JP2024013670A - 頭蓋形状矯正用ヘルメット - Google Patents

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Abstract

【課題】頭蓋形状を矯正するためのヘルメット治療を開始したばかりの、体の動きが激しい乳幼児であっても、頭蓋形状矯正用ヘルメットが意図せずに頭蓋部分から外れる、又はヘルメットと頭蓋部分との位置関係がずれる、ことを防止することが可能な、頭蓋形状矯正用ヘルメットを提供する。【解決手段】頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、頭蓋形状矯正用ヘルメット。【選択図】図1

Description

本発明は、人間、特に乳幼児の頭蓋部分の形状を矯正するために用いられるヘルメットに関する。そして特には、頭蓋形状矯正用ヘルメット、具体的にはその外側シェル、の内表面に貼付された内側ライナーにより、頭蓋形状矯正用ヘルメットと頭蓋部分との間の押圧力が適切に保たれることで、これらの位置関係が極力一定に保持されるように構成された頭蓋形状矯正用ヘルメットに関する。そして更には、この内側ライナーが、頭蓋形状矯正用ヘルメット内表面から容易に取外し可能に構成されている頭蓋形状矯正用ヘルメットに関する。
人間の乳幼児、特に生後3カ月程度を経過した乳児には、頭蓋部分の形状が歪む、いわゆる斜頭症、長頭症又は短頭症などの症状が現れることがある。例えば斜頭症では、乳児の頭部を上方から見た際に、頭蓋が斜めに歪んで片側に傾斜し、左右非対称になる。長頭症又は短頭症では、頭蓋の前後方向の寸法が長く又は短く変形する。そして、これらのような状態を放置して歪みが進行すると、乳幼児の成長に伴って、耳の位置や顔面が変形した状態で固定されてしまう。
このようなことから、症状に応じて、特許文献1及び2に例示されるような頭蓋形状矯正用ヘルメットを乳児の頭部に被嵌させて、その状態で日常生活を送る、という治療方法(以下「ヘルメット治療」ともいう。)が採用されることがある。特許文献1及び2に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットを用いたヘルメット治療により、歪んだ頭蓋の形状を、乳幼児の成長につれて、徐々に正常に戻すことが可能になり、一定程度以上の治療効果が得られていた。
頭蓋形状矯正用ヘルメットは、現在の頭蓋部分の形状と、矯正後に想定される形状と、の双方を考慮して、治療の対象となる乳児個々の頭蓋部分に合わせて作成され、外側シェルと内側ライナーを備えていることが一般的である。内側ライナーは、外側シェルと頭蓋との間に配置されるいわばクッションの機能を担っているところ、乳幼児の汗等で汚染されうることから、所望のタイミングで交換することが推奨されている。そして、内側ライナーの交換の容易性等の観点から、内側ライナーと外側シェルは、面ファスナー部材を介して貼着することが好ましいと考えられている。
特許第6833240号 特許第6333514号
ヘルメット治療は、睡眠中も含めて一日のほとんどの時間(例えば、1日20時間以上)、治療対象となる乳児の頭蓋部分に頭蓋形状矯正用ヘルメットを被嵌した状態で行うことが推奨されている。ヘルメット治療において、意図せずに頭蓋形状矯正用ヘルメットが非所望の位置にずれてしまう、または意図せずに頭蓋形状矯正用ヘルメットが外れてしまうと、その都度、介助者、多くは治療対象となる乳児の保護者、が頭蓋形状矯正用ヘルメットの被嵌をやり直すことになり、たいへん煩雑である。従って、このような不具合を避けるためには介助者が常に治療対象の乳児に気を配る必要がある。また、不具合に気付くのが遅れると、再度の被嵌や位置関係の再調整まで長い時間がかかる。そして、治療の観点からは、本来であれば、固定した位置関係で継続して被嵌されていることが望ましい頭蓋形状矯正用ヘルメットが度々外れる、又は位置関係がずれることで、治療の効果が限定され、それにより、治療の期間が当初の想定より不要に長くなる場合がある。
このように、ヘルメット治療においては、頭蓋形状矯正用ヘルメットのずれを防止することが重要であるところ、本発明者らは、長年の頭蓋形状矯正用ヘルメットの開発経験に基づき、ヘルメット治療では治療開始してから最初の数カ月程度において頭蓋形状矯正用ヘルメットを適切に被嵌できているか否かが、その後の治療効果に治療期間に大きな影響を与えうる、という新たな知見を見出した。本発明者らは、かかる知見に基づき、特にヘルメット治療を開始して間もない乳幼児においては、頭蓋形状矯正用ヘルメットのズレを極力抑制することが可能と考えられる、高密度を有する軟質ポリウレタン層を採用することを試みた。
しかしながら、本発明者らは、高密度を有する軟質ポリウレタン層を内側ライナーとして採用し、面ファスナー部材を介して外側シェルに貼着することを試みたところ、面ファスナー部材への結合が極めて弱いか、又は面ファスナー部材に全く結合しない結果、内側ライナーの位置が極めて容易にずれてしまい、頭蓋形状矯正用ヘルメットとして満足いくものが得られない、という新たな課題を見出した。
