JP2024027457A - 車両の制御装置 - Google Patents

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【課題】動力源トルクを制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつ断接装置を係合させる。【解決手段】動力源トルク推定値Tdestおよび差回転ΔNを変数として予め定められたデータマップに基づいて制御ゲインGを求め、制御ゲインGを動力源トルク推定値Tdestに乗算した乗算値Tdset×Gに応じて係合過渡圧であるロックアップ差圧Pluを制御する。制御ゲインGのデータマップは、差回転ΔNが大きい程制御ゲインGが大きくなり、動力源トルク推定値Tdestが大きい程制御ゲインGが大きくなるように定められており、制御ゲインGが大きい程ロックアップ差圧Pluは大きくされるため、アクセルペダルの踏み込み操作等による動力源トルクTd の増大を伴う場合でも、その動力源トルクTd を制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつロックアップクラッチ(断接装置)を係合させることができる。【選択図】図3

Description

本発明は車両の制御装置に係り、特に、動力源と駆動輪との間の動力伝達経路を接続遮断する断接装置の係合過渡圧を制御する技術に関するものである。
(a) エンジンを含む動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路を接続遮断する摩擦係合式の断接装置と、を有する車両に適用され、(b) 前記断接装置を係合させる際にその断接装置の係合過渡圧を制御する係合制御部を備えている車両の制御装置、が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、動力伝達経路に設けられた自動変速機の第1ギヤ段を成立させるクラッチC1が断接装置として用いられ、予め定められたニュートラル制御実行条件を満たした場合に開放される一方、予め定められた復帰条件を満たした場合に係合させられる。その係合時にジャダーや係合ショックが発生することを抑制するため、断接装置(クラッチC1)の差回転が目標差回転となるように動力源トルク(エンジントルク)を制限し、目標差回転になったら目標の油圧勾配となるように油圧(係合過渡圧)および動力源トルクを制御するようになっている。
特開2011-163477号公報
しかしながら、差回転や目標油圧勾配に応じて動力源トルクが制限されるため、動力源トルクの立ち上がりが遅くなって駆動力応答性等のドラビリが損なわれる可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、動力源トルクを制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつ断接装置を係合させることにある。
第1発明は、(a) エンジンを含む動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路を接続遮断する摩擦係合式の断接装置と、を有する車両に適用され、(b) 前記断接装置を係合させる際にその断接装置の係合過渡圧を制御する係合制御部を備えている車両の制御装置において、(c) 前記係合制御部は、前記動力源のトルクである動力源トルクの推定値および前記断接装置の差回転を変数として予め定められた関係に基づいて制御ゲインを求め、その制御ゲインを前記動力源トルクに乗算した乗算値に応じて前記係合過渡圧を制御する一方、(d) 前記予め定められた関係は、前記差回転が大きい程前記制御ゲインが大きくなり、前記動力源トルクの推定値が大きい程前記制御ゲインが大きくなるように定められており、前記制御ゲインが大きい程前記係合過渡圧が大きくされることを特徴とする。
上記制御ゲインは、動力源トルク推定値に応じて断接装置を係合制御する際の補正係数に相当し、例えば1.0を挟んでその上下に跨がって定められるが、1.0以上或いは1.0以下の範囲で制御ゲインを定めることもできる。
