JP2024013372A - 墨出位置検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複数の杭が打設される建設現場において、暫定的な杭芯位置を示す墨出位置の検査方法に関する。
地盤が柔らかい箇所に高層ビルなどの大型建築物を建築する場合、地中深くの硬い地盤面まで多数の杭を打設し、その杭の上に建築物を建築することがある。地面に杭を打設する際には、先ず、設計図に沿って地面の杭芯位置に目印を付ける墨出を行う。墨出は、高精度で行わなくてはならない。したがって、墨出を行う際には、通常、光学式測量機を用いて杭芯位置を精度よく測量し、そこに目印を付ける。その目印の位置が墨出位置であり、例えば、目印として仮杭が立てられる。この墨出では、例えば、特許文献1に記載されているように、対象反射物体に向けて照射光束を照射し、対象反射物体により反射された反射光束に基づき対象反射物体を検出すると共に対象反射物体までの距離を測定する。
墨出位置は、上記のように、高精度に位置決めされていなければならない。また、建設現場では重機が往来するため、墨出位置(仮杭位置)がずれる虞もある。したがって、実際に杭を打設する前に墨出位置が正確であるか検査する作業が必要となる。しかしながら、打設する杭の数が数百にも及ぶ場合には、光学式測量機を用いた墨出位置の検査に大きな労力及び時間が必要になる。更には、光学式測量機を用いて確認作業をしようとしても、作業現場に多数の機械や大型部品等が投入されている場合、それらが障害となって、光測定の基準点から墨出位置まで一直線に視通を確保することが困難な場合もある。そして、そのような場合には、光測定において視通を確保できる点を経由して墨出位置を計測しなければならず、墨出位置を検査することに更に手間を要し、熟練も必要になる。
そこで、本発明の目的は、容易かつ高精度に墨出位置を検査できる墨出位置検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る墨出位置検査方法は、複数の杭が打設される現場において、杭芯の墨出位置を検査する方法であって、前記複数の杭の設計上の打設位置の情報とリアルタイムキネマティック技術とに基づいて前記打設位置であると特定した打設特定位置の上空までドローンを飛行させるステップと、前記打設特定位置の上空において、前記ドローンに搭載された撮影装置で当該打設特定位置に対応する前記墨出位置を撮影するステップと、前記打設特定位置の情報と前記撮影装置で撮影された前記墨出位置とに基づいて、前記打設特定位置と前記墨出位置の相対的な位置関係を特定するステップと、を含む。
本発明によれば、複数の杭の設計上の打設位置の情報とリアルタイムキネマティック技術に基づいて各打設特定位置とそれに対応する墨出位置の相対的な位置関係を高精度に特定でき、その結果、複数の杭の墨出位置をリアルタイムキネマティック技術の誤差の範囲内で高精度に検査できる。更には、複数の杭の打設位置の情報とリアルタイムキネマティック技術とに基づいてドローンを打設特定位置の上空まで飛行させて、打設特定位置に対応する墨出位置を撮影するだけで、上記相対的な位置関係を特定できる。したがって、作業現場に多数の機械や大型部品等が投入されている場合でも、それらに影響を受けずに検査を容易に行うことができ、打設する杭の数が多くても、検査を容易に行うことができる。
また、前記撮影装置の撮影レンズの光軸が鉛直方向に平行な状態で撮影を行い、前記撮影装置で撮影された画像の中心が前記打設特定位置に対応してもよい。
本構成によれば、画像解析において、画像における画像中心からの墨出位置の距離及び方向を特定するだけでよく、その画像解析に基づいて建設現場における墨出位置の打設特定位置からの距離及び方向を特定できる。したがって、画像解析を単純で容易なものにできる。
また、前記ドローンの飛行を制御する制御装置に、前記複数の杭の前記打設位置を平面直角座標系で表した第1データを読み込ませ、前記制御装置が前記第1データを前記複数の杭の打設位置を緯度及び経度で表した第2データに変換してもよい。
