JP2024017214A - 回路装置及び発振器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024017214000001
【課題】出力回路の状態に応じた適切な温度補償を実現できる回路装置等の提供。
【解決手段】回路装置20は、振動子10によりクロック信号を生成するクロック信号生成回路28と、第1状態又は第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、出力クロック信号を出力する出力回路80と、温度検出信号に基づきクロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路40を含む。出力回路80が第1状態で動作するとき、温度補償回路40は出力回路80が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路28は第1温度補償信号に基づきクロック信号を生成し、出力回路80が第2状態で動作するとき、温度補償回路40は出力回路80が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第2温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路28は第2温度補償信号に基づきクロック信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路装置及び発振器等に関する。
水晶振動子等の振動子を発振させてクロック信号を生成する回路装置では、クロック信号の周波数の温度補償が行われる。例えば特許文献1には、温度補償電圧を、温度方向にオフセットする回路及び電圧方向にオフセットする回路を設けることで、圧電型の振動子のヒステリシス特性を補償可能とした圧電発振器用オフセット回路が開示されている。
特開2011-234086公報
しかしながら、特許文献1には、ヒステリシスを補償することについては記載されているが、回路装置の出力回路の状態の変化による影響については考慮されていなかった。
本開示の一態様は、振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、第1状態、又は前記第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、前記クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、温度センサーからの温度検出信号に基づいて、前記クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路と、を含み、前記出力回路が前記第1状態で動作するとき、前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第1状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、前記クロック信号生成回路は、前記第1温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成し、前記出力回路が前記第2状態で動作するとき、前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第2状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償し且つ前記第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、前記クロック信号生成回路は、前記第2温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成する回路装置に関係する。
また本開示の一態様は、振動子と、回路装置を含み、前記回路装置は、前記振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、第1状態、又は前記第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、前記クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、温度センサーからの温度検出信号に基づいて、前記クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路と、を含み、前記出力回路が前記第1状態で動作するとき、前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第1状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、前記クロック信号生成回路は、前記第1温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成し、前記出力回路が前記第2状態で動作するとき、前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第2状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償し且つ前記第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、前記クロック信号生成回路は、前記第2温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成する発振器に関係する。
本実施形態の回路装置、発振器の構成例。 発熱前後の周波数温度特性の説明図。 本実施形態の回路装置、発振器の詳細な構成例。 温度補償信号の生成手法の説明図。 温度補償回路の構成例。 温度センサーの第1構成例。 温度センサーの第2構成例。 温度検出電圧のオフセットによる温度補償の補正の説明図。 関数電流生成回路の構成例。 関数電流の生成手法の説明図。 本実施形態の回路装置、発振器の詳細な他の構成例。 本実施形態の回路装置、発振器の詳細な他の構成例。 PLL回路の構成例。 温度検出信号に基づく発振周波数の温度補償の例についての説明図。 温度検出信号に基づく発振周波数の温度補償の例についての説明図。 本実施形態の回路装置、発振器の第1変形例。 出力回路のスルーレート制御回路の構成例。 本実施形態の回路装置、発振器の第2変形例。 シングルシールパッケージの発振器の構造例。 H型パッケージの発振器の構造例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.回路装置
図1に本実施形態の回路装置20の構成例を示す。本実施形態の回路装置20は、クロック信号生成回路28と温度補償回路40と出力回路80を含む。また本実施形態の発振器4は振動子10と回路装置20を含む。振動子10は回路装置20に電気的に接続されている。
振動子10は、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子10は、例えば水晶振動片などの振動片により実現できる。例えば振動子10は、カット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動片、音叉型水晶振動片、又は双音叉型水晶振動片などにより実現できる。例えば振動子10は、恒温槽を備えない温度補償型水晶発振器(TCXO)に内蔵されている振動子であってもよいし、恒温槽を備える恒温槽型水晶発振器(OCXO)に内蔵されている振動子であってもよい。なお本実施形態の振動子10は、例えば厚みすべり振動型、音叉型又は双音叉型以外の振動片や、水晶以外の材料で形成された圧電振動片などの種々の振動片により実現することも可能である。例えば振動子10として、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用することも可能である。
回路装置20は、IC(Integrated Circuit)と呼ばれる集積回路装置である。例えば回路装置20は、半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。なお本実施形態の回路装置20は2つ以上の半導体チップで実現されてもよい。
クロック信号生成回路28は、振動子10を用いてクロック信号CKを生成する回路である。具体的にはクロック信号生成回路28は、振動子10を発振させた発振信号に基づくクロック信号CKを生成する。例えばクロック信号生成回路28は、振動子10を発振させる発振回路を有しており、この発振回路により生成された発振信号に基づくクロック信号CKを生成する。或いは、発振回路の後段に、発振信号の周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを生成するPLL回路等の信号生成回路を設け、クロック信号生成回路28が、この信号生成回路により生成されたクロック信号CKを出力するようにしてもよい。
出力回路80は、クロック信号CKが入力されて、出力クロック信号CKQを出力する。例えば出力回路80は、クロック信号CKをバッファリングして、出力クロック信号CKQとして、回路装置20のパッドPCKに出力する。これにより出力クロック信号CKQがパッドPCKを介して外部に出力されるようになる。例えば出力回路80は種々の信号形式で出力クロック信号CKQを出力できる。例えば出力回路80は、シングルエンドのCMOSの信号形式で出力クロック信号CKQを出力したり、或いはCMOS以外の信号形式で出力クロック信号CKQを出力してもよい。例えば出力回路80は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)、PECL(Positive Emitter Coupled Logic)、HCSL(High Speed Current Steering Logic)、又は差動のCMOS(Complementary MOS)等の信号形式で、差動の出力クロック信号CKQを外部に出力してもよい。
そして本実施形態では出力回路80は、第1状態、又は第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、クロック信号CKに基づいて少なくとも1つの出力クロック信号CKQを出力する。例えば出力回路80が、第2状態で動作して出力クロック信号CKQを出力しているときの消費電流は、第1状態で動作しているときの消費電流よりも多かったり、或いは少なかったりする。出力回路80の第1状態、第2状態は、出力回路80の動作モードの状態や、或いは出力クロック信号CKQの出力先である外部の負荷の状態などである。なお出力回路80は、例えば第1状態、第2状態を含む2以上の複数の状態のいずれかの状態で動作可能であり、例えば第1状態、第2状態とは消費電流が異なる第3状態等で動作してもよい。また図1では出力回路80は、クロック信号CKに基づいて1つの出力クロック信号CKQを出力しているが、後述するように複数の出力クロック信号を出力してもよい。
温度補償回路40はクロック周波数の温度補償を行うための回路である。具体的には温度補償回路40は、不図示の温度センサーからの温度検出信号STSに基づいて、クロック信号CKの周波数温度特性を補償する。温度センサーは、例えば回路装置20の温度検出回路により実現してもよいし、回路装置20の半導体チップの近傍に設けられる温度検出素子により実現してもよい。また複数の温度センサーを用いてもよい。また温度補償は、温度変動によるクロック周波数の変動を抑制して補償する処理である。即ち温度補償回路40は、温度変動があった場合にもクロック信号CKの周波数が一定になるように、クロック信号生成回路28のクロック周波数の温度補償を行う。例えば温度補償回路40は、クロック信号生成回路28が有する発振回路の発振周波数の温度補償を行うことで、クロック周波数の温度補償を行ってもよいし、クロック信号生成回路28が有するPLL回路に対する温度補償処理により、クロック周波数の温度補償を行ってもよい。例えば温度補償回路40は、発振回路の可変容量回路等に対して温度補償電圧を出力することで、クロック周波数の温度補償を行ったり、PLL回路の分周比設定信号の設定により、クロック周波数の温度補償を行う。
そして本実施形態では、温度補償回路40は、出力回路80の第1状態に対応した第1温度補償信号SCP1や、出力回路80の第2状態に対応した第2温度補償信号SCP2を生成して、クロック信号生成回路28に出力する。そしてクロック信号生成回路28は、温度補償回路40からの第1温度補償信号SCP1又は第2温度補償信号SCP2に基づき温度補償されたクロック信号CKを生成する。なお温度補償回路40は、第1温度補償信号SCP1又は第2温度補償信号SCP2を含む2以上の複数の温度補償信号を生成可能であり、例えば出力回路80の第3状態に対応した第3温度補償信号などを生成してもよい。
具体的には、図1に示すように、出力回路80が第1状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路80が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1温度補償信号SCP1を出力する。例えば温度補償回路40は、出力回路80が第1状態で動作し、消費電流が第1消費電流であるときの温度変動によるクロック周波数の変動を抑制する第1温度補償信号SCP1を生成して出力する。そしてクロック信号生成回路28は、このようにして生成された第1温度補償信号SCP1に基づいてクロック信号CKを生成する。
