JP2024022262A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エミッションの悪化をより効果的に防止できる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関10は、触媒28通過後の排気の状態を検知するリアA/Fセンサ32を有しており、制御装置50は、前記内燃機関10を間欠停止させるために、前記内燃機関10の自動停止および自動再始動を行い、前記制御装置50は、前記自動停止後、前記リアA/Fセンサ32の検出値AFDに基づいて、前記自動再始動後の燃料噴射量を補正する。【選択図】図1

Description

本明細書は、車両に搭載された内燃機関を制御する制御装置を開示する。
従来から、車両に搭載された内燃機関を間欠的に停止させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、アイドリングストップのために内燃機関を間欠的に停止させる技術が開示されている。また、ハイブリッド自動車の場合、モータの動力のみで走行する電動走行を行うことがある。この電動走行の実行に伴って、内燃機関を間欠的に停止させる技術も一部で提案されている。
ここで、内燃機関の排気路には、排気を浄化するための触媒が設けられており、この触媒により、排気路を流れる有害物質(例えば、NOx、HC、CO)が浄化される。通常、触媒の酸素吸蔵量が高いと、HCおよびCOの浄化効率が上昇する一方で、NOxの浄化効率が低下する。また、触媒の酸素吸蔵量が低いと、NOxの浄化効率が増加する一方で、HCおよびCOの浄化効率が低下する。そこで、従来から、触媒の酸素吸蔵量を適切に調整するべく、内燃機関への燃料噴射量が調整されている。
ところで、内燃機関を、自動停止させた場合、当該自動停止の期間中に流入した空気に起因して触媒の酸素吸蔵量が増加する。この状態のまま、内燃機関を自動再始動させた場合、NOxの浄化効率が低下する。
特許文献1では、こうした問題を解決するために、内燃機関を自動停止させたときの触媒の酸素吸蔵量に基づいて、内燃機関を自動再始動させる際の、内燃機関への燃料噴射量を補正する技術が開示されている。具体的には、自動停止時の酸素吸蔵量が高い場合には、自動再始動時における燃料噴射量を増加する。かかる技術によれば、内燃機関を自動再始動した際に、酸素吸蔵量が、過剰に高くなることを防止でき、NOxの浄化効率の低下をある程度、抑制できる。
特開2016-075186号公報
しかし、特許文献1では、自動停止時の酸素吸蔵量を正確に推定することは難しく、ひいては、自動再始動時の燃料噴射量を適切に制御することが難しかった。すなわち、特許文献1では、微小時間毎の酸素吸蔵量の増減量ΔOSAを累積することで、自動停止時の酸素吸蔵量を算出している。そして、増減量ΔOSAは、空燃比センサでの検出値、燃料噴射量、および、吸入空気量といった変動値に基づいて算出している。しかし、こうした変動値には、誤差が含まれている。したがって、これらから求まる増減量ΔOSAを累積して算出された酸素吸蔵量は、実際の酸素吸蔵量と大きく乖離することがあった。
また、特許文献1において、空燃比センサは、排気路のうち、触媒より上流側に設けられている。換言すれば、特許文献1において、空燃比センサは、触媒に流入する前の排気の酸素濃度を検出している。ここで、触媒の酸素吸蔵能力は、当該触媒の劣化状態により変化する。そのため、同じ濃度の排気が通過する場合でも、触媒の劣化状態によって、酸素吸蔵量の増減量は、異なる。特許文献1では、触媒通過前の排気における酸素濃度しか検出していない。そのため、特許文献1において、空燃比センサの検出値は、触媒の劣化状態を反映していない。そして、こうした空燃比センサの検出値から算出される酸素吸蔵量は、実際の酸素吸蔵量と乖離しやすかった。結果として、特許文献1では、内燃機関を自動再始動させた際の燃料噴射量を適切に設定できず、エミッションの悪化を招くおそれがあった。