本発明者らは、このようなヘルメット治療特有の状況にも着目し、鋭意検討を進め、後述する発明を完成するに至った。
本発明は、要旨、以下のものを提供する。
〔1〕 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔2〕 前記貼着層が、ナイロン製である、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔3〕 前記貼着層が、薄層である、〔1〕又は〔2〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔4〕 前記軟質ポリウレタン層が、ポリエステルフォーム製である、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔5〕 前記軟質ポリウレタン層が、低反発弾性である、〔1〕又は〔2〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔6〕 外側シェルが、合成樹脂製である、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔7〕 外側シェルの両側頭部にスリットが設けられる、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔8〕 前記スリットが両側頭部の上縁から下縁まで延伸されることにより、前記外側シェルが前側シェル及び後側シェルに分割されてなる、〔7〕に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット。
〔9〕 前記外側シェルが、メッシュ構造である、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔10〕 前記外側シェルの周縁部の厚みが、他の部分の厚みより厚く構成される、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔11〕 前記外側シェルの前方両側面には、鉛直方向に一対の補強部を更に有する、〔1〕に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔12〕 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
内側ライナーは、30%以下の反発弾性を有し、かつ90~110kg/mの密度を有する、ポリエステルフォーム製の軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在なナイロン製の貼着層と、を含む、
頭蓋形状矯正用ヘルメット。
〔13〕 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットに用いられる内側ライナーであって、
高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
内側ライナー。
本発明に係る頭蓋形状矯正用ヘルメットによれば、治療に相応しい素材の内側ライナーを用いて、簡単な構成により、ヘルメット、具体的には後述するその外側シェルの内表面と、治療対象となる形状を有する頭蓋部分との間の摩擦係数を大きくすることが可能となる。このことにより、ヘルメットを被嵌した乳幼児の体の動きによる、頭蓋部分とヘルメットとの位置関係を適切に保つ、即ちこれらの間のずれを抑制することが可能となる。このことにより、結果的に、意図せずに頭蓋形状矯正用ヘルメットが頭蓋部分から外れることを防止することができる。この内側ライナーとしては、低反発弾性の材料を使用しているため、乳幼児の頭蓋部分への負担を軽減できる。また、本発明に係る頭蓋形状矯正用ヘルメットによれば、ヘルメット本体と内側ライナーとの間を、簡易な構成の面ファスナー部材により密着させることで、使用されている内側ライナーを、簡便に着脱可能に構成している。このことから、治療の進捗に応じて、該部材を適宜取り外して形状を変更することが可能となり、効果的な治療を行うことが可能となる。
図1は、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの一実施態様における全体を概略的に示す正面図である。 図2は、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットを被嵌した際の、頭蓋部分、内側ライナー、面ファスナー部材及びヘルメット内表面の位置関係を示す、部分断面図である。 図3は、本明細書中に記載のヘルメットに用いられる内側ライナーと、面ファスナー部材との関係を示す分解斜視図である。 図4は、本明細書中に記載のヘルメットに用いられる面ファスナー部材の、別の態様を示す斜視図である。 図5は、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの別の実施態様を示す斜視図である。 図6は、本本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの更に別の実施態様を示す斜視図である。
