JP2024019937A - プログラム、画像処理装置、及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3値以上の多値量子化処理を行う場合に、テクスチャ及びドット遅延等の発生を抑えること。【解決手段】本発明の一実施形態は、コンピュータを、入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置として機能させるプログラムである。隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値がある。第1画素値に対応する第2使用率と、第3画素値に対応する第2使用率とは夫々、第2画素値に対応する第2使用率よりも低く、第1画素値に対応する第1使用率と、第3画素値に対応する第1使用率とは夫々、第2画素値に対応する第1使用率よりも高い。【選択図】図6
Description
本開示は、プログラム、画像処理装置、及び画像処理方法に関する。
プリンタで画像を出力するためには通常、画像を構成する各画素に対する量子化の処理が必要になる。量子化の処理とは、連続階調で表現された画像を、プリンタが表現できる階調数に変換するハーフトーン処理である。従来、量子化の処理方法として、例えば、ディザ処理や誤差拡散処理が知られている。
従来、ディザ処理と誤差拡散処理とを選択的に使用して量子化を行う方法が知られている。特許文献1では、ディザ処理と誤差拡散処理とを切り替えて一方の処理を行うのではなく、ディザ処理の影響力及び誤差拡散処理の影響力を割り振るようにして量子化を行う。詳しくは、暗部と明部とにおいてディザ処理の影響力を強くする一方、中間調において誤差拡散の影響力を強くする。特許文献1の方法によれば、テクスチャ、ドット遅延、及びワームノイズ等の発生を抑えることができる。
しかしながら、特許文献1では、2値量子化処理でなく、3値以上の多値量子化処理を行う場合に、テクスチャ及びドット遅延等の発生を十分に抑えることができない懸念がある。
そこで本開示は、上記課題に鑑み、3値以上の多値量子化処理を行う場合に、テクスチャ及びドット遅延等の発生を抑えることを目的とする。
本発明の一実施形態は、コンピュータを、入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、注目画素を選択する画素選択手段と、前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定する決定手段と、前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定する決定手段と、前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出する算出手段と、前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出する算出手段と、前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行する実行手段と、として機能させ、隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、ことを特徴とするプログラムである。
本開示によれば、3値以上の多値量子化処理を行う場合に、テクスチャ及びドット遅延等の発生を抑えることが可能となる。
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照しながら、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムの実施形態の一例を詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の位置、形状などはあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下、添付の図面を参照しながら、画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムの実施形態の一例を詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の位置、形状などはあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<印刷システムの構成>
図1は、本開示の一実施形態に係るプログラムについて説明する図である。図1(a)は、このプログラムを使用する印刷システム10の構成の一例を示す。図示するように、印刷システム10は、画像処理装置11と、印刷装置12と、を有する。
図1は、本開示の一実施形態に係るプログラムについて説明する図である。図1(a)は、このプログラムを使用する印刷システム10の構成の一例を示す。図示するように、印刷システム10は、画像処理装置11と、印刷装置12と、を有する。
画像処理装置11は、例えばRIP(Raster Image Processor)処理等の画像形成処理を行う装置である。画像処理装置11は、印刷データが示す原画像を展開することにより、印刷装置12が解釈可能な形式により画像を示す印刷可能データを形成する。図示は省略するが、画像処理装置11は、少なくとも、中央処理装置(CPU)と、CPUにおいて実行する各種処理のプログラムなどを記憶するROMと、CPUのワークメモリなどとして使用されるRAMとを備えている。また、画像処理装置11は、各種の情報を記憶可能な記憶部を備えている。
また、本実施形態において、画像処理装置11は、この画像形成処理において、少なくとも、原画像中の各画素の画素値である色の濃度を示す濃度値の量子化、詳しくは3値以上の多値量子化を行う。また、この場合、画像処理装置11は、印刷装置12で使用されるプロセスカラー毎に多値量子化を行う。これにより、画像処理装置11は、印刷データに基づき、各プロセスカラーに対応するハーフトーン画像を形成する。
尚、画像処理装置11は、例えば印刷装置12を制御するホストPCであり、所定のプログラムに従って、画像処理装置として動作する。画像処理装置11は、印刷データを、例えば他のPCから受け取ってよい。また、印刷データは、ユーザにより、画像処理装置11上で作成されてもよい。
印刷装置12は、例えばインクジェットプリンタであり、画像処理装置11から受け取る印刷可能データに従い、画像の印刷を実行する。また、本実施形態において、印刷装置12は、CMYKインクの各色をプロセスカラーとして使用し、カラー印刷を行う。印刷装置12は、更に他の色のインクを用いて印刷を行ってもよい。
<量子化処理の概要>
次に、画像処理装置11で実行される量子化処理の概要について説明する。図1(b)は、画像処理装置11が行う多値量子化の処理の概要を示す図である。画像処理装置11は、プロセスカラー毎に、原画像に対する多値量子化により、ハーフトーン画像である擬似中間調画像を形成する。この多値量子化は、原画像の各座標における濃度値In(x,y)を、擬似中間調画像の同じ座標における多値量子化値out(x,y)に変換する処理である。本実施形態においては、多値量子化の一例として3値量子化を取り上げるものとし、多値量子化値out(x,y)が取り得る値として0~2があり、図1(b)では、0が空白、1が灰色、2が黒色で示している。
次に、画像処理装置11で実行される量子化処理の概要について説明する。図1(b)は、画像処理装置11が行う多値量子化の処理の概要を示す図である。画像処理装置11は、プロセスカラー毎に、原画像に対する多値量子化により、ハーフトーン画像である擬似中間調画像を形成する。この多値量子化は、原画像の各座標における濃度値In(x,y)を、擬似中間調画像の同じ座標における多値量子化値out(x,y)に変換する処理である。本実施形態においては、多値量子化の一例として3値量子化を取り上げるものとし、多値量子化値out(x,y)が取り得る値として0~2があり、図1(b)では、0が空白、1が灰色、2が黒色で示している。
本実施形態において、画像処理装置11は、この多値量子化を、ディザマトリクスノイズD(i,j)と、累積誤差E(x,y)との両方を用いる方法(ハイブリッド誤差拡散処理)により行う。また、画像処理装置11は、ディザマトリクスノイズD(i,j)と、累積誤差E(x,y)とに関連するパラメータとして、それぞれ0以上1以下(0%~100%)の範囲の値に設定されるノイズ使用率Rnと、誤差使用率Reとを更に用いる。
ノイズ使用率Rnは、2次元マトリクスであるディザマトリクスノイズD(i,j)を多値量子化の処理に影響させる度合いを示すパラメータであり、多値量子化を行う画素の濃度値In(x,y)に応じて算出される。画像処理装置11は、ディザマトリクスノイズD(i,j)をそのまま用いるのではなく、ディザマトリクスノイズD(i,j)とノイズ使用率Rnとの積を用いて多値量子化を行う。これにより、画像処理装置11は、各画素に対応するノイズ使用率Rnに応じて、ディザマトリクスノイズD(i,j)を使用する。
また、誤差使用率Reは、累積誤差E(x,y)を多値量子化の処理に影響させる度合いを示すパラメータであり、多値量子化を行う画素の濃度値In(x,y)に応じて算出される。画像処理装置11は、累積誤差E(x,y)をそのまま用いるのではなく、累積誤差E(x,y)と誤差使用率Reとの積を用いて、各画素の濃度値In(x,y)に対応する誤差補正済入力値In’(x,y)を算出する。そして、算出した誤差補正済入力値In’(x,y)を用いて、多値量子化の処理を行う。これにより、画像処理装置11は、各画素に対応する誤差使用率Reに応じて、累積誤差E(x,y)を使用する。尚、多値量子化の処理については、後に更に詳しく説明する。
従来方法の処理結果について、図2(a)~図2(c)を用いて説明する。
図2(a)は各色のプロセスカラーのうちの1つの入力画像であり、多値量子化処理に対する入力画像である。入力画像は、濃度を持った画素が配置されており、画像の左側から右側にかけて画素の濃度が徐々に高くなっている。
図2(b)は従来方法における、各画素の濃度値In(x,y)に応じた、多値量子化を行う画素に対するノイズ使用率Rn、誤差使用率Reを示す。図2(b)中、ノイズ使用率Rnは太実線で、誤差使用率Reを太点線で示している。図2(b)に示すように、暗部と明部においてノイズ使用率Rnが大きく、ディザ処理の影響力を強く、中間調において誤差使用率Reが大きく、誤差拡散の影響力を強くしている。
