JP2024015976A - エッチング方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Hiroki Mukoyama
幕樹 戸村
Maju Tomura
嘉英 木原
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Abstract

【課題】基板に付着した堆積物を除去できるエッチング方法及びプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】一つの例示的実施形態において、エッチング方法は、(a)下地膜と下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、(b)プラズマを用いて下地膜をエッチングする工程と、(c)13.3Pa以上の圧力下で基板にフッ化水素を供給する工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本開示の例示的実施形態は、エッチング方法及びプラズマ処理装置に関するものである。
特許文献1は、フッ素を含有した剥離液を用いて半導体基板上に付着しているエッチング残渣物を除去する方法を開示する。
特開2003-188139号公報
本開示は、基板に付着した堆積物を除去できるエッチング方法及びプラズマ処理装置を提供する。
一つの例示的実施形態において、エッチング方法は、(a)下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、(b)プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程と、(c)13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、を含む。
一つの例示的実施形態によれば、基板に付着した堆積物を除去できるエッチング方法及びプラズマ処理装置が提供される。
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図2は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図3は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図4は、図3の方法が適用され得る一例の基板の断面図である。 図5は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図6は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図7は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図8は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。 図9は、ある圧力条件下における基板支持部の温度と、堆積物の除去量との関係を示したグラフである。 図10の(a)~(c)は、マルチゾーン温度制御機構を用いて温度制御しつつ堆積物を除去し、その後にエッチングした場合の基板のセンター部分とエッジ部分の断面を模式的に示した図である。 図11は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。 図12は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。 図13は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。 図14は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。 図15は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図16は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図17は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図18は、アミノシランの構造式の例を示す図である。 図19は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図20は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図21は、凹部の深さと凹部の寸法との関係の例を示すグラフである。 図22は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図23は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図24は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図25は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図26は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図27は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図28は、フッ化水素を供給する工程における圧力と温度との関係の一例を示すグラフである。 図29は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。 図30は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図31は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。 図32は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;CapacitivelyCoupledPlasma)、誘導結合プラズマ(ICP;InductivelyCoupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:HeliconWavePlasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:SurfaceWave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(DirectCurrent)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(RadioFrequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての誘導結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。図2は、誘導結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
誘導結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。プラズマ処理チャンバ10は、誘電体窓101を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11、ガス導入部及びアンテナ14を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。アンテナ14は、プラズマ処理チャンバ10上又はその上方(すなわち誘電体窓101上又はその上方)に配置される。プラズマ処理チャンバ10は、誘電体窓101、プラズマ処理チャンバ10の側壁102及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材はバイアス電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極がバイアス電極として機能する。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数のバイアス電極として機能してもよい。また、静電電極1111bがバイアス電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つのバイアス電極を含む。
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
ガス導入部は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。一実施形態において、ガス導入部は、中央ガス注入部(CGI:CenterGasInjector)13を含む。中央ガス注入部13は、基板支持部11の上方に配置され、誘電体窓101に形成された中央開口部に取り付けられる。中央ガス注入部13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス流路13b、及び少なくとも1つのガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス流路13bを通過してガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。なお、ガス導入部は、中央ガス注入部13に加えて又はその代わりに、側壁102に形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してガス導入部に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つのバイアス電極及びアンテナ14に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つのバイアス電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオンを基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してアンテナ14に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、アンテナ14に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つのバイアス電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つのバイアス電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、バイアスDC生成部32aを含む。一実施形態において、バイアスDC生成部32aは、少なくとも1つのバイアス電極に接続され、バイアスDC信号を生成するように構成される。生成されたバイアスDC信号は、少なくとも1つのバイアス電極に印加される。
種々の実施形態において、バイアスDC信号は、パルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つのバイアス電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部がバイアスDC生成部32aと少なくとも1つのバイアス電極との間に接続される。従って、バイアスDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、バイアスDC生成部32aは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
アンテナ14は、1又は複数のコイルを含む。一実施形態において、アンテナ14は、同軸上に配置された外側コイル及び内側コイルを含んでもよい。この場合、RF電源31は、外側コイル及び内側コイルの双方に接続されてもよく、外側コイル及び内側コイルのうちいずれか一方に接続されてもよい。前者の場合、同一のRF生成部が外側コイル及び内側コイルの双方に接続されてもよく、別個のRF生成部が外側コイル及び内側コイルに別々に接続されてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
