JP2024011064A - 車両用位置判別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯機の位置の誤検出による車両の意図しない作動を抑制することが可能な車両用位置判別装置を提供する。【解決手段】この車両用位置判別装置100は、車室内用検出部2と、車室外用検出部3とを備える。車両用位置判別装置100は、携帯機101が近接した場合に車室内用検出部2から出力される車室内検出信号、および、携帯機が101近接した場合に車室外用検出部3から出力された車室外検出信号の各々に基づいて、携帯機101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用位置判別装置に関し、特に、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された車両用位置判別装置に関する。
従来、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された車両用位置判別装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、スマートキー(携帯機)が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された車載システム(車両用位置判別装置)が開示されている。この車載システムは、室内右側アンテナと、室内左側アンテナとを備えている。室内右側アンテナおよび室内左側アンテナは、スマートキーと無線送信するように構成されている。
上記特許文献1の室内右側アンテナは、運転席のドアに設けられている。室内右側アンテナは、デフォルトレベルの電力による駆動時には運転席外の車外および車室内の大部分という比較的広範囲に電波を送信する必要があるので、強い電波を送信するように構成されている。室内右側アンテナは、補助レベルの電力による駆動時には車室内の運転席側に電波を送信するように構成されている。
上記特許文献1の室内左側アンテナは、助手席のドアに設けられている。室内左側アンテナは、デフォルトレベルの電力による駆動時には助手席外の車外および車室内の大部分という比較的広範囲に電波を送信する必要があるので、強い電波を送信するように構成されている。室内左側アンテナは、補助レベルの電力による駆動時には車室内の助手席側に電波を送信するように構成されている。
上記特許文献1の車載システムでは、室内右側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施されるとともに、室内左側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施させた場合、スマートキーは車室内に位置すると判定される。車載システムでは、室内右側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施されたが、室内左側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施されなかった場合、スマートキーは運転席側の車室外に位置すると判定される。車載システムでは、室内右側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施されなかったが、室内左側アンテナとスマートキーとの無線通信が実施された場合、スマートキーは助手席側の車室外に位置すると判定される。
特開2020-71199号公報
しかしながら、上記特許文献1の車載システムでは、室内左側アンテナから車室内の大部分に送信する電波の強度は比較的強いので、一般的に強磁性体の材料でないガラスが設けられた窓などから電波が運転席外の車外に漏れることが考えられる。この場合、上記特許文献1の車載システムでは、室内左側アンテナから送信された電波のうち運転席外の車外に漏れた電波、および、室内右側アンテナから車室内の運転席側に送信した電波のうち窓から車外に漏れている電波と車外のスマートキーとの無線通信が実施されてしまうと、スマートキーが車室内に位置していると誤検出されてしまい、車室外にスマートキーが位置しているにも関わらず車両のエンジンがスタートしてしまう場合がある。このため、上記特許文献1の車載システムでは、室内右側アンテナおよび室内左側アンテナの各々から送信される電波の車外への電波漏れに起因して、スマートキー(携帯機)の位置の誤検出により車両が意図しない作動をしてしまうおそれがあるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、携帯機の位置の誤検出による車両の意図しない作動を抑制することが可能な車両用位置判別装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における車両用位置判別装置は、車両のユーザが保持するとともに近距離無線通信可能に構成された携帯機の車両の車室内における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、車室内における携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室内用検出部と、携帯機の車両の車室外における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、車室外における携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室外用検出部と、携帯機が近接した場合に車室内用検出部から出力される車室内検出信号、および、携帯機が近接した場合に車室外用検出部から出力された車室外検出信号の各々に基づいて、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。なお、携帯機は、カード型の車両用のキーであるデジタルカードキー、ケース型の車両用のキーであるスマートキー、および、車両用のキーの機能を有するアプリケーションがインストールされたスマートフォンなどを示す概念である。また、車室内とは、車両において助手席および運転席が配置された室内空間だけでなく、室内空間よりも外側であり、かつ、車両のドアを閉じた状態における車両と車両外の空間との境界部分(たとえば、車両の窓の外側の表面、および、車両のドアの外側の表面など)よりも内側の空間も含む概念である。また、車室外とは、車両の上記境界部分よりも外側の空間を示している。
この発明の一の局面における車両用位置判別装置では、上記のように、携帯機の車両の車室内における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、車室内における携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室内用検出部を設ける。さらに、車両用位置判別装置は、携帯機の車両の車室外における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、車室外における携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室外用検出部を備える。これにより、静電容量または近距離無線通信を利用して携帯機が近接した場合に車室内用検出部および車室外用検出部は携帯機を検出するので、車室内用検出部および車室外用検出部の各々の携帯機の検出範囲は比較的狭い。そのため、車室内用検出部の検出範囲が車室外を含んだり、車室外用検出部の検出範囲が車室内を含んだりすることを抑制することができる。その結果、車室内用検出部により車室外の携帯機を検出することを抑制することができるとともに、車室外用検出部により車室内の携帯機を検出することを抑制することができるので、携帯機の位置の誤検出による車両の意図しない作動を抑制することができる。
上記一の局面における車両用位置判別装置において、好ましくは、車室内用検出部および車室外用検出部が配置される共通の基板をさらに備える。
このように構成すれば、共通の基板により車室内用検出部および車室外用検出部をモジュール化することができるので、車室内用検出部と車室外用検出部とを接続する配線などの数量の増大を抑制することができる。その結果、車両用位置判別装置の部品点数の増加および構造の複雑化を抑制することができる。
上記一の局面による車両用位置判別装置において、好ましくは、車室内用検出部および車室外用検出部は、それぞれ、携帯機の近接を検出する近距離無線通信を携帯機と行うように構成された第1アンテナおよび第2アンテナを含み、第1アンテナと第2アンテナとの間に配置され、第1アンテナから第2アンテナに向かう電波、および、第2アンテナから第1アンテナに向かう電波を遮蔽する遮蔽部をさらに備える。
このように構成すれば、遮蔽部により、第1アンテナから出力される電波が車室外により漏れないようにすることができるとともに、第2アンテナから出力される電波が車室内により漏れないようにすることができるので、携帯機の位置の誤検出をより抑制することができる。
この場合、好ましくは、第1アンテナを構成する第1配線パターンが表層に形成されるとともに、第2アンテナを構成する第2配線パターンが表層とは反対側の裏層に形成された共通の基板をさらに備え、共通の基板は、表層と裏層との間に遮蔽部を構成する遮蔽用配線パターンが形成された内層を含む。
このように構成すれば、第1アンテナ、第2アンテナおよび遮蔽部の各々を別々の基板に設ける必要がないので、車両用位置判別装置の部品点数の増加および構造の複雑化を抑制することができる。
上記一の局面による車両用位置判別装置において、好ましくは、携帯機が近接した際、携帯機の識別情報を近距離無線通信により取得するように構成されたアンテナを含み、車室内用検出部および車室外用検出部は、それぞれ、携帯機の近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された第1静電容量センサおよび第2静電容量センサを含む。
