JP2024025389A - 面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】三次元形状の車両用成形材を車体パネルに貼り付け可能な面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法を提供する。【解決手段】車両用成形材1は、芯材5と、芯材5に熱硬化性樹脂13を介して積層された繊維補強層6,7とを備える基材層2と、基材層2と車体パネルPの間に面した面状裏材3を有する。面状裏材3は、不織布層16と、不織布層16の車体パネルP側に積層された接合層9と、接合層9に積層され接合層9から剥離可能な剥離層10を有する。車両用成形材1の製造方法は、基材層2に面状裏材3を積層させる積層工程と、積層された基材層2と面状裏材3をプレス型で加熱、加圧することにより、接合させて一体にすると共に、車体パネルPの表面に沿った面形状に成形するプレス成形工程とを含む。【選択図】図5
Description
本発明は、面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法に関する。
従来、車体の天井パネル等に、制振、遮音、断熱等の目的で種々の芯材が貼り合わされた構造が知られている。例えば、天井パネルにフェルト等の芯材が両面テープで天井パネルに貼りつけられた構造等がある。しかしながら、両面テープ等で芯材を天井パネルに貼り付けた構造は、車体と芯材の間に隙間が発生し易く、遮音、断熱等の性能が低下してしまう傾向にあった。
ところで特許文献1には、シート材同士を粘着剤又は接着剤を用いて貼り合わせた内装材用シートが開示されている。内装材用シートは一面に粘着剤が塗布されており、貼り合わせ面の隙間が小さくなっている。このように粘着剤等をシート材の一面に塗布する方法として、ロールコーター等による粘着加工が知られている。
しかしながら、ロールコーターによる粘着加工は、一般に平坦な状態の材料に粘着剤が塗布される。そのため、車体パネルの内面に貼り合わされる芯材が三次元の面形状である場合、その成形体をロールコーターの隙間に通して粘着加工を施すのは困難である。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、三次元の面形状であっても、まんべんなく接合剤を層状に配設することができる面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する車両用成形材の製造方法の一つの特徴は、前記車両用成形材は、芯材と、前記芯材に熱硬化性樹脂を介して積層された繊維補強層とを備える基材層と、前記基材層と車体パネルの間において前記基材層に面した面状裏材とを有する。前記面状裏材は、不織布層と、前記不織布層の前記車体パネル側に積層された接合層と、前記接合層の前記車体パネル側に積層され前記接合層から剥離可能な剥離層とを有する。前記車両用成形材の製造方法は、前記基材層に前記面状裏材を積層させる積層工程と、積層された前記基材層と前記面状裏材を、プレス型で加熱、加圧することにより、接合させて一体にすると共に、前記車体パネルの表面に沿った面形状に成形するプレス成形工程とを含む。
上記構成の一つの特徴及び利点は、芯材と繊維補強層が熱硬化性樹脂を介して積層された基材層に、接合層を有する面状裏材を積層させて、プレス型で加熱、加圧成形する。また、面状裏材の接合層には剥離層が積層されている。そのため、プレス成形時に接合層がプレス型に接することなく、基材層と面状裏材を一体にして成形できる。これらの工程により、プレス成形後の後加工を施すことなく、一面にまんべんなく接合層が配設された三次元の面形状の車両用成形材を成形できる。
上記車両用成形材の製造方法について、前記積層工程の前に、前記不織布層に前記面状裏材の前記接合層が積層される、接合層形成工程を含んでも良い。
上記構成の一つの特徴及び利点は、基材層に積層される前の平板状の面状裏材に対して、接合層が形成される。このように車両用成形材を成形する前の工程において、面状裏材にあらかじめ接合層を形成すれば、三次元形状の成形体に接合層を積層する場合に比べて、容易に接合層を備えた車両用成形材を得ることができる。
