JP2024021885A - 管路内走行装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】管路内の少なくとも一部が水に浸っている等のイレギュラーな状況においても、走行部の位置を高精度に検知できる管路内走行装置を提供することを課題とする。【解決手段】管路内を走行する走行部と、走行部に連結され、音波を発信する発信部と、音波を受信する受信部と、受信部で受信する音波によって、管路内における走行部の位置を把握する制御部と、を有することで、管路内の少なくとも一部が水に浸っている等のイレギュラーな状況においても、走行部の位置を高精度に検知できる。【選択図】図1
Description
本発明は、管路内走行装置に関する。
従来、管路内走行装置としては、特許文献1において、導管内を走行するピグの走行状態を監視するに当たり、音響センサによって導管の溶接位置でピグが発する衝撃波を検出してピグの走行位置を追跡することで、ピグの走行位置の特定や状況監視を行うことができる方法が開示されていた。
前記した特許文献1の方法では、音響センサを用いて位置検知を実施しているが、管路内にガスが充満した状態を前提としており、下水管等においては、管路内に水が流れていることや、必ずしも管路がストレート形状ではないため、位置検知を正確に行うためには、走行装置の固定や防水性の向上等を付加する必要があった。
さらに、管路内に走行装置を走行させる目的としては、管路内の状況を撮像することで、老朽化や損傷した箇所を把握することであり、撮像機器を搭載させ、走行を制御すること等も技術的に求められていた。さらには、そうした位置検知や撮像の精度を向上させることも望まれていた。
そこで、本発明では、管路内の少なくとも一部が水に浸っている等のイレギュラーな状況においても、走行部の位置を高精度に検知できる管路内走行装置を提供すること、を課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、管路W内を走行する走行部2と、走行部2に連結され、音波Sを発信する発信部3と、音波Sを受信する受信部4と、受信部4で受信する音波Sによって、管路W内における走行部2の位置を把握する制御部5と、を有する。
本発明の管路内走行装置によれば、管路内の少なくとも一部が水に浸っている等のイレギュラーな状況においても、走行部の位置を高精度に検知できる装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
(管路内走行装置の構成)
本実施形態の管路内走行装置1は、図1に示すように、管路W内を走行し、管路W内面を撮像することで、管路W内の状況を把握するものである。
図1(a)~(c)に示すように、走行部2や管路W内の位置を把握することで、管路W内における作業状況を把握できる。
管路内走行装置1は、管路W内を走行する走行部2と、走行部2に連結され、音波Sを発信する発信部3と、音波Sを受信する受信部4と、受信部4で受信する音波Sによって、管路W内における走行部2の位置を把握する制御部5と、を有する。
本実施形態の管路内走行装置1は、図1に示すように、管路W内を走行し、管路W内面を撮像することで、管路W内の状況を把握するものである。
図1(a)~(c)に示すように、走行部2や管路W内の位置を把握することで、管路W内における作業状況を把握できる。
管路内走行装置1は、管路W内を走行する走行部2と、走行部2に連結され、音波Sを発信する発信部3と、音波Sを受信する受信部4と、受信部4で受信する音波Sによって、管路W内における走行部2の位置を把握する制御部5と、を有する。
走行部2は、管路W内を走行する。走行部2は、本体の側方(両側)に車輪が配置されており、車輪の回転を有線または無線で駆動することで、前進または後進する。管路Wの内面形状に合わせて車輪の個数、形状、素材などを変更することもできる。
例えば、本体の側方(両側)に車輪を配置する場合には、それぞれ1つ、2つ車輪を配置することとなるが、そうした場合に限らず、本体の側方(両側)に加えて、本体の上方または下方にも車輪を配置することで、円筒状の管路W内を安定して走行させることもできる。
例えば、管路W内面に凹凸がある場合等においては、車輪の外周に配置されるホイールの形状を凹凸上にすることやグリップ力の高い素材を用いることで、走行性を向上できる。
例えば、管路W内面に凹凸がある場合等においては、車輪の外周に配置されるホイールの形状を凹凸上にすることやグリップ力の高い素材を用いることで、走行性を向上できる。
