JP2024024509A - 化粧板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性に優れた着色を行うことができる、化粧板の製造方法を提供する。【解決手段】表層に化粧材14を備える化粧基材10に、(1)前記化粧材14の表面に着色剤を含みかつ紫外線硬化型の第1塗料を塗布し、前記第1塗料に紫外線を照射して第1塗膜40を形成する、第1塗膜形成工程、および(2)前記(1)の工程後に、第1塗膜40の表面に紫外線硬化型の第2塗料を塗布し、前記第2塗料に紫外線を照射して第2塗膜42を形成する、第2塗膜形成工程、を実施して化粧板を製造する。【選択図】 図1

Description

本発明は、化粧板およびその製造方法に関する。
従来、内装建材(床材、壁材等)として利用される化粧板の表面には、化粧板の保護のために塗装が行われている。また、化粧板のバリエーションを増やすために、化粧板の表面に着色が行われる場合がある。例えば、特許文献1には、塗装前に、化粧板の表面に着色を行ってもよいことが記載されている。
特開2016-121510号公報
従来、上記のような塗装前の着色には、水性着色塗料が用いられていた。しかしながら、化粧板の表層部が水性着色塗料を吸収し過ぎることによって、年輪の夏材(早材)部分と冬材(晩材)部分との色味の濃淡および明暗のコントラストが小さくなる場合がある。この場合、杢目および樹種特有のキャラクターが目立ちにくくなり、化粧板の意匠性が低下する。
そこで、本発明は、意匠性に優れた着色を行うことができる、化粧板の製造方法および当該製造方法によって製造された化粧板を提供することを目的としている。
本発明は、下記の化粧板の製造方法および化粧板を要旨とする。
(1)表層に化粧材を備える化粧基材に、
(i)前記化粧材の表面に、着色剤を含みかつ紫外線硬化型の第1塗料を塗布し、前記第1塗料に紫外線を照射して前記第1塗料を硬化させて、前記化粧材の表面に第1塗膜を形成する、第1塗膜形成工程、および
(ii)前記(i)の工程後に、前記第1塗膜の表面に紫外線硬化型の第2塗料を塗布し、前記第2塗料に紫外線を照射して前記第2塗料を硬化させて、前記第1塗膜の表面に第2塗膜を形成する、第2塗膜形成工程、
を実施する、化粧板の製造方法。
(2)前記第2塗料は着色剤を含まない、上記(1)に記載の化粧板の製造方法。
(3)前記第2塗料は着色剤を含む、上記(1)に記載の化粧板の製造方法。
(4)前記(i)の工程よりも前、または前記(ii)の工程よりも後に、
(iii)前記化粧材の表面に溝部を形成する、溝部形成工程、
を実施する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
(5)前記(i)および前記(ii)の工程では、前記化粧材の表面のうち前記溝部を除く部分に、前記第1塗料および前記第2塗料を塗布する、上記(4)に記載の化粧板の製造方法。
(6)前記(ii)の工程後に、
(iv)前記溝部が形成された化粧材ならびに前記第1塗膜および前記第2塗膜を化粧層として、前記化粧層の前記溝部を着色する、溝部着色工程、
を実施する、上記(4)または(5)に記載の化粧板の製造方法。
(7)前記(iv)の工程で前記化粧層の表面全体に水性着色塗料を塗布した後、
(v)前記化粧層の表面のうち前記溝部を除く部分から前記水性着色塗料を取り除く、第1除去工程、
を実施する、上記(6)に記載の化粧板の製造方法。
(8)前記(v)の工程では、金属製のロールによって、前記水性着色塗料を掻き取る、上記(7)に記載の化粧板の製造方法。
(9)前記(v)の工程後に、
(vi)前記化粧層の表面のうち前記溝部を除く部分から、前記(v)の工程において取り除かれなかった前記水性着色塗料を取り除く、第2除去工程、
を実施する、上記(7)または(8)に記載の化粧板の製造方法。
(10)前記(vi)の工程では、ロールの表面に水および樹脂系希釈剤を供給しつつ、当該ロールによって前記水性着色塗料を取り除く、上記(9)に記載の化粧板の製造方法。
