JP2024021749A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装材料として使用した場合に、デラミネーション及びバリア性の劣化を生じ難い積層体を提供する。【解決手段】積層体1は、ポリエステル層2、ガスバリア層5、表面改質層10、接着層9、及びシーラント層8をこの順に含み、前記ガスバリア層5は、0.30質量%以下のSiと、0.7乃至1.7質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.10質量%以下のZnと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなり、SiとFeとの合計が0.75質量%以上であるアルミニウム合金からなる金属箔であり、前記表面改質層10は、金属及びその塩の少なくとも一方を含んだ無機物と、有機高分子とを含み、前記接着層9は、前記表面改質層10と隣接した酸変性ポリエチレン層6と、前記シーラント層8と隣接した低密度ポリエチレン層7とからなる溶融共押出層である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
食品及び医薬品等の包装に用いられる包装体には、内容物の変質や腐敗等を抑制し、それらの機能や性質を保持することが求められる。このため、そのような包装体の包装材料としては、水蒸気、酸素その他の、内容物を変質させる気体の侵入を遮断するガスバリア性を有する積層体が一般に用いられている。
積層体では、耐性包装体の用途であっても、接着層を形成する接着剤として、ウレタン2液硬化タイプのドライラミネート用接着剤が一般的に用いられる。しかしながら、包装体により包装される内容物には、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、高沸点有機溶媒などを含有するものが多くある。これらの内容物を包装体で包装すると、内容物が含んでいる上記成分がドライラミネート用接着剤層に悪影響を及ぼし、積層体のラミネート強度の低下を招き、剥離が生じることがあった。
このように、耐内容物性を要する包装体の場合、その積層体には、内容物が含む成分に起因したデラミネーション(剥離)を生じ難い性質、即ち、内容物耐性が求められる。しかしながら、一般的なドライラミネーションでは、積層体へガスバリア性を付与するアルミニウム箔とシーラント層との間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果、デラミネーションを生じるという問題があった。
このような状況に対応するため、ラミネート加工に使用される接着剤の改良が種々行われており、アルコール耐性のあるものなどが提案されている(例えば特許文献1)。また、幅広い種類の透明バリアフィルムやアルミニウム箔との接着性に優れ、優れた内容物耐性を実現し得る接着剤として、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンを使った積層体が提案されている。
一方、アルミニウム箔などの金属箔は、ヘアカラー剤のように酸性又はアルカリ性が強い内容物によって腐食して、細かなピンホールを生じることが知られている。ピンホールを生じると、バリア性が劣化して酸素が侵入し、ヘアカラー剤に斑点状の変色が発生する。そのため、アルミニウム箔などの金属箔に化成処理を施すことが行われている。例えば、特許文献2には、ヘアカラー剤用包装材として、ヘアカラー剤によるデラミネーションを防止するべく、アルミニウム箔とシーラントフィルムとを熱可塑性樹脂の押し出しにより接着するとともに、アルミニウム箔の腐食を防止するべく、その表面にリン酸クロメート処理などの化成処理を行ったものが開示されている。
特許第5915710号公報 特許第4945871号公報
本発明は、包装材料として使用した場合に、デラミネーション及びバリア性の劣化を生じ難い積層体を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、ポリエステル層、ガスバリア層、表面改質層、接着層、及びシーラント層をこの順に含み、前記ガスバリア層は、0.30質量%以下のSiと、0.7乃至1.7質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.10質量%以下のZnと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなり、SiとFeとの合計が0.75質量%以上であるアルミニウム合金からなる金属箔であり、前記表面改質層は、金属及びその塩の少なくとも一方を含んだ無機物と、有機高分子とを含み、前記接着層は、前記表面改質層及び前記シーラント層と隣接した酸変性ポリエチレン層からなる溶融押出層であるか、又は、前記表面改質層と隣接した酸変性ポリエチレン層と、前記シーラント層と隣接した低密度ポリエチレン層とからなる溶融共押出層である積層体が提供される。
