JP2024014035A - センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源失陥情報を適切に保持可能なセンサ装置を提供する。【解決手段】センサ装置1の回転角センサ30は、検出素子31~33、センサ情報演算部、電源失陥判定回路355、および、通信部359を有し、始動スイッチ901がオフされている間においてもバッテリ給電線Lbからの給電により少なくとも一部の動作を継続可能である。制御部60は、通信部69、制御演算部65、および、不揮発性メモリ67を有し、始動スイッチ901を経由して供給される電力で動作する。制御部60は、始動スイッチ901がオンされた後、始動スイッチ901がオフされていた間の電源失陥に係る電源失陥情報を回転角センサ30から取得し、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶した後に、復帰信号を回転角センサ30に送信する。【選択図】 図2
Description
本発明は、センサ装置に関する。
従来、モータなどの回転角度を検出する回転角検出装置が知られている。例えば特許文献1の回転角検出装置は、電動パワーステアリング装置に適用されており、イグニッション電源がオフされている期間において、バッテリからの電力により少なくとも一部の動作を継続可能である。
特許文献1の回転角検出装置は、電源失陥判定結果を制御部に送信し、制御部が電源失陥判定結果を受信した後に制御部から送信される復帰信号を受信すると、電源失陥フラグをリセットする。ここで、制御部から回転角検出装置に復帰信号を送信した後に、制御部のリセットが発生すると、電源失陥情報が失われる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源失陥情報を適切に保持可能なセンサ装置を提供することにある。
本発明のセンサ装置は、センサ部(30)と、制御部(60)と、を備える。センサ部は、検出素子(31~33)、電源失陥判定回路(355)、および、センサ側通信部(359)を有し、始動スイッチがオフされている間においてもバッテリ給電線(Lb)からの給電により少なくとも一部の動作を継続可能である。
検出素子は、検出対象(80)の動作に応じた物理量の変化を検出する。電源失陥判定回路は、始動スイッチ(901)を経由しないバッテリ給電線からの電力が供給されなくなる電源失陥を判定可能である。センサ側通信部は、電源失陥が生じたか否かに係る電源失陥情報を含むセンサ情報を送信する。
制御部は、制御部側通信部(69)、制御演算部(65)、および、不揮発性メモリ(67)を有し、始動スイッチを経由して供給される電力で動作する。制御部側通信部は、センサ部からセンサ情報を受信し、電源失陥情報のリセットを指令する復帰信号をセンサ部に送信する。制御演算部は、センサ情報を用いて制御演算を行う。不揮発性メモリは、電源失陥情報を記憶する。
制御部は、始動スイッチがオフされていた間の電源失陥情報をセンサ部から取得し、電源失陥情報を不揮発性メモリに記憶した後、復帰信号をセンサ部に送信する。これにより、電源失陥情報を適切に保持可能である。
以下、本発明による回転検出装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態を図1~図4に示す。図1および図2に示すように、センサ装置1は、電動パワーステアリング装置8に適用される。図1は、電動パワーステアリング装置8を備えるステアリングシステム90の構成を示す。ステアリングシステム90は、操舵部材であるステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、および、電動パワーステアリング装置8等を備える。
第1実施形態を図1~図4に示す。図1および図2に示すように、センサ装置1は、電動パワーステアリング装置8に適用される。図1は、電動パワーステアリング装置8を備えるステアリングシステム90の構成を示す。ステアリングシステム90は、操舵部材であるステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、および、電動パワーステアリング装置8等を備える。
ステアリングホイール91は、ステアリングシャフト92と接続される。ステアリングシャフト92には、操舵トルクを検出するトルクセンサ94が設けられる。ステアリングシャフト92の先端には、ピニオンギア96が設けられる。ピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が連結される。
運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92が回転する。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換される。一対の車輪98は、ラック軸97の変位量に応じた角度に操舵される。
電動パワーステアリング装置8は、ECU20およびモータ80を有する駆動装置10、および、モータ80の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える動力伝達部である減速ギア89等を備える。すなわち、本実施形態の電動パワーステアリング装置8は、所謂「コラムアシストタイプ」であり、ステアリングシャフト92が駆動対象といえる。モータ80の回転をラック軸97に伝える所謂「ラックアシストタイプ」等としてもよい。
モータ80は、操舵に要するトルクの一部または全部を出力するものであって、バッテリ900(図2参照)から電力が供給されることにより駆動され、減速ギア89を正逆回転させる。駆動装置10は、モータ80の軸方向の一方側にECU20が設けられており、いわゆる「機電一体型」であるが、モータとECUとが別途に設けられる機電別体であってもよい。機電一体型とすることで、搭載スペースに制約のある車両において、ECU20およびモータ80を効率的に配置することができる。ECU20には、センサ装置1が設けられている。
