JP2024022232A - ダイヤモンドの加工方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板に有するうねり成分を除去して平坦化し、事後の表面粗さを改善する平滑化工程における高効率化と高品位化を実現することが可能なダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する。【解決手段】除去量分布データに基づいて、ダイヤモンド基板の加工面をレーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング工程を行う前に、加工面の全面に金等のレーザ光吸収材を均一に成膜し、それからレーザ光吸収材にレーザ光を照射して加工面の表面にグラファイト層を形成する。【選択図】 図4

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、ダイヤモンドの加工方法及びその装置に係わり、更に詳しくは単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板を平坦化するための加工方法及びその装置に関するものである。
従来からダイヤモンド基板の研磨は、ダイヤモンド砥粒が埋め込まれた回転定盤に研磨対象のダイヤモンド基板を押し付けて研磨するスカイフ研磨が一般的に用いられているが、研磨レートは大きいものの基板の破損や加工変質層の導入が問題となっている。一方、スラリーと呼ばれる薬液と砥粒の混合液を用いる化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing: CMP)は、基板表面に加工変質層は導入されないが、研磨レートが小さい、スラリーは環境負荷が大きく廃液処理が高コスト、という問題を有する。
特許文献1には、SiC、GaN又は超硬合金からなる難加工材料を、スクラッチや加工変質層を導入せずに高能率で加工する難加工材料の精密加工方法であって、不活性ガスと、HOとHの一方又は双方を含む雰囲気中に高周波電力を投入して発生させた大気圧プラズマによってOHラジカルを生成し、この反応性の高いOHラジカルを難加工材料の表面に作用させて酸化し、難加工材料の表面に該難加工材料よりも軟質な酸化物層からなる表面改質層を形成する表面改質プロセスと、モース硬度が前記難加工材料と表面改質層の中間硬度を有する研磨材料を用いた研磨プロセスとを繰り返す加工方法が開示されている。特許文献1に記載の発明は、ダイヤモンドが対象材料になっておらず、また研磨方式も研磨対象材料の表面にプラズマを照射して表面改質を行なった後、機械的研磨するものである。
特許文献2には、機械的加工部において、被加工物の表面の少なくとも一部に、機械的作用によって加工変質層を形成する工程と、プラズマ発生部において、前記機械的加工部で形成された前記加工変質層の少なくとも一部の表面にプラズマを化学的に作用させ、前記加工変質層の少なくとも一部を除去する工程を含み、該両工程を交互に、相互に異なる場所で行い、SiC、GaN若しくはダイヤモンドを加工できる方法が開示されている。引用文献2に記載の発明は、最終的な除去工程がプラズマエッチングであるので、加工面の平坦化、平滑化には限界がある。
CVD成長等によって作製された単結晶若しくは多結晶のダイヤモンド基板又はダイヤモンドライクカーボン基板は成膜時のムラによって生じた大きなうねり成分を有する。これらのダイヤモンド基板をパワーデバイス用の放熱基板として用いるには、高熱伝導率を有する接合を実現するための平坦化と平滑化が不可欠である。しかしながら、研磨レートが小さな研磨工程のみで取り代の大きなうねり成分を除去する場合、最終仕上げに至るまでに多大な加工時間を要してしまう。したがって、最終研磨工程の前に何らかの手段で高能率に平坦化することが求められている。
非特許文献1には、UVパルスレーザをCVDダイヤモンドに照射してポリッシングする技術が記載されているが、ダイヤモンドの製造過程で内部に取り込まれた窒素等の不純物があると、その欠陥にレーザ光が優先的に吸収されて粗い面となる。
特許第5614677号公報 特許第6301157号公報
Adv.Optical Mater.2021,2100537
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板に有するうねり成分を除去して平坦化し、事後の表面粗さを改善する平滑化工程における高効率化と高品位化を実現することが可能なダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、以下に構成するダイヤモンドの加工方法及びその装置を提供する。
(1)
ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測工程と、
前記形状計測工程で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成工程と、
前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜工程と、
