JP2024030182A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができる樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性の樹脂組成物に関する。さらには、当該樹脂組成物を用いて得られる樹脂シート、プリント配線板、半導体チップパッケージ、及び半導体装置に関する。
ウェハレベルパッケージ(WLP)やパネルレベルパッケージ(PLP)といった半導体チップパッケージの製造において、再配線基板等の回路基板は、一般に、硬化性樹脂材料をウェハやパネル基板などの基材上に設け硬化させて絶縁層を形成した後、該絶縁層上に導体層を形成し、これを繰り返して多層化することにより形成される(特許文献1)。
近年、次世代高速通信のため、より低い誘電率で且つより低い誘電正接を備える材料の需要がより一層増してきている。さらには基板の大型化ニーズに伴う応力の増大に耐えるために、硬化物の機械強度(伸び)の担保、および、基材との膨張率差を抑え応力を低減するために低い熱膨張率が求められている。従来、無機充填材を使用すること等によって、低熱膨張性や優れた機械強度、優れた誘電特性を担保してきた。
一方で、レーザービア形成後のビア底残渣除去や、樹脂研磨後の樹脂表面クリーニングのためにプラズマ処理を行う場合があるが、無機充填材と熱硬化性樹脂との相溶性の低下を一因とするプラズマ処理後の表面のムラが課題となっていた。
特開2018-87986号公報
本発明の課題は、硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができる樹脂組成物を提供することにある。
本発明の課題を達成すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物を用いることにより、硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物。
[2] (A)成分が、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基、及びアルコキシジアルキルシリル基から選ばれる基を1分子中に1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (A)成分が、式(1):
Figure 2024030182000001
[式中、
及びXは、単結合、又は-CO-を示し;
及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基、ジアルコキシアルキルシリル基で置換された炭化水素基、又はアルコキシジアルキルシリル基で置換された炭化水素基であり;
11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基を示し;
13、R14、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
Yは、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し;
は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
sは、0又は1を示し;
t及びuは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。]
で表される変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[4] (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%以下である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[5] (B)成分が、(B1)エポキシ樹脂を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[6] (B)成分が、(B2)エポキシ樹脂硬化剤を含む、上記[5]に記載の樹脂組成物。
[7] (B)成分が、(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[8] (B3)成分が、ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、上記[7]に記載の樹脂組成物。
[9] (B3)成分が、マレイミド基を1分子中に2個以上有する樹脂を含む、上記[7]に記載の樹脂組成物。
[10] (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、20質量%以上である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[11] (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[12] (A)成分に対する(B)成分の質量比((B)成分/(A)成分)が、10~30である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[13] (A)成分に対する(C)成分の質量比((C)成分/(A)成分)が、30~100である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[14] 樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数(CTE)が、25℃から150℃までの範囲において、25ppm/K以下である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[15] 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)が、5.8GHz、23℃で測定した場合、0.006以下である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[16] 樹脂組成物の硬化物の破断点伸度が、23℃で測定した場合、1.2%以上である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[17] 半導体チップパッケージの絶縁層形成用である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[18] プリント配線板の絶縁層形成用である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[19] 上記[1]~[16]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物。
[20] 支持体と、当該支持体上に設けられた上記[1]~[16]の何れかに記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
[21] 上記[1]~[16]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備える半導体チップパッケージ。
[22] ファンアウト(FO)型半導体チップパッケージである、上記[21]に記載の半導体チップパッケージ。
[23] 上記[21]に記載の半導体チップパッケージを含む、半導体装置。
[24] 上記[1]~[16]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備えるプリント配線板。
[25] 上記[24]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
[26] 下記(1)~(4)の工程を含む半導体チップパッケージの製造方法。
(1)支持体と、当該支持体上に設けられた樹脂組成物層であって、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が基材と接合するように、基材上に積層する工程
(2)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
(3)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
(4)絶縁層に対してプラズマを用いた粗化処理を含む粗化処理を実施する工程
[27] 下記(1’)~(4’)の工程を含むプリント配線板の製造方法。
(1’)支持体と、当該支持体上に設けられた樹脂組成物層であって、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板上に積層する工程
(2’)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
(3’)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
(4’)絶縁層に対してプラズマを用いた粗化処理を含む粗化処理を実施する工程
本発明の樹脂組成物によれば、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む。このような樹脂組成物によれば、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができる。
本発明の樹脂組成物は、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材の他に、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(D)熱可塑性樹脂、(E)ラジカル重合開始剤、(F)硬化促進剤、(G)その他の添加剤、及び(H)有機溶剤が挙げられる。
以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する。
(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、一実施形態において、好ましくは、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基、及びアルコキシジアルキルシリル基から選ばれる基を1分子中に1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含み;より好ましくは、トリアルコキシシリル基、及びジアルコキシアルキルシリル基から選ばれる基を1分子中に1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含み;さらに好ましくは、トリアルコキシシリル基を1分子中に1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む。
トリアルコキシシリル基とは、3個のアルコキシ基で置換されたシリル基、すなわち、(RO)Si-で表される基(Rは、それぞれ独立して、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を示す)を意味する。トリアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
ジアルコキシアルキルシリル基とは、2個のアルコキシ基と1個のアルキル基で置換されたシリル基、すなわち、(RO)(R)Si-で表される基(Rは、それぞれ独立して、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を示す)を意味する。ジアルコキシアルキルシリル基としては、例えば、ジメトキシ(メチル)シリル基、ジエトキシ(メチル)シリル基等が挙げられる。
アルコキシジアルキルシリル基とは、1個のアルコキシ基と2個のアルキル基で置換されたシリル基、すなわち、(RO)(R)Si-で表される基(Rは、それぞれ独立して、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を示す)を意味する。アルコキシジアルキルシリル基としては、例えば、メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等が挙げられる。
アルキル基とは、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、特に指定がない限り、炭素数1~14のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましく、炭素数1~3のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、tert-オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
アルコキシ基とは、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基が酸素原子に結合してなる1価の基を意味する。アルコキシ基は、特に指定がない限り、炭素数1~14のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~6のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1~3のアルコキシ基がさらに好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基等が挙げられる。
(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、一実施形態において、なお一層好ましくは、式(1):
Figure 2024030182000002
[式中、X及びXは、単結合、又は-CO-を示し;R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基、ジアルコキシアルキルシリル基で置換された炭化水素基、又はアルコキシジアルキルシリル基で置換された炭化水素基であり;R11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基を示し;R13、R14、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;Yは、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し;Rは、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;sは、0又は1を示し;t及びuは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。]
で表される変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む。
及びXは、単結合、又は-CO-を示す。
及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基、ジアルコキシアルキルシリル基で置換された炭化水素基、又はアルコキシジアルキルシリル基で置換された炭化水素基であり;一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基であり;より好ましくは、トリアルコキシシリル基で置換されていてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基であり;さらに好ましくは、ビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルベンジル基、4-イソプロペニルベンジル基、1-メチル-2-(トリメチルシリル)エチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基、4-{1-メチル-2-(トリメチルシリル)エチル}ベンジル基、又は4-{2-(トリメチルシリル)エチル}ベンジル基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、1-メチル-2-(トリメチルシリル)エチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基、4-{1-メチル-2-(トリメチルシリル)エチル}ベンジル基、又は4-{2-(トリメチルシリル)エチル}ベンジル基である。
炭化水素基とは、1個以上(好ましくは1~50個、より好ましくは1~20個)の炭素原子のみを骨格原子とし、水素原子を非骨格原子とする炭化水素基である。炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。炭化水素基は、芳香族構造を有していてもよいし、有さなくてもよい。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアラルキル基、アルケニルアリール基、アルケニルアラルキル基、アルケニルアルキルアリール基、アルケニルアルキルアラルキル基等が挙げられる。
アルケニル基とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。アルケニル基は、特に指定がない限り、炭素数2~14のアルケニル基が好ましく、炭素数2~6のアルケニル基がより好ましく、炭素数2又は3のアルケニル基がさらに好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基)、ブテニル基(1-ブテニル基、クロチル基、メタリル基、イソクロチル基等)、ペンテニル基(1-ペンテニル基等)、ヘキセニル基(1-ヘキセニル基等)、ヘプテニル基(1-ヘプテニル基等)、オクテニル基(1-オクテニル基等)、シクロペンテニル基(2-シクロペンテニル基等)、シクロヘキセニル基(3-シクロヘキセニル基)等が挙げられる。
