JP5155358B2 - 病原体感染防止システム及びその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、診察室において患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを防止するための病原体感染防止システム及びその方法に関する。
従来、医療従事者と患者とがお互いに着座して向き合う診察室内で医療従事者が患者を診察する際に、患者が保持している細菌やウイルス等の病原体が医療従事者に感染するのを防止することを目的として、各種技術が提案されている。
この種の従来技術としては、例えば、図4に示すように、医療従事者1の背後の吹出し口2からクリーンブース3内に水平方向に清浄空気4を供給し、患者5から発生した病原体を汚染空気として患者5の背後からクリーンブース3外部に排出する技術(特許文献1参照)や、図5に示すように、診察室6内全体を空調機7で換気して診察室6内を陰圧に保持し、患者5から放出される病原体が診察室6外部へ漏洩するのを防止する技術(非特許文献1参照)や、図6及び図7に示すように、空調機8で換気される診察室9の内部にクリーンブース10を設置し、クリーンブース10内に医療従事者1が入る場合にはクリーンブース10内を陽圧に保持し、クリーンブース10内に患者5が入る場合にはクリーンブース10内を陰圧に保持する技術(非特許文献2参照)などが知られている。
特開2010−17225号公報
病院空調設備の設計・管理指針 HEAS−02−2004 BE建築設備2009年10月号26〜30ページ「医療従事者における空気感染リスク低減手法:阪田総一郎」
しかしながら、上記した従来の特許文献1に記載の技術では、吹出し口2からクリーンブース3内に水平方向に供給された清浄空気4が医療従事者1や患者5に衝突することにより乱流となるため、患者5から発生した病原体が拡散され、医療従事者1の呼吸域に入り、医療従事者1に空気感染するリスクが高くなるといった問題があった。
また、特許文献1では、クリーンブース3内に天井部11から医療従事者1と患者5との間に垂れ壁12を設けることも提案されているが、この垂れ壁12の下端は天井部11から20cm以下且つ床面から150cm以上の範囲の高さに設定されているため、この垂れ壁12によって医療従事者1の感染リスクを低減することはできない。それどころか、吹出し口2から水平方向に供給された清浄空気4がこの垂れ壁12に衝突することによって下方に偏向され、乱流を作り出すため、患者から発生した病原体が医療従事者1に空気感染するリスクをさらに高める結果となるおそれがあった。
また、上記した従来の非特許文献1に記載の技術では、診察室6内を陰圧に保持することで周囲から隔離し、診察室6外部への病原体の漏洩を防止することはできるが、診察室6内が病原体により汚染されているため、医療従事者1は診察室6内でN95マスクを着用することが空気感染対策として必要であった。しかし、このN95マスクを適切に着用することは難しいため、患者から発生した病原体が医療従事者1に空気感染するリスクを十分に低減することができないといった問題や、N95マスクを着用すると、呼吸が苦しくなるため、作業性が悪くなるといった問題が生じていた。
さらに、上記した従来の非特許文献2に記載の技術では、医療従事者1又は患者5が診察室9を通ってクリーンブース10へ出入りするようになっており、クリーンブース10内を陰圧に保持して使用する場合には患者5がクリーンブース10内へ出入りする際に患者5から発生した病原体により診察室9が汚染される一方、クリーンブース10内を陽圧に保持して使用する場合には診察室9内にいる患者5から発生した病原体により診察室9内が汚染される。すなわち、診察室9内は常に患者5から発生した病原体により汚染されることとなるため、医療従事者1は空気感染対策としてN95マスクを着用することが必要となっていた。したがって、N95マスクの適切な着用の難しさから患者から発生した病原体が医療従事者1に空気感染するリスクを十分に低減することができないといった問題や、N95マスクの着用により作業性が悪くなるといった問題が生じていた。また、診察室9内の空気が汚染されることにより空調機8やダクト13が汚染されるといった問題もあった。
