JP2024016972A - 樹脂組成物および車両部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形体の傷付きによる白化が抑制された、新規の樹脂組成物およびこの樹脂組成物を用いた車両部材を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係る樹脂組成物は、着色された樹脂中に、好ましくは似た色に着色された卵殻粉末を含む樹脂組成物である。【選択図】図3

Description

本開示は、樹脂組成物およびこの樹脂組成物を用いた車両部材に関する。
従来、樹脂にフィラーを配合した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。フィラーは、例えば車両部材として用いられる樹脂の剛性を向上させるために用いられる。このようなフィラーとしては、一般的にはタルクや炭酸カルシウムなどが用いられている。
特開2019-131708号公報
グローブボックスのような車両部材として用いられる樹脂組成物は、傷付き等によって発生する白化を抑制することが好ましい。しかし、剛性向上のために配合されたタルクや炭酸カルシウムなどのフィラーは、配合量が比較的多く、色が白いために、成形品の傷付きで表面に現れることにより白化の要因となり得る。特許文献1は、白化を抑制するためにタルクを含有しない樹脂組成物を開示している。
本開示の課題は、成形品の傷付きによる白化を抑制できる新規の樹脂組成物およびこの樹脂組成物を用いた車両部材を提供することにある。
本発明者は、産業廃棄物である卵殻に着目し、気孔に富む卵殻を粉末化した卵殻粉末は、粉末化しても気孔により表面に微小凹凸が残り、顔料や染料といった着色剤で着色すると着色剤の定着がよいこと、得られた着色卵殻粉末は樹脂の白化を抑制できる樹脂のフィラーとして最適であることを見出した。
本開示の一態様に係る樹脂組成物は、主材樹脂中に着色された卵殻粉末を含む樹脂組成物である。本開示の別の態様は、この樹脂組成物からなる車両部材である。
この樹脂組成物によれば、成形品の傷付きによる白化を抑制できる。また、このような樹脂組成物から成形により製造された車両部材は、傷付き痕が見え難く見栄えが優れる。また、フィラーとして使用する卵殻は、輸入に頼るタルクとは異なり、国内で入手可能な産業廃棄物であるため、経済性に優れ、かつ環境負荷の低減にも資する。
卵殻の電子顕微鏡による拡大写真。 顔料を用いて着色した卵殻粉末の電子顕微鏡による拡大写真。 染料を用いて着色した卵殻粉末の電子顕微鏡による拡大写真。 実施例及び比較例の配合及び物性等を示す表。 実施例による試験の結果を示す写真。 比較例による試験の結果を示す写真。
本開示における樹脂組成物は、主材となる樹脂(以下明細書において主材樹脂と記す
)と、着色された卵殻粉末とを含む。主材樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)などの熱可塑性樹脂が好ましい。ポリプロピレン樹脂の一部に酸変性ポリプロピレン樹脂を含有させてもよい。主材樹脂は、当業者には周知の方法で、着色剤を用いて着色されている。
樹脂組成物にフィラーとして配合される着色卵殻粉末は、卵殻を粉砕して得た卵殻粉末(卵殻パウダー)を染料又は顔料といった着色剤で着色したものである。卵殻粉末は、鳥類の卵、好ましくは白色の鶏卵(白玉)を粉砕して得られるものである。具体的には、鶏卵などの卵殻を水洗して粗粉砕し、卵殻膜を除去した後に脱水乾燥して微粉砕して製造される。卵殻は、水分を含有せず、炭酸カルシムを主成分とし、他に微量の炭酸マグネシウムやリン酸カルシウムを含んでいる。
卵殻粉末の含有量は、樹脂組成物の3~40重量%が好ましく、より好ましくは5~30重量%であり、特に好ましくは10~25重量%である。