本発明の一実施態様では、頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
頭蓋形状矯正用ヘルメットを提供する。
本明細書中に記載の「外側シェル」は、その内表面側の少なくとも一部に面ファスナー部材を備えることが可能なものである限り、材質等は特段限定されるものではない。外側シェルは、例えば、合成樹脂製であってもよい。合成樹脂としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブチレン、ABS樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂の等が挙げられる。外側シェルは、粉末焼結積層造形法による成形の容易さや、強度及び硬度の点から、ポリアミド、特にポリアミド12が好ましい。また成型後の外側シェル100のショアD硬度は、例えば約70~約85、特には約75~約80であることが好ましい。
本発明の一実施態様では、外側シェルが、合成樹脂製(好ましくはポリアミド製、より好ましくはポリアミド12製)である。
外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられる面ファスナー部材は、後述する内側ライナーの貼着層に着脱可能に貼着できるものであれば、大きさ、形状、材質、位置等は特段限定されるものではない。面ファスナー部材の形状は、これらに限定されるものではないが、例えば、略三角形、略長方形、略正方形、略五角形、略六角形、略円形、略楕円形などが挙げられる。面ファスナー部材は、外側シェルの内表面の略全面に備えられていてもよいし、外側シェルの内表面の一部に設けられていてもよい。面ファスナー部材が外側シェルの内表面の一部に設けられる場合、面ファスナー部材は、例えば、前額部分に対応する位置、両側頭部に対応する位置、及び/又は後頭部に対応する位置に、それぞれ1つ又は複数(例えば、2~約10個)備えられていてもよい。
面ファスナー部材は、外側シェルの材質を考慮し、所望の方法で外側シェルの内表面に接着することができる。例えば、外側シェルが合成樹脂製の場合、面ファスナー部材は、接着剤により外側シェルの内表面に接着してもよい。
外側シェルは、前側シェルと後側シェルとの間に、スリットを設けてもよい。これにより、頭蓋部分の成長に応じてスリットを適宜開き、前側シェルと後側シェルとの位置関係の調整が容易となる。スリットは、両側頭部の上縁から下縁まで延伸されていてもよい。これにより、外側シェルは、前側シェルと後側シェルとに分割可能としてもよい。
本発明の一実施態様では、外側シェルの両側頭部にスリットが設けられる。本発明の好ましい実施態様では、スリットが両側頭部の上縁から下縁まで延伸されることにより、前記外側シェルが前側シェル及び後側シェルに分割されてなる。
外側シェルの表面は、メッシュ構造であってもよいし、複数の通気孔が設けられていてもよい。これにより、頭蓋形状矯正用ヘルメット内外間の通気性が良好となり、治療対象の乳児の汗の放散や、頭蓋形状矯正用ヘルメット内部で発生する熱の放熱などの点で有利な効果が期待できる。外側シェルがメッシュ構造である場合、面ファスナー部材が接着する部分においては、他の部分(即ち、面ファスナー部材が接着しない部分)よりもメッシュを細かくするか、メッシュを埋めてもよい。このようにすることで、外側シェルと面ファスナー部材との接触面積が増えるため、面ファスナー部材をより強固に接着することが可能となる。
本発明の一実施態様では、外側シェルが、メッシュ構造である。
外側シェルは、その周縁部が周縁補強部により補強されていてもよい。周縁補強部は、外側シェルのその他の部分(周縁補強部を除く部分)の厚さよりも、厚く構成されていてもよい。周縁補強部の横断面形状は、特段限定されるものではないが、例えば、直径約4~約8mm程度の略円形である所謂円形縁取りであってもよい。この場合、外側シェルの周縁補強部を除く部分の厚さは、例えば、約2~約4mm程度であってもよい。周縁補強部は、例えば、登頂開口部を規定している略円形の上縁と共に前側シェルの周辺部及び後側シェルの周辺部において肉厚を増大せしめた部分であってもよい。
本発明の一実施態様では、外側シェルの周縁部の厚みが、他の部分の厚みより厚く構成される。
外側シェルの前方両側面には、鉛直方向に一対の補強部が設けられていてもよい。補強部が設けられることで、その結果として構成される湾曲部分に乳児の耳が挿入されて、頭蓋形状矯正用ヘルメットと頭蓋部分との位置関係が概ね固定することが可能となる。このように構成することにより、ヘルメットと頭蓋部分との位置関係は、より安定しうる。また、頭蓋形状矯正用ヘルメットと頭蓋部分との間の押圧力を更に高めて、両者の位置関係をより安定させるために、外側シェルの内表面から頭蓋部分に向けて突出する、肉厚化部材(アタッチメント等)を、外側シェルの内表面に、部分的に更に設けても良い。
