JP2024007661A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)の技術に関して、虚像が表示できる複数の表示領域を好適に形成できる技術を提供する。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。【解決手段】HUD装置は、第1映像光を出射する第1画像形成ユニットと、第2映像光を出射する第2画像形成ユニットと、第1映像光を反射し、第2映像光を透過する光学素子(ミラーM2)と、光学素子(ミラーM2)からの第1映像光および第2映像光を反射する映像投射部(ミラーM1)とを備え、映像投射部(ミラーM1)からの第1映像光に基づいて、第1虚像が表示可能な第1表示エリアである第1表示領域51を形成し、映像投射部(ミラーM1)からの第2映像光に基づいて、第2虚像が表示可能な第2表示エリアである第2表示領域52を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置(Head-up display:HUD)の技術に関する。
車両などに搭載されるHUD装置として、運転者の視点から見てウィンドシールドまたはコンバイナ(専用の表示板)等の透過部材に対し前方に複数の虚像を形成するHUD装置が開発されている。
先行技術例として、特開2016-14861号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、「簡易な構成で、観察者に効率よく画像光を向けることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供する」旨や、「投影部10は、表示画像を示す投影光200aを出射し、第一反射部21は、投影部10が出射した投影光200aを第二反射部24に向けて反射し、第二反射部24は、第一反射部21が反射した投影光200aを透過型スクリーン30に向けて反射し、透過型スクリーン30は、第二反射部24が反射した投影光200aを透過拡散した観察者に向かう画像光100を出射する。第一反射部21と第二反射部24とを回動させて透過型スクリーン30に入射する投影光200aの光軸の角度を調整することで、透過型スクリーン30から出射される画像光100の角度を調整する」旨が記載されている。
特開2016-14861号公報
特許文献1のような従来技術例のHUD装置は、ミラーを回動させることで、映像光の方向を変えており、これにより、運転者(観察者)の視点の高さ位置に応じた虚像を提供できる。
本開示の目的は、上記HUD装置の技術に関して、虚像が表示できる複数の表示領域を好適に形成できる技術を提供することである。表示領域とは、言い換えると、HUDの表示領域、表示エリア、画面などである。
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態のヘッドアップディスプレイ装置は、第1映像光を出射する第1画像形成ユニットと、第2映像光を出射する第2画像形成ユニットと、前記第1映像光を反射し、前記第2映像光を透過する光学素子と、前記光学素子からの前記第1映像光および前記第2映像光を反射する映像投射部と、を備え、前記映像投射部からの前記第1映像光に基づいて、第1虚像が表示可能な第1表示エリアである第1表示領域を形成し、前記映像投射部からの前記第2映像光に基づいて、第2虚像が表示可能な第2表示エリアである第2表示領域を形成する。
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、上記HUD装置の技術に関して、虚像が表示できる複数の表示領域を好適に形成できる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において示される。
実施の形態1のHUD装置を搭載する車両の構成例を示す。 図1の車両におけるHUD装置の搭載などの構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置における映像表示ユニットの構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、運転者の視点から見た、2つの表示領域の第1構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、運転者の視点から見た、2つの表示領域の第2構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、映像表示ユニット内への太陽光の入射、および外光入射防止機能に関する模式説明図を示す。 実施の形態1のHUD装置で、映像表示ユニットのミラーや透過部材等の実装構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、外光入射防止機能に係わる温度検出に関する模式説明図を示す。 実施の形態1のHUD装置で、車両情報を取得するためのセンサ等の構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、機能ブロックの第1構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、機能ブロックの第2構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、画像形成ユニットの実装構成例を示す。 