JP2024016017A - 情報処理システム、情報処理装置およびプログラム - Google Patents

情報処理システム、情報処理装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】仮想空間においてアバターに対してコンテンツを提示する情報処理システム、情報処理装置およびプログラムを提供する。【解決手段】情報処理システムであるゲームシステム1において、情報処理装置の制御部は、ユーザに対応するアバターと、アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させる表示ステップと、ユーザに対応するアバターに関して、所定の時点においてアバターが仮想空間で何をしようしている時間なのかによって特定される状況が提示条件を満たす場合に、ユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定する決定ステップと、仮想空間において、決定されたコンテンツを、状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示する提示ステップと、を実行する。【選択図】図1

Description

本開示は、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、仮想空間内のキャラクタに対するユーザの移動操作の入力履歴データと移動軌跡データに基づいて、広告等が表示された看板の表示位置および表示方向を変更して仮想空間内に表示する技術が開示されている。
特開2003-248844号公報
メタバースのような仮想空間の利用は今後さらに増えると考えられる。
本開示では上記事情に鑑み、仮想空間においてアバターに対してコンテンツを提示することとした。
(1)本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける表示ステップでは、ユーザに対応するアバターと、アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させる。決定ステップでは、ユーザに対応するアバターに関する状況が提示条件を満たす場合に、ユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定する。状況は、所定の時点においてアバターが仮想空間で何をしようしている時間なのかによって特定される。提示ステップでは、仮想空間において、決定されたコンテンツを、状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示する。
このような態様によれば、仮想空間においてアバターに対してコンテンツを提示することができる。
本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。 各装置の制御部の機能構成を示す図である。 情報処理の流れを示すフローチャートである。 予定情報の一例である。 履歴蓄積部205に蓄積される行動履歴の一例である。 コンテンツテーブルの一例である。 仮想空間を表す地図の一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 コンテンツの提示実績の一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 提示されたコンテンツの一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。 仮想空間において提示されるアバターの一例である。
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すゲームシステム1では、ゲーム管理装置2、複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。ゲームシステム1において接続される各装置は、いずれも情報処理装置であり、ゲームシステム1は、それらの情報処理装置を備える情報処理システムである。
本実施形態に係るゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)である敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
2.ゲームシステム1の概要
図1に示されるように、ゲームシステム1は、ゲーム管理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。ゲーム管理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。ゲーム管理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述のゲーム管理装置2やゲーム装置3単体であってもゲームシステム1の一例となりうる。
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、ゲーム管理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3からゲーム管理装置2に送信され、ゲーム管理装置2におけるユーザ認証に利用される。
ユーザ認証を経て、ゲーム管理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をゲーム管理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、ゲームシステム1の各ハードウェア構成について説明する。
<ゲーム管理装置2>
図1に示されるように、ゲーム管理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム管理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。ゲーム管理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム管理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム管理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、ゲーム管理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
通信部31は、ゲーム装置3とゲーム管理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じてゲーム管理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、ゲーム管理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、ゲーム管理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報がゲーム管理装置2から配信され、これを記憶する。
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cを介した入力に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、またはゲーム管理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを介して、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