(11)前記(vi)の工程では、前記化粧基材を所定の搬送方向に搬送しつつ複数のロールによって前記水性着色塗料を取り除き、
前記複数のロールは、前記搬送方向と同一方向に回転するナチュラルロールと、前記ナチュラルロールに隣り合うように前記搬送方向において前記ナチュラルロールの下流側に設けられかつ前記搬送方向に対して逆回転するリバースロールとを有する、上記(9)または(10)に記載の化粧板の製造方法。
(12)前記(vi)の工程では、ゴム製のロールによって前記水性着色塗料を取り除く、上記(9)から(11)のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
(13)前記(vi)の工程後に、
(vii)前記化粧層の表面に仕上げ塗装を行う、仕上げ塗装工程、
を実施する、上記(9)から(12)のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
(14)前記(i)の工程において前記第1塗料によって形成される前記第1塗膜の厚みは、前記(ii)の工程において前記第2塗料によって形成される前記第2塗膜の厚みよりも小さい、上記(1)から(13)のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
(15)表面に溝部が形成された化粧材を表層に有する化粧基材と、
前記化粧材の表面のうち前記溝部を除く部分に形成された、着色剤を含む紫外線硬化型の塗料からなる塗膜と、
前記化粧材の表面のうち前記溝部に形成された、水性着色塗料からなる塗膜と、
を備える、化粧板。
本発明によれば、化粧板を製造するに際して、意匠性に優れた着色を行うことができる。
図1は、本発明の一実施本実施形態に係る化粧板の製造方法を説明するための図である。 図2は、除去工程を説明するための図である。 図3は、他の実施形態に係る化粧板の製造方法を説明するための図である。 図4は、さらに他の実施形態に係る化粧板の製造方法を説明するための図である。
(化粧板の製造方法)
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る化粧板の製造方法および当該製造方法によって製造される化粧板について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る化粧板の製造方法を説明するための図である。なお、以下においては、床材を製造する場合について説明するが、本発明に係る化粧板の製造方法によって製造される化粧板は床材に限定されない。したがって、例えば、本発明に係る化粧板の製造方法を用いて壁材等の他の内装建材を製造してもよい。
(A)化粧基材準備工程
図1(a)を参照して、まず、所定の形状の化粧基材10を準備する。なお、図1には、化粧基材10の一部を示している。本発明に係る化粧板の製造方法においては、表層に化粧材を備える化粧基材を準備すればよく、化粧基材の作製方法は特に限定されない。以下に説明する化粧基材の作製方法は単なる一例である。
本実施形態では、化粧基材10は、基材12および化粧材14を有している。基材12の材質は特に限定されないが、基材12として、例えば、種々の合板、パーティクルボードおよびMDF(Medium Density Fiberbord)等の木質繊維板、LVL(Laminated Veneer Lumber)、またはOSB(Oriented Strand Board)を用いることができる。また、例えば、基材12として、無機系基材を用いてもよい。化粧材14としては、例えば、突き板、挽き板、または印刷紙を用いることができる。化粧材14として用いられる木材の樹種は限定されないが、例えば、針葉樹、広葉樹、環孔材、散孔材等を用いることができる。より具体的には、例えば、オーク、アッシュ、クリ、セン、メイプル、ウォルナット、チェリー、ヒノキ、バーチ、ビーチ、オニグルミなどが挙げられる。基材12の厚みは特に限定されないが、例えば、6~15mm程度である。化粧材14の厚みは特に限定されないが、例えば、0.2~3.0mm程度である。