実施の形態1の変形例1AのHUD装置における、映像表示ユニットの構成例、および偏光素子に関する第1構成例を示す。 実施の形態1の変形例1AのHUD装置における、映像表示ユニットの構成例、および偏光素子に関する第2構成例を示す。 実施の形態1の変形例1BのHUD装置における、映像表示ユニットの構成例、および凹面ミラーの2つの反射面に関する第1構成例を示す。 実施の形態1の変形例1BのHUD装置における、映像表示ユニットの構成例、および凹面ミラーの2つの反射面に関する第2構成例を示す。 実施の形態1の変形例1CのHUD装置における、2つのミラー、2つの画像形成ユニット、および遮光部に関する第1構成例を示す模式説明図である。 変形例1Cで、映像表示ユニットの構成例を示す。 変形例1Cで、平面ミラーにおける遮光部の第1構成例の断面図を示す。 変形例1Cで、平面ミラーにおける遮光部の第2構成例の断面図を示す。 実施の形態1の変形例1CのHUD装置における、2つのミラー、2つの画像形成ユニット、および遮光部に関する第2構成例を示す模式説明図である。 実施の形態1の他の変形例のHUD装置における、映像表示ユニット内への太陽光の入射、および外光入射防止機能に関する模式説明図を示す。 実施の形態1のHUD装置で、運転者の視点から見た、2つの表示領域の第3構成例を示す。 実施の形態1のHUD装置で、運転者の視点から見た、2つの表示領域の第4構成例を示す。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、範囲等を表していない場合がある。
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPU/MPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばメモリカードやディスクでもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム、IoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名前、番号等の表現は互いに置換可能である。
<解決手段等>
実施の形態のHUD装置は、基本的な目的および機能としては、運転者の視点から見てウィンドシールドに対し前方に2つの表示領域に対応した2つの虚像V1,V2を形成できることである。実施の形態のHUD装置は、このような構成を実現するために、画像形成ユニットやミラー等の光学系の構成を工夫したものである。具体的には、図3等に示されるように、HUD装置1の映像表示ユニット200内において、映像表示装置である画像形成ユニットとして2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2が設けられる。そして、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からのそれぞれの映像光A1,A2を、ミラーM2およびミラーM1を用いて、ウィンドシールド3に対し投射する。これにより、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からの映像光A1,A2に対応した、2つの表示領域5(51,52)が形成される。第1表示領域51内には第1虚像V1が形成され、第2表示領域52内には第2虚像V2が形成される。
例えば、第1表示領域51の第1虚像V1は、第2表示領域52の第2虚像V2に対し、運転者の視点6から見て相対的に遠方で上側の位置に形成され、第2表示領域52の第2虚像V2は、第1表示領域51の第1虚像V1に対し、相対的に近方で下側の位置に形成される。このような虚像光学系および虚像距離の設計のために、実施の形態1のHUD装置は、筐体内部において、第1映像光A1の光路が、第2映像光A2の光路よりも、光学距離が長くなるように設計されている。具体的には、第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1についてはミラーM2で反射させ、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2についてはミラーM2を透過させる光路とする。これにより、第1映像光A1の光路の方が第2映像光A2の光路よりも光学距離が長い構成としている。
図3では、表示領域5および虚像光学系として、第1表示領域51の虚像V1と第2表示領域52の虚像V2とは、運転者の視点6から見て上下方向(Z軸方向)において例えば一部が重なるように形成・配置されているが(後述の図4)、これに限定されない。第1表示領域51の虚像V1と第2表示領域52の虚像V2とが上下方向において分離して形成・配置されてもよい(後述の図5)。光学系の設計を調整すれば、例えば、各画像形成ユニットの位置および向き等を調整すれば、そのような2つの表示領域5の虚像9の配置関係を実現できる。
実施の形態1では、画像形成ユニットとしては、同様の構造を有する2つのモジュールを使用し(例えば後述の図12)、それらを、第1画像形成ユニットPGU1、第2画像形成ユニットPGU2とする。これに限定されず、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2は、異なる構成としてもよい。例えば、第1表示領域51の虚像V1に対し第2表示領域52の虚像V2を小さなサイズとする場合、第1画像形成ユニットPGU1の表示領域のサイズに対し第2画像形成ユニットPGU2の表示領域のサイズを小さいものとしてもよい。
