JP2024018418A - 蓄電デバイス用セパレータ捲回体 - Google Patents

蓄電デバイス用セパレータ捲回体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、大型セル内部での温度変化に伴う蓄電デバイス用セパレータの収縮挙動を面方向で均一にしてデバイス性能を向上させることができ、繰り出したときのタルミが小さく、かつシワがない微多孔膜捲回体を提供することを目的とする。【解決手段】蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回された微多孔膜捲回体であって、前記コアは、表層凹み量が0.5mm以上3.0mm未満であり、前記捲回体の幅が200mm以上である、微多孔膜捲回体が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイス用セパレータに使用される微多孔膜の捲回体などに関する。
微多孔膜は、種々の物質を分離したり、選択的に透過したりする膜、及び隔離材等として広く用いられている。その用途としては、精密ろ過膜、燃料電池用膜、コンデンサー用セパレータ、機能材を孔の中に充填させて新たな機能を出現させるための機能膜の母材、または電池用セパレータ等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン微多孔膜は、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等に広く使用されているリチウムイオン電池などの蓄電デバイス用セパレータとして、好適に使用されている。これに関連して、ポリオレフィン微多孔膜捲回体の技術が検討されている。
例えば、円柱状コア及びそのコアに捲回された微多孔膜を有する捲回体において、電池サイクル特性の良好な微多孔膜を得るという観点から、所定の寸法に裁断された微多孔膜を50℃で60分間静置したときの熱機械分析による所定の方向の応力上昇率の計測が提案されている(特許文献1)。
また、リチウムイオン二次電池用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回された微多孔膜捲回体において、コアに着目して、コア外径とコア外表面粗度とを特定することにより微多孔膜の均一な厚み分布を実現することも開示されている(特許文献2)。
特許第6386490号公報 特許第4846882号公報
近年、スマートフォンまたは電気自動車の普及に伴い、リチウムイオン二次電池の需要が急速に拡大した。特に近年急成長した車載用途には、大型セルが車に搭載される一方で、高水準の安全性および長寿命が求められる。
大型セルにおいては、広幅セパレータが電極間に使用される。しかしながら、広幅セパレータをコアに捲回すると、コアの変形に起因するシワまたは弛みが発生し易く、塗工抜けまたはセル組み立て不良等の歩留まり悪化を引き起こすことがある。また、セパレータ捲回体の巻締まりによる応力緩和状態が幅方向で異なると、セル内での収縮挙動も場所により異なるためにセルの安全性が低下する。
したがって、本発明は、大型セル内部での温度変化に伴う蓄電デバイス用セパレータの収縮挙動を面方向で均一にしてデバイス性能を向上させることができ、微多孔膜を繰り出したときの弛みが小さく、かつシワがない微多孔膜捲回体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を重ね、蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回された微多孔膜捲回体において、その幅とコア表層凹み量の関係を特定することにより上記目的を果たせることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の態様の一部を以下に列記する。
〔1〕 蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回された微多孔膜捲回体であって、前記コアは、表層凹み量が0.5mm以上3.0mm未満であり、前記微多孔膜捲回体の幅が200mm以上である微多孔膜捲回体。
〔2〕 前記微多孔膜の少なくとも一方の面の表面平滑度が、20,000sec/10cm以上200,000sec/10cm以下である、項目1に記載の微多孔膜捲回体。
〔3〕 前記コアは、温度40℃および相対湿度90%で4日間の高湿環境保管後の全長変化率が0%以上0.50%未満である、項目1又は2に記載の微多孔膜捲回体。
〔4〕 前記コアの扁平圧縮強度と表層凹み量の比(扁平圧縮強度/表層凹み量)が、500N/mm~3,000N/mmである、項目1~3のいずれか1項に記載の微多孔膜捲回体。
本発明によれば、微多孔膜捲回体から微多孔膜を繰り出したときの弛みを小さくし、シワをなくし、かつ微多孔膜を大型セル内部で蓄電デバイス用セパレータに使用しても大型セル内部の温度変化に伴うセパレータの収縮挙動を面方向で均一にでき、ひいては蓄電デバイス性能を向上させることができる。
弛み量測定の概念図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」と略記する)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、MDとは、微多孔膜連続成形の機械方向をいい、そしてTDとは、微多孔膜のMDを90°の角度で横切る方向をいう。
本明細書において、大型セルとは、幅方向の長さが200mm以上1600mm以下であるものをいう。ここで、幅方向の長さとは、円筒型セルの場合は長さ、角型セル・ラミネート型セルの場合は、長さ、幅、高さのうち最大の大きさになるものを指す。
本明細書において、微多孔膜または蓄電デバイス用セパレータの面方向における収縮応力の緩和が不十分なために微多孔膜または蓄電デバイス用セパレータの端部が変形する現象を耳立ちまたは端立ちという。
<微多孔膜捲回体>
本実施の形態に係る微多孔膜捲回体において、蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回されており、微多孔膜捲回体の幅が200mm以上であり、かつコアは、表層凹み量が0.5mm以上3.0mm未満である。
本実施の形態では、0.5mm以上3.0mm未満の表層凹み量を有するコアに蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜を捲いて微多孔膜捲回体の幅を200mm以上に調整することで、微多孔膜の収縮応力が幅方向に均一に緩和し、微多孔膜の繰り出し時の弛みを小さくし、シワをなくし、かつ蓄電デバイス内での温度変化に伴うセパレータ面内の収縮挙動のバラつきを抑制できるため、セル安全性などのデバイス性能が向上する傾向にある。この傾向は、大型セルにおいて顕著である。
コアの表層凹み量は、理論に拘束されることを望まないが、微多孔膜捲回体の座屈形状と関連することが考えられる。コアの表層凹み量は、上記で説明された傾向に沿って、0.5mm以上3.0mm未満の範囲内にある。また、表層凹み量の上限は、微多孔膜捲回体のシワをなくすか、または小さくするという観点から、3.0mm未満であり、好ましくは2.0mm以下であり、より好ましくは1.5mmである。表層凹み量の下限は、微多孔膜捲回体からの微多孔膜の繰り出し時に弛みを小さくするか、又はなくして、微多孔膜の幅方向で残留応力分布を均一にできるという観点から、0.5mm以上であり、好ましくは0.6mm以上、より好ましくは0.8mm以上である。
本実施の形態に係る微多孔膜捲回体の幅は、コアの表層凹み量、微多孔膜の収縮応力の幅方向での均一な緩和、微多孔膜の繰り出し時の弛み又はシワの抑制、蓄電デバイス性能などのバランスを取るという観点から、200mm以上であり、好ましくは200mm~1600mm、より好ましくは300mm~1500mm、更に好ましくは400mm~1400mmの範囲内にある。
コアが紙管の場合には、上記と同様の観点から、紙管長が200mm以上であることが好ましく、より好ましくは200mm~1600mm、更に好ましくは300mm~1500mm、より更に好ましくは400mm~1400mmの範囲内にある。
本実施の形態では、コアに微多孔膜を4000m捲いた時の微多孔膜捲回体の外径差(すなわち、外径の最大値-外径の最小値)は、コアの表層凹み量、微多孔膜の収縮応力の幅方向での均一な緩和、微多孔膜の繰り出し時の弛み又はシワの抑制、および蓄電デバイス性能の観点から、5mm以下であることが好ましく、より好ましくは4mm以下、更に好ましくは2mm以下、特に好ましくは1.5mm以下である。
微多孔膜捲回体の幅または外径差、およびコアの表層凹み量は、例えば、微多孔膜捲回体の製造において、コアについては、表層硬さまたは表層凹み量、扁平圧縮強度、扁平圧縮強度/表層凹み量、高湿度環境下保管後のコア(全)長変化率、紙管の使用など;微多孔膜については、表面平滑度、透気度、圧縮後の膜厚変化率などを制御することにより上記の数値範囲内に調整されることができる。
微多孔膜捲回体の構成要素について以下に説明する。
〔コア〕
