JP2024025925A - 制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】超電導モータにおいて一次巻線抵抗が冷却された場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置であって、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する特定手段と、前記電圧指令から前記特定手段が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する補正手段と、を備える。【選択図】図2
Description
本開示は、制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラムに関する。
モータにおいて損失を低減するために、ロータの巻線を超電導材料で構成し、ロータを液体窒素などを用いて低温状態にすることでロータの巻線抵抗の抵抗値を低下させる超電導電動機(以下、超電導モータと記載)が考案されている。特許文献1および2には、関連する技術として、超電導モータに関する技術が開示されている。
モータに3相交流を印可すると回転磁界が発生する。3相平衡の場合は、均一な回転磁界が発生するが、直流に近い成分が重畳すると、回転磁界が電気角駆動周波数に応じて増減し、その周波数のトルク脈動となる。ところで、固定子巻線に超伝導材料を使用する場合や、銅等の導電材料を極低温まで冷やして使用する場合に、固定子抵抗が小さいモータとなる。通常のモータでは、高周波ではインダクタンスがあり、低周波では抵抗があるので、直流に近い周波数成分のわずかな電圧が印可された場合には大きい電流が流れないが、超伝導モータの場合は、抵抗が小さいので、U相、V相、W相のそれぞれに通常のモータの場合と比較して大きい、直流に近い周波数成分の電流が流れるため、U相、V相、W相に流れる電流のアンバランスの影響が顕著に表れ、電気角駆動周波数のトルク脈動が発生してしまう。例えば、インバータの半導体(トランジスタ)のオン電圧のずれやフォトカプラ等で作る各半導体に印加する各電圧のデッドタイムの所望のタイミングからのずれにより、それらの各電圧がアンバランスになった場合、U相、V相およびW相に流れる電流がアンバランスになり、電気角駆動周波数のトルク脈動が発生してしまう。U相、V相およびW相に流れる電流のアンバランスとして、例えば、モータのU相に正の直流電圧が印加され、モータのV相およびW相に負の直流電圧が印可された場合、U相の電流に正の直流電流が重畳され、U相の電流はゼロアンペアを中心とする電流に対して正の方向にずれる。また、V相およびW相の電流には、負の直流電流が重畳され、V相およびW相の電流は、ゼロアンペアを中心とする電流に対して負の方向にずれる。
そこで、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することのできる技術が求められている。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することのできる制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示に係る制御装置は、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置であって、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する特定手段と、前記電圧指令から前記特定手段が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する補正手段と、を備える。
本開示に係るモータシステムは、上記制御装置と、補正された電圧指令に基づいて前記制御装置により制御される、モータを駆動するインバータと、を備える。
本開示に係る制御方法は、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置が実行する制御方法であって、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、を含む。
本開示に係るプログラムは、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置が有するコンピュータに、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、を実行させる。
本開示に係る制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラムによれば、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の一実施形態によるモータシステムについて説明する。
(モータシステムの構成)
図1は、本開示の一実施形態によるモータシステム1の構成の一例を示す図である。モータシステム1は、図1に示すように、電源10、コンバータ20、リアクトル30、第1コンデンサ40、第2コンデンサ50、インバータ60、モータ70、電流センサ80、制御装置90を備える。モータシステム1は、超電導モータであるモータ70において固定子抵抗が小さい場合に、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することのできるシステムである。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の一実施形態によるモータシステムについて説明する。
(モータシステムの構成)
