JP2024016718A - プッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置場所が限られた室内において、複数人間を噴流により確実に分離することができるプッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置を提供する。【解決手段】空間分離装置1は、送風ファン15と、縦方向に配置されたスリット型の吹出口11と、送風ファン15と吹出口11を連通する流路80を有する。拡散幅制御手段として、吹出口11から吹出される空気の噴流J1の拡散幅が縮小されている。【選択図】図1(a)

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)診療室における気流による環境分離システムの開発(第1報) ▲1▼行物名:第39回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会予稿集 ▲2▼発行年月日:令和4年4月12日 ▲3▼発行者名:公益社団法人 日本空気清浄協会 ▲4▼公開日:令和4年4月12日発表 ▲5▼集会名:第39回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会 ▲6▼主催団体:公益社団法人 日本空気清浄協会 (2)診療室における気流による環境分離システムの開発(第2報) ▲1▼行物名:第39回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会予稿集 ▲2▼発行年月日:令和4年4月12日(頒布日:令和4年○○月○○日) ▲3▼発行者名:公益社団法人 日本空気清浄協会 ▲4▼公開日:令和4年4月12日発表 ▲5▼集会名:第39回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会 ▲6▼主催団体:公益社団法人 日本空気清浄協会
本発明は、プッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置に関し、より詳細には、医療機関の診察室などの室内において複数人(例えば、医療従事者と患者)の間を噴流により分離するプッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置に関する。
近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で流行している。感染症有症者又はその疑いがある患者が多く訪れる医療機関の診察室などでは、感染対策が必須である。患者から医療従事者への感染防止はもちろん、医療従事者から患者へ感染させるリスクも低減しなければならない。
通常、診察室などにおいて行われている対策としては、窓を開けて換気を行う、空気清浄機を設置する、アクリル板で区切るなどである。しかし、いずれの方法でも、対面する医療従事者と患者は会話時の呼気による相互感染リスクを十分に低減することはできず、診察室に長く滞在する医療従事者は感染のリスクにさらされてしまう。
そこで、医療従事者と患者との空間を噴流により分離する装置を用いることにより相互の感染リスクを低減する方法がある。例えば、特許文献1では、上下方向に配置されるエアカーテン装置が開示されている。また、特許文献2では、対面する複数人の間にエアカーテンを形成し、噴流を横方向に流すことにより、飛沫物の移動を防止する技術が開示されている。
しかし、吹出口から吹き出された噴流は吹出口から離れるほど広がるため、吹込口付近では噴流の直進性を維持することができない。特許文献1や特許文献2の技術では、吹出口のサイズと受風口のサイズが同じであるため、吹出口から吹き出された噴流を受風口で確実に吸い込むことができず、感染対策としては不十分であった。
また、吹出口から吹き出された噴流を受風口で確実に吸い込むためには、特許文献3に記載の技術のように、吹出口や受風口を大型化し、より強い噴流を発生させることにより噴流の直進性を維持する技術がある。しかし、特許文献3の技術では、システムの大型化や高額化を招いてしまう。また、病院の診察室などの室内においては、噴流や装置などのノイズにより、医療従事者と患者の会話が聞き取りにくいといった問題がある。
特許6892547号公報 特開2011-137588号公報 特許6868922号
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、設置場所が限られた室内において、複数人の間を噴流により確実に分離することができるプッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置を提供することにある。
