JP2024011769A - 画像形成装置および画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を帯電手段に供給することで像担持体を帯電させる画像形成装置において、交流電圧のピーク間電圧値を、より安価な構成で適切な値に設定可能とする。【解決手段】 本発明に係る画像形成装置(10)によれば、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)との重畳電圧(Vc)が、帯電ローラ(50)に供給される。この重畳電圧(Vc)を成す交流電圧(Vac)のピーク間電圧値Vppについて、当該ピーク間電圧値Vppと、かぶりトナーの濃度を表すかぶり値Voutと、の関係に基づいて、適切なピーク間電圧値Vppである基準ピーク間電圧値Vstが導出され、この導出された基準ピーク間電圧値Vstが、実際の画像形成処理時のピーク間電圧値Vppとして設定される。ゆえに、より安価な構成で適切なピーク間電圧値Vppを設定することができる。【選択図】 図6

Description

本開示は、画像形成装置および画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法に関し、特に、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧が供給されることで像担持体を帯電させる、画像形成装置および画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法に関する。
この種の画像形成装置においては、像担持体の表面が帯電手段により一定の電位に帯電される。その際、帯電手段は、帯電電圧の供給を受けるが、この帯電電圧として、直流電圧と交流電圧との重畳電圧が採用されることで、とりわけ当該交流電圧のピーク間電圧値(振幅)が所定値以上とされることで、所期の通りの帯電を行い得ることが知られている。その一方で、交流電圧のピーク間電圧値が過度に大きいと、像担持体に掛かる負担が大きくなり(像担持体の表面が削られ易くなるなどして)、当該像担持体の寿命が短くなる虞がある。したがって、交流電圧のピーク間電圧値は、所定値以上であり、かつ、出来る限り小さい値であることが、望ましい。
たとえば、特許文献1には、帯電手段と像担持体との間に流れる直流電流値から、像担持体の表面電位を推測し得ること、厳密には当該表面電位が所期の通りの値であるかどうかを判定し得ること、に着目して、当該直流電流値と交流電圧のピーク間電圧値との関係に基づいて、適切なピーク間電圧値(適正ピーク間電圧値)が設定される技術が、開示されている。
特開2007-199095号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示された技術では、帯電手段と像担持体との間に流れる直流電流値を計測するために、直流電流計測手段を設ける必要がある。この直流電流計測手段は、比較的に高価な要素であるため、当該直流電流計測手段を含む画像形成装置全体が高価な構成となる。
そこで、本開示は、より安価な構成で交流電圧の適切なピーク間電圧値を設定することができる、新規な画像形成装置および画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本開示は、画像形成装置に係る第1の開示、および、画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法に係る第2の開示を含む。
このうちの画像形成装置に係る第1の開示は、像担持体、重畳電源、帯電手段、露光手段、現像手段、検出手段および制御手段を備える。像担持体は、たとえば感光体ドラムである。重畳電源は、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を出力し、当該交流電圧のピーク間電圧値を変更可能である。帯電手段は、重畳電源から重畳電圧の供給を受けて、像担持体を帯電させる。露光手段は、帯電手段によって帯電された像担持体を露光して、静電潜像を形成する。現像手段には、トナーを含む現像剤が収容される。そして、現像手段は、バイアス電源からバイアス電圧が供給されることによって、トナーを像担持体に供給する。検出手段は、像担持体に付着したトナーの量を検出する。制御手段は、設定モードを実行可能である。この設定モードにおいて、制御手段は、露光手段を動作させず、バイアス電源から現像手段にバイアス電圧を供給させた状態で、重畳電源から帯電手段にピーク間電圧値が互いに異なる重畳電圧を時分割で供給させる。そして、制御手段は、それぞれのピーク間電圧値の重畳電圧が帯電手段に供給されたときの検出手段による検出値に基づいて、実際の画像形成時に帯電手段に供給する重畳電圧のピーク間電圧値を設定する。
なお、制御手段は、導出手段および設定手段を含んでもよい。導出手段は、設定モードにおいて、前述のそれぞれのピーク間電圧値の重畳電圧が帯電手段に供給されたときの検出手段による検出値に基づいて、画像形成時に帯電手段に供給する重畳電圧のピーク間電圧値の基準となる値を、換言すれば当該ピーク間電圧値として適切な値を、基準値として導出する。そして、設定手段は、導出手段により導出された基準値を、実際の画像形成時に帯電手段に供給する重畳電圧のピーク間電圧値として設定する。
ここで、導出手段は、たとえば、検出手段によるが検出値が所定の閾値以上となるピーク間電圧値の領域である第1領域と、当該検出手段による検出値が所定の閾値未満となるピーク間電圧値の領域である第2領域と、の境界に当たる境界ピーク間電圧値を特定する。そして、導出手段は、特定された境界ピーク間電圧値に対して所定の余裕値を加えた値を、基準値として導出してもよい。
本第1の開示においては、転写手段が、さらに備えられてもよい。この転写手段は、像担持体に形成されたトナー像を、シート状の画像記録媒体に転写する。この場合、設定モードは、像担持体に対してトナー像の形成が行われない非画像形成時に実行されるのが、望ましい。
また、設定モードは、像担持体または帯電手段の交換時に実行されるのが、望ましい。
本第1の開示においては、補正手段が、さらに備えられてもよい。この補正手段は、前述の導出手段によって導出された基準値を、画像形成装置の使用状況に応じて補正する。この場合、設定手段は、補正手段によって補正された基準値を、実際の画像形成時に帯電手段に供給する重畳電圧のピーク間電圧値として設定する。
加えて、本第1の開示においては、環境センサおよび記憶手段が、さらに備えられてもよい。環境センサは、画像形成装置の内部もしくは周囲の温度および湿度を検出する。そして、記憶手段は、画像形成の累積実行回数を記憶する。この場合、補正手段は、環境センサにより得られる環境情報、および、記憶手段に記憶された累積実行回数の、一部もしくは全部に基づいて、画像形成装置の使用状況を判定するのが、望ましい。
本開示のうちの画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法に係る第2の開示は、設定ステップを含む。ここで、画像形成装置は、像担持体、重畳電源、帯電手段、露光手段、現像手段、検出手段および制御手段を備える。像担持体は、たとえば感光体ドラムである。重畳電源は、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を出力し、当該交流電圧のピーク間電圧値を変更可能である。帯電手段は、重畳電源から重畳電圧の供給を受けて、像担持体を帯電させる。露光手段は、帯電手段によって帯電された像担持体を露光して、静電潜像を形成する。現像手段には、トナーを含む現像剤が収容される。そして、現像手段は、バイアス電源からバイアス電圧が供給されることによって、トナーを像担持体に供給する。検出手段は、像担持体に付着したトナーの量を検出する。制御手段は、設定モードを実行可能である。その上で、設定ステップでは、制御手段に設定モードを実行させる。この設定モードにおいて、制御手段は、露光手段を動作させず、バイアス電源から現像手段にバイアス電圧を供給させた状態で、重畳電源から帯電手段にピーク間電圧値が互いに異なる重畳電圧を時分割で供給させる。そして、制御手段は、それぞれのピーク間電圧値の重畳電圧が帯電手段に供給されたときの検出手段による検出値に基づいて、実際の画像形成時に帯電手段に供給する重畳電圧のピーク間電圧値を設定する。
本開示によれば、像担持体の帯電手段に供給する重畳電圧を成す交流電圧のピーク間電圧値を、より安価な構成で適切な値に設定することができる。
