JP2024017864A - 超音波診断画像処理プローブ装置、超音波画像診断システム及びプログラム - Google Patents

超音波診断画像処理プローブ装置、超音波画像診断システム及びプログラム Download PDF

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智子 原
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光弘 西村
Mitsuhiro Nishimura
黎香 岸田
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Abstract

【課題】組織等の詳細な観察に利用可能であり、且つ、手軽、高精度に組織等のサイズを計測する簡便且つ高精度に組織等のサイズを計測可能な超音波診断画像処理プローブ装置等を提供する。【解決手段】超音波診断画像処理プローブ装置10に被検体を撮影して対応する超音波診断画像データを生成する機能を設け、当該生成した超音波診断画像データを表示装置20に送信して表示させ、超音波診断画像処理プローブ装置10の位置決め及び診断に利用可能とする。また、超音波診断画像処理プローブ装置10は、自機の生成した超音波診断画像データに基づき、被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測し、自機に設けられた表示部16及び表示装置20の少なくとも一方において計測結果を表示させる。【選択図】図1

Description

本発明は、医療等の分野において利用する超音波画像診断システムに関し、特に、超音波画像診断システムを構成するプローブ装置単体にて超音波診断画像データを生成する超音波診断画像処理プローブ装置等に関する。
従来、医療等の分野においては人体内の各種組織(例えば、臓器、骨、筋肉、脂肪、腫瘍等(以下「組織等」という。)を含む被検体の状態を観察、診断するため、超音波画像診断装置が広く用いられている。この種の超音波画像診断装置は、一般に超音波プローブ装置と本体装置を備えている。超音波プローブ装置は、被検体に対して所定周波数帯の音波(「超音波」ともいう。)を送信し、被検体で反射した音波(すなわち、エコー)を受信する。本体装置は、超音波プローブ装置にて受信されたエコーに基づき生成された受信信号に基づいて被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレーム(例えばBモード画像等)からなる超音波診断画像データを生成し、当該生成したデータに基づき超音波診断画像を表示する構成となっている。
また、最近では、超音波診断画像データを生成するための機能を携帯型の超音波プローブ装置内に集約し、超音波プローブ装置単体で生成した超音波診断画像データを、スマートフォンやタブレット型情報通信端末装置、ラップトップPC(パーソナルコンピュータ)等の一般的な画像表示装置(以下、「表示装置」という。)に無線送信するとともに、表示装置にて表示させることにより、利用場所を限定されることなく低コストに超音波画像診断を実施可能とする超音波画像診断システムも実用化されている(例えば、非特許文献1)。このような超音波診断画像データ生成機能を内蔵した超音波プローブ装置(以下、一般的な超音波プローブ装置と区別するため、「超音波診断画像処理プローブ装置」という。)は、被検体から受信したエコーの受信結果に基づきプローブ装置単体にて超音波診断画像データを生成し、当該生成した超音波診断画像データを表示装置に無線送信する。一方、表示装置は、超音波診断画像処理プローブ装置から受信した超音波診断画像データに基づき超音波診断画像を表示する構成になっている。
ここで、患者(被検者)の健康状態を適切に管理、把握するためには、心臓等の各種臓器を含む組織等のサイズを計測し、或いは、膀胱内の尿量を計測することが重要となる。このため、従来から超音波画像診断装置又はシステムにより各種組織等(すなわち、被検体となる観察対象組織等)の長さ、面積、体積(若しくは容積。以下、「体積」という。)といったサイズパラメータの値を計測することが広く行われている。実際に従来の超音波画像診断装置等により各種組織等のサイズパラメータを計測しようとする場合、超音波診断画像処理プローブ装置等にて撮影された超音波診断画像を手作業にて解析し、計測対象となる組織等のサイズパラメータの値を計測する必要があり、計測作業が煩雑となる。
特に、在宅医療や介護の現場においては、被検者膀胱内の尿量等を計測し、管理することが被検者の健康を維持、増進する上で重要となるが、従来の超音波画像診断システム等により被検者膀胱内の尿量を計測しようとすると、膀胱の横断面及び縦断面の超音波診断画像を超音波画像診断装置等で各々撮影しつつ、膀胱の上下方向、左右方向及び前後方向(すなわち、奥行き方向)の各内径を手作業にて計測して、当該計測結果に基づき、膀胱内の体積を算出する必要があり、計測作業が非常に煩雑となる。この種の煩雑さを解消する1の方法としては、特許文献1に記載のシステムのように三次元分散走査線によって超音波を対象組織等(例えば、膀胱)に円錐形で放射して当該対象臓器を三次元で走査しつつ、当該対象組織等の体積を自動計測する方法が考えられる。
しかしながら、この特許文献1のシステムは、臓器容積を迅速且つ高精度に計測できるものの装置が複雑化して重くなるので利用場所を選ぶとともに、高価となるため、在宅医療や介護等の現場において手軽に被検者膀胱内の尿量(すなわち、膀胱内体積)を計測するような場面で利用することが難しい。このため、近年では超音波を用いつつ簡易な装置構成で被検者膀胱内の尿量を手軽に計測可能な尿量計測装置も提案されている(特許文献2)。この尿量計測装置は、4つの超音波プローブチャネルのみで被検者の膀胱内の尿量を簡易に計測可能な構成を有している。
日本経済新聞電子版、「テルモ、ワイヤレスの超音波診断装置 点滴など支援」、2020年12月8日、<URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ079PC0X01C20A2000000/>
特許第4430532号 WO2020/100942
しかしながら、上記特許文献2に記載の装置は、被検体の診断に利用可能な超音波診断画像データを生成する機能及び超音波診断画像データの表示機能を有していないので、組織等の画像診断に利用することが難しい。また、特許文献2に記載の尿量計測装置は、尿量の計測値が最大となる位置のみをユーザに提示しつつ計測位置を調整して被検者膀胱内の尿量を計測する構成になっているため、計測時の位置決めが難しく、高精度な計測結果を得ることが難しい。
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組織等の詳細な観察に利用可能であり、且つ、手軽、高精度に組織等のサイズを計測可能な超音波診断画像処理プローブ装置、超音波画像診断システム及びプログラムを提供することにある。
(1)上述した課題を解決するため、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、被検体に所定周波数帯の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成し、外部の表示装置に出力する超音波診断画像処理プローブ装置であって、複数の振動子によって構成され、入力された電気信号である入力駆動信号を振動に変換して、前記音波を送信するとともに、当該音波の前記被検体におけるエコーを受信して、当該エコーに対応する電気信号を出力信号として出力する音波送受信手段と、前記入力駆動信号を前記音波送受信手段に入力して前記音波を送信させる駆動手段と、前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段と、前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段と、前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段と、前記表示装置と有線又は無線により通信接続され、前記生成された前記超音波診断画像データを前記表示装置に送信する通信手段と、を有している。
この構成により、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、超音波診断画像処理プローブ装置単体で、被検体を撮影した超音波診断画像データを生成し、一般的なスマートフォンやタブレット型情報通信端末装置等の外部の表示装置に送信して超音波診断画像を表示させることができる。この結果、医師や看護師、介護士等のユーザは、表示装置に表示された超音波診断画像に基づき被検体となる組織等を詳細に観察することができる。従って、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は各種の画像診断等に利用することができる他、被検者の尿量等を計測する際に超音波の照射位置を正確に調整できるので、高精度に組織等のサイズを計測することができる。なお、超音波診断画像処理プローブ装置に搭載する振動子の数(すなわち超音波プローブチャネルの数)については任意であり、128ch程度とすることで高解像度の超音波診断画像が撮影できるが、本発明においては、これより少ない64ch程度とすることもできる。
また、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、一度位置決めを行い、当該位置にシール等でマーキングしておけば、2回目以降の計測時には、表示装置を用いた位置決めを行わなくとも、超音波診断画像処理プローブ装置単体で超音波診断画像データから被検体となる組織等の写り込んだ画像領域を抽出しつつ、当該組織等の長さや面積、体積の少なくとも1つのサイズパラメータ値を計測し、メモリ上に記憶させつつ、計測結果を自機及び表示装置の少なくとも一方にて表示できる。この結果、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、例えば超音波診断画像処理プローブ装置に内蔵されたディスプレイ上に、サイズパラメータの計測値を簡易に表示してユーザが閲覧可能にできる他、当該サイズパラメータの計測値を外部の表示装置に送信して、ユーザが閲覧可能に表示させることができる。なお、計測結果の表示形態は、文字及び画像の少なくとも一方を用いてユーザがパラメータの計測結果を把握可能な形態であればどのような表示形態を採用してもよい。
(2)また、上記構成において、前記生成手段が、(1)前記音波により前記被検体を横方向に走査した場合に、当該横方向の走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の横断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成する一方、(2)前記音波により前記被検体を縦方向に走査した場合に、当該縦方向の走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の縦断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成し、前記抽出手段が、前記生成された横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、前記計測手段が、前記抽出された前記画像領域の各々に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する構成としてもよい。なお、本明細書において横方向、縦方向、奥行き方向というときは、被検者(すなわち、患者)体部の前面側(臍側)から見て、左右方向を横方向とし、上下方向を縦方向と定義する。また、臍側を前、背中側を後とし、奥行き方向というときは、前後方向を指すものと定義して説明を行う。
本構成により、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、被検体の横断面画像及び縦断面画像から高精度に被検体の三次元的なサイズを計測しつつ、高精度に被検体の体積を算出して表示できるので、例えば、膀胱内の尿量値を高精度に計測して表示することも可能となる。なお、(1)横断面画像及び縦断面画像から被検体の写り込んだ画像領域を抽出するタイミング及び(2)抽出した画像領域に基づき被検体の各方向のサイズを計測するタイミングに関しては任意であり、横方向の走査(例えば電子走査)完了タイミングから縦方向の走査開始タイミングまでの間に一度、横断面画像にて被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、当該画像領域に基づき、横断面画像に含まれる画像領域から計測される被検体のサイズを計測して、計測結果を記憶し、縦方向の走査に移行する構成としてもよく、横方向及び縦方向の走査を行って、横断面画像及び縦断面画像のデータを先に生成した後、各画像に対応するデータをバッファリングしつつ、一度に横断面画像及び縦断面画像から被検体の写り込んだ画像領域を抽出して、横断面画像及び縦断面画像の各々に含まれる画像領域から被検体の各方向のサイズを一度に計測する構成としてもよい。