2.2 機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
図2は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。ゲーム管理装置2の制御部23は、ゲーム処理部201と、コンテンツ記憶部202と、提示決定部203と、状況特定部204と、履歴蓄積部205と、予定取得部206と、提示制御部207とを備える。ゲーム装置3は、ゲーム処理部301と、操作受付部302とを備える。
ゲーム管理装置2のゲーム処理部201は、ゲームシステム1にログインしたユーザの指示に応じて、そのユーザがプレイするゲームに関するゲーム処理を実行する。ゲーム処理部201は、本実施形態では、仮想空間においてユーザに対応するアバターが日常の生活を送るゲームのゲーム処理を実行する。仮想空間とは、コンピュータネットワーク上に構築された仮想的な空間であり、例えば、複数のユーザが参加して同じ空間で同時にゲームを楽しむ場として利用される。本実施形態では、仮想空間において、現実世界と同じ時間が流れている、すなわち、月、日、曜日、時刻が現実世界と同じになっているものとする。
アバターとは、上述したプレイヤキャラクタの一種であり、特に、仮想空間においてユーザの分身として行動するプレイヤキャラクタのことである。アバターには、ゲーム開始時から提供されるものや、途中で購入またはガチャによって取得するものが含まれる。アバターは、人間の姿であることが多いが、動物や無生物を擬人化したものが用いられる場合もある。ユーザに対応するアバターとは、ユーザが自分で操作するものとして設定したアバターのことである。
ゲーム処理部201は、例えば、ユーザに対応するアバターと、アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させる表示部として機能する。アバターに対応する視点とは、アバター自身の視点(いわゆる一人称視点)またはアバターの周囲に設定される視点(いわゆる三人称視点)のことである。本実施形態では、三人称視点が用いられる場合を説明する。なお、ゲーム処理部201は、アバターおよび仮想空間の画像を表示する処理とともに、音(自然音、効果音および音声等)を出す処理をゲーム処理として行ってもよい。
コンテンツ記憶部202は、ユーザに提示されるコンテンツを記憶する。コンテンツとは、アバターを操作するユーザに見てもらうために用意された情報であり、文字列、画像(静止画・動画)および音のうちの1以上を含むデータによって表される。コンテンツ記憶部202は、本実施形態では、企業等によって用意された広告をコンテンツとして記憶する。広告とは、企業等が提供する製品やサービスを消費者に認知させて購買意欲を高めるための情報である。
提示決定部203は、ユーザに対応するアバターに関する状況(以下「アバターの状況」と言う)に応じて、そのユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定する決定部として機能する。アバターの状況とは、例えば、アバターの行動および仮想空間におけるアバターの周囲の環境等によって示される状況である。アバターの行動とは、出勤、休憩および退勤等である。また、周囲の環境とは、仮想空間内の天候、交通機関の運行状況および他のアバターの存在等である。提示決定部203は、アバターの状況が提示条件を満たす場合に、提示を決定する。提示条件については後ほど詳しく説明する。
状況特定部204は、所定の時点におけるアバターの状況を特定する。所定の時点とは、例えば、所定の時間間隔で訪れるタイミングである。この時間間隔を例えば1秒毎に定めた場合、状況特定部204は、アバターの状況を1秒毎に繰り返し特定する。状況特定部204は、所定の時点においてアバターが仮想空間で何をしようしている時間なのかによってそのアバターの状況を特定する。状況の特定方法については後ほど詳しく説明する。
履歴蓄積部205は、アバターに関する履歴を蓄積する。履歴蓄積部205は、例えば、ゲーム内でアバターが行った行動の履歴を蓄積する。行動の履歴とは、行動の内容(出勤、休憩および退勤等)および行動を行った期間(開始時刻および終了時刻)とを対応付けた情報である。なお、行動の履歴は、より細かい動作(移動、停止、座る、立つ等)の履歴またはユーザが行った操作(移動操作等)の履歴によって表すことも可能なので、履歴蓄積部205は、それらの動作の履歴または操作の履歴を行動の履歴として蓄積してもよい。
予定取得部206は、アバターが所定の時間帯に所定の行動をとることを予定することを定めた予定情報を取得する。本実施形態におけるゲームでは、アバターが日常の生活を送るため、現実世界と同様に、将来の予定を示すスケジュール情報が利用されているものとする。予定取得部206は、例えば、このスケジュール情報を予定情報として取得する。
提示制御部207は、提示決定部203によって決定されたコンテンツをユーザに提示する提示部として機能する。提示制御部207は、仮想空間において、状況特定部204により特定された状況においてコンテンツをユーザに提示する。提示制御部207は、例えば、コンテンツを示す画像データ、音データおよび動画データ等を含む提示データを生成してゲーム装置3に送信する処理を、コンテンツをユーザに提示する処理として実行する。
ゲーム装置3のゲーム処理部301は、ゲーム管理装置2のゲーム処理部201と協働して、ゲームに関する処理を実行する。操作受付部302は、ユーザによる操作を受け付ける。ユーザによる操作は、主としてゲームをプレイする際に行われる操作であり、ゲーム内のアバターの動き(移動等)と、仮想空間の見え方(視点の位置および向き)とを指示する操作である。
3.ゲームシステム1の動作の流れ
本節では、前述したゲームシステム1の動作の流れについて説明する。好ましい態様の一例として、ユーザがキャラクタを操作し、アイテム等を取得させながらクエストを進行させるゲームを例に挙げて説明する。
3.1 情報処理の概要
以下、図3を参照して、ゲームシステム1によって実行される情報処理の流れを概説する。
図3は、情報処理の流れを示すフローチャートである。まず、ゲーム装置3が、A11において、操作受付部302により、ユーザによるログイン操作を受け付ける。操作受付部302は、ログイン情報(例えばユーザIDおよびパスワード等)をゲーム管理装置2に送信する。ゲーム管理装置2は、A12において、ゲーム処理部201により、ゲームのユーザ認証を行う。次に、ゲーム管理装置2は、A13において、予定取得部206により、認証したユーザに対応するアバターの予定情報を取得する。
ゲーム装置3は、A21において、操作受付部302により、ログインしたユーザによるゲームの操作を受け付ける。次に、ゲーム管理装置2およびゲーム装置3が、A22において、ゲーム処理部201およびゲーム処理部301が協働して、ゲーム処理を実行する。より具体的には、ゲーム処理部201は、ゲームの進行により移り変わる仮想空間、アバターおよび音等を示すゲームデータを生成してゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、ゲーム処理部301により、受信したゲームデータが示すゲーム画面を表示し、同じく受信したゲームデータが示す音を出力する。
ゲーム処理が実行されると、ゲーム管理装置2は、A23において、状況特定部204により、現時点におけるアバターの状況を特定する。状況特定部204は、例えば、A13において取得された予定情報が示す予定に基づいて、現時点の状況を特定する。また、状況特定部204は、履歴蓄積部205に蓄積されているアバターに関する履歴に基づいて、現時点の状況を特定する。状況の特定方法の詳細は後ほど別図を参照しながら説明する。
