JP2024024896A - 印刷装置、および、印刷装置の制御方法 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷媒体の搬送経路における印刷媒体の弛み量を適切に調整する。
【解決手段】印刷媒体Ｓに画像を形成する印刷部５と、印刷部５へ向けて印刷媒体Ｓを繰り出す繰出しローラーと、繰出しローラーと印刷部５との間に位置する繰出し側バッファー領域における印刷媒体Ｓに張力を与える繰出し側可動ローラーと、繰出し側バッファー領域と印刷部５との間に位置して、印刷媒体Ｓを間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーと、繰出しローラーの繰出しを制御する制御部と、を備え、制御部が制御する制御量は、繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量、及び、繰出し速度を含み、制御部は、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行可能であり、印刷モードを実行する場合に繰出しローラーの繰出し量を制御し、連続搬送モードを実行する場合に繰出しローラーの繰出し速度を制御する、印刷装置１。
【選択図】図１

Description

本発明は、印刷装置、および、印刷装置の制御方法に関する。

従来、記録部によって媒体に記録を行う記録装置において、ロール状に巻かれた記録媒体を記録部に供給する経路にバッファー領域を設けた構成が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の構成は、記録媒体としてのシートに張力を与えるダンサーローラーを備え、ダンサーローラーがバッファー領域におけるシートの長さの変化に伴って変位する。

特開２０１３－２８４１５号公報

記録や印刷を行う装置には印刷速度の向上が求められる。印刷速度を向上させるための１つの手法として、媒体の搬送速度を高めることが考えられる。しかしながら、特許文献１のようにダンサーローラーを有する装置において、搬送速度を高めると、ダンサーローラーの応答性が低下することが懸念される。このような事態を防止するためには、ダンサーローラーの位置に合わせて搬送速度をきめ細かく制御する必要があるが、センサーの数を増やす等の対応が必要となる。

本開示の一態様は、印刷媒体に画像を形成する印刷部と、前記印刷部へ向けて前記印刷媒体を繰り出す繰出しローラーと、前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラーと、前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーと、前記繰出しローラーの繰出しを制御する制御部と、を備え、前記制御部が制御する制御量は、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量、及び、繰出し速度を含み、前記制御部は、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行可能であり、前記印刷モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し速度を制御する、印刷装置である。

本開示の別の一態様は、印刷媒体に画像を形成する印刷部、前記印刷媒体を印刷部へ向けて繰出す繰出しローラー、前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラー、及び、前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーを備える印刷装置を制御して、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行し、前記印刷モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し速度を制御する、印刷装置の制御方法である。

本実施形態に係る印刷装置の概要を示す図。 繰出し側バッファー部の要部構成を示す模式図。 巻取り側バッファー部の要部構成を示す側面視図。 図３のＡ－Ａ断面図。 巻取り側バッファー部の要部構成を示す模式図。 印刷装置の制御系の構成を示すブロック図。 制御装置が記憶する情報の一例を示す模式図。 制御装置が記憶する情報の一例を示す模式図。 印刷装置の動作を示すフローチャート。

［１．印刷装置の全体構成］
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図１は、印刷装置１の概略構成を示す模式図である。図１及び以下に説明する各図には、印刷装置１の設置状態における方向を説明するため、ＸＹＺ直交座標を図示する。Ｚ軸は印刷装置１の設置状態における鉛直方向を示し、高さ方向ということができる。Ｘ軸は印刷装置１の左右方向を示す。Ｙ軸はＸ軸に直交する方向であり、前後方向ということができる。

印刷装置１は、印刷部５によって印刷媒体Ｓに印刷を行う。印刷装置１で使用される印刷媒体Ｓとしては各種のシートを用いることができる。以下の説明では、印刷媒体Ｓとして、裏面に粘着剤が付されたラベルを剥離紙に並べてロール状に巻いたラベル用紙を用いる構成を示す。印刷装置１の印刷方式に制限はないが、本実施形態では、印刷部５によって印刷媒体Ｓにインクを吐出するインクジェット式のプリンターを、印刷装置１の一例として示す。

印刷装置１は、筐体２に媒体供給部３、印刷部５、乾燥部７、媒体回収部８及び制御装置１００が配置された構成である。筐体２は、印刷装置１の不図示のフレームに取り付けられ、上記の各部を収容する。

印刷媒体Ｓは、媒体供給部３と媒体回収部８との間を搬送され、印刷媒体Ｓの搬送経路を符号１０で示す。搬送経路１０には、印刷媒体Ｓに当接する複数の搬送ローラー３０１～３４３が配置される。搬送経路１０において、媒体供給部３から供給される印刷媒体Ｓは、図に矢印Ｆで示す搬送方向に搬送される。搬送経路１０において、搬送ローラー３０１～３２１は印刷部５の上流に位置する。これに対し、搬送ローラー３２２～３４３は印刷部５の下流に位置する。

印刷装置１はモーターＭ１～Ｍ６を有し、これらモーターＭ１～Ｍ６によって、印刷媒体Ｓを搬送する駆動力を発生する。繰出しモーターＭ１は、媒体供給部３の供給軸部３１を駆動し、繰出しニップモーターＭ２は搬送ローラー３０５を駆動し、供給ニップモーターＭ３は搬送ローラー３１８を駆動する。これらモーターＭ１、Ｍ２、Ｍ３は、媒体供給部３から印刷部５へ印刷媒体Ｓを供給する供給側の動力である。一方、排出ニップモーターＭ４は搬送ローラー３３４を駆動し、巻取りニップモーターＭ５は巻取り搬送ローラー３４２を駆動し、巻取りモーターＭ６は媒体回収部８の巻取り軸８１を駆動する。これらのモーターＭ４、Ｍ５、Ｍ６は、印刷部５で印刷された印刷後の印刷媒体Ｓを媒体回収部８に回収する回収側の動力である。

媒体供給部３は、円筒状又は円柱状の供給軸部３１を有する。供給軸部３１は、印刷媒体Ｓをロール状に巻き重ねたロール体３２が装着可能であり、媒体供給部３は供給軸部３１によってロール体３２を支持する。供給軸部３１は、モーターＭ１の動力によって回転することにより、印刷媒体Ｓをロール体３２から印刷部５に向けて繰り出す。

印刷部５は、印刷媒体Ｓに向けてインクを吐出することにより、印刷媒体Ｓのラベルに文字や画像を印刷する。これらの文字および画像を合わせて、画像と呼ぶ。印刷部５は、プラテン５４と、インクを吐出する複数の吐出ヘッド５１と、吐出ヘッド５１を保持するキャリッジ５３とを備える。吐出ヘッド５１が印刷媒体Ｓに吐出するインクにより、印刷媒体Ｓの印刷面には画像が形成される。プラテン５４は、ＸＹ平面に平行となるよう配置される矩形形状の面を有する。プラテン５４は、例えば矩形形状の平面であり、印刷装置１の設置状態においてＸＹ平面に平行となる。プラテン５４は、印刷媒体Ｓを下方から支持する。プラテン５４には、印刷媒体Ｓに吸引力を作用させることによりプラテン５４に印刷媒体Ｓを保持するための吸引孔等が形成されてもよい。プラテン５４は、支持部の一例に対応する。

プラテン５４に対向するように、プラテン５４の上方にはキャリッジ５３が配置される。キャリッジ５３は、Ｘ軸方向に沿って印刷装置１に設置された第１ガイドレール２５に沿って、Ｘ軸方向に往復移動可能である。キャリッジ５３は、Ｙ軸方向に沿って設置された不図示の第２ガイドレールに沿って、Ｙ軸方向に往復移動可能である。印刷装置１は、キャリッジ５３を第１ガイドレール２５に沿って移動させる第１キャリッジモーターＭ７、および、キャリッジ５３を第２ガイドレールに沿って移動させる第２キャリッジモーターＭ８を備える。印刷装置１は、これらモーターＭ７、Ｍ８の動力により吐出ヘッド５１をＸ軸方向およびＹ軸方向に移動させる。この構成により、吐出ヘッド５１は、プラテン５４に支持された印刷媒体Ｓの上をＸ軸方向およびＹ軸方向に移動して、その全体にインクを吐出することが可能である。

印刷装置１は、印刷媒体Ｓに印刷を実行する場合、印刷媒体Ｓの間欠搬送を行う。すなわち、印刷装置１は、印刷媒体Ｓをプラテン５４に搬送し、プラテン５４の所定領域に印刷媒体Ｓが配置された状態で印刷媒体Ｓの搬送を停止する。ここで、印刷部５が吐出ヘッド５１をＸ軸方向およびＹ軸方向に移動させながらインクを吐出させ、印刷媒体Ｓに印刷を実行する。印刷後、印刷装置１は、印刷媒体Ｓにおいて印刷済みの部分がプラテン５４よりも下流に移動するまで、印刷媒体Ｓを搬送する。そして、印刷装置１は、印刷媒体Ｓの搬送を停止させて、印刷部５による印刷を行う。