図2に示すように、センサ装置1は、モータ80の回転を検出する回転検出装置であって、回転角センサ30と、制御部60と、を備える。回転角センサ30は、検出素子31~33、および、信号処理部35を有する。検出素子31、32、33は、それぞれセンサチップ310、320、330に設けられており、信号処理部35は、信号処理チップ350に設けられている。また、複数の検出素子を1つのチップに設け、絶縁部にて分離するようにしてもよい。センサチップ310、320、330および信号処理チップ350は、封止部38に封止されている。
検出素子31~33は、例えばAMRセンサ、TMRセンサ、GMRセンサ等の磁気抵抗素子やホール素子等であって、モータ80のシャフトと一体に回転する図示しないセンサマグネットの磁界を検出し、アナログ信号である1組のsin信号およびcos信号を出力する。検出素子31~33は同じであってもよいし、振幅等が異なっていてもよい。また、例えば検出素子31は検出素子32、33よりも検出精度が高い、といった具合に性能が異なっていてもよい。検出素子31~33の少なくとも一部を異なる種類の素子を用いる場合、故障モードが異なるため、同時故障の発生確率を低減することができる。
信号処理部35は、AD変換部351、角度演算部352、回転回数演算部353、電源失陥判定回路355、および、通信部359等を有する。AD変換部351は、検出素子31から出力されるsin信号およびcos信号をデジタル信号に変換する。
角度演算部352は、デジタル変換された検出素子31の検出値を用い、モータ回転角θm1を演算する。回転回数演算部353は、AD変換部351にてデジタル変換された検出素子31の検出値を用い、モータ80の回転回数TCを演算する。回転回数TCは、例えばモータ80の1回転を3以上の領域に分け、領域が変わるごとに回転方向に応じてカウントアップまたはカウントダウンすることで、カウント値に基づいて演算可能である。
電源失陥判定回路355は、揮発性メモリ356を有し、電源端子385を経由してバッテリ900からの直接的な電力供給が途絶える電源失陥を判定する。揮発性メモリ356は、電源失陥フラグとして機能する。すなわち、正常値「1」である場合、電源失陥が生じておらず、電源失陥フラグがセットされていないとみなす。一方、電源失陥が生じると、揮発性メモリ356がリセットされ、初期値「0」となるため、電源失陥フラグがセットされている、とみなす。
通信部359は、シリアルインターフェースにより構成され、モータ回転角θm1および回転回数TCに係る情報を含むデジタル信号を制御部60に送信する。モータ回転角θm1および回転回数TCは、制御部60にて各種制御演算に用いられる。また、通信部359は、電源失陥判定結果を制御部60に送信する。詳細には、揮発性メモリ356が初期値「0」である場合、電源失陥判定結果に対応するビット情報として「0」を送信する。また、揮発性メモリ356が正常値「1」である場合、電源失陥判定結果に対応するビット情報として「1」を送信する。本実施形態では、ビット化け対策のため、電源失陥判定結果として、2ビット分の領域を使用し誤判定を防止する。制御部60では、2ビットの両方ともが「0」である場合に、電源失陥フラグがセットされているとみなす。
また、通信部359は、制御部60から復帰信号を受信する。復帰信号は、揮発性メモリ356を初期値「0」から正常値「1」への復帰を指令する信号であって、電源失陥フラグをリセットする旨の信号であると捉えることもできる。すなわち回転角センサ30では、制御部60からの復帰信号を受信するまでの間、電源失陥情報が保持され、復帰信号を受信すると、電源失陥情報がリセットされる。
封止部38には、出力端子381~383、および、電源端子385~388が設けられている。出力端子381は、制御部60の端子601と接続され、検出素子31の検出値を用いて演算された値を含むデジタル信号の出力に用いられる。出力端子382は、制御部60の端子602と接続され、検出素子32の検出値に応じたアナログ信号の出力に用いられる。出力端子383は、制御部60の端子603と接続され、検出素子33の検出値に応じたアナログ信号の出力に用いられる。すなわち本実施形態の回転角センサ30は、「デジタルアナログ混載」の構成となっている。
図2では、出力端子381~383および通信線は、各系統に1つずつ設けられているが、通信方式やデータ方式に応じ、少なくとも一部の系統にて複数設けるようにしてもよい。また、増幅回路やフィルタ回路等を適宜設けてもよい。また、端子601~603の間にNC(Non Connection)端子を設けることで、隣接端子間が異物等によりショートする共通原因故障により複数の信号が異常になるのを防ぐことができる。
電源端子385は、バッテリ900と接続される。バッテリ給電線Lbは、車両のイグニッションスイッチ等である始動スイッチ901(図中等、以下適宜「IG」とする。)を経由せずに、バッテリ900と電源端子385とを接続する。電源端子386~388は、始動スイッチ901を経由してバッテリ900と接続される。電源端子385~388には、バッテリ900または始動スイッチ901から昇圧または降圧された電力が供給されるようにしてもよい。
電源端子385、386は、センサチップ310および信号処理チップ350と接続される。一点鎖線で囲んだ検出素子31、AD変換部351、回転回数演算部353および電源失陥判定回路355には、電源端子385を経由してIGオフ中も常時給電される。これにより、回転回数TCは、IGオフ中も演算が継続される。
