JP2024029472A - 嚥下補助ゼリー - Google Patents

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Toshitaka Yamanaka
康博 柳瀬
Yasuhiro Yanase
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Toshiki Tsuboi
星香 今村
Seika IMAMURA
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Abstract

【課題】カプセル剤の嚥下を良好に補助することができると共に、内包したカプセル剤を長時間にわたり安定して保存することができる嚥下補助ゼリーを、提供する。【解決手段】グリセリンと、κカラギーナンと、水と、を含有する嚥下補助ゼリーにおいて、水の含有率を4質量%~10質量%とすることにより、ゼリー中の水分がカプセル皮膜に移行して軟化・溶解することが抑制されるため、嚥下を補助する作用に優れると共に、ゼリーに内包されたカプセル剤を長時間にわたり安定して保存することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、カプセル剤を服用する際の使用に適した嚥下補助ゼリーに関するものである。
固形状や粉末状の薬剤やサプリメントは、通常、水やぬるま湯で服用する。しかしながら、高齢者や小児など嚥下機能の弱い人は飲み込むことが困難であり、むせたり薬剤等が口腔内に滞留してしまったりすることがあった。また、上記の薬剤等が喉につかえるような違和感や不快感を覚えることもあった。
そこで、薬剤等の嚥下を補助するために、ゼリー状の物質が提案されている(例えば、特許文献1~特許文献3参照)。上記の薬剤等がゼリーに包み込まれることにより、喉を通過しやすくなり、嚥下が補助される。特許文献1の嚥下補助飲料は、水分80.0~99.9重量%と、寒天、カラギーナン、ジェランガム、ファーセレラン、ゼラチン、ペクチン、カードラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、アゾトバクタービネランジガム、カシアガム、サイリュームシードガム、タマリンドガム、CMCNa、CMCCa、乳清蛋白、澱粉及び化工澱粉から成る群より選ばれた少なくとも一種の糊料0.1~5.0重量%と、を含有している粘性液体である。
特許文献2のゼリー飲料は、苦みマスキング成分、及び苦みマスキング補助成分と、カラギーナン、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム及びペクチンから成る群より選ばれた少なくとも一種のゲル化成分と、酸、その誘導体及びその塩から成る群より選ばれた少なくとも一種の味調整成分と、残量として83質量%~87.5質量%の水分と、を含有している。
特許文献3の嚥下用ゼリーは、寒天及びローカストビーンガムからなるゼリー成分を0.070~0.163質量%、キサンタンガム及びカラギーナンからなるトロミ成分を0.260~0.370質量%含有するものであり、90~97.72質量%という高い水分含有率を有している。
このように、従前より提案されている嚥下補助用のゼリーは、水をゲル化剤で増粘したものであり、80質量%以上という高い割合で水分を含有している。ところが、カプセル剤はソフトカプセルもハードカプセルも、カプセル皮膜は一般的に水溶性である。そのため、カプセル剤の嚥下を補助するために従来のゼリーを使用すると、ゼリーの水分によってカプセル皮膜が溶解し、内容物が漏出してしまうという問題があった。
また、服用すべきカプセル剤の種類や粒数の増加により、飲み忘れてしまうことが問題となっている。本発明者らは、このような問題を解決するために、例えば、一日のうちに服用すべきカプセル剤の全部を、あらかじめゼリーに内包させておくことを想到した。
しかしながら、上述したように、80質量%以上という高い割合で水分を含有している従来のゼリーでは、カプセル皮膜は20分~30分という短い時間で軟化し、溶解してしまうため、服用の直前にカプセル剤をゼリーに内包させるしかない。