前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成工程と、
前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング工程と、
を含むダイヤモンドの加工方法。
(2)
前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種である、
(1)記載のダイヤモンドの加工方法。
(3)
前記レーザ光吸収材が、金である、
(2)記載のダイヤモンドの加工方法。
(4)
前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
(1)記載のダイヤモンドの加工方法。
(5)
前記レーザトリミング工程によって平坦化されたダイヤモンドの加工面の残存グラファイト層と、加工面の微細凸部を選択的に除去して平滑化する平滑化工程を更に含む、
(1)記載のダイヤモンドの加工方法。
(6)
前記平滑化工程により得られる加工面の表面粗さSqが0.5nm以下である、
(5)記載のダイヤモンドの加工方法。
(7)
ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測手段と、
前記形状計測手段で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成手段と、
前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜手段と、
前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成手段と、
前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング手段と、
を含むダイヤモンドの加工装置。
(8)
前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種であり、前記成膜手段が蒸着装置である、
(7)記載のダイヤモンドの加工装置。
(9)
前記レーザ光吸収材が、金である、
(8)記載のダイヤモンドの加工装置。
(10)
前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
(1)記載のダイヤモンドの加工装置。
(11)
前記グラファイト層形成手段及びレーザトリミング手段が、レーザ発振器と、該レーザ発振器からのレーザ光を走査するガルバノスキャナーと、前記レーザ発振器とガルバノスキャナーを制御する制御装置とより構成されている、
(7)記載のダイヤモンドの加工装置。
(12)
前記レーザトリミング手段によって平坦化されたダイヤモンドの加工面の残存グラファイト層と、加工面の微細凸部を選択的に除去して平滑化する平滑化手段を更に含む、
(7)記載のダイヤモンドの加工装置。
(13)
前記平滑化手段により得られる加工面の表面粗さSqが0.5nm以下である、
(12)記載のダイヤモンドの加工装置。
以上にしてなる本発明のダイヤモンドの加工方法及びその装置によれば、CVD成長等によって作製された単結晶若しくは多結晶ダイヤモンド基板又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)基板形状を測定し、レーザ加工により平面からの誤差量に応じて修正加工(トリミング)を行って粗平坦化することで、その後に引き続いて実施される仕上げ研磨工程(平滑化工程)における取り代を削減し、平坦化工程と平滑化工程から成る高平坦性ダイヤモンド基板作製における総加工時間を短縮することができる。
ダイヤモンド基板の加工手順を示し、(a)は加工前の断面図、(b)は平坦化工後の断面図、(c)は平滑化加工後の断面図を示している。 本発明の加工装置の一部を構成するレーザトリミング装置の概念図である。 レーザトリミングによる平坦化加工の原理を示す説明図である。 本発明の加工原理を示す説明図 (a)はSCD基板の加工前の高さ分布を示す走査白色干渉計(SWLI)画像、(b)はSCD基板のレーザトリミング後の高さ分布を示すSWLI画像、(c)はレーザトリミング前後の同じラインの断面プロファイルを示すグラフ、(d)はレーザトリミング前のAuコーティングされたSCD基板の写真、(e)はレーザトリミング後のSCD基板の写真をそれぞれ示している。 レーザトリミングにおける各Layerの走査領域を示す等高線図である。 プラズマ援用研磨(PAP)装置の概念図である。 同じく要部の拡大説明図である。 研磨プレートの回転数が240rpmの場合の研磨圧力に対する研磨レート(MRR)のグラフである。 図9の各研磨圧力で研磨した表面を走査白色干渉計(SWLI)で観察した画像及び原子間力顕微鏡(AFM)で表面粗さを観察した結果を示す。 研磨プレートの回転数を固定した場合の研磨圧力に対する表面粗さSq(nm)のグラフである。 研磨圧力を固定した場合の研磨プレートの回転数に対する研磨レート(MRR)のグラフである。 