図2(c)は、従来手法における処理結果を例示する。図2(c)を見ると分かる様に、明部(図中左端側)及び暗部(図中右端側)におけるドット配置は良好なものとなっているが、中間部(図中中央近傍)においては、ドット遅延が発生している事が理解されよう。これは、明部(図中左端側)、暗部(図中右端側)、及び中間部(図中中央近傍)は何れも多値量子化値out(x,y)=0、1、2に対応する濃度(量子化代表値)近傍であり、発生する誤差が小さい領域である。発生誤差が小さい領域においては、誤差拡散処理におけるドット遅延が発生し易く、ディザ処理の影響力を強くする事で対応するのが好ましい。しかし、従来例では中間部(図中中央近傍)で誤差利用率Reが大きくなっている為、誤差拡散処理におけるドット遅延が発生してしまっている。
次に、本実施形態の処理結果について、図2(a)、図2(d)、及び図2(e)を用いて説明する。
図2(a)は上述の通り、多値量子化処理への入力画像である。
図2(d)は、本実施形態における、各画素の濃度値In(x,y)に応じた、多値量子化を行う画素に対するノイズ使用率Rn、誤差使用率Reを示す。図2(d)中、ノイズ使用率Rnは太実線で、誤差使用率Reを太点線で示している。図2(e)に示すように、暗部と明部及び約1/2濃度部(量子化代表値)近傍においてノイズ使用率Rnが大きく、ディザ処理の影響力を強く、約1/4濃度部近傍及び約3/4濃度部近傍において誤差使用率Reが大きく、誤差拡散の影響力を強くしている。
図2(e)は、本実施形態における処理結果を例示する。図2(e)を見ると分かる様に、明部(図中左端側)及び暗部(図中右端側)更には約1/2濃度部(図中中央近傍)におけるドット配置全てが、図2(c)と比べて良好な物となっている事が理解されよう。また、図2(d)において、左半分のノイズ使用率Rn及び誤差使用率Reと、右半分のノイズ使用率Rn及び誤差使用率Reとは、ほぼ同じ形状をしている。これは、隣接する量子化代表値間(つまり、0~1間と1~2間)の設定として同じ設定を利用可能である事を示す。尚、以後の説明では、同じ設定を用いるケースを例に説明する。
もちろん、各量子化代表値間の設定として異なる設定を用いても構わない。紙面上に記載されるインク量が異なる場合、ノイズ使用率Rn、誤差使用率Reを個別に設定した方が、制御はより複雑にはなるが、その分より細かい制御が可能となる。
本実施形態によれば、例えば、誤差拡散処理の空間周波数特性(誤差拡散特性)にディザ処理の空間周波数特性(ディザ特性)の影響を与えることができる。また、これにより、例えば、誤差拡散特性にディザ特性を組み込んだ方法により、多値量子化を行うことができる。また、この場合、例えば単にディザ処理と誤差拡散処理とを切り替える場合等と異なり、処理の切り替えに伴う境界線が発生すること等を適切に防ぐことができる。
そのため、本実施形態によれば、例えば、それぞれの処理が得意とする部分を適切に活かし、多値量子化の処理を行うことができる。また、これにより、例えば、多値量子化の処理において生じる印刷に関しての種々の問題点を適切に解消し、より適切な方法で多値量子化の処理を行うことができる。
尚、ディザマトリクスノイズD(i,j)は2次元マトリクスであり、例えば、予め設定されたディザマトリクスにより指定される値である。ディザマトリクスノイズD(i,j)は、例えば従来のディザ処理において使用されるディザマトリクスノイズと同一又は同様であってよい。ディザマトリクスノイズD(i,j)としては、例えば、ブルーノイズ特性のノイズを用いることが好ましい。また、画像処理装置11は、使用するディザマトリクスを、プロセスカラー毎に変更することが好ましい。
累積誤差E(x,y)は、周辺の画素に対する多値量子化において生じる誤差としての量子化誤差値、即ち多値量子化誤差Q(x,y)を累積した累積値であり、予め設定された拡散フィルタ(拡散マトリクス)を用いて算出される。また、算出された累積誤差E(x,y)は、例えば誤差バッファに格納される。画像処理装置11は、累積誤差E(x,y)を、例えば従来の多値誤差拡散処理で使用される累積誤差と同一又は同様の方法により算出する。
図3は、本実施形態における、入力値を(量子化数N―1)倍した中間値であるTtlと、評価値Fr、誤差補正済み評価値Fr’、及び量子化初期値Baseとの関係を示した図である。図中、黒丸はその値を含み、白丸はその値を含まない事を示す。ここで、図3(b)における、以下2つの設定領域を参照する。
第1の領域である領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn
第2の領域である領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2
これら2つの領域における評価値Frは同じとなっている事が理解されよう。
第1の領域である領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn
第2の領域である領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2
これら2つの領域における評価値Frは同じとなっている事が理解されよう。
<多値量子化処理>
以下、本実施形態における画像処理装置11において実行される多値量子化処理について説明する。この多値量子化処理は、原画像における各画素に対して多値量子化の処理を実行する処理となる。図4は、多値量子化を行う動作の一例を示すフローチャートである。画像処理装置11は、以下の処理を例えば、プロセスカラー毎に行う。尚、図4における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
以下、本実施形態における画像処理装置11において実行される多値量子化処理について説明する。この多値量子化処理は、原画像における各画素に対して多値量子化の処理を実行する処理となる。図4は、多値量子化を行う動作の一例を示すフローチャートである。画像処理装置11は、以下の処理を例えば、プロセスカラー毎に行う。尚、図4における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
多値量子化を行う動作において、本実施形態の画像処理装置11は、先ず、原画像から、多値量子化を行うべき画素である注目画素を選択する(画素選択処理S401)。そして、選択される画素の濃度値In(x,y)に応じて、その画素に対応する評価値Frを算出する(評価値算出処理S402)。具体的には以下の式に従って算出を行う。
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
ここで、Nは多値量子化における量子化数で、本例では量子化数を3にする。mod(a,b)は除算の余りを算出する関数で、aをbで除算した余りを出力する。こうすることで、図3(b)に示すように、0≦Fr<MaxInとなる。
言い換えると、評価値Frは入力値Inに最も近い2つの量子化代表値間における、入力値Inの相対値を表していると言える。
これにより、画像処理装置11は、注目画素の評価値Frに基づいて、多値量子化に使用するノイズ使用率Rn、及び誤差使用率Reを決定する(使用率決定処理S403)。
続いて、画像処理装置11は、累積誤差E(x,y)による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値In’(x,y)を算出する(誤差補正済入力値算出処理S404)。この処理において、画像処理装置11は、例えば、画素選択処理S401で選択された画素に対応する誤差使用率Reと、累積誤差E(x,y)との積である適用誤差値を、その画素の濃度値In(x,y)に加算する。そして、加算後の値を、累積画素値である誤差補正済入力値In’(x,y)として算出する。
また、画像処理装置11は、更に、多値量子化で使用する閾値として、ディザマトリクスノイズD(i,j)を反映させた閾値であるノイズ補正済閾値Th’を算出する(ノイズ補正済閾値算出処理S405)。この処理において、画像処理装置11は、例えば、画素選択処理S401で選択された画素に対応するノイズ使用率Rnと、ディザマトリクスノイズD(i,j)との積を、予め設定された初期閾値Thに加算する。そして、加算後の値を、量子化閾値であるノイズ補正済閾値Th’として算出する。
そして、画像処理装置11は、算出されたノイズ補正済閾値Th’と誤差補正済入力値In’(x,y)とを用いて多値量子化を行う。具体的には以下の式に従って算出を行う。
Ttl =In‘(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
Base=Int(Ttl÷MaxIn)
Ttl =In‘(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
Base=Int(Ttl÷MaxIn)
ここで、Baseは多値量子化の初期値である。また、Int(a)は少数を切捨てて整数化する関数である。こうする事で、図3(a)に示す様に、Baseは0、1、~N―1、0≦Fr<MaxInとなる。
そして、評価値Frとノイズ補正済閾値Th’とを比較し、これらの値の大小関係に基づき、次の式に従って、多値量子化結果を出力する。
評価値Fr≧ノイズ補正済閾値Th’→Out(x、y)=Base+1
評価値Fr<ノイズ補正済閾値Th’→Out(x、y)=Base
これにより、画像処理装置11は、画素選択処理S401で選択された画素に対する多値量子化を実行することで量子化値を算出する(多値量子化実行処理S406)。
評価値Fr≧ノイズ補正済閾値Th’→Out(x、y)=Base+1
評価値Fr<ノイズ補正済閾値Th’→Out(x、y)=Base
これにより、画像処理装置11は、画素選択処理S401で選択された画素に対する多値量子化を実行することで量子化値を算出する(多値量子化実行処理S406)。
続いて、画像処理装置11は、拡散フィルタに従って、この画素の加算誤差Q‘(x,y)を、周辺の画素に拡散させる(誤差分配処理S407)。これにより、画像処理装置11は、周辺画素の分配先座標に対応した拡散フィルタの値に加算誤差Q‘(x,y)を積算し、周辺の画素のそれぞれに対応する累積誤差E(x,y)の値を更新する。
また、誤差分配処理S407の後、画像処理装置11は、多値量子化を実行した画素が原画像の最終の画素であるか否かを判定する(最終画素判定処理S408)。そして、最終画素であると判定した場合(S408:Yes)、原画像に対する多値量子化の処理を終了する。また、最終画素ではないと判定した場合(S408:No)、画素選択処理S401へ再度進み、次の画素を選択する。これにより、画像処理装置11は、画素選択処理S401において、多値量子化を行うべき画素を順次選択する。また、順次選択される画素に対して画素選択処理S401の以降の処理を行うことにより、その画素に対する多値量子化を実行する。
本実施形態によれば、例えば、誤差使用率Reを乗じた累積誤差E(x,y)を濃度値In(x,y)に加算することにより、誤差拡散特性を影響させる度合いを適切に調節できる。また、ノイズ使用率Rnを乗じたディザマトリクスノイズD(i,j)を初期閾値Thに加算することにより、ディザ特性を影響させる度合いを適切に調節できる。