さらにまた、非特許文献2では、診察室9の病原体の濃度を1/5〜1/10に低減させるために通常の換気風量の約5〜10倍の風量の空気を診察室9に供給する必要があるため、エネルギー効率が悪いといった問題もあった。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、医療従事者がN95マスクを着用することなく、患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを確実に防止することのできる病原体感染防止システム及びその方法を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するため、本発明は、医療従事者と患者とがお互いに着座して向き合う診察室において患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを防止するための病原体感染防止システムであって、前記診察室を前記医療従事者用の清浄区域と前記患者用の汚染区域とに分離可能且つ前記清浄区域と前記汚染区域との間を連通可能に垂下された仕切りと、前記清浄区域の前記医療従事者の頭上に設けられ、前記清浄区域に清浄空気を供給するための吹出し口と、前記汚染区域の前記患者の後方又は上方に設けられ、前記汚染区域から汚染空気を排出するための吸込み口と、を備え、前記吹出し口から供給された清浄空気が前記仕切りの下方の開口を通って前記汚染区域に供給され、前記病原体が混入されて汚染空気となった後、前記吸込み口から前記診察室外に排出されるように構成され、前記仕切りは透明であり、前記診察室の床面からの下端の高さが可変となるように設けられ、前記医療従事者が直接前記清浄区域に出入りするための医療従事者用出入り口と、前記患者が直接前記汚染区域に出入りするための患者用出入口とが別々に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記病原体感染防止システムによる病原体感染防止方法であって、前記吹出し口から前記清浄区域へ吹き出される清浄空気の平均面風速が0.1m/sから0.3m/sの場合に、医療従事者が患者の感染症を疑わない場合には前記仕切りは前記診察室の床面からの下端の高さが前記患者の口の上方0.4mから天井までの範囲のいずれかの位置となるように垂下され、医療従事者が患者の感染症を疑う場合には前記仕切りは前記診察室の床面からの下端の高さが前記患者の口の下方0.2m以下の位置となるように垂下されることを特徴とする。
これは、病原性の高い感染症や未知の感染症が流行していない平常時の、省エネ運転を想定したものであり、患者への圧迫感を考慮して、咳や高熱がないなど空気感染または飛沫感染する感染症の可能性はほとんどないと医療従事者が判断した場合には、仕切りを邪魔にならない範囲(口の上方0.4m以上)に上げる一方、空気感染または飛沫感染する感染症の可能性があると判断した場合には、仕切りを0.2m以下に下げることで病原体の濃度を1/100以下に下げて空気感染を防止しながら、仕切りで遮断することで飛沫感染を防止することができる。
さらに、本発明は、前記病原体感染防止システムによる病原体感染防止方法であって、前記吹出し口から前記清浄区域へ吹き出される清浄空気の平均面風速が0.3m/sから0.5m/sの場合に、医療従事者が患者の感染症を疑わない場合には前記仕切りは前記診察室の床面からの下端の高さが前記患者の口の上方0.4m以下のいずれかの位置となるように垂下され、医療従事者が患者の感染症を疑う場合には前記仕切りは前記診察室の床面からの下端の高さが前記患者の口の下方0.2m以下の範囲のいずれかの位置となるように垂下されることを特徴とする。
これは、病原性の高い感染症や未知の感染症が流行している非常時を想定したものであり、患者への圧迫感を考慮しながら空気感染を防止するため、咳や高熱がないなど空気感染または飛沫感染する感染症の可能性はほとんどないと医療従事者が判断した場合には仕切りを口の上方0.4m以下に下げることにより、病原体の濃度を1/100以下に下げて空気感染を防止することができる。なお、この場合、仕切りで遮断できないため飛沫感染は防止できないが、飛沫感染はくしゃみや咳などが直接医療従事者に届くことで感染が起こるため、医療従事者が感染の可能性を容易に判断でき、リスクとはならない。また、空気感染または飛沫感染する感染症の可能性があると判断した場合には、仕切りを0.2m以下に下げることで病原体の濃度を1/1000以下に下げて空気感染を防止しながら、仕切りで遮断することで飛沫感染を防止することができる。