本発明の他の側面によると、前記接着層は、前記酸変性ポリエチレン層として、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンからなる層を含み、前記シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレンからなる上記側面に係る積層体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、示差走査熱量測定における冷却過程において、90乃至100℃の温度範囲内で第1吸熱ピークを示し、且つ、50℃から低温側に20℃以上連続した第2吸熱ピークを示す成分を含んだ上記側面に係る積層体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記接着層の厚さに占める酸変性ポリエチレンからなる層の厚さの割合は25%以上である上記側面の何れかに係る積層体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記接着層は前記溶融共押出層である上記側面の何れかに係る積層体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記酸変性ポリエチレン層を構成している酸変性ポリエチレンは、密度が0.86乃至0.92g/cmの範囲内にあり、メルトフローレートが8.0乃至12.0g/10minの範囲内にあり、前記低密度ポリエチレン層を構成している低密度ポリエチレンは、密度が0.910乃至0.930g/cmの範囲内にあり、メルトフローレートが6.0乃至8.5g/10minの範囲内にある上記側面に係る積層体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る積層体を含んだ包装体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、袋である上記側面に係る包装体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る包装体と、前記包装体に収容された内容物とを含んだ包装物品が提供される。
本発明によると、包装材料として使用した場合に、デラミネーション及びバリア性の劣化を生じ難い積層体が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の断面図である。 図2は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンのDSC測定例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の断面図である。図1に示す積層体1は、例えば、高耐性包装体に使用する。積層体1は、ポリエステル層2、印刷インキ層3、接着剤層4、ガスバリア層5、表面改質層10、接着層9、及びシーラント層8をこの順に含んでいる。
ポリエステル層2は、基材層である。ポリエステル層2を形成する樹脂としては、この種の包装材料に通常用いられるポリエステル系樹脂を用いればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はこれらの共重合体が挙げられる。
ポリエステル層2の厚さは、特に限定されるものではない。ポリエステル層2としては、通常は二軸延伸することによって得られる延伸フィルムが用いられ、9乃至50μmの範囲内の厚さを有しているものが望ましい。ポリエステル層2は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
印刷インキ層3は、例えば、積層体1や、この積層体1から得られるパウチなどの包装体に情報を表示するために設ける。印刷インキ層3は、特に限定するものではないが、公知のグラビアインキ等を用いた印刷によって設けることができる。印刷インキ層3は、省略することができる。
接着剤層4は、印刷インキ層3が設けられたポリエステル層2とガスバリア層5とを貼り合わせている。接着剤層4を形成する接着剤は、一般的に使用される接着剤であれば限定されない。例えば、2液硬化型のウレタン接着剤が好適に用いられる。
ガスバリア層5は、アルミニウム合金からなる金属箔である。このアルミニウム合金は、0.30質量%以下のSiと、0.7乃至1.7質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.10質量%以下のZnと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなり、SiとFeとの合計が0.75質量%以上である。不可避的不純物としての各元素の量は、好ましくは、0.05質量%以下である。
一例によれば、アルミニウム合金は、0.15質量%以下のSiと、1.2乃至1.7質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなる。他の例によれば、アルミニウム合金は、0.05乃至0.30質量%のSiと、0.7乃至1.3質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.10質量%以下のZnと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなる。何れの例においても、不可避的不純物としての各元素の量は、好ましくは、0.05質量%以下である。アルミニウム合金は、好ましくは、8021材又は8079材ある。