これにより、例えば、入力値である濃度値In(x,y)に応じて、誤差拡散特性及びディザ特性のそれぞれを影響させる度合いを適切に設定できる。また、誤差拡散処理及びディザ処理のそれぞれが得意とする部分を適切に活かした多値量子化の処理を行うことができる。以下、多値量子化を行う動作中の各処理について、更に詳しく説明する。
<画素選択処理>
図5は、画素選択処理S401について更に詳しく説明する図である。図5は、画素を順次選択する順番の一例を示す。本実施形態の画素選択処理S401おいて、画像処理装置11は、例えば、画素のラインを順次選択し、選択したライン中の画素を所定の処理方向に沿って、順次選択する。また、画像処理装置11は、更に、この処理方向を、処理するライン毎に切り替える。例えば、画像処理装置11は、奇数ラインにおいては左から右へ、偶数ラインにおいては右から左へ、順次画素を選択する。これにより、画像処理装置11は、多値量子化の処理を、双方向処理により行う。双方向処理を行った場合、誤差の拡散方向が一定ではなくなるため、ドットをより適切に分散させることができる。また、その結果、例えば単方向処理により多値量子化を行う場合と比べ、ドット遅延の発生等をより適切に防ぐことができる。
図5は、画素選択処理S401について更に詳しく説明する図である。図5は、画素を順次選択する順番の一例を示す。本実施形態の画素選択処理S401おいて、画像処理装置11は、例えば、画素のラインを順次選択し、選択したライン中の画素を所定の処理方向に沿って、順次選択する。また、画像処理装置11は、更に、この処理方向を、処理するライン毎に切り替える。例えば、画像処理装置11は、奇数ラインにおいては左から右へ、偶数ラインにおいては右から左へ、順次画素を選択する。これにより、画像処理装置11は、多値量子化の処理を、双方向処理により行う。双方向処理を行った場合、誤差の拡散方向が一定ではなくなるため、ドットをより適切に分散させることができる。また、その結果、例えば単方向処理により多値量子化を行う場合と比べ、ドット遅延の発生等をより適切に防ぐことができる。
<使用率決定処理>
図6~8は、使用率決定処理S403について更に詳しく説明する図である。図6は、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnのそれぞれと、濃度値とを対応付けるグラフ、並びに、計算式の一例を示す。図6は、図2(d)の左半分又は右半分に該当する入力値範囲に対してそれぞれ適用される。
図6~8は、使用率決定処理S403について更に詳しく説明する図である。図6は、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnのそれぞれと、濃度値とを対応付けるグラフ、並びに、計算式の一例を示す。図6は、図2(d)の左半分又は右半分に該当する入力値範囲に対してそれぞれ適用される。
本実施形態において、画像処理装置11は、評価値算出処理S402で最小入力値MinInである0以上、かつ最大入力値MaxIn以下の範囲の入力値Inに基づいて評価値Frを算出する。
続いて、使用率決定処理S403で評価値Frに対して連続的に変化する関数に基づき、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnを算出する。
最大入力値MaxIn、及び最小入力値MinInは、例えば、入力値Inとなる濃度値が取り得る範囲の最大値及び最小値である。但し、本実施形態では、簡単の為、最小入力値MinIn=0として説明を行う。
また、以後「ハイライト部」は隣接する2つの量子化代表値の小さい側近傍、「シャドウ部」は隣接する2つの量子化代表値の大きい側近傍を表す。言い換えると、「ハイライト部」はFr=0近傍、「シャドウ部」はFr=MaxIn近傍を表す。
また、この関数において、画像処理装置11は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、下記の3つを用いる。
・第3ハイライト基準値の一例であるハイライト側誤差使用率最小濃度値Hes
・第1ハイライト基準値の一例であるハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hn
・第2ハイライト基準値の一例であるハイライト側誤差使用率最大濃度値He
・第3ハイライト基準値の一例であるハイライト側誤差使用率最小濃度値Hes
・第1ハイライト基準値の一例であるハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hn
・第2ハイライト基準値の一例であるハイライト側誤差使用率最大濃度値He
また、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、下記の3つを用いる。
・第1シャドウ基準値の一例であるシャドウ側誤差使用率最大濃度値Se
・第2シャドウ基準値の一例であるシャドウ側ノイズ使用率最大濃度値Sn
・第3シャドウ基準値の一例であるシャドウ側誤差使用率最小濃度値Ses
・第1シャドウ基準値の一例であるシャドウ側誤差使用率最大濃度値Se
・第2シャドウ基準値の一例であるシャドウ側ノイズ使用率最大濃度値Sn
・第3シャドウ基準値の一例であるシャドウ側誤差使用率最小濃度値Ses
更に、中間調部の中央において初期閾値Thを挟む濃度範囲を示す基準として、ハイライト側ノイズ使用率0%濃度値Hnz、シャドウ側ノイズ使用率0%濃度値Snz、第1中間調基準値C1、及び第2中間調基準値C2を用いる。
また、これらのパラメータは、少なくとも、Hes≦Hn<He<Se<Sn≦Ses、及びHn<Hnz<Snz<Snとなるように設定される。また、本実施形態において、これらのパラメータは、グラフに示された大小関係で、0(MinIn)<Hes≦Hn<He<C1<Hnz<Th<Snz<C2<Se<Sn≦Ses<MaxInとなるように設定される。
そして、使用率決定処理S403において、画像処理装置11は、図6のグラフの下に示した計算式に従い、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnを決定する。但し、この数式により算出されるノイズ使用率Rnが、所定の最低ノイズ使用率RnMinより小さくなる場合、画像処理装置11は、ノイズ使用率Rnを、最低ノイズ使用率RnMinに設定する。これにより、画像処理装置11は、画素の濃度値が何れの場合にも、ノイズ使用率Rnを、最低ノイズ使用率RnMin以上の値に設定する。
尚、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnはそれぞれ、0~100%(値0~1)の範囲内の値に設定される。グラフの下に示した計算式において、100%以上となる場合には、100%に設定される。また、0%以下となる場合には、0%に設定される。
また、最低ノイズ使用率RnMinは、例えばパラメータ設定時の調整時等に、0より大きな値に予め設定される。最低ノイズ使用率RnMinは、例えば0.1(10%)以上の値とすることが考えられる。例えば、最低ノイズ使用率RnMinは、例えば0.1~0.2(10~20%)とすることが好ましい。また、グラフから分かるように、評価値Frが第1中間調基準値C1又は第2中間調基準値C2と等しい場合に、計算式で算出されるノイズ使用率Rnは、最低ノイズ使用率RnMinと等しくなる。
以上の方法により、例えば、評価値Frが、ハイライト側誤差使用率最大濃度値He以上、かつシャドウ側誤差使用率最大濃度値Se以下の場合、画像処理装置11は、誤差使用率Reを、1(100%)に設定する。また、例えば、評価値Frがハイライト側誤差使用率最小濃度値Hes以下の場合、誤差使用率Reを0に設定する。評価値Frが、ハイライト側誤差使用率最小濃度値Hes以上、かつハイライト側誤差使用率最大濃度値He以下の場合、誤差使用率Reを、(In-Hes)/(He-Hes)で計算される値に設定する。これにより、例えば、評価値Frがハイライト側誤差使用率最大濃度値He以下の場合、誤差使用率Reを、0以上1(100%)以下の値であり、ハイライト側誤差使用率最大濃度値Heと評価値Frとの差に応じて1から漸減させた値に設定する。
また、例えば、評価値Frが、シャドウ側誤差使用率最大濃度値Se以上、かつシャドウ側誤差使用率最小濃度値Ses以下の場合、誤差使用率Reを、(Ses-In)/(Ses-Se)で計算される値に設定する。評価値Frがシャドウ側誤差使用率最小濃度値Ses以上の場合、誤差使用率Reを0に設定する。これにより、例えば、評価値Frが、シャドウ側誤差使用率最大濃度値Se以上の場合、誤差使用率Reを、0以上1(100%)以下の値であり、評価値Frとシャドウ側誤差使用率最大濃度値Seとの差に応じて1から漸減させた値に設定する。
この場合、ハイライト部から中間調部にかけての誤差使用率Reは、評価値Frに対し、例えば、ハイライト側誤差使用率最小濃度値Hesから徐々に増加し、ハイライト側誤差使用率最大濃度値Heにおいて最大値となる。また、中間調部からシャドウ部にかけての誤差使用率Reは、評価値Frに対し、シャドウ側誤差使用率最大濃度値Seから徐々に減少し、シャドウ側誤差使用率最小濃度値Sesにおいて最小値となる。
これにより、画像処理装置11は、例えば、評価値Frがハイライト部又はシャドウ部の何れかに相当する濃度値である場合の誤差使用率Reを、中間調部に相当する濃度値である場合の誤差使用率Reよりも小さな値に設定する。また、この場合、誤差使用率Reは、例えば、濃度範囲の両端では値が0(0%)であり、ディザ処理に特有のテクスチャが発生する濃度範囲であるテクスチャ発生部Hd、Sdの範囲内で値1(100%)となるように変化する。このように構成すれば、例えば、誤差使用率Reを中間調で主に使用する構成を適切に実現できる。
また、例えば、評価値Frが、ハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hn以下の場合、又はシャドウ側ノイズ使用率最大濃度値Sn以上の場合、画像処理装置11は、ノイズ使用率Rnを、1(100%)に設定する。また、評価値Frが、第1中間調基準値C1以上、かつ第2中間調基準値C2以下の場合、ノイズ使用率Rnを、最低ノイズ使用率RnMinに設定する。
また、例えば、評価値Frがハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hn以上、かつ第1中間調基準値C1以下の場合、画像処理装置11は、ノイズ使用率Rnを、最低ノイズ使用率RnMin以上、かつ1(100%)以下の値にする。また、評価値Frとハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hnとの差に応じて1から漸減させた値に設定する。
