JP2024022255A - トランクス型吸収物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランクス型吸収物品において、着用した状態で、脚筒部の着用感の低下を防止又は抑制することができるものとする。【解決手段】おむつ100は、脚回り開口P2,P3に、筒状に延びた脚筒部182,181を有し、股部120に吸収体150が重ねて配置され、背側部130及び腹側部110の各一方の脚筒部181の外側部分181bから内側部分181aに延び、吸収体150が重ねられた股部120に移行し、股部120を幅方向Wに横断し、背側部130及び腹側部110の各他方の脚筒部182の内側部分182aに移行し、外側部分182bまで延びて、所定の間隔で複数配置された糸ゴム190を有し、糸ゴム190は、幅方向Wに対する傾斜の角度θが最も大きい位置における間隔s2が、外側部分181bにおける間隔s1及び股部120を幅方向Wに横断して配置された部分での間隔s3より大きい。【選択図】図3
Description
本発明は、トランクス型吸収物品に関する。
パンツ型使い捨ておむつは、着用者(ユーザ)の前面である腹側の主に下腹部を覆う腹側部と、着用者の主に股間部を覆う股部と、着用者の主に臀部を覆う背側部とが長さ方向に連なって形成されている。そして、腹側部の、幅方向における側部と、背側部の、幅方向における側部とが接合されて、腹側部と背側部とが、着用者の胴回りの周方向に繋がって、長さ方向の端部側で胴回り開口を形成し、股部の両側で2つの脚回り開口を形成している。
また、パンツ型使い捨ておむつは、腹側部と股部と背側部とが連なり、かつ腹側部と背側部とが接合されて、上述したようにパンツ型に形成された外装シートと、外装シートの内面側、すなわち着用者の肌に接する面(肌面)側に配置された、腹側部、股部及び背側部に亘って延びた吸収体と、を備えている。
ここで、パンツ型使い捨ておむつの一形態として、脚回りの丈が通常のものよりも長く形成されたトランクス型のおむつが知られている。このようなトランクス型は、一分丈パンツ型や、ボクサーパンツ型などと称されることもある。
トランクス型のおむつは、脚回り、すなわち脚の付け根に対応する部分に、脚の延在方向に筒状に延びて、脚の付け根に面で密着する脚筒部を有する。この脚筒部は、腹側部と背側部との側部同士が接合されることによって、周方向に繋がって筒状に形成される。
トランクス型のおむつは、着用者の脚に対する面でのフィット性を高めるために、脚筒部の周方向に延びた糸ゴム等の弾性部材を、略等間隔で複数配置している。これらの弾性部材は、腹側部と背側部とが接合される前の展開状態において配置されるため、脚筒部のうち腹側部と背側部とに別々に配置され、腹側部と背側部とが接合されて筒状に形成された状態において、弾性部材は、脚筒部の周方向の略全周に亘った状態となる。
具体的には、弾性部材は、腹側部における左脚用の脚筒部の左側部から、脚筒部の周方向に沿って内腿の部分に延び、吸収体が配置される股部を幅方向に横断し、腹側部における右脚用の脚筒部の内腿から脚筒部の周方向に沿って右側部まで延びて配置されている。
また、着用者の後面側についても同様に、弾性部材は、背側部における左脚用の脚筒部の左側部から、脚筒部の周方向に沿って内腿の部分に延び、吸収体が配置される股部を幅方向に横断し、背側部における右脚用の脚筒部の内腿から脚筒部の周方向に沿って右側部まで延びて配置されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
上述した弾性部材は、左右の各脚筒部から股部に移行する内腿の部分において、大きく蛇行した状態で外装シートに固定されるため、幅方向に対する糸ゴムの傾斜角度が大きくなる。そして、糸ゴムが幅方向に対して傾斜した部分において、糸ゴムの伸縮力により、おむつには、長さ方向の端部に向かう弾性力が作用し、おむつを着用した状態での内腿の部分では、サイドシール部側の外側部分に比べて、等間隔で配置された複数の弾性部材の間隔が狭くなり易い。
