JP2024029416A - 眼科装置、眼科装置を制御する方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

眼科装置、眼科装置を制御する方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】房水内浮遊物の評価の品質向上を図る。【解決手段】1つの実施形態に係る眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、評価処理部とを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含み、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用するように構成されている。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含み、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用するように構成されている。評価処理部は、第1の撮影部による第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影部による第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、眼科装置、眼科装置を制御する方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
眼科分野において画像診断は重要な位置を占める。眼科画像診断では、各種の眼科装置が用いられる。眼科装置には、スリットランプ顕微鏡、眼底カメラ、走査型レーザー検眼鏡(SLO)、光干渉断層計(OCT)などがある。また、レフラクトメータ、ケラトメータ、眼圧計、スペキュラーマイクロスコープ、ウェーブフロントアナライザ、マイクロペリメータなどの各種の検査装置や測定装置にも、前眼部や眼底を撮影する機能が搭載されている。
これら様々な眼科装置のうち最も広く且つ頻繁に使用される装置の1つが、眼科医にとっての聴診器とも呼ばれるスリットランプ顕微鏡である。スリットランプ顕微鏡は、スリット光で被検眼を照明し、照明された断面を側方から顕微鏡で観察したり撮影したりするための眼科装置である(例えば、特許文献1、2を参照)。また、シャインプルーフの条件を満足するように構成された光学系を用いることにより被検眼の3次元領域を高速でスキャンすることが可能なスリットランプ顕微鏡も知られている(例えば、特許文献3を参照)。なお、スリットランプ顕微鏡の他にも、スリット光で対象物をスキャンする撮像方式としてはローリングシャッターカメラなどが知られている。
スリットランプ顕微鏡は、眼組織(眼瞼、結膜、角膜、虹彩、前房、水晶体、硝子体、網膜など)の観察に用いられるだけでなく、房水内(前房内)の浮遊物の評価にも使用される(例えば、特許文献4、5を参照)。房水内浮遊物としては、炎症細胞、白血球(マクロファージ、リンパ球など)、血中蛋白などがある。
特開2016-159073号公報 特開2016-179004号公報 特開2019-213733号公報 国際公開第2018/003906号 特表2022-520832号公報
本発明の1つの目的は、房水内浮遊物の評価の品質向上を図ることにある。
実施形態の1つの例示的な態様は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、評価処理部とを含む眼科装置である。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含み、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用するように構成されている。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含み、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用するように構成されている。評価処理部は、第1の撮影部による第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影部による第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されている。
実施形態の他の例示的な態様は、眼科装置と制御する方法である。この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。本態様の方法は、眼科装置のプロセッサを制御部及び評価処理部として機能させる。制御部は、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行するように動作する。評価処理部は、第1の撮影部による第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影部による第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成するように動作する。
実施形態の更に他の例示的な態様は、眼科装置を動作させるためのプログラムである。この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。本態様のプログラムは、眼科装置のプロセッサを制御部及び評価処理部として機能させる。制御部は、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行するように動作する。評価処理部は、第1の撮影部による第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影部による第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成するように動作する。
実施形態の更に他の例示的な態様は、眼科装置を動作させるためのプログラムが記録された、コンピュータ可読な非一時的記録媒体である。この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。本態様の記録媒体に記録されているプログラムは、眼科装置のプロセッサを制御部及び評価処理部として機能させる。制御部は、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行するように動作する。評価処理部は、第1の撮影部による第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影部による第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成するように動作する。
実施形態によれば、房水内浮遊物の評価の品質向上を図ることができる。
実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すタイミングチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すタイミングチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すタイミングチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すタイミングチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すタイミングチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理の例を説明するための概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すフローチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すフローチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すフローチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置が実行する処理を表すフローチャートである。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。 実施形態の例示的な態様に係る眼科装置の構成を表す概略図である。
実施形態の幾つかの非限定的な例示的態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本開示に係るいずれかの態様に任意の公知技術を組み合わせることができる。例えば、本明細書で引用する文献に開示されている任意の事項を、本開示に係るいずれかの態様に組み合わせることができる。更に、本開示に関連する技術分野における任意の公知技術を、本開示に係るいずれかの態様に組み合わせることができる。
特許文献3(特開2019-213733号公報)に開示されている全ての内容は、参照によって本開示に援用される。また、本開示に関連する技術について本願の出願人により開示された任意の技術事項(特許出願、論文などにおいて開示された事項)を、本開示に係るいずれかの態様に組み合わせることができる。
本開示に係る様々な態様のうちのいずれか2つ以上の態様を、少なくとも部分的に組み合わせることが可能である。
本開示において説明される要素の機能の少なくとも一部は、回路構成(circuitry)又は処理回路構成(processing circuitry)を用いて実装される。回路構成又は処理回路構成は、開示された機能の少なくとも一部を実行するように構成及び/又はプログラムされた、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、従来の回路構成、及びそれらの任意の組み合わせのいずれかを含む。プロセッサは、トランジスタ及び/又は他の回路構成を含む、処理回路構成又は回路構成とみなされる。本開示において、回路構成、ユニット、手段、又はこれらに類する用語は、開示された機能の少なくとも一部を実行するハードウェア、又は、開示された機能の少なくとも一部を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されたハードウェアであってよく、或いは、記載された機能の少なくとも一部を実行するようにプログラム及び/又は構成された既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが或るタイプの回路構成とみなされ得るプロセッサである場合、回路構成、ユニット、手段、又はこれらに類する用語は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであり、このソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサを構成するために使用される。
<実施形態の概要>
本開示に係る実施形態は、房水内浮遊物の評価の品質向上を図ることを1つの目的としたものである。そのために、本開示に係る実施形態は、シャインプルーフの条件を満足する複数の光学系を用いた複数の並行的な撮影(複数の同時的な撮影)を互いに異なる撮影条件の下に実行し、この複数の並行的な撮影によって生成された複数の画像(画像群)に基づき房水内浮遊物の評価を行うように構成される。
なお、本開示に係る実施形態による評価の対象は房水内に存在する浮遊物に限定されない。幾つかの例示的な態様は、眼内に存在する別の浮遊物(例えば、硝子体内に存在する浮遊物)、眼表面に存在する浮遊物(例えば、涙液中に存在する浮遊物)、眼球付属器(眼窩、眼瞼、結膜、涙器、眼筋)に存在する浮遊物などの評価を行うように構成されてもよい。したがって、本開示に係る実施形態は、眼内、眼表面、及び眼球付属器のいずれかにおける浮遊物の評価の品質向上を図ることを1つの目的としたものであり、シャインプルーフの条件を満足する複数の光学系を用いた複数の並行的な撮影(複数の同時的な撮影)を互いに異なる撮影条件の下に実行し、この複数の並行的な撮影によって生成された複数の画像(画像群)に基づき当該浮遊物の評価を行うように構成されたものである。本開示では房水内浮遊物を扱う実施形態について詳細に説明するが、別の浮遊物が対象である場合においても同様の構成で同様の動作を実行することができることは明らかである。本開示は、房水内浮遊物以外の浮遊物(眼科における評価対象となる又はなり得る浮遊物)を扱う実施形態を意識的に除外するものではない。
幾つかの態様は、被検眼に対して複数の光学系を移動しながら複数の並行的な撮影を繰り返し実行することによって前眼部の3次元領域から画像群を収集し、収集された複数の画像群に基づいてこの3次元領域における房水内浮遊物の評価を行うように構成される。シャインプルーフの条件を満足する光学系を用いた前眼部の3次元スキャン(つまり、前眼部の3次元領域からの画像収集)については、特許文献3(特開2019-213733号公報)を参照されたい。本開示に係る実施形態は、この3次元スキャンを利用したものであり、複数の光学系を用いた複数の並行的な撮影を互いに異なる撮影条件の下に実行すること、及び、この複数の並行的な撮影によって収集された複数の画像に基づき房水内浮遊物の評価を行うことを更なる特徴としている。
広く知られているように、シャインプルーフの条件は、対象物に照明光を投射する光学系(照明光学系)と対象物を撮影する光学系(撮影光学系)とに関する条件であり、物面とレンズ主面とフィルム面とが同一直線上で交差するように照明光学系及び撮影光学系が構成されていることを規定したものである。シャインプルーフの条件を満足する光学系は、物面がレンズ主面と平行でないため、シャインプルーフカメラによれば、近距離にあるものから遠距離にあるものまで広い深さ範囲にわたって同時に焦点を合わせて撮影を行うことができる。例えば、前眼部イメージングにおいては、少なくとも角膜前面から水晶体後面までの広い深さ範囲にピントを合わせて撮影を行うことができ、前眼部の主要な観察対象の全体を高精細に表現することが可能である。
本開示に係る実施形態において、シャインプルーフの条件を満足する光学系の個数は任意であってよい。上記のように、シャインプルーフの条件は、照明光学系と撮影光学系とのペアに関する条件であるから、本開示に係る実施形態における「光学系の個数」は、照明光学系と撮影光学系とのペアの個数であり、より具体的には、撮影光学系の個数である。
幾つかの例示的な態様では、照明光学系の個数(α個)と撮影光学系の個数(β個)とが等しく(α=β)、照明光学系と撮影光学系とのペアの個数もα個(=β個)である。
これに対し、幾つかの別の例示的な態様では、照明光学系の個数(α個)と撮影光学系の個数(β個)とが異なっている(α≠β)。照明光学系の個数が撮影光学系の個数よりも少ない場合(α<β)、少なくとも1つの照明光学系が2つ以上の撮影光学系によって共用されている。逆に、照明光学系の個数が撮影光学系の個数よりも多い場合(α>β)、少なくとも1つの撮影光学系が2つ以上の照明光学系を用いて撮影を行う。