搬送経路１０において、媒体供給部３と印刷部５との間には、繰出し側バッファー部６０、及び、印刷媒体Ｓの蛇行を修正する蛇行補正部７０が配置される。繰出し側バッファー部６０の構成については後述する。

蛇行補正部７０は、搬送ローラー３１２、３１３を備え、搬送ローラー３１２、３１３間において印刷媒体Ｓの蛇行を補正する。印刷媒体Ｓの蛇行とは、印刷媒体Ｓの搬送方向が、搬送経路１０からＹ軸に沿う方向に傾く現象である。理想的な搬送状態は、例えば、媒体供給部３からプラテン５４まで、印刷媒体ＳがＹ軸に沿う方向に動かずに搬送される状態である。この状態では、媒体供給部３から繰り出された印刷媒体Ｓは、Ｙ軸に沿う方向に移動することなくＸ軸に沿って移動し、プラテン５４に到達する。しかしながら、搬送ローラー３０３～３１１の傾き等の影響で、印刷媒体ＳがＸ軸に対して傾くことがある。この傾きを生じた状態を蛇行と呼ぶ。蛇行補正部７０は、印刷媒体Ｓの移動方向がＸ軸に対して傾く方向である場合に、これを補正する。蛇行補正部７０からプラテン５４に向けて搬送される印刷媒体Ｓは、蛇行がほぼ解消された状態である。

蛇行補正部７０とプラテン５４との間を、印刷媒体Ｓの蛇行精度を維持する蛇行精度維持領域７５を備える。蛇行精度とは、印刷媒体Ｓの蛇行、すなわちＸ軸と交差する方向への移動の程度を示し、搬送精度と呼び変えてもよい。蛇行精度維持領域７５には、搬送ローラー３１３、３１４、３１５、３１６、３１７、３１８、３１９、３２０、３２１が配置される。

搬送ローラー３１３、３１４は印刷装置１のフレームに直接または間接的に取り付けられる。搬送ローラー３１３、３１４は回転自在に支持される。
蛇行精度維持領域７５には、印刷装置１のフレームに直接または間接的に固定された縦プレート７１が配置される。縦プレート７１の下端部には、搬送ローラー３１５が回転可能に支持される。また、縦プレート７１の中央部及び上部には、６個の搬送ローラー３１６、３１７、３１８、３１９、３２０、３２１が配置される。これらの搬送ローラー３１６～３２１は、それぞれ、縦プレート７１に回転可能に支持される。蛇行精度維持領域７５では、搬送される印刷媒体Ｓに張力を与えられる。この張力によって印刷媒体Ｓのしわや弛みが防止される。印刷媒体Ｓは、蛇行精度維持領域７５を経てプラテン５４に搬送される。蛇行精度維持領域７５に配置された第１搬送ローラー３１３～３２１及び縦プレート７１を含む構成を、第１搬送ローラー部４とする。第１搬送ローラー部４の構成については後述する。

蛇行精度維持領域７５に配置される搬送ローラー３１６～３２１は、蛇行補正部７０で修正された蛇行精度を維持した状態で、印刷媒体Ｓを搬送する。

搬送経路１０において、印刷部５の下流には乾燥部７が配置される。乾燥部７には、搬送ローラー３２２、３２３、３２４、３２５、３２６が配置される。乾燥部７は、印刷媒体Ｓの印刷面及び／または印刷面の裏面を加熱するヒーターを備え、印刷部５により吐出されたインクを乾燥させる。

搬送経路１０において、乾燥部７の下流には、搬送ローラー３２７、３２８、３２９、３３０が配置される。これら搬送ローラー３２７～３３０は巻取り側バッファー部６１に配置される。巻取り側バッファー部６１については後述する。

［２．繰出し側バッファー部の構成］
繰出し側バッファー部６０は、印刷装置１のフレームに直接または間接的に固定された繰出し側固定プレート６５と、上下動可能な繰出し側可動プレート６７とを備える。繰出し側固定プレート６５には、７個の搬送ローラー３０３、３０４、３０５、３０６、３０７、３０９、３１１が回転可能に支持される。繰出し側可動プレート６７には、２個の搬送ローラー３０８、３１０が回転可能に支持される。これら搬送ローラー３０８、３１０は繰出し側可動ローラーの一例に対応する。繰出し側バッファー部６０は、繰出し側バッファー領域の一例に対応する。

繰出し側バッファー部６０において、印刷媒体Ｓは、搬送ローラー３０３～３１１のそれぞれに巻き掛けられる。
搬送ローラー３０３、３０４、３０５、３０６、３０７、３０９、３１１は、搬送経路１０において移動しないよう繰出し側固定プレート６５によって支持される。一方、搬送ローラー３０８、３１０は、繰出し側可動プレート６７とともに上下に移動可能である。これら搬送ローラー３０８、３１０、繰出し側可動プレート６７は、印刷媒体Ｓによって繰出し側固定プレート６５に吊り下げられた状態となっている。

繰出し側バッファー部６０は、繰出し側可動プレート６７、及び、繰出し側可動プレート６７に取り付けられた搬送ローラー３０８、３１０の重量により、印刷媒体Ｓに重力方向の張力を加える。

媒体供給部３とプラテン５４との間で印刷媒体Ｓに弛みが発生した場合、印刷媒体Ｓの弛み分だけ繰出し側可動プレート６７が下降することにより、印刷媒体Ｓの弛みが吸収される。また、媒体供給部３とプラテン５４との間で、印刷媒体Ｓに搬送方向に強い張力が加わった場合、この張力によって繰出し側可動プレート６７が上昇することによって、印刷媒体Ｓが繰出し側バッファー部６０から繰り出される。このように、繰出し側バッファー部６０は、媒体供給部３とプラテン５４との間における印刷媒体Ｓの余り、及び、印刷媒体Ｓの不足による過度の張力を吸収または緩和する。

繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛みは、搬送ローラー３１８の回転量及び回転速度と、印刷媒体Ｓを媒体供給部３から繰り出す繰出し側の搬送ローラーの回転量および回転速度との差によって変動する。繰出し側の搬送ローラーとは、供給軸部３１及び搬送ローラー３０５のうち、少なくとも供給軸部３１を含み、供給軸部３１及び搬送ローラー３０５の両方であってもよい。繰出し側の搬送ローラーは、繰出しローラーの一例である。

印刷装置１が間欠搬送において１回の搬送でプラテン５４に供給する印刷媒体Ｓの長さは、印刷装置１の仕様に合わせて決定されている。このため、間欠搬送の１回の搬送で搬送ローラー３１８が動作する回転量は決まっている。また、搬送ローラー３１８の回転速度は、印刷装置１の印刷速度に合わせて定められている。従って、搬送ローラー３１８の搬送量および搬送速度、すなわち供給ニップモーターＭ３の動作量及び回転速度は、予め決まっている。搬送ローラー３１８は、前駆動ローラーの一例に対応する。

これに対し、繰出し側の搬送ローラーの回転量、及び、繰出し側の搬送ローラーの回転速度は、制御装置１００の制御により変更可能である。以下では、繰出し側の搬送ローラーの回転量を繰出し量と呼び、繰出し側の搬送ローラーの回転速度を繰出し速度と呼ぶ。印刷装置１が印刷を行う場合、間欠搬送における搬送ローラー３１８の搬送量よりも繰出し量が大きいと、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛みが大きくなるため、繰出し側可動プレート６７は下降する。また、搬送ローラー３１８の搬送量よりも繰出し量が小さいと、繰出し側可動プレート６７が上昇する。そして、繰出し側可動プレート６７が、上下方向において適切な位置にある状態では、印刷媒体Ｓの弛み量が適正であり、印刷媒体Ｓを安定して搬送できる。

印刷装置１は、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量が適正となるように、供給軸部３１を駆動する繰出しモーターＭ１、及び、搬送ローラー３０５を駆動する繰出しニップモーターＭ２の回転量及び／または回転速度を制御する。そして、印刷装置１は、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量を適切に維持するため、繰出し側可動プレート６７の高さを検出するための複数の繰出し側センサー１４１を備える。繰出し側センサー１４１は、第１センサーの一例に対応する。