本実施形態では、基材12の表面に接着剤を塗布し、圧着(たとえば、熱間プレス)によって化粧材14を基材12に貼り付けることによって、化粧基材10が得られる。接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、またはポリウレタン樹脂系などの合成樹脂系接着剤を用いることができる。また、接着剤として、ホットメルト接着剤を用いてもよい。
なお、図示は省略するが、化粧基材準備工程において、基材12と化粧材14との間に、耐傷性、耐凹み性、寸法安定性、および干割れ防止性などの機能を化粧基材10に付与するための機能性付与層を設けてもよい。機能性付与層としては、例えば、MDFおよびHB(Hard Fiberbord)等の木質繊維板、樹脂含浸紙、または防湿シート等を用いることができる。機能性付与層を設ける場合には、接着剤を用いて基材12の表面に機能性付与層を貼り付けた後に、接着剤を用いて機能性付与層の表面に化粧材14を貼り付けることによって、化粧基材10が得られる。機能性付与層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.01~3.0mm程度である。
なお、図1に記載した化粧基材10は、基材12と化粧材14とを備えるが、無垢材を化粧基材10として用いてもよい。この場合、化粧基材10の全体が、化粧材となる。なお、無垢材の厚みは特に限定されないが、例えば、6~15mm程度である。
(B)加工工程
次に、図1(b)に示すように、化粧材14の表面に、溝部20を形成する(溝部形成工程)。溝部形成工程においては、例えば、溝部20として、縦溝、横溝、ハーフ溝等が形成される。ハーフ溝は、化粧基材10の縁部に沿って形成され、複数の化粧板を互いに接合して床を構成した際に、隣り合う他の化粧板のハーフ溝との組合せによって、縦溝または横溝を形成する。なお、溝部形成工程における溝の形成方法は、公知の化粧板における溝の形成方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。本実施形態では、後述する第1塗膜形成工程および第2塗膜形成工程を実施する前に溝部形成工程を実施しているが、後述する溝部着色工程よりも前であれば、第1塗膜形成工程および第2塗膜形成工程を実施した後に、溝部形成工程を実施してもよい。
また、図示は省略するが、溝部形成工程と同時に、化粧基材10の側面に、実(雄実および雌実)を形成する(実形成工程)。なお、実形成工程における実の形成方法は、公知の化粧板における実の形成方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、実形成工程の実施タイミングは特に限定されず、溝部形成工程前に実施してもよく、溝部形成工程後に実施してもよい。例えば、後述する仕上げ塗装工程後に、実形成工程を実施してもよい。
なお、商品(化粧板)の意匠に応じて、溝部形成工程および実形成工程のいずれか、または両方を省略してもよい。
(C)着色工程
(第1塗膜形成工程および第2塗膜形成工程)
次に、図1(c)に示すように、化粧材14の表面に、着色剤を含みかつ紫外線硬化型の第1塗料を塗布し、塗布した第1塗料に紫外線を照射して硬化させることによって、化粧材14の表面に第1塗膜40を形成する(第1塗膜形成工程)。第1塗料としては、例えば、紫外線硬化型のベース塗料に、顔料または染料等の着色剤を添加して得られる半透明の塗料を用いることができる。
ベース塗料としては、例えば、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂等の合成樹脂塗料を用いることができる。着色剤の色は特に限定されず、商品の意匠に応じて適宜選択すればよい。本実施形態では、顔料として、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、およびキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用いることができる。着色剤として、顔料または染料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。後述する第2塗料のベース塗料および着色剤についても、第1塗料のベース塗料および着色剤と同様である。