本開示では、後述の例示的な態様において、以下の条件を満足する眼科装置について詳述するが、実施形態はこれに限定されるものではない:眼科装置は、少なくとも2つの光学系(少なくとも、第1の光学系及び第2の光学系)を含む;第1の光学系は、シャインプルーフの条件を満足するように構成された第1の照明光学系と第2の撮影光学系とを含む;第2の光学系は、シャインプルーフの条件を満足するように構成された第2の照明光学系と第2の撮影光学系とを含む;第1の照明光学系と第2の照明光学系とが共通である(つまり、第1の照明光学系と第2の照明光学系とが同じものである);第1の撮影光学系と第2の撮影光学系とが異なるものである。当業者であれば、本態様の説明によって、照明光学系の個数及び/又は撮影光学系の個数が本態様と異なる眼科装置の構成についても理解することができるであろう。
本開示に係る実施形態によって実行される、シャインプルーフの条件を満足する複数の光学系を用いた複数の並行的な撮影は、互いに異なる撮影条件の下に実行されるものである。撮影条件は、眼科イメージングにおいて採用可能な任意の条件であってよい。
なお、本開示で詳述される例示的な態様における撮影条件は後述の露光時間条件を少なくとも含んでいるが、実施形態はこれに限定されない。例えば、幾つかの例示的な態様における撮影条件は、露光時間条件と同じ又は類似の作用を奏する条件を含んでいてもよい。また、幾つかの例示的な態様の撮影条件は、露光時間条件と組み合わせることによって本開示に係る実施形態の品質向上(撮影の品質向上、撮影の効率向上、撮影が被検者及び/又は被検眼に与える負担の低減など)に寄与する条件を含んでいてもよい。
本開示に係る実施形態において採用可能な撮影条件の幾つかの例を説明する。撮影条件の種類としては、例えば、光学系に関する条件(光学系条件)、光学系の移動に関する条件(移動条件)、及び、これら以外の条件がある。
光学系条件の種類には、被検眼に照明光を投射するための照明光学系に関する条件(照明条件)、撮像素子を用いて被検眼を撮影するための撮影光学系に関する条件(露光条件)などがある。
照明条件の種類には、照明光の強度に関する条件(照明強度条件)、照明光の投射時間に関する条件(照明時間条件)などがある。照明光の投射時間は、被検眼に照明光が投射されている期間(投射期間)の長さである。本開示において、照明光の投射時間を照明時間と呼ぶことがある。
照明強度条件の例として、照明光を発する光源に関する条件(例えば、光源制御パルスの高さ)、照明光学系に設けられた減光フィルターに関する条件(例えば、2つ以上の減光フィルターの選択に関する条件、バリアブル減光フィルターの制御に関する条件)などがある。
照明時間条件の例として、照明光を発する光源に関する条件(例えば、光源制御パルスの幅)、照明光学系に設けられたシャッターに関する条件(例えば、シャッターの開放時間)などがある。
露光条件の種類として露光時間条件がある。露光時間条件は、例えば、撮像素子に関する条件(例えば、撮像素子の露光時間)、撮影光学系に設けられたシャッターに関する条件(例えば、シャッターの開放時間)などがある。露光時間は、撮像素子が光を受けることが可能な期間(露光期間)の長さである。
前述したように、また、後で詳述するように、本開示に係る幾つかの例示的な態様における撮影条件は露光時間条件を含んでいる。本開示に係る実施形態の眼科装置は、シャインプルーフの条件を満足する光学系(照明光学系と撮影光学系とのペア)を複数個含んでいる。以下、シャインプルーフの条件を満足する光学系が2つ設けられている場合について様々な事項を説明するが、シャインプルーフの条件を満足する光学系が3つ以上設けられている場合においてもそれらの事項が成立することは、当業者であれば理解することができるであろう。
それぞれがシャインプルーフの条件を満足する2つの光学系を第1の光学系及び第2の光学系と呼ぶ。つまり、第1の光学系はシャインプルーフの条件を満足し、且つ、第2の光学系はシャインプルーフの条件を満足する。第1の光学系を含む撮影ユニットを第1の撮影部と呼び、第2の光学系を含む撮影ユニットを第2の撮影部と呼ぶ。第1の撮影部は、第1の光学系に加えて、例えば、電気的又は電子的な要素(回路、接続線、コネクタなど)、第1の光学系に含まれる要素(光学素子など)を駆動する機構、金具などを含んでいる。第2の撮影部も同様である。
第1の撮影部(第1の光学系)と第2の撮影部(第2の光学系)とは、互いに異なる撮影条件の下に、時間的に並行して撮影を行う。すなわち、幾つかの例示的な態様は、第1の撮影条件での撮影(第1の撮影)を第1の撮影部によって実行しながら、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での撮影(第2の撮影)を第2の撮影部によって実行する。
幾つかの例示的な態様は、第1の露光時間条件での第1の撮影を第1の撮影部によって実行しながら、第1の露光時間条件と異なる第2の露光時間条件での第2の撮影を第2の撮影部によって実行する。例えば、第1の光学系及び第2の光学系は別々の撮像素子を含んでおり、第1の光学系の撮像素子を第1の撮像素子と呼び、第2の光学系の撮像素子を第2の撮像素子と呼ぶ。別の例において、第1の光学系は撮像素子の第1の領域を第1の撮像素子として使用し、第2の光学系は同じ撮像素子の第2の領域(第1の領域と異なる領域)を第2の撮像素子として使用するように構成されていてよい。
第1の露光時間条件は、第1の撮影部における第1の撮像素子の露光時間(第1の露光時間と呼ぶ)を含む。また、第2の露光時間条件は、第2の撮影部における第2の撮像素子の露光時間(第2の露光時間と呼ぶ)を含む。第2の撮影部のための第2の露光時間の値は、第1の撮影部のための第1の露光時間の値よりも大きく設定される。なお、3つ以上の撮影部が設けられている場合、3つ以上の撮影部にそれぞれ対応する3つ以上の露光時間は互いに異なる。
第1の露光時間の値及び第2の露光時間の値は、任意のパラメータに基づいて決定されてよく、例えば、検出目標とされる房水内浮遊物の特性(寸法、移動速度)、照明光の強度(光量)、照明光の投射時間などのパラメータに基づき決定されてよい。第1の露光時間の値及び/又は第2の露光時間の値は、一定でもよいし、可変でもよい。第1の露光時間の値及び/又は第2の露光時間について、複数の種類の房水内浮遊物にそれぞれ対応する複数の値が設けられていてもよい。被検眼の前眼部を準備的に撮影して得られた準備的画像を解析することによって第1の露光時間の値及び/又は第2の露光時間の値を決定してもよい。
移動条件は、シャインプルーフの条件を満足する光学系を用いた前眼部の3次元スキャンを実行する場合に使用される撮影条件である。移動条件の種類としては、光学系の移動範囲(スキャン範囲、スキャン開始位置、スキャン終了位置)、移動距離(スキャン距離)、移動速度(スキャン速度)、移動タイミング(スキャン開始タイミング、スキャン終了タイミングなど)、移動モード(連続的移動、断続的移動(間欠的移動)など)などがある。
光学系条件及び移動条件以外の条件には、2つ以上の条件の連係(同期)に関する条件、被検眼に関する条件などがある。
2つ以上の条件の連係に関する条件の例として、2つ以上の光学系条件の連係に関する条件、2つ以上の移動条件の連係に関する条件、1つ以上の光学系条件と1つ以上の移動条件との連係に関する条件などがある。
被検眼に関する条件の例として、固視に関する条件、造影剤の使用の有無に関する条件、散瞳剤の使用の有無に関する条件、眼の特性に関する条件などがある。この眼の特性は、眼画像の明るさに影響を与えるパラメータや、眼画像の明るさに影響を与える可能性のあるパラメータを含んでいてよく、その例として、瞳孔径、虹彩の色などがある。
本開示に係る実施形態は、上記したような撮影機能(イメージング)を実現するための制御を実行するように構成されていてよい。この制御は、例えば、光学系(照明光学系及び/又は撮影光学系)の制御、光学系以外の撮影部の要素の制御、及び、撮影部以外の要素の制御のうちの1つの制御又は2つ以上の制御の組み合わせを含んでいてよい。また、本開示に係る実施形態は、上記の撮影機能以外の機能を実現するための制御を実行可能に構成されてもよい。
照明光学系の制御は、任意の方式の制御であってよく、例えば、光源の制御(点灯/消灯)や電子シャッターの制御などの電気的制御でもよいし、機械式シャッターの制御や回転式シャッターの制御などの機械的制御でもよいし、電気的制御と機械的制御との組み合わせでもよい。なお、これらのシャッターは、照明光学系に設けられており、光源から出力された照明光の通過と遮蔽とを切り替えるように(つまり、被検眼に対する照明光の投射と不投射とを切り替えるように)機能する。
照明光学系の制御は、被検眼に対して照明光が投射されている状態(投射状態)と投射されていない状態(不投射状態)とを切り替えるための制御に限定されず、被検眼に投射される照明光の強度や光量を変調するための制御であってもよい。
なお、投射状態と不投射状態との切り替えは、被検眼に投射される照明光の強度を正値とゼロとに切り替えることに相当する。これに対し、強度変調は、被検眼に投射される照明光の強度を、互いに異なる第1の値と第2の値とに切り替えることに相当する。ここで、第1の値及び第2の値はいずれも非負値であり、第1の値及び第2の値のいずれか一方又は双方は正値である。したがって、投射状態と不投射状態との切り替えは、強度変調の1つの例に相当するものと言える。
撮影光学系の制御は、任意の方式の制御であってよく、例えば、撮像素子の制御や電子シャッターの制御などの電気的制御でもよいし、機械式シャッターの制御や回転式シャッターの制御などの機械的制御でもよいし、電気的制御と機械的制御との組み合わせでもよい。
本開示に係る実施形態は、以上に説明したような撮影方式、つまり、シャインプルーフの条件を満足する複数の光学系を用いた複数の並行的な撮影を互いに異なる撮影条件の下に実行し、それにより取得された複数の画像に基づき房水内浮遊物の評価を行うように構成されている。房水内浮遊物の評価については、その非限定的な幾つかの例を、後述する幾つかの例示的な態様において説明する。
以上に概要を説明した実施形態について幾つかの例示的な態様を説明する。本開示では、眼科装置の例示的な態様、眼科装置を制御する方法の例示的な態様、プログラムの例示的な態様、及び記録媒体の例示的な態様について主に説明するが、実施形態の態様はこれらに限定されるものではない。例えば、医療方法の様々な態様、撮影方法の様々な態様、データ処理方法の様々な態様などが本開示によって提供されることは、当業者であれば理解することができるであろう。
<眼科装置>
実施形態に係る眼科装置の幾つかの例示的な態様を提供する。
実施形態の1つの態様に係る眼科装置の構成を図1に示す。本態様の眼科装置1000は、撮影部1100と、制御部1200と、評価処理部1300と、移動機構1400とを含んでいる。
撮影部1100は、シャインプルーフの条件を満足する光学系を用いて被検眼の前眼部を撮影することによりデジタル画像(シャインプルーフ画像)を生成する。撮影部1100は、第1の撮影部1110及び第2の撮影部1120を含んでいる。
第1の撮影部1110は、シャインプルーフの条件を満足する光学系(第1の光学系)1111を含んでいる。第1の光学系1111は、デジタル画像を生成するための撮像素子(第1の撮像素子)1112を含んでいる。第1の撮影部1110の構成については、その幾つかの非限定的な具体例を後述する。第1の撮影部1110は、予め設定された撮影条件(第1の撮影条件)での撮影を被検眼の前眼部に適用する。第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110により実行される撮影を第1の撮影と呼ぶ。第1の撮影により生成される画像を第1の画像と呼ぶ。
第2の撮影部1120は、シャインプルーフの条件を満足する光学系(第2の光学系)1121を含んでいる。第2の光学系1121は、デジタル画像を生成するための撮像素子(第2の撮像素子)1122を含んでいる。第2の撮影部1120の構成については、その幾つかの非限定的な具体例を後述する。第2の撮影部1120は、予め設定された撮影条件(第2の撮影条件)での撮影を被検眼の前眼部に適用する。第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120により実行される撮影を第2の撮影と呼ぶ。第2の撮影により生成される画像を第2の画像と呼ぶ。
このように、本態様において、第1の撮影部1110の構成と第2の撮影部1120の構成とは(実質的に)同じである。なお、幾つかの例示的な態様では、第1の撮影部の構成と第2の撮影部の構成とが異なっていてもよい。
また、幾つかの例示的な態様では、第1の撮影部における第1の光学系の一部と、第2の撮影部における第2の光学系の一部とが共通であってもよい。例えば、共通の対物レンズを第1の光学系の対物レンズ及び第2の光学系の対物レンズとした構成を採用してもよい。また、第1の光学系と第2の光学系との共通の光路により導かれた光を2つに分岐してそれぞれ第1の撮像素子及び第2の撮像素子で検出する構成を採用してもよい。第1の光学系と第2の光学系とを部分的に共通にした構成はこれらの例に限定されない。
第1の撮影と第2の撮影とは並行して実行される。また、第1の撮影条件と第2の撮影条件とは互いに異なる。本態様において、第1の撮影条件は、第1の撮像素子1112の露光時間(第1の露光時間)の値を含み、且つ、第2の撮影条件は、第2の撮像素子1122の露光時間(第2の露光時間)の値を含んでいる。本態様では、第2の露光時間は第1の露光時間よりも長いものとする。
前述したように第1の撮影部1110の構成と第2の撮影部1120の構成とは実質的に同じであることを考慮すると、第2の露光時間が第1の露光時間よりも長いと仮定しても一般性は失われない。なお、第1の撮影部の構成と第2の撮影部の構成とが実質的に相違するような態様においては、一方の撮影部の露光時間と他方の撮影部の露光時間との関係が非対称になるケースも想定されるが、本態様がそのようなケースも含んでいることは本開示から明らかである。
制御部1200は、眼科装置1000の各部の制御を行うように構成されている。図1に示すように、制御部1200は、所定の撮影条件に基づく撮影部1110の制御、評価処理部1300の制御、移動機構1400の制御などを実行する。
図示は省略するが、制御部1200は、眼科装置1000の任意の要素の制御、及び/又は、眼科装置1000の周辺機器の制御を行うように構成されていてもよい。そのような眼科装置1000の要素及び/又は周辺機器の例として、ユーザーインターフェイス、通信機器、撮影部1100以外の要素、被検眼の検査を行うための要素、眼科装置1000を含むシステムにおける別の装置、眼科装置1000とともに使用される別の装置などがある。
制御部1200は、プロセッサ、記憶装置などのハードウェア要素を含む。記憶装置には、制御プログラム等のコンピュータプログラムが記憶されている。制御部1200の機能は、制御プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。