図２は、繰出し側バッファー部６０の要部構成を示す模式図である。図２には、搬送ローラー３０７、３０８、３０９、３１０、３１１と、繰出し側バッファー部６０に設置される繰出し側センサー１４１の検出位置とを示す。本実施形態の印刷装置１は、繰出し側バッファー部６０に、５つの繰出し側センサー１４１ａ、１４１ｂ、１４１ｃ、１４１ｄ、１４１ｅを備え、これらを区別しない場合は繰出し側センサー１４１と記載する。

図２において、符号Ｓｕ１は繰出し側センサー１４１ａの検出位置を示し、符号Ｓｕ２は繰出し側センサー１４１ｂの検出位置を示す。符号Ｓｕ３は繰出し側センサー１４１ｃの検出位置を示し、符号Ｓｕ４は繰出し側センサー１４１ｄの検出位置を示し、符号Ｓｕ５は繰出し側センサー１４１ｅの検出位置を示す。

図２に示すように、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅのうち、繰出し側センサー１４１ａは、繰出し側可動プレート６７の可動範囲において最も低い検出位置Ｓｕ１で繰出し側可動プレート６７を検出する。一方、繰出し側センサー１４１ｅは、繰出し側可動プレート６７の可動範囲において最も高い検出位置Ｓｕ５において繰出し側可動プレート６７を検出する。繰出し側センサー１４１ｂ、１４１ｃ、１４１ｄの検出位置Ｓｕ２、Ｓｕ３、Ｓｕ４は、検出位置Ｓｕ１と検出位置Ｓｕ５の間である。繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅの設置位置は、検出位置Ｓｕ１～Ｓｕ５に対応する位置である。

繰出し側可動プレート６７の適切な位置は、後述するように、検出位置Ｓｕ３と検出位置Ｓｕ４の両方で繰出し側可動プレート６７を検出する位置である。この適切な位置を含む範囲Ｒ１には、範囲Ｒ１の外側にある範囲Ｒ２よりも多数の繰出し側センサー１４１が配置される。範囲Ｒ１は第１範囲の一例であり、範囲Ｒ４は第２範囲の一例である。

繰出し側センサー１４１は、繰出し側可動プレート６７の有無を検出するセンサーであり、例えば、透過型の光センサー、或いは、反射型の光センサーを用いることができる。繰出し側センサー１４１に、繰出し側可動プレート６７に接触するスイッチ式のセンサーを用いてもよい。繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅのそれぞれは、繰出し側可動プレート６７の検出の有無を示す検出信号を制御装置１００に出力する。

図２には、被検出体２５４Ｕを示す。被検出体２５４Ｕは、繰出し側可動プレート６７に固定された検出用の板材である。被検出体２５４Ｕは、繰出し側可動プレート６７とともに上下に移動し、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅの検出光に当たる位置を通過する。つまり、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅは、被検出体２５４Ｕを検出することにより、繰出し側可動プレート６７を検出する。

隣接する繰出し側センサー１４１の間隔が、上下方向における被検出体２５４Ｕのサイズより短い場合、２つの繰出し側センサー１４１が同時に被検出体２５４Ｕを検出することがある。制御装置１００は、５つの繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅのそれぞれの検出状態を取得できる。従って、印刷装置１は、５つの繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅを利用して、多数の段階で繰出し側可動プレート６７の位置を検出できる。制御装置１００は、繰出し側可動プレート６７の位置を、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅのいずれか１個が被検出体２５４Ｕを検出するときの５つの位置で検出できる。また、隣り合う２個の繰出し側センサー１４１が被検出体２５４Ｕを検出する位置で検出できる。また、全ての繰出し側センサー１４１が被検出体２５４Ｕを検出しない１または２つの位置で検出できる。この細かい検出を可能とするため、繰出し側センサー１４１の間隔は狭い方が好ましいが、繰出し側センサー１４１の数が多いと、コスト増や印刷装置１の製造工数の増大を招く。このため、印刷装置１では、範囲Ｒ１に多数の繰出し側センサー１４１を配置する。これにより、範囲Ｒ１では隣接する繰出し側センサー１４１の間隔が狭く、隣り合う２つの繰出し側センサー１４１が同時に繰出し側可動プレート６７を検出可能であるため、繰出し側可動プレート６７の位置を細かく検出できる。

［３．巻取り側バッファー部の構成］
図１に戻り、巻取り側バッファー部６１は、印刷装置１のフレームに直接または間接的に固定された巻取り側固定プレート６８と、上下動可能な巻取り側可動プレート６９とを備える。巻取り側固定プレート６８には、搬送ローラー３３６、３３８が回転可能に支持される。巻取り側可動プレート６９には、搬送ローラー３３７が回転可能に支持される。巻取り側バッファー部６１は、巻取り側バッファー領域の一例に対応する。

巻取り側バッファー部６１において、印刷媒体Ｓは、搬送ローラー３３６、３３７、３３８のそれぞれに巻き掛けられる。搬送ローラー３３６、３３８は、搬送経路１０において移動しないよう巻取り側固定プレート６８によって支持される。一方、搬送ローラー３３７は、巻取り側可動プレート６９とともに上下に移動可能である。これら搬送ローラー３３７及び巻取り側可動プレート６９は、印刷媒体Ｓによって巻取り側固定プレート６８に吊り下げられた状態となっている。

巻取り側バッファー部６１は、巻取り側可動プレート６９、及び、巻取り側可動プレート６９に取り付けられた搬送ローラー３３７の重量により、印刷媒体Ｓに重力方向の張力を加える。搬送ローラー３３７は巻取り側可動ローラーの一例に対応する。

プラテン５４と媒体回収部８との間で印刷媒体Ｓに弛みが発生した場合、印刷媒体Ｓの弛み分だけ巻取り側可動プレート６９が下降することにより、印刷媒体Ｓの弛みが吸収される。また、プラテン５４と媒体回収部８との間で、印刷媒体Ｓに搬送方向に強い張力が加わった場合、この張力によって巻取り側可動プレート６９が上昇することによって、印刷媒体Ｓが巻取り側バッファー部６１から繰り出される。このように、巻取り側バッファー部６１は、プラテン５４と媒体回収部８との間における印刷媒体Ｓの余り、及び、印刷媒体Ｓの不足による過度の張力を吸収または緩和する。

巻取り側バッファー部６１における印刷媒体Ｓの弛みは、搬送ローラー３３４の回転量及び回転速度と、印刷媒体Ｓを媒体回収部８に巻き取る巻取側の搬送ローラーの回転量および回転速度との差によって変動する。巻取り側の搬送ローラーとは、巻取り軸８１及び巻取り搬送ローラー３４２のうち、少なくとも巻取り軸８１を含み、巻取り軸８１及び巻取り搬送ローラー３４２の両方であってもよい。巻取り側の搬送ローラーは、巻取りローラーの一例である。

上述のように、印刷装置１が間欠搬送において１回の搬送でプラテン５４に供給する印刷媒体Ｓの長さは、印刷装置１の仕様に合わせて決定されている。このため、搬送経路１０においてプラテン５４よりも下流側でプラテン５４に最も近い搬送ローラーである搬送ローラー３３４については、間欠搬送の１回の搬送で回転量は決まっている。搬送ローラー３３４の回転速度は、搬送ローラー３１８と同様に定められている。従って、搬送ローラー３３４の搬送量および搬送速度、すなわち排出ニップモーターＭ４の動作量及び回転速度は、予め決まっている。

これに対し、巻取り側の搬送ローラーの回転量、及び、巻取り側の搬送ローラーの回転速度は、制御装置１００の制御により変更可能である。以下では、巻取り側の搬送ローラーの回転量を巻取り量と呼び、巻取り側の搬送ローラーの回転速度を巻取り速度と呼ぶ。印刷装置１が印刷を行う場合、間欠搬送における搬送ローラー３３４の搬送量よりも巻取り量が大きいと、巻取り側バッファー部６１における印刷媒体Ｓの弛みが小さくなるため、巻取り側可動プレート６９は上昇する。また、搬送ローラー３３４の搬送量よりも巻取り量が小さいと、巻取り側可動プレート６９が下降する。そして、巻取り側可動プレート６９が、上下方向において適切な位置にある状態では、印刷媒体Ｓの弛み量が適正であり、印刷媒体Ｓを安定して搬送できる。

印刷装置１は、巻取り側バッファー部６１における印刷媒体Ｓの弛み量が適正となるように、巻取り軸８１を駆動する巻取りモーターＭ６、及び、巻取り搬送ローラー３４２を駆動する巻取りニップモーターＭ５の回転量及び／または回転速度を制御する。そして、印刷装置１は、巻取り側バッファー部６１における印刷媒体Ｓの弛み量を適切に維持するため、巻取り側可動プレート６９の高さを検出するための複数の巻取り側センサー１５１を備える。巻取り側センサー１５１は第２センサーの一例に対応する。

