JP2024026128A - Hts磁石クエンチ開始システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、特に核融合炉で使用される超伝導磁石における、クエンチ保護のための方法及び装置を提供する。【解決手段】高温超伝導体(HTS)回路を含むデバイスであって、HTS回路は、HTS材料を含んでHTS回路の他の要素に直列接続されたクエンチ可能セクションを含み、HTS材料は、少なくとも一つのHTSテープを又はHTSテープの積層体301とパルス生成ワイヤ302、303を含むHSSケーブル300を有する。デバイスはさらに、クエンチ可能セクションにおいてHTS材料をクエンチさせるクエンチングシステムと、HTS回路における温度上昇を検出し、温度上昇の検出に応答してクエンチングシステムに、HTS回路からの蓄積した磁気エネルギーをクエンチ可能セクションへとダンプするようにクエンチ可能セクションにおける超伝導材料をクエンチさせるクエンチ保護システムとを含む。【選択図】図3

Description

本発明は超伝導デバイスに関する。詳しくは、本発明は、かかるデバイスにおける、特
には核融合炉で使用される磁石における、クエンチ保護のための方法及び装置に関する。
超伝導磁石は、超伝導材料のコイルから形成された電磁石である。磁石コイルがゼロ抵
抗を有すると、超伝導磁石は損失がゼロの高電流を流すことができるので(ただし、非超
伝導コンポーネントからのある程度の損失は存在する)、従来型電磁石よりも低損失の高
磁場に到達し得る。
超伝導性は、一定の材料において、低温においてのみ生じる。超伝導材料は、超伝導体
の臨界温度(当該材料がゼロ印加磁場の超伝導体となる最高温度)と、超伝導体の臨界磁
場(当該材料が0Kにおいて超伝導体となる最高磁場)とによって定義される領域におい
て超伝導体として振る舞う。超伝導体の温度及び存在する磁場は、当該超伝導体が抵抗性
(すなわち「通常」のこと。ここでは「非超伝導性」を意味するべく使用される)になる
ことなしに当該超伝導体が搬送し得る電流を制限する。2つのタイプの超伝導材料が存在
する。タイプI超伝導体は、磁束浸入を完全に除外することにより低臨界磁場を有し、タ
イプIIは、当該超伝導体に、磁束渦と称される局所化した垂直領域の中において、当該
低臨界磁場の上方で当該超伝導体に磁束が浸入するのを許容する。これらの材料は、上限
臨界磁場において超伝導性でなくなる。この特徴により、これらの材料は、超伝導磁石の
構築のためのワイヤにおいて使用できるようになる。磁束渦サイトを原子格子にピン止め
するべく、著しい努力がなされている。これにより、高い磁場及び温度における臨界電流
が改善される。
超伝導材料は典型的に、「高温超伝導体」(HTS)と「低温超伝導体」(LTS)と
に分けられる。Nb及びNbTiのようなLTS材料は、BCS理論により記述可能な超
伝導性を有する金属又は合金である。低温超伝導体はすべて、約30Kを下回る臨界温度
(これを上回るとゼロ磁場であっても当該材料が超伝導性になり得ない温度)を有する。
HTS材料の挙動はBCS理論によっては記述されず、当該材料は、約30Kを上回る臨
界温度を有し得る(ただし、HTS材料を定義するのは臨界温度というよりはむしろ、超
伝導動作及び組成の物理的な差異であることに留意すべきである)。最も一般的に使用さ
れるHTSは、BSCCO又はReBCO(ここでReはY又はGdが一般的な希土類元
素である)のような「銅酸化物超伝導体」、すなわちクプラート(酸化銅基を包含する化
合物)に基づくセラミックス、である。他のHTS材料は、鉄ニクタイド(例えばFeA
s及びFeSe)及び2ホウ酸マグネシウム(MgB)を含む。
ReBCOは典型的に、図1に示される構造を有するテープとして製造される。このよ
うなテープ500は一般に、近似的に100ミクロン厚であり、基板501(典型的には
近似的に50ミクロン厚の電気研磨ハステロイ)を含む。基板501の上には、IBAD
、マグネトロンスパッタリング、又は他の適切な技法により、近似的に0.2ミクロン厚
のバッファスタック502として知られる一連のバッファ層が堆積される。(MOCVD
又は他の適切な技法により堆積された)エピタキシャルReBCO-HTS層503は、
15のバッファスタックを覆い、典型的には1ミクロン厚である。1~2ミクロンの銀層
504が、スパッタリング又は他の適切な技法によりHTS層上に堆積され、銅スタビラ
イザ層505が、電気めっき又は他の適切な技法によりテープ上に堆積される。これによ
り多くの場合、テープは完全にカプセル化される。
基板501は、製造ラインを通して供給されて後続層の成長を許容し得る機械的バック
ボーンを与える。バッファスタック502は、HTS層が成長する2軸テクスチャを有す
る結晶テンプレートを与えることが求められ、その超伝導特性を損なう基板からHTSへ