アリール基とは、芳香族炭素環の1個の水素原子を除いてなる1価の芳香族炭化水素基を意味する。アリール基は、特に指定がない限り、炭素数6~14のアリール基が好ましく、炭素数6~10のアリール基がさらに好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアリール基で置換されたアルキル基を意味する。アラルキル基は、特に指定がない限り、炭素数7~15のアラルキル基が好ましく、炭素数7~11のアラルキル基がさらに好ましい。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、α-メチルベンジル基、α-クミル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルキルアリール基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルキル基で置換されたアリール基を意味する。アルキルアリール基は、特に指定がない限り、炭素数7~15のアルキルアリール基が好ましく、炭素数7~11のアルキルアリール基がさらに好ましい。アルキルアリール基としては、例えば、4-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、2-エチルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、3-イソプロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
アルキルアラルキル基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルキル基で芳香族炭素原子が置換されたアラルキル基を意味する。アルキルアラルキル基は、特に指定がない限り、炭素数8~16のアルキルアラルキル基が好ましく、炭素数8~12のアルキルアラルキル基がさらに好ましい。アルキルアラルキル基としては、例えば、4-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、2-メチルベンジル基、4-エチルベンジル基、3-エチルベンジル基、2-エチルベンジル基、4-イソプロピルベンジル基、3-イソプロピルベンジル基、2-イソプロピルベンジル基等が挙げられる。
アルケニルアリール基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルケニル基で置換されたアリール基を意味する。アルケニルアリール基は、特に指定がない限り、炭素数8~15のアルケニルアリール基が好ましく、炭素数8~11のアルケニルアリール基がさらに好ましい。アルケニルアリール基としては、例えば、4-ビニルフェニル基、3-ビニルフェニル基、2-ビニルフェニル基、4-イソプロペニルフェニル基、3-イソプロペニルフェニル基、2-イソプロペニルフェニル基等が挙げられる。
アルケニルアラルキル基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルケニル基で芳香族炭素原子が置換されたアラルキル基を意味する。アルケニルアラルキル基は、特に指定がない限り、炭素数9~16のアルケニルアラルキル基が好ましく、炭素数9~12のアルキルアラルキル基がさらに好ましい。アルケニルアラルキル基としては、例えば、4-ビニルベンジル基、3-ビニルベンジル基、2-ビニルベンジル基、4-イソプロペニルベンジル基、3-イソプロペニルベンジル基、2-イソプロペニルベンジル基等が挙げられる。
アルケニルアルキルアリール基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルキル基、及び1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルケニル基で置換されたアリール基を意味する。アルケニルアルキルアリール基は、特に指定がない限り、炭素数9~16のアルケニルアルキルアリール基が好ましく、炭素数9~12のアルケニルアルキルアリール基がさらに好ましい。アルケニルアルキルアリール基としては、例えば、3-メチル-4-ビニルフェニル基、3,5-ジメチル-4-ビニルフェニル基等が挙げられる。
アルケニルアルキルアラルキル基とは、1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルキル基、及び1個又は2個以上(好ましくは1個)のアルケニル基で芳香族炭素原子が置換されたアラルキル基を意味する。アルケニルアルキルアラルキル基は、特に指定がない限り、炭素数10~17のアルケニルアルキルアラルキル基が好ましく、炭素数10~13のアルケニルアルキルアラルキル基がさらに好ましい。アルケニルアルキルアラルキル基としては、例えば、3-メチル-4-ビニルベンジル基、3,5-ジメチル-4-ビニルベンジル基等が挙げられる。
及びRにおける炭化水素基の「置換基」としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基、アルコキシジアルキルシリル基、ハロゲン原子、-NO、-CN、-COH、-OH、-SH、-NH、-COOH、-COR、-OR、-SR、-SOR、-SOR、-NHR、-NR、-COOR、-OCOR、-CONH、-CONHR、-CONR、-NHCOR等の1価の置換基が挙げられる(Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、メチル基である。R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子である。R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは、メチル基である。R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
Yは、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し、一実施形態において、好ましくは、単結合、-C(R-、又は-O-である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
sは、0又は1を示し、一実施形態において、好ましくは1である。t及びuは、それぞれ独立して、1以上の整数を示し、一実施形態において、好ましくは、1~200の整数であり、より好ましくは、1~100の整数である。
(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量は、好ましくは800~10000、より好ましくは900~5000である。樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、公知の方法又はそれに準ずる方法を用いて製造することができるが、市販品をそのまま使用してもよい。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、「X-12-1288D」等が挙げられる。
樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらにより好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。
<(B)熱硬化性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化性樹脂を含有する。ここで説明する(B)熱硬化性樹脂は、上記で説明した(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂に該当するもの以外の成分である。(B)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、それらと反応して硬化させる機能を有し得る硬化剤(例えばエポキシ樹脂硬化剤)等も含み得る。
<(B1)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化樹脂として(B1)エポキシ樹脂を含有することが好ましい。(B1)エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有するエポキシ当量5,000g/eq.以下の硬化性樹脂である。
(B1)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌラート型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂等が挙げられる。(B1)エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、(B1)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。(B1)エポキシ樹脂100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
(B1)エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との両方を含んでいてもよいが、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との両方を含んでいることが特に好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族グリシジルエーテル、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、ナガセケムテックス社製の「EX-992L」、三菱ケミカル社製の「YX7400」、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、「604」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-3950L」、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ナガセケムテックス社製の「EX-991L」(アルキレンオキシ骨格及びブタジエン骨格含有エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「EG-280」(フルオレン構造含有エポキシ樹脂);ナガセケムテックス社製「EX-201」(環状脂肪族グリシジルエーテル)等が挙げられる。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂が好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200L」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」、「HP6000L」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000FH」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」、「ESN4100V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN485」(ナフトール型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN375」(ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YX4000HK」、「YL7890」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(B1)エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの質量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、好ましくは10:1~1:50、より好ましくは5:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:10である。
(B1)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5,000g/eq.、より好ましくは60g/eq.~2,000g/eq.、さらに好ましくは70g/eq.~1,000g/eq.、さらにより好ましくは80g/eq.~500g/eq.である。エポキシ当量は、エポキシ基1当量あたりの樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(B1)エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5,000、より好ましくは250~3,000、さらに好ましくは400~1,500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
樹脂組成物中の(B1)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下、特に好ましくは12質量%以下である。樹脂組成物中の(B1)エポキシ樹脂の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば0質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは5質量%以上、特に好ましくは8質量%以上である。
<(B2)エポキシ樹脂硬化剤>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化樹脂として(B1)エポキシ樹脂を含む場合、任意成分としてさらに(B2)エポキシ樹脂硬化剤を含有していてもよい。(B2)エポキシ樹脂硬化剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。(B2)エポキシ樹脂硬化剤は、(B)熱硬化樹脂として(B1)エポキシ樹脂が含まれる場合に、(B1)エポキシ樹脂と反応して硬化させる機能を有し得る。
(B2)エポキシ樹脂硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びチオール系硬化剤等が挙げられる。(B2)エポキシ樹脂硬化剤は、一実施形態において、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂硬化剤を含むことが好ましく、活性エステル系硬化剤、及びフェノール系硬化剤から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂硬化剤を含むことがより好ましい。(B2)エポキシ樹脂硬化剤は、一実施形態において、誘電正接をより低く抑える観点から、活性エステル系硬化剤を含むことが特に好ましい。また、(B2)エポキシ樹脂硬化剤は、一実施形態において、硬化性をより向上させる観点から、フェノール系硬化剤を含むことが特に好ましい。