研磨圧力が62.5kPaの場合で、それぞれの回転数で加工後した後のSWLI画像である。 研磨圧力が246.9kPaの場合で、それぞれの回転数で加工後した後のSWLI画像である。 研磨圧力が62.5kPaと246.9kPaの場合における研磨プレートの回転数に対する表面粗さを示すグラフである。 レーザトリミングによる平坦化後のダイヤモンド基板をプラズマ援用研磨(PAP)で平滑化する場合の研磨時間毎の変化を示し、(a)は研磨前の写真、(b)は13時間研磨後の写真、(c)は21.5時間研磨後の写真、(d)は28.75時間研磨後の写真、(e)は34時間研磨後の写真をそれぞれ示す。 ダイヤモンド基板をプラズマ援用研磨(PAP)のみで表面粗さSqが0.5nm以下になるまで要した時間を示す説明図である。 レーザトリミング(LT)によってダイヤモンド基板のうねり成分を除去した後に、プラズマ援用研磨(PAP)で表面粗さSqが0.5nm以下になるまで要した時間を示す説明図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は、ダイヤモンド基板の加工手順を示し、(a)は加工前の断面図、(b)は本発明に係るレーザトリミングによる平坦化加工後の断面図、(c)は平滑化加工後の断面図を示している。図2は、本発明の加工装置の一部を構成するレーザ照射装置の概念図を示している。本実施形態で加工するダイヤモンド基板Sは、単結晶ダイヤモンド(SCD)又は多結晶ダイヤモンド(PCD)の基板であるが、限定されない。ダイヤモンド結合成分を含むダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いてもよい。ダイヤモンドライクカーボンにはグラファイト結合成分も含まれるが、ダイヤモンドライクカーボンが透明性を示すレーザ波長域において本発明は効果的である。尚、レーザトリミングによる平坦化加工後に行う平滑化加工として、本実施形態ではプラズマ援用研磨を例示しているが、その他公知の研磨方法を用いることができる。
CVD成長等によって作製された単結晶若しくは多結晶のダイヤモンド基板Sは、図1(a)に示すように、成膜時のムラによって生じた大きなうねり成分Wを有している。図1(b)は平坦化工程後の状態を示し、うねり成分Wを本発明に係るレーザトリミングの手法によって除去するが、粗さ成分Rは残っている。図1(c)は平滑化工程を示し、プラズマ援用研磨(PAP)によって仕上げ研磨を行い、表面粗さSqが0.5nm以下になるように平滑化する。ここで、うねり成分は空間波長が長い領域に対応し、表面粗さは空間波長が短い領域に対応している。
<レーザトリミングによる平坦化加工の説明>
材料にレーザ光を照射すると、レーザアブレーション作用によって照射部分の材料を除去することが可能であり、そしてレーザ光を材料表面に沿って走査することとで、任意形状に加工することが可能である。本発明は、レーザアブレーション作用によって、ダイヤモンド基板Sのうねり成分を除去して平坦化するために、図2に示すレーザ照射装置1を用いる。レーザ光をダイヤモンド基板Sに照射すると、部分的に加熱されて表層部がグラファイト化し、それから更にグラファイト層がレーザ光を吸収してCOとして昇華する。
レーザ照射装置1は、レーザ発振器2と、レーザ光Lを拡張するビームエキスパンダー3と、レーザ光Lをダイヤモンド基板Sの表面に集光し且つ表面に沿って走査するためのガルバノスキャナー4及びそれらを制御するコンピュータ等の制御装置5で構成されている。本実施形態では、前記レーザ発振器2によって波長が1064nmの短パルスレーザ光が生成された後、レーザ光はビームエキスパンダー3で所定の大きさに拡張され、ガルバノスキャナー4によってダイヤモンド基板Sの表面を走査する。尚、前記ガルバノスキャナー4は、XY軸回りにそれぞれ角度変更可能な2枚のミラーでレーザ光を反射させた後、f-θレンズを通してダイヤモンド基板Sの表面に集光するものである。しかし、本発明において、レーザ照射装置1の特定は不要であり、各種の市販品を用いることができる。
前記レーザ照射装置1を用いてダイヤモンド基板Sのうねり成分を除去して平坦化するレーザトリミングを行うには、予め形状計測手段を用いてダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測し、その形状計測手段で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、加工データ作成手段によりレーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する必要がある。本実施形態では、形状計測手段として走査白色干渉計(SWLI)を用いて高さ分布を取得し、図3に示すように、単位レーザ走査によって除去する高さH毎の等高線図を作成し、同じ高さの範囲をレイヤー1、レイヤー2,…とした除去量分布データを作成する。図3の上段は高さ分布Pであり、下段は各層(Layer)に対応した等高線Cであり、各層におけるレーザ光の走査範囲である。この除去量分布データを作成する加工データ作成手段は、コンピュータで行うことができる。ここで、単位レーザ走査とは、同じ場所を1回だけ走査する以外に、2回、3回と繰り返し必要量の高さを除去できる走査の単位である。本実施形態では、1回の走査で除去できる高さHを等高線の間隔とし、各層の高さHを4.5μmとしている。