ドローンは飛行経路を緯度及び経度の情報で認識する場合が多い。一方、複数の杭の打設位置は、基準地点からの平面直角座標(世界座標)で表される場合が多い。本構成によれば、ドローンの飛行を制御する制御装置に世界座標の第1データを読み込ませるだけで、ドローンに所望の飛行をさせることができ、例えば、設計図を制御装置に読み込ませるだけで、ドローンに所望の飛行をさせることができる。したがって、人が、世界座標情報から算出したドローンの飛行経路の緯度及び経度情報を制御装置に入力する場合との比較において、容易かつ短時間で検査することができる。
また、前記ドローンを前記打設特定位置の上空で静止させ、前記撮影装置で前記打設特定位置に対応する前記墨出位置を1つずつ個別に撮影してもよい。
本構成によれば、ドローンが静止している状態で撮影を行うので、検査をより高精度に行い易い。また、墨出位置毎に1つ存在する画像データのみを画像解析することで、各墨出位置の打設特定位置からの相対位置を特定できるので、画像解析のプログラムも単純なものにでき、画像解析を短時間で行うことができる。
また、前記撮影装置で撮影された画像の情報を、クラウド上の画像解析装置に送信し、前記画像解析装置における画像解析に基づいて前記相対関係を特定してもよい。
本構成によれば、演算速度が速い画像解析装置を用いて画像解析を短時間で行うことができる。
本発明に係る墨出位置検査方法によれば、容易かつ高精度に墨出位置を検査できる。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る墨出位置検査を行う墨出位置検査システム1の概略構成図である。先ず、図1を用いて、墨出位置検査システム1における信号の送受信について説明する。墨出位置検査システム1は、GNSS(Global Navigation Satellite System ; 全球測位衛星システム)、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System ; 準天頂衛星)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo等で用いられている4以上の人工衛星5からのGNSS信号を受信する固定局10、上記4以上の人工衛星からのGNSS信号を受信する移動局としてのドローン20、補正情報生成装置40、情報端末50、及び画像解析装置60を備える。補正情報生成装置40及び画像解析装置60は、例えば、ネットワークのクラウド上に位置するサーバで構成される。また、情報端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、又はワークステーション等で構成される。
墨出位置検査システム1は、4以上の人工衛星5、固定局10、移動局であるドローン20、補正情報生成装置40、及び情報端末50を用いて、RTK(Real Time Kinematic ; リアルタイムキネマティック)技術によってドローン20の存在位置を特定する。RTK技術を用いれば、ドローン20の存在位置を数センチメートルの誤差の範囲内で高精度に特定できる。固定局10は、地上に設置される。固定局10は、4以上の人工衛星5から4以上のGNSS信号を受信し、4以上のGNSS信号を補正情報生成装置40に送信する。また、ドローン20は、図示しないアンテナを有し、ドローン20も、4以上の人工衛星5からGNSS信号を受信し、受信した4以上のGNSS信号を情報端末50を介して補正情報生成装置40に送信する。
補正情報生成装置40は、受信した8以上のGNSS信号に基づいてドローン20の存在位置の補正情報(ドローン20の位置情報)を算出し、算出した補正情報を情報端末50に送信する。情報端末50は、受信したRTK技術による補正情報をドローン20の飛行を制御する制御装置30に送信する。情報端末50と制御装置30は、無線で通信を行ってもよく、ケーブルを介して有線で通信を行ってもよい。制御装置30は、コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、制御部と、記憶部を含む。制御部、すなわち、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリは、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する。RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。