(3)また、請求項2に記載の構成において前記音波送受信手段が、X軸及びY軸の各方向に沿って十字型に配列された複数の前記振動子によって構成され、前記駆動手段が、(a)前記X軸及びY軸のいずれか一方の軸に沿って配列された振動子群に対して前記入力駆動信号を入力し、前記音波により前記被検体を前記横方向及び縦方向のいずれかの方向である第1方向に走査させた後、(b)他方の軸に沿って配列された前記振動子群に対して前記入力駆動信号を入力し、前記音波により前記被検体を他方の方向である第2方向に走査させるとともに、前記生成手段が、前記第1方向及び第2方向への走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の横断面画像及び縦断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成する一方、前記抽出手段が、前記生成された横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、前記計測手段が、前記横断面画像及び縦断面画像から抽出された前記画像領域の各々に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する構成としてもよい。
本構成により、X軸及びY軸のいずれか一方の軸(例えば、X軸)に沿って配列された振動子群を用いて被検体を第1方向(例えば横方向)に走査するとともに、他方の軸(例えばY軸)に沿って配列された振動子群を用いて被検体を第2方向(例えば、縦方向)に走査して、被検体の横断面及び縦断面の画像を撮影しつつ、対応する超音波診断画像データを生成できる。この結果、決められた位置(例えば、1度目の計測時にマーキングされた位置等)に対して、一度超音波診断画像処理プローブ装置を着接させるだけで、一度に被検体の横断面画像と縦断面画像の双方を撮影して、被検体の体積を計測でき、計測時におけるユーザの操作負担を軽減できる。
(4)また、請求項2又は3に記載の構成において、前記サイズパラメータの計測対象となる被検体の種別を特定する特定手段と、(A)当該特定された種別の被検体の写り込んだ画像領域を前記超音波診断画像データから抽出するための抽出条件情報と、(B)前記特定された種別の被検体の前記サイズパラメータを前記抽出された画像領域に基づき計測するための計測条件情報を含む条件情報と、を取得する取得手段と、をさらに有し、前記抽出手段が、前記横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに対して前記取得された抽出条件情報に基づく信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、前記計測手段が、前記横断面画像及び縦断面画像から抽出された前記画像領域の各々と、前記取得された計測条件情報と、に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する構成としてもよい。
この構成により、各種の組織等を被検体とする場合であっても、当該被検体の種別(例えば、膀胱、前立腺、肝臓、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓、子宮、卵巣等の臓器や腹部大動脈、腫瘍等といった組織等の種別)を特定しつつ、当該被検体の写り込んだ画像領域を確実に抽出し、当該画像領域に基づき被検体の三次元的なサイズを計測して、高精度にその体積を計測することができる。なお、被検体となる計測対象組織等の特定手法は、AI(人工知能)を用いて超音波診断画像データに写り込んだ被検体の種別を自動特定する方法を採用してもよく、ユーザが対象となる組織等を指定する入力操作を行い、当該入力操作に基づき、被検体の種別を特定するようにしてもよい。
(5)また、請求項1~3のいずれか1項に記載の構成において、前記サイズパラメータの計測時における自機の利用条件を示すセンサ信号を出力するセンサと、前記センサ信号に基づき、(1)自機の傾き、(2)加速度及び(3)前記振動子設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を、前記サイズパラメータ値の計測時における自機の利用条件を示す利用条件情報として検出する検出手段と、をさらに有し、前記検出手段が、前記被検体のサイズパラメータ値を計測する都度、当該計測時における利用条件情報を検出し、(A)当該検出した利用条件情報と、(B)当該被検体を識別するための識別情報と、(C)計測日時を示す日時情報と、(D)前記計測したサイズパラメータ値と、を対応付けつつ計測履歴情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、前回計測時に得られ、前記記憶手段に記憶済の前記計測情報を読み出し、今回計測時に得られた前記サイズパラメータ値及び利用条件情報と対比付けて、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において表示させる構成としてもよい。
本構成により、被検体のサイズパラメータを計測する度に、センサから得られるセンサ信号に基づき、当該計測時における超音波診断画像処理プローブ装置の(1)傾き、(2)加速度及び(3)前記振動子設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を、当該計測時の利用条件(すなわち、計測時の利用状態)を示す利用条件情報として検出し、当該利用条件情報を計測日時、サイズパラメータの計測値及び識別情報と紐付けつつ計測履歴情報としてメモリ内に順次蓄積して超音波診断画像処理プローブ装置を用いた計測履歴のデータベース(以下、「DB」という。)をメモリ内に構築することができる。そして、本構成によってメモリ内に構築されたDBは、後に参照可能に保存され、後の計測時に前回計測時の条件及び計測値と比較可能な状態で対比しつつ自機及び表示装置の少なくとも一方において表示させることができる。この結果、本構成によれば、被検者の健康状態の変化をユーザがいつでも確認可能になるとともに、前回計測時からの変化状況をユーザが確認可能となり、被検者の健康状態の変化や推移を容易且つ正確に管理することができる。
(6)また、請求項4に記載の構成において、前記サイズパラメータの計測時における自機の利用条件を示すセンサ信号を出力するセンサと、前記センサ信号に基づき、(1)自機の傾き、(2)加速度及び(3)前記振動子設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を、前記サイズパラメータ値の計測時における自機の利用条件を示す利用条件情報として検出する検出手段と、をさらに有し、前記検出手段が、前記被検体のサイズパラメータ値を計測する都度、当該計測時における利用条件情報を検出し、(A)当該検出した利用条件情報と、(B)当該被検体を識別するための識別情報と、(C)計測日時を示す日時情報と、(D)前記計測したサイズパラメータ値と、を対応付けつつ計測履歴情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、前回計測時に得られ、前記記憶手段に記憶済の前記計測情報を読み出し、今回計測時に得られた前記サイズパラメータ値及び利用条件情報と対比付けて、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において表示させる構成としてもよい。
本構成により、請求項5と同様の機能を実現できる。
(7)また、請求項1~3のいずれか1項に記載の構成において、(1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさらに設ける構成としてもよい。
この構成により、本発明の超音波診断画像処理プローブ装置は、サイズパラメータ計測時の位置決めに際して、ユーザに適切な位置を提示出来るので、ユーザの利便性を向上させつつ、高精度な位置決めを実現できる。
(8)また、請求項4に記載の構成において、(1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさら設ける構成としてもよい。
本構成により、請求項7と同様の機能を実現できる。
(9)また、請求項5に記載の構成において、(1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさらに設ける構成としてもよい。
本構成により、請求項7と同様の機能を実現できる。
(10)また、本発明の超音波画像診断システムは、被検体に所定周波数帯の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成する超音波診断画像処理プローブ装置と、前記超音波診断画像処理プローブ装置において生成された前記超音波診断画像データを有線又は無線により取得して、当該データに基づき被検体の超音波診断画像を表示する表示装置と、を有する超音波画像診断システムであって、前記超音波診断画像処理プローブ装置が、複数の振動子によって構成され、入力された電気信号である入力駆動信号を振動に変換して、前記音波を送信するとともに、当該音波の前記被検体におけるエコーを受信して、当該エコーに対応する電気信号を出力信号として出力する音波送受信手段と、前記入力駆動信号を前記音波送受信手段に入力して前記音波を送信させる駆動手段と、前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段と、 前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段と、前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段と、前記表示装置と有線又は無線により通信接続され、前記生成された前記超音波診断画像データを前記表示装置に送信する通信手段と、を有している。
(11)また、本発明のプログラムは、被検体に所定周波数の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成し、当該生成した超音波診断画像データを外部の表示装置に有線又は無線により送信して表示させる超音波診断画像処理プローブ装置として機能するコンピュータを、前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段、前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段、前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段、前記生成された超音波診断画像データの前記表示装置に対する送信を制御する通信制御手段、として機能させる構成を有する。
本発明の超音波診断画像処理プローブ、超音波画像診断システム及びプログラムは、組織等の詳細な観察に利用可能であり、且つ、手軽、高精度に組織等のサイズを計測することができる。
本発明に係る超音波画像診断システムの第1実施形態における構成例を示すシステム構成図である。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置において、横断面画像フレームから被検体の左右径及び上下径を計測する際の原理を説明する図である。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置において、縦断面画像フレームから被検体の前後径及び上下径を計測する際の原理を説明する図である。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置の構成例を示すブロック図である。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置の制御部において実行される計測時処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置の画像処理部において実行される画像領域抽出処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置において尿量計測値を表示する際の表示形態の一例を示す図である。 第2実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置の構成例を示すブロック図である。 第2実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置において尿量計測値を表示する際の表示形態の一例を示す図(その1)である。 第2実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置において尿量計測値を表示する際の表示形態の一例を示す図(その2)である。 変形例1の超音波診断画像処理プローブ装置にて着接位置調整のガイドを行う際の原理を説明する図であり、(A)及び(B)には、各々、位置調整に成功した状態及び失敗した状態の例を示している。 変形例2の超音波診断画像処理プローブ装置に搭載する振動子アレイを送受信面側から見た正面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、被検体となる被検者体内の組織等に対して所定周波数の音波(超音波)を送信するとともに、当該音波の被検体におけるエコーを受信し、被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して表示する超音波画像診断システムに対し、本発明に係る超音波診断画像処理プローブ装置、超音波画像診断システム及びプログラムを適用した場合の実施形態である。但し、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、被検体となる被検者体内の具体的な組織等の種別に関しては任意であり、心臓や腎臓、膵臓、前立腺等の臓器、骨や筋肉、脂肪といった組織の他、いずれかの組織等に発生した腫瘍も被検体となり得るが、本実施形態においては、被検体を患者(すなわち、被検者)の膀胱として、被検者膀胱内の尿量(すなわち、膀胱内の体積)を計測する場合を例に説明を行い、他の組織等のサイズパラメータの値を計測する場合に関しては変形例の項にて説明を行う。
