JP2024031384A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの回転数の急変を抑制する。【解決手段】触媒が所定温度未満のときには、エンジンの回転数が触媒を効率良く暖機できる暖機回転数になるようにエンジンと回転数調整装置とを制御する触媒暖機制御を実行し、PMフィルタの堆積量が所定量以上のときには、エンジンの複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する一部気筒フューエルカットと、エンジンの下限回転数を失火抑制回転数から一部気筒フューエルカットによる振動を抑制する振動抑制回転数に引き上げる下限回転数引き上げと、を実行しながら、エンジンが下限回転数以上で運転されるように記エンジンと回転数調整装置とを制御する制御装置であって、触媒暖機制御を実行しているときには、少なくとも下限回転数引き上げの実行を制限する。【選択図】図2
Description
本発明は、制御装置に関する。
従来、この種の制御装置としては、複数気筒のエンジンと、エンジンからの排気中の粒子状物質を捕集するPMフィルタと、エンジンの回転数を調整する回転数調整装置と、を備えるエンジン装置に搭載され、エンジンと回転数制御装置とを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、PMフィルタの再生のために、複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する一部気筒フューエルカット(一部気筒FC)制御を実行しているときには、一部気筒FC制御を実行していないときに比してエンジンの回転を高くする。これにより、一部気筒FC制御を実行しているときにおけるドライバビリティの悪化を抑制している。
近年、上述の装置において、エンジンからの排気を浄化する触媒を有する排気浄化装置を更に備えるものが提案されている。この装置では、触媒が所定温度未満のときには、排気の悪化を抑制するために、エンジンが触媒が効率良く暖機できる暖機回転数で運転されるようにエンジンと回転数調整装置とを制御する触媒暖機制御を実行する。この装置では、触媒暖機制御から一部気筒フューエルカットに移行する際に、エンジンの回転数が急変してしまうことがある。
本開示の制御装置は、エンジンの回転数の急変を抑制することを主目的とする。
本開示の制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の制御装置は、
複数の気筒のエンジンと、前記エンジンからの排気を浄化する触媒を有する排気浄化装置と、前記エンジンからの排気中の粒子状物質を捕集するPMフィルタと、前記エンジンの回転数を調整する回転数調整装置と、を備えるエンジン装置に搭載され、
前記触媒が所定温度未満のときには、前記エンジンの回転数が前記触媒を効率良く暖機できる暖機回転数になるように前記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する触媒暖機制御を実行し、
前記PMフィルタの堆積量が所定量以上のときには、前記エンジンの前記複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する一部気筒フューエルカットと、前記エンジンの下限回転数を失火抑制回転数から前記一部気筒フューエルカットによる振動を抑制する振動抑制回転数に引き上げる下限回転数引き上げと、を実行しながら、前記エンジンが前記下限回転数以上で運転されるように記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する
制御装置であって、
前記触媒暖機制御を実行しているときには、少なくとも前記下限回転数引き上げの実行を制限する
ことを要旨とする。
複数の気筒のエンジンと、前記エンジンからの排気を浄化する触媒を有する排気浄化装置と、前記エンジンからの排気中の粒子状物質を捕集するPMフィルタと、前記エンジンの回転数を調整する回転数調整装置と、を備えるエンジン装置に搭載され、
前記触媒が所定温度未満のときには、前記エンジンの回転数が前記触媒を効率良く暖機できる暖機回転数になるように前記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する触媒暖機制御を実行し、
前記PMフィルタの堆積量が所定量以上のときには、前記エンジンの前記複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する一部気筒フューエルカットと、前記エンジンの下限回転数を失火抑制回転数から前記一部気筒フューエルカットによる振動を抑制する振動抑制回転数に引き上げる下限回転数引き上げと、を実行しながら、前記エンジンが前記下限回転数以上で運転されるように記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する
制御装置であって、
前記触媒暖機制御を実行しているときには、少なくとも前記下限回転数引き上げの実行を制限する