第2発明は、第1発明の車両の制御装置において、(a) 予め定められたニュートラル制御実行条件を満たした場合に前記断接装置を開放して前記動力伝達経路を遮断する一方、予め定められた復帰条件を満たした場合に前記断接装置を係合させるニュートラル制御部を有し、(b) 前記ニュートラル制御部が、前記復帰条件を満たして前記断接装置を係合させる際に、前記係合制御部によってその断接装置の前記係合過渡圧が制御されることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の車両の制御装置において、前記車両は、前記動力源と前記駆動輪との間の前記動力伝達経路に前記動力源側からトルクコンバータおよび自動変速機を直列に備えているとともに、前記トルクコンバータにはロックアップクラッチが設けられており、そのロックアップクラッチが前記断接装置であることを特徴とする。
第4発明は、第3発明の車両の制御装置において、前記係合制御部は、前記ロックアップクラッチのイナーシャIlu、目標角加速度α、前記動力源トルクの推定値Tdest、前記制御ゲインGを用いて、次式(1) に従って必要トルク容量Tluを算出し、その必要トルク容量Tlu、油圧換算係数K、摩擦係数μを用いて、前記係合過渡圧に相当するロックアップ差圧の目標値Plut を次式(2) に従って算出し、その目標値Plut で前記ロックアップクラッチを係合制御することを特徴とする。
Tlu=Tdest×G-Ilu×α ・・・(1)
Plut =Tlu/K/μ ・・・(2)
このような車両の制御装置においては、動力源トルクの推定値および断接装置の差回転を変数として予め定められた関係に基づいて制御ゲインを求め、その制御ゲインを動力源トルクの推定値に乗算した乗算値に応じて係合過渡圧を制御する。その場合に、上記予め定められた関係は、差回転が大きい程制御ゲインが大きくなり、動力源トルクの推定値が大きい程制御ゲインが大きくなるように定められており、その制御ゲインが大きい程係合過渡圧は大きくされるため、アクセルペダルの踏み込み操作等による動力源トルクの増大を伴う場合でも、その動力源トルクを制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつ断接装置を係合させることができる。
すなわち、断接装置を係合させる際に、アクセルペダルの踏み込み操作等による動力源トルクの増大を伴う場合、制御ゲインは例えば図3の点a→点b→点cで示すように変化する。図3において四角形の網目で示した立体面は、制御ゲインGと動力源トルク推定値(動力源トルクの推定値)Tdestと差回転ΔNとの予め定められた関係の一例であり、制御ゲインGは、点aから点b、点cへ、その立体面の面上を移動させられる。具体的に説明すると、係合制御の開始当初は差回転ΔNが大きいとともに、エンジンを含む動力源トルクの立ち上がりには応答遅れがあることから、制御ゲインGは比較的大きく(点a)、大きな係合過渡圧に基づいて差回転ΔNが速やかに減少させられる。差回転ΔNが小さくなると制御ゲインGが小さくなるため(点b)、動力源トルク推定値Tdestに対して相対的に係合過渡圧が低く抑えられ、断接装置のスリップ係合状態が継続されるとともに、急係合による係合ショックが抑制される。その状態で動力源トルク推定値Tdestが上昇すると、それに伴って制御ゲインGが大きくなるため(点c)、相対的に大きな係合過渡圧で断接装置が速やかに係合させられ、動力源トルクの吹きやジャダーの発生が抑制される。
一方、断接装置の差回転を変数として制御ゲインが求められるため、動力源トルクの推定値の算出誤差や係合過渡圧の制御誤差、応答遅れ等に拘らず、実際の差回転に基づいて断接装置の係合過渡圧を適切に制御して係合させることができる。すなわち、動力源トルクの推定値に基づいて係合過渡圧を制御する場合、それ等の算出誤差や制御誤差等の影響で制御が不安定になる可能性があるが、断接装置の実際の差回転を検出して係合過渡圧をフィードバック的に制御することで、算出誤差や制御誤差等の影響が軽減され、断接装置の係合制御を安定して行なうことができる。断接装置の係合過渡時には、静摩擦か動摩擦かによって摩擦特性が変化するが、差回転を変数として制御ゲインが定められることにより、その摩擦特性の変化についても制御ゲインで吸収することができる。