ゲーム管理装置2は、A24において、提示決定部203により、A23において特定された状況が、コンテンツの提示条件を満たすか否かを判断する。A24において状況が提示条件を満たさないと判断された場合、ゲーム管理装置2は、A22に戻ってゲーム処理を実行する。ゲーム管理装置2は、A22からA24までの処理を、例えば、所定の時間間隔(例えば1秒毎)で繰り返し行う。この場合、提示条件を満たす状況になったらすぐにその提示条件が満たされることになる。
なお、ゲーム管理装置2は、A23の処理とA24の処理を行う時間間隔を異ならせてもよい。例えば、A23の処理は1秒毎に行うが、A24の処理は1分毎に行うという具合である。この場合、提示条件を満たす状況になってもすぐにその提示条件が満たされると判断されず、しばらくしてからその提示条件が満たされることになる。また、ゲーム管理装置2は、A23において新たな状況が特定されてから所定の時間が経過したときにA24の処理を行ってもよい。この場合、提示条件を満たす状況になってから所定の時間が経過したときにその提示条件が満たされることになる。このように、A24の処理は、提示条件を満たす状況において、コンテンツを提示したいタイミングで行われればよい。
A24において状況が提示条件を満たすと判断された場合、ゲーム管理装置2は、A31において、提示制御部207により、アバターに対応するユーザに提示するコンテンツを読み出す。次に、ゲーム管理装置2は、A32において、提示制御部207により、ユーザにコンテンツを提示する態様を決定する。コンテンツの提示態様とは、例えば、コンテンツを示す画像のデザイン、サイズ、色、表示時間、音の大きさ、音色、放音時間等のことである。提示態様の決定方法については後ほど詳しく説明する。
続いて、ゲーム管理装置2は、A33において、提示制御部207により、上記のとおり決定された態様でコンテンツを提示するための提示データを生成し、ゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、A34において、受信した提示データが示すコンテンツを、その提示データが示す態様で提示する提示処理を実行する。ゲーム管理装置2は、A35において、履歴蓄積部205により、アバターに関する履歴を蓄積する。履歴蓄積部205は、例えば、A23において特定された状況が示すアバターの行動と、現在時刻とを対応付けた情報を行動履歴として蓄積する。
ゲーム装置3においては、A34においてコンテンツの提示処理を実行したあとも、ユーザによる操作が継続される場合がある。その場合、ゲーム装置3は、A41において、操作受付部302により、ユーザの操作を受け付ける。次に、ゲーム管理装置2およびゲーム装置3が、A42において、ゲーム処理部201およびゲーム処理部301が協働して、ゲーム処理を実行する。ゲーム装置3においては、A41およびA42の処理が繰り返し行われる。
ゲーム管理装置2は、A42のゲーム処理の後、A43において、提示決定部203により、コンテンツの提示を終了させる提示終了条件が満たされたか否かを判断する。提示終了条件は、コンテンツ毎に定められており、例えば、コンテンツを示す動画の再生時間が経過した場合、コンテンツの提示領域がアバターの視界から外れた場合、ユーザがコンテンツの提示を停止させる操作を行った場合、または、コンテンツを開始したときのアバターの状況が終了した場合等において満たされる。
例えば、アバターが出勤する状況において提示条件が満たされてコンテンツが提示された場合に、コンテンツを示す動画の再生時間の経過が提示終了条件として用いられたとする。その場合、動画の再生時間が経過する前に会社に到着してアバターが出勤する状況が終了することがある。この場合、提示制御部207は、コンテンツの提示を開始した時点でのアバターの状況が終了してもコンテンツの提示を継続すればよい。このように、コンテンツは、アバターの状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示されていればよい。
ゲーム管理装置2は、提示終了条件が満たされたと判断するまでA42およびA43の処理を繰り返し実行する。ゲーム管理装置2は、A43において、提示終了条件が満たされたと判断した場合、コンテンツの提示を終了するよう指示する終了指示データをゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、A44において、ゲーム処理部301により、コンテンツの提示処理を終了する。また、ゲーム管理装置2は、提示終了条件が満たされたと判断した場合、A45において、コンテンツ記憶部202により、コンテンツ履歴を記録する。コンテンツ履歴とは、コンテンツの提示予定および提示実績等を示す情報である。以降は、ユーザがログインした状態でゲームを継続する限り、A21以降の処理が繰り返し行われる。
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームシステム1は、次の各構成要素、すなわち、表示部(ゲーム処理部201)、決定部(提示決定部203)および提示部(提示制御部207)を備える。表示部は、ユーザに対応するアバターと、アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させる。決定部は、ユーザに対応するアバターに関する状況が提示条件を満たす場合に、ユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定する。状況は、所定の時点においてアバターが仮想空間で何をしようしている時間なのかによって特定される。提示部は、仮想空間において、決定されたコンテンツを、状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示する。
このような態様によれば、仮想空間においてアバターに対してコンテンツを提示することができる。特に、アバターが仮想空間において置かれた状況を満たすユーザに対して広告を提示することが可能になるので、街角広告のような特定の時間に特定の空間的位置に広告を提示するものよりも、当該広告をより適切なユーザに対して提示し得る。
3.2 情報処理の詳細
次に、上記概説された情報処理の詳細部分を説明する。まず、図3に示すA23においてアバターの状況を特定する方法のうち、アバターの予定を示す予定情報を用いる方法について説明する。
図4は、予定情報の一例である。図4の例では、「予定」、「開始時刻」、「終了時刻」、「関連場所」および「移動手段」を示す予定情報C1が示されている。「予定」は、アバターの予定そのものを示す情報である。「開始時刻」および「終了時刻」は、予定の期間が開始される時刻および終了する時刻である。「関連場所」は、予定に関連する場所を示す情報である。「移動手段」は、予定に関して行われる移動の手段である。移動が軽微な予定の場合は移動手段がブランクとなっている。
図4の例では、開始時刻t11から終了時刻t12までの期間T10において「乗車駅」から「電車」で「降車駅」まで移動して「出勤」するという移動自体を表す予定C11と、開始時刻t21から終了時刻t22までの期間T20において、「職場」にて「業務」を行うという予定C12とが示されている。また、開始時刻t31から終了時刻t32までの期間T30において「食堂」において「休憩」するという予定C13と、開始時刻t41から終了時刻t42までの期間T40において「客先住所」に「車」で移動して「客先訪問」するという移動先での滞在を表す予定C14とが示されている。なお、期間T40には、移動の期間が含まれていても含まれていなくてもよいが、本実施形態では、含まれていないものとする。