なお、第1塗料における着色剤の含有率が高すぎると、紫外線を照射して第1塗料を乾燥させる際に、吹き戻しが増加するおそれがある。また、第1塗料の硬化阻害が起こりやすくなるおそれがある。本実施形態では、第1塗料における着色剤の含有率は、例えば、0.2~10.0%である。着色剤の含有率の上限は、好ましくは、8.0%であり、より好ましくは、6.0%である。後述の第2塗料においても同様である。なお、含有率とは、塗料の全体質量に対する着色剤の質量の割合(質量%)である。
さらに、図1(d)に示すように、第1塗膜40が形成された化粧材14の表面(第1塗膜40の表面)に紫外線硬化型の第2塗料を塗布し、塗布した第2塗料に紫外線を照射して硬化させることによって、化粧材14の表面(第1塗膜40の表面)に第2塗膜42を形成する(第2塗膜形成工程)。なお、第1塗料と第2塗料とで、ベース塗料を変更して粘度等の特性を変更してもよく、着色剤の種類または含有率を変更してもよい。本実施形態では、第1塗膜40および第2塗膜42は、化粧材14の表面の着色を行う機能と、後述する溝部着色工程において水性着色塗料が化粧材14の表面(溝部20を除く部分)に吸収されることを抑制する機能とを有する。本実施形態では、第1塗膜40および第2塗膜42が、着色剤を含む紫外線硬化型の塗料からなる塗膜に対応する。
なお、第2塗膜42は無色透明であってもよい。すなわち、第2塗料は、着色剤を含まないクリアー塗料であってもよい。この場合、第2塗膜42は、例えば、後述する溝部着色工程において水性着色塗料が化粧材14の表面(溝部20を除く部分)に吸収されることを抑制することを主な目的として形成される。また、この場合、第1塗膜40が、着色剤を含む紫外線硬化型の塗料からなる塗膜に対応する。
なお、第1塗膜形成工程または第2塗膜形成工程において、着色塗料の塗布および硬化(乾燥)を複数回繰り返すことによって、層状の着色塗膜を形成してもよい。具体的には、例えば、第1塗膜形成工程において、第1塗料の塗布および硬化を2回以上繰り返すことによって、層状の第1塗膜を形成してもよい。このように、着色剤の含有率が比較的低い塗料を複数回に分けて塗布および硬化することによって、着色塗膜の品質を向上させることができる。また、濃い色の塗料を1回で塗布するよりも、薄い色の塗料を塗り重ねる方が、色味調整が容易になる。なお、第2塗膜形成工程において、着色剤を含まない塗料の塗布および硬化を2回以上繰り返すことによって、層状の第2塗膜を形成してもよい。
なお、第1塗膜40および第2塗膜42の膜厚は特に限定されないが、本実施形態では、第1塗膜40の厚みは、例えば、第2塗膜42の厚みよりも小さい。例えば、第1塗膜40の厚みは1~10μmであり、第2塗膜42の厚みは5~20μmである。
なお、図1(c)に示すように、本実施形態では、第1塗膜形成工程では、化粧材14の表面のうち、溝部20を除く部分に第1塗料が塗布される。同様に、図1(d)に示すように、第2塗膜形成工程では、化粧材14の表面(第1塗膜40の表面)のうち、溝部20を除く部分に第2塗料が塗布される。第1塗膜形成工程および第2塗膜形成工程における塗料の塗布方法は特に限定されないが、例えば、化粧基材10を所定の搬送方向に搬送しつつ、ゴム製のロールを用いて化粧材14の表面に塗料を塗布することができる。ロールは、モータ等の駆動装置によって、化粧基材10の搬送方向と同一方向に回転駆動される。なお、以下の説明においては、化粧材14,第1塗膜40および第2塗膜42によって形成される層を、化粧層16と称する。