一方、出力回路80が第2状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路80が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償し且つ第1温度補償信号SCP1とは異なる第2温度補償信号SCP2を出力する。例えば温度補償回路40は、出力回路80が第2状態で動作し、消費電流が第2消費電流であるときの温度変動によるクロック周波数の変動を抑制する第2温度補償信号SCP2を生成して出力する。そしてクロック信号生成回路28は、このようにして生成された第2温度補償信号SCP2に基づいてクロック信号CKを生成する。
このように本実施形態によれば、出力回路80が第1状態で動作し、回路装置20の消費電流が第1消費電流であるときには、温度補償回路40が第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1を生成する。例えば温度補償回路40は、第1消費電流が流れて第1発熱状態になったときの周波数温度特性を補償する第1温度補償信号SCP1を生成する。そしてクロック信号生成回路28が第1温度補償信号SCP1に基づき温度補償されたクロック信号CKを生成する。一方、出力回路80が第2状態で動作し、回路装置20の消費電流が第1消費電流とは異なる第2消費電流であるときには、温度補償回路40が第2状態に対応する第2温度補償信号SCP2を生成する。例えば温度補償回路40は、第2消費電流が流れて第2発熱状態になったときの周波数温度特性を補償する第2温度補償信号SCP2を生成する。そしてクロック信号生成回路28が第2温度補償信号SCP2に基づき温度補償されたクロック信号CKを生成する。このようにすれば、出力回路80が第1状態で動作し、第1消費電流が流れて第1発熱状態になったときには、第1発熱状態用の第1温度補償信号SCP1に基づき温度補償されたクロック信号CKを生成できるようになる。また出力回路80が第2状態で動作し、第2消費電流が流れて第2発熱状態になったときには、第2発熱状態用の第2温度補償信号SCP2に基づき温度補償されたクロック信号CKを生成できるようになる。従って、出力回路80の各状態に応じた適切な温度補償信号でクロック信号CKの周波数温度特性を補償できるようになり、出力クロック信号CKQの周波数温度特性を向上できるようになる。
振動子10を発振させて出力クロック信号CKQを出力する回路装置20では、出力回路80の状態が変わると、回路装置20の消費電流が変化し、発熱量が変化する。そして回路装置20の発熱量が変化すると、例えば後述する温度センサー48と振動子10の温度差が原因で、温度補償された周波数がずれてしまう。従って、回路装置20の発熱状態に合わせた温度補償が必要になる。
例えば図2は発熱の前後の周波数温度特性の説明図である。図2のA1は、調整時におけるクロック信号周波数温度特性であり、発熱前の周波数温度特性である。回路装置20、発振器4の製造、検査時などにおいて、例えばこの周波数温度特性を計測して、A2に示すようにフラットな周波数温度特性になるように、温度補償処理の係数等を決定する。しかしながら、出力回路80の状態の変化により、発熱状態が変化すると、振動子10の周波数温度特性はA3に示すようになる一方で、回路装置20が温度補償しようとする周波数温度特性はA4に示すようになり、両者にずれが生じる。このずれが原因となって、A5に示すように温度補償後の周波数温度特性がフラットではなくなり、例えば2次関数の特性になってしまう。
例えば回路装置20は電力消費より発熱するため、大気温度Taよりも高い温度Tj1となる。また水晶振動子等の振動子10の温度は、回路装置20の温度Tj1と大気温度Taの間の温度Tx1で安定する。そして例えば出力回路80の状態が第1状態から第2状態に変化することで、回路装置20の温度がTj1からTj2に変化すると、振動子10の温度もTx1からTx2へと変化する。このとき、Tj2-Tj1=Tx2-Tx1であれば、Taの変化と同様に温度補償される。しかしながら、実際にはTj2-Tj1>Tx2-Tx1となるため、図2のA3、A4に示すようなずれが生じて、クロック信号の周波数温度特性がA5に示すような特性になってしまう。
例えばΔT=Tj2-Tx2とした場合に、温度補償後の周波数温度特性には、下式(1)に示すように2次係数の特性の周波数のずれが発生する。なお温度補償信号は4次成分や5次成分を含む高次の係数を含んでもよいが、4次以上の係数は3次以下の係数に比べて小さいため、下式(1)では簡略化のために省略している。
Figure 2024017214000002
例えば上式(1)において、B1の項は、発熱後における振動子10の周波数温度特性に対応し、図2のA3に対応する。またB2の項は、発熱後における回路装置20が補償しようとする周波数温度特性に対応し、図2のA4に対応する。従って、上式(1)のB3に示すように、周波数温度特性に2次係数の特性の周波数のずれが発生してしまう。
この点、本実施形態では、出力回路80の状態が第1状態から第2状態に変化して、ΔTの温度差が生じたときに、温度補償信号が第1温度補償信号SCP1から第2温度補償信号SCP2に切り替わる。そして、この第2温度補償信号SCP2により、図2のA2の2次関数特性である2次係数の特性をフラットにするための温度補償が行われる。例えば上式(1)のB3に示す項を無くすような温度補償が行われる。例えば温度補償回路40が、第1温度補償信号SCP1とは温度に対する2次係数の特性が異なる第2温度補償信号SCP2を生成することで、このような温度補償が可能になる。なお第1温度補償信号SCP1と第2温度補償信号SCP2は、少なくとも2次係数の特性が異なればよく、他の次数の特性が異なっていてもよい。図2を例にとり説明すれば、温度補償回路40は、A4に示す周波数温度特性をA3に示す周波数温度特性に近づけるような第2温度補償信号SCP2を生成する。これは温度補償回路40が、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号SCP2を生成することで実現できる。このようにすれば出力回路80が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化した場合にも、適正に温度補償された出力クロック信号CKQを出力できるようになる。
2.アナログ温度補償
図3に本実施形態の回路装置20、発振器4の詳細な構成例を示す。図3では温度補償回路40が、発振回路30の発振周波数をアナログ方式で温度補償することで、クロック周波数の温度補償を実現している。具体的には図3の回路装置20は、クロック信号生成回路28、温度補償回路40、温度センサー48、制御回路60、出力回路80、電源回路90を含む。そしてクロック信号生成回路28は発振回路30を含み、出力回路80は第1バッファー回路81、第2バッファー回路82を含む。また発振器4は、振動子10と回路装置20を含み、振動子10は回路装置20に電気的に接続されている。例えば振動子10及び回路装置20を収納するパッケージの内部配線、ボンディングワイヤー又は金属バンプ等を用いて、振動子10と回路装置20は電気的に接続されている。なお回路装置20、発振器4は図3の構成には限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に置き換えるなどの種々の変形実施が可能である。後述する他の詳細な構成例においても同様である。
また回路装置20はパッドPVDD、PGND、PX1、PX2、POE1、POE2、PCK1、PCK2を含む。パッドは、半導体チップである回路装置20の端子である。例えばパッド領域では、絶縁層であるパシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層により回路装置20の端子であるパッドが構成される。パッドPVDD、PGNDは、各々、電源パッド、グランドパッドである。外部の電源供給デバイスからの電源電圧VDDがパッドPVDDに供給される。パッドPGNDは、グランド電圧であるGNDが供給されるパッドである。GNDはVSSと呼ぶこともでき、グランド電圧は例えば接地電位である。本実施形態ではグランドを、適宜、GNDと記載する。例えばVDDは高電位側電源に対応し、GNDは低電位側電源に対応する。パッドPX1、PX2は、振動子10の接続用のパッドである。パッドPOE1、POE2は、第1イネーブル制御信号OE1、第2イネーブル制御信号OE2の入力用のパッドである。パッドPCK1、PCK2は、第1出力クロック信号CKQ1、第2出力クロック信号CKQ2の出力用のパッドである。パッドPVDD、PGND、POE1、POE2、PCK1、PCK2は、各々、発振器4の外部接続用の外部端子である端子TVDD、TGND、TOE1、TOOE2、TCK1、TCK2に電気的に接続される。例えばこれらの各パッドと各端子は、パッケージの内部配線、ボンディングワイヤー又は金属バンプ等を用いて電気的に接続される。
図3ではクロック信号生成回路28は、発振回路30を含み、発振回路30により生成された発振信号に基づくクロック信号CKを出力する。発振回路30は振動子10を発振させる回路である。例えば発振回路30は、振動子10を発振させることで発振信号を生成する。発振信号は発振クロック信号である。例えば発振回路30は、振動子10の一端及び他端に電気的に接続される発振用の駆動回路と、キャパシターや抵抗などの受動素子により実現できる。駆動回路は、例えばCMOSのインバーター回路やバイポーラートランジスターにより実現できる。駆動回路は、発振回路30のコア回路であり、駆動回路が、振動子10を電圧駆動又は電流駆動することで、振動子10を発振させる。発振回路30としては、例えばインバーター型、ピアース型、コルピッツ型、又はハートレー型などの種々のタイプの発振回路を用いることができる。発振回路30は、パッドPX1、PX2を介して振動子10に電気的に接続される。パッドPX1、PX2は、振動子接続用のパッドである。発振回路30の発振用の駆動回路は、パッドPX1とパッドPX2の間に設けられる。また発振回路30には、可変容量回路が設けられ、この可変容量回路の容量の調整により、発振周波数を調整できるようになっている。可変容量回路は、例えばバラクターなどの可変容量素子により実現できる。例えば可変容量回路は、温度補償信号である温度補償電圧VCPに基づいて容量が制御される可変容量素子により実現できる。或いは可変容量回路を、キャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイとにより実現してもよい。この場合にはスイッチアレイが含む複数のスイッチを例えばデジタルの制御信号によりオン又はオフにすることで、可変容量回路の容量を制御する。なお本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
温度補償回路40は、発振回路30の発振周波数の温度補償を行う。例えば温度補償回路40は、温度センサー48の温度検出信号STSである温度検出電圧に基づいて、発振回路30の発振周波数を温度補償する温度補償電圧VCPを出力する。
具体的には図3では温度補償回路40は、例えば多項式近似によるアナログ方式の温度補償を行う。例えば振動子10の周波数温度特性を補償する温度補償電圧VCPが多項式により近似される場合に、温度補償回路40は、当該多項式の係数情報に基づいてアナログ方式の温度補償を行う。アナログ方式の温度補償は、例えばアナログ信号である電流信号や電圧信号の加算処理等により実現される温度補償である。例えば、高次の多項式により温度補償電圧VCPが近似される場合、多項式の0次係数、1次係数、高次係数が、それぞれ0次補正データ、1次補正データ、高次補正データとして、例えば不揮発性メモリー等により実現される不図示のメモリーに記憶される。高次係数は例えば1次より大きい高次の次数の係数であり、高次補正データは、高次係数に対応する補正データである。例えば3次多項式により温度補償電圧VCPが近似される場合には、多項式の0次係数、1次係数、2次係数、3次係数が、0次補正データ、1次補正データ、2次補正データ、3次補正データとして、記憶部であるメモリーに記憶される。そして温度補償回路40は、0次補正データ~3次補正データに基づいて温度補償を行う。この場合に2次補正データや2次補正データに基づく温度補償については省略してもよい。また例えば5次多項式により温度補償電圧VCPが近似される場合には、多項式の0次係数、1次係数、2次係数、3次係数、4次係数、5次係数が、0次補正データ、1次補正データ、2次補正データ、3次補正データ、4次補正データ、5次補正データとしてメモリーに記憶される。そして温度補償回路40は、0次補正データ~5次補正データに基づいて温度補償を行う。この場合に2次補正データ又は4次補正データや、2次補正データ又は4次補正データに基づく温度補償については省略してもよい。また多項式近似の次数は任意であり、例えば5次よりも大きい次数の多項式近似を行うようにしてもよい。また0次補正を温度センサー48が行うようにしてもよい。
温度センサー48は温度を検出するセンサーである。具体的には温度センサー48は、環境の温度に応じて変化する温度依存電圧を、温度検出信号STSとして出力する。温度検出信号STSは例えば温度検出電圧である。例えば温度センサー48は、温度依存性を有する回路素子を利用して温度検出信号STSを生成する。具体的には温度センサー48は、例えばPN接合の順方向電圧が有する温度依存性を用いることで、温度に依存して電圧が変化する温度検出電圧を温度検出信号STSとして出力する。なお温度センサー48としてデジタル方式の温度センサー回路を用いる変形実施も可能である。この場合には温度検出データをD/A変換して温度検出電圧を生成すればよい。
