動車は、泥水にさらされることがきわめて多い泥水環境下で使用されることが多く、このような泥水環境下では、こうしたハブシール10,50は特に有用である。2つのハブシール10,50はいずれも外輪部材30に固定されて内輪部材20に当接・摺動するものであり原理的には同様の構成が採用可能である。ハブシール10は、アウター側のハブシールであり、フランジ部21に当接・摺動するのに対し、ハブシール50は、インナー側のハブシールであり、軸状部22に当接・摺動する。このため、当接・摺動の相手の形状に応じた少し異なる形状をハブシール10,50は有している。なお、ハブシール50の当接・摺動箇所には、環状のスリンガーが設けられていることが一般的であるが、図1では、スリンガーは、軸状部22の一部としてハブシール50の当接・摺動箇所に設けられているものとしてその明示的な図示は省略されている。
以下では、ハブシール10に本発明が適用されているものとして、ハブシール10の構成について詳しく説明する。
図2は、図1のハブシール10の斜視図、図3は、図1のハブシール10の断面図である。
ハブシール10は、上述したように、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間を封止して異物の侵入を防ぐハブシールであり、シール部材1と基体2とを備えている。シール部材1は、弾性体部であり、軸線x周りに環状の部材である。基体2は、補強環であり、軸線x周りに環状の部材である。
基体2は環状の剛体板からなる部材であり、図3に示すように、外輪部材30の内周面側から外輪部材30に取り付けられることで外輪部材30に固定されている。
一方、シール部材1は、弾性材料からなる環状の部材であって、図2および図3に示すように基体2の一方の面2aを覆う態様で基体2に接合しており、軸線x方向において一方の側(外側)に向かって延びるサイドリップ11および、サイドリップ11よりも内周側において軸線x方向において一方の側(外側)に向かって延びる中間リップ12を有している。なお、外側とは、ハブベアリング100において、軸線x方向において車輪側となる側であり、図1において、軸線x方向において、右側となる側である。一方、内側とは、外側の反対側であり、ハブベアリング100において、軸線x方向においてボディ側となる側であり、図1において、軸線x方向において、左側となる側である。これらサイドリップ11および中間リップ12はいずれも、内輪部材20に向かって基体2の上述の一方の面2aから離れる方向に延びて内輪部材20に当接することで外輪部材30と内輪部材20の間の隙間を封止しつつ内輪部材20の回転に伴い内輪部材20に相対的に摺動するシールリップ部である。サイドリップ11は、中間リップ12よりも隙間の開口部Sに近い位置で内輪部材20に当接して摺動するシールリップ部であり、言い換えれば、中間リップ12よりも上流側で異物の侵入を防ぐシールリップ部である。図3に示すように、これらサイドリップ11および中間リップ12は、内輪部材20のうちのフランジ部21の付け根付近に当接している。
ここで、サイドリップ11は、梨地状の凹凸110が形成された、中間リップ12の摺動面12aよりも粗い摺動面11aを有するものである。サイドリップ11の摺動面11aは、サイドリップ11の、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間の密封のために接触する面であるシール面であり、中間リップ12の摺動面12aは、中間リップ12の、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間の密封のために接触する面であるシール面である。なお、梨地状の凹凸は、表面加工によって形成された微小な凹凸である。この表面加工は、微小な凹凸を形成する目的でなされる加工であり、例えば、梨地仕上げ(mat finish)や化学梨地仕上げ(chemical mat finish))(JIS H 0201:1998又はISO 7583参照)等が含まれる。例えば、梨地状の凹凸はランダムに配置された凹凸であり、放電加工やブラスト加工により形成できる。
このようにサイドリップ11の摺動面11aに梨地状の凹凸110を設けることで、内輪部材20との接触面積が減って過度の摩擦力の発生が抑えられるため回転トルクが低減する。また、サイドリップ11の摺動面11aにおける梨地状の凹凸110の微小な隙間から泥水中の異物が侵入しても、サイドリップ11の摺動面11aよりも滑らかな摺動面12aを持つ中間リップ12によりそれ以上の侵入は抑制されやすい。この結果、図2および図3のハブシール10は、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールとなっている。また、特定の範囲の表面粗さにおいて、リップの摺動面の表面粗さの値が大きい方が、異物を密封対象物側から大気側に戻す所謂ポンプ能力が高くなる傾向にある。このため、サイドリップ11の摺動面11aのポンプ能力は、中間リップ12の摺動面12aのポンプ能力よりも高く、サイドリップ11は、中間リップ12よりも、侵入した異物を排出する能力が高くなっている。このように、サイドリップ11の摺動面11aは、中間リップ12よりも異物が侵入し易い形態を、少なくとも部分的に、ポンプ作用によって補っている。この点においても、ハブシール10は、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールとなっている。
