JP2024012722A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命の短期化を抑止した導電性高速転がり軸受を提供する。【解決手段】内輪11と外輪21との間に形成された環状空間2に、イオン液体が添加されたグリースを封入し、シール部材31のシール部41の材料に、水素化ニトリルゴム(HNBR)を用いて導電性高速転がり軸受1を構成した。これにより、イオン液体が添加されたグリースによるシール部41の膨潤が抑止されるので、高温高速回転による第1リップ部47及び第2リップ部48の異常摩耗並びに亀裂の発生が抑止され、導電性高速転がり軸受1の寿命が短期化するのを抑止することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受に関し、例えば、電気自動車の駆動用モータに用いられる導電性高速転がり軸受に関する。
電気自動車の駆動用モータは、モータシャフトとハウジングとの間で帯電する。このため、モータシャフトを支持する転がり軸受は、転動体と転送面との間でグリースを通じてスパークが発生することによる電食を抑止する必要がある。例えば、特許文献1には、U字形状シール溝2bと第1リップ7a及び第2リップ7bとで画定された環状空間Sに、イオン性液体を基油としたイオン性流体グリースを塗布又は充填した転がり軸受が開示されている。特許文献1に記載された転がり軸受は、電流が玉3(転動体)を通らずに導電性のシール部材5を通って流れるため、電食の発生を抑制する効果がある。
特開2009-162272号公報
特許文献1に記載された転がり軸受は、シール部材の材料として、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等の導電性ゴムが用いられる。導電性ゴムは、耐油性が劣るため、シール部材の材料として用いた場合、グリースの基油による膨潤が問題視される。特に、電気自動車の駆動用モータにおける高速回転の使用条件下では、シール部材のリップが異常摩耗を起こし、グリースが外部へ漏出して潤滑性能が低下することで転がり軸受の寿命が短期化する。
本発明は、寿命の短期化を抑止した導電性高速転がり軸受を提供することを課題とする。
本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に形成された環状空間に設けられる複数個の転動体と、前記環状空間をシールするシール部材と、を備える転がり軸受であって、前記環状空間には、イオン液体が添加されたグリースが封入され、前記シール部には、水素化ニトリルゴムが用いられることを特徴とする。
本発明によれば、導電性高速転がり軸受の寿命の短期化を抑止することができる。
本実施形態に係る転がり軸受の一部を拡大して示す図である。 図1における要部を拡大して示す図である。 第1リップ部とシール溝との接触部に形成される溝を示す図である。 比較例1のシール構造の説明図である。 比較例2のシール構造の説明図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
以下、電気自動車の駆動用モータに用いられる導電性高速転がり軸受1(以下「転がり軸受1」と称する)を説明するが、当該転がり軸受1の用途を限定することを意図するものではない。なお、転がり軸受1は、軸平面による断面が軸方向対称(図1における「左右対称」)である。よって、簡潔に説明することを目的に、当該断面の、対称線の図1における右側部分のみ説明する。なお、転がり軸受1の回転中心である軸線(以下「軸線」と称する)を中心とする円周に沿う方向を「周方向」と称する。
図1に示されるように、転がり軸受1は、内輪11と、外輪21と、内輪11と外輪21との間に形成された環状空間2に設けられる複数個の転動体3と、複数個の転動体3を周方向へ一定間隔をあけて保持するリテーナ4(環状保持器)と、を備える。内輪11、外輪21、及び転動体3はスチールからなり、リテーナ4は合成樹脂からなる。内輪11の外周面12及び外輪21の内周面22の軸方向(図1における「左右方向」)中央には、周方向へ延びて転動体3を転送する環状の転送面13及び23が設けられる。なお、内輪11の外周面12及び外輪21の内周面22は、軸線を中心とする円筒面からなる。
転がり軸受1は、環状空間2をシールする一対のシール部材31(図1に右側のシール部材31のみ表示)を備える。シール部材31によってシールされた環状空間2には、一定量のグリース(図示省略)が封入される。グリースは、基油及び増ちょう材を含有し、イオン液体が添加されて体積抵抗率が汎用グリース(1.0×10- ~1.0×1014Ωcm)よりも低い1.0×10Ωcm程度に調整される。