制御回路60は、例えばロジック回路であり、種々の制御処理を行う。例えば制御回路60は、回路装置20の全体の制御を行ったり、回路装置20の動作シーケンスの制御を行う。また制御回路60は、発振回路30の制御のための各種の処理を行ったり、温度補償回路40、温度センサー48、出力回路80又は電源回路90の制御を行ったり、或いは不図示のメモリーの情報の読み出しや書き込みの制御を行う。制御回路60は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
出力回路80は、クロック信号生成回路28が発振回路30の発振信号に基づき出力するクロック信号CKをバッファリングして出力する回路である。例えば出力回路80は、クロック信号CKをバッファリングして、第1出力クロック信号CKQ1としてパッドPCK1に出力する。また出力回路80は、クロック信号CKをバッファリングして、第2出力クロック信号CKQ2としてパッドPCK2に出力する。例えば出力回路80は第1バッファー回路81と第2バッファー回路82を含み、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力し、第2バッファー回路82が第2出力クロック信号CKQ2を出力する。なお図3では出力回路80が2つの出力クロック信号を出力しているが、3つ以上の出力クロック信号を出力するようにしてもよい。
電源回路90は、パッドPVDDからの電源電圧VDDやパッドPGNDからグランド電圧GNDが供給されて、回路装置20の内部回路用の種々の電源電圧を内部回路に供給する。例えば電源回路90は、電源電圧VDDをレギュレートしたレギュレート電源電圧を、発振回路30等の回路装置20の各回路に供給する。
このように図3では、クロック信号生成回路28は、振動子10を発振させて発振信号を生成する発振回路30を含む。そして温度補償回路40は、上述のようにアナログ温度補償を行う温度補償回路であり、第1温度補償信号SCP1及び第2温度補償信号SCP2として、発振信号の温度補償電圧VCPを発振回路30に出力する。例えば出力回路80が第1状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路80が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1温度補償電圧VCP1を出力する。一方、出力回路80が第2状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償し且つ第1温度補償電圧VCP1とは異なる第2温度補償電圧VCP2を出力する。例えば図4に示すように、第1温度補償電圧VCP1と第2温度補償電圧VCP2は、電圧温度特性が異なっている。例えば第2温度補償電圧VCP2の電圧温度特性は、第1温度補償電圧VCP1を図4のD1に示すように温度方向にシフトとした電圧温度特性になってる。例えば第1温度補償電圧VCP1から第2温度補償電圧VCP2への切替は、制御回路60からの制御信号CCPに基づき行われる。一例としては、温度補償回路40は、制御信号CCPが第1電圧レベルである場合には、温度補償電圧VCPとして、第1電圧温度特性の第1温度補償電圧VCP1を出力する。一方、温度補償回路40は、制御信号CCPが第2電圧レベルである場合には、温度補償電圧VCPとして、第1電圧温度特性とは異なる第2電圧温度特性の第2温度補償電圧VCP2を出力する。
このようにすれば、振動子10を振動させる発振回路30に対して、温度補償回路40が第1温度補償信号SCP1、第2温度補償信号SCP2として温度補償電圧VCPを出力することで、アナログ方式での発振周波数の温度補償が可能になり、これにより温度補償が行われたクロック信号CKを生成できるようになる。そして出力回路80が第1状態である場合には、第1温度補償信号SCP1として第1温度補償電圧VCP1が発振回路30に出力され、出力回路80が第2状態である場合には、第2温度補償信号SCP2として第2温度補償電圧VCP2が発振回路30に出力されるようになる。このようにすれば出力回路80が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化した場合にも、発振信号の適切な温度補償が可能になり、適正に温度補償された出力クロック信号を出力できるようになる。
また本実施形態の回路装置20は、少なくとも1つの外部制御信号が入力され、外部制御信号に基づいて出力回路80の第1状態と第2状態を切り替える制御回路60を含む。図3を例にとれば、制御回路60は、第1イネーブル制御信号OE1、第2イネーブル制御信号OE2が外部制御信号として入力され、この外部制御信号に基づいて、出力回路80の動作状態を切り替える。外部制御信号は、回路装置20の外部から入力される信号であり、出力回路80の状態を切り替える信号である。外部制御信号は、例えば回路装置20の外部の処理装置が生成して出力する。図3での外部制御信号は、第1イネーブル制御信号OE1、第2イネーブル制御信号OE2であるが、後述の他の詳細例で説明されるように、外部制御信号はこのようなイネーブル制御信号には限定されない。そして例えば外部制御信号に基づき出力回路80が第1状態から第2状態に切り替わると、例えば制御回路60からの制御信号CCPに基づいて、温度補償回路40が、温度補償信号を第1温度補償信号SCP1から第2温度補償信号SCP2に切り替える。図3を例にとれば温度補償回路40は、温度補償電圧を、第1電圧温度特性の第1温度補償電圧VCP1から第2電圧温度特性の第2温度補償電圧VCP2に切り替える。
このようにすれば、外部制御信号により出力回路80が第1状態から第2状態に切り替わって、発熱状態が変化した場合にも、適正に温度補償された出力クロック信号を出力できるようになる。例えば外部制御信号に連動させて温度補償信号を切り替えることが可能になり、外部制御信号の制御による出力回路80の状態の変化に起因する温度補償のずれを、適切に補正できるようになる。
より具体的には図3では、制御回路60は、少なくとも1つの外部制御信号として、第1イネーブル制御信号OE1と第2イネーブル制御信号OE2が入力される。第1イネーブル制御信号OE1は第1出力クロック信号CKQ1の出力のイネーブル、ディスエーブルを制御する信号であり、第2イネーブル制御信号OE2は第2出力クロック信号CKQ2の出力のイネーブル、ディスエーブルを制御する信号である。そして出力回路80は、第1イネーブル制御信号OE1がアクティブのとき、少なくとも1つの出力クロック信号として第1出力クロック信号CKQ1を出力する。一方、出力回路80は、第2イネーブル制御信号OE2がアクティブのとき、少なくとも1つの出力クロック信号として第2出力クロック信号CKQ2を出力する。ここで信号がアクティブとは、信号がハイレベル等の第1電圧レベルであることであり、信号が非アクティブとは、信号がローレベル等の第2電圧レベルであることである。また1つのイネーブル制御信号により第1出力クロック信号CKQ1と第2出力クロック信号CKQ2のイネーブル、ディスエーブルを制御することも可能である。また第1出力クロック信号CKQ1と第2出力クロック信号CKQ2は、クロック周波数が同一周波数であってもよし、異なる周波数であってもよい。また第1出力クロック信号CKQ1と第2出力クロック信号CKQ2は、信号形式が同一形式の信号であってもよいし、異なる形式の信号であってもよい。例えば第1出力クロック信号CKQ1が、LVDS、PECL、HCSL、シングルのCMOS、差動のCMOSのいずれか1つの信号形式であり、第2出力クロック信号CKQ2が、このいずれか1つの信号形式とは異なる信号形式であってもよい。
このようにすれば、外部制御信号である第1イネーブル制御信号OE1がアクティブになることで、回路装置20から第1出力クロック信号CKQ1が出力され、外部制御信号である第2イネーブル制御信号OE2がアクティブになることで、回路装置20から第2出力クロック信号CKQ2が出力されるようになる。そしてこのような第1イネーブル制御信号OE1、第2イネーブル制御信号OE2の設定により、出力回路80の状態が変化して発熱状態が変化した場合にも、出力回路80の状態に応じた温度補償信号を、温度補償回路40がクロック信号生成回路28に出力するようになる。これにより出力回路80の状態に応じた適切なクロック周波数の温度補償が可能になる。例えば出力クロック信号のイネーブル制御信号に連動させて温度補償信号を切り替えることが可能になり、イネーブル制御信号の制御による出力回路80の状態の変化に起因する温度補償のずれを、適切に補正できるようになる。
また出力回路80の第1状態は、例えば第1出力クロック信号CKQ1が出力される状態である。一方、出力回路80の第2状態は、例えば第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2の両方が出力される状態である。例えば第1イネーブル制御信号OE1がアクティブになり、第2イネーブル制御信号OE2が非アクティブになることで、第1出力クロック信号CKQ1が出力され、第2出力クロック信号CKQ2が出力されない第1状態に、出力回路80の状態が設定される。そして温度補償回路40は、第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1を出力し、この第1温度補償信号SCP1により温度補償された第1出力クロック信号CKQ1が出力されるようになる。また第1イネーブル制御信号OE1及び第2イネーブル制御信号OE2の両方がアクティブになることで、第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2の両方が出力される第2状態に、出力回路80の状態が設定される。そして温度補償回路40は、第2状態に対応する第2温度補償信号SCP2を出力し、この第2温度補償信号SCP2により温度補償された第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2が出力されるようになる。
このようにすれば第1出力クロック信号CKQ1が出力される第1状態である場合には、温度補償回路40が第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1を出力し、この第1温度補償信号SCP1により温度補償された第1出力クロック信号CKQ1が出力されるようになる。そして、第1状態から、第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2の両方が出力される第2状態に切り替わると、温度補償回路40は、第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1から第2状態に対応する第2温度補償信号SCP2に切り替えて出力するようになる。そして、この第2温度補償信号SCP2により温度補償された第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2が出力されるようになる。
例えば第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2が出力される第2状態は、第1出力クロック信号CKQ1だけが出力される第1状態に比べて、出力回路80の発熱量が多くなる。出力回路80は、出力クロック信号により発振器4の外部の大きな負荷を駆動する必要があるため、消費電流が大きく、回路装置20の他の回路ブロックに比べて発熱量が多い。従って、図2で説明したように、振動子10と回路装置20の温度差などに起因する温度補償のずれが発生してしまう。
この点、本実施形態では、発熱量が少ない第1状態では、第1温度補償信号SCP1により温度補償が行われ、発熱量が多い第2状態では、第1温度補償信号SCP1とは信号の温度特性が異なる第2温度補償信号SCP2により温度補償が行われる。従って、例えば図4に示すような第1温度補償信号SCP1、第2温度補償信号SCP2を温度補償回路40が出力することで、振動子10と回路装置20の温度差等に起因する温度補償のずれを適正に補正できるようになる。
例えば発振器4を利用する処理システムでは、第1動作モードでは、第1出力クロック信号CKQ1だけを使用し、第2動作モードでは、第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2の両方を使用する場合がある。具体的には、第1動作モードでは、第1出力クロック信号CKQ1を、処理システムのマイコン等の処理装置の動作クロック信号として用いる。第2動作モードでは、第1出力クロック信号CKQ1を処理装置の動作クロック信号として用いると共に、第2出力クロック信号CKQ2を、処理システムのRF回路等のクロック信号として用いる。このようにすれば第1動作モードにおいては、出力回路80は第2出力クロック信号CKQ2を出力しなくても済むため、低消費電力化を図れる。一方、第2動作モードになり、第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2の両方が出力されて、発熱量が多くなった場合にも、第2動作モードに対応する第2状態に応じた第2温度補償信号SCP2により温度補償が行われるため、適正に温度補償された第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2を外部の処理システムに供給することが可能になる。