そこで、本明細書では、エミッションの悪化をより効果的に防止できる内燃機関の制御装置を開示する。
本明細書で開示する内燃機関の制御装置は、車両に搭載された内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、触媒通過後の排気の状態を検知するリア排気センサを有しており、前記制御装置は、前記内燃機関を間欠停止させるために、前記内燃機関の自動停止および自動再始動を行い、前記制御装置は、前記自動再始動後、前記リア排気センサの検出値に基づいて、前記自動再始動後の燃料噴射量を補正する、ことを特徴とする。
リア排気センサの検出値、すなわち、触媒通過後の排気の状態に応じて、自動再始動後の燃料噴射量を補正するため、触媒の酸素吸蔵量を、適切な状態に迅速に移行させることができる。そして、これにより、エミッションの悪化を効果的に防止できる。
この場合、前記リア排気センサは、前記触媒より下流側に設けられたリア空燃比センサであって、その検出値が、前記排気の酸素濃度に対して略線形に変化するリア空燃比センサでもよい。
リア空燃比センサの検出値は、触媒の酸素吸蔵量に略比例する。そのため、リア空燃比センサを、リア排気センサとして使用することで、燃料噴射量をより適切に補正でき、エミッションの悪化をより効果的に防止できる。
また、予め規定されたA/F目標値に対する前記リア空燃比センサの検出値のズレ量がリーン側に大きいほど、前記自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも増加させ、前記ズレ量がリッチ側に大きいほど、前記自動再始動後の燃料噴射量を前記基準値より低下させてもよい。
かかる構成とすることで、燃料噴射量をより適切に補正でき、エミッションの悪化をより効果的に防止できる。
また、前記リア排気センサは、前記触媒より下流側に設けられたサブ酸素センサであって、前記排気の酸素濃度が所定のターゲット値を越えた場合に検出値が急峻に低下するサブ酸素センサでもよい。
サブ酸素センサの検出値は、触媒の酸素吸蔵量を反映している。そのため、リア酸素センサを、リア排気センサとして使用することで、従来技術に比べて、燃料噴射量を適切に補正でき、エミッションの悪化を防止できる。
この場合、予め規定された目標値に対して、前記サブ酸素センサの検出値が、リーン側に偏っている場合には、前記自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも増加させ、リッチ側に偏っている場合には、前記自動再始動後の燃料噴射量を前記基準値より低下させてもよい。
かかる構成とすることで、燃料噴射量をより適切に補正でき、エミッションの悪化をより効果的に防止できる。
本明細書で開示する内燃機関の制御装置によれば、エミッションの悪化をより効果的に防止できる。
内燃機関の構成を示すブロック図である。 酸素吸蔵量と、触媒の浄化効率と、AF検出値と、の関係を示す図である。 制御装置による内燃機関の制御の一例を示す図である。 自動停止後における燃料噴射量の補正量の算出の流れを示すフローチャートである。 酸素吸蔵量と、触媒の浄化効率と、AF検出値と、の関係を示す図である。 制御装置による内燃機関の制御の他の一例を示す図である。
以下、図面を参照して内燃機関10の制御装置50について説明する。図1は、制御装置50の制御対象である内燃機関10の構成を示すブロック図である。内燃機関10は、例えば、車両に搭載され、車両を走行させるための動力を出力する。この内燃機関10は、燃焼室12と、燃焼室12に繋がる吸気通路18と、燃焼室12に繋がる排気通路24と、を有する。吸気通路18には、スロットルバルブ20が設けられている。このスロットルバルブ20および吸気通路18を介して、燃焼室12に空気が供給される。また、吸気通路18には、燃料噴射弁22が設けられており、この燃料噴射弁22および吸気通路18を介して、燃焼室12に燃料が供給される。