イオン液体は、カチオン及びアニオンを適当に選択することで、各潤滑剤組成物の特性、潤滑剤の寿命の延長、潤滑作用の向上、温度適正の改善のための粘度調節、並びに使用分野を拡張するための電気伝導率の調節が成される。イオン液体に適したカチオンは、ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン又はピロリジニウムカチオンであり、当該カチオンは、フッ素を含有し、且つビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミド、ペルフルオロアルキルスルホナート、トリス(ペルフルオロアルキル)メチド、ビス(ペルフルオロアリール)イミド、ペルフルオロアリールペルフルオロアルキルスルホニルイミド、及びトリス(ペルフルオロアルキル)トリフルオロホスファートから選択されたアニオン、又はハロゲン不含のアルキルスルファートアニオンと組み合わされる。
ここで、イオン液体は、概して高い熱安定性を有することから、高度にフッ素化されたアニオンを含有することが有利である。例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アニオンを含有するイオン液体では、水を吸収する能力を顕著に減少させることが可能である。
このようなイオン液体として、ブチルメチルピロリジニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(MBPイミド)、メチルプロピルピロリジニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(MPPイミド)、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム-トリス(ペルフルオロエチル)トリフルオロホスファート(HMIMPFET)、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HMIMイミド)、ヘキシルメチルピロリジニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HMP)、テトラブチルホスホニウム-トリス(ペルフルオロエチル)トリフルオロホスファート(BuPPFET)、N-ヘキシルピリジニウム-ビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド(Hpyimid)、ブチルメチルピロリジニウム-トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート(MBPPFET)、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HPDイミド)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチルスルファート(EMIMエチルスルファート)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMIMイミド)、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMMIMイミド)、N-エチル-3-メチルピリジニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(EMPyflat)等がある。
なお、グリースの組成は、例えば、基油としてエステル油が80質量%、増ちょう剤として脂肪族-芳香族ウレアが12質量%、添加剤として混合物が3質量%、及びイオン液体としてトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HPDイミド)が5質量%である。他の組成として、基油として合成炭化水素油が80質量%、増ちょう剤として脂肪族-脂環式ウレアが12質量%、添加剤として混合物が3質量%、及びイオン液体としてトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HPDイミド)が5質量%がある。
転がり軸受1の両側部(図1に右側部のみ表示)には、シール部材31が取り付けられるシール取付部5が設けられる。シール取付部5は、内輪11の外側周縁に沿って設けられた環状のシール溝15と、外輪21の内側周縁に沿って設けられた環状のシール溝25と、を有する。外輪21のシール溝25は、軸線に対して一定角度(例えば「25°」)で傾斜して外輪21の側面24から軸方向内側(図1における「左側」)へ進むにつれて拡径された傾斜部26と、軸線に対して垂直をなす底部27と、を有する。なお、傾斜部26と底部27との間には、R部28(曲面)が形成される。
内輪11のシール溝15は、外周面12よりも小径の小径部16と、小径部16と内輪11の外周面11との間に設けられた底部17(段部)と、を有する。小径部16は、軸線を中心とする円筒面からなる。底部17は、外輪21のシール溝25の底部27よりも内側(図1における「左側」)に設けられて軸線に垂直な平面(底部27)に対して一定角度(例えば「5°」)で傾斜する。また、底部17は、内輪11の外周面12の外側周端から小径部16の内側周端へ進むにつれて、内輪11の側面14からの距離が短くなる。即ち、小径部16と底部17とは鈍角(例えば「95°」)をなす。
シール部材31は、芯金32と、芯金32の一部を被うシール部41と、からなる。芯金22は、シール取付部5のシール溝15とシール溝25との間を転がり軸受1の径方向(図1における上下方向、以下「径方向」と称する)へ延びる環状部材からなる。芯金32の外側周縁には、軸線に沿って内側(図1における「左側」)へ延びるフランジ部33が形成される。フランジ部33が形成された芯金32の外周縁部35は、フランジ部33の端面34が外輪21のシール溝25の底部27に対向する位置まで延ばされている。