「コア」とは、微多孔膜の捲き取りに用いられる円柱形状の巻芯をいう。コアは、例えば、紙、樹脂含浸紙、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、FRP、フェノール樹脂、無機物含有樹脂、接着剤等で形成されることができる。中でも、微多孔膜捲回体の幅または外径差、およびコアの表層凹み量を上記の数値範囲内に調整するという観点から紙管が好ましい。コア素材が紙である場合は、所望の特性に応じて、特に樹脂等でその表面をコートしてよい。また、コアは、表面平滑性の観点から、樹脂含浸紙の管であることも好ましい。
コアの幅(すなわち、TD全長)は、微多孔膜捲回体の寸法を上記のとおりに調整するという観点から、好ましくは200mm以上、より好ましくは250mm以上、更に好ましくは300mm以上である。コアの幅の上限は、微多孔膜捲回体の寸法、大型セルの寸法、またはそれらを収容するコンテナの寸法に応じて決定されることができ、特に限定されないが、例えば1,400mm以下でよい。
コアの外径は、微多孔膜の捲回後の巻き締まりを緩和する観点から、好ましくは5インチ以上(約12.7cm以上)であり、より好ましくは6インチ以上であり、さらに好ましくは8インチ以上であり、特に好ましくは9インチ以上である。コアの外径の上限値は、特に制限されないが、ハンドリングの観点からは、好ましくは20インチ以下であり、より好ましくは15インチ以下である。
コアは、温度40℃および相対湿度90%で4日間の高湿環境保管後の全長変化率(高湿環境保管後の全長変化率)が0%以上0.50%未満であることが好ましい。高湿環境保管後の全長変化率が0.50%未満であると、保管後の微多孔膜捲回体においてシワ発生を抑制し易い。
コアの扁平圧縮強度と表層凹み量の比(扁平圧縮強度/表層凹み量)は、蓄電デバイス内での温度変化に伴うセパレータ面内の収縮挙動のバラつきを抑制しセル安全性などのデバイス性能を向上させるという観点から、好ましくは500N/mm~3,000N/mm、より好ましくは500N/mm~2000N/mmの範囲内である。
コアの扁平圧縮強度は、好ましくは500N以上3000N未満、より好ましくは600N以上2800N以下、更に好ましくは700N以上2500N以下、特に好ましくは800Nmm以上2300N以下の範囲内にある。コアの扁平圧縮強度が3000N未満であると、微多孔膜捲回体の耳立ちを抑制し易くなる。コアの扁平圧縮強度が500N以上であると、微多孔膜捲回体のシワを抑制し易くなる。
(コアの作成)
コアは、例えば、異なる密度を有する複数の樹脂含浸紙(それぞれの厚さ:0.3~1.2mm)の組み合わせを所望の大きさに切断して、酢酸ビニル等の接着剤に複数回含浸させ、所定の捲回条件下で螺旋状に巻き上げて、熱プレスに供することにより、及び/又はABS樹脂を一般的な連続押出し成形に供することにより、円筒管として形成されることができる。特に限定されないが、コアの表層部分は、内層に比べて密度が低い紙を用いて、および/または弾性率が低い樹脂を用いて作成してよい。必要に応じて、ポリウレタン、アクリル樹脂等の樹脂を有機溶剤で希釈して円筒管の表面に塗布し、乾燥し、表面研磨により仕上げを行なってよい。具体的には、コアは、日本国特開2002-145530号公報に掲載の態様で作成することができる。
〔微多孔膜〕
本実施の形態に係る微多孔膜は、コアに捲回されることができる。微多孔膜捲回体から繰り出された微多孔膜は、蓄電デバイス用セパレータに使用されることができる。また、微多孔膜は、単層体と積層体のいずれでもよい。
本実施の形態に係る微多孔膜は、一方の面と他方の面とを有するように構成されることができる。微多孔膜の少なくとも一方の面の表面平滑度は、微多孔膜捲回体の幅または外径差、およびコアの表層凹み量を上記の数値範囲内に調整するという観点から、20,000sec/10cm以上200,000sec/10cm以下の範囲内にあることが好ましい。微多孔膜の少なくとも一方の面の表面平滑度の下限は、微多孔膜の均一なイオン透過性および蓄電デバイスのサイクル特性の観点から、より好ましくは30,000sec/10cm以上、更に好ましくは40,000sec/10cm以上、特に好ましくは50,000sec/10cm以上である。微多孔膜の少なくとも一方の面の表面平滑度の上限は、捲回時の複数の微多孔膜同士の間の空気の抜け易さ、および微多孔膜捲回体の経時的な品質の観点から、より好ましくは180,000sec/10cm以下、更に好ましくは150,000sec/10cm以下、特に好ましくは120,000sec/10cm以下である。
微多孔膜の透気度は、微多孔膜捲回体の幅または外径差、およびコアの表層凹み量を上記の数値範囲内に調整するという観点、ならびに局所的なイオン伝導による析出物の発生を抑制して、または自己放電を抑制して、蓄電デバイスのサイクル特性またはデバイス寿命を向上させるという観点から、30sec/100cm以上300sec/100cm以下であることが好ましい。微多孔膜の透気度の上限は、蓄電デバイスのサイクル特性の更なる向上の観点から、より好ましくは290sec/100cm以下、更に好ましくは250sec/100cm以下、より更に好ましくは200sec/100cm以下、特に好ましくは90sec/100cm以下である。微多孔膜の透気度の下限は、自己放電の抑制の観点から、より更に好ましくは40sec/100cm以上、更に好ましくは50sec/100cm以上、特に好ましくは60sec/100cm以上である。
微多孔膜の透気度と、少なくとも一方の面の表面平滑度とが、上記の数値範囲内にあると、微多孔膜を蓄電デバイス用セパレータとして使用する際に、デバイスの長寿命と高生産性とをバランスよく達成することができる傾向にある。この傾向は、大型セル、特に大型のリチウムイオン二次電池用セパレータにおいて顕著である。
微多孔膜の一方の面と他方の面の表面平滑度の比(以下、「表裏平滑度比」ともいう)が、1.0以上2.6以下であることが好ましい。表裏平滑度比は、微多孔膜の両表面について、高い方の平滑度を低い方の平滑度により除することにより得られ、そして両表面の平滑度が等しい場合には1.0である。表裏平滑度比は、セパレータ又は蓄電デバイスの製造ライン上での微多孔膜の搬送性を向上させる観点から、好ましくは1.0以上2.6以下であり、より好ましくは1.0を超え、かつ2.6以下であり、更に好ましくは1.1以上2.5以下であり、特に好ましくは1.2以上2.3未満である。
また、微多孔膜は、微多孔膜の両表面のうち、平滑度の低い方の面と、平滑度の高い方の面とを特定するように構成されることができる。本実施の形態では、微多孔膜の一方の面は、表面平滑度が20,000sec/10cm以上200,000sec/10cm以下であり、かつ他方の面は、表面平滑度が60,000sec/10cm以上130,000sec/10cm以下であることが好ましい。
微多孔膜の平滑度の低い方の表面と、平滑度の高い表面とを特定することは、理論に拘束されることを望まないが、膜の局所的なフィブリル構造の抑制と関連することが考えられる。微多孔膜の一方の面は、表面平滑度を20,000sec/10cm以上に調整することで、局所的なフィブリル集合構造による局所的なイオン伝導を抑制し、蓄電デバイスの長寿命を更に向上させ、膜への塗工後の透気度上昇も抑制することができ、表面平滑度を200,000sec/10cm以下に調整することで、電解液吸液性を向上させることができる。これに加えて、微多孔膜の他方の面は、表面平滑度を60,000sec/10cm以上に調整することで、局所的なフィブリル集合構造による局所的なイオン伝導を抑制し、デバイス寿命を更に向上させ、膜への塗工後の透気度上昇も抑制することができ、表面平滑度を130,000sec/10cm以下に調整することで、電解液吸液性を向上させることができる。
微多孔膜の膜厚は、好ましくは1.0μm以上50.0μm以下、より好ましくは3.0μm以上25.0μm以下、更に好ましくは4.0μm以上15.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以上12.0μm以下、最も好ましくは8.0μm以上12.0μm未満である。微多孔膜の厚みは、機械的強度、及び短絡時の絶縁性保持の観点から0.1μm以上であることが好ましく、蓄電デバイスの高容量化の観点から100μm以下であることが好ましい。微多孔膜全体の厚みは、例えば、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率等を制御することによって調整することができる。
微多孔膜を温度70℃および圧力8MPaで3分間に亘って圧縮してから解放した後の膜厚変化率(圧縮後の膜厚変化率)が、15%以上40%未満であることが好ましく、16%~38%の範囲内にあることがより好ましく、17%~35%の範囲内にあることが更に好ましく、18%~30%の範囲内にあることが特に好ましい。圧縮後の膜厚変化率が上記の数値範囲内にあると、微多孔膜捲回体の幅または外径差を上記の数値範囲内に調整し易くなり、また上記数値範囲内のコアの表層凹み量のときに微多孔膜の幅方向で残留応力分布を均一にし易くなる。
微多孔膜の気孔率の下限は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上である。微多孔膜の気孔率が20%以上であることにより、イオン追従性がより向上する傾向にある。微多孔膜の気孔率の上限は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。微多孔膜の気孔率が90%以下であることにより、膜強度がより向上し、自己放電がより抑制される傾向にある。