本発明の発明者は、吹出口から吹き出された噴流の噴射幅が、噴流の近傍に存在する拡散幅制御手段によって安定されるという現象に着目した。すなわち、吹出口から吹き出された噴流は水平方向への拡散性を有するが、隣接する他の噴流によって、その拡散性を抑制することができるため、複数人の間を噴流により確実に分離することができるとの知見を得た。このような知見に基づき、本発明のプッシュ型送風装置は、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)送風ファン。
(2)縦方向に配置されたスリット型の吹出口。
(3)前記送風ファンと前記吹出口を連通する流路。
(4)前記吹出口から吹出される空気の噴流の拡散幅を抑制する拡散幅抑制手段。
本発明のプッシュ型送風装置において、次のような構成を採用することができる。
(1)前記吹出口が3本設けられ、前記拡散幅抑制手段として、両サイドの前記吹出口の風量は、中央の前記吹出口の風量より少ない。
(2)前記拡散幅制御手段として、前記吹出口の近傍に補助気流を供給する。
(3)前記拡散幅制御手段として、前記補助気流の風量を確保する補助気流用ファンが設けられている。
(4)前記流路には、前記補助気流の風量を調整する補助気流調整弁が設けられている。
(5)前記流路には、ノズル又は絞り部を有するノズルが形成されている。
本発明のプッシュ型送風装置を用いた空間分離装置において、次のような構成を採用することができる。
(6)前記プッシュ型送風装置に対向して配置され、
前記吹出口から吹出された空気の噴流を吸い込む受風口と、
受風ファンと、
を有するプル型受風装置を備える。
(7)前記プッシュ型送風装置に発信センサを配置し、前記プル型受風装置に受信センサを配置し、前記受信センサが所定の範囲外の場合には、前記プッシュ型送風装置と前記プル型受風装置との方向を自動調整する。
本発明によれば、設置場所が限られた室内において、複数人間を気流により確実に分離することができるプッシュ型送風装置及びそれを用いた空間分離装置を提供することが可能となる。
本発明に係る空間分離装置の第1実施形態を示す平面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態のプッシュ型送風装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は正面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態のプル型受風装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は正面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態の補助気流の効果を示す模式図であり、(a)は補助気流がない場合の噴流の不安定化を示す図、(b)は補助気流により噴流が安定化している状態を示す図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態のプッシュ型送風装置及びプル型受風装置の設置位置・方向の検出及び自動調整を示す模式図であり、(a)はレーザの広がりを示す図、(b)はプッシュ型送風装置の発信センサの設置位置を示す図、(c)はプル型送風装置の発信センサの設置位置を示す図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態の空間分離装置の使用状況を示す側面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態の空間分離装置の使用状況を示す平面図である。 本発明に係る空間分離装置の第2実施形態のプッシュ型送風装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明に係る空間分離装置の第1実施形態のプッシュ型送風装置の他の例を示すであり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は正面図であり、(d)及び(e)は吹出口の配置位置に関する変形例である。
[第1実施形態]
第1実施形態は、プッシュ型送風装置10が横方向に並列に配置された3つの吹出口11を備えたものである。本実施形態の吹出口11は、中央の吹出口110と、中央の吹出口110の両サイドに配置された補助気流用吹出口111から構成される。中央の吹出口110から噴流Jが噴出され、両サイドの補助気流用吹出口111は補助気流Hを供給する。
[1.第1実施形態の構成]
(全体構成)
本発明の第1実施形態に係る空間分離装置1の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図2(b)に示すとおり、空間分離装置1は、送風ファン15と、縦方向に配置されたスリット型の吹出口11と、送風ファン15と吹出口11を連通する流路80を有する。