また図3に示すように出力回路80は第1バッファー回路81と第2バッファー回路82を含む。第1バッファー回路81、第2バッファー回路82は、同じ周波数の第1出力クロック信号CKQ1、第2出力クロック信号CKQ2を出力してもよいし、異なる周波数の第1出力クロック信号CKQ1、第2出力クロック信号CKQ2を出力してもよい。まあ第1バッファー回路81、第2バッファー回路82は、同じ信号形式の第1出力クロック信号CKQ1、第2出力クロック信号CKQ2を出力してもよいし、異なる信号形式の第1出力クロック信号CKQ1、第2出力クロック信号CKQ2を出力してもよい。そして第1バッファー回路81は、クロック信号CKに基づいて第1出力クロック信号CKQ1を出力する。例えば第1バッファー回路81は、クロック信号CKをバッファリングして、第1出力クロック信号CKQ1としてパッドPCK1に出力する。第2バッファー回路82は、クロック信号CKに基づいて第2出力クロック信号CKQ2を出力する。例えば第2バッファー回路82は、クロック信号CKをバッファリングして、第2出力クロック信号CKQ2としてパッドPCK2に出力する。
そして出力回路80の第1状態では、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力する。例えば第1イネーブル制御信号OE1がアクティブになると、制御回路60が第1バッファー回路81の制御信号CBF1をアクティブにすることで、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力する。一方、出力回路80の第2状態では、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力し、且つ第2バッファー回路82が第2出力クロック信号CKQ2を出力する。例えば第1イネーブル制御信号OE1及び第2イネーブル制御信号OE2がアクティブになると、制御回路60が第1バッファー回路81の制御信号CBF1及び第2バッファー回路82の制御信号CBF2をアクティブにすることで、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力し、第2バッファー回路82が第2出力クロック信号CKQ2を出力する。
このようにすれば、出力回路80が第1状態である場合は、温度補償回路40からの第1温度補償信号SCP1に基づき温度補償されたクロック信号CKに基づいて、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力するになる。これにより適正に温度補償された第1出力クロック信号CKQ1を外部に出力できるようになる。一方、出力回路80が第2状態である場合は、温度補償回路40からの第2温度補償信号SCP2に基づき温度補償されたクロック信号CKに基づいて、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号CKQ1を出力し、第2バッファー回路82が第2出力クロック信号CKQ2を出力するようになる。これにより適正に温度補償された第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2を外部に出力できるようになる。即ち、第1バッファー回路81だけが動作する第1状態に比べて、第1バッファー回路81及び第2バッファー回路82が動作する第2状態は消費電流が多くなり、発熱量が多くなるため、温度補償にずれが発生する。この点、本実施形態では、第1バッファー回路81及び第2バッファー回路82が動作する第2状態では、この第2状態に対応した第2温度補償信号SCP2により温度補償が行われるため、適正に温度補償された第1出力クロック信号CKQ1及び第2出力クロック信号CKQ2を出力できるようになる。
図5に温度補償回路40の構成例を示す。図5はアナログ方式で温度補償を行う温度補償回路40である。なお温度補償回路40は図5の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に置き換えるなどの種々の変形実施が可能である。
温度補償回路40は、温度を変数とする多項式近似によって温度補償電圧VCPを出力する回路である。この温度補償回路40は電流生成回路42と電流電圧変換回路46を含む。電流生成回路42は、温度センサー48からの温度検出信号STSである温度検出電圧VTSに基づいて、振動子10の周波数温度特性を温度補償するための関数電流を生成する。そして電流電圧変換回路46は、電流生成回路42からの関数電流を電圧に変換して温度補償電圧VCPを出力する。具体的には電流電圧変換回路46は、増幅回路AMにより温度補償電圧VCPを出力する。
電流生成回路42は、1次補正回路43と高次補正回路44を含む。1次補正回路43は、温度検出電圧VTSに基づいて、1次関数を近似する1次電流を出力する。例えば1次補正回路43は、多項式近似における多項式の1次係数に対応する1次補正データに基づいて1次関数電流を出力する。1次補正回路43は、例えば演算増幅器、第1可変抵抗回路、第2可変抵抗回路、第3可変抵抗回路を含む。演算増幅器、第1可変抵抗回路及び第2可変抵抗回路は、増幅回路を構成する。増幅回路は、例えば基準電圧を基準に温度検出電圧VTSを増幅する。増幅回路は、第3可変抵抗回路を介して電流電圧変換回路46の入力ノードに1次電流を出力する。
高次補正回路44は、温度検出電圧VTSに基づいて、高次関数を近似する高次電流を、電流電圧変換回路46に出力する。例えば高次補正回路44は、多項式近似における多項式の高次係数に対応する高次補正データに基づいて高次電流を出力する。一例としては、高次補正回路44は、3次関数を近似する3次電流を出力する。この場合には高次補正回路44は、温度検出電圧VTSに基づいて差動動作を行う第1差動回路と、第1差動回路の出力電圧と温度検出電圧VTSに基づいて差動動作を行うことで3次電流を出力する第2差動回路を含む。なお図5では、温度センサー48が、多項式の0次係数に対応する0次補正データに基づいて、温度検出電圧VTSのオフセット補正を行っている。即ち温度センサー48は、0次補正データが示すオフセットの分だけ、温度検出電圧VTSのオフセットを調整する。温度検出電圧VTSのオフセット補正は、発振周波数の温度補償において0次補正に対応する。また高次補正回路44は、4次以上の補正を行う補正回路を更に含んでもよい。例えば高次補正回路44は、4次関数を近似する4次電流を出力する4次補正回路と、5次関数を近似する5次電流を出力する5次補正回路などを更に含んでもよい。
電流電圧変換回路46は、1次電流と高次電流を加算すると共に、その加算電流を電流電圧変換することで温度補償電圧VCPを出力する。これにより、多項式関数を近似する温度補償電圧VCPが生成される。
電流電圧変換回路46は、増幅回路AMと抵抗RCとキャパシターCCとを含む。増幅回路AMは演算増幅器により実現される。抵抗RC及びキャパシターCCは、増幅回路AMの出力端子と反転入力端子との間に並列接続される。増幅回路AMの非反転入力端子には基準電圧VRCが入力される。これにより電流電圧変換回路46は、例えばA級動作の増幅回路AMにより温度補償電圧VCPを出力する。
このような構成の温度補償回路40によれば、温度センサー48の温度検出電圧VTSに基づき電流生成回路42により生成された関数電流を、電流電圧変換回路46により電圧に変換して温度補償電圧VCPとして出力できるようになる。
図6に温度センサー48の第1構成例を示す。温度センサー48は、定電流源IS1とバイポーラートランジスターBPE1と抵抗RE1、RE2を含む。定電流源IS1、抵抗RE1、バイポーラートランジスターBPE1、抵抗RE2は、VDDノードとGNDノードの間に直列に設けられる。具体的には、定電流源IS1と抵抗RE1の一端との接続ノードが、バイポーラートランジスターBPE1のベースに接続され、抵抗RE1の他端がバイポーラートランジスターBPE1のコレクターに接続される。またバイポーラートランジスターBPE1のエミッターは、抵抗RE2の一端に接続され、抵抗RE2の他端はGNDノードに接続される。抵抗RE2は可変抵抗であり、抵抗RE2の抵抗値は、例えば0次補正データに基づいて設定される。
図6において定電流源IS1から流れる電流をIEとし、抵抗RE1、RE2の抵抗値を、各々、R1、R2とし、バイポーラートランジスターBPE1のベース・エミッター間電圧をVBE1とすると、温度検出電圧VTSは下式(2)のように表される。
VTS=VBE1+IE×(R2-R1) ・・・(2)
上式(2)に示すように、温度検出電圧VTSは、オフセット成分としてIE×(R2-R1)を含んでいる。即ち抵抗RE2の抵抗値R2を変化させることで、温度検出電圧VTSのオフセットを調整できる。
図7に温度センサー48の第2構成例を示す。図7の温度センサー48は、定電流源IS1、IS2と、バイポーラートランジスターBPE1、BPE2と、抵抗RE1、RE2、RE3、RE4を含む。また図7では温度センサー48は、バッファー回路47を含む。なお図6の第1構成例においても温度検出電圧VTSのバッファリングを行うバッファー回路47を設けてもよい。
定電流源IS1、バイポーラートランジスターBPE1、抵抗RE1、RE2の接続構成は図6の第1構成例と同様である。そして定電流源IS2、抵抗RE3、バイポーラートランジスターBPE2、抵抗RE4は、VDDノードとバイポーラートランジスターBPE1のコレクターのノードとの間に直列に設けられる。具体的には、定電流源IS2と抵抗RE3の一端との接続ノードが、バイポーラートランジスターBPE2のベースに接続され、抵抗RE3の他端がバイポーラートランジスターBPE2のコレクターに接続される。またバイポーラートランジスターBPE2のエミッターは、抵抗RE4の一端に接続され、抵抗RE4の他端はバイポーラートランジスターBPE1のコレクターに接続される。抵抗RE4は可変抵抗であり、抵抗RE4の抵抗値は、例えば不揮発性メモリー等のメモリーからの0次補正データに基づいて設定される。
バッファー回路47は演算増幅器OPEと抵抗RE5、RE6を含む。演算増幅器OPEの非反転入力端子には、バイポーラートランジスターBPE2のコレクター電圧である電圧VGBが入力される。演算増幅器OPEの反転入力端子は、抵抗RE5の一端に接続され、抵抗RE5の他端は抵抗RE6の一端に接続され、抵抗RE6の他端はGNDノードに接続される。これにより抵抗RE5と抵抗RE6の接続ノードから、演算増幅器OPEの出力電圧を抵抗RE5と抵抗RE6により電圧分割した電圧が、温度検出電圧VTSとして出力される。演算増幅器OPEの出力電圧は、電圧VGBに演算増幅器OPEのオフセット電圧を加算した電圧になる。
図7において、バイポーラートランジスターBPE1、BPE2のコレクターの電圧をVGA、VGBとし、定電流源IS1、IS2に流れる電流をIEとし、抵抗RE1、RE2、RE3、RE4、RE5、RE6の抵抗値を、各々、R1、R2、R3、R4、R5、R6とする。またバイポーラートランジスターBPE1、BPE2のベース・エミッター間電圧をVBE1、VBE2とする。すると、VGA、VGB、VTSの電圧は下式(3)、(4)、(5)のように表される。なおここでは演算増幅器OPEのオフセット電圧をゼロとしている。
VGA=VBE1+IE×(2R2-R1) ・・・(3)
VGB=VBE2+IE×(R4-R3)+VGA
=VBE1+VBE2+IE×(2R2+R4-R1-R3)・・・(4)
VTS=(R5/R6)×VGB ・・・(5)
上式(4)、(5)に示すように、VGBは、オフセット成分としてIE×(2R2+R4-R1-R3)を含んでおり、温度検出電圧VTSも、オフセット成分として(R5/R6)×IE×(2R2+R4-R1-R3)を含んでいる。即ち、抵抗RE2の抵抗値R2と抵抗RE4の抵抗値R4を変化させることで、温度検出電圧VTSのオフセットを調整できるようになる。また図7の第2構成例では、2段のバイポーラートランジスターBPE1、BPE2を設けているため、2つのベース・エミッター間電圧VBE1、VBE2が加算されるようになる。これにより図6の第1構成例に比べて、温度に対する温度検出電圧VTSの傾きを大きくすることができ、温度に対する感度が高い温度検出電圧VTSを生成できるようになる。また図7ではバッファー回路47を設け、バッファー回路47の抵抗RE5、RE6の抵抗値を調整することで、温度検出電圧VTSの電圧値の微調整が可能になる。
図8は温度検出電圧VTSのオフセットによる温度補償の補正手法の説明図である。図8では制御回路60に対して外部制御信号が入力される。外部制御信号は例えば図3の第1イネーブル制御信号OE1、第2イネーブル制御信号OE2や後述の他の詳細例で説明する外部制御信号である。そして制御回路60は、外部制御信号に基づいて、図6、図7で説明した温度センサー48の抵抗RE2、RE4の抵抗値R2、R4を変化させる。即ち、前述の式(2)~(5)で説明したように、抵抗RE2、RE4の抵抗値R2、R4を変化させることで、温度検出電圧VTSのオフセットを調整できるため、制御回路60は、外部制御信号に基づいて温度検出電圧VTSを変化させて、温度補償のズレを補正する処理が可能になる。
例えば本実施形態では、図4で説明したように、温度補償回路40は、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトさせることで、第1温度補償信号SCP1とは異なる特性の第2温度補償信号SCP2を生成する。例えば第2温度補償信号SCP2の信号の温度特性は、第1温度補償信号SCP1の信号の温度特性を温度方向にシフトした特性になっている。温度方向へのシフト量は、例えば振動子10と回路装置20の温度差であるΔTに対応する。例えば回路装置20の温度センサー48により温度を検出した場合に、検出された温度は振動子10の実際の温度とは異なる。従って、出力回路80が第1状態から第2状態に変化した場合に、そのときの振動子10と回路装置20の温度差に対応するシフト量だけ、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトした第2温度補償信号SCP2により温度補償を行えばよい。