このように構成すれば、アンテナを駆動させて電波を送信するためには比較的大きな電力が必要であるが、アンテナの駆動に必要な電力よりも小さい電力で第1静電容量センサおよび第2静電容量センサの各々は駆動して電界を発生させることができる。これにより、車両用位置判別装置において車室内用検出部および車室外用検出部の各々を構成するために必要な電子部品に定格電流の比較的小さな小型の電子部品を用いることができる。その結果、車両用位置判別装置の大型化を抑制することができる。
上記第1アンテナおよび第2アンテナを含む車両用位置判別装置において、好ましくは、第1アンテナおよび第2アンテナにより携帯機と近距離無線通信を行った際、第1アンテナおよび第2アンテナの各々において計測された近距離無線通信の信号強度の比較に基づいて、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された制御部をさらに備える。
このように構成すれば、第1アンテナおよび第2アンテナのいずれで携帯機を検出したかを正確に判別することができるので、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを正確に判別することができる。
上記第1アンテナおよび第2アンテナを含む車両用位置判別装置において、好ましくは、第1アンテナと携帯機との近距離無線通信、および、第2アンテナと携帯機との近距離無線通信を互いに異なるタイミングで実施する制御を行うように構成された制御部をさらに備える。
このように構成すれば、第1アンテナおよび第2アンテナを同時駆動させる場合と比較して、アンテナの駆動させるために必要な電力を小さくすることできるので、車両用位置判別装置において車室内用検出部および車室外用検出部の各々を構成するために必要な電子部品に定格電流の比較的小さな小型の電子部品を用いることができる。その結果、車両用位置判別装置の大型化を抑制することができる。
なお、上記一の局面における車両用位置判別装置において、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記第1アンテナおよび第2アンテナを含む車両用位置判別装置において、遮蔽部は、強磁性体の金属板、または、導電膜を含む。
このように構成すれば、第1アンテナおよび第2アンテナの各々から送信される電波をより容易に遮ることができる。
(付記項2)
上記遮蔽用配線パターンが形成された内層を含む共通の基板を備える車両用位置判別装置において、共通の基板は、車両の運転席側の側方に配置されており、第1アンテナは、共通の基板の表層の前進方向側に配置されており、第2アンテナは、共通の基板の裏層の後進方向側に配置されている。
このように構成すれば、運転席の前進方向側に配置されたハンドルに近い位置に第1アンテナを配置することができるので、ユーザがハンドルを握る動作の際に第1アンテナにおいて携帯機を検出しやすくすることができる。また、運転席のドアの後進方向側に配置されているドアハンドル付近に第2アンテナを配置することができるので、第2アンテナにおいて携帯機を検出させた後、ユーザがドアハンドルの操作を行いやすくすることができる。
(付記項3)
上記第1アンテナおよび第2アンテナを含む車両用位置判別装置において、第1アンテナを駆動させることによる近距離無線通信に対応する電波の送信および受信と、第2アンテナを駆動させることによる近距離無線通信に対応する電波の送信および受信とを行うアンテナ駆動回路をさらに備える。
このように構成すれば、第1アンテナおよび第2アンテナを別々のアンテナ駆動回路により駆動させる場合と比較して、車両用位置判別装置の部品点数を減少させることができる。
(付記項4)
上記一の局面による車両用位置判別装置において、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された制御部と、車室内用検出部、車室外用検出部および制御部が内部に配置され、防水性能が低い低防水構造により構成された筐体とをさらに備え、筐体は、車室内に配置されている。
このように構成すれば、筐体にパッキンなどの部材が必要なくなるので、車両用位置判別装置に必要な部品点数を減少させることができる。
(付記項5)
上記車室内用検出部および車室外用検出部が配置される共通の基板を備える車両用位置判別装置において、携帯機が車室内および車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された制御部をさらに備え、共通の基板には、車室内用検出部および車室外用検出部に加えて、制御部も配置されている。
このように構成すれば、共通の基板により車室内用検出部、車室外用検出部および制御部をモジュール化することができるので、車室内用検出部および車室外用検出部と制御部とを接続する配線などが必要なくなるので、車両用位置判別装置の部品点数の増加および構造の複雑化を抑制することができる。
第1実施形態による車両用位置判別装置が設置された車両を示した側面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 第1実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第1実施形態による車両用位置判別装置の断面図である。 第1実施形態による車両用位置判別装置が設置された車両のドア付近の拡大図である。 第2実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第3実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第4実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第4実施形態による車両用位置判別装置の断面図である。 第5実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第5実施形態による車両用位置判別装置のデジタルカードキー検出処理を示したフローチャートである。 第6実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第6実施形態による車両用位置判別装置のデジタルカードキー検出処理を示したフローチャートである。 第7実施形態による車両用位置判別装置の電気的な構成を示したブロック図である。 第1~第3実施形態の第1変形例による車両用位置判別装置の断面図である。 第1~第3実施形態の第2変形例による車両用位置判別装置の断面図である。 第1~第3実施形態の第3変形例による車両用位置判別装置の断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図5を参照して、第1実施形態による車両用位置判別装置100の構成について説明する。
図1および図2に示すように、車両用位置判別装置100は、ユーザが保持するデジタルカードキー101(特許請求の範囲の「携帯機」の一例)の位置を判別するように構成されている。ここで、デジタルカードキー101は、車両200のユーザが保持するとともに近距離無線通信可能に構成されている。具体的には、デジタルカードキー101は、アンテナ101aと、ドライバ101bとを含んでいる。アンテナ101aは、NFC(Near Field Communication)通信を行うためのアンテナである。ドライバ101bは、アンテナ101aにより情報を受信および送信するための制御回路である。
NFC通信では、約13.56MHz帯の周波数を利用して、近接したNFC通信対応機器との近距離無線通信が行われる。NFC通信の通信可能距離は、約10cm程度である。NFC通信では、一方のNFC通信対応機器を他方のNFC通信対応機器に軽く触れる(かざす)程度に近接させるだけで通信を行うことが可能である。デジタルカードキー101と車両用位置判別装置100とは、NFC通信により互いに近距離無線通信が行われる。NFC通信は、電界、磁界または電波を用いた近距離無線通信により情報を送受信するRFID(Radio Frequency Identifier)の1つの通信である。
アンテナ101aは、磁界の中に入ることにより発生する電磁誘導とアンテナ101aのインダクタンスとによって電圧を発生させるように構成されている。具体的には、アンテナ101aは、デジタルカードキー101内に配線パターンにより構成されている。
ドライバ101bは、アンテナ101aにより発生した電圧によりドライバ101bに電力が供給されることによって、アンテナ101aを駆動させるように構成されている。
これにより、ドライバ101bは、アンテナ101aにおいて受信した符号化された車両用位置判別装置100からの情報を復号するように構成されている。ドライバ101bは、車両用位置判別装置100から取得した情報に基づいて、デジタルカードキー101の識別情報をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。ドライバ101bは、変調したデジタルカードキー101の識別情報をアンテナ101aを駆動させて電波として送信するように構成されている。
(車両用位置判別装置)
車両用位置判別装置100は、車両200の運転席201のドア211のトリム211aの内部に配置されている。トリム211aは、ドア211の車室内202側に設けられた内部空間を有する内装である。トリム211aは、窓211bの車室内202側に近接して配置されている。車両用位置判別装置100は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。
ここで、車室内202とは、車両200において助手席および運転席201が配置された室内空間だけでなく、室内空間よりも外側であり、かつ、車両200のドア211を閉じた状態における車両200と車両200外の空間との境界部分(たとえば、窓211bの外側の表面、および、ドア211の外側の表面など)よりも内側の空間も含むことを示している。また、車室外203とは、車両200の上記境界部分よりも外側の空間を示している。
