JP2024027667A - 半導体受光素子 - Google Patents

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Takashi Kato
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Abstract

【課題】簡単に製造可能で、かつ暗電流を低減することが可能な半導体受光素子を提供する。【解決手段】第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、第1エネルギー障壁を形成する第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられた第2半導体層と、を具備し、前記第1半導体層は第1導電型を有し、前記第2半導体層および前記第1バリア層は、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有し、前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高い半導体受光素子。【選択図】 図2

Description

本開示は半導体受光素子に関するものである。
半導体受光素子は、ガス分析などの分光システム、イメージングセンサなどに用いられる。半導体受光素子は、例えば波長が1μmから30μmの赤外領域の光を受光して、電気信号を出力する。半導体受光素子の感度を高めるために、暗電流を低減することが求められる。超格子のバリア層を設けることで、キャリアの移動を抑制し、暗電流を低減する技術が開発されている(例えば非特許文献1)。
しかし超格子層を結晶成長する工程は複雑である。良好な結晶性を有するバリア層を形成することは難しい。そこで、簡単に製造可能で、かつ暗電流を低減することが可能な半導体受光素子を提供することを目的とする。
本開示に係る半導体受光素子は、第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、第1エネルギー障壁を形成する第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられた第2半導体層と、を具備し、前記第1半導体層は第1導電型を有し、前記第2半導体層および前記第1バリア層は、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有し、前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高い。
本開示によれば、簡単に製造可能で、かつ暗電流を低減することが可能な半導体受光素子を提供することが可能である。
図1は第1実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図2はエネルギーバンドを例示する図である。 図3Aはドーピング濃度とエネルギー障壁の高さとの関係を例示する図である。 図3Bはドーピング濃度と暗電流密度との関係を例示する図である。 図4は第2実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図5はエネルギーバンドを例示する図である。 図6は第3実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図7はエネルギーバンドを例示する図である。 図8は第4実施形態に係る半導体受光素子を例示する断面図である。 図9はエネルギーバンドを例示する図である。 図10は暗電流密度を例示する図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示の一形態は、(1)第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、前記光吸収層の上に設けられ、第1エネルギー障壁を形成する第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられた第2半導体層と、を具備し、前記第1半導体層は第1導電型を有し、前記第2半導体層および前記第1バリア層は、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有し、前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高い半導体受光素子である。第1バリア層が形成する第1エネルギー障壁が、第2半導体層から光吸収層へのキャリアの移動を抑制する。暗電流を低減することができる。高いドーピング濃度を有する第1バリア層は簡単に製造することができる。
(2)上記(1)において、前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度の10倍以上でもよい。エネルギー障壁が高くなる。キャリアの移動を抑制し、暗電流を低減することができる。
(3)上記(1)または(2)において、前記第1バリア層と前記光吸収層との間に設けられた第3半導体層を具備し、前記第3半導体層は前記第2導電型を有し、前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第3半導体層のドーピング濃度より高くてもよい。第3半導体層を設けることで、第1バリア層における自由キャリア吸収を抑制することができる。第1バリア層から光吸収層へのドーパントの拡散を抑制することができる。
