JP2024016461A - 植物タンパク質含有食品、およびその製造方法 - Google Patents

植物タンパク質含有食品、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食感および風味が良好な新規な植物タンパク質含有食品および加熱処理済み植物タンパク質含有食品等を提供する【解決手段】油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルを含む、植物タンパク質含有食品。【選択図】なし

Description

本発明は、植物タンパク質含有食品、加熱処理済み植物タンパク質含有食品、およびその製造方法に関する。
近年、牛肉、豚肉、鶏肉等を生産するために飼育するための牛、豚、鶏等を飼育するためには、飼料や水が大量に必要であり、家畜の呼気に含まれる温室効果ガスの環境影響も懸念されている。このような状況において、人類が必要とする動物タンパク質を伝統的な畜産業から入手することは困難になってきている。
大豆やエンドウ豆等の植物からタンパク質を得ることは、有効な解決策のひとつと考えられている。これらは地球上の幅広い環境下で栽培することができ、畜産業に比べて水の消費が少なく、飼料を必要としないことから、効率的にタンパク質を入手できる。
そこで、大豆タンパク質等の植物タンパク質を用いて加工された植物タンパク質含有食品の需要が増えている。それらの植物タンパク質含有食品は、肉代替食品として肉に似た食感を付与するため、通常、繊維状の組織に加工されるが、それらは肉とは食感や風味が異なり、ジューシー感に欠けていた。
特開2021-153429
このような状況において、食感および風味が良好な新規な植物タンパク質含有食品および加熱処理済み植物タンパク質含有食品等が求められている。
本発明は、油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルを含む、植物タンパク質含有食品を提供する。
すなわち、本発明には、以下の態様の発明が含まれる。
[1]
油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルを含む、植物タンパク質含有食品。
[2]
カプセルがシームレスカプセルである、[1]記載の植物タンパク質含有食品。
[3]
カプセルが加熱処理によって崩壊する、[1]または[2]に記載の植物タンパク質含有食品。
[4]
油性成分が融点37℃以下の油脂を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
[5]
カプセル皮膜が多糖類およびゼラチンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
[6]
多糖類が、ジェランガム、カラギーナン、寒天、グアーガム、グアーガム誘導体、グアーガム酵素分解物、アルギン酸またはその塩、デンプン、およびデキストリン類からなる群より選択される少なくとも一種を含む、[5]記載の植物タンパク質含有食品。
[7]
カプセル皮膜がゼラチンを含まない、[1]~[6]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
[8]
カプセルの皮膜率が5.0~25.0重量%である、[1]~[7]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
[9]
下記式(1)を満たす、[1]~[8]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
式(1):0.02≦Y/X≦0.4
[上記式(1)中、Xは植物タンパク質含有食品の全体の質量(g)を示し、Yは植物タンパク質含有食品に含まれるカプセルの合計の質量(g)を示す。]
[10]
加熱用食品である、[1]~[9]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
[11]
[1]~[9]のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品を加熱処理する工程を含む、加熱処理済み植物タンパク質含有食品の製造方法。
[12]
[11]に記載された製造方法で得られた加熱処理済み植物タンパク質含有食品。
本発明の好適な一態様によれば、食感および風味が良好な新規な植物タンパク質含有食品、加熱処理済み植物タンパク質含有食品等を提供する。
1.植物タンパク質含有食品
本発明の植物タンパク質含有食品は、油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルおよび、植物タンパク質を含有する食品である。
1.1 植物タンパク質
「植物タンパク質」とは、植物性原料由来のタンパク質またはそれを含む組成物であり、植物を加工してタンパク質含量が高められたものが含まれる。