本態様において、制御部1200は、撮影部1100を制御することによって、第1の撮影部1110による第1の撮影と第2の撮影部1120による第2の撮影とを並行的に且つ互いに異なる撮影条件で実行させる。すなわち、本態様の制御部1200は、撮影部1100を制御することによって、第1の撮影条件での第1の撮影を第1の撮影部1110に実行させながら、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第2の撮影部1120に実行させる。より具体的には、本態様の制御部1200は、撮影部1100を制御することによって、第1の撮像素子1112の露光時間が第1の露光時間に設定された第1の撮影を第1の撮影部1110に実行させながら、第2の撮像素子1122の露光時間が第1の露光時間よりも長い第2の露光時間に設定された第2の撮影を第2の撮影部1120に実行させる。
露光時間が異なる2つの撮影を並行して行うことによって、比較的短い期間における房水内浮遊物の動きが描出された画像と、比較的長い期間における房水内浮遊物の動きが描出された画像とが取得される。本態様では、第1の撮影部1110により生成される第1の画像が、比較的短い期間における房水内浮遊物の動きが描出された画像であり、第2の撮影部1120により生成される第2の画像が、比較的長い期間における房水内浮遊物の動きが描出された画像である。本態様の眼科装置1000は、このような2つの画像を比較することによって房水内浮遊物の評価を行うという、新規な機能を有している。この評価処理については後述する。
移動機構1400は、撮影部1100(少なくとも、第1の光学系1111及び第2の光学系1121)を移動するように構成されている。なお、移動機構1400は、撮影部1100の移動と同等の機能を有する機構(換言すると、撮影部1110の移動と同じ作用を奏する機構)を含んでいてもよい。そのような機構の例として、照明光(スリット光)を偏向することによって照明位置を移動する機構(照明スキャナー、可動照明ミラー)、被検眼から撮影部1100に向かう光を偏向することによって撮影位置を移動する機構(撮影スキャナー、可動撮影ミラー)などがある。
制御部1200は、撮影部1100の制御(第1の撮影部1110の制御及び第2の撮影部1120の制御)と移動機構1400の制御とを組み合わせて実行することにより、第1の画像と第2の画像との複数のペアを第1の撮影部1110及び第2の撮影部1120に生成させる。換言すると、制御部1200が第1の撮影部1110の制御と第2の撮影部1120の制御と移動機構1400の制御とを組み合わせることによって、被検眼の前眼部の3次元領域のスキャン(前眼部スキャン)、つまり被検眼の前眼部の3次元領域からの画像収集を実行する。前眼部スキャンは、前眼部に対する第1の光学系1111及び第2の光学系1121の位置を変えながら、第1の撮影部1110による第1の撮影と第2の撮影部1120による第2の撮影とのペア動作を複数回行うイメージングモードである。これにより、前眼部の異なる複数の部分がそれぞれ描出された複数の画像ペア(第1の画像と第2の画像とのペアが複数個)が得られる。
制御部1200が撮影部1110の制御と移動機構1400の制御とを組み合わせて実行することにより実施される前眼部スキャンの態様について、幾つかの例を以下に説明する。
図2Aに示すスキャンは、光源の発光(照明光の出力、被検眼に対する照明光の投射)と、カメラA(第1の撮像素子1112)の露光と、カメラB(第2の撮像素子1122)の露光と、スキャン位置(移動される撮影部1100の位置)との連係的な制御(同期制御)によって実現されるものである。
より具体的には、図2Aのスキャンは、照明光を連続的に出力させる制御と、比較的短い露光時間(第1の露光時間)「a」での第1の撮像素子1112の露光を反復的に実行させる制御と、比較的長い露光時間(第2の露光時間)「b」での第2の撮像素子1122の露光を反復的に実行させる制御と、スキャン開始位置からスキャン終了位置まで撮影部1100を連続的に移動させる制御とを同期的に組み合わせたものである。ここで、第1の露光時間「a」及び第2の露光時間「b」は、図2Cに示されている。
第1の撮像素子1112の反復的な露光は、第1の露光時間での露光と電荷転送(及び露光待機)とを交互に繰り返すことによって行われる。同様に、第2の撮像素子1122の反復的な露光は、第2の露光時間での露光と電荷転送(及び露光待機)とを交互に繰り返すことによって行われる。
図2Aのスキャンによれば、照明光の制御がシンプルであり、比較的簡便な同期制御によってスキャンを実現可能であるという利点がある。
図2Aのスキャンにおいて、2つの撮像素子1112及び1122の露光タイミングに応じて照明光の強度(光量)を変調することができる。例えば、第1の撮像素子1112の露光期間には照明光の強度を比較的高くするとともに、第2の撮像素子1122の露光期間には照明光の強度を比較的低くするように、照明光の強度変調を行うことによって、比較的短い露光時間で第1の撮像素子1112により得られる画像の明るさを増加させて像の明瞭化・高精細化を図るとともに、比較的長い露光時間で第2の撮像素子1122により得られる画像の明るさの飽和を防止することができる。
図2Bに示すスキャンは、第1の撮像素子1112の露光制御、第2の撮像素子1122の露光制御、及びスキャン位置の制御については図2Aのスキャンと同じ要領で実行されるが、光源の発光制御については、照明光を連続発光する図2Aのスキャンと異なり、照明光を断続的に出力(パルス発光)している。
より具体的には、図2Bのスキャンは、照明光を断続的に出力させる制御と、比較的短い露光時間(第1の露光時間)「a」での第1の撮像素子1112の露光を反復的に実行させる制御と、比較的長い露光時間(第2の露光時間)「b」での第2の撮像素子1122の露光を反復的に実行させる制御と、スキャン開始位置からスキャン終了位置まで撮影部1100を連続的に移動させる制御とを同期的に組み合わせたものである。ここで、第1の露光時間「a」及び第2の露光時間「b」は、図2Cに示されている。
図2Bのスキャンによれば、図2Aのスキャンの場合と比較して、同期制御が煩雑になるという不利点はあるものの、被検眼に照明光が投射されている時間を短くすることができ、被検者に与える負担を軽減することができるという利点がある。
図2Aのスキャンの場合と同様に、図2Bのスキャンにおいても、2つの撮像素子1112及び1122の露光タイミングに応じて照明光の強度(光量)を変調するようにしてもよい。
図2Dに示すスキャンは、照明光の発光制御、第1の撮像素子1112の露光制御、及び第2の撮像素子1122の露光制御については図2Aのスキャンと同じ要領で実行されるが、スキャン位置の制御については、撮影部1100を連続的に移動する図2Aのスキャンと異なり、撮影部1100を断続的に移動している。
より具体的には、図2Dのスキャンは、照明光を連続的に出力させる制御と、比較的短い露光時間(第1の露光時間)「a」での第1の撮像素子1112の露光を反復的に実行させる制御と、比較的長い露光時間(第2の露光時間)「b」での第2の撮像素子1122の露光を反復的に実行させる制御と、スキャン開始位置からスキャン終了位置まで撮影部1100を断続的に移動させる制御とを同期的に組み合わせたものである。ここで、第1の露光時間「a」及び第2の露光時間「b」は、図2Cに示されている。
図2Eに示すスキャンは、照明光の発光制御、第1の撮像素子1112の露光制御、及び第2の撮像素子1122の露光制御については図2Bのスキャンと同じ要領で実行されるが、スキャン位置の制御については、撮影部1100を連続的に移動する図2Bのスキャンと異なり、撮影部1100を断続的に移動している。
より具体的には、図2Eのスキャンは、照明光を断続的に出力させる制御と、比較的短い露光時間(第1の露光時間)「a」での第1の撮像素子1112の露光を反復的に実行させる制御と、比較的長い露光時間(第2の露光時間)「b」での第2の撮像素子1122の露光を反復的に実行させる制御と、スキャン開始位置からスキャン終了位置まで撮影部1100を断続的に移動させる制御とを同期的に組み合わせたものである。ここで、第1の露光時間「a」及び第2の露光時間「b」は、図2Cに示されている。
図2Dに示すスキャン及び図2Eに示すスキャンのように撮影部1100を断続的に移動させる場合、同期制御の煩雑さが増加すること、撮影部1100の急発進及び急停止の繰り返しに起因する振動が発生するおそれがあることなどの不利点があるものの、撮影部1100を停止した状態で各撮影を行うことができるため、撮影部1100の移動に起因する像のぼやけやブレが生じないという利点がある。
以上、本態様の前眼部スキャンの態様について幾つかの例を説明したが、前眼部スキャンの態様はこれらに限定されるものではない。また、上記した利点及び不利点などに基づいて、前眼部に適用するスキャンの態様を選択することや、2つ以上のスキャン態様を少なくとも部分的に組み合わせることが可能である。
なお、幾つかの例示的な態様では、スキャン(光学系の移動)を行うことなく、光学系を静止させた状態で取得した2つ以上の画像(つまり、同じ光学系位置で取得された2つ以上の画像)に基づいて房水内浮遊物の評価を行うことができる。このような非スキャン方式の撮影及び評価は、本態様の眼科装置1000のように移動機構を具備した眼科装置でも、移動機構を具備しない眼科装置でも実行することが可能である。移動機構を具備した眼科装置においては、スキャン方式の撮影及び評価を実行するモードと、非スキャン方式の撮影及び評価を実行するモードとを、選択することが可能であってもよい。
評価処理部1300は、第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110が実施した第1の撮影によって生成された第1の画像と、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120が実施した第2の撮影によって生成された第2の画像とに基づいて、被検眼の前眼部(前房)における房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されている。
評価情報は、房水内浮遊物に関する任意の情報であってよい。例えば、評価情報は、房水内浮遊物の状態を示す任意の事項に関する情報、房水内浮遊物の状態に基づき把握される任意の事項に関する情報などを含んでいてもよい。また、評価情報は、数値情報(所定のパラメータの値など)、判断結果を示す情報(特定の疾患の病態を示すグレード、特定の疾患の進行度を示すグレード、特定の疾患の疑いの有無・確率など)、判断結果の導出に使用されたデータを示す情報、これらのいずれかの情報を視覚化した情報などを含んでいてもよい。
評価処理部1300は、プロセッサ、記憶装置などのハードウェア要素を含む。記憶装置には、評価処理プログラム等のコンピュータプログラムが記憶されている。評価処理部1300の機能は、評価処理プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。
評価処理部1300の幾つかの例示的な態様(幾つかの構成例、幾つかの処理例など)について、以下に説明する。
図3に示す1つの例示的な態様において、評価処理部1300は、浮遊物像検出部1310と、評価情報生成部1320とを含んでいる。浮遊物像検出部1310の機能は、浮遊物像検出プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。また、評価情報生成部1320の機能は、評価情報生成プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。
浮遊物像検出部1310は、同じ房水内浮遊物に対応する第1の画像中の第1の浮遊物像及び第2の画像中の第2の浮遊物像を検出するように構成されている。より詳細には、浮遊物像検出部1310は、第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110が実施した第1の撮影によって生成された第1の画像から房水内浮遊物の像(第1の浮遊物像)を検出し、且つ、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120が実施した第2の撮影によって生成された第2の画像からから同じ房水内浮遊物の像(第2の浮遊物像)を検出するように構成されている。
評価情報生成部1320は、浮遊物像検出部1310により検出された同じ房水内浮遊物に対応する第1の浮遊物像と第2の浮遊物像とのペアに基づいて、この房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されている。
前述したように、第1の撮影と第2の撮影とは並行して実行される。例えば図2A~図2Eに示す例では、第1の撮影のための第1の撮像素子1112の露光期間(第1の露光期間)は、第2の撮影のための第2の撮像素子1122の露光期間(第2の露光期間)の一部に対応している。また、第1の撮影部1110の構成、第2の撮影部1120の構成、及び、第1の撮影部1110と第2の撮影部1120との間の相対的な位置関係は、既知である。したがって、第1の画像の画素の位置(座標)と、第2の画像の画素の位置(座標)との間の対応関係を決定することができる。つまり、第1の画像における画素位置を定義するための座標系と、第2の画像における画素位置を定義するための座標系との間の座標変換を決定することができる。浮遊物像検出部1310は、この対応関係(座標変換)を用いることによって、同じ房水内浮遊物の像を双方の画像から検出するように構成されていてよい。
幾つかの例示的な態様において、浮遊物像検出部1310は、まず、第1の画像において前房に相当する前房領域を特定するための画像セグメンテーションを実行し、更に、この前房領域中の浮遊物像を特定するための画像セグメンテーションを実行する。これらの画像セグメンテーションは、機械学習ベースの処理若しくは非機械学習ベースの処理であってよく、又は、機械学習ベースの処理及び非機械学習ベースの処理の組み合わせであってもよい。
これにより、第1の画像から1つ以上の浮遊物像が検出される。典型的には、第1の画像から複数の浮遊物像が検出される。第1の画像から検出された浮遊物像の集合を第1の像集合と呼ぶ。同様に、第2の画像から検出された浮遊物像の集合である第2の像集合が検出される。
更に、浮遊物像検出部1310は、第1の画像の画素の位置(座標)と第2の画像の画素の位置(座標)との間の既知の対応関係(座標変換)に基づいて、第1の像集合と第2の像集合との間の位置的対応関係を決定する。この位置的対応関係は、第1の像集合の要素(第1の浮遊物像)と第2の像集合の要素(第2の浮遊物像)との間のペアリング関係を表す情報である。つまり、この位置的対応関係により、1つの第1の浮遊物像と1つの第2の浮遊像とのペアが決定され、換言すると、実質的に同じ位置に存在する浮遊物の2つの像が決定され、更に換言すると、同じ浮遊物の2つの像が決定される。
本態様の評価情報生成部1320は、上記の位置的対応関係によって決定された同じ浮遊物の像のペア(第1の浮遊物像と第2の浮遊物像とのペア)に基づいて、このペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されていてよい。