発信部3は、走行部2に連結され、音波Sを発信する。発信部3から発信するものとしては、音波、超音波等、適宜選択できる。管路W内がストレート形状であれば、音波Sを直進させて反響を図るような標準的な発信方法で問題ないが、管路Wの形状が変形している場合は、音波Sを直進させるだけでは音波S自体や反響した音波を受信することが難しいため、音波Sの強度や波長を変更させることもできる。
受信部4は、発信部3から発信された音波Sを受信する。受信部4は、音波、超音波等を受信できるレシーバ等である。受信部4は、走行部2を到達させたい箇所に配置するが、管路W内に、複数配置することで、音波Sによる位置把握の精度を向上できる。また、本明細書中においては、発信部3(走行部2)が受信部4に向かっていく形態を例示しているが、遠隔操作の場合には、受信部4を到達位置に配置することが難しいため、受信部4から発信部3が離れていく形態で、発信部3から発信された音波Sを受信するものであってもよい。
管路W内の初期設定で、受信部4を走行部2に到達させたい箇所に配置できない場合は、走行部2を2台用意し、1台目の第1の走行部2A(受信部4を搭載)を管路W内で走行させて走行部2を到達させたい箇所に配置し、2台目の第2の走行部2B(発信部3を搭載)の位置を把握することもできる。または、走行部2を複数用意するものではなくとも、ドローン等の飛行体を事前に送り、飛行体を受信部4として代用すること等も想定できる。
また、発信部3からの音波Sの発信や、受信部による音波Sの受信を円滑にするために、発信部3に、振幅調整部3aを備え、管路Wの幅に合わせて最適な振動数、振幅の音波Sを発信することもできる。例えば、管路Wの幅が小さい場合は、音波Sの振幅を小さくし、管路Wの幅が大きい場合は、音波Sの振幅を大きくすることで、管路W内面が音波Sに干渉することなく、安定した音波Sを伝達できる。
また、発信部3や受信部4は、1方向の音波Sに限られるものではない。様々な形状の管路Wに対応できるために、2方向や3方向の音波Sを用いることもできる。具体的には、発信部3や受信部4には、音波Sを発信または受信するためのセンサを複数配置することである。複数配置したセンサを用いて、点としての把握だけでなく、面としての把握もできる。
また、受信部4において、発信部3から取得する情報を一時的に蓄積するが、受信部4はあくまでレシーバとしての役割であり、制御部5へ各種情報を出力した段階で、出力した情報を自動削除することもできる。そのため、受信部4内の情報量が過多になることによる制御部5への通信速度の低下や通信エラーの回数を抑制できる。
制御部5は、受信部4で取得した各種情報を制御し、管路W内の状況や走行部2の位置を把握および制御する。制御部5は、図3に示すように、受信部4で受信する音波Sや撮像部7で取得した情報を無線または有線で共有されており、管路W内における走行部2の位置(例えば、図1(a)~(c))を把握する。制御部5は、データ取得部5aと、演算部5bと、記憶部5cと、で構成される。データ取得部5aは、発信部3で音波Sを発信するときの発信時間T1と、受信部4で音波Sを受信したときの受信時間T2と、発信部3で音波Sを発信するときの走行部3の位置情報L1と、受信部4の位置情報L2を取得する。
演算部5bは、データ取得部5aで取得した発信時間T1と受信時間T2の時間差に、発信部3から発信する音波Sの速度Vを乗じることで、距離D1を算出した後、位置情報L3を算出する。位置情報L3の算出の仕方としては、発信部3で音波Sを発信するときの走行部3の位置情報L1からの移動した距離D分を加算して算出する。さらに、受信部4の位置情報L2からの距離D2も加味することで、位置情報L3の精度を高めることもできる。
記憶部5cは、データ取得部5aで取得するデータや、演算部5bで算出したデータを記憶する。また、1回分の位置情報L3の算出データだけでも位置を割り出すことはできるが、走行部2の位置情報の精度を高める場合は、2回以上の位置情報L3を用いることが有効である。その場合、記憶部5で記憶する複数の位置情報L3を最も新しいものに更新し続けるか、複数回の位置情報L3の平均値を再度演算部5bで算出して更新する等が想定できる。
また、制御部5は、受信部4で取得した各種情報のうち、管路W内の状況の把握と、走行部2の位置の把握を別々に制御することもできる。遠隔操作を行う環境では、大型の制御部5(例えば、大型の各種ストレージ等)を現場に持ち込むことが難しいことも多い。そのため、制御部5を例えば、2系統に分け、第1の制御部5Aは、作業環境に近い位置に配置し、第2の制御部5Bは、位置が離れたものとすることで、通信性に優れ、情報の蓄積が過多になっても演算速度等に影響を及ぼさない構成とすることもできる。