なお、上述したように、第1塗膜形成工程および第2塗膜形成工程を実施した後に、溝部形成工程を実施してもよい。この場合には、第1塗膜形成工程では、化粧材14の表面の全体に第1塗料によって第1塗膜が形成され、第2塗膜形成工程では、化粧材14の表面の全体(第1塗膜の表面の全体)に第2塗料によって第2塗膜が形成される。その後、溝部形成工程において、化粧材14、第1塗膜および第2塗膜の一部を除去することによって、溝部20が形成される。
なお、塗料を塗布する塗布設備の設定が同じでも、塗料の粘度が変化すると、塗布量が変化する。このため、塗布設備の設定は、塗料の粘度を考慮して、所望の塗布量となるように調整される。本実施形態では、例えば、塗料の1回当たりの塗布量は、0.7~1.5g/尺に調整される。塗料の1回当たりの塗布量の下限は、好ましくは、0.9g/尺である。また、塗料の1回当たりの塗布量の上限は、好ましくは、1.3g/尺である。また、塗料の粘度(KU値)は、例えば、50~80である。塗料の粘度(KU値)の下限は、好ましくは、60である。また、塗料の粘度(KU値)の上限は、好ましくは、70である。
紫外線硬化型の塗料は樹脂塗料であるため、温度により粘度が変化する。具体的には、塗料の粘度は、温度が高いほど小さくなり、温度が低いほど大きくなる。特に、塗料の温度が60℃を超えると、樹脂成分が熱重合反応し始めるため、塗料の温度が高すぎることは好ましくない。本実施形態では、塗料の温度は、例えば、40~60℃に調整される。塗料の温度の下限は、好ましくは、45℃である。また、塗料の温度の上限は、好ましくは、55℃である。なお、塗料の温度は、例えば、塗料を貯留する塗料タンクまたは塗料を塗布する塗布ロールを加温することによって調整することができる。
なお、塗膜を形成する際に塗布ロールに投入される化粧基材10の温度は、例えば、5~40℃に調整される。冬季などの気温が低い環境においては、プレヒートによって化粧基材10の温度を高くした後、塗布ロールに投入することが好ましい。この場合、塗布ロールが化粧基材10に接触することによって塗料の温度が低下することを防止することができる。
(溝部着色工程)
次に、化粧層16の溝部20を着色する(溝部着色工程)。本実施形態では、図1(e)に示すように、化粧層16の表面全体(第2塗膜42の表面および溝部20内)に水性着色塗料を塗布し、化粧層16の表面全体に第3塗膜44を形成する。なお、水性着色塗料の原料は特に限定されず、化粧板の製造において用いられている公知の水性着色塗料を用いることができる。溝部着色工程における水性着色塗料の塗布方法は特に限定されないが、例えば、化粧基材10を所定の搬送方向に搬送しつつ、スポンジロールを用いて化粧層16の表面に水性着色塗料を塗布することができる。スポンジロールは、モータ等の駆動装置によって、化粧基材10の搬送方向と同一方向に回転駆動される。
(D)除去工程
図2は、除去工程を説明するための図である。図1(f)および図2を参照して、除去工程では、複数の搬送ロール30aを有するコンベア30によって化粧基材10を所定の搬送方向(図2に矢印Xで示す方向。以下、搬送方向Xと記載する。)に搬送しつつ、複数の除去ロール50,52a,52b,54,56a,56bによって、化粧層16の表面(溝部20を除く部分)から第3塗膜44(水性着色塗料)を取り除く。本実施形態では、溝部20に残された第3塗膜44が、水性着色塗料からなる塗膜に対応する。
なお、図2において、除去ロール50,52a,52b,54,56a,56bにそれぞれ付された矢印は、各ロールの回転方向を示す。各ロールは、モータ等の駆動装置によって回転駆動される。本実施形態では、除去ロール50,52b,56bは、化粧基材10の搬送方向Xに対して逆回転するリバースロールであり、除去ロール52a,54,56aは、化粧基材10の搬送方向Xと同一方向に回転するナチュラルロールである。以下、除去工程について具体的に説明する。
除去工程においては、まず、除去ロール50によって、化粧層16の表面のうち溝部20を除く部分に形成された第3塗膜44(水性着色塗料)が掻き取られる(第1除去工程)。除去ロール50としては、金属製またはゴム製でかつ円筒状の外周面を有するロールが用いられる。本実施形態では、除去ロール50として、鉄ロールが用いられる。本実施形態では、化粧層16から除去ロール50に転写された水性着色塗料は、ブレード51によって回収される。回収した水性着色塗料は、溝部着色工程において再利用することができる。この場合、水性着色塗料の廃棄量を低減でき、化粧板の製造コストを低減することができる。