燃焼室12には、点火プラグ16が設けられている。点火プラグ16による点火が行われると、燃焼室12に供給された混合気が燃焼する。そして、燃焼室12内で混合気が燃焼することにより、ピストン14が往復移動する。
ピストン14には、内燃機関10の出力軸であるクランクシャフト38が接続されている。さらに、クランクシャフト38には、内燃機関10を始動させる際に、当該クランクシャフト38を強制的に回転させるスタータ40が接続されている。
混合気の燃焼後に生じる排気は、排気通路24に送り出される。排気通路24には、触媒コンバータ26が設けられている。触媒コンバータ26は、三元触媒(以下「触媒」と呼ぶ)28を有しており、排気中のHC、CO、NOxといった有害成分を浄化する。以下では、この触媒28通過前の排気と、触媒28通過後の排気と、を区別する場合には、前者を「処理前排気」と呼び、後者を「処理後排気」と呼ぶ。
触媒コンバータ26より上流側には、フロント空燃比センサ30が設けられている。なお、以下では、「空燃比センサ」を「A/Fセンサ」と表記する。触媒コンバータ26より下流側には、リアA/Fセンサ32が設けられている。
フロントA/Fセンサ30及びリアA/Fセンサ32は、いずれも、排気の状態を検知する排気センサの一種であり、排気の酸素濃度に略比例した検出値を出力する。具体的には、A/Fセンサ30,32の検出値は、排気の酸素濃度が薄くなるほど小さくなる。また、A/Fセンサ30,32は、理論空燃比の気体が入力された際に、所定のAFストイキ値AFstの検出値を出力するように、調整されている。
ここで、フロントA/Fセンサ30及びリアA/Fセンサ32は、同様の構成を有しているが、その設置位置が異なっている。上述した通り、フロントA/Fセンサ30は、触媒28より上流側に設置されており、処理前排気の酸素濃度を検出している。そのため、触媒28の浄化能力は、フロントA/Fセンサ30の検出値に反映されない。一方、リアA/Fセンサ32は、触媒28より下流側に設けられており、処理後排気の酸素濃度を検出している。そのため、リアA/Fセンサ32の検出値は、触媒28の浄化能力の影響を受けている。本例では、こうしたリアA/Fセンサ32の検出値に基づいて、後述する燃料噴射量の補正量IFAを決定しているが、これについては後述する。以下では、リアA/Fセンサ32の検出値を、「AF検出値AFD」と呼ぶ。
制御装置50は、内燃機関10の駆動を制御する。かかる制御装置50は、物理的にはプロセッサ52とメモリ54とを有するコンピュータである。この「コンピュータ」には、コンピュータシステムを一つの集積回路に組み込んだマイクロコントローラも含まれる。また、制御装置50は、単一のコンピュータで構成されてもよいし、物理的に離れて位置する複数のコンピュータを組み合わせて構成されてもよい。
制御装置50は、ブレーキペダル34およびアクセルペダル36の踏み込み量に応じて、内燃機関10の駆動を制御する。また、制御装置50は、触媒28の酸素吸蔵量OSAを推測し、その酸素吸蔵量OSAに応じて、リーン制御からリッチ制御に、または、リッチ制御からリーン制御に切り替える。リーン制御とは、内燃機関10の目標空燃比を、理論空燃比(例えば、14.6)より高い値(例えば、14.65)に設定する制御である。また、リッチ制御とは、目標空燃比を、理論空燃比より低い値(例えば、14.55)に設定する。そして、リーン制御およびリッチ制御のいずれの場合であっても、制御装置50は、設定した目標空燃比の混合気が得られるように、スロットルバルブ20および燃料噴射弁22の開度を制御する。
