JP2024013018A - 運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物 - Google Patents

運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物 Download PDF

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Junichi Nakamura
秀則 小畑
Hidenori Obata
高生 田中
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則子 関口
Noriko Sekiguchi
啓甫 安本
Keisuke Yasumoto
盛雄 森口
Morio Moriguchi
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Abstract

【課題】長期間にわたって安全に摂取可能な成分を有効成分として含有する、日常的に継続しやすい低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物を提供する。【解決手段】ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、運動強度が2.5~6.5メッツの低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物。【選択図】図1

Description

生活習慣病発症のリスクを下げるには、バランスのとれた食事に加えて、適度な身体活動を行うことが有効である。健康の維持・増進のために必要な身体活動量として、健康増進法に基づき策定された「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、「身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果から『1日1万歩』の歩数を確保することが理想と考えられる」と述べられている。しかし、「令和元年国民健康・栄養調査報告」(非特許文献1)によると、20-64歳男女の1日あたりの平均歩数は7226歩であり、平均して3000歩程度不足しているのが現状である。
ケルセチンは、フラボノイドの一種であり、そのままで、又は、配糖体として玉ねぎなど多くの植物に含有されている。また、これまでにケルセチンの生理活性として、抗酸化作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用や血管拡張作用、筋線維化抑制(特許文献1)、筋サテライト細胞の筋線維芽細胞から脂肪細胞様細胞への分化抑制(特許文献2)、及び筋線維化抑制作用(特許文献3)などが知られている。
また、非特許文献2には、275mgのエンジュポリフェノール(酵素処理イソクエルシトリン)(ケルセチン又はその配糖体の量は、後述するケルセチン換算量として、71.6mg)を含有する被験飲料を対象に1日1本7日間継続摂取させ、7日目に自転車エルゴメーターによる一過的な運動をさせたところ、70~90ワットの高強度の運動時においてはエンジュポリフェノールを含有しない対照飲料を摂取した対象に比べて脂質燃焼量が有意に増加したのに対し、70ワット未満の運動負荷では脂質燃焼量に有意な差がなかったことが開示されている。自転車エルゴメーターのメーカーのホームページによると、同自転車による70ワットの運動は後述する運動強度でおよそ6.5メッツに相当する(非特許文献3)。
国際公開第2015/166887号 国際公開第2016/175136号 国際公開第2018/164221号
「令和元年国民健康・栄養調査報告」厚生労働省,2020年12月 薬理と治療,2008年,第36巻,第10号,pp.919-930 KONAMI SPORTS CLUB オンラインショップ,"エアロバイクRの運動効果について",[online],[令和4年7月8日検索],インターネット <URL:https://online.konamisportsclub.jp/page/ksc/aboutaerobike/about_aerobike.html>
特定の食品の摂取と合わせて運動を行うことで、運動による健康増進効果が高まれば、より人々が運動のベネフィットをより感じることができるため、運動への意欲も高まり、その結果より健康の増進につながると考えられる。中でも日常的に継続が可能な低~中強度の運動の効果を増強できれば、年齢や運動経験の違いによらず幅広い人々の健康に資する点で理想的である。
そこで、本発明は、長期間にわたって安全に摂取可能な成分を有効成分として含有し、日常的に継続しやすい低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ケルセチン又はその配糖体が、日常的に継続可能な低~中強度の運動(例えば、運動強度2.5~6.5メッツの運動)による体脂肪低減効果を増強する有効成分として機能することを見出した。換言すれば、本発明者らは、ケルセチン又はその配糖体が、日常的に継続可能な低~中強度の運動(例えば、運動強度3~6.5メッツの運動)と併用して体脂肪を低減するのに適することを見出し、以上により本発明を完成させた。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物、対象の運動による体脂肪の低減を増強する方法等を包含する。
[1]ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物。