図3は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図3に示されるエッチング方法MT1(以下、「方法MT1」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT1は、基板Wに適用され得る。
図4は、図3の方法が適用され得る一例の基板の断面図である。図4に示されるように、一実施形態において、基板Wは、下地膜ACと、下地膜AC上に設けられたマスクMSとを備える。マスクMSは、開口MSaを有する。開口MSaは、ホールパターン及びラインパターンのうち少なくとも1つを含んでもよい。開口MSaの寸法(Critical Dimension)は、100nm以下であってもよい。開口MSaの寸法は、基板Wの表面に沿って開口MSaを横切る長さの最小値である。基板Wは、下地膜ACの下に下地領域を備えてもよい。
マスクMSは、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有してもよい。マスクMSは、シリコン含有膜、金属含有膜及び炭素含有膜のうち少なくとも1つを含んでもよい。シリコン含有膜の例は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜を含む。炭素含有膜の例は、スピンオンカーボン(SOC)膜、アモルファスカーボン膜及びレジスト膜を含む。レジスト膜の例は、ArF用レジスト膜、KrF用レジスト膜及びEUV用レジスト膜を含む。マスクMSは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含んでもよい。
下地膜ACは、マスクMSの材料とは異なる材料を含んでもよい。下地膜ACは、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有してもよい。下地膜ACは、シリコン含有膜、金属含有膜及び炭素含有膜のうち少なくとも1つを含んでもよい。シリコン含有膜の例は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造を含む膜(ON膜)、多結晶シリコン膜、アモルファスシリコン膜、シリコンゲルマニウム(SiGe)膜、シリコン膜とゲルマニウム膜との積層構造を含む膜、及びホウ素含有シリコン膜を含む。シリコン含有膜は、リン、ホウ素及び窒素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含んでもよい。金属含有膜の例は、タングステン含有膜及びモリブデン含有膜を含む。タングステン含有膜の例は、タングステンカーバイド(WC)膜、WSiN膜、タングステンシリサイド(WSi)膜及びタングステン膜を含む。モリブデン含有膜の例はモリブデン膜を含む。炭素含有膜の例は、スピンオンカーボン(SOC)膜、アモルファスカーボン膜及びレジスト膜を含む。レジスト膜の例は、ArF用レジスト膜、KrF用レジスト膜及びEUV用レジスト膜を含む。下地膜ACは、酸素膜を含まなくてもよい。
以下、方法MT1について、方法MT1が上記実施形態のプラズマ処理装置1を用いて基板Wに適用される場合を例にとって、図3~図7を参照しながら説明する。図5~図7のそれぞれは、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。プラズマ処理装置1が用いられる場合には、制御部2によるプラズマ処理装置1の各部の制御により、プラズマ処理装置1において方法MT1が実行され得る。方法MT1では、図2に示されるように、プラズマ処理チャンバ10内に配置された基板支持部11上の基板Wを処理する。
図3に示されるように、方法MT1は、工程ST1~工程ST5を含み得る。工程ST1~工程ST5は順に実行され得る。工程ST1~工程ST5はin-situで行われてもよいし、異なるチャンバ内で行われてもよい。例えば、工程ST1、工程ST2及び工程ST4がプラズマ処理チャンバ10内で行われる一方、工程ST3及び工程ST5がプラズマ処理チャンバ10とは異なるチャンバ内で行われてもよい。工程ST3及び工程ST5はバッチ処理又は枚葉処理され得る。方法MT1は、工程ST4及び工程ST5のうち少なくとも1つを含まなくてもよい。
(工程ST1)
工程ST1では、図4の基板Wを提供する。基板Wは、図2に示されるように、プラズマ処理チャンバ10内に配置された基板支持部11上に載置され得る。
(工程ST2)
工程ST2では、図5に示されるように、プラズマを用いて下地膜ACをエッチングする。プラズマは、プラズマ処理チャンバ10内に供給される第1処理ガスから生成され得る。第1処理ガスは、フッ素含有ガスを含んでもよい。エッチングにより、開口MSaに対応する凹部RSが下地膜ACに形成されると共に、マスクMSの開口MSaに堆積物DPが付着することがある。堆積物DPは、シリコン及び酸素を含有してもよい。堆積物DPは、マスクMSの開口MSaを画定する側壁上に設けられ得る。堆積物DPにより、マスクMSの開口MSaの寸法CDが減少し得る。
(工程ST3)
工程ST3では、図6及び図7に示されるように、堆積物DPを除去するようにマスクMSにフッ化水素を供給する。一つの例示的実施形態において、フッ化水素ガスを含む第2処理ガスがプラズマ処理チャンバ10内に供給される。フッ化水素ガス中のフッ化水素分子HF1が堆積物DPと反応することによって、フッ化ケイ素等の反応生成物HF3が生成され得る。反応生成物HF3が揮発することによって、堆積物DPが除去され得る。一つの例示的実施形態において、プラズマを生成することなくフッ化水素ガスを含む第2処理ガスが供給される。この場合、プラズマによるマスクMSのエッチングを抑制できる。その結果、マスクMSの変形を抑制できる。他の一つの例示的実施形態において、フッ化水素ガスを含む第2処理ガスからプラズマが生成されてもよい。プラズマが生成される場合、ソース高周波電力は1000W以下であってもよいし、基板支持部11に供給されるバイアス電力は0Wであってもよい。
第2処理ガスは、水素含有ガスを更に含んでもよい。これにより、マスクMSに水素含有ガスが供給され得る。水素含有ガスは、酸素を含有してもよい。水素含有ガスの例は、水又は水蒸気(HO)、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、酢酸(CHCOOH)等のCガス(x≧0、y,z≧1)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、過酸化水素(H)、硝酸(HNO)及びアンモニア(NH)を含む。第2処理ガスは、貴ガスを更に含んでもよい。第2処理ガスに含まれるガスのうちフッ化水素ガスの流量が最も多くてもよい。
工程ST3における圧力は、13.3Pa(100mTorr)以上であってもよいし、40Pa(300mTorr)以上であってもよい。工程ST3における圧力は、フッ化水素の飽和蒸気圧以下であってもよい。工程ST3における圧力は、1.33×10Pa(1000Torr)以下であってもよいし、133Pa(1Torr)以下であってもよいし、120Pa(900mTorr)以下であってもよいし、107Pa(800mTorr)以下であってもよい。工程ST3における圧力は、13.3Pa(100mTorr)~133Pa(1Torr)であってもよいし、40Pa(300mTorr)~107Pa(800mTorr)であってもよい。
工程ST3において、基板支持部11の温度は、-80℃以上であってもよいし、-60℃以上であってもよい。工程ST3において、基板支持部11の温度は、100℃以下であってもよいし、50℃以下であってもよいし、40℃以下であってもよいし、30℃以下であってもよいし、20℃以下であってもよい。工程ST3において、基板支持部11の温度は、-80℃~50℃であってもよいし、-60℃~20℃であってもよいし、0℃~40℃であってもよい。
工程ST3の持続時間は、1秒以上であってもよいし、10秒以上であってもよいし、1分以上であってもよい。工程ST3の持続時間は、10分以下であってもよいし、5分以下であってもよいし、3分以下であってもよい。
(工程ST4)
工程ST4では、工程ST2と同様に、プラズマを用いて下地膜ACをエッチングする。
(工程ST5)
工程ST5では、工程ST3と同様に、工程ST4により形成された堆積物DPを除去するようにマスクMSにフッ化水素を供給する。
工程ST5の後、工程ST2及び工程ST3を更に繰り返してもよい。これにより、凹部RSを深くすることができる。
上記方法MT1によれば、工程ST3及び工程ST5においてフッ化水素により堆積物DPを除去できる。堆積物DPは、フッ化水素との化学反応によって除去され得る。堆積物DPを除去するメカニズムは以下のように考えられるが、これに限定されない。工程ST3及び工程ST5における圧力が13.3Pa(100mTorr)以上の場合、堆積物DPに対するフッ化水素分子の吸着量が多くなるので、より多くの堆積物DPが除去される。あるいは、工程ST3及び工程ST5において基板支持部11の温度が高いと、フッ化水素と堆積物DPとの反応が促進されるので、より多くの堆積物DPが除去される。堆積物DPを除去することにより、マスクMSの開口MSaの閉塞(クロッギング)を抑制できる。よって、工程ST3及び工程ST5により、図7に示されるように、開口MSaの寸法CDが大きくなる。
さらに、フッ化水素により、マスクMSに対して堆積物DPを選択的に除去できる。よって、マスクMSの変形が抑制される。その結果、図7に示されるマスクMSの厚さTHの減少を抑制できる。
工程ST3及び工程ST5において、マスクMSに水素含有ガスが供給される場合、水素含有ガスが、堆積物DPに対するフッ化水素分子の吸着を促進する。よって、より多くの堆積物DPが除去される。
図8は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。図8に示される基板処理装置を用いて方法MT1を基板Wに適用してもよい。
図8の基板処理装置は、プラズマ処理装置1と、制御部2と、ウェット処理装置200とを備える。基板処理装置は、プラズマ処理装置1とウェット処理装置200との間で基板Wを搬送する搬送ロボットを備えてもよい。制御部2は、プラズマ処理装置1及びウェット処理装置200の各部を制御するように構成される。制御部2の制御により、図8の基板処理装置において方法MT1が実行され得る。
ウェット処理装置200は、フッ化水素酸を収容するための容器210と、リンス液を収容するための容器212と、純水を収容するための容器214とを備え得る。ウェット処理装置200は、基板Wを乾燥させるための乾燥機を備えてもよい。
ウェット処理装置200は、プラズマ処理装置1から搬出された基板Wを受け入れるための搬入口216と、基板Wをプラズマ処理装置1に搬出するための搬出口218と、基板Wを搬送するための搬送ロボット220とを備え得る。搬送ロボット220は、基板Wを搬入口216から容器210に搬送する。搬送ロボット220は、基板Wを容器210から容器212に搬送する。搬送ロボット220は、基板Wを容器212から容器214に搬送する。搬送ロボット220は、基板Wを容器214から搬出口218に搬送する。
図8の基板処理装置において方法MT1が実行される場合、工程ST1、工程ST2及び工程ST4はプラズマ処理装置1において行われ得る。工程ST3及び工程ST5はウェット処理装置200において行われ得る。工程ST3及び工程ST5において、基板Wにフッ化水素酸が供給される。その結果、堆積物DPはフッ化水素酸により除去される。基板Wは、容器210内においてフッ化水素酸中に浸漬され得る。その後、基板Wは、容器212内においてリンス液中に浸漬され得る。その後、基板Wは、容器214内において純水中に浸漬され得る。その後、基板Wは、ウェット処理装置200の乾燥機において乾燥され得る。あるいは、基板Wは、プラズマ処理装置1のプラズマ処理チャンバ10内の減圧により乾燥され得る。
