JP2024024876A - 安全スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】安全スイッチのスイッチ本体を稼働領域の内部に配置しても表示部の視認性を確保する。【解決手段】安全スイッチ(100)は、電磁石(130)を備えたスイッチ本体(102)と、電磁石(130)によって吸着されるアクチュエータ(104)とを備えている。スイッチ本体(102)は、その前端面が電磁石(130)の吸着面(130a)で構成されている。電磁石(130)の背面側には表示部(142)が設けられている。表示部(142)によって安全スイッチ(100)の状態が表示される。【選択図】図5

Description

本発明は安全スイッチに関する。
装置が稼働する環境において、人体が稼働している装置に対して自由に接触可能な状態では、装置によって人体に危害が及ぶ虞がある。装置が稼働する環境においては、稼働している装置により人体に危害が及ばないようにするために、換言すれば、安全状態を実現するために、防護柵や区画パネルにより当該装置が稼働する稼働領域を区画する。稼働領域を区画することにより安全状態を実現する一の方法は、稼働領域を防護柵などの固定部分で区画することで人体が稼働領域に入らないようにする、すなわち、稼働領域を人体が存在する領域から隔離する方法である。他の方法は、稼働領域を区画し、かつ、装置の稼働を制限可能な区画システムを構築する方法である。区画システムにおいては、稼働領域を防護柵等の固定部分で区画しつつ、その上で、作業者が稼働領域にアクセスできるように、区画の一部に開口と、この開口を開け閉めする可動部分と、を設置する区画、すなわち、作業者が稼働領域に入ることを許容する区画がなされる。区画システムでは、可動部分を監視し、その監視結果に応じて当該稼働領域で稼働する装置を、人体に危害を及ぼさないように制御するように、制御系統が構築される。このような区画システムにおいては、可動部分が設置される開口の領域に、可動部分の開閉を監視する安全スイッチが設置される。
安全スイッチは、区画の固定部分に配置されるスイッチ本体と、区画の可動部分を構成する開閉ドアに配置されるアクチュエータとから構成される。安全スイッチは、稼働領域を安全状態に維持するための機能として、可動部分であるドアが開放されたことを検出して出力し、区画システム全体では安全スイッチからの出力に応じて稼働領域内の装置を、人体に危害が及ばない状態に制御する。例えば、安全スイッチからの出力に応じて、稼働領域内の装置を停止させる、装置の動作速度を低下させる等のシステム構成にすることで、当該装置が稼働する環境の安全対策がなされる。
安全スイッチの一種として、ロックピン機構付き安全スイッチが特許文献1に開示されている。ロックピン機構付き安全スイッチは、区画固定部分に設置されたアクチュエータボルトと、ドアに設置されたスイッチ本体とを有し、スイッチ本体にロックピンが設けられている。アクチュエータボルトとスイッチ本体とは、ドアを閉じたときに、互いに対向する相対的な位置に配置される。ロックピン機構において、アクチュエータボルトにロックピンが機械的に係合することによりアクチュエータボルトとロックピンとが物理的に一体となるロック状態が形成される。ロックピン機構付き安全スイッチは、ロックピン機構付き安全スイッチがロック状態であることを検出できるように検出機構が設けられ、少なくともロック状態でないときにロック状態でないことを示す出力をする。ドアを閉じて、そして、ロックピン機構をロック状態にすることで、閉じた状態の開閉ドアは、区画の固定部分と一体化した状態で固定される。逆に、アクチュエータボルトからロックピンを離脱させることによりアンロック状態が形成され、ドアを開けることができる。
特許文献2は、安全スイッチの他の種類である電磁ロック機構付き安全スイッチを開示している。すなわち、電磁ロック機構付き安全スイッチは、電磁石と、これに吸着されるアクチュエータ磁化部材とを有している。可動部分を構成するドアにアクチュエータ磁化部材が設置され、他方、防護柵などの区画固定部分に、電磁石を含むスイッチ本体が設置される。電磁石を駆動してアクチュエータ磁化部材を電磁石が吸着することによりドアロック状態が形成される。安全スイッチは表示部を備え、表示部は稼働領域の安全状態を表示する。
特許文献2に開示のスイッチ本体を説明すると、吸着面の法線と直交する第1の軸線方向に長い全体形状を有している。そして、吸着面から第1の軸線方向に離間した位置に表示部が配置されている。吸着面が存在する面を「前面」と呼び、その反対側の面を「後面」と呼び、前面の各側縁と後面の各側縁とに連続する2つの面を「側面」と呼んで説明すると、スイッチ本体の全体形状において、吸着面は前面の一端部に配置されている。表示部は、吸着面から第1の軸線方向に離れた位置に且つ2つの側面に配置されている。
特開2019-183541号公報 特表2016-510382号公報
上述した通り、安全スイッチが用いられる安全対策においては、主に作業などの目的で人体が出入りする開口付近に、安全スイッチが設置される。このため、安全スイッチは作業者にとって邪魔な存在である。例えば安全スイッチを稼働領域の外部の区画固定部分に配置する場合には、安全スイッチの表示部を稼働領域の外部にいる作業者が確認し易いという利点があるが、開閉ドアの位置に関わらず、安全スイッチが区画固定部分から外部に突出した存在となるため、作業者にとって邪魔な存在となる。逆に、安全スイッチを稼働領域の内部に配置した場合、安全スイッチが区画固定部分から外部に突出することによる作業性の低下は解消されるが、開閉ドアを開放した時の作業性を維持しようとすると、安全スイッチの表示部を確認し難くなる。より詳細には、安全スイッチを稼働領域の内部に配置する場合、区画の可動部分としての開閉ドアが閉じた時に、開閉ドアに配置されるアクチュエータの近くにスイッチ本体が配置される必要がある。このため、スイッチ本体は、開閉ドアが開放されたときに開口として機能する領域を占有するような位置に配置される。このため、スイッチ本体を含む安全スイッチは可動部分が配置される開口の領域を狭める要因となるため、可動部分が開放されたとき、すなわち、可動部分が設置される開口を通じた作業を行うときに安全スイッチが邪魔になってしまう可能性がある。しかしながら、開口を通じた作業性のために、開口から見えない位置に配置すると視認性が低下する。また、開口内縁からの突出量を小さくして、作業性を維持しようとすると、開閉ドアが有する框部により安全スイッチが隠されるなどして、視認性が低下する。したがって、安全スイッチを稼働領域の内部に配置する場合において、開閉ドアを開放した時の作業性と、安全スイッチの表示部の確認しやすさと、を両立させることが困難であった。
本発明の目的は、安全スイッチのスイッチ本体を稼働領域の内部に配置しても表示部の視認性を確保できる電磁ロック機構付きの安全スイッチを提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、
被吸着面が形成された磁化部材がスイッチ本体に対して相対移動可能に設置される安全スイッチであって、
前記アクチュエータの相対位置が前記スイッチ本体に対して所定範囲にあることを検出する検出部と、
前記アクチュエータの被吸着面に対応する吸着面が前面側に形成された電磁石と、
前記アクチュエータの相対移動をロックするロック指示を受けるロック入力部と、
前記ロック入力部が受ける前記ロック指示に基づいて、前記電磁石の吸着面と前記アクチュエータの被吸着面とが吸着するように前記電磁石を駆動する駆動制御部と、
前記検出部の検出に基づく安全信号を生成する安全制御部と、
前記検出部による検出結果に基づいて状態情報を生成する表示制御部と、
前記電磁石よりも背面側の側方に配置され、前記表示制御部により生成された状態情報を表示する表示部と、を備える、安全スイッチを提供することにより達成される。
本発明の安全スイッチは、典型的には、スイッチ本体が稼働領域の内部に設置され、吸着面が可動部分と対向するように区画固定部分に固定される。本発明の安全スイッチにあっては、前面を構成する電磁石の背面側の側面に表示部が配置されているため、作業者が外部から稼働領域を覗き見たときに表示部を容易に確認することができる。
本発明の作用効果、他の目的は、以下の本発明の好ましい実施態様の詳細な説明から明らかになろう。