の元素の化学拡散を防止する。銀層504は、REBCOからスタビライザ層への低抵抗
インタフェイスを与えることが求められ、スタビライザ層505が、ReBCOの任意部
分が超伝導を停止する(「通常」状態に入る)事象において、代替電流経路を与える。
超伝導磁石において生じ得る一つの問題は、クエンチングである。クエンチングは、超
伝導ワイヤ又はコイルの一部が抵抗状態に入るときに生じる。これは、超伝導体における
温度若しくは磁場の変動、又は物理的な損傷若しくは欠陥(例えば磁石が核融合炉で使用
される場合の中性子照射によるクラック又は劣化)によって生じ得る。磁石において高電
流が存在することにより、超伝導体の小部分が抵抗性になると、急速にヒートアップする
。すべての超伝導ワイヤには、クエンチから保護するための一定の銅スタビライザが設け
られる。銅は、超伝導体が通常状態になる場合に電流の代替経路を与える。多くの銅が存
在すればするほど、クエンチした導体の一領域まわりに形成されるホットスポットにおけ
る温度上昇が遅くなる。
LTS磁石において、クエンチが生じると「通常ゾーン」が、数メートル/秒のオーダ
ーで急速に伝播する。これは、低温におけるすべての材料の低熱容量と、LTS材料が一
般にその臨界温度のかなり近くで動作するとの事実とに起因して生じる。これが意味する
のは、LTS磁石においてクエンチが急速に伝播するということである。クエンチのとき
に散逸した蓄積磁場エネルギーが磁石全体に広がって当該磁石を加熱する。
高温で動作するHTS材料は、比熱容量が高いので、ワイヤの一セクションを通常状態
にするのに必要なエネルギーはかなり高くなる。これが意味するのは、クエンチは、LT
S磁石においてよりもHTS磁石においての方がかなり生じにくくなるということである
。しかしながら、これはまた、通常ゾーンの伝播速度が、かなり遅くなることも意味する
。LTS磁石における数メートル/秒と比較して数センチメートル/秒のオーダーとなる
。クエンチは最初、磁石のわずかな体積にしか影響しないので、その領域のみが抵抗性と
なり、それゆえ、クエンチの間に散逸したエネルギーは当該わずかな体積の中に(すなわ
ち、詳しくは、通常ゾーンからの電流が迂回される銅の中に)ダンプされる。このエネル
ギーの集中は、HTSテープに永久的な損傷、例えば、溶融、アーク放電等を引き起こし
得る。これは、HTS磁石が典型的には、液体冷却材槽に浸漬されるよりもむしろ間接的
に冷却されることから、さらに悪化する。それにより、局所的な冷却パワーが、LTS磁
石と比べて低減される。
磁場に蓄積されるエネルギーは下式によって与えられる。
すなわち、磁束密度が大きくなればなるほど、及び体積が大きければ大きいほど、磁石の
蓄積エネルギーは大きくなる。大きな磁石から解放されるエネルギーは、一本のダイナマ
イトと同様のオーダーとなり得る。LTS磁石にとって、このエネルギーは、磁石全体を
加熱するときに散逸し得る。クエンチ保護のないHTS磁石にとって、このエネルギーは
、磁石の体積のわずかな部分において散逸し得る。一般に、大きなHTS磁石は、検出フ
ェーズを含む能動的なクエンチ保護システムを必要とする。検出フェーズの間、クエンチ
は、著しい加熱が生じる前に検出される。当該加熱に引き続いての散逸フェーズの間、磁
石の電流は、ホットスポット温度が高くなりすぎる前に急速にランプダウンされる。
現在までに(BSCCO及びReBCOに被覆された導体を使用して)製造されている
大抵のHTS磁石は、実際のところ、クエンチ保護を有しない。これは、当該磁石がほと
んどは、蓄積エネルギーがほとんどない小型かつ低コストのプロトタイプだからであり、
良好に設計されたHTS磁石におけるクエンチは、上述のように極めて低い確率となるは
ずだからである。したがって、HTS磁石をクエンチ保護するべきか否かの決定は、本質
的に経済的なものとなる。すなわち、小型のプロトタイプ磁石を、クエンチするという稀
な事象において比較的容易に修理することができる。その結果、HTS磁石のためのクエ
ンチ保護技術は依然として未熟なままである。
HTS磁石の一アプリケーションは、トカマク核融合炉である。トカマクは、核融合が
生じ得るように高温の安定なプラズマを与えるべく、強いトロイダル磁場と、高いプラズ
マ電流と、通常は大きなプラズマ体積及び著しい補助加熱との組み合わせを特徴とする。
補助加熱(例えば、数十メガワットの高エネルギーH、D又はTの中性ビーム入射)は、
核融合が生じ及び/又はプラズマ電流を維持するのに必要な十分高い値まで温度を上昇さ
せる必要がある。
問題は、一般に必要とされる大きなサイズ、大きな磁場、及び高いプラズマ電流ゆえに
、建設コスト及びランニングコストが高くなるのでエンジニアリングを、磁石システム及
びプラズマの双方に存在する大きな蓄積エネルギーに対処するべく頑強にしなければなら