本実施形態は、基板Wの部位にかかわらず堆積物DPを均一に除去できる。この特性を応用して、堆積物DPの除去量を基板Wの部位によって変えることができる。例えば、基板支持部11がマルチゾーン温度制御機構を備える場合、基板Wのセンター部分とエッジ部分に異なる温度を付与できる。マルチゾーン温度制御機構の例としては、US2007/0235134 A1のFIG.9、WO 01/24581 A1のFIG.6B、FIG.7A、FIG.7B、FIG.7C、FIG.7D及びFIG.7E、並びに、US2014/0263274A1のFIG.2、US 2022/0205105A1のFIG.18、FIG.19、FIG.20及びFIG.21などが挙げられる。
図9は、ある圧力条件下における基板支持部11の温度と、堆積物DPの除去量との関係を示したグラフである。図9からわかるように、基板支持部11の温度が高いほど堆積物DPの除去量は少なく、該温度が低いほど堆積物DPの除去量は多い傾向にある。したがって、マルチゾーン温度制御機構によって、マスクMSの開口MSaの堆積物DPの量がより少ない基板Wの部位(例えば、基板Wのセンター部分)は比較的高い温度に、堆積物DPの量がより多い基板Wの部位(例えば、基板Wのエッジ部分)は比較的低い温度に制御しながら、フッ化水素を供給することによって、堆積物DPの除去量を基板Wの部位によって変えることができる。
さらに、基板Wにおけるエッチング形状の面内均一性を向上させることも可能である。図10の(a)、(b)及び(c)は、マルチゾーン温度制御機構を用いて温度制御しつつ堆積物DPを除去し、その後にエッチングした場合の基板Wのセンター部分とエッジ部分の断面を模式的に示した図である。図10の(a)、(b)及び(c)のそれぞれにおいて、左部分が基板Wのセンター部分の断面を示し、右部分が基板Wのエッジ部分の断面を示す。基板Wのセンター部分は、基板支持部11の第1の領域11R1上に位置する。基板Wのエッジ部分は、基板支持部11の第2の領域11R2上に位置する。第2の領域11R2は第1の領域11R1と異なる。フッ化水素の供給時において、第1の領域11R1は第1の温度に制御され、第2の領域11R2は第2の温度に制御される。第2の温度は第1の温度と異なる。図10の(a)はフッ化水素供給前の模式図である。図10の(b)はフッ化水素供給後の模式図である。図10の(c)はエッチング後の模式図である。
図10の(a)に示すように、例えば、基板Wのエッジ部分のマスクMSの開口MSaの堆積物DPの量が、基板Wのセンター部分の堆積物DPの量よりも多いとする。この場合、基板Wのエッジ部分におけるマスクMSの開口MSaの寸法が、基板Wのセンター部分におけるマスクMSの開口MSaの寸法よりも小さくなる。よって、凹部RSに入り込むエッチャントの量に差が生じる為、基板Wのエッジ部分のエッチング深さが、基板Wのセンター部分のエッチング深さよりも浅くなる。図10の(a)においてエッチング深さの差DDが示される。このとき、基板Wのエッジ部分の温度を、基板Wのセンター部分の温度よりも低く制御しながらフッ化水素を供給することにより、基板Wのエッジ部分の堆積物DPの量を、基板Wのセンター部分の堆積物DPの量よりも減らすことができる(図10の(b))。これにより、基板Wのエッジ部分におけるマスクMSの開口MSaの寸法が、基板Wのセンター部分におけるマスクMSの開口MSaの寸法よりも大きくなる。したがって、その後のエッチングにより、基板Wのエッジ部分の凹部RSにエッチャントをより多く供給できる。その結果、基板Wのエッジ部分におけるエッチング量が基板Wのセンター部分におけるエッチング量よりも大きくなる。よって、エッチング深さの差DDを小さくできるので、図10の(c)に示すように、エッチング後のエッチング深さを揃えることができる。エッチングにより、更なる堆積物DP1がマスクMSの開口MSaに付着する。
以上、マスクMSの開口MSaに付着した堆積物DPを除去する例について説明したが、本開示は必ずしもこの例のみに限定されない。他の実施形態としては、下地膜ACのエッチングにより生じた副生成物が、エッチングにより形成された凹部RSの側壁又は底部に付着した場合、フッ化水素を基板Wに供給することにより当該副生成物を除去することが考えられる。当該他の実施形態においては、仮に当該副生成物が側壁又は底部の一部分に付着した場合であっても、フッ化水素により当該副生成物を優先して除去できるため、凹部RSの形状を損なうおそれが少ない。また、更に他の実施形態としては、下地膜ACのエッチングにより生じた副生成物が、基板W上にパーティクルとなって飛散した場合、フッ化水素を基板Wに供給することにより当該パーティクルを除去することが考えられる。これらの実施形態によれば、基板Wにフッ化水素を供給することにより、基板Wに付着した堆積物を除去できる。
以下、方法MT1の評価のために行った種々の実験について説明する。以下に説明する実験は、本開示を限定するものではない。
(第1実験)
第1実験では、アモルファスカーボン膜とアモルファスカーボン膜上に設けられたマスクとを備える基板を準備した。マスクは、シリコン酸窒化膜である。その後、基板に対して、上記プラズマ処理装置1を用いて、上記方法MT1の工程ST1~工程ST3を実行した。工程ST1では、チャンバ内の基板支持部上に基板を載置した。工程ST2では、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてアモルファスカーボン膜をエッチングした。工程ST3では、フッ化水素ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給した。工程ST3において、チャンバ内の圧力は40Pa(300mTorr)、基板支持部の温度は-60℃、工程ST3の持続時間は10秒であった。工程ST3においてプラズマは生成されなかった。工程ST3により、マスクの開口に付着した堆積物を除去した。
(第2実験)
第2実験では、工程ST3における基板支持部の温度を-40℃としたこと以外は第1実験と同じように方法MT1を実行した。
(第1実験結果)
第1実験において、工程ST3を行う前の基板の断面画像から、マスクの厚み及び開口の寸法CDを測定した。第1実験及び第2実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの厚み及び開口の寸法CDを測定した。
第1実験において、工程ST3を行う前のマスクの厚みは301.6nmであり、方法MT1を行った後のマスクの厚みは294.3nmであった。第2実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは298.3nmであった。これらの結果から、第1実験及び第2実験では、マスクの厚みの減少を小さくできることが分かる。
第1実験において、工程ST3を行う前の開口の寸法は45.5nmであり、方法MT1を行った後の開口の寸法は80.6nmであった。第2実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は80.7nmであった。これらの結果から、第1実験及び第2実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
さらに、第1実験において、工程ST3を行う前の基板の断面画像から、マスクの開口の深さ及び寸法を測定した。結果を図11に示す。
図11は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。縦軸は、マスクの開口の深さ(μm)を示す。縦軸の値が0μmとなる位置は、マスクとアモルファスカーボン膜と境界位置である。縦軸の値が正となる領域がマスクに対応する。横軸は、マスクの開口の寸法(nm)を示す。グラフ中、E0は、第1実験において工程ST3を行う前の結果を示し、E1は第1実験において方法MT1を行った後の結果を示し、E2は第2実験において方法MT1を行った後の結果を示す。図11に示されるように、第1実験及び第2実験では、マスクの厚みの減少を抑制しつつ、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
(第3実験)
第3実験では、工程ST3の持続時間を3分としたこと以外は第1実験と同じように方法MT1を実行した。工程ST3における基板支持部の温度は-60℃である。
(第4実験)
第4実験では、工程ST3における基板支持部の温度を-20℃としたこと以外は第3実験と同じように方法MT1を実行した。
(第5実験)
第5実験では、工程ST3における基板支持部の温度を0℃としたこと以外は第3実験と同じように方法MT1を実行した。
(第2実験結果)
第1実験結果と同じように、第3実験~第5実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの厚み及び開口の寸法CDを測定した。
第3実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは297.7nmであった。第4実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは304.3nmであった。第5実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは308.2nmであった。これらの結果から、第3実験~第5実験では、マスクの厚みの減少を小さくできるか、又はマスクの厚みを増加させることができることが分かる。
第3実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は79.9nmであった。第4実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は81.5nmであった。第5実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は62.1nmであった。これらの結果から、第3実験~第5実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
さらに、第1実験結果と同じように、第3実験~第5実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの開口の深さ及び寸法を測定した。結果を図12に示す。
図12は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。縦軸及び横軸は、図11の縦軸及び横軸と同じである。グラフ中、E3は第3実験において方法MT1を行った後の結果を示し、E4は第4実験において方法MT1を行った後の結果を示し、E5は第5実験において方法MT1を行った後の結果を示す。図12に示されるように、第3実験~第5実験では、マスクの厚みの減少を抑制又はマスクの厚みを増加させつつ、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。また、工程ST3における基板支持部の温度を低くすると、マスクの開口の寸法がより大きくなることが分かる。
(第6実験)
第6実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を53.3Pa(400mTorr)としたこと以外は第5実験と同じように方法MT1を実行した。工程ST3における基板支持部の温度は0℃である。
(第3実験結果)
第1実験結果と同じように、第6実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの厚み及び開口の寸法CDを測定した。
第6実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは304.3nmであった。この結果から、第6実験では、マスクの厚みを増加させることができることが分かる。
第6実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は75.8nmであった。この結果から、第6実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
さらに、第1実験結果と同じように、第6実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの開口の深さ及び寸法を測定した。結果を図13に示す。
