JP2024026974A - 磁気ヘッド、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ヘッドの劣化を抑制する磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供する。【解決手段】磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極60と、主磁極60とライトギャップWGを置いて設けられ、主磁極60とともに磁気回路を構成する補助磁極62と、主磁極60と補助磁極62との間に設けられ、主磁極60から補助磁極62へと通電可能な積層体90と、を含む磁気ヘッド10-1であって、積層体90は、主磁極60の補助磁極62と対向する表面上に順に設けられた、第1冷却層81と、第1導電層91と、を含む。第1冷却層81は、通電方向に対し垂直な断面積が、通電方向に対し垂直な主磁極60の断面積よりも大きく、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気ヘッド、及び磁気記録再生装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)の記録密度を向上するため、アシスト記録方式を用いた磁気記録ヘッドが提案されている。アシスト記録方式としては、例えば、マイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)方式、熱アシスト磁気記録(TAMR)方式、またはエネルギーアシスト垂直磁気記録方式等があげられる。
例えば高周波アシスト技術の場合、高周波アシストヘッドの主磁極と補助磁極との間に設けられたスピントルク発振子(STO)には大きな電流が流れるため、ジュール発熱により、STOの酸化が進行する。発熱量が最も大きいのは電流密度の高いSTOであるが、STOは、金属の積層膜であるためペルチェ効果が同時に発現し、熱の輸送が発生すると考えられている。これにより、従来の高周波アシストヘッドの構造において、結果的に熱の影響を最も受けるのはSTOよりも主磁極付近であり、主磁極の酸化が先行する傾向がある。この主磁極の酸化は、BER(Bit Error Rate)悪化に直結することから、抑制することが望まれている。
特開2015-43247号公報 特開2017-16724号公報
本願発明の実施形態は、磁気ヘッドの劣化を抑制することを目的とする。
実施形態によれば、磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、
前記主磁極とライトギャップを置いて設けられ、前記主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、
前記主磁極と前記補助磁極との間に設けられ、前記主磁極から補助磁極へと通電可能な積層体とを含む磁気ヘッドであって、
前記積層体は、前記主磁極の前記補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1冷却層と、第1導電層とを含み、
前記第1冷却層は、通電時にペルチェ効果により前記主磁極を冷却し、トラック幅方向の長さが、前記主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い磁気ヘッドが提供される。
実施形態に係る磁気ヘッドの構成をABS側から見た図である。 ペルチェ効果を説明するためのモデル図である。 実施形態に関する磁気記録再生装置の構成を説明するための図である。 磁気ヘッドおよびサスペンションを示す側面図である。 磁気ヘッドのヘッド部および磁気ディスクを拡大して示す断面図である。 記録ヘッドおよび磁気ディスクを模式的に示す斜視図である。 記録ヘッドの磁気ディスク側の端部を拡大して示すトラックセンターに沿った断面図である。 図7をABS側から見た図である。 記録ヘッドの磁気ディスク側の端部を拡大して示すトラックセンターに沿った断面図である。 ライトギャップWG内の磁化状態を模式的に示す図である。 磁気ヘッドの構成の他の例を表す断面図である。 図11の記録ヘッドのトラックセンターに沿った断面図である。 磁気ヘッドの構成の他の例を表す断面図である。 図13の記録ヘッドのトラックセンターに沿った断面図である。 磁気ヘッドの構成の他の例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。 図16の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。 図20の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。 実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図である。
実施形態によれば、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、主磁極とライトギャップを置いて設けられ、主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、主磁極と補助磁極との間に設けられ、主磁極から補助磁極へと通電可能な積層体とを含む。積層体は、主磁極の補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1冷却層と、第1導電層とを含む。第1冷却層は、通電時にペルチェ効果により前記主磁極を冷却する。また、第1冷却層のトラック幅方向の長さは、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い。
また、他の実施形態によれば、磁気記録再生装置は、磁気ヘッドを備えている。磁気ヘッドは、磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、主磁極とライトギャップを置いて設けられ、主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、主磁極と補助磁極との間に設けられ、主磁極から補助磁極へと通電可能な積層体とを含む。積層体は、主磁極の補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1冷却層と、第1導電層とを含む。第1冷却層は、通電時にペルチェ効果により前記主磁極を冷却する。また、第1冷却層のトラック幅方向の長さは、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、実施形態に係る磁気ヘッドの構成をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10のヘッド部44は、磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極60と、主磁極60とライトギャップWGを置いて設けられ、主磁極60とともに磁気回路を構成する補助磁極62と、主磁極60と補助磁極62との間に設けられ、主磁極60から補助磁極62へ通電可能な積層体90とを含む。積層体90は、主磁極60の補助磁極62と対向する表面60c上に順に設けられた、第1冷却層81と、第1導電層91とを含む。第1冷却層は、主磁極60の補助磁極62側の側面(トレーリングシールド側端面)60c上に設けられ、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する。また、第1冷却層81のトラック幅方向の長さWCLは、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1冷却層81のトラック幅方向の長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向の長さWSSと同等にすることができる。さらには、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。また、サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。サイドシールド63と補助磁極62は軟磁性材料により一体に形成することもできる。
実施形態に係る磁気ヘッドによれば、主磁極60上に設けられた第1冷却層81は、トラック幅方向の長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長く、通電時に第1冷却層81と主磁極60の界面におけるペルチェ効果により主磁極60を冷却できることから、主磁極60と第1冷却層81が、主磁極60からの熱を外部に逃がすような構造をとる。これにより、熱の輸送方向を主磁極60側からその周囲の第1導電層91、補助磁極62、及びサイドシールド63に移動することができるので、主磁極60における発熱を抑制し、磁性元素例えば鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。また、第1冷却層81のトラック幅方向の長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向の長さWSSと同等にすると、上述の記録再生素子寿命を改善させる効果に加えて、磁気ヘッド10の製造工程において、サイドシールド63と第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるので、低コストである。
さらに、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積を、通電方向に対し垂直な主磁極60の断面積よりも大きくすると、第1冷却層81と主磁極60の界面の十分な大きさを確保でき、及び第1冷却層81の周囲の第1導電層91、補助磁極62、及びサイドシールド63への熱の輸送がより容易となり、主磁極の冷却をより良好にすることができるので、記録再生素子寿命をより効果的に改善させることが可能となる。
第1冷却層81は主磁極60と接することができる。第1冷却層81の材料として、主磁極60とは異なる組成を有する導電体を使用することができる。第1冷却層81が主磁極60と接するとき、主磁極60の材料のペルチェ係数に応じて第1冷却層81へ放熱するように、すなわち第1冷却層81が主磁極60から吸熱するように、主磁極60に対して第1冷却層81の材料を選択することができる。
第1冷却層81に使用される導電体として、例えば、Al、Cr、Cu、Ir、Mn、Mo、Ni、Pd、Pt、Ru、Si、Ta、W、またはZn等の非磁性導電体のうち少なくとも1種を用いることができる。また、第1冷却層81の材料として、非磁性導電体の単体のみならず、例えばCu-Ni合金やMnSiAlなどの化合物を使用できる。さらに、第1冷却層81の材料は、非磁性導電体に、例えばZnAlOに含まれるOなどのように、数%の添加物を含有することができる。
第1冷却層81の膜厚は0.2nm~10nmの間にすることができる。第1冷却層81の膜厚が10nmよりも大きいと、主磁極60とアシスト磁界のかかる距離が開いてしまいアシスト効果が得られにくくなる傾向があり、0.2nm未満であると、材料としての特性が低下し、十分な冷却効果が得られない傾向がある。
実施形態に用いられるペルチェ効果とは、異種材料の接合面に電流を流すと熱の吸収または放出が起こる効果をいう。
実施形態に使用される例えば第1冷却層81などの冷却層には、互いに異なる導電体の2層以上の積層構造によるペルチェ効果を利用することができる。例えば第1材料の層と第2材料の層の界面のペルチェ効果により移動する熱量dQ12は、積層される第1材料の層、第2材料の層の界面のペルチェ係数π12を使用し、下記式(1)で表現できる。
dQ12=π12 I dt…(1)
ここで、Iは電流、dtは時間である。また、2層の界面のペルチェ係数π12は、第1材料のペルチェ係数π、第2材料のペルチェ係数πから、下記式(2)で計算できる。