幾つかの別の例示的な態様において、浮遊物像検出部1310は、まず、第1の画像において前房に相当する前房領域を特定するための画像セグメンテーションを実行し、更に、この前房領域中の浮遊物像を特定するための画像セグメンテーションを実行する。これにより、第1の画像から1つ以上の浮遊物像が検出される。第1の画像から検出された浮遊物像の1つを第1の浮遊物像と呼ぶ。
次に、浮遊物像検出部1310は、第1の画像から検出された第1の浮遊物像の座標を求める。第1の浮遊物像の座標は、例えば、第1の浮遊物像の重心の座標、第1の浮遊物像の中心の座標、第1の浮遊物の輪郭上の1つ以上の点の座標、第1の浮遊物像の輪郭の近似図形の代表位置の座標(例えば、近似楕円の中心、近似円の中心など)、及び、第1の浮遊物像の輪郭上の1つ以上の点の座標のうちのいずれかであってよい。
次に、浮遊物像検出部1310は、第1の画像の画素の位置(座標)と第2の画像の画素の位置(座標)との間の既知の対応関係(座標変換)に基づいて、第1の浮遊物像の座標に対応する位置の浮遊物像を第2の画像から検出する。なお、本態様では第1の露光時間よりも第2の露光時間の方が長いと仮定されているから、浮遊物像検出部1310は、第1の浮遊物像の座標に対応する第2の画像中の位置(座標)を含むように存在する浮遊物像を、第1の浮遊物像と同じ浮遊物に対応する第2の画像中の浮遊物像(第2の浮遊物像)として検出する。
本態様の評価情報生成部1320は、このようにして決定された同じ浮遊物の像のペア(第1の浮遊物像と第2の浮遊物像とのペア)に基づいて、このペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されていてよい。
幾つかの別の例示的な態様において、浮遊物像検出部1310は、まず、第2の画像において前房に相当する前房領域を特定するための画像セグメンテーションを実行し、更に、この前房領域中の浮遊物像を特定するための画像セグメンテーションを実行する。これにより、第2の画像から1つ以上の浮遊物像が検出される。第2の画像から検出された浮遊物像の1つを第2の浮遊物像と呼ぶ。
次に、浮遊物像検出部1310は、第2の画像から検出された第2の浮遊物像の座標を求める。第2の浮遊物像の座標は、例えば、第2の浮遊物像の重心の座標、第2の浮遊物像の中心の座標、第2の浮遊物の輪郭上の1つ以上の点の座標、第2の浮遊物像の輪郭の近似図形の代表位置の座標、及び、第2の浮遊物像の輪郭上の1つ以上の点の座標のうちのいずれかであってよい。
次に、浮遊物像検出部1310は、第1の画像の画素の位置(座標)と第2の画像の画素の位置(座標)との間の既知の対応関係(座標変換)に基づいて、第2の浮遊物像の座標に対応する位置の浮遊物像を第1の画像から検出する。なお、本態様では第1の露光時間よりも第2の露光時間の方が長いと仮定されているから、浮遊物像検出部1310は、例えば、第2の浮遊物像の座標に対応する第1の画像中の位置(座標)を含むように存在する浮遊物像、又は、第2の浮遊物像の座標に対応する第1の画像中の位置(座標)の最も近くに存在する浮遊物像を、第2の浮遊物像と同じ浮遊物に対応する第1の画像中の浮遊物像(第1の浮遊物像)として検出する。
本態様の評価情報生成部1320は、このようにして決定された同じ浮遊物の像のペア(第1の浮遊物像と第2の浮遊物像とのペア)に基づいて、このペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成するように構成されていてよい。
評価処理部1300が実行する処理について、幾つかの例を説明する。
図4A~図4Dを参照して、評価処理部1300が実行する処理の第1の例を説明する。本例の評価処理部1300は、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120が実施した第2の撮影によって生成された第2の画像に基づいて、房水内浮遊物の移動方向を推定するように構成されている。房水内浮遊物の移動方向は評価情報の1つの例である。
図4Aに示す画像2100は、第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110が実施した第1の撮影によって生成された第1の画像であり、画像2200は、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120が実施した第2の撮影によって生成された第2の画像である。ここで、第1の撮影と第2の撮影とは並行して行われたものである。
図4Aにおいて、「Z」は被検眼の軸に沿う方向(Z方向)を示し、「X」はZ方向に直交する方向のうち被検者にとって左右の方向(水平方向、X方向)を示し、「Y」はX方向及びZ方向の双方に直交する方向(上下方向、体軸方向、Y方向)を示す。他の図面(図4B~図4Dなど)においても同様である。
符号2110は、浮遊物像検出部1310により第1の画像2100から検出された房水内浮遊物の像(第1の浮遊物像)を示し、符号2210は、浮遊物像検出部1310により第2の画像2200から検出された同じ房水内浮遊物の像(第2の浮遊物像)を示す。なお、第1の浮遊物像2110は、房水内浮遊物の像の近似図形(例えば、近似円、近似楕円など)であってもよく、第2の浮遊物像2210は、同じ房水内浮遊物の像の近似図形(例えば、近似円、近似楕円など)であってもよい。
本例の評価情報生成部1320は、第2の画像2200から評価情報を生成する。まず、評価情報生成部1320は、浮遊物像検出部1310により第2の画像2200から検出された第2の浮遊物像2210を解析することにより、第2の浮遊物像2210の最大寸法を求める。
最大寸法は、第2の浮遊物像2210の境界(輪郭、外縁、エッジ)上の2点間の距離の最大値である。換言すると、最大寸法は、第2の浮遊物像2210の境界上の2点を結ぶ線分の長さの最大値である。第2の浮遊物像2210が円形である場合、その最大寸法は円の直径の長さである。第2の浮遊物像2210が楕円形である場合、その最大寸法は楕円の長軸の長さである。図4Bの符号2220は、楕円形の第2の浮遊物像2210の長径を示している。
更に、本例の評価情報生成部1320は、第2の浮遊物像2210の最大寸法を定義する線分に沿う方向を当該房水内浮遊物の移動方向とする。換言すると、本例の評価情報生成部1320は、第2の浮遊物像2210の最大寸法を定義する第2の浮遊物像2210の境界上の2点を通過する直線の向きを当該房水内浮遊物の移動方向とする。図4Cの符号2230は、図4Bに示す楕円形の第2の浮遊物像2210の長径2220に対応する、房水内浮遊物の移動方向を示している。
図4Dの符号2110aは、図4Aに示す第1の画像2100中の第1の浮遊物像2110を第1の画像2100と第2の画像2200との間の座標変換によって第2の画像2200に写した像(領域)を示す。
本例では、図2A~図2Eに示すように、第1の撮影のための第1の撮像素子1112の露光期間(第1の露光期間)は、第2の撮影のための第2の撮像素子1122の露光期間(第2の露光期間)の初期部分に相当しているものとする。
この場合、図4Dに示す第2の画像2200中の領域2110aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の初期位置と推定される領域(初期位置領域)である。一方、図4Dに示す第2の画像2200中の領域2110bは、第2の露光期間における房水内浮遊物の終期位置と推定される領域(終期位置領域)である。
評価情報生成部1320により求められた移動方向2230(図4C)は、初期位置領域2110aから終期位置領域2110bに向かう方向を示している。このように、移動方向2230は、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動状態を表す情報である。
以上で、評価処理部1300が実行する処理の第1の例(第2の画像に基づく房水内浮遊物の移動方向の推定)の説明を終える。
次に、評価処理部1300が実行する処理の第2の例を説明する。本例の評価処理部1300は、第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110が実施した第1の撮影によって生成された第1の画像と、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120が実施した第2の撮影によって生成された第2の画像とに基づいて、房水内浮遊物の移動ベクトルを推定するように構成されている。移動ベクトルは、房水内浮遊物の移動方向及び移動量(移動距離)を含み、評価情報の1つの例である。
図5Aは、本例において処理される第1の画像2300及び第2の画像2400を示している。本例の浮遊物像検出部1310は、第1の画像2300中の第1の浮遊物像2310と、第2の画像2400中の第2の浮遊物像2410とを検出する。本例の評価情報生成部1320は、浮遊物像検出部1310により検出された第1の浮遊物像2310及び第2の浮遊物像2410に基づいて、この房水内浮遊物の移動ベクトルを推定する。
幾つかの例示的な態様において、評価情報生成部1320は、第1の浮遊物像2310の特徴点を求め、第1の浮遊物像2310の特徴点及び第2の浮遊物像2410に基づいて房水内浮遊物の移動ベクトルを推定するように構成されてよい。
第1の浮遊物像2310の特徴点は、第1の浮遊物像2310の代表点であってよく、例えば、中心、重心、境界上の1つ以上の点などであってよい。図5Bの符号2320は、第1の浮遊物像2310の特徴点の1つの例を示している。以下、この例示的な特徴点2320を用いて説明する。
より具体的な態様において、評価情報生成部1320は、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する第2の浮遊物像2410中の位置を特定し、特定された第2の浮遊物像2410中の位置(特徴点2320に対応する第2の浮遊物像2410中の位置)に基づいて房水内浮遊物の移動ベクトルを推定するように構成されていてよい。
図5Cの符号2320aは、第1の浮遊物像2310の特徴点2320を第1の画像2300と第2の画像2400との間の座標変換によって第2の画像2400に写した像の位置を示す。本例の評価情報生成部1320は、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する第2の浮遊物像2410中の位置2320aに基づいて房水内浮遊物の移動ベクトルを推定する。
更に具体的な態様において、評価情報生成部1320は、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する第2の浮遊物像2410中の位置2320aに加えて、第1の撮像素子1112の露光期間(第1の撮影における露光期間、第1の露光期間)と第2の撮像素子1122の露光期間(第2の撮影における露光期間、第2の露光期間)との間のタイミング関係に基づいて、房水内浮遊物の移動ベクトルを推定するように構成されていてよい。
前述したように、第1の露光期間は第2の露光期間の一部(部分期間)に相当する。第1の露光期間と第2の露光期間との間のタイミング関係(露光タイミング関係)は、第2の露光期間における第1の露光期間の(時間的な)位置、つまり、第2の露光期間における上記部分期間の位置を表す情報である。第1の露光期間に対応する部分期間の位置は、例えば、当該部分期間における任意の時点によって定義されてよく、例えば、第1の露光期間の開始時点、中間時点、又は終了時点によって定義されてよい。
本例の評価情報生成部1320は、例えば、前述した第1の例と同様に、第2の画像2400における第2の浮遊物像2410に基づいて房水内浮遊物の移動方向を推定することができる。
一方、房水内浮遊物の移動量(移動距離)の推定においては、例えば、評価情報生成部1320は、第2の浮遊物像2410と、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する第2の浮遊物像2410中の位置2320aと、露光タイミング関係とが参照される。
具体的には、評価情報生成部1320は、露光タイミング関係に示された第1の露光期間と第2の露光期間との間の時間的な位置関係に基づいて、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aが、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動のどの時点(移動ルートのどの地点)を表しているか決定する。
図2A~図2Eに示すように第1の露光期間が第2の露光期間の初期に相当する場合、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動の開始時点(移動ルートの起点)を表している。また、第1の露光期間が第2の露光期間の終期に相当する場合、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動の終了時点(移動ルートの終点)を表している。また、第1の露光期間が第2の露光期間の中央時点に相当する場合、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動の中央時点(移動ルートの中央点)を表している。一般に、第1の露光期間が第2の露光期間の開始時点(0パーセント時点)から終了時点(100パーセント時点)までの間のpパーセント時点に相当する場合(0≦p≦100)、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動の開始時点から終了時点までの間のpパーセント時点(移動ルートの起点から終点までの間のpパーセント地点)を表している。このようにして決定される時点(地点)を対応時点(対応地点)と呼ぶことにする。
次に、評価情報生成部1320は、上記のようにして決定された対応時点と、第2の浮遊物像2410の拡がり(範囲、境界)と、房水内浮遊物の移動方向とに基づいて、房水内浮遊物の移動量を推定することができる。
第1の露光期間が第2の露光期間の初期に相当する場合について、図5D及び図5Eを更に参照して説明する。この場合、第1の浮遊物像2310の特徴点2320に対応する位置2320aは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動ルートの起点を表す。
評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の移動方向と、第2の浮遊物像2410の拡がり(範囲、境界)とに基づいて、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動の終了時点(移動ルートの終点)を推定することができる。
例えば、図5Dに示すように、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の移動方向に沿う直線2420と第2の浮遊物像2410の境界との2つの交点2410a及び2410bを求める。本例では、房水内浮遊物の移動ルートの起点(位置2320a)に近い側に第1の交点2410aが位置している。評価情報生成部1320は、位置2320aと第1の交点2410aとの間の距離Dを求める。