このようにすれば、出力回路80が第1状態の場合には、第1温度補償信号SCP1により、クロック周波数の温度補償が可能になる。そして出力回路80が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化すると、図4のD1に示すように第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号SCP2により、クロック周波数の適正な温度補償が可能になる。
具体的には温度補償回路40は、出力回路80が第2状態であるとき、温度センサー48からの温度検出信号STSをオフセットさせて第2温度補償信号SCP2を生成することで、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号SCP2を生成する。例えば温度検出信号STSが温度検出電圧VTSであり、第1温度補償信号SCP1が第1温度補償電圧VCP1であり、第2温度補償信号SCP2が第2温度補償電圧VCP2であったとする。この場合には、温度検出電圧VTSにオフセット電圧を加算するオフセット調整を行うことで、第1温度補償電圧VCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償電圧VCP2を生成できるようになる。図8を例にとれば、制御回路60は、外部制御信号に基づき出力回路80が第1状態から第2状態に変化する場合には、制御信号CCPにより抵抗RE2、RE4の抵抗値R2、R4を変化させることで、温度検出電圧VTSのオフセット電圧を調整する。これにより、第1温度補償電圧VCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償電圧VCP2を生成できる。
このようにすれば、温度センサー48からの温度検出信号STSをオフセットさせるという簡素な処理で、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号SCP2を生成して、出力回路80が第1状態から第2状態に変化することによる発熱状態の変化に起因する温度補償のずれを、適正に補正できるようになる。
図9は温度補償回路40に含まれる関数電流生成回路140の構成例である。この関数電流生成回路140は、例えば図5の高次補正回路44に設けられて、2次、3次等の高次の関数電流を生成する。
図9に示すように関数電流生成回路140は、基準電流生成回路141と第1補償回路151と第2補償回路152を含む。基準電流生成回路141は基準電流IRを生成する。第1補償回路151は、第1温度範囲である低温側の温度範囲での温度補償を行い、第2補償回路152は、第2温度範囲である高温側の温度範囲での温度補償を行う。第1補償回路151、第2補償回路152は、複数の差動対回路を含む。第1補償回路151の各差動対回路には、基準電流IRをミラーした基準電流IRF1、IRF2が流れる。第2補償回路152の各差動対回路にも、基準電流IRをミラーした基準電流IRG1、IRG2が流れる。そして第1補償回路151により、低温側の温度範囲での温度補償用の電流IF=IF1+IF2が生成され、第2補償回路152により、高温側の温度範囲での温度補償用の電流IG=IG1+IG2が生成される。また基準電流IRが定電流であるため、第1補償回路151の各差動対回路に流れる基準電流IRF1=IF1+IL1、基準電流IRF2=IF2+IL2も電流値が一定の定電流になる。また第2補償回路152の各差動対回路に流れる基準電流IRG1=IG1+IH1、基準電流IRG2=IG2+IH2も電流値が一定の定電流になる。
そして低温側の温度範囲では、電流IF=IF1+IF2が大きくなる一方で、電流IG=IG1+IG2が小さくなる。一方、高温側の温度範囲では、電流IG=IG1+IG2が大きくなる一方で、電流IF=IF1+IF2が小さくなる。このような関数電流生成回路140を用いることで、図10に示すように、2次、3次、4次、5次などの高次の関数電流を生成できる。例えば低温側の温度範囲において第1補償回路151に流れる電流IFを、図10のE1に示す特性に設定し、高温側の温度範囲において第2補償回路152に流れる電流IGを、E2に示す特性に設定する。これにより、E3に示すような2次の関数電流を生成できる。また低温側の温度範囲において第1補償回路151に流れる電流IFを、図10のE4に示す特性に設定し、高温側の温度範囲において第2補償回路152に流れる電流IGを、E5に示す特性に設定する。これにより、E6に示すような3次の関数電流を生成できる。
そして本実施形態では、温度補償回路40が、第1温度補償信号SCP1とは温度に対する2次関数特性である2次係数の特性が異なる温度補償信号を、第2温度補償信号SCP2として生成してもよい。例えば温度補償信号を生成する関数電流の2次係数を調整することで、発熱状態の変化に起因する温度補償のずれを補正する。
例えば図2で説明したように、出力回路80が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化すると、振動子10の周波数温度特性はA3に示すようになる一方で、回路装置20が温度補償しようとする周波数温度特性はA4に示すようになり、両者にずれが生じる。このずれが原因となって、A5に示すように温度補償後の周波数温度特性がフラットではなくなり、2次関数の特性になってしまう。
そこで本実施形態では、温度補償回路40が、第1温度補償信号SCP1とは2次係数の特性が異なる第2温度補償信号SCP2を生成することで、図2のA5に示す2次関数の特性を、A2に示すようなフラットな特性に補正する。
このようにすれば出力回路80が第1状態から第2状態になって、発熱状態が変化し、2次係数の特性に対応する温度補償のずれが発生するような場合にも、第1温度補償信号SCP1とは2次係数の特性が異なる第2温度補償信号SCP2を用いることで、このような温度補償のずれを適正に補正できるようになる。
例えば温度補償回路40に設けられる図9の関数電流生成回路140は、図10で説明したように2次の関数電流を生成できる。従って、図2のA5に示す2次関数の特性をキャンセルするような2次の関数電流を、温度補償回路40の関数電流生成回路140が生成することで、温度補償のずれを適正に補正できるようになる。具体的には温度補償回路40は、出力回路80が第1状態であるとき、温度センサー48からの温度検出信号STSに基づいて周波数温度特性を近似する多項式の関数電流であって多項式の2次係数として第1係数を用いた関数電流を生成し、この関数電流に基づいて第1温度補償信号SCP1を出力する。一方、温度補償回路40は、出力回路80が第2状態であるとき、2次係数として第1係数とは異なる第2係数を用いた関数電流を生成し、この関数電流に基づいて第2温度補償信号SCP2を出力する。これらの関数電流の生成は、図9で説明した関数電流生成回路140が行う。このようにすることで、温度補償回路40は、第1温度補償信号SCP1とは2次係数の特性が異なる第2温度補償信号SCP2を生成できるようになる。
3.デジタル温度補償
図11に本実施形態の回路装置20、発振器4の詳細な他の構成例を示す。図11では温度補償回路40が、デジタル方式の温度補償を行うことで、クロック周波数の温度補償を実現している。図11では、クロック信号生成回路28が発振回路30とPLL回路70を含んでおり、制御回路60が温度補償回路40とデルタシグマ変調回路62を含んでいる。また温度補償の係数情報等を記憶するメモリー68が回路装置20に設けられている。メモリー68は例えば不揮発性メモリー等により実現できる。なお図11において図3と同様の構成については詳細な説明を省略する。
このように図11では、クロック信号生成回路28は、振動子10を発振させて発振信号OSCを生成する発振回路30と、発振信号OSCに基づいてクロック信号CKを生成するPLL回路70を含む。例えばPLL回路70は発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを生成する。そして温度補償回路40は、デジタル温度補償を行う温度補償回路であり、第1温度補償信号SCP1及び第2温度補償信号SCP2として、PLL回路70の分周比設定信号SDIVを出力する。例えば出力回路80が第1状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路80が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1分周比設定信号SDIV1を出力する。一方、出力回路80が第2状態で動作するとき、温度補償回路40は、出力回路80が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償し且つ第1分周比設定信号SDIV1とは異なる第2分周比設定信号SDIV2を出力する。第1分周比設定信号SDIV1と第2分周比設定信号SDIV2は、温度に対する分周比設定の特性が異なっている。
このようにすれば、発振信号OSCを逓倍した周波数のクロック信号CKを生成するPLL回路70に対して、温度補償回路40が第1温度補償信号SCP1、第2温度補償信号SCP2として分周比設定信号SDIVを出力して分周回路の分周比を制御することで、デジタル方式での温度補償が可能になる。これにより温度補償が行われたクロック信号CKを生成できるようになる。そして出力回路80が第1状態である場合には、第1温度補償信号SCP1として第1分周比設定信号SDIV1がPLL回路70に出力され、出力回路80が第2状態である場合には、第2温度補償信号SCP2として第2分周比設定信号SDIV2がPLL回路70に出力されるようになる。このようにすれば出力回路80が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化した場合にも、発振信号の適切な温度補償が可能になり、適正に温度補償された出力クロック信号を出力できるようになる。
図12に本実施形態の回路装置20、発振器4の詳細な他の構成例を示す。図12では温度補償回路40Aが、デジタル方式の温度補償を行い、温度補償回路40Bがアナログ方式の温度補償を行うことで、クロック周波数の温度補償を実現している。例えば制御回路60の温度補償回路40Aは、温度センサー48Aからの温度検出信号STSAに基づいてデジタル方式の温度補償を行う。例えば第1温度補償信号SCP1、第2温度補償信号SCP2として分周比設定信号SDIVがPLL回路70に入力されることで、デジタル方式の温度補償が実現される。また温度補償回路40Bは、温度センサー48Bからの温度検出信号STSBに基づいてアナログ方式の温度補償を行う。例えば第1温度補償信号SCP1、第2温度補償信号SCP2として温度補償電圧VCPが発振回路30に入力されることで、アナログ方式の温度補償が実現される。より具体的には、温度補償回路40Bによるアナログ方式の第1温度補償が行われ、このアナログ方式の第1温度補償による周波数のずれの残存成分を除去する温度補償として、温度補償回路40Aによるデジタル方式の第2温度補償が行われる。
なお温度センサー48A、48Bとして共通の温度センサーを用いてもよい。また回路装置20を、温度補償回路40B、発振回路30等が設けられる第1半導体チップと、温度補償回路40A、デルタシグマ変調回路62、PLL回路70等が設けられる第2半導体チップとにより実現してもよい。
図13にPLL回路70、制御回路60等の詳細な構成例を示す。PLL回路70は、発振信号OSCが基準クロック信号として入力され、PLL(Phase Locked Loop)の動作を行う。例えばPLL回路70は、発振クロック信号である発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを生成し、発振信号OSCに位相同期した高精度のクロック信号CKを生成する。PLL回路70は、位相比較回路72と制御電圧生成回路74と電圧制御発振回路76と分周回路78と出力バッファー79を含む。
位相比較回路72は、基準クロック信号である発振信号OSCとフィードバッククロック信号FBCKとの間の位相比較を行う。例えば位相比較回路72は、発振信号OSCとフィードバッククロック信号FBCKの位相を比較し、発振信号OSCとフィードバッククロック信号FBCKの位相差に応じた信号CQを位相比較結果の信号として出力する。位相差に応じた信号CQは、例えば位相差に比例したパルス幅のパルス信号である。
制御電圧生成回路74は、位相比較回路72での位相比較の結果に基づいて、制御電圧VCBを生成する。例えば制御電圧生成回路74は、位相比較回路72からの位相比較結果の信号CQに基づいて、チャージポンプ動作やフィルター処理を行って、電圧制御発振回路76の発振を制御する制御電圧VCBを生成する。
VCO(Voltage controlled oscillator)である電圧制御発振回路76は、制御電圧VCBに対応する周波数のクロック信号CKPを生成する。例えば制御電圧生成回路74からの制御電圧VCBに基づいて発振動作を行って、クロック信号CKPを生成する。例えば電圧制御発振回路76は、制御電圧VCBに応じて変化する周波数のクロック信号CKPを発振動作により生成する。電圧制御発振回路76としては、例えばインダクターを用いるLC発振回路などを用いることができる。そして出力バッファー79は、クロック信号CKPをバッファリングした信号をクロック信号CKとして出力する。