(4)上記(1)または(2)において、前記第1バリア層は、前記光吸収層および前記第2半導体層に隣接してもよい。暗電流を効果的に抑制することができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1バリア層および前記第2半導体層はp型の導電型を有し、前記第1バリア層は伝導帯に前記第1エネルギー障壁を形成してもよい。第1エネルギー障壁は、第2半導体層で発生する電子の移動を妨げる。暗電流を効果的に抑制することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1半導体層と前記光吸収層との間に設けられ、第2エネルギー障壁を形成する第2バリア層を具備し、前記第2バリア層は前記第1導電型を有し、前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度よりも高くてもよい。第2バリア層がエネルギー障壁を形成する。エネルギー障壁が、第1半導体層から光吸収層へのキャリアの移動を抑制する。暗電流を低減することができる。高いドーピング濃度を有する第2バリア層は簡単に製造することができる。
(7)上記(6)において、前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度の10倍以上でもよい。エネルギー障壁が高くなる。キャリアの移動を抑制し、暗電流を低減することができる。
(8)上記(6)または(7)において、前記第2バリア層と前記光吸収層との間に設けられた第4半導体層を具備し、前記第4半導体層は前記第1導電型を有し、前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第4半導体層のドーピング濃度より高くてもよい。第4半導体層を設けることで、第2バリア層における自由キャリア吸収を抑制することができる。第2バリア層から光吸収層へのドーパントの拡散を抑制することができる。
(9)上記(6)または(7)において、前記第2バリア層は、前記光吸収層および前記第1半導体層に隣接してもよい。暗電流を効果的に抑制することができる。
(10)上記(6)から(9)のいずれかにおいて、前記第1半導体層および前記第2バリア層はn型の導電型を有し、前記第2半導体層および前記第1バリア層はp型の導電型を有し、前記第2バリア層のn型ドーパントのドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度よりも高く、前記第1バリア層のp型ドーパントのドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高く、前記第1バリア層は伝導帯に前記第1エネルギー障壁を形成し、前記第2バリア層は価電子帯に前記第2エネルギー障壁を形成してもよい。第1半導体層および第2半導体層の両方からのキャリアの移動を抑制することで、暗電流を効果的に抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る半導体受光素子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る半導体受光素子100を例示する断面図である。半導体受光素子100は、基板10、コンタクト層12、半導体層14(第1半導体層)、バリア層16(第2バリア層)、半導体層18(第4半導体層)、光吸収層20、半導体層22(第3半導体層)、バリア層24(第1バリア層)、半導体層26(第2半導体層)、コンタクト層28を有する。
基板10の上面にコンタクト層12が設けられている。コンタクト層12の上面のうち一部に電極30が設けられている。コンタクト層12の上面であって、電極30から離間した位置に、半導体層14が設けられている。
半導体層14の上面にバリア層16が設けられている。バリア層16の上面に半導体層18が設けられている。半導体層18の上面に光吸収層20が設けられている。光吸収層20の上面に半導体層22が設けられている。半導体層22の上面にバリア層24が設けられている。バリア層24の上面に半導体層26が設けられている。半導体層26の上面にコンタクト層28が設けられている。半導体層14、バリア層16、半導体層18、光吸収層20、半導体層22、バリア層24、半導体層26、およびコンタクト層28は、メサ29を形成する。コンタクト層28の上面に電極32が設けられている。
半導体受光素子100は、光を吸収し、電気信号を出力する。半導体受光素子100に例えば-0.2Vの逆バイアス電圧を印加する。電極30には正の電圧が入力される。電極32には負の電圧が入力される。基板10の裏面(コンタクト層12が設けられた面とは反対の面)から、半導体受光素子100に光が入射する。半導体受光素子100のカットオフ波長は例えば1.7μmである。光吸収層20は、例えば赤外領域の光を吸収し、キャリア(電子正孔対)を発生させる。電子は光吸収層20から半導体層14に向けて流れる。ホール(正孔)は光吸収層20から半導体層26に向けて流れる。これにより電流が流れる。