更に、例えば、評価値Frが、第2中間調基準値C2以上、かつシャドウ側ノイズ使用率最大濃度値Sn以下の場合、画像処理装置11は、ノイズ使用率Rnを、最低ノイズ使用率RnMin以上、かつ1(100%)以下の値にする。また、評価値Frと第2中間調基準値C2との差に応じて最低ノイズ使用率RnMinから漸増させた値に設定する。
これにより、画像処理装置11は、例えば、評価値Frがハイライト部又はシャドウ部の何れかに相当する濃度値である場合のノイズ使用率Rnを、中間調部に相当する濃度値である場合のノイズ使用率Rnよりも大きな値に設定する。また、この場合、ノイズ使用率Rnは、例えば、ハイライト部及びシャドウ部での値が1(100%)であり、中間調になるにつれて徐々に値が下がるように変化する。
本実施形態によれば、例えば、誤差拡散特性の影響が強いとドット遅延が発生しやすいハイライト部及びシャドウ部において、ノイズ使用率Rnを高くし、誤差使用率Reを低くすることとなる。これにより、例えば、ハイライト部及びシャドウ部において、ドットを分散して配置できるディザ特性の影響が大きくなるため、ドット遅延の発生を適切に抑えることができる。つまり、中間値よりも明るい(または暗い)第1の画素値と、第1の画素値よりも中間値に近い第2の画素値があった場合、第1の画素値に対する誤差使用率は、第2の画素値に対する誤差使用率よりも低い。かつ、第1の画素値に対するノイズ使用率は、第2の画素値に対するノイズ使用率よりも高くなる画素の組が存在する。尚、中間値について、本実施形態のように入力値が0から255の範囲である場合には、その中間の値である例えば128を中間値とする。
また、誤差拡散特性の影響を大きくして中間調部での多値量子化の処理を行うことにより、例えば、より自然な擬似階調を得ることができる。また、例えば、テクスチャ発生部となる濃度範囲において、ノイズ使用率Rnを低く、誤差使用率Reを高くすることにより、ドットの配置に変化を与えることができる。また、これにより、例えば、テクスチャの発生を適切に抑えることができる。
更には、例えば、最低ノイズ使用率RnMinを設け、ノイズ使用率Rnが0にならないようにすることにより、例えば、中間調部において、僅かにディザ特性の影響を与えつつ、誤差拡散特性の影響を大きくできる。また、これにより、例えば、パタンノイズを適切に抑制できる。
また、例えば、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnを算出する計算式に従ってディザ特性の影響の大きさと、誤差拡散特性の影響の大きさとを徐々に変化させる。その結果、ディザ特性が支配的な領域と、誤差拡散特性が支配的な領域との切り替え部分で境界線が発生することを適切に抑えることができる。また、これにより、多値量子化の処理の方法の切り替えを滑らかに行うことができる。
従って、本実施形態によれば、例えば、画素の濃度値に応じて、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnのそれぞれを適切に設定できる。また、これにより、誤差拡散処理及びディザ処理のそれぞれの処理が得意とする部分をより適切に活かした多値量子化の処理を適切に行うことができる。
続いて、誤差使用率Re及びノイズ使用率Rnを算出する処理について、更に詳しく説明する。図7は、誤差使用率Reを算出する処理の一例を示すフローチャートである。尚、図7における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
誤差使用率Reの算出において、画像処理装置11は、先ず、入力値Inに基づいて、以下の様に評価値Frを算出する(S700)。
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
次に、評価値Frがハイライト側誤差使用率最大濃度値He以上、かつシャドウ側誤差使用率最大濃度値Se以下の範囲にあるか否かを判定する(S701)。そして、この範囲にあると判定した場合(S701:Yes)、誤差使用率Reを、最大使用率である1(100%)に設定する(S702)。
また、この範囲にないと判定した場合(S701:No)、更に、評価値Frについて、ハイライト側誤差使用率最小濃度値Hes以上、かつハイライト側誤差使用率最大濃度値He以下の範囲にあるか否かを判定する(S703)。そして、この範囲にあると判定した場合(S703:Yes)、誤差使用率Reを、Re=(In-Hes)/(He-Hes)で計算される値に設定する(S704)。
また、S703において、評価値Frが範囲内にないと判定した場合(S703:No)、画像処理装置11は、更に、次の判定を行う。評価値Frについて、シャドウ側誤差使用率最大濃度値Se以上、かつシャドウ側誤差使用率最小濃度値Ses以下の範囲にあるか否かを判定する(S705)。そして、この範囲にあると判定した場合(S705:Yes)、誤差使用率Reを、Re=(Ses-In)/(Ses-Se)で計算される値に設定する(S706)。また、S705において、評価値Frが範囲内にないと判定した場合(S705:No)、画像処理装置11は、誤差使用率Reを、0(0%)に設定する(S707)。
そして、画像処理装置11は、S702、S704、S706、又はS707の何れかで設定した誤差使用率Reを、評価値Frに対応する誤差使用率Reとして採用する(S708)。本実施形態によれば、誤差使用率Reを適切に算出できる。
図8は、ノイズ使用率Rnを算出する処理の一例を示すフローチャートである。尚、図8における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
ノイズ使用率Rnの算出において、画像処理装置11は、先ず、入力値Inに基づいて、以下の様に評価値Frを算出する(S800)。
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
次に、評価値Frが、ハイライト側ノイズ使用率最大濃度値Hnより大きく、かつハイライト側ノイズ使用率0%濃度値Hnzより小さい範囲にあるか否かを判定する(S801)。そして、この範囲にあると判定した場合(S801:Yes)、ノイズ使用率Rnを、Rn=(Hnz-In)/(Hnz-Hn)で計算される値に設定する(S802)。
また、この範囲にないと判定した場合(S801:No)、更に、評価値Frが、シャドウ側ノイズ使用率0%濃度値Snzより大きく、かつシャドウ側ノイズ使用率最大濃度値Snより小さい範囲にあるか否かを判定する(S803)。そして、この範囲にあると判定した場合(S803:Yes)、ノイズ使用率Rnを、Rn=(In-Snz)/(Sn-Snz)で計算される値に設定する(S804)。
そして、S802又はS804においてノイズ使用率Rnを計算値に設定した後、最小の使用率である最低ノイズ使用率RnMinよりも当該設定したノイズ使用率Rnが大きいか否かを判定する(S805)。そして、ノイズ使用率Rnが最低ノイズ使用率RnMin以下である場合(S805:No)、ノイズ使用率Rnの値を、最低ノイズ使用率RnMinに変更し(S806)、S808へ進む。また、ノイズ使用率Rnが最低ノイズ使用率RnMinより大きい場合(S805:Yes)、ノイズ使用率Rnの値の変更を行うことなく、S808へ進む。
また、S803において、評価値Frが上記の範囲にないと判定した場合(S803:No)、画像処理装置11は、ノイズ使用率Rnを、最大の使用率である1(100%)に設定する(S807)。そして、画像処理装置11は、S802、S804、S806、又はS807の何れかで設定したノイズ使用率Rnを、評価値Frに対応するノイズ使用率Rnとして採用する(S808)。本実施形態によれば、ノイズ使用率Rnを適切に算出できる。
<量子化実行処理>
図9は、多値量子化実行処理S406の動作の一例を示すフローチャートである。尚、図9における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
図9は、多値量子化実行処理S406の動作の一例を示すフローチャートである。尚、図9における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
本実施形態の多値量子化実行処理S406において、画像処理装置11は、先ず、誤差補正済入力値In’に基づいて、以下の様に誤差補正済み評価値Fr’と多値量子化初期値Baseを算出する(S900)。
Ttl =In‘(x、y)×(N―1)
Fr‘ =mod(Ttl、MaxIn)
Base=Int(Ttl÷MaxIn)
Ttl =In‘(x、y)×(N―1)
Fr‘ =mod(Ttl、MaxIn)
Base=Int(Ttl÷MaxIn)
図3は、上記の式によって算出されるTtlと、Base又はFr’との関係を図示した物となっている。
図3(a)を見ると、
領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn →Base=0
領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2→Base=1
領域2: Ttl=MaxIn×2→Base=2
となっている事が理解されよう。
領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn →Base=0
領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2→Base=1
領域2: Ttl=MaxIn×2→Base=2
となっている事が理解されよう。
また、図3(b)を見ると、
第1の領域である領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn
第2の領域である領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2
上記2領域における誤差補正済み評価値Fr’は同じとなっている事が理解されよう。
第1の領域である領域0:MinIn≦Ttl<MaxIn
第2の領域である領域1:MaxIn≦Ttl<MaxIn×2
上記2領域における誤差補正済み評価値Fr’は同じとなっている事が理解されよう。
次に、入力値Inと最大入力値MaxInとが等しいか否かを判定する(最大値判定処理S901)。そして、等しいと判定した場合(S901:Yes)、多値量子化の結果を示す出力値を、多値化の最大値であるN-1に設定する(S902)。また、この出力値の設定と共に、後の誤差分配処理S407で使用する誤差値を、誤差補正済み評価値Frと最大入力値MaxInとの差であるFr’-MaxInに設定する。