以上では、サイドリップ11の摺動面11aには梨地状の凹凸110が形成されているものとして説明したが、本発明は、摺動面11aは、このような梨地状の凹凸110が形成されるような表面加工が施されたものであってもよいし、梨地状の凹凸110とは異なる表面形状が形成されるような表面加工が施されたものであってもよい。たとえば環状のシール部材1の周方向に交わる方向に延びる複数本の平行な突条が形成されたものであってもよい。いずれにおいても、摺動面11aにおける表面加工は、サイドリップ11の摺動面11aが、粒径が所定値以上の異物の粒子の侵入を防ぐが粒径が所定値未満の異物の粒子の侵入は許すような表面形状が形成される表面加工である。さらに中間リップ12は、そのような表面加工が施されていない未加工の摺動面12aを有しサイドリップ11を超えて侵入してきた粒径が上記所定値未満の異物の粒子の侵入を防ぐものである。なお、このような閾値となる所定値は、サイドリップ11の表面加工の程度、たとえば、サイドリップ11の面粗さに応じて決定される。この場合も、サイドリップ11の摺動面11aは、中間リップ12よりも異物が侵入し易い形態を、少なくとも部分的に、ポンプ作用によって補っている。
実際、このような表面加工により、内輪部材20との接触面積が減って過度の摩擦力の発生が抑えられるため回転トルクが低減する。また、表面加工が施されたサイドリップ11の摺動面11aをすり抜けて粒径が所定値未満の泥水中の異物が侵入しても、表面加工が施されていない未加工の摺動面12aを有する中間リップ12によりそれ以上の侵入は抑制されやすい。この結果、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールが実現することとなる。
なお、このような表面加工に基づいて規定された本発明の特徴は、上述した、サイドリップ11の摺動面11aおよび中間リップ12の摺動面12aの相対的な粗さの関係に基づいて規定された本発明の特徴と相矛盾するものではない。すなわち、本発明は、両者の特徴を合わせ持つハブシールであってもよい。
ここで、本発明においては、サイドリップ11は、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisが、中間リップ12の摺動面12aにおける凹凸の十点平均粗さRzjisよりも大きい梨地状の凹凸110が形成された摺動面11aを有するものであることが好ましい。
この好ましい形態によれば、表面加工に基づいて規定された上述の特徴や、摺動面11a,12aの相対的な粗さの関係に基づいて規定された上述の特徴の実現にあたり、粒径や粗さの定量的な評価が可能となる。
たとえば、サイドリップ11は、十点平均粗さRzjisが0.8μm以上の梨地状の凹凸110が形成された摺動面11aを有するものであり、中間リップ12の摺動面12aにおける凹凸の十点平均粗さRzjisは0.7μm以下であることが好ましい。
一般に、中間リップの摺動面の面粗さが小さいほど異物の侵入をより防げるようになるが、摩擦力が増加するため回転トルクの低減が難しくなる。一方、サイドリップの摺動面の面粗さが大きいほどサイドリップの摺動面における微小隙間に異物は堆積しにくくなりさらに回転トルクも低減するが、サイドリップを通過して異物が侵入しやすくなる。そこで、使用環境に応じて中間リップとサイドリップの摺動面における面粗さを設定することで、回転トルクの低減と異物侵入の抑制とが適度に両立するようになる。たとえば、異物の粒子の典型的な大きさを考慮してサイドリップ11および中間リップ12の摺動面11a,12aにおける十点平均粗さRzjisを上述の数値範囲内に設定すると、一般的な泥水環境下において回転トルクの低減と異物侵入の抑制とが適度に両立する。
さらに本発明においては、サイドリップ11は、十点平均粗さRzjisが10μm以上の梨地状の凹凸110が形成された摺動面11aを有するものであり、中間リップ12の摺動面12aにおける凹凸の十点平均粗さRzjisは0.5μm以下であることが更に好ましい。
一般に泥水中の異物の平均的な粒径は10μmより大きいことが多い。そこで、サイドリップ11の摺動面11aの十点平均粗さRzjisが10μm以上であると、サイドリップ11により、比較的大きめの(すなわち、平均的な粒径よりももっと大きい粒径を持つ)異物の粒子の侵入はほぼ確実に防止できる。なお、十点平均粗さRzjisの上限に関しては、実際の製法上の観点や異物の侵入防止の実効性の観点から60μm以下であることが望ましい。なお、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisを数μmの範囲で制御するのは実際の製法上きわめて困難であるが、十点平均粗さRzjisが60μm以下であれば、大きな粒径の異物粒子の侵入については防止できる。ただし、粒径が比較的小さい異物の粒子については、サイドリップ11の摺動面11aをすり抜けてしまうおそれがある。その代わり、十点平均粗さRzjisが10μm以上(望ましくは10μm以上60μm以下)の梨地状の凹凸110を摺動面11aが持つことで、内輪部材20との接触面積を低減して過度の摩擦力の発生を抑えることができる。
一方、中間リップ12の摺動面12aの十点平均粗さRzjisが0.5μm以下とは、簡単に言えば、ほとんど凹凸がない平坦な(プレーンの)表面状態を意味している。また、製法の観点から言えば、特段の表面加工が施されておらず弾性体材料を成形しただけの表面状態を意味している。ただし、このような表面状態では、内輪部材20との接触面積が大きく摩擦力が増大するおそれがある。その代わり、十点平均粗さRzjisが0.5μm以下と摺動面12aがかなり平坦であることで、サイドリップ11の摺動面11aをすり抜けてきた粒径が比較的小さい異物の粒子の侵入を十分に防止することができる。
