JP2024021521A - 太陽電池を搭載した車両 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、太陽電池を搭載した車両に係り、より詳細には、窓に太陽電池が配置される車両に係る。
自動車等の車両の上面に太陽電池を搭載し、車両に於いて発電し、そのエネルギーを車両に於ける種々の作動に利用する試みが為されている(例えば、特許文献1、2など)。この点に関し、一般的な太陽電池(特許文献3など)の場合には、光を透過させないので、そのような太陽電池を、例えば、車両に於ける採光のための透明な窓(乗員が車内から車外を見るための窓、車室内の照明のための窓)に配置することはできない。しかしながら、近年、可視光領域の波長の光を透過し、紫外光又は近赤外光で発電する透明な太陽電池(特許文献2、4、5など)が開発され、利用することが提案されており、かかる透明な太陽電池は、車両に於ける窓に嵌め込むことにより、或いは、窓上に設置することにより、採光しつつ、発電できる窓として利用可能である。なお、特許文献6に於いて、災害時に感電等を未然に防止するために、太陽電池の受光面側に通電状態に応じて透明度が変化する液晶パネルを配置し、停電時には、液晶パネルが不透明になるように制御して、太陽電池装置の発電を停止する構成が提案されている。
上記の如く可視光を通す透明な太陽電池(以下、「透明太陽電池」とする。)を車両の窓に配置した構成に於いて、透明太陽電池は、可視光を透過するので、可視光のエネルギーは発電に利用されず、その分、太陽光エネルギーの利用効率は、太陽光の広範囲の波長領域に亙る光で発電する太陽電池に比して、低下することとなる。
ところで、車両の各窓(フロントウィンドウ、サイドウィンドウ、リアウィンドウ、天窓(サンルーフ、パノラマルーフ))について、車両の運転状況若しくは使用状況に応じて、或いは、窓の設置部位によって、各窓に於ける可視光の採光の必要性は、異なる。例えば、車内に乗員が乗っていない場合であれば、車両に於ける全ての窓からの採光は不要である。また、車両を運転していない場合であれば、乗員が車内から車外を視認するためのフロントウィンドウ、サイドウィンドウ及びリアウィンドウからの採光の必要性は低くなる。或いは、車室内への太陽光の入射量を抑えたい場合(日差しが強過ぎる場合など)には、車室内の照明のための天窓からの採光が不要となる。また、車両の走行に必要な採光だけでよい状況であれば、天窓やサイドウィンドウの一部などの、乗員による車外の状況の視認に必要のない窓の領域からの採光が不要となる。そのような各窓の採光が不要となる状況或いは必要性が低くなる状況の場合には、採光の必要のない窓に於いて可視光を車室内まで透過させる必要はないので、そのような状況に限って、採光の必要のない窓に於いて、そこに照射される太陽光中の紫外光又は近赤外光だけでなく、可視光も発電に利用できるようになっていると有利である。即ち、車両の窓のそれぞれに於いて、車両の運転状況若しくは使用状況に応じて、可視光を用いて発電できるように窓の状態を切換えることができれば、太陽光エネルギーの利用効率を向上することが可能となる。
かくして、本発明の課題は、窓を有する車両に於いて、車両の使用状況に応じて、窓毎に、可視光を用いた発電が利用できるようにして、太陽光エネルギーの利用効率を向上することである。
本発明の一つの態様によれば、上記の課題は、窓を有する車両であって、
前記車両の使用状況を検出する使用状況検出手段と、
前記検出された使用状況に基づいて、前記窓のうち、可視光を採光しない窓を選択し、前記選択された窓を、可視光を採光する透明な状態から可視光を用いて光発電が可能な状態に切換える窓光発電状態切換手段と
を含む車両によって達成される。
前記車両の使用状況を検出する使用状況検出手段と、
前記検出された使用状況に基づいて、前記窓のうち、可視光を採光しない窓を選択し、前記選択された窓を、可視光を採光する透明な状態から可視光を用いて光発電が可能な状態に切換える窓光発電状態切換手段と
を含む車両によって達成される。