半導体受光素子100の感度を向上するためには、暗電流を低減することが重要である。熱励起したキャリアに起因して、暗電流が発生する。半導体層26においては電子が発生する。電子は半導体層26から半導体層14に向けて流れる。半導体層14においてはホールが発生する。ホールは半導体層14から半導体層26に向けて流れる。キャリアの移動によって、暗電流が発生する。
暗電流を低減するために、キャリアの移動を抑制すればよい。半導体受光素子100のバリア層16およびバリア層24は、キャリアの移動を抑制する。
基板10は例えば半絶縁性のインジウムリン(InP)で形成されている。コンタクト層12は例えばn型(第1導電型)のインジウムリン(n-InP)で形成されている。半導体層14および半導体層18は例えばn型のガリウムインジウム砒素(n-GaInAs)で形成されている。半導体層14の厚さは例えば0.1μm以上、1μm以下である。半導体層18の厚さは例えば0.01μm以上、0.2μm以下である。半導体層14および半導体層18のバンドギャップ波長は1.6μmから0.9μmである。
光吸収層20は例えばノンドープのガリウムインジウム砒素(GaIn1-xAs、0.45≦x≦0.49)で形成されている。光吸収層20の厚さは例えば0.5μm以上、7μm以下である。光吸収層20のバンドギャップは、半導体層14、18、22および26のバンドギャップよりも小さい。半導体層22および半導体層26は例えばp型(第2導電型)のGaInAs(p-GaInAs)で形成されている。半導体層22の厚さは例えば0.01μm以上、0.2μm以下である。半導体層26の厚さは例えば0.1μm以上、1μm以下である。半導体層22および半導体層26のバンドギャップ波長は1.6μmから0.9μmである。コンタクト層28は例えばp‐GaInAsで形成されている。
バリア層16は例えば(n+)-GaInAsで形成されている。バリア層24は例えば(p+)-GaInAsで形成されている。バリア層16およびバリア層24の厚さは例えば0.01μm以上、0.2μm以下である。バリア層16および24のバンドギャップは、例えば半導体層14、18、22および26のバンドギャップに等しい。半導体受光素子100の各半導体層は上記以外の半導体で形成されてもよい。半導体層14、18、22および26、バリア層16および24は、例えばガリウムインジウムリン砒素(GaInPAs)で形成されてもよいし、InPで形成されてもよい。
半導体層14および18、ならびにバリア層16はn型の導電型を有しており、n型のドーパントとしてシリコン(Si)、テルル(Te)、およびスズ(Sn)などがドープされる。半導体層22および26、ならびにバリア層24はp型の導電型を有しており、p型のドーパントとして亜鉛(Zn)およびベリリウム(Be)などがドープされる。
半導体層14、18、22および26におけるドーピング濃度は、例えば1×1023-3以上、1×1024-3以下である。バリア層16およびバリア層24におけるドーピング濃度は、半導体層14などのドーピング濃度よりも高く、例えば1×1024-3以上、1×1026-3以下である。バリア層16およびバリア層24のドーピング濃度を高くすることで、エネルギー障壁を形成する。エネルギー障壁によりキャリアの移動を抑制し、暗電流を低減させる。
図2はエネルギーバンドを例示する図である。半導体層14から半導体層26までのエネルギーを示している。図2中で、電子を黒丸で示し、ホールは白丸で示す。
図2に示すように、バリア層16の価電子帯のホールに対するエネルギーは、半導体層14および半導体層18のエネルギーよりも高い。すなわち、バリア層16は価電子帯にエネルギー障壁(第2エネルギー障壁)を形成する。半導体層14の価電子帯のエネルギーを基準とした、バリア層16のエネルギー障壁の高さをΔEvとする。バリア層24の伝導帯の電子に対するエネルギーは、半導体層22および半導体層26のエネルギーよりも高い。すなわち、バリア層24は伝導帯にエネルギー障壁(第1エネルギー障壁)を形成する。半導体層26の伝導帯のエネルギーを基準とした、バリア層24のエネルギー障壁の高さをΔEcとする。
熱励起によって、半導体層14の価電子帯にホールが発生する。バリア層16のエネルギー障壁がホールの移動を妨げる。半導体層26の伝導帯に電子が発生する。バリア層24のエネルギー障壁が電子の移動を妨げる。これにより暗電流を低減することができる。
光吸収層20は、光を吸収することでキャリア(電子正孔対)を発生させる。光吸収層20の伝導帯の電子は、光吸収層20から半導体層14へと流れる。光吸収層20からバリア層16までに、伝導帯にエネルギー障壁が発生しない。電子の有効質量が真空中より小さいため、電子はバリア層16と半導体層14との間のエネルギー障壁の影響を受けにくい。電子は光吸収層20から半導体層14へと流れやすい。光吸収層20の価電子帯のホールは、光吸収層20から半導体層26へと流れる。光吸収層20からバリア層24までに、価電子帯にエネルギー障壁が発生しない。ホールは光吸収層20から半導体層26へと流れやすい。
バリア層16およびバリア層24により、暗電流を低減することができる。バリア層16およびバリア層24は、光吸収層20で発生するキャリアの移動を阻害しにくい。したがって、半導体受光素子100の受光感度の低下は抑制される。