また、S901において、入力値Inと最大入力値MaxInとが等しくないと判定した場合(S901:No)、画像処理装置11は、更に、入力値Inと最小入力値MinInとが等しいか否かを判定する(最小値判定処理S903)。そして、等しいと判定した場合(S903:Yes)、出力値を、0に設定する(S904)。また、この出力値の設定と共に、誤差値を、誤差補正済み評価値Fr’に設定する。
また、S903において、入力値Inと最小入力値MinInとが等しくないと判定した場合(S903:No)、画像処理装置11は、誤差補正済み評価値Fr’がノイズ補正済閾値Th’よりも大きいか否かを判定する(S905)。そして、大きいと判定した場合(S905:Yes)、出力値をBase+1に、誤差値を、Fr’-MaxInにそれぞれ設定する(S906)。また、S905において、誤差補正済み評価値Fr’がノイズ補正済閾値Th’以下であると判定した場合(S905:No)、出力値をBaseに、誤差値をFr’にそれぞれ設定する(S907)。
そして、画像処理装置11は、多値量子化実行処理S406の結果となる多値量子化値及び誤差値として、S902、S904、S906、又はS907で設定した出力値及び誤差値を取得する(多値量子化値取得処理S908)。また、取得した誤差値を、後の誤差分配処理S407へ受け渡す。本実施形態によれば、例えば、出力値及び誤差値を、容易かつ適切に設定できる。
<誤差分配処理>
図10及び図11は、誤差分配処理S407について更に詳しく説明する図である。図10は、本実施形態において使用する拡散フィルタの一例を示す。図10(a)は、双方向処理の各方向で用いる拡散フィルタの一例を示す。
図10及び図11は、誤差分配処理S407について更に詳しく説明する図である。図10は、本実施形態において使用する拡散フィルタの一例を示す。図10(a)は、双方向処理の各方向で用いる拡散フィルタの一例を示す。
本実施形態において、拡散フィルタは、例えば、Jarvis,Judice&Ninkeのマトリクスである。また、双方向処理の各方向である主走査方向及び逆主走査方向のそれぞれについて、図示の各フィルタを使用する。また、図示したフィルタにおいて、記号*が記入されている位置は、入力値Inの座標[0,0](原点)である。また、各マトリクス内の数値は、周辺の画素に誤差を分配する際の分配比率である。
図10(b)は、誤差の分配の仕方の一例を示す。周辺の画素に誤差を分配する処理において、誤差の分配先の座標が画像幅から外れている場合、画像処理装置11は、分配先の座標を、次のラインの先頭の座標に変更する。また、反対側の座標が範囲外となっている場合も、同様の処理を行う。また、分配先のラインが存在しない場合、画像処理装置11は、誤差を分配しない。また、分配先の座標が処理済みの画素である場合も、誤差を分配しない。
図11は、誤差分配処理S407の動作の一例を示すフローチャートである。尚、図11における各ステップ(S~と記載する)は、画像処理装置11によって、より詳しくは、画像処理装置11のCPUによって実行される。
誤差分配処理S407において、画像処理装置11は、フローチャート中のステップS1101とS1113との間で、Y座標を順次変化させるループを実行する。このループにおいて、画像処理装置11は、0から拡散高さ-1までの間で、Yの値を1ずつ増加させる。ここで、拡散高さは、例えば、拡散マトリクス高さで計算される高さとする。拡散マトリクス高さとは、例えば、拡散フィルタとして用いるマトリクスの行数である。
また、ステップS1102とS1112との間で、X座標を順次変化させるループを実行する。このループにおいて、画像処理装置11は、-拡散幅(=拡散幅×(-1))から拡散幅までの間で、Xの値を1ずつ増加させる。ここで、拡散幅は、例えば、(拡散マトリクス幅-1)÷2で計算される幅とする。拡散マトリクス幅とは、例えば、拡散フィルタとして用いるマトリクスの列数である。
そして、これらのループの中で、画像処理装置11は、先ず、フローチャート内に示したように、分配先の座標(X’、Y’)を設定する。また、拡散フィルタに従い、分配比率を設定する(S1103)。そして、先ず、この時点で、分配比率が0より大きいか否かを判定し(S1104)、分配比率が0以下である場合(S1104:No)、誤差を分配せずに、再度S1102へ進む。
また、分配比率が0よりも大きい場合(S1104:Yes)、S1105以降の処理へ進む。この処理において、分配先の座標X’が画像幅より小さく(S1105:Yes)、座標X’が0以上であり(S1106:Yes)、分配先の座標Y’が画像高さより小さければ(S1107:Yes)、S1108とS1109の処理を行う。具体的には、分配する誤差値(多値量子化誤差)を、誤差値と、分配比率との積に設定し(S1108)、累積誤差バッファに格納されている分配誤差値に加算する(S1109)。これにより、画像処理装置11は、発生した多値量子化誤差に応じて、累積誤差を更新する。
また、S1105において、座標X’が画像幅以上である場合(S1105:No)、座標X’=X’-画像幅、座標Y’=Y’+1として(S1110)、S1107へ進む。S1106において、座標X’が0より小さい場合(S1106:No)、座標X’=X’+画像幅、座標Y’=Y’+1として(S1111)、S1107へ進む。また、S1107において、座標Y’が画像高さ以上である場合(S1107:No)、誤差を分配せずに、S1102へ進む。
以上の動作により、画像処理装置11は、累積誤差バッファに格納されている値に量子
化誤差を積算し、累積誤差を算出する。本実施形態によれば、誤差を適切に分配できる。また、これにより、累積誤差を適切に算出できる。
化誤差を積算し、累積誤差を算出する。本実施形態によれば、誤差を適切に分配できる。また、これにより、累積誤差を適切に算出できる。
典型的な誤差拡散処理のみを行う場合、例えば、ハイライト部やシャドウ部では、ドットの遅延等の問題が発生する。また、ディザ処理のみを行う場合、例えば、ディザ処理に特有のテクスチャ等の問題が発生する。この例においては、例えばハイライト部と中間調部との間や、中間調部とシャドウ部との間において、本実施形態(図6等)のようにノイズ使用率や誤差使用率を徐々に変化させる切り替え処理を行わずに、ディザ処理と誤差拡散処理とを切り替えている。このように、適切な切り替え処理を行わずに、単にディザ処理と誤差拡散処理とを切り替える場合、切り替えにより境界線が発生する等の問題が生じる。
本実施形態によれば、例えば、ハイライト部やシャドウ部におけるドット遅延を適切に抑えることができる。また、中間調においてテクスチャが発生することや、切り替えにより境界線が発生する等も適切に防ぐことができる。そのため、本実施形態によれば、多値量子化の処理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態においては、以下の式に従って、入力値Inから評価値Frを算出する。
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
このように計算することで、各量子化代表値間での処理を同じにする形態を説明したが、第1実施形態の趣旨は上記と同一処理に限定される物ではない。例えば、
Fr =Table1(In(x、y))
と言う風に、入力値Inの値域全体に対して評価値Frを独立に設定する形を取っても良い。同様に、
Rn =Table2(In(x、y))
Re =Table3(In(x、y))
と言う風に、入力値Inの値域全体に対してノイズ使用率Rn、誤差使用率Reを独立に設定する形をとっても良い。
Ttl =In(x、y)×(N―1)
Fr =mod(Ttl、MaxIn)
このように計算することで、各量子化代表値間での処理を同じにする形態を説明したが、第1実施形態の趣旨は上記と同一処理に限定される物ではない。例えば、
Fr =Table1(In(x、y))
と言う風に、入力値Inの値域全体に対して評価値Frを独立に設定する形を取っても良い。同様に、
Rn =Table2(In(x、y))
Re =Table3(In(x、y))
と言う風に、入力値Inの値域全体に対してノイズ使用率Rn、誤差使用率Reを独立に設定する形をとっても良い。
重要な点は、何れの構成を取ったとしても、実際のノイズ使用率Rn、誤差使用率Reの設定において、次の2つの条件を満たす確率を高くする事である。
量子化代表値近傍のノイズ使用率Rn > 連続する2つの量子化代表値の中間近傍のノイズ使用率Rn(第1条件)
量子化代表値近傍の誤差使用率Re > 連続する2つの量子化代表値の中間近傍の誤差使用率Re(第2条件)
こうすることで、3値以上の多値量子化において、テクスチャ、ドット遅延、等の発生をより抑える事が可能となる。
量子化代表値近傍のノイズ使用率Rn > 連続する2つの量子化代表値の中間近傍のノイズ使用率Rn(第1条件)
量子化代表値近傍の誤差使用率Re > 連続する2つの量子化代表値の中間近傍の誤差使用率Re(第2条件)
こうすることで、3値以上の多値量子化において、テクスチャ、ドット遅延、等の発生をより抑える事が可能となる。
以上、第1実施形態について、具体的な実施形態を用いて説明した。しかし、第1実施形態の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も、第1実施形態の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
[その他の実施形態]
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
[本開示の技術的特徴]
本開示は、以下の構成及び方法を含む。
本開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)コンピュータを、入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、注目画素を選択する画素選択手段と、前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定する決定手段と、前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定する決定手段と、前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出する算出手段と、前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出する算出手段と、前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行する実行手段と、として機能させ、隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、ことを特徴とするプログラム。