上記の構成に於いて、車両の「窓」とは、車室を画定する外壁に開口された窓枠内の領域であり、具体的には、フロントウィンドウ、サイドウィンドウ(ドアウィンドウ)、リアウィンドウであってよく、更に、サンルーフ、パノラマルーフなどの天窓を有する車両の場合には、天窓も含まれていてよい。検出される「車両の使用状況」とは、後により具体的に説明される如く、車両が使用中であるか否か、車両が運転中であるか否か、など、車両を使用している具体的な状況であって、特に、各窓からの採光の要否に関わる車両の使用状況や、車載バッテリの残量や運転モード(エコモード、ノーマルモード、スポーツモード等)など、車両に於ける電力エネルギーの必要度合又は発電の要否に関わる車両の使用状況であってよい。「使用状況検出手段」は、上記の車両の使用状況を検出することのできるセンサであってよい。「窓光発電状態切換手段」は、上記の如く、検出された使用状況に基づいて、車両の窓のうちで、可視光を採光しない窓を選択し、その選択された窓の状態が、任意の方式によって、可視光を採光する透明な状態から、可視光を用いて光発電が可能な状態に切換られることとなる。なお、「可視光を採光する透明な状態」とは、窓の一方の側から他方の側の状態が肉眼で見える状態を言う。
上記の構成によれば、要すれば、窓を有する車両に於いて、その車両の使用状況が検出され、その検出された使用状況から判断して、可視光の採光が不要である窓或いは可視光の採光を実行しなくてもよい窓が、可視光を採光しない窓として、選択され、その選択された窓に於いては、可視光を用いた光発電が実施されることとなる。これにより、可視光を用いた光発電が実行される機会が増えることとなり、その分、太陽光エネルギーの利用効率を向上できることとなる。
上記の本発明の構成に於いて、可視光を採光しない窓を選択するために検出される車両の使用状況としては、以下の如く、車両に於ける種々の使用状況が検出され、検出された状況に対応して可視光を採光しない窓が選択されてよい。
(1)車両の使用状況として、車両が使用中でないこと、具体的には、車両に乗員が乗車していないこと(例えば、各座席のシートベルトリマインダー用の体重検知センサ、幼児置き去り防止のための乗車位置の検出用電波センサの検出状態から判定。)、或いは、車両の駆動装置等が起動されていないこと(例えば、イグニッションスイッチ、レディ(Ready)スイッチの状態からを検出判定)が検出されてよい。この場合、全ての窓が可視光を採光しない窓として選択されてよい。
(2)車両の使用状況として、車両が運転中であるか否か、具体的には、シフトレバーのPレンジであるか否か、車両が停車しているか否か(信号待ちや一時停止以外の理由で車速が0kmであること)が検出されてよい。そして、車両が運転中であることが検出されているときには、乗員の車外の視認に使用される窓(フロントウィンドウ、リアウィンドウ、一部のサイドウィンドウ)が可視光を採光しない窓として選択されないようにされてよい(即ち、可視光による光発電の実行されない透明な状態に切換えられる。)。一方、車両が運転中でないことが検出されているときには、乗員の車外の視認に使用される窓が可視光を採光しない窓として選択可能にされてよい。
(3)車両の使用状況として、車載バッテリ残量又は運転モード(走行性能を重視するモード、燃費性能を重視するモードなど)が検出されてよい。この場合、車載バッテリ残量が少ないとき(任意に設定された所定量を下回ったとき)或いはエネルギーを節約するモードが選択されているときには、乗員の車外の視認に使用されない窓(天窓、一部のサイドウィンドウ)が可視光を採光しない窓として選択されてよい。
(1)車両の使用状況として、車両が使用中でないこと、具体的には、車両に乗員が乗車していないこと(例えば、各座席のシートベルトリマインダー用の体重検知センサ、幼児置き去り防止のための乗車位置の検出用電波センサの検出状態から判定。)、或いは、車両の駆動装置等が起動されていないこと(例えば、イグニッションスイッチ、レディ(Ready)スイッチの状態からを検出判定)が検出されてよい。この場合、全ての窓が可視光を採光しない窓として選択されてよい。
(2)車両の使用状況として、車両が運転中であるか否か、具体的には、シフトレバーのPレンジであるか否か、車両が停車しているか否か(信号待ちや一時停止以外の理由で車速が0kmであること)が検出されてよい。そして、車両が運転中であることが検出されているときには、乗員の車外の視認に使用される窓(フロントウィンドウ、リアウィンドウ、一部のサイドウィンドウ)が可視光を採光しない窓として選択されないようにされてよい(即ち、可視光による光発電の実行されない透明な状態に切換えられる。)。一方、車両が運転中でないことが検出されているときには、乗員の車外の視認に使用される窓が可視光を採光しない窓として選択可能にされてよい。
(3)車両の使用状況として、車載バッテリ残量又は運転モード(走行性能を重視するモード、燃費性能を重視するモードなど)が検出されてよい。この場合、車載バッテリ残量が少ないとき(任意に設定された所定量を下回ったとき)或いはエネルギーを節約するモードが選択されているときには、乗員の車外の視認に使用されない窓(天窓、一部のサイドウィンドウ)が可視光を採光しない窓として選択されてよい。