[2]ケルセチン又はその配糖体を含有する、運動と併用して対象の体脂肪を低減するための組成物であって、前記運動の強度が2.5~6.5メッツである、組成物。
[3]ヒト成人におけるケルセチン又はその配糖体の総摂取量が、ケルセチン換算量として、1日あたり30~250mgとなる量でケルセチン又はその配糖体を含有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]飲食品である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[5]対象に運動強度が2.5~6.5メッツの運動を行わせる工程、及び
対象にケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させる工程
を含む、対象の運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[6]2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記組成物はケルセチン換算量として1日あたり30~250mgの摂取量となる量のケルセチン又はその配糖体を含有する、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[7]2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[8]1日あたり8500歩以上の歩行を行う対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[9]1日あたり8500歩以上の歩行を週に3日以上かつ2週間以上継続する対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を2週間以上の期間で週に3日以上継続して摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
本発明の組成物によれば、長期間にわたって安全に摂取可能な成分を有効成分として含有し、低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強することができる。本発明により、日常活動に加えて、低~中強度の運動を行う対象における体脂肪の低減を促進させ、対象の運動意欲の向上、健康の増進に寄与することができる。
実施例1の試験と比較例1の試験の各群における、試験開始時に対する試験開始後12週時点の腹部全脂肪面積の変化量を比較したグラフである。バーは標準誤差を表す。 実施例1の試験と比較例1の試験の各群における、試験開始時に対する試験開始後12週時点の腹部皮下脂肪面積の変化量を比較したグラフである。バーは標準誤差を表す。
[低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物]
本発明は、ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物を含む。
(ケルセチン又はその配糖体)
本明細書において、「ケルセチン」とは、ビタミンPとも称され、ポリフェノールの一種であるフラボノールに属する化合物であるケルセチンを意味する。ケルセチンは、下記式(I)で示される化合物である。
本発明において、「ケルセチン配糖体」とは、上記ケルセチンの配糖体を意味する。ケルセチン配糖体は、下記一般式(II)で示される化合物である。ただし、下記一般式(II)中の(X)は、糖鎖を表し、nは1以上の整数である。
ケルセチンにグリコシド結合するXで表される糖鎖を構成する糖は、例えば、グルコース、ラムノース、ガラクトース、グルクロン酸等であり、好ましくはグルコース又はラムノースである。また、nは1以上であれば、特に制限されないが、好ましくは1~16、より好ましくは1~8である。nが2以上であるとき、X部分は1種類の糖からなっていてもよく、複数種の糖からなっていてもよい。換言すると、nが2以上であるとき、(X)は、1種類の糖からなる糖鎖であってもよく、複数種の糖からなる糖鎖であってもよい。
上記ケルセチン配糖体は、既存のケルセチン配糖体を、酵素などで処理して糖転移させたものも含む。本発明でいうケルセチン配糖体は、具体的には、ルチン、酵素処理ルチン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、酵素処理イソクエルシトリンなどを含む。
ルチンは、下記式(III)で表される化合物である。
本発明においては、ケルセチン配糖体として、ルチンの酵素処理物を使用することが、特に好ましい。ルチンの酵素処理物の好ましい例としては、ルチンを酵素処理してラムノース糖鎖部分を除去したイソクエルシトリンを主成分とするルチン酵素分解物、ルチンを酵素処理してルチンのルチノースにさらにグルコースを1分子付加したα-グルコシルルチンを主成分とする酵素処理ルチン、及びルチン酵素分解物又はイソクエルシトリンを糖転移酵素で処理してグルコース1~7個からなる糖鎖を結合させたα-グルコシルイソクエルシトリンを主成分とする酵素処理イソクエルシトリンからなる群より選ばれるいずれか1種単独又は2種以上の混合物が挙げられる。これらの中ではグルコース1~7個からなる糖鎖を有するα-グルコシルイソクエルシトリンの混合物である酵素処理イソクエルシトリンを用いることが好ましい。
摂取されたケルセチン配糖体は、消化管から体内に吸収後、消化酵素又は代謝酵素の働きによりケルセチンとなり、体内でケルセチンと同様の効果を発揮することができる。