実施例の安全スイッチを設置した防護柵、防護ドアの正面図である。 図1のII-II線に沿って切断した断面図である。 本発明を適用可能なボックス状の装置を説明するための図である。 実施例の安全スイッチの一つの要素であるアクチュエータの斜視図である。 実施例の安全スイッチの他の要素であるスイッチ本体を斜め前方且つ斜め上方から見た斜視図である。 図5に図示のスイッチ本体を斜め前方且つ斜め下方から見た斜視図である。 図5に図示のスイッチ本体の正面図である。 図5に図示のスイッチ本体の側面図である。 図4に図示のスイッチ本体の断面図である。 図4に図示のスイッチ本体から筐体を取り外した状態のスイッチ本体の斜視図である。 図4に図示のスイッチ本体の電磁石から筐体を分離させて図示した図である。 設置した安全スイッチを稼働領域の内部から見た斜視図であり、安全スイッチを斜め上から見た図である。 図12に図示の安全スイッチを斜め下から見た斜視図である。 稼働領域の内部に配置したスイッチ本体をドアの外側から覗き見た図である。 実施例の安全スイッチの表示部の配置に関する作用効果を説明するための図である。 表示部の設置位置に関する一例を説明するための図である。 表示部の設置位置に関する他の例を説明するための図である。 実施例の安全スイッチの表示部の部分を断面した説明図である。 実施例に含まれるスイッチ本体の電気的な構成を説明するためのブロック図である。 図19に図示の第一MCUのブロック図である。 図19に図示の第二MCUのブロック図である。 表示部の表示態様を説明するための一覧表である。 実施例の安全スイッチの作用を説明するための模式図である。 第一MCUの制御の具体例を説明するためのフローチャートである。 電磁石に鉄片が密着しているか否かを判定する方法を説明するための図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。図1は、区画システム1としての、実施例の電磁ロック機構付き安全スイッチを設置した開閉ドア及び防護柵の説明図である。図2は、図1のII-II線に沿って切断した断面図である。図中、参照符号PFは防護柵を示し、参照符号PDは開閉ドアを示す。図1は、区画システム1により区画される稼働領域Sの外から、区画システム1を見たときの説明図である。区画システム1は、区画固定部分としての防護柵PFと、区画固定部分に対して移動可能な可動部分を構成するドアPDと、安全スイッチ100と、から構成される。区画システム1は、安全スイッチ100が出力する安全関連出力に基づいて、稼働領域Sの内部の装置の稼働を制限することで、稼働領域Sを安全な状態に維持する。本実施例において、安全スイッチ100は稼働領域S内に配置される。防護柵PFは、装置が稼働する稼働領域Sを区画する区画システム1の区画固定部分を構成する。区画固定部分に対して可動部分を構成するドアPDが設置される開口は、ドア開口枠2で形成されている。図1を参照して、可動部分を構成するドアPDの一側には、上下に離間した複数のヒンジ4が設けられ、この複数のヒンジ4を介してドア開口枠2の垂直枠部2aに取り付けられている。すなわち、ドアPDは片開き式ドアである。
図1、図2を参照して、ドアPDは、ドアフレーム6と、ドアフレーム6に包囲された透明ボード8とで構成されている。ドアPDは、その一側に上記ヒンジ4が取り付けられ、他側にドア操作部10が取り付けられている(図1)。ドア操作部10を操作することにより、ドア開口枠2と係脱するドアラッチ(図示せず)が開放されてドアPDを開くことができる。
図2は、ドアPDが閉じた状態を示し、ドアPDを構成するドアフレーム6がドアストッパ110に接触し、位置決めされている。図2において、防護柵PFと開閉ドアPDとにより区画される稼働領域Sは、図2の紙面上において、防護柵PFとドアPDより右側に位置する領域である。閉じた状態のドアPDに関連して安全スイッチ100が稼働領域S側に配置されている。ドアPDが閉じた状態で安全スイッチ100がドアPDに対して稼働領域S側に位置するように配置されることにより、安全スイッチ100が稼働領域Sの内部に配置される。図2を参照して、安全スイッチ100はスイッチ本体102とアクチュエータ104とで構成されている。スイッチ本体102は、ドア開口枠2の上方水平枠部2bの稼働領域S側の面に、第1ブラケット106を介して固定されている。スイッチ本体102は吸着面130aを有する電磁石130を備える。ドアPDが閉じた状態において、吸着面130aがドアPDと対向するように、換言すれば、稼働領域Sの外部に向くように、スイッチ本体102がドア開口枠に設置される。なお、図2には、互いに直交する3つの方向を示す矢印X,Y,Zが図示されているが、後述するように、安全スイッチ100の配置姿勢に対応している。
実施例の安全スイッチ100のスイッチ本体102は、後に図8などを参照して説明するように、電磁石130(図9)と基板収容部132とを含み、基板収容部132には基板Cb(1)、Cb(2)(図9、図10)が収容されている。
他方、アクチュエータ104はドアフレーム6の稼働領域S側の面に配置され、具体的には、第2ブラケット108を介して、ドアフレーム6の上辺フレーム部分6aに固定されている(図2)。ドア開口枠2、ドアフレーム6は、共に、周知の構造である閉じた矩形の横断面を有するが、変形例として、コ字状断面又はL字状断面の形状を有していてもよい。
ドアPDは特許文献2に記載の開閉ドアに関連している。他方、図3は、作業システムを収容したボックス状の装置500を示す。図3において、3台の装置500が横並びに配置されている。各装置500のボックス502には、その内部に設置された装置504に作業者が手でアクセスできるように、ドアPDの一例としての観音開きの開閉ドア506が取り付けられている。開閉ドア506に関連して、ボックス状の装置500に安全スイッチ100を設置することができる。
以下、典型例として、図1、図2に開示のドアPDに適用した実施例に基づいて本発明の実施例を説明する。図4は、安全スイッチ100に含まれるアクチュエータ104の実質的な正面図であり、アクチュエータ104の正面形状を説明するための図である。アクチュエータ104は、磁化部材である鉄片120を主体として構成され、プラスチック成型品122、アクチュエータ通信部124、取付金具126を備えている。鉄片120は正面視円形であり、正面に、吸着面130aと吸着する被吸着面120aを有する。鉄片120の直径を参照符号D1で示す。鉄片120はプラスチック成型品122に取り付けられる。鉄片120の周囲はプラスチック成形品122で覆われており、このプラスチック成形品122に覆い隠された態様で、アクチュエータ通信部124が配置されている。取付金具126は、プラスチック成型品122に対して鉄片120と反対側に設けられ、図4紙面上の左右に延びる形状を有する。取付金具126には、アクチュエータ104の正面から見える部分に、当該取付金具を締結するためのネジが挿通される一対の取付孔が設けられる。この一対の取付金具126が第2ブラケット108に締結され、アクチュエータ104は、第2ブラケット108を介してドアPDに固定される(図2)。ドアPDが閉じた状態で、アクチュエータ104とスイッチ本体102の相対的な位置関係は、アクチュエータ104はドアフレーム6の稼働領域S側の面に位置する。すなわち、ドアPDが閉じた状態において、鉄片120の被吸着面120aが稼働領域Sに向いた状態となるように、アクチュエータ104がドアフレーム6に設置される。他方、スイッチ本体102は稼働領域Sの内部に位置する。なお、本実施例にでは、アクチュエータ104は第2ブラケット108を介してドアPDに固定されるが、取付金具126が直接ドアフレーム6に締結され、アクチュエータ104がドアPDに固定される構成であっても良い。
図2に図示の配置例に基づいてアクチュエータ104をドアPDに固定するときの配置例について具体的に説明する。アクチュエータ104は、前述したように、ドアフレーム6の上辺フレーム部分6aに固定される。本実施例では、アクチュエータ104の一対の取付金具126が横方向つまり上辺フレーム部分6aの長手方向に取付孔が並ぶようにして取付金具126が固定される。この設置例において、図4の参照符号Haはアクチュエータ104に含まれる正面視円形の鉄片120の高さを示す。アクチュエータ104は、図2に設置例では、高さHaの方向が上辺フレーム6aの幅Wdfの方向に整合した状態でドアフレーム6に固定される。アクチュエータ104の高さHaは、矩形断面のドアフレーム6の平均的な幅Wdfと等しいか又は小さい(図2)。ドアフレーム6に設置したアクチュエータ104は、その一部がドアフレーム6の内側つまり透明ボード8の部位まで突出していてもよいが、この突出量は、極力小さい方が望ましい。これにより、アクチュエータ104の存在が作業の邪魔になるのを低減することができる。
本実施の安全スイッチ100において、スイッチ本体102の電磁石130とアクチュエータ104の鉄片120とは電磁ロック機構として機能する。そして、前述したように、安全スイッチの電磁ロック機構は、歴史的に、ロックピン機構の技術的思想を踏襲して開発されている。実施例の電磁ロック機構付き安全スイッチ100の設計思想を説明する。一般論として、安全スイッチの役割を検討してみると、稼働する装置が配置される稼働領域において、この稼働領域を安全な環境に維持させる、という本来的な要求はドアの開閉を検出する機能で実現され、ドアロック機能に要求される役割は、稼働領域において装置を稼働させ続けること、である。したがって、ドアロック機能は、稼働領域において装置を稼働させ続けることを実現できれば足りるということができる。換言すれば、安全スイッチのドアロック機能に求められる基本事項は、装置の稼働中に開閉ドアの不用意な開放を阻止することである。これは、開閉ドアが不用意に開放されると、稼働領域を安全な環境に維持するための安全スイッチの機能により、稼働領域において装置の稼働が制限されるからである。すなわち、稼働領域S(図2)又はボックス502(図3)内の装置の運転が、ドアPD、506の不用意な開放によって中断されてしまうのを防止するのが、安全スイッチに求められるドアロック機能の本質的な役割である、ということができる。