レーザトリミングにおけるレーザ光は、ダイヤモンド基板Sの内部に有する欠陥Dに優先的に吸収されて、その部分がグラファイト化する。図4(a)は、初期のダイヤモンド基板Sの断面を示し、内部に欠陥Dが存在する状態を示し、図4(b1)は欠陥Dの位置にグラファイト層Gが形成された状態を示している。尚、欠陥Dは、ダイヤモンドの作製時に内部に窒素等の不純物が取り込まれて生成する。図4(b1)の状態から更にレーザ光Lを照射すると、レーザエネルギーはグラファイト層Gに優先的に吸収されて加熱し、その部分が大きく除去され、表面粗さが悪くなるばかりでなく、所望の平坦化は達成できない。つまり、レーザアブレーション加工による除去量は、ダイヤモンド基板Sに存在する窒素等の不純物の量や分布によって左右される。
そこで、本発明は、図4(b2)に示すように、ダイヤモンド基板Sの加工面にレーザ光吸収材6を均一に成膜する。レーザ光吸収材6としては、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種を用い、本実施形態では厚さ20~30nmの金を蒸着している。レーザ光吸収材6の成膜手段にはスパッタリング蒸着装置等を用いる。このように、ダイヤモンド基板Sの加工面にレーザ光吸収材6の層が存在した状態でレーザ光Lを照射すると、該レーザ光吸収材6がレーザエネルギーを最優先で吸収してグラファイト化温度以上に昇温し、図4(c2)に示すように、ダイヤモンド基板Sにグラファイト層Gが形成される。そして、図4(d2)に示すように、一旦グラファイト化が生じると2回目以降に照射したレーザ光はグラファイト層Gで吸収されるため、最表面から順にグラファイト化を伴いながらアブレーション加工が進行する。つまり、窒素等の不純物の分布に依存することなく安定なレーザトリミングが実現できる。
尚、ダイヤモンドのグラファイト化に必要な温度は通常600~800℃とされている。前記レーザ光吸収材6は、レーザ光を吸収してグラファイト化温度までダイヤモンド表面を昇温させる能力が必要であり、それらはレーザ光の吸収率やそれ自体の沸点を考慮して選択され、その上で必要な熱容量から厚さが決定される。
以上にしてなる本発明のダイヤモンドの加工装置は、
ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測手段と、
前記形状計測手段で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成手段と、
前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜手段と、
前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成手段と、
前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング手段と、
を含むものである。
ここで、前記グラファイト層形成手段及びレーザトリミング手段は、本実施形態では前記レーザ照射装置1を用いるが、それぞれ別々の装置であっても構わない。
<レーザトリミングによる平坦化加工の実行>
先ず、図5(a)に示すように、SWLIを用いて20mm四方の大型モザイクSCD基板の加工前の高さ分布を測定した。次に、ステップ高さHを4.5μmに設定して3D表面を上から下にスライスして46層の等高線を作成し、その46層の等高線に囲まれた内側をハッチングして、図6に示すような除去量分布データを作成した。図6の各層の黒い領域は、各層の平面アブレーション領域であり、この領域をレーザ照射装置1で走査する。レイヤー1から46にかけて、各レイヤーの平面アブレーション領域が増加し、最後のレイヤー(レイヤー46)では最も低い領域のみがレーザで照射されないような設定である。図5(c)に、図5(a)のA-B線断面プロファイルを示してあり、PV値は207μmである。
図5(b)は、8分58秒間のレーザトリミング後のSCD基板を、SWLIを使用して測定した高さ分布を示している。図5(c)に、図5(b)のC-D線断面プロファイルも示してあり、レーザトリミングによってPV値が約150μm減少したことが分かる。このように、レーザトリミング処置によって、SCD基板の不均一な高さ分布が大幅に改善された。図5(d)は、レーザトリミング前のAuコーティングされたモザイクSCD基板の写真を示している。図5(e)は、レーザトリミング後のモザイクSCD基板の写真を示し、レーザが照射されていない最も低い領域のみがAu膜で覆われ、他の領域は黒色のグラファイト層で覆われていることが分かる。図5(e)の写真は、図6のレイヤー46のアブレーション領域に対応している。
<プラズマ援用研磨(PAP)の説明>