本発明において、ケルセチン又はその配糖体は、1種のみ用いてもよく、複数種の化合物を用いてもよい。複数種の化合物を使用する場合、例えば、ケルセチン及び1種又は2種以上のケルセチン配糖体を用いてもよく、2種以上のケルセチン配糖体を用いてもよい。
本発明で使用する、ケルセチン又はその配糖体を得るための由来、製法については特に制限はない。例えば、ケルセチン又はその配糖体を多く含む植物として、ソバ、エンジュ、ケッパー、リンゴ、茶、タマネギ、ブドウ、ブロッコリー、モロヘイヤ、ラズベリー、コケモモ、クランベリー、オプンティア、葉菜類、柑橘類などが知られており、これらの植物からケルセチン又はその配糖体を得ることができる。
(作用・用途)
後記実施例で示すとおり、本発明の組成物は、低~中強度の運動、好ましくは低強度の運動(以下、これらを単に「上記運動」ともいう)と併用することによって、上記運動による体脂肪低減効果を増強する作用を有する。そして、ケルセチン又はその配糖体の筋肉量及び基礎代謝量に対する効果がまだ顕著には現れない程度の強度の運動であっても、ケルセチン又はその配糖体の摂取によって体脂肪を有意に低減させることが可能である。メカニズムの詳細は不明であり、本発明を限定するものではないが、ケルセチン又はその配糖体は、上記運動時において脂肪分解量を増加させる作用を有するものと推察される。
したがって、ケルセチン又はその配糖体は、上記運動との併用で使用することができ、上記運動による体脂肪低減効果の増強のために使用することができる。また、日常生活又は仕事における身体活動(これらを併せて日常活動と呼ぶ)に加えて上記運動を行う際の体脂肪低減効果の増強のために使用することができる。また、日常活動に加えて上記運動を定期的に継続して行う際の体脂肪低減効果の増強のために使用することができる。ここで、上記運動による体脂肪低減効果の増強への使用には、上記運動による体脂肪の減少の促進又は増加のほか、例えば、上記運動による体脂肪の分解又は燃焼の促進又は増加など、結果として上記運動による体脂肪低減効果の増強につながるものが含まれる。
上記運動としては、日常的に継続可能でありながら本発明の体脂肪低減の増強効果を享受できる観点から、6.5メッツ以下であり、好ましくは6.2メッツ以下、より好ましくは6.0メッツ以下、さらに好ましくは5.5メッツ以下、さらにより好ましくは5.0メッツ以下、さらにいっそう好ましくは4.5メッツ以下、特に好ましくは4.0メッツ以下である。また、上記運動は、例えば、2.5メッツ以上であり、好ましくは3.0メッツ以上、より好ましくは3.2メッツ以上、より好ましくは3.5メッツ以上とすることができる。ここで、メッツ(METs;Metabolic Equivalent of Task)は、種々の身体活動の強度を表す指標であり、安静時のエネルギー消費量を1.0とした場合の各身体活動のエネルギー消費量を表す。
低~中強度の運動(特に、低強度の運動)は、日常的に継続可能な運動であり、継続的に行うことによって本発明の体脂肪低減の増強効果がさらに発揮される。特に、本発明の組成物は、日常活動にプラスして低~中強度の運動(特に、低強度の運動)を定期的に継続して行う対象における体脂肪の低減を顕著に促進する効果を有する。
本明細書において、上記運動に係る各身体活動のメッツ数は、例えば、国立健康・栄養研究所作成の「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」(2012年4月11日改訂、URL:https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf)に記載された数値を使用することができる。
上記運動としては、例えば、歩行(普通歩行、速歩、ウォーキング等)、走行(ジョギング、ランニング等)、体操(エアロビクス、ラジオ体操、ヨガ、ピラティス、太極拳等)、ダンス、自転車走行、階段の昇り降り、筋力トレーニング、荷物の運搬、階段の昇り降り、筋力トレーニング、種々のスポーツ(サッカー、野球、ゴルフ、バスケットボール、バドミントン、水泳、テニス、ソフトボール、バレーボール、卓球、ラグビー、サーフィン、スキー等)のほか、日常生活又は仕事における身体活動のうち上記メッツ数の範囲の低~中強度の運動等(家事、調理、片付け、掃除等)が挙げられる。これらの運動は、日常活動にプラスして行われることが好ましい。
上記運動の持続時間は、対象の体格、年齢及び身体状態、運動の種類、強度、体脂肪の低減目標量等に応じて適宜設定し得るが、例えば、3分以上、5分以上、10分以上、30分以上、60分以上又は2時間以上であり、例えば、10時間以下又は5時間以下であり得る。
上記運動の1日あたりの総時間は、対象の体格、年齢及び身体状態、運動の種類、強度、体脂肪の低減目標量等に応じて適宜設定し得るが、例えば、10分以上、30分以上、60分以上、2時間以上又は5時間以上であり、例えば、10時間以下である。
上記運動は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、反復的に行われる(例えば、定期的に行われる)ことが好ましい。その頻度は、運動の種類、強度、体脂肪の低減目標量等に応じて適宜設定し得るが、例えば、毎日、週1~6回、又は週1~3回である。あるいは、運動の頻度は、週に1日以上であり、好ましくは週に2日以上、さらに好ましくは週に3日以上、さらに好ましくは週に4日以上、さらに好ましくは週に5日以上、さらに好ましくは週に6日以上、最も好ましくは毎日である。また、上記運動が反復的に行われる期間は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、好ましくは2週間以上、より好ましくは4週間以上、さらに好ましくは8週間以上、さらにより好ましくは12週間以上である。