図３は、巻取り側バッファー部６１の要部構成を示す側面視図である。図４は、図３におけるＡ－Ａ断面図である。また、図５は、巻取り側バッファー部６１の要部構成を示す模式図である。図５には、搬送ローラー３３６、３３７、３３８と、巻取り側バッファー部６１に設置される巻取り側センサー１５１の検出位置とを示す。

本実施形態の印刷装置１は、巻取り側バッファー部６１に、５つの巻取り側センサー１５１ａ、１５１ｂ、１５１ｃ、１５１ｄ、１５１ｅを備え、これらを区別しない場合は巻取り側センサー１５１と記載する。

各図において、符号Ｓｕ１は巻取り側センサー１５１ａの検出位置を示し、符号Ｓｕ２は巻取り側センサー１５１ｂの検出位置を示す。符号Ｓｕ３は巻取り側センサー１５１ｃの検出位置を示し、符号Ｓｕ４は巻取り側センサー１５１ｄの検出位置を示し、符号Ｓｕ５は巻取り側センサー１５１ｅの検出位置を示す。

巻取り側センサー１５１は、巻取り側可動プレート６９の有無を検出するセンサーであり、例えば、透過型の光センサー、或いは、反射型の光センサーを用いることができる。巻取り側センサー１５１に、巻取り側可動プレート６９に接触するスイッチ式のセンサーを用いてもよい。巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅのそれぞれは、巻取り側可動プレート６９の検出の有無を示す検出信号を制御装置１００に出力する。

図３には、巻取り側センサー１５１ｂ、１５１ｃ、１５１ｄの近傍を示している。巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅは、印刷装置１のフレーム等に固定された巻取り側センサー取付けバー６４に固定される。巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅは、それぞれ、上下方向に適宜の間隔をあけて配置される。

また、巻取り側可動プレート６９には、被検出体２５４Ｄが取り付けられる。被検出体２５４Ｄは、巻取り側可動プレート６９に固定された検出用の部材である。被検出体２５４Ｄは、巻取り側可動プレート６９とともに上下に移動し、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅの検出光に当たる位置Ｐを通過する。つまり、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅは、被検出体２５４Ｄを検出することにより、巻取り側可動プレート６９を検出する。

図４に示す被検出体２５４Ｄの構成は一例であり、この構成は被検出体２５４Ｄにも適用可能である。この被検出体２５４Ｄは断面Ｃ形状の部材であり、被検出体２５４Ｄの一つの辺２５４Ｄ１が巻取り側可動プレート６９にボルトで固定される。また、被検出体２５４Ｄの他方の辺２５４Ｄ２は、巻取り側センサー１５１の検出光が通る凹部に嵌る。巻取り側センサー１５１の凹部に辺２５４Ｄ２が嵌ると、巻取り側センサー１５１の検出状態がＯＮになり、巻取り側可動プレート６９を検出する。

図５において、符号Ｓｄ１は巻取り側センサー１５１ａの検出位置を示し、符号Ｓｄ２は巻取り側センサー１５１ｂの検出位置を示す。符号Ｓｄ３は巻取り側センサー１５１ｃの検出位置を示し、符号Ｓｄ４は巻取り側センサー１５１ｄの検出位置を示し、符号Ｓｄ５は巻取り側センサー１５１ｅの検出位置を示す。

図５に示すように、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅのうち、巻取り側センサー１５１ａは、巻取り側可動プレート６９の可動範囲において最も低い検出位置Ｓｄ１で巻取り側可動プレート６９を検出する。一方、巻取り側センサー１５１ｅは、巻取り側可動プレート６９の可動範囲において最も高い検出位置Ｓｄ５において巻取り側可動プレート６９を検出する。巻取り側センサー１５１ｂ、１５１ｃ、１５１ｄの検出位置Ｓｄ２、Ｓｄ３、Ｓｄ４は、検出位置Ｓｄ１と検出位置Ｓｄ５の間である。巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅの設置位置は、検出位置Ｓｄ１～Ｓｄ５に対応する位置である。

巻取り側可動プレート６９の適切な位置は、後述するように、検出位置Ｓｄ２と検出位置Ｓｄ３の両方で巻取り側可動プレート６９を検出する位置である。この適切な位置を含む範囲Ｒ３には、範囲Ｒ３の外側にある範囲Ｒ４よりも多数の巻取り側センサー１５１が配置される。範囲Ｒ３は第１範囲の一例であり、範囲Ｒ４は第２範囲の一例である。

隣接する巻取り側センサー１５１の間隔が、上下方向における被検出体２５４Ｄのサイズより短い場合、２つの巻取り側センサー１５１が同時に被検出体２５４Ｄを検出することがある。制御装置１００は、５つの巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅのそれぞれの検出状態を取得できる。従って、印刷装置１は、５つの巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅを利用して、多数の段階で巻取り側可動プレート６９の位置を検出できる。制御装置１００は、巻取り側可動プレート６９の位置を、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅのいずれか１個が被検出体２５４Ｄを検出するときの５つの位置で検出できる。また、隣り合う２個の巻取り側センサー１５１が被検出体２５４Ｄを検出する位置で検出できる。また、全ての巻取り側センサー１５１が被検出体２５４Ｄを検出しない１または２つの位置で検出できる。この細かい検出を可能とするため、巻取り側センサー１５１の間隔は狭い方が好ましいが、巻取り側センサー１５１の数が多いと、コスト増や印刷装置１の製造工数の増大を招く。このため、印刷装置１では、範囲Ｒ３に多数の巻取り側センサー１５１を配置する。これにより、範囲Ｒ３では隣接する巻取り側センサー１５１の間隔が狭く、隣り合う２つの巻取り側センサー１５１が同時に巻取り側可動プレート６９を検出可能であるため、巻取り側可動プレート６９の位置を細かく検出できる。

［４．制御系の構成］
図６は、印刷装置１の制御系を示すブロック図である。
印刷装置１は、入力装置１７、及び、表示装置１８を備え、これらは制御装置１００に接続される。入力装置１７は、印刷装置１を操作するオペレーターが印刷条件等を入力する装置であり、例えば、スイッチを備えた操作パネルである。入力装置１７は、キーボードやマウス等の入力デバイスであってもよく、印刷装置１と別体のタブレット型コンピューターや携帯型端末等であってもよい。入力装置１７は、オペレーターが入力した情報を制御装置１００に出力する。表示装置１８は、液晶表示パネル等の表示画面を備え、制御装置１００の制御に従って各種情報を表示する。印刷装置１は、入力装置１７および表示装置１８を一体化したタッチパネルを備えてもよい。

制御装置１００は、インターフェイス部１２、制御部１３、駆動回路１４、記憶部１５、及び、センサーインターフェイス２１を備える。制御部１３は、ＣＰＵ等のプロセッサーを備え、プロセッサーによりプログラムを実行して、ソフトウェアとハードウェアとの協働により印刷装置１の各部を制御する。ＣＰＵはＣｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔの略である。図ではインターフェイスをＩ／Ｆと略記する。

インターフェイス部１２は、入力装置１７及び表示装置１８に接続され、これら各装置との間でデータを送受信する。

駆動回路１４は、繰出しモーターＭ１、繰出しニップモーターＭ２、供給ニップモーターＭ３、排出ニップモーターＭ４、巻取りニップモーターＭ５、及び、巻取りモーターＭ６に接続される。また、駆動回路１４には第１キャリッジモーターＭ７、および、第２キャリッジモーターＭ８が接続される。駆動回路１４は、制御部１３の制御に従って、各モーターＭ１～Ｍ６に駆動電流を供給することにより、モーターＭ１～Ｍ６を動作させて、印刷媒体Ｓを搬送する。また、駆動回路１４は、制御部１３の制御に従って、第１キャリッジモーターＭ７、および、第２キャリッジモーターＭ８に駆動電流を供給することにより、キャリッジ５３を移動させる。

駆動回路１４には、吐出ヘッド５１、及び、乾燥部７が接続される。駆動回路１４は、制御部１３の制御に従って制御信号を出力することにより、吐出ヘッド５１を動作させて、印刷媒体Ｓに画像を形成させる。また、駆動回路１４は、制御部１３の制御に従って乾燥部７のヒーターを作動させて印刷媒体Ｓを乾燥させる。

センサーインターフェイス２１は、繰出し側センサー１４１ａ、１４１ｂ、１４１ｃ、１４１ｄ、１４１ｅ、及び、巻取り側センサー１５１ａ、１５１ｂ、１５１ｃ、１５１ｄ、１５１ｅに接続される。センサーインターフェイス２１は、制御部１３の制御に従って、繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１の検出状態を取得する。例えば、センサーインターフェイス２１は、各々の繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１に動作用の電力を供給し、各々の繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１が出力する検出信号を取得する。センサーインターフェイス２１は、各々の繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１の検出状態を制御装置１００に出力する。