本発明によれば、医療従事者がN95マスクを着用することなく、患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを確実に防止することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る病原体感染防止システムを示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る病原体感染防止システムを示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る病原体感染防止システムにおいて診察室の床面からの仕切りの下端の高さと医療従事者の呼吸域の病原体濃度との関係を示す図である。 第1の従来例を示す側面図である。 第2の従来例を示す側面図である。 第3の従来例を示す側面図である。 第3の従来例を示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る病原体感染防止システムを示す側面図、図2は本発明の実施の形態に係る病原体感染防止システムを示す平面図である。
本実施の形態に係る病原体感染防止システム20は、医療従事者21と患者22とがお互いに椅子に着座して向き合う診察室23に設けられ、診察室23を清浄区域25と汚染区域26とに分離する仕切り27と、清浄区域25側に設けられる吹出し口28と、汚染区域26側に設けられる吸込み口29とを備えている。
仕切り27は、医療従事者21と患者22がお互いを視認可能なように、例えば、透明なビニールシートにより形成され、診察室23の天井部30から垂下されており、仕切り27の下端32と床面31との間の開口33により清浄区域25と汚染区域26とは連通されている。仕切り27は、ロールスクリーンやクリーンベンチの扉のような構造により診察室23の床面31からの下端32の高さが可変となるように設けられており、その高さは診察室23内に設けられた電動のスイッチ(図示省略)又は手動で操作することにより調整できるようになっている。また、仕切り27は、少なくとも床面31からの下端32の高さが椅子に着座した患者22の口の下方0.2mの位置(すなわち、床面31から0.9mの高さ)まで垂下可能なように形成されているのが好ましい。
吹出し口28は、医療従事者21の頭上の天井部30に取り付けられており、吹出し口28にはフィルター34が設けられている。また、吸込み口29は、患者22の後方の天井部30に取り付けられており、吸込み口29にはフィルター35が設けられている。なお、吸込み口29の設置位置は患者22の後方又は上方であれば任意の位置でよい。
吹出し口28と吸込み口29の間には、ダクト36を介して空調機37が接続されており、空調機37からの送風量は診察室23内に設けられたリモコンスイッチ(図示省略)により調整可能となっている。ダクト36は、吸込み口29と吹出し口28とを接続する循環ダクト38と、循環ダクト38から分岐して外部へ配設される排気ダクト39と、外部から配設されて循環ダクト38に合流する外気導入ダクト40とにより構成されている。
診察室23には、椅子に着座した医療従事者21の後方に医療従事者21が直接、清浄区域25に出入りするための医療従事者用出入り口41が設けられていると共に、椅子に着座した患者22の後方に患者22が直接、汚染区域26に出入りするための患者用出入口42が設けられており、診察室23への医療従事者21の動線と患者22の動線が干渉し合わないようになっている。
上記した構成を備えた病原体感染防止システム20において、医療従事者21が患者22を診察する場合、医療従事者21は医療従事者用出入り口41から診察室23の清浄区域25内に入り、患者22は患者用出入り口42から診察室23の汚染区域26内に入り、お互いに向き合うように椅子に着座する。
診察室23内では、空調機37から循環ダクト38を通りフィルター34で清浄化された清浄空気が、吹出し口28から清浄区域25の医療従事者21の頭上に向かって供給され、この清浄空気は下向きの一方向流43を形成し、阻害されることなく、医療従事者21に到達する。
医療従事者21に到達した清浄空気は、医療従事者21の呼吸域中の汚染物質濃度を低減させ、その後、仕切り27の下端32と床面31との間で水平な一方向流44を形成し、開口33を通って汚染区域26に流入する。
汚染区域26では、患者22から発生された病原体が清浄空気に混入されて汚染空気となり、この汚染空気は吸込み口29に吸い込まれ、フィルター35によって病原体等の汚染物質が除去され、清浄化される。その後、この清浄化された空気は、一部分が排気ダクト39を通って外部に排出される一方、残りの部分が循環ダクト38を通り、外気導入ダクト40から導入された外気と合流した後、空調機37に戻される。
Figure 0005155358