図13は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。縦軸及び横軸は、図11の縦軸及び横軸と同じである。グラフ中、E6は第6実験において方法MT1を行った後の結果を示す。図13に示されるように、第6実験では、マスクの厚みを増加させつつ、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。また、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を高くすると、マスクの開口の寸法がより大きくなることが分かる。
(第7実験)
第7実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を66.7Pa(500mTorr)とし、工程ST3における基板支持部の温度を20℃としたこと以外は第5実験と同じように方法MT1を実行した。
(第8実験)
第8実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を107Pa(800mTorr)とし、工程ST3における基板支持部の温度を20℃としたこと以外は第5実験と同じように方法MT1を実行した。
(第4実験結果)
第1実験結果と同じように、第7実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの厚み及び開口の寸法CDを測定した。
第7実験において、方法MT1を行った後のマスクの厚みは302.9nmであった。この結果から、第7実験では、マスクの厚みを増加させることができることが分かる。
第7実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は70.1nmであった。この結果から、第7実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
第8実験において、方法MT1を行った後の開口の寸法は78.8nmであった。この結果から、第8実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
さらに、第1実験結果と同じように、第7実験及び第8実験において、方法MT1を行った後の基板の断面画像から、マスクの開口の深さ及び寸法を測定した。結果を図14に示す。
図14は、開口の深さと開口の寸法との関係の例を示すグラフである。縦軸及び横軸は、図11の縦軸及び横軸と同じである。グラフ中、E7は第7実験において方法MT1を行った後の結果を示し、E8は第8実験において方法MT1を行った後の結果を示す。図14に示されるように、第7実験及び第8実験では、マスクの厚みを増加させつつ、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。また、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を高くすると、工程ST3における基板支持部の温度を高くしても、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
図15は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図15に示されるエッチング方法MT2(以下、「方法MT2」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT2は、図4の基板Wに適用され得る。方法MT2は、以下の点を除いて方法MT1と同じように行われ得る。図16及び図17のそれぞれは、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
図15に示されるように、方法MT2は、工程ST1~工程ST4に加えて工程ST11を含む。工程ST11は、工程ST3と工程ST4との間に行われ得る。工程ST11は、他の工程ST1~工程ST4と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1~工程ST4と異なるチャンバ内で行われてもよい。
(工程ST11)
工程ST11では、図16及び図17に示されるように、基板Wにシリコン含有ガスを供給する。工程ST11は、フッ化水素分子HF1が基板Wに吸着した状態で行われ得る。一つの例示的実施形態において、シリコン含有ガスを含む第3処理ガスがプラズマ処理チャンバ10内に供給される。第3処理ガスはフッ化水素を含まなくてもよい。すなわち、工程ST3の終了時にフッ化水素の供給が停止されてもよい。一例において、シリコン含有ガス中のアミノシラン分子ASが、基板W上のフッ化水素分子HF1と反応することによって、図17に示されるように、基板W上に堆積物DP1が形成される。一つの例示的実施形態において、プラズマを生成することなくシリコン含有ガスを含む第3処理ガスが供給される。この場合、プラズマによる基板Wのダメージを抑制できる。他の一つの例示的実施形態において、シリコン含有ガスを含む第3処理ガスからプラズマが生成されてもよい。プラズマが生成される場合、ソース高周波電力は2000W以下であってもよいし、基板支持部11に供給されるバイアス電力は0Wであってもよい。
図6に示される工程ST3において、フッ化水素分子HF1は、マスクMSの表面(マスクMSの上面及びマスクMSの開口MSaを画定する側壁)に加えて、凹部RSの底部及び側壁(下地膜ACの表面)に吸着されてもよい。この場合、工程ST11において、マスクMSの表面に加えて、凹部RSの底部及び側壁にも堆積物DP1が形成される。堆積物DP1の厚さは、10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよい。堆積物DP1の厚さは、50nm以下であってもよいし、30nm以下であってもよい。
工程ST11における圧力の例は、工程ST3における圧力の例と同じであってもよい。工程ST11の終了後、圧力は、工程ST11の圧力より低くされてもよい。これにより、プラズマ処理チャンバ10の排気が行われる。
工程ST11の持続時間は、工程ST3の持続時間と同じか異なっていてもよい。
工程ST11の後、工程ST3及び工程ST11を繰り返してもよい。工程ST3と工程ST11との間にパージが行われてもよい。
シリコン含有ガスは、塩化ケイ素ガスを含んでもよい。塩化ケイ素ガスの例はSiClガスを含む。あるいは、シリコン含有ガスは窒素を含んでもよい。シリコン含有ガスは炭化水素基を含んでもよい。シリコン含有ガスはアミノ基を含んでもよい。アミノ基は、置換されていてもよい。アミノ基は、例えば-NRで表される。R及びRのそれぞれは、水素又は炭化水素を示す。炭化水素は、窒素原子、酸素原子及びハロゲン原子を含んでもよい。シリコン含有ガスは、アミノシランガスを含んでもよい。アミノシランガスの反応性は比較的低いので、取り扱いが容易である。シリコン含有ガスは、1~4個のアミノ基を有するアミノシランガスを含んでもよい。シリコン含有ガスは、水素(H)、ホウ素(B)、炭素(C)、酸素(O)、窒素(N)、リン(P)及び硫黄(S)のうち少なくとも1つの典型元素を含んでもよい。典型元素は、アミノ基の炭化水素に含まれてもよい。シリコン含有ガスは、炭素を含むアミノシランガスを含んでもよい。
図18は、アミノシランの構造式の例を示す図である。図18において、R~R及びR~Rのそれぞれは、水素又は炭化水素を示す。炭化水素は、窒素原子、酸素原子及びハロゲン原子を含んでもよい。図18の(a)は、1個のアミノ基を有するアミノシランを示す。図18の(b)は、2個のアミノ基を有するアミノシランを示す。図18の(c)は、3個のアミノ基を有するアミノシランを示す。図18の(d)は、4個のアミノ基を有するアミノシランを示す。
アミノシランの例は、ブチルアミノシラン(BAS)、ビスターシャリブチルアミノシラン(BTBAS)、ジメチルアミノシラン(DMAS)、ビスジメチルアミノシラン(BDMAS)、トリジメチルアミノシラン(TDMAS)、ジエチルアミノシラン(DEAS)、ビスジエチルアミノシラン(BDEAS)、ジプロピルアミノシラン(DPAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、ヘキサキスエチルアミノジシラン、(1)式((R1R2)N)Si2X+2-n-m(R3)、及び(2)式((R1R2)N)Si2X-n-m(R3)を含む。
ただし、上記(1)式及び(2)式において、nはアミノ基の数で1~6の自然数である。mはアルキル基の数で0又は1~5の自然数である。R1、R2又はR3はCH、C又はCである。R1、R2及びR3は、互いに同じであってもよいし、同じでなくてもよい。R3はCl又はFでもよい。Xは1以上の自然数である。
シリコン含有ガスを含む第3処理ガスは、水素ガス、SiHガス、Siガス、BHガス、及びBガスからなる群より選ばれる少なくとも1つを更に含んでもよい。これらのガスは、シリコン含有ガスと異なるタイミングで供給されてもよい。
工程ST11における第3処理ガスは、アミノシランガスに加えてアミノ基を含まないシランガスを更に含んでもよい。アミノ基を含まないジシラン以上の高次シラン系ガスの例は、Si2m+2(ただし、mは2以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及びSi2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物を含む。
上記Si2m+2の式で表されるシリコンの水素化物の例は、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ペンタシラン(Si12)、ヘキサシラン(Si14)、及びヘプタシラン(Si16)を含む。
上記Si2nの式で表されるシリコンの水素化物の例は、シクロトリシラン(Si)、シクロテトラシラン(Si)、シクロペンタシラン(Si10)、シクロヘキサシラン(Si12)、及びシクロヘプタシラン(Si14)を含む。
工程ST11における第3処理ガスは、不活性ガスを更に含んでもよい。不活性ガスの例は貴ガスを含む。
堆積物DP1は、窒素、フッ素、炭素、水素、酸素及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有してもよい。堆積物DP1に含まれる炭素の組成比は、最も大きくてもよく、50原子%より大きくてもよい。元素の組成比は、X線電子分光法(XPS)により測定され得る。
工程ST11において、基板Wにフッ化水素が更に供給されてもよい。一つの例示的実施形態において、シリコン含有ガス及びフッ化水素ガスを含む第3処理ガスがプラズマ処理チャンバ10内に供給される。工程ST3から工程ST11までフッ化水素が連続的に供給されてもよい。工程ST11におけるフッ化水素ガスの分圧は、工程ST3におけるフッ化水素ガスの分圧と同じか異なっていてもよい。
上記方法MT2によれば、工程ST11において基板Wに堆積物DP1を形成できる。堆積物DP1が凹部RSの側壁に形成される場合、工程ST4において凹部RSの側壁のエッチングを抑制できる。
図19は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図19に示されるエッチング方法MT3(以下、「方法MT3」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT3は、図4の基板Wに適用され得る。方法MT3は、以下の点を除いて方法MT1と同じように行われ得る。図20は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
図19に示されるように、方法MT3は、工程ST1~工程ST4に加えて工程ST21を含む。工程ST21は、工程ST3と工程ST4との間に行われ得る。工程ST21は、他の工程ST1~工程ST4と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1~工程ST4と異なるチャンバ内で行われてもよい。
(工程ST21)