第2発明はニュートラル制御に関するもので、アクセルペダルの踏み込み操作が復帰条件として定められる場合は勿論、復帰条件でなくても復帰時にアクセルペダルが踏み込み操作されることがあるため、動力源トルクを制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつ断接装置を係合させることができる、という本発明の効果が適切に得られる。
第3発明および第4発明は、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチが断接装置として用いられる場合で、本発明の効果が適切に得られる。特に、ロックアップクラッチの係合過渡圧の制御では、入力トルクに関してトルクコンバータによるトルク伝達の影響を受けるが、ロックアップクラッチの差回転を変数として制御ゲインが定められるため、トルクコンバータによるトルク伝達の影響を吸収することが可能で、ロックアップクラッチの係合制御が容易になる。
本発明が適用された制御装置として電子制御装置を備えている車両の概略構成図である。 図1の電子制御装置が機能的に備えているニュートラル制御部の復帰制御の際の作動を説明するフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS4でロックアップクラッチの差回転ΔNおよび動力源トルク推定値Tdestを変数として制御ゲインGを求める際に用いられるデータマップの一例を説明する図である。 ニュートラル制御の復帰時に図2のフローチャートに従ってロックアップクラッチが係合制御された場合の各部の作動状態の変化を説明するタイムチャートの一例である。
本発明は、エンジンを含む動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に動力源側からトルクコンバータおよび自動変速機を直列に備えているとともに、トルクコンバータにはロックアップクラッチが設けられており、そのロックアップクラッチが断接装置として用いられる車両に好適に適用されるが、少なくともエンジンを含む動力源と断接装置とを備えている種々の車両に適用され得る。エンジンは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関である。動力源はエンジンのみでも良いが、エンジンの他に電動モータ等の他の動力源を備えていても良い。動力源トルクの推定値は、例えばエンジンの吸入空気量や回転速度等から算出されるが、動力源トルクに関する各種の制御要素の目標値や指令値等を用いて算出しても良い。
摩擦係合式の断接装置としては、上記ロックアップクラッチの他、変速比が異なる複数のギヤ段を形成することができる自動変速機や前後進切換装置などに設けられる油圧式のクラッチやブレーキが好適に用いられる。自動変速機とは別個に設けられる発進クラッチ等を断接装置として用いることもできる。断接装置の係合過渡圧は、断接装置が摩擦係合させられて伝達トルク容量を有するスリップ係合時の係合圧である。
ニュートラル制御実行条件としては、例えばアクセルペダルが踏み込み操作されていないアクセルOFF、ブレーキペダルが踏み込み操作されたブレーキON、シフトレンジがNレンジ等の非走行レンジ、被駆動走行時、車両停止時、等が定められる。復帰条件としては、例えばブレーキペダルが踏み込み操作されていないブレーキOFF、シフトレンジがDレンジ等の走行レンジ、アクセルペダルが踏み込み操作されたアクセルON、等が定められる。ニュートラル制御は、断接装置を開放して動力伝達経路を遮断する制御で、フューエルカットによるエンジン停止を並行して行なうこともできるが、エンジンを作動させたまま動力伝達経路を遮断するだけでも良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された制御装置として電子制御装置70を備えている車両10の概略構成図で、制御系統の要部を併せて示した図である。車両10は、エンジン12を走行用の動力源として備えており、そのエンジン12の出力は、トルクコンバータ(T/C)14、自動変速機16、差動歯車装置18等の動力伝達経路を経て左右の駆動輪20へ伝達される。エンジン12は、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジン等の内燃機関で、燃料噴射量を制御する燃料噴射装置22、吸入空気量Qを制御する電子スロットル弁24、および点火時期を制御する点火時期制御装置26を備えている。