また、角度演算部352および通信部359には、IGオフ中は給電されず、処理を停止する。電源端子387はセンサチップ320と接続され、電源端子388はセンサチップ330と接続される。すなわち本実施形態では、各検出素子31~33ごとに電源端子385~388を個別に設けており、電源が互いに干渉しないように構成されている。また、検出素子31~33は、素子間で絶縁性が確保されるように構成されている。
制御部60は、マイコン等を主体として構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、I/O及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部60における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記憶媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部60は、AD変換部62、63、角度演算部64、制御演算部65、電源失陥情報保持回路66、および、通信部69等を有する。AD変換部62、63は、検出素子32、33から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。本実施形態では、AD変換部62、63は制御部60側に設けられており、検出素子32、33の検出信号は、デジタル変換されず、アナログ信号のまま制御部60に出力される。換言すると、回転角センサ30において、検出素子32、33の信号処理に係る構成が省略されており、回転角センサ30の構成が簡素化されている。
角度演算部64は、回転角センサ30からの信号に基づいてモータ回転角θm2、θm3。詳細には、角度演算部64は、デジタル変換された検出素子32の検出値を用いてモータ回転角θm2を演算し、デジタル変換された検出素子33の検出値を用いてモータ回転角θm3を演算する。以下、検出素子31~33の区別が不要である場合は、単にモータ回転角θmとする。
また、角度演算部64は、モータ回転角θmおよび回転回数TCに基づき、複数回転情報を含む基準位置からの回転量である絶対角θaを演算する。絶対角θaは、ギア比等により、舵角θsに換算可能な値である。本実施形態では、角度演算部64は、3つの検出素子31~33からの信号に基づくモータ回転角θm1~θm3の比較による異常判定を行い、正常である値を用いて絶対角演算を行う。
角度演算部64は、初回演算において、モータ回転角θmおよび回転回数TCを用いて絶対角θaを演算し、2回目以降の演算では、モータ回転角θmの差分積算により絶対角θaを演算する。なお、都度回転回数TCを用いて絶対角θaを演算してもよいし、所定の頻度で回転回数TCを用いた演算を行うことで、ソフトウェア異常の検出や誤差補正等を行ってもよい。
本実施形態では、IGがオフされている期間中も回転回数TCの演算が継続されている。これにより、IGがオフされている期間にステアリングホイール91が操舵されることでモータ80が回転した場合であっても、基準位置の再学習を行うことなく舵角θsを演算可能である。なお、モータ回転角θmは、IGオン時の値を用いればよいため、常時給電による演算継続はしなくてもよい。
制御演算部65は、モータ80の駆動制御に係る各種演算を行う。電源失陥情報保持回路66は、不揮発性メモリ67を有する。不揮発性メモリ67は、回転角センサ30において電源失陥が生じたか否かに係る情報である電源失陥情報を記憶する。通信部69は、回転角センサ30から電源失陥情報を含むセンサ情報を受信し、復帰情報を回転角センサ30に送信する。なお、図2では煩雑になることを避けるため、一部の制御線を省略した。
制御部60には、IGオフ中は給電されず、処理を停止する。また、IGがオンされると、制御部60は、回転角センサ30から電源失陥情報を取得し、電源失陥情報取得後、復帰信号を回転角センサ30に送信することで、回転角センサ30の電源失陥情報をリセット可能である。
例えばバッテリ寿命が近い場合等、エンジン起動時のスタータに流れる大電流によりバッテリ電圧低下すると、制御部60を動作できなくなり、リセットが発生する場合がある。ここで、復帰信号送信後に、制御部60のリセットが発生すると、電源失陥の履歴が回転角センサ30側にも制御部60側にも残らない虞がある。そこで本実施形態では、復帰信号を送信する前に、不揮発性メモリ67に電源失陥情報を記憶する。また、制御部60は、電源失陥が生じていた場合、その旨の情報を他の装置(例えば上位ECU等)に通知する。
本実施形態の電源失陥情報送信処理を図3、電源失陥情報保持処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。図3に示す電源失陥情報送信処理は、回転角センサ30の信号処理部35にて所定の周期で実行される。以下、ステップS101等の「ステップ」を省略し、単に記号「S」と記す。
S101では、信号処理部35は、制御部60から送信される要求信号を取得したか否か判断する。要求信号を取得していないと判断された場合(S101:NO)、S103へ移行する。要求信号を取得したと判断された場合(S101:YES)、S102へ移行し、電源失陥情報を制御部60に送信する。
S103では、信号処理部35は、制御部60から送信される復帰信号を取得したか否か判断する。復帰信号を取得していないと判断された場合(S103:NO)、S104の処理をスキップする。復帰信号を取得したと判断された場合(S103:YES)、S104へ移行し、復帰処理を行う。具体的には、揮発性メモリ356を、正常値「1」に復帰させる。
図4に示す電源失陥情報保持処理は、IGがオンされたとき、制御部60にて実行される。S201では、制御部60は、電源失陥情報を要求する要求信号を回転角センサ30に送信する。
S202では、制御部60は、回転角センサ30からの電源失陥情報を取得したか否か判断する。電源失陥情報を取得していないと判断された場合(S202:NO)、この判断処理を繰り返す。電源失陥情報を取得したと判断された場合(S202:YES)、S203へ移行する。