更に、評価情報生成部1320は、第2の交点2410bから直線2420に沿って位置2320a(第1の交点2410a)の方向に距離Dだけ変位した位置2320bを求める。この位置2320bは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動ルートの終点と推定される。
評価情報生成部1320は、位置2320aと位置2320bとの間の距離を算出する。この距離は、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動距離と推定される。図5Eに示す符号2430は、第2の露光期間における房水内浮遊物の推定移動ベクトルである。この移動ベクトルは、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動方向及び移動量を表す情報であり、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動状態を表す情報である。
なお、第1の露光期間が第2の露光期間の終期に相当する場合や、第1の露光期間が第2の露光期間の中央時点に相当する場合、一般に、第1の露光期間が第2の露光期間の任意の部分期間に対応する場合においても、第2の露光期間における房水内浮遊物の移動ベクトルを上記方法と同様の方法によって求めることが可能である。
以上で、評価処理部1300が実行する処理の第2の例(第1の画像及び第2の画像に基づく房水内浮遊物の移動ベクトルの推定)の説明を終える。
以上に説明した第1の例及び第2の例を実現するために採用可能な眼科装置の1つの構成例を図6に示す。本例の眼科装置1000Aは、図1の眼科装置1000に照明系1130を付加したものである。
照明系1130は、撮影部1100に含まれており、被検眼の前眼部にスリット光を投射するように構成されている。本例では、第1の撮影部1110及び第2の撮影部1120は単一の照明系1130を共用しているが、前述したように、第1の撮影部1110のための照明系と第2の撮影部1120のための照明系とが別々に設けられていてもよい。照明系1130については、幾つかの非限定的な具体例を後述する。
スリット光のビーム形状(ビームの断面形状)の長手方向は所定の方向に一致されており、例えばY方向に一致されている。移動機構1400は、第1の撮影部1110、第2の撮影部1120、及び照明系1130を一体的に移動するように構成されている。移動方向は、例えば、スリット光のビーム形状の長手方向に直交する方向であり、例えばX方向である。これにより、被検眼の前眼部の3次元領域をスキャンして一連のシャインプルーフ画像を収集することができる。このような3次元スキャンについては、特許文献3(特開2019-213733号公報)を参照されたい。
なお、本態様の3次元スキャンによれば、第1の撮影部1110により収集される一連のシャインプルーフ画像(複数の第1の画像)と、第1の撮影部1120により収集される一連のシャインプルーフ画像(複数の第2の画像)とが得られる。換言すると、本態様の3次元スキャンによれば、第1の画像と第2の画像との複数のペア、すなわち前眼部の異なる複数の部分がそれぞれ描出された複数の画像ペアが得られる。
本態様の眼科装置1000Aにより取得される各シャインプルーフ画像(第1の画像、第2の画像)は、スリット光のビーム形状の長手方向に沿う座標軸と、被検眼に対するスリット光の投射方向に沿う座標軸とにより張られる2次元座標系で表現される前眼部の断面を表現した画像である。スリット光のビーム形状の長手方向がY方向であり、且つ、スリット光の投射方向がZ方向である場合、本態様の眼科装置1000Aは、例えば、図4Aに示す第1の画像2100と第2の画像2200とのペア(図5Aに示す第1の画像2300と第2の画像2400とのペア)のような画像ペアを取得することができる。
更に、本態様の眼科装置1000Aは、第1の撮影部1110、第2の撮影部1120、及び照明系1130をX方向に移動して3次元スキャンを行うことによって、X方向に配列された複数の断面にそれぞれ対応する複数の画像ペアを収集することができる。
評価処理部1300は、3次元スキャンにより収集された複数の画像ペアのそれぞれに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成することができる。これにより、前眼部の複数の断面(例えば、YZ断面)における房水内浮遊物の評価情報を生成することができる。すなわち、被検眼の3次元領域における房水内浮遊物の評価情報を生成することが可能である。
更に、評価処理部1300は、複数のペアに基づき生成された前眼部の複数の断面における複数の評価情報に基づいて、房水内浮遊物に関する所定の評価値の3次元分布を生成することができる。この評価値は、本開示において説明される任意の種類の評価値であってよい。生成された3次元分布から視覚的情報(例えば、カラーマップ)を作成して表示することができる。また、生成された3次元分布を解析することができる。
また、本態様の眼科装置1000Aは、照明系1130によりスリット光が投射されている前眼部にスリット光を投射しつつ、第1の撮影部1110による第1の撮影条件での第1の撮影と、第2の撮影部1120による第2の撮影条件での第2の撮影とを並行して行うことができる。
更に、本態様の眼科装置1000Aは、評価処理部1300により、スリット光の投射とともに実行された第1の撮影及び第2の撮影によって生成された第1の画像と第2の画像とのペアに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成することができる。
より具体的には、本態様の眼科装置1000Aの浮遊物像検出部1310は、第1の画像から第1の浮遊物像を検出し、第2の画像から第2の浮遊物像を検出することができる。更に、本態様の眼科装置1000Aの評価情報生成部1320は、第1の画像から検出された第1の浮遊像と第2の画像から検出された第2の浮遊物像とに基づいて、照明系1130により前眼部に適用されるスリット光の投射方向である第1の方向(例えば、Z方向)における房水内浮遊物の移動量と、このスリット光のビーム形状の長手方向(例えば、Y方向)における房水内浮遊物の移動量とを推定することができる。
これにより、第1の方向における房水内浮遊物の移動状態、及び、第2の方向における房水内浮遊物の移動状態を検出することができる。更に、第1の方向及び第2の方向により定義される平面(例えば、YZ平面)に平行な断面における房水内浮遊物の移動状態(つまり、当該断面における房水内浮遊物の移動ベクトル)を検出することができる。
第1の方向における移動量を推定する処理及び第2の方向における移動量を推定する処理は、例えば、前述した方法で行うことができるが、推定方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1の画像から検出された第1の浮遊物像の特徴点と、第2の画像から検出された第2の浮遊物像の特徴点との間の変位に基づいて、第1の方向における移動量及び第2の方向における移動量を推定することができる。前述したように、浮遊物像の特徴点は、浮遊物像の任意の代表点であってよく、例えば、中心、重心、境界上の1つ以上の点などであってよい。
本態様の眼科装置1000Aの評価情報生成部1320は、第1の方向(例えば、Z方向)及び第2の方向(例えば、Y方向)の双方に直交する第3の方向(例えば、X方向)における房水内浮遊物の移動量を推定するように構成されていてもよい。
図7Aは、本例において処理される第1の画像2500及び第2の画像2600を示している。本例では、第1の方向はZ方向であり、第2の方向はY方向であり、第3の方向はX方向である。浮遊物像検出部1310は、第1の画像2500中の第1の浮遊物像2510と、第2の画像2600中の第2の浮遊物像2610とを検出する。
評価情報生成部1320は、例えば、本開示で説明したいずれかの方法により、第1の画像2500から検出された第1の浮遊物像2510と第2の画像2600から検出された第2の浮遊物像2610とに基づいて、YZ平面内における房水内浮遊物の移動ベクトルを推定すること、つまり、Y方向における房水内浮遊物の移動量Δyと、Z方向における当該房水内浮遊物の移動量Δzとを推定することができる。
また、評価情報生成部1320は、第2の画像2600から検出された第2の浮遊物像2610に基づいて、X方向における当該房水内浮遊物の移動量Δxを推定することができる。幾つかの例示的な態様では、評価情報生成部1320は、第2の浮遊物像2610のぼやけ具合に基づいてX方向における当該房水内浮遊物の移動量Δxを推定するように構成されていてよい。
房水内浮遊物のX方向への移動量Δxを推定する処理の例を説明する。第2の撮影部1120の第2の光学系1121の対物レンズは、開口数NAを有するものとする。評価情報生成部1320は、第2の撮影部1120により生成された第2の画像2600から検出された第2の浮遊物像2610の寸法と、第2の撮影部1120の対物レンズの開口数NAとに基づいて、房水内浮遊物のX方向への移動量Δxを推定することができる。
第2の浮遊物像2610の当該寸法は、例えば、第2の浮遊物像2610の幅wであってよい。第2の浮遊物像2610の幅wは、例えば、図4Cに示す第2の浮遊物像2210の長径2220に直交する方向における第2の浮遊物像2610の寸法、換言すると、楕円形の第2の浮遊物像2210の短径の長さであってよい(図7Bを参照)。第2の浮遊物像2610が楕円形でない場合においても同様の方法で第2の浮遊物像2610の寸法(幅)を求めることができる。
評価情報生成部1320は、第2の浮遊物像2610の幅wと、第2の撮影部1120の対物レンズの開口数NAとに基づいて、X方向への移動量Δxを次式により算出することができる:Δx=w/(2×NA)。ここで、撮影部1100(第2の撮影部1120)は、深さ方向(Z方向)に対して十分な分解能を有することが仮定されている。
更に、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の3次元的な移動量Dを次式により算出することができる:D=(Δx^2+Δy^2+Δz^2)^(1/2)。また、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の3次元的な移動ベクトル(X、Y、Z)=(Δx、Δy、Δz)を求めることができる。
更に、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の移動速度を算出することも可能である。例えば、評価情報生成部1320は、第2の撮影部1120の第2の撮像素子1122の第2の露光時間「b」、房水内浮遊物のX方向への移動量Δx、房水内浮遊物のY方向への移動量Δy、及び房水内浮遊物のz方向への移動量Δzに基づいて、房水内浮遊物の移動速度Vを次式により算出することができる:V=D/b=[(Δx^2+Δy^2+Δz^2)^(1/2)]/b。この移動速度Vは、第2の撮影部1120の露光期間(第2の露光期間)における房水内浮遊物の3次元的な移動速度の大きさ(速さ)の推定値である。また、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の3次元的な移動速度ベクトル(v、v、v)=(Δx/b、Δy/b、Δz/b)を求めることができる。
別の例として、評価情報生成部1320は、第1の撮影部1110の第1の撮像素子1112の第1の露光時間「a」、第2の撮影部1120の第2の撮像素子1122の第2の露光時間「b」、房水内浮遊物のX方向への移動量Δx、房水内浮遊物のY方向への移動量Δy、及び房水内浮遊物のz方向への移動量Δzに基づいて、房水内浮遊物の移動速度Vを次式により算出することができる:V=D/(b-a)=[(Δx^2+Δy^2+Δz^2)^(1/2)]/(b-a)。この移動速度Vは、第1の撮影部1100の露光期間(第1の露光期間)の終了時点から第2の撮影部1120の露光期間(第2の露光期間)の終了時点までの期間における房水内浮遊物の3次元的な移動速度の大きさ(速さ)の推定値である。また、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の3次元的な移動速度ベクトル(v、v、v)=(Δx/(b-a)、Δy/(b-a)、Δz/(b-a))を求めることができる。
このように、評価情報生成部1320は、浮遊物像検出部1310により第1の画像及び第2の画像からそれぞれ検出された第1の浮遊物像及び第2の浮遊物像に基づいて、房水内浮遊物の移動速度を推定することが可能である。
幾つかの例示的な態様に係る評価処理部1300について説明する。本態様の評価処理部1300は、図8に示すように、図3の態様と同様の浮遊物像検出部1310及び評価情報生成部1320に加えて、種別特定部1330を含んでいる。
種別特定部1330は、撮影部1100により取得された画像(第1の撮影条件の下に第1の撮影部1110により生成された第1の画像、及び、第2の撮影条件の下に第2の撮影部1120により生成された第2の画像)に描出されている房水内浮遊物の種別を特定するように構成されている。房水内浮遊物の種別としては、炎症細胞、白血球(マクロファージ、リンパ球など)、血中蛋白などがある。種別特定部1330の機能は、種別特定プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。
画像から複数の浮遊物像が検出された場合、種別特定部1330は、検出された複数の浮遊物像のそれぞれについて、その浮遊物像に相当する房水内浮遊物の種別を特定することができる。更に、種別特定部1330は、種別特定の結果に基づいて、複数の浮遊物像を分類することができる。
幾つかの例示的な態様において、種別特定部1330は、撮影部1100により取得された画像から浮遊物像検出部1310によって検出された浮遊物像の特性に基づいて、この画像に描出されている房水内浮遊物の種別を特定するように構成されていてよい。本例の種別特定の基準として用いられる浮遊物像の特性の例としては、浮遊物像の輝度、寸法、形状、分布状態(個数、密度、位置など)、移動状態(移動方向、移動量、移動速度など)などがある。
幾つかの例示的な態様において、種別特定部1330は、被検者(患者)の診療データに基づいて、この被検者の前眼部の画像に描出されている房水内浮遊物の種別を特定するように構成されていてよい。本例の種別特定において参照される診療データとしては、疾患名(診断名、疑い病名など)、検査データ、医師の所見などがある。診療データは、例えば、データベースに保存されている被検者のデータ(電子カルテ、レポート、医療文書など)から取得される。
幾つかの例示的な態様において、種別特定部1330は、偏光を利用した撮影により取得された画像に基づいて房水内浮遊物の種別特定を行うように構成されていてよい。偏光を利用した撮影は、例えば、第1の偏光方向の照明光を被検眼に投射し、被検眼からの戻り光から第2の偏光方向の成分を抽出して検出することによって行われる。