<実施の形態1>
図1~図12等を用いて、実施の形態1のHUD装置1について説明する。
[車両]
図1は、実施の形態1のHUD装置1が搭載される車両2の概要構成を示す。車両2は、車両コントローラである制御ユニット100を備えている。制御ユニット100は、車両2の走行などを制御する。HUD装置1は、CANまたはLINなどのインタフェースを通じて、制御ユニット100と通信する。制御ユニット100およびHUD装置1は、車両2の車載システムを構成する。HUD装置1は、映像光を生成してウィンドシールド3の透過領域に投射する。これにより、ウィンドシールド3の透過領域に対し、表示エリアであるHUDの表示領域5が形成され、表示領域5内に虚像が表示される。
制御ユニット100は、CAN信号等を通じて、HUD装置1を制御することで、表示領域5に映像情報を虚像として表示させることができる。制御ユニット100は、後述の図9のような各種のセンサ、計測デバイス、通信デバイス等を用いて、車両情報4を取得する。HUD装置1は、CAN信号等を通じて、制御ユニット100から車両情報4を入力・取得する。HUD装置1は、車両情報4等に基づいて、映像データを生成し、映像光を出射することにより、表示領域5に虚像を表示する。
なお、図1等において、説明上の座標系や方向として、(X,Y,Z)を用いている。図1等では車両2に対する空間座標系を示している。Z軸、Z方向は、鉛直方向であり、言い換えると上下方向、縦方向である。X軸、X方向は、第1水平方向であり、言い換えると、左右方向、横方向である。Y軸、Y方向は、X軸に対し直交する第2水平方向であり、言い換えると、前後方向である。
[映像表示ユニット]
図2は、図1の車両2における実施の形態1のHUD装置1の搭載例を示す。図2では、図1の車両2をX軸方向から見たY-Z面での模式図を示す。図2では、車両2のダッシュボード70内にHUD装置1の特に映像表示ユニット200が搭載されている。図2では、車両2内の運転席にユーザU1として運転者U1が着座した状態で、ウィンドシールド3を介して前方に表示領域5内の虚像9を視認する場合を示している。HUD装置1の映像表示ユニット200は、筐体内に、映像表示装置10と、ミラーM2および凹面ミラーM1とを備える。映像表示装置10、ミラーM2および凹面ミラーM1等の光学系は、筐体内に、所定の位置関係で配置・固定されている。
なお、図2では基本構成を示しており、後述の2つの画像形成ユニットおよび2つの表示領域については図示しておらず、1つの画像形成ユニットである映像表示装置10および1つの表示領域5としてまとめて図示しており、詳細については後述する。
筐体の一部には、ダッシュボード70の開口部7に合わせて配置された開口部を有する。開口部に透過部材、または透明部材または透明カバーまたは透過カバー71が設けられている。本発明では透過部材71を用いて説明する。HUD装置1の映像光は、その開口部の透過部材71等を透過して出射する。また、透過部材71も防塵カバーとして機能する。
映像表示装置10は、表示面に画像を形成して映像光を出射する。ミラーM2は、例えば平面ミラー、言い換えると折り返しミラーである。ミラーM2は、映像表示装置10からの映像光を、凹面ミラーM1へ向けて反射する。ミラーM1は、凹面ミラーであり、ミラーM2からの映像光を、設定された角度の方向へ向けて拡大して反射する映像投射部として機能する。凹面ミラーM1は、例えば自由曲面ミラーや光軸非対称形状を有するミラー等により構成されている。凹面ミラーM1は、X軸およびZ軸での凹面の反射面を有するミラーにより構成されている。
図示のように、映像表示装置10からの映像光は、ミラーM2および凹面ミラーM1で反射され、反射された映像光が開口部7から出射されて、ウィンドシールド3の面に投射される。その映像光は、ウィンドシールド3の面で反射されて、運転者の視点6に向かう。これにより、運転者の視点6から前方(Y軸後側)を見ると、ウィンドシールド3に対し表示領域5が形成され、表示領域5内に虚像9が視認できる。表示領域5内では、前方の実景に対し、映像光により形成された虚像9が重畳された状態で表示される。なお、図2では、表示領域5として、ウィンドシールド3の面に沿った表示領域5Aと、ウィンドシールド3よりも前方に形成される表示領域5Bとを図示しており、これらは対応している。
虚像9は、AR(Augmented Reality)の場合には、対象物の位置に合わせて重畳表示される映像情報である。虚像9は、非ARの場合には、所定の位置に独立に表示される映像情報である。虚像9となる映像情報の例は、車速などの情報、ナビゲーション情報、アラート情報など、様々なものがある。
車両2には例えばバックミラー付近にカメラ90も設けられている。カメラ90は、車外を撮影する車外カメラや、車内を撮影する車内カメラがある。
[HUD装置]
図3は、実施の形態1のHUD装置1の構成として、映像表示ユニット200の構成や表示領域5の構成をY-Z面で示す模式説明図である。図3のように、実施の形態1での特徴の1つとして、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2を備え、それらの2つの画像形成ユニットPGU1,PGUによって、ミラーM2および凹面ミラーM1を介して、2つの表示領域5(51,52)が形成される。