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、プラズマ援用研磨(PAP)装置を説明する。図7は、PAP装置の概念図を示し、図8は要部の拡大図を示している。図中符号Sはダイヤモンド基板、11は真空チャンバー、12はダイヤモンド基板Sのホルダー、13は研磨プレート、14は下部電極を兼ねる回転定盤、15は上部電極、16はガス供給系、17は排気系、18は高周波電源をそれぞれ示している。
このPAP装置は、
回転可能な定盤14の上に研磨プレート13を配置し、該研磨プレート13よりも小さな面積の加工面を有するダイヤモンド基板Sを保持し、該ダイヤモンド基板Sの加工面を前記研磨プレート13に所定研磨圧力で接触させるとともに、それ自体が研磨プレート13に直交する軸回りに回転可能なホルダー12を備えた機械駆動部Aと、
ダイヤモンドを構成する炭素原子と結合して昇華する作用、もしくは研磨プレートを構成する原子とダイヤモンド基板Sを構成する炭素原子と結合して相対運動により表面炭素原子を引き抜く作用を有する元素を含むプロセスガスに、電力を投入して発生させたプラズマを、前記研磨プレートに照射するプラズマ照射部Bと、
を備えた装置であって、
前記研磨プレート13とダイヤモンド基板Sの加工面を前記研磨圧力が100kPa以下で接触させながら1m/s以上の相対速度になるように前記回転定盤14の回転数を調整し、該加工面の凸部から選択的に除去して表面粗さSqが0.5nm以下に平滑化するものである。
本実施形態の前記プラズマ照射部Bは、下部電極を兼ねる前記回転定盤14に対して間隔を置いて配置した上部電極15との間に、プロセスガスを供給するとともに、下部電極14と上部電極15間に高周波電圧を印加して高周波プラズマを発生させるものである。尚、プラズマの発生・照射手段としては、前述の上下電極間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、研磨プレート13をプラズマに曝す以外に、大気圧下で発生させたプラズマジェットを研磨プレート13に照射する構成、あるいは大気圧下で発生させたコロナ放電プラズマに研磨プレート13を曝す構成等があり、限定されない。また、プロセスガスに投入する電力も限定されず、直流、商用周波数、低周波、高周波、マイクロ波等、任意である。
具体的には、真空チャンバー11の内部に、前記機械駆動部Aとプラズマ発生部Bは設けられ、更に該真空チャンバー11にはプロセスガスを供給するガス供給系16と、ガスを排気する排気系17が接続され、前記真空チャンバー11に所定の圧力のプロセスガスを満たし、前記高周波電源18から下部電極14と上部電極15間に高周波電圧が印加され、下部電極14と上部電極15間にプラズマを発生させる。
前記真空チャンバー11内の底部には、回転定盤14が回転軸を垂直に向けて配置され、その上面に石英ガラスプレートからなる研磨プレート13が固定されている。前記回転定盤14は導電体で形成し、真空チャンバー11とともに接地され、下部電極を兼ねている。そして、前記真空チャンバー11の底部から立ち上がった絶縁体の支持脚19で保持され、前記回転定盤14(研磨プレート13)と平行な位置に上部電極15が固定されている。前記上部電極15には高周波電源18が接続されている。そして、前記回転定盤14の回転中心から半径方向へ偏心した位置に、前記ホルダー12の回転中心を設定し、該ホルダー12は、前記上部電極15に設けた小さな開口20を通して上方に延び、適宜な回転動力手段と軸方向への研磨圧力付与手段に接続されている。
前記ガス供給系16は、前記真空チャンバー11内にプロセスガスを供給するためのものであり、本実施形態ではアルゴンガスボンベ21からマスフローコントローラ22を介して供給されたアルゴンガスと、酸素ガスボンベ23からマスフローコントローラ24を介して供給された酸素ガスを混合してプロセスガスとしている。尚、プロセスガスは、酸素ガスの代わりに水蒸気を用いることも可能である。更に、酸素ガスと水蒸気を併用することも可能である。これらの酸素ガスや水蒸気(HO分子)は、プラズマ中でOラジカルやOHラジカルとなってダイヤモンドを構成する炭素原子と結合して炭酸ガスとして昇華する作用を有する。もしくはOラジカルやOHラジカルは研磨プレートを構成する原子とダイヤモンド表面の炭素原子の両方と結合して相対運動により表面炭素原子を引き抜く作用を有する。また、アルゴンガスの代わりにヘリウムガス等の不活性ガスを用いることも可能である。
そして、前記排気系17は、真空ポンプや除害筒で構成され、前記真空チャンバー11の内部を排気するものである。前記排気系17は、前記真空チャンバー11の内部を真空に排気し、その後にプロセスガスを注入し、真空チャンバー11の内部を所定圧力に維持する。
そして、ダイヤモンド基板Sは、プラズマ照射プロセスと平滑プロセスとで平坦化、平滑化される。プラズマ照射プロセスは、前記ガス供給系16から前記真空チャンバー11内にプロセスガスを供給し、前記下部電極としての前記回転定盤14と上部電極15間に前記高周波電源18から高周波電圧を印加して、プロセスガスに基づくプラズマを発生させて、前記研磨プレート13に該プラズマを照射するプロセスである。平滑プロセスは、前記研磨プレート13に、ダイヤモンド基板Sの加工面を、所定の研磨圧力で接触させながら所定の相対速度で相対的に変位させ、該加工面の凸部から選択的に除去して平滑化するプロセスである。