図1は、本開示の第1実施例に係る複合機の内部の構成を概略的に示す図である。 図2は、第1実施例に係る複合機の画像形成部の一部分を拡大して示すとともに、帯電ローラへの帯電電圧の供給状態および現像ローラへの現像バイアス電圧の供給状態を示す図である。 図3は、第1実施例における重畳電圧の態様を示す図である。 図4は、第1実施例における中間転写ベルトに対する画像センサの配置位置を示す図である。 図5は、第1実施例における重畳電圧を成す交流電圧のピーク間電圧値と感光体ドラムの表面電位との関係を示す図である。 図6は、第1実施例における重畳電圧を成す交流電圧のピーク間電圧値とトナーのかぶり値との関係を示す図である。 図7は、第1実施例における基準ピーク間電圧値の導出要領を説明するための図である。 図8は、第1実施例における重畳電圧を成す交流電圧のピーク間電圧値とトナーのかぶり値との関係の一具体例を示す図である。 図9は、第1実施例に係る複合機の電気的な構成を示すブロック図である。 図10は、第1実施例におけるかぶり値取得タスクの流れを示すフロー図である。 図11は、第1実施例におけるピーク間電圧値設定タスクの流れを示すフローである。 図12は、本開示の第2実施例における環境区分判定テーブルの構成を概念的に示す図である。 図13は、第2実施例における補正値判定テーブルの構成を概念的に示す図である。 図14は、第2実施例におけるピーク間電圧値補正タスクの流れを示すフローである。
[第1実施例]
本開示の第1実施例について、図1に示される画像形成装置10を例に挙げて説明する。
本第1実施例に係る画像形成装置10は、画像形成装置の一種であり、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を有する、いわゆる複合機(MFP)である。なお、図1は、使用可能な状態に設置された画像形成装置10の内部の構成を当該画像形成装置10の前方側から見た図である。すなわち、図1における上下方向は、画像形成装置10の上下方向に対応する。そして、図1における左右方向は、画像形成装置10の左右方向に対応する。さらに、図1の紙面の手前側は、画像形成装置10の前方に対応する。また、図1の紙面の奥側は、画像形成装置10の後方に対応する。
この画像形成装置10の上部には、画像読取手段としての画像読取部12が設けられる。画像読取部12は、不図示の原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像に応じた2次元の読取画像データを出力する、画像読取処理を担う。このため、画像読取部12は、原稿が載置される原稿台14を有する。原稿台14は、概略矩形平板状のガラスなどの透明部材により形成され、その両主面を水平方向に沿わせるように設けられる。そして、原稿台14の下方に、画像読取ユニット16が設けられる。詳しい説明は省略するが、画像読取ユニット16は、光源、ミラー、レンズ、ラインセンサなどを有し、原稿台14の上面に画像形成装置10の前後方向に沿って延伸する直線状の画像読取部Prを有する。さらに、原稿台14の下方には、画像読取ユニット16の画像読取部Prを画像形成装置10の左右方向に沿って移動(走査)させるための不図示の駆動機構が設けられる。すなわち、原稿台14に原稿が載置された状態で、画像読取ユニット16の画像読取部Prが駆動機構により移動されることで、当該原稿の画像が読み取られる。また、原稿台14の上方には、当該原稿台14に載置された原稿を押さえるための原稿押さえカバー18が設けられる。なお、画像形成装置10の前後方向は、主走査方向と呼ばれる。そして、画像形成装置10の左右方向は、副走査方向と呼ばれる。
画像読取部12の下方には、画像形成手段の一例としての画像形成部20が設けられる。この画像形成部20は、不図示のシート状の画像記録媒体、たとえば用紙に、前述の読取画像データなどの適宜の画像データに基づく画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を担う。この画像形成処理は、公知の電子写真方式により行われる。また、画像形成部20は、カラーの画像形成処理を行うために、タンデム方式を採用する。
具体的には、画像形成部20は、互いに異なる複数の色、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)という4つの色の、単色トナー画像を個別に形成するための4つの単色画像形成手段としての画像形成ステーション(「プロセスユニット」と呼ばれることもある。)22,22,…を有する。併せて、画像形成部20は、各画像形成ステーション22,22,…による単色トナー画像の形成に必要な露光を行う露光手段の一例としての露光装置24を有する。さらに、画像形成部20は、各画像形成ステーション22,22,…により形成された各単色トナー画像を後述する中間転写ベルト32上に順次転写し、中間転写ベルト32上に転写されたトナー画像を用紙上に転写するための転写手段としての転写ユニット26を有する。加えて、画像形成部20は、用紙上に転写されたトナー画像を当該用紙上に定着させるための定着手段としての定着装置28を有する。さらに加えて、画像形成部20は、中間転写ベルト32上に転写された各画像形成ステーション22,22,…により形成された各単色トナー画像を検出するための画像センサ30(画像検出手段)を有する。
ここで、画像センサ30は、中間転写ベルト32上に転写されたトナー画像のトナーの量を濃度情報として検出する。より詳しくは、中間転写ベルト32上に転写されたトナー画像のトナーの量が多いほど、濃度が高いものとして、当該濃度に応じた電圧値(信号レベル)の画像検出信号Sdを出力する。
転写ユニット26について詳しく説明する。この転写ユニット26は、中間転写ベルト(「1次転写ベルト」と呼ばれることもある。)32、中間転写ベルト32を回転させる駆動ローラ34、駆動ローラ34とともに中間転写ベルト32を張架する従動ローラ36、中間転写ベルト32の内側における各画像形成ステーション22,22,…と対応する位置に設けられた4つの中間転写ローラ(「1次転写ローラ」と呼ばれることもある。)38,38,…、転写ローラ40(「2次転写ローラ」と呼ばれることもある。)などを有する。
中間転写ベルト32は、駆動ローラ34および従動ローラ36によって張架される。駆動ローラ34は、不図示のベルト用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図1において反時計回りに回転する。これに伴い、中間転写ベルト32が周回移動(走行)するとともに、従動ローラ36が回転する。中間転写ベルト32における駆動ローラ34と従動ローラ36との間の領域のうちの下方の領域32aは、水平方向に沿って張架されており、この水平方向に沿って張架された領域32aと対向するように、各画像形成ステーション22,22…が配置される。この中間転写ベルト32における各画像形成ステーション22,22…が配置された領域32aは、中間転写領域と呼ばれる。この中間転写領域32aにおいては、中間転写ベルト32は、画像形成装置10の左側から右側へ向かって移動し、つまり副走査方向に沿って移動する。
なお、中間転写ベルト32は、可撓性を持つ無端帯状体であり、カーボンブラックなどの導電性材料が適宜に配合された合成樹脂(たとえばポリイミドやポリカーボネート)製である。また、詳しい説明は省略するが、従動ローラ36は、中間転写ベルト32に適宜の張力を付与することにより、当該中間転写ベルト32の弛みを防止する機能を兼ね備える。各中間転写ローラ38,38,…および転写ローラ40については、後で説明する。
続いて、各画像形成ステーション22,22,…に注目すると、当該各画像形成ステーション22,22,…は、中間転写ベルト32の中間転写領域32aの下方において、当該中間転写領域32aにおける中間転写ベルト32の移動方向に沿って、つまり副走査方向に沿って、一定の間隔を置いて設けられる。前述したように、これら各画像形成ステーション22,22,…は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックという4つの色の単色トナー画像を中間転写ベルト32上に個別に形成する。ここで、各画像形成ステーション22,22,…は、中間転写領域32aにおける中間転写ベルト32の移動方向の上流側から下流側へ向かって(図1における左側から右側へ向かって)、イエロー用、マゼンタ用、シアン用およびブラック用の順番で設けられる。なお、各画像形成ステーション22,22,…の並び順は、これに限らない。また、各画像形成ステーション22,22,…は、互いに異なる色の単色トナー画像を中間転写ベルト32上に形成する以外は、互いに同じ構造である。