分周回路78は、クロック信号CKPを分周してフィードバッククロック信号FBCKを出力する。例えば分周回路78は、クロック信号CKPの周波数を、分周比設定信号SDIVにより設定される分周比で分周した周波数の信号を、フィードバッククロック信号FBCKとして出力する。例えば電圧制御発振回路76の発振の周波数をfvcoとし、分周回路78の分周動作の分周比をDIVとした場合に、フィードバッククロック信号FBCKの周波数は、fvco/DIVになる。そして位相比較回路72は、前述のように、発振信号OSCと、分周回路78からのフィードバッククロック信号FBCKの位相比較を行う。
また制御回路60は、デルタシグマ変調回路62と演算回路64を含む。このデルタシグマ変調回路62によりデルタシグマ変調を行うことで、PLL回路70がフラクショナル-N型のPLL回路として動作するようになる。また演算回路64は、A/D変換回路67により温度検出信号STSをA/D変換した温度検出データDTと、レジスター66からの分周比設定値VDIVに基づいて、温度補償処理を行う。この演算回路64が図11の温度補償回路40や図12の温度補償回路40Aに対応する。分周比設定値VDIVはPLL回路70の分周比を設定するためのデータである。デルタシグマ変調回路62は、演算回路64の演算結果である演算値に対して、デルタシグマ変調を行い、分周回路78の分周比を設定する分周比設定信号SDIVを出力する。
例えば図13では、分周回路78とデルタシグマ変調回路62とによりフラクショナル分周器が構成される。フラクショナル分周器は、PLL回路70の逓倍率の逆数を分周比としてクロック信号CKPを分周し、分周後のクロック信号をフィードバッククロック信号FBCKとして位相比較回路72に出力する。デルタシグマ変調回路62は、分周比の小数部の値をデルタシグマ変調して、整数である変調値を生成する。例えばデルタシグマ変調回路62は3次や4次のデルタシグマ変調処理を行う。そして分周比の整数部の値と変調値の加算値が、分周比設定信号SDIVとして分周回路78に設定される。これによりフラクショナル-N型のPLL回路70が実現される。
そして図13では、各温度での分周比設定情報がレジスター66に記憶される。例えば図11のメモリーに、分周比設定情報が記憶されており、この分周比設定情報がレジスター66に転送されて保持される。例えば分周比設定情報は、各温度を入力とし、各温度での分周比設定値VDIVを出力とするルックアップテーブルにより実現できる。そして演算回路64は、A/D変換回路67からの温度検出データDTと、レジスター66の分周比設定情報とに基づいて、各温度における分周比を取得し、これにより分周比設定信号SDIVがPLL回路70の分周回路78に出力されるようになる。
そして本実施形態では、出力回路80が第1状態であるときには、第1状態に対応する第1分周比設定情報がレジスター66から読み出されて、第1分周比設定情報と温度検出データDTとに基づいて、分周比設定信号SDIVが生成される。一方、出力回路80が第2状態であるときには、第2状態に対応する第2分周比設定情報がレジスター66から読み出されて、第2分周比設定情報と温度検出データDTとに基づいて、分周比設定信号SDIVが生成される。第1分周比設定情報は例えば第1ルックアップテーブルであり、第2分周比設定情報は例えば第2ルックアップテーブルである。このようにすることで、出力回路80の各状態の発熱状態に応じた適正なデジタル温度補償を実現できる。
或いは、出力回路80が第1状態から第2状態に変化したときに、温度検出データDTをシフトさせることで、出力回路80の各状態の発熱状態に応じたデジタル温度補償を実現してもよい。これにより図4で説明した手法と同様に、分周比設定の特性を温度方向でシフトする手法で、デジタル温度補償を実現できるようになる。
なおデジタル温度補償としては種々の処理が考えられる。例えば学習済みモデルの情報に基づいてデジタル温度補償処理を行ってもよい。例えば制御回路60が、温度検出データDTと、メモリー68に記憶される学習済みモデルの情報とに基づいて、デジタル温度補償処理を行ってもよい。
また発振回路30の温度補償としても種々の変形実施が可能である。例えば図14では、温度センサー48の温度検出信号STSをA/D変換回路52によりA/D変換した温度検出データDTが、制御回路60に入力される。そして制御回路60は、この温度検出データDTに基づいて温度補償データDDSを生成し、D/A変換回路54が温度補償データDDSをD/A変換して、温度補償電圧VCPを、発振回路30の可変容量回路32に出力する。可変容量回路32は、バラクター等の可変容量素子により構成され、この可変容量素子の容量が温度補償電圧VCPにより制御されることで、発振回路30の発振周波数の温度補償が実現される。一方、図15では、制御回路60は、温度検出データDTに基づいて温度補償データDDSを生成して、発振回路30の可変容量回路34に出力する。可変容量回路34は、キャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイとにより構成されている。そしてスイッチアレイが含む複数のスイッチが、デジタルの温度補償データDDSによりオン又はオフになることで、可変容量回路34の容量が制御されて、発振回路30の発振周波数の温度補償が実現される。
4.変形例
次に本実施形態の種々の変形例について説明する。図16は本実施形態の回路装置20、発振器4の第1変形例を示す図である。図16では出力回路80の出力クロック信号CKQのスルーレートの切替の制御に応じて、温度補償を切り替えている。このように出力回路80の第1状態、第2状態等の各状態は、出力回路80の出力クロック信号CKQのスルーレートの設定状態であってもよい。
例えば図16では、制御回路60は、少なくとも1つの外部制御信号として、出力クロック信号CKQのスルーレートの制御信号SRが入力される。例えば制御信号SRは、発振器4の端子TSR、回路装置20のパッドPSRを介して制御回路60に入力される。スルーレートの制御信号SRは、例えば外部の処理システムの処理装置等が生成する。制御回路60は、制御信号SRに対応する制御信号CSRに基づいて、出力回路80のスルーレートを制御する。そして出力回路80は、第1状態のときに、第1スルーレートの出力クロック信号CKQを出力し、第2状態のときに、第2スルーレートの出力クロック信号CKQを出力する。第2スルーレートは第1スルーレートとは異なるスルーレートであり、例えば第1スルーレートよりも高いスルーレートである。またスルーレートは、出力クロック信号CKQの立ち上がりの傾き又は立ち下がりの傾きに対応するものであり、出力クロック信号CKQの立ち上がり時間又は立ち下がり時間などにより規定される。例えば出力クロック信号CKQのスルーレートを遅いスルーレートに設定すれば、出力回路80の消費電流は少なく、発熱量も少ないが、出力クロック信号CKQのスルーレートを速いスルーレートに設定すると、出力回路80の消費電流は多くなり、発熱量が増加する。そこで本実施形態では、出力クロック信号CKQのスルーレートの切り替えに伴う発熱量の変化に起因する温度補償のずれを補償する。例えば出力回路80が、第1スルーレートの出力クロック信号CKQを出力する第1状態である場合には、温度補償回路40は、第1スルーレートの第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1を出力し、この第1温度補償信号SCP1に基づいて温度補償が行われるようになる。また出力回路80が、第2スルーレートの出力クロック信号CKQを出力する第2状態である場合には、温度補償回路40は、第2スルーレートの第2状態に対応する第2温度補償信号SCP2を出力し、この第2温度補償信号SCP2に基づいて温度補償が行われるようになる。なお出力回路80は、第3スルーレートの出力クロック信号CKQを出力する第3状態等の3以上の複数のスルーレートに対応する複数の状態で動作してもよい。
このようにすれば、スルーレートが第1スルーレートから第2スルーレートに切り替わって、出力回路80の発熱状態が変化した場合に、発熱状態に応じた適切な温度補償を実現することが可能になる。例えば第2スルーレートが第1スルーレートよりも速いスルーレートであり、発熱量が多くなる場合には、第1温度補償信号SCP1を温度方向にシフトした第2温度補償信号SCP2を生成することで、スルーレートに対応する発熱状態に応じた適切な温度補償を実現できるようになる。
図17は出力回路80に設けられるスルーレート制御回路84の構成例である。このスルーレート制御回路84は例えば出力回路80のバッファー回路に設けられる。スルーレート制御回路84は、トランジスターTA1~TA8と、抵抗RA1~RA7を含む。トランジスターTA1、TA2、TA3、TA7は例えばP型のトランジスターであり、トランジスターTA4、TA5、TA6、TA8は例えばN型のトランジスターである。トランジスターTA7はVDDノードとノードNA1との間に設けられ、信号PINによりオン又はオフされる。トランジスターTA1、TA2、TA3と、抵抗RA1、RA2、RA3は、ノードNA1とノードNA2の間に、各トランジスターと各抵抗が直列接続されるように設けられる。そしてトランジスターTA1、TA2、TA3のゲートには、スルーレートの制御信号CSR1、CSR2、CSR3が入力される。
またトランジスターTA8はGNDノードとノードNA3との間に設けられ、信号NINによりオン又はオフされる。トランジスターTA4、TA5、TA6と、抵抗RA4、RA5、RA6は、ノードNA3とノードNA2の間に、各トランジスターと各抵抗が直列接続されるように設けられる。そしてトランジスターTA4、TA5、TA6のゲートには、スルーレートの制御信号CSR4、CSR5、CSR6が入力される。またノードNA2は抵抗RA7を介して、外部の負荷CLに接続される。
図17のスルーレート制御回路84によれば、制御回路60からのスルーレートの制御信号CSR1、CSR2、CSR3によりトランジスターTA1、TA2、TA3のオン、オフを設定することで、出力クロック信号CKQの立ち上がりのスルーレートを制御できる。即ち制御信号CSR1、CSR2、CSR3により、P側の出力トランジスターを構成するトランジスターTA1、TA2、TA3のオン、オフを設定することで、P側の出力トランジスターの駆動能力を制御して、立ち上がりのスルーレートを制御できるようになる。また制御回路60からのスルーレートの制御信号CSR4、CSR5、CSR6によりトランジスターTA4、TA5、TA6のオン、オフを設定することで、出力クロック信号CKQの立ち下がりのスルーレートを制御できる。即ち制御信号CSR4、CSR5、CSR6により、N側の出力トランジスターを構成するトランジスターTA4、TA5、TA6のオン、オフを設定することで、N側の出力トランジスターの駆動能力を制御して、立ち下がりのスルーレートを制御できるようになる。
そして、このようにスルーレートの設定により出力トランジスターの駆動能力が変化すると、高電位側電源であるVDDから低電位側電源であるGNDへ直接流れ込む貫通電流の変化により、出力回路80の発熱状態も変化してしまい、温度補償のズレが発生してしまう。
この点、本実施形態では、出力回路80の出力トランジスターが第1スルーレートに設定される第1状態のときには、第1スルーレートの第1状態に対応する第1温度補償信号SCP1により温度補償が行われる。また出力回路80の出力トランジスターが第2スルーレートに設定される第2状態のときには、第2スルーレートの第2状態に対応する第2温度補償信号SCP2により温度補償が行われる。従って、出力回路80のスルーレートの設定により発熱状態が変化した場合にも、クロック周波数の適切な温度補償が可能になる。
図18は本実施形態の回路装置20、発振器4の第2変形例を示す図である。図18では、外部制御信号CNTが制御回路60に入力されている。具体的には外部の処理システムの処理装置等からの外部制御信号CNTが、発振器4の端子TCNT、回路装置20のパッドPCNTを介して制御回路60に入力される。そして制御回路60は、この外部制御信号CNTに応じて直接に温度補償を切り替える。例えば外部制御信号CNTに応じて、温度補償回路40が第1温度補償信号SCP1を生成して、第1温度補償信号SCP1に基づく温度補償を行ったり、温度補償回路40が第2温度補償信号SCP2を生成して、第2温度補償信号SCP2に基づく温度補償を行う。例えば出力クロック信号CKQの端子TCKでの負荷の変化に応じて、外部の処理装置が外部制御信号CNTの電圧レベルを変化させる。例えば処理装置は、出力クロック信号CKQの端子TCKの負荷が小さい場合には、外部制御信号CNTを第1電圧レベルに設定し、端子TCKの負荷が大きい場合には、外部制御信号CNTを第2電圧レベルに設定する。出力クロック信号CKQの端子TCKの負荷が変化すると、出力回路80の状態も例えば第1状態、第2状態というように変化する。そして制御回路60は、外部制御信号CNTの電圧レベルの変化に応じて、制御信号CCPを用いて温度補償回路40の温度補償を切り替える。例えば外部制御信号CNTが第1電圧レベルである場合には、第1温度補償信号SCP1により温度補償が行われ、外部制御信号CNTが第2電圧レベルである場合には、第2温度補償信号SCP2により温度補償が行われる。このようにすれば、外部制御信号CNTに応じた直接的な温度補償の切り替え制御を実現できるようになる。例えば出力クロック信号CKQの端子TCKの負荷の変化などの外部変化に伴う発熱量の変化に応じた温度補償のずれを補正できるようになる。