そして、間隔が狭くなった内腿の部分では、外側部分に比べて、弾性部材の作用する脚筒部の面積が狭くなり、弾性部材による着圧が高くなって、着用感が低下する。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、着用した状態で、脚筒部の着用感の低下を防止又は抑制することができる、トランクス型吸収物品を提供することを目的とする。
本発明は、腹側部と股部と背側部とが長さ方向に連なり、前記腹側部における前記長さ方向に直交する幅方向の側部と前記背側部における前記幅方向の側部とが繋がって形成され、脚回り開口に、脚の延在方向に筒状に延びた脚筒部を有し、前記股部の内面に吸収体が重ねて配置されたトランクス型吸収物品であって、前記背側部及び前記腹側部の各一方の脚筒部の外側部分から、前記一方の脚筒部の周方向に沿って内側部分に延び、前記内側部分から前記吸収体が重ねられた前記股部に移行し、前記股部を幅方向に横断し、前記背側部及び前記腹側部の他方の脚筒部の内側部分に移行し、前記内側部分から前記他方の脚筒部の周方向に沿って前記他方の脚筒部の外側部分まで延びて、所定の間隔で複数配置された糸ゴムを有し、前記糸ゴムの、前記幅方向に対する蛇行した傾斜の角度が最も大きくなる位置における間隔が、前記外側部分における間隔及び前記股部を幅方向に横断して配置された部分での間隔に比べて大きく設定されている、トランクス型吸収物品である。
本発明に係るトランクス型吸収物品は、着用した状態で、脚筒部の着用感の低下を防止又は抑制することができる。
本発明に係るトランクス型吸収物品の実施形態は、以下において、図面を参照して説明される。
[構成]
<全体構成>
図1は着用者300が着用した状態を想定したトランクス型使い捨ておむつ100を示す斜視図、図2は図1のトランクス型使い捨ておむつ100の両側部を切り離して前後に開いた状態を示す平面図、図3は図2における右脚用の脚筒部181の糸ゴム190の配置の詳細を示す拡大図(その1)、図4は図2における右脚用の脚筒部181の糸ゴム190の配置の詳細を示す拡大図(その2)である。図示トランクス型使い捨ておむつ100は、本発明に係るトランクス型吸収物品の一実施形態である。
<全体構成>
図1は着用者300が着用した状態を想定したトランクス型使い捨ておむつ100を示す斜視図、図2は図1のトランクス型使い捨ておむつ100の両側部を切り離して前後に開いた状態を示す平面図、図3は図2における右脚用の脚筒部181の糸ゴム190の配置の詳細を示す拡大図(その1)、図4は図2における右脚用の脚筒部181の糸ゴム190の配置の詳細を示す拡大図(その2)である。図示トランクス型使い捨ておむつ100は、本発明に係るトランクス型吸収物品の一実施形態である。
図1に示したトランクス型使い捨ておむつ100は、図2に示すように腹側部110と股部120と背側部130とが長さ方向Lに連なって形成されている。腹側部110は、トランクス型使い捨ておむつ100の着用者(ユーザ)300の前面である腹側の主に下腹部を覆う部分に相当し、股部120は着用者300の主に股間部を覆う部分に相当し、背側部130は着用者300の主に臀部を覆う部分に相当する。なお、図2に示した平面図において、長手方向(前後方向)Lに直交する方向は幅方向Wである。幅方向Wは、おむつ100が着用者300に着用された状態において、着用者300の胴回りの周方向に対応する。
ここで、トランクス型使い捨ておむつ100は、図1に示すように、左右の脚回り開口P2,P3の丈が一般的なパンツ型のものよりも長く形成されている。パンツ型使い捨ておむつに対して長く形成された脚回りの丈の部分は、着用者300の各脚の延在方向に筒状に延びて、右脚の付け根の部分に面で密着する脚筒部181と、左脚の付け根の部分に面で密着する脚筒部182を形成している。
トランクス型使い捨ておむつ100(以下、単に、おむつ100という。)は、図2に示す、腹側部110の、幅方向Wにおける一方の側部111と、背側部130の、幅方向Wにおける一方の側部131とが接合され、かつ、腹側部110の、幅方向Wにおける他方の側部112と、背側部130の、幅方向Wにおける他方の側部132とが接合されている。これにより、図1に示すように、おむつ100は、腹側部110と背側部130とが着用者300の胴回りの周方向に繋がって、図2の長さ方向Lの端部側で胴回り開口P1を形成し、股部120の両側で脚回り開口P2,P3を形成している。