実施の形態においては、上記の(1)、(2)、(3)の構成が組み合わされてよい。例えば、車載バッテリ残量に応じて、又は更に、車両の搭載位置に応じて、可視光を採光しない窓の候補が選択され、更に、運転モードによって、可視光を採光しない窓の候補の絞込みがなされ、車両が運転中か否かで、可視光を採光しない窓の候補の中から実際に可視光を採光しない窓が決定されるといった構成が用いられてよい。また、車両の使用状況として、乗員が採光を要求しているか否かが、乗員に操作するボタン又はスイッチの状態から判定されてよく、乗員が採光を要求していない窓が可視光を採光しない窓として選択されてもよい。更に、乗員の着席位置、運転者の視線の方向が、車両の使用状況として、検出され、個々の状況に適合して、可視光を採光しない窓が選択されてよい。
その他の車両の状態が使用状況として検出されてよく、かかる使用状況に応じて、適宜、可視光の採光が不要である窓が、可視光を採光しない窓が選択されてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
本発明の構成に於いて、上記の如く、可視光を採光しない窓は、可視光を採光する透明な状態から可視光を用いて発電をする状態に切換えられる。例えば、可視光を用いて発電をする状態は、一つの態様に於いては、窓に沿って、可視光を透過しない、可視光を吸収して発電する太陽電池(以下、「可視光太陽電池」と称する。)を配置することによって達成可能である。また、車両の各窓には、太陽光中の近赤外光を用いて発電する透明な「透明太陽電池」が設置されていてよく、その場合には、可視光も用いて発電をする状態は、窓に沿って、可視光を吸収して近赤外光を放出する物質などを用いた可視光を近赤外光に変換する層と、可視光から得られた近赤外光を窓に設置された透明太陽電池へ戻す反射層とが積層されたシェードなどの内装板又は幕を配置することによって達成可能である。
可視光太陽電池などの可視光発電手段(可視光を用いた発電を実行する手段)の配置は、より具体的には、例えば、以下の如く達成することができる。
(i)各窓に於いて日よけのために、窓の車室内側に窓に沿って配置することのできる可動式の収納可能なシェードに於ける窓に対向した側に可視光太陽電池を並置しておき、可視光も用いた光発電の可能な状態への切換の際には、シェードを窓の車室内側の面に沿って配置する。シェードが窓に沿って配置されると、窓を透過した可視光が可視光太陽電池に入射して、可視光を用いた発電が可能となる。
(ii)近赤外光により発電する透明太陽電池が各窓に設置されている場合、各窓に於ける上記の如きシェードに於ける窓に対向した側に光を反射する反射層と可視光を近赤外光に変換する波長変換層とを順に積層しておき、可視光も用いた光発電の可能な状態への切換の際には、シェードを窓の車室内側の面に沿って配置する。シェードが窓に沿って配置されると、窓を透過した可視光が波長変換層で近赤外光に変換された後、直接に又は反射層で反射されて、窓の透明太陽電池に到達して、そこで吸収されて、発電が実行される。
(iii)各窓に於いて、可視光太陽電池の配置された複数の短冊状の板部材が窓の面方向に沿って延在するように回転可能に並置される。この構成の場合、各窓に於いて、可視光を採光する状態に於いては、複数の短冊状の板部材の面方向が窓に於ける光の入射方向に沿った状態となるように各板の向きが回転され、これにより、窓を透過した光が車室内まで到達することとなる。一方、可視光を採光しない状態に於いては、複数の短冊状の板部材の面方向が窓の面方向に沿った状態となるように各板の向きが回転され、これにより、窓を透過した可視光が複数の短冊状の板部材の可視光太陽電池に入射することとなり、発電が実行される。
(iv)近赤外光により発電する透明太陽電池が各窓に設置されている場合、各窓に於いて、光を反射する反射層と可視光を近赤外光に変換する波長変換層とを順に積層した複数の短冊状の板部材が窓の面方向に沿って延在するように回転可能に並置される。かかる短冊状の板部材は、上記と同様に、可視光を採光する状態に於いては、複数の短冊状の板部材の面方向が光の入射方向に沿った状態となるように各板の向きが回転され、これにより、窓を透過した光が車室内まで到達することとなる。一方、可視光を採光しない状態に於いては、複数の短冊状の板部材の面方向が窓の面方向に沿った状態となるように各板の向きが回転され、これにより、窓を透過した可視光が複数の短冊状の板部材に於いて、近赤外光に変換されて、直接に又は反射層で反射されて窓の透明太陽電池に入射することとなり、発電が実行される。