燃料噴射装置22は、電子制御装置70から供給される燃料噴射制御信号Se1に従って燃料噴射量を制御する。電子スロットル弁24は、電子制御装置70から供給されるスロットル制御信号Se2に従ってスロットル弁開度θthを制御し、このスロットル弁開度θthに応じて吸入空気量Qが制御される。点火時期制御装置26は、電子制御装置70から供給される点火時期制御信号Se3に従って図示しないイグナイタの点火時期を制御する。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されているポンプ翼車と、自動変速機16の入力軸に連結されているタービン翼車と、ステータとを備えており、ポンプ翼車とタービン翼車との間で流体を介して動力伝達を行うとともに、ポンプ翼車とタービン翼車とを直結するロックアップ(L/U)クラッチ30を備えている。ロックアップクラッチ30は、係合側油室内の油圧と開放側油室内の油圧との油圧差であるロックアップ差圧Pluに応じて摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチで、相対回転不能に完全係合させられることにより、トルクコンバータ14は、エンジン12の回転を自動変速機16へ直接伝達するロックアップ状態になる。開放側油室の油圧が高くなるようにロックアップ差圧Pluが制御されると、ポンプ翼車およびタービン翼車の相対回転が許容される開放状態となり、トルクコンバータ14は専ら流体を介して動力伝達を行なうトルクコンバータ状態になる。また、ロックアップクラッチ30が所定のスリップ量で回転させられるようにロックアップ差圧Pluがフィードバック制御されると、トルクコンバータ14は、ロックアップクラッチ30のスリップ量と同じ差回転でタービン翼車およびポンプ翼車が相対回転させられるフレックス制御状態となる。ロックアップクラッチ30のスリップ量は、エンジン回転速度Ne とタービン回転速度Ntとの差回転ΔN(=Ne -Nt )で表すことができる。
ロックアップ差圧Pluは、電子制御装置70から出力されるロックアップ制御信号Sluに従って油圧制御回路32の電磁調圧弁や電磁切替弁等が制御されることにより調圧され、ロックアップクラッチ30が完全係合状態、スリップ係合状態、開放状態の何れかの状態に切り替えられる。ロックアップクラッチ30の完全係合状態およびスリップ係合状態は、ロックアップクラッチ30が所定の伝達トルク容量で動力伝達する接続状態で、ロックアップクラッチ30の開放状態は、その伝達トルク容量が0となり、動力伝達を遮断する遮断状態になる。トルクコンバータ14は流体式伝動装置で、ロックアップクラッチ30は動力伝達経路を接続遮断する摩擦係合式の断接装置である。
自動変速機16は、変速比が異なる複数のギヤ段を成立させることができる遊星歯車式の有段変速機で、油圧式摩擦係合装置として複数のクラッチおよびブレーキを備えている。複数のクラッチおよびブレーキは、シフトレバー等のレンジ選択操作装置50によって選択されるPRND等の選択レンジSraに応じて油圧制御回路32のマニュアルバルブが切り替えられるとともに、電子制御装置70から出力される変速制御信号Satに従って油圧制御回路32の電磁調圧弁や電磁切替弁等が制御されることにより、係合開放状態が切り替えられる。自動変速機16として、ベルト式無段変速機が用いられても良いし、ベルト式無段変速機とギヤ式伝動装置とが並列に設けられた複合変速機が用いられても良いなど、種々の態様が可能である。
車両10は、エンジン12や自動変速機16などを制御するための制御装置として電子制御装置70を備えている。電子制御装置70は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や自動変速機16の変速制御、ロックアップクラッチ30の係合開放制御などを実行する。