予定情報C1は、例えば、ユーザU1に対応するアバターV1の予定を示す情報であり、図3に示すA13において予定取得部206により取得されたとする。予定情報を用いた状況の特定方法には、予約情報および現在時刻から状況を特定する第1方法と、予定情報が示す予定、現在時刻および現在位置から状況を特定する第2方法と、予定情報が示す予定から推測される予定から状況を特定する第3方法とがある。
第1方法を用いる場合を説明する。状況特定部204は、例えば、現在時刻が期間T10に含まれている場合、アバターV1が乗車駅から電車で降車駅まで移動して職場に出勤している状況であると特定する。また、状況特定部204は、現在時刻が期間T20に含まれる場合、アバターV1が職場で業務を行っている状況であると特定する。また、状況特定部204は、現在時刻が期間T30に含まれる場合、アバターV1が食堂で休憩を行っている状況であると特定する。また、状況特定部204は、現在時刻が期間T40に含まれる場合、アバターV1が客先に車で訪問している状況であると特定する。
第2方法を用いる場合を説明する。状況特定部204は、例えば、現在時刻が期間T10に含まれており、且つ、アバターV1が仮想空間内の車道にいる場合は、予定情報が示す移動手段にかかわらず、車で出勤している状況と特定する。また、状況特定部204は、同じように現在位置が駅または線路領域である場合は、電車で出勤している状況と特定する。また、状況特定部204は、現在位置が歩道である場合は、徒歩で出勤している状況と特定する。
また、状況特定部204は、現在時刻が期間T10に含まれているが現在位置がまだ自宅である場合は在宅という状況を特定し、現在位置が自宅の外の位置になった場合に出勤している状況と特定する。この場合、状況特定部204は、期間T10が終了しても、現在位置がまだ職場でない場合は、引き続き出勤している状況と特定し、現在位置が職場になった時点で、職場で業務を行っている状況であると特定する。このように、第2方法では、状況特定部204は、予定とは時間や移動手段が異なっていても、現在時刻および現在位置に基づいて現在の状況を正確に特定する。
第3方法を用いる場合を説明する。状況特定部204は、例えば、予定C13は食堂(職場に隣接しているものとする)で行われ、予定C14は客先で行われることから、予定C13および予定C14の間に職場から客先までの移動が予定されていると判断する。状況特定部204は、予定C14の移動手段として「車」が示されているので、職場から客先までの車での移動に要する時間を、地図サービス等を用いて算出する。
状況特定部204は、予定C14の開始時刻から算出した移動時間だけ遡った時刻から移動時間が経過するまでの期間を移動期間の予定と推測し、推測した予定を予定情報とみなして第1方法または第2方法を用いてアバターV1の状況を特定する。また、状況特定部204は、予定C14の終了時刻の後は、例えば、終了時刻がまだ早ければ職場に戻る場合の移動期間の予定を推定し、終了時刻が例えば17時を過ぎていてい遅い場合にはアバターV1の自宅を移動先として、上記と同様に移動期間の予定を推定する。
以上のとおり、状況特定部204は、アバターが所定の時間帯に所定の行動をとることを予定することを定めた予定情報に基づいてそのアバターの状況を特定する。
次に、図3に示すA23においてアバターの状況を特定する方法のうち、アバターの行動履歴を用いる方法について説明する。
図5は、履歴蓄積部205に蓄積される行動履歴の一例である。図5の例では、「動作」、「開始時刻」、「終了時刻」、「関連場所」および「行動の種類」を示す行動履歴C2が示されている。「動作」は、アバターの動作を示す情報である。「開始時刻」および「終了時刻」は、動作が開始された時刻および終了した時刻である。「関連場所」は、動作に関連する場所を示す情報である。「行動の種類」は、動作、時刻および関連場所から特定される行動の種類である。
行動履歴C2は、上述したアバターV1の行動の履歴を示すものとする。行動履歴C2には、動作履歴C21、C22、C23、C24およびC25等が含まれている。動作履歴C21は、アバターV1が自宅から駅まで徒歩で移動した動作の履歴である。動作履歴C22は、アバターV1が電車に乗り込んでから、電車経路に沿って移動して(移動中は立っているか座っているだけ)、電車から降りるまでの動作の履歴である。動作履歴C23は、アバターV1が駅から職場まで徒歩で移動する動作の履歴である。
動作履歴C24は、アバターV1が職場に滞在している間に行った動作(業務を進めるための動作等)の履歴である。動作履歴C25は、アバターV1が食堂に滞在している間に行った動作(例えば他のアバターと会話する動作等)の履歴である。これらの動作履歴は、ユーザU1の操作に基づいてゲーム処理部201によって実行されたアバターV1の動作の履歴が履歴蓄積部205に蓄積されたものである。
履歴蓄積部205は、動作、時刻および関連場所の関係に応じて行動の種類を特定し、特定した行動の種類を記憶する。履歴蓄積部205は、例えば、動作履歴のうち、午前中に自宅から職場まで移動する動作履歴(図5の例ではC21、C22およびC23)に「出勤」という行動の種類を対応付けて記憶する。また、履歴蓄積部205は、例えば、一定期間よりも長い時間職場に滞在する動作履歴(図5の例ではC24)に「業務」という行動の種類を対応付けて記憶する。また、履歴蓄積部205は、例えば、一定期間よりも短い時間食堂に滞在する動作履歴(図5の例ではC25)に「休憩」という行動の種類を対応付けて記憶する。なお、ここで述べた動作、時刻および関連場所の関係は一例であり、それとは異なる関係が用いられてもよい。
履歴蓄積部205は、こうしてアバターV1の行動履歴を蓄積していく。蓄積された行動履歴は、毎週の同じ時間帯に行われる行動を示すようになる。例えば、平日の朝7時から9時の期間には出勤が行われ、9時から12時の期間には業務が行われ、12時から13時の期間には休憩が行われるという具合である。状況特定部204は、このように習慣化された行動履歴がある場合に、習慣化された行動を予定された行動とみなして、予定情報を用いる場合と同様の方法でアバターV1の状況を特定する。以上のとおり、状況特定部204は、アバターが所定の時間帯に所定の行動を行ったことに基づいてそのアバターの状況を特定する。
続いて、図3に示すA24においてアバターの状況がコンテンツの提示条件を満たすか否かを判断する方法を説明する。提示決定部203は、例えば、コンテンツテーブルを用いて提示条件についての判断を行う。
図6は、コンテンツテーブルの一例である。図6の例では、「ユーザ属性」、「アバターの状況」、「コンテンツオーナー」、「提示態様」、「コンテンツデータ」および「提示条件」を対応付けたコンテンツテーブルC3が示されている。
「ユーザ属性」とは、アバターに対応するユーザの属性である。コンテンツテーブルC3には、例えば、興味を持つコンテンツが共通しやすいグループに共通する属性がユーザ属性として示される。図6の例では、「30代男性」、「30代女性」というように、年代と性別の組み合わせがユーザ属性として示されている。
「アバターの状況」は、「時間枠」および「領域属性」によって表されている。「時間枠」は、ユーザに対してコンテンツを提示することが予定された時間の枠のことであり、固定された時間帯ではなく、ユーザが特定の状況にある期間のことを表している。図6の例では、「出勤」、「休憩」、「退勤」等が時間枠として示されている。