図1は、本開示の一実施形態によるモータシステム1の構成の一例を示す図である。モータシステム1は、図1に示すように、電源10、コンバータ20、リアクトル30、第1コンデンサ40、第2コンデンサ50、インバータ60、モータ70、電流センサ80、制御装置90を備える。モータシステム1は、超電導モータであるモータ70において固定子抵抗が小さい場合に、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することのできるシステムである。
電源10は、三相交流電圧を出力する電源である。電源10が出力する三相交流電圧は、コンバータ20に入力される。
コンバータ20は、三相交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ20は、例えば、ダイオード整流回路である。ただし、コンバータ20は、ダイオード整流回路に限定するものではなく、スイッチング素子などを用いた他の整流回路であってもよい。
リアクトル30および第1コンデンサ40は、LCフィルタを構成する。このLCフィルタは、コンバータ20が出力する電圧における電圧変動のうち、リアクトル30のインダクタンスと第1コンデンサ40のキャパシタンスとによる共振周波数によって定まる周波数成分の電圧変動を取り除く。第1コンデンサ40は、例えば、電解コンデンサである。
第2コンデンサ50は、スナバコンデンサである。スナバコンデンサは、インバータ60がスイッチング素子を用いて直流電圧を交流電圧に変換したときに発生するスイッチングノイズによる電圧変動を抑制する。
インバータ60は、制御装置90による制御(すなわち、後述するPWM信号)に基づいて、上述のLCフィルタを介してコンバータ20から供給される直流電圧からモータ70を駆動するための交流電圧を生成する。インバータ60は、スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6を備える。スイッチング素子SW1~SW6は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)などの制御端子(IGBT、MOSFETの場合、ゲート端子)を有する半導体素子である。
モータ70は、超電導モータである。例えば、モータ70は、ロータの巻線が超電導材料で構成され、液体窒素などに浸されることにより低温に冷却されたかご型の超電導モータである。モータ70は、インバータ60により供給される交流電圧に応じて回転する。モータ70は、通常のモータと同様に、ファン、ポンプ、自動車、飛行機、船などにおいて使用されるモータである。なお、本開示による技術は、誘導機だけでなく、同期機にも使用できる技術である。そのため、モータ70は、超電導材料を使用した誘導機であってもよいし、同期機であってもよい。
電流センサ80は、モータ電流iu、ivを検出する。モータ電流iuは、インバータ60におけるU相に対応するモータ電流である。モータ電流ivは、インバータ60におけるV相に対応するモータ電流である。
(制御装置の構成)
図2は、本開示の一実施形態による制御装置90の構成の一例を示す図である。制御装置90は、インバータ60を制御する制御信号を生成する。制御装置90は、図2に示すように、電圧検出回路110a、電流検出回路110b、電圧指令生成部110c、PWM(Pulse Width Modulation)デューティ演算部110dを備える。なお、制御装置90によるモータ制御の具体的な手法の例としては、V/f(Voltage Frequency)制御などが挙げられる。
図2は、本開示の一実施形態による制御装置90の構成の一例を示す図である。制御装置90は、インバータ60を制御する制御信号を生成する。制御装置90は、図2に示すように、電圧検出回路110a、電流検出回路110b、電圧指令生成部110c、PWM(Pulse Width Modulation)デューティ演算部110dを備える。なお、制御装置90によるモータ制御の具体的な手法の例としては、V/f(Voltage Frequency)制御などが挙げられる。
電圧検出回路110aは、第1コンデンサ40の両端子間の電圧Vxを特定する。例えば、電圧検出回路110aは、A/D(Analog to Digital)変換器110a1を備える。A/D変換器110a1は、第1コンデンサ40の両端子間の電圧Vxを受ける。A/D変換器110a1は、受けた電圧Vxを、受けた電圧Vxに1対1で対応するデジタル値(すなわち、受けた電圧の値を示すデジタル値)vdcに変換する。電圧検出回路110aは、デジタル値vdcをPWMデューティ演算部110dに出力する。
電流検出回路110bは、電流センサ80が検出したモータ電流iu、ivそれぞれの値を特定する。例えば、電流検出回路110bは、A/D変換器110b1を備える。A/D変換器110b1は、モータ電流iu、ivそれぞれを受ける。A/D変換器110b1は、受けたモータ電流iu、ivのそれぞれを、受けたモータ電流iu、ivのそれぞれに1対1で対応するデジタル値(すなわち、受けたそれぞれの電流の値を示すデジタル値)に変換する。電流検出回路110bは、特定した値iu、ivを電圧指令生成部110cに出力する。
(電圧指令生成部の構成)
図2において、ω_cmdは、回転数指令(電気角)である。Pはモータの極数である。Vは定格電圧、fは定格周波数であり、V/fは定数である。vdは、d軸電圧指令である。vqは、q軸電圧指令である。Vuは、U相の電圧指令である。Vvは、V相の電圧指令である。Vwは、W相の電圧指令である。θv23は、d軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを2相/3相変換する場合の位相の補正量である。