制御装置30の記憶部には、ドローン20の飛行先情報が格納されている。飛行先情報については後で詳述する。制御装置30は、飛行先情報のデータと、ドローン20の飛行位置をRTK技術の誤差の範囲内で特定できる補正情報とに基づいてドローン20を飛行先まで飛行させた後、飛行先で静止させる。ドローン20が静止している状態でドローン20に搭載している撮影装置21で地面を撮影する。撮影装置21による地面の画像データは、制御装置30の記憶部に記憶される。撮影装置21による撮影対象については後で詳述する。
制御装置30の記憶部に記憶された画像データは、例えば、情報端末50を介して画像解析装置60に送信され、画像解析装置60で画像解析される。画像解析装置60による画像解析で得られた情報は、情報端末50に送信され、情報端末50の表示部51に表示される。これにより、人がその情報を認識できる。表示部51は、液晶パネルや有機ELパネル等で構成される。画像解析で得られる情報については、後で詳述する。なお、制御装置30が表示部を含む場合には、画像解析で得られた情報を情報端末50を介して制御装置30に送信して、当該情報を制御装置30の表示部に表示してもよい。
次に、本開示の墨出位置検査について詳細に説明する。図2は、墨出位置検査の手順の一例を示すフローチャートである。図2を参照して、墨出位置検査は、最初にステップS1で、ドローン20の制御装置30に複数の杭の打設位置の世界座標情報を読み込ませる。複数の世界座標情報は、複数の杭における設計上の打設位置の情報であり、基準点を0地点としたときの平面直角座標系の情報である。基準点は、例えば、建設現場が中部地方に位置している場合には、中部地方の所定位置に設定される。
図3は、複数の杭の一部の世界座標を示す図である。図3に示す例では、800の杭の打設位置のうちの42個の杭の打設位置の世界座標が示されている。図3において、X軸は平面直角座標を規定する第1軸であり、Y軸は平面直角座標を規定する第2軸である。X軸と、Y軸は、互いに直交する。また、図3において、各点に付されている番号は、打設される杭の番号である。設計図では、各杭の打設位置の世界座標におけるX座標位置とY座標位置が特定されている。よって、X座標の方向とY座標の方向が既知であり、世界座標における基準点位置も既知であるので、各杭の打設位置を一意に特定できる。
ステップS1では、複数の杭の打設位置を平面直角座標系で表した第1データを制御装置30に読み込ませる。第1データは、複数の杭の打設位置を平面直角座標系で示している文書ファイルのデータ(例えば、キャドデータ、テキストデータ、ワードデータ、エクセルデータ等)でもよい。そして、制御装置30における第1データの読み込みは、第1データの情報を通信で制御装置30に送信することで実現してもよい。又は、第1データは、複数の杭の打設位置を平面直角座標系で示している設計図等の紙データでもよい。そして、制御装置30における第1データの読み込みは、第1データをスキャナで読み込んで生成したファイルに基づく情報を、制御装置30の制御部が認識できる形式で制御装置30に送信することで実現してもよい。
続くステップS2では、ドローン20の制御装置30に複数の打設位置の順位情報を読み込ませる。これは、後で説明する複数の墨出位置における撮影順序の情報となる。打設位置の順位は、対応する杭の番号順でもよい。又は、複数の打設位置が図3に示すように等間隔又は非等間隔のマトリックス状に設定されている場合、打設位置の順位は、次のように決定してもよい。すなわち、何れかの角に位置する打設位置の順序を1番目として設定し、1番目の打設位置に列の延在方向に隣り合う打設位置を2番目として設定する。このように1番目の打設位置と同じ列の打設位置の順序を、1番目の打設位置と同じ列の他端に位置する打設位置まで順序付けする。その後、他端の打設位置に行の延在方向に隣り合う2列目の他端に位置する打設位置を次の順序に決定する。その後、2列目の他端に位置する打設位置と同じ列の打設位置の順序を、2列目の一端に位置する打設位置まで順序付けする。その後、この手法を繰り返すことで、最後の打設位置まで順位付けを行う。
打設位置の順位は、このような蛇行経路による順序付けで決定することができる。なお、このような蛇行経路による順位付けにおいて、1番目の打設位置と同じ行に位置すると共に1番目の打設位置に行の延在方向に隣り合う打設位置を2番目の打設位置としてもよい。又は、打設位置の順位付けは、他の方法で行ってもよい。例えば、打設位置が、N(Nは、いずれかの自然数)個存在する場合、N個の打設位置を順に通過する場合の数は、N!個(Nの階乗個)存在し、その夫々に対してN個の打設位置を通過する最短距離が求まる。したがって、N個の打設位置を通過する際の距離が最も短い1の順位付けが存在する。打設位置の順位は、その手法により決定されてもよく、この場合、後で説明するドローン20の飛行距離及び飛行時間を短くできる。
