JP2024019014A - 再生アクリル樹脂の製造方法 - Google Patents

再生アクリル樹脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024019014A
JP2024019014A JP2023111563A JP2023111563A JP2024019014A JP 2024019014 A JP2024019014 A JP 2024019014A JP 2023111563 A JP2023111563 A JP 2023111563A JP 2023111563 A JP2023111563 A JP 2023111563A JP 2024019014 A JP2024019014 A JP 2024019014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
aqueous solution
alkaline aqueous
less
recycled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023111563A
Other languages
English (en)
Inventor
直人 片岡
Naoto Kataoka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JP2024019014A publication Critical patent/JP2024019014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2333/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Derivatives of such polymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】易接着層の除去率を高くするとともに、再生アクリル樹脂のゲル化を抑制することが可能な再生アクリル樹脂の製造方法を提供する。【解決手段】再生アクリル樹脂の製造方法は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法である。再生アクリル樹脂の製造方法は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含む。アクリル樹脂は、特定の複素環を主鎖に含む構成単位を有する。再生アクリル樹脂の製造方法は、アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下であり、アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合に、アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上35分以下であり、アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合に、アルカリ水溶液中に浸漬する時間が5分以上25分以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、再生アクリル樹脂の製造方法に関する。
液晶表示装置は、通常、液晶セルの両側に、2枚の偏光子が配置されているが、偏光子には、その表面を保護するために、偏光子保護フィルムが備えられている。偏光子保護フィルムとしては、アクリルフィルムが用いられることがあり、アクリルフィルムと偏光子との密着性を向上させるために、アクリルフィルムの片面に易接着層が形成される場合がある。この場合、易接着層に接着剤を塗布することにより、偏光子保護フィルムが偏光子に接着される(特許文献1、2参照)。
近年は、材料の有効活用の観点から、フィルムの端材を原料の一部として用いて樹脂を再生する取り組みが行われているところ、易接着層を備えるアクリルフィルムにおいて、端材を原料の一部として用いて光学フィルム用の樹脂を製造する際には、光学フィルムの欠陥を防止するため、易接着層を除去する必要がある。
ここで、樹脂からなる基材上に積層された、基材とは異なる樹脂からなる層(異質の層)の除去方法としては、例えば、特許文献3に、合成樹脂又はセルロース有機酸エステルよりなる基材から、基材上に設けられた異質の層を、105℃以上のアルカリ水溶液中で除去した後、基材からアルカリ水溶液を除去する方法が開示されている。
国際公開第2018/168960号 特開2010-055062号公報 特開2001-310970号公報
易接着層を備えるアクリルフィルムの再生においても、特許文献3に記載の方法を適用することが可能である。しかしながら、アクリルフィルムを構成するアクリル樹脂が特定の複素環を主鎖に含む構成単位を有する場合に、アルカリ水溶液の温度を高くしたり、処理時間を長くしたりすると、易接着層の除去率が高くなるが、再生アクリル樹脂がゲル化する場合がある。
本発明は、易接着層の除去率を高くするとともに、再生アクリル樹脂のゲル化を抑制することが可能な再生アクリル樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
(1)易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から前記易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法であって、前記易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含み、前記アクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有し、前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下であり、前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上35分以下であり、前記アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が5分以上25分以下である、再生アクリル樹脂の製造方法。