本実施形態では、除去工程において、除去ロール50の表面に液体を供給しつつ除去ロール50によって化粧層16から水性着色塗料を掻き取る。この場合、除去ロール50と化粧層16との接触部における発熱を抑制することができる。また、除去ロール50と化粧層16との摩擦抵抗を低下させることができるので、除去ロール50を円滑に駆動することができる。なお、除去ロール50の外周面に供給する液体としては、例えば、水(および必要に応じて樹脂系希釈剤)を用いることができるが、除去ロール50から回収した水性着色塗料の濃度が低下する。このため、回収した水性着色塗料を再利用する場合には、溝部着色工程において化粧層16に供給された水性着色塗料と同じ水性着色塗料を除去ロール50の外周面に供給しつつ、除去ロール50によって化粧層16の表面の水性着色塗料を掻き取ることが好ましい。
次に、複数の除去ロール52a,52b,54,56a,56bによって、化粧層16の表面のうち溝部20を除く部分から、第1除去工程において取り除かれなかった水性着色塗料を取り除く(第2除去工程)。本実施形態では、除去ロール52a,52b,54,56a,56bとして、例えば、ゴム製のロールが用いられる。本実施形態では、除去ロール52a,52bが第1ロールセット52を構成し、除去ロール56a,56bが第2ロールセット56を構成する。
なお、本実施形態では、除去ロール52a,52b,54,56a,56bの表面に水および樹脂系希釈剤(例えば、ウレタン樹脂希釈剤)を供給しつつ第2除去工程が実施される。
(E)仕上げ塗装工程
最後に、化粧層16の表面に仕上げ塗装を行う。これにより、化粧板18(本実施形態では、床材)が完成する。なお、仕上げ塗装の方法は、公知の化粧板における仕上げ塗装の方法と同様であるので、詳細な説明は省略するが、下塗り塗装および上塗り塗装の2層塗装を行ってもよく、下塗り塗装、中塗り塗装、および上塗り塗装の3層塗装を行ってもよく、4層以上の複層塗装を行ってもよい。また、仕上げ塗装工程において使用される塗料は特に限定されないが、紫外線硬化型の塗料を用いることができる。この場合、例えば、塗装および紫外線照射を繰り返すことによって、仕上げ塗装が行われる。
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態に係る化粧板の製造方法では、化粧材14の表面に紫外線硬化型の第1塗料および第2塗料が塗布される。この場合、化粧材14の表面に水性着色塗料を直接塗布する場合に比べて、化粧材14に塗料が吸収されることを抑制することができる。これにより、化粧材14において、年輪の夏材(早材)部分と冬材(晩材)部分との色味の濃淡および明暗のコントラストが小さくなることを防止できる。その結果、杢目および樹種特有のキャラクターを目立たせることができる。すなわち、化粧板18を製造するに際して意匠性に優れた着色を行うことができる。
また、本実施形態では、第1塗料を硬化させた後に、第2塗料が塗布される。この場合、第2塗料が化粧材14に吸収されることを十分に防止できるので、第2塗膜42の膜厚管理が容易になる。また、第2塗膜42の膜厚を調整することによって、化粧材14の表面の塗膜(第1塗膜40および第2塗膜42)の膜厚を調整することができる。これにより、化粧材14の表面(溝部20を除く部分)に形成される塗膜の膜厚管理が容易になる。
また、第1塗膜40の表面に凹凸が形成されている場合でも、第1塗膜40上に第2塗膜42を形成することによって、第1塗膜40の凹凸が化粧板の表面に現れることを防止することができる。これにより、化粧板18の表面をなだらかな形状にすることができる。