図2において、ω_cmdは、回転数指令(電気角)である。Pはモータの極数である。Vは定格電圧、fは定格周波数であり、V/fは定数である。vdは、d軸電圧指令である。vqは、q軸電圧指令である。Vuは、U相の電圧指令である。Vvは、V相の電圧指令である。Vwは、W相の電圧指令である。θv23は、d軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを2相/3相変換する場合の位相の補正量である。
電圧指令生成部110cは、図2に示すように、第1機能部F1、第2機能部F2、第3機能部F3、第4機能部F4、第5機能部F5、第6機能部F6(減算手段の一例)を備える。
第1機能部F1は、回転数指令ω_cmdを受ける。第1機能部F1は、回転数指令ω_cmdからd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを生成する。例えば、第1機能部F1は、下記の式(1)および式(2)を用いて、d軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを生成する。第1機能部F1は、生成したd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを第3機能部F3に出力する。
第2機能部F2は、回転数指令ω_cmdを受ける。第2機能部F2は、回転数指令ω_cmdを時間軸方向に積分することにより、位相θv23を算出する。第2機能部F2は、積分結果である位相θv23を第3機能部F3に出力する。
第3機能部F3は、第1機能部F1からd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを受ける。また、第3機能部F3は、第2機能部F2から位相θv23を受ける。第3機能部F3は、例えば、下記の式(3)を用いてd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを、U相の電圧指令Vu3、V相の電圧指令Vv3およびW相の電圧指令Vw3に変換する。第3機能部F3は、電圧指令Vu3、Vv3を第6機能部F6に出力する。
第4機能部F4は、LPF(Low Pass Filter)として機能する。第4機能部F4は、電流検出回路110bからモータ電流iu、ivそれぞれを受ける。駆動周波数成分f2および直流近傍成分の電圧がモータ70に印可された場合、超電導モータではなく、固定子抵抗が大きい通常のモータの場合、モータ電流iu、iv、iwのそれぞれは、駆動周波数成分f2の電流となる。また、超電導モータであり、固定子抵抗が小さい場合、モータ電流iu、iv、iwのそれぞれは、駆動周波数成分f2の電流と直流近傍成分の電流とを合わせた電流となる。直流近傍成分とは、例えば、定格の電気角周波数の1/10以下の成分である。第4機能部F4は、モータ電流iu、ivそれぞれから駆動周波数成分f2が除去された電流iu1、iv1(すなわち、直流近傍成分が含まれている電流)を第5機能部F5に出力する。
第5機能部F5は、電流iu1、iv1を受ける。第5機能部F5は、受けた電流iu、ivそれぞれに対してPI制御を行うことにより、電流iuに対するオフセット電圧Vofsuおよび電流ivに対するオフセット電圧Vofsvを算出する。これらのオフセット電圧Vofsu、Vofsvは、インバータ60において発生していると考えられる直流近傍電圧成分に相当する。第5機能部F5は、算出したオフセット電圧Vofsu、Vofsvを第6機能部F6に出力する。
第6機能部F6は、第5機能部F5からオフセット電圧Vofsu、Vofsvを受ける。また、第6機能部F6は、第3機能部F3から電圧指令Vu3、Vv3を受ける。第6機能部F6は、電圧指令Vu3からオフセット電圧Vofsuを減算し、減算結果を電圧指令Vuとする。また、第6機能部F6は、電圧指令Vv3からオフセット電圧Vofsvを減算し、減算結果を電圧指令Vvとする。また、第6機能部F6は、電圧指令Vu、VvからW相に対応する電圧指令Vwを算出する。具体的には、第6機能部F6は、電圧指令Vuと電圧指令Vvの総和にマイナスの符号を付けた電圧指令をW相に対応する電圧指令Vwとして算出する。この第6機能部F6の算出は、U相、V相、W相の3相電圧の総和はゼロになるという考えに基づくものである。第6機能部F6は、算出した電圧指令Vu、Vv、VwをPWMデューティ演算部110dに出力する。
PWMデューティ演算部110dは、電圧検出回路110aからデジタル値vdcを受ける。また、PWMデューティ演算部110dは、第6機能部F6から電圧指令Vu、Vv、Vwを受ける。PWMデューティ演算部110dは、第1コンデンサ40の両端子間の直流電圧を示すデジタル値vdcと、電圧指令Vu、Vv、Vwとに基づいてデューティ比を決定した、インバータ60を制御するためのPWM信号を生成する。PWMデューティ演算部110dは、生成したPWM信号をインバータ60に出力する。
(制御装置が行う処理)
図3は、本開示の一実施形態による制御装置90の処理フローの一例を示す図である。次に、制御装置90がインバータ60を制御するためのPWM信号を生成する処理について、図3を参照して説明する。
図3は、本開示の一実施形態による制御装置90の処理フローの一例を示す図である。次に、制御装置90がインバータ60を制御するためのPWM信号を生成する処理について、図3を参照して説明する。
電流検出回路110bは、電流センサ80が検出したモータ電流iu、ivそれぞれの値を特定する(ステップS1)。例えば、電流検出回路110bは、A/D変換器110b1を備える。A/D変換器110b1は、モータ電流iu、ivそれぞれを受ける。A/D変換器110b1は、受けたモータ電流iu、ivのそれぞれを、受けたモータ電流iu、ivのそれぞれに1対1で対応するデジタル値(すなわち、受けたそれぞれの電流の値を示すデジタル値)に変換する。電流検出回路110bは、特定した値iu、ivを電圧指令生成部110cに出力する。