図2(a)及び(c)に示すとおり、第1実施形態の空間分離装置1は、拡散幅制御手段として、中央の吹出口110の両サイドに補助気流用吹出口111が設けられる。補助気流用吹出口111は、補助気流Hを供給する。補助気流用吹出口111の風量は、中央の吹出口110の風量より少ない。補助気流用吹出口111の風量が中央の吹出口110の風量より少なくなるために、補助気流用吹出口111内で抵抗が大きくなるように、じゃま板を設ける、流路を細くする、抵抗体(フィルタなど)を設けるなどの機構を有する。
(プッシュ型送風装置)
図2(b)に示すように、本実施形態のプッシュ型送風装置10は、プル型受風装置20との対向面にスリット型の吹出口11を3本有する。吹出口11は、中央の吹出口110と、中央の吹出口110の両サイドに配置された補助気流用吹出口111から構成されるが、吹出口の本数や配置はこれに限定されるものではない。プッシュ型送風装置10は、吹出口11を備える全体として縦長の吹出部12と、吹出部12の下部に設けられた箱型のプッシュ型送風装置本体13(以下、本体13という)とを有する。本明細書では、プッシュ型送風装置10の吹出口11から噴流J1が噴射される側を正面、その反対側を背面という。プッシュ型送風装置10の正面には、吹出口11の縦方向の縁の全域にわたってプル型受風装置20に向かって突出した整流板14が設けられている。なお、整流板14は、長方形の開放型でも良いし、横仕切りが入っていても良いし、長方形の開放型と横仕切り型を組み合わせて使用しても良い。噴流J1の直進性を一定距離維持するため、吹出口11の横幅をdとすると、整流板14の突出幅は2d以上が好ましい。
本体13の内部には、送風ファン15が設けられている。送風ファン15の送風量は、調整可能である。送風ファン15の正面及び背面には、吸込口16が設けられている。吸込口16には、空気清浄化機能を有するフィルタ(例えば、HEPAフィルタなど)が設置される。吸込口16から吸い込まれた空気は、本体13内部及び吹出部12に連通されたダクト17を通って吹出部12内に供給され、吹出部12の前面に設けられた吹出口11からプル型受風装置20に向かって噴出される。なお、HEPAフィルタの後段又はフィルタ内部には、捕集したウイルスを室内へ再放出させない機構を設けても良い。例えば、UVランプや光触媒など殺菌性を有する機構が内蔵していても良いし、捕集した臭気物質を吸着させるための活性炭フィルタがついていても良い。
吹出部12の上部には、電源及び制御装置18が設けられている。電源及び制御装置18は、プッシュ型送風装置10のon、offに連動して、プル型受風装置20をon、offにする。電源及び制御装置18は、送風ファン15の風量や方向を制御する。
後述するように、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20との方向を自動調整するため、本体13には、発信センサ19が設けられている。
(プル型受風装置)
図3(a)~(c)に示すように、プル型受風装置20は、全体として縦長の角柱形状であり、正面に受風口21、背面に排気口22を有する。本明細書では、プル型受風装置20の受風口21が配置されている側を正面、その反対側を背面という。
受風口21は、複数の横方向のスリットにより形成されている。後述するとおり、受風口21は、狭幅噴流J2における最も噴流強度の高い位置に設けられるとよい。プル型受風装置20では、補助気流H及び誘引気流Aを含めた狭幅噴流J2を拡散させることなくプル型受風装置20で有効に受風するため、プル型受風装置20の受風口21の幅はプッシュ型送風装置10の吹出口11の幅よりも大きくし、受風量もプッシュ型送風装置10の送風量よりも大きく設定することが好ましい。また、図3(b)に示すように、補助気流H及び誘引気流Aを含めた狭幅噴流J2を効率よく受風するため、自動又は手動で開閉する受風板27を両サイドに設けても良い。受風板27の幅及び又は高さは、プル型受風装置20の位置における補助気流H及び誘引気流Aを含めた狭幅噴流J2の拡散幅と同じ又はそれよりも広い幅及び又は高さにすると良い。
プル型受風装置20の内部には、複数の受風ファン23が設けられている。本実施形態では、横に2個、縦に4個の計8個の受風ファン23が配置されている。受風ファン23の送風量は、個別に、または全体風量を調整可能である。