上記運動が歩行の場合、1日あたりの好適な運動量としては、総歩数で、好ましくは8500歩以上、より好ましくは9000歩以上、さらに好ましくは10000歩以上である。厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、20-64歳男女の1日あたりの平均歩数は7226歩であることを鑑みれば、上記運動が日常活動とは別に意識して行う歩行の場合、1日あたりに運動量としては、好ましくは1000歩以上、より好ましくは2000歩以上、さらに好ましくは3000歩以上である。なお、通常の歩行の運動強度は、歩行速度や歩行環境によって異なるが、およそ2.5~4.0メッツ程度である。
本発明の組成物と併用する運動は、運動強度であるメッツに運動時間(時)を乗じた単位である「エクササイズ(Ex)」(メッツ・時)で表現すると、1日あたり1.0~3.0エクササイズ程度であることが好ましく、1.0~2.5エクササイズがさらに好ましく、1.0~2.0エクササイズがさらに好ましい。これらの運動を日常活動にプラスして行ってもよい。
本発明の組成物と併用する低~中強度の運動の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない:
・1日あたり8500歩以上、より好ましくは9000歩以上、さらに好ましくは10000歩以上の歩行。
・日常活動に加えて意識して行う1000歩以上、より好ましくは2000歩以上、さらに好ましくは3000歩以上の歩行。
・日常活動に加えて意識して行う10分以上、より好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは25分以上、さらに好ましくは30分以上の歩行。
・5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上の自転車走行。
・NHKラジオ体操第一又は第二それぞれ1回。
・ボウリング1ゲーム。
・卓球1ゲーム。
・全身を使ったテレビゲーム10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上。
・10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上の家事、調理、片付け、掃除。
本発明の組成物の摂取タイミングは、上記運動のタイミングとの関係において特に制限されず、上記運動をしていないときに摂取してもよいし、上記運動の前後、上記運動の最中に摂取してもよい。
本発明の組成物を上記運動と併用することによって低減される体脂肪の具体的な例としては、例えば、全脂肪、皮下脂肪又は内臓脂肪が挙げられ、特に全脂肪と皮下脂肪の低減効果は顕著である。体脂肪の測定対象部位としては、例えば腹部が挙げられる。これらの体脂肪の低減効果の確認は、例えば実施例に記載の腹部脂肪面積の測定方法により行うことができる。
(組成物の形態)
本発明の組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、又は、当該剤を含む組成物として提供することもできる。
本発明の組成物は、例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の形態で提供することができるが、これらに限定されるものではない。本発明の組成物は、それ自体が飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等であってもよく、これらに使用される添加剤等の製剤、素材であってもよい。一態様において、本発明の組成物は、好ましくは経口用組成物である。
一態様において、本発明の組成物は、好ましくは飲食品、医薬(好ましくは経口用医薬)又は医薬部外品であり、より好ましくは飲食品又は経口用医薬であり、さらに好ましくは飲食品であり、さらにより好ましくは飲料である。
上記飲食品は特に限定されず、例えば、一般的な飲食品、健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品、健康食品、健康補助食品、サプリメント類、病者用食品若しくは食品添加剤、又はそれらの原料等が挙げられる。上記飲食品の形態も特に限定されず、通常の飲料又は食品の形態の他、粉末、錠剤、被覆錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、丸薬、カプセル剤、ドライシロップ剤、チュアブル剤等の経口用固形製剤;内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤の各種製剤形態とすることもできる。
上記飲料としては、例えば、茶系飲料(緑茶、烏龍茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、麦茶、玄米茶、そば茶、ルイボスティー、マテ茶等)、コーヒー飲料、フレーバードウォーター系飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、野菜・果実系飲料(青汁、野菜ジュース、フルーツジュース等)、アルコール飲料(アルコール度数1度以上の飲料)等が挙げられるが、好ましくは茶系飲料、フレーバードウォーター系飲料、スポーツ飲料又は炭酸飲料であり、より好ましくは茶系飲料である。
上記飲料は、対象が摂取する際に飲用されるものであれば、その限りにおいて市場に流通される際の形態や、それに含まれる各成分の配合割合を特に制限するものではない。従って、上記飲料は粉末やシロップ等の濃縮物であってもよく、飲用時に水、アルコール類、炭酸水等で希釈、溶解、浸出(茶葉又はティーバッグ等)して飲用されるものも含まれる。