制御装置１００は、駆動回路１４を制御することにより、吐出ヘッド５１を駆動させ、印刷媒体Ｓに向かってインクを吐出させる。制御装置１００は、第１キャリッジモーターＭ７を駆動して、キャリッジ５３をＸ軸方向に移動させる。制御装置１００は、第２キャリッジモーターＭ８を駆動して、キャリッジ５３をＹ軸方向に移動させる。制御装置１００は、第１キャリッジモーターＭ７、第２キャリッジモーターＭ８、及び吐出ヘッド５１による主走査、および、搬送モーター１５３による副走査を繰り返し実行し、印刷媒体Ｓを間欠的に搬送する。主走査では、制御装置１００は、印刷媒体Ｓの搬送を停止した状態で吐出ヘッド５１からインクを吐出させながらキャリッジ５３を移動させる。副走査では搬送モーター１５３を制御して印刷媒体Ｓを搬送方向Ｆに搬送させる。この制御により、印刷媒体Ｓに画像が形成される。

制御装置１００は、駆動回路１４によってモーターＭ１～Ｍ６を動作させ、印刷時に印刷媒体Ｓを間欠駆動する。制御装置１００は、予め設定された搬送量だけ印刷媒体Ｓを搬送した後、印刷媒体Ｓを停止させ、第１キャリッジモーターＭ７、第２キャリッジモーターＭ８および吐出ヘッド５１を駆動して印刷を実行させる。

制御装置１００は、駆動回路１４がモーターＭ１～Ｍ６に供給する駆動電流を調整させることによって、モーターＭ１～Ｍ６の動作量、及び、動作速度を制御する。

記憶部１５は、半導体記憶デバイスや磁気的記録装置を備え、制御部１３のプロセッサーにより実行されるプログラムや、制御部１３により処理されるデータを不揮発的に記憶する。記憶部１５は、動作設定情報１５ａ、繰出し設定情報１５ｂ、及び、巻取り設定情報１５ｃを記憶する。

動作設定情報１５ａは、駆動回路１４に接続された各駆動部の動作に関する設定を含む情報である。動作設定情報１５ａは、プラテン５４へ印刷媒体Ｓを送り出す繰出し量および繰出し速度の設定値を示す情報を含む。すなわち、繰出しモーターＭ１及び繰出しニップモーターＭ２の少なくともいずれかについて、回転速度、及び、印刷媒体Ｓを間欠搬送する場合の１回の搬送量に相当するモーターの回転量を含む。また、動作設定情報１５ａは、プラテン５４から印刷媒体Ｓを巻き取る巻取り量および巻取り速度の設定値を示す情報を含む。すなわち、巻取りニップモーターＭ５及び巻取りモーターＭ６の少なくともいずれかについて、回転速度、及び、印刷媒体Ｓを間欠搬送する場合の１回の搬送量に相当するモーターの回転量を含む。動作設定情報１５ａは、他のモーターの回転量や回転速度の設定値を示す情報を含んでもよい。

繰出し設定情報１５ｂは、繰出し側センサー１４１ａ、１４１ｂ、１４１ｃ、１４１ｄ、１４１ｅの検出状態と、印刷媒体Ｓの繰出し量の制御量とを対応付ける情報である。また、巻取り設定情報１５ｃは、巻取り側センサー１５１ａ、１５１ｂ、１５１ｃ、１５１ｄ、１５１ｅの検出状態と、巻取り速度の制御量とを対応付ける情報である。

図７は、制御装置１００が記憶する情報の一例を示す模式図であり、繰出し設定情報１５ｂの構成例を示す。
図７に示す例では、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅの検出状態を、検出位置Ｓｕ１～Ｓｕ５のＯＮで示している。例えば、繰出し側センサー１４１ａが繰出し側可動プレート６７を検出したことを、Ｓｕ１＿ＯＮと表現する。繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅのいずれも繰出し側可動プレート６７を検出しない場合は、Ｎｏｎｅと表現する。繰出し設定情報１５ｂには、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅの検出状態に対応して巻取り側可動プレート６９の位置を７段階に分けている。これらは低い側から順に、位置ＬＥ、ＬＰ２、ＬＰ１、ＴＹＰ、ＨＰ１、ＨＰ２、ＨＥである。

位置ＬＥは検出位置Ｓｕ１及び検出位置Ｓｕ２がＯＮとなる位置である。位置ＬＰ２は検出位置Ｓｕ２のみがＯＮとなる位置であり、位置ＬＰ１は検出位置Ｓｕ３のみがＯＮとなる位置である。位置ＴＹＰは、標準的な繰出し側可動プレート６７の位置を示し、基準位置ということができる。位置ＴＹＰは検出位置Ｓｕ３及び検出位置Ｓｕ４がＯＮとなる位置である。位置ＨＰ１は検出位置Ｓｕ４のみがＯＮとなる位置であり、位置ＨＰ２は全ての検出位置Ｓｕが繰出し側可動プレート６７を検出しない位置である。位置ＨＥは検出位置Ｓｕ５のみがＯＮとなる位置である。制御装置１００は、繰出し側センサー１４１ａ～１４１ｅの検出状態に基づいて、繰出し側可動プレート６７の位置が、位置ＬＥ、ＬＰ２、ＬＰ１、ＴＹＰ、ＨＰ１、ＨＰ２、ＨＥのいずれであるかを判定できる。

繰出し設定情報１５ｂには、繰出し量の制御値として、間欠搬送における１回の搬送で搬送する印刷媒体Ｓの長さを調整する値が含まれる。例えば、繰出し側可動プレート６７が位置ＬＰ２にある場合、制御装置１００は、繰出し量を、標準的な値または現在の設定値から２００ｍｍ少なくする。

繰出し設定情報１５ｂには、繰出し速度の制御値として、間欠搬送を行わない場合の印刷媒体Ｓの搬送速度を調整する値が含まれる。例えば、繰出し側可動プレート６７が位置ＬＰ２にある場合、制御装置１００は、繰出し速度を、標準的な値または現在の設定値から１０％遅い速度にする。ここで、間欠搬送を行わない場合とは、例えば、媒体供給部３のロール体３２を交換する場合など、印刷媒体Ｓに印刷を行わずに印刷媒体Ｓの搬送のみを所定時間、連続して実行する場合である。この動作を実行する動作状態を、連続搬送モードと呼ぶ。これに対し、印刷部５による印刷を実行するため印刷媒体Ｓを間欠的に搬送する動作状態を、印刷モードと呼ぶ。

さらに、繰出し設定情報１５ｂによれば、位置ＬＥ及び位置ＨＥのそれぞれに対応付けて搬送停止が設定される。搬送停止は、印刷モードまたは連続搬送モードの実行中に、搬送を即時停止することを示す。例えば、位置ＬＥや位置ＨＥでは繰出し側可動プレート６７が移動範囲の端にある。この場合、制御装置１００が繰出し量や繰出し速度を調整しても、調整の効果が発揮される前に印刷媒体Ｓの破損や汚れが生じるおそれがあるので、印刷媒体Ｓの搬送を停止させることが好ましい。繰出し設定情報１５ｂでは、繰出し側可動プレート６７が位置ＬＥにある場合、及び、位置ＨＥにある場合に、印刷モードまたは連続搬送モードのいずれにおいても搬送を停止するよう設定されている。

図８は、制御装置１００が記憶する情報の一例を示す模式図であり、巻取り設定情報１５ｃの構成例を示す。
図８に示す例では、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅの検出状態を、検出位置Ｓｄ１～Ｓｄ５のＯＮで示している。例えば、巻取り側センサー１５１ａが巻取り側可動プレート６９を検出したことを、Ｓｄ１＿ＯＮと表現する。巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅのいずれも巻取り側可動プレート６９を検出しない場合は、Ｎｏｎｅと表現する。巻取り設定情報１５ｃには、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅの検出状態に対応して巻取り側可動プレート６９の位置を７段階に分けている。これらは低い側から順に、位置ＬＥ、ＬＰ２、ＬＰ１、ＴＹＰ、ＨＰ１、ＨＰ２、ＨＥである。