第1の偏光方向と第2の偏光方向とを互いに平行に配置して撮影を行うことにより、被検眼での反射によって偏光方向が変化しなかった成分(正反射成分)を検出することができる。これにより、前眼部の正反射画像が得られる。
また、第1の偏光方向と第2の偏光方向とを互いに直交するように配置して撮影を行うことにより、被検眼での反射によって偏光方向が変化した成分(拡散反射成分)を検出することができる。これにより、前眼部の拡散反射画像が得られる。
本態様の評価処理部1300は、正反射画像と拡散反射画像との間の強度比に基づいて房水内浮遊物の種類の同定を行うように構成されていてよい。まず、本態様の評価処理部1300は、浮遊物像検出部1310によって、正反射画像から浮遊物像を検出し、且つ、拡散反射画像から浮遊物像を検出する。
必要に応じて、種別特定部1330は、正反射画像と拡散反射画像との間のレジストレーションを実行し、このレジストレーションの結果に基づいて、正反射画像から特定された1つ以上の浮遊物像の位置(座標)と、拡散反射画像から特定された1つ以上の浮遊物像の位置(座標)との間の対応付けを行う。これにより、同じ房水内浮遊物に対応する正反射画像中の浮遊物像と拡散反射画像中の浮遊物像とが特定され対応付けられる。
次に、種別特定部1330は、1つの房水内浮遊物に対応する正反射画像中の浮遊物像の強度値を求めるとともに、同じ房水内浮遊物に対応する拡散反射画像中の浮遊物像の強度値を求める。強度値は、画素値に基づき決定される。
例えば、強度値は、浮遊物像における画素値から算出される任意の統計量であってよい。この統計量は、例えば、平均、分散、標準偏差、最大値、最小値、最頻値、中央値などであってよい。
次に、種別特定部1330は、1つの房水内浮遊物に対応する正反射画像中の浮遊物像(正反射浮遊物像)の強度値と、同じ房水内浮遊物に対応する拡散反射画像中の浮遊物像(拡散反射浮遊物像)の強度値とを比較する。
幾つかの例示的な態様において、種別特定部1330は、正反射浮遊物像の強度T1と、拡散反射浮遊物像の強度T2との比T1/T2を算出し、この比T1/T2を所定の閾値THと比較する。例えば、種別特定部1330は、比T1/T2の絶対値abs(T1/T2)が閾値TH以上である場合には、この浮遊物はマクロファージと推定するように、且つ、比T1/T2の絶対値abs(T1/T2)が閾値TH未満である場合には、この浮遊物はリンパ球と推定するように、構成されてよい。
本態様の評価処理部1300の評価情報生成部1320は、種別特定部1330により特定された房水内浮遊物の種別に応じて評価情報の生成を行うことができる。例えば、評価情報生成部1320は、房水内浮遊物の種別ごとに評価情報を生成するように構成されていてよい。
幾つかの例示的な態様において、種別特定部1330は、上記の強度値に加えて、又は、上記の強度値の代わりに、画像の色情報を参照するように構成されてもよい。第1の撮影部1110により取得された第1の画像及び/又は第2の撮影部1120により取得された第2の画像がカラー画像である場合、種別特定部1330は、例えば、カラー画像の3つの色成分画像(R成分画像、G成分画像、B成分画像)のうちの少なくとも1つを用いて房水内浮遊物の種別を特定するように構成されてもよいし、3つの色成分画像に基づき生成される情報(例えば輝度信号値(Y))を用いて房水内浮遊物の種別を特定するように構成されてもよいし、カラー画像をモノクロ画像に変換して房水内浮遊物の種別を特定するように構成されてもよい。
種別特定部1330により実行される種別特定の方法は、上記した例に限定されるものではない。例えば、種別特定部1330は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いた反射波長特性の評価に基づいて房水内浮遊物の種別を特定することができる。本例の種別特定方法は、例えば次の文献に開示されている:RUOBING QIAN, RYAN P. MCNABB, KEVIN C. ZHOU, HAZEM M. MOUSA, DANIEL R. SABAN, VICTOR L. PEREZ, ANTHONY N. KUO, AND JOSEPH A. IZATT, “In vivo quantitative analysis of anterior chamber white blood cell mixture composition using spectroscopic optical coherence tomography”, Vol. 12, No. 4 / 1 April 2021 / Biomedical Optics Express, pp. 2134-2148。本例の種別特定方法が採用される場合、眼科装置は、例えば、図1に示す構成及び図8に示す構成に加えて、公知のOCTスキャナーを含んでいてもよい。或いは、眼科装置は、別途に設けられたOCTスキャナーで取得されたOCT画像に対して本例の種別特定方法を適用するように構成されてもよい。
実施形態に係る眼科装置の動作について、幾つかの例を説明する。2つ以上の動作例を少なくとも部分的に組み合わせることができる。また、或る動作例で説明した事項を他の動作例に適用することができる。また、本開示で説明した任意の事項又はそれと均等な事項を各動作例に組み合わせることができる。
図9を参照して第1の動作例を説明する。本動作例において、眼科装置1000は、まず、第1の撮影条件での第1の撮影と第2の撮影条件での第2の撮影とを並行して被検眼の前眼部に適用する(S1)。
第1の撮影は第1の撮影部1110により実行され、第2の撮影は第2の撮影部1120により実行される。第1の撮影及び第2の撮影の並行的な実行は、制御部1200が実行する同期制御によって実現される。
更に、眼科装置1000は、ステップS1で並行して実行された第1の撮影及び第2の撮影によりそれぞれ生成された第1の画像及び第2の画像に基づいて、被検眼の前眼部の房水内(前房内)に存在する浮遊物に関する評価情報を生成する(S2)。
ステップS2で生成される評価情報は、例えば、房水内浮遊物の移動方向、移動量、移動ベクトル、移動速度、移動加速度などを含んでいてよい。
ステップS2で生成された評価情報の用途は様々である。例えば、評価情報は、図示しない記憶装置に保存され、及び/又は、図示しない表示装置に表示される視覚的情報の生成に提供され、及び/又は、図示しないコンピュータによる解析処理に提供される。
図10を参照して第2の動作例を説明する。本動作例において、眼科装置1000は、まず、第1の動作例のステップS1と同じ要領で、第1の撮影条件での第1の撮影と第2の撮影条件での第2の撮影とを並行して被検眼の前眼部に適用する(S11)。
次に、眼科装置1000は、ステップS11における第1の撮影で生成された第1の画像から房水内浮遊物に対応する第1の浮遊物像を検出し(S12)、且つ、ステップS11における第2の撮影で生成された第2の画像から同じ房水内浮遊物に対応する第2の浮遊物像を検出する(S13)。
なお、第1の浮遊物像を検出する工程と、第2の浮遊物を検出する工程とを行う順序は任意であってよく、或いは、これらの工程を並行して実行してもよい。
次に、眼科装置1000は、ステップS12で第1の画像から検出された第1の浮遊物像と、ステップS13で第2の画像から検出された第2の浮遊物像とに基づいて、房水内浮遊物の評価情報を生成する(S14)。生成された評価情報は、様々な用途に提供される。
図11を参照して第3の動作例を説明する。本動作例において、眼科装置1000は、まず、被検眼の前眼部の3次元領域に対してスキャンを適用する(S21)。
ステップS21の3次元スキャンは、第1の撮影条件での第1の撮影と第2の撮影条件での第2の撮影との並行的な実行と、撮影位置の移動とを組み合わせることによって実現される。第1の撮影条件での第1の撮影と第2の撮影条件での第2の撮影との並行的な実行は、第1の動作例のステップS1と同じ要領で実現される。撮影位置の移動は、制御部1200による制御の下に移動機構1400が撮影部1100(第1の光学系1111及び第2の光学系1121)を移動することによって実現される。
ステップS21の3次元スキャンにより、被検眼の前眼部の3次元領域から、並行して実行された第1の撮影及び第2の撮影でそれぞれ生成された第1の画像及び第2の画像のペアが複数個収集される。すなわち、ステップS21の3次元スキャンにより、被検眼の前眼部の3次元領域における複数の断面の状態をそれぞれ描出した複数の画像ペア(第1の画像と第2の画像とのペア)が生成される。
次に、眼科装置1000は、複数の撮影位置(複数のスキャン位置)のそれぞれについて、その撮影位置に対応する第1の画像及び第2の画像のペアに基づいて、その撮影位置に対応する前眼部断面に存在する房水内浮遊物の評価情報を生成する(S22)。これにより、複数の撮影位置にそれぞれ対応する複数の評価情報が得られる。
次に、眼科装置1000は、ステップS22において生成された複数の評価情報に基づいて、ステップS21の3次元スキャンが適用された前眼部の3次元領域に存在する房水内浮遊物に関する所定の評価値の3次元分布を生成する(S23)。
ステップS23で生成された3次元分布を様々な用途に提供することができる。例えば、3次元分布は、図示しない記憶装置に保存され、及び/又は、図示しない表示装置に表示される視覚的情報の生成に提供され、及び/又は、図示しないコンピュータによる解析処理に提供される。同様に、ステップS22で生成された複数の評価情報についても様々な用途に提供することができる。
図12を参照して第4の動作例を説明する。本動作例において、眼科装置1000は、まず、第1の動作例のステップS1と同じ要領で、第1の撮影条件での第1の撮影と第2の撮影条件での第2の撮影とを並行して被検眼の前眼部に適用する(S31)。
次に、眼科装置1000は、ステップS31における第1の撮影及び第2の撮影でそれぞれ生成された第1の画像及び第2の画像に描出されている房水内浮遊物の種別を特定する(S32)。
次に、眼科装置1000は、ステップS32で特定された房水内浮遊物の種別に応じて、房水内浮遊物の評価情報の生成を行う(S33)。
ステップS33において房水内浮遊物の種別に応じて生成された評価情報は、様々な用途に提供される。例えば、本動作例で生成された評価情報は、房水内浮遊物の種別に応じて保存され、及び/又は、房水内浮遊物の種別に応じた視覚的情報の生成に提供され、及び/又は、房水内浮遊物の種別に応じた解析処理に提供される。
実施形態に係る眼科装置のより具体的な構成の1つの例を図13に示す。図13は上面図である。
被検眼Eの軸に沿う方向をZ方向とし、これに直交する方向のうち被検者にとって左右の方向をX方向とし、X方向及びZ方向の双方に直交する方向(上下方向、体軸方向)をY方向とする。
本例の眼科装置は、特許文献3(特開2019-213733号公報)に開示されているものと同様の構成を有するスリットランプ顕微鏡システム1であり、照明光学系2と、撮影光学系3と、動画撮影光学系4と、光路結合素子5と、移動機構6と、制御部7と、データ処理部8と、通信部9と、ユーザーインターフェイス10とを含む。
被検眼Eの角膜を符号Cで示し、水晶体を符号CLで示す。前房は、角膜Cと水晶体CLとの間の領域(角膜Cと虹彩との間の領域)に相当する。
スリットランプ顕微鏡システム1の各要素の詳細については、特許文献3(特開2019-213733号公報)を参照されたい。
照明光学系2は、被検眼Eの前眼部にスリット光を投射する。符号2aは、照明光学系2の光軸(照明光軸)を示す。
撮影光学系3は、照明光学系2からのスリット光が投射されている前眼部を撮影する。符号3aは、撮影光学系3の光軸(撮影光軸)を示す。光学系3Aは、スリット光が投射されている被検眼Eの前眼部からの光を撮像素子3Bに導く。撮像素子3Bは、光学系3Aにより導かれた光を撮像面にて受光する。撮像素子3Bは、2次元の撮像エリアを有するエリアセンサ(CCDエリアセンサ、CMOSエリアセンサなど)を含む。図13では図示が省略されているが、撮影光学系3は2つの撮影光学系(第1の撮影部及び第2の撮影部)を含んでいる。2つの撮影光学系については図14を参照して後述する。
照明光学系2及び撮影光学系3は、シャインプルーフカメラとして機能するものであり、照明光軸2aに沿う物面と光学系3Aと撮像素子3Bの撮像面とがシャインプルーフの条件を満足するように、すなわち照明光軸2aを通るYZ面(物面を含む)と光学系3Aの主面と撮像素子3Bの撮像面とが同一の直線上にて交差するように、構成されている。
これにより、照明光学系2及び撮影光学系3は、少なくとも角膜Cの後面から水晶体CLの前面までの範囲(前房)にピントが合っている状態で、撮影を行うことができる。また、照明光学系2及び撮影光学系3は、少なくとも角膜Cの前面の頂点(Z=Z1)から水晶体CLの後面の頂点(Z=Z2)までの範囲にピントが合っている状態で、撮影を行うことができる。なお、座標Z=Z0は照明光軸2aと撮影光軸3aとの交点を示す。
動画撮影光学系4は、ビデオカメラであり、照明光学系2及び撮影光学系3による被検眼の撮影と並行して被検眼Eの前眼部を動画撮影する。光路結合素子5は、照明光学系2の光路(照明光路)と、動画撮影光学系4の光路(動画撮影光路)とを結合している。
照明光学系2、撮影光学系3、動画撮影光学系4、及び光路結合素子5を含む光学系の具体例を図14に示す。図14に示す光学系は、照明光学系2の例である照明光学系20と、撮影光学系3の例である左撮影光学系30L及び右撮影光学系30Rと、動画撮影光学系4の例である動画撮影光学系40と、光路結合素子5の例であるビームスプリッタ47とを含んでいる。
符号20aは照明光学系20の光軸(照明光軸)を示し、符号30Laは左撮影光学系30Lの光軸(左撮影光軸)を示し、符号30Raは右撮影光学系30Rの光軸(右撮影光軸)を示す。角度θLは照明光軸20aと左撮影光軸30Laとがなす角度を示し、角度θRは照明光軸20aと右撮影光軸30Raとがなす角度を示す。座標Z=Z0は、照明光軸20aと左撮影光軸30Laと右撮影光軸30Raとの交点を示す。
移動機構6は、照明光学系20、左撮影光学系30L、及び右撮影光学系30Rを、矢印49で示す方向(X方向)に移動する。
照明光学系20の照明光源21は照明光(例えば可視光)を出力し、正レンズ22は照明光を屈折する。スリット形成部23はスリットを形成して照明光の一部を通過させる。生成されたスリット光は、対物レンズ群24及び25により屈折され、ビームスプリッタ47により反射され、被検眼Eの前眼部に投射される。
左撮影光学系30Lの反射器31L及び結像レンズ32Lは、照明光学系20によりスリット光が投射されている前眼部からの光(左撮影光学系30Lの方向に進行する光)を撮像素子33Lに導く。撮像素子33Lは、導かれた光を撮像面34Lにて受光する。
左撮影光学系30Lは、移動機構6による照明光学系20、左撮影光学系30L及び右撮影光学系30Rの移動と並行して繰り返し撮影を行う。これにより複数の前眼部画像(一連のシャインプルーフ画像)が得られる。
照明光軸20aに沿う物面と反射器31L及び結像レンズ32Lを含む光学系と撮像面34Lとは、シャインプルーフの条件を満足する。右撮影光学系30Rも同様の構成及び機能を有する。
