JP2024025937A - 情報読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特定領域内の情報を保護する情報読取装置を提供する。【解決手段】 情報読取装置は、特定領域を覆うカバーと、カバーと対面する対面部に形成されている第1孔と、カバーに形成されている第2孔と、の双方の内側を通過している導電性の第1棒状体と、第1孔の内周面に露出している第1導電性部材と、第2孔の内周面に露出している第2導電性部材と、検知回路が、第1導電性部材と第2導電性部材の間の導通状態が第1状態から第2状態に変化したことを検知する場合に、特定領域内の情報を保護するための保護処理を実行する処理実行部であって、第1状態は、第1導電性部材が第1棒状体を介して第2導電性部材と導通している状態であり、第2状態は、第1棒状体が第1導電性部材及び第2導電性部材のいずれかから離れて第1導電性部材が第2導電性部材から遮断された状態である、処理実行部と、を備える。【選択図】図4
Description
本明細書で開示する技術は、露出が制限される特定領域内の情報を保護するための保護処理を実行可能な情報読取装置に関する。
特許文献1には、ねじと結合パッドとを用いた不正分解防止の接続機構が開示されている。結合パッドは、第1接点と第2接点とを備える。ねじが締結されていると、第1接点は、ねじ頭部の下部と接触して導通通路を形成し、第2接点は、ねじ頭部の溝と対面し、導通通路を形成しない。ねじがゆるむと、第2接点は、ねじ頭部の下部のうちの溝でない部分と接触して導通通路を形成し、第1接点は、溝と対面して導通経路を形成しない。接続機構は、第1接点及び第2接点の導通状態の変化を検知して、ユーザに警報する。
ねじ頭部の下面に溝を形成することは、特殊な表面加工である。上記の技術を情報読取装置に採用すると、特殊な表面加工が施されたねじが必要となる。本明細書では、特殊な表面加工が施されたねじを利用せずにカバーで特定領域を覆い、特定領域内の情報を保護する情報読取装置を提供する。
本明細書で開示する情報読取装置は、露出が制限される特定領域特定領域を覆うカバーと、前記カバーと対面する対面部に形成されている第1孔と、前記第1孔と同じ軸で前記カバーに形成されている第2孔と、の双方の内側を通過している導電性の第1棒状体と、前記第1孔の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触している第1導電性部材と、前記第2孔の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触している第2導電性部材と、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材の双方に接続されている検知回路と、前記検知回路が、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材の間の導通状態が第1状態から第2状態に変化したことを検知する場合に、前記特定領域内の情報を保護するための保護処理を実行する処理実行部であって、前記第1状態は、前記第1導電性部材が前記第1棒状体を介して前記第2導電性部材と導通している状態であり、前記第2状態は、前記第1棒状体が前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材のいずれかから離れて前記第1導電性部材が前記第2導電性部材から遮断された状態である、前記処理実行部と、を備える。
第1棒状体が第1導通性部材及び第2導電性部材のいずれかから離れることは、カバーを対面部から取り外す行為が行われている可能性が高いことを意味する。第1導電性部材が第2導電性部材から遮断されたことが検知される場合に保護処理を実行することにより、カバーによって隠されていた特定領域内の情報を保護することができる。棒状体、第1導通性部材、及び、第2導電性部材は、特殊な表面加工を必要とせず、上記の構成は、特殊な表面加工が施されたねじを利用しなくてもよい。
前記対面部には、前記第1孔に加えて、第3孔が形成されており、前記カバーには、前記第2孔に加えて、前記第3孔と同じ軸で第4孔が形成されており、前記情報読取装置は、さらに、前記第3孔と前記第4孔の双方の内側を通過している導電性の第2棒状体と、前記第3孔の内周面に露出し、前記第2棒状体と接触している第3導電性部材と、前記第4孔の内周面に露出し、前記第2棒状体と接触している第4導電性部材と、前記第1導電性部材と前記第3導電性部材を電気的に接続する第1ラインと、前記第2導電性部材と前記第4導電性部材を電気的に接続する第2ラインと、を備えてもよい。