図2および図3に示すように、本実施形態の車両用位置判別装置100は、ユーザが保持するデジタルカードキー101が車両200の車室内202か、または、車室外203のいずれに位置するかを判別するように構成されている。デジタルカードキー101が車室外203に位置していると判別された場合には、車両200のドア211の開錠が実行される。また、デジタルカードキー101が車室内202に位置していると判別された場合には、車両200のエンジンの始動制御が実行される。
具体的には、ボディECU(Electronic Control Unit)は、車両200のドア211の開錠を行うための信号を車両用位置判別装置100から取得したことに基づいて、ドア211の開錠の制御を行うように構成されている。ボディECUと車両用位置判別装置100とは、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、LIN(Local Interconnect Network)、または、CAN(Controller Area Network)などにより互いに通信可能に構成されている。また、ボディECUと車両用位置判別装置100とは、有線または無線により電気的に接続されている。ボディECUは、車両用位置判別装置100の上位ECUの1つである。
また、具体的には、エンジンECUは、エンジンの始動制御を行うための信号を車両用位置判別装置100から取得したことに基づいて、エンジンの始動制御を行うように構成されている。エンジンECUと車両用位置判別装置100とは、UART、LIN、または、CANなどにより互いに通信可能に構成されている。エンジンECUと車両用位置判別装置100とは、有線または無線により電気的に接続されている。エンジンECUは、車両用位置判別装置100の上位ECUの1つである。
このような車両用位置判別装置100が設けられた車両200は、エンジンとモータとを備えるハイブリッド車である。なお、車両200は、エンジンのみを動力源として備えるエンジン車であってもよいし、モータのみを動力源として備える電気自動車であってもよい。
ここで、車両200の前進方向をX1方向とし、後進方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた進行方向をX方向とする。助手席から運転席201に向かう方向をY1方向とし、運転席201から助手席に向かう方向をY2方向とし、Y1方向およびY2方向を合わせた方向をY方向とする。また、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。
図3および図4に示すように、車両用位置判別装置100は、レギュレータ1と、車室内用検出部2と、車室外用検出部3と、遮蔽部4と、アンテナ駆動回路5と、アンテナ駆動回路6と、制御部7と、基板8と、筐体9とを備えている。
レギュレータ1は、バッテリー204からの入力電圧や出力電流、負荷抵抗に応じて、出力電圧を一定にするIC(Integrated Circuit)である。バッテリー204から出力された電力は、レギュレータ1により出力電圧が一定にされた後、アンテナ駆動回路5、アンテナ駆動回路6および制御部7に供給される。バッテリー204は、アンテナ駆動回路5、アンテナ駆動回路6および制御部7の電源である。バッテリー204とレギュレータ1とは、互いに電気的に接続されている。
〈第1アンテナ〉
図4および図5に示すように、車室内用検出部2は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成されている。具体的には、車室内用検出部2は、デジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信をデジタルカードキー101と行うように構成された第1アンテナ21を含んでいる。第1アンテナ21は、ループアンテナである。第1アンテナ21は、基板8の表層に形成される第1配線パターンにより構成されている。第1配線パターンは、基板8の表層において2層にわたって形成されている。第1アンテナ21は、Y1方向側から見て、2重のループアンテナである。すなわち、第1配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の表層の端部の第1層と、基板8の表層の端部の層に対してY1方向側に互いに隣り合う第2層と、第1層と第2層とを繋ぐ複数の孔とに銅などの金属を設けることにより形成されている。ここで、基板8の表層は、基板8のY2方向側の部分である。
第1アンテナ21は、基板8のY2方向側の表層のX1方向側に配置されている。また、第1アンテナ21は、基板8のY2方向側の表層においてドアハンドル211cよりもX1方向側に配置されている。第1アンテナ21は、運転席201に座ったユーザが体を捻ってデジタルカードキー101をかざさなくてもよい位置に配置されている。
〈第2アンテナ〉
車室外用検出部3は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成されている。具体的には、車室外用検出部3は、デジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信をデジタルカードキー101と行うように構成された第2アンテナ31を含んでいる。第2アンテナ31は、ループアンテナである。第2アンテナ31は、基板8の裏層に形成される第2配線パターンにより構成されている。第2配線パターンは、基板8の裏層において2層にわたって形成されている。第2アンテナ31は、Y1方向側から見て、2重のループアンテナである。すなわち、第2配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の裏層の端部の第4層と、基板8の裏層の端部の層に対してY2方向側に互いに隣り合う第3層と、第3層と第4層とを繋ぐ複数の孔とに銅などの金属を設けることにより形成されている。ここで、基板8の裏層は、基板8のY1方向側の部分である。
第2アンテナ31は、基板8の裏層のX2方向側に配置されている。また、第2アンテナ31は、基板8の裏層においてドアハンドル211cのZ1方向の位置に配置されている。
〈遮蔽部〉
遮蔽部4は、第1アンテナ21から第2アンテナ31に向かう電波、および、第2アンテナ31から第1アンテナ21に向かう電波を遮蔽するように構成されている。遮蔽部4は、強磁性体(たとえば、鉄など)の金属板により形成されている。なお、遮蔽部4は、導電膜(たとえば、ITO(Indium-Tin Oxide)電極などの透明導電膜など)により形成されてもよい。
遮蔽部4は、第1アンテナ21と第2アンテナ31との間に配置されている。具体的には、遮蔽部4は、基板8において、上記表層と上記裏層との間の内層に形成された遮蔽用配線パターンにより構成されている。遮蔽用配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の第2アンテナ31のY2方向側の第2層と、基板8の第1アンテナ21のY1方向側の第3層と、第3層と第4層とを繋ぐY方向に延びた孔とに強磁性体または導電膜を設けることにより形成されている。
遮蔽部4は、接地されている。なお、遮蔽部4は、電位が安定するのであれば、接地させずに電位をフロート(独立)させてもよい。
〈アンテナ駆動回路〉
アンテナ駆動回路5は、第1アンテナ21を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行うNFCドライバである。
アンテナ駆動回路5は、デジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。アンテナ駆動回路5は、変調したコマンドを第1アンテナ21を駆動させて電波として送信するように構成されている。
アンテナ駆動回路5は、第1アンテナ21の上記電波を発生させる際、第1アンテナ21を駆動させることにより発生する電波に含まれる磁界の変化(磁界が強くなったこと)に基づいて、デジタルカードキー101が近接しているか否かを検出するように構成されている。この磁界の変化が、車室内用検出部2から出力される車室内検出信号である。
この際、デジタルカードキー101のアンテナ101aが第1アンテナ21の磁界の中に入ったことにより、アンテナ101aにおいて発生した電圧によりドライバ101bに電力が供給されることによって、アンテナ101aが駆動する。そして、デジタルカードキー101のアンテナ101aから符号化して変調したデジタルカードキー101の識別情報が、電波として送信される。アンテナ駆動回路5は、第1アンテナ21において受信した符号化されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)を復号するように構成されている。
アンテナ駆動回路6は、第2アンテナ31を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行うNFCドライバである。
アンテナ駆動回路6は、デジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。アンテナ駆動回路6は、変調したコマンドを第2アンテナ31を駆動させて電波として送信するように構成されている。
アンテナ駆動回路6は、第2アンテナ31の上記電波を発生させる際、第2アンテナ31を駆動させることにより発生する電波に含まれる磁界の変化(磁界が強くなったこと)に基づいて、デジタルカードキー101が近接しているか否かを検出するように構成されている。この磁界の変化が、車室外用検出部3から出力される車室外検出信号である。