ないことである。ここには、「ディスラプション」の習慣が存在する。すなわち激しい不
安定性においてメガアンペア電流が千分の数秒でゼロまで減少する。
この状況は、従来型トカマクのドーナツ形状トーラスを限界まで収縮させ、芯が抜かれ
たリンゴの外観を有する「球状」トカマク(ST)によって改善することができる。英国
CulhamのSTARTトカマクにおけるこの概念の最初の実現が、効率の大幅な向上
を実証した。ホットプラズマを閉じ込めるべく必要な磁場が、10分の1まで低減され得
る。加えて、プラズマ安定性が改善され、建設コストが低減された。
経済的発電(すなわち入力電力よりも出力電力の方がはるかに大きい)に必要な核融合
反応を得るべく、従来型トカマクは、(プラズマ体積にほぼ比例する)エネルギー閉じ込
め時間を十分大きくしてプラズマを熱核融合が生じるだけ十分高温とするべく、巨大にす
る必要がある。
特許文献1は、中性子源又はエネルギー源としての使用を目的とするコンパクト球状ト
カマクの使用を含む代替的なアプローチを記載する。球状トカマクにおける低アスペクト
比のプラズマ形状は、粒子閉じ込め時間を改善し、かなり小さな機械での正味発電を許容
する。ただし、直径の小さな中心柱が必要であり、これが、プラズマ閉じ込め磁石の設計
にとっての課題を提示する。
トカマクにとってのHTSの一次的な魅力は、強磁場中で高電流を搬送する能力である
。これは、中心柱の表面上の磁束密度が20Tを超えるコンパクトな球状トカマク(ST
)において特に重要となる。二次的な利点は、LTSよりも高い温度、例えば約20Kに
おいて、HTSが高磁場での高電流を搬送する能力である。これにより、液体ヘリウム(
すなわち4.2K以下)を使用した動作が不可能になる中心柱の高中性子加熱をもたらす
薄い中性子遮蔽の使用が可能となる。これによりひいては、プラズマ大半径が約2m未満
の、例えば約1.4mのような、球状トカマクの設計を考慮することが可能となる。この
ようなデバイスは、出力電力の数パーセントを極低温冷却に再利用する。
それにもかかわらず、かかる磁石は、HTS材料を使用する従前の設計よりもかなり大
きくなる。比較的小さなトカマクのためのトロイダル磁場(TF)磁石であっても、これ
まで作られた中でも極めて最大のHTS磁石となり、LTS基準によってであっても高い
蓄積エネルギーを有する大きな磁石を代表する。導体における臨界電流劣化に対処可能な
徹底的に開発されたクエンチ保護システムが不可欠である。60cmの大半径で動作する
球状トカマクに対するTF磁石(約4.5T)の蓄積エネルギーは150~200MJと
なり、140cmのトカマクに対するTF磁石(約3T)の蓄積エネルギーは1200M
Jを超過する。
クエンチ保護システムの役割は、超伝導体から銅スタビライザへの電流の伝達を検出す
ることによって、損傷を最小限にするべく始動後できるだけ早く、又は開始前のいずれか
において、局所的なクエンチすなわち「ホットスポット」を検出し、回路遮断器を開にし
て磁石の蓄積エネルギーを抵抗負荷にダンプすることである。エネルギーのダンプは、室
温で磁石のクライオスタットの外側にある抵抗器に電流を流すことにより、又は磁石の「
冷たい塊」を加熱して抵抗性にすることにより、達成され得る。オプションとして、磁石
自体の蓄積エネルギーが使用されてクエンチが、人工的に超伝導コイルを高速伝播される
(その結果、エネルギーが磁石全体を通して散逸するので、ホットスポットにおける急激
な温度上昇を引き起こすよりもむしろ、徐々に暖められる)。人工的な伝播は、HTS磁
石において困難である。これは、磁石全体をクエンチさせるのに必要な熱がLTSにおい
てよりもはるかに大きく、現実的に実装が困難となるからである。
クエンチ保護システムが磁石への深刻な損傷を防止するためには、ホットスポットの温
度を近似的に200K未満に保持する必要がある。ホットスポットの温度がHTS磁石の
動作温度であるほぼ20Kから200Kまで上昇するのにかかる時間は、導体に設けられ
た銅スタビライザの量に依存する。半径約35cmの中心柱で35MAを搬送する(すな
わち約90A/mmのエンジニアリング電流密度)コンパクト球状トカマクにおいては
、クエンチ開始からエネルギーダンプがアクティブになるまでの時間は、ホットスポット
温度を200K未満に制限するべく0.5s未満にする必要がある。これを達成すること
には2つの側面が存在する。クエンチ検出速度を改善すること(又はクエンチにつながり
そうな条件を検出することであっても実際のクエンチが生じる前にエネルギーをダンプす
ることができる)、及びエネルギーダンプの速度を改善することである。
これまでの研究は、HTS磁石のセクション、又はHTS/LTS複合磁石のLTSセ
クションを、ヒータの使用を介して意図的にクエンチさせることを提案している。例えば
、トカマクのトロイダル磁場コイルにおいて、中心柱には限られた空間しか存在しないが