上記の構成によれば、第1孔及び第2孔に対応する箇所と、第3孔及び第4孔に対応する別の箇所と、を含む複数の箇所において、1個の検知回路でカバーを対面部から取り外す行為が行われていることを検知することができる。
前記情報読取装置は、さらに、前記第2孔の内周面に露出し、雄ねじである前記第1棒状体と締結し、かつ、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材との間に位置している中間ナットを備えてもよい。
例えば、中間ナットが存在せず、第1導電性部材がナットである比較例が想定される。雄ねじによりカバーを対面部に取り付ける締結力は、ナットである第1導電性部材の厚みによって決まる。これに対して、上記の構成によれば、雄ねじによりカバーを対面部に取り付ける締結力は、中間ナットの厚みによって決まる。即ち、第1導電性部材の厚みは、当該締結力とは無関係に決定でき、比較例と比べて、第1導電性部材の厚みを薄くすることができる。第1導電性部材の厚みが薄くなることにより、雄ねじである第1棒状体が緩み、第1棒状体が第1導電性部材から離れたことを素早く検知することができる。
前記第1棒状体は、前記カバーを前記対面部に固定するための雄ねじであり、前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材は、それぞれ、前記第1棒状体と締結するナットであってもよい。
上記の構成によれば、第1導電性部材と第2導電性部材に、カバーの取り外しを検知する機能と、カバーを対面部に取り付けて固定する機能と、を兼務させることができる。
前記第1棒状体は、前記カバーを前記対面部に固定するための雄ねじであり、前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材は、それぞれ、前記雄ねじと締結するナットであり、前記情報読取装置は、さらに、前記第1孔及び前記第2孔のうちの一方の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触し、かつ、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材との間に位置している第5導電性部材を備え、前記検知回路は、さらに、前記第5導電性部材に接続されており、前記第1棒状体の外周面には、前記第5導電性部材と対面する絶縁部材が露出しており、前記保護処理は、第1保護処理と、第2保護処理と、を含み、前記第1状態では、前記第1棒状体が前記絶縁部材を介して前記第5導電性部材から絶縁され、かつ、前記第1導電性部材が前記第1棒状体を介して前記第2導電性部材と導通しており、前記処理実行部は、前記検知回路が、前記導通状態が前記第1状態から第3状態に変化したことを検知する場合に、前記第1保護処理を実行し、前記第3状態は、前記雄ねじである前記第1棒状体が緩み、前記絶縁部材が前記第5導電性部材から離れる方向に移動して、前記第1導電性部材と前記第5導電性部材と前記第2導電性部材の三者が前記第1棒状体を介して互いに導通している状態であり、前記処理実行部は、前記雄ねじである前記第1棒状体がさらに緩み、前記絶縁部材が前記第5導電性部材からさらに離れ、前記検知回路が、前記導通状態が前記第3状態から前記第2状態に変化したことを検知する場合に、前記第2保護処理を実行してもよい。
上記の構成は、雄ねじである第1棒状体が少し緩んだことに応じて第1保護処理を実行し、第1棒状体がさらに緩んだことに応じて第2保護処理を実行する。第1棒状体が緩んだ段階に応じた段階的に保護処理を実行することができる。
(第1実施例)
(決済端末2の構成;図1、図2)
決済端末2は、購入対象の代金を決済する操作を受け付ける端末である。決済端末2は、例えば、購入対象を販売する販売店に設置される。なお、決済端末2は、据え置き型であってもよいし、携帯型であってもよい。
(決済端末2の構成;図1、図2)
決済端末2は、購入対象の代金を決済する操作を受け付ける端末である。決済端末2は、例えば、購入対象を販売する販売店に設置される。なお、決済端末2は、据え置き型であってもよいし、携帯型であってもよい。