また図18において、外部制御信号CNTとしてアナログの外部制御電圧を回路装置20に入力し、このアナログの外部制御電圧を不図示のA/D変換回路によりA/D変換した外部制御データを制御回路60に入力するようにしてもよい。そして制御回路60は、この外部制御データに基づいて温度補償回路40の温度補償を切り替える。このようにすれば、外部制御電圧に応じた温度補償の切り替え制御を実現できるようになる。例えば外部の負荷の変化等に起因する発熱量の変化に合わせて、外部制御電圧が変化することで、様々な発熱量の変化に対応できるようになる。
5.発振器
図19に本実施形態の発振器4の第1構造例を示す。図19はシングルシールのパッケージの発振器4の構造例である。発振器4は、振動子10と、回路装置20と、振動子10及び回路装置20を収容するパッケージ15を有する。パッケージ15は、例えばセラミック等により形成され、その内側に収容空間を有しており、この収容空間に振動子10及び回路装置20が収容されている。収容空間は気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。パッケージ15により、振動子10及び回路装置20を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。
パッケージ15はベース16とリッド17を有する。具体的にはパッケージ15は、振動子10及び回路装置20を支持するベース16と、ベース16との間に収容空間を形成するようにベース16の上面に接合されたリッド17とにより構成されている。そして振動子10は、ベース16の内側に設けられた段差部に端子電極を介して支持されている。また回路装置20は、ベース16の内側底面に配置されている。具体的には回路装置20は、能動面がベース16の内側底面に向くように配置されている。能動面は回路装置20の回路素子が形成される面である。また回路装置20の端子にバンプBMPが形成されている。そして回路装置20は、導電性のバンプBMPを介してベース16の内側底面に支持される。導電性のバンプBMPは例えば金属バンプであり、このバンプBMPやパッケージ15の内部配線や端子電極などを介して、振動子10と回路装置20が電気的に接続される。また回路装置20は、バンプBMPやパッケージ15の内部配線を介して、発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。外部端子18、19は、パッケージ15の外側底面に形成されている。外部端子18、19は、外部配線を介して外部デバイスに接続される。外部配線は、例えば外部デバイスが実装される回路基板に形成される配線などである。これにより外部デバイスに対してクロック信号などを出力できるようになる。
なお図19では、回路装置20の能動面が下方に向くように回路装置20がフリップ実装されているが、本実施形態はこのような実装には限定されない。例えば回路装置20の能動面が上方に向くように回路装置20を実装してもよい。即ち能動面が振動子10に対向するように回路装置20を実装する。
図20に発振器4の第2構造例を示す。図20はH型のパッケージの発振器4の構造例である。発振器4は、振動子10と、回路装置20と、振動子10及び回路装置20を収容するパッケージ15を有し、パッケージ15は、ベース16とリッド17を有する。ベース16は、中間基板である第1基板6と、第1基板6の上面側に積層された略矩形フレーム形状の第2基板7と、第1基板6の底面側に積層された略矩形フレーム形状の第3基板8を有する。そして、第2基板7の上面にはリッド17が接合され、第1基板6と第2基板7とリッド17とにより形成された収容空間S1に、振動子10が収容されている。例えば収容空間S1に振動子10が気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。これにより、振動子10を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。また第1基板と第3基板8とにより形成された収容空間S2に、半導体チップである回路装置20が収容されている。また第3基板8の底面には、発振器4の外部接続用の電極端子である外部端子18、19が形成されている。
また収容空間S1においては、振動子10が、導電性の接続部CDC1、CDC2により、第1基板6の上面に形成された不図示の第1電極端子、第2電極端子に接続される。導電性の接続部CDC1、CDC2は、例えば金属バンプ等の導電性のバンプにより実現してもよいし、導電性の接着剤により実現してもよい。具体的には、例えば音叉型の振動子10の一端に形成された不図示の第1電極パッドが、導電性の接続部CDC1を介して、第1基板6の上面に形成された第1電極端子に接続される。そして第1電極端子は回路装置20のパッドPX1に電気的に接続される。また音叉型の振動子10の他端に形成された不図示の第2電極パッドが、導電性の接続部CDC2を介して、第1基板6の上面に形成された第2電極端子に接続される。そして第2電極端子は回路装置20のパッドPX2に電気的に接続される。これにより振動子10の一端及び他端を、導電性の接続部CDC1、CDC2を介して、回路装置20のパッドPX1、PX2に電気的に接続できるようになる。また半導体チップである回路装置20の複数のパッドには導電性のバンプBMPが形成され、これらの導電性のバンプBMPが、第1基板6の底面に形成された複数の電極端子に接続される。そして回路装置20のパッドに接続された電極端子は、内部配線等を介して発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。
なお発振器4は、ウェハレベルパッケージ(WLP)の発振器であってもよい。この場合には発振器4は、半導体基板と、半導体基板の第1面と第2面との間を貫通する貫通電極とを有するベースと、半導体基板の第1面に対して、金属バンプ等の導電性の接合部材を介して固定される振動子10と、半導体基板の第2面側に再配置配線層等の絶縁層を介して設けられる外部端子を含む。そして半導体基板の第1面又は第2面に、回路装置20となる集積回路が形成される。この場合には、振動子10及び集積回路が配置された複数のベースが形成された第1半導体ウェハーと、複数のリッドが形成された第2半導体ウェハーとを貼りつけることで、複数のベースと複数のリッドを接合し、その後にダイシングソー等によって発振器4の個片化を行う。このようにすれば、ウェハレベルパッケージの発振器4の実現が可能になり、高スループット、且つ、低コストでの発振器4の製造が可能になる。
以上のように図19では、発振器4は、1つの収容空間に振動子10及び回路装置20が収容されるシングルシールのパッケージ15を含んでいる。このようなシングルシールパッケージによれば発振器4の小型化を実現できる。一方、シングルシールパッケージの発振器4では、同じ収容空間に振動子10と回路装置20が収容されるため、発熱の影響を受けやすい。このため本実施形態のように出力回路80の状態や外部制御信号の状態に応じた温度補償の切り替えによる補正の効果が高くなる。一方、図20のようなH型パッケージの発振器4では、回路装置20が外気に接ししているため、回路装置20の発熱による影響も小さく、回路装置20の発熱が振動子10に伝わりにくくなる。しかしながらこのようなH型パッケージの発振器4においても、出力回路80の状態や外部制御信号の状態に応じた本実施形態の温度補償の切り替え手法は有効である。
以上に説明したように本実施形態の回路装置は、振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、第1状態、又は第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、温度センサーからの温度検出信号に基づいて、クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路を含む。そして出力回路が第1状態で動作するとき、温度補償回路は、出力回路が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路は、第1温度補償信号に基づいてクロック信号を生成する。また出力回路が第2状態で動作するとき、温度補償回路は、出力回路が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償し且つ第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路は、第2温度補償信号に基づいてクロック信号を生成する。
本実施形態によれば、出力回路が第1状態で動作し、第1消費電流が流れたときには、第1温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号を生成できるようになる。また出力回路が第2状態で動作し、第2消費電流が流れたときには、第2温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号を生成できるようになる。従って、出力回路の各状態に応じた適切な温度補償信号でクロック信号の周波数温度特性を補償できるようになり、出力クロック信号の周波数特性を向上できるようになる。
また本実施形態では、では、少なくとも1つの外部制御信号が入力され、外部制御信号に基づいて出力回路の第1状態と第2状態を切り替える制御回路を含んでもよい。
このようにすれば、外部制御信号により出力回路が第1状態から第2状態に切り替わって、発熱状態が変化した場合にも、適正に温度補償された出力クロック信号を出力できるようになる。
また本実施形態では、制御回路は、少なくとも1つの外部制御信号として、第1イネーブル制御信号と第2イネーブル制御信号が入力されてもよい。そして出力回路は、第1イネーブル制御信号がアクティブのとき、第1出力クロック信号を出力し、第2イネーブル制御信号がアクティブのとき、第2出力クロック信号を出力してもよい。
このようにすれば、第1イネーブル制御信号、第2イネーブル制御信号の設定により、出力回路の状態が変化して発熱状態が変化した場合にも、出力回路の状態に応じた温度補償信号で適切な温度補償を行えるようになる。
また本実施形態では、第1状態は、第1出力クロック信号が出力される状態であり、第2状態は、第1出力クロック信号及び第2出力クロック信号の両方が出力される状態であってもよい。
このようにすれば、第1出力クロック信号が出力される第1状態から、第1出力クロック信号及び第2出力クロック信号の両方が出力される第2状態に切り替わると、第1状態に対応する第1温度補償信号から第2状態に対応する第2温度補償信号に切り替わって、温度補償が行われるようになる。
また本実施形態では、出力回路は、クロック信号に基づいて第1出力クロック信号を出力する第1バッファー回路と、クロック信号に基づいて第2出力クロック信号を出力する第2バッファー回路と、を含んでもよい。そして第1状態において、第1バッファー回路が第1出力クロック信号を出力し、第2状態において、第1バッファー回路が第1出力クロック信号を出力し、且つ第2バッファー回路が第2出力クロック信号を出力してもよい。
このようにすれば、出力回路が第1状態である場合は、第1温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号に基づいて、第1バッファー回路が第1出力クロック信号を出力するになる。一方、出力回路が第2状態である場合は、第2温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号に基づいて、第1バッファー回路81が第1出力クロック信号を出力し、第2バッファー回路が第2出力クロック信号を出力するようになる。
また本実施形態では、制御回路は、少なくとも1つの外部制御信号として、出力クロック信号のスルーレートの制御信号が入力され、出力回路は、第1状態のときに、第1スルーレートの出力クロック信号を出力し、第2状態のときに、第2スルーレートの出力クロック信号を出力してもよい。
このようにすれば、スルーレートが第1スルーレートから第2スルーレートに切り替わって、出力回路の発熱状態が変化した場合に、発熱状態に応じた適切な温度補償を実現することが可能になる。
また本実施形態では、温度補償回路は、第1温度補償信号を温度方向にシフトさせることで、第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を生成してもよい。
このようにすれば、出力回路が第1状態から第2状態に変化して、発熱状態が変化すると、第1温度補償信号を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号により、クロック周波数を適正に温度補償することが可能になる。
また本実施形態では、温度補償回路は、出力回路が第2状態であるとき、温度センサーからの温度検出信号をオフセットさせて第2温度補償信号を生成することで、第1温度補償信号を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号を生成してもよい。
このようにすれば、温度センサーからの温度検出信号をオフセットさせるという簡素な処理で、第1温度補償信号を温度方向にシフトさせた第2温度補償信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、温度補償回路は、第1温度補償信号とは温度に対する少なくとも2次係数の特性が異なる温度補償信号を、第2温度補償信号として生成してもよい。