触媒28の酸素吸蔵量OSAは、リーン制御中は、増加していき、リッチ制御中は、減少していく。制御装置50は、触媒28の酸素吸蔵量OSAが、所定の範囲内で増減を繰り返すように、燃料噴射量Qaを調整する。なお、酸素吸蔵量OSAを所定の範囲内で増減させるのは、排気に含まれる三つの有害物質(すなわちHC、CO、NOx)を効率的に浄化するためである。すなわち、触媒28の酸素吸蔵量OSAが低いと、NOxの浄化効率が増加する一方で、HCおよびCOの浄化効率が低下する。また、触媒28の酸素吸蔵量OSAが高いと、HCおよびCOの浄化効率が増加する一方で、NOxの浄化効率が低下する。
図2は、こうした酸素吸蔵量OSAと、触媒28の浄化効率と、AF検出値AFDと、の関係を示す図である。図2の一段目は、触媒28の酸素吸蔵量OSAを示している。図2では、酸素吸蔵量OSAが、リッチ側からリーン側へと、ほぼ線形に増加する場合を例示している。図2の二段目は、処理後排気のNOx含有量を示している。さらに、図2の三段目は、処理後排気のCO含有量を、四段目は、処理後排気のHC含有量を、それぞれ説明している。さらに、図2の五段目は、リアA/Fセンサ32の検出値、すなわちAF検出値AFDを示している。
図2に示すとおり、酸素吸蔵量OSAが、所定の有効上限値OSAmaxを越えると、NOx含有量は、急激に増加する。一方、OSA<OSAmaxの範囲において、NOx含有量は、低い値を保ったままである。また、酸素吸蔵量OSAが所定の有効下限値OSAminを越えると、CO含有量およびHC含有量は、殆んど変化しない、あるいは、僅かに低下していく。一方、OSA<OSAminの範囲では、酸素吸蔵量OSAが低くなるにつれ、CO含有量およびHC含有量が増加する。したがって、NOx、CO、HCの全てを効率的に浄化するためには、触媒28の酸素吸蔵量OSAは、有効下限値OSAminから有効上限値OSAmaxまでの範囲に収めることが求められる。以下では、OSAmin≦OSA≦OSAmaxの範囲を、有効吸蔵量範囲と呼ぶ。また、有孔吸蔵量範囲のほぼ中央値を、吸蔵量目標値OSA*と呼ぶ。
また、図2の五段目から明らかな通り、AF検出値AFDは、酸素吸蔵量OSAにほぼ比例している。ただし、有効吸蔵量範囲において、AF検出値AFDは、殆んど変化せず、AFストイキ値AFstとほぼ同じ値となる。
次に、本例の制御装置50が行う間欠停止制御について説明する。制御装置50は、所定の自動停止条件が成立した場合、内燃機関10を自動的に一時的に停止させる。ここで、自動停止条件は、車両がアイドリング状態であること、および、モータの出力動力のみで車両を走行させる電動走行が開始されたこと、の少なくとも一つを含む。自動停止条件が成立した場合、内燃機関10は、燃料噴射弁22からの燃料の噴射を停止する。燃料の噴射の停止後、内燃機関10は、惰性によってある程度空転した後に回転停止する。
また、制御装置50は、内燃機関10の自動停止後、当該内燃機関10の再始動が必要と判断した場合、当該内燃機関10を自動的に再始動させる。具体的には、制御装置50は、スタータ40の駆動を通じて内燃機関10をクランキングさせるとともに、そのクランキング中に燃料噴射弁22から燃料を噴射させる。これにより、燃焼室12に混合気が導入される。そして、燃焼室12で混合気が燃焼することで、内燃機関10の運転が開始される。
ここで、上述したように、内燃機関10を自動停止させた場合、内燃機関10は惰性により、ある程度空転する。この内燃機関10の空転に伴い、触媒28には空気が送り込まれる。そのため、自動停止後、触媒28の酸素吸蔵量OSAは、一時的に、上昇する。この状態で、内燃機関10を自動再始動させた場合、触媒28の酸素吸蔵量OSAが高くなりすぎ、NOxの浄化効率が低下するおそれがあった。
そこで、従来から、自動再始動の際、内燃機関10に噴射する燃料量を増加方向に補正することが提案されている。また、従来、この燃料の補正量IFAは、触媒28の酸素吸蔵量OSAに応じて変更していた。例えば、特許文献1では、酸素吸蔵量OSAの単位時間当たりの増減量ΔOSAを求め、この増減量ΔOSAの積算値を、酸素吸蔵量OSAとして算出している。そして、特許文献1では、算出された酸素吸蔵量OSAに基づいて、自動再始動の際の燃料の補正量IFAを決定していた。