位置ＬＥは検出位置Ｓｄ１のみがＯＮとなる位置である。位置ＬＰ２は全ての検出位置Ｓｄが巻取り側可動プレート６９を検出しない位置である。位置ＬＰ１は検出位置Ｓｄ２のみがＯＮとなる位置であり、位置ＴＹＰは、標準的な巻取り側可動プレート６９の位置を示し、巻取り側可動プレート６９の基準位置ということができる。位置ＴＹＰは検出位置Ｓｄ２及び検出位置Ｓｄ３がＯＮとなる位置である。位置ＨＰ１は検出位置Ｓｄ３及び検出位置Ｓｄ４がＯＮとなる位置であり、位置ＨＰ２は検出位置Ｓｄ４のみがＯＮとなる位置である。位置ＨＥは検出位置Ｓｄ５のみがＯＮとなる位置である。制御装置１００は、巻取り側センサー１５１ａ～１５１ｅの検出状態に基づいて、巻取り側可動プレート６９の位置が、位置ＬＥ、ＬＰ２、ＬＰ１、ＴＹＰ、ＨＰ１、ＨＰ２、ＨＥのいずれであるかを判定できる。

巻取り設定情報１５ｃには、巻取り量の制御値として、間欠搬送における１回の搬送で搬送する印刷媒体Ｓの長さを調整する値が含まれる。例えば、巻取り側可動プレート６９が位置ＬＰ２にある場合、制御装置１００は、巻取り量を、標準的な値または現在の設定値に２００ｍｍ加算する。

巻取り設定情報１５ｃには、巻取り速度の制御値として、連続搬送モードにおける印刷媒体Ｓの搬送速度を調整する値が含まれる。例えば、巻取り側可動プレート６９が位置ＬＰ２にある場合、制御装置１００は、巻取り速度を、標準的な値または現在の設定値から１０％速い速度にする。

さらに、巻取り設定情報１５ｃによれば、位置ＬＥ、ＨＥに対応付けて搬送停止が設定される。詳細には、巻取り設定情報１５ｃでは、巻取り側可動プレート６９が位置ＬＥにある場合、及び、位置ＨＥにある場合に、印刷モードまたは連続搬送モードのいずれにおいても搬送を停止するように設定されている。

［５．印刷装置の動作］
図９は、印刷装置１の動作を示すフローチャートである。図９の動作は制御部１３の制御により実行される。
印刷装置１は待機状態において、入力装置１７による入力を待機する（ステップＳＴ１）。印刷装置１は、印刷の指示、すなわち印刷モードの開始の指示が入力装置１７によって入力されたか否かを判定する（ステップＳＴ２）。

印刷の指示が入力された場合（ステップＳＴ２；ＹＥＳ）、印刷装置１は印刷モードを開始し、動作設定情報１５ａにより設定された量の印刷媒体Ｓの搬送を開始する（ステップＳＴ３）。ステップＳＴ３では間欠搬送の１回の搬送が開始される。ここで、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１による監視を開始する（ステップＳＴ４）。ステップＳＴ４の後、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態が繰出し設定情報１５ｂにおいて搬送停止と設定された状態となった場合に、印刷媒体Ｓの搬送を停止させる。この停止の処理は割込処理として実現されるので、フローチャートには図示しない。印刷媒体Ｓの搬送を停止させる場合、制御装置１００は、印刷媒体Ｓの搬送に関わるモーターＭ１～Ｍ６の全てを停止させる。

印刷装置１は、間欠搬送の１回分の搬送が完了したか否かを判定し（ステップＳＴ５）、搬送が完了しない間は（ステップＳＴ５；ＮＯ）、印刷媒体Ｓの搬送を継続する。搬送が完了した場合（ステップＳＴ５；ＹＥＳ）、印刷装置１は、モーターＭ１～Ｍ６を停止させて印刷媒体Ｓの搬送を止める（ステップＳＴ６）。

印刷装置１は、吐出ヘッド５１、第１キャリッジモーターＭ７、及び、第２キャリッジモーターＭ８を動作させて、印刷を実行する（ステップＳＴ７）。ステップＳＴ７では、吐出ヘッド５１によって印刷媒体Ｓに画像が形成される。

吐出ヘッド５１による画像の形成が完了した後、すなわち印刷が完了した後、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態、及び、巻取り側センサー１５１の検出状態を取得する（ステップＳＴ８）。印刷装置１は、ステップＳＴ８で取得した検出状態に基づいて、間欠搬送における次回の搬送を行う場合の繰出しモーターＭ１及び繰出しニップモーターＭ２の少なくともいずれかと、巻取りニップモーターＭ５及び巻取りモーターＭ６の少なくともいずれかとの、搬送量を設定する（ステップＳＴ９）。

ステップＳＴ９で、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態に基づき繰出し設定情報１５ｂを参照し、繰出し側可動プレート６７の位置を特定する。印刷装置１は、繰出し側可動プレート６７の位置に対応付けられた繰出し量の制御値を取得し、制御値を動作設定情報１５ａの設定値に加算または減算し、動作設定情報１５ａの繰出し量を更新する。

また、ステップＳＴ９で、印刷装置１は、巻取り側センサー１５１の検出状態に基づき巻取り設定情報１５ｃを参照し、巻取り側可動プレート６９の位置を特定する。印刷装置１は、巻取り側可動プレート６９の位置に対応付けられた巻取り量の制御値を取得し、制御値を動作設定情報１５ａの設定値に加算または減算し、動作設定情報１５ａの巻取り量を更新する。

印刷装置１は、印刷装置１を停止させるか否かを判定する（ステップＳＴ１０）。例えば、入力装置１７により印刷装置１の停止が指示された場合は（ステップＳＴ１０；ＹＥＳ）、動作を停止する。印刷装置１を停止させない場合（ステップＳＴ１０；ＮＯ）、印刷装置１はステップＳＴ１に戻る。

印刷装置１は、待機状態において印刷の指示が入力されない場合（ステップＳＴ２；ＮＯ）、連続搬送モードの開始指示が入力されたか否かを判定する（ステップＳＴ１１）。ここで、連続搬送モードの開始指示が入力されない場合（ステップＳＴ１１；ＮＯ）、印刷装置１はステップＳＴ１に戻る。

連続搬送モードの開始指示が入力された場合（ステップＳＴ１１；ＹＥＳ）、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態、及び、巻取り側センサー１５１の検出状態を取得する（ステップＳＴ１２）。印刷装置１は、ステップＳＴ１２で取得した検出状態に基づいて、連続搬送モードにおける搬送速度を設定する（ステップＳＴ１３）。

ステップＳＴ１３で、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態に基づき繰出し設定情報１５ｂを参照し、繰出し側可動プレート６７の位置を特定する。印刷装置１は、繰出し側可動プレート６７の位置に対応付けられた繰出し速度の制御値を取得し、制御値を動作設定情報１５ａの設定値に加算または減算し、動作設定情報１５ａにおける繰出し速度を更新する。

また、ステップＳＴ１３で、印刷装置１は、巻取り側センサー１５１の検出状態に基づき巻取り設定情報１５ｃを参照し、巻取り側可動プレート６９の位置を特定する。印刷装置１は、巻取り側可動プレート６９の位置に対応付けられた巻取り量の制御値を取得し、制御値を動作設定情報１５ａの設定値に加算または減算し、動作設定情報１５ａにおける巻取り速度を更新する。

印刷装置１は、動作設定情報１５ａにより設定された搬送速度で印刷媒体Ｓの搬送を開始する（ステップＳＴ１４）。ステップＳＴ１４で、印刷装置１は、ステップＳＴ１３で更新された繰出し速度および巻取り速度で、繰出しモーターＭ１、繰出しニップモーターＭ２、巻取りニップモーターＭ５、及び巻取りモーターＭ６を動作させる。また、供給ニップモーターＭ３及び排出ニップモーターＭ４を規定の速度で動作させる。

印刷装置１は、印刷媒体Ｓの搬送を開始するタイミングで、繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１による監視を開始する（ステップＳＴ１５）。印刷装置１は、繰出し側センサー１４１及び巻取り側センサー１５１の検出状態に基づき、搬送速度の設定を更新する（ステップＳＴ１６）。ステップＳＴ１４の後、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態が繰出し設定情報１５ｂにおいて搬送停止と設定された状態となった場合に、印刷媒体Ｓの搬送を停止させる。印刷媒体Ｓの搬送を停止させる場合、制御装置１００は、印刷媒体Ｓの搬送に関わるモーターＭ１～Ｍ６の全てを停止させる。