その他の任意の手法にて、可視光を採光しない窓として選択された窓に於いて、可視光発電手段が配置され、可視光が発電に用いられるようになっていてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
上記の本実施形態の車両に於いて、既に触れられている如く、各窓に可視光領域以外の波長領域の光を吸収して発電する透明な透明太陽電池が設置されていてよい。この場合、太陽光が車両に照射されていれば、各窓に於いて、太陽光中の紫外光又は近赤外光による発電が、可視光の採光の有無によらず、常時、実行可能である。
かくして、上記の本発明では、車両の個々の使用状況に応じて、車両に於ける複数の窓のうちで可視光を採光しない窓が選択され、かかる選択された窓に於いては、太陽光中の紫外光又は近赤外光を用いた透明太陽電池による発電だけでなく、太陽光中の可視光も用いて発電が実行できることとなる。かかる構成によれば、車両の使用及び運転に必要な可視光の採光を担保しつつ、可視光を用いた発電の機会を増やすことができ、太陽光エネルギーの利用効率が向上されることとなる。本発明の構成は、種々の車両に適用されてよい。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
1…車両、1a…外壁、1w…窓枠、2f…フロントウィンドウ、2r…リアウィンドウ、2pf、2pr…天窓前方、後方、2sf、2sr…前方、後方サイドウィンドウ、2a…透明太陽電池、3…シェード、4…内装材、5…可視光太陽電池、5a…ヒンジ軸、6…シェード駆動装置、7…反射層、8…波長変換層、11…起動スイッチ(レディスイッチ、イグニッションスイッチ)、12FL,FR,RL,RC,RR…各席乗員検出センサ(座席体重検知センサ、電波センサ)、13…シフトレバー位置センサ、14FL,FR,RL,RC,RR…各席シートベルトセンサ、15…車速センサ(車輪速センサ)、16…GPS/ナビゲーションシステム、17…各窓採光選択スイッチ、17a…アクセルペダルセンサ、17b…ブレーキペダルセンサ、18…運転モードスイッチ、19…運転者目線センサ、20…バッテリ残量センサ、21…透明太陽電池発電量検出センサ、50…選択処理装置、60f~pr…各窓の状態切換手段(アクチュエータ)、vl…可視光、irl…近赤外線、S…太陽
車両の構成と本実施形態の概要
図1(A)を参照して、本実施形態は、図示の如き、自動車等の車両1に於ける各窓(フロントウィンドウ2f、リアウィンドウ2r、左右前方サイドウィンドウ2sf、左右後方サイドウィンドウ2sr)に適用される。なお、車両1に於いて、パノラマルーフ、サンルーフなどと称される天窓が形成されている場合には、本実施形態は、天窓2pf、pr(前方、後方)に適用されてよい。これらの窓には、それぞれ、後に説明される如く、可視光を透過し、紫外光又は近赤外光により発電する透明な太陽電池(透明太陽電池)が配置され、車両1に太陽光が照射されるときには、常時、透明太陽電池による光発電が実施されてよい。各窓に於いて、透明太陽電池は、窓枠内の透明なガラス材又は樹脂材から成る平板に埋め込まれるか、平板上に貼着されることにより、設置されてよい。
図1(A)を参照して、本実施形態は、図示の如き、自動車等の車両1に於ける各窓(フロントウィンドウ2f、リアウィンドウ2r、左右前方サイドウィンドウ2sf、左右後方サイドウィンドウ2sr)に適用される。なお、車両1に於いて、パノラマルーフ、サンルーフなどと称される天窓が形成されている場合には、本実施形態は、天窓2pf、pr(前方、後方)に適用されてよい。これらの窓には、それぞれ、後に説明される如く、可視光を透過し、紫外光又は近赤外光により発電する透明な太陽電池(透明太陽電池)が配置され、車両1に太陽光が照射されるときには、常時、透明太陽電池による光発電が実施されてよい。各窓に於いて、透明太陽電池は、窓枠内の透明なガラス材又は樹脂材から成る平板に埋め込まれるか、平板上に貼着されることにより、設置されてよい。