図2を併せて参照して、それぞれの画像形成ステーション22(図2においては、ブラック用の画像形成ステーション22(K))は、感光体ドラム42、帯電装置44、現像装置46、クリーニング装置48、不図示の除電装置などを有する。
感光体ドラム42は、像担持体の一例であり、アルミニウムなどの導電性材料により形成された円筒状の導電性部材である基体を有する。この基体は、画像形成装置10の不図示のフレームに接続され、つまり接地される。また、感光体ドラム42の基体の表面(外周面)には、感光層が形成される。感光層は、光が照射された部分については、導電性を示し、光が照射されていない部分については、絶縁性を示す。感光体ドラム42は、基体の表面を中間転写ベルト32の外側面に当接させるように設けられる。その上で、感光体ドラム42は、不図示のドラム用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図2において時計回りに回転する。なお、感光体ドラム42は、中間転写ベルト32の移動速度に合わせた速度で回転し、厳密には基体の周速度が中間転写ベルト32の移動速度よりも僅かに、たとえば0.1%~0.3%ほど、低い速度で回転する。これは、感光体ドラム42の表面に形成(担持)された単色トナー画像が中間転写ベルト32の外側面に転写され易くするためであり、換言すれば当該単色トナー画像が感光体ドラム42の表面から中間転写ベルト32の外側面に転写されない現象、たとえば文字の中抜け現象、を防止するためである。
帯電装置44は、感光体ドラム42の表面を所定の電位(例えば-550V)に一様に帯電させる。そのために、帯電装置44は、感光体ドラム42と対向するように配置される帯電ローラ50を有し、帯電ローラ50には、画像形成装置10に設けられた重畳電源52が接続される。ここで、帯電ローラ50は、帯電手段の一例であり、円筒状の導電性部材である基体を有する。そして、帯電ローラ50は、基体の表面(外周面)を感光体ドラム42の(基体の)表面に当接させ、または、近接させるように、設けられる。併せて、帯電ローラ50は、不図示の帯電ローラ用駆動力伝達手段としての適当なギアを介して、前述のドラム用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、詳しくは感光体ドラム42の回転方向とは逆方向へ回転し、つまり図2において反時計回りに回転する。なお、帯電ローラ50は、帯電ローラ用駆動力伝達手段を介しての駆動力を受けて回転するのではなく、感光体ドラム42と当接回転するように構成されてもよい。
重畳電源52は、直流の定電圧源である直流電源54と、ピーク間電圧値を変更可能な交流電源56と、を有し、図3に示されるような態様の直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧Vcを帯電ローラ50に供給する。すなわち、直流電源54により生成される直流電圧Vdcと、交流電源56により生成される交流電圧Vacとが、互いに重畳された重畳電圧Vcが、帯電ローラ50に供給される。換言すると、重畳電源52は、直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した重畳電圧Vcを出力する電源であって、当該交流電圧Vcのピーク間電圧値Vppを変更可能である。なお、直流電圧Vdcは、接地電位を基準とするマイナスの電圧であり、たとえば-550Vである。この直流電圧Vdcは、感光体ドラム42の帯電電位の所期値となる。そして、交流電圧Vacは、たとえば正弦波電圧であり、そのピーク間電圧値Vppは、少なくとも当該交流電圧Vacを含む帯電電圧Vcが接地電位と交差(ゼロクロス)する程度の値とされ、厳密には後述する如く適宜に設定される。また、交流電圧Vacの周波数facは、たとえば1950Hzであるが、これに限らず、適宜の値とされる。このような交流電圧Vacが直流電圧Vdcに重畳された重畳電圧Vcが帯電ローラ50に供給されることにより、感光体ドラム42の表面は、当該重畳電圧Vcを成す直流電圧Vdcとおおむね等価な-550Vという電位Vsに帯電される。つまり帯電装置44は、重畳電源52から重畳電圧Vcの供給を受けて感光体ドラム42を所定電位に帯電させる。
このようにして帯電された感光体ドラム42の表面に対して、露光装置24による露光が行われる。すなわち、露光装置24は、感光体ドラム42の表面に対して、画像形成処理に供される画像データに応じた態様の光を照射する。これにより、感光体ドラム42の表面のうちの光が照射された部分が導電性を示して、当該部分の表面電位Vsが0Vとなる。その結果、感光体ドラム42の表面に、画像形成処理に供される画像データに応じた態様の不図示の静電潜像が形成される。このように露光装置24は、帯電装置44によって帯電された感光体ドラム42を露光して静電潜像を形成する。なお、露光装置24は、光源としての不図示のレーザダイオードや、偏向手段としてのポリゴンミラーなどを有するレーザスキャニングユニットであり、各画像形成ステーション22,22,…の並びの下方に設けられる。そして、露光装置24は、それぞれの画像形成ステーション22の感光体ドラム42の表面に対して、たとえば下方からレーザ光を照射することで、露光を行う。この露光装置24として、レーザスキャニングユニットではなく、光源としてLEDが並べられたLEDアレイを有するLEDユニットが採用されてもよい。
この露光装置24による露光により静電潜像が形成された感光体ドラム42の表面に対して、現像装置46による現像が行われる。
現像装置46は、回動可能な導電性の円筒状の基体(図示せず)と、基体の内側に、基体の周方向に、回転しないように並べて配置された複数の磁石(図示せず)を有する現像ローラ(マグネットローラ)58、現像剤を搬送して攪拌する撹拌部材60などを有し、現像ローラ58の基体には画像形成装置10に設けられた現像バイアス電源(バイアス電源)62から現像バイアス電圧Vdが供給される。現像ローラ58は、現像手段の一例であり、円筒状の基体は、たとえばアルミニウムスリーブである。そして、現像ローラ58は、基体の表面(外周面)を感光体ドラム42の表面に近接させるように設けられる。併せて、現像ローラ58(の基体)は、不図示の現像ローラ用駆動力伝達手段としての適当なギアを介して、前述のドラム用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、詳しくは感光体ドラム42の回転方向とは逆方向へ回転し、つまり図2において反時計回りに回転する。
撹拌部材60は、不図示の撹拌部材用駆動力伝達手段としての適当なギアを介して、前述のドラム用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば現像ローラ58の回転方向と同じ方向へ回転し、つまり図2において反時計回りに回転する。これにより、不図示のトナーを含む二成分現像剤が撹拌されて、当該トナーが帯電し、詳しくはマイナスに帯電する。
ここで、現像装置46内に収容され、攪拌部材60によって攪拌された非磁性材料からなるトナーと磁性材料からなるキャリアを含む二成分現像剤は、現像ローラ58(の基体)内の磁石にキャリアが引き寄せられることでトナーと共に現像ローラ58(の基体)の表面に吸着し、現像ローラ58(の基体)の表面に磁気ブラシを形成する。現像ローラ58(の基体)の表面に形成された磁気ブラシは、現像ローラ58(の基体)の回転によって、感光体ドラム42との対向部に移動する。
現像バイアス電源62は、直流の定電圧源であり、接地電位を基準とするマイナスの現像バイアス電圧Vdを現像ローラ58(の基体)に供給する。この現像バイアス電圧Vdは、帯電装置44に供給される重畳電圧Vcを成す直流電圧Vdcの値よりも0V側に近く、たとえば-475Vである。すなわち、現像ローラ58(の基体)に現像バイアス電圧Vdが供給された状態で、磁気ブラシが感光体ドラム42の表面に近づくと、感光体ドラム42の帯電電位と現像バイアス電圧Vdとの電位差によって、当該磁気ブラシから感光体ドラム42に向かってトナーが移動する。そして、トナーが静電潜像に付着することで、当該静電潜像が単色トナー画像として顕像化される。なお、キャリアは磁性材料であるため、現像ローラ42内に配置された磁石が発生する磁力によって現像ローラ42上に保持され、現像ローラ42の回転に伴って現像装置22内に回収される。