ことを要旨とする。
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態の制御装置を搭載するハイブリッド車20の概略構成図である。ハイブリッド車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)28と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ(蓄電装置)50と、変速機60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70とを備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン22の排気系には、エンジン22の排気中の未燃焼燃料や窒素酸化物を浄化する浄化装置(排気浄化装置)25と、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するPMフィルタ26と、が取り付けられている。浄化装置25は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を含む排気を浄化する触媒を備えている。エンジン22は、エンジンECU28により運転制御されている。エンジンECU28は、マイクロコンピュータを有し、各種センサからの信号を入力したり、各種制御信号を出力したり、各種演算を行なったり、HVECU70と通信したりする。例えば、クランクポジションセンサ23aからのエンジン22のクランクシャフト23のクランク角θcrや、エアフローメータからのエンジン22の吸入空気量Qa、差圧センサ26aからのPMフィルタ26の前後(上流側と下流側)の差圧ΔPfなどを入力する。スロットルバルブや燃料噴射弁、点火プラグなどに制御信号を出力する。クランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいてエンジン22の負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算したりする。差圧ΔPfに基づいてPM堆積量(PMフィルタ26に堆積した粒子状物質の堆積量)Qpmを演算したり、回転数Neや負荷率KLに基づいてフィルタ温度(PMフィルタ26の温度)Tfを演算したりする。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されており、サンギヤにはモータMG1の回転子が接続され、キャリヤにはエンジン22のクランクシャフト23が接続され、リングギヤには中間軸35が接続されている。中間軸35にはモータMG2の回転子が取り付けられている。モータMG1,MG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、HVECU70によってインバータ41,42の複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより回転駆動される。バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、インバータ41,42と共に電力ライン54に接続されている。このバッテリ50は、HVECU52により管理されている。変速機60は、例えば4段変速や5段変速、6段変速などの有段変速機として構成されている。変速機60の入力軸は、中間軸35に接続されており、出力軸は、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36に接続されている。変速機60は、HVECU70により制御されている。
HVECU70は、マイクロコンピュータを有し、各種センサからの信号を入力したり、各種制御信号を出力したり、各種演算を行なったり、エンジンECU28と通信したりする。例えば、回転位置センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2や、電圧センサ51aや電流センサ51b、温度センサ51cからのバッテリ50の電圧Vbや電流Ib、温度Tbなどを入力する。スタートスイッチ80からのスタート信号や、シフトポジションセンサ82からのシフトポジション(シフトレバーの操作位置)SP、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)Acc、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジション(ブレーキペダルの踏み込み量)BP、車速センサ87からの車速Vなども入力する。インバータ41,42や変速機60などに制御信号を出力する。回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算する。電圧Vbと電流Ibとの積としてバッテリ50の電力Pbを演算したり、電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算したり、蓄電割合SOCと温度Tbとに基づいてバッテリ50の入出力制限(許容入出力電力)Win,Woutを演算したりする。