上記の各窓に透明太陽電池が設置された構成に於いては、発電しながら車室内への採光が可能となるが、透明太陽電池は、太陽光中で多くの割合を占める可視光を発電に使用しないので、太陽光の広範囲の波長領域に亙る光で発電する太陽電池に比して、太陽光エネルギーの利用効率が低下することとなる。この点に関し、「発明の概要」に於いて述べた如く、各窓の採光は、常に必要というわけではなく、車両の使用状況によって、各窓の採光の必要性がなくなるか、かかる必要性が低くなる。そこで、本実施形態に於いては、車両の使用状況に応じて、可視光の採光をしない窓を選択し、選択された窓に於いて、可視光を採光する透明な状態から可視光を用いて光発電が可能な状態に切換えられる。これにより、可視光を用いて発電する機会が増えることとなり、太陽光エネルギーの利用効率が向上されることとなる。なお、本実施形態は、各窓に透明太陽電池が設置されていない車両に適用されてもよく、そのような場合も本実施形態の範囲に属する。
制御システムの構成
本実施形態に於ける車両の使用状況に応じた可視光の採光をしない窓の選択と、選択された窓に於ける可視光を用いた光発電が可能な状態への切換は、図1(B)に記載されている如く、車両の種々の使用状況を検出するセンサ群(使用状況検出手段)11~21から得られる情報を用いて可視光の採光をしない窓の選択処理を実行する選択処理装置50と可視光発電手段(可視光太陽電池等)の状態を切換えるアクチュエータ60f~prとの作動により達成されてよい(窓光発電状態切換手段)。選択処理装置50は、コンピュータ装置によるプログラムに従った作動により実現されてよい。
本実施形態に於ける車両の使用状況に応じた可視光の採光をしない窓の選択と、選択された窓に於ける可視光を用いた光発電が可能な状態への切換は、図1(B)に記載されている如く、車両の種々の使用状況を検出するセンサ群(使用状況検出手段)11~21から得られる情報を用いて可視光の採光をしない窓の選択処理を実行する選択処理装置50と可視光発電手段(可視光太陽電池等)の状態を切換えるアクチュエータ60f~prとの作動により達成されてよい(窓光発電状態切換手段)。選択処理装置50は、コンピュータ装置によるプログラムに従った作動により実現されてよい。
同図を参照して、制御システムに於いては、選択処理装置50へ、車両の使用状況を表わす情報として、以下のセンサ群からの検出出力が入力されてよい。(1)起動スイッチ11-レディスイッチ、イグニッションスイッチなどの車両を起動するためのスイッチであってよい。(2)各席乗員検出センサ12FL,FR,RL,RC,RR-座席体重検知センサ、電波センサなどの各座席FL,FR,RL,RC,RRの乗員の有無を検出できるセンサであってよい。(3)シフトレバー位置センサ13-シフトレバーの位置を検出するセンサ。(4)各席シートベルトセンサ14FL,FR,RL,RC,RR-乗員の着座している座席のシートベルトの着用状態を検出するセンサであってよい。(5)車速センサ15-車輪速センサ等の検出値から車速を算出するセンサ。(6)GPS/ナビゲーションシステム16-信号位置や一時停止位置を検出できるシステムであってよい。(7)各窓採光選択スイッチ17-各窓の(可視光の)採光の要否を決定する乗員により操作されるスイッチ。(8)運転モードスイッチ18-ECOモード、NORMALモード、SPORTSモードを選択するスイッチ。(9)運転者目線センサ19-運転者の目線を検出するセンサ。(10)バッテリ残量センサ20-車載バッテリの残量を検出するセンサ。(11)透明太陽電池発電量検出センサ21-各窓に設置された透明太陽電池の発電量を検出するセンサ。(12)アクセルペダルセンサ17a、ブレーキペダルセンサ17b-アクセルペダル又はブレーキペダルの踏込みを検知するセンサ。
選択処理装置50は、上記のセンサ群から情報を用いて、後に説明される態様により、可視光の採光をしない窓を選択し、各窓の状態切換を切換えるアクチュエータ60f~prを作動する制御指令を送出する。そして、アクチュエータ60f~prは、可視光の採光をしない窓として選択されたときには、後述のいずれかの態様により、可視光発電手段を窓からの可視光が照射される位置に配置するよう作動し、可視光の採光をしない窓として選択されていないときには、可視光が窓から車室内へ到達できる状態となるように可視光発電手段を収納するよう作動することとなる。
各窓の透明状態と非透明状態の切換のための構成と作動
各窓にて、可視光を採光する状態(透明状態)と、可視光を用いて発電できる状態(非透明状態-可視光を採光しない状態)との切換をする構成には、任意の方式が採用されてよい。
各窓にて、可視光を採光する状態(透明状態)と、可視光を用いて発電できる状態(非透明状態-可視光を採光しない状態)との切換をする構成には、任意の方式が採用されてよい。