上記面状裏材の一つの特徴は、車体パネルと車両用内装材の間に配設される車両用成形材における面状裏材であって、前記車両用成形材における芯材と前記芯材に熱硬化性樹脂を介して積層された繊維補強層とを備える基材層の前記車体パネル側に積層された不織布層と、前記不織布層の前記車体パネル側に積層され、前記車体パネルの表面と前記車両用成形材を接合可能な接合層と、前記接合層の前記車体パネル側に積層され、前記接合層から剥離可能な剥離層とを有する。
上記構成の一つの特徴及び利点は、面状裏材は、不織布層に車体パネルと接合可能な接合層が積層され、接合層の車体パネル側には剥離層が積層されている。これにより、接合層がプレス型に接することなく、面状裏材と基材層を一体にしてプレス成形できる。すなわち、これらの構成を備えた面状裏材を用いることにより、一面にまんべんなく接合層が配設された三次元の面形状の車両用成形材を成形できる。
本発明は、上記構成または製造方法をとることにより、三次元の面形状であっても、まんべんなく接合剤を層状に配設することができる面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法を提供できる。
<車両用成形材の構成>
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態に係る車両用成形材として、車体の天井パネルP(車体パネル)に貼り合わされる天井用成形材1について説明する。図1に示すように、天井パネルPには、補強部材としてリンフォースメントRが車体の左右方向にかけ渡されている。リンフォースメントRの本数は、必要な車体の屋根の強度に応じて設定される。天井パネルPには、例えばこのリンフォースメントRで区切られた領域ごとに天井用成形材1を貼り合わせることができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態に係る車両用成形材として、車体の天井パネルP(車体パネル)に貼り合わされる天井用成形材1について説明する。図1に示すように、天井パネルPには、補強部材としてリンフォースメントRが車体の左右方向にかけ渡されている。リンフォースメントRの本数は、必要な車体の屋根の強度に応じて設定される。天井パネルPには、例えばこのリンフォースメントRで区切られた領域ごとに天井用成形材1を貼り合わせることができる。
天井用成形材1は、車体の天井の厚さ方向において、天井パネルPと天井内装材(不図示)の間に配設される。図2に示すように、天井用成形材1は、基材層2と面状裏材3を有している。基材層2は、面形状の芯材5と、芯材5の両面に熱硬化性接着剤13(熱硬化性樹脂)を介して積層された第1及び第2の繊維補強層6,7で構成されている。面状裏材3は、基材層2と天井パネルPの間、すなわち第1の繊維補強層6の天井パネルP側(図2において示す上側)に面して積層されている。
基材層2における芯材5は、天井用成形材1の形状保持と剛性確保のために設けられており、天井パネルPの表面に沿った面形状の成形体で構成されている。本実施形態に係る芯材5は、ウレタン樹脂発泡体からなる半硬質層のウレタンフォームが選択される。
図2に示すように、芯材5の天井パネルP側の面には第1の繊維補強層6が、天井内装材側(図2において示す下側)の面には第2の繊維補強層7が、それぞれ積層されている。第1及び第2の繊維補強層6,7は、天井用成形材1の形状保持と剛性確保のために設けられている。これらの繊維補強層6,7は、表面に熱硬化性接着剤13が塗布、または含浸されており、芯材5の両面にそれぞれ接着されている。第1及び第2の繊維補強層6,7には、ガラス繊維マットが選択される。ガラス繊維マットは、無機繊維であるガラス繊維を適宜の長さに切断したチョップドストランドを適宜バインダーで固めることによりシート状に形成されている。
これらの繊維補強層6,7は、ガラス繊維を切断することなくバインダーで固めたもの(コンテイニアスマット)であっても良い。またこれに代えて、スパンレース、スパンボンド不織布、ガラスペーパー、ガラス繊維織布でも良い。また、実施形態における目付量は、要求される強度、その他の種々の条件に適合するように目付量を選択し得る。