第4機能部F4は、電流検出回路110bからモータ電流iu、ivそれぞれを受ける。第4機能部F4は、モータ電流iu、ivそれぞれから駆動周波数成分f2が除去された電流iu1、iv1を第5機能部F5に出力する(ステップS2)。
第5機能部F5は、第4機能部F4から電流iu1、iv1を受ける。第5機能部F5は、受けた電流iu、ivそれぞれに対してPI制御を行うことにより、電流iuに対するオフセット電圧Vofsuおよび電流ivに対するオフセット電圧Vofsvを算出する。第5機能部F5は、算出したオフセット電圧Vofsu、Vofsvを第6機能部F6に出力する。直流近傍成分Iは、V=r1*I相当の電圧がインバータ60で発生していることにより流れる。そのため、第5機能部F5は、PI制御を実行することにより、電流iuがゼロになるような電圧指令Vofsu、および電流ivがゼロになるような電圧指令Vofsvを算出する(ステップS3)。第5機能部F5は、算出したオフセット電圧Vofsu、Vofsvを第6機能部F6に出力する。
第6機能部F6は、第5機能部F5からオフセット電圧Vofsu、Vofsvを受ける。また、第6機能部F6は、第3機能部F3から電圧指令Vu3、Vv3を受ける。第6機能部F6は、電圧指令Vu3からオフセット電圧Vofsuを減算し、減算結果を電圧指令Vuとする(ステップS4)。また、第6機能部F6は、電圧指令Vv3からオフセット電圧Vofsvを減算し、減算結果を電圧指令Vvとする(ステップS5)。また、第6機能部F6は、電圧指令Vu、VvからW相に対応する電圧指令Vwを算出する(ステップS6)。具体的には、第6機能部F6は、電圧指令Vuと電圧指令Vvの総和にマイナスの符号を付けた電圧指令をW相に対応する電圧指令Vwとして算出する。この第6機能部F6の算出は、U相、V相、W相の電流の総和はゼロになるという考えに基づくものである。第6機能部F6は、算出した電圧指令Vu、Vv、VwをPWMデューティ演算部110dに出力する。
PWMデューティ演算部110dは、電圧検出回路110aからデジタル値vdcを受ける。また、PWMデューティ演算部110dは、第8機能部f8から電圧指令Vu、Vv、Vwを受ける。PWMデューティ演算部110dは、第1コンデンサ40の両端子間の直流電圧を示すデジタル値vdcと、電圧指令Vu、Vv、Vwとに基づいてデューティ比を決定した、インバータ60を制御するためのPWM信号を生成する(ステップS7)。PWMデューティ演算部110dは、生成したPWM信号をインバータ60に出力する。
インバータ60は、制御装置90からPWM信号を受ける。インバータ60は、受けたPWM信号に基づいて、LCフィルタを介してコンバータ20から供給される直流電圧からモータ70を駆動するための交流電圧を生成する。
(作用効果)
以上、本開示の一実施形態によるモータシステム1について説明した。モータシステム1の制御装置90は、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置である。制御装置90において、特定手段は、モータ70に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する。補正手段は、前記電圧指令から前記特定手段が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する。
以上、本開示の一実施形態によるモータシステム1について説明した。モータシステム1の制御装置90は、回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置である。制御装置90において、特定手段は、モータ70に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する。補正手段は、前記電圧指令から前記特定手段が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する。
これにより、モータシステム1において、制御装置90は、一次巻線抵抗の抵抗値に応じて流れる電流に基づき求めたオフセット電圧を用いて、電圧指令を補正することができる。その結果、制御装置90は、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
なお、本開示の別の実施形態では、W相の補正後の電圧指令Vwを、本開示の一実施形態において算出した補正後の電圧指令Vu、Vvと同様の方法で求めるものであってもよい。例えば、電流センサ80がモータ電流iwを検出し、第4機能部F4が電流iw1を算出して、算出した電流iw1を第5機能部F5に出力する。第5機能部F5は、電流iu、ivと同様に電流iw1に対してPI制御を行うことにより、オフセット電圧Vofswを算出する。そして、第6機能部F6は、第3機能部F3が算出した電圧指令Vw3からオフセット電圧Vofswを減算することにより、電圧指令Vwを算出するものであってもよい。
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
本開示の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
本開示の実施形態について説明したが、上述の制御装置90、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図4は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図4に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の制御装置90、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