S203では、制御部60は、不揮発性メモリ67に空き領域があるか否か判断する。空き領域がないと判断された場合(S203:NO)、S204へ移行し、不揮発性メモリ67の書き込みエリアのデータ消去を行う。空き領域があると判断された場合(S203:YES)、S204をスキップし、S205へ移行する。
S205では、制御部60は、回転角センサ30から取得された電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶する。S206では、制御部60は、回転角センサ30に復帰信号を送信する。
S207では、制御部60は、IGオフ中に回転角センサ30の電源失陥があったか否か判断する。IGオフ中の電源失陥がなかったと判断された場合(S207:NO)、S208の処理をスキップする。IGオフ中の電源失陥があったと判断された場合(S207:YES)、S208へ移行する。
S208では、制御部60は、回転回数TCを演算可能な代替情報を外部装置500から取得し、代替情報を用いた制御を行う。本実施形態では、外部装置500は例えばステアリングセンサであって、ステアリングセンサ等の検出値に基づく舵角情報を代替情報として取得する。角度演算部64は、代替情報を用いて絶対角θaを演算する。また、車両直進時に基準値を合わせる補正処理を行い、補正情報を代替情報制御に係る情報として不揮発性メモリ67に記憶する。
本実施形態では、IGがオンされたとき、制御部60は、回転角センサ30から取得された電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶してから、復帰信号を回転角センサ30に送信する。これにより、例えばクランキング等によるバッテリ電圧の低下により、制御部60のリセットが発生した場合であっても、電源失陥の履歴は回転角センサ30または不揮発性メモリ67に保持される。
以上説明したように、センサ装置1は、回転角センサ30と、制御部60と、を備える。回転角センサ30は、検出素子31~33、電源失陥判定回路355、および、通信部359を有し、始動スイッチ901がオフされている間においてもバッテリ給電線Lbからの給電により少なくとも一部の動作を継続可能である。
検出素子31~33は、検出対象であるモータ80の動作に応じた物理量の変化を検出する。電源失陥判定回路355は、始動スイッチ901を経由しないバッテリ給電線Lbからの電力が供給されなくなる電源失陥を判定可能である。通信部359は、電源失陥が生じたか否かに係る電源失陥情報を含むセンサ情報を送信する。センサ情報には、電源失陥情報に加え、回転角情報、回転回数情報および回転角センサ30の異常情報等が含まれる。
制御部60は、通信部69、制御演算部65、および、不揮発性メモリ67を有し、始動スイッチ901を経由して供給される電力で動作する。換言すると、制御部60は、始動スイッチ901がオフされている間は、動作が停止している。なお、不揮発性メモリ67に記憶された情報は、始動スイッチ901がオフされても保持される。
通信部69は、回転角センサ30からセンサ情報を受信し、電源失陥情報のリセットを指令する復帰信号を回転角センサ30に送信する。制御演算部65は、センサ情報を用いて制御演算を行う。不揮発性メモリ67は、電源失陥情報を記憶する。制御部60は、始動スイッチ901がオフされていた間の電源失陥情報を回転角センサ30から取得し、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶した後に、復帰信号を回転角センサ30に送信する。なお、不揮発性メモリ67に記憶させる電源失陥情報について、例えばデータ形式等は回転角センサ30から送信されるものと異なっていてもよい。
これにより、始動スイッチ901のオン直後に、例えばクランキングによる電圧低下により制御部60がリセットされたとしても、回転角センサ30側および不揮発性メモリ67の少なくとも一方に電源失陥履歴に係る履歴情報を保持することができる。
制御演算部65は、回転角センサ30において始動スイッチ901がオフされている間に電源失陥が生じていた場合、回転角センサ30以外の外部装置500から取得される代替情報を用いた代替情報制御を行う。不揮発性メモリ67には、代替情報制御に係る情報が記憶される。これにより、始動スイッチ901のオフ中に電源失陥が生じていた場合であっても、適切に制御を行うことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図5および図6に示す。上記実施形態で説明したように、制御部60は、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶した後に回転角センサ30に復帰信号を送信することで、制御部60のリセットが生じた場合にも電源失陥情報が保持される。
第2実施形態を図5および図6に示す。上記実施形態で説明したように、制御部60は、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶した後に回転角センサ30に復帰信号を送信することで、制御部60のリセットが生じた場合にも電源失陥情報が保持される。
不揮発性メモリ67が例えばEEPROMやフラッシュメモリ等である場合、一般的に、書き込みエリアを消去した後、データの書き込みを行うが、エリア消去に時間がかかる場合、IGオンからスタータが起動するまでの時間(約0.6秒)に電源失陥情報の書き込みができない虞がある。