、リターンリムには十分な空間が存在するので、リターンリムにヒータを追加して超伝導
材料をクエンチして磁石エネルギーを、初期クエンチが生じる小領域よりもむしろリター
ンリムの大きなセクションにダンプすることができる。しかしながら、ヒータから超伝導
材料へと熱を拡散させ、制御されたクエンチが生じるポイントまで加熱するには、わずか
ではあるが有意な時間がかかる。超伝導回路において意図的なクエンチを引き起こす高速
な方法が必要とされている。
国際公開第2013/030554号
本発明の第1側面によれば、高温超電導体(HTS)回路を含むデバイスが与えられる

HTS回路は、HTS材料を含んで当該HTS回路の他の要素に直列接続されたクエンチ
可能セクションを含み、
当該HTS材料は、少なくとも一つのHTSテープを含むHTSテープの積層体を含み、
デバイスはさらに、
クエンチ可能セクションにおいてHTS材料をクエンチさせるべく構成されたクエンチン
グシステムと、
HTS回路における温度上昇を検出し、温度上昇の検出に応答して当該クエンチングシス
テムに、当該HTS回路からの蓄積した磁気エネルギーを当該クエンチ可能セクションへ
とダンプするようにクエンチ可能セクションにおける超伝導材料をクエンチさせるべく構
成されたクエンチ保護システムと
を含み、
HTS回路は、使用時に、当該HTSテープ又は各HTSテープの磁場が、HTSテープ
のab平面に実質的に平行になるように構成され、
クエンチングシステムは、クエンチ可能セクション内の当該又はそれぞれのHTSテープ
の長さに沿って、HTSテープのab平面に直交する成分を有する追加磁場を生成するこ
とによって、HTS材料をクエンチさせるように構成される。
本発明の第2側面によれば、HTSテープを、当該テープのab平面に一般に平行な磁
場において意図的にクエンチさせるクエンチングシステムが与えられ、当該クエンチング
システムは、ab平面に直交する成分を有して当該テープを貫通する第2磁場を生成する
メカニズムを含む。
さらなる実施形態が請求項2以下に提示される。
HTSテープの臨界電流対磁場角度のグラフである。 典型的なクエンチングシステムの模式的な例示である。 典型的なHTSケーブルの模式的な例示である。 図2のHTSテープの臨界電流対時間のグラフである。 ステンレス鋼及び銅の熱容量対温度のグラフである。 ステンレス鋼及び銅の抵抗率対温度のグラフである。
上述したように、超伝導材料は、材料内の電流が臨界電流に近づき、それを超えると、
通常状態になる(すなわち抵抗を生じる)。高温超伝導体(HTS)では、臨界電流は、
超伝導材料の温度、磁場の強度、及びHTSがさらされる磁場の方向に依存する。臨界電
流は、温度が高くなること、磁場が強くなること、及び磁場と超伝導体のab平面とのな
す角度が大きくなることにより減少する。市販のReBCO HTSテープは大抵、ab
平面がほぼテープの平面に整合するが、35度もの大きな角度だけ発散し得る(実際のと
ころ、さらに高い発散もあり得る。35度は単に、現在利用可能なテープの中での最高角
度にすぎない)。簡潔のため、本開示の残りの部分は、ab平面がテープの平面に整合す
ると仮定し、当業者は、これが当てはまらない場合には、テープに対して適切な修正をな
し得ることを理解する
磁石を加熱することによってクエンチを引き起こす代わりに、又はそれに加えて、HT
Sテープが受ける磁場の角度を改変することによってクエンチを引き起こすシステムが以
下に提案される。HTSテープの一次的な使用は、故障電流リミッタのような磁石及び他
の高電流アプリケーションであるから、各HTSテープの外部磁場は、磁石のための設計
によって、又は他のアプリケーションのための他の高電流HTSテープの存在ゆえに、既
に非常に大きい場合が多い。しかしながら、図1に示されるように、臨界電流の印加磁場
方向への依存性は極めて強いので、いくつかの市販テープでは、臨界電流は、10度未満
の磁場角度の変化により半減してしまう。HTSコイルの意図的なクエンチが可能なセク
ションは、1に近いI/I比(一般にHTSの使用量を低減するほど著しいコスト節約
となる)で動作するように設計することができる。
このシステムは、クエンチ予定のHTSテープを包含する磁石のコイルセクションが、
磁場がHTS ReBCO層のab平面にほぼ整列するように配列されるときに最良の性
能を示した。これにより、テープの臨界電流が、当該磁束密度及び温度において可能な最
大限又はそれに近くなることが保証される。磁場がその後、正しい方向に回転されると、
臨界電流は輸送電流未満になるまで急激に低下する。そして、影響を受けたコイルセクシ
ョンがクエンチし、クエンチされたセクションを暖める熱を発生するので、磁場パルスの
終了後に臨界電流が回復できないことが保証される。
かかるクエンチ開始システムは、当該コイル内のテープの一部又はすべてにおいてab