活性エステル系硬化剤としては、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル化合物は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル化合物が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル化合物がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤としては、具体的には、ジシクロペンタジエン型活性エステル化合物、ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもジシクロペンタジエン型活性エステル化合物、及びナフタレン型活性エステル化合物から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。ジシクロペンタジエン型活性エステル化合物としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物が好ましい。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000L-65TM」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H」、「HPC-8000H-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「HP-B-8151-62T」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-9416-70BK」、「HPC-8150-62T」、「EXB-8」(DIC社製);りん含有活性エステル化合物として、「EXB9401」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル化合物として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱ケミカル社製)、スチリル基及びナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤が好ましい。また、被着体に対する密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。フェノール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN-170」、「SN-180」、「SN-190」、「SN-475」、「SN-485」、「SN-495」、「SN-375」、「SN-395」、DIC社製の「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-3018」、「LA-3018-50P」、「LA-1356」、「TD2090」、「KA-1160」等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のカルボジイミド構造を有する硬化剤が挙げられ、例えば、テトラメチレン-ビス(t-ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサンビス(メチレン-t-ブチルカルボジイミド)等の脂肪族ビスカルボジイミド;フェニレン-ビス(キシリルカルボジイミド)等の芳香族ビスカルボジイミド等のビスカルボジイミド;ポリヘキサメチレンカルボジイミド、ポリトリメチルヘキサメチレンカルボジイミド、ポリシクロヘキシレンカルボジイミド、ポリ(メチレンビスシクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(イソホロンカルボジイミド)等の脂肪族ポリカルボジイミド;ポリ(フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(トリレンカルボジイミド)、ポリ(メチルジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(キシリレンカルボジイミド)、ポリ(テトラメチルキシリレンカルボジイミド)、ポリ(メチレンジフェニレンカルボジイミド)、ポリ[メチレンビス(メチルフェニレン)カルボジイミド]等の芳香族ポリカルボジイミド等のポリカルボジイミドが挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の市販品としては、例えば、日清紡ケミカル社製の「カルボジライトV-02B」、「カルボジライトV-03」、「カルボジライトV-04K」、「カルボジライトV-07」及び「カルボジライトV-09」;ラインケミー社製の「スタバクゾールP」、「スタバクゾールP400」、「ハイカジル510」等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられ、1分子内中に2個以上の酸無水物基を有する硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。酸無水物系硬化剤の市販品としては、新日本理化社製の「HNA-100」、「MH-700」、「MTA-15」、「DDSA」、「OSA」、三菱ケミカル社製の「YH-306」、「YH-307」、日立化成社製の「HN-2200」、「HN-5500」、クレイバレイ社製「EF-30」、「EF-40」「EF-60」、「EF-80」等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のアミノ基を有する硬化剤が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、セイカ社製「SEIKACURE-S」、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OP100D」、「ODA-BOZ」;昭和高分子社製の「HFB2006M」;四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」などが挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
チオール系硬化剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリス(3-メルカプトプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(B2)エポキシ樹脂硬化剤の反応基当量は、好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~1000g/eq.、さらに好ましくは100g/eq.~500g/eq.、特に好ましくは100g/eq.~300g/eq.である。反応基当量は、反応基1当量あたりの(B2)エポキシ樹脂硬化剤の質量である。
(B2)エポキシ樹脂硬化剤としてフェノール系硬化剤が含まれる場合、樹脂組成物中のフェノール系硬化剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、硬化性をより向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上である。
(B2)エポキシ樹脂硬化剤として活性エステル系硬化剤が含まれる場合、樹脂組成物中の活性エステル系硬化剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、誘電正接をより低く抑える観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは7質量%以上である。また、樹脂組成物中の活性エステル系硬化剤の含有量は、樹脂組成物中の(B2)エポキシ樹脂硬化剤を100質量%とした場合、誘電正接をより低く抑える観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。
樹脂組成物中の(B2)エポキシ樹脂硬化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。樹脂組成物中の(B2)エポキシ樹脂硬化剤の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば、0質量%以上、0.01質量%以上であり得、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。
<(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化樹脂として(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂を含有することが好ましい。(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル反応性基とは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を有する基であり、例としては、特に限定されるものではないが、(1)アクリロイル基、(2)メタクリロイル基、(3)アリル基、(4)メタリル基、(5)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいフェニル基(例えば、ビニルフェニル基(すなわち4-ビニルフェニル基、3-ビニルフェニル基、2-ビニルフェニル基)、イソプロペニルフェニル基(すなわち4-イソプロペニルフェニル基、3-イソプロペニルフェニル基、2-イソプロペニルフェニル基)など)、(6)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいベンジル基(例えば、ビニルベンジル基(すなわち4-ビニルベンジル基、3-ビニルベンジル基、2-ビニルベンジル基)、イソプロペニルベンジル基(すなわち4-イソプロペニルベンジル基、3-イソプロペニルベンジル基、2-イソプロペニルベンジル基)など)、(7)マレイミド基(2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル基)等が挙げられる。本発明の樹脂組成物は、一実施形態において、(B)熱硬化樹脂として、マレイミド基を1分子中に2個以上有する樹脂を含むことがより好ましい。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第一の実施形態において、好ましくは、ラジカル反応性基を2個以上有する熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、当該実施形態において、これらの樹脂のラジカル反応性基を2個以上有する変性樹脂を含む。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第一の実施形態において、より好ましくは、ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、並びにラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する変性ポリスチレン樹脂から選ばれる樹脂を含み、さらに好ましくは、ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含み、特に好ましくは、一実施形態において、式(2):
Figure 2024030182000003
[式中、
11’及びR12’は、それぞれ独立して、アルキル基を示し;
13’、R14’、R21’、R22’、R23’及びR24’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
a’及びRb’は、それぞれ独立して、(1)アクリロイル基、(2)メタクリロイル基、(3)アリル基、(4)メタリル基、(5)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は(6)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示し;
Y’は、単結合、-C(Rc’-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し;
c’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
s’は、0又は1を示し;
t’及びu’は、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。]
で表される樹脂を含む。t’単位及びu’単位は、それぞれ、単位毎に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
11’及びR12’は、それぞれ独立して、アルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、メチル基である。R13’及びR14’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子である。R21’及びR22’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは、メチル基である。R23’及びR24’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
a’及びRb’は、それぞれ独立して、(1)アクリロイル基、(2)メタクリロイル基、(3)アリル基、(4)メタリル基、(5)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は(6)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいベンジル基を示す。
a’及びRb’は、一実施形態において、それぞれ独立して、好ましくは、(1)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は(2)ビニル基及びイソプロペニル基から選ばれる基で置換され且つさらにアルキル基で置換されていてもよいベンジル基であり;より好ましくは、4-ビニルフェニル基、3-ビニルフェニル基、2-ビニルフェニル基、4-イソプロペニルフェニル基、3-イソプロペニルフェニル基、2-イソプロペニルフェニル基、4-ビニルベンジル基、3-ビニルベンジル基、2-ビニルベンジル基、4-イソプロペニルベンジル基、3-イソプロペニルベンジル基、又は2-イソプロペニルベンジル基であり;特に好ましくは、4-ビニルベンジル基、3-ビニルベンジル基、又は2-ビニルベンジル基である。
Y’は、単結合、-C(Rc’-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し、一実施形態において、好ましくは、単結合、-C(Rc’-、又は-O-である。Rc’は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
s’は、0又は1を示し、一実施形態において、好ましくは1である。t’及びu’は、それぞれ独立して、1以上の整数を示し、一実施形態において、好ましくは、1~200の整数であり、より好ましくは、1~100の整数である。
第一の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂のラジカル反応性基当量は、好ましくは300g/eq.~2500g/eq.、より好ましくは400g/eq.~2000g/eq.である。ラジカル反応性基当量は、ラジカル反応性基1当量当たりの樹脂(化合物)の質量を表す。
第一の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の数平均分子量は、好ましくは800~10000、より好ましくは900~5000である。樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
第一の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の「OPE-2St 1200」、「OPE-2St 2200」(ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂);SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA9000」、「SA9000-111」(メタクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂)等が挙げられる。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第二の実施形態において、好ましくは、式(3’):
Figure 2024030182000004
[式中、
環Bは、置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を示し;
i及びjは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を示し、且つiとjの合計が6以上であり;
*は、結合部位を示す。]
で表される部分構造を有するマレイミド化合物を含む。マレイミド化合物とは、1分子中に少なくとも1個のマレイミド基(2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル基)を含有する化合物を意味する。第二の実施形態におけるマレイミド化合物1分子中におけるマレイミド基の数は、2以上であることが好ましく、2であることが特に好ましい。第二の実施形態におけるマレイミド化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
式(3’)の環Bにおける「置換基」としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、-NO、-CN、-COH、-OH、-SH、-NH、-R、-COOH、-COR、-OR、-SR、-SOR、-SOR、-NHR、-NR、-COOR、-OCOR、-CONH、-CONHR、-CONR、-NHCOR等の1価の置換基が挙げられる(Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)。
モノシクロアルカン環とは、単環式の脂肪族飽和炭化水素環を意味する。モノシクロアルカン環は、炭素数4~14のモノシクロアルカン環が好ましく、炭素数4~10のモノシクロアルカン環がより好ましく、炭素数5又は6のモノシクロアルカン環が特に好ましい。モノシクロアルカン環としては、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等が挙げられる。モノシクロアルケン環とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する単環式の脂肪族不飽和炭化水素環を意味する。モノシクロアルケン環は、炭素数4~14のモノシクロアルケン環が好ましく、炭素数4~10のモノシクロアルケン環がより好ましく、炭素数5又は6のモノシクロアルケン環が特に好ましい。モノシクロアルケン環としては、例えば、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環等が挙げられる。
環Bは、置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を示す。環Bは、好ましくは、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基で置換されていてもよいモノシクロアルカン環;又はアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基で置換されていてもよいモノシクロアルケン環である。環Bは、より好ましくは、炭素数1~14のアルキル基及び炭素数2~14のアルケニル基から選ばれる基で置換されていてもよいモノシクロアルカン環;又は炭素数1~14のアルキル基及び炭素数2~14のアルケニル基から選ばれる基で置換されていてもよいモノシクロアルケン環である。