微多孔膜の構成要素、及び好ましい実施の形態について以下に説明する。
(構成要素)
微多孔膜としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を含む多孔膜、ポリオレフィン系の繊維の織物(織布)、ポリオレフィン系の繊維の不織布、紙、並びに、絶縁性物質粒子の集合体が挙げられる。これらの中でも、塗工工程を経て多層多孔膜または蓄電デバイス用セパレータを得る場合に塗工液の塗工性に優れ、セパレータの膜厚を従来のセパレータより薄くして、二次電池等のセル内の活物質比率を高めて体積当たりの容量を増大させる観点から、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜(以下、「ポリオレフィン樹脂多孔膜」または「ポリオレフィン微多孔膜」ともいう)が好ましい。
ポリオレフィン樹脂多孔膜は、二次電池用セパレータとして使用されたときのシャットダウン性能等を向上させる観点から、多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成される多孔膜であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物におけるポリオレフィン樹脂が占める割合は、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物に含有されるポリオレフィン樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、及び1-オクテン等をモノマーとして用いて得られるホモ重合体、共重合体又は多段重合体等が挙げられる。また、これらのポリオレフィン樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、ポリオレフィン微多孔膜の表面平滑度と分子量を所定の数値範囲内に調整するという観点からは、ポリオレフィン樹脂としてはホモ重合体が好ましく、共重合体を含まないことがより好ましく、そしてポリオレフィン樹脂多孔膜が二次電池用セパレータとして使用されたときのシャットダウン特性の観点から、ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、並びにこれらの混合物が好ましい。
ポリエチレンの具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、及び超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等が挙げられる。
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等が挙げられる。
共重合体の具体例としては、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンラバー等が挙げられる。
また、ポリオレフィン樹脂は、電池の熱暴走を初期段階で止めるという観点から、130℃から140℃までの範囲内に融点を持つポリエチレンを主成分とすることが好ましい。
本願明細書において、高分子量ポリエチレンとは、粘度平均分子量(Mv)が10万以上のポリエチレンを意味する。ポリエチレンについてMvは、ASTM-D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を測定することで、次式にて算出することができる。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
一般的に、超高分子量ポリエチレンのMvは、100万以上であるため、仮にかかる定義に従えば、本願明細書における高分子量ポリエチレン(HMWPE)は、定義上、UHMWPEを包含する。また、かかる定義とは異なる定義に基づいて「超高分子量ポリエチレン」と称さるポリエチレンであっても、Mvが10万以上である場合には、本実施の形態における高分子量ポリエチレンに該当する可能性がある。
本願明細書において、高密度ポリエチレンとは密度0.942~0.970g/cm3のポリエチレンをいう。なお、本発明においてポリエチレンの密度とは、JIS K7112(1999)に記載のD)密度勾配管法に従って測定した値をいう。
ポリオレフィン樹脂多孔膜が蓄電デバイス用セパレータとして使用されたときに低融点かつ高強度の要求性能を満たす観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン、特に高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。更に、速やかなヒューズ挙動を発現する観点から、ポリオレフィン樹脂多孔膜の主成分がポリエチレンであることが好ましい。「ポリオレフィン樹脂多孔膜の主成分がポリエチレンである」とは、ポリオレフィン樹脂多孔膜の全質量に対して、50質量%を超えてポリエチレンを含むことを意味する。ポリオレフィン樹脂多孔膜の全質量に対して、ポリエチレンは、ポリオレフィン微多孔膜の表面平滑度を上記の数値範囲内に調整するという観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、100質量%であってもよい。
ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いるポリオレフィン樹脂の粘度平均分子量(以下、Mv)は、好ましくは5万以上500万未満、より好ましくは8万以上200万未満、更に好ましくは10万以上100万未満であり、特に好ましくは40万以上100万以下である。粘度平均分子量が5万以上であると、均一に溶融混練をすることが容易となり、シートの成形性、特に厚み安定性に優れる傾向にあるため好ましい。更に、二次電池用セパレータとしたときに、粘度平均分子量が500万未満であると、温度上昇時に孔を閉塞し易く、良好なシャットダウン機能が得られる傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の表面平滑度を上記の数値範囲内に調整するという観点から、ポリオレフィン微多孔膜の原料として、複数のポリオレフィン原料を混合して用いることが好ましい。複数のポリオレフィン原料を混合して用いる場合、中でも、Mvが50万未満のポリエチレンとMvが50万以上100万未満のポリエチレンを含むことが好ましい。Mvが50万未満(例えば10万以上30万以下)のポリエチレンを含むことにより、溶融混錬時に粘度が上がりすぎることなく、ポリオレフィンの分子量劣化を抑制することができ、延伸時に過度な残留応力が残らず、熱収縮が小さくなる傾向にある。また、温度上昇時に孔を閉塞し易く、良好なシャットダウン機能が得られる傾向にある。更に、ポリオレフィン微多孔膜が溶融したときに粘性が生じ易くなるため、蓄電デバイスの短絡後の溶融時に適度に電極に適度に侵入してアンカー効果を発現し易くなり、熱収縮を抑えて短絡面積の増加を抑制し易くなると推測される。Mvが50万以上100万未満のポリエチレンを含むことにより、溶融混錬時に応力が大きくなり、樹脂を均一に混錬することが可能になる。また、ポリオレフィン微多孔膜が重合体同士の絡み合いを発現するため、高強度となる傾向にあると共に、ポリオレフィン微多孔膜が溶融し300℃近くの高温に達したときに粘度が下がり過ぎることなく、樹脂が流出せずにその場にとどまり易くなるため、熱暴走を抑制し易くなると推測される。
ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いられるMvが50万未満のポリエチレンの割合は、ポリオレフィン原料の総量を100質量%として好ましくは10質量%以上40質量%以下、より好ましくは12質量%以上38%質量以下、更に好ましくは14質量%以上36質量%以下、より更に好ましくは16質量%以上34質量%以下、最も好ましくは18質量%以上32質量%以下(又は18質量%以上30質量%未満)である。Mvが50万未満のポリエチレンの割合が10質量%以上であることにより、良好なシャットダウン特性、熱収縮抑制効果、高温に達したときに適度な粘性を持つことによる短絡面積の増加抑制効果を得ることができる傾向にある。Mvが50万未満のポリエチレンの割合が40質量%以下であることにより、溶融混錬時に重合体同士の絡み合いを発現することができる傾向にある。また、ポリオレフィン微多孔膜が高温に達したときに溶融した樹脂の流動性が大きくなり過ぎず、樹脂の流出による電極の露出による熱暴走を回避することができる傾向にある。
ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いられるMvが50万以上100万未満のポリエチレンの割合は、ポリオレフィン原料の総量を100質量%として好ましくは40質量%以上90質量%以下、より好ましくは45質量%以上85%質量以下、更に好ましくは50質量%以上80質量%以下、より更に好ましくは55質量%以上75質量%以下であり、最も好ましくは62質量%以上73質量%以下である。Mvが50万以上100万未満のポリエチレンの割合が40質量%以上であることにより、ポリオレフィン微多孔膜の高強度化、高温に達したときに樹脂が流出せずに熱暴走を抑制する効果を得ることができる傾向にある。Mvが50万以上100万未満のポリエチレンの割合が90質量%以下であることにより、延伸時に過度な残留応力が残らず、熱収縮が小さくなる傾向にある。また、温度上昇時に孔を閉塞し易く、良好なシャットダウン機能が得られる傾向にあると同時に、ポリオレフィン微多孔膜が溶融したときに粘性が生じるため、蓄電デバイスの短絡後の溶融時に適度に電極に侵入してアンカー効果を発現し、熱収縮を抑えて短絡面積の増加を抑制し易くなると推測される。
ポリオレフィン微多孔膜の表面平滑度を上記の数値範囲内に調整するという観点から、ポリオレフィン微多孔膜の原料として、ポリオレフィン微多孔膜の原料としてMvが100万未満のポリエチレンを使用することが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の原料として低密度ポリエチレンを含む場合、ポリオレフィン原料の総量を100質量%として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下又は5質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下(又は3質量%未満、更には1質量%未満)、最も好ましくは、低密度ポリエチレンを含まない。低密度ポリエチレンの割合が10質量%以下であることにより、ポリオレフィン微多孔膜が150℃前後の高温に達したときに容易に破膜し辛くなり、300℃近い高温に達したときに溶融した樹脂の流動性が大きくなり過ぎず、樹脂の流出による電極の露出による熱暴走を回避することができる傾向にある。同様の理由からMvが5万未満の低分子量ポリエチレンは、本発明における作用効果の発揮を著しく阻害しない範囲内であれば含んでもよく、その含有量は例えば低密度ポリエチレンの場合と同様である。そして、Mvが5万以上のポリエチレンを用いることが好ましい。
また、多孔膜の耐熱性を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン、及びポリプロピレンの混合物を用いてもよい。ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いられるポリプロピレンの割合は、ポリオレフィン原料の総量を100質量%として、好ましくは0質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上10質量%以下、更に好ましくは3質量%以上(又は3質量%超え)9質量%以下、より更に好ましくは5質量%以上8質量%以下であり、最も好ましくは5質量%を超え8質量%未満である。
すなわち、ポリプロピレンの割合は、膜を構成する樹脂成分中のポリオレフィン樹脂の総量を100質量%として、好ましくは0質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上10質量%以下、更に好ましくは3質量%以上(又は3質量%超え)9質量%以下、より更に好ましくは5質量%以上8質量%以下であり、最も好ましくは5質量%を超え8質量%未満である。ポリプロピレンの割合が0質量%を超えることにより、ポリオレフィン微多孔膜が150℃前後の高温に達したときに容易に破膜し辛くなり、蓄電デバイスの短絡時の初期に微小なピンホールが生じ難くなる。ポリプロピレンの割合が20質量%以下であることにより、300℃近い高温に達したときに溶融した樹脂の流動性が大きくなり過ぎず、樹脂の流出又は電極への過度な染み込みによる電極の露出による熱暴走を回避し易くなる。
ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いられるポリプロピレンのMvは好ましくは20万以上100万以下、より好ましくは25万以上90万以下、更に好ましくは30万以上80万以下である。理論に拘束されることを望まないが、ポリプロピレンのMvが20万以上であることにより、溶融混錬時に重合体同士の絡み合いが強くなることでポリエチレン中に均一にポリプロピレンが分散され、ポリプロピレンの耐熱性を効果的に発現できると推測される。また、ポリオレフィン微多孔膜が300℃近い高温に達したときにも粘度が上がりすぎないため好ましい。ポリプロピレンのMvが100万以下であることにより、溶融混錬時の過度な絡み合いによる重合体の分子量劣化を抑制し易くなる。また、ポリオレフィン微多孔膜の残留応力を抑制し易くなる。
ポリプロピレンのMvは、ASTM-D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を測定することで、次式に従って算出することができる。
[η]=1.10×10-4Mv0.80
ポリオレフィン微多孔膜の原料として用いられるポリプロピレンとしては、耐熱性と高温での溶融粘度を高めるという観点からホモポリマーであることが好ましい。中でも、アイソタクティックポリプロピレンが好ましい。アイソタクティックポリプロピレンの量は、ポリオレフィン微多孔膜全体のポリプロピレンの総質量に対して、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、より更に好ましくは100質量%(全て)である。アイソタクティックポリプロピレンが90質量%以上であることにより、短絡時の昇温による微多孔膜の更なる溶融を抑制することができる。また、アイソタクティックポリプロピレンは結晶性が高いため、可塑剤との相分離が進行し易くなり、多孔性が良好で透過性の高い膜が得られる傾向にある。そのため、出力又はサイクル特性に好ましい影響を与えることができる。更に、ホモポリマーは非晶部が少ないため、融点以下の熱がかかったとき又は残留応力によって非晶部が収縮したときにおける熱収縮の増加を抑制することができ、また、短絡初期にセパレータの温度が100℃前後に達したときに非晶部の収縮によって短絡面積が増加するという問題を抑制し易くなる。
ポリオレフィン原料に含まれてもよいポリオレフィン樹脂、及びその含有量は、上記の説明に限定されない。従って、ポリオレフィン原料は、本発明における作用効果の発揮を著しく阻害しない範囲内であれば、上記で説明したのと異なるポリオレフィン樹脂を含んでもよいし、また、上記で説明したのと異なる含有量とされてもよい。
ポリオレフィン樹脂組成物には、任意の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂以外の重合体;無機フィラー;フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;防曇剤;着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の総添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量%に対して、20質量%以下であることがシャットダウン性能等を向上させる観点から好ましく、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
ポリオレフィン樹脂多孔膜の物性又は原料特性の観点から、ポリオレフィン原料は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布:Mw/Mn)が1以上25以下であることが好ましく、3以上25以下であることがより好ましく、5以上25以下であることが更に好ましく、10以上25以下であることが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂多孔膜のMvが、400,000~1,000,000であることが好ましく、450,000~900,000であることがより好ましく、500,000~800,000であることが更に好ましく、550,000~700,000であることが特に好ましく、かつ/又はポリオレフィン樹脂多孔膜の分子量分布(Mw/Mn)が、10~25であることが好ましく、15~20であることがより好ましい。ポリオレフィン樹脂多孔膜のMv及び/又はMw/Mnを上記の数値範囲内に調整することによりポリオレフィン樹脂多孔膜の表面平滑度を所定の範囲内に調整し得る。
(その他の性質)