プラズマ照射の効果として、研磨プレート上の炭素付着物(ダイヤモンド等の加工物由来)を酸素ラジカルやOHラジカル照射により酸化させることでCOとして気化させて除去し、清浄な面を維持することが挙げられる。ここで、被加工物(ダイヤモンド)の加工面に付着物が存在すると、研磨レートが低下することが経験的に知られている。
具体的には、前記回転定盤14(研磨プレート13)を所定の回転数で回転させるとともに、前記ホルダー12の所定の回転数で回転させながら所定の研磨圧力で接触させる。ここで、前記ホルダー12の回転数は20rpmであり、該ホルダー12に保持したダイヤモンド基板Sを回転させることで、前記研磨プレート13に対する相対速度の平均化を図っている。本実施形態において、前記ホルダー12の回転数は20rpmに固定している。
本実施形態では、石英ガラス基板等の回転する研磨プレート上に酸素や水蒸気を含有するプラズマを照射し、そのプレート上に研磨対象であるダイヤモンド基板を押し付けて摺動することで研磨を行うもので、プラズマ援用研磨(PAP)と称している。ここでは、PAPにおいて、ダイヤモンドに対して研磨条件を最適化した。つまり、PAPの特徴は、研磨条件、即ち研磨圧力と相対速度の最適化を図ることによって、表面粗さの小さな仕上げ加工や、加工速度(研磨レート)の速い粗加工をダイヤモンドにおいて実現できることにある。
前記研磨プレート3の材質として、石英ガラス以外にも、サファイア、アルミナ、ホウケイ酸ガラス、BC(炭化ホウ素)が挙げられる。研磨レートは、ホウケイ酸ガラス>石英ガラス>アルミナ>サファイアに順に高くなることが分かっている。一方、表面粗さは、石英ガラス<ホウケイ酸ガラス<サファイア≒アルミナの順に小さくなることが分かっている。また、研磨プレートとしては、SiO砥粒を埋め込んだレジンボンド砥石も有用であることが期待できる。本砥石は、弾性体なので被加工物の形状に馴染みやすく、研磨能率が向上する、砥粒の結合材であるレジンは樹脂であるので、酸素プラズマの照射により適度にエッチングされて自生作用が生じて砥粒の突き出し状態が維持できるので、研磨レートが低下することなく維持できる、等の効果が期待できる。
先ず、前記回転定盤14(研磨プレート13)の回転数を240rpmに固定し、研磨圧力を変化させた場合の単結晶ダイヤモンド(100)面の研磨レート(Material Removal Rate:MRR)の変化を図9に示す。また、そのときの各加工面を走査白色干渉計(SWLI)と原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果を図10及び図11に示す。このとき研磨圧力は、62.5、81.3、143.8、246.9、及び350.0kPaに設定され、対応する研磨時間はそれぞれ5、2、0.5、0.5、及び0.5時間である。図10は、研磨後のダイヤモンド基板Sの表面上の4つの位置をSWLIで測定し、1つの位置の対応するSWLI画像を示している。
研磨条件として研磨圧力を増加させると、図9に示すように研磨レートが増加するが、図10及び図11に示すように表面粗さも悪化してしまう。この時、低研磨圧力(この場合100kPa以下)では表面構造が等方的であるのに対し、高研磨圧力(この場合100kPaを超える圧力)では研磨が容易な<100>方向に筋目状の構造が形成される(異方的)ことで表面粗さが悪化することがわかった。
次に、研磨プレート13とダイヤモンド基板Sとの間の相対速度がプラズマ援用研磨特性に及ぼす影響を、ダイヤモンド基板Sに加えられる研磨圧力を一定に保ちながら研磨プレート13の回転数を変化させることによって調査した。前記ホルダー12の回転数は20rpmに設定した。研磨圧力が62.5kPaの場合、研磨プレート13の回転数は240、320、400rpmに設定し、研磨時間はそれぞれ5、2、2時間とした。研磨圧力が246.9kPaの場合、研磨プレート13の回転数は160、240、320、400rpmに設定し、対応する研磨時間はすべて0.5時間である。
本実施形態では、前記回転定盤14の回転中心と前記ホルダー12の回転中心の距離は45mmである。ここで、前記ホルダー12の回転中心の距離での周速度v(m/s)は回転定盤14の回転数をN(rpm)とすると、
v=4.71×10-×N(m/s)
と表される。従って、160rpm=0.754m/s、240rpm=1.13m/s、320rpm=1.51m/s、400rpm=1.89m/sと換算できる。尚、1m/s=212rpmである。