仮想空間には、属性が異なる複数の領域が存在する。「領域属性」はそれらの領域の属性のことであり、図6の例では、「屋外」および「屋内」が示されている。なお、領域属性には、他にも、自動車内、電車内、建物内、船内、飛行機内、路上、公園、屋上、水上、街中および郊外等が含まれる。「領域属性」は、時間枠に示された状況において、仮想空間内でアバターが所在する領域の領域属性を示している。例えば「出勤」の場合、徒歩等により「屋外」を移動する状況と、駅および電車等の「屋内」を移動する状況とが示されている。
「コンテンツオーナー」は、コンテンツを用意した企業等を示す。図6の例では、「屋外」および「屋内」の「出勤」というアバターの状況に対して「A社」がコンテンツを用意している。また、「屋内」の「休憩」に対して「B社」がコンテンツを用意し、「屋内」の「退勤」に対して「C社」がコンテンツを用意している。
「提示態様」は、コンテンツを提示する際の態様を示す。図6の例では、A社が用意したコンテンツが、「屋外」の「出勤」の場合は「2D建物オブジェクト投影」という態様で提示され、「屋内」の「出勤」の場合は「3Dキャラオブジェクト」という態様で提示されることが示されている。「2D建物オブジェクト投影」は、2次元的(平面的)デザインのコンテンツを仮想空間内の建物に投影する態様である。「3Dキャラオブジェクト」は、3次元的(立体的)デザインのコンテンツを仮想空間内のキャラクタが関与して提示する態様である。
キャラクタとは、ユーザが操作するアバターまたはゲーム処理部201により制御されるNPC(Non Player Character)のことである。キャラクタが関与する態様とは、例えば、キャラクタの表面にコンテンツが表示されたり、キャラクタがコンテンツの音を出力したり、コンテンツが示された看板をキャラクタが掲げたりする態様である。なお、ここで示す提示態様は一例であり、デザインの変化、色の変化、大きさの変化、動きの変化、音の変化等を伴う様々な演出を狙った態様が採用されうる。
「コンテンツデータ」は、「コンテンツオーナー」が用意したコンテンツを「提示態様」に示される態様で提示するためのデータであり、図6の例では、「コンテンツEa1」、「コンテンツEa2」、「コンテンツEb1」および「コンテンツEc1」等のデータ名で示されている。「コンテンツデータ」は、具体的には、コンテンツを示す画像データ、動画データ、音データおよびパラメータデータ等である。パラメータデータは、コンテンツを提示する際の画像の大きさや動く方向、音の大きさ等を設定するパラメータを示すデータである。
「提示条件」は、コンテンツを提示するための条件であり、コンテンツ毎に定められている。本実施形態では、ユーザU1の属性と、状況特定部204により特定されたアバターV1の状況との組み合わせが、コンテンツテーブルに示されているユーザ属性とアバターの状況との組み合わせに一致している場合に、その組み合わせに対応付けられているコンテンツの提示条件が満たされる。提示決定部203は、特定された状況が提示条件を満たすコンテンツを、ユーザに提示するコンテンツとして決定する。
例えば、ユーザU1が30代男性であり、アバターV1の状況が屋外を徒歩等で移動しながら出勤している状況である場合、A社が提供するコンテンツEa1の提示条件Fa1が満たされる。また、ユーザU1が30代男性であり、アバターV1の状況が屋内を電車等で移動しながら出勤している状況である場合、A社が提供するコンテンツEa2の提示条件Fa2が満たされる。また、ユーザU1が30代男性であり、アバターV1の状況が屋内で休憩をしている状況である場合、B社が提供するコンテンツEb1の提示条件Fb1が満たされる。また、ユーザU1が30代男性であり、アバターV1の状況が屋内を電車等で移動しながら退勤している状況である場合、C社が提供するコンテンツEc1の提示条件Fc1が満たされる。
提示制御部207は、コンテンツテーブルを用いて、提示条件を満たしたコンテンツを提示する態様を決定する。提示制御部207は、例えば、コンテンツEa1の提示条件が満たされた場合、コンテンツEa1に対応付けられている「2D オブジェクト投影」という態様を、コンテンツを提示する態様として決定する。「2D オブジェクト投影」は、仮想空間内の平面を有するオブジェクトに2次元的(平面的)に表されたコンテンツを投影する方法である。
また、提示制御部207は、コンテンツEa2の提示条件が満たされた場合、コンテンツEa2に対応付けられている「3D キャラクタオブジェクト」という態様を、コンテンツを提示する態様として決定する。「3D キャラクタオブジェクト」は、仮想空間内のキャラクタ(アバターを含む)オブジェクトが関わる領域に3次元的(立体的)に表されたコンテンツを投影する方法である。このように、提示制御部207は、仮想空間においてアバターが所在する領域の属性に応じた態様でコンテンツを提示する。
図7は、仮想空間を表す地図の一例である。図7の例では、アバターV1の自宅と職場を含む地図M1が示されている。アバターV1は、職場まで徒歩で移動する通勤経路H1と、途中で電車を利用する通勤経路H2とのいずれかで通勤を行っているも
のとする。アバターV1は、通勤経路H1を利用して出勤した場合、ずっと屋外を移動することになるので、図6に示すコンテンツEa1の提示条件Fa1を満たし続けることになる。提示制御部207は、例えば、決められた時間間隔(1分毎等)でアバターV1の状況が提示条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断した場合にコンテンツEa1をユーザU1に提示する。
図8は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。図8の例では、ゲーム処理部201が、アバターV1に対応する視点から見た視界に入る仮想空間として、屋外での通勤経路H1を示す仮想空間G1を表示している。提示制御部207は、仮想空間G1において、通勤経路H1に近接するオブジェクトO1の平面部分に、2次元的に表されたコンテンツEa1を表示させている。提示制御部207は、このようにオブジェクトに平面的な画像を投影する態様でコンテンツEa1を表示させることにより、そのコンテンツEa1をユーザU1に提示する。
なお、コンテンツEa1の提示態様は図8に示すものに限らない。例えば、通勤経路H1沿いに建っている建物にプロジェクションマッピングのような態様でコンテンツEa1を表示させてもよい。また、周囲のアバターまたは新たに登場したキャラクタ等が表示されたコンテンツを盛り上げるような演出(いわゆるフラッシュモブのような演出)を行う態様でコンテンツEa1が提示されてもよい。また、これらに限らず、上述しまたは以降で述べる様々な態様を採用してもよい。
アバターV1が通勤経路H2を利用して出勤した場合、出勤中の期間は、徒歩等で屋外を移動する期間と、電車に乗って屋内を移動する期間とに分けられる。屋外の移動中は、図8に示すような態様でコンテンツEa1が表示される。屋内の移動中は、提示制御部207は、アバターV1の状況が提示条件Fa2を満たすので、コンテンツEa2をユーザU1に提示する。
図9は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。図9の例では、ゲーム処理部201が、アバターV1に対応する視点から見た視界に入る仮想空間として、電車の内部を示す仮想空間G2を表示している。ゲーム処理部201は、図9(a)に示すように、仮想空間G2において、アバターV1と、ユーザU1とは別のユーザに対応するアバターV2およびV3を表示させている。