上記表1及び図3は、病原体の発生源の高さ(すなわち、患者22の口の高さ)を1.1m、診察室23の病原体の平均濃度を300個/L、病原体の測定粒子径を0.5μmと設定した条件において、診察室23の床面31からの仕切り27の下端32の高さと医療従事者21の呼吸域の病原体濃度との関係を測定した結果を示している。この結果によれば、仕切り27がない場合(すなわち、仕切り27の下端32の高さが2.4mの場合)、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度はほとんど低減していないが、仕切り27を設置することにより医療従事者21の呼吸域の病原体濃度が低減することが分かる。
また、吹出し口28から清浄区域25へ吹き出される清浄空気の平均面風速が0.3m/sの場合、診察室23の床面31からの仕切り27の下端32の高さが患者22の口の上方0.4mから下方0.2mの範囲のいずれかの位置にあると、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度は診察室23の病原体の平均濃度の1/100以下となり、N95マスク着用時の濃度である5/100よりも病原体濃度の低減効果が優れていることが分かる。
さらにまた、吹出し口28から清浄区域25へ吹き出される清浄空気の平均面風速が0.1m/sの場合には、診察室23の床面31からの仕切り27の下端32の高さが患者22の口の下方0.2mの位置にあると、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度は診察室23の病原体の平均濃度の1/100以下となり、N95マスク着用時の濃度である5/100よりも病原体濃度を低減可能となることが分かる。
Figure 0005155358
上記表2は、患者22が保有している可能性のある感染症の病原性と患者22の症状の違いによる病原体感染防止システム20の運用方法の例を示しており、例えば、感染症の病原性が低い場合などの平常時の診察では、空調機の動力費用の低減を図るため、吹出し口28から清浄区域25への清浄空気の平均面風速を0.1m/s〜0.3m/sの範囲(表2では、0.1m/s)に制御すると共に、患者22に圧迫感を与えないため、最初は仕切り27を患者22の口の上方0.4mから天井部30までの範囲のいずれかの位置となるようにして(表2では、天井部30まで上昇させて仕切り27なしで)診察する。なお、この場合、患者22が咳やくしゃみをした場合の飛沫感染を直接防止することはできないが、飛沫感染の可能性は医療従事者21にとって容易に予測可能であるためリスクになる可能性は少ない。
そして、患者22の症状から患者に感染症の疑いがあると医療従事者21が判断した場合には、医療従事者21が前記スイッチを操作して、仕切り27の下端32を患者22の口の下方0.2m以下(表2では、患者22の口の下方0.2m)の位置まで降下させる。これにより、患者22が咳やくしゃみをしたとしてもが病原体が医療従事者21に直接到達するのを確実に防止することができ、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度は診察室23の病原体の平均濃度の1/100以下となり、N95マスク着用時の濃度(5/100)より病原体濃度を低減させることができる
なお、清浄空気の平均面風速を0.1m/sに設定した場合、空調機37からの送風量は200m/hとなり、容積が30m(面積が12m)の一般の診察室の送風量と同等であるため、電力消費量が増えることはない。
一方、感染症の病原性が高い場合や未知の感染症が流行している場合などの非常時の診察では、医療従事者21が前記リモコンスイッチを操作して、吹出し口28から清浄区域25への清浄空気の平均面風速を0.3m/s〜0.5m/sの範囲(表2では、0.3m/s)に上げると共に、患者22に対する圧迫感を最小限に抑えるため、医療従事者21が前記スイッチを操作して、最初は仕切り27の下端32を患者22の口の上方0.4m以下(表2では、患者22の口の上方0.4m)の位置に設定する。これにより、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度は診察室23の病原体の平均濃度の1/100以下となり、N95マスク着用時の濃度(5/100)より病原体濃度を低減させることができる。なお、この場合、清浄空気の平均面風速の上限値を0.5m/sとしたのは、医療従事者21や患者22がドラフトを感じないように考慮したことによる。また、この場合、患者22が咳やくしゃみをした場合の飛沫感染を直接防止することはできないが、飛沫感染の可能性は医療従事者21にとって容易に予測可能であるためリスクになる可能性は少ない。