この際、デジタルカードキー101のアンテナ101aが第2アンテナ31の磁界の中に入ったことにより、アンテナ101aにおいて発生した電圧によりドライバ101bに電力が供給されることによって、アンテナ101aが駆動する。そして、デジタルカードキー101のアンテナ101aから符号化して変調したデジタルカードキー101の識別情報が、電波として送信される。アンテナ駆動回路6は、第2アンテナ31において受信した符号化されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)を復号するように構成されている。
〈制御部〉
制御部7は、MCU(Micro Controller Unit)により構成されている。制御部7は、プロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを有する記憶部とを有している。記憶部には、デジタルカードキー101の識別情報(キーID(Identification))が記憶されている。
制御部7は、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部7は、車室内用検出部2から出力される車室内検出信号に基づいて、デジタルカードキー101は車室内202に位置していると判別する制御を行うように構成されている。
また、制御部7は、デジタルカードキー101の位置を判別した後、アンテナ駆動回路5またはアンテナ駆動回路6から取得して復号されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)と、記憶部に記憶されたデジタルカードキー101の識別情報とを照合する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部7は、アンテナ駆動回路5から取得して復号されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)と、記憶部に記憶されたデジタルカードキー101の識別情報とが一致した場合、上位ECUであるエンジンECUに車両200のエンジンの始動制御を実行させるための信号を送信する制御を行うように構成されている。
また、制御部7は、車室外用検出部3から出力される車室外検出信号に基づいて、デジタルカードキー101は車室外203に位置していると判別する制御を行うように構成されている。
制御部7は、デジタルカードキー101の位置を判別した後、アンテナ駆動回路6から取得して復号されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)と、記憶部に記憶されたデジタルカードキー101の識別情報とが一致した場合、上位ECUであるボディECUに車両200のドア211の開錠を行うための信号を送信する制御を行うように構成されている。
このように、制御部7は、デジタルカードキー101が近接した場合に車室内用検出部2から出力された車室内検出信号、および、車室外用検出部3から出力された車室外検出信号の各々に基づいて、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。
また、制御部7は、アンテナ駆動回路5からの信号を上位ECUで識別可能な信号に変換するとともに、アンテナ駆動回路6からの信号を上位ECUで識別可能な信号に変換する制御を行うように構成されている。
〈基板および筐体〉
基板8は、車室内用検出部2および車室外用検出部3に加えて、制御部7も配置された共通の基板である。また、基板8には、遮蔽部4、アンテナ駆動回路5およびアンテナ駆動回路6も設けられている。基板8は、たとえば、プリント基板である。共通の基板8は、車両200の運転席201側の側方(トリム211a内)に配置されている。共通の基板8は、筐体9内に取り付けられている。すなわち、筐体9には、車室内用検出部2、車室外用検出部3および制御部7が内部に配置されている。このような筐体9は、防水性能が低い低防水構造により構成されている。たとえば、筐体9では、蓋と収納部との当接部分にパッキンなどが設けられていない。筐体9は、車室内202(トリム211a内)に配置されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室内用検出部2を備えている。車両用位置判別装置100は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室外用検出部3を備えている。これにより、近距離無線通信(NFC通信)を利用してデジタルカードキー101が近接した場合に車室内用検出部2および車室外用検出部3はデジタルカードキー101を検出するので、車室内用検出部2および車室外用検出部3の各々のデジタルカードキー101の検出範囲は比較的狭い。そのため、車室内用検出部2の検出範囲が車室外203を含んだり、車室外用検出部3の検出範囲が車室内202を含んだりすることを抑制することができる。この結果、車室内用検出部2により車室外203のデジタルカードキー101を検出することを抑制することができるとともに、車室外用検出部3により車室内202のデジタルカードキー101を検出することを抑制することができるので、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、車室内用検出部2および車室外用検出部3が配置される共通の基板8を備えている。これにより、共通の基板8により車室内用検出部2および車室外用検出部3をモジュール化することができるので、車室内用検出部2と車室外用検出部3とを接続する配線などの数量の増大を抑制することができる。この結果、車両用位置判別装置100の部品点数の増加および構造の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、車室内用検出部2および車室外用検出部3は、それぞれ、デジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)をデジタルカードキー101と行うように構成された第1アンテナ21および第2アンテナ31を含んでいる。車両用位置判別装置100は、第1アンテナ21と第2アンテナ31との間に配置され、第1アンテナ21から第2アンテナ31に向かう電波、および、第2アンテナ31から第1アンテナ21に向かう電波を遮蔽する遮蔽部4を備えている。これにより、遮蔽部4により、第1アンテナ21から出力される電波が車室外203により漏れないようにすることができるとともに、第2アンテナ31から出力される電波が車室内202外により漏れないようにすることができるので、デジタルカードキー101の位置の誤検出をより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、第1アンテナ21を構成する第1配線パターンが表層に形成されるとともに、第2アンテナ31を構成する第2配線パターンが表層とは反対側の裏層に形成された共通の基板8を備えている。共通の基板8は、表層と裏層との間に遮蔽部4を構成する遮蔽用配線パターンが形成された内層を含んでいる。これにより、第1アンテナ21、第2アンテナ31および遮蔽部4を別々の基板に設ける必要がないので、車両用位置判別装置100の部品点数の増加および構造の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、車両200の運転席201側の側方にのみ配置されている。これにより、車両用位置判別装置100に必要な配線の長さおよび数量を最小限にすることができるので、車両用位置判別装置100を設置することに起因する車両200の構造の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、遮蔽部4を備えている。これにより、制御部7の制御プログラムを既存の制御プログラムから変更することなく、車室内202のデジタルカードキー101からの電波を第1アンテナ21において受信したことを正確に検出することができるとともに、車室外203のデジタルカードキー101からの電波を第1アンテナ21において受信したことを正確に検出することができるので、既存の車両200に車両用位置判別装置100を容易に組み込むことができる。
[第2実施形態]
図6を参照して、第2実施形態による車両用位置判別装置300の構成について説明する。第2実施形態では、車両用位置判別装置300は、第1アンテナ21および第2アンテナ31に共通のアンテナ駆動回路305を備えているが、第1実施形態の車両用位置判別装置100は、第1アンテナ21に対応したアンテナ駆動回路5および第2アンテナ31に対応したアンテナ駆動回路6を備えている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図6を参照して、本発明の第2実施形態による車両用位置判別装置300の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
図6に示すように、車両用位置判別装置300は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置300は、レギュレータ1と、車室内用検出部2と、車室外用検出部3と、遮蔽部4と、アンテナ駆動回路305と、制御部7と、基板8と、筐体9とを備えている。
〈アンテナ駆動回路〉