(構成2)前記第1画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との中間を示す中間値よりも小さい画素値であり、前記第2画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間の値であって、前記第1画素値よりも前記中間値に近い画素値であり、前記第3画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間の値であって、前記中間値よりも大きく、前記第2画素値よりも前記中間値から離れた画素値である、ことを特徴とする構成1に記載のプログラム。
(構成3)前記量子化は、前記入力画像における各画素の画素値を少なくとも3値以上の多値に量子化する処理である、ことを特徴とする構成1又は2に記載のプログラム。
(構成4)前記注目画素の画素値に基づいて、前記注目画素に対応する評価値を算出する算出手段を更に有し、前記第1使用率と前記第2使用率とは夫々、前記評価値に基づいて決定される、ことを特徴とする構成1乃至3の何れか1つに記載のプログラム。
(構成5)前記適用誤差値は、前記累積誤差と前記第2使用率との積である、ことを特徴とする構成1乃至4の何れか1つに記載のプログラム。
(構成6)前記注目画素の周辺の画素に対する量子化により発生した前記量子化誤差値に基づいて、前記注目画素に対応する前記累積誤差の値が更新される、ことを特徴とする構成1乃至5の何れか1つに記載のプログラム。
(構成7)入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置であって、注目画素を選択する画素選択手段と、前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定する決定手段と、前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定する決定手段と、前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出する算出手段と、前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出する算出手段と、前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行する実行手段と、を有し、隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、ことを特徴とする画像処理装置。
(構成8)入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理方法であって、注目画素を選択するステップと、前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定するステップと、前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定するステップと、前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出するステップと、前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出するステップと、前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行するステップと、を有し、隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、ことを特徴とする画像処理方法。
(構成9)画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化をコンピュータに行わせるプログラムであって、前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理と、予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理であり、前記画素選択処理で順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理と、前記画素選択処理で順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理とを前記コンピュータに実行させ、前記プログラムは、前記画素選択処理で順次選択される前記画素に対し、前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理であり、前記画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理と、前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理であり、前記画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理とを更に前記コンピュータに実行させ、前記多値量子化実行処理は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、前記使用率決定処理は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とするプログラム。
(構成10)前記多値量子化実行処理は、前記多値量子化の入力値である前記画素の前記濃度値と、前記濃度値が取り得る範囲の最大値とが等しいか否かを判定する最大値判定処理と、前記入力値である前記画素の前記濃度値と、前記濃度値が取り得る範囲の最小値とが等しいか否かを判定する最小値判定処理と、前記多値量子化の結果である多値量子化値を取得する多値量子化値取得処理とを有し、前記最大値判定処理において前記入力値と前記最大値とが等しいと判定された場合、前記多値量子化値取得処理は、前記多値量子化値として、前記濃度値が前記閾値よりも大きい場合に出力されるべき値を取得し、前記最小値判定処理において前記入力値と前記最小値とが等しいと判定された場合、前記多値量子化値取得処理は、前記多値量子化値として、前記多値量子化の出力値のうち最小値を取得することを特徴とする構成9に記載のプログラム。
(構成11)前記使用率決定処理は、前記画素の濃度値がいずれの場合にも、前記ノイズ使用率を、0より大きな値に予め設定された最低ノイズ使用率以上の値に設定することを特徴とする構成9又は10に記載のプログラム。
(構成12)前記使用率決定処理は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率に設定し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする構成9乃至11の何れか1つに記載のプログラム。
(構成13)前記使用率決定処理は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする構成9乃至12の何れか1つに記載のプログラム。
(構成14)前記多値量子化とは、2値化ではなく、3値以上の多値化であることを特徴とする構成9乃至13の何れか1つに記載のプログラム。
(構成15)画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化を行う画像処理装置であって、前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理部と、予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理部であり、前記画素選択処理部により順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理部と、前記画素選択処理部により順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理部であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理部と、前記画素選択処理部により順次選択される前記画素に対し、前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理部であり、当該画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理部と、前記画素選択処理部により順次選択される前記画素に対し、前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理部であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理部とを備え、前記多値量子化実行処理部は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、前記使用率決定処理部は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とする画像処理装置。
(構成16)前記使用率決定処理部は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率に設定し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする構成15に記載の画像処理装置。
(構成17)前記使用率決定処理部は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする構成16又は17に記載の画像処理装置。