i及びjは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を示し、且つiとjの合計が6以上(好ましくは8以上、より好ましくは10以上)である。i及びjは、好ましくは、それぞれ独立して、0~20の整数であり、且つiとjの合計が6以上(好ましくは8以上、より好ましくは10以上)である。i及びjは、より好ましくは、それぞれ独立して、1~20の整数であり、且つiとjの合計が6以上(好ましくは8以上、より好ましくは10以上)である。i及びjは、さらに好ましくは、それぞれ独立して、5~10の整数である。i及びjは、特に好ましくは、8である。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第二の実施形態において、特に好ましくは、式(3):
Figure 2024030182000005
[式中、
10は、それぞれ独立して、置換基を示し;
環Cは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し;
及びDは、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、-NHCO-、-COO-、又は-OCO-を示し;
は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
cは、それぞれ独立して、0又は1を示し;
dは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を示し;
eは、それぞれ独立して、0、1又は2を示し;
nは、0又は1以上の整数を示し;
その他の記号は上記と同様である。]
で表されるマレイミド化合物を含む。d単位、e単位及びn単位は、それぞれ、単位毎に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(3)のR10における「置換基」、及び環Cにおける「置換基」としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、-NO、-CN、-COH、-OH、-SH、-NH、-R、-COOH、-COR、-OR、-SR、-SOR、-SOR、-NHR、-NR、-COOR、-OCOR、-CONH、-CONHR、-CONR、-NHCOR等の1価の置換基が挙げられる(Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)。
芳香環とは、環上のπ電子系に含まれる電子数が4p+2個(pは自然数)であるヒュッケル則に従う環を意味する。芳香環は、炭素原子のみを環構成原子とする芳香族炭素環、又は環構成原子として、炭素原子に加えて、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有する芳香族複素環であり得るが、一実施形態において、芳香族炭素環であることが好ましい。芳香環は、一実施形態において、5~14員の芳香環が好ましく、6~14員の芳香環がより好ましく、6~10員の芳香環がさらに好ましい。芳香環の好適な具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられ、より好ましくは、ベンゼン環又はナフタレン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
環Cは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し、好ましくは、アルキル基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環である。D及びDは、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、-NHCO-、-COO-、又は-OCO-を示し、好ましくは、単結合、-C(R-、又は-O-である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。cは、それぞれ独立して、0又は1を示し、好ましくは0である。dは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を示し、好ましくは0、1、2又は3であり、より好ましくは0、1又は2である。eは、それぞれ独立して、0、1又は2を示し、好ましくは0である。nは、0又は1以上の整数を示し、好ましくは、0である。
式(6)中に含まれる式(D):
Figure 2024030182000006
[式中、*は結合部位を示し;その他の記号は上記と同様である。]
で表される部分構造としては、特に限定されるものではないが、例えば、式(D-1)~(D-3):
Figure 2024030182000007
[式中、*は上記と同様である。]
で表される部分構造が挙げられる。
第二の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂のラジカル反応性基当量は、好ましくは200g/eq.~2500g/eq.、より好ましくは250g/eq.~2000g/eq.、さらに好ましくは300g/eq.~1500g/eq.である。
第二の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の重量平均分子量は、好ましくは400~10000、より好ましくは500~7000、特に好ましくは600~5000である。
第二の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の市販品としては、例えば、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-689」、「BMI-1500」、「BMI-1700」、「BMI-3000J」、信越化学工業社製「SLK-6895-T90」等が挙げられる。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第三の実施形態において、好ましくは、式(4):
Figure 2024030182000008
[式中、
20は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
環E、環F及び環Gは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し;
は、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、又は-NHCO-を示し;
は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
fは、1以上の整数を示し;
gは、それぞれ独立して、0又は1を示し;
hは、それぞれ独立して、0、1、2又は3を示す。]
で表されるマレイミド化合物を含む。f単位及びh単位は、それぞれ、単位毎に同一であってもよいし、異なっていてもよい。第三の実施形態におけるマレイミド化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
式(4)の環E、環F及び環Gにおける「置換基」としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、-NO、-CN、-COH、-OH、-SH、-NH、-R、-COOH、-COR、-OR、-SR、-SOR、-SOR、-NHR、-NR、-COOR、-OCOR、-CONH、-CONHR、-CONR、-NHCOR等の1価の置換基が挙げられる(Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)。
20は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、好ましくは、水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは、水素原子である。
環E、環F及び環Gは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、より好ましくは、アルキル基及びアリール基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環であり、特に好ましくは、(無置換の)ベンゼン環である。
は、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、又は-NHCO-を示し、好ましくは、単結合である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
fは、1以上の整数を示し、好ましくは、1~10の整数である。gは、それぞれ独立して、0又は1を示し、好ましくは、1である。hは、それぞれ独立して、0、1、2又は3を示し、好ましくは、0、1又は2であり、より好ましくは、0又は1であり、特に好ましくは1である。
第三の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂のラジカル反応性基当量は、好ましくは150g/eq.~1000g/eq.、より好ましくは200g/eq.~500g/eq.である。
第三の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100~10000、より好ましくは150~5000、特に好ましくは200~3000である。
第三の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の市販品としては、例えば、日本化薬社製の「MIR-3000-70MT」、「MIR-5000-60T」等が挙げられる。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第四の実施形態において、好ましくは、式(5):
Figure 2024030182000009
[式中、
30は、それぞれ独立して、アルキル基を示し;
環H及び環Iは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し;
mは、1以上の整数を示す。]
で表されるマレイミド化合物を含む。m単位は、それぞれ、単位毎に同一であってもよいし、異なっていてもよい。第四の実施形態におけるマレイミド化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
式(5)の環H及び環Iにおける「置換基」としては、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン原子、-NO、-CN、-COH、-OH、-SH、-NH、-R、-COOH、-COR、-OR、-SR、-SOR、-SOR、-NHR、-NR、-COOR、-OCOR、-CONH、-CONHR、-CONR、-NHCOR等の1価の置換基が挙げられる(Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)。
30は、それぞれ独立して、アルキル基を示し、一実施形態において、好ましくは、メチル基である。環Hは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、より好ましくは、アルキル基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環であり、さらに好ましくは、アルキル基から選ばれる基で置換されたベンゼン環である。環Iは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を示し、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、より好ましくは、アルキル基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環であり、さらに好ましくは、(無置換の)ベンゼン環である。mは、1以上の整数を示し、好ましくは、1~20の整数である。
第四の実施形態における(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、例えば、発明協会公開技報公技番号2020-500211号に記載の方法又はそれに準ずる方法を用いて製造することができる。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂は、第一の実施形態における好適な樹脂、第二の実施形態における好適な化合物、第三の実施形態における好適な化合物、又は第四の実施形態における好適な化合物を、いずれか単独で含んでいてもよいが、これらのうち2種以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂のラジカル反応性基当量は、好ましくは30g/eq.~2500g/eq.、特に好ましくは75g/eq.~2000g/eq.である。
樹脂組成物中の(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下である。樹脂組成物中の(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば0質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上である。
樹脂組成物中の(B)熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。樹脂組成物中の(B)熱硬化性樹脂の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上である。
樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂に対する(B)熱硬化性樹脂の質量比((B)成分/(A)成分)は、特に限定されるものではないが、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは10以上である。樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂に対する(B)熱硬化性樹脂の質量比((B)成分/(A)成分)の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは300以下、より好ましくは100以下、特に好ましくは30以下である。
<(C)無機充填材>
本発明の樹脂組成物は、(C)無機充填材を含有する。(C)無機充填材は、粒子の状態で樹脂組成物に含まれる。
(C)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。(C)無機充填材の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ又はアルミノシリケートが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては球形シリカが好ましい。(C)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(C)無機充填材の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」、「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」;デンカ社製の「UFP-30」、「DAW-03」、「FB-105FD」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;太平洋セメント社製の「セルフィアーズ」、「MGH-005」;日揮触媒化成社製の「エスフェリーク」、「BA-S」などが挙げられる。
(C)無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、さらにより好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.8μm以下である。(C)無機充填材の平均粒径の下限は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、特に好ましくは0.2μm以上である。(C)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出した。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(C)無機充填材の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1m/g以上、より好ましくは0.5m/g以上、さらに好ましくは1m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。(C)無機充填材の比表面積の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは100m/g以下、より好ましくは50m/g以下、さらに好ましくは30m/g以下、特に好ましくは10m/g以下である。無機充填材の比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(C)無機充填材は、平均空孔率0体積%の中実無機充填材(好ましくは中実シリカ、中実アルミナ、中実アルミノシリケート)であってもよく、平均空孔率0体積%超の中空無機充填材(好ましくは中空シリカ、中空アルミナ、中空アルミノシリケート)であってもよい。