「植物性原料」としては、マメ類として大豆、エンドウ、アズキ、リョクトウ、インゲンマメ、ササゲ、ソラマメ、ダイズ、ヒヨコマメ、ラッカセイ、レンズマメ、アーモンド、根菜類としてゴボウ、ビート、ニンジン、ダイコン、カブ、サツマイモ、キャッサバ、タロイモ、サトイモ、レンコン、ジャガイモ、茎菜類としてアスパラガス、タケノコ、葉菜類であるキャベツ、タマネギ、ホウレンソウ、レタス、穀物類としてイネ、トウモロコシ、小麦、花菜類としてアーティチョーク、アブラナ、ブロッコリー、カリフラワー、その他の果菜類としてナス、トマト、ピーマン/パプリカ、カボチャ、キュウリ等が例示できる。
上記植物性原料の中でも、マメ類を用いた植物性タンパク質を用いることが好ましく、上記マメ類の植物性タンパク質の中でも、大豆や、エンドウ由来のタンパク質がより好ましい。
また、植物性原料由来のタンパク質またはそれを含む組成物は、粉末や塊などの固形物であっても、豆乳、植物性タンパク質の製造工程で得られる液体等であってもよい。
1.2 カプセル
本発明の植物タンパク質含有食品は、油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルを含む。
植物タンパク質含有食品が加熱されると、食品中のカプセルの皮膜が融解もしくは周囲の水分によって溶解、または、カプセルの接着部が剥離して開口することによって、内容物である油性成分が食品中に放出される。
このように加熱時に植物タンパク質含有食品に油性成分が放出されるので、植物タンパク質含有食品自体に油性成分が過剰に吸収されることを抑制できる。これによって、植物タンパク質を含む固形部分および、カプセル内に封入されていた油性成分が、遊離した状態で口の中に入る。その結果、本発明の植物タンパク質含有食品は消費者に肉汁のようなジューシーな風味や食感を提供できる。
本発明のカプセルの種類は特に限定されず、例えばハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセルなどを用いることができる。内容物を封入する容易性などの観点から、ソフトカプセルおよびシームレスカプセルが好ましい。また、皮膜の厚みをより薄くでき、カプセルの合計質量に対する皮膜の重量(皮膜率)を低くでき、風味への悪影響を抑制できる観点から、シームレスカプセルが好ましい。
カプセルの形状は、特に限定されないが、例えば、球状であってもよく、フットボール状であってもよい。好ましくは球状であり、より好ましくは真球状である。真球状とする場合に、より詳細には、カプセルの短径/長径の比は、特に限定されないが、0.90~1.00が好ましく、0.95~1.00がより好ましい。
カプセルの直径の平均(カプセル平均径)(mm)は、特に限定されないが、カプセル平均径は、好ましくは0.2~10mm、より好ましくは0.5~7.0mm、さらに好ましくは0.7~6.0mm、よりさらに好ましくは1.0~5.0mm、さらに好ましくは1.3~4.0mm、より好ましくは1.5~3.7mm、特に好ましくは1.8~3.5mmである。
前記のカプセル径にすることにより、内容物の油性成分が食品に均一に拡散することができる。
本明細書において、カプセルの直径(mm)は、マイクロゲ-ジ(例えばミツトヨ製マイクロゲージ)を使用して、長径(mm)と短径(mm)を測定し、その平均値とした。測定は20個のサンプルについて行い、平均値をカプセル平均径とした。
カプセルの皮膜率は、特に限定されないが、加熱時に皮膜が破れて内容物が均質に拡散させる観点から、好ましくは5.0~25.0重量%であり、より好ましくは7.0~23.0重量%、さらに好ましくは10.0~21.0重量%、よりさらに好ましくは11.0~20.0重量%、より好ましくは12.0~19.0重量%、特に好ましくは13.0~18.0重量%である。皮膜率は、カプセル全体に対する皮膜の重量割合を表す。
カプセルの全重量は、例えば直径約3.5mmのカプセルの場合は、好ましくは17~25mgであり、より好ましくは18~24mg、さらに好ましくは19~23mgである。
(カプセル皮膜)
カプセル皮膜を構成する成分(カプセル皮膜成分)は限定されないが、多糖類およびゼラチンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。カプセル皮膜が多糖類を含むことにより、封入する内容物を安定して封入できる。
また、カプセル皮膜は必要に応じて、親水性コロイド、可塑剤、着色剤、甘味料、香料を含んでもよい。
多糖類としては、特に制限されないが、例えば、カラギーナン、寒天、アルギン酸またはその塩、ファーセレラン、カードラン等の海草由来多糖類;ガティガム、アラビアガム等の樹脂由来多糖類;プルラン、ウェランガム、キサンタンガム、ジェランガム等の微生物由来多糖類;トラガントガム、ペクチン、グルコマンナン、デンプン、デキストリン類等の植物由来多糖類;グアーガム、グアーガム誘導体、グアーガム酵素分解物、タラガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、サイリウムシードガム、アマシードガム等の種子由来多糖類;ダイユータンガム等の発酵多糖類等が挙げられる。これらは、市販品を使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、内容物を安定して保存する観点から、ジェランガム、カラギーナン、寒天、グアーガム、グアーガム誘導体、グアーガム酵素分解物、アルギン酸またはその塩、デンプン、デキストリン類が好ましく、ジェランガム、カラギーナン、寒天、デンプン、デキストリン類がより好ましい。