図5に示すように、本実施形態の不揮発性メモリ67には、複数の仮想セクタ0~nが設けられている。それぞれの仮想セクタには、当該セクタの情報を有効とするか無効とするかを示す有効化情報、記憶データの管理情報、および、電源失陥情報等の記憶に用いられるデータ領域が設けられている。電源失陥情報を記憶させるとき、矢印で示すように、仮想セクタ0から順に使用し、仮想セクタnまで使い切った場合、最新の情報が記憶されているセクタ(例えば最終の仮想セクタn)以外の少なくとも一部のセクタの情報を消去する。データ消去は、任意のタイミングで実施可能であるが、例えばIG-OFFシーケンスにてガーベージコレクションを実施する等、時間や演算負荷に余裕のあるタイミングにて実施されることが好ましい。
本実施形態の電源失陥情報保持処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。S301、S302の処理は、図4中のS201、S202の処理と同様である。電源失陥情報を取得したと判断された場合(S302:YES)、S303へ移行する。
S303では、制御部60は、不揮発性メモリ67の空きセクタXを探索する。ここでは、仮想セクタ0から順に探索し、最初の空き領域を空きセクタXとする。制御部60は、S304にて、空きセクタXに電源失陥の有無に係る情報を記憶し、S305にて、今回の空きセクタXの直前のセクタ(X-1)を無効化する。S306では、制御部60は、図4中のS206と同様、回転角センサ30に復帰信号を送信する。
S307では、制御部60は、図4中のS207と同様、IGオフ中に回転角センサ30の電源失陥があったか否か判断する。電源失陥がなかったと判断された場合(S307:NO)、S308へ移行し、直前のセクタ(X-1)に記憶されている補正情報があれば、補正情報を空きセクタXに引き継ぐことで情報の連続性を担保する。電源失陥があったと判断された場合(S307:YES)、S309へ移行し、図4中のS208と同様、代替情報制御を行う。また、電源失陥履歴を記憶したセクタXに、補正情報を併せて記憶する。
本実施形態では、不揮発性メモリ67に、電源失陥情報を記憶させる複数の仮想セクタ0~nを設け、IGオン時の電源失陥情報を回転角センサ30から取得するタイミングにて、電源失陥情報を記憶可能な空き領域を確保しておく。これにより、データ書き込みに要する時間を短縮することができる。
また、フラグ等を用いて最新以外の情報が記憶されているセクタを無効化し、角度演算部64および制御演算部65等では、有効であるセクタの情報を用いるように構成している。これにより、都度、データの消去を行わなくても、適切な情報を用いることができる。
本実施形態では、不揮発性メモリ67には、複数の仮想セクタ0~nが設けられている。制御部60は、電源失陥情報を空いている仮想セクタに記憶し、有効化情報を制御することで有効データを判別する。これにより、書き込みエリアのデータを消去してから書き込みをする場合と比較し、電源失陥情報の書き込みに要する時間を短縮することができる。
また、制御部60は、始動スイッチ901がオフされるまでの期間において、有効データが記憶されている箇所を除く少なくとも1つの仮想セクタのデータ消去を行う。なお、始動スイッチ901がオフされるまでの期間の処理には、電源オフ時動作であるIG-OFFシーケンスも含むものとする。これにより、始動スイッチ901がオンされたときに電源失陥情報を記憶する領域に確実に空き領域を確保することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態を図7~図9に示す。図7に示すように、本実施形態では、不揮発性メモリ67の少なくとも1つの仮想セクタのデータ領域には、複数(図7の例では2つ)の電源失陥情報領域a、bが設けられている。当該仮想セクタを用いる場合、情報領域a、bのうち情報領域aを優先的に使用するものとして説明する。
第3実施形態を図7~図9に示す。図7に示すように、本実施形態では、不揮発性メモリ67の少なくとも1つの仮想セクタのデータ領域には、複数(図7の例では2つ)の電源失陥情報領域a、bが設けられている。当該仮想セクタを用いる場合、情報領域a、bのうち情報領域aを優先的に使用するものとして説明する。
本実施形態の電源失陥情報保持処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。S401、S402の処理は、図4中のS201、S202の処理と同様である。電源失陥情報を取得したと判断された場合(S402:YES)に移行するS403では、制御部60は、図4中のS207と同様、IGオフ中に回転角センサ30の電源失陥があったか否か判断する。電源失陥があったと判断された場合(S403:YES)、S406へ移行する。電源失陥がなかったと判断された場合(S403:NO)、S404へ移行する。
制御部60は、S404にて空きセクタXを探索し、S405にて空きセクタXの情報領域aに、今回取得された電源失陥情報、すなわち電源失陥履歴がない旨の情報を記憶する。
S406では、制御部60は、現在の有効セクタYを探索する。有効セクタYにおいては、情報領域aに電源失陥情報が記憶されている。S407では、制御部60は、有効セクタYの情報領域aの有効化フラグを無効化する。S408では、制御部60は、有効セクタYの情報領域bに、今回取得された電源失陥に係る情報、および、代替制御に係る補正情報等を記憶する。
S409では、制御部60は、動作電圧が安定しているか否か判断する。ここでは、バッテリ電圧等の電圧値そのものをモニタしてもよいし、例えばクランキングに要する時間が経過した場合、動作電圧が安定していると判定するようにしてもよい。動作電圧が安定していないと判断された場合(S409:NO)、この判断処理を繰り返す。動作電圧が安定していると判断された場合(S409:YES)、S410へ移行する。
S410では、制御部60は、現在の有効セクタYの情報領域bの情報を、空きセクタXの情報領域aにコピーする。S411では、制御部60は、現在の有効セクタYの情報領域bの有効化フラグを無効化する。S412では、制御部60は、現在の有効セクタYを無効化し、情報をコピーしたセクタXを有効化する。