平面に直交する磁場を生成するように設計する必要があるので、余分な直交磁場にさらさ
れるテープの臨界電流の合計が(コイル内のテープのすべてとなり得る)テープの電流未
満となる。最も効率的な方法は、テープのab平面に直交する(すなわちHTSのc軸に
平行な)大きな成分を有する磁場を生成することである。この磁場は、既存の外部磁場と
組み合わされると、ab平面に対する一定角度にテープをクエンチするのに十分な磁場を
もたらす。しかしながら、ab平面に平行でない任意角度で磁場を生成することも可能で
ある。ただし、かなり強力な磁場が必要となる。
かかる磁場を生成する一つの簡単な方法は、図2に示されるように、HTSテープ20
1の長さに平行に延びて当該HTSテープのab平面に存在するワイヤ202に電流を流
すことである。かかるワイヤまわりの磁場203は、HTSテープと交差して当該テープ
のc軸に平行になる(すなわち当該テープに直交する)。この磁場は、同様のワイヤ20
4をHTSテープの反対側に延ばして反対方向の電流を搬送することによって強化するこ
とができる。HTSテープ202をクエンチさせるべく、ワイヤ201、204を通るよ
うに電流パルスが送られ、当該ワイヤには、当該テープに直交する磁場が発生する。この
磁場は、既存の磁場と組み合わされると、当該テープが見る磁場を瞬間的に回転させる効
果を有する。この磁場の効果によってHTSテープ202がひとたび通常状態になると、
これにより引き起こされる熱は一般に、完全なクエンチをもたらす。電流パルスの長さは
、完全なクエンチを確保する必要性(パルスが長ければ長いほど確実になる)と、(高電
流を抵抗線に流すことによって引き起こされる)ワイヤ201、204の損傷を回避する
必要性との間のバランスである。
磁場パルスは、パルス磁場生成コイルが急速に加熱し、そのコイルを通る高DC電流を
維持するのに必要な電圧が増加するので、必然的に短い持続時間となる。パルス生成コイ
ルを流れる大電流を駆動するには、典型的に数千ボルトの大きな転移電流が必要とされる
ので、磁気コイルは電気的に絶縁する必要がある。しかしながら、パルス生成コイルの導
体は、可能な限り最大のパルス磁場を生成するべく、クエンチ予定の磁石コイルセクショ
ンの導体間に、かつ、当該導体の近くに配置する必要がある。さらに、パルス生成コイル
からの熱パルスが磁石コイル内に拡散し、さらにはクエンチが伝播することを許容するべ
く、パルス磁場及び磁石導体を、(適切な電圧分離に整合する)可能な限り良好な熱接触
状態にする必要がある。
隣接するパルス生成器コイルのターンにおいて電流の方向を交互にする配列が、低イン
ダクタンスの巻線をもたらす。これは、パルスの立ち上がりエッジのとき及び立ち下がり
エッジのときに、電流を急速に変化させることによって発生する誘導電圧を低減するとい
うさらなる利点を有する。
一対のワイヤ201、204を使用することのさらなる利点は、当該一対のワイヤから
遠くにある追加磁場が小さいことである。各ワイヤによる磁場が、当該ワイヤ間の距離と
比べて長い距離で互いに打ち消し合う傾向があるからである。
各HTSテープにおける一次磁場が当該ケーブル内の他のテープに由来する状況におい
て使用されるクエンチ可能HTSケーブルのための構造が、図3に示される。かかるテー
プは、DC電力伝達アプリケーションにおいて、又はトロイダル磁場コイルのリターンリ
ムの外側部分のような低磁場セクションを有する磁石において、使用され得る。同様の原
理は、他の状況において使用されるHTSケーブルにも当てはまり得るが、当該ケーブル
内のHTSテープの配列は異なる。
HTSケーブル300は、HTSテープ又はテープの積層体301と、ワイヤ302、
303とを含む。このHTSテープは、テープ301におけるReBCO HTS層のa
b平面が、ケーブル300の半径に直交するように配列される。パルス生成ワイヤ302
、303は、HTSテープ積層体301のそれぞれの間に一つのワイヤを有するように配
列される。ワイヤ302は、(図3の「ページから出る」)一方向に電流を搬送し、ワイ
ヤ303は、(図3の「ページに入る」)反対方向に電流を搬送する。各HTSテープ積
層体301は、一方向に電流を搬送する一つのワイヤ302と、反対方向に電流を搬送す
る一つのワイヤ303とに隣接する。この配列の効果は、パルス電流がワイヤ302及び
303を通過するときに各HTSテープ301が、HTSテープ301のc軸に平行に印
加される追加のパルス磁場を受けることである。これにより、HTSテープ積層体の臨界
電流が低減される。
かかるワイヤ配列に電流を容易に供給することができるのは、隣接する各対の上下を交
互に接続して得られた直列回路に電流を流すことによる。しかしながら、並列接続スキー
ムによる他の配列も可能である。これにより、実際のパルス電流生成器の電流領域及び電