(2)易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から前記易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法であって、前記易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含み、前記アクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有し、前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下であり、前記アルカリ水溶液の温度および前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータが500℃・min以上2000℃・min以下である、再生アクリル樹脂の製造方法。
(3)前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上30分以下であり、前記アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上20分以下である、(1)に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
(4)前記アルカリ水溶液の温度が60℃以上80℃以下であり、前記アルカリ水溶液の温度および前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータが700℃・min以上2000℃・min以下である、(2)に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
(5)前記アクリル樹脂は、式(1)
Figure 2024019014000001

(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上8以下のアルキル基であり、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のシクロアルキル基または炭素数6以上10以下のアリール基である。)
で表される構成単位を有する、(1)から(4)のいずれか一項に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
(6)前記易接着層は、ウレタン樹脂を含む、(1)から(5)のいずれか一項に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
本発明によれば、易接着層の除去率を高くするとともに、再生アクリル樹脂のゲル化を抑制することが可能な再生アクリル樹脂の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[再生アクリル樹脂の製造方法]
本実施形態の再生アクリル樹脂の製造方法は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法である。具体的には、本実施形態の再生アクリル樹脂の製造方法は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含む。ここで、アクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有する。また、アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下である。アルカリ水溶液の温度が50℃未満であると、易接着層の除去率が低くなり、90℃を超えると、再生アクリル樹脂がゲル化しやすくなる。なお、再生アクリル樹脂のゲル化の正確なメカニズムは明らかではない。例えば、グルタルイミド環を主鎖に含む構成単位を有するアクリル樹脂は、加水分解により複素環が開環し、生じたアミド基とカルボキシル基が反応点となって、分子間架橋することによって、再生アクリル樹脂がゲル化すると考えられる。グルタルイミド環以外の複素環を主鎖に含む構成単位を有するアクリル樹脂も、同様であると考えられる。なお、ゲル化した再生アクリル樹脂を溶融製膜すると、局所的に流動性が異なるため、フィッシュアイ欠陥となる。なお、再生アクリル樹脂がゲル化しているかどうかは、塩化メチレン等の溶媒に溶解させた後、目視で不溶分があるかどうかで簡易な判別が可能である。
(第1の製造方法)
本実施形態の再生アクリル樹脂の第1の製造方法は、アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合のアルカリ水溶液中に浸漬する時間は、10分以上35分以下であり、10分以上30分以下であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合のアルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分未満であると、易接着層の除去率が低くなり、35分を超えると、再生アクリル樹脂がゲル化しやすくなる。
また、本実施形態の再生アクリル樹脂の第1の製造方法は、アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合のアルカリ水溶液中に浸漬する時間は、5分以上25分以下であり、10分以上20分以下であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合のアルカリ水溶液中に浸漬する時間が5分未満であると、易接着層の除去率が低くなり、25分を超えると、再生アクリル樹脂がゲル化しやすくなる。
本明細書および特許請求の範囲において、アクリル樹脂とは、アクリロイル基を有する単量体および/またはメタクリロイル基を有する単量体の重合体を意味する。このとき、アクリル樹脂は、単独重合体および共重合体のいずれであってもよい。アクリル樹脂が共重合体である場合、アクリル樹脂は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有しない単量体の共重合体であってもよい。
アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが特に好ましい。
アルカリ水溶液のpHは、特に限定されないが、例えば、10以上14以下である。
なお、アルカリ水溶液は、界面活性剤を含んでいてもよいし、界面活性剤を含んでいなくてもよい。
本実施形態では、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材としては、例えば、アクリルフィルムの片面に、易接着層が形成されている、偏光子保護フィルムを製膜する際に発生する端材を破砕したものを用いることができる。このとき、端材を破砕した後に、整粒してもよい。
アクリルフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上100μm以下である。また、易接着層の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.2μm以上0.4μm以下である。
なお、アクリルフィルムは、例えば、片面に易接着層が形成されている原反フィルムを延伸することにより得られる。また、アクリルフィルムは、例えば、原反フィルムを延伸した後に、片面に易接着層を形成することにより得られる。
本実施形態の再生アクリル樹脂の第1の製造方法は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材を浸漬したアルカリ水溶液をろ過する工程と、ろ物を水で洗浄する工程と、洗浄されたろ物を乾燥させる工程と、をさらに含んでいてもよい。このとき、アルカリ水溶液中に浸漬しながら、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材を整粒してもよいし、乾燥したろ物を整粒してもよい。
本実施形態の再生アクリル樹脂の第1の製造方法により製造された再生アクリル樹脂は、必要に応じて、未使用のアクリル樹脂と混合して使用される。
再生アクリル樹脂は、特に限定されないが、電子材料等に適用することができる。例えば、再生アクリル樹脂を含有するフィルムを、アンテナ用基板、ディスプレイ用基板、タッチパネル用基板等として、使用することができる。ディスプレイ用基板としては、液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルム、偏光子保護フィルム等が挙げられる。再生アクリル樹脂を含有するフィルムは、光学特性を利用して、光学的等方フィルム、偏光子保護フィルム、透明導電フィルム等の液晶表示装置周辺等の公知の光学的用途で、特に好適に用いることができる。また、再生アクリル樹脂を含有するフィルムを偏光子に貼り合わせて、偏光板として用いることができる。すなわち、再生アクリル樹脂を含有するフィルムは、偏光板の偏光子保護フィルムとして用いることができる。
(第2の製造方法)
本実施形態の再生アクリル樹脂の第2の製造方法は、アルカリ水溶液の温度と、アルカリ水溶液中に浸漬する時間の代わりに、アルカリ水溶液の温度と、アルカリ水溶液の温度およびアルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータを使用する以外は、本実施形態の再生アクリル樹脂の第1の製造方法と同様である。具体的には、本実施形態の再生アクリル樹脂の第2の製造方法は、アルカリ水溶液の温度およびアルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータが500℃・min以上2000℃・min以下である。アルカリ水溶液の温度が50℃未満であると、易接着層の除去率が低くなり、90℃を超えると、再生アクリル樹脂がゲル化しやすくなる。処理パラメータが500℃・min未満であると、易接着層の除去率が低くなり、2000℃・minを超えると、再生アクリル樹脂がゲル化しやすくなる。
アルカリ水溶液の温度は、50℃以上90℃以下であるが、55℃以上85℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがさらに好ましい。また、処理パラメータは、500℃・min以上2000℃・min以下であるが、600℃・min以上2000℃・min以下であることが好ましく、700℃・min以上2000℃・min以下であることがさらに好ましい。
アルカリ水溶液中に浸漬する時間は、例えば、10min以上30min以下である。
[アクリル樹脂]
再生されるアクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有する。
上記複素環を主鎖に含む構成単位を有するアクリル樹脂としては、公知の材料を使用することができる(例えば、特許文献1、2参照)。主鎖にグルタルイミド環を含む構成単位は、例えば、式(1)
Figure 2024019014000002

(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上8以下のアルキル基であり、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のシクロアルキル基または炭素数6以上10以下のアリール基である。)
で表される。式(1)で表される構成単位を有するアクリル樹脂は、例えば、メタクリル酸メチル樹脂をイミド化した後、エステル化することにより得られる。また、主鎖にラクトン環を含む構成単位を有するアクリル樹脂の市販品としては、例えば、アクリビュア(日本触媒製)が挙げられる。
アクリル樹脂中の主鎖に複素環を含む構成単位の含有量は、特に限定されないが、例えば、2重量%以上80重量%以下である。アクリル樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、110℃以上160℃以下である。アクリル樹脂の平均屈折率は、特に限定されないが、例えば、1.45以上1.55以下である。
[易接着層]