従来、安全スイッチのドアロック機能は、稼働領域を安全な環境に維持させることにも寄与できるように設計されている。このため、電磁ロック機構にも、比較的強い操作力でもドアが開放されない程度に強い磁力の電磁石が採用されていた。しかしながら、ドアロック機能の役割を、安全な環境に維持させることではなく、装置を稼働させ続けること、とする観点に立脚すると、電磁ロック機構付き安全スイッチに採用する電磁石の磁力の程度は、従来と同じであってもよいが、これよりも磁力を弱くしてもよい。作業者がドアPDを開ける操作を行う際に、ドアPDを開けるのに必要とされる操作力に関し、少なくとも「貴方は、今、ドアPDを開ける操作を行っているが、貴方の意思通りであるか?」と作業員に問いかけることができる操作力を求めることで、開閉ドアの不用意な開放を阻止できる。ドアPDを開けるのに、作業者の意思を確認できる一定の操作力を電磁石によって求めれば、これ以上の操作力を求めなくても、ドアPDの不用意な開放を阻止できる。
したがって、任意であるが、電磁石130の磁力の程度に関し、従来よりも弱くして、例えば、ドアPDがドアノブなどの操作部を備えている場合に、ドアノブを回転させる操作力がドアノブに加わるとドアラッチが解除されるが、少なくともドアラッチを解除する操作力よりも強い磁力の電磁石130が用いられる。これにより、作業者に、ドアPDを開放させるのを思いとどまらせることができ、不用意なドアPDの開放を阻止できる。そして、ドアPDの不用意な開放に伴って発生する、装置の予期しない運転中断を回避することができる。
図5を参照して、スイッチ本体102は電磁石130を備える。電磁石130はその吸着面130aと側面とが露出するように配置される。スイッチ本体102は、スイッチ本体102を区画システム1の固定部分であるドア開口枠2に固定するための取付部としてのネジ穴130cを有している。より詳細には、電磁石130は、その側面に吸着面130aの中心から外に向かう方向に沿って突出する突出部130bを有し、突出部130bにネジ穴130cが設けられている。図2に図示の配置例で説明すれば、スイッチ本体102は、断面L字状の第1ブラケット106を介してドア開口枠2の上方水平枠部2bに固定される(図2)。図2の配置例で説明すれば、突出部130bは電磁石130の上部に突出して位置し、突出部130bの平らな頂面が取付面を構成し、取付面にネジ穴130cが設けられている。この取付面は電磁石130の側面に形成してもよい。
例えば、図5には、互いに直交する3つの方向を示す矢印X、Y、Zが図示されている。矢印X、Y、Zに示される方向はいずれも安全スイッチ100の配置姿勢に対応し、矢印X、Y、Zに示される方向をそれぞれX軸線方向、Y軸線方向、Z軸線方向と呼ぶ。Y軸線方向は、電磁石130の吸着面130aの法線方向を示す。Z軸線方向は、Y軸線方向と直交し且つ吸着面130aと平行な且つ吸着面130aの中心に対して突出部130bが突出する方向を示す。X軸線方向は、吸着面130aと平行な且つZ軸線と直交する方向を示す。本実施例の安全スイッチ100は、図2に示すように、閉じた状態のドアPDに対して吸着面130aが対向するように配置されるため、閉じた状態のドアPDの法線方向はY軸線方向に一致する。また、本実施例の安全スイッチ100は、吸着面130aの中心に対して突出部130bが突出する方向が、閉じた状態のドアPDの上辺フレーム部分6aの延伸方向や、ドア開口枠2の上辺水平枠部2bの延伸方向に直交するように配置される。このため、本実施例においては、上辺フレーム部分6aの延伸方向や、上辺水平枠部2bの延伸方向はX軸線方向に一致し、また、ドアPDに対して稼働領域S側に向かう方向、すなわち稼働領域Sの奥行方向はY軸線方向に一致する。なお、以降の説明では、Y軸方向において、閉じた状態のドアPDから吸着面130aに向かう方向を「後方」、反対に向かう方向を「前方」、Z軸方向において、吸着面130aから突出部130bに向かう方向を「上方」、反対に向かう方向を「下方」と呼ぶ場合がある。
図5ないし図11はスイッチ本体102に関する図である。図5は、スイッチ本体102を斜め前方且つ上方から見た斜視図である。図6は、スイッチ本体102を斜め下方から見た図である。図7は正面図である。図8は側面図である。図5、図6、図8から良く分かるように、スイッチ本体102はY軸線方向(吸着面130aの法線方向)に延びる略筒状の全体形状を有する。スイッチ本体102は、Y軸線方向において前方側の一端面を構成する吸着面130aを含む電磁石130を有し、吸着面130aから他端面までの長さL(図5)は、吸着面130aの直径よりも長い。
吸着面130aは、スイッチ本体102の一端面つまり前端面の主体を構成している。図5ないし図8を参照して具体的に説明すると、電磁石130の周囲に筐体Hgを有する場合、筐体Hgの端面132cよりも吸着面102が突出し、この吸着面102によってスイッチ本体102の前端面が構成される。吸着面130aは、前述したように、ドアPDを閉じたときに、ドアPDのアクチュエータ104と対向する。
図5に示すようにスイッチ本体102は、基板を収容する基板収容部132を含む筐体Hgと、アクチュエータ104の検出結果に基づき安全スイッチ100から出力される安全関連出力に対応する表示をする表示部142と、を備える。電磁石130には背面側、すなわちY軸線方向において吸着面130aと反対側に接続部が形成され、当該接続部により電磁石130と筐体Hgとが接続される。基板収容部132は、Y軸線方向において、電磁石130の吸着面130aと反対側に位置する。換言すれば基板収容部132は、電磁石130の後方、もしくは電磁石130の背面側に位置する。このため、電磁石130のX軸線方向の寸法及びZ軸線方向の寸法に対して、スイッチ本体102全体のX軸線方向の寸法やZ軸線方向の寸法が大きくなりにくい。また、表示部142は、筐体HgのうちY軸線方向において電磁石130に対して吸着面130aと反対側、すなわち電磁石130の後方に位置する。スイッチ本体102は、X軸線方向の寸法とZ軸線方向の寸法とのいずれよりも、Y軸線方向の寸法が大きい形状である。このため、同様の容量を必要とする他のスイッチ本体と比較して、前方から見たときに、ドア開口枠2に形成される開口に占める面積が小さくなりやすい。
図6に示すように、表示部142はスイッチ本体102において、取付孔130cが設けられる上方と反対側の下方から視認しやすい位置に設けられる。より詳細には、スイッチ本体102は、電磁石130と筐体Hgと、により、スイッチ本体102を吸着面130aの法線方向を軸とする略円柱形状の外形を有する。スイッチ本体102を略円柱形状と見なしたときに、その周面において、取付孔130が設けられる部分と反対側の部分を含むように表示部142が設けられる。これにより、稼働領域Sの内部に配置されても、稼働領域Sの外から視認しやすい位置に表示部142が位置する。また、表示部142の外表面は、該外表面の法線のうち該外表面から下方の部分が前方に向けて前下がりに傾斜する形状を有する。なお、本実施例では、スイッチ本体102は略円柱形状の外形を有するが、電磁石130と筐体Hgと、により略角柱形状の外形を有しても良い。この場合スイッチ本体102には、略角柱形状の側面に表示部142が設けられる。
図7は、スイッチ本体102を前方から見た正面図である。図7の紙面法線方向は、Y軸線方向に平行である。上述したように、基板収容部132は電磁石130の後方に位置する。このため、スイッチ本体102を前方から見ると、図7に示すように、基板収容部132を有する筐体Hgの大部分が、電磁石130に隠される。したがって、筐体Hgを設けることによる、前方から見たときのスイッチ本体102が占める面積の増大量が抑えられる。本実施例においては、前方から見たときに、吸着面130aが占める面積に対して筐体Hgの占める面積の比率が小さい。また、後述するように、本実施例では、アクチュエータ104が備える鉄片120の直径D1(図4、図23)が吸着面130aの直径D2(図23)よりも大きくなるように設計される。したがって、電磁石130が鉄片120を吸着する状態において、前方から見たときに、アクチュエータ104によってスイッチ本体102の大部分が隠される。
図7に示すように、前方から見たときに筐体Hgが占める領域は、吸着面130aの中心に対してネジ穴130cが設けられる側に位置する領域が、吸着面130aの中心に対してネジ穴130cが設けられるのと反対側に位置する領域より大きい。換言すれば、正面視において、筐体Hgの大部分は、吸着面130aの中心に対して上方に位置する。ネジ穴130cによりスイッチ本体102が固定されるとき、吸着面130aのX軸方向最大寸法部分と、スイッチ本体102が取り付けられるドア開口枠2との間にデッドスペースが生じる。当該デッドスペースが筐体Hgを設ける領域に活用されることにより、ドア開口枠2を介しての作業性が低下しにくい。したがって、筐体Hgが、正面視において筐体Hgが占める領域が吸着面130aの中心に対してネジ穴130cが設けられる側に多くなるように構成されることにより、スイッチ本体102が配置されたドア開口枠2を介しての作業の作業性が確保される。