このようにすれば出力回路が第1状態から第2状態になって、発熱状態が変化し、2次係数等の特性に対応する温度補償のずれが発生するような場合にも、第1温度補償信号とは少なくとも2次係数の特性が異なる第2温度補償信号を用いることで、温度補償のずれを適正に補正できるようになる。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、振動子を発振させて発振信号を生成する発振回路を含み、温度補償回路は、アナログ温度補償を行う温度補償回路であり、第1温度補償信号及び第2温度補償信号として、発振信号の温度補償電圧を発振回路に出力してもよい。
このようにすれば、振動子を振動させる発振回路に対して、第1温度補償信号、第2温度補償信号として温度補償電圧が出力されることで、アナログ方式での発振周波数の温度補償が可能になる。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、振動子を発振させて発振信号を生成する発振回路と、発振信号に基づいてクロック信号を生成するPLL回路と、を含んでもよい。そして温度補償回路は、デジタル温度補償を行う温度補償回路であり、第1温度補償信号及び第2温度補償信号として、PLL回路の分周比設定信号を出力してもよい。
このようにすれば、PLL回路に対して、第1温度補償信号、第2温度補償信号として分周比設定信号が出力されて分周比が制御されることで、デジタル方式での温度補償が可能になる。
また本実施形態の発振器は、振動子と、回路装置を含む。また回路装置は、振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、第1状態、又は第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、温度センサーからの温度検出信号に基づいて、クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路と、を含む。そして出力回路が第1状態で動作するとき、温度補償回路は、出力回路が第1状態で動作するときの周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路は、第1温度補償信号に基づいてクロック信号を生成する。また出力回路が第2状態で動作するとき、温度補償回路は、出力回路が第2状態で動作するときの周波数温度特性を補償し且つ第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、クロック信号生成回路は、第2温度補償信号に基づいてクロック信号を生成する。
本実施形態によれば、出力回路が第1状態で動作し、第1消費電流が流れたときには、第1温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号を生成できるようになる。また出力回路が第2状態で動作し、第2消費電流が流れたときには、第2温度補償信号に基づき温度補償されたクロック信号を生成できるようになる。従って、出力回路の各状態に応じた適切な温度補償信号でクロック信号の周波数温度特性を補償できるようになり、出力クロック信号の周波数特性を向上できるようになる。
また本実施形態では、1つの収容空間に振動子及び回路装置が収容されるシングルシールのパッケージを含んでもよい。
このようなシングルシールパッケージの発振器によれば、同じ収容空間に振動子と回路装置が収容されるため、出力回路の状態に応じた温度補償の切り替えによる補正の効果が高くなる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また回路装置、発振器の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
4…発振器、6…第1基板、7…第2基板、8…第3基板、10…振動子、15…パッケージ、16…ベース、17…リッド、18、19…外部端子、20…回路装置、28…クロック信号生成回路、30…発振回路、32、34…可変容量回路、40、40A、40B…温度補償回路、42…電流生成回路、43…1次補正回路、44…高次補正回路、46…電流電圧変換回路、47…バッファー回路、48、48A、48B…温度センサー、52…A/D変換回路、54…D/A変換回路、60…制御回路、62…デルタシグマ変調回路、64…演算回路、66…レジスター、67…A/D変換回路、68…メモリー、70…PLL回路、72…位相比較回路、74…制御電圧生成回路、76…電圧制御発振回路、78…分周回路、79…出力バッファー、80…出力回路、81…第1バッファー回路、82…第2バッファー回路、84…スルーレート制御回路、90…電源回路、140…関数電流生成回路、141…基準電流生成回路、151…第1補償回路、152…第2補償回路、CBF1、CBF2、CCP…制御信号、CK…クロック信号、CKQ…出力クロック信号、CKQ1…第1出力クロック信号、CKQ2…第2出力クロック信号、CL…負荷、CNT…外部制御信号、CSR、CSR1~CS6…制御信号、DT…温度検出データ、FBCK…フィードバッククロック信号、OE1…第1イネーブル制御信号、OE2…第2イネーブル制御信号、OSC…発振信号、PCK、PCK1、PCK2、PCNT、PGND、POE1、POE2、PSR、PVDD、PX1、PX2…パッド、SCP1…第1温度補償信号、SCP2…第2温度補償信号、SDIV…分周比設定信号、SR…制御信号、STS、STSA、STSB…温度検出信号、TCK、TCNT、TGND、TOE1、TOE2、TSR…端子、TVDD…端子、VCP…温度補償電圧、VCP1…第1温度補償電圧、VCP2…第2温度補償電圧、VTS…温度検出電圧

Claims (13)

  1. 振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
    第1状態、又は前記第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、前記クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、
    温度センサーからの温度検出信号に基づいて、前記クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路と、
    を含み、
    前記出力回路が前記第1状態で動作するとき、
    前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第1状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、
    前記クロック信号生成回路は、前記第1温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成し、
    前記出力回路が前記第2状態で動作するとき、
    前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第2状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償し且つ前記第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、
    前記クロック信号生成回路は、前記第2温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成することを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1に記載の回路装置において、
    少なくとも1つの外部制御信号が入力され、前記外部制御信号に基づいて前記出力回路の前記第1状態と前記第2状態を切り替える制御回路を含むことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項2に記載の回路装置において、
    前記制御回路は、
    少なくとも1つの前記外部制御信号として、第1イネーブル制御信号と第2イネーブル制御信号が入力され、
    前記出力回路は、
    前記第1イネーブル制御信号がアクティブのとき、第1出力クロック信号を出力し、
    前記第2イネーブル制御信号がアクティブのとき、第2出力クロック信号を出力することを特徴とする回路装置。
  4. 請求項3に記載の回路装置において、
    前記第1状態は、前記第1出力クロック信号が出力される状態であり、
    前記第2状態は、前記第1出力クロック信号及び前記第2出力クロック信号の両方が出力される状態であることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項3に記載の回路装置において、
    前記出力回路は、
    前記クロック信号に基づいて前記第1出力クロック信号を出力する第1バッファー回路と、
    前記クロック信号に基づいて前記第2出力クロック信号を出力する第2バッファー回路と、
    を含み、
    前記第1状態において、前記第1バッファー回路が前記第1出力クロック信号を出力し、
    前記第2状態において、前記第1バッファー回路が前記第1出力クロック信号を出力し、且つ前記第2バッファー回路が前記第2出力クロック信号を出力することを特徴とする回路装置。
  6. 請求項2に記載の回路装置において、
    前記制御回路は、
    少なくとも1つの前記外部制御信号として、前記出力クロック信号のスルーレートの制御信号が入力され、
    前記出力回路は、
    前記第1状態のときに、第1スルーレートの前記出力クロック信号を出力し、
    前記第2状態のときに、第2スルーレートの前記出力クロック信号を出力することを特徴とする回路装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記温度補償回路は、
    前記第1温度補償信号を温度方向にシフトさせることで、前記第1温度補償信号とは異なる前記第2温度補償信号を生成することを特徴とする回路装置。
  8. 請求項7に記載の回路装置において、
    前記温度補償回路は、
    前記出力回路が前記第2状態であるとき、前記温度センサーからの前記温度検出信号をオフセットさせて前記第2温度補償信号を生成することで、前記第1温度補償信号を前記温度方向にシフトさせた前記第2温度補償信号を生成することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記温度補償回路は、
    前記第1温度補償信号とは温度に対する少なくとも2次係数の特性が異なる温度補償信号を、前記第2温度補償信号として生成することを特徴とする回路装置。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記クロック信号生成回路は、
    前記振動子を発振させて前記発振信号を生成する発振回路を含み、
    前記温度補償回路は、
    アナログ温度補償を行う温度補償回路であり、前記第1温度補償信号及び前記第2温度補償信号として、前記発振信号の温度補償電圧を前記発振回路に出力することを特徴とする回路装置。
  11. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記クロック信号生成回路は、
    前記振動子を発振させて前記発振信号を生成する発振回路と、
    前記発振信号に基づいて前記クロック信号を生成するPLL回路と、
    を含み、
    前記温度補償回路は、
    デジタル温度補償を行う温度補償回路であり、前記第1温度補償信号及び前記第2温度補償信号として、前記PLL回路の分周比設定信号を出力することを特徴とする回路装置。
  12. 振動子と、
    回路装置を含み、
    前記回路装置は、
    前記振動子を発振させた発振信号に基づくクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
    第1状態、又は前記第1状態とは消費電流が異なる第2状態で動作し、前記クロック信号に基づいて少なくとも1つの出力クロック信号を出力する出力回路と、
    温度センサーからの温度検出信号に基づいて、前記クロック信号の周波数温度特性を補償する温度補償回路と、
    を含み、
    前記出力回路が前記第1状態で動作するとき、
    前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第1状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償する第1温度補償信号を出力し、
    前記クロック信号生成回路は、前記第1温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成し、
    前記出力回路が前記第2状態で動作するとき、
    前記温度補償回路は、前記出力回路が前記第2状態で動作するときの前記周波数温度特性を補償し且つ前記第1温度補償信号とは異なる第2温度補償信号を出力し、
    前記クロック信号生成回路は、前記第2温度補償信号に基づいて前記クロック信号を生成することを特徴とする発振器。
  13. 請求項12に記載の発振器において、
    1つの収容空間に前記振動子及び前記回路装置が収容されるシングルシールのパッケージを含むことを特徴とする発振器。
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