中空無機充填材の平均空孔率は、90体積%以下であることが好ましく、80積%以下であることがより好ましい。中空無機充填材の平均空孔率の下限は、特に限定されるものではないが、例えば、0体積%超、1体積%以上であり、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは15体積%以上である。無機充填材の平均空孔率P(体積%)は、粒子の外面を基準とした粒子全体の体積に対する粒子内部に1個又は2個以上存在する空孔の合計体積の体積基準割合(空孔の合計体積/粒子の体積)として定義され、例えば、無機充填材の実際の密度の測定値D(g/cm)、及び無機充填材を形成する材料の物質密度の理論値D(g/cm)を用いて、下記式(I)により算出される。
Figure 2024030182000010
無機充填材の実際の密度は、例えば、真密度測定装置を用いて測定することができる。真密度測定装置としては、例えば、QUANTACHROME社製のULTRAPYCNOMETER1000等が挙げられる。測定ガスとしては、例えば、窒素を使用する。
(C)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量%は、0.2質量%~5質量%の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量%~3質量%で表面処理されていることがより好ましく、0.3質量%~2質量%で表面処理されていることがさらに好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂組成物の溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1.0mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
(C)無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の(C)無機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは60質量%以上、特に好ましくは65質量%以上、又は70質量%以上である。樹脂組成物中の(C)無機充填材の含有量の上限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下であり得る。
樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂に対する(C)無機充填材の質量比((C)成分/(A)成分)は、特に限定されるものではないが、好ましくは3以上、より好ましくは10以上、特に好ましくは30以上である。樹脂組成物中の(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂に対する(C)無機充填材の質量比((C)成分/(A)成分)の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは1000以下、より好ましくは300以下、特に好ましくは100以下である。
<(D)熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、さらに任意成分として(D)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。(D)熱可塑性樹脂は、上記で説明した(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、及び(B)熱硬化性樹脂に該当しない成分である。
(D)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。(D)熱可塑性樹脂は、一実施形態において、フェノキシ樹脂及びポリスチレン系樹脂からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、フェノキシ樹脂を含むことがより好ましい。(D)熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイミド樹脂の具体例としては、信越化学工業社製「SLK-6100」、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」等が挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YX7200B35」、「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ;等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、無変性ポリスチレン樹脂、オキサゾリン基含有変性ポリスチレン樹脂、スチレンブロック共重合体等が挙げられる。スチレンブロック共重合体としては、例えば、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体(SIS樹脂)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン・ブロック共重合体(SEBS樹脂)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン・ブロック共重合体(SEPS樹脂)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS樹脂)、スチレン-イソブチレン-スチレン・ブロック共重合体(SIBS樹脂)等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂の具体例としては、日本触媒製の「PX3-RP-37」(オキサゾリン基含有変性ポリスチレン樹脂);クラレ社製の「HYBRAR 5125」(SIS樹脂);旭化成社製の「S1611」(SEBS樹脂)等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
ポリブタジエン樹脂としては、例えば、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂、ヒドロキシ基含有ポリブタジエン樹脂、フェノール性水酸基含有ポリブタジエン樹脂、カルボキシ基含有ポリブタジエン樹脂、酸無水物基含有ポリブタジエン樹脂、エポキシ基含有ポリブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ポリブタジエン樹脂、ウレタン基含有ポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル-ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、SABIC製「NORYL SA90」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ヒドロキシ基含有カーボネート樹脂、フェノール性水酸基含有カーボネート樹脂、カルボキシ基含有カーボネート樹脂、酸無水物基含有カーボネート樹脂、イソシアネート基含有カーボネート樹脂、ウレタン基含有カーボネート樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、三菱瓦斯化学社製の「FPC0220」、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
(D)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、フィルム製膜性をより向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは8,000以上、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
樹脂組成物中の(D)熱可塑性樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。樹脂組成物中の(D)熱可塑性樹脂の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば0質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらにより好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。
<(E)ラジカル重合開始剤>
本発明の樹脂組成物は、任意成分として(E)ラジカル重合開始剤を含んでいてもよい。(E)ラジカル重合開始剤は、例えば、加熱時にフリーラジカルを発生させる熱重合開始剤であり得る。(E)ラジカル重合開始剤は、ラジカル反応性基の重合開始剤であり得る。(E)ラジカル重合開始剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
(E)ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾ系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。中でも、過酸化物系ラジカル重合開始剤が好ましい。
過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジ-tert-ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,4-ビス(1-tert-ブチルパーオキシ-1-メチルエチル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド化合物;ジラウロイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のジアシルパーオキサイド化合物;tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert-ブチルパーオキシラウレート、(1,1-ジメチルプロピル)2-エチルパーヘキサノエート、tert-ブチル2-エチルパーヘキサノエート、tert-ブチル3,5,5-トリメチルパーヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、tert-ブチルパーオキシマレイン酸等のパーオキシエステル化合物;等が挙げられる。
アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチル-バレロニトリル等のアゾニトリル化合物;2,2’-アゾビス[2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]-プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾアミド化合物;2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)等のアルキルアゾ化合物;等が挙げられる。
(E)ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、日油社製の「パーブチルC」、「パーブチルA」、「パーブチルP」、「パーブチルL」、「パーブチルO」、「パーブチルND」、「パーブチルZ」、「パーブチルI」、「パークミルP」、「パークミルD」、「パーヘキシルD」、「パーヘキシルA」、「パーヘキシルI」、「パーヘキシルZ」、「パーヘキシルND」、「パーヘキシルO」、「パーヘキシルPV」等が挙げられる。
樹脂組成物中の(E)ラジカル重合開始剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下であり得る。樹脂組成物中の(E)ラジカル重合開始剤の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば、0質量%以上であり、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上等であり得る。
<(F)硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、さらに任意成分として(F)硬化促進剤を含んでいてもよい。(F)硬化促進剤は、(B)熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化触媒としての機能を有する。
(F)硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。(F)硬化促進剤は、アミン系硬化促進剤を含むことが好ましい。(F)硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン等が挙げられる。
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2MZA-PW」、「2PHZ-PW」、「C11Z-A」、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」等が挙げられる。
樹脂組成物中の(F)硬化促進剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。樹脂組成物中の(F)硬化促進剤の含有量の下限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、例えば、0質量%以上、0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上等であり得る。
<(G)その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、さらに任意の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、ゴム粒子等の有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等の有機金属化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤等が挙げられる。(G)その他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。(G)その他の添加剤の含有量は当業者であれば適宜設定できる。
<(H)有機溶剤>
本発明の樹脂組成物は、さらに任意の有機溶剤を含有する場合がある。(H)有機溶剤としては、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。(H)有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸2-エトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、γ-ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル等のエーテルエステル系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステルアルコール系溶剤;2-メトキシプロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテルアルコール系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。(H)有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
乾燥前のワニス状の樹脂組成物中の(H)有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、例えば、40質量%以下、30質量%以下、好ましく20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。樹脂シートにおける樹脂組成物層を形成する乾燥後の樹脂組成物中の(H)有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、好ましく5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、例えば、任意の調製容器に(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、(C)無機充填材、必要に応じて(D)熱可塑性樹脂、必要に応じて(E)ラジカル重合開始剤、必要に応じて(F)硬化促進剤、必要に応じて(G)その他の添加剤、及び必要に応じて(H)有機溶剤を、任意の順で及び/又は一部若しくは全部同時に加えて混合することによって、製造することができる。また、各成分を加えて混合する過程で、温度を適宜設定することができ、一時的に又は終始にわたって、加熱及び/又は冷却してもよい。また、加えて混合する過程において又はその後に、樹脂組成物を、例えば、ミキサーなどの撹拌装置又は振盪装置を用いて撹拌又は振盪し、均一に分散させてもよい。また、撹拌又は振盪と同時に、真空下等の低圧条件下で脱泡を行ってもよい。
<樹脂組成物の特性>