例えば、一つの態様に於いては、図2(A)に模式的に描かれている如く、車両の外壁1aに開口された窓枠1w内の領域(窓)2に沿って、窓2を覆うように配置可能な可動式のシェード3が設置され、かかるシェード3の内装材4の窓2側に、可視光太陽電池5が、可視光発電手段として設置される。かかるシェード3は、アクチュエータ6(60f~pr)により矢印Xの方向に摺動可能に構成されるか、図示していないが、ヒンジ式に窓2に対して枢動可能に構成されていてよい。なお、窓2には、上記の如く、透明太陽電池2aが設置され、太陽光S中の紫外光又は近赤外光irlにより発電できるようになっていてよい。かかる構成に於いて、窓2が可視光を採光する窓に選択されているとき(透明状態)には、シェード3は、外壁1aの方へ後退して収納されて、窓2からの可視光vlが車室内1bへ到達することとなる。一方、窓2が可視光を採光しない窓に選択されているとき(非透明状態)には、シェード3が窓2を覆う位置に延在するよう配置され、窓2からの太陽光S中の可視光vlが可視光太陽電池5へ入射して、可視光vlによる発電が実行されることとなる。
上記のシェード3を用いた構成に於いて、近赤外光irlにより発電する透明太陽電池2aが窓2に設置されている場合には、シェード3上に於いて、可視光太陽電池5に代えて、可視光発電手段として、近赤外光を反射する反射層7と可視光を近赤外光に変換する波長変換層8が順に積層されてよい。波長変換層8は、例えば、可視光を吸収して近赤外光を放出する蛍光物質又はりん光物質が樹脂又はガラス中に分散されてなる層であってよい。かかる構成によれば、シェード3が窓2を覆う位置に延在するよう配置されているときには、窓2からの可視光vlが波長変換層8に入射し、そこで、近赤外光irlに変換されて、透明太陽電池2aへ入射するので、可視光vlを用いた発電が達成されることとなる。
各窓を可視光を用いて発電できる状態にする別の態様としては、図3(A)~(D)に描かれている如く、窓2の室内側Iに、複数の、短冊状の可視光太陽電池(又は波長変換層と反射層との積層体)を担持した平板10が、可視光発電手段として、窓2に沿って並置された構成が用いられてよい。この場合も、透明太陽電池2aが窓2に設置されていてよい。かかる構成に於いて、各平板10は、枢軸10a回りに枢動可能に構成されていてよい。そして、窓2が可視光を採光する窓に選択されているとき(透明状態)には、図3(A)、(C)の如く、各平板10が、窓2を透過してくる可視光vlの進行方向に沿って延在する方向に配置され、これにより、可視光vlが車室内Iへ到達することとなる。一方、窓2が可視光を採光しない窓に選択されているとき(非透明状態)には、各平板10が、窓2の面方向に沿って延在する方向に枢動されて、窓2を覆う状態となり、これにより、平板10上の可視光太陽電池(又は波長変換層と反射層との積層体)に可視光vlが入射し、図2の場合と同様に、可視光vlを用いた発電が達成されることとなる。なお、短冊状の平板10は、乗員が眩しさを感じないように、適宜角度が調節されてよい。
可視光を採光しない窓(可視光を用いて発電する窓)の選択処理
既に述べた如く、本実施形態に於いては、車両の種々の使用状況に基づいて、可視光を用いて発電する窓として、可視光を採光しない窓が選択される。かかる選択処理に於いては、基本的には、車両を使用していない場合或いは車両を運転していない場合には、できるだけ多くの窓が可視光を用いて発電できる状態に切換えられてよい。また、バッテリ残量が少ない場合やエコモード(燃費を重視するモード)が選択されている場合など、発電要求の度合が高いときにも、できるだけ多くの窓が可視光を用いて発電できる状態に切換えられてよい。以下、可視光を採光しない窓の選択処理のいくつかの態様を説明する。
既に述べた如く、本実施形態に於いては、車両の種々の使用状況に基づいて、可視光を用いて発電する窓として、可視光を採光しない窓が選択される。かかる選択処理に於いては、基本的には、車両を使用していない場合或いは車両を運転していない場合には、できるだけ多くの窓が可視光を用いて発電できる状態に切換えられてよい。また、バッテリ残量が少ない場合やエコモード(燃費を重視するモード)が選択されている場合など、発電要求の度合が高いときにも、できるだけ多くの窓が可視光を用いて発電できる状態に切換えられてよい。以下、可視光を採光しない窓の選択処理のいくつかの態様を説明する。
(i)天窓・後方サイドウィンドウの制御
後方サイドウィンドウ、天窓(設置されている場合のみ)は、車両の運転時に乗員の車外の視認に使用される窓以外の窓であるので、車両が使用中か否か、乗員の着座位置、発電要求の度合の高さなどによって、可視光の採光をするか否かが選択されてよい。
後方サイドウィンドウ、天窓(設置されている場合のみ)は、車両の運転時に乗員の車外の視認に使用される窓以外の窓であるので、車両が使用中か否か、乗員の着座位置、発電要求の度合の高さなどによって、可視光の採光をするか否かが選択されてよい。