研磨圧力(62.5kPa、246.9kPa)を固定し、研磨プレート13の回転数を変化させて研磨レート(MRR)の変化を調べた結果を図12に示す。図12のグラフの下側の3点は研磨圧力が62.5kPa(低研磨圧力範囲)の場合、上側の4点は研磨圧力が246.9kPa(高研磨圧力範囲)の場合を示している。このように、研磨プレートの回転数(相対速度)を増加させると、図12に示すように回転数の増加とともに研磨レート(MRR)が増加する。この場合の最高の研磨レート(MRR)は5.3μm/hを達成している。何れの研磨圧力でも所定の回転数より低くなると研磨レートが殆どゼロになる傾向である。
図12に示した各加工面の4つの位置を走査白色干渉計(SWLI)と原子間力顕微鏡(AFM)で観察し、その一つのSWLI画像を図13及び図14に示す。図13は、研磨圧力が62.5kPaの場合で、それぞれの回転数で加工後した後のSWLI画像と表面粗さSq(nm)をそれぞれ示している。図14は、研磨圧力が246.9kPaの場合で、それぞれの回転数で加工後した後のSWLI画像と表面粗さSq(nm)をそれぞれ示している。その結果、研磨圧力246.9kPaで回転数を変化させて研磨した後、<100>方向に沿った溝の帯がダイヤモンド基板表面に現れ続けたが、研磨圧力が62.5kPaになるとそのような溝は観察されなかった。
図15には、研磨圧力が62.5kPaと246.9kPaの場合における研磨プレートの回転数に対する表面粗さを示している。図15のグラフの下側の3点は研磨圧力が62.5kPa(低研磨圧力範囲)の場合、上側の4点は研磨圧力が246.9kPa(高研磨圧力範囲)の場合を示している。表面粗さは図15に示すように各研磨圧力において研磨プレートの回転数依存性が無いことがわかる。すなわち、研磨プレートの回転速度を増加させる場合、100kPa以下の低研磨圧力条件では等方的に良好な表面粗さを維持したまま研磨レートが増加し、100kPaを超える高研磨圧力条件では異方的に筋目状構造が形成されるが粗さの値は維持されたまま研磨レートが増加することが分かる。
そこで、PAPでは、表面粗さSqが0.5nm以下になる仕上げ加工条件として、研磨圧力が100kPa以下の範囲を設定する。この際に、実用的な研磨時間で仕上げ加工を実現するためには、研磨プレートとダイヤモンド基板の相対速度は1m/s(212rpm)以上である必要がある。ダイヤモンドのプラズマ援用研磨においては、低研磨圧力条件で研磨プレートの回転数を上げる(ダイヤモンド基板と研磨プレートの相対速度を増加させる)ことで、良好な表面粗さと高研磨レートを両立できる。しかし、低研磨圧力条件では、図12に示すように、研磨プレートの回転数を上げても、研磨レートで2μm/hを達成することは難しい。
一方、ダイヤモンド基板の平坦化には、表面粗さを犠牲にしても研磨レートが高い研磨条件も必要である。そこで、PAPでは、研磨レートが2μm/h以上を達成可能な粗加工条件として、研磨圧力が100kPaを超え、研磨プレートとダイヤモンド基板の相対速度が1m/s以上の範囲を設定する。
PAPのダイヤモンドの加工方法は、研磨圧力が100kPaを超え、相対速度が1m/s以上の研磨条件で、加工速度が2μm/h以上である粗加工工程と、研磨圧力が100kPa以下、相対速度が1m/s以上の研磨条件で、表面粗さSqが0.5nm以下の仕上げ加工工程を有している。
一方、PAPのダイヤモンドの加工装置は、研磨プレートとダイヤモンドの加工面を研磨圧力が100kPaを超え、1m/s以上の相対速度になるように定盤の回転数を調整し、加工速度が2μm/h以上である粗加工モードと、研磨プレートとダイヤモンドの加工面を研磨圧力が100kPa以下で、1m/s以上の相対速度になるように定盤の回転数を調整し、該加工面の凸部から選択的に除去して表面粗さSqが0.5nm以下に平滑化する仕上げ加工モードと、を備えている。
<レーザトリミングによる平坦化加工後、PAPによる平滑化加工の実行>
CVD成長の20mmの正方形のモザイクSCD基板を用いた。前述のレーザトリミングによる平坦化加工の実行でレーザトリミング処理されたSCD基板は、プラズマ援用研磨(PAP)によって順次仕上げられた。その場合のPAPの研磨条件を表1に示す。図16(a)~(e)は、異なる研磨時間でのPAP後のSCD基板の写真を示している。図16(a)は研磨前の写真、(b)は13時間研磨後の写真、(c)は21.5時間研磨後の写真、(d)は28.75時間研磨後の写真、(e)は34時間研磨後の写真をそれぞれ示している。
Figure 2024022232000002
図16の各写真の黒色のグラファイト層は、PAP時間が増加するにつれて徐々に除去されていることが分かる。図16(d)に示すように、28.75時間のPAP後、殆ど全てのグラファイト層が除去されているが、レーザトリミング中にレーザが照射されなかった領域は完全には研磨されなかった。図16(e)に示すように、PAPを34時間行なった後は、表面全体が研磨された。
図17は、SCD基板をレーザトリミング無しで単一のPAPで処理した場合を示し、材料は高領域から低領域に順次除去され、合計研磨時間が219.5時間で表面粗さSqを0.5nm以下にできた。一方、図18は、SCD基板をレーザトリミングによる粗平坦化(平坦化工程)した後、プラズマ援用研磨(PAP)で仕上げ研磨(平滑化工程)した場合を示し、PAPにより34時間で表面粗さSqを0.5nm以下にできた。この場合のレーザトリミングの時間は、8分58秒であり、PAP所要時間からすれば略無視できる。