以上のように、現像装置46による現像により顕像化された単色トナー画像は、感光体ドラム42の表面と中間転写ベルト32の外側面との当接位置において、当該感光体ドラム42の表面から中間転写ベルト32の外側面に中間転写ローラ38によって中間転写(1次転写)される。
各中間転写ローラ38,38,…は、各画像形成ステーション22,22,…に対応して設けられており、それぞれの中間転写ローラ38は、中間転写領域32aにおいて、中間転写ベルト32を挟んで自身に対応する画像形成ステーション22の感光体ドラム42と対向するように設けられる。また、それぞれの中間転写ローラ38は、自身の表面(外周面)を中間転写ベルト32の内側面に当接させるように設けられる。そして、それぞれの中間転写ローラ38は、中間転写ベルト32が周回移動することによる駆動力を受けて回転し、たとえば図2において反時計回りに回転する。その上で、それぞれの中間転写ローラ38に不図示の中間転写電源から所定の中間転写電圧が印加される。これにより、中間転写ローラ38から中間転写ベルト32に静電気が付与され、感光体ドラム42の表面と中間転写ベルト32の外側面との間に転写電界が形成される。この転写電界の作用により、感光体ドラム42の表面から中間転写ベルト32の外側面に単色トナー画像が転写される。
この結果、中間転写ベルト32上にイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックという4つの色の単色トナー画像が個別に形成される。これら4つの色の単色トナー画像が互いに重なり合うことで、中間転写ベルト32上にカラーのトナー画像が形成される。
このようにしてそれぞれの画像形成ステーション22の感光体ドラム42の表面から中間転写ベルト32上に単色トナー画像が転写された後、当該感光体ドラム42の表面に残っているトナーがクリーニング装置48により除去される。その後、不図示の除電装置により感光体ドラム42の表面の静電気が除去された上で、帯電装置44による帯電以降の工程が繰り返される。
中間転写ベルト32上に形成されたカラーのトナー画像は、当該中間転写ベルト32と転写ローラ40との当接部分である転写ニップ部において、用紙に転写される。具体的には、転写ローラ40は、中間転写ベルト32を挟んで駆動ローラ34と対向する位置において、当該駆動ローラ34との間で中間転写ベルト32を両側から押圧するように設けられる。また、転写ローラ40は、中間転写ベルト32が周回移動することによる駆動力を受けて回転し、たとえば図2において時計回りに回転する。その上で、転写ローラ40に不図示の転写電源からトナーの帯電極性とは逆極性の所定の転写電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト32と転写ローラ40との間に転写電界が形成される。この状態で、中間転写ベルト32と転写ローラ40との間の転写ニップ部を用紙が通過すると、中間転写ベルト32上に形成されたトナー画像が当該用紙に転写される。
画像センサ30は、前述したように、各画像形成ステーション22,22,…により形成された単色トナー画像を検出するための画像検出手段であり、詳しくは中間転写ベルト32上に転写されたトナー画像のトナー量を検出する。この画像センサ30は、たとえば反射型の光電センサであり、中間転写ベルト32の周回移動方向における中間転写領域32aの下流側端部に近い位置の下方において、図4に示されるように、自身の発光部30aおよび受光部30bを上方へ向けた状態で、つまり当該発光部30aおよび受光部30bを中間転写ベルト32の外側面に向けた状態で、設けられる。また、画像センサ30は、中間転写ベルト32の幅方向において、つまり主走査方向において、互いに適当な間隔を置いて2つ設けられ、たとえば中間転写ベルト32の両側端に近い位置に設けられる。
それぞれの画像センサ30の発光部30aから発せられた光は、図4に破線の矢印30cで示されるように、中間転写ベルト32の外側面で反射されて、当該画像センサ30の受光部30bへ入射される。受光部30b(厳密には画像センサ30を含む不図示の画像検出回路)は、自身に入射される光の強度に応じた信号レベル(電圧値)の画像検出信号Sdを出力する。たとえば、中間転写ベルト32上に前述のトナー画像を含むトナーが全く付着していないときの画像検出信号Sdの信号レベルは、3Vであり、つまりはそうなるように画像センサ30が予めキャリブレーションされる。そして、中間転写ベルト32上にトナー画像を含むトナーが付着しているときの画像検出信号Sdの信号レベルは、当該トナーの濃度に応じた値となる。
この画像センサ30は、公知のプロセスコントロール用のセンサとして用いられるとともに、公知のレジスト調整用のセンサとしても用いられ、さらに、後述するかぶりトナーの濃度を検出するための検出手段としても用いられる。なお、プロセスコントロール(すなわち、必要な画像濃度を得るために行う調整作業であって、帯電装置44および現像装置46に供給され電圧条件を補正するための作業)およびレジスト調整(すなわち、複数の画像形成ステーション22,22,…により形成された各色の画像が中間転写ベルト32上でずれた位置に中間転写されて色ずれが発生しないように調整する作業であって、露光装置24の各画像形成ステーション22,22,…の感光体ドラム42への露光タイミングを調整する作業)については、本開示の本旨に直接的に関係しないので、ここでは、それらの説明を省略する。
改めて図1に注目して、画像形成装置10の内部には、後述する給紙部64から前述の転写ニップ部を介して排紙トレイ66への排紙口68へ至る用紙搬送路70が設けられる。そして、用紙搬送路70の適宜の位置には、給紙部64から排紙口68へ向けて当該用紙搬送路70に沿って用紙を搬送させるための複数の搬送ローラ(厳密にはローラ対)72,72,…が設けられる。なお、各搬送ローラ72,72,…のうち、用紙搬送路70における用紙の搬送方向の転写ニップ部よりも上流側であって、当該転写ニップ部に最も近い位置に設けられた搬送ローラ72aは、用紙が転写ニップ部を通過するタイミングを計るためのレジストローラ(「ペーパストップローラ」と呼ばれることもある。)である。また、各搬送ローラ72,72,…のうち、用紙搬送路70における用紙の搬送方向の最下流側に設けられた、つまり排紙口68の近傍に設けられた、搬送ローラ72bは、当該排紙口68を介して排紙トレイ66へ用紙を排出するための排紙ローラである。
そして、用紙搬送路70における転写ニップ部と排紙口68との間の適当な位置に、換言すれば用紙搬送路70における用紙の搬送方向の転写ニップ部よりも下流側の位置に、定着装置28が設けられる。この定着装置28は、ヒートローラ74および加圧ローラ76を有する。これらヒートローラ74および加圧ローラ76は、互いの表面(外周面)を密着させるように設けられる。そして、ヒートローラ74は、所定の温度(定着温度)に加熱される。併せて、ヒートローラ74は、不図示の定着ローラ駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図1において反時計回りに回転する。これに伴い、加圧ローラ76もまた回転し、つまり図1において時計回りに回転する。そして、転写ニップ部を通過した用紙は、ヒートローラ74と加圧ローラ76との当接部分である定着ニップ部を通過する。これにより、用紙上のトナー画像が当該用紙上に定着される。これをもって、画像形成部20による一連の画像形成処理が終了する。
この画像形成処理が施された後の用紙(印刷物)は、排紙口68を介して排紙トレイ66へ排出される。なお、排紙トレイ66は、画像形成部20と画像読取部12との間に設けられ、いわゆる画像形成装置10の胴内空間に設けられる。これに代えて、排紙トレイ82は、画像形成装置10の外側に設けられてもよい。
さらに、画像形成装置10内の下部に、給紙手段としての給紙部64が設けられる。給紙部64は、給紙カセット78を有し、この給紙カセット78には、複数枚の用紙が積層状に収容可能である。併せて、給紙部64は、ピックアップローラ80を有する。そして、給紙部64は、給紙カセット78に収容された用紙をピックアップローラ80により1枚単位で取り出し、用紙搬送路70へ供給する。
さて前述したように、本第1実施例に係る画像形成装置10において、直流電圧Vdcと交流電圧Vacとの重畳電圧Vcが帯電装置44の帯電ローラ50に供給されること、とりわけ交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppが所定値Vx以上とされることで、感光体ドラム42の表面が所期の通りに均一に帯電される。