[A]第1実施形態
[A1]超音波画像診断システム1の構成及び概要
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態における超音波画像診断システム1の構成及び概要について説明する。なお、図1は、本実施形態の超音波画像診断システム1の一構成例を示すシステム構成図である。
図1に示すように本実施形態の超音波画像診断システム1は、ユーザが携帯可能な構成を有するとともに、所定周波数帯(例えば、2MHz~22MHzのいずれかの周波数帯)を有する音波を送信しつつ当該音波の被検体(本実施形態においては、被検者の膀胱)におけるエコーを受信して、当該受信したエコーに基づき、被検体を撮影した超音波診断画像データを生成する超音波診断画像処理プローブ装置10と、超音波診断画像処理プローブ装置10に有線又は無線にて通信接続される表示装置20と、を有し、超音波診断画像処理プローブ装置10によって生成された超音波診断画像データに基づき、被検者膀胱内の体積を計測し、膀胱内の尿量を計測するためのものである。すなわち、本実施形態においては、被検者の膀胱内体積(尿量)が計測対象のサイズパラメータとなる。なお、超音波診断画像処理プローブ装置10の送信する音波の周波数帯及び装置形状に関しては任意であり、例えば、(1)2~7.5MHzの音波を用いたセクター型やコンベックス型の他、(2)2~12MHzの音波を用いたリニア型、(3)2~22MHzの音波を用いたシングル型等を採用するようにしてもよい。また、被検者の膀胱以外を被検体としてサイズパラメータの値を計測する場合には、被検体となる組織等に応じて利用する周波数帯と形状を変更するようにしても良く、広帯域な周波数の音波(例えば、2~25MHz程度の周波数帯の音波)を送受信可能な振動子アレイ11(図4参照)及び駆動部12(図4参照)を用いて、被検体となる組織等に応じてアタッチメントを着脱し、装置形状及び利用する音波の周波数帯を変更可能な構成としてもよい。
ここで、上述のように従来の超音波を用いて自動で被検者の尿量を計測する装置は、(従来装置1)持ち運びができず在宅医療や介護の現場で利用できないような非常に重く、複雑且つ高価なものか(例えば、特許文献1)、(従来装置2)持ち運び及び運用は容易だが被検体の超音波診断画像データを生成及び表示する機能を有しないもの(例えば、特許文献2)であった。従来装置2に超音波診断画像データ表示用のディスプレイ及び超音波診断画像データ生成機能を搭載する方法も考えられるが、装置が複雑化大型化、高額化して、在宅医療や介護等の現場において手軽に利用することが難しくなる。
そこで、本実施形態の超音波画像診断システム1においては、概略以下の方法により、これらの問題を解決する方法を採用することとした。
(1)まず、従来の超音波診断画像処理プローブ装置(例えば、非特許文献1)と同様に超音波診断画像処理プローブ装置10には、撮影した被検体の超音波診断画像データを生成する機能を設ける。
(2)超音波診断画像処理プローブ装置10は、(i)画像診断を行う場合、及び(ii)尿量計測時の位置決めを行う場合にのみ、有線又は無線にて自機の生成した超音波診断画像データを表示装置20に送信し、表示装置20にてユーザが閲覧可能に表示させる。
(3)ユーザは、表示装置20に表示された超音波診断画像データを視認しつつ、画像診断を行い、或いは、尿量計測に最適な音波の照射位置(すなわち、超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させる位置)を調整し、決定する。
(4)次いで、ユーザは、被検者に対する超音波診断画像処理プローブ装置10の当て方を変化させつつ、被検者膀胱の横断面画像及び縦断面画像を撮影する。この結果、超音波診断画像処理プローブ装置10においては、被検者膀胱の横断面及び縦断面の各々に対応する超音波診断画像データが順次生成され、後述する記憶部15(図4参照)にバッファリング(記憶)され、必要に応じて表示装置20に送信されて表示装置20にて対応する超音波診断画像が表示される。なお、被検者に対する超音波診断画像処理プローブ装置10の当て方及びこのとき生成される超音波診断画像データについては、原理の項にて詳述する。
(5)一方、表示装置20には、例えば、iPad(登録商標)、iPad mini(登録商標)等のタブレット型情報通信端末装置やスマートフォン、一般的なラップトップPC等、可搬性の高い情報通信端末装置を用いる。これにより、低コスト且つ、装置を大型化させることなく、画像診断に利用可能な超音波診断画像を表示装置20において表示できるとともに、膀胱内尿量計測時の位置決めが容易になり、高精度に膀胱内尿量を計測できる。
ここで、本実施形態に特徴的な事項として、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、自機において生成し、記憶した横断面及び縦断面の各々に対応する超音波診断画像データに対して、後述する画像領域抽出処理を施し、横断面及び縦断面の各画像において被検体(本実施形態においては、被検者の膀胱)の写り込んだ画像領域を抽出する機能を有している。また、超音波診断画像処理プローブ装置10は、当該抽出した画像領域に基づき膀胱の左右方向、上下方向及び奥行き方向の各内径(すなわち、サイズ)を計測するとともに当該計測した内径に基づき膀胱内の尿量を算出する機能を有している。そして、超音波診断画像処理プローブ装置10は、当該計測結果を自機及び表示装置20の少なくとも一方において表示させる。なお、尿量の計測結果は、表示装置20にて表示する構成としてもよいが、本実施形態においては、超音波診断画像処理プローブ装置10の後述する表示部16(図4参照)に表示する構成を採用するものとして説明を行う。
この構成により、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、表示装置20を用いることなく、尿量の計測結果を表示できるので、表示装置20のバッテリが切れた場合やユーザが表示装置20を忘れたような場合においても、非常に手軽に被検者膀胱内の尿量を高精度に計測することができる。なお、尿量計測時の位置決めは、各被検者の最初の計測時に一度、表示装置20にて超音波診断画像データを表示させつつ、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置を決定し、当該決定した位置にシール等でマーキングしておけば、2回目以降の位置決めは不要となるので、尿量計測時に表示装置20を用いて超音波診断画像を表示させることは必須とならない。
一方、被検者の組織等の画像診断を行う場合には、表示装置20にて超音波診断画像データを表示することが必須となるので、ユーザは、超音波診断画像処理プローブ装置10に表示装置20を有線又は無線により通信接続して、超音波診断画像処理プローブ装置10にて生成された超音波診断画像データを表示装置20に送信しつつ、表示装置20にて表示させることが必要となる。なお、超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20に対する超音波診断画像データの送信手法及び送信開始手順は任意であり、例えば両装置10及び20をUSB(Universal Serial Bus)等の方式で有線接続する構成とする場合には、超音波診断画像処理プローブ装置10と表示装置20がケーブルにて接続され、両装置10及び20間に通信コネクションが確立された後に超音波診断画像データを順次超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20に送信する構成とすればよい。また、超音波診断画像処理プローブ装置10と表示装置20を無線にて通信接続する構成を採用する場合には、表示装置20にて所定の入力操作(例えば、超音波診断画像の表示要求操作)が行われたタイミングで表示装置20側から超音波診断画像処理プローブ装置10に通信コネクションの確立要求を送信し、両装置10及び20間に通信コネクションが確立された後に順次超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20に超音波診断画像データを送信する構成とすればよい。さらに、コネクションの確立要求は、表示装置20が定期的に送信する構成を採用して、自動的に両装置10及び20間の通信コネクションを確立する構成としてもよく、超音波診断画像処理プローブ装置10側に超音波診断画像データの送信指示ボタンを設け、当該ボタンの操作時に超音波診断画像処理プローブ装置10側からコネクションの確立要求を送信して、通信コネクションの確立後に超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20に超音波診断画像データを順次送信する構成を採用することもできる。但し、本実施形態においては、説明を具体化するため、両装置10及び20を無線にて通信接続する構成を採用するとともに、表示装置20にて所定の表示要求操作が行われた際に、表示装置20からコネクションの確立要求を送信して、コネクションの確立後、超音波診断画像処理プローブ装置10にて生成された超音波診断画像データを順次表示装置20に送信するものとして説明を行う。これにより、必要に応じて両装置10及び20間の通信コネクションを確立できるので、無駄な電力消費を防止できる。
[A2]尿量の計測原理
次いで、図2及び3を用いて、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10において被検者膀胱内の尿量を計測する際の計測原理について説明する。なお、図2及び3は、各々、被検体となる被検者膀胱の横断面画像及び縦断面画像から膀胱内の尿量を計測する際の計測原理を説明する図である。また、図2及び3において、(A)には、解剖図、(B)には、尿量計測時における超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置及び走査方向、(C)には、実際に撮影される横断面画像及び縦断面画像を示している。さらに図3においては、画像と臓器の位置関係把握を容易にするため、(D)として、縦断面画像と同方向から見た際の解剖図を示している。
(1)膀胱の左右径の計測手法について
図2(B)に示すように、被検者の膀胱に対して被検者体部の前側から音波を送信しつつ、横方向に膀胱を走査(例えば、電子走査)した場合、超音波診断画像処理プローブ装置10は、膀胱からのエコーに基づき、図2(C)に示すような膀胱の横断面画像フレームを撮影しつつ対応する超音波診断画像データ(以下、「横断面画像データ」ともいう。)を生成して、当該生成した横断面画像データを記憶部15(図4参照)に記憶する。
このとき撮影される横断面画像フレームにおいて、長軸方向の青い点線にて示される最大径「a」が、膀胱の左右径(内径)を示すとともに、長軸に直行する短軸方向の黄色い点線にて示される最大径「c」が膀胱の上下径(内径)を示すものとなる。このため、本実施形態において超音波診断画像処理プローブ装置10は、生成及び記憶した横断面画像データに画像領域抽出処理を施すことにより、対応する横断面画像フレームにおいて膀胱の写り込んだ画像領域を抽出しつつ、当該画像領域における膀胱の重心位置(すなわち、長軸と短軸の交点位置)を特定して、長軸及び短軸方向の最大径を計測することで膀胱の左右径「a」及び上下径「c」を計測する。
(2)膀胱の前後径及び上下径の計測手法について
図3(B)に示すように被検者の膀胱に対して被検者体部の前側から音波を送信しつつ、縦方向に膀胱を走査した場合、超音波診断画像処理プローブ装置10は、膀胱からのエコーに基づき、図3(C)に示すような膀胱の縦断面画像フレームを撮影しつつ対応する超音波診断画像データ(以下、「縦断面画像データ」ともいう。)を生成して、当該生成した縦断面画像データを記憶部15に記憶させる。
このとき撮影される縦断面画像フレームにおいて、長軸方向の青い点線にて示される最大径「b」が、膀胱の前後径(内径)を示すとともに、この点線に直行する短軸方向の黄色い点線にて示される最大径「c」が膀胱の上下径を示している。このため、本実施形態において超音波診断画像処理プローブ装置10は、生成及び記憶した縦断面画像データに対して画像領域抽出処理を施しつつ、対応する縦断面画像フレームにおいて膀胱の写り込んだ画像領域を抽出し、当該画像領域における膀胱の重心位置(すなわち、長軸と短軸の交点位置)を特定して、長軸及び短軸方向の最大径を計測することで膀胱の前後径「b」及び上下径「c」を計測する。
ここで、一般に、膀胱内の尿量は、下記式1によって算出される。
膀胱内尿量(mL)=(a×b×c)/2(cm)・・・(式1)
なお、「a」、「b」及び「c」は、各々、膀胱の左右径、前後径、上下径を示している。また、膀胱に関しては、基本的に横断面画像と縦断面画像で上下径「c」が同値となるため、縦横いずれの断面画像フレームに基づき上下径「c」を計測するかは任意であるが、本実施形態においては、説明を具体化するため、横断面画像フレームからは、左右径「a」のみを計測し、前後径「b」及び上下径「c」に関しては縦断面画像フレームから計測するものとして説明を行う。さらに、上記式1は、あくまでも尿量算出式の一例であり、式1以外の算出式を用いるようにしてもよい。