映像表示ユニット200は、筐体60内に、2つの画像形成ユニット(Picture Generation Unit)として、第1画像形成ユニットPGU1と、第2画像形成ユニットPGU2とを備える。なお、第1画像形成ユニットPGU1および第2画像形成ユニットPGU2の、両方、またはどちらか一方は、その一部が筐体60に収納されていなくてもよい。画像形成ユニットは、言い換えると映像表示装置である。第1画像形成ユニットPGU1は、言い換えると第1映像表示装置10Aであり、第2画像形成ユニットPGU2は、言い換えると第2映像表示装置10Bである。
図3でのミラーM1およびミラーM2は、図2でのミラーM1およびミラーM2と対応している。Y軸方向において、前側の位置(運転者側)にミラーM2が配置され、後側(車両前側またはウィンドシールド3側)の位置にミラーM1が配置されている。ミラーM1は、凹面ミラーであり、凹面の反射面sf5を有する。
図3で、第1画像形成ユニットPGU1は、第1映像光A1を出射する。第2画像形成ユニットPGU2は、第2映像光A2を出射する。第1画像形成ユニットPGU1は、第1映像光A1をミラーM2によって反射させるような配置として、ミラーM2に対しY軸方向で車両前側またはウィンドシールド3側、Z軸方向で下側の、所定の位置に配置されている。第2画像形成ユニットPGU2は、第2映像光A2をミラーM2によって透過させるような配置として、ミラーM2に対しY軸方向で車両後側または運転者側の、所定の位置に配置されている。
第1画像形成ユニットPGU1の表示面sf1から出射された第1映像光A1は、第1レンズL1を透過して光学調整された後、ミラーM2の一方の面sf3に入射して反射される。第2画像形成ユニットPGU2の表示面sf2から出射された第2映像光A2は、第2レンズL2を透過して光学調整された後、ミラーM2の他方の面sf4に入射して透過される。
ミラーM2からの反射された第1映像光A1および透過された第2映像光A2は、ミラーM1へ向かう。第1映像光A1および第2映像光A2は、それぞれ、ミラーM1の反射面sf5で反射され、開口部に対応して配置された透過部材71を透過して、ウィンドシールド3の面sf6に投射される。それらの映像光A1および映像光A2は、ウィンドシールド3の面sf6で反射されて、運転者の視点6へ向かう。視点6から前方を見ると、第1画像形成ユニットPGU1の第1映像光A1により第1表示領域51が形成され、第2画像形成ユニットPGU2の第2映像光A2により第2表示領域52が形成される。視点6から前方を見ると、ウィンドシールド3に対し、表示領域5の虚像9としては、第1映像光A1により形成される第1表示領域51の第1虚像V1と、第2映像光A2により形成される第2表示領域52の第2虚像V2とが視認できる。
第1画像形成ユニットPGU1とミラーM1との間の光路上において、特に第1画像形成ユニットPGU1の表示面sf1から近くの所定の位置には、第1レンズL1が設けられている。第2画像形成ユニットPGU2とミラーM2との間の光路上において、特に第2画像形成ユニットPGU2の表示面sf2から近くの所定の位置には、第2レンズL2が設けられている。
実施の形態1のHUD装置1は、第1映像光A1と第2映像光A2とで1つのミラーM1を共用する光学系を有する。そのために、第1画像形成ユニットPGU1のレンズL1と、第2画像形成ユニットPGU2のレンズL2とにおいて、各々、光学調整がされている。光学調整は、虚像9までの光学距離や方向や拡大率などに係わる調整である。
なお、レンズL1,L2に関する変形例としては、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との一方の画像形成ユニットを基準として虚像光学系を設計して、レンズL1とレンズL2との一方を省略した構成も可能である。すなわち、変形例としては、第1画像形成ユニットPGU1の第1映像光A1を基準としてレンズL1を省略した形態や、第2画像形成ユニットPGU2の第2映像光A2を基準としてレンズL2を省略した形態が可能である。
実施の形態1のHUD装置1において、映像光の偏光の特性・設計については以下である。実施の形態1では、ウィンドシールド3の面sf6に入射する2種類の映像光である第1映像光A1および第2映像光A2について、第1映像光A1は、ウィンドシールド3の面sf6にS偏光で入射する光(第1偏光とも記載する)とし、第2映像光A2は、ウィンドシールド3の面sf6にP偏光で入射する光(第2偏光とも記載する)とする。なお、図面では、S偏光を(S)、P偏光を(P)でも示している。S偏光(あるいはS波)は、電場が入射面に垂直な方向で振動する光であり、Sはsenkrechtを表す。P偏光(あるいはP波)は、電場が入射面内で振動する光であり、Pはparallelを表す。対応して、第1画像形成ユニットPGU1およびレンズL1からの第1映像光A1は、S偏光であり、第2画像形成ユニットPGU2およびレンズL2からの第2映像光A1は、P偏光である。第1映像光A1(第1偏光)と第2映像光(第2偏光)とは、互いに直交する直線偏光である。
ミラーM2は、光学素子として、反射型偏光素子で構成されており、第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1を反射し、第2画像形成ユニットPGU1からの第2映像光A2を透過する。