また、おむつ100は、厚さ方向(長さ方向L及び幅方向Wにそれぞれ直交する方向)における、着用者300の肌から遠い外面側(非肌面側)に外装シート140が配置されている。おむつ100は、外装シート140に重ねられて、厚さ方向における着用者300の肌に接する内面側(肌面側)に、吸収体150が配置されている。また、外装シート140に重ねられて、厚さ方向における肌面側に、腹側部110及び背側部130の、幅方向Wの全域に亘って、胴回り不織布170が配置されている。胴回り不織布170は、吸収体150の長さ方向Lの両端部を、肌面側から覆っている。
吸収体150は、パルプ繊維に高吸収性樹脂(SAP;SUPERABSORBENT POLYMERS)を絡めて分布させた吸収部材を、肌面側となる表面の液透過性シートと非肌面側となる裏面の液不透過性シートとで挟んで形成されている。吸収体150は、図2に示すように、長さ方向Lにおいて、腹側部110の全長の半分程度と股部120の全長と背側部130の全長の半分程度とに亘って配置されている。
右脚用の脚筒部181は、図2に示すように、脚回り開口P3に沿って、腹側部110と股部120と背側部130とに亘って形成されている。左脚用の脚筒部182も、脚回り開口P2に沿って、腹側部110と股部120と背側部130とに亘って形成されている。
右脚用の脚筒部181は、腹側部110の側部111と背側部130の側部131とが接合されることによって、脚回り開口P3の周方向に繋がって筒状に形成される。このとき、脚筒部181の、幅方向Wにおける端部となる、側部111,131に対応した外側部分181bが、右脚の付け根の外側に密着し、脚筒部181の、幅方向Wにおける中央寄りの内側部分181aが、右脚の付け根の内側(内腿)に密着する。
左脚用の脚筒部182も右脚用の脚筒部181と同様に、腹側部110の側部111と背側部130の側部131とが接合されることによって、脚回り開口P2の周方向に繋がって筒状に形成される。このとき、脚筒部182の、幅方向Wにおける端部となる、側部112,132に対応した外側部分182bが、左脚の付け根の外側に密着し、脚筒部182の、幅方向Wにおける中央寄りの内側部分182aが、左脚の付け根の内側(内腿)に密着する。
<糸ゴムの配置>
また、おむつ100は、着用者300の各脚に対する面でのフィット性を高めるために、脚筒部181,182の周方向に延びるように、伸ばされた状態の糸ゴム190が配置されている。糸ゴム190は、各脚筒部181,182の丈の延びる方向に分布して、つまり、各脚回り開口P2,P3の縁から異なる距離の位置に、複数(本実施形態においては、例えば5本)配置されている。これらの糸ゴム190は、腹側部110と背側部130とが図2に示す接合される前の展開状態において、脚筒部181,182のうち腹側部110と背側部130とに別々に配置される。
また、おむつ100は、着用者300の各脚に対する面でのフィット性を高めるために、脚筒部181,182の周方向に延びるように、伸ばされた状態の糸ゴム190が配置されている。糸ゴム190は、各脚筒部181,182の丈の延びる方向に分布して、つまり、各脚回り開口P2,P3の縁から異なる距離の位置に、複数(本実施形態においては、例えば5本)配置されている。これらの糸ゴム190は、腹側部110と背側部130とが図2に示す接合される前の展開状態において、脚筒部181,182のうち腹側部110と背側部130とに別々に配置される。
具体的には、糸ゴム190は、図2に示すように、着用者300の前面側に対応して、腹側部110における左脚用の脚筒部182の外側部分182bから、脚筒部182の周方向に沿って内側部分(左脚の内腿の部分)182aに延び、内側部分182aから吸収体150が重ねて配置された股部120に、蛇行しながら移行し、股部120を幅方向Wに横断し、吸収体150が重ねて配置された股部120から、腹側部110における右脚用の脚筒部181の内側部分(右脚の内腿の部分)181aに、蛇行しながら移行し、内側部分181aから脚筒部181の周方向に沿って外側部分181bまで延びて配置されている。