図8はスイッチ本体102の側面図である。スイッチ本体102は、電磁石130に関して、吸着面130aとは反対側に基板収容部132を有している(図9)。参照符号Hgは、基板収容部132の筐体を示す。基板収容部132のうち、Y軸線方向において吸着面130aが位置するのと反対側、すなわち後方の端面134にコネクタ連結部144が設けられる(図8、図9)。後端面134は、スイッチ本体102における、吸着面130aが位置するのと反対側の端面でもある。コネクタ連結部144はY軸線方向に沿って吸着面130から遠ざかる方向に延びている。基板収容部132の端面134にコネクタ連結部144を設けることにより、コネクタ連結部144に接続されるケーブルの配置に関し、ケーブルをスイッチ本体102の周りに位置させる必要はない。また、基板収容部132の端面134にコネクタ連結部144に配置されるため、コネクタ連結部144に接続されるケーブルのうち、少なくともコネクタ連結部144の近傍の部分は、スイッチ本体102より後方に位置する。このため、ケーブルにより、前方からの表示部142の視認性が低下する虞が低減する。また、コネクタ連結部144に接続されるケーブルを、スイッチ本体102より後方に引き回す、ネジ穴130cがある上方に引き回すなどすることにより、ドア開口枠2により形成される開口近傍にケーブルを位置させない引き回しが可能になるため、ドア開口枠2を介しての作業の作業性が低下しにくい。
図9は、Z軸線に沿って切断したスイッチ本体102の縦断面図である。図10は、基板収容部132に配置された2つの基板Cb(1)、基板Cb(2)の配置を説明するための図である。ここに、図10は、筐体Hgを取り外して基板収容部132の内部を露出させた図である。図11は、電磁石130と筐体Hgの分解斜視図である。
図10を参照して、電磁石130のヨーク部分の一部を隆起させた形状にすることで、特に限定するものではないが、この隆起形状部で突出部130bが好ましくは構成されている。図2に図示の配置例では、突出部130bが上に位置するように取り付けられているが、取付部103bが横に位置するようにスイッチ本体102を取り付けることも可能である。
Z軸線方向に突出する突出部130bは、図5、図9から分かるように、前後つまりY軸線方向に離間した2つの取付部としての取付孔130cを有し、この2つの取付孔130cに螺合するネジScを使って断面L字状の第1ブラケット106に固定される(図2)。
図9、図10を参照して、基板収容部132には、第1基板Cb(1)と第2基板Cb(2)が収容され、第1基板Cb(1)と第2基板Cb(2)は直交した状態で配設されている。具体的には、第1基板Cb(1)は、その板面がY軸線方向に沿った姿勢で配置され、第2基板Cb(2)は、その板面がZ軸線方向に沿った姿勢で配置されている。第2基板Cb(2)は、第1基板Cb(1)の後端部において、図9に図示の状態において、好ましくは第1基板Cb(1)から垂下する状態で配置されている。
上述の通り、スイッチ本体102は、少なくとも、スイッチ本体102により出力される安全関連出力に対応する表示をする表示部142(図2、図5、図8)を有している。表示部142は、スイッチ本体102の、取付部としてのネジ穴130cが位置する取付面の反対側から視認可能な位置に設けられている。つまり、突出部130bの頂面で形成される取付面が存在しない側から視認可能な位置に設けられている。ドア開口枠2にスイッチ本体102が固定されるとき、ネジ穴130cはドア開口枠2に形成される開口から外側に向かうように配置されて固定される。このため、ネジ穴130cが設けられる取付面と反対側の面は開口の内側に向かうように配置される。図2の例では、スイッチ本体102はドア開口枠2のうち上辺水平枠部2bに固定されるため、開口から外側に向かう方向は上方である。そして、上辺水平枠部2bにおいて、開口の内側は下方であるため、表示部142が設けられる面は、下方に面する。本実施例では、開口を形成するドア開口枠2のうち上辺水平枠部2bに固定されるが、ドア開口枠2のうちヒンジ4が設けられる側と反対側の枠部(図1紙面上における右側の枠部)にスイッチ本体102が固定される場合は、表示部142は、図1紙面上の左方に位置する。このようにネジ穴130cと反対側に表示部142を設けることにより、ドア開口枠2のうち、スイッチ本体102が取り付けられる枠部と反対側、すなわち、開口の内側に表示部142が面する。透明ボード8を有するドアPDの外側から稼働領域Sを覗き込む場合、透明ボード8が開口の内側に位置するため、開口の内側からスイッチ本体を視認することになる。このため、ドア開口枠2に固定されたときに開口の内側に表示部142が位置するようにすることで、表示部142の視認性が向上する。
第2基板Cb(2)はコネクタ連結部144に接続され、この第2基板Cb(2)には、下部の前面に色違いの複数の表示灯150(図9)、具体的には複数のLED素子が実装されている。複数の表示灯(LED素子)150は、表示部142の光源を構成する。スイッチ本体102の全体形状において、視認可能な面に配置された表示部142は、周知のように、スイッチ本体102の動作状態を識別可能な色で表示する機能を有している。
取付部の配置位置の変形例を図18に基づいて説明する。図5などに基づいて説明した取付部としての取付孔130cはZ軸線方向の面に取付面を形成するものであるが、図18から分かるように、X軸線方向の面に取付面130c-2を形成してもよい。この取付面130c-2は、スイッチ本体102のX軸線方向において対向する2つの面に形成するのが好ましい。この変形例においても、取付面130c-2でない面、図示の例で言えば下面に表示部142が設けられているため、表示部142は下方から視認可能である。
図9を参照して、基板収容部132において、板面が前後つまりY軸線方向に沿って延びる第1基板Cb(1)と、板面がZ軸線方向に沿って延びる第2基板Cb(2)とによって限定的な照明空間Lsが形成されている。そして、この限定された照明空間Lsに向けて、第2基板Cb(2)に実装されたLED150の光が出射され、これにより、表示部142の表示が行われる。勿論、光源を構成するLED150を第1基板Cb(1)に設けてもよい。
表示部142の点灯状態は、防護ドアPDの透明ボード8(図2)を通じて、防護ドアPDの外側から視認することできる。この点に関して、図12~図17を参照して説明する。図12、13は、防護ドアPDを稼働領域S側から見た図である。図14は、防護ドアPDを外側から稼働領域Sを覗き見た図である。スイッチ本体102を稼働領域Sの内部に配置したときに、ドアPDを通じて外部からスイッチ本体102を覗き見たときの表示部142の視認性を図15を参照して説明する。図15は、ドアPDの外部から表示部142を覗き見るときの、表示部142の視認性を説明するために作成した模式図である。図中、参照符号Eyは作業者の目である。
図12に示すように、第一ブラケット106にはZ軸線方向に寸法の低い部分が設けられる。これによれば、第一ブラケット106の直上に天井面が配置されるような環境においても、当該Z軸線方向に寸法の低い部分を介してケーブルを配置することができる。また、図13に示すように電磁石130の吸着面130aに対してアクチュエータ104の被吸着面120aが一回り大きい構成となっている。このため、吸着面120aの軸線方向において吸着面120aの近傍に表示部142が設けられると、アクチュエータ104により表示部142の視認が妨げられる虞がある。
図15において、参照符号142-1は、スイッチ本体102の吸着面130aの近位に位置する表示部を示す。すなわち、吸着面130aと表示部142-1との間のY軸線方向の距離D-1が相対的に小さい。参照符号142-2は、吸着面130eの遠位に位置する表示部を示す。吸着面130aと表示部142―2との間のY軸線方向の距離D-2が相対的に大きい。図15から理解できるように、表示部142は、吸着面130aの近位に配置するよりも遠位に配置させた方が、外部からドアPDを通じて表示部142を見たときの視認性が良いことが分かる。吸着面130aに対して遠位に表示部142を配置するために、本実施例の表示部142は、スイッチ本体102のY軸線方向の全長Lの半分の長さの中間ラインImdを含む中間ラインImdよりも後方に配置される。このように、表示部142が、少なくとも一部が、中間ラインImdより後方に配置されることにより、スイッチ本体102の前面側からの視認性を向上させることができる。また、本実施例では、Y軸線方向において、吸着面130aから離れた位置に表示部が設けられ、電磁石130の側面が露出される。この構成によれば、スイッチ本体102を固定する際に位置を調整するべき電磁石130の視認しやすさと、スイッチ本体102が固定された後の表示部142の視認しやすさと、を両立することができる。さらに本実施例では、Y軸線方向において中間ラインImdより後方に表示部142の前端が位置するように、すなわち、Y軸線方向において吸着面130aに対してスイッチ本体102の全長の半分以上離間するように、表示部142が設けられる。これによれば、スイッチ本体102の後方にのみ表示部が位置するため、スイッチ本体102を取り付けるときの自由度が向上する。