易接着層は、樹脂を含み、架橋剤をさらに含んでいてもよい。易接着層は、例えば、樹脂を含む易接着剤を塗布した後、乾燥させることにより、形成される。ここで、樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。また、易接着層は、単独で、熱硬化性を有していてもよいし、熱硬化性を有していなくてもよい。
樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂としては、特に限定されないが、公知の材料を使用することができる(例えば、特許文献2参照)。ウレタン樹脂は、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するウレタン樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するポリエステルウレタン樹脂等が挙げられる。カルボキシル基を有するポリエステルウレタン樹脂の市販品としては、例えば、スーパーフレックス210(第一工業製薬製)が挙げられる。
架橋剤としては、樹脂と架橋することが可能な材料であれば、特に限定されないが、公知の材料を使用することができる(例えば、特許文献2参照)。カルボキシル基を有するウレタン樹脂と架橋することが可能な材料としては、例えば、エポキシ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基を有する化合物やポリマー等が挙げられる。オキサゾリン基を有するポリマーの市販品としては、例えば、エポクロスWS700(日本触媒製)が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で、上記の実施形態を適宜変更してもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
(グルタルイミド環の含有量)
核磁気共鳴装置AvanceIII(BRUKER製)(400MHz)を用いて、アクリル樹脂のH-NMR測定を実施した。このとき、主鎖にグルタルイミド環を含む構成単位と、主鎖に複素環を含まないメタクリル酸メチルに由来する構成単位のモル比を算出した後、重量換算することにより、グルタルイミド環の含有量を算出した。具体的には、3.5~3.8ppm付近のメタクリル酸メチルのO-CHプロトン由来のピークの面積Aと、3.0~3.3ppm付近のグルタルイミド環のN-CHプロトン由来のピークの面積Bを用いて、モル比を算出した。
(ガラス転移温度)
示差走査熱量計DSC7020(SII製)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/min、サンプル量10mgで測定し、中点法により、ガラス転移温度を決定した。
(平均屈折率)
アッベ屈折計3T(アタゴ製)を用いて、平均屈折率を測定した。
(アクリル樹脂A1の作製)
口径40mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=90)を使用して、式(1)で表される構成単位を有する樹脂(I)を作製した。このとき、押出機の各温調ゾーンの設定温度を250~280℃とし、スクリュー回転数を85rpmとした。メタクリル酸メチル樹脂(Mw=10,5000)を42.4kg/hrで供給し、ニーディングブロックによってメタクリル酸メチル樹脂を溶融させ、充満させた後、メタクリル酸メチル樹脂100重量部に対して1.8重量部のモノメチルアミン(三菱ガス化学製)をノズルから注入し、メタクリル酸メチル樹脂をイミド化することにより、主鎖にグルタルイミド環を導入した。このとき、反応ゾーンの末端にリバースフライトを入れて、メタクリル酸メチル樹脂を充満させた。ベント孔の圧力を-0.092MPaに減圧して、反応後の副生成物および過剰のモノメチルアミンを除去した。押出機の出口に設けられたダイスからストランドとして排出された樹脂を水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、樹脂(I)を得た。
次に、口径40mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機を使用して、式(1)で表される構成単位を有するアクリル樹脂A1を作製した。このとき、押出機の各温調ゾーンの設定温度を240~260℃とし、スクリュー回転数102rpmとした。ホッパーから樹脂(I)を41kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂(I)を溶融させ、充満させた後、樹脂(I)100重量部に対して0.56重量部の炭酸ジメチルをノズルから注入し、樹脂(I)をエステル化することにより、樹脂(I)中のカルボキシル基を低減させた。このとき、反応ゾーンの末端にリバースフライトを入れて、樹脂(I)を充満させた。ベント孔の圧力を-0.092MPaに減圧して、反応後の副生成物および過剰の炭酸ジメチルを除去した。押出機の出口に設けられたダイスからストランドとして排出された樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、アクリル樹脂A1を得た。アクリル樹脂A1は、グルタルイミド環の含有量が6重量%であり、ガラス転移温度が125℃であり、平均屈折率が1.50であった。
(原反フィルムの作製)
アクリル樹脂を100℃で5時間乾燥させた後、出口にTダイを備えた口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)を使用して、原反フィルムを製膜した。このとき、ホッパーからアクリル樹脂を2kg/hrで供給し、押出機の各温調ゾーンの設定温度を270℃とし、スクリュー回転数を100rpmとした。Tダイから押し出されたシート状の溶融樹脂を冷却ロールで冷却し、原反フィルムを得た。原反フィルムは、幅が160mmであり、厚さが160μmであった。
(易接着剤の作製)
固形分33重量%のカルボキシル基を有するポリエステルウレタン樹脂スーパーフレックス210(第一工業製薬製)100gに対して、固形分25重量%のオキサゾリン基を有する樹脂エポクロスWS700(日本触媒製)20gを添加した後、3分間撹拌し、易接着剤を得た。