図3に示すように、受風ファン23と排気口22の間には、エアフィルタ24が設置される。受風ファン23により受風口21から吸い込まれた空気は、HEPAフィルタなどのエアフィルタ24を通って、排気口22から送り出される。プル型受風装置20の下部には、電源及び制御装置25が設けられている。電源及び制御装置25は、プル型受風装置20のon、offに連動して、プッシュ型送風装置10をon、offにする。電源及び制御装置25は、受風ファン23の風量や方向を制御する。なお、HEPAフィルタの後段又はフィルタ内部には、捕集したウイルスを室内へ再放出させない機構を設けても良い。例えば、UVランプや光触媒など殺菌性を有する機構が内蔵していても良いし、捕集した臭気物質を吸着させるための活性炭フィルタがついていても良い。
後述するように、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20とを独立に設置し、かつ両者を同一面上に対向して設置するため、プル型受風装置20の正面には、受信センサ26が設けられている。
(拡散幅制御手段)
拡散幅制御手段は、補助気流Hにより噴流J1の拡散幅を安定させ、狭幅噴流J2を生成する。仮に、拡散幅制御手段が存在しない場合には、図4(a)に示すように、吹出口11から噴出された噴流J1は、誘因気流Aの影響により乱流渦を引き起こし、空気の流れが不安定となる。その結果、噴流J1の後流側では乱流渦による不安定化を引き起こし、直進性を維持することができない。
一方、本実施形態では、図4(b)に示すように、拡散幅制御手段として、中央の吹出口110の両サイドに補助気流Hを噴出する補助気流用吹出口111が配置される。中央の吹出口110から噴流J1が噴出される際、補助気流用吹出口111から、噴流J1に対して、中央の吹出口110の風量より少ない風量、すなわち誘引分の補助気流Hが供給される。その結果、噴流J1の水平方向の拡散性が抑制され、中央の吹出口110から離れた場所における狭幅噴流J2は安定化する。
(設置位置・方向の検出及び自動調整)
本実施形態では、図2(c)及び図3(c)に示すように、プッシュ型送風装置10に発信センサ19(レーザ発振素子19a、超音波発信素子19b)を配置し、プル型受風装置20に受信センサ26(受光センサ26a、超音波受信センサ26b)を配置する。受信センサ26が所定の範囲外の場合には、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20との方向を手動又は自動調整する。
本実施形態では、発信センサ19及び受信センサ26としてレーザを使用する。なお、発信センサ19及び受信センサ26は、レーザに限らず、赤外線や可視光線などの光電センサ、ファイバセンサ、超音波センサ、画像判別センサなどであっても良い。プッシュ型送風装置10の正面に、発信センサ19として平行に複数個のレーザ発振素子19aが設けられる。他方、対向するプル型受風装置20の正面の同じ高さに、受信センサ26としてレーザ発振素子19aと同ピッチで、複数個の受光センサ26aが設けられる。図5に示すように、レーザ発振素子19aによるレーザは完全な平行ではなく、若干の広がり角を有する。このため、プル型受風装置20の正面で受光するレーザはある程度の広がりが生じる。図5に示すように、プル型受風装置20がプッシュ型送風装置10と同一面上に対向して設置されている場合は、複数ある受光センサ26aのすべてが受光するので、正確な位置決めが可能となる。
プル型受風装置20がプッシュ型送風装置10に対して同一面上から左右にずれた場合、あるいは方向が若干ずれて設置された場合には、すべての受光センサ26aが同時に受光することはない。そこで、受光しない受光センサ26aの数と場所により、左右上下方向にどれだけの量がずれているのかを検知し、設置作業者に警告を発する。プル型受風装置20及び/又はプッシュ型送風装置10を、移動機構を有する架台上に設置した場合には、センサからのずれ量に基づいて移動機構を制御することで、両者の位置を自動調整することができる。
例えば、プル型受風装置20は、その方向や位置を調整する機構(図示せず)を有することができる。その場合、受信センサ26の検出信号に基づき、プッシュ型送風装置10と同一面上に対向するよう、プル型受風装置20の方向や位置は自動調整される。自動調整機構としては、プル型受風装置20にモータによって駆動される回転台やスライド機構を設け、これらの機構を受信センサ26からの信号によって制御することができる。
[2.第1実施形態の作用]
空間分離装置1の使用方法と作用について説明する。本実施形態では、医療機関の診察室において、医者と患者が至近距離で会話をする状況を想定する。
図1(a)に示すように、サイズ2700×2700(単位はmm。以下同様である。)の診察室内に、机50(サイズ1050×750×700H)とベッド60(サイズ1800×600×550H)を配置する。診察室の中央に、医者と患者用の椅子70を配置する。医者と患者の中間に中央の吹出口110から噴出された噴流J1が通るように、プッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20を対向して配置する。