図3Aはドーピング濃度とエネルギー障壁の高さとの関係を例示する図である。図1の半導体受光素子100についてエネルギーを計算している。横軸は対数目盛であり、バリア層のドーピング濃度を表す。縦軸はエネルギー障壁の高さを表す。図3A中の円はバリア層24のエネルギー障壁の高さΔEcを表す。三角はバリア層16のエネルギー障壁の高さΔEvを表す。半導体層14、18、22および26のドーピング濃度は、1×1023-3である。
図3Aに示すように、ドーピング濃度が高いほど、エネルギー障壁も高くなる。ドーピング濃度が2×1025-3程度まではエネルギー障壁は数十meVである。ドーピング濃度が約2×1025-3以上になると、エネルギー障壁は100meV以上になる。ΔEvの変化率は、ΔEcの変化率よりも大きい。
図3Bはドーピング濃度と暗電流密度との関係を例示する図である。図1の半導体受光素子100における暗電流密度を計算している。横軸は対数目盛であり、バリア層のドーピング濃度を表す。縦軸は暗電流密度を表す。ドーピング濃度が高くなると、暗電流密度は低下する。バリア層のエネルギー障壁が高くなり、キャリアの移動を抑制するためである。
半導体受光素子100の製造方法について説明する。例えば有機金属気相成長法(MOVPE:Metal-organic Vapor Phase Epitaxy)などにより、基板10の上面に、コンタクト層12、半導体層14、バリア層16、半導体層18、光吸収層20、半導体層22、バリア層24、半導体層26、およびコンタクト層28を、この順番でエピタキシャル成長する。
半導体層14の成長後、原料ガスは変更せず、ドーピングのためのガス流量を多くすることで、バリア層16を形成することができる。バリア層16の成長後、ドーピングのためのガス流量を減少させることで、半導体層18を形成することができる。半導体層22の成長後、原料ガスは変更せず、ドーピングのためのガス流量を多くすることで、バリア層24を形成することができる。バリア層24の成長後、ドーピングのためのガス流量を減少させることで、半導体層26を形成することができる。
コンタクト層28の成長後、レジストパターニングおよびエッチングを行い、メサ29を形成する。例えば真空蒸着により、電極30および電極32を形成する。
第1実施形態によれば、半導体受光素子100はバリア層16およびバリア層24を有する。バリア層16は光吸収層20と半導体層14との間に設けられている。バリア層16のドーピング濃度は、半導体層14および18のドーピング濃度よりも高い。バリア層24は光吸収層20と半導体層26との間に設けられている。バリア層24のドーピング濃度は、半導体層26および22のドーピング濃度よりも高い。図2に示すように、バリア層16およびバリア層24はエネルギー障壁を形成する。バリア層16は、半導体層14から光吸収層20へのキャリア(ホール)の流れを抑制する。バリア層24は、半導体層26から光吸収層20へのキャリア(電子)の流れを抑制する。キャリアの移動が抑制されることで、図3Bに示すように暗電流を低減することができる。
バリア層を超格子層とすると、製造工程が複雑であり、高い結晶性を持ったバリア層を形成することが困難である。第1実施形態によれば、n型ドーパントの濃度を変えることで、半導体層14、バリア層16および半導体層18を連続して成長することができる。p型ドーパントの濃度を変えることで、半導体層22、バリア層24および半導体層26を連続して成長することができる。半導体受光素子100を簡単に製造することができる。
バリア層をバンドギャップの大きい半導体層とすることで、暗電流を抑制することができる。しかし、p型バリア層の価電子帯にもエネルギー障壁が形成される。n型バリア層の伝導帯にもエネルギー障壁が形成される。バリア層が、光吸収層20で生成されるキャリアの流れも阻害する。受光感度が低下する恐れがある。
第1実施形態のバリア層16は、高いn型ドーピング濃度を有する。バリア層24は、高いp型ドーピング濃度を有する。高ドーピング濃度の影響で、バリア層16は価電子帯にエネルギー障壁を有する。バリア層24は伝導帯にエネルギー障壁を有する。このため暗電流が抑制される。一方、バリア層16は伝導帯にエネルギー障壁を有さない。バリア層24は価電子帯にエネルギー障壁を有さない。光吸収層20で生成されるキャリアの移動は、バリア層16およびバリア層24によって阻害されにくい。このため受光感度の低下が抑制される。バリア層16およびバリア層24のバンドギャップは、半導体層14および半導体層26のバンドギャップと同程度でよい。バリア層16の伝導帯およびバリア層24の価電子帯にエネルギー障壁が生じにくい。
バリア層16のドーピング濃度を半導体層14および18のドーピング濃度の10倍以上としてもよい。バリア層24のドーピング濃度を半導体層26および22のドーピング濃度の10倍以上としてもよい。高いエネルギー障壁が形成されるため、電子およびホールの移動を抑制し、暗電流を低減することができる。バリア層16のドーピング濃度は、半導体層14および18のドーピング濃度より高く、例えば半導体層14および18のドーピング濃度の5倍以上、10倍以上、20倍以上、30倍以上、100倍以上でもよい。バリア層24のドーピング濃度は、半導体層26および22のドーピング濃度より高く、例えば半導体層26および22のドーピング濃度の5倍以上、10倍以上、20倍以上、30倍以上、100倍以上でもよい。