撮像部7は、管路W内を撮像する。撮像部7は、管路W内を撮影できる産業用カメラやインテリジェントカメラ等、用途に合わせて選択できる。撮像部7で撮像した写真等の情報は、撮像部7から無線で受信部4へ送信される。撮像部7から受信部4への写真等の送信においては、作業者が遠隔で操作できる。または、管路Wが通信には不向きな環境である場合は、撮像部7によって撮像する時間間隔を予め設定し、定期的な間隔で撮像部7から受信部4への写真等の送信を行う構成とすることもできる。
また、撮像部7は、固定式であることに限らない。撮像部7を段階的または連続的に首振り、または回転できる支持機構を備えることもできる。そうした支持機構を用いることで、管路W内の様々なパターンの情報を取得できる。
また、撮像部7は、図1に示すように、管路Wの上方を撮像する形態に限るものではなく、走行部2の前方方向を撮像することもできる。前方方向を撮像することによって、管路W内の全体形状を把握することができ、走行部2が管路W内を適切に走行することをサポートできる。
また、撮像する写真等の情報は、2次元情報だけでなく、3次元情報を撮像する仕様とすることもできる。3次元情報を活用する場合は、例えば、ロボットの自己位置推定と地図構築を行うSLAM技術(Simultaneously Localization and Mapping)を利用する。具体的には、制御部5に、地図生成部5dや、障害物回避部5eを配置する。
地図生成部5dは、管路W内の形状や、走行部2の位置を地図形式で視覚化する。例えば、発信部3や受信部4から受信した音波S等の情報や撮像部7から取得した映像等の情報をデータ取得部5aで取得し、その情報に基づいて、演算部5bで生成する数値情報や分析情報し、地図生成部5dによって、管路W内の形状や、走行部2の位置を表示部6に地図形式で視覚化する。
障害物回避部5eは、走行部2を障害物に衝突することを回避させる。事前またはリアルタイムに取得した管路W内の形状や走行部2の位置等の情報に基づいて、地図生成部5dで生成された地図上において、管路W内で走行部2が管路W内の障害物に衝突しそうな場合には、走行部2の動きを変更、調整する。撮像部7は、走行部2に対して垂直な上方を撮像する形態の場合は、撮像や障害物回避の前に走行部2が障害物に衝突してしまう。そのため、この場合は、撮像部7は、走行部2の前方方向斜め10~45°の管路W内の上下左右を撮像することで、管路W内の全体形状を把握することができ、走行部2が管路W内を適切に走行することをサポートできる。
表示部8は、管路W内における走行部2の位置を表示する。表示部8は、データ取得部5aで取得した発信部3で音波Sを発信するときの走行部3の位置情報L1と、受信部4の位置情報L2と、走行部2の走行に伴って演算部5bで算出される位置情報L3の位置を表示させるモニターである。点、記号、アイコン等で表現されており、視覚的にも走行部2の位置を把握しやすい。表示部8は、図1(a)~(c)に示すように、走行部2を丸形状で表示させて、走行部2の位置(初期位置、中間位置、最終位置)が移動すると、走行部2の丸形状の位置も連動して、位置が変わる。
また、管路Wが下水管である場合など、管路W内に水が流れていることもあるため、第1の変形例として、図2(a)に示すように、走行部2の外面において、防水カバー8を配置できる。防水カバー8としては、ビニール製やプラスチック製等、市販のカバーであればよい。なお、本実施例においては、走行部2に対する防水カバー8として表現しているが、走行部2だけでなく、発信部3、受信部4、撮像部7等の光学機器や音響機器は水による影響を受けやすいため、そうした箇所に外付けで防水カバーを配置することもできる。
また、管路Wが下水管である場合など、管路W内に水が流れている場合に限らず、管路W内の形状は、円柱形状であることが多く、走行部2が水で流されないようにするためや、特定の位置で走行を停止するためには、走行部2を固定させることが望ましい。走行部2は、第2の変形例として、図2(b)に示すように、管路W内で停止させるための固定部9bを配置できる。固定部9bは、管路W内を接触することで走行部2を停止させる部材である。走行部2と固定部9bは、固定支持部9aで連結されている。固定部9bの下面には、滑り止め機能として凹凸形状を施すことや、管路Wの形状が円形であれば、固定部9bの形状を半円状として、固定時に管路Wに固定部9bが嵌るようにすることもできる。
また、管路Wが下水管である場合など、走行部2が水で流されないようにするため、図4に示すように、走行部2の下部に流速計12を配置することや、走行部2の側方に流量計13を配置することで、管路W内の水の流速や流量を把握し、走行部2や撮像部7の稼働を調整することもできる。