ここで、従来、増減量ΔOSAは、燃料噴射量Qa、吸入空気量Aa、および、フロントA/Fセンサ30の検出値といった変動値から算出している。しかし、こうした変動値には、誤差が含まれており、これらから算出される増減量ΔOSAを累積した値は、実際の酸素吸蔵量OSAから乖離しやすい。
また、触媒28の酸素吸蔵能力は、当該触媒28の劣化状態により変化する。そのため、同じ酸素濃度の排気が通過する場合でも、触媒28の劣化状態によって、増減量ΔOSAは、異なる。そして、従来は、フロントA/Fセンサ30の検出値、すなわち、処理前排気の酸素濃度に基づいて、増減量ΔOSAを算出していた。そのため、従来技術で算出されるΔOSA、ひいては、酸素吸蔵量OSAは、触媒28の劣化状態を反映していない。
つまり、従来、算出されていた酸素吸蔵量OSAは、誤差が累積されており、また、触媒28の劣化状態を反映していなかった。そして、従来、こうした酸素吸蔵量OSAに基づいて、燃料の補正量IFAを決定していたため、補正量IFAを適切に設定できなかった。
一方、本例では、リアA/Fセンサ32の検出値、すなわち、AF検出値AFDに基づいて、自動再始動時の燃料の補正量IFAを決定している。具体的に説明すると、制御装置50は、AF検出値AFDの目標値を、AF目標値AF*として予め記憶している。このAF目標値AF*は、実験等により予め求められる値であり、例えば、AFストイキ値AFstより僅かに低い値である。
また、制御装置50は、内燃機関10を自動停止させた後、AF検出値AFDをモニタリングし、得られたAF検出値AFDに基づいて補正量IFAを随時設定する。そして、制御装置50は、内燃機関10を自動再始動させた場合、燃料噴射量の基準値を、設定された補正量IFAで補正した量の燃料を噴射させる。なお、「燃料噴射量の基準値」とは、要求される出力動力から求まる燃料噴射量である。
ここで、制御装置50は、AF検出値AFDに応じて、補正量IFAを変化させる。例えば、AF目標値AF*に対するAF検出値AFDのズレ量がリーン側に大きい場合、補正量IFAは、自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも増加させる値となる。また、AF目標値AF*に対するAF検出値AFDのズレ量が、リッチ側に大きい場合、補正量IFAは、自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも低下させる値となる。そして、こうした補正量IFAで、自動再始動後の燃料噴射量を補正することで、自動再始動後における触媒28の酸素吸蔵量OSAを適正な範囲内に保つことができ、エミッションの悪化を防止できる。
図3は、制御装置50による内燃機関10の制御の一例を示す図である。図3では、フューエルカット制御を行った後に、間欠停止制御を行っている。ここで、フューエルカット制御とは、内燃機関10の回転数Neが一定以上、かつ、アクセル操作量がゼロの場合に、内燃機関10への燃料供給を停止する制御である。フューエルカット制御を行うことで、車両に、内燃機関10の抵抗に応じた制動力が発生する。
図3において、一段目は、車速Vvを、二段目は、内燃機関10の回転数Neを示している。また、二段目は、フューエルカット制御の状態を、四段目は、自動停止制御の状態を、それぞれ示している。さらに、五段目は、触媒28の酸素吸蔵量OSAを示しており、六段目は、燃料の補正量IFAを示しており、七段目は、AF検出値AFDを示している。また、図3では、フューエルカット制御を時刻t1からt3まで継続した場合の各種パラメータを実線で示し、フューエルカット制御を時刻t1からt2まで継続した場合の各種パラメータを破線で示している。