π12=π-π…(2)
所望のペルチェ効果を得るには、第1材料のペルチェ係数に応じ、吸熱または放熱になるようなペルチェ係数を有する第2材料を選択することができる。
図2に異種材料層の界面におけるペルチェ効果を説明するためのモデル図を示す。
図示するように、例えば第1材料の層203が第1冷却層、第1材料とは異なる第2材料の層204が主磁極であり、層203と層204が接合された構造を有し、それぞれのペルチェ係数をπ、πMP、とするとき、第1材料の層203と第2材料の層204の界面205のペルチェ係数π1MPは、πMP-πとすることができる。電流が、矢印201に示すように第1冷却層203から主磁極204に流れる場合、π1MP>0のとき、すなわちπ<πMPのとき、界面205で吸熱が起こり、主磁極204が冷却される。一方、電流の流れる方向が矢印201とは反対の方向であり、主磁極204から第1冷却層203に流れる場合、π>πMPのとき、界面205で吸熱が起こり、主磁極204が冷却される。
このように、電流の向きと主磁極204のペルチェ係数に応じて、吸熱または放熱になるように第1冷却層203の材料を選択することができる。
第1冷却層は、1層または2層以上の多層にすることができる。第1冷却層が2層以上の多層である場合も基本的には主磁極のペルチェ係数πMPよりも第1冷却層のペルチェ係数が大きい場合に界面で吸熱が起こる。
例えば第1冷却層が主磁極上に設けられた第1層、第1層上に設けられた第2層の2層であり、電流がトレーリングシールド(補助磁極)から磁束制御層を通り、主磁極へと流れる場合、第1層のペルチェ係数をπ、第2層のペルチェ係数をπ、主磁極のペルチェ係数をπMP、第1層と主磁極の界面のペルチェ係数をπ1MP、第1層と第2層の界面のペルチェ係数をπ21とするとき、π1MP>0、すなわちπ<πMPであれば第1層と主磁極の間の界面で吸熱が起き、さらにπ21<0、すなわちπ<πであれば第1層と第2層の間の界面で放熱が起き、2つの界面の温度差によって吸熱と放熱が効果的に行われる。一方、電流の向きが逆の場合は、ペルチェ係数の不等号の向きか逆すなわちπ1MP<0、すなわちπ>πMPであれば第1層と主磁極の間の界面で吸熱が起き、さらにπ21>0、すなわちπ>πであると、第1層と第2層の間の界面で放熱が起きる。
このように電流の向きと主磁極のペルチェ係数に応じて、第1冷却層が1層の場合、主磁極との界面での吸熱を、2層以上の場合、主磁極との界面での吸熱に加えて第1層と第2層の界面での放熱を利用するように、第1冷却層を構成する層の材料を各々選択することができる。
さらに、第1冷却層がx層(xは2以上)の多層であり、主磁極側に近い方から第1層、…第x-1層、及び第x層とし、主磁極のペルチェ係数をπMP、前記第1冷却層の各層のペルチェ係数をπ、…πx-1、及びπとするとき、通電方向がトレーリングシールド、第1冷却層、及び主磁極の順である場合は、πMP>πかつπx-1<πであると、第1冷却層と主磁極の界面で吸熱が起こり、主磁極の冷却効果が得られる。πMP>πを満足する第1冷却層の材料としては、主磁極を構成する例えばFeCoなどよりもペルチェ係数の小さな非磁性導電体、例えばTa、Pd、またはCuNi合金などを用いることができる。一方、通電方向が主磁極、第1冷却層、及びトレーリングシールドの順である場合、πMP<πかつπx-1>πとすると、第1冷却層と主磁極の界面で吸熱が起こり、主磁極の冷却効果が得られる。πMP>πを満足する第1冷却層の材料としては、主磁極を構成する例えばFeCoなどよりもペルチェ係数の小さな非磁性導電体、例えばCr、Mo、及びW等があげられる。
第1冷却層がx層の多層である場合、吸熱と放熱をそれぞれの界面で行うことで、冷却効果をより高めることが可能である。例えば、第1冷却層が2層以上の構造である場合には、第1冷却層の主磁極側と、第1冷却層中の別の層との間で吸熱と放熱を生じさせることができる。
例えば、通電方向がトレーリングシールド→冷却層→主磁極の場合、πMP>πかつπx-1<πとすることで、主磁極と第1層の間で吸熱を、第x-1層と第x層の間で放熱を生じさせることができる。例えば、CuNi合金、Ni、FeCo合金、Ta、Au、Pt、Ru、Tiの順でペルチェ係数が小さくなるので、πx-1<πを満足するように第1冷却層をRu、第x-1冷却層をTa、第x冷却層をNi、のように適宜選択することができる。このような配置にすることで、主磁極と第1冷却層の間で吸熱、第x-1冷却層と第x冷却層の間で放熱を起こすことができる。吸熱と放熱を同時に発生させることで、冷却効果を高めることができる。
また、例えば、通電方向が主磁極→冷却層→トレーリングシールドの場合、πMP<πかつπx-1>πとすることで、主磁極と第1層の間で吸熱を、第x-1層と第x層の間で放熱を生じさせることができる。例えば、第1冷却層をCuNi合金、第x-1冷却層をPd、第x冷却層をRu、のように適宜選択することができる。このような配置にすることで、通電方向を変えた場合でも、主磁極と第1冷却層の間で吸熱、第x-1冷却層と第x冷却層の間で放熱を起こすことができる。
冷却時の放熱効果の観点から、第1冷却層のトラック幅方向の長さWCLは主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも広くすることができる。また、第1冷却層の幅WCLは、主磁極60の周囲を取り囲むサイドシールド63のギャップのトラック幅方向の長さWSG以上であることが好ましく、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPの5倍以上であることがさらに好ましい。より好ましくは、第1冷却層のトラック幅方向の長さWCLは、
サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。
第1導電層91として、例えばアシスト素子、または非磁性導電層を使用することができる。
アシスト素子としては、例えばマイクロ波アシスト磁気記録のためのスピントルクを発振する機能を持つ磁束制御層などを使用することができる。また、非磁性導電層は、エネルギーアシスト垂直磁気記録に使用することができる。このような非磁性導電層は、主磁極へ通電する際に電流が集中して磁界を発生させ、磁化反転をアシストして垂直磁気記録を行うことができる。
非磁性導電層の膜厚は、磁束制御層の膜厚と同様に2~20nmとすることができる。
非磁性導電層の材料としては、Al、Cr、Cu、Ir、Mo、Ni、Pd、Pt、Ru、Si、Ta、及びWなどを用いることができる。
また、第1導電層91は第1冷却層81と接することができる。あるいは、第1冷却層81と第1導電層91との間に例えば配向を制御するための図示しない中間層などを設けることができる。中間層としては非磁性導電層と同様の材料を使用することができる。
次に、図3を参照して、本実施形態に関するディスクドライブの構成を説明する。なお、図3に示す磁気記録再生装置であるディスクドライブの構成は、後述する各実施形態にも適用される。
図3に示すように、ディスクドライブ100は、垂直磁気記録媒体である磁気ディスク(以下単にディスクと表記する)1、及び後述する磁束制御層を有する磁気ヘッド10が組み込まれた垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置である。
ディスク1は、スピンドルモータ(SPM)2に固定されて、回転運動するように取り付けられている。磁気ヘッド10は、アクチュエータ3に搭載されており、ディスク1上の半径方向に移動するように構成されている。アクチュエータ3は、ボイスコイルモータ(VCM)4により回転駆動する。磁気ヘッド10は記録(ライト)ヘッド58及び再生(リード)ヘッド54を有する。
さらに、ディスクドライブは、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプICと表記する)11と、リード/ライトチャネル(R/Wチャネル)12と、ハードディスクコントローラ(HDC)13と、マイクロプロセッサ(MPU)14と、ドライバIC16と、メモリ17とを有する。R/Wチャネル12、HDC13及びMPU14は、1チップの集積回路からなるコントローラ15に組み込まれている。
ヘッドアンプIC11は、後述するように、磁束制御層であるスピントルク発振子(Spin-Torque Oscillator:STO)を駆動するための回路群を含む。以下、スピントルク発振子をSTOと表記する。さらに、ヘッドアンプIC11は、R/Wチャネル12から供給されるライトデータに応じた記録信号(ライト電流)を記録ヘッド58に供給するドライバを含む。また、ヘッドアンプIC11は、再生ヘッド54から出力されたリード信号を増幅して、R/Wチャネル12に伝送するリードアンプを含む。
R/Wチャネル12は、リード/ライトデータの信号処理回路である。HDC13は、ディスクドライブとホスト18とのインターフェースを構成し、リード/ライトデータの転送制御を実行する。
MPU14は、ディスクドライブの主制御部であり、リード/ライト動作の制御および磁気ヘッド10の位置決めに必要なサーボ制御を実行する。さらに、MPU14は、本実施形態に関するSTOの通電制御を実行する。メモリ17は、DRAMからなるバッファメモリ及びフラッシュメモリなどを含む。
図4は、磁気ヘッド10およびサスペンションを示す側面図である。
図4に示すように、各磁気ヘッド10は、浮上型のヘッドとして構成され、ほぼ直方体形状のスライダ42とこのスライダ42の流出端(トレーリング端)に設けられた記録再生用のヘッド部44とを有している。磁気ヘッド10は、サスペンション34の先端部に設けられたジンバルばね41に固定されている。各磁気ヘッド10は、サスペンション34の弾性により、磁気ディスク1の表面に向かうヘッド荷重Lが印加されている。図4に示すように、各磁気ヘッド10は、サスペンション34およびアーム32上に固定された配線部材(フレキシャ)35を介してヘッドアンプIC11およびHDC13に接続される。
次に、磁気ディスク1および磁気ヘッド10の構成について詳細に説明する。
図5は、磁気ヘッド10のヘッド部44および磁気ディスク1を拡大して示す断面図である。
図4及び図5に示すように、磁気ディスク1は、例えば、直径約2.5インチ(6.35cm)の円板状に形成され非磁性体からなる基板101を有している。基板101の各表面には、下地層として軟磁気特性を示す材料からなる軟磁性層102と、その上層部に、ディスク面に対して垂直方向に磁気異方性を有する磁気記録層103と、その上層部に保護層104とが順に積層されている。
磁気ヘッド10のスライダ42は、例えば、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(アルチック)で形成され、ヘッド部44は薄膜を積層することにより形成されている。スライダ42は、磁気ディスク1の表面に対向する矩形状のディスク対向面(空気支持面(ABS))43を有している。スライダ42は、磁気ディスク1の回転によってディスク表面とABS43との間に生じる空気流Cにより浮上する。空気流Cの方向は、磁気ディスク1の回転方向Bと一致している。スライダ42は、磁気ディスク1の表面に対し、ABS43の長手方向が空気流Cの方向とほぼ一致するように配置されている。
スライダ42は、空気流Cの流入側に位置するリーディング端42aおよび空気流Cの流出側に位置するトレーリング端42bを有している。スライダ42のABS43には、図示しないリーディングステップ、トレーリングステップ、サイドステップ、負圧キャビティ等が形成されている。
図5に示すように、ヘッド部44は、スライダ42のトレーリング端42bに薄膜プロセスで形成された再生ヘッド54および記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58を有し、分離型の磁気ヘッドとして形成されている。再生ヘッド54および記録ヘッド58は、スライダ42のABS43に露出する部分を除いて、保護絶縁膜76により覆われている。保護絶縁膜76は、ヘッド部44の外形を構成している。