また、着用者300の後面側についても同様に、糸ゴム190は、背側部130における左脚用の脚筒部182の外側部分182bから、脚筒部182の周方向に沿って内側部分(左脚の内腿の部分)182aに延び、内側部分182aから吸収体150が重ねて配置された股部120に、蛇行しながら移行し、吸収体150が重ねて配置された股部120を幅方向Wに横断し、吸収体150が重ねて配置された股部120から、背側部130における右脚用の脚筒部181の内側部分(右脚の内腿の部分)181aに、蛇行しながら移行し、内側部分181aから脚筒部181の周方向に沿って外側部分181bまで延びて配置されている。
上述した糸ゴム190の配置は、おむつ100の製造工程において、例えば、直線状の糸ゴム190を揺動させることで、弾性範囲で伸ばして蛇行(湾曲)した形状に変形させ、この変形させた状態で、糸ゴム190を外装シート140に固定することで実現される。
そして、腹側部110と背側部130とが接合されて、脚筒部181,182がそれぞれ、図1に示す筒状に形成された状態において、腹側部110の糸ゴム190と背側部130の糸ゴム190が、脚筒部181,182の周方向の略全周に亘った状態となり、着用者300の各脚に対する各脚筒部181,182のフィット性を高めている。
また、左右の脚筒部181、182に亘って延びた糸ゴム190が、股部120を幅方向Wに横断して配置されていることにより、着用者300が着用して立ち上がった起立状態では、その股部120の糸ゴム190が、股部120に配置された吸収体150を下方から支持する。したがって、糸ゴム190は、尿等の排せつ物を吸収して重くなった吸収体150が下方に垂れ下がるのを防止又は抑制することもできる。なお、吸収体150が重ねられた股部120においては、背側部130から延びた糸ゴム190と腹側部110から延びた糸ゴム190との両方が配置されている。
おむつ100は、着用者300の前面側の糸ゴム190も後面側の糸ゴム190も、脚筒部181,182の筒の軸方向の異なる位置にそれぞれ複数本配置されている。具体的には、図1,2に示した例では、糸ゴム190は、脚筒部181,182の脚回り開口P2,P3の縁から互いに異なる5つの距離の位置にそれぞれ配置され、左右の脚筒部181,182ともに、5本の糸ゴム190が配置されている。
図3は、図2における右脚用の脚回り開口P3に対応した、主に背側部130の脚筒部181における糸ゴム190の配置を示す模式図である。なお、図示を省略した、右脚用の脚回り開口P3に対応した腹側部110の脚筒部181における糸ゴム190の配置、左脚用の脚回り開口P2に対応した背側部130の脚筒部182における糸ゴム190の配置及び左脚用の脚回り開口P2に対応した腹側部110の脚筒部182における糸ゴム190の配置も、右脚用の脚回り開口P3に対応した腹側部110の脚筒部181における糸ゴム190の配置と同様である。
図3に示すように、背側部130の脚筒部181に配置された5本の糸ゴム190は、脚筒部181の、幅方向Wの外側部分181bにおいて、略等間隔s1に配置され、外側部分181bから幅方向Wの内側部分181aに至る区間は、脚筒部181の周方向に沿いつつ、内側部分181aに近づくにしたがって間隔が徐々に広がっている。
そして、糸ゴム190は、内側部分181aから、吸収体150が重ねて配置された股部120に移行した部分において、幅方向Wに平行な基準線Mに対する蛇行した傾斜の角度θが最も大きくなる。糸ゴム190の、基準線Mに対する傾斜の角度θが最も大きくなる位置における糸ゴム190間の間隔s2は、外側部分181bにおける間隔s1に比べて大きく設定されている(s1<s2)。