続くステップS3では、制御装置30がステップS1で取り込んだ複数の打設位置の世界座標情報を緯度経度情報へ変換する。制御装置30の記憶部には、世界座標情報を緯度経度情報に変換するプログラムが予め格納されている。世界座標位置と、緯度経路位置は、一対一に対応するので、この変換が可能になる。ステップS3の後のステップS4では、制御装置30が複数の打設位置の緯度経度情報から対応墨出位置の撮影が行われていない最も低い順位の緯度経度情報を選定する。最初は、順位付けにおける1番順位の打設位置を選定する。
続くステップS5では、ステップS4で選定した打設位置の緯度経度情報と、上述の方法で取得したRTK技術の誤差の範囲内のドローン20の位置情報とに基づいて、制御装置30が、打設位置であると特定した打設特定位置の上空までドローン20を飛行制御する。詳しくは、制御装置30が、ドローン20に搭載された撮影装置21の撮影レンズの光軸が鉛直方向に平行な状態になると共に下方に向けられた撮影面の中心が打設特定位置に鉛直方向に重なるようにドローン20を飛行制御する。
続くステップS6では、制御装置30が、上記光軸が鉛直方向に平行な状態になると共に撮影面の中心が打設特定位置に鉛直方向に重なっている状態かつ所定の高さに位置しているドローン20をフォバーリング制御し、ドローン20をその位置で所定時間静止させる。続くステップS7では、撮影装置21がステップS4で選定した緯度経度情報に対応する墨出位置を撮影し、その墨出位置の画像情報を制御装置30の記憶部に記憶する。なお、ドローン20の飛行制御にドローン20の移動速度やドローン20が静止している状態での地面からの高さが含まれてもよい。
現場には、測量により打設位置であると決定された墨出位置が、人が認識できる状態で存在している。墨出は、例えば、図4(a)に示すように、仮杭70、例えば、リボン71が固定された丸棒部材72を地面に立てることで行われ、丸棒部材72の中心が墨出位置Rになる。墨出位置Rは、測量が正しければ、打設特定位置を中心としRTK方法での誤差を半径とする円内に収まることになる。したがって、図4(b)、すなわち、撮影装置21が撮影した画像Gの一例を表す図に示すように、選定した打設特定位置に対応する墨出位置Rは、撮影装置21が撮影した画像Gでは、画像Gの中心Cの近傍に位置することになる。
続く、ステップS8では、制御装置30が対応墨出位置の撮影が行われていない緯度経度情報が存在するか否かを判定する。ステップS8で肯定判定されると、ステップS4以下が繰り返される。他方、ステップS8で否定判定されると、ステップS9に移行して、制御装置30がドローン20の飛行停止制御を行い、ドローン20が地上に停止する。
図5は、ステップS4からステップS9までのドローン20の動作について説明する図である。なお、図5では、打設する杭の数が4の場合について説明する。図5を参照して、ドローン20は、Sで示すスタート位置から離陸し、先ず、順位付けが1番の杭1に対応する打設特定位置の上空でフォバーリングして静止し、その状態で、杭1に対応する墨出位置を撮影する。その後、ドローン20は、杭1に対応する打設特定位置の上空から順位付けが2番の杭2に対応する打設特定位置の上空に移動してフォバーリングして静止し、その状態で、杭2に対応する墨出位置を撮影する。続いて、ドローン20は、順位付けが3番の杭3に対応する打設特定位置の上空に移動してフォバーリングして静止し、その状態で、杭3に対応する墨出位置を撮影する。その後、ドローン20は、順位付けが4番の杭4に対応する打設特定位置の上空に移動してフォバーリングして静止し、その状態で、杭4に対応する墨出位置を撮影する。杭4は、最後の杭であるため、杭4に対応する墨出位置の撮影が終わると、ドローン20は、Eで示す終了地点に着陸して飛行を終了する。