決済端末2は、筐体10と、筐体10から露出している読取部12と、筐体10に収容されている制御基板20(図2参照)、を備える。なお、図1では、制御基板20は、筐体10で隠れて見えない。
読取部12は、光学読取装置、ICチップ読取装置等を含む。光学読取装置は、カメラであり、例えば、情報コード(例えばバーコード、2次元コード等)を撮像する。なお、変形例では、光学読取装置は、レーザを走査して照射するレーザ光源と、レーザの反射光を受光する素子と、を含んでもよい。光学読取装置で撮像された画像は、例えば、情報コードを利用した決済(いわゆるコード決済)に利用される。
ICチップ読取装置は、ICチップに記憶されている決済情報を読み取るための装置である。ICチップは、クレジットカード、電子マネー、携帯電話等に設けられる。決済情報は、例えば、クレジットカード番号等の識別情報、ユーザ情報等である。ICチップは、接触型でも非接触型でもよい。ICチップが接触型である場合には、ICチップ読取装置は、例えば、ICチップの接点端子と直接接続して通信する。また、ICチップが非接触型である場合には、ICチップ読取装置は、例えば、NFC(Near field communicationの略)方式の無線通信を介して、非接触ICチップと通信する。
制御基板20には、購入対象の代金の決済に関する処理を実行する回路が実装されている。当該回路は、例えば、CPU、メモリ等を備える。制御基板20は、読取部12に接続されている。
図2に示すように、制御基板20の表面の一部の特定領域60は、壁22に囲まれている。特定領域60は、露出が制限される領域である。特定領域60内には、例えば、決済に関する情報(例えば、決済の履歴情報、情報コード及び非接触ICチップから読み取った決済情報)及び暗号鍵等の機密情報を記憶するメモリ62が配置される。暗号鍵は、外部サーバ(図示省略)との決済情報の通信の暗号化に利用される。
壁22には、特定領域60を覆うカバー24が取り付けられる。これにより、機密情報が記憶されているメモリ62が露出することが抑制される。
制御基板20には、さらに、カバー24が壁22から取り外される異常事態が発生することを検知するための検知回路50が実装されている。なお、変形例では、検知回路50は、制御基板20とは異なる筐体10内の他の基板に実装されていてもよい。
制御基板20は、検知回路50によって異常事態の発生が検知される場合に、特定領域60内のメモリ62に記憶されている情報を保護するための保護処理を実行する。保護処理は、例えば、メモリ62内の機密情報を削除する処理である。
(検知構造;図3、図4)
図3、図4を参照して、検知回路50が異常事態の発生を検知するための構造について説明する。図3は、カバー24が壁22に正常に取り付けられている正常状態を示し、図4は、壁22からカバー24を取り外そうとする行為が発生した異常事態を示す。
図3、図4を参照して、検知回路50が異常事態の発生を検知するための構造について説明する。図3は、カバー24が壁22に正常に取り付けられている正常状態を示し、図4は、壁22からカバー24を取り外そうとする行為が発生した異常事態を示す。
壁22には、第1孔22aが形成されている。壁22には、金属製の第1ナット26が埋め込まれている。第1ナット26の内周面(即ち雌ねじ)は、第1孔22aの内周面から露出している。
カバー24には、第2孔24aが形成されている。カバー24には、金属製の第2ナット28が埋め込まれている。第2ナット28の内周面(即ち雌ねじ)は、第2孔24aの内周面から露出している。
図3、図4に示すように、第2孔24aは、第1孔22aと同じ軸で形成され、第2ナット28も、第1ナット26と同じ軸で配置される。
第1ナット26及び第2ナット28の双方には、金属製の雄ねじ40が締結される。これにより、カバー24が壁22に取り付けられて固定される。
検知回路50は、接続ライン52を介して、第1ナット26に接続されており、接続ライン54を介して、第2ナット28に接続されている。図3に示すように、正常状態では、第1ナット26は、雄ねじ40を介して、第2ナット28と導通している。