また、糸ゴム190が、内側部分181aから、股部120の、吸収体150が重ねられた部分に移行した部分において、幅方向Wの中心に近づくにしたがって、糸ゴム190の、基準線Mに対する傾斜の角度θが徐々に小さくなり、股部120を横断している幅方向Wの中央付近では、基準線Mに対して略平行な状態(角度θ≒0)に設定されている。そして、糸ゴム190の、基準線Mに対する傾斜の角度θが最も大きくなる位置における糸ゴム190間の間隔s2は、糸ゴム190の、基準線Mに対して略平行となった、股部120を幅方向Wに横断して配置された部分での間隔s3よりも、大きく設定されている(s3<s2)。
なお、上述した各間隔s1,s2,s3は、糸ゴム190の延びた方向に直交する方向に沿った寸法である。
上述した糸ゴム190の配置は、例えば、直線状の糸ゴム190を揺動させることで蛇行又は湾曲した形状に変形させ、この変形させた状態で、外装シート140に固定することにより実現される。
[作用]
以上のように構成されたおむつ100は、脚筒部181の内側部分181aにおいて、糸ゴム190は、脚筒部181の周方向ではなく、脚筒部181以外の股部120の部分、つまり、吸収体150が重ねられた部分に移行する配置となっている。このため、内側部分181aにおいて、糸ゴム190の伸縮力は脚筒部181の丈の長さ方向に作用する。
以上のように構成されたおむつ100は、脚筒部181の内側部分181aにおいて、糸ゴム190は、脚筒部181の周方向ではなく、脚筒部181以外の股部120の部分、つまり、吸収体150が重ねられた部分に移行する配置となっている。このため、内側部分181aにおいて、糸ゴム190の伸縮力は脚筒部181の丈の長さ方向に作用する。
そして、股部120の、吸収体150が重ねられた部分は、脚筒部181に比べて剛性が高い。したがって、脚筒部181の内側部分181aは、吸収体150の側に引っ張られ、内側部分181aが着用者300の内腿に密着する面積が狭くなり易い。
ここで、本発明が適用されないおむつでは、内側部分181aから吸収体150の重ねられた股部120に移行する境界付近における糸ゴム190の間隔s2が、外側部分181bにおける間隔s1と同じに設定されている(s1=s2)ため、脚筒部181の内側部分181aは、外側部分181bに比べて、糸ゴム190同士の間隔が狭くなり易い。したがって、5本の糸ゴム190の弾性力が作用する脚筒部181の、着用者300の肌に接する面の面積が狭まって、その面に作用する単位面積当たりの面圧が高くなり、内側部分181aにおける着用感の低下を招く。
しかし、本実施形態のおむつ100は、図3に示すように、内側部分181aから吸収体150の重ねられた股部120に移行した、傾斜角度が最大の部分における糸ゴム190の間隔s2が、外側部分181bにおける間隔s1よりも大きく(s1<s2)、かつ股部120を幅方向Wに横断して配置された部分での間隔s3に比べて大きく(s3<s2)なるように、糸ゴム190が配置されている。
このため、内側部分181aの、着用者300の内腿に密着する面積が狭くなった場合においても、その面積が狭くなった状態での、内側部分181aにおける5本の糸ゴム190の弾性力が作用する面積は、外側部分181bにおいて5本の糸ゴム190の弾性力が作用する面積と同等に抑えることができる。
したがって、おむつ100は、脚筒部181の内側部分181aにおける糸ゴム190による面圧が、外側部分181bにおける糸ゴム190による面圧に比べて高くなるのを防止又は抑制することができ、おむつを着用した状態で、脚筒部181の内側部分181aにおける着用感の低下を防止又は抑制することができる。
なお、おむつ100は、着用者300が着用した状態で、脚筒部181の外側部分181bについては内側部分181aのように、糸ゴム190の間隔が狭くなることがない。したがって、外側部分181bについては、糸ゴム190の間隔s1を広げる必要はなく、むしろ広げない方が好ましい。この理由は以下の通りである。