(構成18)画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化を行う画像処理方法であって、前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理段階と、予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理段階であり、前記画素選択処理段階において順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理段階と、前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理段階であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理段階と、前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素に対し、前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理段階であり、当該画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理段階と、前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素に対し、前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理段階であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理段階とを備え、前記多値量子化実行処理段階は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、前記使用率決定処理段階は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とする画像処理方法。
(構成19)前記使用率決定処理段階は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、最低ノイズ使用率に設定し、前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする構成18に記載の画像処理方法。
(構成20)前記使用率決定処理段階は、ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする構成18又は19に記載の画像処理方法。
10 印刷システム
11 画像処理装置
12 印刷装置
11 画像処理装置
12 印刷装置
Claims (20)
- コンピュータを、入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、
注目画素を選択する画素選択手段と、
前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定する決定手段と、
前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定する決定手段と、
前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出する算出手段と、
前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出する算出手段と、
前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行する実行手段と、
として機能させ、
隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、
第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、
前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、
前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、
ことを特徴とするプログラム。 - 前記第1画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との中間を示す中間値よりも小さい画素値であり、
前記第2画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間の値であって、前記第1画素値よりも前記中間値に近い画素値であり、
前記第3画素値は、前記第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間の値であって、前記中間値よりも大きく、前記第2画素値よりも前記中間値から離れた画素値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 前記量子化は、前記入力画像における各画素の画素値を少なくとも3値以上の多値に量子化する処理である、
ことを特徴とする請求項2に記載のプログラム。 - 前記注目画素の画素値に基づいて、前記注目画素に対応する評価値を算出する算出手段を更に有し、
前記第1使用率と前記第2使用率とは夫々、前記評価値に基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。 - 前記適用誤差値は、前記累積誤差と前記第2使用率との積である、
ことを特徴とする請求項4に記載のプログラム。 - 前記注目画素の周辺の画素に対する量子化により発生した前記量子化誤差値に基づいて、前記注目画素に対応する前記累積誤差の値が更新される、
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。 - 入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理装置であって、
注目画素を選択する画素選択手段と、
前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定する決定手段と、
前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定する決定手段と、
前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出する算出手段と、
前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出する算出手段と、
前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行する実行手段と、
を有し、
隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、
第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、
前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、
前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、
ことを特徴とする画像処理装置。 - 入力画像における各画素の画素値を量子化する画像処理方法であって、
注目画素を選択するステップと、
前記注目画素の画素値に基づき、2次元マトリクスを量子化に影響させる度合いを示す第1使用率を決定するステップと、
前記注目画素の画素値に基づき、前記注目画素の周辺の画素に対する量子化で生じる量子化誤差値の累積値である累積誤差を量子化に影響させる度合いを示す第2使用率を決定するステップと、
前記累積誤差と前記第2使用率とを用いて決定される適用誤差値を、前記注目画素の画素値に加算することで、前記注目画素の累積画素値を算出するステップと、
前記2次元マトリクスと前記第1使用率とに基づいて、前記注目画素の量子化に適用する量子化閾値を算出するステップと、
前記注目画素に対する量子化として、前記累積画素値と前記量子化閾値とを用いて、量子化値と量子化誤差値とを取得するための量子化を実行するステップと、
を有し、
隣接する2つの量子化代表値として、第1量子化代表値と、前記第1量子化代表値より大きい第2量子化代表値とがあり、
第1量子化代表値と、前記第2量子化代表値との間に位置する画素値として、第1画素値、前記第1画素値よりも大きい第2画素値、及び前記第2画素値よりも大きい第3画素値があり、
前記第1画素値に対応する前記第2使用率と、前記第3画素値に対応する前記第2使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第2使用率よりも低く、
前記第1画素値に対応する前記第1使用率と、前記第3画素値に対応する前記第1使用率とは夫々、前記第2画素値に対応する前記第1使用率よりも高い、
ことを特徴とする画像処理方法。 - 画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理と、
予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理であり、前記画素選択処理で順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理と、
前記画素選択処理で順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理と
を前記コンピュータに実行させ、
前記プログラムは、前記画素選択処理で順次選択される前記画素に対し、
前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理であり、前記画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理と、
前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理であり、前記画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理と
を更に前記コンピュータに実行させ、
前記多値量子化実行処理は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、
前記使用率決定処理は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とするプログラム。 - 前記多値量子化実行処理は、
前記多値量子化の入力値である前記画素の前記濃度値と、前記濃度値が取り得る範囲の最大値とが等しいか否かを判定する最大値判定処理と、
前記入力値である前記画素の前記濃度値と、前記濃度値が取り得る範囲の最小値とが等しいか否かを判定する最小値判定処理と、
前記多値量子化の結果である多値量子化値を取得する多値量子化値取得処理とを有し、
前記最大値判定処理において前記入力値と前記最大値とが等しいと判定された場合、前記多値量子化値取得処理は、前記多値量子化値として、前記濃度値が前記閾値よりも大きい場合に出力されるべき値を取得し、
前記最小値判定処理において前記入力値と前記最小値とが等しいと判定された場合、前記多値量子化値取得処理は、前記多値量子化値として、前記多値量子化の出力値のうち最小値を取得することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。 - 前記使用率決定処理は、前記画素の濃度値がいずれの場合にも、前記ノイズ使用率を、0より大きな値に予め設定された最低ノイズ使用率以上の値に設定することを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