上述の更に好ましい形態のハブシール10では、このように摺動面の性質が相反する、サイドリップ11および中間リップ12を組み合わせて用いることで、回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制することが、より好適にできるようになる。
なお、回転トルクの低減と泥水中の異物侵入の抑制との両立の観点から単純に考えると、サイドリップ11の摺動面11aの特徴と、中間リップ12の摺動面12aの特徴とを入れ換えることも考えられる。すなわち、中間リップ12の摺動面12aに十点平均粗さRzjisが10μm以上の梨地状の凹凸110を形成し、サイドリップ11の摺動面11aの凹凸の十点平均粗さRzjisを0.5μm以下とすることも考えられる。しかしながら、この場合、泥水環境下では、中間リップ12よりも上流側のサイドリップ11の摺動面11aは、粒径の小さい異物の粒子だけでなく、相対的に粒径の大きい異物の粒子の侵入にも同時にさらされることとなる。このような状況では、摺動面11aと内輪部材20との間にいったん粒径の大きい異物の粒子が入り込んでしまうと、その隙間から、相対的に粒径の小さい異物の粒子も続々と侵入することとなり、異物侵入の抑制効果の持続時間が短くなる。
これに対し、上述の更に好ましい形態のハブシール10では、上流側のサイドリップ11の摺動面11aで相対的に粒径の大きい異物の粒子の侵入は抑制される。このため、中間リップ12の摺動面12aは、サイドリップ11の摺動面11aを通過した相対的に粒径の小さい異物の粒子の侵入にのみさらされる。この結果、上述の更に好ましい形態のハブシール10では、摺動面11a,12aの特徴を入れ換えた場合と比べ、異物侵入の抑制効果の持続時間が長く、異物侵入の抑制の観点から、より好ましい形態となっている。
図2および図3の説明を続ける。
図1に示すように、ハブシール10によって封止された外輪部材30と内輪部材20の間の隙間内には、潤滑材としてグリス(G)が蓄えられている。ここで、シール部材1は、図2および図3に示すように、サイドリップ11および中間リップ12とは別のシールリップ部として、隙間からのグリス(G)の漏出を抑制するためのグリスリップ13を有している。グリスリップ13は、中間リップ12よりも隙間の開口部Sから離れた位置で内輪部材20に当接して摺動する。グリスリップ13の、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間の密封のために接触する面であるシール面である摺動面13aの接触する位置は、中間リップ12の摺動面12aの接触する位置よりも内周側である。
ここで、グリスリップ13が、十点平均粗さRzjisがサイドリップ11の摺動面11aにおける梨地状の凹凸110の十点平均粗さRzjisよりも大きい梨地状の凹凸130が形成された摺動面13aを有するものであることが特に好ましい。なお、図3では、グリスリップ13は、サイドリップ11および中間リップ12とは異なり、内輪部材20のフランジ部21ではなく内輪部材20の軸状部22の方に当接している。
この特に好ましい形態によれば、他のリップよりも十点平均粗さRzjisが大きい摺動面13aをグリスリップ13が持つことで、特許文献2の段落[0040]で説明されているように、グリスリップ13よりも内側の隙間内の空気を逃がしやすくなる。この結果、グリスリップ13よりも内側の隙間内の空間の圧力が急上昇することや、この空間の圧力に対してグリスリップ13と中間リップ12の間の空間の圧力が負圧になることが抑制され、グリスリップ13と中間リップ12が内輪部材20に強く押し付けられるのを回避できる。従って、グリスリップ13が存在する場合においても回転トルクの低減を図ることが可能となり、同時に、上述の粗さの特徴により泥水中の異物侵入も十分に抑制される。
なお、図4に示すように、サイドリップ11の摺動面11aおよび中間リップ12の摺動面12aには、潤滑剤としてのグリスGが付いていてもよい。グリスGは、例えば、40℃における動粘度が10mm/s以上40mm/s以下の基油を有するグリスである。なお、グリスリップ13の摺動面13aにもグリスGが付けられていてもよい。グリスGにより、サイドリップ11、中間リップ12、およびグリスリップ13の回転トルクを低減することができる。
以上が本発明の第1実施形態の説明である。
以上の説明では、図1のハブシール10に本発明が適用された例について説明したが、本発明は、図1のハブシール10’に適用されてもよい。ハブシール10’については後述する。
次いで、本発明の第2実施形態に係るハブシール10Aついて説明する。本実施形態に係るハブシール10Aは、スリンガー60を有している点において、上述のハブシール10と異なる。以下、ハブシール10Aの構成について、上述のハブシール10と同一の構成又は同様の機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