噴流J1の高さ範囲は、医者と患者が椅子70に座った際、腰(床面+500H程度)から頭頂部(床面+1300H程度)までのおよそ600~800H程度とする。なお、設置状況によって、噴流J1の高さ範囲は適宜変更可能である。噴流J1の幅は、医者と患者が診察時に、向かい合う時の顔間の距離、400W~800W程度とする。噴流J1の長さは、700~2000程度となる。なお、プル型受風装置20をベッド60の前に設置した場合には、噴流J1の長さは、700~1500程度となる。
プッシュ型送風装置10の電源及び制御装置18をon又はプル型受風装置20の電源及び制御装置25をonにする。電源及び制御装置18と電源及び制御装置25は連動しているため、一方がonになると他方もonになる。
プッシュ型送風装置10の電源及び制御装置18がonになると、送風ファン15が回転し、空気が吸込口16から吸い込まれる。吸込口16からHEPAフィルタを通過し吸い込まれた空気は、送風ファン15と中央の吹出口110を連通する流路80を通って、中央の吹出口110から噴出される。
中央の吹出口110から噴出された噴流J1は、補助気流用吹出口111から噴出される補助気流Hにより、水平方向の拡散性が抑制され、中央の吹出口110から離れた場所における狭幅噴流J2は安定化する。狭幅噴流J2は、安定した拡散幅を保ったまま、プル型受風装置20の受風ファン23により吸引され、受風口21に到達する。受風ファン23により受風口21から吸い込まれた空気は、エアフィルタ24を通って、排気口22から送り出される。
その結果、図6及び図7に示すように、プッシュ型送風装置10からプル型受風装置20の間には噴流スクリーンSが形成される。噴流スクリーンSによって、医者と患者の空気の移動が制限される。医者と患者との会話や咳などで生じる空気の流れや飛沫物は、噴流スクリーンSで遮断され、受風ファン23により受風口21から吸い込まれる。
プッシュ型送風装置10の発信センサ19及びプル型受風装置20の受信センサ26により、中央の吹出口110から噴出された噴流J1及び狭幅噴流J2が受風口21へ確実に到達しているか否かが検出される。すなわち、本実施形態では、発信センサ19としてレーザ発振素子19aを、受信センサ26として受光センサ26aを用いているため、プル型受風装置20がプッシュ型送風装置10と同一面上に対向して設置されている場合は、複数ある受光センサ26aのすべてが受光する。
狭幅噴流J2をプル型受風装置20で効果的に受風するためには、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20との距離が離れすぎてはいけない。両者の距離を適正に保つため、図2(c)及び図3(c)に示すように、プッシュ型送風装置10の正面に超音波発信素子19bを、またプル型受風装置20の正面に超音波受信センサ26bを設けることができる。これにより、情報を通信し互いに情報共有することで両者の距離を適正に保持できる。
[3.第1実施形態の効果]
以上のような本実施形態のプッシュ型送風装置10及びそれを用いた空間分離装置1の作用効果は、以下のとおりである。
(1)設置場所が限られた室内において、複数人間を気流により確実に分離することができるプッシュ型送風装置10及びそれを用いた空間分離装置1を提供することが可能である。これにより患者から医療従事者への感染防止はもちろん、医療従事者から患者へ感染させるリスクも低減できる。また、複数人間に物理的な遮蔽物を設置する必要がないため、声が聞き取りやすくなったり、物の受け渡しが容易になったりする。
(2)本実施形態のプッシュ型送風装置10及びそれを用いた空間分離装置1は、横方向に並列に配置された中央の吹出口110と2つ補助気流用吹出口111の計3本の吹出口11を有する。そのため、大風量化が可能となり、中央の噴流J1の水平方向への拡がりを両サイドの補助気流Hが抑制できるので、噴流スクリーンSの直進性がより効率的となる。よって、省スペースでかつ広範囲において、複数人の間を気流により確実に分離することができる空間分離装置を提供することが可能である。
(3)本実施形態のプッシュ型送風装置10及びそれを用いた空間分離装置1は、中央の吹出口110と2つ補助気流用吹出口111の計3本の吹出口が11設けられ、拡散幅抑制手段である両サイドの補助気流用吹出口111の風量は、中央の吹出口110の風量より少ない。そのため、患者や医療従事者の方に向かって噴流J1が拡散することを両サイドの補助気流Hによって効果的に抑制でき、複数人の間の会話や咳などで生じる空気の流れや飛沫物を噴流スクリーンSで遮断し、他方に到達することを防止できる。