これらの希釈等を行って飲用される形態の飲料製品については、本明細書に記載された飲料の各成分の濃度又は量は、飲用される際の濃度又は量を表す。
上記の医薬又は医薬部外品の剤形は、投与形態に適した剤形とすればよく、またヒトに用いるものであっても非ヒト動物用医薬であってもよい。医薬又は医薬部外品の投与形態は経口投与でもよいし、非経口の形態で投与してもよいが、経口投与が好ましい。
経口用医薬の剤形として、例えば、錠剤、被覆錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、丸薬、カプセル剤、ドライシロップ剤、チュアブル剤等の経口用固形製剤;内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤が挙げられる。非経口用医薬の剤形として、例えば、注射剤、輸液剤、外用剤、坐薬、経皮吸収剤等が挙げられる。
上記飼料としては、例えば、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料;ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料;犬、猫、小鳥等に用いるペットフードなどが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限り、有効成分であるケルセチン又はその配糖体の他に、任意の添加剤、任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び成分としては、一般的に飲食品、医薬、医薬部外品、飼料、化粧料等に使用可能なものが使用できる。任意の添加剤又は成分の一例としては、ビタミンE、ビタミンC等のビタミン類、ミネラル類、栄養成分等の生理活性成分の他、製剤化において配合される賦形剤、結合剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、凝固剤、コーティング剤、香料等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記以外にも、その用途に応じて、飲食品、医薬、医薬部外品、飼料、化粧料等に使用される素材等の成分を適宜配合することができる。
本発明の組成物には、包装、容器又は説明書に用途、有効成分の種類、上述した効果、使用方法(例えば、摂取方法、投与方法)等の1又は2以上を表示してもよい。
このような表示として、本発明には、例えば、(1)上記運動による体脂肪低減効果の増強、上記運動による体脂肪の減少の促進若しくは増加、上記運動による体脂肪の分解の促進若しくは増加、又は上記運動による体脂肪の燃焼の促進若しくは増加の作用を有する旨、(2)該作用を得るために用いられる旨の表示(例えば、「飲んで歩こう」、「低~中強度の運動と合わせて」、「日常的な運動習慣にプラス」などの本発明の組成物と上記運動との併用を推奨する表示など)、及び(3)該作用を必要又は所望する対象の表示(例えば、「日常的に運動しながら体脂肪を減らしたい方に」、「軽い運動で体脂肪を減らしたい方に」、「歩行で体脂肪を減らしたい方に」など)、から選ばれる少なくとも1つの表示が付されていてもよい。
本発明の組成物中のケルセチン又はその配糖体の含有量は特に制限されず、その形態等に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明の組成物のケルセチン又はその配糖体の総含有量(ケルセチン及びその配糖体の合計含有量)は、組成物全量に対してケルセチン換算量で、例えば0.001重量%以上、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上であり、また、例えば99.9重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは45重量%以下である。
本発明の組成物が飲料の場合、組成物中のケルセチン又はその配糖体の総含有量は、組成物全量に対してケルセチン換算量で、好ましくは0.002~0.5質量%、好ましくは0.003~0.1質量%、より好ましくは0.005~0.05質量%、さらに好ましくは0.01~0.02質量%である。
本明細書において飲料の成分の濃度又は量をいうときは、特に記載した場合を除き、最終製品における濃度又は量を指す。殺菌等の工程により、成分が多少分解することがあり、その分解量を加味して、飲料への配合量を決定することもできるが、通常、配合時の濃度又は量と最終製品中のそれとはほぼ一致する。
本発明の組成物がサプリメント類の場合、組成物中のケルセチン又はその配糖体の総含有量は、組成物全量に対してケルセチン換算量で、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは0.2~20質量%、さらに好ましくは0.3~10質量%とすることができる。