具体的には、感光体ドラム42の表面は、前述の如く直流電圧Vdc(-550V)とおおむね等価な電位Vsに帯電されるが、この感光体ドラム42の表面電位Vsは、交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppによって変わる。図5は、交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppと感光体ドラム42の表面電位Vsとの関係を示し、厳密には交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppと感光体ドラム42の表面電位Vsの絶対値|Vs|との関係を示す。
この図5に示されるように、ピーク間電圧値Vppが所定値Vx以上である場合には、感光体ドラム42の表面電位Vs(の絶対値|Vs|)は、直流電圧Vdc(の絶対値|Vdc|)とおおむね等価な値となり、つまり飽和する。一方、ピーク間電圧値Vppが所定値Vxを下回ると、感光体ドラム42の表面電位Vsは、当該ピーク間電圧値Vppの大きさに応じておおむね直線状に変化し、詳しくは当該ピーク間電圧値Vppが小さいほど0Vに近づく。
すなわち、ピーク間電圧値Vppが所定値Vx以上である場合に、感光体ドラム42の表面電位Vsが所期の通りの値(Vs≒Vdc)となり、つまり当該感光体ドラム42の表面が所期の通りに帯電される。一方、ピーク間電圧値Vppが所定値Vx未満である場合には、感光体ドラム42の表面電位Vsが所期の通りの値とならず、つまり当該感光体ドラム42の表面が所期の通りに帯電されない。この場合、感光体ドラム42の表面電位Vsが、現像ローラ58の表面電位(Vd=-475V)に近づく、あるいは下回ることになり、これにより、現像ローラ58と感光体ドラム42との間に、トナーが感光体ドラム42へ移動する電位差が生じ、感光体ドラム42の表面に不本意なトナーが付着する、かぶりという現象が生ずるおそれがある。このかぶり現象は、感光体ドラム42の表面電位Vsが0Vに近づくほど、つまりピーク間電圧値Vppが小さいほど、生じ易くなる。言い換えれば、ピーク間電圧値Vppが小さいほど、かぶり現象により感光体ドラム42の表面に付着する不本意なトナー、いわゆるかぶりトナーの、濃度が高くなる。
したがって、感光体ドラム42の表面が所期の通りに帯電されるようにするには、ピーク間電圧値Vppが所定値Vx以上とされる必要がある。ただし、ピーク間電圧値Vppが過度に大きいと、感光体ドラム42に掛かる負担が大きくなり(感光層が削られ易くなるなどして)、当該感光体ドラム42の寿命が短くなる虞がある。ゆえに、ピーク間電圧値Vppは、所定値Vx以上であり、かつ、出来る限り小さい値であることが、望ましい。また、互いに同じ仕様の画像形成装置10であっても、必要な帯電性を得ることができる最も低いピーク間電圧値Vppは、例えば部品バラつきなどの影響を受けて、個体によって差がある。そのため、予め所定の共通値に設定すると、個体差によって、感光体ドラム42の摩耗がひどくなる場合がある。
そこで、本第1実施例においては、かぶりトナーの発生状況、すなわち感光体ドラム42上に付着したかぶりトナーの濃度から、感光体ドラム42の表面電位Vsが推定され、厳密には当該表面電位Vsが所期の通りの値であるかどうかが判定され、適切なピーク間電圧値Vppである基準ピーク電圧値Vstが導出される。つまり、かぶりトナーの濃度とピーク間電圧値Vppとの関係に基づいて、適切なピーク間電圧値Vppである基準ピーク間電圧値Vstが導出される。そして、導出された基準ピーク間電圧値Vstが、画像形成部20による実際の画像形成処理時のピーク間電圧値Vppとして設定される。言い換えれば、適切なピーク間電圧値Vppを設定するためのピーク間電圧値設定モードが設けられる。
なお、ピーク間電圧値設定モードによる適切なピーク間電圧値Vppの設定は、たとえば工場出荷時に行われる。また、工場出荷後であっても、画像形成装置10の設置後や、感光体ドラム42の交換時、あるいは、帯電装置44の交換時に、作業者(サービスマン)によってピーク間電圧値設定モードによる設定が行われる。特に、感光体ドラム42の交換時、または、帯電装置44の交換時に、ピーク間電圧値設定モードによる設定が行われることが、肝要である。
このピーク間電圧値設定モードにおいては、露光装置24による露光が停止された状態で、画像形成部20が駆動される。このとき、現像ローラ58には、前述の-475Vという所定の現像バイアス電圧Vdが供給される。併せて、帯電ローラ50には、直流電圧Vdcに交流電圧Vacが重畳された重畳電圧Vcが供給される。ここで、直流電圧Vdcは、-550Vという所定値とされる。これに対して、交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppは、予め定められた複数の値に順次設定された上で、当該ピーク間電圧値Vppが互いに異なる重畳電圧Vcが、時分割で重畳電源52から帯電ローラ50に順次供給される。そして、それぞれのピーク間電圧値Vppの重畳電圧Vcが帯電ローラ50に供給されているときに、画像センサ30から出力される画像検出信号Sdの信号レベル(厳密には2つの画像センサ30および30から出力される2つの画像検出信号Sdの信号レベルの平均値)に基づいて、感光体ドラム50に付着したトナー、つまりかぶりトナーの量が、濃度情報として検出される(トナーの付着量と濃度には相関関係がある)。より厳密に言えば、それぞれのピーク間電圧値Vppの重畳電圧Vcが帯電ローラ50に供給されているときに、画像センサ30から出力される画像検出信号Sdの信号レベルが、かぶり値Voutとして検出される。
図6は、ピーク間電圧値Vppとかぶり値Voutとの関係を示す。この図6に示されるように、ピーク間電圧値Vppとかぶり値Voutとの関係は、図5に示されるピーク間電圧値Vppと感光体ドラム42の表面電位Vsとの関係と同じようになる。すなわち、ピーク間電圧値Vppが所定値Vx以上である場合に、かぶり値Voutは、その最大値Vmax(=3V)となり、つまり飽和する。一方、ピーク間電圧値Vppが所定値Vxを下回ると、かぶり値Voutは、当該ピーク間電圧値Vppに応じておおむね直線状に変化し、詳しくは当該ピーク間電圧値Vppが小さいほど0Vに近づく。
このようなピーク間電圧値Vppとかぶり値Voutとの関係において、当該関係が急変する点、つまり変曲点Px、におけるピーク間電圧値Vppが、所定値Vxとして特定される。そして、この所定値Vxに所定の余裕値Vzが付加された値が、基準ピーク間電圧値Vstとして導出される。
より具体的に説明すると、図7に示されるように、2000Vというピーク間電圧値Vppを基点として、所定の電圧値ΔVpp置きに、たとえば100V置きに、N(N:自然数)という数のピーク間電圧値Vpp[a],Vpp[2],…,Vpp[N]が順次設定される。そして、前述したようにそれぞれのピーク間電圧値Vpp[n](n=1,2,…,N)の重畳電圧Vcが重畳電源52から帯電ローラ50に供給されているときのかぶり値Vout[n]が検出される。なお、図7は、Nの値が7である場合の例を示す。また、ここで言う所定の電圧値ΔVppの値は、所定値Vxとして取り得る値に応じて適宜に定められる。
その上で、検出された各かぶり値Vout[n]のうち、所定の閾値Vth以上であるものの平均値Vavが求められる。ここで言う閾値Vthは、かぶり値Vout[n]がおおむね最大値Vmaxであるとみなすことができるかどうかの判定基準となる値であり、ここではたとえば2.92Vであるが、当該最大値Vmaxに応じて適宜に定められる。なお、図7は、Vout[1],Vout[2],Vout[3]およびVout[4]という4つのかぶり値が、閾値Vth以上である場合の例を示す。これら4つのかぶり値Vout[1],Vout[2],Vout[3]およびVout[4]の平均値Vavは、図7において、太実線の直線αで表される。
さらに、各かぶり値Vout[n]のうち、所定の閾値Vth未満であるものに基づいて、たとえば最小二乗法により、それらの近似式(1次近似式)f(Vpp)が求められる。この近似式f(Vpp)は、次の式1によって表される。この式1において、aは、傾きであり、bは、切片である。なお、図7は、Vout[5],Vout[6]およびVout[7]という3つのかぶり値が、閾値Vth未満である場合の例を示す。これら3つのかぶり値Vout[5],Vout[6]およびVout[7]に基づく近似式f(Vpp)は、図7において、太一点鎖線の直線βで表される。
《式1》
f(Vpp)=a・Vpp+b