再生ヘッド54は、磁気抵抗効果を示す磁性膜55と、この磁性膜55のトレーリング側およびリーディング側に磁性膜55を挟むように配置されたシールド膜56、57と、で構成されている。これら磁性膜55、シールド膜56、57の下端は、スライダ42のABS43に露出している。記録ヘッド58は、再生ヘッド54に対して、スライダ42のトレーリング端42b側に設けられている。
図6は、記録ヘッド58および磁気ディスク1を模式的に示す斜視図、図7は、記録ヘッド58の磁気ディスク1側の端部を拡大して示すトラックセンターに沿った断面図である。図8は、図7をABS側から見た図である。図8は、図7の記録ヘッド58の一部を拡大した図を示す断面図である。
図5ないし図8に示すように、記録ヘッド58は、磁気ディスク1の表面に対して垂直方向の記録磁界を発生させる高飽和磁化材料からなる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側に配置され、主磁極60直下の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられた軟磁性材料からなるトレーリングシールド(補助磁極)62と、磁気ディスク1に信号を書き込む際、主磁極60に磁束を流すために主磁極60およびトレーリングシールド62を含む磁気コア(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル64と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間で、かつ、ABS43と面一に配置された積層体90-1とを有している。
積層体90-1は、図1の積層体90の一例であり、主磁極60上に設けられた、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する1層の第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられた第1導電層としての磁束制御層65を有する例を示している。
第1冷却層81のトラック幅方向の長さWCLは、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。ここでは、第1冷却層81のトラック幅方向の長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向の長さWSSと同等の長さである。また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
また、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積は、磁束制御層65の通電方向に対し垂直な断面積よりも小さく、磁束制御層65のトラック幅方向の長さは、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも短い。
軟磁性材料で形成された主磁極60は、磁気ディスク1の表面およびABS43に対してほぼ垂直に延びている。主磁極60のABS43側の下端部は、ABS43に向かって先細に、かつ、トラック幅方向にロート状に絞り込まれた絞込み部60bと、この絞込み部60bから磁気ディスク側に延出する所定幅の先端部60aと、を有している。先端部60aの先端、つまり、下端は、磁気ヘッドのABS43に露出している。先端部60aのトラック幅方向の幅は、磁気ディスク1におけるトラックの幅TWにほぼ対応している。また、主磁極60は、ABS43に対してほぼ垂直に延び、トレーリング側を向いた、
トレーリングシールド側端面60cを有している。一例では、トレーリングシールド側端面60cのABS43側の端部は、ABS43に対しトレーリングシールド側に傾斜して延びている。
軟磁性材料で形成されたトレーリングシールド62は、ほぼL字形状に形成されている。トレーリングシールド62は、主磁極60の先端部60aにライトギャップWGを置いて対向する先端部62aと、ABS43から離間しているとともに主磁極60に接続される接続部(バックギャップ部)50とを有している。接続部50は非導電体52を介して主磁極60の上部、すなわち、ABS43から奥側あるいは上方に離れた上部、に接続されている。
トレーリングシールド62の先端部62aは、細長い矩形状に形成されている。トレーリングシールド62の下端面は、スライダ42のABS43に露出している。先端部62aのリーディング側端面(主磁極側端面)62bは、磁気ディスク1のトラックの幅方向に沿って延びているとともに、ABS43に対してトレーリング側に傾斜している。このリーディング側端面62bは、主磁極60の下端部(先端部60aおよび絞込み部60aの一部)において、主磁極60のトレーリングシールド側端面60cとライトギャップWGを置いてほぼ平行に対向している。
図7に示すように、磁束制御層65は、主磁極60からトレーリングシールド62への磁束の流入のみを抑制する、すなわち、実効的にライトギャップWGの透磁率が負になるようスピントルクを発振する機能を有している。詳細には、磁束制御層65は、導電性を有する中間層(第1非磁性導電層)65aと、調整層65bと、導電性を有する伝導キャップ層(第2非磁性導電層)65cと、を有し、これらの層を主磁極60上に設けられた第1冷却層81側からトレーリングシールド62側に順に積層して、すなわち、磁気ヘッドの走行方向Dに沿って順に積層して、構成されている。中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cは、それぞれ主磁極60のトレーリングシールド側端面60cと平行な、すなわち、ABS43と交差する方向に延びる膜面をそれぞれ有している。
なお、中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの積層方向は、上記に限らず、逆向きに、すなわち、トレーリングシールド62側から第1冷却層81及び主磁極60側に向かって積層してもよい。
また、図9に示すように、主磁極60、第1冷却層81、磁束制御層65、及びトレーリングシールド62を含む記録ヘッド58のABS43上に保護層68が設けられている。
中間層65aは、例えば、Cu、Au、Ag、Al、Ir、NiAl合金、などの金属層で、かつ、スピン伝導を妨げない材料により形成することができる。中間層65aは、主磁極60のトレーリングシールド側端面60c上に直接、形成されている。調整層65bは、鉄、コバルト、またはニッケルのうち少なくとも1つを含む磁性材料を含む。調整層として、例えば、FeCoに、Al、Ge、Si、Ga、B、C、Se、Sn、及びNiのうち少なくとも1つが添加された合金材料、及びFe/Co、Fe/Ni、及びCo/Niからなる人工格子群から選択される少なくとも1種の材料などを使用することができる。調整層の厚さは、例えば2ないし20nmにすることができる。伝導キャップ層65cは、非磁性金属で、かつスピン伝導を遮断する材料を用いることができる。伝導キャップ層65cは、例えば、Ta、Ru、Pt、W、Mo、Irから選ばれる少なくとも一つ、あるいは少なくとも一つを含む合金により形成することができる。伝導キャップ層65cは、トレーリングシールド62のリーディング側端面62b上に直接、形成される。また、伝導キャップ層は、単層または多層にすることができる。
中間層65aは、主磁極60からのスピントルクを伝達しつつ、交換相互作用が十分弱くなる程度の膜厚、例えば、1~5nmの膜厚に形成されている。伝導キャップ層65cは、トレーリングシールド62からのスピントルクを遮断しつつ、かつ、交換相互作用が十分弱くなる程度の膜厚、例えば、1nm以上の膜厚があればよい。
調整層65bは、主磁極60からのスピントルクにより、磁化の向きが磁場と逆向きになる必要があるため、調整層65bの飽和磁束密度は小さいほうがよい。その反面、調整層65bにより磁束を実効的に遮蔽するためには、調整層65bの飽和磁束密度は大きいほうがよい。ライトギャップWG間の磁界は10~15kOe程度であるため、調整層65bの飽和磁束密度を1.5T程度以上としても改善効果は向上しにくい。これらのことから、調整層65bの飽和磁束密度は、1.5T以下であることが望ましく、より具体的には、調整層65bの膜厚と飽和磁束密度との積が20nmT以下となるように形成することが望ましい。
中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの膜面に垂直な方向に電流が集中して流れるようにするため、磁束制御層65の周囲は、主磁極60およびトレーリングシールド62に接触している部分を除いて、絶縁層、例えば、保護絶縁膜76で覆われている。
主磁極60は、Fe-Co合金を主成分とする軟磁性金属合金で形成することができる。この主磁極60は、中間層65aに電流を印加するための電極としての機能を兼ね備えている。トレーリングシールド62は、Fe-Co合金を主成分とする軟磁性金属合金で形成することができる。このトレーリングシールド62は、伝導キャップ層65cに電流を印加するための電極としての機能を兼ね備えている。
保護層68は、ABSを保護するため設けられ、1つまたは2つ以上の材料からなり、単層または多層で構成される。保護層は、例えば、ダイヤモンドライクカーボンからなる表面層を有する。
また、記録ヘッド58のABS43と保護層68との間に、例えばSi等からなる下地層を設けることも可能である。
また、第1冷却層81と中間層65aとの間には、さらに下地層を設けることができる。
下地層には、例えばTa、Ruなどの金属を用いることができる。下地層の厚さは例えば0.5ないし10nmにすることができる。さらには約2nmにすることができる。
さらに、トレーリングシールド62と伝導キャップ層65cとの間にさらにキャップ層を設けることができる。
キャップ層としては、Cu、Ru、W、及びTaからなる群から選択される少なくとも1種の非磁性元素を用いることができる。キャップ層の厚さは例えば0.5ないし10nmにすることができる。さらには約2nmにすることができる。
その他、第1冷却層81と中間層65aとの間にスピン偏極層としてCoFeを用いることができる。
図5に示すように、主磁極60とトレーリングシールド62は、それぞれ配線66を介して接続端子45に接続され、更に、図2の配線部材(フレキシャ)35を介して図1のヘッドアンプIC11およびHDC13に接続される。ヘッドアンプICから主磁極60、STO65、トレーリングシールド62を通してSTO駆動電流(バイアス電圧)を直列に通電する電流回路が構成されている。
記録コイル64は、配線77を介して接続端子45に接続され、更に、フレキシャ35を介してヘッドアンプIC11に接続される。磁気ディスク12に信号を書き込む際、ヘッドアンプIC11の図示しない記録電流供給回路から記録コイル64に記録電流を流すことにより、主磁極60を励起して主磁極60に磁束を流す。記録コイル64に供給する
記録電流は、HDC13によって制御される。
以上のように構成されたHDDによれば、VCM4を駆動することにより、アクチュエータ3が回転駆動し、磁気ヘッド10は、磁気ディスク1の所望のトラック上に移動され、位置決めされる。また、図4に示すように、磁気ヘッド10は、磁気ディスク1の回転によってディスク表面とABS43との間に生じる空気流Cにより浮上する。HDDの動作時、スライダ42のABS43はディスク表面に対し隙間を保って対向している。この状態で、磁気ディスク1に対して、再生ヘッド54により記録情報の読み出しを行うとともに、記録ヘッド58により情報の書き込みを行う。