ポリオレフィン微多孔膜の厚みは、好ましくは1.0μm以上50μm以下、より好ましくは3.0μm以上25.0μm以下、更に好ましくは4.0μm以上15.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以上12.0μm以下、最も好ましくは8.0μm以上12.0μm未満である。ポリオレフィン微多孔膜の厚みは、機械的強度、及び短絡時の絶縁性保持の観点から0.1μm以上であることが好ましく、蓄電デバイスの高容量化の観点から100μm以下であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜全体の厚みは、例えば、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率等を制御することによって調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の突刺強度(gf)が、好ましくは180gf~500gf、より好ましくは210gf~480gf、更に好ましくは225gf~460gfである。突刺強度の下限値が上記のとおりであると、セパレータにポリオレフィン微多孔膜を用いる蓄電デバイスの作製において、電極表面の凹凸に接触したときの微小な薄膜化又は破膜を防ぐことができ、微短絡による電池不良を抑制することができる。突刺強度の上限値が上記のとおりであると、ポリオレフィン微多孔膜を含む蓄電デバイスの収縮応力を抑制することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、好ましくは40%以上60%以下、より好ましくは42%以上55%以下、更に好ましくは45%以上50%以下である。ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、イオン伝導性向上の観点から40%以上であることが好ましく、耐電圧特性の観点から60%以下であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、二軸延伸温度、延伸倍率、HS温度、HS時の延伸倍率、HS時の緩和率などを制御することによって調整することができる。上記の気孔率は、実施例に記載の手法により測定される。
〔ポリオレフィン微多孔膜の製造方法〕
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、特に制限はなく、既知の製造方法を採用することができる。例えば、以下の方法:
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法;
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法
等が挙げられる。
以下、ポリオレフィン微多孔膜を製造する方法の一例として、上記(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、孔形成材を抽出する方法を説明する。
まず、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材を溶融混練する。溶融混練方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、及び必要によりその他の添加剤を押出機、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等の樹脂混練装置に投入することで、樹脂成分を加熱溶融させながら任意の比率で孔形成材を導入して混練する方法が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、得られるポリオレフィン微多孔膜の表面平滑度と動摩擦係数を上記のとおり適切な数値範囲内に調整するという観点から、上記<構成要素>において説明された原料を使用することが好ましい。
孔形成材としては、可塑剤、無機材又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成し得る不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。なお、これらの可塑剤は、抽出後、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。更に、好ましくは、樹脂混練装置に投入する前に、ポリオレフィン樹脂、その他の添加剤、及び可塑剤を、予めヘンシェルミキサー等を用いて所定の割合で事前混練する。より好ましくは、事前混練においては、使用される可塑剤の一部分を投入し、残りの可塑剤は、樹脂混練装置に適宜加温しサイドフィードしながら混練する。このような混練方法を用いることにより、可塑剤の分散性が高まり、後の工程で樹脂組成物と可塑剤の溶融混練物のシート状成形体を延伸するときに、破膜することなく高倍率で延伸することができる傾向にある。
可塑剤の中でも、流動パラフィンは、ポリオレフィン樹脂がポリエチレン又はポリプロピレンの場合に、これらとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤の界面剥離が起こり難く、均一な延伸が実施し易くなる傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とから成る組成物中に占めるポリオレフィン原料の質量分率は、好ましくは18質量%以上35質量%未満、より好ましくは20質量%以上33質量%未満、更に好ましくは22質量%以上31質量%未満である。ポリオレフィン原料の質量分率が35質量%未満であると、混錬時のエネルギーが上がり過ぎないため、重合体同士の過度な絡み合いによる分子量の劣化を抑制することができるため、ポリオレフィン微多孔膜の特性を損なうことがない。一方、ポリオレフィン原料の質量分率が18質量%以上であると、溶融混錬時に十分なエネルギーを与えることができ、重合体同士の絡み合いにより均一に混錬されるため、ポリオレフィン原料と可塑剤との混合物を高倍率で延伸した場合でもポリオレフィン分子鎖の絡み合いの解れが起こらず、均一かつ微細な孔構造を形成し易く、強度も増加し易い。
押出機により孔形成材とポリオレフィン原料の溶融混錬を行う場合には、溶融混錬区間の温度(混錬温度)が、溶融混錬時の比エネルギー、又はポリオレフィン微多孔膜の膜強度と孔径均一性の観点から、好ましくは140℃以上200℃未満、より好ましくは150℃以上190℃未満である。
次に、溶融混練物をシート状に成形する。シート状成形体を製造する方法としては、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、可塑剤等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製ロールに接触させるときに、少なくとも一対のロールで挟み込むことは、熱伝導の効率が更に高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるため、より好ましい。
溶融混練物をTダイからシート状に押出すときのダイリップ間隔は、200μm以上3,000μm以下であることが好ましく、500μm以上2,500μm以下であることがより好ましい。ダイリップ間隔が200μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジ又は欠点等の膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において、膜破断等のリスクを低減することができる。一方、ダイリップ間隔が3,000μm以下であると、冷却速度が速く、冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる。
得られるポリオレフィン微多孔膜の一方の表面と他方の表面について、それぞれ表面平滑度又は動摩擦係数を上記のとおりに適切な数値範囲に調整するという観点からは、押出工程において、(i)原反表面が結晶化するまでの冷却速度、及び(ii)原反表面温度を制御することが好ましい。(i)冷却速度は、7~20℃/secであることが好ましく、それにより結晶構造の緻密性を制御し得る。(ii)原反表面温度は、原反の両面について異なることが好ましい。一方の面がシート状に成形される際の表面温度は80℃以上110℃以下であることが好ましく、もう一方の面がシート状に成型される際の同表面温度は、180℃以上220℃以下が好ましい。(i)冷却速度と(ii)原反表面温度は、例えば、ダイス出口温度、キャストロール温度、エアナイフ風量・温度、エアギャップ、金属製ロールの表面粗度などにより達成されることができる。これに関連して、ロールによる成形は、逐次でも同時でもよい。
また、シート状成形体を圧延してもよい。圧延は、例えば、ダブルベルトプレス機等を使用したプレス法により実施することができる。シート状成形体に圧延を施すことにより、特に表層部分の配向を増すことができる。圧延面倍率は1倍を超えて3倍以下であることが好ましく、1倍を超えて2倍以下であることがより好ましい。圧延倍率が1倍を超えると、面配向が増加し、最終的に得られる多孔膜の膜強度が増加する傾向にある。一方、圧延倍率が3倍以下であると、表層部分と中心内部の配向差が小さく、膜の厚さ方向に均一な多孔構造を形成することができる傾向にある。
(延伸)
シート状成形体又は多孔膜が延伸される延伸工程は、シート状成形体から孔形成材を抽出する工程(孔形成工程)の前に行ってよいし、シート状成形体から孔形成材を抽出した多孔膜に対して行ってもよい。更に、延伸工程は、シート状成形体からの孔形成材の抽出の前と後に行ってもよい。
延伸処理としては、一軸延伸又は二軸延伸のいずれも好適に用いることができるが、得られる多孔膜の強度等を向上させる観点から二軸延伸が好ましい。また、得られた多孔膜の熱収縮性の観点から、少なくとも2回の延伸工程を行うことが好ましい。
シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られる多孔膜が裂け難くなり、高い突刺強度を有するものとなる。延伸方法としては、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができる。得られる微多孔膜の表面平滑度の最適化、孔径の均一性、延伸の均一性、及びシャットダウン性の観点からは、同時二軸延伸が好ましい。