ヴィーガン、ベジタリアンあるいはフレキシタリアンなどは、植物タンパク質含有食品を積極的に利用することが知られており、このような人々の中には動物性食材を摂取しない人もいる。そこで、本発明の実施態様の1つの植物タンパク質含有食品のカプセル皮膜はゼラチンを含有せず、植物性原料だけ(たとえば、寒天、カラギーナンなどの多糖類)を用いる。
多糖類の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、内容物を安定して保存する点で、カプセル皮膜の総重量に対して、15~96重量%が好ましく、20~95重量%がより好ましく、25~90重量%がさらに好ましく、30~90重量%が特に好ましい。
ゼラチンを含む場合には、多糖類およびゼラチンの合計含有量が、カプセル皮膜の総重量に対して、70~99重量%が好ましく、80~98重量%がさらに好ましい。ゼラチンを含まない場合には、多糖類の含有量が、カプセル皮膜の総重量に対して、70~99重量%が好ましく、80~95重量%がさらに好ましい。
ゲル化能を有する多糖類の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、カプセルの皮膜強度の点から、カプセル皮膜の総重量に対して、50~95重量%が好ましく、55~95重量%がさらに好ましい。
ジェランガムとしては、アシル化の有無によって、アシル化ジェランガム(ネイティブジェランガム)と脱アシル化ジェランガムに分類することができる。アシル化ジェランガムは一般に柔らかく伸びのあるゲルを形成する性質がある。脱アシル化ジェランガムは一般に硬くてもろいゲルを形成する性質がある。本発明では、いずれを用いてもよいが、ゲル化温度が低くカプセル製造に適している点で脱アシル化ジェランガムが好ましい。
アシル化ジェランガムの市販品としては、例えば、CPケルコ社製の、ケルコゲルHT、ケルコゲルLT100がある。脱アシル化ジェランガムの市販品としては、例えば、CPケルコ社製の、ケルコゲル、ケルコゲルFがある。
カラギーナンとしては、特に限定されないが、例えば、κ(カッパ)カラギーナン、ι(イオタ)カラギーナン、λ(ラムダ)カラギーナン、μ(ミュー)カラギーナン、ν(ニュー)カラギーナン、θ(シータ)カラギーナン、ζ(ゼータ)カラギーナンまたはπ(パイ)カラギーナン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、製造時のゲル化能に優れる点、得られるカプセルの耐熱性および耐湿性に優れる点や外圧を加えた場合に容易に割ることができ、良好な割れ感や感触が得られる点などから、κ(カッパ)カラギーナン、ι(イオタ)カラギーナンが好ましい。
寒天としては、特に限定されないが、例えば、粉末寒天、固形寒天、フレーク寒天等が挙げられ、粉末寒天が好ましい。本発明に用いる寒天の原料としては、特に限定されず、例えば、紅藻類等が挙げられる。紅藻類としては、例えば、天草、オゴノリ等が挙げられ、天草が好ましい。寒天は、市販品を使用することができる。
中でも、得られるカプセルの耐熱性および耐湿性に優れる点や外圧を加えた場合に容易に割ることができ、良好な割れ感や感触が得られる点などから、高強度を有する寒天が好ましい。具体的には、寒天は、ゼリー強度が600g/cm以上のものが好ましく、650g/cm以上のものがより好ましく、700g/cm以上のものがさらに好ましい。前記ゼリー強度は日寒水式で測定された値であり、具体的には、寒天の1.5%溶液を調製し、20℃で15時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面1cm当たり20秒間耐え得る最大重量(g数)をもってゼリー強度とする。前記ゼリー強度は1.5%濃度における値を意味する。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
寒天の含有量は、特に限定されないが、粘度の点で、カプセル皮膜の総重量に対して、通常1~60重量%であり、20~55重量%が好ましい。
グアーガムは、マメ科植物のグァーの種子から公知の手段、方法を用いて、粉砕または抽出して製造される。また、グアーガムに代えてまたはグアーガムに加えて、グアーガム誘導体を用いてもよい。グアーガム誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルグアーガム、カチオン化グアーガム等が挙げられる。
グアーガムおよびグアーガム誘導体の含有量は、特に限定されないが、粘度の点で、カプセル皮膜の総重量に対して、1~20重量%であり、1.5~10重量%が好ましい。