ここで、提示制御部207は、提示条件Fa2が満たされたと判断すると、まず、コンテンツEa2を表示させる領域に他のアバターが重なって表示されているか否かを判断する。図9の例では、アバターV2およびV3がコンテンツEa2の表示領域に重なって表示されているものとする。その場合、提示制御部207は、ゲーム処理部201にアバターの切り替えを指示する。ゲーム処理部201は、この指示がされると、アバターV2およびV3の表示を終了させ、それと入れ替わりに、図9(b)に示すように、アバターV2-2およびV3-2を表示させる。
アバターV2-2およびV3-2は、コンテンツの提示のために表示されるキャラクタオブジェクトであり、提示制御部207により制御されて動作するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)であるため、アバターV2およびV3に対応するユーザの操作では動作しない。
提示制御部207は、例えば、3次元的に表されたコンテンツEa2を示すオブジェクトO2を表示させ、ゲーム処理部201に、アバターV2-2およびV3-2がオブジェクトO2を掲げる姿となるように表示を指示する。提示制御部207は、このようにキャラクタオブジェクト(アバターV2-2およびV3-2)を利用する態様でコンテンツEa2をユーザU1に提示する。
提示制御部207は、上記アバターの切り替えおよびコンテンツEa2の提示を、ユーザU1のゲーム装置3でのみで行う。つまり、ゲーム処理部201は、他のユーザのゲーム装置3においては、引き続きアバターV2およびV3を表示させ、それぞれ対応するユーザの操作に応じて動作させる。
以上のとおり、ゲーム処理部201は、或るアバター(図9の例ではアバターV1)の視界においてそのアバターに提示されたコンテンツ(同じくコンテンツEa2)と他のアバター(同じくアバターV2およびV3)とが重なって見える場合、その視界では他のアバターをコンテンツの提示用のアバター(同じくアバターV2-2およびV3-2)に置き換えて表示する。そして、提示制御部207は、表示された提示用のアバターを用いてコンテンツを提示する。
なお、コンテンツEa2の提示態様は図9に示すものに限らない。例えば、アバターV2-2およびV3-2に持たせたオブジェクトではなく、アバターV2-2およびV3-2のスキンの表面を表示面と捉えてコンテンツEa2を表示させる態様であってもよい。また、アバターV2-2およびV3-2が元のアバターの姿ではなくマスコットの姿に変化する態様であってもよい。また、元々表示されていたアバターとは別に新たなアバターまたはマスコット等が現れてコンテンツEa2を提示する態様であってもよい。また、コンテンツEa2を画像ではなくキャラクタオブジェクトが音声で説明する態様であってもよい。また、これらに限らず、上述しまたは以降で述べる様々な態様を採用してもよい。
アバターV1が職場に到着し、昼休みの休憩に入ると、提示条件Fb1が満たされる。その場合、提示制御部207は、提示条件Fb1に対応付けられたコンテンツEb1をユーザU1に提示する。
図10は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。図10の例では、ゲーム処理部201が、アバターV1に対応する視点から見た視界に入る仮想空間として、職場を示す仮想空間G3を表示している。ゲーム処理部201は、図10(a)に示すように、仮想空間G3において、アバターV1の他に、ユーザU1とは別のユーザに対応するアバターV4およびV5を表示させている。
ここで、提示制御部207は、提示条件Fb1が満たされたと判断すると、まず、ゲーム処理部201に、アバターV4およびV5の表示を終了させ、それと入れ替わりに、図10(b)に示すように、NPCであるアバターV4-2およびV5-2を表示させるよう指示する。アバターV4-2およびV5-2は、図9に示すアバターV2-2およびV3-2と同様に、コンテンツの提示のために表示されるキャラクタオブジェクトである。また、提示制御部207は、さらに、新たなNPCであるキャラクタW1を仮想空間G3に表示させるようゲーム処理部201に指示する。
提示制御部207は、ユーザU1のゲーム装置3においては、例えば、アバターV4-2およびV5-2のスキンをエアロビ用に変更する。そして、提示制御部207は、キャラクタW1からエアロビを勧めるセリフを示す吹き出し画像をコンテンツEb1として表示させる。提示制御部207は、このようにキャラクタオブジェクト(アバターV4-2、V5-2およびキャラクタW1)を利用する態様でコンテンツEb1を表示させることで、そのコンテンツEb1をユーザU1に提示する。
なお、図10の例では、提示制御部207は、ゲーム処理部201に指示してアバターV1のスキンもエアロビ用に変更させている。ユーザU1のゲーム装置3においては、アバターV4-2およびV5-2についてはコンテンツEb1を提示するため提示制御部207が動作を制御するが、アバターV1については、ゲーム処理部201が引き続き動作を制御し、ユーザU1が操作できるようにしている。
なお、コンテンツEb1の提示態様は図10に示すものに限らない。例えば、仮想空間G3に存在するモニターを表すオブジェクトにコンテンツを示す動画を表示させる態様であってもよい。また、アバターのスキンだけでなく、仮想空間G3に表示されている部屋の雰囲気(明るさ、模様、色合い等)を変化させる態様であってもよい。また、これらに限らず、上述しまたは以降で述べる様々な態様を採用してもよい。
A45において記録されるコンテンツの提示実績を説明する。
図11は、コンテンツの提示実績の一例である。図11の例では、「時刻」、「予定」、「提示予定コンテンツ」、「行動履歴」および「提示実績」を示すコンテンツ履歴C4が示されている。コンテンツ履歴C4は、例えば、アバターV1に対応するユーザU1に提示されたコンテンツに関する履歴である。コンテンツ記憶部202は、「時刻」に示される各時刻において、「予定」として予定情報または習慣化された行動履歴を記憶する。
また、コンテンツ記憶部202は、「提示予定広告」として、アバターV1が予定どおりの行動をした場合に提示される予定のコンテンツを記憶する。また、コンテンツ記憶部202は、「行動履歴」として、図5に示す行動履歴を記憶する。また、コンテンツ記憶部202は、「提示実績」として、提示制御部207により実際に提示されたコンテンツと、提示時刻とを対応付けて記憶する。このようにコンテンツ履歴C4が記憶されることで、例えば、コンテンツの提示状況を分析することができる。
[その他]
実施形態で述べたように、仮想空間には、属性が異なる複数の領域が存在する。それら複数の領域は、仮想空間におけるアバターの目的地までの経路に沿って存在するという領域属性を有していてもよい。そして、コンテンツは、順番が定められた複数のサブコンテンツを有するとする。その場合に、提示制御部207は、アバターが経路に沿って移動した場合に複数のサブコンテンツを順番で提示してもよい。
図12は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。図12の例では、図7に示す地図M1に、アバターV1の自宅から職場までの通勤経路H1と、通勤経路H1に沿って存在するという領域属性を有する経路領域H11、H12、H13、H14およびH15(以下区別しない場合は「経路領域H10と言う」とが示されている。通勤経路H1に沿って自宅から職場まで移動すると、アバターV1は、経路領域H11、H12、H13、H14、H15の順番に各経路領域H10を通過することになる。