本発明の樹脂組成物は、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む。このような樹脂組成物によれば、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、プラズマ処理後の表面のムラが抑えられるという特徴を有し得る。例えば、プラズマ処理後の硬化物表面の算術平均粗さ(Ra)の平均がより小さく、プラズマ処理後の硬化物表面の算術平均粗さ(Ra)の標準偏差がより小さい。下記試験例1のように測定及び算出した場合のプラズマ処理後の硬化物表面の算術平均粗さ(Ra)の平均は、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは180nm以下、特に好ましくは160nm以下であり得、プラズマ処理後の硬化物表面の算術平均粗さ(Ra)の標準偏差は、好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、特に好ましくは25nm以下であり得る。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、一実施形態において、熱膨張性が低いという特徴を有し得る。したがって、一実施形態において、下記試験例2のように測定した場合の硬化物の線熱膨張係数(CTE)は、25℃から150℃までの範囲において、好ましくは40ppm/K以下、より好ましくは35ppm/K以下、さらに好ましくは30ppm/K以下、さらにより好ましくは25ppm/K以下、特に好ましくは22ppm/K以下である。線熱膨張係数(CTE)の下限については、特に限定されないが、1ppm/K以上等とし得る。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、一実施形態において、機械強度に優れているという特徴を有し得る。したがって、一実施形態において、下記試験例3のように23℃で測定した場合の硬化物の破断点伸度は、好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは0.8%以上、さらにより好ましくは1.0%以上、特に好ましくは1.2%以上、1.3%以上であり得る。破断点伸度の上限は、特に限定されないが、通常、10.0%以下、5.0%以下等とし得る。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、一実施形態において、誘電正接(Df)が低い特徴を有し得る。したがって、一実施形態において、下記試験例4のように5.8GHz、23℃で測定した場合の樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.020以下、より好ましくは0.010以下、さらに好ましくは0.008以下、さらにより好ましくは0.007以下、とりわけ好ましくは0.006以下、特に好ましくは0.005以下となり得る。
<樹脂組成物の用途>
本発明の樹脂組成物は、絶縁用途の樹脂組成物、特に、絶縁層を形成するための樹脂組成物として好適に使用することができる。具体的には、絶縁層上に形成される導体層(再配線層を含む。以下、同様。)を形成するための当該絶縁層を形成するための樹脂組成物(導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。なかでも、ウェハレベルパッケージ(WLP)やパネルレベルパッケージ(PLP)等の半導体チップパッケージにおける絶縁層を形成するため(半導体チップパッケージの絶縁層形成用、詳細にはWLP及び/又はPLPの絶縁層形成用)の樹脂組成物として好適に使用することができる。半導体チップパッケージは、ファンアウト(FO)型半導体チップパッケージ、ファンイン(FI)型半導体チップパッケージの何れであってもよいが、なかでも、ファンアウト(FO)型半導体チップパッケージであることが好適である。したがって、本発明の樹脂組成物は、ファンアウト型ウェハレベルパッケージ(FO-WLP)やファンアウト型パネルレベルパッケージ(FO-PLP)における絶縁層を形成するため(FO-WLP及び/又はFO-PLPの絶縁層形成用)の樹脂組成物として好適に使用することができる。上述のとおり、本発明の樹脂組成物は、好適には、導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物であり、したがって、WLPやPLP等の半導体チップパッケージにおける、再配線層を形成するための絶縁層(「再配線形成層」ともいう。)を形成するため(半導体チップパッケージの再配層を形成するための絶縁層用、詳細にはWLP及び/又はPLPの再配線層を形成するための絶縁層用)、より好適には、FO-WLPやFO-PLP等のFO型半導体チップパッケージにおける、再配線層を形成するための絶縁層(FO型半導体チップパッケージの再配線層を形成するための絶縁層用、詳細にはFO-WLP及び/又はFO-PLPの再配線層を形成するための絶縁層用)の樹脂組成物として使用することができる。また、本発明の樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物はまた、樹脂シート、プリプレグ等のシート状積層材料、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が必要とされる用途で広範囲に使用できる。
また、例えば、以下の(1)~(6)工程を経て半導体チップパッケージが製造される場合、本発明の樹脂組成物は、再配線層を形成するための絶縁層としての再配線形成層用の樹脂組成物(再配線形成層形成用の樹脂組成物)、及び半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップ封止用の樹脂組成物)としても好適に使用することができる。半導体チップパッケージが製造される際、封止層上に更に再配線層を形成してもよい。
(1)基材に仮固定フィルムを積層する工程、
(2)半導体チップを、仮固定フィルム上に仮固定する工程、
(3)半導体チップ上に封止層を形成する工程、
(4)基材及び仮固定フィルムを半導体チップから剥離する工程、
(5)半導体チップの基材及び仮固定フィルムを剥離した面に、絶縁層としての再配線形成層を形成する工程、及び
(6)再配線形成層上に、導体層としての再配線層を形成する工程
なかでも、本発明の樹脂組成物は、絶縁層としての再配線形成層として、FO-WLP及び/又はFO-PLPにおける絶縁層としての再配線形成層を形成するために好適に使用することができる。また、本発明の樹脂組成物は、プリント配線板が部品内蔵回路板である場合にも好適に使用することができる。
<シート状積層材料>
本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で塗布して使用することもできるが、工業的には一般に、該樹脂組成物を含有するシート状積層材料の形態で用いることが好適である。
シート状積層材料としては、以下に示す樹脂シート、プリプレグが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを有し、樹脂組成物層は本発明の樹脂組成物から形成される。
樹脂組成物層の厚さは、半導体チップパッケージ又はプリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上、10μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、さらに必要に応じて、任意の層を含んでいてもよい。斯かる任意の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
樹脂シートは、例えば、液状(ワニス状)の樹脂組成物をそのまま、或いは有機溶剤に樹脂組成物を溶解して液状(ワニス状)の樹脂組成物を調製し、これを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、樹脂組成物の成分として説明した有機溶剤と同様のものが挙げられる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂組成物中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂組成物を用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
一実施形態において、プリプレグは、シート状繊維基材に本発明の樹脂組成物を含浸させて形成される。
プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。半導体チップパッケージ又はプリント配線板の薄型化の観点から、シート状繊維基材の厚さは、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。シート状繊維基材の厚さの下限は特に限定されない。通常、10μm以上である。
プリプレグは、ホットメルト法、ソルベント法等の公知の方法により製造することができる。
プリプレグの厚さは、上述の樹脂シートにおける樹脂組成物層と同様の範囲とし得る。
本発明のシート状積層材料は、WLPやPLP等の半導体チップパッケージにおける絶縁層を形成するため(半導体チップパッケージの絶縁層用、詳細にはWLP及び/又はPLPの絶縁層形成用)に好適に使用することができ、FO-WLP及び/又はFO-PLPの再配線形成層を形成するため(FO-WLP及び/又はFO-PLPの再配線形成層用)により好適に使用することができる。また、本発明のシート状積層材料は、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するため(プリント配線板の層間絶縁層用)により好適に使用することができる。
<半導体チップパッケージ>
本発明の半導体チップパッケージ(例えば、WLP及び/又はPLP)は、本発明の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備える。
本発明の半導体チップパッケージは、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(1)~(4)の工程を含む方法により製造することができる。
(1)樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が基材と接合するように、基材上に積層する工程
(2)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
(3)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
(4)絶縁層に対して粗化処理(デスミア処理)を実施する工程
工程(1)において、樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が基材と接合するように、基材上に積層する。
工程(1)において用いる基材は、半導体チップパッケージをチップ1st(Chip-1st)工法で製造する場合には、所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成した半導体ウェハを用いればよい。半導体ウェハとしては、シリコン(Si)系ウェハが好適に挙げられるが、それに限定されるものではなく、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)系、インジウムリン(InP)系、ガリウムリン(GaP)系、ガリウムナイトライド(GaN)系、ガリウムテルル(GaTe)系、亜鉛セレン(ZnSe)系、シリコンカーバイド(SiC)系などのウェハを用いてもよい。チップ1st工法とは、最初に半導体チップを設け、その電極パッド面に再配線層を形成する工法である(例えば、特開2002-289731号公報、特開2006-173345号公報など)。斯かるチップ1st工法において、特にファンアウト(FO)型半導体チップパッケージを製造する場合には、まず半導体ウェハを個片化し、各半導体チップをキャリア(ガラス基板、金属基板、プラスチック基板等)に互いに離間させて配置した後、樹脂封止し、露出した電極パッド面とその周囲の封止樹脂層の上に再配線層を形成すればよい(例えば、特開2012-15191号公報、特開2015-126123号公報など)。当該実施形態では、工程(1)でいう基材は、個片化した半導体チップがその電極パッド面が露出するように周囲を封止樹脂で封止されてなる基板を用いればよい。
また、半導体チップパッケージを再配線層1st(RDL-1st)工法で製造する場合には、工程(1)において用いる基材は、剥離層付き基板(剥離層付きガラス基板、剥離層付き金属基板、剥離層付きプラスチック基板等)を用いればよい。再配線層1st工法とは、最初に再配線層を設け、該再配線層に、その電極パッド面が再配線層と電気接続し得るような状態にて、半導体チップを設ける工法である(例えば、特開2015-35551号公報、特開2015-170767号公報など)。再配線層1st工法では、再配線層に半導体チップを設けた後、剥離層付き基板を剥離することにより、再配線層が露出する。再配線層1st工法は、とりわけファンアウト型半導体チップパッケージを製造する場合に適している。
基材と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを基材に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを基材に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、基材の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
基材と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
工程(2)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
樹脂組成物層の硬化条件は特に限定されず、半導体チップパッケージの絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一実施形態において、硬化温度は好ましくは120℃~250℃、より好ましくは150℃~240℃、さらに好ましくは180℃~230℃である。硬化時間は好ましくは5分間~240分間、より好ましくは10分間~150分間、さらに好ましくは15分間~120分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃~120℃、好ましくは60℃~115℃、より好ましくは70℃~110℃の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上、好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間予備加熱してもよい。予備加熱を行うことにより、粗化処理(デスミア処理)後に表面粗度の低い絶縁層を実現し易いため有利である。
工程(3)において、絶縁層に対して穴あけ加工を実施する。
これにより絶縁層にビアホールを形成することができる。工程(3)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、回路基板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(4)において、絶縁層に対して粗化処理(デスミア処理)を実施する。
工程(4)において、スミアの除去も行われる。したがって、穴あけ加工によってホール内に生じたスミアを除去することができる。粗化処理は、特に限定はされず、公知の各種方法により行うことができる。一実施形態において、粗化処理は、乾式粗化処理、湿式粗化処理又はこれらの組み合わせとし得る。粗化処理は、表面粗度の小さい絶縁層を実現し易い観点から、乾式粗化処理を含むことが好ましく、プラズマを用いた粗化処理を含むことが特に好ましい。本発明の樹脂組成物を使用することにより、乾式粗化処理後、とりわけプラズマを用いた粗化処理後において、硬化物の表面のムラを抑えることができる。
プラズマを用いた粗化処理は、プラズマ発生装置内にガスを導入して発生させたプラズマを用いて絶縁層を処理することで、ビアホール内に生じたスミアを除去する。プラズマの発生方法としては特に制限はなく、マイクロ波によりプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ、高周波を用いた高周波プラズマ、大気圧下で発生させる大気圧プラズマ、真空下で発生させる真空プラズマ等が挙げられ、真空下で発生させる真空プラズマが好ましい。また、粗化処理で用いるプラズマは、高周波で励起するRFプラズマであることが好ましい。
プラズマ化するガスとしては、特に限定されず、例えば、SF、Ar、O等を含むガスを用いてよい。
プラズマを用いた粗化処理の時間は特に限定されないが、好ましくは30秒間以上、より好ましくは60秒間以上、90秒間以上又は120秒間以上である。該粗化処理の時間の上限は、粗化処理後に表面粗度の小さい絶縁層を実現し易い観点から、好ましくは10分間以下、より5分間以下である。
プラズマを用いた粗化処理は、市販のプラズマ粗化処理装置を使用して実施することができる。市販のプラズマ粗化処理装置の中でも、回路基板の製造用途に好適な例として、オックスフォード・インストゥルメンツ社製のプラズマドライエッチング装置、ニッシン社製のマイクロ波プラズマ装置、積水化学工業社製の常圧プラズマエッチング装置等が挙げられる。
乾式粗化処理としてはまた、研磨材をノズルから吹き付けて処理対象を研磨し得る乾式サンドブラスト処理を用いてもよい。乾式サンドブラスト処理は、市販の乾式サンドブラスト処理装置を用いて実施することができる。研磨材として、水溶性の研磨材を使用する場合には、乾式サンドブラスト処理後に水洗処理することにより、研磨材がビアホール内部に残留することもなく、スミアを効果的に除去することができる。
湿式粗化処理としては、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理する方法であり得る。
湿式粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。