図5は、ハブベアリング100に取り付けられた状態における、本発明の第2実施形態に係るハブシール10Aの軸線xを含む平面による断面を示す断面図である。なお、図5においては、ハブシール10Aの断面の軸線xに対する一方が示されている。図5に示すように、ハブシール10Aは、ハブシール本体としてのハブシール10を備えており、また、内輪部材20に取り付けられる、軸線x周りに環状のスリンガー60を更に備えている。ハブシール10Aにおいて、サイドリップ11の摺動面11aは、スリンガー60に接触するようになっている。また、ハブシール10Aにおいて、中間リップ12の摺動面12aは、スリンガー60に接触するようになっている。
スリンガー60は、軸線x方向に面する環状の面である接触面60aと、径方向に面する環状の面である接触面60bを有している。上述のハブシール10と同様に、ハブシール10Aがハブベアリング100の所望の位置に取り付けられた使用状態において、サイドリップ11の摺動面11aは、スリンガー60の環状の接触面60aに接触するようになっており、また、中間リップ12の摺動面12aは、スリンガー60の環状の接触面60aに接触するようになっている。スリンガー60の接触面60aは、内輪部材20のフランジ部21に沿って延びている。また、グリスリップ13の摺動面13aは、スリンガー60の筒面状の接触面60bに接触するようになっている。
スリンガー60は、具体的には例えば、図5に示すように、環状の板状の部材であり、軸線x周りに環状に軸線x方向に延びる部分である嵌合部61と、嵌合部61よりも外側において外周側に延びる環状の部分であるフランジ部62とを有している。フランジ部62は、接触面60aを形成している。また、嵌合部61は、接触面60bを形成している。
嵌合部61は、例えば、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円筒状又は略円筒状の部分であり、内輪部材20の軸状部22の外周面22aに嵌着されるように形成されている。嵌合部61の接触面60bは、例えば、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円筒面又は略円筒面となっている。フランジ部62は、軸線xを中心軸又は略中心軸とする径方向に広がる中空円盤状又は略中空略円盤状の部分であり、内輪部材20のフランジ部21の根元付近における側面21aに接触するように形成されている。なお、フランジ部21の側面21aは、図5に示すように、フランジ部21の内側に面する面である。フランジ部21の根元付近における側面21aは、例えば図5に示すように、断面において内周側に凸の曲線を描く曲面である。
スリンガー60のフランジ部62は、図5に示すように、内輪部材20のフランジ部21の根元付近における側面21aに対応した形状となっており、フランジ部62の接触面60aは、軸線xを含む平面による断面の形状が曲線状になっており、嵌合部61の接触面60bに滑らかに接続している。
スリンガー60は、内輪部材20に密着するようになっている。具体的には、スリンガー60のフランジ部62と内輪部材20のフランジ部21の側面21aとが、フランジ部62と側面21aとの間に異物が通過可能な隙間が形成されないように、互いに密着するようになっている。また、スリンガー60の嵌合部61と内輪部材20の軸状部22の外周面22aとが、嵌合部61と外周面22aとの間に異物が通過可能な隙間が形成されないように、互いに密着するようになっている。なお、スリンガー60と内輪部材20との密着については、スリンガー60のフランジ部62と内輪部材20のフランジ部21の側面21aとの密着、およびスリンガー60の嵌合部61と内輪部材20の軸状部22の外周面22aとの密着の少なくとも1つが実現されているだけであってもよい。
なお、スリンガー60と内輪部材20とは、上述のように密着していなくてもよい。この場合、例えば、スリンガー60と内輪部材20との間の隙間から異物が、内輪部材20と外輪部材30との間の隙間に侵入しないように、スリンガー60と内輪部材20との間に環状のガスケット(不図示)を設けてもよい。
スリンガー60は、例えば、金属板からプレス加工や鍛造によって一体に形成されており、嵌合部61およびフランジ部62は、一体に形成されたスリンガー60の部分である。スリンガー60の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
図5に示すように、サイドリップ11の摺動面11aは、スリンガー60のフランジ部62の接触面60aに接触するようになっている。また、中間リップ12の摺動面12aは、スリンガー60のフランジ部62の接触面60aに接触するようになっている。また、グリスリップ13の摺動面13aは、スリンガー60の嵌合部61の接触面60bに接触するようになっている。なお、図5に示すように、スリンガー60のフランジ部62は、軸線x方向において外側に向かって拡径する、断面において曲線の輪郭を描くように曲がった形状となっている。スリンガー60のフランジ部62の形状は、この図5に示すような形状に限られない。例えば、スリンガー60のフランジ部62は、内輪部材20のフランジ部21の側面21aに沿って、軸線xに直交する平面に平行又は略平行に延びる環状の部分を有していてもよい。この場合、スリンガー60のフランジ部62の接触面60aは、軸線xに直交する平面に平行又は略平行な面上に延びる部分を有している。この場合、サイドリップ11の摺動面11aは、スリンガー60のフランジ部62の接触面60aの軸線xに直交する平面に平行又は略平行な面上に延びる部分に接触するようになっていてもよい。また、中間リップ12の摺動面12aも、スリンガー60のフランジ部62の接触面60aの軸線xに直交する平面に平行又は略平行な面上に延びる部分に接触するようになっていてもよい。