一方、図4に示すように、異常状態では、悪意ある第三者がカバー24を壁22から取り外そうと、雄ねじ40を緩める。これにより、雄ねじ40が第1ナット26から離れる。この場合、第1ナット26が第2ナット28から遮断される。検知回路50は、接続ライン52及び54の間の短絡状態(即ち正常状態)が接続ライン52及び54の間の開放状態(即ち異常状態)に変化したことを検知して、異常事態の発生を検知する。これにより、制御基板20は、第三者がカバー24を完全に取り外す前に、保護処理を実行して、第三者に機密情報が盗まれることを抑制することができる。
雄ねじ40、第1ナット26、及び、第2ナット28として、汎用的な部品を利用可能である。雄ねじ40等に特殊な表面加工を施す必要がない。
(対応関係)
決済端末2、壁22、特定領域60、カバー24が、それぞれ、「情報読取装置」、「対面部」、「特定領域」、「カバー」の一例である。第1孔22a、第2孔24aが、それぞれ、「第1孔」、「第2孔」の一例である。雄ねじ40、第1ナット26、第2ナット28が、それぞれ、「第1棒状体」、「第1導電性部材」、「第2導電性部材」の一例である。検知回路50、制御基板20が、それぞれ、「検知回路」、「処理実行部」の一例である。図3の正常状態、図4の異常状態が、それぞれ、「第1状態」、「第2状態」の一例である。
決済端末2、壁22、特定領域60、カバー24が、それぞれ、「情報読取装置」、「対面部」、「特定領域」、「カバー」の一例である。第1孔22a、第2孔24aが、それぞれ、「第1孔」、「第2孔」の一例である。雄ねじ40、第1ナット26、第2ナット28が、それぞれ、「第1棒状体」、「第1導電性部材」、「第2導電性部材」の一例である。検知回路50、制御基板20が、それぞれ、「検知回路」、「処理実行部」の一例である。図3の正常状態、図4の異常状態が、それぞれ、「第1状態」、「第2状態」の一例である。
(第2実施例)
(検知構造;図5)
本実施例の決済端末2は、異常事態の発生を検知する機能を有する複数個の雄ねじ140a~140cを備える。雄ねじ140a、第1孔22a、第2孔24a、第1ナット126a、及び、第2ナット128aが、第1実施例と同様の検知構造100aを構成する。第1ナット126aには、検知回路50からの接続ライン52が接続され、第2ナット128aには、検知回路50からの接続ライン54が接続されている。
(検知構造;図5)
本実施例の決済端末2は、異常事態の発生を検知する機能を有する複数個の雄ねじ140a~140cを備える。雄ねじ140a、第1孔22a、第2孔24a、第1ナット126a、及び、第2ナット128aが、第1実施例と同様の検知構造100aを構成する。第1ナット126aには、検知回路50からの接続ライン52が接続され、第2ナット128aには、検知回路50からの接続ライン54が接続されている。
また、雄ねじ140b、第1孔22b、第2孔24b、第1ナット126b、及び、第2ナット128bも、第1実施例と同様の検知構造100bを構成する。同様に、添え字「c」を有する符号によって指し示した各部も、第1実施例と同様の検知構造100cを構成する。第1ナット126aは、接続ライン130a、第1ナット126b、及び、接続ライン130bを介して、第1ナット126cに電気的に接続されている。第2ナット128aは、接続ライン132a、第2ナット128b、及び、接続ライン132bを介して、第2ナット128cに電気的に接続されている。
接続ライン130aは、壁22のうちの幅方向(即ち紙面垂直方向)に沿った一部の領域(例えば第1ナット126aと第1ナット126bの間の領域)の全体に亘って略ジグザグ状に張り巡らされている。接続ライン130bも、接続ライン130bと同様の構成を有する。
接続ライン132aは、カバー24のうちの扁平方向に沿った一部の領域(例えば第2ナット128aと第2ナット128bの間の領域)の全体に亘って略ジグザグ状に張り巡らされている。接続ライン132bも、接続ライン132aと同様の構成を有する。
本実施例の構成によれば、3個の検知構造100a~100cが1個の検知回路50に接続されている。これにより、3個の検知構造100a~100cにおいて、1個の検知回路50でカバー24が壁22から取り外される異常事態の発生を検知することができる。なお、検知構造の個数は、3個に限らず、2個、又は、4個以上であってもよい。