本発明の一実施態様では、外側シェルの前方両側面には、鉛直方向に一対の補強部を更に有する。
本明細書中に記載の内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と、貼着層とを含むものである限り、特段限定されるものではない。内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と貼着層のみであってもよいし、それ以外の層を含んでいてもよい。内側ライナーは、外側シェルと乳幼児の頭蓋の大きさ等を考慮し、所望の厚さとすることができる。内側ライナーは、1つの部材であってもよいし、複数部材であってもよい。内側ライナーは、交換の容易性(例えば、汗等で汚れた部分のみを交換できるように)の観点から、複数部材(例えば、2~約10個の部材、好ましくは2~約6個の部材)であることが好ましい。
本明細書中に記載の「軟質ポリウレタン層」とは、軟質ポリウレタンを主要な材料とする層である限り、特段限定されるものではない。軟質ポリウレタンとしては、これらに限定されるものではないが、ポリエステルフォーム、ポリエーテルフォームなどが挙げられるが、好ましくはポリエステルフォームである。軟質ポリウレタン層は、単層であってもよいし、複数の層(例えば、反発弾性や密度が異なる2種以上の軟質ポリウレタン層を組み合わせたもの)であってもよい。軟質ポリウレタン層の厚さは、本発明の目的を達成することができる限り特段限定されるものではないが、例えば、約1~約50mm、好ましくは約2~約40mm、より好ましくは約3~約30mm、さらに好ましくは約4~約20mmであってもよい。
軟質ポリウレタン層は、低反発弾性(反発弾性が、例えば約0~約50%(約50以下)、好ましくは約0~約40%(約40%以下)、より好ましくは約0~約30%(約30%以下))のものが好ましい。低反発弾性の軟質ポリウレタン層を用いることで、頭蓋部分と頭蓋形状矯正用ヘルメットとの位置関係を適切に保つことが可能となり、特にヘルメット治療開始直後の乳幼児において高い治療効果が期待できる。ここで、反発弾性とは、加えた力と跳ね返る力の比をパーセントで表した数値であり、例えば、反発弾性が100%とは、その材料におもりを落とした際におもりが元の位置(元の高さ)まで跳ね返ることを表し、逆に反発弾性が0%とは、少しも跳ね返らず、その場に静止することを表す。
本明細書中に記載の「高密度を有する軟質ポリウレタン層」とは、見掛け密度が約40kg/m以上(例えば、約40~約200kg/m、好ましくは約60~約160kg/m、より好ましくは約70~約140kg/m、さらに好ましくは約80~約120kg/m、なおさらに好ましくは、約90~約110kg/m)を有する軟質ポリウレタン層を意味する。高密度を有する軟質ポリウレタン層を使用することで、より高い治療効果が期待できる。本明細書中に記載の内側ライナーの一実施態様では、軟質ポリウレタン層(好ましくはポリエステルフォーム)の見掛け密度は、約95kg/mである。なお、従来から内側ライナーの材料として用いられている、ポリエーテルフォームの見掛け密度は、約30kg/mである。
本明細書中に記載の「貼着層」とは、少なくとも一方の面の少なくとも一部が、外側シェルの内表面に備えられた面ファスナー部材と着脱可能に接着できるものである限り、特段限定されるものではない。貼着層は、単層であってもよいし、複数の層であってもよい。貼着層は、これらに限定されるものではないが、例えば、ナイロン製のもの、面ファスナーのもの(例えば、外側シェルの内表面に備えられる面ファスナー部材が鈎形状を含むものであれば、ループ形状を含むもの、外側シェルの内表面に備えられる面ファスナー部材がループ形状を含むものであれば、鈎形状を含むもの)などが挙げられる。貼着層の厚さは、本発明の目的を達成することができる限り特段限定されるものではないが、例えば、約0.001~約1mm、好ましくは約0.005~約0.5mm、より好ましくは約0.01~約0.1mmであってもよい。
軟質ポリウレタン層と貼着層は、軟質ポリウレタン層と貼着層が接する面の各々の材質等を考慮し、所望の方法で接着することができる。接着方法は、これらに限定されるものではないが、例えば、接着剤、熱圧着などによる接着が挙がられる。
本発明の一実施態様では、貼着層が、ナイロン製(好ましくはナイロントリコット)である。
本発明の一実施態様では、貼着層が、薄層である。
本発明の好ましい一実施態様では、貼着層が、ナイロン製の薄層である。
本発明の一実施態様では、軟質ポリウレタン層が、ポリエステルフォーム製である。
本発明の一実施態様では、軟質ポリウレタン層が、低反発弾性(好ましくは、反発弾性が約30%以下)である。