ミラーM1は、1つの反射面sf5において、第1映像光A1を反射するとともに、第2映像光A2を反射する。後述するが、反射面sf5での第1映像光A1および第2映像光A2の照射の領域は、異なっていてもよい。
図3では、虚像光学系に基づいた2つの表示領域5(51,52)の設計の例として、第1表示領域51は、第2表示領域52よりもY軸方向で後側(車両前側)に形成されるとともに、第1表示領域51は、第2表示領域52よりもZ軸方向で上側に形成される。第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1の光路および光学距離は、ミラーM2によって折り返される構成としているため、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2の光路および光学距離よりも長い。そのため、第1表示領域51は、第2表示領域52よりもY軸方向で後側(車両前側)に形成される。また、ミラーM1に対する第1映像光A1の照射の位置は、第2映像光A2の照射の位置よりも、Z軸方向で下側となる構成としている。そのため、ミラーM1からウィンドシールド3に投射される第1映像光A1は、第2映像光A2よりも上側の位置となる。これにより、第1表示領域51は、第2表示領域52よりもZ軸方向で上側に形成される。
図3のように、実施の形態1のHUD装置1は、2つの表示領域51,52によるレイヤ型の表示領域5を形成でき、2つの表示領域51,52にそれぞれの虚像9(V1,V2)を表示できる。実施の形態1のHUD装置1は、適宜に、一方の第1表示領域51のみに虚像V1を表示してもよいし、他方の第2表示領域52のみに虚像V2を表示してもよいし、両方の表示領域51,52に同時に虚像V1,V2を表示することもできる。
図3の設計例では、第1表示領域51と第2表示領域52は、視点6から見た場合に、Z軸に対応する上下方向で一部が重なる配置とされている(後述の図4)。すなわち、視点6から見た場合に、第1表示領域51のうち下辺側の一部領域は、第2表示領域52のうち上辺側の一部領域と重なっている。これに限らず、第1表示領域51と第2表示領域52は、視点6から見た場合に、Z軸に対応する上下方向で分離された配置としてもよい(後述の図5)。
[HUDの表示領域]
図4は、図3と対応して、実施の形態1のHUD装置1の映像表示ユニット200により形成される表示領域5(51,52)について、運転者の視点6から前方(Y軸方向)にウィンドシールド3を見た場合のX-Z面での模式構成を示す。図4では、凹面ミラーM1からウィンドシールド3に対し反射・投射される映像光(前述の映像光A1,A2)によって、2つの表示領域51,52が形成される場合を模式で示している。図4では特に、視点6から見た方向で、2つの表示領域51,52が上下方向(Z軸方向)で一部重畳して形成される場合を示している。
凹面ミラーM1の反射面sf5の有効領域において、下側の一部には第1映像光A1が照射される領域401を有し、上側の一部には第2映像光A2が照射される領域402を有する。領域401からの反射された第1映像光A1によって、上側に第1表示領域51が形成され、領域402からの反射された第2映像光A2によって、下側に第2表示領域52が形成される。
図4の構成例では、凹面ミラーM1の反射面sf5の有効領域において、第1映像光A1が反射する領域401と、第2映像光A2が反射する領域402とは、一部が重なっている。なお、図3に示したように、ミラーM1,M2等を介する像の反転の関係を有するので、ミラーM1の反射面sf5での下側の領域401からの第1映像光A1により上側の第1表示領域51の虚像V1が形成され、上側の領域402からの第2映像光A2により下側の第2表示領域52の虚像V2が形成される。
図5は、表示領域5の形成に関する変形例として、特に、視点6から見た方向で2つの表示領域51,52が上下方向(Z軸方向)で分離して重ならずに形成される場合を示している。凹面ミラーM1の反射面sf5の有効領域において、下側の一部には第1映像光A1が照射される領域401、上側の一部には第2映像光A2が照射される領域402を有する。領域401からの第1映像光によって表示領域51が形成され、領域402からの第2映像光A2によって表示領域52が形成される。図5の構成例では、凹面ミラーM1の反射面sf5の有効領域において、第1映像光A1が反射する領域401と、第2映像光A2が反射する領域402とは分離されている。
図4等のように、実施の形態1のHUD装置1では、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からの2つの映像光A1,A2を反射させるための構成要素部分は、1つの凹面ミラーM1として共通化されている。凹面ミラーM1の反射面sf5の有効領域において、2つの映像光A1,A2の照射の領域がどのように構成されるかについては、図4や図5の構成例に限らずに可能であり、変形例については後述する。
[偏光の設計および透過部材等について]
図3で、実施の形態1のHUD装置1における、第1映像光A1のS偏光と、第2映像光A2のP偏光とでは、ウィンドシールド3における反射率などの特性が異なる。そのため、S偏光による表示領域51の虚像V1と、P偏光による表示領域52の虚像V2とでは、運転者から見て、輝度などの特性が異なる。そのため、実施の形態1のHUD装置1は、それらの差を低減するための工夫も以下のように有する。