バリア層16およびバリア層24は、半導体層14および半導体層26に比べて多くのキャリアを含む。自由キャリア吸収が発生する恐れがある。つまり、半導体受光素子100に照射される光が、バリア層16およびバリア層24のキャリアに吸収される。自由キャリア吸収が発生すると、光吸収層20が受光する光の強度が低下する。バリア層16およびバリア層24から光吸収層20にドーパントが拡散すると、光吸収層20のうちドーパントが拡散した部分に印加される電界が小さくなる。半導体受光素子の応答速度が低下する恐れがある。
図1に示すように、バリア層16と光吸収層20との間に半導体層18が設けられている。バリア層24と光吸収層20との間に半導体層22が設けられている。半導体層18および半導体層22のドーピング濃度は、半導体層14および半導体層26のドーピング濃度と同程度である。半導体層18および半導体層22が設けられているため、バリア層16およびバリア層24による自由キャリア吸収が抑制される。光の強度の低下が抑制される。バリア層16およびバリア層24から光吸収層20へのドーパントの拡散も抑制され、電界が低下しにくい。応答速度の低下が抑制される。
半導体層18および半導体層22が厚いと、これらの層で熱励起したキャリアによって暗電流が発生する恐れがある。半導体層18および半導体層22の厚さは、例えばバリア層の厚さと同程度でよい。半導体層18および22の影響による暗電流の増加を抑制することができる。
バリア層16の厚さおよびバリア層24の厚さは、例えば0.01μm以上、0.2μm以下である。バリア層16およびバリア層24が厚いと、自由キャリア吸収が起こりやすくなる。したがって厚さは0.2μm以下とする。バリア層16およびバリア層24が厚いと、トンネル効果によって暗電流が発生する恐れがある。したがって厚さは0.01μm以上とする。
図1に示す半導体受光素子100は1つのメサ29を有する。半導体受光素子100は複数のメサを有するアレイセンサでもよい。アレイセンサの複数のメサにバリア層16およびバリア層24を設けることで、暗電流を低減することができる。
<第2実施形態>
図4は第2実施形態に係る半導体受光素子200を例示する断面図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。半導体受光素子200は、半導体層18および半導体層22を有さない。バリア層16は光吸収層20に隣接する。バリア層24は光吸収層20に隣接する。言い換えれば、バリア層16は光吸収層20の1つの面に接触する。バリア層24は光吸収層20のもう1つの面に接触する。半導体層14、バリア層16、光吸収層20、バリア層24および半導体層26が、この順番で積層されている。
図5はエネルギーバンドを例示する図である。図5に示すように、バリア層16は価電子帯にエネルギー障壁を有する。バリア層24は伝導帯にエネルギー障壁を有する。
第2実施形態によれば、バリア層16は、半導体層14から光吸収層20へのホールの流れを抑制する。バリア層24は、半導体層26から光吸収層20への電子の流れを抑制する。暗電流を低減することができる。
バリア層16およびバリア層24は光吸収層20に隣接する。バリア層と光吸収層20との間に半導体層が設けられていないため、暗電流を効果的に抑制することができる。
<第3実施形態>
図6は第3実施形態に係る半導体受光素子300を例示する断面図である。第1実施形態および第2実施形態のいずれかと同じ構成については説明を省略する。図6に示すように、半導体受光素子300はバリア層16および半導体層18を有さない。半導体層14、光吸収層20、半導体層22、バリア層24および半導体層26が、この順番で積層されている。
図7はエネルギーバンドを例示する図である。図7に示すように、半導体層14と光吸収層20との間にエネルギー障壁は形成されない。バリア層24は伝導帯にエネルギー障壁を有する。
第3実施形態によれば、バリア層24は、半導体層26から光吸収層20への電子の流れを抑制する。暗電流を低減することができる。暗電流において、ホールによる電流成分に比べて、電子による電流成分が大きい。すなわち、n型の半導体層14のホールに比べて、p型の半導体層26で生じる電子による寄与が大きい。半導体層26と光吸収層20との間にバリア層24を設けることで、電子の流れを抑制する。暗電流を効果的に低減することができる。
半導体層14と光吸収層20との間にバリア層を設けないため、自由キャリア吸収を抑制することができる。
<第4実施形態>
図8は第4実施形態に係る半導体受光素子400を例示する断面図である。第1実施形態から第3実施形態のいずれかと同じ構成については説明を省略する。図8に示すように、半導体受光素子400はバリア層16、半導体層18、および半導体層22を有さない。半導体層14、光吸収層20、バリア層24および半導体層26が、この順番で積層されている。
図9はエネルギーバンドを例示する図である。図9に示すように、半導体層14と光吸収層20との間にエネルギー障壁は形成されない。バリア層24は伝導帯にエネルギー障壁を有する。
第4実施形態によれば、バリア層24は、半導体層26から光吸収層20への電子の流れを抑制する。暗電流を低減することができる。バリア層24と光吸収層20との間に半導体層を設けないため、暗電流を効果的に抑制することができる。半導体層14と光吸収層20との間にバリア層を設けないため、自由キャリア吸収を抑制することができる。