一つの態様として、例えば、図4を参照して、起動スイッチがOFFの場合(ステップ1)、バッテリ残量が十分でない場合(所定値Coより少ない場合)(ステップ2)、エコモードが選択されている場合(ステップ3)、乗員がいない場合(ステップ4-各席乗員検出センサ12にて検出)には、左右後方サイドウィンドウsrl、srr、天窓前後pf、prの全てが非透明状態(可視光を採光しない窓)に選択されてよい(ステップ5)。一方、起動スイッチがONであり、バッテリ残量が十分であり、エコモード以外が選択され、後部座席に乗員がいる場合には、左右後方サイドウィンドウsrl、srr、天窓後方prが透明状態とされ(ステップ6、7)、後部座席に乗員がいない場合には、左右後方サイドウィンドウsrl、srr、天窓後方prが非透明状態とされ(ステップ6、8)、前部座席(運転席、助手席)に乗員がいる場合には、天窓前方pfが透明状態とされ(ステップ9、10)、前部座席に乗員がいない場合には、天窓前方pfが非透明状態とされてよい(ステップ9、11)。これにより、乗員のいる座席には可視光が採光され、乗員のいない座席への採光のための窓では、可視光を用いた発電が実行されることとなる。
また、別の態様として、後方サイドウィンドウと天窓の可視光の採光をするか否かは、バッテリ残量の程度や選択されている運転モードに応じて、種々の組み合わせにて選択されてよい。具体的には、下記の表1の如く、可視光の採光をしない窓が選択されてよい。
Pf: 天窓前方、Pr: 天窓後方、Srl、Srr左右後方サイドウィンドウ
Co、C1(>Co)は、適宜設定される所定値。
即ち、バッテリ残量が少ないほど、或いは、運転モードで燃費を重視する度合が高いほど、多くの窓が可視光の採光をしない窓として選択され、可視光を用いた発電が実行される。
Co、C1(>Co)は、適宜設定される所定値。
即ち、バッテリ残量が少ないほど、或いは、運転モードで燃費を重視する度合が高いほど、多くの窓が可視光の採光をしない窓として選択され、可視光を用いた発電が実行される。
更に、窓に透明太陽電池が設置されている場合には、後方サイドウィンドウと天窓の可視光の採光をするか否かは、透明太陽電池の発電出力Wに応じて種々の組み合わせにて選択されてよい。透明太陽電池の発電出力Wが大きいほど、太陽光強度が強いことになるので、より多くの窓が可視光の採光をしない窓として選択され、可視光を用いた発電が実行されてよい。具体的には、下記の表2の如く、可視光の採光をしない窓が選択されてよい。
wo、w1(>wo)は、適宜設定される所定値。
(ii)フロント・リア・前方サイドウィンドウの制御
フロントウィンドウ、リアウィンドウ、前方サイドウィンドウは、車両の運転時に乗員の車外の視認に使用される窓であるので、車両が使用中か否かと車両が運転中又は走行中であるか否かによって、可視光の採光をするか否かが選択されてよい。
フロントウィンドウ、リアウィンドウ、前方サイドウィンドウは、車両の運転時に乗員の車外の視認に使用される窓であるので、車両が使用中か否かと車両が運転中又は走行中であるか否かによって、可視光の採光をするか否かが選択されてよい。
具体的には、図5を参照して、まず、起動スイッチがOFFの場合(ステップ21)、運転者がいない場合(ステップ22)、シートベルトが着用されていない場合(ステップ23)或いはシフトレバーがPレンジである場合(ステップ24)には、車両は発進しないので、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、前方サイドウィンドウの全てが非透明状態に選択され、可視光を用いた発電が実行されてよい(ステップ25)。一方、起動スイッチがONであり、運転者が着座しており、シートベルトが着用され、シフトレバーがPレンジ以外である場合には、車両が発進可能な状態であるので、この場合には、車両が運転中か否か若しくは走行中か否かで、上記の窓の状態が選択される。