そして、本実施形態において超音波診断画像処理プローブ装置10は、この式1に「a」、「b」及び「c」の各計測値を代入して、被検者膀胱内の尿量を算出する。なお、(1)横断面及び縦断面の各々に対応するデータから被検体の写り込んだ画像領域を抽出するタイミング及び(2)抽出した画像領域に基づき被検体の各方向の径(すなわち、「a」、「b」及び「c」)を計測するタイミングに関しては任意であり、横方向の走査完了タイミングから縦方向の走査開始タイミングまでの間に一度、横断面画像にて被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、当該画像領域に基づき、左右径「a」を計測して、計測結果を記憶部15に記憶し、縦方向の走査に移行する構成としてもよく、横方向及び縦方向の走査を行い、各走査により横断面及び縦断面の各々に対応するデータを先に生成した後、各断面画像に対応するデータをバッファリングしつつ、横断面画像フレーム及び縦断面画像フレームから被検体の写り込んだ画像領域を一度に抽出して、各径「a」、「b」及び「c」の値を一度に計測する構成としてもよいが、本実施形態においては説明を具体化するため、前者の方法を採用するものとして説明を行う。また、各径「a」、「b」、及び「c」の計測値は、所定の撮影期間中に撮影された各横断面画像フレーム及び縦断面画像フレームに基づき計測された「a」、「b」及び「c」の平均値を用いるようにしてもよく、各フレームに基づき計測された計測値の最大値を用いるようにしてもよい。
一般に、超音波画像診断システム1において膀胱を観察する場合、超音波診断画像処理プローブ装置10を被検体に着接させる角度と押し込み量に応じて、横断面画像に映り込む膀胱の断面積が大きくなったり、小さくなったり変化する。このため、所定の撮影期間中に撮影された横断面及び縦断面の各断面に対応する超音波診断画像フレームから膀胱のサイズを適切に計測しようとすると、当該期間中に撮影された各断面に対応する超音波診断画像フレーム群において膀胱の最大断面が写り込んだフレームを用いることが望ましくなる。従って、後者の方法(すなわち、計測最大値を用いる方法)を採用することにより、各断面に対応する超音波診断画像フレームに写り込んだ膀胱のサイズを適切に計測しつつ、尿量計測に利用することができる。
[A3]超音波画像診断システム1の概略構成
超音波診断画像処理プローブ装置10は、例えば、一列に配列された128個の超音波振動子112からなる振動子アレイ11(図4参照)を有し、この振動子アレイ11により被検体に音波を送信するとともに被検体からのエコーを受信して、当該受信したエコーに基づき複数のフレーム画像からなる超音波診断画像データを生成しつつ当該生成した超音波診断画像データを無線にて表示装置20に送信し、対応する超音波診断画像を表示させる機能を有する。なお、超音波診断画像処理プローブ装置10において超音波診断画像データを生成する手法は、従来の超音波診断画像処理プローブ装置と同様であるため、詳細を省略する。
係る機能を実現するため、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、b、c、n、ac、ax等の無線LAN(Local Area Network)規格に準拠した通信チップ、或いは、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))に規格に準拠した通信チップやアンテナ等を含む無線通信インターフェースを有し、これらの通信インターフェースを介して通信接続された表示装置20に自機の生成した超音波診断画像データを送信して表示させる機能を有している。
また、超音波診断画像処理プローブ装置10は、尿量の計測値を文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示するため、例えば、128×96ピクセル(「SQCIF(Sub quarter Common Intermediate Format)」とも呼ばれる。)、又は、352×288ピクセル(「CIF(Common Intermediate Format)」とも呼ばれる。)程度の低い解像度で小型の簡易型ディスプレイにより構成される表示部16(図4参照)を備えるとともに、(1)超音波画像診断システム1を利用する各被検者に予め割り当てられ、計測対象となる被検体を識別するための被検者IDを入力するためのボタン、(2)後述する超音波診断画像処理プローブ装置10の動作モードを選択するためモード選択ボタン、(3)横方向の走査開始の指示入力を行うための横方向走査開始ボタン、(4)縦方向の走査開始の指示入力を行うための縦方向走査開始ボタン、(5)走査停止の指示入力を行うための走査停止ボタン等の各種ボタンを含むボタンによって構成される操作部14(図4参照)を有している。
特に、本実施形態に特徴的な事項として、超音波診断画像処理プローブ装置10は、操作部14に対するユーザの入力操作に従い、各種処理を実行するためのプログラムを搭載しており、このプログラムに従った処理を実行することにより、(1)被検者膀胱内の尿量を計測する機能を実現する計測モードと、(2)被検体の超音波診断画像を表示装置20にて表示して、被検体を詳細に観察及び診断するための観察モードと、を任意に切り替えつつ、利用可能な構成になっている。そして、超音波診断画像処理プローブ装置10は、操作部14に対する入力操作に応じて、このプログラムに従い、両動作モードのいずれか一方を選択しつつ、必要な処理を実行する。なお、このプログラムは、ソフトウェアとCPU(Central Processing Unit)等の演算装置によってソフトウェア的に実現してもよく、FPGA(field programmable gate array)等のプログラミング可能なハードウェアにより実現してもよい。
(1)計測モード下の超音波診断画像処理プローブ装置10について
ユーザが、操作部14に対して計測モードを選択する旨の入力操作を行った場合、超音波診断画像処理プローブ装置10は、上記プログラムに従い、計測モードに移行し、被検者膀胱内の尿量を計測するための処理を実行して、計測結果を記憶部15に記憶させつつ、表示部16に表示させる。なお、この際の具体的な処理内容に関しては動作の項にて詳述する。
ここで、尿量の計測時に超音波診断画像処理プローブ装置10から送信される音波の被検体に対する照射位置が適切でないと、各径「a」、「b」及び「c」の計測精度が低下して、高精度な尿量計測が難しくなる。このため、本実施形態の超音波画像診断システム1においては、超音波診断画像処理プローブ装置10における横方向走査開始ボタン及び縦方向走査開始ボタンの操作後、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置を調整するため、ユーザが表示装置20にて所定の表示要求操作を行うと、表示装置20が、超音波診断画像処理プローブ装置10から超音波診断画像データを取得しつつ横断面画像又は縦断面画像を表示する構成となっている。なお、計測モードにおいて超音波診断画像の表示を終了する方法は任意であり、例えば、超音波診断画像処理プローブ装置10の走査停止ボタンの操作や表示装置20への位置調整完了操作に応じて、表示を終了するようにしてもよい。
ユーザは、係る機能により表示装置20に表示された横断面画像又は縦断面画像を確認して、膀胱内の尿量を正確に計測できるように超音波診断画像処理プローブ装置10を動かして、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置の調整を行う。これにより、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、計測時に被検体に対する音波の照射位置を正確に調整しつつ高精度に被検者膀胱内の尿量を計測することができる。
(2)観察モード下の超音波診断画像処理プローブ装置10について
一方、ユーザが操作部14に対して観察モードを選択する旨の入力操作を行った場合、超音波診断画像処理プローブ装置10は、上記プログラムに従い、観察モードに移行して、例えば、「プローブを観察対象部位の撮影に適した位置に当て、走査を開始させるとともに、表示装置20にて表示要求操作を行ってください。」等の文字列を表示して、ユーザに走査の開始を促すとともに、表示要求操作を促す。
この状態において、ユーザが横方向走査開始ボタン又は縦方向走査開始ボタンを操作すると、超音波診断画像処理プローブ装置10は、被検体に対する音波の送信を開始して、エコーに基づき被検体の超音波診断画像データを順次生成するとともに、当該生成した超音波診断画像データを記憶部15に記憶していく。この状態において、ユーザが表示装置20の図示せぬ操作部に表示要求操作を行うと、表示装置20は、超音波診断画像処理プローブ装置10と通信コネクションを確立した後、超音波診断画像処理プローブ装置10から超音波診断画像データを取得して表示する。この表示状態は、(1)超音波診断画像処理プローブ装置10にて走査停止ボタンが操作され、(2)表示装置20において診断終了操作が行われ、或いは、(3)超音波診断画像処理プローブ装置10又は表示装置20の電源がOFFにされるまで継続し、いずれかの操作が行われた時点で終了する。このとき、ユーザは、表示装置20に表示された画像を確認しながら手動にて超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置やプローブの傾き、プローブの押し込み圧等を変化させるとともに、表示深度や輝度等の表示パラメータを被検体の観察に最適な状態に調整して、最適化された状態の超音波診断画像を観察して画像診断を行う。なお、この際の動作に関しては、従来の超音波診断画像処理プローブ装置及びこれを用いた超音波画像診断システムと同様であるため、詳細を省略する。また、観察モードにおいて超音波診断画像処理プローブ装置10は、超音波診断画像データとともに被検体の心拍音等を検知して、音声を含む超音波診断画像データを生成し、又は、超音波診断画像データと同期した音声データを生成して超音波診断画像データとともに表示装置20に送信する構成としてもよい。さらに、本実施形態においては、操作部14の構成を簡略化するため、観察モードにおいて電子走査の開始指示を横方向走査開始ボタン又は縦方向走査開始ボタンの入力操作により行う方法を採用したが、観察モード下において走査開始を指示する観察時走査開始ボタンをこれらのボタンとは別に操作部14に設け、このボタンの操作タイミングから走査停止ボタンの操作タイミングまで、振動子アレイ11による音波の送信とエコーの受信を継続して、この間、超音波診断画像データを生成しつつ、当該生成した超音波診断画像データを順次表示装置20に送信して、表示装置20にて表示させる構成を採用してもよい。また、操作部14にスクリーンキャプチャボタンを設け、当該ボタンの操作タイミングにて、撮影された1又は数枚のフレーム画像を超音波診断画像データから抜き出して、超音波診断画像データとともに、表示装置20に送信する構成としてもよい。
この構成により、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、被検体の画像診断に利用できるとともに、在宅医療や介護の現場で利用可能な携帯性の高い簡易な構成にて、被検者膀胱内の尿量を高精度に計測することができる。
表示装置20は、一般的なタブレット型情報通信端末装置やスマートフォン、ラップトップ型のPC等、携帯性の高い情報通信端末装置であり、超音波診断画像処理プローブ装置10に搭載された無線通信インターフェースと同一の通信プロトコルに従って超音波診断画像処理プローブ装置10と通信可能な通信インターフェースを有している。
ここで、本実施形態に特徴的な事項として本実施形態の表示装置20は、超音波診断画像処理プローブ装置10から超音波診断画像データ(抜き出した超音波診断画像フレーム及び音声データを含んでもよい)に対応したデータを取得して、当該超音波診断画像データに基づき超音波診断画像を表示するためのアプリケーションプログラム(以下、「表示アプリ」ともいう。)が搭載されており、ユーザが図示せぬ操作部に表示要求操作を行った場合に、この表示アプリに従い、超音波診断画像処理プローブ装置10と通信コネクションを確立し、超音波診断画像処理プローブ装置10から超音波診断画像データを取得して表示する機能を実現する。本機能により、観察モードにおいては超音波診断画像処理プローブ装置10にて撮影された超音波診断画像が表示装置20にて表示される。一方、計測モードにおいては、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置を調整するため、横断面画像又は縦断面画像が表示される。なお、表示アプリは、表示装置20にプリインストールされる必要はなく、利用前に予めダウンロードして実行可能になっていれば良い。また、観察モードにおいて表示装置20に超音波診断画像を表示する際の表示形態に関しては任意であり、例えば、動画像としての超音波診断画像を表示する領域と、スクリーンキャプチャ機能によって抜き出された超音波診断画像フレームを表示する領域を分けて、各領域に動画像と抜き出された超音波診断画像フレームを同時に表示する構成としてもよく、操作部に対する入力操作に応じて動画像と抜き出された超音波診断画像フレームを切り替えつつ表示する構成としてもよい。また、動画像又は抜き出された超音波診断画像フレームの表示領域においてピンチイン又はピンチアウト操作を行うことによって、画像内の少なくとも一部を拡大又は縮小表示する構成としてもよく、フリック操作に応じて抜き出された超音波診断画像フレームを次の抜き出された超音波診断画像フレームに切り替えつつ表示する方法を採用してもよい。各入力操作は、もちろんキーボードやマウス等に対する入力操作にて代替可能である。さらに、表示装置20が超音波診断画像処理プローブ装置10と通信コネクションを確立する処理自体は、専用のドライバアプリケーションを搭載するようにしてもよく、表示アプリにより通信コネクションの確立と解放を制御する構成を採用してもよい。