ステップS9の後のステップS10では、制御装置30が、打設する杭の数と同数の画像情報を情報端末50を介して画像解析装置60に送信し、続く、ステップS11で、画像解析装置60が、各画像情報に基づいて画像解析を行って各打設特定位置に関する対応する墨出位置の相対位置を特定する。より詳しくは、画像解析装置60は、画像解析を行うことで、各画像の中心位置に対する対応墨出位置の距離及び方向を特定する。画像における長さと実際の長さは、一対一に対応し、撮影装置21の撮影倍率に基づいて算出される。また、撮影装置21の撮影時における方位に対する3次元的な姿勢は、決まっており、それに起因して、画像の縦方向の方位と画像の横方向の方位は既知となっている。例えば、図4(b)において、α方向は、北方向に一致し、β方向は、東方向に一致する。したがって、画像を画像解析すれば、各打設特定位置に対する対応墨出位置の距離及び方向を一意に特定できる。
最後のステップS12では、各打設特定位置に対する対応する墨出位置の相対位置情報の出力を行う。これは、情報端末50が、画像解析装置60に情報を送信させる信号を出力し、それに起因して、画像解析装置60が打設特定位置に対する対応墨出位置の距離及び方向の情報を情報端末50に送信することで行うことができる。
なお、ステップS12の出力は、画像解析装置60から情報端末50を介して情報を受信した制御装置30が、その情報を表示部に表示したり、制御装置30の印刷部が当該情報を紙で印刷することで行ってもよい。ステップS12の出力によって、人は、各墨出位置がRTK技術の誤差の範囲内に収まっているか否かを判断でき、仮に、1以上の墨出位置がRTK技術の誤差の範囲外に位置している場合には、その1以上の墨出位置を修正することができる。この修正は、当該1以上の墨出位置を対応する1以上の打設特定位置に変更することで行ってもよい。ステップS12が終了すると、墨出位置検査が終了する。
以上、墨出位置検査方法は、複数の杭が打設される現場において、杭芯の墨出位置を検査する方法であって、複数の杭の設計上の打設位置の情報とRTK技術とに基づいて、複数の杭の夫々に関して、打設位置であると特定した打設特定位置の上空までドローン20を飛行させるステップと、打設特定位置の上空において、ドローン20に搭載された撮影装置21で当該打設特定位置に対応する墨出位置Rを撮影するステップと、打設特定位置の情報と撮影装置21で撮影された墨出位置とに基づいて、打設特定位置と墨出位置の相対的な位置関係を特定するステップと、を含む。
本発明によれば、複数の杭の設計上の打設位置の情報とRTK技術に基づいて各打設特定位置とそれに対応する墨出位置の相対的な位置関係を高精度に特定でき、その結果、複数の杭の墨出位置をRTK技術の誤差の範囲内で高精度に検査できる。更には、複数の杭の打設位置の情報とRTK技術とに基づいてドローン20を打設特定位置の上空まで飛行させて、打設特定位置に対応する墨出位置を撮影するだけで、上記相対的な位置関係を特定できる。したがって、作業現場に多数の機械や大型部品等が投入されている場合でも、それらに影響を受けずに検査を容易に行うことができ、打設する杭の数が多くても、検査を容易に行うことができる。
また、撮影装置21の撮影レンズの光軸が鉛直方向に平行な状態で撮影を行い、撮影装置21で撮影された画像Gの中心Cが上記打設特定位置に対応してもよい。
本構成によれば、画像解析において、画像Gの中心Cからの墨出位置Rの距離及び方向を特定するだけでよく、その画像解析に基づいて建設現場における墨出位置の打設特定位置からの距離及び方向を特定できる。したがって、画像解析を単純で容易なものにできる。
また、ドローン20の飛行を制御する制御装置30に、複数の杭の打設位置を平面直角座標系で表した第1データを読み込ませ、制御装置30が第1データを複数の杭の打設位置を緯度及び経度で表した第2データに変換してもよい。
ドローン20は飛行経路を緯度及び経度の情報で認識する場合が多い。一方、複数の杭の打設位置は、基準地点からの平面直角座標(世界座標)で表される場合が多い。本構成によれば、ドローン20の飛行を制御する制御装置30に世界座標の第1データを読み込ませるだけで、ドローン20に所望の飛行をさせることができ、例えば、設計図を制御装置30に読み込ませるだけで、ドローン20に所望の飛行をさせることができる。したがって、人が、世界座標情報から算出したドローン20の飛行経路の緯度及び経度情報を制御装置30に入力する場合との比較において、容易かつ短時間で検査することができる。