本実施形態に係るハブシール10Aは、上述の構成を有しており、上述のハブシール10と同様に作用し、同様の効果を奏することができる。
また、スリンガー60を、ステンレス鋼等の防錆性能の高い材料から作ることにより、スリンガー60を錆び難くすることができる。これにより、たとえ泥水や塩水にスリンガー60が曝されたとしても、スリンガー60に錆が発生することを抑制することができる。このため、スリンガー60の接触面60a,60bに錆が発生して、サイドリップ11、中間リップ12、およびグリスリップ13が所望する姿勢でスリンガー60に接触することができなくなり、また、サイドリップ11、中間リップ12、およびグリスリップ13が錆により損傷し、サイドリップ11、中間リップ12、およびグリスリップ13の密封性能が低下することを抑制することができる。
次いで、本発明の第3実施形態に係るハブシール50ついて説明する。本実施形態に係るハブシール50は、上述のように、インナー側のハブシールである。ハブシール50は、ハブシール本体51と、スリンガー65とを有している。図6は、ハブベアリング100に取り付けられた状態における、本発明の第3実施形態に係るハブシール50の軸線xを含む平面による断面を示す断面図である。図7は、図6に示すハブシール50のハブシール本体51の端面図である。なお、図6,7においては、ハブシール50及びハブシール本体51の断面の軸線xに対する一方が示されている。
ハブシール本体51は、上述のハブシール10と同様に、軸線x周りに環状の補強環である基体70と、基体70に取り付けられ、軸線x周りに環状の弾性材料から形成された弾性体部であるシール部材80とを備えている。シール部材80は、軸線x方向において一方の側(内側)に向かって延びるサイドリップ81と、サイドリップ81よりも内周側において内側に向かって延びる中間リップ82とを有している。サイドリップ81の摺動面81aは、中間リップ82の摺動面82aよりも粗い。サイドリップ81の摺動面81aは、サイドリップ81の、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間の密封のために接触する面であるシール面であり、中間リップ82の摺動面82aは、中間リップ82の、外輪部材30と内輪部材20の間の隙間の密封のために接触する面であるシール面である。
基体70は環状の剛体板からなる部材であり、図6,7に示すように、外輪部材30の内周面側から外輪部材30に取り付けられることで外輪部材30に固定されている。図6,7に示すように、基体70の一方の面70aは、スリンガー65の形状に対応して、上述のハブシール10の基体2の一方の面2aよりも軸線x方向に突出していない、より扁平な円環状の面となっている。
シール部材80は、弾性材料からなる環状の部材であって、図6および図7に示すように基体70の一方の面70aを覆う態様で基体70に接合している。図6に示すように、サイドリップ81および中間リップ82はいずれも、軸線xに沿ってスリンガー65に向かって基体70の上述の一方の面70aから離れる方向に延びてスリンガー65に当接することで外輪部材30と内輪部材20の間の隙間を封止しつつ内輪部材20の回転に伴いスリンガー65に相対的に摺動するシールリップ部である。サイドリップ81は、中間リップ82よりも隙間の開口部Sに近い位置でスリンガー65に当接して摺動するシールリップ部であり、言い換えれば、中間リップ82よりも上流側で異物の侵入を防ぐシールリップ部である。後述するように、これらサイドリップ81および中間リップ82は、スリンガー65のフランジ部67に当接している。
上述のように、サイドリップ81の摺動面81aは、中間リップ82の摺動面82aよりも粗い。サイドリップ81の摺動面81aは、上述のハブシール10のサイドリップ11の摺動面11aと同様になっており、また、中間リップ82の摺動面82aは、上述のハブシール10の中間リップ12の摺動面12aと同様になっている。例えば、サイドリップ81の摺動面81aは、中間リップ82の摺動面82aよりも、大きな異物の通過を許容するようになっている。具体的には例えば、サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さは、中間リップ82の摺動面82aの表面粗さよりも粗くなっている。サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さは、例えば、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisであり、また、中間リップ82の摺動面82aの表面粗さは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisである。
例えば、サイドリップ81の摺動面81aは、上述のハブシール10のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、表面加工が施されて形成された摺動面である。一方、中間リップ82の摺動面82aは、ハブシール10の中間リップ12の摺動面12aと同様に、表面加工が施されないで形成された摺動面である。つまり、中間リップ82の摺動面82aは、成形型を用いた成形によって形成された中間リップ82の表面のままであり、未加工の摺動面である。この表面加工により、サイドリップ81の摺動面81aは、中間リップ82の摺動面82aよりも粗くなっている。なお、中間リップ82の摺動面82aは、表面加工が施されて形成された摺動面であってもよい。この場合、中間リップ82の摺動面82aは、サイドリップ81の摺動面81aよりも粗くならないように、表面加工が施されて形成される。なお、摺動面を形成するための表面加工には、例えば、放電加工やブラスト加工等がある。
サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さは、具体的には例えば、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、Rzjis0.8μm以上である。また、サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さは、具体的には例えば、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、Rzjis10μm以上である。また、サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さの上限は、具体的には例えば、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、Rzjisが60μm以下である。また、中間リップ82の摺動面82aの表面粗さは、具体的には例えば、上述の中間リップ12の摺動面12aと同様に、Rzjis0.7μm以下である。また、中間リップ82の摺動面82aの表面粗さは、具体的には例えば、上述の中間リップ12の摺動面12aと同様に、Rzjis0.5μm以下である。また、中間リップ82の摺動面82aの表面粗さは、具体的には例えば、Rzjis0.4μm以下である。
サイドリップ81の摺動面81aには、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、微小な凹凸である凹凸110が形成されている。凹凸110は、ランダムに配置された凹凸である。摺動面81aの凹凸110は、例えば、梨地状の凹凸である。なお、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、摺動面81aの凹凸110は、梨地状の凹凸に限られず、他の表面形状であってもよい。例えば、摺動面81aの凹凸110は、シール部材80の周方向に交わる方向に延びる複数本の平行な突条を形成するものであってもよい。一方、中間リップ82の摺動面82aは、サイドリップ81の摺動面81aよりも滑らかな面となっている。
サイドリップ81の摺動面81aは、上述のサイドリップ11の摺動面11aと同様に、粒径が所定値以上の異物の粒子の侵入を防ぐが粒径が所定値未満の異物の粒子の侵入は許すような表面形状を有している。また、中間リップ82の摺動面82aは、上述の中間リップ12の摺動面12aと同様に、サイドリップ81を超えて侵入してきた粒径が上記所定値未満の異物の粒子の侵入を防ぐ。このため、サイドリップ81の摺動面81aのスリンガー65との接触面積が減り、過度の摩擦力の発生が抑えられるため、サイドリップ81の回転トルクが低減する。また、サイドリップ81の摺動面81aをすり抜けて粒径が所定値未満の泥水中の異物が侵入しても、中間リップ82の摺動面82aによりそれ以上の侵入は抑制されやすい。この結果、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールが実現することとなる。また、サイドリップ81の摺動面81aは、上述のサイドリップ11と同様に、中間リップ82よりも異物が侵入し易い形態を、少なくとも部分的に、ポンプ作用によって補っている。この点においても、ハブシール50は、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールとなっている。
また、シール部材80は、例えば図6,7に示すように、グリスリップ83を有している。グリスリップ83は、中間リップ82よりも隙間の開口部Sから離れた位置で、後述するように、スリンガー65の嵌合部66に当接して摺動する。グリスリップ83のシール面である摺動面83aの接触する位置は、中間リップ82の摺動面82aの接触する位置よりも内周側である。
グリスリップ83の摺動面83aは、例えば、表面加工が施されて形成された摺動面である。グリスリップ83の摺動面83aの表面粗さは、例えば、サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さよりも粗くなっている。グリスリップ83の摺動面83aの表面粗さは、例えば、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisである。なお、グリスリップ83の摺動面83aは、表面加工が施されないで形成された摺動面であってもよい。このため、グリスリップ83の摺動面83aの表面粗さは、サイドリップ81の摺動面81aの表面粗さよりも粗くなっていなくてもよい。
スリンガー65は、図6に示すように、軸線x方向に面する環状の面である接触面65aと、径方向に面する環状の面である接触面65bを有している。上述のハブシール10Aと同様に、ハブシール本体51およびスリンガー65がハブベアリング100の所望の位置に取り付けられた使用状態において、サイドリップ81の摺動面81aは、スリンガー65の環状の接触面65aに接触するようになっており、また、中間リップ82の摺動面82aは、スリンガー65の環状の接触面65aに接触するようになっている。スリンガー65の接触面65aは、軸線xに直交する平面に沿って延びている。また、グリスリップ83の摺動面83aは、スリンガー65の筒面状の接触面65bに接触するようになっている。