図1は、電子顕微鏡によって5000倍に拡大した卵殻の拡大写真である。最上層として卵殻膜(細長い棒状体)が見えるが、後述するように、フィラーとして使用する卵殻粉末では卵殻膜は除去する。卵殻の板厚は一般に300から500μmである。卵殻の断面には、炭酸ガスを放出し、酸素の吸気等をおこなうガス交換のため、無数(鶏卵の卵殻1個につき、約1万から3万個程度)の気孔が存在する(図1の矢印参照)。
卵殻粉末を、耐衝撃性の向上と強度補強の効果を得るフィラーとして用いる場合、卵殻粉末の粒子径は、1から50μm程度が好ましい。より好ましくは、1から40μmである。卵殻は無数の結晶状層で成立し、各乳頭核を起点に放射状に積層沈着形成されている。このような構造によって、卵殻の気孔が形成される。このため、卵殻は上記の粒子径まで粉体化しても粒子表面に気孔が残存し、無数の凹凸が存在する。この凹凸に着色剤が浸透するため、卵殻に着色剤が定着しやすい。
これに対し、同じ炭酸カルシウムを主成分とする貝殻(例、牡蠣殻)では、粉砕前は表面に凹凸があるが、例えば10μm程度まで粉砕すると粉末表面は凹凸がほとんどなくなってしまう。それは、貝殻の成長過程で炭酸カルシウムが長手方向で線状に積層沈着するためである。そのため、貝殻粉末の良好な着色はかなり困難となる。
卵殻粉末を着色する着色剤は、主材樹脂に含有される着色剤と同色または近似した色の着色剤であればよい。例えば、主材樹脂に含有される着色剤が黒色である場合、卵殻粉末に添加する着色剤も黒色あるいは黒色に近似した色であればよい。着色剤としては、一般に粒子径が1nm~3nmである染料と、粒子径が50nm~1000nm(=1μm)である顔料のいずれも使用できる。
卵殻粉末の着色は以下の方法により実施することができる。
まず、卵殻粉末を用意し、卵殻を着色するための着色剤を卵殻粉末に添加する。着色剤の量は、卵殻粉末の質量重量に対して20分の1程度が好ましいが、10分の1から30分の1の範囲内で変動させてもよい。
着色剤が染料である場合には、その粒子系が1~3nm(=0.001~0.003μm)と、卵殻粉末の粒子径(好ましくは1~50μm)と比べて極めて小さいため、卵殻粉末の表面凹凸や気孔によるアンカー効果(後述)により、染料単独で卵殻粉末に十分に付着・定着しうる。
一方、粒子径が最大で1μmになる顔料の場合、顔料と卵殻粉末との粒子径の差が小さく、卵殻粉末のアンカー効果による顔料の定着は期待しにくいので、顔料にバインダを併用して卵殻粉末に定着させる方法を採用することができる。バインダとしては、例えば、水溶性アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを使用することができる。バインダの量は、卵殻粉末の粒子径に応じて変動させうるが、顔料定着に必要な範囲で少ない方がよく、実験によって量を決めることができる。バインダを使用する場合でも、顔料とバインダの合計量が上記の着色剤の量とするのでよい。
次に、卵殻粉体が凝集しないように攪拌しながら、酸を添加しつつ、90℃から95℃まで昇温し安定化させる。添加する酸としては、塩酸等の無機酸、並びに蟻酸等の有機酸を用いることができるが、製造コストが小さいことから、特に蟻酸が最も好ましい。蟻酸の場合、濃度は1~5重量%の水溶液が適当である。
次に、着色した卵殻粉末を約10℃程まで冷却し、その後、必要に応じて高分子剤を添加し安定化させる。高分子剤としては、アニオン系の高分子などを用いることができる。
次に、着色した卵殻粉末を水洗し、付着した酸および過剰な高分子剤を除去する。その後、ヒータによって加熱し、乾燥させるとともに、着色剤を焼き付け定着させる。
なお、卵殻膜は、腐乱臭の原因となるため卵殻粉末から除去する必要があるが、この着色方法によれば酸を添加する工程において卵殻膜が酸によって溶解し、付着した酸を水洗により除去する工程において溶解した卵殻膜が酸とともに除去される。すなわち、この着色方法によれば着色と同時に卵殻膜も除去できる。