また、ドローン20を各打設特定位置の上空で静止させ、撮影装置21で各打設特定位置に対応する墨出位置を1つずつ個別に撮影してもよい。
本構成によれば、ドローン20が静止している状態で撮影を行うので、検査をより高精度に行い易い。また、墨出位置毎に1つ存在する画像データのみを画像解析することで、各墨出位置の打設特定位置からの相対位置を特定できるので、画像解析のプログラムも単純なものにでき、画像解析を短時間で行うことができる。
また、撮影装置21で撮影された画像Gの情報を、クラウド上の画像解析装置60に送信し、画像解析装置60における画像解析に基づいて上記相対関係を特定してもよい。
本構成によれば、演算速度が速い画像解析装置60を用いて画像解析を短時間で行うことができる。
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、撮影装置21の撮影レンズの光軸が鉛直方向に平行な状態で撮影を行い、撮影装置21で撮影された画像Gの中心Cが打設特定位置に対応する場合について説明した。しかし、ドローン20は、打設特定位置に対応する墨出位置を撮影できる位置まで飛行すればよく、撮影装置の撮影レンズの光軸が、鉛直方向に対して傾斜した状態で撮影を行ってもよい。ドローンの飛行位置の情報と、鉛直方向に対する上記光軸の傾斜角度等の情報から、画像上の打設特定位置を特定でき、画像上の打設特定位置からの距離及び方向と建設現場における打設特定位置からの距離及び方向を一対一に対応づけることができるからである。
また、ドローン20の飛行を制御する制御装置30に、複数の杭の打設位置を平面直角座標系で表した第1データを読み込ませ、制御装置30が第1データを複数の杭の打設位置を緯度及び経度で表した第2データに変換する場合について説明した。しかし、人が、世界座標情報から算出したドローン20の飛行経路の緯度及び経度情報を情報端末(制御装置30そのものでもよい)の入力部を用いて直接又は間接的に制御装置30の記憶部に記憶させてもよい。
また、ドローン20を各打設特定位置の上空で静止させ、撮影装置21で各打設特定位置に対応する墨出位置を1つずつ個別に撮影する場合について説明した。しかし、ドローン20を静止させずに撮影を行ってもよく、また、一度の撮影で、2以上の墨出位置を撮影し、1の撮影画面で2以上の墨出位置に関して、墨出位置と対応する打設特定位置の相対的な位置関係を特定してもよい。
また、画像解析をクラウド上の画像解析装置60で行う場合について説明したが、画像解析をクラウド上の画像解析装置で行わなくてもよく、例えば、ドローンの飛行制御を行う制御装置で行ってもよい。
1 墨出位置検査システム、 5 人工衛星、 10 固定局、 20 ドローン、 21 撮影装置、 30 制御装置、 40 補正情報生成装置、 50 情報端末、 51 表示部、 60 画像解析装置、 70 仮杭、 71 リボン、 72 丸棒部材、 C 画像の中心、 G 画像、 R 墨出位置。
Claims (4)
- 複数の杭が打設される現場において、杭芯の墨出位置を検査する方法であって、
前記複数の杭の設計上の打設位置の情報とリアルタイムキネマティック技術とに基づいて前記打設位置であると特定した打設特定位置の上空までドローンを飛行させるステップと、
前記打設特定位置の上空において、前記ドローンに搭載された撮影装置で当該打設特定位置に対応する前記墨出位置を撮影するステップと、
前記打設特定位置の情報と前記撮影装置で撮影された前記墨出位置とに基づいて、前記打設特定位置と前記墨出位置の相対的な位置関係を特定するステップと、
を含む、墨出位置検査方法。 - 前記撮影装置の撮影レンズの光軸が鉛直方向に平行な状態で撮影を行い、
前記撮影装置で撮影された画像の中心が前記打設特定位置に対応する、請求項1に記載の墨出位置検査方法。 - 前記ドローンの飛行を制御する制御装置に、前記複数の杭の前記打設位置を平面直角座標系で表した第1データを読み込ませ、前記制御装置が前記第1データを前記複数の杭の打設位置を緯度及び経度で表した第2データに変換する、請求項1又は2に記載の墨出位置検査方法。
- 前記ドローンを前記打設特定位置の上空で静止させ、前記撮影装置で前記打設特定位置に対応する前記墨出位置を1つずつ個別に撮影する、請求項1又は2に記載の墨出位置検査方法。
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