工程ST21では、図20に示されるように、下地膜ACをエッチングすることにより形成された凹部RSの側壁に膜PRを形成する。膜PRは、凹部RSの側壁の上部に形成され、凹部RSの側壁の下部に形成されなくてもよい。膜PRは、マスクMSの表面に形成されてもよい。膜PRは、凹部RSの底部に形成されてもよいし、凹部RSの底部に形成されなくてもよい。膜PRは、ALD法、不飽和ALD法(不飽和原子層堆積法)、MLD法(分子層堆積法)又はCVD法(化学気相成長法)により形成され得る。膜PRは、シリコン含有膜、炭素含有膜又は金属含有膜であってもよい。
不飽和ALD法では、ALD法と同様に、第1~第4の工程を含むサイクルが繰り返される。第1の工程では、基板Wに対して第1のガス(前駆体ガス)が供給される。第2の工程では、基板Wがその中に収容されているチャンバのパージが行われる。第3の工程では、基板Wに第2のガス(反応性ガス)が供給される。第3の工程では、第2のガスからプラズマが生成されてもよい。第4の工程では、基板Wがその中に収容されているチャンバのパージが行われる。膜PRがシリコン酸化膜である場合には、第1のガスは、例えばアミノシラン系ガス、SiClガス、又はSiFガスを含み、第2のガスは、例えばOガスのような酸素含有ガスを含む。膜PRが炭素含有膜である場合には、第1のガスは、例えば有機化合物ガスを含む。有機化合物ガスは、例えば、エポキシド、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、無水カルボン酸、イソシアネート及びフェノール類を含む。膜PRが炭素含有膜である場合には、第2のガスは、例えばN-H結合を有する無機化合物ガス、不活性ガス、水蒸気(HOガス)、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、及び水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを含む。
不飽和ALD法は、第1の手法又は第2の手法のうち何れかによって行われる。第1の手法は、第1の工程において第1のガスに含まれる前駆体を基板Wの表面全体に吸着させ、第3の工程において第2のガスが基板Wの表面全体にいきわたらないように第2のガスの供給を制御する。即ち、第1の手法は、局所的反応を利用する。第2の手法は、第1の工程において前駆体を基板Wの表面の一部のみに吸着させ、第3の工程において第2のガスを基板Wの表面全体に供給する。即ち、第2の手法は、前駆体の局所的吸着を利用する。局所的反応及び局所的吸着は、基板Wを支持する基板支持部の温度、チャンバ内の圧力、第1のガス(前駆体ガス)の流量の流量及び供給時間、第2のガス(反応ガス)の流量及び供給時間、並びに処理時間等のうち一つ以上を制御することにより、行われる。また、不飽和ALD法においてプラズマが利用される場合には、プラズマ生成のために供給される高周波電力のパワーレベルが調整されてもよい。
ALD法では、膜PRが、基板Wの表面上でコンフォーマルに形成される。膜PRは、例えばタングステン含有膜、スズ含有膜、アルミニウム含有膜、又はハフニウム含有膜である。ALD法では、第1~第4の工程を含むサイクルが繰り返される。第1の工程では、基板Wに対して第1のガス(前駆体ガス)が供給される。第2の工程では、基板Wがその中に収容されているチャンバのパージが行われる。第3の工程では、基板Wに第2のガス(反応性ガス)が供給される。第4の工程では、基板Wがその中に収容されているチャンバのパージが行われる。
CVD法では、処理ガスから生成されたプラズマにより、基板W上に膜PRが形成される。
工程ST21は、工程ST3の終了後、圧力が、工程ST3の圧力より低くされた後に行われてもよい。これにより、工程ST3において基板Wに吸着したフッ化水素分子HF1が除去された状態で工程ST21を行うことができる。
上記方法MT3によれば、工程ST21において凹部RSの側壁に膜PRを形成できる。よって、工程ST4において凹部RSの側壁のエッチングを抑制できる。不飽和ALD法により膜PRが形成される場合、凹部RSの底部に形成され得る膜PRの厚さを小さくできる。そのため、工程ST4において凹部RSの底部のエッチングを促進できる。
工程ST21は、工程ST2において、下地膜ACをエッチングした後に行われ、工程ST21が行われた後に下地膜ACを再びエッチングしてもよい。この場合、工程ST21の後に下地膜ACをエッチングする時に、凹部RSの側壁に形成された膜PRにより、凹部RSの側壁のエッチングを抑制できる。
以下、方法MT3の評価のために行った種々の実験について説明する。以下に説明する実験は、本開示を限定するものではない。
(第9実験)
第9実験では、アモルファスカーボン膜とアモルファスカーボン膜上に設けられたマスクとを備える基板を準備した。その後、基板に対して、上記プラズマ処理装置1を用いて、上記方法MT3の工程ST1~工程ST3、工程ST21及び工程ST4を順に実行した。工程ST1では、チャンバ内の基板支持部上に基板を載置した。工程ST2では、まず、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてアモルファスカーボン膜をエッチングして凹部を形成した。次に、SiClガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いて凹部の側壁に第1保護膜を形成した。次に、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いて凹部の底部をエッチングした。工程ST3では、フッ化水素ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給した。工程ST3において、チャンバ内の圧力は127Pa(950mTorr)、基板支持部の温度は0℃、工程ST3の持続時間は10秒であった。工程ST3においてプラズマは生成されなかった。工程ST3により、マスクの開口に付着した堆積物を除去した。工程ST21では、SiClガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いて凹部の側壁に第2保護膜を形成した。工程ST4では、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いて凹部の底部をエッチングした。
(第10実験)
第10実験では、工程ST21を行わなかったこと以外は第9実験と同じように実験を行った。
(第11実験)
第11実験では、工程ST3に代えて以下の工程を行ったこと以外は第10実験と同じように実験を行った。フッ化窒素ガス、ハイドロフルオロカーボンガス、窒素ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてマスクの開口に付着した堆積物を除去した。
(第5実験結果)
第9実験~第11実験において、方法MT3を行った後の基板の断面画像から、下地膜に形成された凹部の深さ及び凹部の寸法CDを測定した。結果を図21に示す。
図21は、凹部の深さと凹部の寸法との関係の例を示すグラフである。縦軸は、凹部の深さ(μm)を示す。縦軸の値が0μmとなる位置は、マスクとアモルファスカーボン膜との境界位置である。縦軸の値が正となる領域がマスクに対応する。横軸は、凹部の寸法(nm)を示す。グラフ中、E9は、第9実験において方法MT3を行った後の結果を示す。E10は第10実験において方法MT3を行った後の結果を示す。E11は第11実験において方法MT3を行った後の結果を示す。図21に示されるように、第9実験では、第10実験に比べて凹部の寸法の最大値(ボーイング)を小さくできる。よって、工程ST21により凹部の側壁に第2保護膜を形成することによって、工程ST4において凹部の側壁のエッチングを抑制できることが分かる。また、図21に示されるように、第9実験では、凹部の寸法の最大値(ボーイング)を第11実験と同等に小さくできる。
マスクの開口に付着した堆積物を除去した直後(工程ST3の直後)において、第10実験におけるボーイングは、第11実験におけるボーイングと同等であった。これは、第10実験の大きなボーイングがエッチングにより生じたことを示す。また、第10実験及び第11実験において、マスクの開口に付着した堆積物を除去した直後の基板の断面画像を観察した。第11実験では、凹部の側壁にストライエーションが見られた。一方、第10実験では、凹部の側壁にストライエーションが見られなかった。ストライエーションは、イオンの衝突により側壁の保護膜が削られることによって形成される。ストライエーションの存在は、保護膜の存在を示す。よって、第10実験では、マスクの開口に付着した堆積物を除去することによって、第1保護膜が除去されたことが分かる。一方、第11実験では、マスクの開口に付着した堆積物を除去しても、第1保護膜が除去されていないことが分かる。
図22は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図22に示されるエッチング方法MT4(以下、「方法MT4」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT4は、図4の基板Wに適用され得る。方法MT4は、以下の点を除いて方法MT1と同じように行われ得る。図23及び図24のそれぞれは、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
図22に示されるように、方法MT4は、工程ST1~工程ST4に加えて工程ST31を含む。工程ST31は、工程ST2と工程ST3との間に行われ得る。工程ST31は、他の工程ST1~工程ST4と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1~工程ST4と異なるチャンバ内で行われてもよい。
(工程ST31)
工程ST31では、図23に示されるように、マスクMS上に優先的に堆積物TDPを形成する。堆積物TDPは炭素含有堆積物であってもよい。堆積物TDPは、マスクMSの上面に形成される。マスクMSの上面における堆積物TDPの厚さは、凹部RSの底部における堆積物TDPの厚さよりも大きい。堆積物TDPはCVD法により形成されてもよい。一つの例示的実施形態において、炭素を含む処理ガスから生成されたプラズマにより、堆積物TDPが形成される。処理ガスは、炭素及び水素を含有するガスを含んでもよい。炭素及び水素を含有するガスは、ハイドロカーボンガスであってもよい。ハイドロカーボンガスの例は、メタンガス及びアセチレンガスを含む。処理ガスは、窒素ガスなどの不活性ガスを更に含んでもよい。
(工程ST3)
工程ST3では、図24の(a)~(d)に示されるように、フッ化水素が堆積物TDPと反応して、流動化した生成物DP2が凹部RSの底部に向かって移動する。工程ST3の終了時において、生成物DP2は、図24の(d)に示されるように、凹部RSの底部に堆積されてもよい。工程ST3の終了時において、生成物DP2は、凹部RSの側壁に堆積されてもよい。生成物DP2は、炭素を含んでもよい。生成物DP2は、ポリマーを含んでもよい。生成物DP2は、水素、フッ素及び酸素からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を更に含んでもよい。
工程ST31において、図23に示されるように、堆積物DPが、堆積物TDPによって覆われる場合がある。この場合、工程ST3において、生成物DP2が凹部RSの底部に堆積するメカニズムの1つの例は以下の通りである。まず、流動化した生成物DP2が凹部RSの底部に向かって移動すると、図24の(b)に示されるように、堆積物DPが露出する。その結果、フッ化水素分子HF1と堆積物DPとの反応と、フッ化水素分子HF1と堆積物TDPとの反応とが同時に進行する。図24の(c)に示されるように、堆積物DPが先に除去されると、堆積物DPが除去された後において、流動化した生成物DP2が凹部RSの底部に向かって移動する。一方、流動化した生成物DP2の移動により堆積物TDPが先に除去されると、堆積物TDPが除去された後において、堆積物DPの気化が進む。