実施の形態1で映像表示ユニット200の開口部に備える透過部材71に関して、以下のような構成を有する。透過部材71の第1構成例は以下の通りである。第1構成例では、透過部材71は、位相差板(言い換えると高位相差板)を有して構成され、遅相軸が第1映像光A1(S偏光)および第2映像光A2(P偏光)と略45度で交わる。第1構成例では、透過部材71から出射する映像光A1,A2は、無偏光(言い換えるとランダム偏光)となる。
透過部材71の第2構成例は以下の通りである。第2構成例では、透過部材71は、1/4λ板(四分の一波長板)を有して構成され、遅相軸が第1映像光A1(S偏光)および第2映像光A2(P偏光)と略45度で交わる。第2構成例では、透過部材71から出射する映像光A1,A2は、回転偏光(言い換えると円偏光)となる。
透過部材71の第3構成例は以下の通りである。第3構成例では、透過部材71は、吸収型偏光板を有して構成され、吸収軸が第1映像光A1および第2映像光A2と略45度で交わる。第3構成例では、透過部材71から出射する映像光は、偏光板吸収軸と直交する直線偏光となる。
上記透過部材71の第1~第3構成例による作用・効果としては以下が挙げられる。第1~第3構成例において共通に実現できる作用・効果としては以下が挙げられる。第1~第3構成例によれば、運転者U1が表示領域5の虚像9を見る場合において、第1領域表示51の虚像V1と、第2表示領域52の虚像V2とにおいて、輝度の差が生じない、または低減できる。また、運転者U1が偏光サングラスを装着した状態で表示領域5の虚像9を見る場合においても、視認性が良好となる。
第3構成例のみの作用・効果としては以下が挙げられる。第3構成例では、一部の映像光が、透過部材71の吸収型偏光板で吸収されるため、表示領域5の映像はその分暗くなるが、映像表示ユニット200内に入射する太陽光等の外光も透過部材71の吸収型偏光板で吸収されるため、画像形成ユニットの表示面に到達する外光が少なくなる。
上記透過部材71の第1~第3構成例に関する共通の変形例としては、以下が挙げられる。第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1と、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2とにおいて、振動方向の特性、すなわちS偏光とP偏光の特性を逆にした構成としてもよい。この場合、第1表示領域51の虚像V1は、P偏光の第1映像光A1によって形成され、第2表示領域52の虚像V2は、S偏光の第2映像光A2によって形成される。
また、上記透過部材71の第1~第3構成例に関する共通の変形例としては、透過部材71に、IR(赤外線)吸収特性を持たせてもよい。例えば、透過部材71において、1つの層としてIR吸収シート層が設けられる。この場合は、太陽光対策としては、より望ましい。
[外光入射防止機能]
図6は、実施の形態1のHUD装置1における映像表示ユニット200の外光入射防止機能および保護モードに関する模式説明図を、図3と同様にY-Z面で示す。実施の形態のHUD装置1は、図3の画像形成ユニットやミラーの構成に基づいて、さらに、画像形成ユニットの表示面(特に後述の液晶表示パネルの表示面)に対する太陽光などの外光の入射を防止・回避する機能(外光入射防止機能などと記載する場合がある)を有する。言い換えると、この機能は、制御上のモード(保護モードなどと記載する場合がある)に応じて、ミラーM1を回転させることで、外光が画像形成ユニットPGU1,PGU2の表示面に入射しないように、外光の方向を外す機能である。この機能により、液晶表示パネルのパネル焼けが防止できる。
図6で、凹面ミラーM1には、回転軸およびモータ等の駆動機構61が設けられている。駆動機構61の回転軸は、車両左右方向に対応するX軸方向に延在する軸であり、回転軸に接続されたモータ等の駆動によって、ミラーM1が、この回転軸の周りに回転可能である。この駆動機構61により、凹面ミラーM1を回転させることで、凹面ミラーM1の向きが変更可能である。実施の形態1では、上記ミラーM1の回転可能な機構は、表示領域5の形成位置を上下方向5a(図4等)で調整する機構と共用できる。
まず、HUD装置1は、通常表示モードでは、凹面ミラーM1の状態を、破線で示す状態Aとし、この状態Aでは、それぞれの表示領域51,52のための映像光A1,A2の光軸は、一点鎖線矢印で示す通りである。
通常表示モードの表示領域5での虚像9の表示のための映像光A1,A2の光軸の方向に対し、逆方向である外光入射光路を考える。図示の破線矢印で示す太陽光a100である外光a100は、この外光入射光路での光軸を示す。この外光入射光路での太陽光a100は、ミラーM1で反射されて、破線矢印のように進み、第1画像形成ユニットPGU1および第2画像形成ユニットPGU2のそれぞれの表示面に入射する。これにより、パネル焼けに影響するため、対策が必要である。
実施の形態1のHUD装置1は、図示のような外光a100による画像形成ユニットPGU1,PGU2への入射を防止するための機能として、通常表示モードから保護モードへ切り替える機能を備える。実施の形態1のHUD装置1は、保護モードでは、駆動機構61に基づいて、ミラーM1を回転させて、実線で示す状態Bにする。これにより、保護モードの時には、透過部材71を介して筐体60内に入射する太陽光a100は、状態BのミラーM1によって反射された後、第1画像形成ユニットPGU1の表示面および第2画像形成ユニットPGU2の表示面には入射しないように、方向が外される。太陽光a100に関して、方向が外された光路、光軸を、実線矢印で外光a101,a102として示す。外光a101は、ミラーM1からの反射外光のうち、ミラーM2で反射されて、第1画像形成ユニットPGU1の表示面には当たらずに下側に外される光路を示している。外光a102は、ミラーM1からの反射外光のうち、ミラーM2を透過して、第2画像形成ユニットPGU2の表示面には当たらずに下側に外される光路を示している。