ガスバリア層5は、薄いほどピンホールが発生し易い。必要なバリア性を確保するためには、ガスバリア層5の厚さは5μm以上であることが好ましい。ガスバリア層5の厚さは、50μm以下であることが好ましい。
包装物品としては、例えば、内容物を押し出して吐出させるものがある。そのような包装物品では、内容物の吐出後に起こるエアバックによる包装体内への酸素流入を防ぐために、デッドホールド性を有する包装材料を使用することがある。そのような用途で積層体1を使用する場合、ガスバリア層5の厚さは12μm以上とすることが好ましい。
表面改質層10は、例えば、包装体に収容される内容物が腐食性の成分を含んでいる場合に、ガスバリア層5の腐食を生じ難くし、これにより、腐食に伴うデラミネーションを生じ難くし得る。ここで、腐食性の成分は、例えば、ヘアカラー剤に用いられるモノエタノールアミンやアンモニア、洗浄剤に用いられる次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ性の液体や、香料原液のエステル、テルペンなどの有機溶剤、リモネン、メントールなどの香料成分、又は高濃度アルコールである。
表面改質層10は、金属及びその塩の少なくとも一方を含んだ無機物と、有機高分子とを含んでいる。表面改質層10が含む金属は、好ましくは重金属である。表面改質層10が含む金属は、例えば、ジルコニウム、クロム、チタン、及びハフニウムの1以上である。有機高分子は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びフェノール樹脂の1以上である。有機高分子は、窒素原子を含むものであることが好ましい。
表面改質層10は、無機物層とその上に設けられた有機高分子層とからなるものであってもよい。或いは、表面改質層10において、無機物と有機高分子とは少なくとも部分的に混ざり合っていてもよい。無機物を含んだ層は、例えば、ジルコニウム系の化成被膜処理剤(日本ペイント・サーフケミカルズ社製のサーフコート(登録商標)EC1000Aなど)や、クロム系の化成被膜処理剤(日本ペイント・サーフケミカルズ社製のサーフコート(登録商標)NR-Xなど)を公知の方法でガスバリア層5上へ塗布することによって形成することができる。
シーラント層8を構成する樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂(EP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、及びそれらの金属架橋物等が挙げられる。なかでも、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。これら熱可塑性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
接着層9は、表面改質層10と隣接した酸変性ポリエチレン層6と、シーラント層8と隣接した低密度ポリエチレン層7とからなる溶融共押出層である。ここで、或る要素と他の要素とが隣接していることは、それら要素が接触していることを意味している。シーラント層8と、接着層9と、ポリエステル層2、印刷インキ層3、接着剤層4、ガスバリア層5及び表面改質層10を含んだ積層構造とは、サンドイッチラミネーションによって一体化されている。
ここで、接着層9は、ガスバリア層5の上に形成された表面改質層10と、酸変性ポリエチレン層6とが接するように設けられている。このような構成とすることにより、ガスバリア層5と接着層9との接着強度が向上する。また、上記の通り、表面改質層10は、内容物が含む成分に起因したガスバリア層5の腐食を抑制する。従って、この積層体1を包装材料として使用した包装物品は、長期保存した場合であっても、ガスバリア層5とシーラント層8との間で十分な密着力が維持される。
酸変性ポリエチレン層6は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンからなる層であることが好ましい。即ち、酸変性ポリエチレン層6を構成している酸変性ポリエチレンは、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンであることが好ましい。ここで、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、ポリエチレンを無水マレイン酸によりグラフト変性したポリエチレンである。
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、好ましくは、図2に示すように、示差走査熱量測定における冷却過程において、90乃至100℃の温度範囲内で第1吸熱ピークP1を示し、且つ、50℃から低温側に20℃以上連続した第2吸熱ピークP2を示す成分を含む。より好ましくは、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、図2に示すように、示差走査熱量測定における冷却過程において、90乃至100℃の温度範囲内で第1吸熱ピークP1を示し、且つ、50℃から低温側に20℃以上連続した第2吸熱ピークP2を示す成分からなる。