本発明の好ましい実施態様では、軟質ポリウレタン層が、低反発弾性(好ましくは、反発弾性が約30%以下)を有するポリエステルフォーム製である。
本発明の好ましい実施態様では、軟質ポリウレタン層が、約30%以下の反発弾性を有し、かつ約90~約110kg/mの見掛け密度を有する。
本発明のより好ましい実施態様では、軟質ポリウレタン層が、約30%以下の反発弾性を有し、かつ約90~約110kg/mの見掛け密度を有するポリエステルフォーム製である。
本発明の好ましい実施態様では、頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
内側ライナーは、約30%以下の反発弾性を有し、かつ約90~約110kg/mの見掛け密度を有する、ポリエステルフォーム製の軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在なナイロン製の貼着層と、を含む、
頭蓋形状矯正用ヘルメットを提供する。
本発明の別の実施態様では、頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットに用いられる内側ライナーであって、
高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
内側ライナーを提供する。
本明細書中に記載の頭蓋形状矯正ヘルメットは所望の方法により製造することができる。例えば、外側シェルは、矯正すべき変形頭蓋の外形に基づいて、3Dプリンタによる製造方法によって成形してもよい。矯正すべき変形頭蓋の外形は、それ自体は周知の三次元スキャン様式によって、確定することができる。また、好適な例示である粉末焼結積層造形法自体は、公知の造形法であるため、その詳細な説明は本明細書においては省略する。このようにして得られた外側シェルの内表面の所望の位置に、所望の大きさの面ファスナー部材を接着剤等により接着する。次に、所望の大きさに裁断した軟質ポリウレタンと、所望の大きさに裁断した貼着層(例えばナイロンシート)を接着剤(例えば、水溶性の接着剤)により接着し、内側ライナーとする。このようにして得られた内側ライナーを、面ファスナー部材を介して外側シェルの内表面に貼着することで、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットを得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本明細書に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの実施態様についてより詳細に説明するが、本発明を何ら限定することを意図するものではない。
図1は、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの一実施態様を示す図である。図1に示す頭蓋形状矯正用ヘルメット1は、外側シェル10の内表面側に、装着者の頭蓋部分を覆うように、軟質ウレタンフォーム層(ポリエステルフォームを主要な材料とする層)22と、面ファスナー部材40に着脱可能な貼着層21を含む内側ライナー20が設けられている。この内側ライナー20が有する弾性により、治療対象となる乳幼児の頭蓋部分の形状を徐々に矯正するものである。なお、図1では、内表面全体に内側ライナー20を設けているが、治療の方法、頭蓋部分の形状等を考慮して、必要と思われる部分のみに設けるようにしても良い。
頭蓋形状矯正用ヘルメットに用いられる内側ライナーとしては、反発弾性があまり大きいものは、常に頭蓋に対して内側ライナーからの反発力が作用していることとなり、乳幼児の頭蓋部分への負担が大きい。このようなことを考慮して、治療対象の乳幼児の負担を軽減しながら治療の効果も得られるように、低反発弾性(例えば、反発弾性が30%以下)のポリエステルフォームを用いてもよい。
また、低反発弾性のポリエステルフォームは、高反発弾性のものと比較して、頭蓋部分と面で接触した際に摩擦係数が大きく、従って相互に滑りにくい。このことから、ヘルメット内表面のクッションとして用いた場合には、頭蓋形状矯正用ヘルメットと頭蓋部分との位置関係がずれる更には意図せずに頭蓋形状矯正用ヘルメットが頭蓋部分から外れる、という問題が生じにくい。このようなことからも、図1に示す頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10の内表面に貼付される内側ライナー20の軟質ポリウレタン層22としては、低反発弾性のポリエステルフォームを用いてもよい。