圧領域にアクセスすることが許容される。
HTSテープの近くにある抵抗性コンポーネントを流れる電流を介して制御可能なパル
ス磁場を与えることにより、当該抵抗性コンポーネントもまた発熱する。これにより、(
熱が拡散するのに時間がかかるので、さらに遅れた後に)HTSテープの臨界電流はさら
に低減される。図2に係るシステムに対する臨界電流対時間の典型的なグラフが、図4に
示される。クエンチは、HTS回路のどこかで時刻Tに生じ、クエンチ可能セクション
の臨界電流はその通常値401となる。短い遅延の後、時間Tにおいてクエンチが検出
され、電流パルスがワイヤ201、204に送られる。これにより、HTSテープの臨界
電流が急激に低下し402、HTSテープにおける電流400未満の値になり、HTSテ
ープのクエンチが(磁場角度のシフトを受ける全長に沿って)引き起こされる。臨界電流
の低下402は、電流パルスの少し後の時刻Tに生じる。電流パルスはHTSケーブル
の金属部分に、磁束の変化に対抗するように作用する渦電流を誘導する。電流パルスに引
き続き、HTSテープの臨界電流は(外部磁場が再び主平面と実質的に整列すると)再び
上昇するが、HTSテープにおけるクエンチにより引き起こされる加熱ゆえに以前より低
い値403となる。その後まもなく、時刻Tにおいて臨界電流は、ワイヤ201、20
4を流れる電流からの熱が介在構造物を通ってHTSに拡散するので、再び低下する40
4。電流パルスに続く臨界電流が、HTSテープをクエンチ状態のままに保つのに十分で
はなかったとしても、この臨界電流の追加的な低下により、クエンチ状態の維持の発生が
保証される。
電流パルスの長さ、HTSケーブルの磁気的及び電気的特性、並びにワイヤ201、2
04とHTSテープ202との熱接触の程度に応じて、電流パルスからの熱は、その電流
パルス自体によって引き起こされるパルス磁場のとき又は後に到達し得る。
以上、HTS回路のクエンチ可能セクションのクエンチのためのクエンチングシステム
について説明した。HTS回路の完全なクエンチ保護システムを与えるべく、クエンチ可
能セクションがHTS回路の他のコンポーネントと直列に設けられ、クエンチ検出システ
ムが、HTS回路内のクエンチを検出し、それに応答して、当該クエンチングシステムに
当該クエンチ可能セクションをクエンチさせるように構成される。クエンチ可能セクショ
ンは、当該クエンチ可能セクションの温度を第1所定温度(例えば、クエンチ可能セクシ
ョン内のスタビライザの溶融を防止するには700K、熱膨張差によるクエンチ可能セク
ションの歪みを許容範囲内に維持するには200K、又は冷却システムの安定性を確保す
るには100K若しくは50K)未満に維持するのに十分な熱容量と、当初のクエンチさ
れたHTS(「ホットスポット」)の温度を第2所定温度(例えば、700K、300K
、100K又は50K)未満に維持するべく、磁石の電流を迅速に減衰させるのに十分な
抵抗率とを有する必要がある。これは、クエンチ可能セクションに非超伝導スタビライザ
を設けるによって達成することができる。この非超伝導スタビライザは、金属を含む。体
積熱容量に対する抵抗率の比が銅よりも大きな金属、例えばステンレス鋼、を含む。
HTS回路からエネルギーを効果的にダンプして当該回路への損傷リスクを最小限にす
るべく、クエンチ可能セクションは、HTS回路内の電流を迅速に低減するべく十分高い
、超伝導でないときの抵抗(「通常抵抗」)と、磁石の蓄積エネルギーを、確実に溶融な
しに、好ましくは室温を大幅に超えることなしに、吸収するべく十分高い熱容量とを有し
てよい。HTSクエンチ時のホットスポット温度は、クエンチ可能セクションの、(選択
された材料の抵抗率によって部分的に決定され得る)通常抵抗によって決定され、当該ク
エンチ可能セクションにおける超伝導体の最大温度は主に、当該クエンチ可能セクション
の熱容量によって決定される。クエンチ可能セクションがトロイダル磁場コイルのリター
ンリム内に設けられる場合のような、クエンチ可能セクションの長さが制約されるHTS
回路において、これらは相反する要件となる。熱容量は、クエンチ可能セクションの断面
積の増加によって(例えばクエンチ可能セクションにおける非超伝導スタビライザの断面
積を増加させることによって)増加し得るが、同時に通常抵抗を低減させる。非超伝導ス
タビライザとして銅以外の材料を使用することにより、通常抵抗が低くなりすぎることな
く、増加した熱容量を与えることができる。例えば、図5及び図6に示されるように、ス
テンレス鋼の熱容量(501)は銅の熱容量(502)と同様であるが、ステンレス鋼の
電気抵抗率(601)は銅の電気抵抗率(602)よりも高い。一般に金属は、その金属
の体積熱容量に対する抵抗率の比が銅の当該比よりも大きい場合、かかるアプリケーショ
ンにとって適切となる。