図16、図17は、表示部142の配置位置の変形例を説明するための図である。図16に図示の参照符号「1/3Ln」は、吸着面130aからY軸線方向にスイッチ本体102の全長Lの1/3離れた第1ラインを示す。表示部142は、スイッチ本体102の第1ライン1/3Lnを含む第1ライン1/3Lnよりも後方に、つまり吸着面130aから第1ライン1/3Lnを含む第1ライン1/3Lnよりも離れた箇所に配置してもよい。図17に図示の参照符号「2/3Ln」は、吸着面130aからY軸線方向にスイッチ本体102の全長Lの2/3の長さ離れた第2ラインを示す。表示部142は、スイッチ本体102の第2ライン2/3Lnを含む第2ライン1/3Lnよりも後方に配置してもよい。このように、吸着面130aに対して離れた位置を含むように表示部142を配置することで、スイッチ前面側からの視認性が向上する。また、このように、吸着面130aに対して、適宜、表示部142を離間させることで、電磁石130を露出させることができる。特に図16に示される第1ラインより後方に表示部142を配置させることによれば、電磁石130の側面を十分に露出させることができる。
表示部142の外表面は、Y軸線方向に平らな断面形状で構成されていてもよいが、この実施例では、図18から分かるように湾曲した断面形状の周面を有している。図18は、表示部142の断面図であり、模式図である。
図18から分かるように、表示部142は、図18に図示の状態で説明すれば、下面だけでなく、左右の側面に亘って連続して延びている。すなわち、表示部142は、スイッチ本体102の周方向に連続して延びる形状を有している。このようにスイッチ本体102の表示部142は、取付部130bとはZ軸線方向に反対側の面、つまり図示の例で言えば下面から両側面に亘って連続して延びる形状を有し、好ましくは、側面のZ軸線方向半分まで延びている。図2の配置例で説明すれば、ドアPDを通じて稼働領域Sに位置するスイッチ本体102を外部から覗き見たときに、スイッチ本体102の下方からだけでなく、側方からも表示部142を視認することができる。また、図1のスイッチ本体102の取付姿勢とは別の取付姿勢であっても、外部から表示部130bを容易に視認することができる。
また、外部からの視認性を高めるために、図8から良く分かるように、表示部142の外表面は、Y軸線方向において、吸着面130aに向けて前下がりの先細りの形状を有している。
基板収容部132の筐体Hgはプラスチック成形品で構成されている。筐体Hgの一部は吸着面130aの方向に延びて電磁石130の突出部130bの一部を包囲する形状を有している。筐体Hgは突出部130bの頂面と実質的に同じ高さレベルの平らな頂面を有している(図5)。
第1基板Cb(1)の本体Cb(本体)には、電磁石130の駆動信号を生成する制御回路、電源回路、アクチュエータ104との通信回路などが搭載される。他方、第2基板Cb(2)には、表示灯制御回路などが搭載される。
図10を参照して、基板収容部132において、Y軸線方向に沿って板面が延びる第1基板Cb(1)は、基板収容部132に位置し且つ制御回路などが搭載された本体Cb(本体)から吸着面130aの近傍までY軸線方向に延びる細長い左右一対の基板延長部Cb(1ex)を有している。一対の基板延長部Cb(1ex)はX軸線方向において突出部130bを挟んでその両側に位置している。一対の基板延長部Cb(1ex)を突出部130bの両側に位置させる構成により、基板延長部Cb(1ex)の存在によってスイッチ本体102のZ軸線方向の高さ寸法が増大するのを防止することができる。また、基板延長部Cb(1ex)は、その一部が、Z軸線方向視において、電磁石130と重なる位置に配置される。このため、基板延長部Cb(1ex)の存在によってスイッチ本体102のX軸線方向の寸法の増大を低減することができる。
一対の基板延長部Cb(1ex)において、一方の基板延長部Cb(1ex)には、その先端部にセンサ側コイル(アンテナコイル)152が搭載されている(図10)。センサ側コイル152は、アクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にあることを検出する検出部を構成する。一方の基板延長部Cb(1ex)の先端部にセンサ側コイル152を搭載することにより、Y軸線方向においてセンサ側コイル152を吸着面130aの近くまで位置させることができる。その結果、センサ側コイル152の検知能力を高めることができる。このセンサ側コイル152は、周知のように、前述したアクチュエータ104のアクチュエータ通信部124に対応して配置される。このとき、センサ側コイル152によるアクチュエータ通信部124の検知のために、センサ側コイル152は金属ではなくプラスチックからなる筐体Hgで覆われる。このため、スイッチ本体は、アクチュエータ102に対向する面に、吸着面130a以外に筐体Hgの一部が存在する。本実施例では、上述したように、この筐体Hgの一部をデッドスペースに配置することによって、スイッチ本体102が配置されるドア開口枠2を介しての作業性を維持する。
例えばドアPDを閉じる過程において、ドアPDの閉じ動作に連動してアクチュエータ104の鉄片120は、図23を参照して、スイッチ本体102の吸着面130aに接近し、次いで鉄片120はスイッチ本体102の吸着面130aと重なり合う。鉄片120(被吸着面120a)の直径D1(図4)が吸着面130aの直径D2よりも大きな値となるように設計される。鉄片120が正規の状態でスイッチ本体102に重なり合った状態、つまり鉄片120の中心O1と吸着面130aの中心O2が整合した正規の状態に基づいて、吸着面130aの外縁が鉄片120の被吸着面120a内に位置するように、吸着面130aの直径D2に対して鉄片120の直径D1が設定される。これにより、スイッチ本体102及び/又はアクチュエータ104が、許容可能な相対変位したとしても、スイッチ本体102はアクチュエータ104を所定の吸着力で固定することができる。
ドアPDが閉じた状態、すなわち、センサ側コイル152がアクチュエータ通信部を検知すると、稼働領域S(図2)に設置された装置を制御する制御装置(例えばPLC)に安全関連出力を出力する。センサ側コイル152に関連したRFID検出回路(図示せず)は、第1基板Cb(1)の基板延長部Cb(1ex)に実装され、電磁石130はセンサ側コイル(アンテナコイル)152からの信号に基づいて制御される。
図19はスイッチ本体102の電気的な構成を説明するためのブロック図である。スイッチ本体102の制御回路200は、第一MCU202と第二MCU204を含む。第一MCU202と第二MCU204は相互に通信することで相手方を監視している。
第一MCU202は送信回路206に接続されている。送信回路206はセンサ側コイル(アンテナコイル)152に接続されている。センサ側コイル152は受信回路208に接続されている。受信回路208は、第一MCU202と第二MCU204との両方に接続されている。センサ側コイル152はアクチュエータ通信部124が備えるコイルとの間で無線信号をやり取りするために制御される。第一MCU202は、送信回路206を介してセンサ側コイル152を駆動して、センサ側コイル152から無線信号をアクチュエータ通信部124に供給する。アクチュエータ通信部124は少なくともコイルと回路とを有し、図4に示すように、プラスチック成型品122に覆われる部分にコイルが位置するように配置される。第一MCU202と第二MCU204は、アクチュエータ通信部124からの無線信号をセンサ側コイル152及び受信回路208を介して受信する。RFID152は、センサ側コイル152と応答回路を有している。アクチュエータ通信部124は無線タグ(RF-IDタグ)であってもよい。応答回路はセンサ側コイル152に発生する誘導電流を電源として動作する。応答回路はセンサ側コイル152により受信された無線信号を復調して情報を取得し、さらにセンサ側コイル152を介して無線信号(応答信号)を送信する。
図20、図21を参照して、第一MCU202の測定部210aと第二MCU204の測定部210bは、それぞれ、センサ側コイル152と受信回路208を介して受信されたアクチュエータ通信部124からの無線信号の強度を測定し、無線信号の強度に基づきスイッチ本体102とアクチュエータ104との距離d(図23)を推定する。第一MCU202の安全判定回路214aと第二MCU204の安全判定回路214bとはそれぞれ、推定された距離dが閾値以下であること、すなわち、アクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にあるかどうかを判定する。換言すれば、少なくとも、センサ側コイル152と、受信回路208と、第一MCU202もしくは第二MCU204と、により、アクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にあることを検出する検出部が実現される。なお、距離dの代わりに無線信号の強度をそのままアクチュエータ104の位置の検知に使用してもよい。第一MCU202の復調部212aと第二MCU204の復調部212bは、それぞれ、センサ側コイル152と受信回路208を介して受信されたアクチュエータ通信部124からの無線信号により搬送されてきた情報を復調し、この情報に基づきアクチュエータ104を識別する。この情報には、固有の識別情報が含まれていてもよい。