情報読み出し処理を図9のフローチャートに基づいて説明する。S701では、制御部60は、不揮発性メモリ67の有効セクタを探索する。S702では、制御部60は、探索された有効セクタの情報領域aが有効か否か判断する。情報領域aが有効であると判断された場合(S702:YES)、S703へ移行し、情報領域aの情報を各種制御等に用いる。情報領域aが無効であると判断された場合(S702:NO)、S704へ移行する。
S704では、制御部60は、情報領域bが有効か否か判断する。情報領域bが有効であると判断された場合(S704:YES)、S705へ移行し、情報領域bの情報を各種制御等に用いる。情報領域bが無効であると判断された場合(S704:NO)、S706へ移行する。S706では、制御部60は、有効データがないので、エラー通知を行う。
本実施形態では、不揮発性メモリ67の各仮想セクタにおいて、有効化フラグおよび電源失陥情報が複数書き込めるように構成されている。これにより、電源失陥情報を取得したタイミングでのデータ消去を行うことなく、適切に情報を記憶することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態の電源失陥情報保持処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、電圧低下によるリセットが生じる虞のあるクランキングのタイミングを避けて電源失陥情報の記憶と復帰信号の送信を行う。
第4実施形態の電源失陥情報保持処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、電圧低下によるリセットが生じる虞のあるクランキングのタイミングを避けて電源失陥情報の記憶と復帰信号の送信を行う。
S501、S502の処理は、図4中のS201、S202の処理と同様である。S503では、制御部60は、IGオフ中の電源失陥の有無を判定する。S504の処理は、図8中のS409の処理と同様、制御部60は、動作電圧が安定しているか否か判断する。動作電圧が安定していないと判断された場合(S504:NO)、この判断処理を繰り返す。動作電圧が安定していると判断された場合(S504:YES)、S505へ移行する。
S505の処理は、図4中のS207の処理と同様であり、電源失陥がなかったと判断された場合(S505:NO)、S507へ移行し、電源失陥があったと判断された場合(S505:YES)、S506へ移行し、代替情報制御を行う。ここでは、代替情報制御として、図4のS208と同様、外部情報を用いた絶対角演算、および、車両直進時に基準位置を合わせる補正処理を行う。
S507では、制御部60は、電源失陥情報、および、電源失陥があった場合の補正値等の代替情報制御に係る情報を不揮発性メモリ67に記憶する。不揮発性メモリ76への記憶手法は問わず、例えば第2実施形態や第3実施形態の手法を採用可能である。図11のS609等も同様である。
S508では、制御部60は、復帰信号を回転角センサ30に送信する。図8では、クランキング完了後、不揮発性メモリへの記憶と連続的に復帰信号の送信を行うものとして記載しているが、復帰信号の送信は、クランキング完了後であれば任意のタイミングでよく、例えば時間に余裕のあるIGオフシーケンスにて実施してもよい。
制御部60は、バッテリ900を共用する他の装置の駆動による電圧低下期間が完了した後、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶し、その後、復帰信号を回転角センサ30に送信する。なお、電圧低下期間中においても、電源失陥の有無に係る判定は行われる。これにより、例えばクランキング等でのバッテリ電圧の低下により制御部60がリセットされた場合であっても、回転角センサ30側にて電源失陥情報を保持することができる。
通信部69は、始動スイッチ901をオフにするときの電源オフ動作時処理にて復帰信号を回転角センサ30に送信するようにしてもよい。上記実施形態の復帰信号送信についても同様である。これにより、比較的演算負荷が大きい、始動スイッチ901オン直後の演算負荷を低減することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
第5実施形態による電源失陥情報保持処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、回転角センサ30の揮発性メモリ356は、複数のメモリ領域p、qが設けられている。複数のメモリ領域p、qには、電源失陥が生じた場合、同時に初期値「0」になることでフラグがセットされる。また、正常値「1」に復帰させることでの電源失陥フラグのリセットは、メモリ領域p、q毎に個別に実施可能である。ここでは、メモリ領域p、qが各1ずつであるものとして説明するが、複数であってもよく、領域数が異なっていてもよい。
第5実施形態による電源失陥情報保持処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。本実施形態では、回転角センサ30の揮発性メモリ356は、複数のメモリ領域p、qが設けられている。複数のメモリ領域p、qには、電源失陥が生じた場合、同時に初期値「0」になることでフラグがセットされる。また、正常値「1」に復帰させることでの電源失陥フラグのリセットは、メモリ領域p、q毎に個別に実施可能である。ここでは、メモリ領域p、qが各1ずつであるものとして説明するが、複数であってもよく、領域数が異なっていてもよい。
S601、S602は、図4中のS201、S202の処理と同様である。電源失陥情報を取得したと判断された場合(S602:YES)に移行するS603では、制御部60は、メモリ領域pに対する復帰信号を送信する。これにより、回転角センサ30では、電源失陥が解消していればメモリ領域pが正常値「1」に復帰する。