そして、図7における太実線の直線αと太一点鎖線の直線βとの交点が、前述の変曲点Pxとされ、この変曲点Pxにおけるピーク間電圧値Vppが、所定値Vxとして特定される。言い換えれば、かぶり値Vout[n]が閾値Vth以上となるピーク間電圧値Vppの領域である第1領域と、当該かぶりVout[n]が閾値Vth未満となるピーク間電圧値Vppの領域である第2領域と、の境界に当たるピーク間電圧値Vppが、所定値Vxとして特定される。さらに言い換えれば、式1に基づく近似式f(Vpp)の値が前述の平均値Vavとなるピーク間電圧値Vppが、所定値Vxとして特定される。この所定値Vxの特定は、次の式2による。なお、所定値Vxは、本開示に係る境界ピーク間電圧値の一例である。
《式2》
Vx=(Vav-b)/a
そしてさらに、次の式3に基づいて、基準ピーク間電圧値Vstが導出される。なお、式3における余裕値Vzは、所定値Vxにもよるが、ここでは、たとえば80Vである。また厳密には、式3に基づく算出結果の一の位が切り上げられた値が、基準ピーク間電圧値Vstとして導出される。
《式3》
Vst=Vx+Vz
図8は、図7における各ピーク間電圧値Vpp[n]および各かぶり値Vot[n]それぞれの具体例である。この具体例によれば、前述の平均値Vavは、Vav=2.9925Vとなる。そして、式1に基づく近似式f(Vpp)の傾きaは、a=0.0018となり、切片bは、b=0となる。したがって、式2に基づく所定値Vxは、Vx=1662Vとなる。その結果、式3に基づく基準ピーク間電圧値Vstは、Vst=1750Vとなる(つまり1742Vの一の位が切り上げられて、1750Vとなる)。
このようにして導出された基準ピーク間電圧値Vstが、画像形成部20による実際の画像形成処理時のピーク間電圧値Vppとして設定される。これをもって、ピーク間電圧値設定モードによるピーク間電圧値Vppの設定が終了する。
図9は、画像形成装置10の電気的な構成を示すブロック図である。この図9に示されるように、画像形成装置10は、制御部102を有する。そして、制御部102に、バス104を介して、画像読取部12、画像形成部20および給紙部64が接続される。併せて、制御部102には、バス104を介して、補助記憶部106、通信部108、環境監視部110などが接続される。なお、画像形成装置10は、これら以外にも、不図示の操作ユニットなどの種々の要素を備えるが、ここでは、当該操作ユニットを含め、本開示の本旨に直接的に関係しない要素についての図示および説明を省略する。また、画像読取部12、画像形成部20および給紙部64については、前述した通りある。
制御部102は、画像形成装置10全体の制御を司る、制御手段の一例である。このため、制御部102は、制御実行手段としてのコンピュータ、たとえばCPU102a、を有する。併せて、制御部102は、CPU102aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部102bを有する。主記憶部102bは、たとえば不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、CPU102aの動作を制御するための制御プログラム(ファームウェア)が記憶される。そして、RAMは、CPU102aが制御プログラムに従う処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
補助記憶部106は、補助記憶手段の一例である。すなわち、補助記憶部106には、前述の読取画像データなどの種々のデータが適宜に記憶される。この補助記憶部106は、たとえば不図示のハードディスクドライブを有する。併せて、補助記憶部106は、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを有する場合がある。
通信部108は、通信手段の一例である。すなわち、通信部108は、不図示のLAN回線を介しての双方向の通信処理を担う。なお、通信部108は、LAN回線と有線により接続されてもよいし、無線により接続されてもよい。また、通信部108は、不図示の公衆交換電話網を介しての双方向の通信処理をも担う。
環境監視部110は、画像形成装置10が設置された環境を監視する監視手段の一例である。この環境監視部110は、環境センサの1つとしての温度検出部110a、および、別の環境センサとしての湿度検出部110bを有する。温度検出部110aは、画像形成装置10の内部または外部の適宜の箇所の温度を検出する。そして、湿度検出部110bは、画像形成装置10の内部または外部の適宜の箇所の湿度を検出する。これら温度検出部110aによる温度検出箇所、および、湿度検出部110bによる湿度検出箇所は、互いに別の箇所であってもよいし、互いに同じ箇所であってもよいし、それぞれ複数の箇所であってもよい。
ところで、前述のピーク間電圧値設定モードによる設定を指示するための所定の操作が作業者によって成されると、これに応答して、CPU102aは、図10に示される流れで、かぶり値取得タスクを実行する。
このかぶり値取得タスクによれば、CPU102aは、まず、ステップS1において、初期設定を行う。この初期設定において、CPU102aは、重畳電圧Vcを成す直流電圧Vdcとして、-550Vという値を設定する。併せて、CPU102aは、ピーク間電圧値Vpp[n]の設定順nをカウントするための変数nとして、その初期値である1という値を設定する。さらに、CPU102aは、重畳電圧Vcを成す交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppとして、その初期値である2000Vという値を設定する。そして、CPU102aは、2000Vというピーク間電圧値Vppを、カウント変数nが1であるときのピーク間電圧値Vpp[n](Vpp[1])として設定する。加えて、CPU102aは、前述の所定の電圧値ΔVppとして、つまりピーク間電圧Vppを変更する際の基準変更量である当該所定の電圧値ΔVppとして、100Vという値を設定する。このステップS1の初期設定の実行後、CPU102aは、処理をステップS3へ進める。
ステップS3において、CPU102aは、画像センサ30から出力される画像検出信号Sdの信号レベルに基づいて、かぶり値Vout[n]を検出する。このとき、CPU102aは、露光装置24による露光を停止した状態で、画像形成部20を駆動させる。このとき、現像ローラ58には、前述の-475Vという所定の現像バイアス電圧Vdが供給される。併せて、帯電ローラ50には、ステップS1で設定された重畳電圧Vcが供給される。このステップS3で検出されたかぶり値Vout[n]は、一時的に記憶され、詳しくは主記憶部102bに記憶される。このステップS3の実行後、CPU102aは、処理をステップS5へ進める。
ステップS5において、CPU102aは、ピーク間電圧値Vppを更新する。すなわち、CPU102aは、カウント変数nの値をインクリメントする。併せて、CPU102aは、現在のピーク間電圧値Vppから前述した所定の電圧値ΔVpp(たとえば100V)を減じた値を、新たなピーク間電圧値Vppとして設定する。そして、CPU102aは、新たなピーク間電圧値Vppを、インクリメント後のカウント変数nに対応するピーク間電圧値Vpp[n]として設定する。その上で、CPU102aは、処理をステップS7へ進める。
ステップS7において、CPU102aは、現在のカウント変数nの値がその最大値Nよりも大きいかどうかを、つまりNという数の全てのピーク間電圧値Vpp[n]について、かぶり値Vout[n]が検出されたかどうかを、判定する。ここで、現在のカウント変数nの値がその最大値N以下である場合、CPU102aは、処理をステップS3へ戻す。一方、現在のカウント変数nの値がその最大値Nよりも大きい場合、CPU102aは、これをもって、かぶり値取得タスクを終了する。
このかぶり値取得タスクを終了した後、CPU102aは、ピーク間電圧値設定タスクを実行する。このピーク間電圧値設定タスクの流れを、図11に示す。
このピーク間電圧値設定タスクによれば、CPU102aは、まず、ステップS101において、前述した平均値Vavを求め、つまり第1領域におけるかぶり値Voutの平均値Vavを求める。そして、CPU102aは、処理をステップS103へ進める。
ステップS103において、CPU102aは、前述の式1に基づく近似式f(Vpp)を求め、つまり第2領域におけるピーク間電圧値Vppとかぶり値Voutとの関係を表す近似式f(Vpp)を求める。そして、CPU102aは、処理をステップS105へ進める。