そして、患者22の症状から患者に感染症の疑いがあると医療従事者21が判断した場合には、医療従事者21が前記スイッチを操作して、仕切り27の下端32を患者22の口の下方0.2m以下(表2では、患者22の口の下方0.2m)の位置まで降下させ、これにより、患者22が咳やくしゃみをしたとしてもが病原体が医療従事者21に直接到達するのを確実に防止することができ、医療従事者21の呼吸域の病原体濃度を診察室23の病原体の平均濃度の1/1000以下まで低減させることができる。
なお、清浄空気の平均面風速を0.3m/sに設定した場合、空調機37からの送風量は500m/hとなり、容積が30m(面積が12m)の一般の診察室の送風量よりやや大きくなるが、上記した非特許文献2に記載されているような従来技術の場合の1/3以下の送風量で、N95マスク着用時の濃度より病原体濃度を低減させることができる。
このように上記した病原体感染防止システム20及びその方法によれば、清浄区域25と汚染区域26間に仕切り27が設けられていると共に医療従事者21の頭上に吹出し口28が設けられており、吹出し口28から清浄区域25内に供給された清浄空気が気流を拡散されることなく下向きの一方向流を形成して医療従事者21に到達するため、医療従事者21の呼吸域の汚染物質濃度を低減させることができる。
また、患者22の症状や感染症の病原性の高低に合わせて、診察室23の床面31からの仕切り27の下端32の高さや空調機37の送風量(すなわち、吹出し口28における清浄空気の平均面風速)を任意に変更することができるため、診察行為の作業性を損なわずに、医療従事者21への病原体の感染リスクを低減させることができる。
さらに、医療従事者21は医療従事者用出入り口41を通って診察室23の清浄区域25内に直接出入りし、患者22は患者用出入り口42を通って診察室23の汚染区域26内に直接出入りし、医療従事者21と患者22の動線が交差しないため、常に清浄領域25にいる医療従事者21はマスクを着用する等の特別の空気感染対策を行う必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
さらに、吸込口29にフィルター35を設置することによりダクト36や空調機37等が病原体等の汚染物質により汚染されるおそれがないため、汚染区域26の消毒が必要となった場合でもダクト36や空調機37等を消毒する必要はない。さらにまた、吹出し口28にもフィルター34を設置することにより二重の感染防止対策を施すことができる。
また、医療従事者21の判断により、空調機37の送風量(すなわち、吹出し口28における清浄空気の平均面風速)や仕切り27の下端32の高さを簡単且つ確実に変更することができるため、利便性を高めることができる。
20 病原体感染防止システム
21 医療従事者
22 患者
23 診察室
25 清浄区域
26 汚染区域
27 仕切り
28 吹出し口
29 吸込み口
31 床面
32 (仕切りの)下端
34 (吹出し口の)フィルター
41 医療従事者用出入り口
42 患者用出入口

Claims (1)

  1. 医療従事者と患者とがお互いに着座して向き合う診察室において患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを防止するための病原体感染防止システムであって、
    前記診察室を前記医療従事者用の清浄区域と前記患者用の汚染区域とに分離可能且つ前記清浄区域と前記汚染区域との間を連通可能に垂下された仕切りと、
    前記清浄区域の前記医療従事者の頭上に設けられ、前記清浄区域に清浄空気を供給するための吹出し口と、
    前記汚染区域の前記患者の後方又は上方に設けられ、前記汚染区域から汚染空気を排出するための吸込み口と、
    を備え、前記吹出し口から前記清浄区域の医療従事者の頭上に向かって供給された清浄空気は、前記仕切りに沿って下向きの一方向流を形成し、気流を拡散されることなく前記医療従事者に到達した後、前記仕切りの下端と床面との間で横向きの一方向流を形成して前記汚染区域に流入し、前記病原体が混入されて汚染空気となった後、前記吸込み口から前記診察室外に排出されるように構成され、
    前記仕切りは透明であり、該仕切りの下端が、前記診察室の天井部から少なくとも椅子に着座した前記患者の口の下方0.2mの位置まで垂下可能なように設けられ、
    前記医療従事者が直接前記清浄区域に出入りするための医療従事者用出入り口と、前記患者が直接前記汚染区域に出入りするための患者用出入口とが別々に設けられていることを特徴とする病原体感染防止システム。
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