グアーガム分解物としては、本発明の効果を有する限り特に限定されず、グアーガム酵素分解物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらは、市販品を使用することができる。市販品としては、ファイバロン(大日本住友製薬(株))、グアファイバー(明治フードマテリアル(株))、サンファイバー(太陽化学(株))ドゥファイバー(大正製薬(株))、ネオビスコG(三晶(株))、メイプロHPGシリーズ(三晶(株))、ジャガーCシリーズ(三晶(株))、メイプロガム(三晶(株))、セルパールFGシリーズ(ソマール(株))、RG100(MRCポリサッカライド(株))等が挙げられる。
グアーガム分解物の含有量は、特に限定されないが、粘度の点で、カプセル皮膜の総重量に対して、1~50重量%であり、10~40重量%が好ましい。
カプセル皮膜は、カプセルの保存性、崩壊性の点からアルギン酸またはその塩を含んでもよい。アルギン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルギン酸金属塩が好適に挙げられる。具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、鉄、スズ等の金属塩が挙げられ、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カリウムが特に好ましく、アルギン酸ナトリウムが最も好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。アルギン酸の金属塩としては、低粘度のものが好ましく、例えば、500mPa・s以下のものが好ましく、400mPa・s以下のものがより好ましい。前記粘度は、食品添加物公定書第8版記載の方法で測定される値であり、例えば、B型粘度計(メーカー名:BROOK FIELD、MODEL:LVDVE115)を用いて測定できる。アルギン酸またその塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
カプセルを透明または半透明とする場合、アルギン酸塩として、アルギン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。これにより、カプセルのカラーリングが容易になる。アルギン酸またはその塩は、褐藻類からアルギン酸を公知の手段、方法で抽出することによって得られる。これらは、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、サンアルギン(三晶(株))等が挙げられる。
アルギン酸またはその塩の含有量は、特に限定されないが、粘度の点で、カプセル皮膜の総重量に対して、例えば1.0~50.0重量%であり、3.0~45.0重量%が好ましい。
デキストリン類は、デキストロース当量(DE)が20以下のものが好ましい。デキストロース当量(DE)は、デキストロース(ブドウ糖)の還元力を100とした場合の加水分解の程度を示す相対的な尺度であり、0に近いほどデンプンに近い特性、100に近づくほどデンプンの加水分解が進み、ブドウ糖に似た特性となる。デキストロース当量(DE)はレーンアイノン(LANE-EYNON)法で測定できる。
デキストリン類としては特に制限されず、デキストリン、マルトデキストリン、難消化性デキストリン、シクロデキストリン(α、β、またはγ)などが挙げられる。これらは、市販品を使用することができる。デキストリンの含有量は、カプセル皮膜の総重量に対して、1~40重量%が好ましく、5~30重量%がより好ましい。例えば、デキストリン、マルトデキストリン、難消化性デキストリンとしては、松谷化学工業(株)製品等が使用できる。
デンプンとしては、特に限定されず、市販品を使用することができる。デンプンの含有量は、カプセル皮膜の総重量に対して、1~40重量%が好ましく、5~30重量%がより好ましい。
ゼラチンとしては、特に限定されず、豚ゼラチン、牛ゼラチン、魚ゼラチン等が挙げられる。また、ゼラチンとしては、特に限定されず、コハク化ゼラチン、ゼラチン加水分解物、加水分解ゼラチン、架橋型ゼラチン等のゼラチン誘導体を使用してもよい。これらは、市販品を使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。宗教上の制限、アレルギーの問題等から、ほ乳類(例えば、牛、豚等)由来成分を使用しないことを目的とする場合、ほ乳類由来のゼラチンを使用しないことにより、非ほ乳類性カプセルとすることができる。
ゼラチンとしては、特に限定されないが、プラントベースミート加工時にカプセルにかかる負荷に耐えられるよう高強度のものが好ましく、例えば、ブルーム強度(ブルーム(bloom)数)が190以上のものが好ましく、220以上のものがより好ましく、250以上のものがさらに好ましい。ブルーム強度は、直径12.7mmの円筒形のピストンが4mmゲルに押しこまれるのに必要な質量によって定義される。これらは、市販品(例えば、ルスロ(Rousselot)社製品)を使用することができる。
ゼラチンの含有量は、特に限定されないが、カプセル皮膜の総重量に対して、通常75重量%未満であり、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらに好ましい。ゼラチンの含有量が多いほどカプセルが硬くなり、崩壊しにくくなる傾向がある。