左撮影光学系30Lによるシャインプルーフ画像収集と右撮影光学系30Rによるシャインプルーフ画像収集とは、互いに並行して行われる。例えば、左撮影光学系30Lは第1の撮影条件での第1の撮影に用いられ、且つ、右撮影光学系30Rは第2の撮影条件での第2の撮影に用いられる。又は、左撮影光学系30Lは第2の撮影条件での第2の撮影に用いられ、且つ、右撮影光学系30Rは第1の撮影条件での第1の撮影に用いられる。
制御部7は、左撮影光学系30Lによる繰り返し撮影と右撮影光学系30Rによる繰り返し撮影とを同期させることができる。これにより、左撮影光学系30Lにより得られた一連のシャインプルーフ画像と、右撮影光学系30Rにより得られた一連のシャインプルーフ画像との間の対応関係が得られる。
なお、左撮影光学系30Lにより得られた複数の前眼部画像と、右撮影光学系30Rにより得られた複数の前眼部画像との間の対応関係を求める処理を、制御部7又はデータ処理部8により実行してもよい。
動画撮影光学系40は、左撮影光学系30Lによる撮影及び右撮影光学系30Rによる撮影と並行して、被検眼Eの前眼部を固定位置から動画撮影する。ビームスプリッタ47を透過した光は、反射器48により反射されて動画撮影光学系40に入射する。動画撮影光学系40に入射した光は、対物レンズ41により屈折された後、結像レンズ42によって撮像素子43(エリアセンサ)の撮像面に結像される。動画撮影光学系40は、被検眼Eの動きのモニタ、アライメント、トラッキング、収集されたシャインプルーフ画像の処理などに利用される。
図13の参照に戻る。移動機構6は、照明光学系2及び撮影光学系3を一体的にX方向に移動する。
制御部7は、スリットランプ顕微鏡システム1の各部を制御する。制御部7は、照明光学系2、撮影光学系3及び移動機構6の制御と、動画撮影光学系4の制御とを、互いに並行して実行することにより、前眼部の3次元スキャン(一連のシャインプルーフ画像の収集)と、前眼部の動画撮影(一連の時系列画像の収集)とを互いに並行して実行させることができる。
また、制御部7は、照明光学系2、撮影光学系3及び移動機構6の制御と、動画撮影光学系4の制御とを、互いに同期して実行することにより、前眼部の3次元スキャンと前眼部の動画撮影とを互いに同期させることができる。
撮影光学系3が左撮影光学系30L及び右撮影光学系30Rを含む場合、制御部7は、左撮影光学系30Lによる繰り返し撮影(シャインプルーフ画像群の収集)と、右撮影光学系30Rによる繰り返し撮影(シャインプルーフ画像群の収集)とを互いに同期させることができる。これにより、第1の撮影条件の下での第1の撮影と第2の撮影条件の下での第2の撮影とのペア動作と、撮影位置の移動とを、組み合わせて(並行して、同期して)実行することが可能になる。
制御部7は、プロセッサ、記憶装置などを含む。記憶装置には、各種の制御プログラム等のコンピュータプログラムが記憶されている。制御部7の機能は、制御プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。制御部7は、被検眼Eの前眼部の3次元領域をスリット光でスキャンするために、照明光学系2、撮影光学系3及び移動機構6の制御を実行する。この制御の詳細については、特許文献3(特開2019-213733号公報)を参照されたい。制御部7は、眼科装置1000の制御部1200の機能を有している。制御部7の機能は、ここに説明したものに限定されない。
データ処理部8は、各種のデータ処理を実行する。データ処理部8は、プロセッサ、記憶装置などを含む。記憶装置には、各種のデータ処理プログラム等のコンピュータプログラムが記憶されている。データ処理部8の機能は、データ処理プログラム等のソフトウェアと、プロセッサ等のハードウェアとの協働によって実現される。データ処理部8は、眼科装置1000の評価処理部1300の機能を有している。データ処理部8の機能はこれに限定されない。
通信部9は、スリットランプ顕微鏡システム1と他の装置との間におけるデータ通信を行う。ユーザーインターフェイス10は、表示デバイス、操作デバイスなど、任意のユーザーインターフェイスデバイスを含む。
図13及び図14に示すスリットランプ顕微鏡システム1は非限定的な例であり、眼科装置1000(1000A)を実施するための構成はスリットランプ顕微鏡システム1に限定されない。
実施形態に係る眼科装置の幾つかの非限定的な特徴について説明する。
実施形態に係る眼科装置の第1の態様例は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含み、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用する第1の撮影部と、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含み、上記第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を上記第1の撮影と並行して上記前眼部に適用する第2の撮影部と、上記第1の撮影で生成された第1の画像と上記第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する評価処理部とを含む、眼科装置である。
実施形態に係る眼科装置の第2の態様例は、第1の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記第1の光学系は、第1の撮像素子を含み、上記第2の光学系は、第2の撮像素子を含み、上記第1の撮影条件は、上記第1の撮像素子の露光時間である第1の露光時間を含み、上記第2の撮影条件は、上記第2の撮像素子の露光時間である第2の露光時間を含み、上記第2の露光時間は、上記第1の露光時間よりも長い。
実施形態に係る眼科装置の第3の態様例は、第2の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価処理部は、同じ房水内浮遊物に対応する上記第1の画像中の第1の浮遊物像及び上記第2の画像中の第2の浮遊物像を検出する浮遊物像検出部と、上記第1の浮遊物像及び上記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の評価情報を生成する評価情報生成部とを含む。
実施形態に係る眼科装置の第4の態様例は、第3の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動方向を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第5の態様例は、第3又は第4の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の浮遊物像及び上記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動ベクトルを推定する。
実施形態に係る眼科装置の第6の態様例は、第5の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の浮遊物像の特徴点を求め、上記第1の浮遊物像の上記特徴点及び上記第2の浮遊物像に基づいて上記移動ベクトルを推定する。
実施形態に係る眼科装置の第7の態様例は、第6の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の浮遊物像の上記特徴点に対応する上記第2の浮遊物像中の位置を特定し、上記特徴点に対応する上記位置に基づいて上記移動ベクトルを推定する。
実施形態に係る眼科装置の第8の態様例は、第7の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の浮遊物像の上記特徴点に対応する上記第2の浮遊物像中の上記位置、及び、上記第1の撮像素子の露光期間と上記第2の撮像素子の露光期間との間のタイミング関係に基づいて、上記移動ベクトルを推定する。
実施形態に係る眼科装置の第9の態様例は、第3~第8の態様例のいずれかの非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記前眼部にスリット光を投射する照明系を更に含み、上記第1の撮影及び上記第2の撮影は、上記スリット光が投射されている上記前眼部に適用され、上記評価情報生成部は、上記スリット光の投射方向である第1の方向における当該房水内浮遊物の移動量と、上記スリット光のビーム形状の長手方向における当該房水内浮遊物の移動量とを推定する。
実施形態に係る眼科装置の第10の態様例は、第9の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の方向及び上記第2の方向の双方に直交する第3の方向における当該房水内浮遊物の移動量を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第11の態様例は、第10の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記第2の光学系は、対物レンズを含み、上記評価情報生成部は、上記第2の浮遊物像の寸法及び上記対物レンズの開口数に基づいて上記第3の方向における上記移動量を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第12の態様例は、第11の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第2の浮遊物像の上記寸法として、上記第2の浮遊物像の幅を算出する。
実施形態に係る眼科装置の第13の態様例は、第10~第12の態様例のいずれかの非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第2の撮像素子の上記第2の露光時間、上記第1の方向における上記移動量、上記第2の方向における上記移動量、及び上記第3の方向における上記移動量に基づいて、当該房水内浮遊物の移動速度を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第14の態様例は、第10~第13の態様例のいずれかの非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の撮像素子の上記第1の露光時間、上記第2の撮像素子の上記第2の露光時間、上記第1の方向における上記移動量、上記第2の方向における上記移動量、及び上記第3の方向における上記移動量に基づいて、当該房水内浮遊物の移動速度を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第15の態様例は、第3~第14の態様例のいずれかの態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価情報生成部は、上記第1の浮遊物像及び上記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動速度を推定する。
実施形態に係る眼科装置の第16の態様例は、第3~第15の態様例のいずれかの態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記浮遊物像検出部は、上記第1の画像から複数の房水内浮遊物の像を含む第1の像集合を検出し、上記第2の画像から複数の房水内浮遊物の像を含む第2の像集合を検出し、上記第1の像集合と上記第2の像集合との間の位置的対応関係を決定し、上記評価情報生成部は、上記位置的対応関係によって対応付けられている上記第1の像集合の1つの要素と上記第2の像集合の1つの要素とのペアに基づいて、当該ペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成する。
実施形態に係る眼科装置の第17の態様例は、第3~第16の態様例のいずれかの態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記浮遊物像検出部は、上記第1の画像及び上記第2の画像のうちの一方の画像から浮遊物像を検出し、上記一方の画像における当該浮遊物像の座標を求め、上記第1の画像及び上記第2の画像のうちの他方の画像から、上記座標に対応する位置の浮遊物像を検出し、上記評価情報生成部は、上記一方の画像から検出された上記浮遊物像と上記他方の画像から検出された上記浮遊物像とのペアに基づいて、当該ペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成する。
実施形態に係る眼科装置の第18の態様例は、第2~第17の態様例のいずれかの態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記第1の光学系及び上記第2の光学系を移動する移動機構と、上記第1の撮影部の制御と上記第2の撮影部の制御と上記移動機構の制御とを組み合わせることにより、上記第1の画像と上記第2の画像との複数のペアを上記第1の撮影部及び上記第2の撮影部に生成させる制御部とを更に含む。
実施形態に係る眼科装置の第19の態様例は、第18の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価処理部は、上記複数のペアのそれぞれに基づいて評価情報を生成する。
実施形態に係る眼科装置の第20の態様例は、第19の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価処理部は、上記複数のペアに基づき生成された複数の評価情報に基づいて所定の評価値の3次元分布を生成する。
実施形態に係る眼科装置の第21の態様例は、第2~第20の態様例のいずれかの態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価処理部は、上記第1の画像及び上記第2の画像に描出されている房水内浮遊物の種別を特定する種別特定部を含む。
実施形態に係る眼科装置の第22の態様例は、第21の態様例の非限定的な特徴に加えて、次の非限定的な特徴を備えている。上記評価処理部は、上記種別特定部により特定された上記房水内浮遊物の上記種別に応じて評価情報の生成を行う。
本開示において説明したように、これらの非限定的な特徴を有する眼科装置によれば、眼科イメージングで取得された画像に基づいて房水内浮遊物を評価する処理の品質の向上を図ることが可能である。
本開示において説明した任意の事項を、いずれかの非限定的な特徴を有する眼科装置に組み合わせることによって、房水内浮遊物評価の更なる品質向上を図ることが可能であること、そして、房水内浮遊物評価の様々な応用を提供することが可能であることは、当業者であれば理解することができるであろう。
<他の実施形態>
ここまで眼科装置の実施形態について説明したが、本開示に係る実施形態は眼科装置に限定されない。眼科装置以外の実施形態として、眼科装置の制御方法、プログラム、記録媒体などがある。眼科装置の実施形態と同様に、これらの実施形態によっても、房水内浮遊物評価の品質向上を図ることができる。
一実施形態に係る眼科装置の制御方法は、眼科装置を制御する方法である。