工程ST31において、堆積物DPが、堆積物TDPによって覆われず露出する場合もある。この場合、工程ST3において、生成物DP2が凹部RSの底部に堆積するメカニズムの1つの例は以下の通りである。まず、フッ化水素分子HF1と堆積物DPとの反応と、フッ化水素分子HF1と堆積物TDPとの反応とが同時に進行する。図24の(c)に示されるように、堆積物DPが先に除去されると、堆積物DPが除去された後において、流動化した生成物DP2が凹部RSの底部に向かって移動する。一方、流動化した生成物DP2の移動により堆積物TDPが先に除去されると、堆積物TDPが除去された後において、堆積物DPの気化が進む。
上記方法MT4によれば、工程ST31において凹部RSの底部に生成物DP2を堆積することができる。マスクMSの開口MSaの寸法が大きいほど凹部RSの底部に堆積する生成物DP2の量は多くなる。生成物DP2の量が多いほど凹部RSの寸法が小さくなる。そのため、工程ST31の前において基板Wが寸法差の大きい複数の凹部RSを有していても、工程ST31及び工程ST3を行うことにより、複数の凹部RS間の寸法差を小さくできる。
図25は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図25に示されるエッチング方法MT5(以下、「方法MT5」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT5は、図4の基板Wに適用され得る。方法MT5は、以下の点を除いて方法MT1と同じように行われ得る。
図25に示されるように、方法MT5は、工程ST1~工程ST4に加えて工程ST41及び工程ST42を含む。工程ST41は、工程ST3と工程ST4との間に行われ得る。工程ST42は、工程ST41と工程ST4との間に行われ得る。工程ST41又は工程ST42は、他の工程ST1~工程ST4と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1~工程ST4と異なるチャンバ内で行われてもよい。
(工程ST41)
工程ST41は、工程ST31と同じように行われ得る。
(工程ST42)
工程ST42は、工程ST3と同じように行われ得る。
上記方法MT5によれば、工程ST3においてマスクMSの開口MSaに付着した堆積物DPを除去した後に、工程ST41においてマスクMS上に優先的に堆積物TDPを形成できる。その後、工程ST42において凹部RSの底部に生成物DP2を堆積することができる。
方法MT4及び方法MT5において、工程ST1及び工程ST2を行わなくてもよい。方法MT4において、工程ST31の前に、凹部RSを備える下地膜ACと、開口MSaを有するマスクMSとを備える基板Wを準備してもよい。
以下、方法MT4及び方法MT5の評価のために行った種々の実験について説明する。以下に説明する実験は、本開示を限定するものではない。
(第12実験)
第12実験では、アモルファスカーボン膜とアモルファスカーボン膜上に設けられたマスクとを備える基板を準備した。その後、基板に対して、上記プラズマ処理装置1を用いて、上記方法MT4の工程ST1、工程ST2、工程ST31及び工程ST3を順に実行した。工程ST1では、チャンバ内の基板支持部上に基板を載置した。工程ST2では、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてアモルファスカーボン膜をエッチングして凹部を形成した。工程ST31では、メタンガス及び窒素ガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてマスク上に優先的に堆積物を形成した。工程ST31の持続時間は30秒であった。工程ST3では、フッ化水素ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給した。工程ST3において、チャンバ内の圧力は40Pa(300mTorr)、基板支持部の温度は-60℃、工程ST3の持続時間は10秒であった。工程ST3においてプラズマは生成されなかった。工程ST3により、マスクの開口に付着した堆積物を除去した。
(第13実験)
第13実験では、工程ST31の持続時間を60秒としたこと以外は第12実験と同じように実験を行った。
(第14実験)
第14実験では、工程ST31を行わなかったこと以外は第12実験と同じように実験を行った。
(第6実験結果)
第12実験~第14実験において、方法MT4を行った後の基板の断面画像を観察した。第12実験では、アモルファスカーボン膜の凹部の側壁に堆積物が形成されていた。第13実験では、アモルファスカーボン膜の凹部の側壁及び底部に堆積物が形成されていた。底部に形成された堆積物の厚さは196nmであった。第14実験では、アモルファスカーボン膜の凹部の側壁及び底部に堆積物は形成されていなかった。よって、マスク上の堆積物がフッ化水素と反応して、流動化した生成物が凹部の底部に向かって移動することが分かった。
図26は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図26に示されるエッチング方法MT6(以下、「方法MT6」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT6は、図4の基板Wに適用され得る。図27は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
図26に示されるように、方法MT6は、工程ST1~工程ST3に加えて工程ST6及び工程ST7を含んでもよい。工程ST6及び工程ST7は、工程ST1と工程ST2との間において、に順に行われてもよい。方法MT6は、工程ST6及び工程ST7のうち少なくとも1つを含まなくてもよい。工程ST6及び工程ST7は、他の工程ST1~工程ST3と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1~工程ST3と異なるチャンバ内で行われてもよい。
(工程ST6)
工程ST6は、方法MT1の工程ST2と同じように行われ得る。工程ST6の持続時間は、工程ST2の持続時間より短くてもよい。工程ST6により下地膜ACに凹部RSが形成される。
(工程ST7)
工程ST7では、図27に示されるように、マスクMS上に堆積物PDPを形成する。堆積物PDPは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む。堆積物PDPは、マスクMSの上面に形成される。堆積物PDPは、マスクMSの開口MSaを画定する側壁上に形成されてもよいし、下地膜AC上に形成されてもよい。堆積物PDPは、凹部RSの側壁上に形成されてもよい。マスクMSの上面における堆積物PDPの厚さは、下地膜AC上に形成される堆積物PDPの厚さよりも大きてもよいし、下地膜AC上に形成される堆積物PDPの厚さよりも小さくてもよい。
堆積物PDPはCVD法により形成されてもよい。一つの例示的実施形態において、処理ガスから生成されたプラズマにより、堆積物PDPが形成される。処理ガスは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む。処理ガスは、ハロゲンを含んでもよい。ハロゲンの例はフッ素及び塩素を含む。処理ガスは、酸素を含んでもよい。処理ガスは、リン含有ガス、ホウ素含有ガス及び硫黄含有ガスからなる群から選ばれる少なくとも1つのガスを含んでもよい。リン含有ガスの例は、フッ化リン(PF)、塩化リン(PCl)、フッ化ホスホリル(POF)及びオキシ塩化リン(POCl)から選択される少なくとも1種を含む。フッ化リンの例はPF又はPFを含む。塩化リンの例はPCl又はPClを含む。フッ化ホスホリルの例はPOFを含む。オキシ塩化リンの例はPOClを含む。ホウ素含有ガスの例は、フッ化ホウ素(BF)、塩化ホウ素(BCl)及びBOFを含む。硫黄含有ガスの例は、フッ化硫黄(SF)、塩化硫黄(SCl)、硫化カルボニル(COS)、二酸化硫黄(SO)、硫化水素(HS)及び二硫化炭素(CS)からなる群から選択される少なくとも1種を含む。xは正の実数である。処理ガスは、貴ガスなどの不活性ガスを更に含んでもよい。貴ガスの例はアルゴン(Ar)を含む。
(工程ST2)
工程ST2では、図5に示されるように、プラズマを用いて下地膜ACをエッチングする。工程ST2は、方法MT1の工程ST2と同じように行われ得る。工程ST2では、下地膜ACをエッチングする際に、堆積物PDP及びマスクMSもエッチングされる。そのため、工程ST2において形成される堆積物DPは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む。この元素は、図27の堆積物PDPに由来する。
(工程ST3)
工程ST3では、図6及び図7に示されるように、堆積物DPを除去するようにマスクMSにフッ化水素を供給する。工程ST3は、方法MT1の工程ST3と同じように行われ得る。工程ST3において、堆積物DPとフッ化水素との反応によって、水(HO)が生成され得る。堆積物DPがシリコン及び酸素を含む場合、シリコン酸化物とフッ化水素との反応により、四フッ化シリコン(SiF)及び水(HO)が生成される。堆積物DPがリンを含む場合、水が堆積物DP中のリンと反応してリン酸(HPO)が形成される。リン酸はシリコン酸化物への水の吸着を安定化させるので、堆積物DPからの水の揮発が抑制される。堆積物DPの表面に水が残存していると、堆積物DPへのフッ化水素分子HF1の吸着が促進されるので、堆積物DPの除去も促進される。堆積物DPがホウ素を含む場合、水が堆積物DP中のホウ素と反応してホウ酸(HBO)が形成される。ホウ酸はシリコン酸化物への水の吸着を安定化させるので、堆積物DPからの水の揮発が抑制される。堆積物DPの表面に水が残存していると、堆積物DPへのフッ化水素分子HF1の吸着が促進されるので、堆積物DPの除去も促進される。堆積物DPが硫黄を含む場合、水が堆積物DP中の硫黄と反応して硫酸(HSO)が形成される。硫酸はシリコン酸化物への水の吸着を安定化させるので、堆積物DPからの水の揮発が抑制される。堆積物DPの表面に水が残存していると、堆積物DPへのフッ化水素分子HF1の吸着が促進されるので、堆積物DPの除去も促進される。
図28は、工程ST3における圧力と温度との関係の一例を示すグラフである。グラフにおいて、曲線C1は、フッ化水素の飽和蒸気圧曲線を示す。曲線C2は、水(HO)の飽和蒸気圧曲線を示す。工程ST3における圧力は、水(HO)の飽和蒸気圧より大きくてもよい。この場合、液体の水が堆積物DP上に残存することができる。工程ST3における圧力は、フッ化水素の飽和蒸気圧以下であってもよい。この場合、フッ化水素ガスを堆積物DPに吸着させることができる。曲線C1と曲線C2との間の領域では、堆積物DP上に残存した液体の水によって、フッ化水素分子HF1の吸着が促進される。したがって、工程ST3における圧力が小さい場合であっても堆積物DPの除去を促進できる。
工程ST3における圧力は、13.3Pa(100mTorr)以上であってもよいし、26.6Pa(200mTorr)以上であってもよい。また、工程ST3における圧力は、134Pa(1000mTorr)以下であってもよいし、67Pa(500mTorr)以下であってもよい。工程ST3において、基板支持部11の温度は、-80℃以上であってもよいし、100℃以下であってもよい。
上記方法MT6によれば、工程ST3における堆積物DPの除去量を増加させることができる。その結果、マスクMSの開口MSaの寸法CDを大きくできる。さらに、方法MT6が工程ST6を含む場合、工程ST7において、堆積物PDPが凹部RSの側壁上に形成される。よって、工程ST2において、凹部RSの側壁のエッチングを抑制できる。
マスクMSが、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む場合、方法MT6は工程ST7を含まなくてもよい。工程ST2において形成される堆積物DPは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む。この元素は、マスクMSに由来する。よって、工程ST7を行わなくても、工程ST3における堆積物DPの除去量を増加させることができる。
以下、方法MT6の評価のために行った種々の実験について説明する。以下に説明する実験は、本開示を限定するものではない。
(第15実験)