これらの繊維補強層6,7に用いる繊維補強材は、チョップドストランド等の無機繊維や、有機繊維であるジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ラミー、ヘンプ(麻)、サイザル麻、竹等の天然繊維等を適宜選択して、アクリル等のバインダーまたはニードル加工によってシート状、マット状にしたものでも良い。
熱硬化性接着剤13は、例えばイソシアネート樹脂からなる熱硬化性樹脂が選択される。イソシアネートは、半硬質層のウレタンフォームからなる芯材5となじみやすいという観点から好適である。なお、熱硬化性接着剤13は、イソシアネート樹脂に限られず適宜選択できる。熱硬化性接着剤13は、スプレー、ロールコーター等によって塗布される。上記のように、熱硬化性樹脂を含んだ繊維補強層6,7と芯材5を積層させた構成とすることにより、天井用成形材1の強度を高めることができる。
面状裏材3は、熱可塑性の接合フィルム層15と不織布層16からなる中間層8、接合層9、および剥離層10を有している。接合フィルム層15は、基材層2の天井パネルP側の面、すなわち第1の繊維補強層6に面する。不織布層16は、接合フィルム層15の天井パネルP側に積層されている。接合フィルム層15には、例えばポリプロピレンフィルムが選択される。この接合フィルム層15によって、第1の繊維補強層6と不織布層16が接合されている。不織布層16には、例えばスパンボンド不織布が選択される。スパンボンド不織布は、粘着剤の付きが良く好適である。また、不織布が接着剤で固められており、天井用成形材1の剛性に寄与する。
接合層9は、不織布層16の天井パネルP側に積層されている。接合層9により、天井パネルPに天井用成形材1が面接着される。接合層9として、例えばアクリル系の粘着剤が選択される。粘着剤は、中間層8における不織布層16の表面に塗布されている。接合層9には、スパイラル塗布、接着剤、テープ等を選択できる。また、熱プレスによる熱で性質が変化しない接合剤が好ましい。
接合層9の天井パネルP側には、剥離層10として、接合層9から剥離可能な離型紙が積層されている。剥離層10は、例えば紙またはフィルム等、熱プレスの熱で溶融しないシート材が選択される。剥離層10を接合層9の表面に積層させることにより、天井用成形材1をプレス型19で成形する工程において、接合層9を構成する粘着剤等がプレス型19に接して付着してしまうのを防ぐことができる(図5参照)。天井用成形材1を天井パネルPに貼り合わせる際は、剥離層10が剥がされた状態で、接合層9と天井パネルPの面が接触する。
第2の繊維補強層7の天井内装材側には、不織布シート12が積層されている。不織布シート12は、ガラス繊維マットのガラス繊維の露出を防ぎ、第2の繊維補強層7の表面を保護する。不織布シート12には、例えばニードルパンチ不織布が選択される。なお、第2の繊維補強層7として選択される材料構成によっては、不織布シート12を設けない構成としても良い。
天井用成形材1は、不織布シート12の表面(天井内装材側)に、遮熱フィルムを積層させた構成としても良い。遮熱フィルムには、例えばアルミ蒸着シートを選択できる。遮熱フィルムを設けることにより、車室内の温度上昇をより抑制できる。なお、不織布シート12に代えて、遮熱フィルムを第2の繊維補強層7に直接積層させた構成としても良い。
天井用成形材1は、上記構成により断熱、制振、吸遮音、剛性、結露低減の複合的な性能を備えている。天井用成形材1は、接合層9によって天井パネルPの面と接合される。天井用成形材1は、リンフォースメントRを取り除いて天井パネルPの全面に貼り合わせることができる。天井用成形材1は剛性を備えているため、車体の強度は確保される。既存のリンフォースメントRがかけ渡された車両であれば、リンフォースメントRの間のそれぞれの領域に天井用成形材1を配設しても良い。
<車両用成形材の製造工程>
次に、上記天井用成形材1の製造工程について説明する。本実施形態に係る車両用成形材の製造工程は、接合層成形工程と、積層工程と、プレス成形工程を含む。天井用成形材1は、図2に示すように、基材層2と、天井用成形材1を天井パネルPに貼り合わせるための面状裏材3と、基材層2の天井内装材側に積層される不織布シート12からなる。
次に、上記天井用成形材1の製造工程について説明する。本実施形態に係る車両用成形材の製造工程は、接合層成形工程と、積層工程と、プレス成形工程を含む。天井用成形材1は、図2に示すように、基材層2と、天井用成形材1を天井パネルPに貼り合わせるための面状裏材3と、基材層2の天井内装材側に積層される不織布シート12からなる。