ハイブリッド車20では、エンジンECU28とHVECU70との協調制御により、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動走行モード(EV走行モード)や、エンジン22の回転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)で走行するように、エンジン22とモータMG1,MG2と変速機60とが制御される。変速機60は、変速段Gsがアクセル開度Accと車速Vとに基づく目標変速段Gs*となるように制御される。エンジン22とモータMG1,MG2とは、基本的には、エンジン22が効率良く運転する回転数と下限回転数Neminとのうち大きいほうの回転数で運転されながら、中間軸35の要求トルクTi*が中間軸35に出力されるように制御される。下限回転数Neminは、基本的には、エンジン22が失火しない回転数の下限値として予め定めた失火抑制回転数Nnfである。要求トルクTiは、アクセル開度Accと車速Vとに基づく駆動軸36の要求トルクTd*を変速機60の変速段Gsに対応する回転数比Gtで除して得られる。
HVECU70は、浄化装置25の温度が触媒が活性化する温度の下限値である所定温度Tfbref未満のときには、触媒を暖機するために、下限回転数Neminに拘わらず、触媒を効率良く暖機する回転数として予め定められた暖機回転数Nwu(例えば、1200rpm、1300rpm、1400rpmなど)でエンジン22を運転しながら、要求トルクTi*が中間軸35に出力されるようにエンジン22とモータMG1、MG2を制御する触媒暖機制御を実行する。そして、浄化装置25の温度が所定温度Tfbref以上のときには、触媒暖機制御を停止して、エンジン22を効率良く運転する回転数と下限回転数Neminとのうち大きいほうの回転数で運転しながら、要求トルクTi*が中間軸35に出力されるようにエンジン22とモータMG1,MG2とを制御する。
HVECU70は、スタートスイッチ80がオン操作されてシステムが起動(レディオン)したときには、運転席近傍のタッチパネルである図示しないディスプレイに、エンジン22の負荷運転中にPMフィルタ26の再生を行なうか否かを選択するためのスイッチSWを表示する。ユーザがスイッチSWをオン操作(ディスプレイに表示されたスイッチSWを押下)したときには、システム停止(レディオフ)するまで、HV走行モードでの走行において、再生モードでエンジン22を運転する。
再生モードでは、HV走行モードで走行中且つエンジン22の負荷運転中にPM堆積量Qpmが所定量Qpmref以上のときに、複数の気筒のうち少なくとも何れか1つの気筒への燃料供給を停止させる一部気筒フューエルカット(一部気筒FC)を実行すると共に、エンジン22の下限回転数Neminを失火抑制回転数Nnfより高い振動抑制回転数Nnbにする下限回転数引き上げを実行しながら、エンジン22を効率良く運転する回転数と下限回転数Neminとのうち高いほうの回転数でエンジン22が運転されると共に、要求トルクTi*が中間軸35に出力されるようにエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するフィルタ再生制御を実行する。振動抑制回転数Nnvは、一部気筒FCによって発生するエンジン22の脈動トルクによる共振で車両の振動が大きくなるエンジン22の回転数より高い回転数(例えば、2500rpm、2600rpm、2700rpmなど)であって、失火抑制回転数Nnfや暖機回転数Nwuより高く設定される。こうしたフィルタ再生制御により、一部気筒FC制御によって発生するエンジン22の脈動トルクによる車両の振動が抑制されると共に、PMフィルタ26に空気(酸素)が供給されてPMフィルタ26に堆積した粒子状物質が燃焼し、PMフィルタ26の再生が行なわれる。
次に、ハイブリッド車20の動作、特に、再生モードのときの動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンは、HV走行モードで走行中且つエンジン22の負荷運転中にPM堆積量Qpmが所定量Qpmref以上のときに、即ち、HV走行モードで走行中且つエンジン22の負荷運転中にPMフィルタ26の再生要求がなされたときに、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、HVECU70のCPUは、再生モードが選択されているか否かを判定する(ステップS100)。再生モードではないときには、本ルーチンを終了する。再生モードでないときには、基本的には、複数の気筒の全てへ燃料を供給すると共に下限回転数Neminを失火抑制回転数Nfbとしてエンジン22を下限回転数Nemin以上の回転数で効率良く運転しながら、要求トルクTi*が中間軸35に出力されるようにエンジン22とモータMG1、MG2を制御する。