糸ゴム190は、ホットメルト等の接着部材によって外装シート140に固定される。接着部材は、糸ゴム190の固定後に硬化する。このため、外側部分181bについて、糸ゴム190の間隔s1を広くすると糸ゴム190の分布範囲が広くなって、接着部材の硬化した範囲も広くなり、外側部分181bの肌触りの低下を招く。したがって、外側部分181bについては、糸ゴム190の間隔s1を、糸ゴム190の配置されている領域の全体の中で、最小とすることが好ましく、これにより、おむつ100は、外側部分181bにおいて肌触りが低下するのを防止することができる。
また、おむつ100は、糸ゴム190が股部120を幅方向Wに横断している部分において、基準線Mに対して略平行な状態(角度θ≒0)に設定され、この略平行な状態における糸ゴム190間の間隔s3は、外側部分181bにおける間隔s1に比べて大きく、かつ傾斜の角度θが最大の位置における間隔s2に比べて小さく設定されている(s1<s3<s2)ことが好ましい。
このように、股部120を幅方向Wに横断する部分での糸ゴム190の間隔s3を、外側部分181bにおける間隔s1に比べて大きく設定したことで、おむつ100は、股部120における糸ゴム190の配置された、長さ方向Lに沿った領域を、外側部分181bにおける領域よりも広く確保することができる。これにより、おむつ100は、股部120に重ねられた吸収体150を、下方から股部120の広い領域で支持することができ、吸収体150の垂れ下がり(もたつき)を抑制することができる。
なお、上述した条件(s1<s3)においては、おむつ100は、図4に示すように、脚回り開口P3の縁に最も近く配置された糸ゴム191の、長さ方向Lにおける、吸収体150の重ねられた股部120における位置に対する外側部分181bにおける位置であるオフセット量L2が、脚回り開口P3の縁から最も遠くに配置された糸ゴム195の、長さ方向Lにおける、吸収体150の重ねられた股部120における位置に対する外側部分181bにおける位置であるオフセット量L1よりも大きくなる。
したがって、脚回り開口P3の縁に最も近く配置された糸ゴム191は、脚回り開口P3の縁から最も遠くに配置された糸ゴム195よりも長い経路に配置される。このため、伸長される前の自然状態で一定長さの糸ゴム190を、糸ゴム191と糸ゴム195にそれぞれ適用すると、糸ゴム191よりも糸ゴム195の方が、より長く伸ばされた状態で、外装シート140に固定されることになる。これにより、脚筒部181は、脚回り開口P3の縁に近く側での締め付け力が、脚回り開口P3の縁から遠く側での締め付け力よりも強くなる。
このような、脚回り開口P3の縁からの距離の遠近に応じた、糸ゴム191,195の締め付け力の強弱の違いは、脚回り開口P3の縁からの距離が異なる、糸ゴム191,195以外の他の3本の糸ゴム190についても同様に生じる。したがって、おむつ100は、脚回り開口P3の縁に近づくにしたがって、糸ゴム190の締め付け力が強くなる。これによって、糸ゴム190同士の間隔が狭くなり易い。
そこで、おむつ100は、脚回り開口P3の縁に近づくにしたがって、糸ゴム190の弾性力を弱くしたものとするのが好ましい。糸ゴム190の弾性力を弱くする具体的な構成としては、例えば、糸ゴム190の繊度(太さ)を細くしてもよいし、糸ゴム190の自然長での長さを長くしてもよいし、又は糸ゴム190の弾性係数を小さくしてもよい。
このように、糸ゴム190の弾性力を、脚回り開口P3の縁に近づくにしたがって弱いものとしたおむつ100によれば、脚筒部181における、脚回り開口P3の縁からの距離の遠近に拘わらず、糸ゴム190の締め付け力を均一化することができる。
上述した実施形態のおむつ100は、糸ゴム190の、吸収体150が重ねられた股部120を幅方向Wに横断した部分における間隔s3が、外側部分181bにおける間隔s1よりも大きく設定されていた(s1<s3)が、外側部分181bにおける間隔s1と吸収体150が重ねられた股部120を幅方向Wに横断した部分における間隔s3とが同一に設定されていてもよい(s1=s3)。
この場合、おむつ100は、脚回り開口P3の縁からの距離の遠近に拘わらず、糸ゴム190の締め付け力を等しくすることができ、糸ゴム190の弾性力に差異を設定する必要が無い。