銅スタビライザに加えて非銅スタビライザも、例えば、ステンレス鋼マトリクス内に市
販の銅スタビライザ付き超伝導体を設けることにより、組み入れることができる。銅とス
テンレス鋼との比は、超伝導体の温度を特定値、例えばコイルのエネルギーすべてがクエ
ンチ可能セクションにダンプされる場合は300K、に制限するように調整する必要があ
る。磁石をダンプするときの輸送電流の減衰速度は、クエンチ可能セクションのインダク
タンス及び温度依存性抵抗に依存する。
HTS回路が磁場生成コイルである場合、クエンチ可能セクションは、磁場に寄与する
ように配列してよく、代替的に、非誘導的に(すなわち磁場に有意に寄与することがない
ように)配列してもよい。前者の配列は、トロイダル磁場コイルのような、関心領域(球
状トカマクにおいて中心柱に近いTFコイルの場合はプラズマ半径)にある磁場の有意な
部分に寄与することがないセクション(すなわちリターンリム)を有する磁場コイル、に
対して特に有用である。これにより、クエンチングシステムをリターンリムのHTSケー
ブル内に容易に配置することができる。リターンリムにおける電流密度の結果的な希釈は
、TF磁石の性能にとって著しく有害とはならない。
ReBCOは典型的に、テープとして製造される。このようなテープは一般に、近似的に100ミクロン厚であり、基板(典型的には近似的に50ミクロン厚の電気研磨ハステロイ)を含む。基板の上には、IBAD、マグネトロンスパッタリング、又は他の適切な技法により、近似的に0.2ミクロン厚のバッファスタックとして知られる一連のバッファ層が堆積される。(MOCVD又は他の適切な技法により堆積された)エピタキシャルReBCO-HTS層は、15のバッファスタックを覆い、典型的には1ミクロン厚である。1~2ミクロンの銀層が、スパッタリング又は他の適切な技法によりHTS層上に堆積され、銅スタビライザ層が、電気めっき又は他の適切な技法によりテープ上に堆積される。これにより多くの場合、テープは完全にカプセル化される。
板は、製造ラインを通して供給されて後続層の成長を許容し得る機械的バックボーンを与える。バッファスタックは、HTS層が成長する2軸テクスチャを有する結晶テンプレートを与えることが求められ、その超伝導特性を損なう基板からHTSへの元素の化学拡散を防止する。銀層は、REBCOからスタビライザ層への低抵抗インタフェイスを与えることが求められ、スタビライザ層が、ReBCOの任意部分が超伝導を停止する(「通常」状態に入る)事象において、代替電流経路を与える。
かかる磁場を生成する一つの簡単な方法は、図2に示されるように、HTSテープ202の長さに平行に延びて当該HTSテープのab平面に存在するワイヤ201、204に電流を流すことである。かかるワイヤまわりの磁場203は、HTSテープと交差して当該テープのc軸に平行になる(すなわち当該テープに直交する)。この磁場は、同様のワイヤ204をHTSテープの反対側に延ばして反対方向の電流を搬送することによって強化することができる。HTSテープ202をクエンチさせるべく、ワイヤ201、204を通るように電流パルスが送られ、当該ワイヤには、当該テープに直交する磁場が発生する。この磁場は、既存の磁場と組み合わされると、当該テープが見る磁場を瞬間的に回転させる効果を有する。この磁場の効果によってHTSテープ202がひとたび通常状態になると、これにより引き起こされる熱は一般に、完全なクエンチをもたらす。電流パルスの長さは、完全なクエンチを確保する必要性(パルスが長ければ長いほど確実になる)と、(高電流を抵抗線に流すことによって引き起こされる)ワイヤ201、204の損傷を回避する必要性との間のバランスである。

Claims (16)

  1. 高温超伝導体(HTS)回路を含むデバイスであって、
    前記HTS回路は、HTS材料を含んで前記HTS回路の他の要素に直列接続されたクエ
    ンチ可能セクションを含み、
    前記HTS材料は、少なくとも一つのHTSテープを含むHTSテープの積層体を含み、
    前記デバイスはさらに、
    前記クエンチ可能セクションにおいて前記HTS材料をクエンチさせるべく構成されたク
    エンチングシステムと、
    前記HTS回路における温度上昇を検出し、温度上昇の検出に応答して前記クエンチング
    システムに、前記HTS回路からの蓄積した磁気エネルギーを前記クエンチ可能セクショ
    ンへとダンプするように前記クエンチ可能セクションにおける超伝導材料をクエンチさせ
    るべく構成されたクエンチ保護システムと
    を含み、
    前記HTS回路は、使用時に、前記HTSテープ又は各HTSテープの磁場が、前記HT
    Sテープのab平面に実質的に平行になるように構成され、
    前記クエンチングシステムは、前記クエンチ可能セクション内の前記HTSテープ又は各