このような無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、低温から接着性を発現する。それ故、このような無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンを使用することにより、熱処理時のしわの発生を抑制することができる。
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンの無水マレイン酸グラフト率は、0.1乃至1.0質量%の範囲内にあることが好ましい。無水マレイン酸グラフト率を過剰に小さくすると、ラミネート強度の低下につながり易い。無水マレイン酸グラフト率を過剰に大きくすると、水分の吸着が多くなり、発泡につながり、コスト高や黄変に原因ともなる。また、押し出し機やダイス金属に吸着しやすくなり、ヤケの原因となるなど、加工性が低下する虞がある。
酸変性ポリエチレンは、密度が0.86乃至0.92g/cmの範囲内にあることが好ましい。また、酸変性ポリエチレンは、メルトフローレートが8.0乃至12.0g/10minの範囲内にあることが好ましい。ここで、メルトフローレートは、JIS K7210-1:2014に規定されたA法に従い、温度190℃及び荷重2.16kgの条件下で測定を行うことによって得られるメルトマスフローレートである。
低密度ポリエチレン層7を構成する低密度ポリエチレンは、密度が0.910乃至0.930g/cmの範囲内にあることが好ましい。また、この低密度ポリエチレンは、メルトフローレートが6.0乃至8.5g/10minの範囲内にあることが好ましい。
低密度ポリエチレン層7は、省略することができる。即ち、接着層9は、表面改質層10及びシーラント層8と隣接した酸変性ポリエチレン層6からなる溶融押出層であってもよい。但し、低密度ポリエチレン層7を設けると、溶融押出しにおけるネックインを生じ難くすることができる。
酸変性ポリエチレン及び低密度ポリエチレンは、ネックインを生じ難くする観点から、上述した密度及びメルトフローレートを有していることが好ましい。
接着層9の厚さに占める酸変性ポリエチレンからなる層の厚さの割合、即ち、接着層9の厚さに占める酸変性ポリエチレン層6の厚さの割合は、25%以上であることが好ましい。この割合は、90%以上であってもよい。この割合を小さくすると、接着性が不安定となる虞がある。上記の通り、低密度ポリエチレン層7は省略することができるが、ネックインを生じ難くするうえでは、この割合は、75%以下であることが好ましい。
この積層体1は、包装体の包装材料として使用することができる。包装体は、例えば、合掌袋、三方袋、二方袋、スタンディングパウチ、及びガゼット袋等の袋である。
この包装体に内容物を収容してなる包装物品において、内容物はどのようなものでも構わない。内容物は、アルミニウム合金を腐食し得る成分を含むものであってもよい。例えば、内容物は、モノエタノールアミン、アンモニア、次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ性液体、香料原液のエステル、テルペンなどの有機溶剤、リモネン、メントールなどの香料成分、又は高濃度アルコールを含んでいてもよい。内容物は、例えば、ヘアカラー剤、除草剤、又は、香料若しくは次亜塩素酸塩を含んだ液体である。
この積層体1は、上述した通り、包装材料として使用した場合に、デラミネーションを生じ難い。これに加え、この積層体1は、以下に説明するように、包装材料として使用した場合に、バリア性の劣化を生じ難い。
ガスバリア層が高純度の純アルミニウムからなること以外は上述した積層体1と同様の積層体は、これから袋を製造する際に、製袋機において積層体がダイロール間に挟まれることにより、ガスバリア層にクラックを生じ易い。また、この積層体から製造した袋は、これへ内容物を充填する際に、充填機において積層体がダイロール間に挟まれることにより、ガスバリア層にクラックを生じ易い。更に、この積層体から製造した袋へ内容物を充填してなる包装物品も、輸送の際に振動等によって積層体が屈曲し、ガスバリア層にクラックを生じ易い。ガスバリア層にクラックを生じると、ガスバリア性が低下し、場合によっては、内容物又はその成分が外部へ染み出してしまう可能性がある。
積層体1は、ガスバリア層5が上述した組成のアルミニウム合金からなる。このガスバリア層5は、上述したクラックを生じ難い。従って、積層体1は、包装材料として使用した場合に、バリア性の劣化を生じ難い。
以下に、本発明に関連して行った試験について記載する。
<例1>
(材料)
本例では、図1を参照しながら説明した積層体1を製造した。但し、本例では、印刷インキ層3を省略した。
具体的には、先ず、ポリエステル層2と接着剤層4とガスバリア層5と表面改質層10とを含んだ積層構造を形成した。ポリエステル層2としては、厚さが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学社製FE2001)を使用した。接着剤層4には、エステル主鎖の主剤(三井化学社製A525)と硬化剤(三井化学社製A52)とを使用した。ガスバリア層5としては、8021材からなる厚さが9μmのアルミニウム合金箔(東洋アルミ社製)を使用した。表面改質層10は、日本ペイント・サーフケミカルズ社製のサーフコート(登録商標)EC1000A/Bを使用して形成した。