例えば、第三者が雄ねじ140bを緩める場合には、第1ナット126bが第2ナット128bから遮断され、接続ライン52及び54を介して検知回路50が検知する信号が、全てのナットが導通している正常状態から変化する。これにより、検知回路50は、異常事態の発生を検知することができる。
また、例えば、第三者が雄ねじ140a~140cのいずれも緩めず、カバー24に孔を開けることが想定される。この場合には、第三者によって開けられた孔により、略ジグザグ状の接続ライン(例えば132a)が切断される。当該接続ラインの切断により、接続ライン52及び54を介して検知回路50が検知する信号が、全ての接続ラインが導通している正常状態から変化する。これにより、検知回路50は、異常事態の発生を検知することができる。
(対応関係)
第1孔22b、第2孔24b、雄ねじ140b、第1ナット126b、第2ナット128bが、接続ライン130a、接続ライン132aが、それぞれ、「第3孔」、「第4孔」、「第2棒状体」、「第3導電性部材」、「第4導電性部材」、「第1ライン」、「第2ライン」の一例である。
第1孔22b、第2孔24b、雄ねじ140b、第1ナット126b、第2ナット128bが、接続ライン130a、接続ライン132aが、それぞれ、「第3孔」、「第4孔」、「第2棒状体」、「第3導電性部材」、「第4導電性部材」、「第1ライン」、「第2ライン」の一例である。
(第3実施例)
(検知構造;図6、図7)
本実施例は、第1ナット26に加えて壁22に中間ナット226が埋め込まれている点を除いて、第1実施例と同様である。中間ナット266の内周面(即ち雌ねじ)は、第1孔22aの内周面から露出している。図6に示すように、中間ナット226は、第1ナット26と第2ナット28の間に位置している。なお、中間ナット226の材料は、金属製であってもよいし、金属以外の非導電性の材料であってよい。
(検知構造;図6、図7)
本実施例は、第1ナット26に加えて壁22に中間ナット226が埋め込まれている点を除いて、第1実施例と同様である。中間ナット266の内周面(即ち雌ねじ)は、第1孔22aの内周面から露出している。図6に示すように、中間ナット226は、第1ナット26と第2ナット28の間に位置している。なお、中間ナット226の材料は、金属製であってもよいし、金属以外の非導電性の材料であってよい。
例えば、中間ナット226が存在しない第1実施例では、雄ねじ40によりカバー24を壁22に取り付ける締結力は、第1ナット26の厚みによって決まる。これに対して、本実施例の構成によれば、雄ねじ40の締結力は、中間ナット226と第1ナット26との合計の厚みによって決まる。例えば、本実施例の第1ナット26の厚みを第1実施例よりも薄くしても、中間ナット226の厚みを厚くすれば、雄ねじ40の締結力を第1実施例から変えずに、第1ナット26の厚みを薄くすることができる。第1ナット26の厚みが薄くなることにより、雄ねじ40が緩み、雄ねじ40が第1ナット26から離れたことを第1実施例よりも素早く検知することができる(図7参照)。本実施例の中間ナット226が、「中間ナット」の一例である。
(第4実施例)
(検知構造;図8~図10)
本実施例は、第3ナット326、接続ライン356、及び、絶縁部材342が追加されている点と、検知回路50が異なる処理を実行する点と、を除いて、第1実施例と同様である。
(検知構造;図8~図10)
本実施例は、第3ナット326、接続ライン356、及び、絶縁部材342が追加されている点と、検知回路50が異なる処理を実行する点と、を除いて、第1実施例と同様である。
第3ナット326は、壁22に埋め込まれている。第3ナット326は、金属製である。第3ナット326の内周面(即ち雌ねじ)は、第1孔22aの内周面から露出している。図6に示すように、第3ナット326は、第1ナット26と第2ナット28の間に位置している。第3ナット326は、接続ライン356を介して、検知回路50に接続されている。
また、図8に示すように、正常状態において、雄ねじ40の外周面には、第3ナット326と対面する絶縁部材342が露出している。絶縁部材342の厚み(即ち紙面上下方向の幅)は、第3ナット326の厚みと同一又はそれ以上であり、第2ナット28の厚みよりも薄い。絶縁部材342は、例えば、絶縁性の塗料である。
図8に示すように、正常状態では、雄ねじ40が絶縁部材342を介して第3ナット326から絶縁され、かつ、第1ナット26が雄ねじ40を介して第2ナット28と導通している。