これにより、保護モードでは、第1画像形成ユニットPGU1および第2画像形成ユニットPGU2の表示面には外光が入射せず、劣化しないように保護される。実施の形態1のHUD装置1は、保護モードにおいて、外光a100が第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との両方に対し外されるように設計されている。
上記ミラーM1の回転に応じて外光の入射の方向を外す構成は、上記構成例に限らずに可能である。図22には変形例を示す。この変形例では、太陽光a100の入射に関して、ミラーM1による反射外光は、光路、光軸を実線矢印で外光2201として示すように、ミラーM2に当たらないように方向が外されている。外光2201は、ミラーM2と第1画像形成ユニットPGU1およびレンズL1との間を進み、ミラーM2等に当たらない。これにより、太陽光a100は、第1画像形成ユニットPGU1および第2画像形成ユニットPGU2の表示面に当たらない。
また、上記保護モードに関する変形例としては、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との一方に太陽光a100が入射しないようにミラーM1によって方向を外す構成としてもよい。すなわち、第1画像形成ユニットPGU1に対しては外光の光軸が入射するが第2画像形成ユニットPGU2に対しては外光の光軸が入射しないように方向を外す構成としてもよい。逆に、第2画像形成ユニットPGU2に対しては外光の光軸が入射するが第1画像形成ユニットPGU1に対しては外光の光軸が入射しないように方向を外す構成としてもよい。そして、それらの構成で、外光の光軸が入射してしまう方の画像形成ユニットについては、別の手段で対策する構成としてもよい。
また、実施の形態1では、上記ミラーM1の回転の方向として図示のようにY軸方向で後側から前側へ傾ける方向とし、これにより、入射外光の光軸の方向を、例えば外光a102のように第2画像形成ユニットPGU2に対し下側に外す構成とした。変形例では、ミラーM1の回転の方向を前側から後側へ傾ける方向とし、入射外光の光軸の方向を、例えば第2画像形成ユニットPGU2に対し上側に外す構成としてもよい。ただし、その場合、ミラーM1の反射面がより上側に向くので、車両2内に対し迷光を発生させる可能性があり、好ましくない。そのため、実施の形態1では、上記のように、ミラーM1の回転の方向を前側へ傾ける方向とする構成とした。
HUD装置1は、上記のように、通常表示モードではミラーM1を第1状態(状態A)にし、保護モードでは第2状態(状態B)にするように駆動制御する。保護モードへの切り替え等の制御については、例えば以下の2通りが挙げられる。第1の場合として、HUD装置1は、非使用時または虚像9の非表示時には、保護モードにし、虚像9の表示時には通常表示モードにする。第2の場合として、HUD装置1は、通常表示モードでも、後述のように、センサに基づいて外光入射を検出し、温度の観点から、外光入射を回避すべきと判断した場合に、自動的に、保護モードへ切り替える。これは、虚像9の表示よりも外光入射回避、パネル焼け防止を優先して行われる制御である。
[実装例]
図7は、映像表示ユニット200における、筐体60、ミラーM1、ミラーM2、透過部材71などの実装例を示す。なお、図7では、画像形成ユニットについては、一方の第1画像形成ユニットPGU1のみを図示しており、第2画像形成ユニットPGU2を省略している。
また、図7の実装例では、透過部材71の付近に日射センサ66を備えている。日射センサ66は、例えば範囲66aのような検出範囲で太陽光a100などの外光の入射を検出する。
[温度検出部と太陽光対策について]
図8は、図6の外光入射防止機能および保護モードに係わる、日射センサ66等を利用した温度制御に関する模式説明図である。後述するが(図10)、HUD装置1の制御部101は、図7の日射センサ66の検出情報を利用して、温度検出や保護処理などを行う部分である保護処理部1060も備えている。図8では、保護処理部1060による処理内容の一例を示している。図8では、図3や図6等のうち、主に第1画像形成ユニットPGU1の部分と、第2画像形成ユニットPGU2の部分とを抽出して図示しており、透過部材71や日射センサ66やミラーM1等については簡易的に図示している。
図8で、第1画像形成ユニットPGU1は、第1光源装置11Aと第1表示デバイスである第1LCD12Aとを有して構成されている。第2画像形成ユニットPGU2は、第2光源装置11Bと第2表示デバイスである第2LCD12Bとを有して構成されている(LCD:液晶表示パネル)。太陽光a100である外光a100の光軸は、ミラーM1で反射された後、外光a800となり、外光a800のうち、外光a801は、ミラーM2で反射された外光、外光a802は、ミラーM2を透過した外光を示す。