ここで、同時二軸延伸とは、MDの延伸とTDの延伸が同時に施される延伸方法をいい、各方向の延伸倍率は異なってもよい。逐次二軸延伸とは、MD、及びTDの延伸が独立して施される延伸方法をいい、MD又はTDに延伸がなされているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態とする。
延伸倍率は、面倍率で28倍以上100倍未満の範囲であることが好ましく、32倍以上70倍以下の範囲であることがより好ましく、36倍以上50倍以下であることが更に好ましい。各軸方向の延伸倍率は、MDに4倍以上10倍未満、TDに4倍以上10倍未満の範囲であることが好ましく、MDに5倍以上9倍未満、TDに5倍以上9倍未満の範囲であることがより好ましく、MDに5.5倍以上8.5倍未満、TDに5.5倍以上8.5倍未満の範囲であることが更に好ましい。総面積倍率又は各軸方向の延伸倍率を上記のとおりに調整すると、得られるポリオレフィン微多孔膜の透気度と圧縮率を最適化し得る。
上記シート状成型体又はポリオレフィン微多孔膜の延伸時の温度は、120℃以上であることが好ましい。また、延伸時の温度は、130℃以下であることが好ましい。延伸時の温度、特に二軸延伸時の温度が120℃以上であることにより、過度な残留応力による熱収縮の増加を抑制することができる。延伸時の温度、特に二軸延伸時の温度が130℃以下であることにより、ポリオレフィン微多孔膜に十分な強度を与えることができると共に、膜表面の溶融による孔径分布の乱れを防ぎ、電池の充放電を繰り返したときの長寿命を担保することができる。特に二軸延伸温度が120℃~130℃の範囲内にあると、得られる微多孔膜の表面平滑度、及び圧縮率を最適化し易い傾向にある。
ポリオレフィン微多孔膜の熱収縮を抑制するために、延伸工程後又はポリオレフィン微多孔膜形成後に熱処理を行い、熱固定することもできる。
熱収縮を抑制する観点から、ポリオレフィン微多孔膜に熱固定を施すことが好ましい。熱固定の方法としては、物性の調整を目的として、所定の温度雰囲気、及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は延伸応力低減を目的として、所定の温度雰囲気、及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。延伸操作を行った後に緩和操作を行っても構わない。これらの熱固定は、テンター又はロール延伸機を用いて行うことができる。
この可塑剤抽出後の熱固定時の延伸操作は、好ましくはTDに行う。HS延伸操作における温度は、透過性を維持しながら、孔径均一性を保つ観点から110℃以上140℃以下であることが好ましい。
熱固定時の緩和操作は、膜のMD、及び/又はTDへの縮小操作のことである。所定の条件範囲で緩和操作を行うことにより、溶融後の温度上昇に伴う応力低下を緩やかにすることができ、160℃付近でも容易に破膜しないポリオレフィン微多孔膜を得ることができる。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、0.4%/sec以上1.0%/sec未満であることが好ましい。緩和操作は、MD、TD双方で行ってもよいが、MD又はTDのいずれか一方にのみ行ってもよい。上記倍率での延伸と緩和を行うことで、MD及び/又はTDの熱収縮を適正な範囲に制御することができる。
この可塑剤抽出後の熱固定時の緩和操作は、好ましくはTDに行う。緩和操作における温度は、表面平滑性と孔径均一性を保つ観点から、125℃以上133℃以下であることが好ましい。
所望により、上記の製造方法により得られるポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に、無機フィラー、熱可塑性樹脂、バインダー、分散剤、溶媒などを含むスラリーを塗工して、塗工層を形成してよい。
<微多孔膜捲回体の製造方法>
次に、本実施の形態における微多孔膜捲回体の製造方法について説明するが、ポリマー種、溶媒種、押出方法、延伸方法、抽出方法、開孔方法、熱固定方法等において、一例を示すものにすぎず、本発明が以下に限定されるものではない。
まず、微多孔膜捲回体の製造において、微多孔膜を用意する方法(微多孔膜の製造方法)は、特に限定されず、公知の方法でよい。例えば、微多孔膜の製造方法としては、ポリマー材料と可塑剤を、又はポリマー材料と可塑剤と無機材とを、溶融混練し、得られたシートを押出す押出工程と、シートを延伸する延伸工程と、延伸フィルムから可塑剤(及び必要に応じて無機材)を抽出する抽出工程と、更には抽出後のフィルムを熱固定する熱固定工程とを含む製造方法が挙げられる。また、溶媒を用いず、適度に結晶化したフィルムを延伸開孔することによって微多孔膜を製造することもできるし、無機フィラー又は有機フィラーとポリマー材料との混練物を、延伸することによってフィラーとの界面を介して開孔を形成してもよい。更には、微多孔膜の表面に無機材を塗工してもよい。
また、微多孔膜捲回体の製造において、上述のポリオレフィン微多孔膜の製造方法により得られるポリオレフィン微多孔膜を使用してよい。
微多孔膜捲回体の製造に供される微多孔膜の好ましい態様としては、前述したものが挙げられる。
微多孔膜捲回体の製造方法は、具体的には、得られた微多孔膜を、必要に応じてスリットして、所定のコアへ捲回する捲回工程を含む。微多孔膜捲回体の製造方法は、所望により、捲回工程に加え、積層体を得るための工程として、単層体を複数枚重ね合わせる工程を含有してよく、また、電子線照射、プラズマ照射、界面活性剤塗布、化学的改質等の表面処理工程を含有してもよい。
(捲回工程)
捲回工程は、得られた微多孔膜を、必要に応じてスリットして、所定のコアへ捲回する工程である。使用するコアの好ましい態様は、前述のとおりである。また、捲回体のシワや捲回不良を避ける観点から、巻取張力は20N以上200N以下であることが好ましい。捲回工程により本実施の形態に係る微多孔膜捲回体が得られる。
本実施の形態に係る微多孔膜捲回体から得られる微多孔膜は、従来の微多孔膜と比べて、弛みやシワが少なく、かつ蓄電デバイス用セパレータとしての使用時に温度変化に伴う面方向での収縮挙動が均一になる傾向がある。
<蓄電デバイス用セパレータ>
本発明の一態様としては、上記で説明された微多孔膜捲回体から繰り出された微多孔膜を含むか、または該微多孔膜から成る蓄電デバイス用セパレータが提供される。微多孔膜捲回体から繰り出された微多孔膜の蓄電デバイス用セパレータとしての使用も本発明の一態様である。
蓄電デバイス用セパレータは、一方の面と他方の面とを有するように構成されることができる。蓄電デバイス用セパレータの少なくとも一方の面の表面平滑度は、20,000sec/10cm以上200,000sec/10cm以下の範囲内にあることが好ましい。セパレータの少なくとも一方の面の表面平滑度の下限は、セパレータの均一なイオン透過性および蓄電デバイスのサイクル特性の観点から、20,000sec/10cm以上であることが好ましく、より好ましくは30,000sec/10cm以上、更に好ましくは40,000sec/10cm以上、特に好ましくは50,000sec/10cm以上である。セパレータの少なくとも一方の面の表面平滑度の上限は、セパレータ捲回時の複数のセパレータ同士の間の空気の抜け易さ、およびセパレータ捲回体の経時的な品質の観点から、200,000sec/10cm以下であることが好ましく、より好ましくは180,000sec/10cm以下、更に好ましくは150,000sec/10cm以下、特に好ましくは120,000sec/10cm以下である。
蓄電デバイス用セパレータの透気度は、局所的なイオン伝導による析出物の発生を抑制して、または自己放電を抑制して、蓄電デバイスのサイクル特性またはデバイス寿命を向上させるという観点から、30sec/100cm以上300sec/100cm以下であることが好ましい。セパレータの透気度の上限は、蓄電デバイスのサイクル特性の更なる向上の観点から、より好ましくは290sec/100cm以下、更に好ましくは250sec/100cm以下、より更に好ましくは200sec/100cm以下、特に好ましくは90sec/100cm以下である。セパレータの透気度の下限は、自己放電の抑制の観点から、より更に好ましくは40sec/100cm以上、更に好ましくは50sec/100cm以上、特に好ましくは60sec/100cm以上である。
蓄電デバイス用セパレータの透気度と、少なくとも一方の面の表面平滑度とが、上記の数値範囲内にあると、蓄電デバイスの長寿命と高生産性とをバランスよく達成することができる傾向にある。この傾向は、大型セル、特に大型のリチウムイオン二次電池用セパレータにおいて顕著である。