ステップS100で再生モードのときには、続いて、上述の触媒暖機制御の実行中か否かを判定する(ステップS110)。触媒暖機制御を実行していないときには、フィルタ再生制御、即ち、一部気筒FCと下限回転数引き上げとを実行して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。これにより、一部気筒FCによって発生するエンジン22の脈動トルクによる車両の振動が抑制されると共に、PMフィルタ26の再生が行なわれる。
ステップS110で触媒暖機制御を実行しているときには、フィルタ再生制御の実行を制限して(フィルタ再生制御を実行せずに)、即ち、一部気筒FCと下限回転数引き上げとの実行を制限して(一部気筒FCと下限回転数引き上げとを実行せずに)(ステップS130)、本ルーチンを終了する。この場合、一部気筒FCと下限回転数引き上げとが実行されずに、触媒暖機制御が継続される。
図3は、PM堆積量Qpmが所定量Qpmref以上の場合におけるスイッチSWの状態、アクセル開度Acc、触媒暖機制御の実行の有無、下限回転数引き上げの実行の有無、エンジン22の下限回転数Nemin、一部気筒FCの実行の有無の時間変化の一例を示すタイミングチャートである。実施形態では、触媒暖機制御の実行中は、下限回転数Neminを失火抑制回転数Nnfに設定しているが、エンジン22の回転数は、下限回転数Neminに拘わらず暖機回転数Nwuに設定される。触媒暖機制御が停止すると(時刻ts)、下限回転数引き上げが実行され、下限回転数Neminが失火抑制回転数Nnfから所定レートで振動抑制回転数Nnvに向かって上昇して振動抑制回転数Nnvに至ったとき以降に、一部気筒FCを開始して、フィルタ再生制御を開始する。触媒暖機制御中に下限回転数引き上げを実行すると、触媒暖機制御を停止したときに下限回転数Neminが既に振動抑制回転数Nnvになっていて、本実施形態では、振動抑制回転数Nnvが暖機回転数Nwuより高いことから、エンジン22の回転数が暖機回転数Nwuから振動抑制回転数Nnv以上の回転数に急変してしまう。本実施形態では、触媒暖機制御の実行中は、フィルタ再生制御、即ち、一部気筒FCと下限回転数引き上げとの実行を制限し、触媒暖機制御を停止した後に下限回転数引き上げの実行を開始し、その後、一部気筒FCの実行を開始する。これにより、触媒暖機制御を停止する際に、暖機回転数Nwuより下限回転数Neminが低くなっているから、エンジン22の回転数の急変を抑制できる。
以上説明した実施形態の制御装置を搭載するハイブリッド車20によれば、触媒暖機制御を実行しているときには、少なくとも下限回転数引き上げの実行を制限することにより、エンジン22の回転数の急変を抑制できる。
上述の実施形態のハイブリッド車20において、変速機60を備えなくてもよい。また、エンジンECU28とHVECU70とを一体に構成してもよい。
上述の実施形態では、本開示の制御装置をハイブリッド車20に適用する場合において例示している。しかし、本開示の制御装置を、エンジンと、エンジンの回転数を調整する回転数調整装置とを備えるエンジン装置に適用してもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、HVECU70が「制御装置」に相当する。
本開示は上述の実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、制御装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド車、22 エンジン、28 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、30 プラネタリギヤ、50 バッテリ、60 変速機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 複数の気筒のエンジンと、前記エンジンからの排気を浄化する触媒を有する排気浄化装置と、前記エンジンからの排気中の粒子状物質を捕集するPMフィルタと、前記エンジンの回転数を調整する回転数調整装置と、を備えるエンジン装置に搭載され、
前記触媒が所定温度未満のときには、前記エンジンの回転数が前記触媒を効率良く暖機できる暖機回転数になるように前記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する触媒暖機制御を実行し、
前記PMフィルタの堆積量が所定量以上のときには、前記エンジンの前記複数の気筒のうち少なくとも1つの気筒への燃料供給を停止する一部気筒フューエルカットと、前記エンジンの下限回転数を失火抑制回転数から前記一部気筒フューエルカットによる振動を抑制する振動抑制回転数に引き上げる下限回転数引き上げと、を実行しながら、前記エンジンが前記下限回転数以上で運転されるように記エンジンと前記回転数調整装置とを制御する
制御装置であって、
前記触媒暖機制御を実行しているときには、少なくとも前記下限回転数引き上げの実行を制限する
制御装置。
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