シール部41は、材料として、アクリロニトリルと水素化されたブタジエンのランダム共重合体である水素化ニトリルゴム(HNBR)が用いられる。シール部41の外周周縁部42は、芯金32のフランジ部33を被って外輪21のシール溝25に嵌着(固定)される。外周縁部42は、シール取付部25の傾斜部26と底部27とに密着される。シール部41は、芯金32の内周縁部36を被う厚肉部43(図2参照)を有する。厚肉部43は、芯金32の内周縁部36から内輪11のシール溝15の底部17に向かって芯金32に対して内側へ傾斜して延びる。なお、芯金32の外側面37は、シール部41の薄肉部44によって被われる。
図2に示されるように、シール部41の内周縁部45には、内輪11のシール溝15の小径部16に摺動可能に当接される第1リップ部47と、シール溝15の底部17に摺動可能に当接される第2リップ部48と、が設けられる。第1リップ部47は、シール部41の内周縁部45から軸方向内側(図2における左側)へ突出して周方向へ延びる。内周縁部45における第1リップ部47の外周には、矩形断面の環状溝49が形成される。環状溝49の形状(寸法)を調整することで、第1リップ部47の撓み剛性、即ち、第1リップ部47の、シール溝15の小径部16への押圧力を調節することが可能である。なお、本実施形態では、第1リップ部47の、シール溝15の底部17への接触圧(締め代)は、第2リップ部48の小径部16への接触圧よりも小さく、概ね半分となっている。しかし、第1リップ部47の底部17への接触圧は、転がり軸受1に予圧を付与したとき、予圧側のシール部材31、反予圧側のシール部材31共に、接触が維持されるように設定されている。
第2リップ部48は、シール部41の内周縁部45から、軸線に垂直な平面に対して一定角度(例えば「45°」)で外側へ傾斜して周方向へ延びる。第2リップ部48は、第1リップ部47に対して鈍角(例えば「135°」)をなす。シール取付部15には、第1リップ部47、第2リップ部48、及び内輪11のシール溝15によって画定された環状空間50が形成される。ここで、内輪11のシール溝15の小径部16及び底部17は、切削(外丸削り)によって表面粗さ(Ra)が0.2~0.6μmに加工される。これにより、第1リップ部47とシール溝15の底部17との接触部、及び第2リップ部48とシール溝15の小径部16との接触部には、周方向へ延びる複数本の溝18(条線、図3参照)が形成される。
ここで、図4は、本実施形態に係る転がり軸受1における内輪11のシール溝15のような小径部16及び底部17(段部)を有していない内輪52の外周面53に1つのリップ部54を摺動可能に当接させたシール構造51(以下「比較例1のシール構造51」と称する)を示す。他方、図5は、本実施形態に係る転がり軸受1における内輪11のシール溝15のような小径部16及び底部17(段部)を有していない内輪62の外周面63に内側の第1リップ部64と外側の第2リップ部65とを摺動可能に当接させたシール構造61(以下「比較例2のシール構造61」と称する)を示す。なお、比較例1のシール構造51における内輪52の外周面53、及び比較例2のシール構造61における内輪62の外周面63は、研削による仕上げ加工が施されている。また、比較例1のシール構造51、及び比較例2のシール構造52では、芯金がリップ部と軸方向視で重なる位置まで延びている。
本発明の発明者は、比較例1のシール構造51、比較例2のシール構造61、及び本実施形態におけるシール構造(図2参照)の各シール構造におけるグリースの漏出抑止作用を評価する試験を行った。具体的には、軸受の温度(120℃)、軸の回転数(42000rpm)、予圧(39N)の条件で、100時間連続運転させたときの各シール構造におけるグリースの漏出抑止作用を評価した。なお、本試験では、イオン液体を添加したグリースを使用した。
その結果、比較例1のシール構造51では、転がり軸受の外側への基油の滲出が見られた。また、比較例2のシール構造61では、転がり軸受の外側へのグリースの漏出が見られた。他方、本実施形態におけるシール構造(図2参照)では、基油の滲出及びグリースの漏出が見られず、良好なシール性が示された。
さらに、比較例1のシール構造51における内輪52の外周面53には、リップ部54との接触部に摩擦熱による変色が見られた。また、比較例2のシール構造61における内輪62の外周面63においても、第1リップ部64及び第2リップ部65との接触部に摩擦熱による変色が見られた。これに対し、本実施形態におけるシール構造(図2参照)の底部17(段部)及び小径部16には、第1リップ部47及び第2リップ部48との接触部に摩擦熱による変色が見られなかった。
本実施形態の作用効果を説明する。
従来、転がり軸受における電食の発生を抑制する技術として、シール部材のリップ部とシール溝との接触部にイオン液体が添加されたグリースを塗布して、電流を転動体へ通さずに導電性のシール部材を通して流すことで、電食の発生を抑制するように構成した転がり軸受(以下「従来の転がり軸受」と称する)が知られている。