蓄電デバイス用セパレータの厚みは、好ましくは1.0μm以上50.0μm以下、より好ましくは3.0μm以上25.0μm以下、更に好ましくは4.0μm以上15.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以上12.0μm以下、最も好ましくは8.0μm以上12.0μm未満である。セパレータの厚みは、機械的強度、及び短絡時の絶縁性保持の観点から0.1μm以上であることが好ましく、蓄電デバイスの高容量化の観点から100μm以下であることが好ましい。セパレータ全体の厚みは、例えば、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率、塗工厚や塗工目付け等を制御することによって調整することができる。
蓄電デバイス用セパレータを温度70℃および圧力8MPaで3分間に亘って圧縮してから解放した後の膜厚変化率(セパレータの圧縮後の膜厚変化率)が、15%以上40%未満であることが好ましく、16%~38%の範囲内にあることがより好ましく、17%~35%の範囲内にあることが更に好ましく、18%~30%の範囲内にあることが特に好ましい。圧縮後の膜厚変化率が上記の数値範囲内にあると、セパレータの弛みやシワを抑制して、蓄電デバイス内での温度変化に伴う面方向の収縮挙動を均一にし、ひいては蓄電デバイス性能を向上させることができる。
蓄電デバイス用セパレータの気孔率の下限は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上である。蓄電デバイス用セパレータの気孔率が20%以上であることにより、イオン追従性がより向上する傾向にある。蓄電デバイス用セパレータの気孔率の上限は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。蓄電デバイス用セパレータの気孔率が90%以下であることにより、強度がより向上し、自己放電がより抑制される傾向にある。
蓄電デバイス用セパレータの突刺強度(gf)は、好ましくは180gf~500gf、より好ましくは210gf~480gf、更に好ましくは225gf~460gfである。セパレータは、突刺強度の下限値が上記のとおりであると、蓄電デバイスの作製において電極表面の凹凸に接触したときの微小な薄膜化又は破膜を防ぐことができ、微短絡によるデバイス不良を抑制することができる。セパレータは、突刺強度の上限値が上記のとおりであると、蓄電デバイス内の収縮応力を抑制することができる。
〔セパレータと電極との積層体及びその捲回体〕
本発明の別の態様としては、上記で説明されたセパレータと電極との積層体(以下、電極積層体という)および電極積層体の捲回体(以下、電極捲回体という)が提供される。上記で説明された蓄電デバイス用セパレータは、電極と接着することにより電極積層体として用いることができる。電極積層体は、捲回時のハンドリング性及び蓄電デバイスのレート特性が優れる。そのため、電極積層体および電極捲回体の用途としては、特に限定されないが、例えば、非水電解液二次電池等の電池やコンデンサー、キャパシタ等の蓄電デバイス等に好適に使用できる。
電極積層体または電極捲回体に用いられる電極としては、後述の蓄電デバイスの項目に記載のものを用いることができる。セパレータを用いて電極積層体または電極捲回体を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、セパレータと電極とを重ね、必要に応じて加熱および/またはプレスして製造することができる。加熱および/またはプレスは電極とセパレータとを重ねる際に行うことができる。また、電極とセパレータとを重ねた後に円または扁平な渦巻き状に捲回して得られる電極捲回体に対して加熱および/またはプレスを行うことで製造することもできる。
また、電極積層体は、正極-セパレータ-負極-セパレータ、又は負極-セパレータ-正極-セパレータの順に平板状に積層し、必要に応じて加熱および/またはプレスして製造することもできる。
より具体的には、セパレータの幅を、所定の蓄電デバイスの寸法に応じて調整し、当該セパレータを、正極-セパレータ-負極-セパレータ、又は負極-セパレータ-正極-セパレータの順で重ね、必要に応じて加熱、プレス、捲回などを更に行うことにより電極積層体または電極捲回体を製造することができる。
<蓄電デバイス>
本実施の形態に係る蓄電デバイスは、その外装体に、上記で説明された蓄電デバイス用セパレータ、電極積層体または電極捲回体だけでなく、非水電解液も収納することができ、それにより温度変化に伴うセパレータの収縮挙動を面方向で均一にでき、ひいては蓄電デバイスの安全性などの性能を向上させられる傾向にある。この傾向は、大型セルにおいて顕著である。蓄電デバイスの一例として非水電解液二次電池について以下に説明する。
本実施の形態に係るセパレータを用いて非水電解液二次電池を製造する場合、正極、負極、非水電解液に限定はなく、公知のものを用いることができる。
正極材料は、特に限定されないが、例えば、LiCoO、LiNiO、スピネル型LiMnO、オリビン型LiFePO等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる。
負極材料は、特に限定されないが、例えば、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体等の炭素材料;シリコン、スズ、金属リチウム、各種合金材料等が挙げられる。
非水電解液は、特に限定されないが、電解質を有機溶媒に溶解した電解液でよく、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が、電解質としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩が挙げられる。
蓄電デバイスの製造方法は、特に限定されないが、二次電池の場合、例えば、上記で説明された電極積層体または電極捲回体を、電池缶などの外装体内に収納し、更に電解液を注入することで製造することができる。
なお、上述した各種パラメータの測定値については、特に断りの無い限り、後述する実施例における測定法に準じて測定される値である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の測定は、特に記載がない限り、温度25℃および相対湿度30%の環境下で行なった。
<粘度平均分子量(Mv)>
ASTM-D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレンについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出した。
[η]=1.10×10-4Mv0.80
<膜厚(μm)>
微小測厚器(東洋精機製KBM(商標))を用いて、室温23±2℃でポリオレフィン(PO)微多孔膜または多孔層の膜厚を測定した。
<圧縮後の膜厚変化率(%)>
厚さ0.8mmのゴム製の緩衝材、厚さ0.1mmのPETフィルム、微多孔膜2枚、前記PETフィルム、前記緩衝材の順序で積層し、得られた積層体を静置し、積層体の片側の緩衝材面に対して圧力を掛けることにより圧縮試験を行なった。圧縮試験は、プレス機を用いて、温度70℃、圧力8MPa、及び圧縮時間3分間の条件下で行われた。上記のとおりに圧縮してから解放する前後の膜厚を測定して、圧縮後の膜厚変化率を算出した。
<気孔率(%)>
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらと密度(g/cm)より、次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率(%)=(体積-質量/密度)/体積×100
<透気度(sec/100cm)>
JIS P-8117に準拠した透気抵抗度を透気度として、セパレータの透気度またはPO微多孔膜の透気度の測定は、東洋精器(株)製のガーレー式透気度計G-B2(商標)を用いて、温度23℃、湿度40%の雰囲気下で行なった。
<突刺強度(gf)>
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES-G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、温度23℃、湿度40%の雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(gf)を測定した。
<平滑度(sec/10cm)>
ISO 8791-5:2020に準拠し、旭精工(株)製の透気度平滑度計EYO-5型を用いて、温度23℃、及び湿度40%の雰囲気でポリオレフィン微多孔膜の平滑度を測定した。
<扁平圧縮強度(N)>
各々のコアのサンプルを全長100mmに切断し、23℃、50%相対湿度(RH)で24時間調湿した後、試験速度12.7mm/min.の条件下で扁平圧縮強度を測定した。測定には、オートグラフ(AG-50kNG、(株)島津製作所社製)を用いて、300mm×300mmの2枚の平行な鋼板にサンプルを挟んで測定した。座屈点(第一降伏点)を扁平圧縮強度とし、サンプル数は各コアについて5点とし、5点の相加平均値を採用した。
<表層凹み量(mm)>
各々のコアのサンプルを全長100mmに切断し、さらに半円型へ切断し、23℃、50%RHで24時間調湿した。試験片を試験片の内壁と同じ曲率半径の半円型の治具にセットし、試験片の頂点に直径5mmのSUS304製の金属球を乗せ、荷重10kg、試験速度0.1mm/min.の条件下で圧縮試験を行った。測定には、オートグラフ(AG-50kNG、(株)島津製作所社製)を用いた。試験を開始してから10min後の凹みの深さを表層凹み量とした。