磁気ヘッドのヘッド部44は、第1ヒーター76aおよび第2ヒーター76bを任意に備えることができる。第1ヒーター76aは、記録ヘッド58の近傍、例えば、記録コイル64及び主磁極60の近傍に設けられている。第2ヒーター76bはリードヘッド54の近傍に設けられている。第1ヒーター76aおよび第2ヒーター76bは、それぞれ配線を介して接続端子45に接続され、更に、フレキシャ35を介してヘッドアンプIC11に接続されている。
第1ヒーター76aおよび第2ヒーター76bは例えばコイル状であり、通電されることにより発熱し、周囲を熱膨張させる。これにより、記録ヘッド58及び再生ヘッド54付近のABS43を突出して、磁気ディスク1との距離が近づき、磁気ヘッドの浮上高さが低くなる。このように、第1ヒーター76aおよび第2ヒーター76bに各々供給する駆動電圧を調整して発熱量を制御すると、磁気ヘッドの浮上高さの制御が可能となる。
図10は、磁束制御層65が機能している状態での、ライトギャップWG内の磁化状態を模式的に示している。
上記情報の書き込みにおいては、図5および図10に示すように、電源80から記録コイル64に交流電流を流すことにより、記録コイル64により主磁極60を励磁し、この主磁極60から直下の磁気ディスク1の記録層103に垂直方向の記録磁界を印加する。これにより、磁気記録層103に所望のトラック幅にて情報を記録する。
また、磁気ディスク1に記録磁界を印加する際、電源74から配線66、主磁極60、磁束制御層65、トレーリングシールド62を通して電流が印加される。この電流印加により、磁束制御層65の調整層65bに対して主磁極60からスピントルクが作用し、調整層65bの磁化の向きは、矢印105に示すように、主磁極60とトレーリングシールド62との間に生じる磁界(ギャップ磁界)Hgapの向きと反対方向に向けられる。この磁化反転により、調整層65bは、主磁極60からトレーリングシールド62に直接的に流れる磁束(ギャップ磁界Hgap)を遮蔽する効果が生じる。結果として、主磁極60からライトギャップWGに漏れ出る磁界が低減し、主磁極60の先端部60aから磁気ディスク1の磁気記録層103に向かう磁束の収束度が向上する。これにより、記録磁界の分解能が向上し、記録線密度の増大を図ることができる。なお、上記はスピントルクの作用により、磁束制御層の磁化が反転するモードだが、磁束制御層の磁化が一斉回転するモードも含む。一斉回転によって生じる高周波磁界を磁気記録層103に印加することで、記録線密度の増大を図ることができる。
磁気ヘッド10では、磁束制御層65と主磁極60の間に、1層の第1冷却層81が設けられていることにより、第1冷却層81は通電時にペルチェ効果により主磁極60から熱を奪い、温度を下げることで、主磁極60の熱による酸化を抑制し、記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることができる。第1冷却層81は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長いことで、主磁極60を効率的に冷却させることができる。
また、トラック幅方向TWの長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60を十分冷却可能であり、かつ磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工するため、個々にパターニングを行う必要がないので、低コストとなる。
ここでは、磁気ヘッド10の積層体90-1では、第1導電層として磁束制御層65、第1冷却層81として1層の冷却層を適用したものを使用したが、積層体90-1の第1導電層91(65)及び第1冷却層81の構成は種々変更できる。また、主磁極60の周囲に通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する第2冷却層83をさらに設けることができる。
以下に、実施形態に係る磁気ヘッドの種々の変形例について説明する。
磁気ヘッド10-2
図11は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
また、図12は、図11の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-2は、1層の冷却層81の代わりに2層の第1冷却層81’が設けられること以外は、図8に記載の磁気ヘッド10と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-2は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-2とを有している。積層体90-2は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81’と、第1冷却層81’上に設けられたアシスト素子としての磁束制御層65とを有する。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81’は、第1層81-1と、第1層81-1上に積層された第2層81-2とを有する二層構造である。また、第1冷却層81’のトラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1冷却層81’の第1層81-1及び第2層81-2のうち少なくとも一方の層のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。好ましくは、主磁極60側の第1層81-1のトラック幅方向TWの長さを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。ここでは、第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にしている。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第1層81-1には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。第2層81-2には、電流の向きに応じて第1層81-1との界面で放熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁束制御層65は、第2層81-2上に磁気ヘッドの走行方向Dに沿って順に設けられた、導電性を有する中間層(第1非磁性導電層)65aと、調整層65bと、導電性を有する伝導キャップ層(第2非磁性導電層)65cと、を有する。中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cは、それぞれ主磁極60のトレーリングシールド側端面60cと平行な、すなわちABS43と交差する方向に延びる膜面をそれぞれ有している。
中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの積層方向は、上記に限らず、逆向きに、すなわち、トレーリングシールド62側から第1冷却層81’及び主磁極60側に向かって積層してもよい。
磁気ヘッド10-2によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い第1冷却層81’を用い、第1冷却層81’の層81-1と主磁極60との界面で通電時に吸熱を起こし、かつ第1冷却層81’の層81-1及び層81-2の界面で放熱を起こすことにより、2つの界面の温度差による吸熱と放熱がより効果的に行われ、主磁極60を効率よく冷却することができる。
第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積を、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をより効率よく冷却することができる。
第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLは、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1層81-1、第2層81-2のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、各層毎にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
主磁極60における発熱を抑制することにより、磁性元素例えば鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。
磁気ヘッド10-3
図13は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図14は、図13の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-3は、第1導電層として、マイクロ波アシスト磁気記録に使用される磁束制御層65の代わりに、エネルギーアシスト記録に使用される非磁性導電層88を設けること以外は、図8に記載の磁気ヘッド10と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-3は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-3とを有している。積層体90-3は、主磁極60上に設けられた1層の第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられた非磁性導電層88とを有する。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81はトラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い。第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCL、あるいは非磁性導電層88のトラック幅方向TWの長さWNLは、例えばサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。第1冷却層81には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
非磁性導電層88は、主磁極60へ通電する際に電流が集中して磁界を発生し、磁化反転をアシストして垂直磁気記録を行うことができる。
磁気ヘッド10-3によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い第1冷却層81を用いて、通電時に、主磁極60と第1冷却層81との界面で吸熱を起こすことにより、主磁極60を効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積を、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をより効率よく冷却することができる。
さらに、第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCL、あるいは非磁性導電層88のトラック幅方向TWの長さWNLをサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であるとともに、磁気ヘッドの製造時に個々にパターニングする必要がないため、低コストである。
主磁極60における発熱を抑制することにより、磁性元素例えば鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。
磁気ヘッド10-4
図15は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-4は、1層の冷却層81の代わりに2層の第1冷却層81’が設けられること以外は、図13及び図14に記載の磁気ヘッド10-3と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-4は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-4とを有している。積層体90-4は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81’と、第1冷却層81’上に設けられた非磁性導電層88とを有する。