(4)本実施形態において、空間分離装置1の受風口21に設けられた受風板27は、プル型受風装置20の位置における狭幅噴流J2の拡散幅と同じ又はそれよりも広い幅及び又は高さである。そのため、プッシュ型送風装置10の中央の吹出口110から吹出された噴流J1が、エアコンなどの他の気流の影響を受けた場合でも、狭幅噴流J2をプル型受風装置20で効果的に受風することが可能となり、狭幅噴流J2の乱れや拡散が抑制される。
(5)本実施形態の空間分離装置1は、プッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20をそれぞれ適切な場所に配置するだけで狭幅噴流J2による噴流スクリーンSを形成することが可能である。そのため、装置の設置が容易かつ安価ででき、装置の移動も容易に可能である。
(6)本実施形態の空間分離装置1は、方向検出及び自動調整機構を有する。そのため、誘引気流Aを含めた狭幅噴流J2をプル型受風装置20で有効に受風できるよう、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20の位置関係を適正に維持することができる。
(7)本実施形態の空間分離装置1のプッシュ型送風装置10の電源及び制御装置18とプル型受風装置20の電源及び制御装置25は連動している。そのため、電源をonにすると2台同時に稼働し、風量調整用操作をした場合も双方が連動するため、より簡易な操作で効率的に複数人の間を気流により確実に分離することができる。
(8)プッシュ型送風装置10の吸込口16及び又はプル型受風装置20の排気口22にはそれぞれHEPAフィルタなどのフィルタが設置される。そのため、噴流J1及び狭幅噴流J2内の塵埃、ウイルスまたはウイルスを含む飛沫を吸着し、清浄された空気を室内へ供給することができる。また、HEPAフィルタの後段又はフィルタ内部には、UVランプや光触媒など殺菌性を有する機構を内蔵させ、及び又は、捕集した臭気物質を吸着させるための活性炭フィルタを設置する。このような機構を設けることにより、プッシュ型送風装置10の吸込口16及び又はプル型受風装置20で捕集したウイルスを室内へ再放出させることなく、設置場所が限られた室内において、効率よく、より清浄された空気を室内へ供給することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、図8(a)及び(b)に示すように、箱状の吹出部12の前面、かつ、吹出口11の両サイドに、拡散幅制御手段として補助気流Hを供給する流路80が形成されている。吹出部12の内部には、鉛直方向に複数の送風ファン15が設けられ、補助気流Hを供給する流路80が形成されている。
図8(a)に示すように、プッシュ型送風装置10において、送風ファン15から吹出口11に連通するダクト17の吹出口11の近くの位置に、流路径を縮流板で絞った絞り部を有するノズル112が形成され、このノズル112により吹出口11からの噴流J1の細幅化と高速化が図られている。なお、第2実施形態では、絞り部を有するノズル112を設けたが、必ずしも絞り部は必須ではなく、噴流J1の細幅化と高速化が可能であれば、円筒状、楕円形状などノズル112の形状は問わない。
図8(b)に示すように、第2実施形態では、本体13内部から吹出口11の両サイドに補助気流Hを供給する流路80が設けられると共に、本体13内に補助気流Hの風量を確保するために補助気流用ファン81が設けられている。
このような構成を有する第2実施形態では、中央の噴流J1の水平方向への拡がりを両サイドの補助気流Hが抑制することができるため、噴流スクリーンSの直進性がより効率的となる。
なお、補助気流Hが噴流による誘引で十分に駆動できるようであれば、補助気流用ファン81を用いるのではなく、単に流路80を形成することで上記効果を実現可能な場合がある。この場合、流路80に、補助気流Hの風量を調整する補助気流調整弁を設けると良い。補助気流調整弁により、噴流J1の両サイドに適切な補助気流Hを供給することが可能となる。
[その他の実施形態]
(1)プッシュ型送風装置10の送風ファン15及びプル型受風装置20の受風ファン23の設置数、設置場所は問わない。例えば、図9(a)~(c)に示すとおり、吹出部12の内部に送風ファン15を縦方向に並列して3つ設けても良い。
(2)図9(d)及び(e)に示すように、噴流Jの直進性を確保するため、風量に応じて吹出口11と補助気流用吹出口111の開口率を変えることができるようにしてもよい。
(3)複数の送風ファン15は、それぞれ独立して風量及び風向を調整することができるだけでなく、送風ファン15の調整に連動して、受風ファン23の風量及び風向を自動調整するようにしてもよい。