[A4]超音波診断画像処理プローブ装置10の構成
次いで、図4を用いて本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10の構成について説明する。なお、図4は、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、振動子アレイ11と、駆動部12と、音波受信部13と、上記各種のボタンを含む操作部14と、記憶部15と、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ及びディスプレイの駆動回路により構成される表示部16と、無線通信インターフェースの通信チップ及びアンテナ等により構成される通信部17と、制御部18と、を備え、各部には図示せぬ内蔵バッテリから駆動に必要な電力が供給される構成になっている。なお、本実施形態の振動子アレイ11及び駆動部12は、音波受信部13と連動して、例えば、本発明の「音波送受信手段」及び「駆動手段」を構成する。
振動子アレイ11は、図示せぬ筐体の先端部等の位置に設置され、送受信面111に沿って一列に配列された128個の超音波振動子112を備えている。複数の超音波振動子112は、各々が例えば、圧電素子等の素子によって構成され、制御部18の後述する信号処理部181から供給される送信信号に対応する電気信号が駆動部12から入力されると、当該入力された電気信号(「入力駆動信号」ともいう。)に基づき振動し、入力駆動信号に対応する周波数帯の音波を送信するとともに、当該音波の被検体におけるエコーを受信した際に得られる振動に基づき電気信号を発生させ、出力信号として音波受信部13に出力する。
駆動部12は、アンプ等の回路により構成され、制御部18による制御の下、信号処理部181から供給される送信信号を増幅しつつ入力駆動信号を生成して振動子アレイ11に供給する。
音波受信部13は、振動子アレイ11から供給される出力信号を増幅するアンプやA/D(アナログ/デジタル)変換器等を有し、振動子アレイ11から供給される出力信号をデジタル信号に変換して信号処理部181、統制部182及び画像処理部183に供給する。この音波受信部13に内蔵されたアンプは統制部182による制御の下、増幅率を変更可能になっており、統制部182は、このアンプの増幅率を変更することにより、超音波診断画像の輝度レベルを変更可能となっている。
記憶部15は、NAND型又はNOR型のフラッシュメモリやROM(read only memory)、RAM(Random Access Memory)等を組み合わせて構成され、制御部18が上記2つのモードに対応する処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部15には、(1)計測モードにて横断面及び縦断面の超音波診断画像フレームから膀胱の写り込んだ画像領域を抽出する際に利用する膀胱の形状モデル等の抽出条件を示す抽出条件データと、(2)尿量計測時の条件(例えば、図2及び3(C)の「a」、「b」及び「c」の計測条件を示す情報や式1等の情報)に対応する計測条件データと、が予め記憶されている。さらに、記憶部15は、超音波診断画像データのバッファリング及び各種計測値の記憶に用いられる他、制御部18の各部181~184が各種の処理を実行する際のワークエリアとしても用いられる。なお、例えば本実施形態の記憶部15は本発明の「記憶手段」を構成する。また、記憶部15は、スクリーンキャプチャボタンの操作タイミングにおいて撮影された超音波診断画像フレームの抜き出し時に当該抜き出した超音波診断画像フレームのデータを一時記録する構成とすることが好ましい。
制御部18は、例えば、超音波処理用LSI(Large Scale Integration)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPU(Central Processing Unit)等により構成される。そして、制御部18は、記憶部15に記録されたプログラムに基づく処理を実行することにより、又は、回路上に予めプログラミングされた処理を実行することにより、信号処理部181と、統制部182と、画像処理部183と、を実現する。
(信号処理部181)
信号処理部181は、操作部14における入力操作に応じて統制部182から供給される制御コマンドに基づき、音波による電子走査を制御する。例えば、横方向走査開始ボタン及び縦方向走査開始ボタンが操作された場合に、信号処理部181は、駆動部12に対する送信信号の供給を開始して、振動子アレイ11に音波による電子走査を開始させる。一方、走査停止ボタンの操作時には、駆動部12に対する送信信号の供給を停止して、電子走査を停止させる。また、信号処理部181は、音波受信部13から供給される出力信号に対応するデジタルデータに対してフィルタリング処理等の処理を施して、画像処理部183に供給する。
(統制部182)
統制部182は、操作部14に対するユーザの入力操作に応じて超音波診断画像処理プローブ装置10の動作モード切り替えを行うととともに、設定された動作モードに応じて各部に制御コマンドを供給し、超音波診断画像処理プローブ装置10の各部を統合制御する。また、統制部182は、記憶部15、表示部16及び画像処理部183と連動して、上記原理によって計測された被検者膀胱内尿量の計測値を表示部16に表示させるための処理を実行する。さらに、統制部182は、記憶部15及び画像処理部183と連動しつつ、通信部17を介した超音波診断画像データ(抜き出した超音波診断画像フレームや音声データを含んでもよい。)の表示装置20への送信を制御する。このとき、統制部182は、表示装置20から通信部17がコネクションの確立要求を受信すると、当該要求に基づき、表示装置20との間に通信コネクションを確立する処理を実行する。この結果、確立された通信コネクションを介して、記憶部15にバッファリングされた超音波診断画像データが順次表示装置20に送信されることとなる。なお、例えば本実施形態の統制部182は、記憶部15、通信部17及び画像処理部183と連動して、本発明の「通信手段」を構成する。
(画像処理部183)
画像処理部183は、統制部182による制御の下、以下の処理1~3を実行する。
<処理1>
画像処理部183は、いずれのモード設定時においても信号処理部181から供給されるデータに基づき、被検体を撮影した超音波診断画像データを生成しつつ記憶部15にバッファリングさせる処理を実行する。
<処理2>
画像処理部183は、表示装置20からの要求に応じて通信部17及び統制部182と連動しつつ記憶部15にバッファリングされた超音波診断画像データを、統制部182によって確立された通信コネクションを介して表示装置20に送信する。係る画像処理部183の機能により、計測モードにおいては横断面画像及び縦断面画像が表示装置20にて表示され、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置の調整に利用可能とされる。一方、観察モードにおいては、超音波診断画像処理プローブ装置10にて生成された被検体の超音波診断画像データが順次表示装置20に送信され、画像診断に利用可能に表示される。なお、画像処理部183は、観察モードにおいて統制部182からスクリーンキャプチャボタンが操作されたことを示す制御コマンドが供給された場合に、当該タイミングにて撮影された超音波診断画像フレームを抜き出しつつ、記憶部15に一時記録させ、超音波診断画像データとともに表示装置20に送信可能な状態に維持させる構成にすることが好ましい。また、例えば、本実施形態の画像処理部183は、音波受信部13及び信号処理部181と連動して、本発明の「生成手段」を構成する。
<処理3>
画像処理部183は、記憶部15にバッファリングした超音波診断画像データに基づき画像領域抽出処理を実行する。このとき、画像処理部183は、記憶部15に記憶された抽出条件データに基づく画像領域抽出処理を実行して、横断面及び縦断面の各断面に対応する超音波診断画像データに基づき膀胱の写り込んだ画像領域を抽出する。
<処理4>
画像処理部183は、画像領域抽出処理によって抽出された画像領域と、記憶部15に記憶済の計測条件データと、に基づき、上記原理により横断面画像フレームから被検体(被検者膀胱)の左右径「a」を計測するとともに、縦断面画像フレームから前後径「b」及び上下径「c」を計測して、計測結果を記憶部15に一時記憶させる。そして、画像処理部183は、記憶部15に記憶された各径「a」、「b」及び「c」の計測値を式1に代入しつつ、膀胱内の尿量を算出し、当該算出結果を尿量の計測結果として記憶部15に記憶させる。このとき、画像処理部183は、現在日時を特定して、(A)当該特定した日時を示す日時情報と、(B)尿量の計測対象となる被検者の被検者IDと、(C)尿量の計測結果と、を対応付けつつ、計測履歴情報として記憶部15に記憶させ、後に計測履歴情報を参照可能な状態に維持することが好ましい。
[A5]超音波診断画像処理プローブ装置10の動作
次いで、図5~7を用いて本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10の動作について説明するが、観察モードにより被検体の超音波診断画像を観察する場合における動作は、従来の超音波診断画像処理プローブ装置と表示装置を組み合わせた超音波画像診断システムと基本的に同様であるため、以下においては、計測モードにて膀胱内の尿量を計測する際の動作についてのみ説明する。なお、図5は、超音波診断画像処理プローブ装置10において、ユーザが動作モードとして計測モードを選択した場合に制御部18が実行する計測時処理を示すフローチャートであり、図6は、計測モードにて画像処理部183が実行する画像領域抽出処理を示すフローチャート、図7は、超音波診断画像処理プローブ装置10の表示部16に尿量の計測結果を表示する際の表示例を示す図である。
(1)計測時処理について
まず、図5を用いて、尿量計測時の全体的な処理について説明する。なお、以下の説明に先立ち、ユーザは操作部14に対して計測モードを選択する旨の入力操作を行っているものとする。
図5に示すように、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10においては、尿量計測時、まず、統制部182が、表示部16と連動しつつ横断面画像の取得指示の表示処理を実行し、例えば、「被検者IDの入力後、プローブを恥骨上部に横方向に当てて横方向走査開始ボタンを操作して下さい。」等の文字列を表示部16に表示させる(ステップSa1)。
この表示に従い、ユーザが尿量の計測対象となる被検者の被検者IDを入力した後(ステップSa2)、図2(B)のように、被検者の恥骨上部おいて振動子アレイ11が横方向を向くように超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させ、横方向走査開始ボタンを操作すると、制御部18は、撮影された横断面画像フレームに対応する横断面画像データを取得する(ステップSa3)。このとき、統制部182は、信号処理部181を制御して駆動部12に所定の送信信号を供給させて被検体の電子走査を行わせる。また、信号処理部181は、振動子アレイ11からの出力信号に基づき音波受信部13から供給されるデジタルデータに信号処理を施して画像処理部183に供給する。一方、画像処理部183は、信号処理部181から供給されるデータに基づき横断面画像データを生成して、記憶部15に記憶させる。なお、このとき、超音波診断画像処理プローブ装置10の位置決めを行う場合には、ユーザが表示装置20に表示要求操作を行った時点で、表示装置20から超音波診断画像処理プローブ装置10に通信コネクションの確立要求が送信され、両装置10及び20間にコネクションが確立された後、記憶部15に記憶された横断面画像データが表示装置20に送信されて、表示されることとなる。ユーザは、このようにして表示された横断面画像に基づき超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置調整を行うようにすればよい。
そして、以上の処理により、記憶部15に所定の撮影期間(例えば、数秒~十数秒程度)に撮影された横断面画像フレームに対応する横断面画像データが記憶された状態になると、画像処理部183は、抽出条件データに基づき、次述する画像領域抽出処理を実行して(ステップSa4)、当該横断面画像データに含まれる各横断面画像フレームから膀胱の写り込んだ画像領域を抽出しつつ、当該抽出した画像領域を被検者IDと紐付けて記憶部15に記憶させ、全ての横断面画像フレームに基づく画像領域の抽出が完了したか否かを判定する状態に移行する(ステップSa5)。そして、画像処理部183は、全横断面画像フレームからの画像領域の抽出が完了するまでステップSa3~5の処理を繰り返す。この結果、記憶部15には、所定の撮影期間中に撮影された全横断面画像フレームから抽出された画像領域が記憶された状態になる。