印刷装置１は、入力装置１７によって印刷媒体Ｓの搬送停止の指示が入力されたか否かを判定し（ステップＳＴ１７）、搬送停止の指示が入力されない間は（ステップＳＴ１７；ＮＯ）、印刷媒体Ｓの搬送速度を更新しながら搬送を継続する。すなわち、連続搬送モードは繰出し側可動プレート６７が位置ＴＹＰにあるように、搬送を継続する間、印刷装置1は、予め設定された周期で繰出し側センサー１４１の検出状態を取得し、取得した検出状態に基づいて繰出し設定情報１５ｂを参照することにより、動作設定情報１５ａにおける繰出し速度を更新する。また、巻取り側可動プレート６９が位置ＴＹＰにあるように、搬送を継続する間、搬送を継続する間、印刷装置1は、予め設定された周期で巻取り側センサー１５１の検出状態を取得し、取得した検出状態に基づいて繰出し設定情報１５ｂを参照することにより、動作設定情報１５ａにおける巻取り速度を更新する。これらの処理は、ステップＳＴ１２－ＳＴ１３と同様に実行される。
搬送停止の指示が入力された場合（ステップＳＴ１７；ＹＥＳ）、印刷装置１は、モーターＭ１～Ｍ６を停止させて印刷媒体Ｓの搬送を停止し（ステップＳＴ１８）、ステップＳＴ１０に移行する。

このように、印刷装置１は、繰出し側センサー１４１の検出状態に基づき、印刷モードの繰出し量、及び、連続搬送モードの繰出し速度を制御する。このため、繰出し側バッファー部６０における繰出し側可動プレート６７の位置に合わせて、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量を適切に調整できる。印刷モードでは、印刷部５における印刷長さに合わせて搬送ローラー３１８が印刷媒体Ｓを定量搬送するので、繰出し側ローラーの印刷媒体Ｓの繰出し量が、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量に強く影響する。連続搬送モードでは搬送ローラー３１８の搬送速度に対する繰出し側ローラーの搬送速度が、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量に強く影響する。従って、印刷モードと連続搬送モードとで制御対象を異ならせ、印刷モードでは繰出し量を制御し、連続搬送モードでは繰出し速度を制御することにより、繰出し側バッファー部６０における印刷媒体Ｓの弛み量を効率よく調整できる。例えば、印刷装置１の印刷速度を向上させるため、印刷媒体Ｓの搬送速度を高速化した場合、繰出し側バッファー部６０における繰出し側可動プレート６７の動作の追従性が課題となる。印刷装置１の構成によれば、間欠搬送を行う印刷モードでは印刷媒体Ｓの搬送量を制御することによって、間欠搬送後の繰出し側可動プレート６７の位置を適切な位置とすることができる。この制御は、搬送ローラー３１８に合わせて繰出し速度を調整する場合に比べてシンプルであり、繰出し側可動プレート６７の追従性が大きな問題とならないという利点がある。このため、印刷装置１の印刷速度の高速化が可能となる。

制御部１３は、印刷モードにおいて、繰出し側センサー１４１を利用して繰出し側可動プレート６７の変位を所定のタイミングで検出する。この所定のタイミングは、例えば、ステップＳＴ６で印刷媒体Ｓの搬送を停止させてから、次に印刷モードまたは連続搬送モードを開始するまでの間であり、具体的にはステップＳＴ８である。また、この所定のタイミングは、ステップＳＴ７で印刷部５によって印刷媒体Ｓに画像を形成する動作が完了したタイミングである。これにより、繰出し側バッファー部６０における繰出し側可動プレート６７の変位が停止した状態で、繰出し側センサー１４１の検出状態に基づき繰出し量を適切に調整できる。

制御部１３は、連続搬送モードにおいて、印刷媒体Ｓの搬送中に繰出し側センサー１４１を利用して繰出し側可動プレート６７の変位を監視する。例えば、繰出し側可動プレート６７の位置が位置ＬＥまたは位置ＨＥとなった場合に、印刷媒体Ｓの搬送を停止させることができる。

印刷装置１は、繰出し側可動プレート６７に被検出体２５４Ｄを取り付けた構成を有する。繰出し側センサー１４１を、繰出し側センサー取付けバーに配置することにより、繰出し側可動プレート６７の変位を繰出し側センサー１４１によって確実に検出できる。繰出しセンサー取付けバーは、例えば、図３の巻取り側センサー取付けバー６４と同様に構成することができる。

繰出し側センサー１４１は、範囲Ｒ１と範囲Ｒ２とを含み、範囲Ｒ１には範囲Ｒ２よりも多くの繰出し側センサー１４１が配置されるので、繰出し側可動プレート６７の適切な位置を含む範囲において、細かく繰出し側可動プレート６７の位置を検出できる。

印刷装置１は、巻取り側バッファー部６１において、巻取り側センサー１５１の検出値に基づき、印刷モードにおける巻取り量、及び、連続搬送モードにおける巻取り速度を制御する。これにより、巻取り側バッファー部６１においても、印刷媒体Ｓの弛み量を適切に調整できる。

［６．他の実施形態］
上記実施形態は、本発明を適用した一具体例を示したものに過ぎない。本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。

例えば、上記実施形態において、印刷装置１は、乾燥部７を備える構成として説明したが、これらの構成を有しない印刷装置１にも本発明を適用可能である。また、印刷装置１は、ロール体３２に巻き回された連続シートを印刷媒体Ｓとして用いるものに限定されず、連続シートの態様は任意に変更可能である。

また、上記実施形態において、インクジェット式の印刷装置１を説明したが、これは一例であり、他の印刷方式を採用する印刷装置にも本発明を適用可能である。
また、上記実施形態に示した搬送ローラー、第１搬送ローラー及び第２搬送ローラーの数、及び、これらを駆動するモーターの数は一例であり、任意に変更可能である。
また、上記実施形態に示した吐出ヘッド５１は、プラテン５４に支持された印刷媒体Ｓの上をＸ軸方向およびＹ軸方向に移動して、その全体にインクを吐出する構成としたが、吐出ヘッド５１が印刷媒体Ｓの幅方向、すなわちＹ軸方向よりも長い長さを有し、吐出ヘッド５１をＸ軸方向に1度だけ移動させることで画像を形成するいわゆるワンパス印刷方式を採用してもよい。

［７．実施形態により説明される構成］
上記の実施形態により、以下の構成が説明される。

（構成１）印刷媒体に画像を形成する印刷部と、前記印刷部へ向けて前記印刷媒体を繰り出す繰出しローラーと、前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラーと、前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーと、前記繰出しローラーの繰出しを制御する制御部と、を備え、前記制御部が制御する制御量は、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量、及び、繰出し速度を含み、前記制御部は、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行可能であり、前記印刷モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し速度を制御する、印刷装置。
構成１の印刷装置によれば、繰出し側バッファー領域における繰出し側可動ローラーの変位が適切な状態となるように、印刷モードの繰出しローラーの繰出し量、及び、連続搬送モードの繰出しローラーの繰出し速度を制御する。これにより、印刷媒体の搬送速度を高速化した場合であっても、印刷媒体の搬送経路における印刷媒体の弛み量を、シンプルな構成により適切に調整できる。

（構成２）前記繰出し側バッファー領域には、前記繰出し側可動ローラーの変位を検出するための複数の第１センサーが配置され、前記制御部は、前記第１センサーの検出結果に基づいて、前記繰出しローラーの前記制御量を変更する、構成１に記載の印刷装置。
構成２の印刷装置によれば、繰出し側バッファー領域における繰出し側ローラーの変位を第１センサーにより検出するので、印刷媒体の搬送経路における印刷媒体の弛み量を、より適切に調整できる。

（構成３）前記制御部は、前記印刷モードにおいて、前記第１センサーを利用して前記繰出し側可動ローラーの変位を所定のタイミングで検出する、構成２に記載の印刷装置。
構成３の印刷装置によれば、繰出し側可動ローラーの変位を、繰出し側可動ローラーの位置が安定してから第１センサーにより検出する。このため、繰出し側可動ローラーの変位を、より正確に検出できる。

（構成４）前記所定のタイミングは、前記繰出し側可動ローラーの変位が停止してから前記印刷媒体の次の搬送が開始されるまでのタイミングである、構成３に記載の印刷装置。
構成４の印刷装置によれば、繰出し側可動ローラーの変位を、繰出し側可動ローラーの位置が安定してから検出するので、繰出し側可動ローラーの変位を、より正確に検出できる。

（構成５）前記所定のタイミングは、前記印刷部による画像の形成が完了したタイミングである、構成３に記載の印刷装置。
構成５の印刷装置によれば、繰出し側可動ローラーの変位を、繰出し側可動ローラーの位置が安定してから検出するので、繰出し側可動ローラーの変位を、より正確に検出できる。

（構成６）前記制御部は、前記連続搬送モードにおいて、前記印刷媒体の搬送中に前記第１センサーを利用して前記繰出し側可動ローラーの変位を監視する、構成２から構成５のいずれかに記載の印刷装置。
構成６の印刷装置によれば、連続搬送モードにおいて印刷媒体の弛みの状態を監視することにより、印刷媒体の汚損等を招くような事態を検出できる。