図4は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図4に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の制御装置90、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
<付記>
本開示の各実施形態に記載の制御装置90、モータシステム1、制御方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
本開示の各実施形態に記載の制御装置90、モータシステム1、制御方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る制御装置(90)は、
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)であって、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する特定手段(F4、F5)と、
前記電圧指令から前記特定手段(F4、F5)が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する補正手段(F6)と、
を備える。
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)であって、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する特定手段(F4、F5)と、
前記電圧指令から前記特定手段(F4、F5)が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する補正手段(F6)と、
を備える。
この制御装置(90)は、一次巻線抵抗の抵抗値に応じて流れる電流に基づき求めたオフセット電圧を用いて、電圧指令を補正する。これにより、制御装置(90)は、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
(2)第2の態様に係る制御装置(90)は、(1)の制御装置(90)であって、
前記モータ(70)の直流近傍電流成分を通過させるローパスフィルタ(30、40)、
備え、
前記特定手段(F4、F5)は、
前記ローパスフィルタ(30、40)を通過した直流近傍電流成分に基づいて、前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定し、
前記補正手段(F6)は、
前記特定手段(F4、F5)が特定した前記直流近傍電圧成分を、前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正するものであってもよい。
前記モータ(70)の直流近傍電流成分を通過させるローパスフィルタ(30、40)、
備え、
前記特定手段(F4、F5)は、
前記ローパスフィルタ(30、40)を通過した直流近傍電流成分に基づいて、前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定し、
前記補正手段(F6)は、
前記特定手段(F4、F5)が特定した前記直流近傍電圧成分を、前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正するものであってもよい。
これにより、制御装置(90)において、特定手段の構成を明確にすることができる。
(3)第3の態様に係る制御装置(90)は、(2)の制御装置(90)であって、
前記特定手段(F4、F5)は、
前記ローパスフィルタ(30、40)を通過した直流近傍電流成分に対してPI制御を行うことにより、前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定するものであってもよい。
前記特定手段(F4、F5)は、
前記ローパスフィルタ(30、40)を通過した直流近傍電流成分に対してPI制御を行うことにより、前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定するものであってもよい。
これにより、制御装置(90)において、特定手段の構成をより明確にすることができる。
(4)第4の態様に係るモータシステム(1)は、(1)から(3)の何れか1つの制御装置(90)と、
補正された電圧指令に基づいて前記制御装置(90)により制御される、モータ(70)を駆動するインバータ(60)と、
を備える。
補正された電圧指令に基づいて前記制御装置(90)により制御される、モータ(70)を駆動するインバータ(60)と、
を備える。
これにより、モータシステム(1)は、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
(5)第5の態様に係る制御方法は、
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)が実行する制御方法であって、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を含む。
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)が実行する制御方法であって、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を含む。
これにより、制御方法は、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
(6)第6の態様に係るプログラムは、