電子制御装置70には、例えば選択レンジセンサ52、アクセル開度センサ56、吸入空気量センサ58、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ64、車速センサ66、ブレーキスイッチ68等から、シフトレバー等のレンジ選択操作装置50によって複数のシフトレンジから選択された選択レンジSra、アクセルペダル54の操作量であるアクセル開度Acc、エンジン12の吸入空気量Q、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne 、トルクコンバータ14の出力回転速度であるタービン回転速度Nt 、車速V、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキON信号Bonなど、制御に必要な各種の情報を表す信号が供給される。複数のシフトレンジは自動変速機16の動力伝達状態を切り替えるもので、例えばアクセル開度Accに応じた前進走行が可能なDレンジ、アクセル開度Accに応じた後進走行が可能なRレンジ、自動変速機16の動力伝達を遮断するNレンジ、駐車用のPレンジ、などがあり、その何れかのシフトレンジが選択レンジSraとして選択される。アクセル開度Accは運転者の出力要求量に対応する。
電子制御装置70は、機能的にエンジン制御部72、変速制御部74、ロックアップクラッチ(L/Uクラッチ)制御部76を備えており、エンジン12の作動を制御するためのエンジン制御信号として燃料噴射制御信号Se1、スロットル制御信号Se2、および点火時期制御信号Se3が出力されるとともに、自動変速機16の変速等に関する油圧制御のための変速制御信号Sat、ロックアップクラッチ30の係合開放状態を切り替えるためのロックアップ制御信号Slu等が出力される。電子制御装置70は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用、ロックアップクラッチ制御用の各電子制御装置を別々に備えて構成される。
エンジン制御部72は、例えばアクセル開度Accおよび車速V等に基づいて燃料噴射制御信号Se1、スロットル制御信号Se2、および点火時期制御信号Se3を出力することにより、エンジン12の出力であるエンジントルクTe を制御する。
変速制御部74は、例えば車速Vやアクセル開度Acc等の車両状態をパラメータとして予め定められた変速マップ(変速条件)に従って変速判断を行い、必要に応じて変速制御信号Satを出力することにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える。具体的には、複数の前進ギヤ段は、車速Vが低い程変速比が大きい低速側のギヤ段に変速され、アクセル開度Accが略0のアクセルOFFのコースト減速時も、車速Vの低下に伴って高速側ギヤ段から低速側ギヤ段へ順次変速される一方、アクセル開度Accが大きい程変速比が大きい低速側のギヤ段に変速される。
ロックアップクラッチ制御部76は、ロックアップクラッチ30の作動状態を制御するもので、ロックアップ制御信号Sluに従ってロックアップ差圧Pluを制御することにより、ロックアップクラッチ30を完全係合状態、スリップ係合状態、開放状態の何れかの状態に切り替える。例えば車速Vおよびスロットル弁開度θth等の車両状態をパラメータとして、ロックアップ完全係合領域、スリップ係合領域、ロックアップオフ領域を有する予め定められた関係(ロックアップ領域線図)を用いて、実際の車速Vおよびスロットル弁開度θth等に応じて何れの領域であるかを判断する。そして、ロックアップクラッチ30が、その判断した領域に対応する作動状態になるように、ロックアップ差圧Pluを制御するロックアップ制御信号Sluを油圧制御回路32に対して出力する。すなわち、ロックアップ完全係合領域では完全係合状態とし、スリップ係合領域ではスリップ係合状態とし、ロックアップオフ領域では開放状態とする。
ロックアップクラッチ制御部76は機能的にニュートラル制御部78を備えており、Dレンジでの運転中に一定のニュートラル制御実行条件を満たした場合にロックアップクラッチ30を開放するニュートラル制御(N制御)を実行し、動力伝達経路を遮断する。ニュートラル制御実行条件は、例えばアクセル開度Accが0のアクセルOFFを含んで定められ、ロックアップクラッチ30が開放される。エンジン12は、例えばアイドル状態で作動が継続されるが、一定の条件下でフューエルカットにより運転停止させても良い。一方、アクセル開度Accが所定値以上のアクセルONを含む予め定められた復帰条件を満たした場合には、図2のフローチャートのステップS1~S8(以下、ステップを省略して単にS1~S8と言う。)に従って復帰制御を実行し、ロックアップクラッチ30を係合させる。図2のフローチャートにおいて菱形で示した判断ステップのYESは肯定を意味して、NOは否定を意味している。本実施例では、ニュートラル制御部78による一連の制御の中で、図2のフローチャートに従って復帰制御すなわちロックアップクラッチ30の係合制御、を実行する部分が係合制御部に相当する。