これらの結果は、ハイブリッド機械加工プロセスにおいて、レーザトリミングが高領域の材料を選択的に除去し、PAP時間が219.5時間から34時間に約1/7に短縮されたことを実証できた。
S ダイヤモンド基板
W うねり成分
R 粗さ成分
L レーザ光
P 高さ分布
C 等高線
D 欠陥
G グラファイト層
A 機械駆動部
B プラズマ照射部
1 レーザ照射装置
2 レーザ発振器
3 ビームエキスパンダー
4 ガルバノスキャナー
5 制御装置(コンピュータ)
6 レーザ光吸収材
11 真空チャンバー
12 ホルダー
13 研磨プレート
14 回転定盤(下部電極)
15 上部電極
16 ガス供給系
17 排気系
18 高周波電源
19 支持脚
20 開口
21 アルゴンガスボンベ
22 マスフローコントローラ
23 酸素ガスボンベ
24 マスフローコントローラ

Claims (13)

  1. ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測工程と、
    前記形状計測工程で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成工程と、
    前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜工程と、
    前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成工程と、
    前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング工程と、
    を含むダイヤモンドの加工方法。
  2. 前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種である、
    請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
  3. 前記レーザ光吸収材が、金である、
    請求項2記載のダイヤモンドの加工方法。
  4. 前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
    請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
  5. 前記レーザトリミング工程によって平坦化されたダイヤモンドの加工面の残存グラファイト層と、加工面の微細凸部を選択的に除去して平滑化する平滑化工程を更に含む、
    請求項1記載のダイヤモンドの加工方法。
  6. 前記平滑化工程により得られる加工面の表面粗さSqが0.5nm以下である、
    請求項5記載のダイヤモンドの加工方法。
  7. ダイヤモンドの加工面の三次元形状を計測する形状計測手段と、
    前記形状計測手段で取得した前記加工面の三次元形状に基づき、レーザアブレーション作用における除去量分布データを作成する加工データ作成手段と、
    前記レーザアブレーション作用のレーザ光を吸収して前記加工面の表層をグラファイト化温度以上に昇温する作用を備えたレーザ光吸収材を、前記加工面に均一に成膜する成膜手段と、
    前記レーザ光吸収材に前記レーザ光を照射し、前記加工面の表層をグラファイト化するグラファイト層形成手段と、
    前記加工データ作成工程によって得られた除去量分布データに基づいて、前記加工面を前記レーザ光で走査し、レーザアブレーション作用によって該加工面のうねりを除去して平坦化するレーザトリミング手段と、
    を含むダイヤモンドの加工装置。
  8. 前記レーザ光吸収材が、金、銅又はアルミニウムのうちから選ばれた一種であり、前記成膜手段が蒸着装置である、
    請求項7記載のダイヤモンドの加工装置。
  9. 前記レーザ光吸収材が、金である、
    請求項8記載のダイヤモンドの加工装置。
  10. 前記ダイヤモンドが、人工的に合成された単結晶ダイヤモンド(SCD)、多結晶ダイヤモンド(PCD)又はダイヤモンドライクカーボン(DLC)の基板である、
    請求項1記載のダイヤモンドの加工装置。
  11. 前記グラファイト層形成手段及びレーザトリミング手段が、レーザ発振器と、該レーザ発振器からのレーザ光を走査するガルバノスキャナーと、前記レーザ発振器とガルバノスキャナーを制御する制御装置とより構成されている、
    請求項7記載のダイヤモンドの加工装置。
  12. 前記レーザトリミング手段によって平坦化されたダイヤモンドの加工面の残存グラファイト層と、加工面の微細凸部を選択的に除去して平滑化する平滑化手段を更に含む、
    請求項7記載のダイヤモンドの加工装置。
  13. 前記平滑化手段により得られる加工面の表面粗さSqが0.5nm以下である、
    請求項12記載のダイヤモンドの加工装置。
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