第15実験では、アモルファスカーボン膜とアモルファスカーボン膜上に設けられたマスクとを備える基板を準備した。マスクは、シリコン酸窒化膜である。その後、基板に対して、上記プラズマ処理装置1を用いて、上記方法MT6の工程ST1、工程ST6、工程ST7、工程ST2及び工程ST3を順に実行した。工程ST1では、チャンバ内の基板支持部上に基板を載置した。工程ST6では、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてアモルファスカーボン膜をエッチングした。工程ST6の持続時間は30秒であった。工程ST7では、リン含有ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてマスクの上面にリン含有堆積物を形成した。工程ST2では、チャンバ内に処理ガスを供給し、処理ガスから生成されたプラズマを用いてアモルファスカーボン膜をエッチングした。工程ST2は、持続時間が180秒であること以外は工程ST6と同じように行われた。工程ST3では、フッ化水素ガス及びアルゴンガスを含む処理ガスをチャンバ内に供給した。工程ST3において、チャンバ内の圧力は127Pa(950mTorr)、基板支持部の温度は0℃、工程ST3の持続時間は10秒であった。工程ST3においてプラズマは生成されなかった。工程ST3により、マスクの開口に付着した堆積物を除去した。
(第16実験)
第16実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を66.7Pa(500mTorr)としたこと以外は第15実験と同じように方法MT6を実行した。
(第17実験)
第17実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を40Pa(300mTorr)としたこと以外は第15実験と同じように方法MT6を実行した。
(第18実験)
第18実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を26.6Pa(200mTorr)としたこと以外は第15実験と同じように方法MT6を実行した。
(第19実験)
第19実験では、工程ST7を行わなかったこと以外は第15実験と同じように方法MT6を実行した。
(第20実験)
第20実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を107Pa(800mTorr)としたこと以外は第19実験と同じように方法MT6を実行した。
(第21実験)
第21実験では、工程ST3におけるチャンバ内の圧力を66.7Pa(500mTorr)としたこと以外は第19実験と同じように方法MT6を実行した。
(第7実験結果)
第15実験及び第19実験において、工程ST3を行う前の基板の断面画像から、マスクの開口の寸法CD(図5参照)を測定した。第15実験~第21実験において、方法MT6を行った後の基板の断面画像から、マスクの開口の寸法CD(図7参照)を測定した。
第15実験において、工程ST3を行う前の開口の寸法は45.5nmであり、方法MT6を行った後の開口の寸法は76.9nmであった。第16実験において、方法MT6を行った後の開口の寸法は78.4nmであった。第17実験において、方法MT6を行った後の開口の寸法は71.8nmであった。第18実験において、方法MT6を行った後の開口の寸法は75.8nmであった。これらの結果から、第15実験~第18実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
第19実験において、工程ST3を行う前の開口の寸法は44nmであり、方法MT6を行った後の開口の寸法は60nmであった。第20実験において、方法MT6を行った後の開口の寸法は49nmであった。第21実験において、方法MT6を行った後の開口の寸法は50nmであった。これらの結果から、第19実験~第21実験では、マスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。
さらに、第15実験~第21実験の結果から、工程ST7を行うと、工程ST7を行わない場合に比べてマスクの開口の寸法を大きくできることが分かる。よって、マスクの上面にリン含有堆積物を形成することによって、フッ化水素による堆積物DPの除去量を増加させることができることが分かる。
図29は、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法のフローチャートである。図29に示されるエッチング方法MT7(以下、「方法MT7」という)は、上記実施形態のプラズマ処理装置1により実行され得る。方法MT7は、図4の基板Wに適用され得る。方法MT7は、以下の点を除いて方法MT1と同じように行われ得る。図30~図32のそれぞれは、一つの例示的実施形態に係るエッチング方法の一工程を示す断面図である。
図29に示されるように、方法MT7は、工程ST1、工程ST2、工程ST8及び工程ST9を含む。工程ST1、工程ST2、工程ST8及び工程ST9は、順に行われ得る。工程ST9は、他の工程ST1、工程ST2及び工程ST8と同じチャンバ内で行われてもよいし、他の工程ST1、工程ST2及び工程ST8と異なるチャンバ内で行われてもよい。
方法MT7は、工程ST2において、図30に示すような凹部RSaが形成された場合に実行され得る。一例では、下地膜ACはシリコン含有膜であり、マスクMSは炭素含有膜又は金属含有膜である。基板Wは、凹部RSaを形成するためのエッチングを停止するエッチングストップ層ESを更に備えてもよい。下地膜ACは、マスクMSとエッチングストップ層ESとの間に配置される。凹部RSaは、第1の部分RSa1と、第1の部分RSa1上の第2の部分RSa2とを有する。第1の部分RSa1は、凹部RSaの底部に位置する。第2の部分RSa2は、凹部RSaの開口端に位置する。第1の部分RSa1の開口寸法CD1は、第2の部分RSa2の開口寸法CD2よりも小さい。例えば、凹部RSaは、開口端から底部に向かって開口寸法が徐々に小さくなるテーパ状の断面形状を有する。
(工程ST8)
工程ST8では、図31に示されるように、凹部RSaの第2の部分RSa2を規定する側壁上に保護膜PRaを形成する。保護膜PRaは、第2の部分RSa2を規定する側壁上に選択的に形成され、第1の部分RSa1を規定する側壁上には形成されない。保護膜PRaは、マスクMSの開口MSaを定める側壁上に形成されてもよい。保護膜PRaは、例えば、上述した不飽和ALD法、MLD法、CVD法で形成され得る。
(工程ST9)
工程ST9では、基板Wに対してフッ化水素ガスが供給される。工程ST9は、工程ST3と同じように行われ得る。図32に示されるように、フッ化水素ガスにより第1の部分RSa1を規定する側壁がエッチングされる。その結果、第1の部分RSa1の開口寸法CD1が拡大する。一方、保護膜PRaによって、第2の部分RSa2を規定する側壁はエッチングされ難い。よって、第2の部分RSa2の開口寸法CD2の変動は抑制される。
上記方法MT7によれば、図32に示されるように、保護膜PRaにより、凹部RSaの第2の部分RSa2の開口寸法CD2の変動を抑制しつつ、第1の部分RSa1の開口寸法CD1を拡大させることができる。
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E28]に記載する。
[E1]
(a)下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、
(b)プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程と、
(c)13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
を含む、エッチング方法。
エッチング方法[E1]によれば、(c)においてフッ化水素により例えばマスクの開口に付着した堆積物を除去できる。堆積物を除去するメカニズムは以下のように考えられるが、これに限定されない。(c)において、(c)における圧力が高いと、堆積物に対するフッ化水素分子の吸着量が多くなるので、より多くの堆積物が除去される。
[E2]
前記(c)において、前記(b)により前記マスクの前記開口に付着した堆積物を除去する、[E1]に記載のエッチング方法。
[E3]
前記(c)における前記圧力は、フッ化水素の飽和蒸気圧以下である、[E1]又は[E2]に記載のエッチング方法。
[E4]
前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、-80℃以上である、[E1]~[E3]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E5]
前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、100℃以下である、[E1]~[E4]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E6]
前記(c)において、プラズマを生成することなくフッ化水素ガスが供給される、[E1]~[E5]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E7]
前記(c)において、フッ化水素酸が供給される、[E1]~[E6]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E8]
(d)前記(c)の後、プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程を更に含む、[E1]~[E7]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E9]
(e)前記(d)の後、前記(d)により前記基板に付着した堆積物を除去するように、13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程を更に含む、[E8]に記載の方法。
[E10]
前記マスクは、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有する、[E1]~[E9]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E11]
前記下地膜は、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有する、[E1]~[E10]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E12]
前記(c)において、前記マスクに水素含有ガスが更に供給される、[E1]~[E11]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
この場合、水素含有ガスが、堆積物に対するフッ化水素の吸着を促進する。
[E13]
(f)前記(c)の後、前記基板にシリコン含有ガスを供給する工程を更に含む、[E1]~[E12]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E14]
前記(f)において、前記基板にフッ化水素が供給される、[E13]に記載のエッチング方法。
[E15]
前記(f)において、前記シリコン含有ガスは窒素を含む、[E13]又は[E14]に記載のエッチング方法。
[E16]
前記(f)において、前記シリコン含有ガスは、炭化水素基を含むアミノシランであり、
前記(f)において、前記基板上に堆積物が形成され、前記堆積物は、窒素、フッ素、炭素、水素及びシリコンを含有する、[E15]に記載のエッチング方法。
[E17]
(g)前記(c)の後、前記下地膜をエッチングすることにより形成された凹部の側壁に膜を形成する工程を更に含む、[E1]~[E16]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E18]
前記膜は、ALD法、不飽和ALD法、MLD法又はCVD法により形成される、[E17]に記載のエッチング方法。