例えば、管路W内の水の流速が早い場合(走行部2に向かってくるとき)には、走行部2が進まない状況にならないように、流速計12で検知した情報に基づいて、走行部2の走行速度を通常よりも早く設定することや、固定部9bを利用しながら走行させる。また、管路W内の水の流速が早い場合(走行部2が押し流されるとき)には、走行部2が押し流されないように、流速計12で検知した情報に基づいて、走行部2の走行速度を通常よりも遅く設定することや、固定部9bを利用しながら走行させる。
また、管路W内の水の流量が走行部2の高さ以上の場合には、事前の防水カバー8の配置や、固定部9bを利用しながら、走行させる。
また、走行部2は、無線式で走行させる場合には、第3の変形例として、図2(c)に示すように、管路Wを無線で走行するための電力を得るためのバッテリー10を配置できる。管路Wが長距離に及ぶ場合など、有線式を利用できないときに、こうしたバッテリー10で蓄積された電力で走行部2を走行させる。または、有線式をベースとして、特定の距離を越える場合には、バッテリー10を利用することでもよい。さらに、走行部2は、車輪等で走行するものであり、走行時の回転によって電力を生成し、バッテリーに生成した電力を補助的に蓄積させることで、より長い時間の走行を実現させることもできる。
また、走行部2は、第4の変形例として、図4に示すように、平衡器11を配置することもできる。管路Wは円筒形状であることが多いため、平衡器11を用いて、走行部2が平衡状態にあるか否か把握することによって、音波Sの角度や撮像部7で取得する情報の上下左右方向をフラットな状態とすることができ、演算部5bで演算される情報の精度、さらには、地図生成部5dによって生成する地図情報の精度等を向上させることができる。
以上、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
1 管路内走行装置
2 走行部
3 発信部
4 受信部
5 制御部
5a データ取得部
5b 演算部
5c 記憶部
5d 地図生成部
5e 障害物回避部
6 表示部
7 撮像部
8 防水カバー
9a 固定支持部
9b 固定部
10 バッテリー
11 平衡器
12 流速計
13 流量計
2 走行部
3 発信部
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5a データ取得部
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5e 障害物回避部
6 表示部
7 撮像部
8 防水カバー
9a 固定支持部
9b 固定部
10 バッテリー
11 平衡器
12 流速計
13 流量計
Claims (10)
- 管路内を走行する走行部と、前記走行部に連結され、音波を発信する発信部と、前記音波を受信する受信部と、前記受信部で受信する前記音波によって、前記走行部の前記管路内における位置を把握する制御部と、を有する管路内走行装置。
- 請求項1に記載の管路内走行装置であって、前記管路内を撮像する撮像部と、前記管路内における前記走行部の位置を表示する表示部と、を有する管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、防水カバーが装着されている、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、前記管路内で停止させるための固定部と、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、前記管路を無線で走行するための電力を得るためのバッテリーと、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記制御部は、前記管路内の形状や前記走行部の位置に関する地図を生成する地図生成部と、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、前記走行部を平衡に保つための平衡器と、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、前記管路内の水の流速を計測する流速計と、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1、請求項2または請求項8に記載の管路内走行装置であって、前記走行部は、前記管路内の水の流量を計測する流量計と、を有する、管路内走行装置。
- 請求項1または請求項2に記載の管路内走行装置であって、前記管路は、下水管である、管路内走行装置。
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2022
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