アンテナ駆動回路305は、第1アンテナ21を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信と、第2アンテナ31を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信とを行うように構成されている。アンテナ駆動回路305は、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行うNFCドライバである。アンテナ駆動回路305は、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々において受信した符号化されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)を復号するように構成されている。アンテナ駆動回路305は、デジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。アンテナ駆動回路305は、変調したコマンドを第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々を駆動させて電波として送信するように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置300は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室内用検出部2を備えている。車両用位置判別装置300は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室外用検出部3を備えている。これにより、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第3実施形態]
図7を参照して、第3実施形態による車両用位置判別装置400の構成について説明する。第3実施形態では、車両用位置判別装置400は、第1アンテナ21および第2アンテナ31に共通のアンテナ駆動回路405およびスイッチング部406を備えているが、第1実施形態の車両用位置判別装置100は、第1アンテナ21に対応したアンテナ駆動回路5および第2アンテナ31に対応したアンテナ駆動回路6を備えている。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図7を参照して、本発明の第3実施形態による車両用位置判別装置400の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
図7に示すように、車両用位置判別装置400は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置400は、レギュレータ1と、車室内用検出部2と、車室外用検出部3と、遮蔽部4と、アンテナ駆動回路405と、スイッチング部406と、制御部7と、基板8と、筐体9とを備えている。
〈アンテナ駆動回路〉
アンテナ駆動回路405は、第1アンテナ21を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信と、第2アンテナ31を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信とを行うように構成されている。アンテナ駆動回路405は、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々をスイッチング部406により別々に駆動させて近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行うNFCドライバである。アンテナ駆動回路405は、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々において受信して符号化されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)を復号するように構成されている。アンテナ駆動回路405は、デジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。アンテナ駆動回路405は、変調したコマンドを第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々をスイッチング部406により別々に駆動させて電波として送信するように構成されている。
スイッチング部406は、近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行う際、アンテナ駆動回路405による第1アンテナ21の駆動および第2アンテナ31の駆動を切り替えるように構成されている。具体的には、スイッチング部406は、スイッチング部406と第1アンテナ21との互いの電気的な接続と、スイッチング部406と第2アンテナ31との互いの電気的な接続とを切り替えるように構成されている。また、スイッチング部406とアンテナ駆動回路405とは、互いに電気的に接続されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置400は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室内用検出部2を備えている。車両用位置判別装置400は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室外用検出部3を備えている。これにより、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第4実施形態]
図8および図9を参照して、第4実施形態による車両用位置判別装置500の構成について説明する。第4実施形態では、車両用位置判別装置500は、第1静電容量センサ521および第2静電容量センサ531を備えているが、第1実施形態の車両用位置判別装置100は、第1アンテナ21および第2アンテナ31を備えている。なお、第4実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図8および図9を参照して、本発明の第4実施形態による車両用位置判別装置500の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
図8および図9に示すように、車両用位置判別装置500は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置400は、レギュレータ1と、車室内用検出部502と、車室外用検出部503と、遮蔽部4と、静電センサIC506と、制御部7と、基板508と、筐体9と、アンテナ510と、アンテナ駆動回路511とを備えている。
ここで、車両200の前進方向をX1方向とし、後進方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた進行方向をX方向とする。助手席から運転席201に向かう方向をY1方向とし、運転席201から助手席に向かう方向をY2方向とし、Y1方向およびY2方向を合わせた方向をY方向とする。また、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。
〈第1静電容量センサ〉
車室内用検出部502は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された第1静電容量センサ521を含んでいる。第1静電容量センサ521は、静電センサIC506から供給された電圧により車室内202に向かって電界を発生させるように構成されている。ここで、第1静電容量センサ521から車室内202に向かって発生させた電界は、デジタルカードキー101が近接したことに基づいて変化する。これにより、第1静電容量センサ521は、第1静電容量センサ521の静電容量の変化(増加)を検出する。第1静電容量センサ521は、基板508の表層に設けられている。ここで、基板508の表層は、基板508のY2方向側の部分である。
〈第2静電容量センサ〉
車室外用検出部503は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された第2静電容量センサ531を含んでいる。第2静電容量センサ531は、静電センサIC506から供給された電圧により車室外203に向けて電界を発生させるように構成されている。また、第2静電容量センサ531から車室外203に向けて発生させた電界は、デジタルカードキー101が近接したことに基づいて変化する。これにより、第2静電容量センサ531は、第2静電容量センサ531の静電容量の変化(増加)を検出する。第2静電容量センサ531は、基板508の裏層に設けられている。ここで、基板508の裏層は、基板508のY1方向側の部分である。
〈静電センサIC〉
静電センサIC506は、第1静電容量センサ521における静電容量の変化と、第2静電容量センサ531における静電容量の変化とを取得するように構成されている。静電センサIC506は、第1静電容量センサ521および第2静電容量センサ531の各々を駆動させることにより、第1静電容量センサ521および第2静電容量センサ531の各々において電界を発生させるドライバである。静電センサIC506は、第1静電容量センサ521により発生させた電界の変化により静電容量が変化したことに基づいて、制御部7にデジタルカードキー101が近接したことを示す信号を送信するように構成されている。また、静電センサIC506は、第2静電容量センサ531により発生させた電界の変化により静電容量が変化したことに基づいて、制御部7にデジタルカードキー101が近接したことを示す信号を送信するように構成されている。静電センサIC506と制御部7とは、電気的に接続されている。
〈アンテナ〉
アンテナ510は、車室内202および車室外203の両方において、デジタルカードキー101と近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成されている。すなわち、アンテナ510は、デジタルカードキー101が近接した際、デジタルカードキー101の識別情報を近距離無線通信により取得するように構成されている。
具体的には、アンテナ510は、ループアンテナである。アンテナ510は、基板508の表層に形成される配線パターンにより構成されている。配線パターンは、基板508の表層において2層にわたって形成されている。すなわち、配線パターンは、X2方向側から見て、基板508の表層の端部の第1層と、基板508の表層の端部の層に対してY1方向側に互いに隣り合う第2層と、第1層と第2層とを繋ぐ複数の孔とに銅などの金属を設けることにより形成されている。
アンテナ510は、基板508の表層において第1静電容量センサ521のZ1方向側に配置されている。
〈アンテナ駆動回路〉