第1冷却層81’は、第1層81-1と、第1層81-1上に積層された第2層81-2とを有する二層構造である。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81’は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1冷却層81’は、第1層81-1及び第2層81-2のうち少なくとも一方の層のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。例えば、主磁極60側の第1層81-1のトラック幅方向TWの長さを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。また、第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLは、主磁極60のトラック幅方向の長さWMP、は例えばサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第1冷却層81’の第1層81-1には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。また、第2層81-2には、電流の向きに応じて、第1層81-1との界面で放熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
非磁性導電層88は、主磁極60へ通電する際に電流が集中して磁界を発生し、磁化反転をアシストして垂直磁気記録を行うことができる。
磁気ヘッド10-4によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い第1冷却層81’を用い、第1冷却層81’の第1層81-1と主磁極60との界面で通電時に吸熱を起こし、第1冷却層81’の第1層81-1及び第2層81-2の界面で放熱を起こすことにより、両方の界面の温度差による吸熱と放熱がより効果的に行われ、主磁極60を効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積を、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をより効率よく冷却することができる。
第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLを、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時に、第1層81-1、あるいは第2層81-2と、サイドシールド63とのトラック幅方向TWの長さを合わせて加工することができるため、個々にパターニングを行う必要がなく低コストである。
主磁極60における発熱を抑制することにより、磁性元素例えばコバルトや鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。
次に、第2冷却層を用いた磁気ヘッドについて説明する。
第2冷却層は、主磁極60先端部の側面のうち側面60c以外の側面例えば主磁極60のトラック幅方向の側面などの少なくとも一部に第2冷却層をさらに設けることができる。第2冷却層は1層または2以上の層が積層された多層にすることができる。また、第2冷却層は、2以上の分離した層にすることも可能である。第2の冷却層は、ABSから見て第1の冷却層と共に主磁極を取り囲むように設けることができる。例えば、第1冷却層を、主磁極60先端部の補助磁極62側の側面(トレーリングシールド側端面)60c上に設け、第2冷却層を、主磁極60先端部の側面のうち側面60c以外の側面に設けることにより、第1の冷却層及び第2の冷却層を、主磁極を取り囲むように形成することができる。
第2冷却層の材料は、例えば、第1冷却層に使用される導電性体から選択することができる。第2冷却層の材料として、第1冷却層と同じ組成の材料を使用することができる。第1冷却層と同じ組成の材料を用いると、冷却層間での熱の移送が発生せず、均一な冷却効果を得られる傾向がある。また、第2冷却層の材料として、第1冷却層とは異なる組成の材料を使用することができる。第1冷却層とは異なる組成の材料を用いると、冷却層間での熱の移送が発生するため、材料の選択によっては主磁極の冷却効果に差が生じる傾向がある。
磁気ヘッド10-5
図16は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図17は、図16の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-5は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する第2冷却層83をさらに設けること以外は、図8に記載の磁気ヘッド10と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-5は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-1と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83とを有している。積層体90-1は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられたアシスト素子としての磁束制御層65とを有する。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第2冷却層83は、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。第2冷却層83は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。また、図17に示すように、第2冷却層83のヘッド浮上方向の高さHCL2は、第1冷却層81のヘッド浮上方向の高さHCL1と同等にすることができる。第2冷却層83のヘッド浮上方向の高さHCL2はヘッド浮上方向の高さHCL1よりも高くすることも可能である。
第1冷却層81は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLがサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第1冷却層81及び第2冷却層83には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁束制御層65は、第1冷却層81上に磁気ヘッドの走行方向Dに沿って順に設けられた、導電性を有する中間層(第1非磁性導電層)65aと、調整層65bと、導電性を有する伝導キャップ層(第2非磁性導電層)65cと、を有する。中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cは、それぞれ主磁極60のトレーリングシールド側端面60cと平行な、すなわち、ABS43と交差する方向に延びる膜面をそれぞれ有している。
中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの積層方向は、上記に限らず、逆向きに、すなわち、トレーリングシールド62側から第1冷却層81及び主磁極60側に向かって積層してもよい。
磁気ヘッド10-5によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い第1冷却層81を用い、主磁極60と第1冷却層81との界面、及び主磁極60と第2冷却層83との界面で通電時に吸熱を起こすことにより、主磁極60と第1冷却層81との界面だけ通電時に吸熱を起こすよりも、主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。さらに、第2冷却層83のヘッド浮上方向の高さHCL2は、第1冷却層81のヘッド浮上方向の高さHCL1と同等以上であると、より加熱される領域を広い範囲にわたって冷却することができる。
また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらにまた効率よく冷却することができる。
さらに、第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、個々にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
このように、主磁極60における発熱を抑制することにより、磁性元素例えば鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。
磁気ヘッド10-6
図18は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-6は、主磁極60のトレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83の代わりに、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する二層構造の第2冷却層83’が設けられること以外は、図16及び図17に記載の磁気ヘッド10-5と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-6は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-1と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83’とを有している。積層体90-1は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられたアシスト素子としての磁束制御層65とを有する。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2層83-2と、第2層83-2上に設けられた第1層83-1とを備えた二層構造になっている。二層構造の第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。また、第2冷却層83’は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。
第1冷却層81は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLがサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第1冷却層81及び第2冷却層83’の第2層83-2には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を各々使用することができる。第1層83-1には、第2層83-2との界面で通電時に放熱が起きるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁束制御層65は、第1冷却層81上に磁気ヘッドの走行方向Dに沿って順に設けられた、導電性を有する中間層(第1非磁性導電層)65aと、調整層65bと、導電性を有する伝導キャップ層(第2非磁性導電層)65cと、を有する。中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cは、それぞれ主磁極60のトレーリングシールド側端面60cと平行な、すなわち、ABS43と交差する方向に延びる膜面をそれぞれ有している。