図9は、正常状態から少し雄ねじ40が緩んだ第1異常状態を示す。第1異常状態では、絶縁部材342が、第3ナット326から離れる方向に移動する。そして、第1ナット26と第3ナット326と第2ナット28の三者が雄ねじ40を介して互いに導通する。検知回路50は、接続ライン52及び54の二者の短絡状態(即ち正常状態)が接続ライン52、54及び356の三者の短絡状態(即ち第1異常状態)に変化したことを検知する。検知回路50が正常状態から第1異常状態への変化を検知すると、制御基板20は、第1保護処理を実行する。第1保護処理は、例えば、警告メッセージの出力(例えば画面表示、音声出力)である。また、第1保護処理として、所定のパスワードの入力画面が表示されてもよい。
また、図10は、第1異常状態からさらに雄ねじ40が緩んだ第2異常状態を示す。第2異常状態では、絶縁部材342が第3ナット326からさらに離れ、第1ナット26が第2ナット28から遮断される。上述したように、絶縁部材342は、第2ナット28の厚みよりも薄い。このため、第2異常状態において、第2ナット28が雄ねじ40を介して第3ナット326と導通する。検知回路50は、接続ライン52、54及び356の三者の短絡状態(即ち第1異常状態)が、接続ライン356及び54の二者の短絡状態(即ち第2異常状態)に変化したことを検知する。検知回路50が第1異常状態から第2異常状態への変化を検知すると、制御基板20は、第2保護処理を実行する。第2保護処理は、第1保護処理とは異なる処理であり、例えば、メモリ62内の機密情報を削除する処理である。
本実施例の構成によれば、雄ねじ40が少し緩んだことに応じて第1保護処理が実行され、雄ねじ40がさらに緩んだことに応じて第2保護処理が実行される。雄ねじ40が緩んだ段階に応じた段階的に保護処理を実行することができる。
(対応関係)
第3ナット326が、「第5導電性部材」の一例である。図9の第1異常状態において実行される第1保護処理、図10の第2異常状態において実行される第2保護処理が、それぞれ、「第1保護処理」、「第2保護処理」の一例である。図8の正常状態、図9の第1異常状態、図10の第2異常状態が、それぞれ、「第1状態」、「第3状態」、「第2状態」の一例である。
第3ナット326が、「第5導電性部材」の一例である。図9の第1異常状態において実行される第1保護処理、図10の第2異常状態において実行される第2保護処理が、それぞれ、「第1保護処理」、「第2保護処理」の一例である。図8の正常状態、図9の第1異常状態、図10の第2異常状態が、それぞれ、「第1状態」、「第3状態」、「第2状態」の一例である。
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
(変形例1) 各実施例の検知構造は、制御基板20に設けられた壁22及びカバー24に限らず、例えば、筐体10の一部にも採用可能である。本変形例では、筐体10の一部が、「対面部」及び「カバー」の一例である。また、「対面部」は、特定領域を囲む壁に限らず、例えば、特定領域の中央に配置されている柱であってもよく、カバーは当該柱に締結されてもよい。
(変形例2) 「保護処理」は、例えば、決済端末2の起動を禁止するための処理であってもよい。決済端末2の起動が禁止されることにより、決済端末2に記憶されている機密情報が外部に出力されることを抑制することができる。
(変形例3) 「情報読取装置」は、決済端末2に限らず、情報コード等に記録されている情報を読み取るための装置、記憶媒体(例えばICチップ、RFIDタグ)に記憶されている情報を読み取るための装置であってもよく、これら装置は、携帯型でも据え置き型でもよい。
(変形例4-1) 第1実施例において、雄ねじ40に代えて、金属製の単なる棒状の部材を採用してもよい。そして、第1ナット26及び第2ナット28は、金属製の筒状の部材であってもよい。この場合、カバー24は、検知構造が設けられた箇所とは異なる箇所に設けられた固定構造によって壁22に固定されていてもよい。固定構造は、例えば、雄ねじとナットの構造、スナップフィットの構造、接着剤を利用した構造等であってもよい。本変形例では、単なる棒状の部材が、「第1棒状体」の一例であり、筒状の部材が、「第1導電性部材」及び「第2導電性部材」の一例である。