スリンガー65は、具体的には例えば、図6に示すように、環状の板状の部材であり、主として、軸線x周りに環状に軸線x方向に延びる部分である嵌合部66と、嵌合部66よりも内側において外周側に延びる環状の部分であるフランジ部67とを有している。フランジ部67は、接触面65aを形成している。また、嵌合部66は、接触面65bを形成している。
嵌合部66は、例えば、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円筒状又は略円筒状の部分であり、内輪部材20の軸状部22の外周面22aに嵌着されるように形成されている。嵌合部66の接触面65bは、例えば、軸線xを中心軸又は略中心軸とする円筒面又は略円筒面となっている。フランジ部67は、軸線xを中心軸又は略中心軸とする径方向に広がる中空円盤状又は略中空略円盤状の部分である。フランジ部67の接触面65aは、例えば、軸線xに直交する平面に平行又は略平行な平面上に広がっている。
スリンガー65は、内輪部材20に密着するようになっている。具体的には、スリンガー65の嵌合部66と内輪部材20の軸状部22の外周面22aとが、嵌合部66と外周面22aとの間に異物が通過可能な隙間が形成されないように、互いに密着するようになっている。なお、スリンガー65と内輪部材20とは、上述のように密着していなくてもよい。この場合、例えば、スリンガー65と内輪部材20との間の隙間から異物が、内輪部材20と外輪部材30との間の隙間に侵入しないように、スリンガー65と内輪部材20との間に環状のガスケット(不図示)を設けてもよい。
スリンガー65は、スリンガー60と同様に、例えば、金属板からプレス加工や鍛造によって一体に形成されており、嵌合部66およびフランジ部67は、一体に形成されたスリンガー65の部分である。スリンガー60の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。
図6に示すように、サイドリップ81の摺動面81aは、スリンガー65のフランジ部67の接触面65aに接触するようになっている。また、中間リップ82の摺動面82aは、スリンガー65のフランジ部67の接触面65aに接触するようになっている。また、グリスリップ83の摺動面83aは、スリンガー65の嵌合部66の接触面65bに接触するようになっている。
図7に示すように、サイドリップ81の摺動面81aおよび中間リップ82の摺動面82aには、潤滑剤としてのグリスGが付いていてもよい。グリスGは、例えば、40℃における動粘度が10mm/s以上40mm/s以下の基油を有するグリスである。なお、グリスリップ83の摺動面83aにもグリスGが付けられていてもよい。グリスGにより、サイドリップ81、中間リップ82、およびグリスリップ83の回転トルクを低減することができる。
本実施形態に係るハブシール50は、上述の構成を有しており、上述のハブシール10と同様に作用し、同様の効果を奏することができる。
以上、上記実施形態を通じて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に様々な変更又は改良を加えることができることが当業者には明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、上述の実施形態は、本発明が利用される利用対象を限定するものではなく、本発明はあらゆるものをその利用対象として含み得る。上記実施形態が備える各構成要素並びにその配置、材料、条件、形状およびサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、本発明は、製造上の公差等の実施において発生する差を含むものである。また、技術的に矛盾しない範囲において、異なる実施形態で示した構成要素同士を部分的に置換し又は組み合わせることができる。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせることができる。
例えば、ハブシール10,10A,50は、サイドリップ11又はサイドリップ81の外周側に、他のサイドリップ11又はサイドリップ81を1つ又は複数有していてもよい。この場合も、上述のハブシール10,10A,50と同様に、最も外周側に位置するサイドリップ11,81の摺動面11a,81aを最も粗くし、中間リップ12,82の摺動面12a,82aの粗さを、サイドリップ11,81の摺動面11a,81aの粗さよりも粗くなくする。また、互いに隣接するリップ間において、外周側において隣接するリップの摺動面の粗さが、内周側において隣接するリップの摺動面の粗さよりも粗くする。
本発明は、泥水環境下においても回転トルクの低減を図りつつ泥水中の異物侵入を抑制するハブシールを実現するのに有用である。
1,80:シール部材(弾性体部)、2,70:基体、2a,70a:一方の面、10,10A,50:密封装置(ハブシール)、11,81:サイドリップ、11a,81a:摺動面(シール面)、12,82:中間リップ、12a,82a:摺動面(シール面)、13,83:グリスリップ、13a,83a:摺動面(シール面)、20:内輪部材、21:フランジ部、21a:側面、22:軸状部、22a:外周面、30:外輪部材、40:ボール、51:ハブシール本体、60,65:スリンガー、60a,60b,65a,65b:接触面、61,66:嵌合部、62,67:フランジ部、100:ハブベアリング、110、130:梨地状の凹凸、G:グリス、x:軸線、S:開口部