次に、酸変性ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを溶融共押出しするとともに、これらを上記の積層構造とシーラント層8との間に挟んで、それらをサンドイッチラミネートした。酸変性ポリエチレンとしては、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(三菱ケミカル社製:融点98℃、密度0.88g/cm、メルトフローレート10g/10min)を使用した。低密度ポリエチレンとしては、日本ポリエチレン会社製LC600A(融点106℃、密度0.918g/cm、メルトフローレート7.0g/10min)を使用した。酸変性ポリエチレン層6の厚さは10μmとし、低密度ポリエチレン層7の厚さも10μmとした。また、シーラント層8としては、厚さが40μmのフタムラ化学社製MTNSTを使用した。
その後、上記の積層フィルムへ、140℃に設定したヒータロールによって15秒間に亘って熱を加えた。以上のようにして、積層体1を作製した。
<例2>
本例では、先ず、ガスバリア層5として、8021材からなる厚さが9μmのアルミニウム合金箔(東洋アルミ社製)を使用する代わりに、8079材からなる厚さが9μmのアルミニウム合金箔(東洋アルミ社製)を使用したこと以外は例1と同様の方法により、図1を参照しながら説明した積層体1を作製した。但し、本例においても、印刷インキ層3を省略した。
<比較例>
本例では、先ず、ガスバリア層として、8021材からなる厚さが9μmのアルミニウム合金箔(東洋アルミ社製)を使用する代わりに、1N30材からなる厚さが9μmのアルミニウム箔を使用したこと以外は例1と同様の方法により積層体1を作製した。但し、本例においても、印刷インキ層を省略した。
<評価>
例1及び2並びに比較例に係る積層体の各々を使用して、袋を製造した。製袋機は、ピッチを170mmに、ショット数を25袋/minに設定した。また、ダイロール温度及び圧力は、下記表に示すように設定した。
そして、これら袋を使用して、染み出し試験を行った。即ち、袋の内面に浸透液を噴霧し、50℃湿度フリーの条件下で、1週間保管した。その後、袋の外面への浸透液の染み出し状態を確認した。結果を以下の表に示す。
上記表において、「Al材」と表記した欄には、ガスバリア層に使用した金属箔の種類を示している。また、「染み出し状態」と表記した欄における「A」は、1週間保管した後であっても袋の外面への浸透液の染み出しを生じていなかったことを表している。同欄における「B」は、1週間保管した後に、袋の外面への浸透液の染み出しを生じていたことを表している。
上記表に示すように、比較例に係る積層体から製造した袋は、製袋時の圧力を如何様にしようと、浸透液の染み出しを生じた。これに対し、例1及び例2に係る積層体から製造した袋は、圧力を0.25MPa以下とした場合に、浸透液の染み出しを防止することができた。
1…積層体、2…ポリエステル層、3…印刷インキ層、4…接着剤層、5…ガスバリア層、6…酸変性ポリエチレン層6、7…低密度ポリエチレン層、8…シーラント層、9…接着層、10…表面改質層、P1…第1吸熱ピーク、P2…第2吸熱ピーク。

Claims (5)

  1. ポリエステル層、ガスバリア層、表面改質層、接着層、及びシーラント層をこの順に含み、
    前記ガスバリア層は、0.30質量%以下のSiと、0.7乃至1.7質量%のFeと、0.05質量%以下のCuと、0.10質量%以下のZnと、0.15質量%以下の不可避的不純物と、残部Alとからなり、SiとFeとの合計が0.75質量%以上であるアルミニウム合金からなる金属箔であり、
    前記表面改質層は、金属及びその塩の少なくとも一方を含んだ無機物と、有機高分子とを含み、
    前記接着層は、前記表面改質層及び前記シーラント層と隣接した酸変性ポリエチレン層からなる溶融押出層であるか、又は、前記表面改質層と隣接した酸変性ポリエチレン層と、前記シーラント層と隣接した低密度ポリエチレン層とからなる溶融共押出層である積層体。
  2. 前記接着層は、前記酸変性ポリエチレン層として、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンからなる層を含み、前記シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレンからなる請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンは、示差走査熱量測定における冷却過程において、90乃至100℃の温度範囲内で第1吸熱ピークを示し、且つ、50℃から低温側に20℃以上連続した第2吸熱ピークを示す成分を含んだ請求項2に記載の積層体。
  4. 前記接着層の厚さに占める酸変性ポリエチレンからなる層の厚さの割合は25%以上である請求項1に記載の積層体。
  5. 前記接着層は前記溶融共押出層である請求項1に記載の積層体。
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