カプセル皮膜は、食品の製造過程においてカプセルの崩壊を避けるための適切な崩壊強度や耐衝撃を付与するという点で、可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤としては、特に限定されず、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール;ブドウ糖、果糖、グルコース、ガラクトース等の単糖類;ショ糖、麦芽糖、トレハロース、カップリングシュガー等の2糖類および、マルトオリゴ糖等のオリゴ糖;ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール等の糖アルコール;ポリビニルアルコール;トリアセチン;ポリデキストロース、還元デンプン加水分解物等のデンプン誘導体;ヒドロキシメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらは、市販品を使用することができる。例えば、マルトオリゴ糖としては、松谷化学工業(株)製品等が使用できる。デンプン誘導体としては、DE(デンプン分解度)が10~90程度のものが好ましい。
可塑剤の含有量は、特に限定されないが、得られるカプセルが耐熱性および耐湿性に優れる点を考慮して、造膜性基剤を1種単独(寒天単独、カラギーナン単独またはゼラチン単独)で使用する場合を除いて、15重量%未満が好ましく、13重量%以下がより好ましい。造膜性基剤を1種単独(寒天単独、カラギーナン単独またはゼラチン単独)で使用する場合、可塑剤のカプセル皮膜中の含有量は、約35重量%を上限とすることができ、30重量%以下が好ましい。
可塑剤の含有量は、特に限定されないが、耐衝撃の点から、前記カプセル皮膜の総重量に対して、1重量%~30重量%が好ましく、4重量%~25重量%がより好ましい。
中でも、耐衝撃の点で、可塑剤は、グリセリンを含むことが好ましい。グリセリンの含有量は、前記カプセル皮膜の総重量に対して、1重量%~30重量%が好ましく、4重量%~25重量%がより好ましい。
カプセル皮膜がゼラチンを含む場合、耐衝撃の点で、グリセリンの含有量は、前記カプセル皮膜の総重量に対して、6重量%~25重量%が好ましい。
本発明に係るカプセルは、必要に応じて着色することができる。これは例えばカプセル形態で添加したい材料とプラントベースフードとの色が大きく異なる場合に、カプセルの存在が見た目に強調されて消費者が違和感をもつことを防ぐために用いることもできるし、逆にカプセルの存在を強調して見た目を楽しく期待感のあるものとするために用いることもできる。着色剤としては、特に制限されないが、例えば、公知の色素、顔料等を使用できる。これらの含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。これらは、市販品を使用することができる。
カプセル皮膜の厚さ(TH)は、内容物の揮発防止および強度の点から60μm以上である。好ましくは、カプセル皮膜の厚さ(TH)は60~110μmが好ましく、60~100μmがより好ましく、65~90μmがさらに好ましい。カプセル皮膜の厚さ(TH)は、例えば、デジタルマイクロスコープ(例えば、(株)キーエンス製の商品名;VHX-900、10μmの校正スケールを使用)を用いて測定することができる。カプセル崩壊性の品質が均一になるため、カプセル皮膜の厚さ(TH)の平均値を上記範囲とすることが好ましい。
(内容物)
カプセルに封入される内容物は、油性成分を含む。内容物は、油性成分を主成分として含むことが好ましく、油性成分のみで構成されていてもよい。「油性成分を主成分として含む」とは、具体的には、内容物の全重量に対し、油性成分が、例えば50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上を占めることをいうものとする。
油性成分は食品に用いることのできるものであれば制限はないが、食用油脂が好ましい。食用油脂は、特に制限されず、上記のとおり任意の食用の油脂を使用できる。例えば、食用油脂は、オリーブ油、アマニ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、MCT(中鎖脂肪酸)オイル、大豆油、菜種油(キャノーラ油、ハイエルシン菜種油なども含む)、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油(ハイオレイックヒマワリ油なども含む)、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、米油、ごま油、紅花油(ハイオレイック紅花油なども含む)、カポック油、月見草油、カラシ油、ヤシ油、マンゴー核油、カカオ脂、シア脂、サル脂、イリッペ脂、乳脂、牛脂、豚脂、羊脂、魚油および鯨油等の少なくとも1種の動植物油脂である。また、食用油脂は、そのような動植物油脂に改質処理を施した加工油脂でもよく、上記のような動植物油脂および加工油脂の混合油脂でもよい。「改質処理」は、物理的または化学的に油脂を改質できる処理を指し、特に制限されないが、例えば水素添加、分別およびエステル交換等の少なくとも1種の処理である。食用油脂が、常温(例えば23~25℃)で固体の油脂を含む場合には、加圧加熱の前に、食用油脂全体を充分に溶解させ混合しておくことが好ましい。