経路領域H11、H12、H13、H14、H15には、コンテンツテーブルにおいて、サブコンテンツEh11、Eh12、Eh13、Eh14およびEh15(以下区別しない場合は「サブコンテンツEh10と言う」がそれぞれ対応付けられているものとする。これにより、サブコンテンツEh10は、対応する経路領域H10と同様に符号に含まれる数字(11、12、・・・)のとおり順番が定められることになる。
提示制御部207は、アバターV1が通勤経路H1に沿って通勤する状況である場合、現在位置が含まれる経路領域H10に対応付けられたサブコンテンツEh10をユーザU1に提示する。これにより、提示制御部207は、アバターV1が通勤経路H1に沿って移動した場合に複数のサブコンテンツEh10を順番で提示することになる。
アバターの状況には、上記のとおり、出勤、業務、休憩および退勤等のように複数の種類がある。提示制御部207は、提示条件を満たした状況の種類に応じた態様でコンテンツを提示してもよい。この場合、提示制御部207は、図6に示すようなコンテンツテーブルにおいてアバターの状況の種類に対応付けられた態様でコンテンツを提示すればよい。
図13は、提示されたコンテンツの一例である。図13の例では、図13(a)にアバターV1の自宅から職場までの出勤経路H1-1(出勤時の通勤経路H1)と、図13(b)にアバターV1の職場から自宅までの退勤経路H1-2(退勤時の通勤経路H1)とが示されている。提示制御部207は、出勤経路H1-1を利用して出勤した場合に提示条件を満たし、コンテンツEa1を図13(a)に示すように白抜きの文字列を用いる態様で提示する。
また、提示制御部207は、退勤経路H1-2を利用して出勤した場合に提示条件を満たし、コンテンツEa1を図13(b)に示すように黒文字の文字列を用いる態様で提示する。図13の例では、同じ通勤経路H1を利用する場合でも、状況の種類が「出勤」と「退勤」のいずれであるかによって、異なる態様でコンテンツを提示する。なお、図13の例では、文字の色と背景を異ならせる態様であったが、これらに限らず、上述しまたは以降で述べる様々な態様を採用してもよい。
提示制御部207は、2以上のアバターの視界に仮想空間における共通の領域(以下「共通領域」と言う)が存在する場合、2以上のアバターのうち状況が提示条件を満たすアバターのみにその共通領域においてコンテンツを提示してもよい。
図14は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。ゲーム処理部201は、図14(a)に示すように、アバターV1の視点から見た仮想空間G5を表示させ、図14(b)に示すように、図14(a)と同時刻においてアバターV2(ユーザU2に対応するアバター)の視点から見た仮想空間G5を表示させている。仮想空間G5には、アバターV1の視界およびアバターV2の視界に共通している共通領域G51が含まれている。
図14の例において、アバターV1の状況は提示条件を満たし、アバターV2の状況は提示条件を満たさないものとする。その場合、提示制御部207は、アバターV1の視界の共通領域G51には、コンテンツEa3を表示させ、アバターV2の視界の共通領域G51には、コンテンツEa3を表示させない。つまり、アバターV1に対応するユーザU1のゲーム装置3には、コンテンツEa3が表示されており、アバターV2に対応するユーザU2のゲーム装置3には、コンテンツEa3が表示されていない。
ゲーム処理部201は、状況が提示条件を満たすアバターの視界に他のユーザのアバターが存在する場合、状況が提示条件を満たすアバターは表示し、状況が提示条件を満たさないアバターは表示しないようにしてもよい。
図15は、仮想空間において提示されるコンテンツの一例である。ゲーム処理部201は、図15(a)に示すように、アバターV2の視点から見た仮想空間G6と、アバターV1、V2、V3およびV4とを表示させている。図15(a)のあと、アバターV2の状況が提示条件を満たすと、提示制御部207は、図15(b)に示すように、コンテンツEa3を表示させる。このとき、アバターV4の状況は、提示条件を満たし、アバターV1およびV3の状況は、提示条件を満たさなかったとする。すると、ゲーム処理部201は、図15(b)に示すように、仮想空間G6に、アバターV2およびV4を表示させ、アバターV1およびV3を表示させないようにする。
なお、コンテンツEa3が見えているアバターV2およびV4と、見えていないアバターV1およびV3とを、区別可能に表示させるようにしてもよい。例えば、見えていないアバターV1およびV3は透過率を高くするように表示したり、見えているアバターV2およびV4に所定の目印画像を付与したりしてもよい。これにより、ユーザはコンテンツEa3が見えているアバターを認識できるので、そのアバターのユーザが共通の提示条件を満たしていることや、コンテンツEa3という共通の話題を有するユーザであることを認識し得るので、仮想空間におけるユーザ間のコミュニケーションを促進し得る。
以上の表示は、アバターV2に対応するユーザU2のゲーム装置3におけるものである。また、アバターV4に対応するユーザU4のゲーム装置3にもコンテンツが表示される。これに対し、アバターV1に対応するユーザU1のゲーム装置3およびアバターV3に対応するユーザU3のゲーム装置3においては、アバターV1およびV3の状況が提示条件を満たしていないので、例えば後述する図16(b)に示すように、コンテンツが表示されていない仮想空間G6が表示されることになる。
ゲーム処理部201は、状況が提示条件を満たさないアバターの視界に他のユーザのアバターが存在する場合、状況が提示条件を満たさないアバターは表示し、状況が提示条件を満たすアバターは表示しないようにしてもよい。
図16は、仮想空間において提示されるアバターの一例である。ゲーム処理部201は、図16(a)に示すように、アバターV3の視点から見た仮想空間G6と、アバターV1、V2、V3およびV4とを表示させている。ここで、図16(a)のあと、図15の例のように、アバターV2、V4の状況は提示条件を満たしたが、アバターV1、V3の状況は提示条件を満たさなかったとする。
この場合、提示制御部207は、アバターV2、V4に対応するユーザU1のゲーム装置3において、図15(b)に示すように、仮想空間G6にコンテンツEa3を表示させる。一方、提示制御部207は、アバターV1、V3に対応するユーザU1、U3のゲーム装置3においては、図16(b)に示すように、仮想空間G6にコンテンツを表示させず、また、アバターV1およびV3のみを表示させ、アバターV2およびV4を表示させないようにする。これにより、見えているユーザのアバターV2、V4がコンテンツEa3を見て何らかのリアクションをとった場合に、コンテンツEa3が見えていないユーザは彼らが何に対して反応したのかと怪訝に感じることを防止し得る。なお、 コンテンツEa3が見えているアバターV2およびV4と、見えていないアバターV1およびV3とを、前述のように区別可能に表示させるようにしてもよい。
なお、提示制御部207は、ある程度近くにコンテンツの提示対象となるアバターが複数いる場合、それらのアバターに対応するユーザのゲーム装置3におけるコンテンツの表示タイミングを合わせるように調整してもよい。そうすることで、見知らぬ人同士でもコンテンツをネタに会話が促進されるので、表示タイミングがバラバラな場合に比べて、同じコンテンツを見ている人同士でコミュニケーションを取りやすくすることができる。