ケルセチン配糖体量の測定は、特に記載した場合を除き、QG1~QG7を関与成分として、下記の方法により求められる:すなわち、標準物質としてQuercetin 3-O-glucoside(QG1)を用い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、紫外部吸光度350nmにおける面積と標準物質濃度により検量線を作成する。ケルセチン配糖体は、小腸でケルセチンに加水分解されることから、QG1からQG7は生理活性的に同等であると考えられ、またケルセチンの3位配糖体は糖鎖の長さに関わらず、すべて350nmに極大吸収を持ち、その吸光度はアグリコン部分であるケルセチンに依拠する。したがって、分子量は異なるが、モル吸光度ではQG1~QG7は等しくなると考えられ、QG1換算で関与成分を定量する。具体的には、分析試料を、標準物質と同一条件でHPLCに供し、得られたチャートにおいて、標準物質の溶出保持時間と一致するピークを特定する。そして、QG1のピークより前に検出されるケルセチン配糖体QG2~QG7のピークを特定し(もしあれば)、各々のピーク面積の総計から、標準物質を用いて作成した検量線を用いて、分析試料中のケルセチン配糖体含量を算出する。
別の観点からは、ケルセチン又はその配糖体はまた、組成物が350~500ml容量の容器詰め飲料の場合、飲料1本当たり、下記のQG1に換算した量で、10~1800mg、好ましくは50~900mg、より好ましくは100~500mg、さらに好ましくは100~250mgとすることができる。
なお、本明細書において飲料中のケルセチンの配合量をいうときは、特に記載した場合を除き、ケルセチン配糖体の配合量を合計したものをQG1(例えば、イソクエルシトリン)として換算し、QG1が加水分解されて生じるケルセチンの量を指す。QG1が加水分解されて生じるケルセチン量は、ケルセチンの分子量302、QG1の分子量464を用いて、(ケルセチン配糖体量/464)×302で求めることができる。
(用法・用量)
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取又は投与することができる。本発明の組成物は、経口投与又は摂取されてもよく、注射剤等の形態として、非経口投与されてもよいが、好ましくは経口投与又は摂取される。
本発明の組成物の摂取量(投与量ということもできる)は特に限定されず、投与形態、投与方法等に応じて適宜設定すればよい。一態様として、例えば、ヒト(成人)を対象に経口又は非経口で投与する又は摂取させる場合、本発明の組成物の摂取量は、ケルセチン又はその配糖体の総摂取量(ケルセチン及びその配糖体の合計摂取量)として、ケルセチン換算量として1日あたり0.1mg~8000mgが好ましく、0.3mg~4000mgがより好ましく、1.0mg~1000mgがさらに好ましく、10mg~500mgがさらにより好ましく、30mg~250mgが特に好ましい。上記量を、例えば1日1~3回に分けて経口投与又は摂取させることが好ましい。
本発明の組成物の摂取期間及び摂取回数は特に限定されず、例えば、低~中強度の運動を行った日に上記量を例えば1日1~3回に分けて摂取してもよく、また、運動を行う前日や次の日など、運動の日の前後で摂取してもよい。本発明の効果をより顕著に奏する観点からは、本発明の組成物は、運動の有無に関わらず、日常的に、例えば、毎日、週1~6回、又は週1~3回摂取することが好ましい。また、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、摂取期間は、2週間以上、4週間以上、8週間以上、又は12週間以上とすることが好ましい。例えば、このような期間に、毎日、週1~6日、又は週1~3日の頻度で本発明の組成物を上記量で摂取し、また、同期間に、前述した低~中強度の運動を反復的に(例えば、定期的に)行うことが好ましい。
(対象)
本発明の組成物を投与又は摂取させる対象(以下、単に投与対象ともいう)は、動物が好ましく、哺乳動物(ヒト及び非ヒト哺乳動物)がより好ましく、ヒトがさらに好ましい。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ウマ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、サル等が挙げられる。また、本発明における投与対象として、低~中強度の運動による体脂肪の低減効果を増強することを必要とする又は希望する対象が好ましい。例えば、日常的に運動量が不足する、若しくは運動可能な時間が限られる対象、又は体重増加、加齢等により運動機能が低下した対象等が好適な対象として挙げられる。
また、BMI(Body Mass Index)が22以上(好ましくは25以上、例えば25以上30未満(肥満(I度)))の者もまた、本発明の組成物の好適な対象である。これらの対象者においては、本発明の組成物は、体への負担を抑えるうえで低~中強度の運動が好ましいことや、BMIが18.5~25未満の普通体重の者に比べて本発明の効果をより顕著に奏する点で好ましい。
[低~中強度の運動による体脂肪の低減を増強する方法]
本発明は、対象に低~中強度の運動(例えば、運動強度が2.5~6.5メッツの運動)を行わせる工程、及び対象にケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させる工程を含む、対象の低~中強度の運動による体脂肪の低減を増強する方法を含む。
上記方法は、治療的な方法であってもよく、非治療的な方法であってもよい。「非治療的」とは、医療行為、すなわち手術、治療又は診断を含まない概念である。
ケルセチン又はその配糖体の投与量は、対象の運動による体脂肪の低減を増強する量、すなわち有効量であればよく、特に限定されず、例えば上述の[低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物]の項で記載した用量を投与又は摂取することが好ましい。ケルセチン又はその配糖体は、そのまま投与又は摂取してもよいし、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物として投与又は摂取してもよい。例えば、上述した本発明の組成物を投与又は摂取することができる。ケルセチン又はその配糖体、低~中強度の運動、投与対象、投与方法、投与量及びそれらの好ましい態様等は、上述した本発明の組成物におけるものと同じである。本発明の方法によれば、副作用を生じず、安全に、低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1 ケルセチン配糖体と低~中強度の運動の併用の効果のヒト試験]