図3の例では、時刻t1において、フューエルカットが開始され、時刻t4において、自動停止が開始される。フューエルカットされた場合も、内燃機関10に空気は供給される。そのため、時刻t1以降、触媒28の酸素吸蔵量OSAは、急激に増加する。また、リアA/Fセンサ32から出力されるAF検出値AFDも、時刻t1以降、急激に増加する。この場合、制御装置50は、酸素吸蔵量OSAを吸蔵量目標値OSA*に近づけるため、燃料の補正量IFAを増加させる。ただし、補正量IFAを増加させたとしても、フューエルカットの実行期間中は、内燃機関10に燃料が供給されないため、酸素吸蔵量OSAおよびAF検出値AFDは高い値を維持する。
その後、フューエルカットが停止されると、増量補正された燃料の供給が再開するため、酸素吸蔵量OSAaが急激に低下し、AF検出値AFDaも急激に低下する。ここで、時刻t3においてフューエルカットが停止した場合、時刻t4の時点で、酸素吸蔵量OSAaは、吸蔵量目標値OAS*となっている。AF検出値AFDaも、AF目標値AF*に近い値となる。そして、時刻t4で、内燃機関10を自動停止させると、内燃機関10の空転に伴い、酸素吸蔵量OSAaひいてはAF検出値AFDaは、若干、リーン側に変化する。
自動停止後、制御装置50は、AF検出値AFDaに基づいて補正量IFAaを設定する。図3の例の場合、自動停止後のAF検出値AFDaは、AF目標値AF*よりリーン側に偏っているため、補正量IFAaは、燃料噴射量を基準値より増加させる値、すなわち、正の値となる。
時刻t5において、内燃機関10が再始動された場合、制御装置50は、設定された補正量IFAaで補正された量の燃料を噴射させる。この場合、増量された燃料が供給されるため、酸素吸蔵量OSAaは、急激に低下していき、酸素吸蔵量OSAaが、迅速に有効吸蔵量範囲内に収まる。そして、結果として、エミッションの悪化を効果的に防止できる。
次に、フューエルカットが、時刻t3より早い時刻t2で停止した場合について説明する。時刻t2でフューエルカットが停止されることで、増量補正された燃料の供給が開始される。そして、これにより、酸素吸蔵量OSAbおよびAF検出値AFDbは、急速に、目標値に近づく。酸素吸蔵量OSAbおよびAF検出値AFDbが目標値に到達した場合、燃料の増量補正も停止されるはずであるが、図3では、何らかの原因で、燃料の増量補正が時刻t4まで継続したとする。この場合、時刻t4の時点で、酸素吸蔵量OSAbおよびAF検出値AFDbは、リッチ側に大きく偏っている。そして、時刻t4において、内燃機関10が自動停止されると、当該内燃機関10の空転に伴い、酸素吸蔵量OSAbおよびAF検出値AFDbがリーン側に変動する。ただし、この変動量は小さいため、内燃機関10の空転が停止した時点で、AF検出値AFDbは、AF目標値AF*よりもリッチ側に偏っている。
この場合、制御装置50は、補正量IFAbを、燃料噴射量を基準値より低下させる値、すなわち負の値に設定する。そして、時刻t5において、内燃機関10が再始動された場合、制御装置50は、設定された補正量IFAbで補正された量の燃料を噴射させる。この場合、減量された燃料が供給されるため、酸素吸蔵量OSAbは、急激に増加していき、酸素吸蔵量OSAbが、迅速に有効吸蔵量範囲内に収まる。そして、結果として、エミッションの悪化を効果的に防止できる。
ここで、これまでの説明で明らかな通り、自動再始動時点(時刻t6)における酸素吸蔵量OSAは、それ以前(時刻t6以前)での内燃機関10の動作履歴によって、大きく異なる。また、内燃機関10の動作履歴が同じであったとしても、自動再始動時点(時刻t6)における酸素吸蔵量OSAは、触媒28の劣化状態によっても異なる。本例では、処理後排気の酸素濃度に対して略比例するAF検出値AFDに応じて、燃料噴射量の補正量IFAを決定している。そのため、内燃機関10の動作履歴および触媒28の劣化状態がどのようなものであったとしても、本例によれば、自動再始動後の補正量IFAを適切に設定することができ、エミッションの悪化を効果的に防止できる。