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、ゲーム管理装置2は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、図2に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、ゲーム管理装置2の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。また、2つの機能を1つの機能に統合してもよいし、1つの機能を2以上の機能に分解してもよい。要するに、ゲームシステム1の全体で図2に示す各機能に相当する機能が実現されていれば、どのような構成が採用されてもよい。
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理装置は、ゲームシステム1のような情報処理システムの各部を備える。ここで言う情報処理システムは、ゲーム用のシステムに限らず、業務用のシステムであってもよいし、それら以外の仮想空間を利用するアプリを提供するシステム等であってもよい。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
(2)(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記状況は、前記アバターが所定の時間帯に所定の行動を行ったことに基づいて特定される、もの。
このような態様によれば、時間帯を限定することで状況をより正確に判断することができる。
(3)(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記状況は、前記アバターが所定の時間帯に所定の行動をとることを予定することを定めた予定情報に基づいて特定される、もの。
(4)(1)または(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記仮想空間には、属性が異なる複数の領域が存在し、前記提示ステップでは、前記仮想空間において前記アバターが所在する領域の属性に応じた態様で前記コンテンツを提示する、もの。
このような態様によれば、仮想空間内の領域と相性の良い方法でコンテンツを提示することができる。
(5)(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記複数の領域は、前記仮想空間における前記アバターの目的地までの経路に沿って存在するという属性を有し、前記コンテンツは、順番が定められた複数のサブコンテンツを有し、前記提示ステップでは、前記アバターが前記経路に沿って移動した場合に前記複数のサブコンテンツを前記順番で提示する、もの。
このような態様によれば、アバターが目的地に到達しやすいようにすることができる。
(6)(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記状況には、複数の種類があり、前記提示ステップでは、前記提示条件を満たした前記状況の種類に応じた態様で前記コンテンツを提示する、もの。
このような態様によれば、アバターの状況と相性の良い方法でコンテンツを提示することができる。
(7)(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記提示ステップでは、2以上のアバターの視界に前記仮想空間における共通の領域が存在する場合、前記2以上のアバターのうち前記状況が前記提示条件を満たすアバターのみに前記領域において前記コンテンツを提示する、もの。
このような態様によれば、同じ領域でも必要なユーザにのみコンテンツを提示することができる。
(8)(7)に記載の情報処理システムにおいて、前記表示ステップでは、前記状況が前記提示条件を満たすアバターの視界に他のユーザのアバターが存在する場合、前記状況が前記提示条件を満たすアバターは表示し、前記状況が前記提示条件を満たさないアバターは表示しない、もの。
このような態様によれば、コンテンツを話題にしたコミュニケーションを容易に行うことができる。
(9)(6)または(8)に記載の情報処理システムにおいて、前記表示ステップでは、前記状況が前記提示条件を満たさないアバターの視界に他のユーザのアバターが存在する場合、前記状況が前記提示条件を満たさないアバターは表示し、前記状況が前記提示条件を満たすアバターは表示しない、もの。
このような態様によれば、自分に提示されていないコンテンツを話題にされないようにすることができる。
(10)(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記表示ステップでは、或るアバターの視界において当該アバターに提示された前記コンテンツと他のアバターとが重なって見える場合、当該視界では当該他のアバターを当該コンテンツの提示用のアバターに置き換えて表示し、前記提示ステップでは、前記提示用のアバターを用いて前記コンテンツを提示する、もの。
このような態様によれば、周囲のアバターを減らすことなくコンテンツを提示することができる。
(11)情報処理装置であって、(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行するように構成される、もの。
(12)プログラムであって、コンピュータに、(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態および変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム管理装置
3 :ゲーム装置
23 :制御部
33 :制御部
201 :ゲーム処理部
202 :コンテンツ記憶部
203 :提示決定部
204 :状況特定部
205 :履歴蓄積部
206 :予定取得部
207 :提示制御部
301 :ゲーム処理部
302 :操作受付部
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームシステム1は、次の各構成要素、すなわち、表示部(ゲーム処理部201)、決定部(提示決定部203)および提示部(提示制御部207)を備える。表示部は、ユーザに対応するアバターと、アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させる。決定部は、ユーザに対応するアバターに関する状況が提示条件を満たす場合に、ユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定する。状況は、所定の時点においてアバターが仮想空間で何をしようしている時間なのかによって特定される。提示部は、仮想空間において、決定されたコンテンツを、状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示する。

Claims (1)

  1. 情報処理システムであって、
    表示ステップでは、ユーザに対応するアバターと、前記アバターに対応する視点から見た仮想空間とを表示させ、
    決定ステップでは、前記ユーザに対応するアバターに関する状況が提示条件を満たす場合に、前記ユーザに対するコンテンツの提示を行うことを決定し、ここで、前記状況は、所定の時点において前記アバターが前記仮想空間で何をしようしている時間なのかによって特定され、
    提示ステップでは、前記仮想空間において、決定された前記コンテンツを、前記状況の開始から終了までの期間の一部を少なくとも含んで提示する、もの。
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