そして、横断面画像データから画像領域の抽出が完了すると、画像処理部183は、横断面画像データから抽出した画像領域に基づき、上記原理により、膀胱の左右径「a」を計測して、記憶部15に記憶させる(ステップSa6)。このとき、画像処理部183は、上記のように各横断面画像フレームから抽出した画像領域に基づき計測された左右径「a」の平均を採って膀胱左右径「a」を決定し、又は、計測最大値を膀胱左右径「a」に決定しつつ、被検者IDと紐付けて記憶部15に記憶させる。
次いで、画像処理部183は、統制部182と連動しつつ、縦断面画像の取得指示の表示処理を実行し、例えば「プローブを90°回転させ、プローブを縦方向に当てた後、縦方向走査開始ボタンを押して下さい。」等の文字列を表示部16に表示させる(ステップSa7)。
そして、当該表示に従って、ユーザが図3(B)のように振動子アレイ11を着接させる向きを90°回転させ、縦方向走査開始ボタンを操作すると、制御部18は、縦断面画像データを取得する(ステップSa8)。なお、このときの処理は、ステップSa3と対象の断面が変更になる点を除いて同様である。
次いで、所定の撮影期間(例えば、数秒~十数秒程度)に撮影された縦断面画像フレームに対応する縦断面画像データが記憶部15に記憶された状態になると、画像処理部183は、抽出条件データに基づき画像領域抽出処理を実行して(ステップSa9)、当該縦断面画像データに含まれる各縦断面画像フレームから膀胱の写り込んだ画像領域を抽出しつつ、当該抽出した画像領域を被検者IDと紐付けて記憶部15に記憶させる。そして、画像処理部183は、全ての縦断面画像フレームに基づく画像領域の抽出が完了したか否かを判定する状態に移行し(ステップSa10)、抽出が完了するまでステップSa8~10の処理を繰り返す。この結果、記憶部15には、所定の撮影期間中に撮影された全縦断面画像フレームから抽出された画像領域が記憶された状態になる。次いで、縦断面画像データから画像領域の抽出が完了すると(ステップSa10「Yes))、画像処理部183は、上記原理により、膀胱の前後径「b」及び上下径「c」を計測して、当該計測値を記憶部15に記憶させる(ステップSa11)。なお、この際、画像処理部183は、左右径「a」計測時と同様に各縦断面画像フレームに対応する画像領域から計測された前後径「b」及び上下径「c」の平均値を採って前後径「b」及び上下径「c」を決定し、又は、計測最大値を膀胱前後径「b」及び上下径「c」に決定する。
次いで、画像処理部183は、記憶部15に記憶された左右径「a」、前後径「b」及び上下径「c」の各計測値を式1に代入して、膀胱内の尿量を算出して(ステップSa12)、現在日時を特定しつつ、ステップSa2において入力された被検者ID及び現在日時(すなわち、計測日時)と尿量計測値を対応付けつつ記憶部15に記憶させた後(ステップSa13)、尿量の計測値を表示部16に表示させて(ステップSa14)、処理を終了する。なお、このとき、表示装置20にて計測結果を表示させる場合には、超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20に計測結果と、被検者IDを送信して、図7のような画像を表示装置20にて表示させればよい。
このとき、画像処理部183は、統制部182及び表示部16と連動して、例えば、図7に例示するように尿量の計測結果と、対象被検者を示す被検者ID(図7の場合「ID6」)と、を対応付けて文字により、計測値(図7の場合「200mL」)を表示するとともに、尿量の許容最大値に対する現在の尿量をインジケータ形式で表示させる。この結果、ユーザは、許容最大値に対してどの程度の余裕があるのかを直感的に把握することができるので、例えば、脊髄損傷等により尿意を感じ取ることのできないような被検者であっても、尿失禁の発生を的確に防止できる。なお、許容最大値の決定方法は任意であり、例えば、過去の計測結果や、排尿状況等から予測しても良く、同性別、同年代の膀胱内体積の平均値を用いてもよい。
(2)画像領域抽出処理について
次いで、図6を用いて、画像処理部183がステップSa4及びSa9にて実行する画像領域抽出処理について説明する。なお、以下においては、ステップSa3及びSa8において取得された横断面画像又は縦断面画像に対応する超音波診断画像データが記憶部15に記憶済の状態になっているものとする。
この状態において、画像処理部183は、まず、記憶部15に記憶された超音波診断画像データに対して、エッジ検出処理を施して(ステップSb1)、エッジ検出後のデータに基づき、横断面画像又は縦断面画像を二値化する(ステップSb2)。
次いで、画像処理部183は、二値化した各画像のデータに対して、ノイズ除去を施した後(ステップSb3)、エッジ連携を行い(ステップSb4)、細線化した後(ステップSb5)、画像中に写り込んだ膀胱の境界をトレースして(ステップSb5)、当該トレース後の画像に基づき、膀胱の写り込んだ画像領域を各断面画像から抽出して(ステップSb6)、処理を終了する。このとき、画像処理部183は、トレース後の画像と記憶部15に予め記憶された抽出条件データにより示される膀胱の形状モデルを比較して、トレース後の画像が膀胱形状モデルに類似する場合であって、境界内の輝度が低ければ膀胱の写り込んだ画像領域であるものと判断する構成になっている。
以上説明したように、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、観察モードにおいては、被検者の組織等の画像診断が可能な超音波診断画像データを生成して、表示装置20にて表示させることができる。
また、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10は、計測モードにおいては、超音波診断画像処理プローブ装置10単体で被検者の膀胱内の尿量を計測して、表示部16上に表示可能であるとともに、音波の照射位置の位置決めに際しては、超音波診断画像処理プローブ装置10にて生成した超音波診断画像を表示装置20にて表示させ、高精度な位置決めを実現できる。
[B]第2実施形態
次いで、図8~10を用いて、本発明の第2実施形態における超音波診断画像処理プローブ装置10Bについて説明する。なお、図8は、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10Bの一構成例を示すブロック図、図9及び10は、本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10Bにおいて表示部16に尿量の計測値を表示する際の表示例を示す図(その1)及び(その2)である。また、図8において図4と同様の構成要素については、図4と同一の符号を付している。従って、図8において図4と同一の符号が付された構成要素に関しては、特に言及しない限り、第1実施形態と同一の機能を有し、同一の動作を行うものとする。
図8に示すように本実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10Bは、第1実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10Aに対してセンサ部19を追加するとともに、制御部18に利用条件検出部184を追加した構成を有している。
センサ部19は、(A)傾斜センサや三軸加速度センサ等により構成される動き検知センサ191と、(B)圧力センサにより構成される押し圧センサ192と、を有し、超音波診断画像処理プローブ装置10Bを用いて尿量を計測する際の利用条件を示すセンサ信号を出力する。
利用条件検出部184は、センサ部19から出力されるセンサ信号に基づき、尿量計測時における(1)自機の傾き、(2)加速度及び(3)振動子アレイ11設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を検出し、当該検出結果を示す利用条件情報を生成して、記憶部15に記憶させる機能を有する。また、利用条件検出部184には、図示せぬタイマが内蔵されており、尿量計測時(ステップSa12)に現在日時を特定して、(A)当該特定した現在日時を示す計測日時情報と、(B)ステップSa2においてユーザが入力した被検者IDと、(C)尿量の計測結果と、(D)利用条件情報と、を対応付けつつ計測履歴情報を生成する。そして、利用条件検出部184は、このようにして生成した計測履歴情報を、計測を実施する都度、記憶部15に順次蓄積して、記憶部15上に計測履歴情報のDBを構築し、後に利用可能な状態に維持させる。
ここで、尿量計測における正確な利用条件を検出するためには、当該計測に実際に用いた横断面画像フレーム及び縦断面画像フレーム(すなわち、左右径「a」、前後径「b」及び上下径「c」の計測の元となった各断面画像に対応するフレーム)の撮影タイミングにおける超音波診断画像処理プローブ装置10の傾きや圧力等を検知することが望ましい。このため、本実施形態において利用条件検出部184は、ステップSa3及び8において画像処理部183が各断面に対応するデータを生成する際に、画像処理部183と連動しつつ、各フレームの撮影タイミングにおける自機の傾きや振動子アレイ11設置面に印加された圧力値等を検出し、当該検出値を示すデータを各フレームに対応する超音波診断画像データと対応付けて記憶部15に記憶させる構成になっている。そして、利用条件検出部184は、ステップSa12において尿量を計測する際に、記憶部15に記憶済のデータを利用して利用条件情報を生成し、記憶部15に記憶させる。このとき、利用条件検出部184は、膀胱の左右径「a」、前後径「b」及び上下径「c」として各フレームから計測された各内径の平均値を用いる場合には、各フレームの撮影タイミングにおける傾きや圧力等の検出値の平均値を算出して、当該算出値を利用条件情報として用いる。一方、膀胱の最大断面が写り込んだフレームにおける計測値を左右径「a」等として用いる場合、利用条件検出部184は、当該フレームの撮影タイミングにおける圧力等の検出値を利用条件情報として用いて、計測履歴情報を生成することが望ましい。なお、本実施形態の利用条件検出部184は、統制部182及び画像処理部183と連動して、例えば、本発明の「検出手段」を構成する。
そして、利用条件検出部184は、統制部182と連動しつつ、ステップSa14における計測結果の表示時、前回計測時の計測履歴情報を読み出して、図9及び10に例示するように今回計測時の利用条件情報と対応付けつつ対比可能な形態で表示部16に表示させる。
この結果、表示部16には、図9及び10に例示するように、尿量計測値のインジケータとともに、今回と前回の尿量計測値及び利用条件情報が対比可能な状態にて表示される。なお、図9には、動き検知センサ191として傾斜センサを利用し、(1)尿量計測時における超音波診断画像処理プローブ装置10の傾きと、(2)尿量計測時に振動子アレイ11設置面に印加された圧力値と、を検知して表示する場合の表示例を示すとともに、図10には、動き検知センサ191として三軸加速度センサを利用し、(1)尿量計測時のXYZの各軸方向への加速度の変化状態と、(2)尿量計測時に振動子アレイ11設置面に印加された圧力値と、を検知して表示する場合の表示例を示している。
以上説明したように本実施形態によれば、超音波診断画像処理プローブ装置10の記憶部15内に計測履歴情報のDBを構築して、前回計測時の利用条件や計測結果と対比可能に表示することができるので、利用条件の違いを把握しつつ、被検者の健康状態の変化状況を的確に管理して、被検者の健康状態を適切に維持、管理することができる。また、本実施形態の構成により、記憶部15内に計測履歴情報のDBが構築され、DB内の計測履歴情報を必要に応じて参照できる。この結果、本実施形態によれば、被検者の健康状態の推移をユーザが的確に把握して、被検者の健康状態を適切に維持、管理することができる。さらに、本実施形態の構成によれば、前回計測時にマーキングした箇所に前回計測時と同じ傾き・圧力の条件でプローブを着接することが出来るので、表示装置20を用いなくても手軽に、且つ、高精度に尿量を計測することができる。
[C]変形例
[C1]変形例1
上記実施形態においては超音波診断画像処理プローブ装置10の生成した超音波診断画像データに基づき、被検体の横断面画像及び縦断面画像を表示装置20にて表示させつつ、位置決めを行う構成としたが、1度尿量を計測した被検者に関しては、1度目の計測時に決めた振動子アレイ11の着接位置をシール等でマーキングしておくことによって、容易に位置決めができるので、表示装置20を用いることは必須とならない。
この場合には、表示装置20に超音波診断画像を表示して位置調整を行うことなく、図5及び6と同様の処理を実行して、超音波診断画像処理プローブ装置10単体で尿量を計測し(ステップSa12)、計測結果を記憶しつつ表示する(ステップSa13及びSa14)構成にすればよい。また、この場合に、ユーザは、ステップSa1及びSa7の表示に従い、シール等でマーキングした位置に図2(B)及び図3(B)のように振動子アレイ11を着接させつつ被検体を走査させるようにすればよい。