特許第3257983号公報 特許第5249941号公報 特許第5122522号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、カプセル剤の嚥下を良好に補助することができると共に、内包したカプセル剤を長時間にわたり安定して保存することができる嚥下補助ゼリーの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる嚥下補助ゼリー(以下、単に「ゼリー」と称することがある)は、
「グリセリンと、κカラギーナンと、水とを含有し、
水の含有率が4質量%~10質量%である」ものである。
上述したように、嚥下補助用の従来のゼリーは水を主成分としていたところ、本発明ではゼリーの主成分をグリセリンとする。本発明者らが、多種多様なゲル化剤をグリセリンと組み合わせてスクリーニングを行った結果、κカラギーナンをゲル化剤とすることにより、カプセル剤の嚥下を良好に補助するゼリーを提供できることが見出された。κカラギーナンはグリセリンに溶解しないが、4質量%~10質量%という少量だけ水を含有させることにより、κカラギーナンを溶解させてグリセリンに混合し、均一で、嚥下を補助する作用に優れるゼリーとすることができる。
そして、特許文献1~特許文献3で例示したように、水分含有率が80質量%を超える従来のゼリーでは、カプセル皮膜が水溶性であるカプセル剤をゼリー内で保存することはできないのに対し、本発明の嚥下補助ゼリーでは、カプセル皮膜が水溶性であっても、ゼリーに内包された状態のカプセル剤を長時間にわたり安定的に保存することができる。これにより、例えば、一日に服用すべきカプセル剤の全量を、あらかじめゼリーに内包させておくことができ、水やぬるま湯を必要とすることなく、随時、どこでもカプセル剤を服用することができ、飲み忘れを抑制することができる。
本発明にかかる嚥下補助ゼリーは、上記構成に加え、
「水の含有率をX質量%とし、κカラギーナンの含有率をY質量%とすると、
水の含有率が4≦X<7の場合、κカラギーナンの含有率は0.50≦Y≦0.25Xであり、
水の含有率が7≦X≦10の場合、κカラギーナンの含有率は0.50≦Y≦1.75である」ものである。
これらの条件を満たす組成のゼリーとすることにより、詳細は後述するように、均一ゲル化性、カプセル剤の嚥下補助性が良好であると共に、カプセル剤を内包した状態で72時間という長時間にわたりカプセル剤を安定的に保存することができる、嚥下補助ゼリーを提供することができる。
以上のように、本発明によれば、カプセル剤の嚥下を良好に補助することができると共に、内包したカプセル剤を長時間にわたり安定して保存することができる嚥下補助ゼリーを、提供することができる。
ソフトカプセルを対象とした表3~表11の検討結果をまとめたグラフである。 図1のグラフに基づき、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び保存性の何れも良好なA範囲と、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び保存性の少なくとも何れかが不良な範囲を示すグラフである。 ハードカプセルを対象とした場合の検討結果を、図2のグラフ上にプロットしたグラフである。 A範囲におけるグリセリンの含有率の上限値及び下限値を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態である嚥下補助ゼリーについて説明する。本実施形態の嚥下補助ゼリーは、グリセリンを主成分とし、ゲル化剤としてκカラギーナンを含有すると共に、少量の水を含有するものであり、カプセル皮膜が水溶性であるカプセル剤(ソフトカプセル及びハードカプセル)の嚥下補助ゼリーとして適している。
ゼリー中の水分によるカプセル皮膜の溶解と、これに伴う内容物の漏出が抑制されているため、カプセル剤の内容物は特に限定されず、医薬成分、生薬成分、健康食品成分、栄養補助成分を内容物とするカプセル剤を、何れも嚥下補助ゼリーの対象とすることができる。