Claims (15)

  1. ハブベアリングの外輪部材と内輪部材との間の隙間の密封を図るためのハブベアリング用の密封装置であって、
    軸線周りに環状の基体と、
    前記基体に取り付けられ、前記軸線周りに環状の弾性材料から形成された弾性体部とを備え、
    前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びるサイドリップと、前記サイドリップよりも内周側において前記一方の側に向かって延びる中間リップとを有しており、
    前記サイドリップの前記隙間の密封のために接触する面であるシール面は、前記中間リップの前記隙間の密封のために接触する面であるシール面よりも粗い、
    ハブベアリング用の密封装置。
  2. 前記隙間の密封のために接触した前記サイドリップのシール面は、前記隙間の密封のために接触した前記中間リップのシール面よりも、大きな異物の通過を許容するようになっている、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  3. 前記前記サイドリップのシール面の表面粗さは、前記中間リップのシール面の表面粗さよりも粗い、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  4. 前記サイドリップのシール面の表面粗さは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisであり、
    前記中間リップのシール面の表面粗さは、JIS B 0601-2001で規定される十点平均粗さRzjisである、
    請求項3に記載のハブベアリング用の密封装置。
  5. 前記サイドリップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面であり、
    前記中間リップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面、又は表面加工が施されないで形成されたシール面である、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  6. グリスリップを更に備え、
    前記グリスリップは、前記隙間の密封のために接触する面であるシール面を有しており、
    前記グリスリップのシール面の接触する位置は、前記中間リップのシール面の接触する位置よりも内周側であり、
    前記グリスリップのシール面は、表面加工が施されて形成されたシール面、又は表面加工が施されないで形成されたシール面である、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  7. 前記サイドリップのシール面および前記中間リップのシール面には、グリスが付いており、
    前記グリスの基油は、40℃における動粘度が10mm/s以上40mm/s以下の基油である、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  8. 前記サイドリップのシール面は、前記内輪部材に接触するようになっており、
    前記中間リップのシール面は、前記内輪部材に接触するようになっている、
    請求項1に記載のハブベアリング用の密封装置。
  9. 前記内輪部材に取り付けられる、前記軸線周りに環状のスリンガーを更に備え、
    前記サイドリップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっており、
    前記中間リップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっている、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のハブベアリング用の密封装置。
  10. 前記スリンガーは、前記軸線方向に面する環状の面を有しており、
    前記サイドリップのシール面は、前記スリンガーの前記環状の面に接触するようになっており、
    前記中間リップのシール面は、前記スリンガーの前記環状の面に接触するようになっている、
    請求項9に記載のハブベアリング用の密封装置。
  11. 前記スリンガーは、前記内輪部材のフランジ部に沿って延びている、
    請求項9に記載のハブベアリング用の密封装置。
  12. 前記ハブシールは、アウター側のハブシールである、
    請求項11に記載のハブベアリング用の密封装置。
  13. 前記スリンガーの前記環状の面は、前記軸線に直交する面に沿って延びている、
    請求項10に記載のハブベアリング用の密封装置。
  14. 前記ハブシールは、インナー側のハブシールである、
    請求項13に記載のハブベアリング用の密封装置。
  15. 前記グリスリップのシール面は、前記スリンガーに接触するようになっている、
    請求項6に従属する請求項9に記載のハブベアリング用の密封装置。

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