前記油性成分は、公知の材料を用いて、油/水/油型のエマルジョンとして調製されていてもよい。
また、油性成分は1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
カプセルに封入される内容物は、油性成分の他に親油性溶媒、香料、栄養機能成分、調味料、着色料等を含んでもよい。
親油性溶媒としては、例えば、精油、レシチン類などが挙げられる。
香料は、香辛料や香草などの香りを有する成分を含有することが好ましい。
栄養機能成分としては、例えば、セラミド、EPA、DHA、プラズマローゲン、オキアミ油、α-リポ酸、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、β-カロテン、フコキサンチン、ヒアルロン酸、フコイダン、プロテオグリカン、グルコサミン、コラーゲン、プラセンタ、肝臓末、L-カルニチン、オルニチン、GABA、テアニン、シスチン、ポリアミン、ローヤルゼリー、大豆イソフラボン、レスベラトロール、ヘスペリジン、β-カリオフィレン、メロン抽出物、黒胡椒抽出物、ヒハツエキス、高麗人参エキス、アーティチョーク葉エキス、アムラエキス、ドクダミエキス、ショウガエキス、桜の花エキス、カミツレ抽出物、レモンバーム抽出物、エキナケアエキス、ネムノキ樹皮抽出物、ビタミン類、ミネラル類などが挙げられる。
調味料の具体例としては、例えば、食塩、砂糖、酢、しょう油、味噌、みりん、アミノ酸、肉エキス、野菜エキス、香辛料等が挙げられる。
植物タンパク質含有食品の全体の重量に対するカプセルの質量が多いと、油性成分の含有量が増えるので、肉汁のようなジューシーな風味が向上しやすく、また、軟らかい食感の食品を提供できる。
他方、植物タンパク質含有食品の全体の重量に対するカプセルの質量が少ないと、油性成分の含有量が減るので、食品を成型し易くなり、食感を感じやすい食品を提供できる。
植物タンパク質含有食品の全体の質量(Y)に対する植物タンパク質含有食品に含まれるカプセルの合計の質量(X)は、食品に含まれる植物タンパク質の種類、カプセルの内容物、カプセルの皮膜率等で異なるが、Y/Xの値は、好ましくは0.02~0.40、より0.03~0.35、よりさらに好ましくは0.04~0.30、より好ましくは0.04~0.25、さらに好ましくは0.05~0.20、よりさらに好ましくは0.06~0.15、特に好ましくは0.07~0.13である。
1.3 その他の原料
本発明の植物タンパク質含有食品は、植物タンパク質およびカプセル以外の原材料を含んでもよい。その他の原材料としては、特に限定されないが、例えば、動物タンパク質(牛肉、豚肉、鶏肉、魚など)、玉ねぎやキャベツ等の野菜類、調味料、着色料、酸化防止剤、保存料、増粘剤などが挙げられる。なお、調味料の添加方法としては、固体や粉末のまま、まぶして添加してもよいし、液体に溶解させて調味液として添加してもよい。
1.4 使用態様
植物タンパク質含有食品は肉代替食品として使用することができる。
また、植物タンパク質含有食品は加熱されることによってカプセルが崩壊してカプセル内の内容物が拡散することで風味の良い食品を提供できる。
したがって、植物タンパク質含有食品は加熱処理せずに喫食することもできるが、加熱処理されることによって喫食する形態となる加熱用食品であることが好ましい。
2.植物タンパク質含有食品の製造方法
植物タンパク質含有食品の製造方法は公知の方法で製造できる。たとえば、植物タンパク質、カプセル、水を含む混合物を準備して、混練して製造できる。混練するときは一定温度になるまで加熱することができる。また、混練後は冷却することが好ましい。植物タンパク質含有食品は冷凍食品でもよい。植物タンパク質含有の冷凍食品を製造する場合、混練後に例えば-20℃以下まで冷却することが好ましい。
3.加熱処理済み植物タンパク質含有食品、その製造方法
加熱処理済み植物タンパク質含有食品は、たとえば、本発明のカプセルを含む植物タンパク質含有食品を加熱することによって製造できる。本発明の植物タンパク質含有食品は加熱処理されると、食品に含まれるカプセルが崩壊し、カプセルの内容物が食品中に拡散する。これによって、優れた風味を有する食品を提供できる。
本発明の加熱処理済み植物タンパク質含有食品は、加熱された植物タンパク質、油性成分、崩壊後に残るカプセル皮膜成分(多糖類、ゼラチン)を含む。
本発明の加熱処理済み植物タンパク質含有食品に含まれる植物タンパク質の加熱前のタンパク質は、本発明の植物タンパク質含有食品のタンパク質と同じである。
本発明の加熱処理済み植物タンパク質含有食品に含まれる油性成分は、本発明の植物タンパク質含有食品のカプセルに含まれる油性成分と同じである。
本発明の加熱処理済み植物タンパク質含有食品に含まれるカプセル皮膜成分は、本発明の植物タンパク質含有食品のカプセルに用いられる皮膜成分と同じである。