第一MCU202の安全判定回路214aは、測定部210aによる測定と復調部212aによる識別とに基づいて、推定された距離dが閾値以下であること、およびアクチュエータ104が所定のアクチュエータとして識別されること、との二つの条件が満たされるかどうかを判定し、判定結果を第二MCU204に送信する。より詳細には、判定結果は、両方の条件が満たされるか、少なくともいずれか一方の条件が満たされないか、の二種がある。同様に、第二MCU204の安全判定回路214bは、測定部210bの測定と復調部212bによる識別とに基づいて、推定された距離dが閾値以下であることおよびアクチュエータ104が所定のアクチュエータとして識別されること、との二つの条件が満たされるかどうかを判定し、判定結果を第一MCU202に送信する。第一MCU202の安全判定回路214aは、自己の判定結果と第二MCUの判定結果とが一致している場合に所定のアクチュエータとして識別されるアクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にある状態、すなわち、ドアPDが閉じた状態であると判定する安全関連出力を出力する。同様に、第二MCU204の安全判定回路214bは、自己の判定結果と第一MCUの判定結果とが一致している場合に、所定のアクチュエータとして識別されるアクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にある状態、すなわち、ドアPDが閉じた状態であるであると判定する。なお、本実施例においては、後述するように、入力回路220を介して入力される信号に係る条件も満たされたときに、第一MCU202および第二MCU204がOSSD(Output Signal Switching Device(出力信号切換デバイス))を介して安全関連出力を出力するが、受信回路208を介して受信される無線信号と、第一MCU202と第二MCU204の互いの判定結果に基づいて安全関連出力を出力しても良い。また、本実施例においては、センサ側コイル152により検出される無線信号に基づいて、スイッチ本体102及びアクチュエータ104の距離dの推定と、アクチュエータ104の識別とがなされるが、距離dの推定のみがなされて、安全判定回路214a、214bがアクチュエータ104の識別に係る判定をせずに、距離dが閾値以下であるかどうかの判定結果を他方の安全判定回路に出力する構成であっても良い。
図19に戻って、入力回路220は第一安全入力部222、第二安全入力部224、およびロック入力部226を有している。第一安全入力部222と第二安全入力部224と、には、安全関連出力を出力可能な他の機器が接続される。すなわち、第一安全入力部222と第二安全入力部224はスイッチ本体102と他の機器とをデイジーチェーン接続するための入力回路である。たとえば、第一安全入力部222と第二安全入力部224とは、第一安全入力部222に他の機器の安全関連出力を出力するための端子の一つが接続され、第二安全入力部224に当該他の機器の安全関連出力を出力するための端子のもう一つが接続される。
ロック入力部226は安全PLCや安全制御機器などの外部制御機器に接続されており、外部制御機器が出力するロック機構を制御するためのロック信号を受け付けて、入力信号を第二MCU204に出力する。第二MCU204はロック入力部226を介して入力された信号がON信号であるかどうかを判定する。第二MCU204は、ロック入力部226を介して入力されるロック信号に基づいて、電磁石130を駆動して、電磁石130をアクチュエータ104の鉄片120に吸着させることができる。すなわち、ロック入力部226を介して入力される信号に応じて、ドアPDが磁力によりロックされる。なお、第二MCU204は、ロック入力部226を介して入力される信号がON信号であるときに、電磁石130を駆動しても良いし、ロック入力部226を介して入力される信号がON信号であることに加えて他の条件が満たされたと判定されたときに電磁石を駆動しても良い。例えば、上述した、安全判定回路214a、214bの判定が、電磁石130を駆動させる条件とされてもよい。この場合、所定のアクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にある状態であると判定されたときに電磁石130が駆動されるため、外部制御機器が出力するロック信号によって、ドアPDが閉じた状態を維持することの確実性が向上する。
制御回路200はスイッチングデバイス230として、第一OSSD230aと、第二OSSD230bと、を備える。第一MCU202と第二MCU204と、はそれぞれ安全信号を生成し、第一MCU202は、安全信号として第一OSSD230aを介して安全関連出力を出力し、第二MCU204は、安全信号として第二OSSD230bを介して安全関連出力を出力する。なお、第一OSSD230aおよび第二OSSD230bを介して安全関連出力が出力される外部機器と、ロック入力部226を介して入力されるロック信号を出力する外部制御機器と、は、同じ機器であってもよいし、異なる機器であってもよいが、いずれも、区画システム1を構成する。
第一OSSD230aおよび第二OSSD230bは、たとえば、PNP型のトランジスタにより構成される。PNP型のトランジスタがONすると、出力端子には+側電源が接続されるため、ON信号が出力される。一方、PNP型のトランジスタがOFFすると、出力端子はプルダウン抵抗を介して接地されるため、OFF信号が出力される。
第一OSSD230aおよび第二OSSD230bにはそれぞれOSSD監視回路232が接続されてもよい。OSSD監視回路232は第一MCU202と第二MCU204に接続されている。第一MCU202は、OSSD監視回路232を通じて、第二OSSD230bの動作が正常かどうかを監視する。第二MCU204は、OSSD監視回路232を通じて、第一OSSD230aの動作が正常かどうかを監視する。たとえば、第一OSSD230aと第二OSSD230bはそれぞれ、ON信号を出力するときに定期的に微小時間にわたり出力信号をOFFに遷移させる。OSSD監視回路232はON信号の出力期間中に微小時間のOFFを検出できればOSSDを正常と判定し、微小時間のOFFを検出できなければOSSDを正常ではないと判定する。
なお、OSSD監視回路232が微小時間のOFFが検出できず、ON信号が継続するケースは、例えば、出力端子と+側電源との短絡が原因である。この場合、安全判定回路214a、214bはそれぞれOFF信号を出力させるための制御信号を第一OSSD230aと第二OSSD230bとに出力する。これにより、第一OSSD230aと第二OSSD230bとのうち正常に動作する物はOFF信号を出力する。なお、OSSD監視回路232の監視のための、安全関連出力のOFFへの遷移は、安全関連出力が出力される外部機器が、当該OFFに反応しない程度に微小な時間に設定されている。
電源回路240は、外部からDC+24Vと0Vの供給を受け、DC+10V、+5Vや+3.3Vなどの直流電圧を生成するDC-DCコンバータである。電源回路240は制御回路200、センサ側コイル152、表示部142など、電力を必要とするすべての回路に電力を供給する。ところで、外部電源からの供給電圧や電源回路240から出力される電圧が所定の範囲内でない場合、制御回路200などが正常に動作しない可能性がある。そこで、電源監視回路242は、外部電源からの供給電圧が所定の範囲内であるかどうかを判定するとともに、電源回路240から出力される電圧が所定の範囲内かどうかを判定し、判定結果を第一OSSD230aと第二OSSD230bへ出力する。第一OSSD230aと第二OSSD230bは、それぞれ、電源回路240が正常に動作していないことを示す判定結果を入力されると、制御回路200から出力される制御信号に依存することなく、安全関連出力をOFFにする。第一OSSD230aと第二OSSD230bは、それぞれ、電源回路240が正常に動作していることを示す判定結果を入力されると、制御回路200から出力される制御信号に依存して、安全関連出力を出力する。
制御回路200は、表示部142を制御する表示制御部252を備え、第二MCU204が有する表示制御部252は、少なくとも第二OSSD230bを介しての安全関連出力に応じた状態情報を生成し、当該状態情報に対応する表示状態信号を表示制御部252に供給する。第二OSSD230bを介しての安全関連出力は、少なくともアクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にある状態か否かの検出結果に基づくため、表示制御部252はアクチュエータ104がスイッチ本体102に対して所定範囲にある状態か否かの検出結果に基づいて状態情報を生成する、と言える。図16を参照して、安全関連出力のON/OFFと、第1MCU202及び第二MCU204での判定結果との関係性を説明する。