内側ライナー20は、継続的な治療のためには、頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10の内表面に貼付されて、内表面から動かないことが望ましく、その点で、両面テープなどを用いて強固に貼付することが考えられる。しかしながら、頭蓋形状の矯正のための治療では、治療の経過や頭蓋部分の成長などによって、頭蓋形状矯正用ヘルメットの形状そのものを調整することも多く、頭蓋形状矯正用ヘルメット本体と内側ライナーとは着脱可能に構成されていることが望まれる。このようなことから、図1に示す頭蓋形状矯正用ヘルメット1では、内側ライナー20と外側シェル10内表面とを、面ファスナー部材40により圧着して、位置関係を固定している。面ファスナー部材40は、その表面全体が、素材そのものの微小な鈎形状で構成されていて、対向する表面の素材と係合することで、面同士が圧着される。
図1では、40a、40b、40c及び40dの4つの円形状の面ファスナー部材が使用され、それぞれ前額部、両側頭部及び後頭部に配置される。これら面ファスナー部材40は、一方の面が素材そのものの微小な鈎形状で構成された、いわゆる圧着面となっている。そして、内側ライナー20の表面には、後述する貼着層(ナイロンシート)22が備えられている。そのため、面ファスナー部材40は、このナイロンシート22を介して内側ライナー20と圧着している。面ファスナー部材40の他方の面は、外側シェル10の内表面に接着剤などで強固に固定される。ここで、面ファスナー部材としては、このような一方の面が圧着面となっている態様のものには限られず、後述するような、一対の対向する圧着面を有する面ファスナー片から成る面ファスナー部材を使用して、面ファスナー片のそれぞれを、内側ライナー20及び外側シェル10内表面に設けるようにしても良い。
なお、外側シェル10の前方両側面には、鉛直方向に一対の補強部30が設けられている。補強部30が設けられることで、その結果として構成される湾曲部分に乳児の耳が挿入されて、頭蓋形状矯正用ヘルメット1と頭蓋部分との位置関係が概ね固定される構成となっている。このように構成することにより、ヘルメットと頭蓋部分との位置関係は、より安定する。また、頭蓋形状矯正用ヘルメット1と頭蓋部分との間の押圧力を更に高めて、両者の位置関係をより安定させるために、外側シェル10の内表面から頭蓋部分に向けて突出する、図示しないアタッチメントを、外側シェル10の内表面に、部分的に更に設けるようにしても良い。
図2は、上記したような、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット1を、治療対象となる乳幼児が被嵌した際の、頭蓋部分100、内側ライナー20、面ファスナー部材40及び頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10内表面の位置関係を示す、部分断面図である。ここで、内側ライナー20と、面ファスナー部材40との間には、面ファスナー部材40がより強固に内側ライナー20に圧着されるように、ナイロンシート21が、内側ライナー20の片面全体に貼付される。即ち、高密度のポリエステルフォームは、内側ライナー20の材料として、治療効果その他の点で優れたものではあるが、面ファスナー部材40への圧着を更に容易にすることが望ましい。そのことから、内側ライナー20の、面ファスナー部材40と接する面に、このようなナイロンシート21を介在させるものである。このナイロンシート21としては、極めて薄い薄膜状態の、透明シート状のものや、ガーゼ状のものが好適であり、内側ライナー20表面と水溶性接着剤により、張り付けられている。これにより、内側ライナー20と面ファスナー部材40とは、ナイロンシート21を介して、表面の素材同士が係合し、強固に圧着される。
そして、ナイロンシート21の具体的な態様としては、透明シート状のものについては、1インチ(即ち2.54cm)あたり28本の糸を使用する、28ゲージであって、単位面積当たりの重量、いわゆる目付けが30g/mのものが好適である。また、ガーゼ状のものについては、30インチ当たり18ゲージで、重量は、1メートルの長さで測定されるいわゆる幅なりで235gのものなどが好適である。
図3は、図2に示すように面ファスナー部材40を介して内側ライナー20と頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10の内表面とを圧着させる際の状態を更に分かり易く示す斜視図である。面ファスナー部材40の表面のうち、他の素材の表面と係合可能なように、微小な鈎形状で表面全体が構成された圧着面41が、矢印A方向にナイロンシート21を介して、内側ライナー20の表面と係合して圧着する。また、他の表面42は、矢印B方向に、頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10内表面に接着剤などで固定される。このように構成することで、頭蓋形状矯正用ヘルメット1を治療対象の乳幼児に被嵌させている状態では、外側シェル10の内表面と内側ライナー20との間の摩擦係数は高く維持され、両者は滑りにくくなる。この結果、頭蓋形状矯正用ヘルメット1と頭蓋部分との間の位置関係のずれは抑制され、従って、意図せずに頭蓋形状矯正用ヘルメットが外れるという不具合も生じにくくなる。