一方、バッテリ給電線Lbの断線等により、電源失陥が継続している場合、メモリ領域pは初期値「0」が維持される。なお、電源失陥が継続していたとしても、IGオンによりIG経由にて電力が供給されれば、回転角センサ30は動作可能である。また、この段階では、メモリ領域qに係る復帰処理は行われず、IGオフ中に電源失陥が生じており、初期値「0」である場合はその状態が維持される。
S604では、制御部60は、IGオフ中に回転角センサ30の電源失陥があったか否か判断する。IGオフ中の電源失陥がなかったと判断された場合(S604:NO)、S609へ移行し、電源失陥の有無に係る情報を不揮発性メモリ67に記憶する。IGオフ中の電源失陥があったと判断された場合(S604:YES)、S605へ移行する。
S605では、制御部60は、回転角センサ30からメモリ領域pの電源失陥フラグを読み出す。S606では、制御部60は、メモリ領域pの電源失陥フラグがセットされているか否か判断する。電源失陥フラグがセットされていると判断された場合(S606:YES)、S611へ移行する。電源失陥フラグがセットされていないと判断された場合(S606:NO)、S607へ移行する。
S607では、復帰信号の送信により、メモリ領域pの電源失陥フラグがリセットされているので、制御部60は、回転角センサ30において、IGオフ中の電源失陥履歴があり、電源失陥は解消していると判定する。
制御部60は、S608にて代替情報制御を行い、S609にて電源失陥の有無に係る情報、および、電源失陥があった場合の補正値等の情報を不揮発性メモリ67に記憶する。S610では、制御部60は、メモリ領域qに対する復帰信号を送信する。なお、メモリ領域qに対する復帰信号の送信タイミングは、不揮発性メモリ67にデータを記憶させた後であれば、任意のタイミングで実施可能である。
復帰信号を送信した後もメモリ領域pの電源失陥フラグがセットされている場合(S606:YES)に移行するS611では、制御部60は、回転角センサ30において電源失陥が継続していると判定する。制御部60は、S612にて異常時処置を行い、S613にて、回転角センサ30にて電源失陥が継続している旨の異常情報を不揮発性メモリ67に記憶する。
本実施形態では、制御部60は、復帰信号を送信した後、回転角センサ30から電源失陥情報を再取得し、再取得された電源失陥情報に基づき、回転角センサ30にて電源失陥が継続しているか否か判定する。復帰信号を送信しても電源失陥フラグがリセットされない場合、電源失陥状態が継続していることを確認することができる。
電源失陥判定回路355は、電源失陥情報を記憶する記憶領域が複数設けられた揮発性メモリ356を有する。複数の記憶領域は、電源失陥が生じた場合、電源失陥が報じた旨の情報が同時に記憶される。なお、「同時」とは電源失陥が生じたことを記憶可能な程度のずれは許容されるものとする。また、複数の記憶領域は、復帰信号に応じて領域ごとに異なるタイミングにてリセット可能である。
また、制御部60は、一部の記憶領域に対する復帰信号を、不揮発性メモリ67への電源失陥情報を記憶させる前に送信する。これにより、IGオフ中における回転角センサ30の電源失陥の有無を速やかに判定可能である。また、不揮発性メモリ67への電源失陥情報を記憶させる前に、クランキングによる電圧低下にて制御部60がリセットされたとしても、メモリ領域qの電源失陥情報が保持されているため、制御部60のリセット後に再度電源失陥情報を取得することで、IGオフ時の電源失陥に係る情報を適切に取得することができる。
また、電源失陥情報を不揮発性メモリ67に記憶する前に復帰信号を送信したメモリ領域pの電源失陥フラグ状態を確認することで、回転角センサ30にて電源失陥が継続しているか否かを速やかに判定することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
実施形態では、回転角センサ30が「センサ部」、角度演算部352および回転回数演算部353が「センサ情報演算部」、揮発性メモリ356が「記憶部」、通信部359が「センサ側通信部」、通信部69が「制御部側通信部」、モータ80が「制御対象」に対応する。また、補正情報が「代替情報制御に係る情報」に対応する。
(他の実施形態)
上記実施形態では、1つの回転角センサに対し、1つの制御部が設けられており、アナログデジタル混載の構成となっている。他の実施形態では、回転角センサと制御部との組み合わせが複数であってもよいし、1つの回転角センサの検出値を複数の制御部で共用してもよいし、1つの制御部に対して複数の回転角センサが設けられていてもよい。また、回転角センサと制御部との通信は、アナログデジタル混載に限らず、デジタル通信のみであってもよい。
上記実施形態では、1つの回転角センサに対し、1つの制御部が設けられており、アナログデジタル混載の構成となっている。他の実施形態では、回転角センサと制御部との組み合わせが複数であってもよいし、1つの回転角センサの検出値を複数の制御部で共用してもよいし、1つの制御部に対して複数の回転角センサが設けられていてもよい。また、回転角センサと制御部との通信は、アナログデジタル混載に限らず、デジタル通信のみであってもよい。
上記実施形態では、センサ装置は、モータの回転を検出するものである。他の実施形態では、センサ装置は、例えばトルクセンサやステアリングセンサ等、モータ回転角センサ以外のものであってもよい。
上記実施形態では、モータは三相ブラシレスモータである。他の実施形態では、モータ部は、三相ブラシレスモータに限らず、どのようなモータであってもよい。また、モータ部は、モータ(電動機)に限らず、発電機であってもよいし、電動機および発電機の機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであってもよい。上記実施形態では、センサ装置は、電動パワーステアリング装置に適用される。他の実施形態では、センサ装置を電動パワーステアリング装置以外の装置に適用してもよい。