(試験の概要)
(1)試験飲料
被験飲料としては、ケルセチン配糖体をイソクエルシトリンとして110mg(ケルセチン換算量で71.6mg)配合した緑茶飲料500mLを使用した。対照飲料としては、ケルセチン配糖体を配合しない緑茶飲料500mLとし、被験飲料と形状、色、風味等からは区別ができないように調製したものを使用した。被験飲料及び対照飲料の栄養成分分析値は、いずれもエネルギー0kcal、たんぱく質、脂質、炭水化物それぞれ0gであった。
(2)試験対象者
20歳以上65歳未満、肥満I度(BMIが25kg/m以上30kg/m未満)の健康な男女を試験対象者とした。また、定期的に激しい運動(ジョギング、エアロビクス、筋力トレーニング、水泳等)をしている者、アルコール多飲者及び過度の喫煙者、医薬品を継続的に摂取している者、試験期間中に妊娠又は妊娠を希望する者と授乳中の者、試験飲料に対しアレルギーを有する者、その他試験責任医師が試験対象者として不適切と判断した者などは除外した。
(3)試験方法
本試験例は、摂取期間12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験として実施した。試験対象者をランダム性が確保されるように被験飲料群(n=74)と対照飲料群(n=74)に割り付けた。試験対象者には、試験飲料摂取開始時の検査実施後から摂取後12週検査前日まで、割付に従い被験飲料又は対照飲料を1日1本継続摂取させ、加えて試験前に計測した各試験対象者の1週間の平均歩数より毎日3000歩程度(目標範囲:3000±500歩)多く歩くよう指導した。また、試験期間中、食事及び歩行以外の運動は試験開始前から大きく変化させず、可能な限り一定に維持するように指導した。なお、歩行の運動強度は一般的には2.5~4.0メッツ程度である。また、3000歩は一般的にはおよそ30分程度の歩行に相当する。
(4)検査項目
試験対象者について、下記の項目の検査を行った。各検査データの収集は摂取開始時(0週)、摂取後8週、12週検査時に行った。
<腹部脂肪面積>
腹部脂肪面積の測定は、Tokunagaらの方法(Tokunaga K et al. Int. J. Obes., 1983, Vol.7, pp.437-45)に従い、臍部のコンピューター断層撮影(CT)スキャナシステム(日立全身用X線装置 ROBUSTO Ei、株式会社日立メディコ、東京都)により測定した。測定部位は臍部(臍部の位置撮影時の画像に腎臓・腸骨が含まれる場合には第4腰骨を中心に再撮影)とし、終末呼気位相において撮影した。CT撮影条件は管電圧:120kVp、管電流量:AEC機能、スライス厚:5mmで、フィルム処理はウインドウレベル「0」、ウインドウ幅「1000」とした。得られた画像は内臓脂肪計測PCソフト(ファットスキャンプレミアム、株式会社東日本技術研究所、茨城県)を用いて解析した。
<歩数>
歩数計を用いて試験対象者に毎日の歩数を生活日誌に記録させ、摂取開始時(0週)~摂取後12週検査の各期間について1日あたりの平均歩数を求めた。
(5)統計解析
割付された全試験対象者から、試験飲料を全く摂取しなかった試験対象者、割付後のデータが全て存在しない試験対象者を除いた集団をFull Analysis Set(FAS)、FASのうち試験実施計画書を遵守した集団をPer Protocol Set(PPS)と定義した。解析は、PPSに対して行った。
腹部脂肪面積については、群、検査時期及び群と検査時期の交互作用を固定効果、試験対象者を変量効果とした線形混合効果モデルにより評価した。各検査時期における各試験飲料の摂取群間の比較及び摂取開始時(0週)との比較を行った。摂取群間の比較については、F検定により等分散性の検定を行い、等分散の場合にはStudentのt検定を、不等分散の場合にはWelchのt検定を行うことにより評価した。摂取開始時(0週)との比較については、対応のあるt検定で評価した。統計学的な有意水準は5%、検定は両側とした。集計・解析にはSAS software(R9.4,SAS Institute Japan)、SPSS(SPSS Statistics ver.27, IBM)等を使用した。
(結果)
(1)解析対象者
割付時は148名であったが、143名(被験飲料群73名、対照飲料群70名)が摂取を開始した(FAS)。割付時の試験対象者の背景データを表1に示す。PPSに係る試験対象者数は結果の各表に記載した。
(2)腹部全脂肪面積
結果を表2、表3に示す。被験飲料の12週間の継続摂取により、対照飲料の摂取に比較して、腹部全脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(線形混合効果モデルによる群と検査時期の交互作用:p<0.05、群の主効果:p<0.05)。また、被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取後8週及び12週検査において、腹部全脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(p<0.05)。また、被験飲料群では、摂取開始時(0週)に比較して、摂取後8週及び12週検査において腹部全脂肪面積の有意な減少が認められた(p<0.05)。