また、本実施形態では、化粧材14の表面のうち溝部20を除く部分に第1塗膜40および第2塗膜42を形成した後に、化粧層16の表面の全体に水性着色塗料が塗布される。この場合、溝部20に水性着色塗料を塗布する際に、化粧材14の表面のうち溝部20を除く部分に水性着色塗料が吸収されることを防止することができる。これにより、化粧層16の表面のうち、溝部20と、溝部20を除く部分との色味調整が容易になる。
また、本実施形態では、金属製の除去ロール50によって、化粧層16の表面に塗布された水性着色塗料が掻き取られる。この場合、ブラシロールによって水性着色塗料を掻き取る場合に比べて、化粧層16の表面(溝部20を除く部分)の水性着色塗料をむらなく取り除くことができる。また、除去ロール50に転写された水性着色塗料をブレード51によって回収することによって、化粧層16から除去した水性着色塗料が化粧層16に再度付着することを十分に防止することができる。
また、本実施形態では、第1ロールセット52は、ナチュラルロールである除去ロール52aと、除去ロール52aに隣り合うように搬送方向Xにおいて除去ロール52aの下流側に設けられかつリバースロールである除去ロール52bとを有している。この場合、化粧基材10が除去ロール52aを通り過ぎる際に、化粧基材10の端部に着色剤が残ってしまったとしても、その着色剤を除去ロール52bによって適切に取り除くことができる。第2ロールセット56についても同様である。特に、本実施形態では、第1ロールセット52および第2ロールセット56がそれぞれ、ナチュラルロールおよびリバースロールを有しているので、着色剤をより確実に取り除くことができる。
また、本実施形態では、除去ロール52a,52b,54,56a,56bの表面に水および樹脂系希釈剤が供給される。この場合、樹脂系希釈剤によって、化粧層16の表面の水性着色塗料に粘性を持たせるこができる。これにより、化粧層16の表面の水性着色塗料が除去ロール52a,52b,54,56a,56bに転写しやすくなる。その結果、化粧層16の表面の水性着色塗料を適切に除去することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、5つの除去ロール52a,52b,54,56a,56bによって第2除去工程を実施する場合について説明したが、第2除去工程において利用される除去ロールの数は、4つ以下であってもよく、6つ以上であってもよい。
上述の実施形態では、図1(d)に示すように、溝部20内には第1塗膜40および第2塗膜42を形成しない場合について説明したが、化粧材14の表面のうち、少なくとも溝部20を除く部分に第1塗膜40および第2塗膜42を形成すればよい。したがって、例えば、図3に示すように、第1塗膜40および第2塗膜42の一部を溝部20内に形成してもよい。ただし、溝部20と、溝部20を除く部分との色味調整を効果的に行う観点からは、図1(d)に示すように、溝部20内には、第1塗膜40および第2塗膜42を形成しないことが好ましい。
上述の実施形態では、図1(d)および図3に示すように、溝部20の少なくとも一部が露出するように、第1塗膜40および第2塗膜42を形成する場合について説明したが、図4に示すように、溝部20の全体を覆うように第1塗膜40および第2塗膜42を形成してもよい。この場合、第3塗膜44(図1(f)参照)は形成しなくてよい。ただし、溝部20と、溝部20を除く部分との色味調整を効果的に行う観点からは、図1(d)に示すように、溝部20が露出するように第1塗膜40および第2塗膜42を形成し、溝部20には第3塗膜44を形成することが好ましい。
本発明によれば、化粧板を製造するに際して、意匠性に優れた着色を行うことができる。したがって、本発明は、内装建材(床材、壁材等)として利用される種々の化粧板の製造において好適に利用することができる。
10 化粧基材
12 基材
14 化粧材
16 化粧層
18 化粧板
20 溝部
30 コンベア
40 第1塗膜
42 第2塗膜
44 第3塗膜
50,52a,52b,54,56a,56b 除去ロール

Claims (15)

  1. 表層に化粧材を備える化粧基材に、