ここで、κカラギーナンはグリセリンに溶解しないが、水に可溶である。一方、グリセリンは水に易溶である。本実施形態の嚥下補助ゼリーは、κカラギーナンを溶解してグリセリンと混合させ均一なゲルを形成できる範囲で、水の含有率を小さく抑えたものである。
そのような嚥下補助ゼリーの組成を検討した結果を、説明する。まず、ゼリーの全量100質量%のうち、κカラギーナンの含有率を1質量%と一定にし、水の含有率を3質量%から20質量%まで変化させ、残量をグリセリンとした試料E1-1~E1-11について、下記の方法で「均一ゲル化性」を評価した。κカラギーナンとしては、三晶株式会社製、「GENUGEL(登録商標)、carrageenan type WG-108」を使用した。
また、均一にゲル化されたゼリーについて、カプセル剤としてのソフトカプセルについて「嚥下補助性」及び「保存性」を、下記の方法で評価した。ソフトカプセルとしては、皮膜基剤がゼラチンである水溶性カプセル皮膜を備えるソフトカプセルを使用した。その結果を表1に示す。
<均一ゲル化性>
グリセリン、κカラギーナン、及び水を混合し、湯浴中で1時間加熱した。κカラギーナンの溶け残りによるダマが生じることなく完全に溶解し、均一にゲル化した場合を、均一ゲル化性が良好であるとして「〇」で評価し、不溶成分が残留した場合、或いは、ゲル化が不均一に進行した場合を、不良であるとして「×」で評価した。
<嚥下補助性>
均一にゲル化したゼリーを容量9ミリリットルの蓋付き容器に充填し、カプセル剤1粒を内包させた。24時間の経過後、容器を傾けたときに自重で流れ落ちる程度の流動性をゼリーが有していながら、カプセル剤がゼリー中に包み込まれていた(内包されていた)場合を、嚥下補助性が良好であるとして「〇」で評価し、カプセル剤がゼリーから浮いてしまった場合を不良であるとして「×」で評価した。グリセリン単独ではカプセル剤を内包することができず、カプセル剤は浮き上がってしまうが、ゼリーが流動性を持ちつつ適度な粘性を有している場合は、カプセル剤がゼリーに内包される。
<保存性>
容量9ミリリットルの蓋付き容器に充填したゼリーに、カプセル剤1粒を内包させて、24時間、48時間、及び、72時間の経過後に、それぞれカプセル剤の外観を肉眼で観察した。カプセル剤に変形や溶解などの変化がない場合を、保存性が良好であるとして「〇」で評価し、外観に変化が見られる場合を不良であるとして「×」で評価した。
なお、均一ゲル化性が良好であった場合に嚥下補助性の評価を行い、嚥下補助性が良好であった場合に保存性の評価を行った。表中、評価を行わなかった項目については「-」を付した。
Figure 2024029472000002
また、試料E1-1~E1-11と同一のゼリーについて、植物由来のカプセル皮膜を有するソフトカプセルを対象とした場合を試料E2-1~E2-11とし、上記と同様に「嚥下補助性」及び「保存性」を評価した。その結果を、表2に示す。当然ながら、試料E1-1~E1-11と試料E2-1~E2-11では、ゼリーの組成が同一の場合、「均一ゲル化」の評価は同一である。ここで、植物由来のカプセル皮膜は、デンプンを皮膜基剤とし、ゲル化剤としてιカラギーナンを使用しているものである(本出願人の提案による特開2012-144504を参照)。
Figure 2024029472000003
水の含有率が3.0質量%の場合、グリセリン及びκカラギーナンとの混合により急激に粘度が増加し、κカラギーナンを完全に溶解させることができず、均一なゲルを得ることができなかった。一方、水の含有率が4.0質量%以上の試料では、均一ゲル化性は良好であった。また、表1と表2を対比すると分かるように、ゼリーの組成が同一の場合、カプセル皮膜がゼラチン製であるソフトカプセルと、カプセル皮膜が植物由来であるソフトカプセルとで、嚥下補助性及び保存性は同一であった。具体的には、水の含有率が4質量%~10質量%の間では、嚥下補助性及び保存性は共に良好であり、水の含有率が11質量%以上となると、72時間経過後の保存性が不良となった。