加熱処理済み植物タンパク質含有食品は、カプセルが崩壊し油性成分が食品内に拡散している。加熱処理後の食味・食感の劣化を避けるために、加熱処理後できるだけ短時間で消費者に提供することが好ましい。
また、加熱処理後に冷凍処理された加熱処理済み植物タンパク質含有の冷凍食品でもよい。消費者は加熱処理済み植物タンパク質含有の冷凍食品を再加熱などによって解凍するだけで喫食できる形態となる。
加熱処理は、レトルトパウチ、缶詰用の缶などの容器内で行われてもよい。このように加熱処理すると、加熱処理済み植物タンパク質含有食品を長期保存に適したレトルト食品や缶詰食品として提供できる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
[実施例1-1]大豆タンパク質含有加熱用食品
<大豆タンパクの生地の製造>
粉末状大豆タンパク4gをセルロース結着剤1.2gと混合した混合物に、菜種油4.5gおよび水40gを加えてよく練り合わせて、冷蔵庫で1時間静置し、粉末状大豆タンパク混合物を得た。また、粒状大豆タンパク16gに水32gを加えて、常温で1時間静置し、粒状大豆タンパク混合物を得た。
粉末状大豆タンパク混合物と粒状大豆タンパク混合物を混合し、さらに調味料(濃口醤油2g、ケチャップ2g、すりおろしニンニク2g、粉末コンソメ1g、すりおろし生姜1g、水3mL)、および香辛料(ローストオニオン粉末1g、ナツメグ粉末1g、クミン粉末1g、黒コショウ粉末0.5g、食塩0.5g)を加えてよく混ぜて、大豆タンパクの生地を得た。
<シームレスカプセルの製造>
大豆タンパク質含有食品に用いられるカプセルはシームレスカプセルとした。シームレスカプセルの製造方法である液中滴下法により、各カプセル内容物の液体を内包したカプセル(真球状)を製造した。カプセルの直径は3mm、内包するカプセル内容物の重量は12mgとした。
カプセルの内容物は市販のバジルフレーバーのオリーブオイルを用いた。
また、カプセル皮膜処方は、表1のとおりであった。

なお、シームレスカプセル製造において、上記皮膜成分に95℃での皮膜粘度が50~200mPa・sの範囲となるように精製水を加えて、95℃で撹拌しながら2時間加熱することにより調製した皮膜液をカプセル製造のために用いた。
製造したカプセルは、25℃(±5℃)、湿度40%RH(±20%)の環境下で回転型乾燥機を用いて、カプセルの水分活性値が0.3~0.6になるまで、乾燥させた。
得られたカプセルの皮膜率は17.6重量%であった。
<大豆タンパク質含有加熱用食品>
大豆タンパクの生地112.7gに、シームレスカプセル17gを加えて混合し、大豆タンパク質含有加熱用食品を製造した。
[実施例2-1]大豆タンパク質含有加熱用食品
シームレスカプセル24gを加えて混合する以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有加熱用食品を製造した。
[比較例1-1]カプセル・油性成分なし大豆タンパク質含有食品
大豆タンパクの生地にシームレスカプセルを加えないこと以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有食品を製造した。
[比較例2-1]カプセルなし大豆タンパク質含有食品
大豆タンパクの生地にシームレスカプセルを加えない代わりに、実施例1-1のカプセルの内容物である市販のバジルフレーバーオリーブオイル14gを加えて混合し、大豆タンパク質含有食品を製造した。なお、実施例1-1で用いられたシームレスカプセル17gに含まれる油性成分は14gであった(皮膜率17.6重量%)
[実施例1-2]加熱処理済み大豆タンパク質含有食品
実施例1-1の大豆タンパク質含有食品の一部を取り出し、長径約5cm、短径約3cm、厚さ1.5cmの略小判型に成型した。予め200℃に熱したホットプレート上にアルミホイルを敷いて、片面10分ずつ両面を焼いた後、ホットプレートの蓋をして100℃で10分焼き、大豆タンパク質含有食品によるハンバーグ様食品を作製した。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。また、バジルの風味を感じることができた。
[実施例2-2]加熱処理済み大豆タンパク質含有食品
実施例2-1の大豆タンパク質含有食品の一部を取り出し、実施例1-2と同様にハンバーグ様食品を作製した。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。また、バジルの風味を感じることができた。
[比較例1-2]加熱処理済み大豆タンパク質含有食品
比較例1-1の大豆タンパク質含有食品の一部を取り出し、実施例1-2と同様にハンバーグ様食品を作製した。
当該食品を試食したところ、ぼそぼそとした食感で滑らかさが感じられなかった。
[比較例2-2]加熱処理済み大豆タンパク質含有食品
比較例2-1の大豆タンパク質含有食品の一部を取り出し、実施例1-2と同様にハンバーグ様食品を作製した。