- 前記使用率決定処理は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、
中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、
前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率に設定し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。 - 前記使用率決定処理は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする請求項12に記載のプログラム。 - 前記多値量子化とは、2値化ではなく、3値以上の多値化であることを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項に記載のプログラム。
- 画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化を行う画像処理装置であって、
前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理部と、
予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理部であり、前記画素選択処理部により順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理部と、
前記画素選択処理部により順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理部であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理部と、
前記画素選択処理部により順次選択される前記画素に対し、前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理部であり、当該画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理部と、
前記画素選択処理部により順次選択される前記画素に対し、前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理部であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理部と
を備え、
前記多値量子化実行処理部は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、
前記使用率決定処理部は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とする画像処理装置。 - 前記使用率決定処理部は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、
中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、
前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、最低ノイズ使用率に設定し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 - 前記使用率決定処理部は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。 - 画像中の各画素の色の濃度を示す濃度値の多値量子化を行う画像処理方法であって、
前記多値量子化を行うべき画素を順次選択する画素選択処理段階と、
予め設定されたディザマトリクスにより指定されるノイズであるディザマトリクスノイズを前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示すノイズ使用率と、周辺の画素に対する前記多値量子化において生じる誤差である多値量子化誤差を累積した累積誤差を前記多値量子化の処理に影響させる度合いを示す誤差使用率とを決定する処理段階であり、前記画素選択処理段階において順次選択される画素の前記濃度値に応じて、当該画素に対応する前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率を決定する使用率決定処理段階と、
前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素の前記濃度値に対する前記多値量子化を行う処理段階であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率に応じてディザマトリクスノイズを使用し、かつ、当該画素に対応する前記誤差使用率に応じて前記累積誤差を使用して前記多値量子化を行う多値量子化実行処理段階と、
前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素に対し、前記累積誤差による補正を行った後の濃度値である誤差補正済入力値を算出する処理段階であり、当該画素に対応する前記誤差使用率と前記累積誤差との積を当該画素の濃度値に加算した値を、前記誤差補正済入力値として算出する誤差補正済入力値算出処理段階と、
前記画素選択処理段階において順次選択される前記画素に対し、前記多値量子化で使用する閾値として前記ディザマトリクスノイズを反映させた閾値であるノイズ補正済閾値を算出する処理段階であり、当該画素に対応する前記ノイズ使用率と前記ディザマトリクスノイズとの積を予め設定された初期閾値に加算した値を、前記ノイズ補正済閾値として算出するノイズ補正済閾値算出処理段階と
を備え、
前記多値量子化実行処理段階は、前記ノイズ補正済閾値と前記誤差補正済入力値とを比較することにより、前記多値量子化を行い、
前記使用率決定処理段階は、前記ノイズ使用率及び前記誤差使用率の決定において、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記ノイズ使用率よりも大きな値にし、
前記画素の濃度値が量子化代表値近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率を、当該量子化代表値と当該量子化代表値に隣接する量子化代表値との2つの量子化代表値の中間近傍の濃度値である場合の前記誤差使用率よりも小さな値にすることを特徴とする画像処理方法。 - 前記使用率決定処理段階は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1ハイライト基準値と、前記第1ハイライト基準値よりも大きな値の第2ハイライト基準値とを用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、予め設定された第1シャドウ基準値と、前記第1シャドウ基準値よりも大きな値の第2シャドウ基準値とを用い、
中間調部の中央にある濃度範囲を示す基準として、前記第2ハイライト基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第1中間調基準値と、前記第1中間調基準値よりも大きく、かつ、前記第1シャドウ基準値よりも小さな第2中間調基準値とを用い、
前記画素の濃度値に基づき、前記画素の濃度値に最も近い2つの量子化代表値間における、前記画素の濃度値の相対値を表す評価値を算出し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以下の場合、又は前記第2シャドウ基準値以上の場合、前記ノイズ使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第1中間調基準値以上、かつ前記第2中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、最低ノイズ使用率に設定し、
前記評価値が、前記第1ハイライト基準値以上、かつ前記第1中間調基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第1ハイライト基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、 前記評価値が、前記第2中間調基準値以上、かつ前記第2シャドウ基準値以下の場合、前記ノイズ使用率を、前記最低ノイズ使用率以上、かつ1以下の値であり、前記評価値と前記第2中間調基準値との差に応じて前記最低ノイズ使用率から漸増させた値に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以上、かつ前記第1シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、1に設定し、
前記評価値が、前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記第2ハイライト基準値と前記評価値との差に応じて1から漸減させた値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を、0以上1以下の値であり、前記評価値と前記第1シャドウ基準値との差に応じて1から漸減させた値に設定することを特徴とする請求項18に記載の画像処理方法。 - 前記使用率決定処理段階は、
ハイライト部にある濃度範囲を示す基準として、0より大きく、かつ前記第1ハイライト基準値以下の値の第3ハイライト基準値を更に用い、
シャドウ部にある濃度範囲を示す基準として、前記第2シャドウ基準値以上、かつ濃度値が取り得る範囲の最大値よりも小さな値の第3シャドウ基準値を更に用い、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を0に設定し、
前記評価値が、前記第3ハイライト基準値以上、かつ前記第2ハイライト基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記評価値と前記第3ハイライト基準値との差を前記第2ハイライト基準値と前記第3ハイライト基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第1シャドウ基準値以上、かつ前記第3シャドウ基準値以下の場合、前記誤差使用率を、前記第3シャドウ基準値と前記評価値との差を前記第3シャドウ基準値と前記第1シャドウ基準値との差で除した値に設定し、
前記評価値が、前記第3シャドウ基準値以上の場合、前記誤差使用率を0に設定することを特徴とする請求項19に記載の画像処理方法。
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