上記のように、カプセル皮膜がゼラチン製であるソフトカプセルと、カプセル皮膜が植物由来であるソフトカプセルとでは、ゼリーの組成が同一である場合の嚥下補助性と保存性は同じであると考えられるため、以下ではカプセル皮膜がゼラチン製であるソフトカプセルを対象として、より詳細な組成の検討を行った。水の含有率を3質量%と一定にし、κカラギーナンの含有率を変化させて残量をグリセリンとした試料S3-1~S3-3、同様に水の含有率を4質量%と一定にした試料S4-1~S4-8、水の含有率を5質量%と一定にした試料S5-1~S5-8、水の含有率を6質量%と一定にした試料S6-1~S6-8、水の含有率を7質量%と一定にした試料S7-1~S7-8、水の含有率を8質量%と一定にした試料S8-1~S8-8、水の含有率を9質量%と一定にした試料S9-1~S9-8、水の含有率を10質量%と一定にした試料S10-1~S10-8、水の含有率を11質量%と一定にした試料S11-1~S11-8について、上記と同様の方法で、均一ゲル化性、嚥下補助性、保存性を評価した。その結果を、それぞれ表3~表11に示す。
Figure 2024029472000004
Figure 2024029472000005
Figure 2024029472000006
Figure 2024029472000007
Figure 2024029472000008
Figure 2024029472000009
Figure 2024029472000010
Figure 2024029472000011
Figure 2024029472000012
X軸を水の含有率とし、Y軸をκカラギーナンの含有率として、表3~表11に示した均一ゲル化性、嚥下補助性、保存性の評価結果をまとめて、組成に対してプロットしたグラフを図1に示す。この図1において保存性については、72時間の経過後にも良好と評価された場合を、最終的に「良好」であるとしている。これは、保存性として、非常に高いレベルである。すなわち、図1では、均一ゲル化性、嚥下補助性、72時間後の保存性の何れにおいても良好である組成に、「〇」のマーカーを付している。
表3~表11及び図1から明らかなように、水の含有率が3質量%では均一ゲル化性が良好な試料はなく、水の含有率が4質量%~11質量%のときに、均一ゲル化性が良好な組成が存在した。具体的には、水の含有率が4質量%から7質量%まで増加するのに伴い、均一ゲル化性が良好な組成におけるκカラギーナンの含有率の上限値は1.00質量%から1.75質量%まで線形に増加し、水の含有率が7質量%から11質量%の間では、均一ゲル化性が良好な組成におけるκカラギーナンの含有率の上限値は、1.75質量%と一定であった。これらの結果から、水が少な過ぎてもκカラギーナンが多過ぎても、均一なゲルは形成されないと考えられた。
水の含有率が4質量%~10質量%のとき、嚥下補助性については、κカラギーナンの含有率が0.25質量%の試料では、カプセル剤が浮き上がってしまい不良であった。また、水の含有率が11質量%のときは、κカラギーナンの含有率が0.5質量%の試料であっても、同様に嚥下補助性は不良であった。これらの結果から、水に対してκカラギーナンの含有量が少ない場合は、ゼリーの粘度が低く、カプセル剤を十分に包み込むことができないと考えられた。
保存性については、水の含有率が11質量%の場合に、嚥下補助性が良好であった試料の全てにおいて、72時間の経過後に変形や軟化が観察された。これは、ゼリー中の水分が増加することにより、時間の経過に伴って水分がゼリーからカプセル皮膜に移行するためと考えられた。
そして、上記の結果から、水の含有率をX質量%とし、κカラギーナンの含有率をY質量%としたとき、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性の何れも良好な範囲は、次の条件イ~ハを満たす範囲であることを導き出すことができる。
・条件イ:4≦X≦10
・条件ロ:4≦X<7の場合、0.50≦Y≦0.25X
・条件ハ:7≦X≦10の場合、0.50≦Y≦1.75
図1に基づいて、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性の何れも良好な範囲を「A範囲」、均一ゲル化性が不良な範囲を「B範囲」、均一ゲル化性は良好だがソフトカプセルを対象とした場合の嚥下補助性が不良な範囲を「C範囲」、均一ゲル化性は良好でソフトカプセルを対象とした場合の嚥下補助性も良好であるが、72時間という長時間にわたる保存性は不良な範囲を「D範囲」としたグラフを、図2に示す。