    HTSテープの長さに沿って、前記HTSテープのab平面に直交する成分を有する追加
    磁場を生成することによって、前記HTS材料をクエンチさせるように構成される、デバ
    イス。
  2. 各クエンチ可能セクションは、
    前記HTS回路からのエネルギーが前記クエンチ可能セクションにダンプされるときに前
    記クエンチ可能セクションの温度を第1所定温度未満に維持するのに十分な熱容量と、
    前記温度上昇が検出された前記HTS回路の部分の温度を第2所定温度未満に維持するの
    に十分急速に前記HTS回路の電流を減衰させるのに十分な抵抗率と
    を有する、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記クエンチングシステムは、前記HTSテープのab平面に直交する追加磁場を生成す
    ることによって前記HTS材料をクエンチさせるべく構成される、請求項1又は2に記載
    のデバイス。
  4. 前記クエンチングシステムは、電流源と、実質的にそれぞれのHTSテープの長さに平行
    であり、かつ、実質的にそれぞれのHTSテープのab平面内に存在する第1ワイヤとを
    含み、
    前記クエンチングシステムは、前記第1ワイヤに電流を流すことによって前記追加磁場を
    与える、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記クエンチングシステムは、前記第1ワイヤからそれぞれのHTSテープの反対側に第
    2ワイヤを含み、
    前記第2ワイヤは、実質的にそれぞれのHTSテープの長さに平行であり、かつ、実質的
    にそれぞれのHTSテープのab平面内に存在し、
    前記クエンチングシステムは、電流を前記第1ワイヤに一方向に及び前記第2ワイヤに反
    対方向に流すことによって前記追加磁場を与える、請求項4に記載のデバイスケーブル。
  6. 前記クエンチ可能セクションは、ab平面が前記局所磁場に平行となるように配列された
    複数のHTSテープ積層体を含み、
    前記クエンチングシステムは、隣接するHTSテープ積層体の各対の間にワイヤを含み、
    前記クエンチングシステムは、電流を前記ワイヤに流すことによって前記追加磁場を与え
    るように構成され、
    各HTSテープ積層体に隣接する2つのワイヤのうち、一方のワイヤが電流を一方向に搬
    送し、他方のワイヤが電流を反対方向に搬送する、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記ワイヤは直列に接続される、請求項6に記載のデバイス。
  8. 前記第1所定温度は約700Kであり、好ましくは約300Kである、請求項1から7の
    いずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記第2所定温度は約300Kであり、好ましくは約200Kであり、さらに好ましくは
    約100Kである、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 各クエンチ可能セクションはさらに、非超伝導スタビライザを含む、請求項1から9のい
    ずれか一項に記載のデバイス。
  11. 前記非超伝導スタビライザは、体積熱容量に対する抵抗率の比が銅よりも大きな金属、例
    えばステンレス鋼、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. 前記HTS回路は磁場生成コイルであり、
    前記クエンチ可能セクションは、前記磁場生成コイルの磁場に寄与する、請求項1から1
    1のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記HTS回路は、トカマクのトロイダル磁場コイルであり、
    前記クエンチ可能セクションは、前記トロイダル磁場コイルのリターンリムの一セクショ
    ンである、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
  14. 前記トロイダル磁場コイルの各リターンリムがクエンチ可能セクションを含む、請求項1
    3に記載のデバイス。
  15. 前記HTS回路は、トカマクのポロイダル磁場コイルである、請求項1から12のいずれ
    か一項に記載のデバイス。
  16. HTSテープを、前記テープのab平面に一般に平行な磁場において意図的にクエンチさ
    せるクエンチングシステムであって、
    前記ab平面に直交する成分を有して前記テープを貫通する第2磁場を生成するメカニズ
    ムを含む、クエンチングシステム。
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