しかし、従来の転がり軸受は、シール部材の材料として、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等の導電性ゴムが用いられていたので、グリースの基油によって材料のゴムが膨潤して、電気自動車の駆動用モータにおける高速回転の使用条件下では、シール部材のリップが異常摩耗を起こし、グリースが外部へ漏出して潤滑性能が低下することにより転がり軸受の寿命が短期化することが問題になっていた。
これに対し、本実施形態では、内輪11と外輪21との間に形成された環状空間2に、イオン液体が添加されたグリースを封入し、シール部材31のシール部41の材料に、水素化ニトリルゴム(HNBR)を用いて転がり軸受1を構成した。
本実施形態によれば、例えば、電気自動車の駆動用モータのモータシャフトを転がり軸受1で支持した場合、モータシャフト(図示省略)とハウジング(図示省略)との間で帯電した電気は、モータシャフト、内輪11、グリース、外輪21を通って流れる。本実施形態では、グリースにイオン液体を添加することで体積抵抗率を1.0×10Ωcm程度まで低下させているので、転動体3と転送面13,23との間でグリースを通じてスパークが発生することがなく、電食による転がり軸受1の損傷を抑止することができる。
また、本実施形態では、シール部材31のシール部41の材料として水素化ニトリルゴム(HNBR)を用いたので、イオン液体が添加されたグリースによるシール部41の膨潤を抑止することができる。これにより、転がり軸受1の高速回転による第1リップ部47及び第2リップ部48の異常摩耗並びに亀裂の発生が抑止され、転がり軸受1の寿命が短期化するのを抑止することができる。
また、本実施形態では、シール部41の内側の第1リップ部47を内輪11のシール溝15の底部17(段部)に摺動可能に当接させ、シール部41の外側の第2リップ部48をシール溝15の小径部16(円筒面)に摺動可能に当接させたので、第1リップ部47、第2リップ部48、及びシール溝15によって画定された環状空間50にオイル溜まりが形成される。これにより、当該オイル溜まりから、第1リップ部47とシール溝15の底部17との接触部、及び第2リップ部48とシール溝15の小径部16との接触部へ、潤滑油を供給することが可能であり、これら接触部における摩擦抵抗を低減することができる。
さらに、本実施形態では、内輪11のシール溝15、即ち、底部17(段部)及び小径部16(円筒面)を、切削によって表面粗さ(Ra)0.2~0.6μmに加工したので、第1リップ部47とシール溝15の底部17との接触部、及び第2リップ部48とシール溝15の小径部16との接触部に、周方向へ延びる複数本の溝18(条線)が形成される。これら複数本の溝18に、環状空間50に形成されたオイル溜まりから潤滑油が供給されることにより、第1リップ部47とシール溝15の底部17との接触部、及び第2リップ部48とシール溝15の小径部16との接触部における摩擦抵抗をより低減することができる。
このように、本実施形態では、基油の滲出、グリースの漏出、並びに第1リップ部47及び第2リップ部48の異常摩耗等による損傷を防止すること、さらに2つのリップ部47,48によって外部から環状空間2への異物の侵入を抑制することが可能であり、導電性高速転がり軸受1の寿命が短期化することを抑止することができる。
1 転がり軸受、2 環状空間、3 転動体、11 内輪、21 外輪、31 シール部材、32 芯金、41 シール部

Claims (4)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に形成された環状空間に設けられる複数個の転動体と、前記環状空間をシールするシール部材と、を備える転がり軸受であって、
    前記環状空間には、イオン液体が添加されたグリースが封入され、
    前記シール部材のシール部には、水素化ニトリルゴムが用いられることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記内輪は、外周面に設けられて前記転動体を転送する転送面と、前記外周面の軸方向両側に設けられて前記外周面よりも小さい外径の小径部と、前記外周面と前記小径部との間に設けられる段部と、を備え、
    前記シール部は、前記段部に当接される内側のリップ部と、前記小径部に当接される外側のリップ部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記段部と前記内側のリップ部との接触部、及び前記小径部と前記外側のリップ部との接触部には、前記内輪の周方向へ延びる複数本の溝が設けられることを特徴とする請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記複数本の溝は、前記段部及び前記小径部を切削加工することで形成されることを特徴とする請求項3に記載の転がり軸受。
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