図2は電子顕微鏡によって2500倍に拡大した、着色剤に顔料を用いて着色した卵殻粉末の拡大写真である。図3は電子顕微鏡によって2500倍に拡大した、着色剤に染料を用いて着色した卵殻粉末の拡大写真である。顔料および染料のいずれの着色剤を用いた場合であっても、卵殻粉末に着色剤が定着している点が観察できる。これは、卵殻粉末に含まれる炭酸カルシウムと着色剤との親和性に加え、卵殻粉末の表面の気孔によって形成された凹凸に、バインダまたは着色剤が入り込む毛細管現象によるアンカー効果と考えられる。
バインダを用いて卵殻粉末を着色した場合、卵殻表面の気孔にバインダが入り込み、着色剤が気孔周辺に固まりとなって存在する。しかし、染料によって卵殻粉末を着色した場合、卵殻表面の気孔に着色剤が入り込み、卵殻表面が均一に着色されている。このため、卵殻粉末を着色する場合、染料による着色のほうがより好ましい。
また上記の着色方法に限られず、ポリエステルなどの着色工程と同様な方法で、卵殻粉末の着色が可能である。
樹脂組成物は、主材の樹脂と、フィラーとして使用する卵殻粉末のほかに、所望により、樹脂組成物に慣用される他の添加剤を含有しうる。そのような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤(主材樹脂が着色されていない場合)などが挙げられる。
樹脂組成物は、押出成形機などでペレット化される。作製されたペレットは、周知のプラスチック成形方法、例えば押出成形、射出成形、ブロー成形、ホットプレスなどによって樹脂成形体が製造される。樹脂成形体は、自動車のグローブボックス等の車両用内装部材に用いることができる。
以下の原料成分を用い、図4の表に示す配合による樹脂組成物のペレットを押出成形機で作製し、射出成形により板状の樹脂成形体を作成した。
ポリプロピレン:品名;ノバテックPP BC05GS、日本ポリプロ社製(黒色着色品)
タルク:品名;SK-7800、海城社製(平均粒子径:25μm)
着色卵殻粉末:平均粒子径25μmになるように卵殻を粉砕して得た卵殻粉末を、着色剤として黒色染料(品名:LANASET(登録商標) Dyes ハインツマン・ジャパン)を用いて、前述した蟻酸を用いた方法により着色しもの。
実施例及び比較例のポリプロピレン樹脂成形体に対して、耐傷付き性試験(引掻き試験)を行った。
耐傷付き性試験の方法は、エリクセン社製引掻き硬度計(先端径0.75mm)を用いて、荷重10N、50mm/sの速度で50mmの直線に引掻き、目視にて傷の程度及び白化の有無を確認した。
図5と図6の写真を比較してわかるように、図5に示す実施例による樹脂組成物においても白化現象が発生するものの、図6に示す比較例による樹脂組成物に比べて明らかに白化発生範囲が少ない。
このように、卵殻粉末を樹脂組成物の主材樹脂と同色または近似した色で着色すれば、擦傷・露出時においても主材樹脂に同化され、傷跡が見え難くなり見栄えを維持しやすい。
また、本開示の樹脂組成物は、卵殻粉末に含まれる炭酸カルシウムによって硬度が向上する。これによって、引掻きする部材が樹脂成形体に食い込みにくい。この結果、傷が浅く傷跡が見えにくくなる。
さらにタルクは、輸送費、安全性の面の懸念があり、車両用部材として用いる樹脂組成物に含有させることは好ましくない。
さらに、本開示の樹脂組成物は卵殻粉末を含有することによって廃棄物である卵殻のリサイクルとなる。
また、卵殻粉末はタルクよりも着色剤のアンカー効果を期待でき、着色しやすい。このため、着色剤の材料要求物性(耐光性・耐衝撃性・耐薬品性)などに対して選択肢が広がりやすい。この結果、車両用部材として使用した場合に、見栄えを向上させやすい。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

Claims (3)

  1. 主材樹脂中に着色された卵殻を含む樹脂組成物。
  2. 主材樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物から成形された車両部材。
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