中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの積層方向は、上記に限らず、逆向きに、すなわち、トレーリングシールド62側から第1冷却層81及び主磁極60側に向かって積層してもよい。
磁気ヘッド10-6によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い第1冷却層81を用い、主磁極60と第1冷却層81との界面、及び主磁極60と第2冷却層83’の第2層83-2との界面で通電時に吸熱を起こし、第2層83-2と第1層83-1との界面で通電時に放熱を起こすことにより、吸熱と放熱がより効果的に行われ、主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83’を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらにまた効率よく冷却することができる。
第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長く、例えばサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、個々にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
このように、主磁極60における発熱を抑制することにより、磁性元素例えば鉄などの酸化による記録再生素子の劣化を抑制して、記録再生素子寿命を改善させることが可能となる。
磁気ヘッド10-7
図19は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-7は、第1冷却層81の代わりに二層構造の第1冷却層81’が設けられ、第2冷却層83の代わりに二層構造の第2冷却層83’が設けられること以外は、図16及び図17に記載の磁気ヘッド10-5と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-7は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-2と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83’とを有している。積層体90-2は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81’と、第1冷却層81’上に設けられたアシスト素子としての磁束制御層65とを有する。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81’は第1層81-1と、第1層81-1上に積層された第2層81-2とを有する二層構造である。第1冷却層81’はトラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い。第1層81-1及び第2層81-2のうち少なくとも一方の層のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。例えば主磁極60側の第1層81-1のトラック幅方向TWの長さを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。また、図示するように、第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLをサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2層83-2と、第2層83-2上に設けられた第1層83-1とを備えた二層構造になっている。第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。また、第2冷却層83’は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。
第1冷却層81’の第1層81-1及び第2冷却層83’の第2層83-2には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を各々使用することができる。第1冷却層81’の第2層81-2には、第1層81-1との界面で通電時に放熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を、第2冷却層83’の第1層83-1には、第2層83-2との界面で通電時に放熱が起きるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁束制御層65は、第1冷却層81上に磁気ヘッドの走行方向Dに沿って順に設けられた、導電性を有する中間層(第1非磁性導電層)65aと、調整層65bと、導電性を有する伝導キャップ層(第2非磁性導電層)65cと、を有する。中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cは、それぞれ主磁極60のトレーリングシールド側端面60cと平行な、すなわちABS43と交差する方向に延びる膜面をそれぞれ有している。
中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cの積層方向は、上記に限らず、逆向きに、すなわち、トレーリングシールド62側から第1冷却層81及び主磁極60側に向かって積層してもよい。
磁気ヘッド10-7によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い第1冷却層81’を用い、主磁極60と第1冷却層81の第1層81-1との界面、及び主磁極60と第2冷却層83’の第2層83-2との界面で通電時に吸熱を起こし、第1冷却層81’の第1層81-1と第2層81-2との界面、及び第2冷却層83’の第2層83-2と第1層83-1との界面で通電時に放熱を起こすことにより、吸熱と放熱が効果的に行われ、主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83’を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積を、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらにまた効率よく冷却することができる。
第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLを、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1層81-1、第2層81-2のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、各層毎にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
磁気ヘッド10-8
図20は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図21は、図20の磁気ヘッドのトラックセンターに沿った断面図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-8は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する第2冷却層83をさらに設けること以外は、図13に記載の磁気ヘッド10-3と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-8は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-3と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83を有している。積層体90-3は、主磁極60上に設けられた1層の第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられた非磁性導電層88とを有する。非磁性導電層88は、主磁極60へ通電する際に電流が集中して磁界を発生し、磁化反転をアシストして垂直磁気記録を行うことができる。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い。例えば第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第2冷却層83は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられ、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。第2冷却層83は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。
第1冷却層81及び第2冷却層83には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁気ヘッド10-8によれば、主磁極60と第1冷却層81との界面、及び主磁極60と第2冷却層83との界面で通電時に吸熱を起こすことにより、主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらにまた効率よく冷却することができる。
第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長く、例えばサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、個々にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
磁気ヘッド10-9
図22は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-9は、第2冷却層83の代わりに、通電時にペルチェ効果により主磁極60を冷却する2層の第2冷却層83’をさらに設けること以外は、図20及び図21に記載の磁気ヘッド10-8と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-9は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-3と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83’とを有している。積層体90-3は、主磁極60上に設けられた1層の第1冷却層81と、第1冷却層81上に設けられた非磁性導電層88とを有する。非磁性導電層88は、主磁極60へ通電する際に電流が集中して磁界を発生し、磁化反転をアシストして垂直磁気記録を行うことができる。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81は、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い。例えば第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、サイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすることができる。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2層83-2と、第2層83-2上に設けられた第1層83-1とを備えた二層構造になっている。第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。また、第2冷却層83’は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。