図10は暗電流密度を例示する図である。横軸はバイアス電圧を表す。縦軸は暗電流密度を表す。図9の半導体受光素子400に電圧を印加したときの暗電流密度を計算している。温度は300Kとしている。点線は、バリア層24のドーピング濃度が1×1023-3の例である。破線は、バリア層24のドーピング濃度が1×1024-3の例である。実線は、バリア層24のドーピング濃度が5×1024-3の例である。
半導体受光素子の使用時、半導体受光素子には逆バイアス電圧(図10における負の電圧)が印加される。バイアス電圧がゼロから離れると暗電流は増加する。ドーピング濃度が高いほど、暗電流は低くなる。ドーピング濃度が高くなると、バリア層24のエネルギー障壁が高くなり、キャリアの移動を抑制するためである。
半導体受光素子は、n型のバリア層16およびp型のバリア層24のうち少なくとも一方を有していればよい。図1および図4のように、半導体受光素子がバリア層16およびバリア層24の両方を有してもよい。半導体層14および半導体層26の両方からのキャリアの流れを抑制し、暗電流を効果的に低減することができる。図6および図8のように、半導体受光素子がp型のバリア層24を有し、n型のバリア層16を有さなくてもよい。暗電流には電子の寄与が大きい。バリア層24が、半導体層26で発生する電子の流れを抑制する。暗電流を効果的に抑制することができる。半導体受光素子がn型のバリア層16を有し、p型のバリア層24を有さなくてもよい。バリア層16が、半導体層14で発生するホールの流れを抑制する。
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12、28 コンタクト層
14、18、22、26 半導体層
16、24 バリア層
20 光吸収層
29 メサ
30、32 電極
100、200、300、400 半導体受光素子

Claims (10)

  1. 第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられた光吸収層と、
    前記光吸収層の上に設けられ、第1エネルギー障壁を形成する第1バリア層と、
    前記第1バリア層の上に設けられた第2半導体層と、を具備し、
    前記第1半導体層は第1導電型を有し、
    前記第2半導体層および前記第1バリア層は、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有し、
    前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高い半導体受光素子。
  2. 前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度の10倍以上である請求項1に記載の半導体受光素子。
  3. 前記第1バリア層と前記光吸収層との間に設けられた第3半導体層を具備し、
    前記第3半導体層は前記第2導電型を有し、
    前記第1バリア層のドーピング濃度は前記第3半導体層のドーピング濃度より高い請求項1または請求項2に記載の半導体受光素子。
  4. 前記第1バリア層は、前記光吸収層および前記第2半導体層に隣接する請求項1または請求項2に記載の半導体受光素子。
  5. 前記第1バリア層および前記第2半導体層はp型の導電型を有し、
    前記第1バリア層は伝導帯に前記第1エネルギー障壁を形成する請求項1または請求項2に記載の半導体受光素子。
  6. 前記第1半導体層と前記光吸収層との間に設けられ、第2エネルギー障壁を形成する第2バリア層を具備し、
    前記第2バリア層は前記第1導電型を有し、
    前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度よりも高い請求項1または請求項2に記載の半導体受光素子。
  7. 前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度の10倍以上である請求項6に記載の半導体受光素子。
  8. 前記第2バリア層と前記光吸収層との間に設けられた第4半導体層を具備し、
    前記第4半導体層は前記第1導電型を有し、
    前記第2バリア層のドーピング濃度は前記第4半導体層のドーピング濃度より高い請求項6に記載の半導体受光素子。
  9. 前記第2バリア層は、前記光吸収層および前記第1半導体層に隣接する請求項6に記載の半導体受光素子。
  10. 前記第1半導体層および前記第2バリア層はn型の導電型を有し、
    前記第2半導体層および前記第1バリア層はp型の導電型を有し、
    前記第2バリア層のn型ドーパントのドーピング濃度は前記第1半導体層のドーピング濃度よりも高く、
    前記第1バリア層のp型ドーパントのドーピング濃度は前記第2半導体層のドーピング濃度よりも高く、
    前記第1バリア層は伝導帯に前記第1エネルギー障壁を形成し、
    前記第2バリア層は価電子帯に前記第2エネルギー障壁を形成する請求項6に記載の半導体受光素子。

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