図4は、面ファスナー部材の別の実施態様50を示す斜視図である。この面ファスナー部材50は、対向する一対の面ファスナー片51及び52によって構成されている。そして、それぞれが対向する面には、上記した面ファスナー部材40の表面と同様に、表面全体が素材を鈎形状として構成された第一の圧着面51aと、この第一の圧着面51aと対向して、この鈎形状と容易に係合可能な形状、例えば輪形状、に素材が構成された第二の圧着面52aと、が設けられている。そして、それぞれの係合する面と反対側の面が、頭蓋形状矯正用ヘルメット1の外側シェル10内表面と、内側ライナー20と、に接着される。このような構成の面ファスナー片を有する面ファスナー部材50を用いることにより、更に頭蓋形状矯正用ヘルメット1と頭蓋部分100との位置関係を安定させることができる。
図5は、本願発明に係る、頭蓋形状矯正用ヘルメットの更に別の実施態様を示す図である。この実施態様においては、外側シェル10が、頭蓋部分の前後方向に二分割され、前側シェル10aと後側シェル10bとで構成される。そして、それぞれの端部の対応する部分に、従来から公知の方法で、図示しない凸部結合部と凹部結合部とが設けられ、それらが係合する形で全体として外側シェル10が構成される。このように構成することで、外側シェル10全体の製造や、前側シェル10aや後側シェル10bの、部品としての保管・管理等が容易となる。
また、図5の実施態様では、外側シェルの前側シェル10a、後側シェル10bのそれぞれには、鉛直方向ほぼ同位置に連結用リブ200が設けられ、その間を連結部材300で連結する。図5には一方のみが示されているが、図示されない反対側にも同様に連結用リブ200と、連結部材300とが設けられる。連結用リブ200の周辺部分には、このように連結部材300が挿入されるときの張力や、前側シェル10aと後側シェル10bとを近接させるための応力も作用する。このことから、連結用リブ200の近辺は、外側シェル10の他の部分に比較して厚さが大きくなるように構成し、機械的な強度を大きくすることが望ましい。なお、連結用リブ200の近辺だけではなく、外側シェル10の外周は、周縁補強部60として他の部分よりも肉厚に構成することも可能である。これにより、頭蓋形状矯正用ヘルメット1全体としての機械的な強度を向上させることができる。
このように構成された図5に示す実施態様では、結合部材300の前後方向の長さを調整して、前側シェル10aと後側シェル10bとの間を多少離間させるようにすることが可能となる。結合部材300には、従って、その長手方向にある程度伸縮するような材料を用いることが望ましい。これにより、治療対象となる乳児の頭蓋の成長に応じて、外側シェル10の内径を大きくさせることも可能となる。なお、前側シェル10aと後側シェル10bとの間には、図示のとおりにスリット150を設けることも可能である。これにより、頭蓋部分の成長に応じて、スリット150を適宜開き、結合部材300を用いる場合と同様に、前側シェル10aと後側シェル10bとの位置関係の調整が容易となる。図5に示す実施態様では、スリット150が両側頭部の上縁から下縁まで延伸されている。これにより、外側シェル10は、前側シェル10aと後側シェル10bとに分割可能となる。
更に図5に示す実施態様では、外側シェル10の表面がメッシュ構造400となるよう構成されている。これにより、頭蓋形状矯正用ヘルメット内外間の通気性が良好となり、治療対象の乳児の汗の放散や、頭蓋形状矯正用ヘルメット内部で発生する熱の放熱などの点でも優れている。そして、メッシュ構造を採用しているため、使用する材料の使用量を削減でき、本体を軽量化でき、価格の低減も可能となる。また、メッシュ構造に材料の樹脂を成形することで、樹脂の配向が分散されるため、機械的な強度の点でも優れている。成形のための合成樹脂素材としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネイト等が使用可能であるが、粉末焼結積層造形法による成形の容易さや、強度及び硬度の点からポリアミド、特にポリアミド12が望ましい。また成型後の外側シェル10のショアD硬度は、例えば約70~約85、特には約75~約80となることが望ましい。
図6は、本願発明に係る、頭蓋形状矯正用ヘルメット1の別の実施態様を示す図である。この実施態様においては、図5に示す、外側シェル10の表面上に設けられたメッシュ構造400に替えて、複数の通気孔600が設けられている。このような構成を採用することにより、乳児の汗の放散や、頭蓋形状矯正用ヘルメット内部で派生する熱の放熱などが、より効果的に行える。なお、図6に示すように、このように設けられた通気孔600の一部を、連結用リブ200として使用することも可能である。