この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。
本実施形態に係る方法は、眼科装置に含まれているプロセッサを、制御部及び評価処理部として機能させるように構成されている。
本実施形態に係る方法により制御部として機能するプロセッサは、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行する。
本実施形態に係る方法により評価処理部として機能するプロセッサは、第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する。
本開示において説明した任意の事項を、本実施形態に係る方法に組み合わせることができる。
一実施形態に係るプログラムは、眼科装置を動作させるためのプログラムである。
この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。
本実施形態に係るプログラムは、眼科装置に含まれているプロセッサを、制御部及び評価処理部として機能させるように構成されている。
本実施形態に係るプログラムにより制御部として機能するプロセッサは、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行する。
本実施形態に係るプログラムにより評価処理部として機能するプロセッサは、第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する。
本開示において説明した任意の事項を、本実施形態に係るプログラムに組み合わせることができる。
一実施形態に係る記録媒体は、眼科装置を動作させるためのプログラムが記録された、コンピュータ可読な非一時的記録媒体である。
この眼科装置は、第1の撮影部と、第2の撮影部と、プロセッサとを含んでいる。第1の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含んでいる。第2の撮影部は、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含んでいる。
本実施形態に係る記録媒体に記録されているプログラムは、眼科装置に含まれているプロセッサを、制御部及び評価処理部として機能させるように構成されている。
本実施形態に係る記録媒体に記録されているプログラムにより制御部として機能するプロセッサは、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための第1の撮影部の制御と、第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を第1の撮影と並行して前眼部に適用させるための第2の撮影部の制御とを実行する。
本実施形態に係る記録媒体に記録されているプログラムにより評価処理部として機能するプロセッサは、第1の撮影で生成された第1の画像と第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する。
本開示において説明した任意の事項を、本実施形態に係る記録媒体に組み合わせることができる。
本実施形態に係る記録媒体として使用可能な、コンピュータ可読な非一時的記録媒体は、任意の形態の記録媒体であってよく、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び半導体メモリのいずれかであってよい。
眼科装置の実施形態において説明された任意の事項を、眼科装置以外の実施形態に組み合わせることができる。
例えば、実施形態に係る眼科装置の任意的な態様として説明された様々な事項のうちから任意に選択された事項を、眼科装置の制御方法の実施形態、プログラムの実施形態、記録媒体の実施形態などに組み合わせることができる。
また、本開示において説明された任意の事項を、眼科装置の制御方法の実施形態、プログラムの実施形態、記録媒体の実施形態などに組み合わせることができる。
本開示は、幾つかの実施形態及びその幾つかの例示的な態様を提示するものである。これらの実施形態及び態様は、本発明の例示に過ぎない。したがって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加など)を、本開示において提示された実施形態や態様に適用することが可能である。
1 スリットランプ顕微鏡システム(眼科装置)
2 照明光学系
3 撮影光学系
3B 撮像素子
6 移動機構
7 制御部
20 照明光学系
30L 左撮影光学系
30R 右撮影光学系
33L、33R 撮像素子
1000、1000A 眼科装置
1100 撮影部
1110 第1の撮影部
1111 第1の光学系
1112 第1の撮像素子
1120 第2の撮影部
1121 第2の光学系
1122 第2の撮像素子
1130 照明系
1200 制御部
1300 評価処理部
1310 浮遊物像検出部
1320 評価情報生成部
1330 種別特定部
1400 移動機構

Claims (25)

  1. シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含み、第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用する第1の撮影部と、
    シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含み、前記第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を前記第1の撮影と並行して前記前眼部に適用する第2の撮影部と、
    前記第1の撮影で生成された第1の画像と前記第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する評価処理部と
    を含む、眼科装置。
  2. 前記第1の光学系は、第1の撮像素子を含み、
    前記第2の光学系は、第2の撮像素子を含み、
    前記第1の撮影条件は、前記第1の撮像素子の露光時間である第1の露光時間を含み、
    前記第2の撮影条件は、前記第2の撮像素子の露光時間である第2の露光時間を含み、
    前記第2の露光時間は、前記第1の露光時間よりも長い、
    請求項1の眼科装置。
  3. 前記評価処理部は、
    同じ房水内浮遊物に対応する前記第1の画像中の第1の浮遊物像及び前記第2の画像中の第2の浮遊物像を検出する浮遊物像検出部と、
    前記第1の浮遊物像及び前記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の評価情報を生成する評価情報生成部と
    を含む、
    請求項2の眼科装置。
  4. 前記評価情報生成部は、前記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動方向を推定する、
    請求項3の眼科装置。
  5. 前記評価情報生成部は、前記第1の浮遊物像及び前記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動ベクトルを推定する、
    請求項3の眼科装置。
  6. 前記評価情報生成部は、
    前記第1の浮遊物像の特徴点を求め、
    前記第1の浮遊物像の前記特徴点及び前記第2の浮遊物像に基づいて前記移動ベクトルを推定する、
    請求項5の眼科装置。
  7. 前記評価情報生成部は、
    前記第1の浮遊物像の前記特徴点に対応する前記第2の浮遊物像中の位置を特定し、
    前記特徴点に対応する前記位置に基づいて前記移動ベクトルを推定する、
    請求項6の眼科装置。
  8. 前記評価情報生成部は、前記第1の浮遊物像の前記特徴点に対応する前記第2の浮遊物像中の前記位置、及び、前記第1の撮像素子の露光期間と前記第2の撮像素子の露光期間との間のタイミング関係に基づいて、前記移動ベクトルを推定する、
    請求項7の眼科装置。
  9. 前記前眼部にスリット光を投射する照明系を更に含み、
    前記第1の撮影及び前記第2の撮影は、前記スリット光が投射されている前記前眼部に適用され、
    前記評価情報生成部は、前記スリット光の投射方向である第1の方向における当該房水内浮遊物の移動量と、前記スリット光のビーム形状の長手方向における当該房水内浮遊物の移動量とを推定する、
    請求項3の眼科装置。
  10. 前記評価情報生成部は、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に直交する第3の方向における当該房水内浮遊物の移動量を推定する、
    請求項9の眼科装置。
  11. 前記第2の光学系は、対物レンズを含み、
    前記評価情報生成部は、前記第2の浮遊物像の寸法及び前記対物レンズの開口数に基づいて前記第3の方向における前記移動量を推定する、
    請求項10の眼科装置。
  12. 前記評価情報生成部は、前記第2の浮遊物像の前記寸法として、前記第2の浮遊物像の幅を算出する、
    請求項11の眼科装置。
  13. 前記評価情報生成部は、前記第2の撮像素子の前記第2の露光時間、前記第1の方向における前記移動量、前記第2の方向における前記移動量、及び前記第3の方向における前記移動量に基づいて、当該房水内浮遊物の移動速度を推定する、
    請求項10の眼科装置。
  14. 前記評価情報生成部は、前記第1の撮像素子の前記第1の露光時間、前記第2の撮像素子の前記第2の露光時間、前記第1の方向における前記移動量、前記第2の方向における前記移動量、及び前記第3の方向における前記移動量に基づいて、当該房水内浮遊物の移動速度を推定する、
    請求項10の眼科装置。
  15. 前記評価情報生成部は、前記第1の浮遊物像及び前記第2の浮遊物像に基づいて当該房水内浮遊物の移動速度を推定する、
    請求項3の眼科装置。
  16. 前記浮遊物像検出部は、
    前記第1の画像から複数の房水内浮遊物の像を含む第1の像集合を検出し、
    前記第2の画像から複数の房水内浮遊物の像を含む第2の像集合を検出し、
    前記第1の像集合と前記第2の像集合との間の位置的対応関係を決定し、
    前記評価情報生成部は、前記位置的対応関係によって対応付けられている前記第1の像集合の1つの要素と前記第2の像集合の1つの要素とのペアに基づいて、当該ペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成する、
    請求項3の眼科装置。
  17. 前記浮遊物像検出部は、
    前記第1の画像及び前記第2の画像のうちの一方の画像から浮遊物像を検出し、
    前記一方の画像における当該浮遊物像の座標を求め、
    前記第1の画像及び前記第2の画像のうちの他方の画像から、前記座標に対応する位置の浮遊物像を検出し、
    前記評価情報生成部は、前記一方の画像から検出された前記浮遊物像と前記他方の画像から検出された前記浮遊物像とのペアに基づいて、当該ペアに対応する房水内浮遊物の評価情報を生成する、
    請求項3の眼科装置。
  18. 前記第1の光学系及び前記第2の光学系を移動する移動機構と、
    前記第1の撮影部の制御と前記第2の撮影部の制御と前記移動機構の制御とを組み合わせることにより、前記第1の画像と前記第2の画像との複数のペアを前記第1の撮影部及び前記第2の撮影部に生成させる制御部と
    を更に含む、
    請求項2の眼科装置。
  19. 前記評価処理部は、前記複数のペアのそれぞれに基づいて評価情報を生成する、
    請求項18の眼科装置。
  20. 前記評価処理部は、前記複数のペアに基づき生成された複数の評価情報に基づいて所定の評価値の3次元分布を生成する、
    請求項19の眼科装置。
  21. 前記評価処理部は、前記第1の画像及び前記第2の画像に描出されている房水内浮遊物の種別を特定する種別特定部を含む、
    請求項2の眼科装置。
  22. 前記評価処理部は、前記種別特定部により特定された前記房水内浮遊物の前記種別に応じて評価情報の生成を行う、
    請求項21の眼科装置。
  23. シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含む第1の撮影部と、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含む第2の撮影部と、プロセッサとを含む眼科装置を制御する方法であって、
    前記プロセッサを、
    第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための前記第1の撮影部の制御と、前記第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を前記第1の撮影と並行して前記前眼部に適用させるための前記第2の撮影部の制御とを実行する制御部、及び、
    前記第1の撮影で生成された第1の画像と前記第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する評価処理部
    として機能させる、方法。
  24. シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含む第1の撮影部と、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含む第2の撮影部と、プロセッサとを含む眼科装置を動作させるためのプログラムであって、
    前記プロセッサを、
    第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための前記第1の撮影部の制御と、前記第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を前記第1の撮影と並行して前記前眼部に適用させるための前記第2の撮影部の制御とを実行する制御部、及び、
    前記第1の撮影で生成された第1の画像と前記第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する評価処理部
    として機能させる、プログラム。
  25. シャインプルーフの条件を満足する第1の光学系を含む第1の撮影部と、シャインプルーフの条件を満足する第2の光学系を含む第2の撮影部と、プロセッサとを含む眼科装置を動作させるためのプログラムが記録された、コンピュータ可読な非一時的記録媒体であって、
    前記プログラムが、前記プロセッサを、
    第1の撮影条件での第1の撮影を被検眼の前眼部に適用させるための前記第1の撮影部の制御と、前記第1の撮影条件と異なる第2の撮影条件での第2の撮影を前記第1の撮影と並行して前記前眼部に適用させるための前記第2の撮影部の制御とを実行する制御部、及び、
    前記第1の撮影で生成された第1の画像と前記第2の撮影で生成された第2の画像とに基づいて房水内浮遊物の評価情報を生成する評価処理部
    として機能させる、記録媒体。

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