(変形例4-2) 変形例4-1の構造において、「第2状態」は、単なる棒状の部材が壁22の側に位置する筒状の部材から離れた状態であってもよいし、単なる棒状の部材がカバー24の側に位置する筒状の部材から離れた状態であってもよい。
(変形例5) 第3実施例において、第1ナット26及び第2ナット28に代えて、金属製の筒状の部材が採用されてもよい。本変形例では、カバー24は、中間ナット226のみによって壁22に固定されてもよい。本変形例では、筒状の部材が、「第1導電性部材」及び「第2導電性部材」の一例である。
(変形例6) 第5実施例において、第3ナット326に代えて、金属製の筒状の部材が採用されてもよい。本変形例では、筒状の部材が、「第5導電性部材」の一例である。
(変形例7) 第5実施例において、絶縁部材342が第2ナット28の厚みよりも十分に厚く、図10の第2異常状態では、雄ねじ40が絶縁部材342を介して第2ナット28から絶縁されてもよい。この場合、第1ナット26と第3ナット326と第2ナット28の三者は互いに遮断されていてもよい。本変形例では、当該三者が互いに遮断されていている状態が、「第2状態」の一例である。
(変形例8) 第5実施例において、第3ナット326は、カバー24に埋め込まれてもよい。一般的に言えば、「第5導電性部材」は、「第2孔」の内周面に露出してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :決済端末
10 :筐体
12 :読取部
20 :制御基板
22 :壁
22a、22b :第1孔
24 :カバー
24a、24b :第2孔
26 :第1ナット
28 :第2ナット
40 :雄ねじ
50 :検知回路
52、54 :接続ライン
60 :特定領域
62 :メモリ
100a~100c :検知構造
126a~126c :第1ナット
128a~128c :第1ナット
130a、130b、132a、132b :接続ライン
140a、140b :雄ねじ
226 :中間ナット
326 :第3ナット
342 :絶縁部材
356 :接続ライン
326 :第3ナット
IC :非接触
10 :筐体
12 :読取部
20 :制御基板
22 :壁
22a、22b :第1孔
24 :カバー
24a、24b :第2孔
26 :第1ナット
28 :第2ナット
40 :雄ねじ
50 :検知回路
52、54 :接続ライン
60 :特定領域
62 :メモリ
100a~100c :検知構造
126a~126c :第1ナット
128a~128c :第1ナット
130a、130b、132a、132b :接続ライン
140a、140b :雄ねじ
226 :中間ナット
326 :第3ナット
342 :絶縁部材
356 :接続ライン
326 :第3ナット
IC :非接触
Claims (5)
- 露出が制限される特定領域を覆うカバーと、
前記カバーと対面する対面部に形成されている第1孔と、前記第1孔と同じ軸で前記カバーに形成されている第2孔と、の双方の内側を通過している導電性の第1棒状体と、
前記第1孔の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触している第1導電性部材と、
前記第2孔の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触している第2導電性部材と、
前記第1導電性部材と前記第2導電性部材の双方に接続されている検知回路と、
前記検知回路が、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材の間の導通状態が第1状態から第2状態に変化したことを検知する場合に、前記特定領域内の情報を保護するための保護処理を実行する処理実行部であって、前記第1状態は、前記第1導電性部材が前記第1棒状体を介して前記第2導電性部材と導通している状態であり、前記第2状態は、前記第1棒状体が前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材のいずれかから離れて前記第1導電性部材が前記第2導電性部材から遮断された状態である、前記処理実行部と、
を備える、情報読取装置。 - 前記対面部には、前記第1孔に加えて、第3孔が形成されており、
前記カバーには、前記第2孔に加えて、前記第3孔と同じ軸で第4孔が形成されており、
前記情報読取装置は、さらに、
前記第3孔と前記第4孔の双方の内側を通過している導電性の第2棒状体と、