第1冷却層81及び第2冷却層83’の第2層83-2には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を各々使用することができる。第2冷却層83’の第1層83-1には、第2層83-2との界面で通電時に放熱が起きるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁気ヘッド10-9によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い第1冷却層81を用い、主磁極60と第1冷却層81との界面、及び主磁極60と第2冷却層83’の第2層83-2との界面で通電時に吸熱を起こし、第2層83-2と第1層83-1との界面で通電時に放熱を起こすことにより、
主磁極60と第2冷却層83’の第2層83-2との界面と、第2層83-2と第1層83-1との界面との温度差によって吸熱と放熱が効果的に行われ、磁気ヘッド10-8よりもさらに主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83’を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらにまた効率よく冷却することができる。
第1冷却層81のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長く、例えばサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1冷却層81のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、個々にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
磁気ヘッド10-10
図23は、実施形態に係る磁気ヘッドの他の例をABS側から見た図を示す。
図示するように、磁気ヘッド10-7は、第1冷却層81の代わりに二層構造の第1冷却層81’が設けられ、第2冷却層83の代わりに2層の第2冷却層83’が設けられること以外は、図20及び図21に記載の磁気ヘッド10-3と同様の構成を有する。
詳細には、磁気ヘッド10-10は、主磁極60と、主磁極60のABS43側の先端部60aとトレーリングシールド62との間にABS43と面一に配置された積層体90-4と、先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2冷却層83’を有している。積層体90-4は、主磁極60上に設けられた第1冷却層81’と、第1冷却層81’上に設けられた非磁性導電層88とを有する。非磁性導電層88は、主磁極60へ通電する際に電流が集中して磁界を発生し、垂直磁気記録をアシストする。サイドシールド63は、主磁極60のトラック幅方向TWの両側に、それぞれサイドギャップSGをおいて対向配置されている。
第1冷却層81’は、第1層81-1と、第1層81-1上に積層された第2層81-2とを有する二層構造である。また、第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向の長さWMPよりも長い。第1層81-1及び第2層81-2のうち少なくとも一方の層のトラック幅方向TWの長さWCLを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。好ましくは、主磁極60側の第1層81-1のトラック幅方向TWの長さを、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長くすることができる。ここでは、例として第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLはサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にしている。また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積は、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすることができる。
第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aの側面のうち、トレーリングシールド側端面60c以外の側面60d上に設けられた第2層83-2と、第2層83-2上に設けられた第1層83-1とを備えた二層構造になっている。第2冷却層83’は、主磁極60のABS43側の先端部60aとサイドシールド63との間に配置されている。また、第2冷却層83’は、トレーリングシールド側端面60cに設けられた第1冷却層81’の第1層81-1と共に、主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることができる。
第1冷却層81’の第1層81-1及び第2冷却層83’の第2層83-2には、電流の向きに応じて主磁極60との界面で通電時に吸熱が起こるようなペルチェ係数を有する材料を各々使用することができる。第2冷却層83’の第1層83-1には、第2層83-2との界面で通電時に放熱が起きるようなペルチェ係数を有する材料を使用することができる。
磁気ヘッド10-10によれば、トラック幅方向TWの長さWCLが、主磁極60のトラック幅方向TWの長さWMPよりも長い第1冷却層81’を用い、主磁極60と第1冷却層81’の第1層81-1との界面、及び主磁極60と第2冷却層83’の第2層83-2との界面で通電時に吸熱を起こし、第1冷却層81’の第1層81-1と第2層81-2との界面、及び第2冷却層83’の第2層83-2と第1層83-1との界面で通電時に放熱を起こすことにより、吸熱と放熱が効果的に行われ、主磁極60を効率よく冷却することができる。また、第2冷却層83’を第1冷却層81と共に主磁極60の先端部60aの側面を取り囲むように設けることにより、主磁極60をより効率よく冷却することができる。
また、第1冷却層81’の通電方向に対し垂直な断面積を、主磁極60の通電方向に対し垂直な断面積よりも大きくすると、主磁極60をさらに効率よく冷却することができる。
さらに、第1層81-1及び第2層81-2のトラック幅方向TWの長さWCLをサイドシールド63のトラック幅方向TWの長さWSSと同等にすると、主磁極60の十分な冷却が可能であり、磁気ヘッドの製造時にサイドシールド63、第1層81-1、第2層81-2のトラック幅方向の長さを合わせて加工することができるため、各層毎にパターニングを行う必要がなく低コストとなる。
以下、実施例を示し、実施形態を具体的に説明する。
実施例1
実施形態かかる磁気ヘッドを以下のようにして作成した。
1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
まず、主としてFeCoからなる主磁極上に、下記の材料及び厚さを有する層を、それぞれDCマグネトロンスパッタ法を用い、1層の第1冷却層としてCuNi合金を3nm形成した。続いて、下地層としてRuを2nm、磁束制御層として、Cu(第1導電層)を1nmと、FeCo(調整層)を10nm、及びRu(第2導電層)を4nm順に積層した。なお、第1導電層、調整層、及び第2導電層の材料として、例えば図7ないし図9に示す中間層65a、調整層65b、伝導キャップ層65cと同様の材料を使用することができる。
次に、磁束制御層のストライプ高さ方向のサイズを規定するためのマスク層を形成し、その後、IBE(イオンビームエッチング)法で磁束制御層を冷却層が露出するまでエッチングした。磁束制御層周辺部分は絶縁膜のSiOxを成膜し、その後マスク層を除去した。また、トラック幅方向のサイズを規定するためのマスク層をたて、同様にエッチングし、素子周辺部分は絶縁膜のSiOxを成膜することにより、磁束制御層を加工した。
次に、第2導電層上に、トレーリングシールドとしてNiFeを形成した。
その後、ABS側の主磁極、第1冷却層、磁束制御層、トレーリングシールド、及び絶縁膜上に、スパッタによりSi下地層をおよそ1nm成膜した後、Si下地層上にCVD法により、ダイヤモンドライクカーボンを成膜して厚さ1.6nmの保護層を形成した。これにより、図8と同様の構成を有し、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い1層の第1冷却層をもつ磁気ヘッドを得た。
この磁気ヘッドでは、主磁極と第1冷却層のペルチェ係数がπMP>πであることから、トレーリングシールドから磁束制御層を通り、主磁極の方向に電流が流れる場合、界面で吸熱が起きる。
同様にして、1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを複数作製し、磁気ディスク装置1台につき磁気ヘッド18本、磁気ディスク9枚からなるHDDへと組み込み、磁気ディスク装置を合計で50台作製した。
二層構造の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドの代わりに、第1層のCuNi合金を2nm、第2層のRu 2nmを積層した二層構造の第1冷却層を形成すること以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、図11と同様の構成を有する、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い二層構造の第1冷却層をもつ磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置を合計で50台作製した。
この磁気ヘッドでは、主磁極と第1冷却層の界面のペルチェ係数がπMP>πおよびπ<πであることから、トレーリングシールドから磁束制御層を通り、主磁極の方向に電流が流れる場合、主磁極と第1冷却層の界面で吸熱、第1層と第2層の界面で放熱が起きる。
比較例1の磁気ディスクの作成
さらに、比較例1として、第1冷却層を作成しないこと以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、第1冷却層をもたない磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置を合計で50台作成した。
長時間の通電試験として、得られた磁気ディスク装置を環境温度65℃下において、トレーリングシールド、磁束制御層、主磁極の方向に300mVの印加電圧で、磁束制御層の通電を7000時間持続した。
その結果、通電試験前のビットエラーレート(BER)値(1ビットあたりの誤り率)に対し、7000時間経過時点でBERが悪化しているヘッドが複数存在した。
得られたBER値を10×10-1.7のカットオフ値でOK/NG判定し、1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた場合、二層構造の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた場合、及び第1冷却層を用いない場合について、NGの台数を数えた。得られた通電試験結果を表1に示す。
Figure 2024026974000002
表中、BER NGは、磁気ディスク装置中のNGの台数と全台数を示す。例えば5/50は、磁気ディスク装置50台中、NGが5台あったことを示す。
NGとなった磁気ディスク装置を分解、解析してみると、Write時間が長くなり、アシスト素子の負荷が高くなったために、磁気ヘッドで多くのBER NGが発生していることがわかった。
この結果より、実施形態に係る磁気ヘッドを使用すると、平均的にアシスト記録ヘッドの寿命が延び、一定時間内の記録ヘッドの酸化などの劣化を抑制することができることがわかった。
また、このようなヘッドの酸化抑制効果が得られるのは、第1冷却層による主磁極の効果的な冷却が行われているためと考えられる。
実施例2
1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