100 トランクス型使い捨ておむつ(トランクス型吸収物品)
120 股部
150 吸収体
181 脚筒部
181a 内側部分
181b 外側部分
190 糸ゴム
300 着用者
M 基準線
P2,P2 脚回り開口
W 幅方向
s1,s2 間隔
θ 角度
120 股部
150 吸収体
181 脚筒部
181a 内側部分
181b 外側部分
190 糸ゴム
300 着用者
M 基準線
P2,P2 脚回り開口
W 幅方向
s1,s2 間隔
θ 角度
Claims (6)
- 腹側部と股部と背側部とが長さ方向に連なり、前記腹側部における前記長さ方向に直交する幅方向の側部と前記背側部における前記幅方向の側部とが繋がって形成され、脚回り開口に、脚の延在方向に筒状に延びた脚筒部を有し、前記股部の内面に吸収体が重ねて配置されたトランクス型吸収物品であって、
前記背側部及び前記腹側部の各一方の脚筒部の外側部分から、前記一方の脚筒部の周方向に沿って内側部分に延び、前記内側部分から前記吸収体が重ねられた前記股部に移行し、前記股部を幅方向に横断し、前記背側部及び前記腹側部の他方の脚筒部の内側部分に移行し、前記内側部分から前記他方の脚筒部の周方向に沿って前記他方の脚筒部の外側部分まで延びて、所定の間隔で複数配置された糸ゴムを有し、
前記糸ゴムの、前記幅方向に対する蛇行した傾斜の角度が最も大きくなる位置における間隔が、前記外側部分における間隔及び前記股部を幅方向に横断して配置された部分での間隔に比べて大きく設定されている、トランクス型吸収物品。 - 前記糸ゴムの、前記傾斜の角度が最も大きくなる位置は、前記一方の脚筒部の内側部分から前記吸収体が重ねられた前記股部に移行した部分及び前記吸収体が重ねられた前記股部から前記他方の脚筒部の内側部分に移行した部分である、請求項1に記載のトランクス型吸収物品。
- 前記糸ゴムの、前記外側部分における間隔が、前記糸ゴムの配置されている領域の全体において最小に設定されている、請求項1又は2に記載のトランクス型吸収物品。
- 前記糸ゴムの、前記外側部分における間隔と、前記吸収体が重ねられた前記股部を幅方向に横断した部分における間隔とが同一に設定されている、請求項1又は2に記載のトランクス型吸収物品。
- 前記糸ゴムの、前記吸収体が重ねられた前記股部を幅方向に横断した部分における間隔が、前記外側部分における間隔に比べて大きく設定されている、請求項1又は2に記載のトランクス型吸収物品。
- 複数の前記糸ゴムは、前記脚回り開口の縁に近づくにしたがって、前記糸ゴムの弾性力が弱く設定されている、請求項5に記載のトランクス型吸収物品。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2022125695A JP2024022255A (ja) | 2022-08-05 | 2022-08-05 | トランクス型吸収物品 |
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Family Applications (1)
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JP6903116B2 (ja) * | 2019-12-09 | 2021-07-14 | 大王製紙株式会社 | パンツタイプ使い捨ておむつ |
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2022
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-
2023
- 2023-04-05 WO PCT/JP2023/014038 patent/WO2024029134A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2024029134A1 (ja) | 2024-02-08 |
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