図22の「表示灯」の列は、表示制御部252に供給される表示状態信号に基づいて制御される表示部142の発光パターン、すなわち、表示制御部252が生成する状態情報を示す。「状態」の列は「OSSD」と、「安全入力」「ロック制御入力」「アクチュエータ」とに細分化される。「OSSD」の列は、スイッチングデバイス230としての第一OSSD230aと第二OSSD230bとを介して外部の制御装置に出力される安全関連出力がONであるかOFFであるかを示す。また、「安全入力」「ロック制御入力」「アクチュエータ」の各列は、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力をON/OFFのいずれにするかを決定するときに用いられる判定項目を示す。列「安全入力」は、第一安全入力部222及び第二安全入力部224を介して入力される安全関連出力がONであるかOFFであるか、を示す。列「ロック制御入力」は、外部の制御機器からロック入力部226を介して入力されるロック信号がONであるかOFFであるかを示す。列「アクチュエータ」は、センサ側コイル152と受信回路208とを介して受信される無線信号に基づいて所定のアクチュエータと識別されるアクチュエータ104が、スイッチ本体102に対して所定範囲にあることが検出されたか否か、を示す。
図22に示すように、本実施例において、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力がONとなるのは、第一安全入力部222及び第二安全入力部224を介して入力される安全関連出力がON、かつ、ロック入力部226を介して入力されるロック信号がON、かつ、アクチュエータ104が検出された、ときである。このとき、表示部142の発光パターンは、緑色での点灯である。また、アクチュエータ104が検出されないときは、第一安全入力部222及び第二安全入力部224を介して入力される安全関連出力やロック信号に関わらず、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力はOFFになり、表示部142の発光パターンは、赤色の点灯である。本実施例の安全スイッチ100は、稼働領域Sを安全な環境に維持するために、スイッチ本体102に対してアクチュエータ104が所定範囲にあるかを検出する。アクチュエータ104が検出されないときは、ドアPDが閉じた状態でなく、稼働領域Sが安全な環境として維持されていないことになるため、他の信号の入力状態に関わらず、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力はOFFになる。
本実施例の安全スイッチ100は、アクチュエータ104の検出以外にも、各種信号の入力状態を参照して、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力をONにするかOFFにするかを決定する。このとき、アクチュエータ104の検出と比較して、第一安全入力部222及び第二安全入力部224を介して入力される安全関連出力やロック信号がどのような状態であるかを、作業者は把握しにくい。より詳細には、アクチュエータ104が検出されるか否かは、ドアPDが閉じた状態であるか否かと一定の関連性があるため、アクチュエータ104が検出されず、スイッチ本体102からスイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力がOFFとなっている場合に、作業者はその原因を特定しやすい。これに対して、第一安全入力部222及び第二安全入力部224を介して入力される安全関連出力やロック信号に関しては、作業者は、これらに対応するケーブルが接続されているか否か、等は外観で確認できるものの、当該ケーブルを介して供給される信号がどのようになっているかは、外観からは把握しにくい。このため、本実施例においては、各種信号の入力状態に起因して、スイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力がOFFであるときは、各種信号の入力状態に応じて表示部142の発光パターンを変更することによって、作業者が、スイッチ本体102からスイッチングデバイス230を介して出力される安全関連出力がOFFである理由を特定しやすいようにしている。
なお、本実施例においては、安全関連出力を出力可能な他の機器が、第一安全入力部222と第二安全入力部224とに接続されるため、図22における「安全入力」列によって、スイッチ本体102により出力される安全関連出力や、表示部142の発光パターンが変わるが、当該他の機器が接続されない場合は、「ロック制御入力」列と「アクチュエータ」列とに応じて、スイッチ本体102により出力される安全関連出力や表示部142の発光パターンが決定されても良い。この場合、「ロック制御入力」列が「ON」かつ、「アクチュエータ」列が「Detected」である場合に、スイッチ本体102により出力される安全関連出力がONになり、表示部142の発光パターンが緑の点灯となる。また、この場合、図22に示す、表示部142の発光パターンが「橙」もしくは「橙点滅」であるケースは存在しない。
上記の表示部142の制御に関し、第一MCU202と第二MCU204とによって実行される制御を図24に図示のフローチャートに基づいて説明する。ステップS1において、スイッチ本体102のセンサ側コイル152(図19)とアクチュエータ104のアクチュエータ通信部124(図4)とで、鉄片120と電磁石130との間の距離d(図23)を測定する。次のステップS2において、測定した距離dが所定の範囲内であるか否かを判定し、Yes(所定の距離の範囲内)であれば、アクチュエータ通信部124からIDを取得する(S3)。
次のステップS4において、取得IDが記録済みのIDと一致することを確認したら、次のステップS5に進んで、スイッチ本体102の電磁石140と、アクチュエータ104の鉄片120が密着しているか否かの判定が行われる。
上述したように、第一MCU202の測定部210aと第二MCU204の測定部210bとは、センサ側コイル152(図19)を介して受信するアクチュエータ通信部(RFID)124(図4)からの無線信号を測定して、上述したように、アクチュエータ104と電磁石130との間の距離d(図23)を測定する。測定した距離dが所定の範囲内であれば、アクチュエータ通信部124からIDを取得して、取得したIDが、記録済みのIDと一致するかを確認する。記録済みのIDと一致することを確認した後に、電磁石130と鉄片120が密着しているか否かを判定し、このとき第一MCU202と第二MCU204とは、距離dが所定の範囲内かを判定するのと異なる手段で吸着面130aと被吸着面120aとの間の距離d2が閾値以下であるかを判定する。
図25を参照して、距離d2が閾値以下であるかどうかの判定を具体的に説明する。第二MCU204は電磁石130に検査用の電流を供給し、このときに電磁石130に流れる電流を監視する。図25の(I)は検査用電流の矩形波を示す。この検査用の電流の値は、ドアPDが閉じた状態を維持する、すなわち、安全スイッチ100のロック状態を形成するために電磁石130に供給するロック用の電流の値よりも小さい。仮に、ロック用の電流の値と同じ値の電流を検査用として採用すると、ロック信号がONでなくても、ドアPDが閉じた状態を維持できる程度の吸着力で電磁石130が鉄片120を吸着するため、ドアPDを開く動作に支障が生じ、作業者の作業性が低下する。このことから、検査用の電流の値を、ロック用の電流の値より小さい値、特に、電磁石130が殆ど吸着力を発揮しない程度の微弱な値に設定することにより、作業者の作業性を維持することができる。
図25の(II)は、電磁石130と鉄片120とが密着していない状態、すなわち吸着面130aと被吸着面120aとの間の距離d2が閾値より大きい状態のときに、図25(I)の矩形波の検査用電流に対応して電磁石130に流れる監視電流を示す。図25の(III)は、電磁石130と鉄片120とが密着している状態、すなわち吸着面130aと被吸着面120aとの間の距離d2が閾値以下である状態のときに、図25(I)の矩形波の検査用電流に対応して電磁石130に流れる監視電流を示す。図25の(II)と(III)とを対比すると分かるように、電磁石130と鉄片120とが密着している状態つまり、吸着面130aと被吸着面120aとの距離d2が閾値より小さい状態のときには、距離d2が閾値以上である状態よりインダクタンスが大きくなるため、検査用電流を供給開始した時点から監視電流の値が一定値に達する時点までの時間が長くなる。