図4は、自動停止後における燃料噴射量の補正量IFAの算出の流れを示すフローチャートである。なお、自動停止前の補正量IFAは、図4とは別のルーチンで算出されるが、これについては、説明を省略する。
図4に示す通り、制御装置50は、所定の停止条件が成立すれば、内燃機関10を自動停止させる(S10,S12)。続いて、制御装置50は、AF検出値AFDに応じて、補正量IFAを算出し、設定する(S14)。具体的には、AF検出値AFDの所定のAF目標値AF*に対するズレ量が、リーン側に大きいほど、補正量IFAは大きくなり、ズレ量がリッチ側に大きいほど、補正量IFAは小さく(すなわち負の値に)なる。制御装置50は、この補正量IFAの算出と設定を、所定の制御周期で繰り返す。
また、制御装置50は、補正量IFAの設定と並行して、再始動条件の成立の有無も監視する(S16)。再始動条件が成立した場合、制御装置50は、内燃機関10を再始動させ、内燃機関10に燃料を噴射する(S18)。このとき、燃料の噴射量は、基準値を補正量IFAで補正した量である。
内燃機関10が再始動された後も、制御装置50は、補正量IFAの算出と設定を継続する(S20)。そして、AF検出値AFDが、規定のAF目標値AF*に到達すれば(S22でYes)、制御装置50は、補正量IFAを0に設定したうえで(S24)、処理を終了する。
以上の説明で明らかな通り、本例では、内燃機関10を自動停止させた後は、AF検出値AFDに基づいて、燃料噴射量を補正している。ここで、AF検出値AFDは、検出時点での触媒28の酸素吸蔵量OSAを、ある程度正確に反映している。そのため、かかるAF検出値AFDに基づいて燃料噴射量を補正することで、再始動後、触媒28の酸素吸蔵量OSAを迅速に適切な範囲に移行させることができ、エミッションの悪化を効果的に防止できる。
なお、これまでの説明では、リア排気センサとして、リアA/Fセンサ32を用いている。しかし、リア排気センサは、触媒28通過後の排気の状態を検知できるのであれば、他の形態のセンサでもよい。例えば、リア排気センサは、排気の酸素濃度が、所定のターゲット値を超えた場合に検出値が急峻に変化するサブ酸素センサ60でもよい。サブ酸素センサ60は、例えば、図1に示す通り、リアA/Fセンサ32と隣接して、または、リアA/Fセンサ32に替えて、触媒28の下流側に配置される。以下では、このサブ酸素センサ60の検出値を「酸素検出値O2D」と呼ぶ。
図5は、触媒28の酸素吸蔵量OSAと、三つの有害物質の含有量と、酸素検出値O2Dと、の関係を示す図である。図5に示す通り、酸素検出値O2Dは、酸素吸蔵量OSAが有効上限値OSAmaxを超えた場合に急激に低下するように調整されている。換言すれば、酸素検出値O2Dのターゲット値とは、酸素吸蔵量OSAが有効上限値OSAmaxとなるときの処理後排気の酸素濃度のことである。また、酸素検出値O2Dは、酸素吸蔵量OSAが有効範囲内にある場合、所定の酸素目標値O2*に近い値をとる。
制御装置50は、この酸素検出値O2Dに応じて、自動再始動後の補正量IFAを決定してもよい。具体的には、制御装置50は、自動停止後に得られる酸素検出値O2Dが酸素目標値O2*より大きい場合、補正量IFAを正の値とし、酸素検出値O2Dが酸素目標値O2*より小さい場合、補正量IFAを負の値とする。また、酸素検出値O2Dと酸素目標値O2*との乖離量が大きいほど、補正量IFAの絶対値も大きくする。
ここで、酸素検出値O2Dは、AF検出値AFDに比べて、酸素吸蔵量OSAに対する線形性が低いものの、処理後排気の状態を反映する値である。一方、従来は、フロントA/Fセンサ30の検出値、すなわち、処理前排気の状態を示す値に基づいて酸素吸蔵量OSAおよび補正量IFAを推定している。そのため、本例によれば、従来技術と異なり、触媒28の実際の酸素吸蔵量OSAに応じた補正量IFAを設定することができ、従来技術に比べてエミッションの悪化を抑制できる。