(4)プッシュ型送風装置10の電源及び制御装置18、プル型受風装置20の電源及び制御装置25は、各装置本体だけでなく装置外に設置してもよい。プッシュ型送風装置10の電源とプル型受風装置20の電源は、それぞれ独立するように設定しても、両者が連動するように設定してもよい。
(5)上記実施形態では、発信センサ19と受信センサ26を配置することにより、プッシュ型送風装置10とプル型受風装置20との方向を自動調整するようにしたが、手動でプル型受風装置20の設置位置・方向を修正する場合には、発信センサ19と受信センサ26が検出したずれ方向及びずれの量を表示装置に表示し、警告信号を発するようにしても良い。
(6)診察室の快適性を維持するため、ほぼ全ての診察室にはエアコンが設置してある。空間分離装置1において直進性のある噴流J1及び狭幅噴流J2を確保する上で、エアコンによる気流は大きな外乱となる。そこで、室内エアコンの気流を感知すると、プッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20の風量を増やし、直進性のある噴流J1及び狭幅噴流J2を確保できる機構を持つことができる。例えば、エアコンの吹出口の直近に超小型風量センサを設置し、吹出気流を感知すると同時にプッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20へ信号を発信する。信号を受信したプッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20は自動で風量を増やすことによって、エアコン気流の影響を受けても患者と医者との間の対象空間における直進性のある噴流J1及び狭幅噴流J2を担保できる。
(7)エアコン気流に対応するため、空間分離装置1は温度も感知できるようにしておいても良い。エアコンの吹出温度が低い(冷房時)場合や高い(暖房時)場合において、外乱の影響が変わってくることから、温度によってプッシュ型送風装置10及びプル型受風装置20の増加風量を変化させることができるようにしても良い。
1 空間分離装置
10 プッシュ型送風装置
11 吹出口
110 中央の吹出口
111 補助気流用吹出口
112 ノズル
12 吹出部
13 本体
14 整流板
15 送風ファン
16 吸込口
16a フィルタ
17 ダクト
18 電源及び制御装置
19 発信センサ
19a レーザ発振素子
19b 超音波発信素子
20 プル型受風装置
21 受風口
22 排気口
23 受風ファン
24 エアフィルタ
25 電源及び制御装置
26 受信センサ
26a 受光センサ
26b 超音波受信センサ
27 受風板
50 机
60 ベッド
70 椅子
80 流路
81 補助気流用ファン
A 誘引気流
H 補助気流
J1 噴流
J2 狭幅噴流
S 噴流スクリーン

Claims (8)

  1. 送風ファンと、
    縦方向に配置されたスリット型の吹出口と、
    前記送風ファンと前記吹出口を連通する流路と、
    前記吹出口から吹出される空気の噴流の拡散幅を抑制する拡散幅抑制手段と、を有するプッシュ型送風装置。
  2. 前記吹出口が3本設けられ、
    前記拡散幅抑制手段として、両サイドの前記吹出口の風量は、中央の前記吹出口の風量より少ない請求項1に記載のプッシュ型送風装置。
  3. 前記拡散幅制御手段として、前記吹出口の近傍に補助気流を供給する請求項1に記載のプッシュ型送風装置。
  4. 前記拡散幅制御手段として、前記補助気流の風量を確保する補助気流用ファンが設けられている請求項3に記載のプッシュ型送風装置。
  5. 前記流路には、前記補助気流の風量を調整する補助気流調整弁が設けられている請求項3又は請求項4のいずれかに記載のプッシュ型送風装置。
  6. 前記流路には、ノズル又は絞り部を有するノズルが形成されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプッシュ型送風装置。
  7. 前記プッシュ型送風装置に対向して配置され、
    前記吹出口から吹出された空気の噴流を吸い込む受風口と、
    受風ファンと、
    を有するプル型受風装置を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の空間分離装置。
  8. 前記プッシュ型送風装置に発信センサを配置し、前記プル型受風装置に受信センサを配置し、前記受信センサが所定の範囲外の場合には、前記プッシュ型送風装置と前記プル型受風装置との方向を自動調整する請求項7に記載の空間分離装置。
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