ステップS105において、CPU102aは、前述の式2に基づいて、所定値Vxを特定する。そして、CPU102aは、処理をステップS107へ進める。
ステップS107において、CPU102aは、前述の式3に基づいて、基準ピーク間電圧値Vstを導出する。そして、CPU102aは、処理をステップS109へ進める。
ステップS109において、CPU102aは、ステップS107で導出された基準ピーク間電圧値Vstを、実際の画像形成処理時のピーク間電圧値Vppとして設定する。これをもって、CPU202aは、ピーク間電圧値設定タスクを終了する。そして、ピーク間電圧値設定モードによるピーク間電圧値Vppの設定が終了する。
なお、ピーク間電圧値設定モードによるピーク間電圧値Vppの設定は、4つの画像形成ステーション22,22,…のそれぞれについて、行われる。
このように、本第1実施例によれば、とりわけピーク間電圧値設定モードによれば、かぶりトナーの濃度とピーク間電圧値Vppとの関係に基づいて、適切なピーク間電圧値Vppである基準ピーク間電圧値Vstが導出され、この導出された基準ピーク間電圧Vstが、実際の画像形成処理時のピーク間電圧値Vppとして設定される。すなわち、前述の特許文献1に開示された技術におけるような直流電流計測手段を必要とすることなく、適切なピーク間電圧値Vppが設定される。要するに、専用の直流電流計測手段を設けずに、より安価な構成で適切なピーク間電圧値Vppを設定することができる。つまりは、画像性装置10が元来備える画像センサ30を利用することで、ピーク間電圧値Vppを設定することができる。
なお、本第1実施例において、ピーク間電圧値設定タスク(図11参照)を実行するCPU102aは、とりわけステップS101~ステップS107を実行するCPU102aは、本開示に係る導出手段の一例である。そして、ピーク間電圧値設定タスクのステップS109を実行するCPU102aは、本開示に係る設定手段の一例である。また、本第1実施例における基準ピーク間電圧値Vstは、本開示に係る基準値の一例である。
また以上から分かるように、かぶり値取得タスクおよびピーク間電圧値設定タスクは、つまり設定モードは、感光体ドラム42に対してトナー画像の形成が行われない非画像形成処理時に実行される。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、説明する。
本第2実施例においては、画像形成装置10の使用状況や環境条件に応じてピーク間電圧値Vppを補正するピーク間電圧値補正モードが実行可能であり、このピーク間電圧値補正モードが実行されることで、画像形成処理時の重畳電圧Vcを成す交流電圧Vacのピーク間電圧値Vppが補正される。言い換えると、基準ピーク間電圧値Vstに対して補正が施された値が、実際の画像形成処理時に帯電ローラ50に供給される重畳電圧Vcのピーク間電圧値Vppとして設定される。これは、前述のピーク間電圧値設定モードの実行により、画像形成装置10に対して適切なピーク間電圧値Vppが設定されたとしても、画像形成装置10の使用状況や環境条件によっては、たとえば画像形成装置10が設置された環境の温度および湿度、ならびに、画像形成部20による画像形成処理の累積実行回数に相当する累積画像形成枚数によっては、当該ピーク間電圧値Vppの適切値が変化する場合があるからであり、これに対処するべく、ピーク間電圧値補正モードの実行により、ピーク間電圧値Vppが適宜に補正される。
そのために、本第2実施例においては、図12に示されるような環境条件の区分を判定するための環境区分判定テーブル200が設けられる。この環境区分判定テーブル200は、前述の主記憶部102bに記憶されている。この環境区分判定テーブル200には、画像形成装置10が設置された環境の温度および湿度の組合せに応じた環境区分が1から5までの5段階の値で纏められている。たとえば、温度が15℃(10.1℃~20.0℃の範囲内)であり、湿度が50%(40.1%~60.0%の範囲内)である場合の環境区分は、3と判定される。またたとえば、温度が32℃(30.1℃~40.0℃の範囲内)であり、湿度が70%(60.1%~80.0%の範囲内)である場合の環境区分は、5と判定される。なお、温度は、前述の温度検出部110aによる温度検出値に基づき、湿度は、湿度検出部110bによる湿度検出値に基づく。
併せて、本第2実施例においては、図13に示されるような補正値判定テーブル300が設けられる。この補正値判定テーブル300もまた、主記憶部102bに記憶されている。この補正値判定テーブル300には、前述の環境区分判定テーブル200に従って判定された環境区分と、画像形成部20による累積画像形成枚数と、に応じた基準ピーク間電圧値Vstの補正値dVが纏められている。たとえば、環境区分が2であり、累積画像枚数係数が80000枚(50000枚~100000枚の範囲内)である場合の補正値dVは、300Vとなる。またたとえば、環境区分が3であり、累積画像枚数係数が120000枚(100000枚~150000枚の範囲内)である場合の補正値dVは、-100Vとなる。なお、累積画像形成枚数は、都度、CPU102a(制御部100)により認識(カウント)される。また、それぞれの補正値dVは、予め実験により求められる。
すなわち、ピーク間電圧値補正モードによれば、画像形成装置10が設置された環境の温度および湿度に基づいて、環境区分が判定される。その際、環境区分判定テーブル200が参照される。さらに、環境区分と画像形成部20による累積画像形成枚数とに基づいて、補正値dVが判定される。その際、補正値判定テーブル300が参照される。そして、判定された補正値dVによって、ピーク間電圧値Vppが補正される。言い換えれば、次の式4に基づいて、補正後のピーク間電圧値Vpp’が求められ、この補正後のピーク間電圧値Vpp’が、新たなピーク間電圧値Vppとして設定される。
《式4》
Vpp’=Vpp+dV
このピーク間電圧値補正モードによるピーク間電圧値Vppの補正は、画像形成部20による画像形成処理の実行を指示する命令である印刷ジョブが受け付けられるたびに、実施される。具体的には、印刷ジョブが受け付けられると、これに応答して、CPU102aが、図14に示す流れで、ピーク間電圧値補正タスクを実行する。
このピーク間電圧値補正タスクによれば、CPU102aは、まず、ステップS201において、温度検出部110aによる温度検出値に基づいて、温度を確認するとともに、湿度検出部110bによる湿度検出値に基づいて、湿度を確認する。そして、CPU102aは、処理をステップS203へ進める。
ステップS203において、CPU102aは、ステップS201で確認した温度および湿度に基づいて、環境区分を判定する。その際、CPU102aは、環境区分判定テーブル200を参照する。そして、CPU102aは、処理をステップS205へ進める。
ステップS205において、CPU102aは、主記憶部102bに記憶された直前の画像形成部20による累積画像形成枚数を確認する。そして、CPU102aは、処理をステップS207へ進める。
ステップS207において、CPU102aは、ステップS203で判定された環境区分と、ステップS205で確認した累積画像形成枚数と、に基づいて、補正値dVを判定する。その際、CPU102aは、補正値判定テーブル300を参照する。そして、CPU102aは、処理をステップS209へ進める。
ステップS209において、CPU102aは、ステップS207で判定された補正値dVを用いて、ピーク間電圧値Vppを補正する。すなわち、CPU102aは、前述の式4に基づいて、補正後のピーク間電圧値Vpp’を求め、この補正後のピーク間電圧値Vppを、新たなピーク間電圧値Vppとして設定する。これをもって、CPU102aは、ピーク間電圧値補正タスクを終了する。そして、ピーク間電圧値補正モードによるピーク間電圧値Vppの補正が終了する。その後、補正後のピーク間電圧値Vppが、画像形成部20による画像形成処理に適用され、詳しくは帯電電圧Vcを成す交流電圧Vacに適用される。
なお、ピーク間電圧値補正モードによるピーク間電圧値Vppの補正もまた、4つの画像形成ステーション22,22,…のそれぞれについて、行われる。
このように、本第2実施例によれば、とりわけピーク間電圧値補正モードによれば、画像形成装置10の使用状況および環境条件に応じて、詳しくは画像形成装置10が設置された環境の温度および湿度、ならびに、画像形成部20による累積画像形成枚数に応じて、ピーク間電圧値Vppが補正される。これにより、その時々の画像形成装置10の使用状況および環境条件に応じた適切なピーク間電圧値Vppが設定される。