<紙管長さ(mm)>
コアとして使用可能な紙管について、曲尺で3回長さを測定し、それらの平均値を紙管長さとして採用した。
<高湿環境保管後の全長変化率(%)>
微多孔膜捲回体またはコアを温度40℃および相対湿度90%で4日間に亘って保管する前後のコアのTD全長を測定し、全長変化率(%)を算出した。
<外観検査(シワ評価)>
微多孔膜捲回体の全周を目視で確認して、外観を以下の基準により評価した。
A:微多孔膜捲回体の全幅においてシワ本数が5本未満である。
B:微多孔膜捲回体の全幅においてシワ本数が10本未満である。
C:微多孔膜捲回体の全幅においてシワ本数が20本未満である。
D:微多孔膜捲回体の全幅においてシワ本数が20本以上である。
<弛み量(mm)、タルミ試験>
弛み量の測定を以下のように実施した。図1に示すように、微多孔膜捲回体(1)をシャフトに装着させた後、微多孔膜(3)を繰り出し、2つの回転可能なロール(10,10)にロール間の長さが2mになるように張り、1kgの重り(11)で荷重させ、測定を行った。具体的には、2つのロール間に基準線(金属製ビアノ線)を張り、膜張り完了後、30秒経過時に幅方向において最も弛んだ部分と基準線の距離を計測し、弛み量として算出した。測定位置は2つのロール間の中心位置であった。算出された弛み量を以下の基準により評価した。
A:弛み量が25mm未満である。
B:弛み量が25mm以上35mm未満である。
C:弛み量が35mm以上である。
<電池の作製>
以下の手順a~cにより、正極、負極、及び非水電解液を調整した。
a.正極の作製
活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoOを92.2質量%(wt%)、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3wt%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%をN-メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にダイコーターで塗付し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m、活物質嵩密度は3.00g/cmになるようにした。
b.負極の作製
活物質として人造グラファイト96.9質量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレン-ブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の両面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m、活物質嵩密度は1.35g/cmになるようにした。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:γ-ブチロラクトン=1:1:2(体積比)の混合溶媒に、電解質としてLiBFを1.0mol/Lの濃度で溶解したものを調製した。
d.電池組立
上記a~cで得られた正極、負極、及び非水電解液を使用し、さらに実施例と比較例で得られた微多孔膜捲回体から微多孔膜を繰り出してセパレータとして使用して、電流値1A(0.3C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電したサイズ200mm以上×100mm、容量3Ahのラミネート型二次電池を作製した。
e.サイクル試験
上記d.で得られた電池を、温度25℃の条件下で、放電電流1Cで放電終止電圧3Vまで放電を行った後、充電電流1Cで充電終止電圧4.2Vまで充電を行った。これを1サイクルとして充放電を繰り返した。そして、初期容量(第1回目のサイクルにおける容量)に対する300サイクル後の容量維持率を用いて、以下の基準でサイクル特性を評価した。
(サイクル特性の評価基準)
A:70%以上の容量維持率
B:65%以上70%未満の容量維持率
C:60%以上65%未満の容量維持率
D:60%未満の容量維持率
e.サーマルサイクルテスト
上記d.で得られた電池について、放電電流1Cで放電終止電圧3Vまで放電を行った後、充電電流1Cで充電終止電圧4.2Vまで充電を行うという充放電を、温度60℃で8時間の条件下と温度-20℃で8時間の条件下とで交互に行うサイクルを8回繰り返した。その後、休止時間3時間のインターバルを取った。
上記処理の完了後、温度60℃で8時間の条件下と温度-20℃で8時間の条件下とで交互に電池の充放電を行うサイクルを3回繰り返した。
さらに初期容量(第1回目のサイクルにおける容量)に対する全サイクル(計11サイクル)後の容量維持率を用いて、以下の基準でサーマルサイクルテスト評価を行なった。
(サーマルサイクルテスト評価)
A:90%以上の容量維持率
B:80%以上90%未満の容量維持率
C:75%以上80%未満の容量維持率
D:75%未満の容量維持率
≪実施例1≫
<ポリオレフィン微多孔膜の製造>
ポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。樹脂原料の組成は、重量平均分子量25万の高密度ポリエチレンを23重量%、重量平均分子量70万の高密度ポリエチレンを70重量%、および重量平均分子量40万のポリプロピレンを7重量%あった。上記樹脂組成物に、酸化防止剤として、0.3質量部のテトラキス-(メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた各混合物を、二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)を、樹脂原料+流動パラフィンの合計を100質量部として、流動パラフィンが70質量部となるようにサイドフィードで押出機に注入し、樹脂原料組成物を混練し、押出機先端に設置したTダイから押出して、その後、直ちに冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で125℃の条件で7×7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により131℃の条件でTDに1.70倍延伸した。その後、この延伸シートを131℃の条件でTDに緩和する熱処理を行い、ポリオレフィン微多孔膜を得た。試験結果を表1に示す。
<コア作製・準備>
異なる密度を有する複数の樹脂含浸紙(それぞれの厚さ:0.3~1.2mm)の組み合わせを所望の大きさに切断して、酢酸ビニル等の接着剤に複数回含浸させ、所定の捲回条件下で螺旋状に巻き上げて、熱プレスに供して、及び/又はABS樹脂を一般的な連続押出し成形に供して得られる円筒管を用いる。例えば、コアの表層部分は、内層に比べて密度が低い紙を用いて、および/または弾性率が低い樹脂を用いて作成する。具体的には、日本国特開2002-145530号公報の実施例1若しくは実施例2に記載の紙管(巻芯)の態様、または当該公報の実施態様に倣って変形した態様として得られる円筒管である。このような円筒管をそれぞれ切り出して得られるコア(紙管)を表2に示す。実施例1~8および比較例1~4で使用されるコアは、それぞれ、内径が152.6mmであり、かつ幅(長さ)が700mmであった。
<微多孔膜捲回体の作製・評価>
上記で得られたポリオレフィン微多孔膜を表2のコアに巻き取って実施例1の微多孔膜捲回体を得た。なお、繰り出し巻取張力は捲回体の全幅1.2mに対し50Nとなるように制御した。当該捲回体を室温25℃及び湿度30%で20日間保管した。その後、微多孔膜捲回体の幅方向において、中央部又は端部よりセパレータとして採取したり、繰り出したりして、上記の測定又は評価を行い、その結果を表1に示した。
≪実施例2~8,比較例1~4≫
実施例1の製造方法に準じて表1に記載した条件下で、実施例2~8、及び比較例1~4のポリオレフィン微多孔膜やコアを作製した。
さらに、表1又は表2に示すとおりに、微多孔膜種、コア種及び捲回条件を設定したこと以外は実施例1と同様に微多孔膜捲回体及びセパレータを得て、上記の測定又は評価を行い、その結果を表3に示した。
1 微多孔膜捲回体
2 コア
3 微多孔膜(セパレータ)
10 ロール
11 重り

Claims (4)

  1. 蓄電デバイス用セパレータ用微多孔膜がコアに捲回された微多孔膜捲回体であって、前記コアは、表層凹み量が0.5mm以上3.0mm未満であり、前記微多孔膜捲回体の幅が200mm以上である微多孔膜捲回体。
  2. 前記微多孔膜の少なくとも一方の面の表面平滑度が、20,000sec/10cm以上200,000sec/10cm以下である、請求項1に記載の微多孔膜捲回体。
  3. 前記コアは、温度40℃および相対湿度90%で4日間の高湿環境保管後の全長変化率が0%以上0.50%未満である、請求項1又は2に記載の微多孔膜捲回体。
  4. 前記コアの扁平圧縮強度と表層凹み量の比(扁平圧縮強度/表層凹み量)が、500N/mm~3,000N/mmである、請求項1又は2に記載の微多孔膜捲回体。
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