さらに、この場合、ステップSa4の画像領域抽出処理において、膀胱の写り込んだ画像領域を抽出する際に、着接位置が適切な状態になっているか否かを画像処理部183が判定して、適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を表示部16に行う機能を設けることも可能である。なお、この場合に着接位置が適切であるか否かを判定する方法は任意である。例えば、着接位置が適切か否かを判定するための枠(図11参照)を予め用意しておき、この枠内に膀胱断面の写り込んだ画像領域全体が収まっているか否かに応じて着接位置が適切か否かを判定するようにしてもよい。この場合、図11(A)のように膀胱断面の全体が枠内に収まっている場合に、着接位置が適切であると判定する一方、図11(B)のように膀胱断面が枠からはみ出して、枠のいずれかの辺に膀胱断面が重なっている場合には、着接位置が不適切であると判定するようにすればよい。
ここで、枠のいずれかの辺が膀胱断面と重なっている場合、その辺の境界部分に輝度の低い領域が一定値以上存在するとともに、反対側の辺の境界部分には輝度の低い領域が存在しない状態となる。例えば、図11(B)のように膀胱断面が枠に対して左側にずれて膀胱断面が左辺と重なっている場合、左辺の境界部分に輝度の低い領域が一定値以上現れるとともに、右辺の境界領域には輝度の低い領域が存在しない状態となる。一方、膀胱断面が枠に対して右側にずれて、枠の右辺に重なっている場合、右辺の境界に輝度の低い領域が一定値以上現れるとともに、左辺の境界には輝度が低い領域が存在しない状態となる。膀胱断面が上下方向にずれて上辺又は下辺に重なっている場合も同様に、この枠において膀胱断面と重なっている側の辺の境界に輝度の低い領域が一定値以上存在し、反対側の辺の境界には輝度が低い領域が存在しない状態になる。
従って、画像領域抽出処理において画像処理部183が、この枠の各辺における輝度値を計測することにより、膀胱断面が枠内に収まっているか否かを判定できるとともに、いずれの方向にずれているのかに関しても特定できる。このため、本方法を採用する場合、画像処理部183が、当該枠の各辺における輝度値を計測して、膀胱断面が枠内に収まっているか否かを判定し、着接位置の調整の要否を判定しつつ、表示部16に調整の要否を表示させるようにすればよい。また、この場合に、膀胱断面のずれている方向に応じて、着接位置の調整方向をユーザに指示する文字列を表示部16に表示することにより、位置調整の精度をさらに向上させつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、図11(B)のように枠の左辺に膀胱断面が重なっている場合には、「プローブを右方向に動かして下さい、」等の文字列を表示する構成とすれば、位置調整の精度を向上させつつ、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、この場合における画像処理部183は、例えば、本発明の「着接位置判定手段」を構成する。
本変形例によれば、超音波診断画像処理プローブ装置10単体で被検者膀胱内の尿量を手軽に、且つ、高精度に計測して計測結果を表示できるので利便性を格段に向上させることができる。
[C2]変形例2
次いで、図12を用いて本発明の変形例2について説明する。なお、図12は、本変形例の超音波診断画像処理プローブ装置10に搭載する振動子アレイ11Bを送受信面111側から見た正面図である。また、本変形例は、基本的に上記各実施形態における超音波診断画像処理プローブ装置10の振動子アレイ11を図12に示す構成に変更している点以外は、図4及び8と同様の構成を有する超音波診断画像処理プローブ装置10によって実現されるので、以下、上記実施形態と異なる点についてのみ説明を行う。さらに、図12においては、図面が煩雑になることを防止するため振動子アレイ11Bを構成する超音波振動子112の一部のみを示している。すなわち、実際の振動子アレイ11Bは、図示するよりも多くの超音波振動子112によって構成されている。
ここで、上記各実施形態の超音波診断画像処理プローブ装置10A及び10Bは、128個の超音波振動子112を一列に配列した振動子アレイ11Aを用いる構成を採用していた。これに対して本変形例の超音波診断画像処理プローブ装置10Bは、図12に示すように、XYの各軸方向に超音波振動子112を128個ずつ合計256個配列した十字型の振動子アレイ11Bを用いる構成を採用している。また、本変形例においては、横方向走査開始ボタン及び縦方向走査開始ボタンの2つのボタンに換えて、1つの走査開始ボタンのみが操作部14に設けられており、図5ステップSa1において、制御部18は、例えば、「被検者IDの入力後、プローブを恥骨上部に当てて、走査開始ボタンを操作して下さい。」等の文字列を表示部16に表示させるようになっている。
そして、ユーザがこの表示に従って被検者IDを入力した後、十字型の振動子アレイ11Bの送受信面111を被検者の恥骨上部に着接させて走査開始ボタンを操作すると、制御部18は、ステップSa3において、X軸及びY軸のいずれか一方(例えばX軸)に沿って配設された超音波振動子112を用いつつ、図2(B)のように被検体を横方向に走査して、横断面画像データを取得する。そして、制御部18は、この横断面画像データに基づきステップSa4~6の処理を実行して、左右径「a」を計測、記憶した後、ステップSa7の表示処理を行うことなく、今度は、もう一方の軸(例えば、Y軸)方向に配列された超音波振動子112を用いて、被検体を図3(B)のように縦方向に走査して縦断面画像データを取得する。(ステップSa8)、画像処理部183は、このようにして取得した縦断面画像データに基づき、ステップSa9~14の処理を実行して、前後径「b」及び上下径「c」を計測するとともに尿量を算出し、尿量の計測結果を記憶して、表示する。なお、この際の動作は、上記各実施形態と同様である。
本変形例によれば、ユーザは、一度被検体に超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させれば、膀胱内の尿量を一度の操作で計測できるので、より手軽に膀胱内の尿量を計測することができる。なお、振動子アレイ11Bにおいて両軸に沿って配列された超音波振動子112は、超音波診断画像処理プローブ装置10を90°回転させると、位置関係が入れ替わるので、X及びYのいずれの軸に沿って配列された超音波振動子112を用いて横方向及び縦方向の走査を行ってもよいことは言うまでもない。また、先に縦方向の走査により、前後径「b」及び上下径「c」を計測した後、横方向の走査により、左右径「a」を計測して、当該計測値を式1に代入して膀胱内の尿量を計測することも可能である。要は、被検体となる膀胱の横断面及び縦断面の各断面に対応する超音波診断画像データから膀胱の左右、前後及び上下の各径を計測できれば、手順は、上記に限定されない。さらに、本変形例における横方向及び縦方向は、例えば、本発明の「第1及び第2方向」に相当する。
[C3]変形例3
上記各実施形態及び変形例においては、画像診断に利用可能な画像解像度を確保するため128個の超音波振動子112を一列に配列し、又は、十字型に合計256個配列した振動子アレイ11を用いたが、画像診断に用いず、単に被検体のサイズパラメータを計測する機能のみを実現する場合には、一列に64個の超音波振動子112を配列した振動子アレイ11又はXYの各軸方向に64個ずつ十字型に配列した振動子アレイ11Bを用いるようにしてもよい。この構成を採用した場合であっても、超音波診断画像処理プローブ装置10の高精度な位置決めに必要な程度の解像度を有する超音波診断画像データを生成できるとともに、サイズパラメータの値を高精度に計測可能な解像度を確保することができる。この構成により、超音波診断画像処理プローブ装置10の構成を簡略化しつつ、高精度なサイズパラメータの計測を実現できる。
[C4]変形例4
上記実施形態においては、被検者の膀胱を被検体として、膀胱内の尿量を計測する場合を例に説明を行ったが、被検体となる被検者の組織等は、これに限定されず、心臓や腎臓、前立腺等の臓器や他の組織を被検体としつつ、その長さ、面積、体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測することも可能である。この場合には、(1)操作部14に被検体となる組織等を指定するボタンを設けるとともに、(2)記憶部15に、対象組織等毎に(1)計測対象となる各種組織等の形状モデル(抽出条件)を示す抽出条件データと、(2)当該計測対象組織等のサイズパラメータを計測する際の計測条件を示す計測条件データ(例えば、膀胱の場合における図2(C)及び3(C)に例示する各径の定義付を示すデータや式1等を定義するデータ)と、を予め記憶しておく構成を採用する。なお、例えば本変形例における抽出条件データ及び計測条件データは、各々、本発明の「抽出条件情報」及び「計測条件情報」に相当し、両データを含む情報が「条件情報」に相当するとともに、画像処理部183が記憶部15と連動して本発明の「取得手段」を構成する。
また、本変形例において画像処理部183は、ステップSa1において、例えば、「被検者IDの入力後、計測対象部位を指定して、横方向走査開始ボタンを操作して下さい。」等の文字列を表示部16に表示させる。そして、ユーザが被検者IDとともに計測対象となる組織等を指定すると、画像処理部183は、ステップSa4及び9の画像領域抽出処理において、ユーザの指定した計測対象組織等に対応する抽出条件データを記憶部15から読み出しつつ、計測対象となる組織等の写り込んだ画像領域を抽出するようにする。このとき、画像処理部183は、当該抽出した画像領域の境界をトレースしつつ、対象組織等に対応する計測条件データに基づき、ステップSa6及びSa11を実行して対象組織等の各径「a」、「b」及び「c」を計測するとともに、対象組織等の体積を算出する構成とすればよい(ステップSa12)。なお、この際の処理及び他のステップの処理は基本的に図5及び6と同様である。また、この場合、操作部14にサイズパラメータを計測可能な組織等を選択するためのボタン(例えば、「膀胱」、「前立腺」等のボタン)を設け、このボタンに対する入力操作に応じて対象組織等を特定しつつ、当該特定された種別の組織等に対応する抽出条件データ及び計測条件データを記憶部15から読み出しつつ利用する構成にすればよい。
但し、この場合、画像処理部183がステップSa12にて体積を計測するためには計測対象となる組織等に応じて、上記式1を以下のように適切なものに変更することが必要となる。
(1)前立腺、肝臓、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓、子宮、卵巣、腹部大動脈、腫瘍等、楕円近似できる組織等を被検体としつつ体積を計測する場合
この場合には、回転楕円体に関する以下の式2を用いて体積を算出することが必要となる。
対象組織等の体積=(a×b×c×π)÷6・・・(式2)
なお、式2において、「a」、「b」及び「c」は、各々、対象組織等の左右径、前後径及び上下径の計測値である。
そして、ステップSa12において画像処理部183は、対象組織等に対応する計測条件データに基づき横断面及び縦断面の各画像フレームから計測した左右径「a」、前後径「b」及び上下径「c」の計測値を、対象組織等に対応する計測条件データに基づき、上記式2に代入して、その体積を算出する構成とすればよい。なお、被検体となる組織等に応じて超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させる位置が図2(B)及び図3(B)から変化するので、ユーザは、被検体となる組織等に応じて、超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させる位置及び走査方向を適切に変更して、当該被検体の横断面及び縦断面の各画像を撮影するようにすればよい。この場合における超音波診断画像処理プローブ装置10の着接位置の調整手法は、上記各実施形態及び変形例と同様であり、対象組織等を撮影可能な位置に超音波診断画像処理プローブ装置10を着接させつつ、表示装置20において対応する画像を表示させて、着接位置の調整を行うようにしてもよく、着接位置の調整方向をユーザに提示するようにしてもよい。また、計測対象組織等の面積を算出する場合に関しては、ステップSa12において面積を算出するための公知の数式に各径「a」、「b」及び「c」の計測値を代入して算出するようにすればよく、組織等の長さに関しては、計測値「a」、「b」及び「c」のいずれかの値をそのまま長さに関するサイズパラメータの計測値とするようにすればよい。
また、本変形例の構成において、超音波診断画像データから被検体となる組織等が何の組織であるのかを特定するための機械学習モデルを表示装置20又は図示せぬネットワーク上のサーバに設け、ステップSa3において最初に撮影された横断面画像フレームのデータを超音波診断画像処理プローブ装置10から表示装置20又はこのサーバに送信して、表示装置20又はサーバにて被検体となる組織等を自動的に特定し、当該特定した組織等に関する抽出条件データ及び計測条件データを表示装置20又はこのサーバから超音波診断画像処理プローブ装置10に配信する構成としてもよい。この場合、制御部18は、ステップSa4及び9の画像領域抽出処理において表示装置20又はサーバから取得した抽出条件データに基づき、計測対象となる組織等の写り込んだ画像領域を抽出するとともに、ステップSa6、11及び12においては、当該取得した計測条件データに基づき、被検体の各径「a」、「b」及び「c」を計測しつつ、その体積を算出する構成とすればよい。なお、本変形例においてユーザに被検体種別を指定させる場合には、操作部14、記憶部15及び制御部18が本発明の「特定手段」及び「取得手段」を構成する一方、機械学習モデルを利用する場合には、表示装置20又はサーバ装置から特定結果に対応する抽出条件データ及び計測条件データを取得(受信)する通信部16及び制御部18が「特定手段」及び「取得手段」を構成する。