接合層形成工程は、面状裏材3の中間層8に接合層9を積層させる工程である。具体的には、熱可塑性の接合フィルム層15と不織布層16を積層させた平板状の積層体を、ロールコーター20に通し、不織布層16の表面にアクリル系粘着剤を塗布する(図3参照)。これにより、面状裏材3の接合層9が形成される。接合層9の表面には、剥離層10として離型紙が積層され、面状裏材3が構成される。剥離層10には、紙またはフィルム等、熱プレスの熱で溶融しないシート材が選択される。
積層工程では、基材層2に面状裏材3を積層させる(図4参照)。基材層2は、ウレタン樹脂からなる芯材5の両面に、熱硬化性接着剤13が塗布されたガラス繊維マットからなる第1と第2の繊維補強層6,7がそれぞれ積層される。第1の繊維補強層6は芯材5の天井パネルP側に、第2の繊維補強層7は芯材5の天井内装側に配設される。基材層2の天井内装材側には、第2の繊維補強層7からガラス繊維の露出を防ぐための不織布シート12が積層される。積層工程により、面状裏材3の中間層8が、基材層2における第1の繊維補強層6に面する。
プレス成形工程では、積層工程において積層された基材層2、面状裏材3、不織布シート12をプレス型19により加熱、加圧する(図5参照)。熱硬化性接着剤13が熱溶融することにより、芯材5とその両面の繊維補強層6,7が接合する。また、熱可塑性の接合フィルム層15が熱溶融することにより、第1の繊維補強層6と面状裏材3が接合する。このようにして、基材層2と面状裏材3は接合して一体にされ、天井パネルPの表面に沿った三次元の面形状に成形される(図6参照)。
上記工程により、接合層9を備えた三次元形状の天井用成形材1が得られる。天井用成形材1は、天井パネルPの面に貼り合わされる。この際は、剥離層10が剥がされて、接合層9によって天井用成形材1と天井パネルPが面接着される(図7参照)。
<実施形態の効果>
上記実施形態に係る天井用成形材1(車両用成形材)の製造工程では、芯材5と繊維補強層6,7とが熱硬化性接着剤13(熱硬化性樹脂)を介して積層された基材層2に、接合層9を有する面状裏材3を積層させて、プレス型19で加熱、加圧成形する。また、面状裏材3の接合層9には剥離層10が積層されている。そのため、プレス成形時に接合層9がプレス型に接することなく、基材層2と面状裏材3を一体にして成形できる。これらの工程により、プレス成形後の後加工を施すことなく、一面にまんべんなく接合層9が配設された三次元の面形状の車両用成形材1を成形できる。
上記実施形態に係る天井用成形材1(車両用成形材)の製造工程では、芯材5と繊維補強層6,7とが熱硬化性接着剤13(熱硬化性樹脂)を介して積層された基材層2に、接合層9を有する面状裏材3を積層させて、プレス型19で加熱、加圧成形する。また、面状裏材3の接合層9には剥離層10が積層されている。そのため、プレス成形時に接合層9がプレス型に接することなく、基材層2と面状裏材3を一体にして成形できる。これらの工程により、プレス成形後の後加工を施すことなく、一面にまんべんなく接合層9が配設された三次元の面形状の車両用成形材1を成形できる。
上記実施形態に係る接合層形成工程によれば、基材層2に積層される前の平板状の面状裏材3に対して、接合層9が形成される。このように天井用成形材1を成形する前の工程において、面状裏材3にあらかじめ接合層9を形成すれば、三次元形状の成形体に接合層9を積層する場合に比べて、容易に接合層9を備えた天井用成形材1を得ることができる。
上記実施形態に係る天井用成形材1の製造工程では、面状裏材3を構成する熱可塑性の接合フィルム層15と不織布層16を積層させて、その積層体(中間層8)をロールコーター20に通して粘着剤を塗布し、接合層9を形成する。三次元形状の成形体に対して粘着加工を施す場合、ロールコーター20の隙間に通らないという問題が生じるが、この点、平板状の積層体であれば、ロールコーター20による粘着加工が容易である。