本発明の特徴は、例えば以下の通りとしてもよい。「前記不揮発性メモリには、複数の仮想セクタが設けられており、前記制御部は、前記電源失陥情報を空いている前記仮想セクタに記憶し、有効化情報を制御することで有効データを判別する請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ装置。」、「前記制御部は、前記復帰信号を送信した後、前記センサ部から前記電源失陥情報を再取得し、再取得された前記電源失陥情報に基づき、前記センサ部にて前記電源失陥が継続しているか否か判定する請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ装置。」、「前記電源失陥判定回路は、前記電源失陥情報を記憶するメモリ領域が複数設けられた記憶部(356)を有し、複数の前記メモリ領域は、前記電源失陥が生じた場合、前記電源失陥が生じた旨の情報が同時に記憶され、前記復帰信号に応じて領域ごとに異なるタイミングでリセット可能である請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ装置。」である。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・センサ装置
30・・・回転角センサ(センサ部) 31~33・・・検出素子
352・・・角度演算部(センサ情報演算部)
353・・・回転回数演算部(センサ情報演算部)
355・・・電源失陥判定回路 356・・・揮発性メモリ(記憶部)
359・・・通信部(センサ側通信部)
60・・・制御部 65・・・制御演算部
67・・・不揮発性メモリ 69・・・通信部(制御部側通信部)
80・・・モータ(検出対象)
900・・・バッテリ 901・・・始動スイッチ
30・・・回転角センサ(センサ部) 31~33・・・検出素子
352・・・角度演算部(センサ情報演算部)
353・・・回転回数演算部(センサ情報演算部)
355・・・電源失陥判定回路 356・・・揮発性メモリ(記憶部)
359・・・通信部(センサ側通信部)
60・・・制御部 65・・・制御演算部
67・・・不揮発性メモリ 69・・・通信部(制御部側通信部)
80・・・モータ(検出対象)
900・・・バッテリ 901・・・始動スイッチ
Claims (9)
- 検出対象(80)の動作に応じた物理量の変化を検出する検出素子(31~33)、始動スイッチ(901)を経由しないバッテリ給電線(Lb)からの電力が供給されなくなる電源失陥を判定可能である電源失陥判定回路(355)、および、前記電源失陥が生じたか否かに係る電源失陥情報を含むセンサ情報を送信するセンサ側通信部(359)を有し、前記始動スイッチがオフされている間においても前記バッテリ給電線からの給電により少なくとも一部の動作を継続可能なセンサ部(30)と、
前記センサ部から前記センサ情報を受信し、前記電源失陥情報のリセットを指令する復帰信号を前記センサ部に送信する制御部側通信部(69)、前記センサ情報を用いて制御演算を行う制御演算部(65)、および、前記電源失陥情報を記憶する不揮発性メモリ(67)を有し、前記始動スイッチを経由して供給される電力で動作する制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、前記始動スイッチがオフされていた間の前記電源失陥情報を前記センサ部から取得し、前記電源失陥情報を前記不揮発性メモリに記憶した後に、前記復帰信号を前記センサ部に送信するセンサ装置。 - 前記制御演算部は、前記センサ部において前記始動スイッチがオフされている間に前記電源失陥が生じていた場合、前記センサ部以外の外部装置(500)から取得される代替情報を用いた代替情報制御を行い、
前記不揮発性メモリには、前記代替情報制御に係る情報が記憶される請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記制御部は、バッテリ(900)を共用する他の装置の駆動による電圧低下期間が完了した後、前記電源失陥情報を前記不揮発性メモリに記憶する請求項1または2に記載のセンサ装置。
- 前記制御部側通信部は、前記始動スイッチをオフにするときの電源オフ動作時処理にて前記復帰信号を前記センサ部に送信する請求項1または2に記載のセンサ装置。
- 前記不揮発性メモリには、複数の仮想セクタが設けられており、
前記制御部は、前記電源失陥情報を空いている前記仮想セクタに記憶し、有効化情報を制御することで有効データを判別する請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記制御部は、前記始動スイッチがオフされるまでの期間において、有効データが記憶されている箇所を除く少なくとも1つの前記仮想セクタのデータ消去を行う請求項5に記載のセンサ装置。
- 前記制御部は、前記復帰信号を送信した後、前記センサ部から前記電源失陥情報を再取得し、再取得された前記電源失陥情報に基づき、前記センサ部にて前記電源失陥が継続しているか否か判定する請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記電源失陥判定回路は、前記電源失陥情報を記憶するメモリ領域が複数設けられた記憶部(356)を有し、
複数の前記メモリ領域は、前記電源失陥が生じた場合、前記電源失陥が生じた旨の情報が同時に記憶され、前記復帰信号に応じて領域ごとに異なるタイミングでリセット可能である請求項1または7に記載のセンサ装置。 - 前記制御部は、一部の前記メモリ領域に対する前記復帰信号を、前記不揮発性メモリへ前記電源失陥情報を記憶させる前に送信する請求項8に記載のセンサ装置。
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