なお、本第2実施例において、ピーク間電圧値補正タスクを実行するCPU102aは、本発明に係る補正手段の一例である。
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
たとえば、かぶりトナーを検出するための検出手段として、プロセスコントロール用およびレジスト調整用の画像センサ30が用いられたが、当該かぶりトナーを検出するための専用のセンサが用いられてもよい。ただし、プロセスコントロール用およびレジスト調整用の画像センサ30が、かぶりトナーを検出するための検出手段として兼用されることで、当該画像センサ30を含む画像形成装置10全体の構成がより安価化かつ簡素化される。なお、画像センサ30の数は、2に限らず、1であってもよいし、3以上であってもよい。
また、ピーク間電圧値設定モードにおいては、2000Vというピーク間電圧値Vppを基点として、当該ピーク間電圧値Vppが小さくなる方向へ各ピーク間電圧値Vpp[n]が時分割で設定されるとともに、それぞれのピーク間電圧値Vpp[n]におけるかぶり値Vout[n]が取得されたが、これに限らない。たとえば、所定値Vxとして取り得る値よりも十分に小さいピーク間電圧値Vppを基点として、当該ピーク間電圧値Vppが大きくなる方向へ各ピーク間電圧値Vpp[n]が時分割で設定されるとともに、それぞれのピーク間電圧値Vpp[n]におけるかぶり値Vout[n]が取得されてもよい。
さらに、ピーク間電圧値補正モードにおいては、画像形成装置10が設置された環境の温度および湿度、ならびに、画像形成部20による累積画像形成枚数、という3つのパラメータに応じて、ピーク間電圧値Vppが補正されたが、これに限らない。たとえば、これら3つのパラメータの一部に応じて、ピーク間電圧値Vppが補正されてもよい。
そして、各実施例においては、カラーの画像形成装置10を例に挙げて説明したが、モノクロの画像形成装置にも、本発明を適用することができる。また、各実施例における画像形成装置10は、複合機であるが、コピー機やプリンタなどの当該複合機以外の画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
加えて、本発明は、画像形成装置という装置の形態に限らず、画像形成装置が備える像担持体の帯電手段の制御方法という方法の形態によっても、提供することができる。
10 … 画像形成装置
20 … 画像形成部
22 … 画像形成ステーション
24 … 露光装置
30 … 画像センサ
42 … 感光体ドラム
44 … 帯電装置
46 … 現像装置
50 … 帯電ローラ
52 … 重畳電源
54 … 直流電源
56 … 交流電源
58 … 現像ローラ
62 … 現像バイアス電源
102 … 制御部
102a … CPU
102b … 主記憶部
110 … 環境監視部
110a … 温度検出部
110b … 湿度検出部

Claims (8)

  1. 像担持体、
    直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を出力し、当該交流電圧のピーク間電圧値を変更可能な重畳電源、
    前記重畳電源から前記重畳電圧の供給を受けて前記像担持体を帯電させる帯電手段、
    前記帯電手段によって帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段、
    トナーを含む現像剤が収容され、バイアス電源からバイアス電圧が供給されることによって前記トナーを前記像担持体に供給する現像手段、
    前記像担持体に付着したトナーの量を検出する検出手段、および、
    制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記露光手段を動作させず、前記バイアス電源から前記現像手段に前記バイアス電圧を供給させた状態で、前記重畳電源から前記帯電手段に前記ピーク間電圧値が互いに異なる前記重畳電圧を時分割で供給させ、それぞれの当該ピーク間電圧値の当該重畳電圧が当該帯電手段に供給されたときの前記検出手段による検出値に基づいて、画像形成時に当該帯電手段に供給する当該重畳電圧の当該ピーク間電圧値を設定する設定モードを実行可能である、画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記設定モードにおいて、前記それぞれのピーク間電圧値の前記重畳電圧が前記帯電手段に供給されたときの前記検出手段による検出値に基づいて、前記画像形成時に当該帯電手段に供給する当該重畳電圧の当該ピーク間電圧値の基準となる値を基準値として導出する導出手段、および、
    前記導出手段により導出された前記基準値を前記画像形成時に前記帯電手段に供給する前記重畳電圧の前記ピーク間電圧値として設定する設定手段を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記導出手段は、前記検出手段による検出値が所定の閾値以上となる前記ピーク間電圧値の領域である第1領域と、当該検出手段による検出値が当該閾値未満となる当該ピーク間電圧値の領域である第2領域と、の境界に当たる境界ピーク間電圧値を特定し、特定された当該境界ピーク間電圧値に対して所定の余裕値を加えた値を前記基準値として導出する、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体に形成されたトナー像をシート状の画像記録媒体に転写する転写手段をさらに備え、
    前記設定モードは、前記像担持体に対して前記トナー像の形成が行われない非画像形成時に実行される、請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 設定モードは、前記像担持体または前記帯電手段の交換時に実行される、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記導出手段によって導出された前記基準値を、前記画像形成装置の使用状況に応じて補正する補正手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記補正手段によって前記基準値が補正された場合、当該補正手段によって補正された当該基準値を、前記画像形成時に前記帯電手段に供給する前記重畳電圧のピーク間電圧値として設定する、請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置の内部もしくは周囲の温度および湿度を検出する環境センサ、および、
    前記画像形成の累積実行回数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記環境センサにより得られる環境情報、および、前記記憶手段に記憶された前記累積実行回数の一部もしくは全部に基づいて、前記使用状況を判定する、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 像担持体、
    直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を出力し、当該交流電圧のピーク間電圧値を変更可能な重畳電源、
    前記重畳電源から前記重畳電圧の供給を受けて前記像担持体を帯電させる帯電手段、
    前記帯電手段によって帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段、
    トナーを含む現像剤が収容され、バイアス電源からバイアス電圧が供給されることによって前記トナーを前記像担持体に供給する現像手段、
    前記像担持体に付着したトナーの量を検出する検出手段、および、
    制御手段を備えた画像形成装置における前記像担持体の前記帯電手段の制御方法であって、
    前記露光手段を動作させず、前記バイアス電源から前記現像手段に前記バイアス電圧を供給させた状態で、前記重畳電源から前記帯電手段に前記ピーク間電圧値が互いに異なる前記重畳電圧を時分割で供給させ、それぞれの当該ピーク間電圧値の当該重畳電圧が当該帯電手段に供給されたときの前記検出手段による検出値に基づいて、画像形成時に当該帯電手段に供給する当該重畳電圧の当該ピーク間電圧値を設定する設定モードを、前記制御手段に実行させる設定ステップを含む、制御方法。
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