面状裏材3は、不織布層16に天井パネルPと接合可能な接合層9が積層され、接合層9の天井パネルP側には剥離層10が積層されている。これにより、接合層9がプレス型19に接することなく、面状裏材3と基材層2を一体にしてプレス成形できる。すなわち、これらの構成を備えた面状裏材3を用いることにより、一面にまんべんなく接合層9が配設された三次元の面形状の天井用成形材1を成形できる。
面状裏材3は、中間層8に接合層9が積層された構成であり、中間層8の接合フィルム層15により面状裏材3と基材層2が接合される。例えば、目付が粗いガラス繊維マットに、接合層9としての粘着剤を直接塗布するのは困難であるが、中間層8を介することにより、ガラス繊維マット(第1の繊維補強層6)に粘着剤(接合層9)を積層し易くなる。
本発明に係る面状裏材、面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法は、上記実施形態において説明した外観、構成に限られず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除、構成の組み合わせにより、その他各種の形態で実施できるものである。
本実施形態の車両用成形材として、天井パネルPと天井内装材の間に配設される天井用成形材1の例を示したが、これに限られず、車両の他の部位における車両用成形材としても適用できる。
本発明に係る車両用成形材の製造工程は、接合層の形成を含む面状裏材を製造する工程を含んでいなくても良い。すなわち、接合層を備えた面状裏材として完成された積層体を用いて、車両用成形材を製造しても良い。
1 天井用成形材(車両用成形材)
2 基材層
3 面状裏材
5 芯材
6 第1の繊維補強層
7 第2の繊維補強層
8 中間層
9 接合層
10 剥離層
12 不織布シート
13 熱硬化性接着剤(熱硬化性樹脂)
15 接合フィルム層
16 不織布層
19 プレス型
P 天井パネル(車体パネル)
R リンフォースメント
2 基材層
3 面状裏材
5 芯材
6 第1の繊維補強層
7 第2の繊維補強層
8 中間層
9 接合層
10 剥離層
12 不織布シート
13 熱硬化性接着剤(熱硬化性樹脂)
15 接合フィルム層
16 不織布層
19 プレス型
P 天井パネル(車体パネル)
R リンフォースメント
Claims (3)
- 車両用成形材の製造方法であって、
前記車両用成形材は、
芯材と、前記芯材に熱硬化性樹脂を介して積層された繊維補強層とを備える基材層と、
前記基材層と車体パネルの間において前記基材層に面した面状裏材と、を有し、
前記面状裏材は、
不織布層と、
前記不織布層の前記車体パネル側に積層された接合層と、
前記接合層の前記車体パネル側に積層され前記接合層から剥離可能な剥離層と、を有する構成とされ、
前記基材層に前記面状裏材を積層させる、積層工程と、
積層された前記基材層と前記面状裏材を、プレス型で加熱、加圧することにより、接合させて一体にすると共に、前記車体パネルの表面に沿った面形状に成形する、プレス成形工程と、を含む車両用成形材の製造方法。 - 請求項1に記載の車両用成形材の製造方法であって、
前記積層工程の前に、前記不織布層に前記面状裏材の前記接合層が積層される、接合層形成工程を含む、車両用成形材の製造方法。 - 車体パネルと車両用内装材の間に配設される車両用成形材における面状裏材であって、
前記車両用成形材における芯材と前記芯材に熱硬化性樹脂を介して積層された繊維補強層とを備える基材層の前記車体パネル側に積層された不織布層と、
前記不織布層の前記車体パネル側に積層され、前記車体パネルの表面と前記車両用成形材を接合可能な接合層と、
前記接合層の前記車体パネル側に積層され、前記接合層から剥離可能な剥離層と、を有する面状裏材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022128776A JP2024025389A (ja) | 2022-08-12 | 2022-08-12 | 面状裏材と、その面状裏材を備えた車両用成形材の製造方法 |
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2022
- 2022-08-12 JP JP2022128776A patent/JP2024025389A/ja active Pending
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