図6は、制御装置50による内燃機関10の制御の他の一例を示す図である。図6では、補正量IFAは、サブ酸素センサ60の検出値、すなわち、酸素検出値O2Dに基づいて算出されている。図6に示すように、フューエルカットの停止タイミングの違いによって、自動停止を開始する際の酸素吸蔵量OSAa,OSAbが異なる。そして、これにより、自動停止を開始する際の酸素検出値O2Da,O2Dbも異なる。制御装置50は、自動停止後の酸素検出値O2Dに応じて、補正量IFAを調整している。図6から明らかな通り、酸素検出値O2Dを利用した場合でも、自動再始動後の補正量IFAを適切に設定できるため、エミッションの悪化を抑制できる。
また、これまでの説明では、リアA/Fセンサ32の検出値AFDと目標値AF*との乖離量、または、サブ酸素センサ60の検出値O2Dと目標値O2*との乖離量に比例して、補正量IFAを増減させている。しかし、補正量IFAは、AF検出値AFDまたは酸素検出値O2Dに応じて変化するのであれば、必ずしも、AFD,O2Dに比例していなくてもよい。例えば、補正量IFAは、AFDまたはO2Dが、予め規定された複数の閾値を越える度に、段階的に増減するのでもよい。
10 内燃機関、12 燃焼室、14 ピストン、16 点火プラグ、18 吸気通路、20 スロットルバルブ、22 燃料噴射弁、24 排気通路、26 触媒コンバータ、28 触媒、30 フロントA/Fセンサ、32 リアA/Fセンサ、34 ブレーキペダル、36 アクセルペダル、38 クランクシャフト、40 スタータ、50 制御装置、52 プロセッサ、54 メモリ、60 サブ酸素センサ、IFA 補正量、AFD AF検出値、AF* AF目標値、AFst AFストイキ値、O2* 酸素目標値、O2D 酸素検出値、OSA 酸素吸蔵量。

Claims (5)

  1. 車両に搭載された内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、触媒通過後の排気の状態を検知するリア排気センサを有しており、
    前記制御装置は、前記内燃機関を間欠停止させるために、前記内燃機関の自動停止および自動再始動を行い、
    前記制御装置は、前記自動再始動後、前記リア排気センサの検出値に基づいて、前記自動再始動後の燃料噴射量を補正する、
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記リア排気センサは、前記触媒より下流側に設けられたリア空燃比センサであって、その検出値が、前記排気の酸素濃度に対して略線形に変化するリア空燃比センサである、ことを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    予め規定されたA/F目標値に対する前記リア空燃比センサの検出値のズレ量がリーン側に大きいほど、前記自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも増加させ、前記ズレ量がリッチ側に大きいほど、前記自動再始動後の燃料噴射量を前記基準値より低下させる、ことを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記リア排気センサは、前記触媒より下流側に設けられたサブ酸素センサであって、前記排気の酸素濃度が所定のターゲット値を越えた場合に検出値が急峻に低下するサブ酸素センサである、ことを特徴とする制御装置。
  5. 請求項4に記載の制御装置であって、
    予め規定された目標値に対して、前記サブ酸素センサの検出値が、リーン側に偏っている場合には、前記自動再始動後の燃料噴射量を基準値よりも増加させ、リッチ側に偏っている場合には、前記自動再始動後の燃料噴射量を前記基準値より低下させる、ことを特徴とする制御装置。
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