図2のS1では、ニュートラル制御の復帰条件が成立したか否かを判断し、復帰条件が成立した場合にはS2以下の係合制御を実行する。S2では、ロックアップクラッチ30の差回転ΔNを検出する。具体的には、エンジン回転速度Ne からタービン回転速度Nt を引き算して差回転ΔNを算出する。S3では、動力源トルク推定値Tdestを算出する。本実施例では動力源としてエンジン12のみを備えているため、動力源トルク推定値Tdestとして、エンジン回転速度Ne や吸入空気量Q、点火時期等からエンジントルクTe の推定値を算出する。S4では、差回転ΔNおよび動力源トルク推定値Tdestを変数として予め定められたデータマップから制御ゲインGを算出する。図3は、制御ゲインGを求めるためのデータマップの一例で、差回転ΔNが大きい程制御ゲインGが大きくなり、動力源トルク推定値Tdestが大きい程制御ゲインGが大きくなるように定められている。図3において四角形の網目で示した立体面は、制御ゲインGと動力源トルク推定値Tdestと差回転ΔNとの予め定められた関係の一例であり、動力源トルク推定値Tdestや差回転ΔNの変化に伴って制御ゲインGは例えば点a→点b→点cで示すようにその立体面に沿って移動させられる。制御ゲインGは、動力源トルク推定値Tdestに応じてロックアップクラッチ30を係合制御する際の補正係数に相当し、例えば1.0を挟んでその上下に跨がって設定される。図4のタイムチャートの動力源トルク推定値Tdestの欄の破線は、動力源トルク推定値Tdestに制御ゲインGを乗算した乗算値Tdest×Gで、実線で示した動力源トルク推定値Tdestよりも高い部分は制御ゲインGが1.0よりも大きいことを意味しており、動力源トルク推定値Tdestよりも低い部分は制御ゲインGが1.0よりも小さいことを意味している。
次のS5では、ロックアップクラッチ30のイナーシャIlu、目標角加速度α、動力源トルク推定値Tdest、および制御ゲインGを用いて、前記数式(1) に従って必要トルク容量Tluを算出する。イナーシャIluおよび目標角加速度αは予め一定値が定められるが、アクセル開度Acc等に応じて目標角加速度αが可変設定されるようにしても良い。続くS6では、必要トルク容量Tlu、油圧換算係数K、摩擦係数μを用いて、前記数式(2) に従ってロックアップ差圧Pluの目標値Plut を算出し、その目標値Plut に従ってロックアップクラッチ30を係合制御する。油圧換算係数Kは、ロックアップクラッチ30の受圧面積等に応じて予め一定値が定められ、摩擦係数μは、ロックアップクラッチ30の摩擦材の種類等に応じて予め一定値が定められる。ロックアップ差圧Pluはロックアップクラッチ30の係合圧、すなわち断接装置の係合圧であるが、図2のフローチャートに従ってロックアップクラッチ30を係合制御する際のスリップ係合時のロックアップ差圧Pluは係合過渡圧に相当する。
次のS7では、差回転ΔNが略0の完全係合状態になったか否かの係合判定を行い、係合判定が成立するまでS2以下を繰り返し実行する。係合判定は、例えば差回転ΔNの絶対値が所定の判定値以下の略0の状態が所定時間以上継続したか否かによって行なわれる。そして、S7の係合判定が成立したら、S8の制御終了処理を実行する。S8の制御終了処理では、例えばロックアップ差圧Pluをライン圧等の最大圧まで増大してロックアップクラッチ30を完全係合状態に保持する。
図4は、アクセルOFFの車両停止状態でアクセルペダル54が踏み込み操作された発進加速時に、図2のフローチャートに従って復帰制御が実行された場合の各部の作動状態の変化を示したタイムチャートの一例である。図4の時間t1は、アクセルペダル54の踏み込み操作等により復帰条件が成立してS1の判断がYESになり、S2以下の係合制御が開始された時間であり、動力源トルク推定値Tdestに応じたロックアップクラッチ30の係合制御、すなわちロックアップ差圧Pluの制御が開始される。時間t1以前は、エンジン12はアイドル状態であり、差回転ΔNは略アイドル回転速度である。