[E19]
前記(b)は、前記下地膜をエッチングすることにより形成された凹部の側壁に膜を形成する工程を含む、[E1]~[E18]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E20]
(h)前記(b)と前記(c)との間において、前記マスク上に優先的に炭素含有堆積物を形成する工程を更に含む、[E1]~[E19]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E21]
(i)前記(c)の後、前記マスク上に優先的に炭素含有堆積物を形成する工程と、
(j)前記(i)の後、13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
を更に含む、[E1]~[E20]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E22]
(k)前記(b)の前に、前記マスク上に、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む堆積物を形成する工程を更に含む、[E1]~[E21]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E23]
前記マスクは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む、[E1]~[E22]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E24]
前記基板を支持する基板支持部は、第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを含み、
前記(c)において、前記第1の領域の温度を第1の温度に制御し、前記第2の領域の温度を前記第1の温度と異なる第2の温度に制御する、[E1]~[E23]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E25]
前記(b)により、前記下地膜に、第1の部分及び前記第1の部分上の第2の部分を有する凹部であって、前記第1の部分の開口寸法は前記第2の部分の開口寸法よりも小さい、凹部が形成され、
前記エッチング方法は、
(l)前記(b)と前記(c)との間において、前記第2の部分を規定する前記凹部の側壁に保護膜を形成する工程を更に含み、
前記(c)は、前記第1の部分の開口寸法を拡大させる、
[E1]~[E24]のいずれか一項に記載のエッチング方法。
[E26]
(a)凹部を備える下地膜と、前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程であり、前記開口は前記凹部に対応する、工程と、
(b)前記マスク上に優先的に堆積物を形成する工程と、
(c)13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
を含む、エッチング方法。
[E27]
チャンバと、
前記チャンバ内において基板を支持するための基板支持部であり、前記基板が、下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える、基板支持部と、
第1処理ガスと、フッ化水素ガスを含む第2処理ガスとをそれぞれ前記チャンバ内に供給するように構成されたガス供給部と、
前記チャンバ内において前記第1処理ガスからプラズマを生成するように構成されたプラズマ生成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記プラズマを用いて前記下地膜をエッチングするよう前記ガス供給部及び前記プラズマ生成部を制御するように構成され、
前記制御部は、13.3Pa以上の圧力下で前記基板に前記第2処理ガスを供給するよう前記ガス供給部を制御するように構成される、プラズマ処理装置。
[E28]
(a)下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、
(b)プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程と、
(c)前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
を含み、
前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、-80℃以上である、エッチング方法。
エッチング方法[E28]によれば、(c)においてフッ化水素により堆積物を除去できる。堆積物を除去するメカニズムは以下のように考えられるが、これに限定されない。(c)において、基板支持部の温度が高いと、フッ化水素と堆積物との反応が促進されるので、より多くの堆積物が除去される。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…プラズマ処理装置、2…制御部、10…プラズマ処理チャンバ、11…基板支持部、12…プラズマ生成部、20…ガス供給部、AC…下地膜、MS…マスク、MSa…開口、W…基板。

Claims (23)

  1. (a)下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、
    (b)プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程と、
    (c)13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
    を含む、エッチング方法。
  2. 前記(c)において、前記(b)により前記マスクの前記開口に付着した堆積物を除去する、請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記(c)における前記圧力は、フッ化水素の飽和蒸気圧以下である、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  4. 前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、-80℃以上である、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  5. 前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、100℃以下である、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  6. 前記(c)において、プラズマを生成することなくフッ化水素ガスが供給される、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  7. 前記(c)において、フッ化水素酸が供給される、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  8. (d)前記(c)の後、プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  9. (e)前記(d)の後、前記(d)により前記基板に付着した堆積物を除去するように、13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記マスクは、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有する、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  11. 前記下地膜は、シリコン、金属及び炭素のうち少なくとも1つを含有する、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  12. 前記(c)において、前記マスクに水素含有ガスが更に供給される、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  13. (f)前記(c)の後、前記基板にシリコン含有ガスを供給する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  14. 前記(f)において、前記基板にフッ化水素が供給される、請求項13に記載のエッチング方法。
  15. (g)前記(c)の後、前記下地膜をエッチングすることにより形成された凹部の側壁に膜を形成する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  16. (h)前記(b)と前記(c)との間において、前記マスク上に優先的に炭素含有堆積物を形成する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  17. (i)前記(c)の後、前記マスク上に優先的に炭素含有堆積物を形成する工程と、
    (j)前記(i)の後、13.3Pa以上の圧力下で前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
    を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  18. (k)前記(b)の前に、前記マスク上に、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む堆積物を形成する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  19. 前記マスクは、リン、ホウ素及び硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  20. 前記基板を支持する基板支持部は、第1の領域と、前記第1の領域と異なる第2の領域とを含み、
    前記(c)において、前記第1の領域の温度を第1の温度に制御し、前記第2の領域の温度を前記第1の温度と異なる第2の温度に制御する、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  21. 前記(b)により、前記下地膜に、第1の部分及び前記第1の部分上の第2の部分を有する凹部であって、前記第1の部分の開口寸法は前記第2の部分の開口寸法よりも小さい、凹部が形成され、
    前記エッチング方法は、
    (l)前記(b)と前記(c)との間において、前記第2の部分を規定する前記凹部の側壁に保護膜を形成する工程を更に含み、
    前記(c)は、前記第1の部分の開口寸法を拡大させる、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  22. チャンバと、
    前記チャンバ内において基板を支持するための基板支持部であり、前記基板が、下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える、基板支持部と、
    第1処理ガスと、フッ化水素ガスを含む第2処理ガスとをそれぞれ前記チャンバ内に供給するように構成されたガス供給部と、
    前記チャンバ内において前記第1処理ガスからプラズマを生成するように構成されたプラズマ生成部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記プラズマを用いて前記下地膜をエッチングするよう前記ガス供給部及び前記プラズマ生成部を制御するように構成され、
    前記制御部は、13.3Pa以上の圧力下で前記基板に前記第2処理ガスを供給するよう前記ガス供給部を制御するように構成される、プラズマ処理装置。
  23. (a)下地膜と前記下地膜上に設けられ開口を有するマスクとを備える基板を提供する工程と、
    (b)プラズマを用いて前記下地膜をエッチングする工程と、
    (c)前記基板にフッ化水素を供給する工程と、
    を含み、
    前記(c)において、前記基板を支持する基板支持部の温度は、-80℃以上である、エッチング方法。

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