1層の第1冷却層上に、磁束制御層の代わりに、Cuからなる非磁性導電層を形成すること以外は実施例1の1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成と同様にして、図13と同様の構成を有し、1層の第1冷却層をもつ磁気ヘッドを得た。
同様にして、1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを複数作製し、磁気ディスク装置1台につき磁気ヘッド18本、及び磁気ディスク9枚を組み込み、実施例2の1層の第1冷却層を有する磁気ディスク装置を合計で50台作製した。
この磁気ヘッドでは、実施例1の1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様に、主磁極と第1冷却層の界面のペルチェ係数がMP>πであることから、トレーリングシールド、磁束制御層、主磁極の方向に電流が順次流れる場合、主磁極と第1冷却層の界面で吸熱が起きる。
二層構造の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドの代わりに、第1層のCuNi合金を2nm、第2層のRu2nmを積層した二層構造の第1冷却層を形成すること以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、図14と同様の構成を有し、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い二層構造の第1冷却層をもつ磁気ディスク装置を合計で50台作製した。
この磁気ヘッドでは、実施例1の二層構造の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様に、主磁極と第1冷却層の界面のペルチェ係数がMP>πおよびπ<πであることから、トレーリングシールド、磁束制御層、主磁極の方向に電流が順次流れる場合、主磁極と第1冷却層の界面で吸熱、第1層と第2層の界面で放熱が起きる。
比較例2の磁気ディスクの作成
さらに、比較例2として、第1冷却層を作成しないこと以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、第1冷却層をもたない磁気ヘッドを用いた比較例2の磁気ディスク装置を合計で50台作成した。
実施例1と同様に長時間の通電試験を行ったところ、下記表2に示す通電試験結果が得られた。
Figure 2024026974000003
表中、BER NGは、磁気ディスク装置中のNGの台数と全台数を示す。
NGとなった磁気ディスク装置を分解、解析してみると、Write時間が長くなり、アシスト素子の負荷が高くなったために、磁気ヘッドで多くのBER NGが発生していることがわかった。
表2に示すように、このように、第1冷却層を含ませることで、図11のような構成のアシスト記録ヘッドにおいても、ヘッドの酸化抑制効果が見られることが判った。
また、このようなヘッドの酸化抑制効果が得られるのは、第1冷却層による主磁極の効果的な冷却が行われているためと考えられる。
実施例3
1層の第1および第2冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
AlOxのサイドシールドを形成した後、主磁極をめっきによって作成する際、まず第2冷却層として、NiCuを5nm(第1層)形成し、その後で主磁極を形成した。
その後、実施例1と同様にして、主磁極上に、1層の第1冷却層と、第1導電層、調整層、及び第2導電層を有する磁束制御層を作成し、トレーリングシールドとしてNiFeを形成した。
その後、ABS側の第2冷却層、主磁極、第1冷却層、磁束制御層、トレーリングシールド、及び絶縁膜上に、スパッタによりSi下地層をおよそ1nm成膜した後、Si下地層上にCVD法により、ダイヤモンドライクカーボンを成膜して厚さ1.6nmの保護層を形成する。これにより、図18と同様の構成を有し、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い1層の第1冷却層、及び1層の第2冷却層をもつ磁気ヘッドを得た。
同様にして、磁気ヘッドを複数作製し、磁気ディスク装置1台につき磁気ヘッド18本、及び磁気ディスク9枚を組み込み、合計で50台の磁気ディスク装置を作製した。
この磁気ヘッドでは、主磁極と第1冷却層および第2冷却層の界面のペルチェ係数がMP>πであることから、トレーリングシールド、磁束制御層、主磁極の方向に電流が順次流れる場合、主磁極と第1冷却層、主磁極と第2冷却層の界面で吸熱が起きる。
二層構造の第1および第2冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の作成
1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドの代わりに、第1層のCuNi合金を2nm、第2層のRu2nmを積層した二層構造の第1冷却層を形成すること以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、図19と同様の構成を有する、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い二層構造の第1冷却層をもつ磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置を合計で50台作製した。
この磁気ヘッドでは、主磁極と第1冷却層の界面のペルチェ係数がMP>πおよびπ<πであることから、トレーリングシールド、磁束制御層、主磁極の方向に電流が順次流れる場合、主磁極と第1冷却層および主磁極と第2冷却層の界面で吸熱、第1冷却層・第2冷却層の第1層と第2層の界面で放熱が起きる。
比較例3の磁気ディスクの作成
さらに、比較例3として、第1冷却層を作成しないこと以外は1層の第1冷却層を有する磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置と同様にして、第1冷却層をもたない磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置を合計で50台作成した。
実施例1と同様に長時間の通電試験を行ったところ、下記表3に示す通電試験結果が得られた。
Figure 2024026974000004
表中、BER NGは、磁気ディスク装置中のNGの台数と全台数を示す。
NGとなった磁気ディスク装置を分解、解析してみると、Write時間が長くなり、アシスト素子の負荷が高くなったために、磁気ヘッドで多くのBER NGが発生していることがわかった。
このように、第2冷却層をさらに形成したアシスト記録ヘッドにおいても、十分なヘッドの酸化抑制効果が見られることが判った。
また、このようなヘッドの酸化抑制効果が得られるのは、第1冷却層及び第2冷却層による主磁極の効果的な冷却が行われているためと考えられる。
さらに他の実施形態によれば、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、
主磁極とライトギャップを置いて設けられ、主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、
主磁極と補助磁極との間に設けられ、主磁極から補助磁極へ通電可能な積層体とを含む磁気ヘッドであって、
積層体は、主磁極の補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1層と、第1導電層とを含み、
第1層は、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い。
第1層は、導電性を有することができる。
第1層は、熱伝導性を有することができる。
第1層は、主磁極を冷却する作用を有することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6、10-7、10-9、10-10…磁気ヘッド、60…主磁極、62…補助磁極、65…アシスト素子、81、81’…第1冷却層、83、83’…第2冷却層、88…非磁性導電層、91…第1導電層、100…磁気記録再生装置、WG…ライトギャップ

Claims (12)

  1. 磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、
    前記主磁極とライトギャップを置いて設けられ、前記主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、
    前記主磁極と前記補助磁極との間に設けられ、前記主磁極から補助磁極へ通電可能な積層体とを含む磁気ヘッドであって、
    前記積層体は、前記主磁極の前記補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1冷却層と、第1導電層とを含み、
    前記第1冷却層は、通電時にペルチェ効果により前記主磁極を冷却し、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い磁気ヘッド。
  2. 前記第1導電層は、アシスト素子である請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記アシスト素子は、非磁性導電層である請求項2に記載の磁気ヘッド。
  4. 第1冷却層は、アルミニウム、クロム、銅、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ケイ素、タンタル、タングステン、または亜鉛を含む請求項1に記載の磁気ヘッド。
  5. 非磁性導電層は、アルミニウム、クロム、銅、イリジウム、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ケイ素、タンタル、またはタングステンを含む請求項3に記載の磁気ヘッド。
  6. 前記アシスト素子は磁束制御層である請求項2に記載の磁気ヘッド。
  7. 前記主磁極の先端部の側面上に第2冷却層をさらに含む請求項1に記載の磁気ヘッド。
  8. 前記第1冷却層は前記主磁極とは異なる組成を有する導電体であり、前記主磁極のペルチェ係数をπMP、前記第1冷却層のペルチェ係数をπとするとき、通電方向が前記補助磁極、前記第1冷却層、及び前記主磁極の順である場合は、πMP>πであり、通電方向が前記主磁極、前記第1冷却層、及び前記補助磁極の順である場合は、πMP<πである請求項1に記載の磁気ヘッド。
  9. 前記第1冷却層は2層以上の積層体であり、前記主磁極側に近い方から第1層、第2層、…第x層とし、前記主磁極のペルチェ係数をπMP、前記第1冷却層の各層のペルチェ係数をπ、π、…πとするとき、通電方向が前記補助磁極、前記第1冷却層、及び前記主磁極の順である場合は、πMP>πかつπx-1<πであり、通電方向が前記主磁極、前記第1冷却層、及び前記補助磁極の順である場合、πMP<πかつπx-1>πである請求項1に記載の磁気ヘッド。
  10. 前記第1冷却層は、通電方向に対し垂直な断面積が、通電方向に対し垂直な前記主磁極の断面積よりも大きい請求項1に記載の磁気ヘッド。
  11. 磁気記録媒体に記録磁界を印加する主磁極と、
    前記主磁極とライトギャップを置いて設けられ、前記主磁極とともに磁気回路を構成する補助磁極と、
    前記主磁極と前記補助磁極との間に設けられ、前記主磁極から補助磁極へ通電可能な積層体とを含む磁気ヘッドであって、
    前記積層体は、前記主磁極の前記補助磁極と対向する表面上に順に設けられた、第1層と、第1導電層とを含み、
    前記第1層は、トラック幅方向の長さが、主磁極のトラック幅方向の長さよりも長い磁気ヘッド。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の磁気ヘッドを備える磁気記録再生装置。
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