アンテナ駆動回路511は、アンテナ510を駆動させることによる近距離無線通信(NFC通信)に対応する電波の送信および受信を行うNFCドライバである。アンテナ駆動回路511は、アンテナ510において受信した符号化されたデジタルカードキー101からの情報(識別情報)を復号するように構成されている。アンテナ駆動回路511は、デジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)をNFC通信に合わせた符号化をして変調するように構成されている。アンテナ駆動回路511は、変調したコマンドをアンテナ510を駆動させて電波として送信するように構成されている。
〈基板〉
基板508は、車室内用検出部2、車室外用検出部3および制御部7に加えて、アンテナ510およびアンテナ駆動回路511も配置された共通の基板である。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置500は、デジタルカードキー101の車両200の車室内202における近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された車室内用検出部502を備えている。車両用位置判別装置100は、デジタルカードキー101の車両200の車室外203における近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された車室外用検出部503を備えている。これにより、静電容量を利用してデジタルカードキー101が近接した場合に車室内用検出部502および車室外用検出部503はデジタルカードキー101を検出するので、車室内用検出部502および車室外用検出部503の各々のデジタルカードキー101の検出範囲が比較的狭い。そのため、車室内用検出部502の検出範囲が車室外203を含んだり、車室外用検出部503の検出範囲が車室内202を含んだりすることを抑制することができる。この結果、車室内用検出部502により車室外203のデジタルカードキー101を検出することを抑制することができるとともに、車室外用検出部503により車室内202のデジタルカードキー101を検出することを抑制することができるので、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、車両用位置判別装置100は、デジタルカードキー101が近接した際、デジタルカードキー101の識別情報を近距離無線通信(NFC通信)により取得するように構成されたアンテナ510を備えている。車室内用検出部502および車室外用検出部503は、それぞれ、デジタルカードキー101の近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された第1静電容量センサ521および第2静電容量センサ531を含んでいる。これにより、アンテナを駆動させて電波を送信するためには比較的大きな電力が必要であるが、アンテナの駆動に必要な電力よりも小さい電力で第1静電容量センサ521および第2静電容量センサ531の各々は駆動して電界を発生させることができる。これにより、車両用位置判別装置100において車室内用検出部2および車室外用検出部3の各々を構成するために必要な電子部品に定格電流の比較的小さな小型の電子部品を用いることができる。この結果、車両用位置判別装置100の大型化を抑制することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第5実施形態]
図10および図11を参照して、第5実施形態による車両用位置判別装置600の構成について説明する。第5実施形態では、車両用位置判別装置600は、遮蔽部を備えていないが、第1実施形態の車両用位置判別装置100は、遮蔽部4を備えている。なお、第5実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図10および図11を参照して、本発明の第5実施形態による車両用位置判別装置600の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
車両用位置判別装置600は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置600は、レギュレータ1と、車室内用検出部2と、車室外用検出部3と、アンテナ駆動回路5と、アンテナ駆動回路6と、制御部607と、基板8と、筐体9とを備えている。
〈制御部〉
制御部607は、MCU(Micro Controller Unit)により構成されている。
制御部607は、第1アンテナ21および第2アンテナ31によりデジタルカードキー101と近距離無線通信(NFC通信)を行った際、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々において計測された近距離無線通信の信号強度の比較に基づいて、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。近距離無線通信の信号強度は、電波の強さ(電波の振幅の大きさ)を示す数値であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)である。
具体的には、制御部607は、第1アンテナ21および第2アンテナ31によりデジタルカードキー101と近距離無線通信(NFC通信)を行った際、第1アンテナ21において計測された近距離無線通信の第1信号強度が第2アンテナ31において計測された近距離無線通信の第2信号強度よりも大きい場合、デジタルカードキー101が車室内202に位置すると判別する制御を行うように構成されている。これにより、制御部607は、デジタルカードキー101が車室内202に位置していると判別したことに基づいて、上位ECUであるエンジンECUに車両200のエンジンの始動制御を実行させるための信号を送信する制御を行うように構成されている。
また、制御部607は、第1アンテナ21および第2アンテナ31によりデジタルカードキー101と近距離無線通信(NFC通信)を行った際、第2アンテナ31において計測された近距離無線通信の第2信号強度が第1アンテナ21において計測された近距離無線通信の第1信号強度よりも大きい場合、デジタルカードキー101が車室外203に位置すると判別する制御を行うように構成されている。制御部607は、デジタルカードキー101が車室外203に位置していると判別したことに基づいて、上位ECUであるボディECUに車両200のドア211の開錠を行うための信号を送信する制御を行うように構成されている。なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
(デジタルカードキー検出処理)
図11を参照して、制御部607によりユーザが所持しているデジタルカードキー101に対して実施されるデジタルカードキー検出処理について以下に説明する。
図11に示すように、ステップS1において、第1アンテナ21により電波の第1信号強度が取得される。ステップS2において、第2アンテナ31により電波の第2信号強度が取得される。ステップS3において、第1信号強度が第2信号強度よりも大きいか否かが判断される。第1信号強度が第2信号強度よりも大きい場合にステップS4に進み、ステップS4においてエンジンの始動制御を実行させるための信号が送信された後、デジタルカードキー検出処理が終了する。第1信号強度が第2信号強度よりも小さい場合にステップS5に進み、ステップS5においてドア211の解錠を実行させるための信号が送信された後、デジタルカードキー検出処理が終了する。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置600は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室内用検出部2を備えている。車両用位置判別装置600は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室外用検出部3を備えている。これにより、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、制御部607は、第1アンテナ21および第2アンテナ31によりデジタルカードキー101と近距離無線通信(NFC通信)を行った際、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々において計測された近距離無線通信(NFC通信)の信号強度の比較に基づいて、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている。これにより、第1アンテナ21および第2アンテナ31のいずれでデジタルカードキー101を検出したかを正確に判別することができるので、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを正確に判別することができる。また、遮蔽板がなくても、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを正確に判別することができるので、車両用位置判別装置600の部品点数の増加を抑制することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第6実施形態]
図12および図13を参照して、第6実施形態による車両用位置判別装置700の構成について説明する。第6実施形態では、車両用位置判別装置700は、遮蔽部を備えていないが、第1実施形態の車両用位置判別装置700は、遮蔽部4を備えている。なお、第6実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図12に示すように、本発明の第6実施形態による車両用位置判別装置700の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