より詳細には、先ず、発進時、車速が0km/hのときには(ステップ26)、アクセルペダル又はブレーキペダルの踏込みがあると(ステップ27)、上記の窓は、透明状態とされる(ステップ28)。そして、車速が0km/hを上回っているときには、車両は走行中であるので、上記の窓は、透明状態が維持される(ステップ26、28)。その後、車両が停止したときでも、ペダルの踏込みがあるか、停止が信号待ち又は一時停止による場合(ナビゲーションシステム等により検出されてよい。-ステップ29)には、上記の窓は、透明状態に維持される。一方、車両が停止した状態で、ペダルの踏込みがなく、停止が信号待ち又は一時停止による場合でもなく、その状態が任意に設定されてよい所定時間が経過したときには、車両の走行が終了したものと判断され、上記の窓は、非透明状態に選択され(ステップ25)、可視光を用いた発電が実行されてよい。更に、その後、ペダルの踏込みがあると、上記の窓は、透明状態に切換えられることとなる(ステップ28)。なお、後方サイドウィンドウ、天窓も、図5の処理により、状態が切換えられてもよい。
(iii)乗員による選択
可視光を採光しない窓は、乗員が、各窓の採光選択スイッチ17を操作することにより選択されてよい。選択された窓は、非透明状態にされる。
可視光を採光しない窓は、乗員が、各窓の採光選択スイッチ17を操作することにより選択されてよい。選択された窓は、非透明状態にされる。
(iv)運転者の視線による選択
車両の運転中に運転者目線センサ19により運転者の目線を検出し、目線の方向の窓を透明状態とし、それ以外の窓は、非透明状態にされてもよい。
車両の運転中に運転者目線センサ19により運転者の目線を検出し、目線の方向の窓を透明状態とし、それ以外の窓は、非透明状態にされてもよい。
上記の一連の選択処理によって、非透明状態に選択された窓に於いては、図2、3に関連して説明されたように、可視光発電手段が窓に沿って配置されて、可視光を用いた光発電が実行されることとなる。かかる構成によれば、既に述べた如く、可視光を用いて発電する機会が増えることとなり、太陽光エネルギーの利用効率が向上されることとなる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
Claims (5)
- 窓を有する車両であって、
前記車両の使用状況を検出する使用状況検出手段と、
前記検出された使用状況に基づいて、前記窓のうち、可視光を採光しない窓を選択し、前記選択された窓を、可視光を採光する透明な状態から可視光を用いて光発電が可能な状態に切換える窓光発電状態切換手段と
を含む車両。 - 請求項1の車両であって、前記使用状況検出手段が、前記車両の使用状況として、前記車両が使用中であるか否かを検出するよう構成され、前記窓光発電状態切換手段が、前記車両が使用中でないことが検出されているときには、前記窓の全てを可視光による光発電が可能な状態へ切換えるよう構成されている車両。
- 請求項1の車両であって、前記使用状況検出手段が、前記車両の使用状況として、前記車両が運転中であるか否かを検出するよう構成され、前記窓光発電状態切換手段が、前記車両が運転中であることが検出されているときには、前記窓のうちで乗員の車外の視認に使用される窓を可視光を用いた光発電の実行されない透明な状態に切換え、前記車両が運転中でないことが検出されているときには、前記乗員の車外の視認に使用される窓を可視光を用いた光発電が可能な状態へ切換えるよう構成されている車両。
- 請求項1の車両であって、前記使用状況検出手段が、前記車両の使用状況として、車載バッテリ残量を検出するよう構成され、前記窓光発電状態切換手段が、前記検出された車載バッテリ残量に応じて、前記窓のうちで少なくとも乗員の車外の視認に使用されない窓を可視光を用いた光発電が可能な状態へ切換えるよう構成されている車両。
- 請求項1乃至4の車両であって、前記窓に可視光領域以外の波長領域の光を吸収して発電する透明な透明太陽電池が設置され、前記窓光発電状態切換手段が、前記透明太陽電池の設置された窓の車室内側に於いて、可視光を用いて発電するための手段を、前記窓を透過した太陽光を受光可能な状態に配置することにより、前記可視光も用いて光発電が可能な状態に切換えるよう構成されている車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022124403A JP2024021521A (ja) | 2022-08-03 | 2022-08-03 | 太陽電池を搭載した車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=89855635
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024021521A (ja) |
-
2022
- 2022-08-03 JP JP2022124403A patent/JP2024021521A/ja active Pending
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