[C5]変形例5
上記各実施形態及び変形例においては、超音波診断画像処理プローブ装置10の操作部14に横方向走査開始ボタン及び縦方向走査開始ボタンを別個に設け、横断面画像データの生成と縦断面画像データの生成をボタン操作で切り替える構成としたが、これらに換えて1つの操作ボタンのみを設ける構成としてもよい。この場合、当該ボタンが操作された場合に、統制部182が、自動的に撮影対象が横断面であるか縦断面であるかを判別して、当該断面(例えば横断面)の撮影が完了し、対応する超音波診断画像データが記憶部15に記憶済になった時点で、超音波診断画像処理プローブ装置10の着接させる方向(図2及び3(B)の走査方向参照)の変更を音または表示でユーザに報知し、着接方向の変更後、もう一度、当該ボタンを操作させ、他方の断面(例えば縦断面)の撮影に移行する構成としてもよい。
なお、この場合に統制部182が撮影対象断面を自動判別する方法は任意であり、例えば、(1)先に横断面、後に縦断面を撮影、又は、(2)先に縦断面、後に縦断面を撮影等と撮影順序を予め規定しておき、当該規定された順序に従って、最初に撮影された断面が横断面及び縦断面のいずれであるのかを自動判別するようにしてもよく、超音波診断画像処理プローブ装置10に加速度センサ等を設け、超音波診断画像処理プローブ装置10の向きや傾きに基づき、撮影対象が横断面及び縦断面のいずれであるのかを自動判別するようにしてもよい。そして、両断面画像の撮影が完了し、対応する超音波診断画像データが記憶済の状態になると、再度音または表示で走査完了した旨を知らせて、尿量を計測し、尿量の計測結果を表示する構成を採用してもよい。本構成により、操作部14の構成を簡略化できるとともに、ユーザの利便性を向上させることができる。
1…超音波画像診断システム、10、10A、10B…超音波診断画像処理プローブ装置、11…振動子アレイ、111…送受信面、112…超音波振動子、12…駆動部、13…音波受信部、14…操作部、15…記憶部、16…表示部、17…通信部、18…制御部、181…信号処理部、182…統制部、183…画像処理部、184…利用条件検出部、19…センサ部、191…動き検知センサ、192…押し圧センサ

Claims (11)

  1. 被検体に所定周波数帯の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成し、外部の表示装置に出力する超音波診断画像処理プローブ装置であって、
    複数の振動子によって構成され、入力された電気信号である入力駆動信号を振動に変換して、前記音波を送信するとともに、当該音波の前記被検体におけるエコーを受信して、当該エコーに対応する電気信号を出力信号として出力する音波送受信手段と、
    前記入力駆動信号を前記音波送受信手段に入力して前記音波を送信させる駆動手段と、
    前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段と、
    前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段と、
    前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段と、
    前記表示装置と有線又は無線により通信接続され、前記生成された前記超音波診断画像データを前記表示装置に送信する通信手段と、
    を有する、ことを特徴とする超音波診断画像処理プローブ装置。
  2. 前記生成手段が、
    (1)前記音波により前記被検体を横方向に走査した場合に、当該横方向の走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の横断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成する一方、
    (2)前記音波により前記被検体を縦方向に走査した場合に、当該縦方向の走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の縦断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成し、
    前記抽出手段が、
    前記生成された横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、
    前記計測手段が、
    前記抽出された前記画像領域の各々に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する、請求項1に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  3. 前記音波送受信手段が、
    X軸及びY軸の各方向に沿って十字型に配列された複数の前記振動子によって構成され、
    前記駆動手段が、
    (a)前記X軸及びY軸のいずれか一方の軸に沿って配列された振動子群に対して前記入力駆動信号を入力し、前記音波により前記被検体を前記横方向及び縦方向のいずれかの方向である第1方向に走査させた後、(b)他方の軸に沿って配列された前記振動子群に対して前記入力駆動信号を入力し、前記音波により前記被検体を他方の方向である第2方向に走査させるとともに、
    前記生成手段が、
    前記第1方向及び第2方向への走査に伴うエコーに対応する前記出力信号に基づき、前記被検体の横断面画像及び縦断面画像に対応する前記超音波診断画像データを生成する一方、
    前記抽出手段が、
    前記生成された横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、
    前記計測手段が、
    前記横断面画像及び縦断面画像から抽出された前記画像領域の各々に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する、請求項2に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  4. 前記サイズパラメータの計測対象となる被検体の種別を特定する特定手段と、
    (A)当該特定された種別の被検体の写り込んだ画像領域を前記超音波診断画像データから抽出するための抽出条件情報と、(B)前記特定された種別の被検体の前記サイズパラメータを前記抽出された画像領域に基づき計測するための計測条件情報と、を含む条件情報を取得する取得手段と、
    をさらに有し、
    前記抽出手段が、
    前記横断面画像及び縦断面画像の各々に対応する超音波診断画像データに対して前記取得された抽出条件情報に基づく信号処理を施し、横断面画像及び縦断面画像の各々において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出し、
    前記計測手段が、
    前記横断面画像及び縦断面画像から抽出された前記画像領域の各々と、前記取得された計測条件情報と、に基づき、前記被検体の横方向、縦方向及び奥行き方向の各サイズを計測して、当該計測値に基づき、当該被検体の体積を算出する、請求項2又は3に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  5. 前記サイズパラメータの計測時における自機の利用条件を示すセンサ信号を出力するセンサと、
    前記センサ信号に基づき、(1)自機の傾き、(2)加速度及び(3)前記振動子設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を、前記サイズパラメータ値の計測時における自機の利用条件を示す利用条件情報として検出する検出手段と、
    をさらに有し、
    前記検出手段が、
    前記被検体のサイズパラメータ値を計測する都度、当該計測時における利用条件情報を検出し、(A)当該検出した利用条件情報と、(B)当該被検体を識別するための識別情報と、(C)計測日時を示す日時情報と、(D)前記計測したサイズパラメータ値と、を対応付けつつ計測履歴情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、前回計測時に得られ、前記記憶手段に記憶済の前記計測情報を読み出し、今回計測時に得られた前記サイズパラメータ値及び利用条件情報と対比付けて、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において表示させる請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  6. 前記サイズパラメータの計測時における自機の利用条件を示すセンサ信号を出力するセンサと、
    前記センサ信号に基づき、(1)自機の傾き、(2)加速度及び(3)前記振動子設置面に印加された圧力の少なくとも1の値を、前記サイズパラメータ値の計測時における自機の利用条件を示す利用条件情報として検出する検出手段と、
    をさらに有し、
    前記検出手段が、
    前記被検体のサイズパラメータ値を計測する都度、当該計測時における利用条件情報を検出し、(A)当該検出した利用条件情報と、(B)当該被検体を識別するための識別情報と、(C)計測日時を示す日時情報と、(D)前記計測したサイズパラメータ値と、を対応付けつつ計測履歴情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、前回計測時に得られ、前記記憶手段に記憶済の前記計測情報を読み出し、今回計測時に得られた前記サイズパラメータ値及び利用条件情報と対比付けて、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において表示させる、請求項4に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  7. (1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  8. (1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさらに有する、請求項4に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  9. (1)前記被検体に対する自機の着接位置が適切であるか否かを判定するとともに、(2)着接位置が不適切である場合に適切な着接位置へとユーザをガイドする表示を自機の表示手段に表示させる着接位置判定手段をさらに有する、請求項5に記載の超音波診断画像処理プローブ装置。
  10. 被検体に所定周波数帯の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成する超音波診断画像処理プローブ装置と、
    前記超音波診断画像処理プローブ装置において生成された前記超音波診断画像データを有線又は無線により取得して、当該データに基づき被検体の超音波診断画像を表示する表示装置と、
    を有する超音波画像診断システムであって、
    前記超音波診断画像処理プローブ装置が、
    複数の振動子によって構成され、入力された電気信号である入力駆動信号を振動に変換して、前記音波を送信するとともに、当該音波の前記被検体におけるエコーを受信して、当該エコーに対応する電気信号を出力信号として出力する音波送受信手段と、
    前記入力駆動信号を前記音波送受信手段に入力して前記音波を送信させる駆動手段と、
    前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段と、
    前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段と、
    前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段と、
    前記表示装置と有線又は無線により通信接続され、前記生成された前記超音波診断画像データを前記表示装置に送信する通信手段と、
    を有する、ことを特徴とする超音波画像診断システム。
  11. 被検体に所定周波数の音波を送信するとともに当該音波の被検体におけるエコーを受信することにより前記被検体を撮影した複数の超音波診断画像フレームからなる超音波診断画像データを生成し、当該生成した超音波診断画像データを外部の表示装置に有線又は無線により送信して表示させる超音波診断画像処理プローブ装置として機能するコンピュータを、
    前記出力信号に基づき前記超音波診断画像データを生成する生成手段、
    前記生成された超音波診断画像データに所定の信号処理を施し、対応する超音波診断画像において前記被検体の写り込んだ画像領域を抽出する抽出手段、
    前記抽出した画像領域に基づき、当該被検体の長さ、面積及び体積の少なくとも1のサイズパラメータの値を計測して、当該計測したサイズパラメータ値を、記憶手段に記憶させつつ、自機及び前記表示装置の少なくとも一方において文字及び画像の少なくとも一方を用いて表示させる計測手段、
    前記生成された超音波診断画像データの前記表示装置に対する送信を制御する通信制御手段、
    として機能させる、ことを特徴とするプログラム。

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