（構成７）前記繰出し側バッファー領域は、前記繰出し側可動ローラーを回転可能に支持する繰出し側可動プレートを有し、前記繰出し側可動プレートに被検出体を取り付け、前記複数の第１センサーは、繰出し側センサー取付けバーに配置される、構成１から構成６のいずれかに記載の印刷装置。
構成７の印刷装置によれば、繰出し側可動プレートに設けた被検出体を第１センサーによって検出するので、シンプルな構成によって繰出し側可動ローラーの変位を検出できる。

（構成８）前記繰出し側バッファー領域には、前記繰出し側可動ローラーの適正位置を含む第１範囲と、前記第１範囲の外側の第２範囲とが設定され、前記第１範囲には前記第２範囲より多い前記第１センサーが配置される、構成７に記載の印刷装置。
構成８の印刷装置によれば、第１センサーの数を抑えた構成によって、繰出し側可動ローラーの変位を、より正確に検出できる。

（構成９）前記印刷媒体を回収する巻取りローラーと、前記巻取りローラーと前記印刷部との間に位置する巻取り側バッファー領域と、前記巻取り側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える巻取り側可動ローラーと、を備え、前記制御部が制御する制御量は、前記巻取りローラーの巻取りにおける巻取り量、及び、巻取り速度を含み、前記制御部は、前記印刷モードを実行する場合に前記巻取り量を制御し、前記連続搬送モードを実行する場合に前記巻取り速度を制御する、構成１から構成８のいずれかに記載の印刷装置。
構成９の印刷装置によれば、巻取り側バッファー領域における印刷媒体の弛み量の状態に基づき、印刷モードにおける巻取り量と、連続搬送モードにおける巻取り速度とを制御することによって、印刷部の巻取り側における印刷媒体の弛み量を適切に調整できる。

（構成１０）前記巻取り側バッファー領域には、前記巻取り側可動ローラーの変位を検出するための複数の第２センサーが配置され、前記制御部は、前記第２センサーの検出結果に基づいて、前記巻取りローラーの前記制御量を変更する、構成９に記載の印刷装置。
構成１０の印刷装置によれば、巻取り側バッファー領域における印刷媒体の弛み量の状態を的確に判定し、印刷媒体の弛み量を調整することができる。

（構成１１）印刷媒体に画像を形成する印刷部、前記印刷媒体を印刷部へ向けて繰出す繰出しローラー、前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラー、及び、前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーを備える印刷装置を制御して、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行し、前記印刷モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し速度を制御する、印刷装置の制御方法。
構成１１の印刷装置の制御方法によれば、繰出し側バッファー領域における繰出し側可動ローラーの変位が適切な状態となるように、印刷モードの繰出しローラーの繰出し量、及び、連続搬送モードの繰出しローラーの繰出し速度を制御する。これにより、印刷媒体の搬送速度を高速化した場合であっても、印刷媒体の搬送経路における印刷媒体の弛み量を、シンプルな構成によって適切に調整できる。

１…印刷装置、２…筐体、３…媒体供給部、４…第１搬送ローラー部、５…印刷部、７…乾燥部、８…媒体回収部、１０…搬送経路、１２…インターフェイス部、１３…制御部、１４…駆動回路、１５…記憶部、１５ａ…動作設定情報、１５ｂ…繰出し設定情報、１５ｃ…巻取り設定情報、１７…入力装置、２１…センサーインターフェイス、２５…第１ガイドレール、３１…供給軸部（繰出しローラー）、３２…ロール体、５１…吐出ヘッド、５３…キャリッジ、５４…プラテン、６０…繰出し側バッファー部（繰出し側バッファー領域）、６１…巻取り側バッファー部（巻取り側バッファー領域）、６４…巻取り側センサー取付けバー、６５…繰出し側固定プレート、６７…繰出し側可動プレート、６８…巻取り側固定プレート、６９…巻取り側可動プレート、７０…蛇行補正部、７１…縦プレート、７５…蛇行精度維持領域、８１…巻取り軸（巻取りローラー）、１００…制御装置、１４１、１４１ａ～１４１ｅ…繰出し側センサー（第１センサー）、１５１、１５１ａ～１５１ｅ…巻取り側センサー（第２センサー）、２５４Ｄ、２５４Ｕ…検出体、３０１～３４３…搬送ローラー、３０５…搬送ローラー（繰出しローラー）、３０８…搬送ローラー（繰出し側可動ローラー）、３１０…搬送ローラー（繰出し側可動ローラー）、３１３…第１搬送ローラー、３１８…搬送ローラー（前駆動ローラー）、３２１…第１搬送ローラー、３３７…搬送ローラー（巻取り側可動ローラー）、３４２…巻取り搬送ローラー（巻取りローラー）、Ｍ１…繰出しモーター、Ｍ２…繰出しニップモーター、Ｍ３…供給ニップモーター、Ｍ４…排出ニップモーター、Ｍ５…巻取りニップモーター、Ｍ６…巻取りモーター、Ｍ７…第１キャリッジモーター、Ｍ８…第２キャリッジモーター、Ｓ…印刷媒体。

Claims (11)

1. 印刷媒体に画像を形成する印刷部と、
   前記印刷部へ向けて前記印刷媒体を繰り出す繰出しローラーと、
   前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラーと、
   前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーと、
   前記繰出しローラーの繰出しを制御する制御部と、を備え、
   前記制御部が制御する制御量は、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量、及び、繰出し速度を含み、
   前記制御部は、印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行可能であり、前記印刷モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実行する場合に前記繰出しローラーの繰出し速度を制御する、印刷装置。
2. 前記繰出し側バッファー領域には、前記繰出し側可動ローラーの変位を検出するための複数の第１センサーが配置され、
   前記制御部は、前記第１センサーの検出結果に基づいて、前記繰出しローラーの前記制御量を変更する、請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記制御部は、前記印刷モードにおいて、前記第１センサーを利用して前記繰出し側可動ローラーの変位を所定のタイミングで検出する、請求項２に記載の印刷装置。
4. 前記所定のタイミングは、前記繰出し側可動ローラーの変位が停止してから前記印刷媒体の次の搬送が開始されるまでのタイミングである、請求項３に記載の印刷装置。
5. 前記所定のタイミングは、前記印刷部による画像の形成が完了したタイミングである、請求項３に記載の印刷装置。
6. 前記制御部は、前記連続搬送モードにおいて、前記印刷媒体の搬送中に前記第１センサーを利用して前記繰出し側可動ローラーの変位を監視する、請求項２に記載の印刷装置。
7. 前記繰出し側バッファー領域は、前記繰出し側可動ローラーを回転可能に支持する繰出し側可動プレートを有し、前記繰出し側可動プレートに被検出体を取り付け、
   前記複数の第１センサーは、繰出し側センサー取付けバーに配置される、請求項２に記載の印刷装置。
8. 前記繰出し側バッファー領域には、前記繰出し側可動ローラーの適正位置を含む第１範囲と、前記第１範囲の外側の第２範囲とが設定され、前記第１範囲には前記第２範囲より多い前記第１センサーが配置される、請求項７に記載の印刷装置。
9. 前記印刷媒体を回収する巻取りローラーと、
   前記巻取りローラーと前記印刷部との間に位置する巻取り側バッファー領域と、
   前記巻取り側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える巻取り側可動ローラーと、を備え、
   前記制御部が制御する制御量は、前記巻取りローラーの巻取りにおける巻取り量、及び、巻取り速度を含み、
   前記制御部は、前記印刷モードを実行する場合に前記巻取り量を制御し、前記連続搬送モードを実行する場合に前記巻取り速度を制御する、請求項１に記載の印刷装置。
10. 前記巻取り側バッファー領域には、前記巻取り側可動ローラーの変位を検出するための複数の第２センサーが配置され、
    前記制御部は、前記第２センサーの検出結果に基づいて、前記巻取りローラーの前記制御量を変更する、請求項９に記載の印刷装置。
11. 印刷媒体に画像を形成する印刷部、前記印刷媒体を印刷部へ向けて繰出す繰出しローラー、前記繰出しローラーと前記印刷部との間に位置する繰出し側バッファー領域における前記印刷媒体に張力を与える繰出し側可動ローラー、及び、前記繰出し側バッファー領域と前記印刷部との間に位置して、前記印刷媒体を間欠的に搬送可能とする前駆動ローラーを備える印刷装置を制御して、
    印刷モードと連続搬送モードとを切り替えて実行し、前記印刷モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し量を制御し、前記連続搬送モードを実施する場合に、前記繰出しローラーの繰出しにおける繰出し速度を制御する、印刷装置の制御方法。

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