車両用位置判別装置700は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置700は、レギュレータ1と、車室内用検出部2と、車室外用検出部3と、アンテナ駆動回路5と、アンテナ駆動回路6と、制御部707と、基板8と、筐体9とを備えている。
〈制御部〉
制御部707は、MCU(Micro Controller Unit)により構成されている。
制御部707は、第1アンテナ21とデジタルカードキー101との近距離無線通信(NFC通信)、および、第2アンテナ31とデジタルカードキー101との近距離無線通信を互いに異なるタイミングで実施する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部707は、第1アンテナ21とデジタルカードキー101との近距離無線通信、および、第2アンテナ31とデジタルカードキー101との近距離無線通信を交互(たとえば、200ms~1000msごとに交互)に実施する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部707は、第1アンテナ21とデジタルカードキー101とが近距離無線通信を行うことによりデジタルカードキー101の識別情報を取得したことに基づいて、デジタルカードキー101が車室内202に位置すると判別する制御を行うように構成されている。これにより、制御部707は、デジタルカードキー101が車室内202に位置していると判別したことに基づいて、上位ECUであるエンジンECUに車両200のエンジンの始動制御を実行させるための信号を送信する制御を行うように構成されている。
また、制御部707は、第2アンテナ31とデジタルカードキー101とが近距離無線通信を行うことによりデジタルカードキー101の識別情報を取得したことに基づいて、デジタルカードキー101が車室外203に位置すると判別する制御を行うように構成されている。これにより、制御部607は、デジタルカードキー101が車室外203に位置していると判別したことに基づいて、上位ECUであるボディECUに車両200のドア211の開錠を行うための信号を送信する制御を行うように構成されている。なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
(デジタルカードキー検出処理)
図13を参照して、制御部707によりユーザが所持しているデジタルカードキー101に対して実施されるデジタルカードキー検出処理について以下に説明する。
図13に示すように、ステップS701において、第1アンテナ21を駆動させることにより、第1アンテナ21から変調したデジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)が第1アンテナ21から電波として送信される。ステップS702において、デジタルカードキー101の識別情報が受信されたか否かが判断される。デジタルカードキー101の識別情報が受信された場合には、ステップS703においてエンジンの始動制御を実行させるための信号が送信された後、デジタルカードキー検出処理が終了する。デジタルカードキー101の識別情報が受信されなかった場合にはステップS704に進む。
ステップS704において、第2アンテナ31を駆動させることにより、第2アンテナ31から変調したデジタルカードキー101に識別情報を送信させるための命令(コマンド)が第2アンテナ31から電波として送信される。ステップS705において、デジタルカードキー101の識別情報が受信されたか否かが判断される。デジタルカードキー101の識別情報が受信された場合には、ステップS706においてドア211の解錠を実行させるための信号が送信された後、デジタルカードキー検出処理が終了する。また、デジタルカードキー101の識別情報が受信されなかった場合には、デジタルカードキー検出処理が終了する。
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置700は、車室内202におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室内用検出部2を備えている。車両用位置判別装置700は、車室外203におけるデジタルカードキー101の近接を検出する近距離無線通信(NFC通信)を行うように構成された車室外用検出部3を備えている。これにより、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、制御部707は、第1アンテナ21とデジタルカードキー101との近距離無線通信(NFC通信)、および、第2アンテナ31とデジタルカードキー101との近距離無線通信(NFC通信)を互いに異なるタイミングで実施する制御を行うように構成されている。これにより、第1アンテナ21および第2アンテナ31を同時に駆動させる場合と比較して、アンテナを駆動させるために必要な電力を小さくすることできるので、車両用位置判別装置700において車室内用検出部2および車室外用検出部3の各々を構成するために必要な電子部品に定格電流の比較的小さな小型の電子部品を用いることができる。この結果、車両用位置判別装置700の大型化を抑制することができる。また、遮蔽部がなくても、デジタルカードキー101が車室内202および車室外203のいずれに位置するかを正確に判別することができるので、車両用位置判別装置700の部品点数の増加を抑制することができる。なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第7実施形態]
図14を参照して、第7実施形態による車両用位置判別装置800の構成について説明する。第7実施形態では、車両用位置判別装置800は、遮蔽部4を備えていないが、第4実施形態の車両用位置判別装置500は、遮蔽部4を備えている。なお、第7実施形態では、第4実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
図14を参照して、本発明の第7実施形態による車両用位置判別装置800の構成について説明する。
(車両用位置判別装置)
図14に示すように、車両用位置判別装置800は、トリム211a内に固定された状態で、デジタルカードキー101と互いにNFC通信により近距離無線通信を行うように構成されている。具体的には、車両用位置判別装置800は、レギュレータ1と、車室内用検出部502と、車室外用検出部503と、静電センサIC506と、制御部7と、基板508と、筐体9と、アンテナ510と、アンテナ駆動回路511とを備えている。なお、第7実施形態のその他の構成は、上記第4実施形態の構成と同様である。
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、上記第1実施形態と同様に、車両用位置判別装置800は、デジタルカードキー101の車両200の車室内202における近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された車室内用検出部502を備えている。車両用位置判別装置100は、デジタルカードキー101の車両200の車室外203における近接を検出するように構成された車室外用検出部503を備えている。これにより、デジタルカードキー101の位置の誤検出による車両200の意図しない作動を抑制することができる。なお、第7実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[変形例]
今回開示された上記実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第3実施形態では、第1アンテナ21の第1配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の表層の端部の第1層と、基板8の表層の端部の層に対してY1方向側に互いに隣り合う第2層と、第1層と第2層とを繋ぐ複数の孔とにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示す第1変形例のように、第1アンテナ921の第1配線パターンは、X2方向側から見て、基板908の表層の端部の第1層に形成されていてもよい。また、図16に示す第2変形例のように、第1アンテナ1021の第1配線パターンは、X2方向側から見て、基板1008の表層の端部の第1層と、基板1008の表層の端部の層に対してY1方向側に互いに隣り合う第2層と、第1層と第2層とを繋ぐ複数の孔とに形成されていてもよい。また、図17に示す第3変形例のように、第1アンテナ1121の第1配線パターンは、X2方向側から見て、基板1108の表層の端部の第1層に形成されていてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、第2アンテナ31の第2配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の裏層の端部の第4層と、基板8の裏層の端部の層に対してY2方向側に互いに隣り合う第3層と、第3層と第4層とを繋ぐ複数の孔とにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示す第1変形例のように、第2アンテナ931の第2配線パターンは、X2方向側から見て、基板908の裏層の端部の第2層に形成されていてもよい。また、図16に示す第2変形例のように、第2アンテナ1031の第2配線パターンは、X2方向側から見て、基板1008の裏層の端部の第6層と、基板1008の裏層の端部の層に対してY2方向側に互いに隣り合う第5層と、第5層と第6層とを繋ぐ複数の孔とに形成されていてもよい。