前記第3孔の内周面に露出し、前記第2棒状体と接触している第3導電性部材と、
前記第4孔の内周面に露出し、前記第2棒状体と接触している第4導電性部材と、
前記第1導電性部材と前記第3導電性部材を電気的に接続する第1ラインと、
前記第2導電性部材と前記第4導電性部材を電気的に接続する第2ラインと、
を備える、請求項1に記載の情報読取装置。 - 前記情報読取装置は、さらに、
前記第2孔の内周面に露出し、雄ねじである前記第1棒状体と締結し、かつ、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材との間に位置している中間ナットを備える、請求項1に記載の情報読取装置。 - 前記第1棒状体は、前記カバーを前記対面部に固定するための雄ねじであり、
前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材は、それぞれ、前記第1棒状体と締結するナットである、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報読取装置。 - 前記第1棒状体は、前記カバーを前記対面部に固定するための雄ねじであり、
前記第1導電性部材及び前記第2導電性部材は、それぞれ、前記雄ねじと締結するナットであり、
前記情報読取装置は、さらに、
前記第1孔及び前記第2孔のうちの一方の内周面に露出し、前記第1棒状体と接触し、かつ、前記第1導電性部材と前記第2導電性部材との間に位置している第5導電性部材を備え、
前記検知回路は、さらに、前記第5導電性部材に接続されており、
前記第1棒状体の外周面には、前記第5導電性部材と対面する絶縁部材が露出しており、
前記保護処理は、第1保護処理と、第2保護処理と、を含み、
前記第1状態では、前記第1棒状体が前記絶縁部材を介して前記第5導電性部材から絶縁され、かつ、前記第1導電性部材が前記第1棒状体を介して前記第2導電性部材と導通しており、
前記処理実行部は、前記検知回路が、前記導通状態が前記第1状態から第3状態に変化したことを検知する場合に、前記第1保護処理を実行し、
前記第3状態は、前記雄ねじである前記第1棒状体が緩み、前記絶縁部材が前記第5導電性部材から離れる方向に移動して、前記第1導電性部材と前記第5導電性部材と前記第2導電性部材の三者が前記第1棒状体を介して互いに導通している状態であり、
前記処理実行部は、前記雄ねじである前記第1棒状体がさらに緩み、前記絶縁部材が前記第5導電性部材からさらに離れ、前記検知回路が、前記導通状態が前記第3状態から前記第2状態に変化したことを検知する場合に、前記第2保護処理を実行する、請求項1に記載の情報読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022129322A JP2024025937A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 情報読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022129322A JP2024025937A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 情報読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024025937A true JP2024025937A (ja) | 2024-02-28 |
Family
ID=90038137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022129322A Pending JP2024025937A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 情報読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024025937A (ja) |
-
2022
- 2022-08-15 JP JP2022129322A patent/JP2024025937A/ja active Pending
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