図4の最下段のロックアップ差圧Pluの指示値は、前記数式(2) に従って算出された目標値Plut と同じ値であり、動力源トルク推定値Tdestに制御ゲインGを乗算して(1) 式に従って求められた必要トルク容量Tluを用いて算出されているため、制御ゲインGによる補正が反映される。制御ゲインGが、ロックアップクラッチ30の係合制御の進行に伴って図3の点a→点b→点cで示すように変化した場合について具体的に説明すると、係合制御の開始当初は差回転ΔNが大きいとともに、エンジントルクTe に基づく動力源トルク推定値Tdestの立ち上がりには応答遅れがあることから、制御ゲインGは比較的大きな値になる(点a)。このため、時間t1~t2に示されるように、動力源トルク推定値Tdestに制御ゲインGを乗算した乗算値Tdest×Gが動力源トルク推定値Tdestよりも大きくなり、相対的に大きなロックアップ差圧Pluに基づいて差回転ΔNが速やかに減少させられる。差回転ΔNが小さくなると制御ゲインGが小さくなるため(点b)、時間t2~t3に示されるように乗算値Tdest×Gが動力源トルク推定値Tdest以下になる。これにより、ロックアップ差圧Pluが相対的に低く抑えられ、ロックアップクラッチ30のスリップ係合状態が継続されるとともに、急係合による係合ショックが抑制される。また、その状態で動力源トルク推定値Tdestが上昇すると、それに伴って制御ゲインGが大きくなり(点c)、時間t3~t4に示されるように乗算値Tdest×Gが動力源トルク推定値Tdestよりも大きくなる。これにより、相対的に大きなロックアップ差圧Pluでロックアップクラッチ30が速やかに係合させられ、エンジントルクTe の吹きやジャダーの発生が抑制される。時間t4は、係合判定が成立してS7の判断がYESになり、S8の制御終了処理が開始された時間である。
このように本実施例の車両10の電子制御装置70が機能的に備えているニュートラル制御部78によれば、動力源トルク推定値Tdestに基づいてロックアップ差圧Pluを制御してロックアップクラッチ30を係合させる際に、動力源トルク推定値Tdestおよび差回転ΔNを変数として予め定められた図3のデータマップに基づいて制御ゲインGを求め、その制御ゲインGを動力源トルク推定値Tdestに乗算した乗算値Tdest×Gに応じてロックアップ差圧Pluを制御している。その場合に、制御ゲインGのデータマップは、差回転ΔNが大きい程制御ゲインGが大きくなり、動力源トルク推定値Tdestが大きい程制御ゲインGが大きくなるように定められており、その制御ゲインGが大きい程ロックアップ差圧Pluは大きくされるため、アクセルペダル54の踏み込み操作等による動力源トルクTd の増大を伴う場合でも、その動力源トルクTd を制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつロックアップクラッチ30を係合させることができ、動力源トルクTd の立ち上がりが早くなって駆動力応答性等のドラビリが向上する。言い換えれば、動力源トルク推定値Tdestおよび差回転ΔNを変数として制御ゲインGを求めるための図3のデータマップは、ジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつロックアップクラッチ30を係合させることができるように、予め実験等により定められる。
一方、差回転ΔNを変数として制御ゲインGが求められるため、動力源トルク推定値Tdestの算出誤差やロックアップ差圧Pluの制御誤差、応答遅れ等に拘らず、実際の差回転ΔNに基づいてロックアップクラッチ30のロックアップ差圧Pluを適切に制御して係合させることができる。すなわち、動力源トルク推定値Tdestに基づいてロックアップ差圧Pluを制御する場合、それ等の算出誤差や制御誤差等の影響で制御が不安定になる可能性があるが、ロックアップクラッチ30の実際の差回転ΔNを検出してロックアップ差圧Pluをフィードバック的に制御することで、算出誤差や制御誤差等の影響が軽減され、ロックアップクラッチ30の係合制御を安定して行なうことができる。ロックアップクラッチ30がスリップ係合状態の係合過渡時には、静摩擦か動摩擦かによって摩擦特性が変化するが、差回転ΔNを変数として制御ゲインGが定められることにより、その摩擦特性の変化についても制御ゲインGで吸収することができる。