検査用電流を供給開始した時点から監視電流の値が一定値に達するまでの時間が異なると、検査用電流を供給開始した時点から一定時間経過したタイミングで電磁石130に流れる電流の値が異なる。図25の(II)と(III)とは対比のために、検査用電流を電磁石130に供給開始した時点から一定時間経過したタイミングを検査確認タイミングとして図示する。吸着面130aと被吸着面120aとの距離d2が閾値より大きい状態で電磁石130に流れる監視電流の、検査確認タイミングでの電流の値は、図25の(II)に示される第一監視電流値I1である。また、吸着面130aと被吸着面120aとの距離d2が閾値以下である状態で電磁石130に流れる監視電流の、検査確認タイミングでの電流の値は、図25の(III)に示される第二監視電流値I2である。第一監視電値流I1と、第二監視電流値I2とを対比すると、第一監視電流値I1の方が大きい。すなわち、検査用電流を供給した時点から一定値に達するまでの時間が短い監視電流(図25の(II))、換言すれば応答性が高い監視電流の方が、応答性の低い監視電流(図25の(III))と比較して、検査確認タイミングでの電流の値が大きい。したがって、検査確認タイミングでの監視電流の値を比較することによって、電磁石130に流れる監視電流の応答性の高低、応答性の高低と関連するインダクタンスの大小、及び、インダクタンスの大小と関連する吸着面130aと被吸着面120aとの距離d2の長短を判別することができる。より詳細には、距離d2と閾値との大小関係が判別可能になるように、少なくとも第一監視電流値I1と第二監視電流値I2との間に電流値のしきい値が設定され、検査確認タイミングにおける監視電流の電流値が当該しきい値より大きいか、しきい値以下であるか、に応じて、距離d2が閾値より大きいか閾値以下であるか、が判定される。すなわち、電磁石130の吸着面130aと鉄片120の被吸着面120aとが密着した状態であるか否かが判定される。
ステップS5において、電磁石140と鉄片120とが密着した状態にあると判定したときには、ステップS6に進んで、ロック入力がON信号か否かを確認し、YESつまりON信号であればステップS7に進んで電磁石140が駆動される。
ステップS8は、本実施例のスイッチ本体102が、安全関連出力を出力できる他の機器と接続される場合に実行されるステップである。より詳細には、第一安全入力部222及び第二安全入力部224に、当該他の機器の安全関連出力が出力される端子が接続されている場合に実行される。本実施例においては、上述したように、第一安全入力部222と第二安全入力部224と、に当該他の機器から出力される安全関連出力が入力されるため、ステップS8において、当該他の機器から出力される安全関連出力がON信号であるか否かを判定する。YESであれば、安全関連出力はON信号になり、表示部142は緑色で点灯される(S10)。ステップS9において、NOであれば、安全関連出力がOFF信号になり表示部142は橙色で点灯される(S11)。上述の通り、本実施例においては、アクチュエータ104が正常に検出されていないときに赤色、スイッチ本体102が安全関連出力をON信号としているときに緑色で表示部142が光る。すなわち、1つの安全スイッチ100を使用するときには、赤色と緑色の2色で安全スイッチ100の状態を把握することができる。これに対して、1つの安全スイッチ100と、安全関連出力が出力可能な他の機器と、を組み合わせて使用する場合においては、表示部142の発光色が増え、増えた発光色は、当該他の機器の安全関連出力がON信号でないことを理由に安全スイッチ100からの安全関連出力がOFF信号であることを示す色に割り当てられる。これによれば、1つの安全スイッチ100と、安全関連出力が出力可能な他の機器と、を組み合わせて使用する場合において、安全スイッチ100からの安全関連出力がOFF信号であることの要因を特定しやすくなる。
前述したステップS6においてNOであれば、ステップS12に進む。ステップS12の判定はステップS8と同様のステップである。ステップS12でYESであれば、ステップS13において、安全出力がOFFされて表示部142は緑色で点滅する。ステップS12において、NOであれば、安全出力がOFFされて表示部142は橙色で点滅する(S14)。このように、ロック入力がOFFの場合に、表示部142の発光パターンを点滅にすることで、他の機器の安全関連出力の状態と区別して、電磁石130の駆動状態を把握することができる。以上、第一MCU202の制御を説明したが、表示部142への出力は、第一MCU202の判定結果と第二MCU204の判定結果とを照合した後に行われる。
PF 防護柵(区画固定部分)
PD 開閉ドア(可動部分)
S 装置が稼働する稼働領域
100 実施例の電磁ロック機構付き安全スイッチ
102 スイッチ本体
104 アクチュエータ
130 電磁石
130a 吸着面
142 スイッチ本体の表示部

Claims (15)

  1. 被吸着面が形成された磁化部材がスイッチ本体に対して相対移動可能に設置される安全スイッチであって、
    前記アクチュエータの相対位置が前記スイッチ本体に対して所定範囲にあることを検出する検出部と、
    前記アクチュエータの被吸着面に対応する吸着面が前面側に形成された電磁石と、
    前記アクチュエータの相対移動をロックするロック指示を受けるロック入力部と、
    前記ロック入力部が受ける前記ロック指示に基づいて、前記電磁石の吸着面と前記アクチュエータの被吸着面とが吸着するように前記電磁石を駆動する駆動制御部と、
    前記検出部の検出に基づく安全信号を生成する安全制御部と、
    前記検出部による検出結果に基づいて状態情報を生成する表示制御部と、
    前記電磁石よりも背面側の側方に配置され、前記表示制御部により生成された状態情報を表示する表示部と、を備える、安全スイッチ。
  2. 前記表示部が、前記吸着面から該吸着面の法線の方向に離れた位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の安全スイッチ。
  3. 前記電磁石の背面で前記電磁石に接続する筐体をさらに備え、
    前記電磁石の吸着面と、前記電磁石の側面の少なくとも一部と、が露出しており、
    前記電磁石と前記筐体と、により略円柱形状の外形を有する、請求項1に記載の安全スイッチ。
  4. 前記電磁石の背面で前記電磁石に接続する筐体を更に備え、
    前記電磁石の吸着面と、前記電磁石の側面の少なくとも一部と、が露出しており、
    前記筐体と前記電磁石とにより略角柱形状の外形を有する請求項1に記載の安全スイッチ。
  5. 前記検出部は、前記アクチュエータに設けられるアクチュエータコイルとの間で無線信号をやり取りするアンテナコイルを有し、
    前記アンテナコイルは、前記電磁石の側方で前記筐体に収容される、請求項3に記載の安全スイッチ。
  6. 前記電磁石には、前記アンテナコイルが設けられる位置の近傍に、当該電磁石が駆動されることによる前記アンテナコイルへの影響を低減するための突出部が設けられる、請求項5に記載の安全スイッチ。
  7. 前記表示制御部は、前記検出結果と、前記電磁石の駆動状態と、に基づいて前記状態情報を生成する、請求項1に記載の安全スイッチ。
  8. 前記スイッチ本体を設置箇所に固定するための取付部を備え、
    前記表示部の少なくとも一部は、前記吸着面の法線の方向を軸とする周において、前記取付部と反対側に設けられる、請求項1に記載の安全スイッチ。
  9. 前記安全スイッチが前記吸着面の法線方向の長さが前記吸着面の直径よりも大きい全体形状を有し、
    前記吸着面が前記安全スイッチの前記法線方向における一端面を構成している、請求項1に記載の安全スイッチ。
  10. 前記表示部が、前記吸着面から前記スイッチ本体の全長の1/3以上、前記吸着面の法線方向に離れた位置に配置されている、請求項9に記載の安全スイッチ。
  11. 前記表示部が、前記吸着面から前記スイッチ本体の全長の半分以上、前記吸着面の法線方向に離れた位置に配置されている、請求項9に記載の安全スイッチ。
  12. 前記表示部の外表面が、湾曲した断面形状を有する、請求項1に記載の安全スイッチ。
  13. 前記表示部の外表面が、吸着面に向けて先細りの形状を有する、請求項1に記載の安全スイッチ。
  14. 前記表示部の外表面が、湾曲した断面形状を有する、請求項13に記載の安全スイッチ。
  15. 装置が稼働する稼働領域を区画する区画システムの区画固定部分に配置されるスイッチ本体と、前記区画固定部分に対して移動可能な可動部分に設置されるアクチュエータと、を備える安全スイッチであって、
    該スイッチ本体が、
    前記アクチュエータが前記スイッチ本体に対して所定範囲にあることを検出する検出部と、
    前記アクチュエータに設けられる磁化部材に吸着する吸着面を有する電磁石と、
    前記検出部による検出結果を示し、前記吸着面法線方向視において、前記アクチュエータに隠れる位置に設けられる表示部と、を有し、
    前記吸着面の法線方向において、前記吸着面から、前記法線方向における前記スイッチ本体の全長の半分以上離れた位置に、前記表示部が配置されていることを特徴とする安全スイッチ。
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