(易接着層付き原反フィルムの作製)
原反フィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、バーコーター(番線#6)で易接着剤を塗布した。易接着剤を塗布した原反フィルムを熱風乾燥機に投入し、80℃で約1分間乾燥させて、易接着層を形成し、易接着層付き原反フィルムを得た。
(易接着層付き延伸フィルムの作製)
同時二軸延伸機IMC-1905(井元製作所製)を用いて、145℃で、易接着層付き原反フィルムを、MDおよびTDの延伸倍率2倍で延伸し、易接着層付き延伸フィルムを得た。易接着層付き延伸フィルムは、厚さが40μmであり、易接着層の厚さが0.35μmであった。
(実施例1~4、比較例1~5)
易接着層付き延伸フィルムをシュレッダーで裁断して、5mm×15mm程度の細片を得た。得られた易接着層付き延伸フィルムの細片は、易接着層が付着しているアクリル樹脂基材である。
攪拌装置を備えたフラスコ中、所定の条件(表1参照)で、易接着層付き延伸フィルムの細片100gを4重量%NaOH水溶液1000mlに浸漬してアルカリ処理した。次に、200メッシュのステンレス鋼製のフィルターでろ過し、ろ物を水で洗浄した後、乾燥させ、再生アクリル樹脂を得た。
なお、比較例5では、アルカリ処理せずに、4重量%NaOH水溶液の代わりに、精製水を使用して処理した。
(再生ペレットの作製)
未使用のアクリル樹脂に対して、再生アクリル樹脂を15重量%配合し、ドライブレンドした後、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機(L/D=30)を使用して、再生ペレットを得た。このとき、押出機の各温調ゾーンの設定温度を260℃とし、スクリュー回転数100rpmとした。
(再生フィルムの作製)
再生ペレットを使用した以外は、(原反フィルムの作製)と同様にして、再生フィルムを得た。
(易接着層の除去率)
再生アクリル樹脂0.1gおよび4重量%NaOH水溶液9gを試験管に入れた後、90℃で3時間加熱することで、再生アクリル樹脂中に残存する易接着層の成分を溶解させ、溶液を得た。得られた溶液を光路長1cmのガラスセルに入れた後、紫外可視分光光度計V-550(日本分光製)を使用して、波長250nmにおける吸光度Ab1を測定した。
再生アクリル樹脂の代わりに、易接着層付き延伸フィルムの細片を使用した以外は、上記と同様にして、波長250nmにおける吸光度Ab2を測定した。

(1-Ab1/Ab2)×100
により、易接着層の除去率を算出した。なお、波長250nmにおける光吸収は、主に易接着層に含まれるウレタン樹脂を構成するポリエステルの芳香環に由来すると推測される。
(再生アクリル樹脂のゲル化)
再生アクリル樹脂を固形分濃度が10重量%となるように塩化メチレンに溶解させた後、不溶分の有無を目視で確認し、再生アクリル樹脂のゲル化を評価した。なお、再生アクリル樹脂のゲル化の判定基準は、以下の通りである。
A:不溶分が存在していない場合
B:不溶分が存在している場合
(再生フィルムの欠陥)
再生フィルムの10cm×10cmの範囲における欠陥の有無を目視で観察し、再生フィルムの欠陥を評価した。なお、再生フィルムの欠陥の判定基準は、以下の通りである。
A:欠陥が存在していない場合
B:欠陥が1箇所以上2箇所以下である場合
C:欠陥が3箇所以上である場合
表1に、易接着層の除去率、再生アクリル樹脂のゲル化および再生フィルムの欠陥の評価結果を示す。
Figure 2024019014000003
表1から、実施例1~4は、再生アクリル樹脂のゲル化が抑制されるとともに、易接着層の除去率が高いため、再生フィルムの欠陥が少ないことがわかる。
これに対して、比較例1、2は、処理パラメータが2400℃・min、3600℃・minであるため、再生アクリル樹脂がゲル化し、再生フィルムの欠陥が多い。比較例3は、アルカリ水溶液の温度が40℃であるため、易接着層の除去率が低く、再生フィルムの欠陥が多い。比較例4は、アルカリ水溶液の温度が40℃であるが、処理パラメータが7200℃・minであるため、易接着層の除去率は高いが、再生アクリル樹脂がゲル化し、再生フィルムの欠陥が多い。比較例5は、アルカリ処理していないため、再生フィルムの欠陥が多い。

Claims (6)

  1. 易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から前記易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法であって、
    前記易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含み、
    前記アクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有し、
    前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下であり、
    前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上35分以下であり、
    前記アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が5分以上25分以下である、再生アクリル樹脂の製造方法。
  2. 易接着層が付着しているアクリル樹脂基材から前記易接着層を除去して再生アクリル樹脂を製造する方法であって、
    前記易接着層が付着しているアクリル樹脂基材をアルカリ水溶液中に浸漬してアルカリ処理する工程を含み、
    前記アクリル樹脂は、グルタルイミド環、ラクトン環、無水マレイン酸環、マレイミド環および無水グルタル酸環からなる群より選択される1種以上の複素環を主鎖に含む構成単位を有し、
    前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上90℃以下であり、