以上、本明細書中に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメットの実施態様について説明したが、これらの実施態様は、例示に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変、変更が可能なものである。
1:頭部形状矯正用ヘルメット
10:外側シェル
10a:前側シェル
10b:後側シェル
20:内側ライナー
21:貼着層
22:軟質ポリウレタン層
30:補強部
40、40a、40b、40c、40d:面ファスナー部材
41、42:面ファスナー部材表面
50:面ファスナー部材
51、52:面ファスナー片
51a、51b:係合突起
60:周縁補強部
150:スリット
200:連結用リブ
300:結合部材
400:メッシュ構造
600:通気孔

Claims (13)

  1. 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
    外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
    外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
    を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
    内側ライナーは、高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
    頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  2. 前記貼着層が、ナイロン製である、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  3. 前記貼着層が、薄層である、請求項1又は2に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  4. 前記軟質ポリウレタン層が、ポリエステルフォーム製である、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  5. 前記軟質ポリウレタン層が、低反発弾性である、請求項1又は4に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  6. 外側シェルが、合成樹脂製である、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  7. 外側シェルの両側頭部にスリットが設けられる、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  8. 前記スリットが両側頭部の上縁から下縁まで延伸されることにより、前記外側シェルが前側シェル及び後側シェルに分割されてなる、請求項7に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット。
  9. 前記外側シェルが、メッシュ構造である、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  10. 前記外側シェルの周縁部の厚みが、他の部分の厚みより厚く構成される、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  11. 前記外側シェルの前方両側面には、鉛直方向に一対の補強部を更に有する、請求項1に記載の頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  12. 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、
    外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、
    外側シェルの内表面の少なくとも一部に設けられた内側ライナーと、
    を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットであって、
    内側ライナーは、30%以下の反発弾性を有し、かつ90~110kg/mの密度を有する、ポリエステルフォーム製の軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在なナイロン製の貼着層と、を含む、
    頭蓋形状矯正用ヘルメット。
  13. 頭蓋部分を覆うように構成された外側シェルと、外側シェルの内表面側の少なくとも一部に設けられた面ファスナー部材と、を備える頭蓋形状矯正用ヘルメットに用いられる内側ライナーであって、
    高密度を有する軟質ポリウレタン層と、外側シェルに対向する面の少なくとも一部に備えられ、面ファスナー部材に着脱自在な貼着層と、を含む、
    内側ライナー。

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