    (1)前記化粧材の表面に、着色剤を含みかつ紫外線硬化型の第1塗料を塗布し、前記第1塗料に紫外線を照射して前記第1塗料を硬化させて、前記化粧材の表面に第1塗膜を形成する、第1塗膜形成工程、および
    (2)前記(1)の工程後に、前記第1塗膜の表面に紫外線硬化型の第2塗料を塗布し、前記第2塗料に紫外線を照射して前記第2塗料を硬化させて、前記第1塗膜の表面に第2塗膜を形成する、第2塗膜形成工程、
    を実施する、化粧板の製造方法。
  2. 前記第2塗料は着色剤を含まない、請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  3. 前記第2塗料は着色剤を含む、請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  4. 前記(1)の工程よりも前、または前記(2)の工程よりも後に、
    (3)前記化粧材の表面に溝部を形成する、溝部形成工程、
    を実施する、請求項1から3のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
  5. 前記(1)および前記(2)の工程では、前記化粧材の表面のうち前記溝部を除く部分に、前記第1塗料および前記第2塗料を塗布する、請求項4に記載の化粧板の製造方法。
  6. 前記(2)の工程後に、
    (4)前記溝部が形成された化粧材ならびに前記第1塗膜および前記第2塗膜を化粧層として、前記化粧層の前記溝部を着色する、溝部着色工程、
    を実施する、請求項5に記載の化粧板の製造方法。
  7. 前記(4)の工程で前記化粧層の表面全体に水性着色塗料を塗布した後、
    (5)前記化粧層の表面のうち前記溝部を除く部分から前記水性着色塗料を取り除く、第1除去工程、
    を実施する、請求項6に記載の化粧板の製造方法。
  8. 前記(5)の工程では、金属製のロールによって、前記水性着色塗料を掻き取る、請求項7に記載の化粧板の製造方法。
  9. 前記(5)の工程後に、
    (6)前記化粧層の表面のうち前記溝部を除く部分から、前記(5)の工程において取り除かれなかった前記水性着色塗料を取り除く、第2除去工程、
    を実施する、請求項7に記載の化粧板の製造方法。
  10. 前記(6)の工程では、ロールの表面に水および樹脂系希釈剤を供給しつつ、当該ロールによって前記水性着色塗料を取り除く、請求項9に記載の化粧板の製造方法。
  11. 前記(6)の工程では、前記化粧基材を所定の搬送方向に搬送しつつ複数のロールによって前記水性着色塗料を取り除き、
    前記複数のロールは、前記搬送方向と同一方向に回転するナチュラルロールと、前記ナチュラルロールに隣り合うように前記搬送方向において前記ナチュラルロールの下流側に設けられかつ前記搬送方向に対して逆回転するリバースロールとを有する、請求項9に記載の化粧板の製造方法。
  12. 前記(6)の工程では、ゴム製のロールによって前記水性着色塗料を取り除く、請求項9に記載の化粧板の製造方法。
  13. 前記(6)の工程後に、
    (7)前記化粧層の表面に仕上げ塗装を行う、仕上げ塗装工程、
    を実施する、請求項9に記載の化粧板の製造方法。
  14. 前記(1)の工程において前記第1塗料によって形成される前記第1塗膜の厚みは、前記(2)の工程において前記第2塗料によって形成される前記第2塗膜の厚みよりも小さい、請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  15. 表面に溝部が形成された化粧材を表層に有する化粧基材と、
    前記化粧材の表面のうち前記溝部を除く部分に形成された、着色剤を含む紫外線硬化型の塗料からなる塗膜と、
    前記化粧材の表面のうち前記溝部に形成された、水性着色塗料からなる塗膜と、
    を備える、化粧板。

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