また、本実施例はニュートラル制御に関するもので、アクセルペダル54の踏み込み操作が復帰条件として定められる場合は勿論、復帰条件でなくても復帰時にアクセルペダル54が踏み込み操作されることがあるため、動力源トルクTd を制限することなくジャダーや係合ショックの発生を抑制しつつロックアップクラッチ30を係合させることができる、という本発明の効果が適切に得られる。
また、本実施例はトルクコンバータ14に設けられたロックアップクラッチ30が断接装置として用いられる場合で、ロックアップ差圧Pluの制御では、入力トルクに関してトルクコンバータ14によるトルク伝達の影響を受けるが、ロックアップクラッチ30の差回転ΔNを変数として制御ゲインGが定められるため、トルクコンバータ14によるトルク伝達の影響を吸収することが可能で、ロックアップクラッチ30の係合制御が容易になる。言い換えれば、動力源トルク推定値Tdestおよび差回転ΔNを変数として制御ゲインGを求めるための図3のデータマップは、トルクコンバータ14によるトルク伝達に拘らずロックアップクラッチ30を適切に係合させることができるように定められる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両 12:エンジン(動力源) 14:トルクコンバータ 16:自動変速機 20:駆動輪 30:ロックアップクラッチ(断接装置) 70:電子制御装置(制御装置) 78:ニュートラル制御部(係合制御部) ΔN:差回転 Tdest:動力源トルク推定値(動力源トルクの推定値) G:制御ゲイン Tdest×G:乗算値 Plu:ロックアップ差圧(係合過渡圧)

Claims (4)

  1. エンジンを含む動力源と、前記動力源と駆動輪との間の動力伝達経路を接続遮断する摩擦係合式の断接装置と、を有する車両に適用され、
    前記断接装置を係合させる際に該断接装置の係合過渡圧を制御する係合制御部を備えている車両の制御装置において、
    前記係合制御部は、前記動力源のトルクである動力源トルクの推定値および前記断接装置の差回転を変数として予め定められた関係に基づいて制御ゲインを求め、該制御ゲインを前記動力源トルクに乗算した乗算値に応じて前記係合過渡圧を制御する一方、
    前記予め定められた関係は、前記差回転が大きい程前記制御ゲインが大きくなり、前記動力源トルクの推定値が大きい程前記制御ゲインが大きくなるように定められており、前記制御ゲインが大きい程前記係合過渡圧が大きくされる
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 予め定められたニュートラル制御実行条件を満たした場合に前記断接装置を開放して前記動力伝達経路を遮断する一方、予め定められた復帰条件を満たした場合に前記断接装置を係合させるニュートラル制御部を有し、
    前記ニュートラル制御部が、前記復帰条件を満たして前記断接装置を係合させる際に、前記係合制御部によって該断接装置の前記係合過渡圧が制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両は、前記動力源と前記駆動輪との間の前記動力伝達経路に前記動力源側からトルクコンバータおよび自動変速機を直列に備えているとともに、前記トルクコンバータにはロックアップクラッチが設けられており、該ロックアップクラッチが前記断接装置である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記係合制御部は、前記ロックアップクラッチのイナーシャIlu、目標角加速度α、前記動力源トルクの推定値Tdest、前記制御ゲインGを用いて、次式(1) に従って必要トルク容量Tluを算出し、該必要トルク容量Tlu、油圧換算係数K、摩擦係数μを用いて、前記係合過渡圧に相当するロックアップ差圧の目標値Plut を次式(2) に従って算出し、該目標値Plut で前記ロックアップクラッチを係合制御する
    Tlu=Tdest×G-Ilu×α ・・・(1)
    Plut =Tlu/K/μ ・・・(2)
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
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