また、図17に示す第3変形例のように、第2アンテナ1131の第2配線パターンは、X2方向側から見て、基板1108の裏層の端部の第4層に形成されていてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、遮蔽部4の遮蔽用配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の第2アンテナ31のY2方向側の第2層と、基板8の第1アンテナ21のY1方向側の第3層と、第3層と第4層とを繋ぐY方向に延びた孔とにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示す第1変形例のように、遮蔽部904の遮蔽用配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の第2アンテナ931のY2方向側の第1層と、基板8の第1アンテナ921のY1方向側の第2層と、第1層と第2層とを繋ぐY方向に延びた孔とにより形成されていてもよい。また、図16に示す第2変形例のように、遮蔽部1004の遮蔽用配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の第1アンテナ1021のY1方向側の第3層と、基板8の第2アンテナ1031のY2方向側の第4層とに形成されていてもよい。また、図17に示す第3変形例のように、遮蔽部1104の遮蔽用配線パターンは、X2方向側から見て、基板8の第1アンテナ1121のY1方向側の第2層と、基板8の第2アンテナ1131のY2方向側の第3層とに形成されていてもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、車両用位置判別装置100(300、400、500)は、遮蔽部4を備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、車両用位置判別装置では、車室内用検出部と車室外用検出部3との間に遮蔽部を設けることなく、車室内用検出部と車室外用検出部との間隔を比較的大きくしてもよい。
また、上記第5および第6実施形態では、車両用位置判別装置600(700)は、遮蔽部を備えていない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、車両用位置判別装置は、遮蔽部を備えていてもよい。
また、上記第1~第3、第5および第6実施形態では、アンテナ駆動回路5(305、405)は、第1アンテナ21および第2アンテナ31の各々における電波に含まれる磁界の変化に基づいて、デジタルカードキー101(携帯機)が近接しているか否かを検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、車両用位置判別装置は、第1アンテナと携帯機のアンテナとが磁気的に結合することによるインピーダンスの変化に伴う電流の変化に基づいて、携帯機の近接を検出するインダクティブセンサのように構成されていてもよい。また、車両用位置判別装置は、第2アンテナと携帯機のアンテナとが磁気的に結合することによるインピーダンスの変化に伴う電流の変化に基づいて、携帯機の近接を検出するインダクティブセンサのように構成されていてもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、制御部7(607、707)は、デジタルカードキー101(携帯機)からの情報(識別情報)と、記憶部に記憶されたデジタルカードキー101の識別情報とを照合する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、携帯機の情報(識別情報)と、記憶部に記憶された携帯機との照合は、上位ECUで行われてもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、デジタルカードキー101が、特許請求の範囲の「携帯機」である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スマートフォンまたはスマートキーなどが、特許請求の範囲の「携帯機」であってもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、車両用位置判別装置100(300、400、500、600、700、800)は、車両200の運転席201のドア211のトリム211aの内部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、車両用位置判別装置は、ピラーガーニッシュにおける車室内側に車両のフレームの一部が設けられていない部分に取り付けられてもよい。また、車両用位置判別装置は、車両のフレームが鉄などの強磁性体の材料でない場合には、ドアハンドル内部に取り付けられてもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、車両用位置判別装置100(300、400、500、600、700、800)は、車両200の運転席201のドア211のトリム211aの内部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、車両用位置判別装置は、車両の運転席以外の助手席などのドアのトリムの内部に配置されてもよい。
また、上記第1~第3、第5および第6実施形態では、近距離無線通信にNFC通信を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、近距離無線通信にトランスポンダなどを用いてもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、筐体9は、防水性能が低い低防水構造により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体は、防水性能が高い(たとえば、パッキンなどが設けられている)高防水構造により構成されていてもよい。
また、上記第1~第7実施形態では、説明の便宜上、制御部7(607、707)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
2、502 車室内用検出部
3、503 車室外用検出部
4、904、1004、1104 遮蔽部
7、607、707 制御部
8、508、908、1008、1108 基板
21、921、1021、1121 第1アンテナ
31、931、1031、1131 第2アンテナ
100、300、400、500、600、700、800 車両用位置判別装置
101 デジタルカードキー(携帯機)
200 車両
202 車室内
203 車室外
510 アンテナ
521 第1静電容量センサ
531 第2静電容量センサ

Claims (7)

  1. 車両のユーザが保持するとともに近距離無線通信可能に構成された携帯機の前記車両の車室内における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、前記車室内における前記携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室内用検出部と、
    前記携帯機の前記車両の車室外における近接を静電容量の変化に基づいて検出するか、または、前記車室外における前記携帯機の近接を検出する近距離無線通信を行うように構成された車室外用検出部と、
    前記携帯機が近接した場合に前記車室内用検出部から出力される車室内検出信号、および、前記携帯機が近接した場合に前記車室外用検出部から出力された車室外検出信号の各々に基づいて、前記携帯機が前記車室内および前記車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成されている、車両用位置判別装置。
  2. 前記車室内用検出部および前記車室外用検出部が配置される共通の基板をさらに備える、請求項1に記載の車両用位置判別装置。
  3. 前記車室内用検出部および前記車室外用検出部は、それぞれ、前記携帯機の近接を検出する近距離無線通信を前記携帯機と行うように構成された第1アンテナおよび第2アンテナを含み、
    前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間に配置され、前記第1アンテナから前記第2アンテナに向かう電波、および、前記第2アンテナから前記第1アンテナに向かう電波を遮蔽する遮蔽部をさらに備える、請求項1に記載の車両用位置判別装置。
  4. 前記第1アンテナを構成する第1配線パターンが表層に形成されるとともに、前記第2アンテナを構成する第2配線パターンが前記表層とは反対側の裏層に形成された共通の基板をさらに備え、
    前記共通の基板は、前記表層と前記裏層との間に前記遮蔽部を構成する遮蔽用配線パターンが形成された内層を含む、請求項3に記載の車両用位置判別装置。
  5. 前記携帯機が近接した際、前記携帯機の識別情報を近距離無線通信により取得するように構成されたアンテナをさらに備え、
    前記車室内用検出部および前記車室外用検出部は、それぞれ、前記携帯機の近接を静電容量の変化に基づいて検出するように構成された第1静電容量センサおよび第2静電容量センサを含む、請求項1に記載の車両用位置判別装置。
  6. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにより前記携帯機と近距離無線通信を行った際、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの各々において計測された近距離無線通信の信号強度の比較に基づいて、前記携帯機が前記車室内および前記車室外のいずれに位置するかを判別する制御を行うように構成された制御部をさらに備える、請求項3に記載の車両用位置判別装置。
  7. 前記第1アンテナと前記携帯機との近距離無線通信、および、前記第2アンテナと前記携帯機との近距離無線通信を互いに異なるタイミングで実施する制御を行うように構成された制御部をさらに備える、請求項3に記載の車両用位置判別装置。
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