    前記アルカリ水溶液の温度および前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータが500℃・min以上2000℃・min以下である、再生アクリル樹脂の製造方法。
  3. 前記アルカリ水溶液の温度が50℃以上70℃未満である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上30分以下であり、
    前記アルカリ水溶液の温度が70℃以上90℃以下である場合に、前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間が10分以上20分以下である、請求項1に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液の温度が60℃以上80℃以下であり、
    前記アルカリ水溶液の温度および前記アルカリ水溶液中に浸漬する時間の積で表される処理パラメータが700℃・min以上2000℃・min以下である、請求項2に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
  5. 前記アクリル樹脂は、式(1)
    Figure 2024019014000004

    (式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上8以下のアルキル基であり、Rは、炭素数1以上18以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のシクロアルキル基または炭素数6以上10以下のアリール基である。)
    で表される構成単位を有する、請求項1または2に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
  6. 前記易接着層は、ウレタン樹脂を含む、請求項1または2に記載の再生アクリル樹脂の製造方法。
JP2023111563A 2022-07-27 2023-07-06 再生アクリル樹脂の製造方法 Pending JP2024019014A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022119950 2022-07-27
JP2022119950 2022-07-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024019014A true JP2024019014A (ja) 2024-02-08

Family

ID=89626363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023111563A Pending JP2024019014A (ja) 2022-07-27 2023-07-06 再生アクリル樹脂の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024019014A (ja)
CN (1) CN117467191A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN117467191A (zh) 2024-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6069435B2 (ja) 樹脂組成物、およびそのフィルム
JP5911219B2 (ja) ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム及び偏光板
JP6812795B2 (ja) 偏光膜製造用ポリビニルアルコール系樹脂、およびその製造方法、ポリビニルアルコール系フィルムおよびその製造方法、偏光膜、ポリビニルアルコール系樹脂
JP2010284840A (ja) コーティング層が付与されたフィルム、偏光子保護フィルム、及び、それを用いてなる偏光板
JP2009161744A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、光学用フィルムおよび偏光子保護フィルム
JP2006291173A (ja) ポリビニルアルコール系フィルムおよびその製造方法
JP2012042929A (ja) ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、偏光フィルム及び偏光板
JPWO2005108438A1 (ja) イミド樹脂とその製造方法、およびそれを用いた成形体
JP4961164B2 (ja) イミド樹脂およびその製造方法、これを用いる光学用樹脂組成物、成形体
JP5574787B2 (ja) 樹脂組成物及びその製造方法、成型体、フィルム、光学用フィルム、偏光子保護フィルム、偏光板
JP5586165B2 (ja) アクリル系保護フィルム
JP2021056302A (ja) フィルムロール及びその製造方法
JP2006328331A (ja) 樹脂組成物、成形体、フィルムとその製造方法
JP6591151B2 (ja) 光学フィルム
JP2010095567A (ja) 樹脂組成物、フィルムおよび偏光板
JP2011138119A (ja) 光学用フィルム
JP5304597B2 (ja) 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2024019014A (ja) 再生アクリル樹脂の製造方法
JP2015123618A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2006124642A (ja) セルロースアシレート、セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置。
JP2024019013A (ja) 再生アクリル樹脂の製造方法
KR102313336B1 (ko) 광학 필름 제조 방법
CN116547324A (zh) 戊二酰亚胺树脂
JP5400296B2 (ja) 樹脂組成物
JP5553580B2 (ja) 樹脂組成物、成型体、光学用フィルム、偏光子保護フィルム、偏光板