上記では、嚥下を補助する対象のカプセル剤を、ソフトカプセルとした場合の検討結果を説明した。次に、対象のカプセル剤として、ハードカプセルを使用して検討した結果を示す。
具体的には、水の含有率を4質量%と一定にし、κカラギーナンの含有率を変化させた試料P1-1~p1-3、水の含有率を7質量%と一定にし、κカラギーナンの含有率を変化させた試料P1-4~p1-6、及び、水の含有率を10質量%と一定にし、κカラギーナンの含有率を変化させた試料P1-7~P1-9のゼリーについて、ハードカプセルを対象とした場合の嚥下補助性と保存性を、上記と同様の方法で評価した。ハードカプセルとしては、ヒプロメロース(HPMC)を皮膜基剤とするものを使用した。その結果を、表12に示す。なお、これらの試料のゼリーは、既述の検討にて、均一ゲル化性が良好であることが分かっているゼリーである。検討の結果を、表12に示す。
Figure 2024029472000013
表12に示すように、試料P1-1~P1-9の何れも、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性は良好であった。この結果を、図2のグラフ上にプロットしたグラフを図3に示す。この図から明らかなように、ソフトカプセルを対象とした「A範囲」(均一ゲル化性、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性が良好な範囲)の外縁に、ハードカプセルを対象とした場合の結果をプロットした点が位置している。このことから、少なくとも上記の条件イ~ハを満たすA範囲は、ハードカプセルを対象とする場合においても、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性が良好な範囲であると考えられた。
このように、ソフトカプセルを対象とした場合、ハードカプセルを対象とした場合の何れについても、均一ゲル化性、嚥下補助性、及び、72時間という長時間にわたる保存性が良好な範囲であるA範囲について、ゼリーの主成分であるグリセリンの含有率の上限値及び下限値をプロットしたグラフを、図4に示す。この図から、水の含有率をx質量%としたとき、A範囲におけるグリセリンの含有率y質量%は、次の条件ニ及び条件ホを満たすことが分かる。
・条件ニ:4≦x≦10
・条件ホ:-1.125x+99.339≦y≦-x+99.5
以上のように、本実施形態によれば、グリセリンを主成分とし、κカラギーナンをゲル化剤とし、均一にゲル化させられる限度で水の含有率を抑えることにより、嚥下を補助する作用に優れると共に、カプセル剤を内包した状態でカプセル剤を長時間にわたり安定して保存することができる嚥下補助ゼリーを、提供することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、グリセリン、κカラギーナン、及び水の含有率が計100質量%である嚥下補助ゼリーを示したが、これら三つの成分に加え、着色料や香料を添加することができる。表13に例示する試料P2-1~P2-4のように、着色料(赤色着色料)を含有させたゼリー、着色料及び香料(ピーチエッセンス)を含有させたゼリーであっても、均一ゲル化性が良好であると共に、カプセル剤(ここでは、カプセル皮膜がゼラチン製のソフトカプセル)の嚥下補助性、及び保存性が良好な嚥下補助ゼリーとすることができる。
Figure 2024029472000014

Claims (2)

  1. グリセリンと、κカラギーナンと、水とを含有し、
    水の含有率が4質量%~10質量%である
    ことを特徴とする嚥下補助ゼリー。
  2. 水の含有率をX質量%とし、κカラギーナンの含有率をY質量%とすると、
    水の含有率が4≦X<7の場合、κカラギーナンの含有率は0.50≦Y≦0.25Xであり、
    水の含有率が7≦X≦10の場合、κカラギーナンの含有率は0.50≦Y≦1.75である
    ことを特徴とする請求項1に記載の嚥下補助ゼリー。
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