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)が有するコンピュータ(5)に、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を実行させる。
回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータ(70)の回転数を変更可能な制御装置(90)が有するコンピュータ(5)に、
前記モータ(70)に印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を実行させる。
これにより、プログラムは、超電導モータにおいて固定子抵抗が小さい場合であっても、電気角駆動周波数のトルク脈動を抑制することができる。
1・・・モータシステム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・電源
20・・・コンバータ
30・・・リアクトル
40・・・第1コンデンサ
50・・・第2コンデンサ
60・・・インバータ
70・・・モータ
80・・・電流センサ
90・・・制御装置
110a・・・電圧検出回路
110a1、110b1・・・A/D変換器
110b・・・電流検出回路
110c・・・電圧指令生成部
110d・・・PWMデューティ演算部
F1・・・第1機能部
F2・・・第2機能部
F3・・・第3機能部
F4・・・第4機能部
F5・・・第5機能部
F6・・・第6機能部
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・電源
20・・・コンバータ
30・・・リアクトル
40・・・第1コンデンサ
50・・・第2コンデンサ
60・・・インバータ
70・・・モータ
80・・・電流センサ
90・・・制御装置
110a・・・電圧検出回路
110a1、110b1・・・A/D変換器
110b・・・電流検出回路
110c・・・電圧指令生成部
110d・・・PWMデューティ演算部
F1・・・第1機能部
F2・・・第2機能部
F3・・・第3機能部
F4・・・第4機能部
F5・・・第5機能部
F6・・・第6機能部
Claims (6)
- 回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置であって、
前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する特定手段と、
前記電圧指令から前記特定手段が特定した直流近傍電圧成分を減算することにより、前記電圧指令を補正する補正手段と、
を備える制御装置。 - 前記モータの直流近傍電流成分を通過させるローパスフィルタ、
備え、
前記特定手段は、
前記ローパスフィルタを通過した直流近傍電流成分に基づいて、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定し、
前記補正手段は、
前記特定手段が特定した前記直流近傍電圧成分を、前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正する、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記特定手段は、
前記ローパスフィルタを通過した直流近傍電流成分に対してPI制御を行うことにより、前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定する、
請求項2に記載の制御装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の制御装置と、
補正された電圧指令に基づいて前記制御装置により制御される、モータを駆動するインバータと、
を備えるモータシステム。 - 回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置が実行する制御方法であって、
前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を含む制御方法。 - 回転数指令に基づいて算出された電圧指令によりモータの回転数を変更可能な制御装置が有するコンピュータに、
前記モータに印可されていると予測される直流近傍電圧成分を特定することと、
特定した直流近傍電圧成分を前記電圧指令から減算することにより、前記電圧指令を補正することと、
を実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022129306A JP2024025925A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022129306A JP2024025925A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024025925A true JP2024025925A (ja) | 2024-02-28 |
Family
ID=90038177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022129306A Pending JP2024025925A (ja) | 2022-08-15 | 2022-08-15 | 制御装置、モータシステム、制御方法及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024025925A (ja) |
-
2022
- 2022-08-15 JP JP2022129306A patent/JP2024025925A/ja active Pending
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