当該食品を試食したところ、ぼそぼそとした食感で滑らかさが感じられなかった。バジルの風味は僅かだった。大豆タンパクの生地には実施例3のカプセルの内容物と同量のバジルフレーバーオリーブオイルが用いられたが、カプセルを用いた実施例3に比べてバジルの風味はとても弱かった。
[実施例3-1、3-2]
シームレスカプセルの内容物をバジルフレーバーオリーブオイルからごま油に変更した以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有加熱用食品を製造し(実施例3-1)、その一部を取り出し、実施例1-2と同様に加熱処理してハンバーグ様食品を作製した(実施例3-2)。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。また、ごま油の風味を感じることができた。
[実施例4-1、4-2]
シームレスカプセルの内容物をバジルフレーバーオリーブオイルからアーモンドオイルに変更した以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有加熱用食品を製造し(実施例4-1)、その一部を取り出し、実施例1-2と同様に加熱処理してハンバーグ様食品を作製した(実施例4-2)。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。また、アーモンドの風味を感じることができた。
[実施例5-1、5-2]
シームレスカプセルの内容物をバジルフレーバーオリーブオイルからビタミンEを3重量%含有するMCTオイルに変更した以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有加熱用食品を製造し(実施例5-1)、その一部を取り出し、実施例1-2と同様に加熱処理してハンバーグ様食品を作製した(実施例5-2)。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。
[実施例6-1、6-2]
シームレスカプセルの皮膜に含まれる成分を寒天から豚ゼラチンに変更した以外は実施例1-1と同じ方法で大豆タンパク質含有加熱用食品を製造し(実施例6-1)、その一部を取り出し、実施例1-2と同様に加熱処理してハンバーグ様食品を作製した(実施例6-2)。
当該食品を試食したところ、しっとりとした滑らかな食感が得られた。また、バジルの風味を感じることができた。
表2は実施例および比較例の概要を整理した表である。
加熱処理済みの食品(実施例1-2、2-2、3-2、4-2、5-2、6-2、比較例1-2、2-2)を目視したところ、加熱用食品に含まれていたカプセルの皮膜は確認できなかった。また、試食においてもカプセル皮膜を感じることはなかった。

Claims (12)

  1. 油性成分を含む内容物、および、前記内容物を封入するカプセル皮膜を有するカプセルを含む、植物タンパク質含有食品。
  2. カプセルがシームレスカプセルである、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  3. カプセルが加熱処理によって崩壊する、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  4. 油性成分が融点37℃以下の油脂を含む、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  5. カプセル皮膜が多糖類およびゼラチンからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  6. 多糖類が、ジェランガム、カラギーナン、寒天、グアーガム、グアーガム誘導体、グアーガム酵素分解物、アルギン酸またはその塩、デンプン、およびデキストリン類からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項5記載の植物タンパク質含有食品。
  7. カプセル皮膜がゼラチンを含まない、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  8. カプセルの皮膜率が5.0~25.0重量%である、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
  9. 下記式(1)を満たす、請求項1記載の植物タンパク質含有食品。
    式(1):0.02≦Y/X≦0.4
    [上記式(1)中、Xは植物タンパク質含有食品の全体の質量(g)を示し、Yは植物タンパク質含有食品に含まれるカプセルの合計の質量(g)を示す。]
  10. 加熱用食品である、請求項1~9のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品。
  11. 請求項1~9のいずれかに記載の植物タンパク質含有食品を加熱処理する工程を含む、加熱処理済み植物タンパク質含有食品の製造方法。
  12. 請求項11に記載された製造方法で得られた加熱処理済み植物タンパク質含有食品。
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