(3)腹部皮下脂肪面積
結果を表2、表3に示す。被験飲料の12週間の継続摂取により、対照飲料の摂取に比較して、腹部皮下脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(線形混合効果モデルによる群と検査時期の交互作用:p<0.05、群の主効果:p<0.05)。被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取後8週及び12週検査において、腹部皮下脂肪面積変化量の有意な減少を示した(p<0.05)。また、被験飲料群では、摂取開始時(0週)に比較して、摂取後8週及び12週検査において腹部皮下脂肪面積の有意な減少が認められた(p<0.05)。
(4)歩数
摂取開始前の1日平均歩数は被験飲料群6890.2歩/日、対照飲料群7000.4歩/日、摂取期間中(摂取開始日~摂取後12週検査)の1日平均歩数は被験飲料群9813.0歩/日、対照飲料群10000.0歩/日であり、両群ほぼ同様の推移を示した。
[比較例1 運動と併用しない場合のケルセチン配糖体の効果のヒト試験]
(試験概要)
BMI25以上30未満の20~65歳の試験対象者(男性81名、女性119名)を対象に、無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施した。無作為に2群に分け、ケルセチン0mg又は110mgを含む飲料を12週間摂取させた(対照飲料群89名(男性36名、女性53名)、被験飲料群83名(男性33名、女性50名))。本試験の方法及び結果の詳細は、江川らの論文(江川ら,薬理と治療,2012年,第40巻第6号,pp.495-503)に記載の通りである。
即ち、比較例1の試験は、上記実施例1の試験とは、運動の指示がない点で異なるが、飲料、対象(肥満I度の成人男女)、地域、季節については同一の条件で実施したものである。
(結果)
試験開始後12週時点の腹部全脂肪面積は、試験開始時と比較して、被験飲料群では-5.32±2.42cm、対照飲料群では+4.97±2.34cm(いずれも誤差は標準誤差)であった。対照飲料群に対する被験飲料群の腹部全脂肪面積変化量(摂取後12週検査)は-10.30cmであった。
試験開始後12週時点の腹部皮下脂肪面積は、試験開始時と比較して、被験飲料群では-2.31±1.73cm、対照飲料群では+0.64±1.56cmであった。対照飲料群に対する被験飲料群の腹部皮下脂肪面積変化量(摂取後12週検査)は-2.94cmであった。
[実施例1と比較例1の比較による考察]
各試験における試験開始後12週時点の試験開始時に対する腹部全脂肪面積及び腹部皮下脂肪面積それぞれの変化量を比較したグラフを図1、図2に示した。ケルセチン配糖体の摂取と3000歩程度の歩行のような低~中強度の運動を組み合わせることによって、運動を併用しない場合に比べて、腹部全脂肪面積及び腹部皮下脂肪面積が顕著に減少した。そのような低~中強度の運動との併用効果は、ケルセチン配糖体を含有しない対照飲料を摂取した群では観察されなかった。
以上から、ケルセチン配糖体により、低~中強度の運動による体脂肪低減効果が顕著に増強されることが示された。

Claims (9)

  1. ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物。
  2. ケルセチン又はその配糖体を含有する、運動と併用して対象の体脂肪を低減するための組成物であって、前記運動の強度が2.5~6.5メッツである、組成物。
  3. ヒト成人におけるケルセチン又はその配糖体の総摂取量が、ケルセチン換算量として、1日あたり30~250mgとなる量でケルセチン又はその配糖体を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 飲食品である、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 対象に運動強度が2.5~6.5メッツの運動を行わせる工程、及び
    対象にケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させる工程
    を含む、対象の運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
  6. 2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記組成物はケルセチン換算量として1日あたり30~250mgの摂取量となる量のケルセチン又はその配糖体を含有する、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
  7. 2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
  8. 1日あたり8500歩以上の歩行を行う対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
  9. 1日あたり8500歩以上の歩行を週に3日以上かつ2週間以上継続する対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を2週間以上の期間で週に3日以上継続して摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
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