湿式粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による湿式粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
また、湿式粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。
中和液による処理は、酸化剤による湿式粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に5分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による湿式粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
乾式粗化処理と湿式粗化処理を組み合わせて実施する場合、乾式粗化処理を先に実施してもよく、湿式粗化処理を先に実施してもよい。
樹脂シートの支持体は、工程(1)と工程(2)の間に除去してもよく、工程(2)と工程(3)の間に除去してもよく、工程(3)と工程(4)の間に除去してもよく、工程(4)の後に除去してもよい。粗化処理後に表面粗度の小さい絶縁層を実現し易い観点から、支持体は、工程(2)の後に除去することが好ましく、工程(4)の後に除去することがより好ましい。
工程(1)~工程(4)を実施した後、工程(5)として、絶縁層上に導体層を形成する工程を実施することにより、導体パターンを形成することができる。これらの工程を総称して再配線形成工程ということもできる。再配線形成工程を繰り返し行うことで、多層構造の再配線層を形成することができる。
工程(5)において、絶縁層上に導体層を形成する。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望の半導体チップパッケージのデザイン又はプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
一実施形態において、導体層は、メッキにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができ、製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法により形成することが好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
他の実施形態において、導体層は、金属箔を使用して形成してよい。金属箔を使用して導体層を形成する場合、工程(V)は、工程(I)と工程(II)の間に実施することが好適である。例えば、工程(I)の後、支持体を除去し、露出した樹脂組成物層の表面に金属箔を積層する。樹脂組成物層と金属箔との積層は、真空ラミネート法により実施してよい。積層の条件は、工程(I)について説明した条件と同様としてよい。次いで、工程(II)を実施して絶縁層を形成する。その後、絶縁層上の金属箔を利用して、サブトラクティブ法、モディファイドセミアディティブ法等の従来の公知の技術により、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
金属箔は、例えば、電解法、圧延法等の公知の方法により製造することができる。金属箔の市販品としては、例えば、JX日鉱日石金属社製のHLP箔、JXUT-III箔、三井金属鉱山社製の3EC-III箔、TP-III箔等が挙げられる。
例えば、ファンアウト型のWLPを製造する場合、所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成した半導体ウェハをまず個片化する。そして各半導体チップをキャリア(ガラス基板、金属基板、プラスチック基板等)に互いに離間させて配置した後、樹脂封止することにより、個片化した半導体チップがその電極パッド面が露出するように周囲を封止樹脂で封止されてなる基板を得る。かかる基板を基材として用い、その電極パッド面が露出した側の基板の表面と樹脂組成物層が接合するように、工程(1)を実施すればよい。そして、工程(2)、工程(3)、工程(4)、工程(5)を順に実施し、露出した電極パッド面とその周囲の封止樹脂層の上に再配線層を形成することができる。これらの工程を繰り返し実施することにより、多層の再配線層を形成することも可能である。そして、再配線層の基板とは反対側の面にバンプ等のボード接続端子を形成し、改めて個片化することにより、ファンアウト型のWLPを製造することができる。
WLPやPLPといった半導体チップパッケージの製造方法は、上述のチップ1st工法、再配線層1st工法の観点をはじめ、チップ搭載方向(Face-down型、Face-up型)の観点からも、多種多様な発展を遂げているが、本発明は、FO-WLP及び/又はFO-PLP及びその製造に好適である。
<プリント配線板>
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物からなる絶縁層を含む。
本発明のプリント配線板は、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(1’)~(4’)の工程を含む方法により製造することができる。
(1’)樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板上に積層する工程
(2’)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
(3’)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
(4’)絶縁層に対して粗化処理(デスミア処理)を実施する工程
工程(1’)で用いる内層基板とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用してもよい。
内層基板と樹脂シートの積層は、半導体チップパッケージの製造方法の工程(1)の基材と樹脂シートの積層と同様に行うことができる。また、工程(2’)~(4’)は、半導体チップパッケージの製造方法の工程(2)~(4)と同様であり得る。樹脂シートの支持体は、工程(1’)と工程(2’)の間に除去してもよく、工程(2’)と工程(3’)の間に除去してもよく、工程(3’)と工程(4’)の間に除去してもよく、工程(4’)の後に除去してもよい。粗化処理後に表面粗度の小さい絶縁層を実現し易い観点から、支持体は、工程(2’)の後に除去することが好ましく、工程(4’)の後に除去することがより好ましい。
工程(1’)~工程(4’)を実施した後、工程(5’)として、絶縁層上に導体層を形成する工程を実施することにより、導体パターンを形成することができる。工程(5’)は、半導体チップパッケージの製造方法の工程(5)と同様であり得る。
<半導体装置>
本発明の半導体装置は、本発明の半導体チップパッケージ及び/又はプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明の半導体チップパッケージ及び/又はプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。特に温度の指定が無い場合の温度条件は、室温(23℃)下であり、特に圧力の指定が無い場合の圧力条件は、大気圧(1atm)下である。
<合成例1:トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂A>
メタクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂「SA9000」(数平均分子量1,700、SABIC社製)1,000g、トルエン2,000g、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体0,02g(0.52×10-4mol)、および酢酸0.31g(0.52×10-2mol)をフラスコ中で撹拌し溶解させた。ここに、トリメトキシシラン150g(1.2モル)を滴下した後、2時間加熱還流、撹拌した。撹拌終了後、不揮発分50%になるまで減圧濃縮および濾過し、褐色透明液体を得た。
Figure 2024030182000011
<合成例2:トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂B>
メタクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂「SA9000」(数平均分子量1,700、SABIC社製)1,000g、トルエン2,000g、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体0,02g(0.52×10-4mol)、および酢酸0.31g(0.52×10-2mol)をフラスコ中で撹拌し溶解させた。ここに、トリメトキシシラン75g(0.6モル)を滴下した後、2時間加熱還流、撹拌した。撹拌終了後、不揮発分50%になるまで減圧濃縮および濾過し、褐色透明液体を得た。
<合成例3:トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂C>
ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂「OPE-2St 1200」(固形分濃度65質量%トルエン溶液、数平均分子量1,200、三菱ガス化学社製)1,500g、トルエン2,000g、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体0,02g(0.52×10-4mol)、および酢酸0.31g(0.52×10-2mol)をフラスコ中で撹拌し溶解させた。ここに、トリメトキシシラン150g(1.2モル)を滴下した後、2時間加熱還流、撹拌した。撹拌終了後、不揮発分50%になるまで減圧濃縮および濾過し、褐色透明液体を得た。
Figure 2024030182000012
<合成例4:トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂D>
ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂「OPE-2St 1200」(固形分濃度65質量%トルエン溶液、数平均分子量1,200、三菱ガス化学社製)1,500g、トルエン2,000g、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体0,02g(0.52×10-4mol)、および酢酸0.31g(0.52×10-2mol)をフラスコ中で撹拌し溶解させた。ここに、トリメトキシシラン75g(0.6モル)を滴下した後、2時間加熱還流、撹拌した。撹拌終了後、不揮発分50%になるまで減圧濃縮および濾過し、褐色透明液体を得た。
<実施例1>
発明協会公開技報公技番号2020-500211号の合成例1に記載の方法で合成された下記式(5’)で表されるマレイミドA(Mw/Mn=1.81、m’=1.47(主に1、2又は3)、不揮発成分70質量%のMEK溶液)を準備した。
Figure 2024030182000013
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「828EL」、エポキシ当量約180g/eq.)3部、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製「HP-6000L」、エポキシ当量約213g/eq.)4部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000H」、エポキシ当量190g/eq.)3部、フェノール系硬化剤(DIC社製「KA-1160」、クレゾールノボラック樹脂、水酸基当量117g/eq.)3部、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量223g/eq.、固形分65質量%のトルエン溶液)11部、カルボジイミド系硬化剤(日清紡ケミカル社製「V-03」、活性基当量約216g/eq.、固形分50質量%のトルエン溶液)1部、上記で準備したマレイミドA(固形分70%のMEK溶液)4部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm、比表面積5.8m/g)65部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)3部、ラジカル重合開始剤(日油社製「パーブチルC」)0.1部、硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン、DMAP)0.05部を、高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例2>
フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)3部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を1部使用し、マレイミドA(固形分70%のMEK溶液)4部の代わりにマレイミド化合物(日本化薬社製「MIR-5000-60T」、固形分60質量%のトルエン溶液)を5部使用した以外は、実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例3>
イソプロピリデン基含有マレイミド化合物(日本化薬社製「MIR-5000-60T」、固形分60質量%のトルエン溶液)5部の代わりに、ビフェニルアラルキルノボラック型マレイミド化合物(日本化薬社製「MIR-3000-70MT」、不揮発成分率70%のMEK/トルエン混合溶液)を4部使用した以外は、実施例2と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例4>
フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)3部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を1部使用し、トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりにトリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288D」、固形分20質量%のトルエン溶液)を5部使用した以外は、実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例5>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288D」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりに合成例1で得られたトリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂A(固形分50質量%)を2部使用した以外は、実施例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例6>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288D」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりに合成例2で得られたトリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂B(固形分50質量%)を2部使用した以外は、実施例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例7>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288D」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりに合成例3で得られたトリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂C(固形分50質量%)を2部使用した以外は、実施例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例8>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288D」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりに合成例4で得られたトリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂D(固形分50質量%)を2部使用した以外は、実施例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例9>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部、ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル(三菱瓦斯化学社製「OPE-2St 1200」、固形分65質量%のトルエン溶液)10部、上記実施例1で準備したマレイミドA(固形分70%のMEK溶液)25部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.5μm、比表面積5.8m/g)65部、SIS樹脂(株式会社クラレ社製「HYBRAR 5125」、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体)2部、ラジカル重合開始剤(日油社製「パーブチルC」)0.1部を、高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例10>
ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル(三菱瓦斯化学社製「OPE-2St 1200」、固形分65質量%のトルエン溶液)10部の代わりにダイマー酸骨格含有マレイミド化合物(デザイナーモレキュールズ社製「BMI-689」)を3部使用し、SIS樹脂(株式会社クラレ社製「HYBRAR 5125」、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体)2部の代わりにSEBS樹脂(旭化成株式会社製「S1611」、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン・ブロック共重合体)を2部使用した以外は、実施例9と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例11>
SIS樹脂(株式会社クラレ社製「HYBRAR 5125」、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体)2部の代わりにSEBS樹脂(旭化成株式会社製「S1611」、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン・ブロック共重合体)を2部使用した以外は、実施例9と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例12>
SIS樹脂(株式会社クラレ社製「HYBRAR 5125」、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体)2部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を2部使用した以外は、実施例9と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<実施例13>
SIS樹脂(株式会社クラレ社製「HYBRAR 5125」、スチレン-イソプレン-スチレン・ブロック共重合体)2部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を2部使用し、ダイマー酸骨格含有マレイミド化合物(DMI社製「BMI-1500」)を3部さらに使用した以外は、実施例9と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<比較例1>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<比較例2>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりにアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業社製「KBM-573」)1部を使用し、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)3部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を3部使用した以外は、実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<比較例3>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部の代わりにメタクリル変性ポリフェニレンエーテル(SABIC社製「SA9000」)1部を使用し、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)3部の代わりにオキサゾリン基含有変性ポリスチレン(日本触媒製「PX3-RP-37」)を3部使用した以外は、実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<比較例4>
トリメトキシシリル含有変性ポリフェニレンエーテル樹脂(信越化学工業株式会社製「X-12-1288C」、固形分20質量%のトルエン溶液)5部を使用しなかった以外は、実施例9と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<比較例5>
ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル(三菱瓦斯化学社製「OPE-2St 1200」、固形分65質量%のトルエン溶液)10部の代わりにメタクリル変性ポリフェニレンエーテル(SABIC社製「SA9000」)10部を使用した以外は、比較例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
<試験例1:プラズマ処理後の算術平均粗さ(Ra)の評価>
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。該支持体の離型層上に、実施例及び比較例で調製したワニス状の樹脂組成物を乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように均一に塗布し、80~120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、樹脂シートを作製した。
樹脂シートを、12インチ円盤状のシリコンウエハの片面全体に、樹脂組成物層が接合するように、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いてラミネートし、その後、支持体を剥離した。得られた樹脂組成物層付きシリコンウエハをオーブン内で200℃および90分の条件で熱処理した。これにより、硬化が進行した樹脂組成物層付きシリコンウエハが得られた。
得られた樹脂組成物層(硬化物層)付きシリコンウエハにプラズマ処理(ヤマト科学製、PDC510)を実施し、RIEモード、出力500W、Ar流量100mL/minの条件で処理し、プラズマ処理された評価用シリコンウエハを得た。評価用シリコンウエハの5点(上下左右は端から1cmの部分と中央部)をWykoで硬化物層表面の算術平均粗さ(Ra)を測定し、5点間の平均値と標準偏差を計算した。以下の評価基準に基づき評価した。
評価基準
「×」:算術平均粗さ(Ra)の標準偏差が50nm以上の場合
「〇」:算術平均粗さ(Ra)の標準偏差が50nm未満の場合
<試験例2:線熱膨張係数(CTE)の評価>
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。該支持体の離型層上に、実施例及び比較例で調製したワニス状の樹脂組成物を乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように均一に塗布し、80~120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、樹脂シートを作製した。
作製した樹脂組成物層の厚さが40μmの樹脂シートを200℃にて90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた後、支持体を剥離し、評価用硬化物を得た。評価用硬化物を、幅5mm、長さ15mmの試験片に切断した。該試験片について、熱機械分析装置((株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」)を用いて、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回の測定において、25℃から150℃までの範囲における平面方向の線熱膨張係数(ppm/K)を算出し、以下の評価基準に基づき評価した。
評価基準
「×」:線熱膨張係数が25ppm/K超の場合
「△」:線熱膨張係数が22ppm/K超25ppm/K以下の場合
「〇」:線熱膨張係数が22ppm/K以下の場合
<試験例3:破断点伸度の評価>
試験例2で作製した厚さ40μmの樹脂シートを200℃にて90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた後、支持体を剥離した。得られた硬化物を「評価用硬化物」と称する。評価用硬化物について、日本工業規格(JIS K7127)に準拠して、テンシロン万能試験機((株)オリエンテック製「RTC-1250A」)により引っ張り試験を行い、23℃における破断点伸度(%)を測定し、以下の評価基準に基づき評価した。
評価基準
「×」:破断点伸度が1.0%未満の場合
「△」:破断点伸度が1.0%以上1.2%未満の場合
「〇」:破断点伸度が1.2%以上の場合
<試験例4:誘電正接(Df)の評価>
試験例2で作製した厚さ40μmの樹脂シートを、200℃にて90分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。その後、支持体を剥離して、樹脂組成物の硬化物を得た。この硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断した。該試験片について、アジレントテクノロジーズ社製「HP8362B」を用いて、空洞共振摂動法により、測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電正接(Df)を測定した。3本の試験片について測定を行った。
評価基準
「×」:誘電正接が0.007超の場合
「△」:誘電正接が0.005超0.007以下の場合
「〇」:誘電正接が0.005以下の場合
各実施例及び比較例の樹脂組成物の原料使用量、並びに試験例の測定結果、算出結果及び評価結果を下記表1にまとめる。
Figure 2024030182000014
上記表1に示される結果から、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物を用いることにより、硬化物のプラズマ処理後の表面のムラを抑えることができることがわかる。

Claims (27)

  1. (A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物。
  2. (A)成分が、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシアルキルシリル基、及びアルコキシジアルキルシリル基から選ばれる基を1分子中に1個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (A)成分が、式(1):
    Figure 2024030182000015
    [式中、
    及びXは、単結合、又は-CO-を示し;
    及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、且つR及びRのうち少なくとも一方が、トリアルコキシシリル基で置換された炭化水素基、ジアルコキシアルキルシリル基で置換された炭化水素基、又はアルコキシジアルキルシリル基で置換された炭化水素基であり;
    11及びR12は、それぞれ独立して、アルキル基を示し;
    13、R14、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
    Yは、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、又は-SO-を示し;
    は、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基を示し;
    sは、0又は1を示し;
    t及びuは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。]
    で表される変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. (B)成分が、(B1)エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. (B)成分が、(B2)エポキシ樹脂硬化剤を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. (B)成分が、(B3)ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. (B3)成分が、ラジカル反応性基を1分子中に2個以上有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含む、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. (B3)成分が、マレイミド基を1分子中に2個以上有する樹脂を含む、請求項7に記載の樹脂組成物。
  10. (B)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、20質量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  11. (C)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  12. (A)成分に対する(B)成分の質量比((B)成分/(A)成分)が、10~30である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  13. (A)成分に対する(C)成分の質量比((C)成分/(A)成分)が、30~100である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  14. 樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数(CTE)が、25℃から150℃までの範囲において、25ppm/K以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  15. 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)が、5.8GHz、23℃で測定した場合、0.006以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  16. 樹脂組成物の硬化物の破断点伸度が、23℃で測定した場合、1.2%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  17. 半導体チップパッケージの絶縁層形成用である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  18. プリント配線板の絶縁層形成用である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  19. 請求項1~16の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  20. 支持体と、当該支持体上に設けられた請求項1~16の何れか1項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
  21. 請求項1~16の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備える半導体チップパッケージ。
  22. ファンアウト(FO)型半導体チップパッケージである、請求項21に記載の半導体チップパッケージ。
  23. 請求項21に記載の半導体チップパッケージを含む、半導体装置。
  24. 請求項1~16の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備えるプリント配線板。
  25. 請求項24に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
  26. 下記(1)~(4)の工程を含む半導体チップパッケージの製造方法。
    (1)支持体と、当該支持体上に設けられた樹脂組成物層であって、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が基材と接合するように、基材上に積層する工程
    (2)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
    (3)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
    (4)絶縁層に対してプラズマを用いた粗化処理を含む粗化処理を実施する工程
  27. 下記(1’)~(4’)の工程を含むプリント配線板の製造方法。
    (1’)支持体と、当該支持体上に設けられた樹脂組成物層であって、(A)ケイ素原子を含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材を含む樹脂組成物で形成された樹脂組成物層と、を有する樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板上に積層する工程
    (2’)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
    (3’)絶縁層に対して穴あけ加工を実施する工程
    (4’)絶縁層に対してプラズマを用いた粗化処理を含む粗化処理を実施する工程
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