まず、第1画像形成ユニットPGU1に備える第1LCD12Aの温度(TP1とする)は、第1画像形成ユニットPGU1の周囲温度Taと、太陽光a100の入射外光a801に伴う温度上昇量ΔT(I)と、光源装置11Aからの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)とによって、推定することができる。同様に、第2画像形成ユニットPGU2に備える第2LCD12Bの温度(TP2とする)は、第2画像形成ユニットPGU2の周囲温度Taと、入射外光a802に伴う温度上昇量ΔT(I)と、光源装置11Bからの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)とによって、推定することができる。
簡易的には、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2とにおいて、周囲温度Ta、温度上昇量ΔT(I)、温度上昇量ΔT(L)等が同程度であると仮定でき、同様の仕組みでそれぞれの画像形成ユニットのLCDの温度を推定可能である。詳細には、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2とにおいて、個別に、周囲温度Ta、温度上昇量ΔT(I)、温度上昇量ΔT(L)等が異なるとし、それぞれの画像形成ユニットのLCDの温度を推定してもよい。
HUD装置1の図10の保護処理部1060は、以下のような処理を行う。まず、第1画像形成ユニットPGU1の周囲温度Taは、HUD装置1に設置された温度センサ、または、車両2内に設置された温度センサ912(図9)によって検出できる。保護処理部1060は、温度センサの検出情報に基づいて、第1画像形成ユニットPGU1の周囲温度Taや第2画像形成ユニットPGU2の周囲温度Taを把握する。
次に、太陽光a100に伴う温度上昇量ΔT(I)は、日射センサ66によって検知された太陽光強度に基づいて算出できる。保護処理部1060は、日射センサ66の検出情報に基づいて、第1画像形成ユニットPGU1の外光a801に伴う温度上昇量ΔT(I)や、第2画像形成ユニットPGU2の外光a802に伴う温度上昇量ΔT(I)を算出する。
次に、光源装置11A,11Bからの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)は、光源装置11A,11Bに設定されるバックライトの輝度ないし光量、例えば光源駆動部(1022,1024)によるパルス幅変調(PWM)制御のデューティ比などに基づいて算出できる。保護処理部1060は、第1画像形成ユニットPGU1の光源装置11Aからの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)や、第2画像形成ユニットPGU2の光源装置11Bからの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)を算出する。
実施の形態1では、上記LCD側の温度上昇量ΔT(I)を求める計算式は、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との違いに応じて、個別に設定される。同様に、上記光源装置側の温度上昇量ΔT(L)を求める計算式は、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との違いに応じて個別に設定される。それぞれの計算式を、計算式F1~F4で示している。
なお、変形例として、簡易的な構成としては、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2とにおいて、温度上昇量ΔT(I)を求める計算式を、同じ計算式としてもよいし、温度上昇量ΔT(L)を求める計算式を、同じ計算式としてもよい。
保護処理部1060は、上記のように、画像形成ユニットの周囲温度Taと、太陽光による温度上昇量ΔT(I)と、光源装置からの温度上昇量ΔT(L)とを用いた演算によって、LCDの温度TP1,TP2を間接的に検出する。温度TP1,TP2は、特に、LCDの表示面の温度に相当する。
ここで、光源装置からの熱放射に伴う温度上昇量ΔT(L)は、バックライトの輝度ないし光量によって制御可能なパラメータである。すなわち、光源装置のバックライトの輝度ないし光量と、LCDの温度とは、所定の関係を有しており、光源装置のバックライトの輝度ないし光量を調整することで、LCDの温度を調整可能であると言える。
このため、HUD装置1の制御部101は、保護処理部1060によって検出されたLCDの温度に応じて、光源装置のバックライトの輝度ないし光量を調整するように制御を行う。例えば、制御部101は、検出されたLCDの温度と、設定された所定の閾値とを比較し、閾値を超えるような場合には、光源装置のバックライトの輝度ないし光量を調整する。例えば、制御部101は、検出された第1画像形成ユニットPGU1の第1LCD12Aの温度TP1が、設定された閾値Th1を超える場合には、光源装置11Aのバックライトの輝度ないし光量を下げる、すなわちPWM制御のデューティ比を下げるように駆動制御する。これにより、第1画像形成ユニットGPU1での第1LCD12Aの温度上昇を抑制できる。同様に、制御部101は、検出された第2画像形成ユニットPGU2の第2LCD12Aの温度TP2が、設定された閾値Th2を超える場合には、光源装置11Bのバックライトの輝度ないし光量を下げる、すなわちPWM制御のデューティ比を下げるように駆動制御する。これにより、第2画像形成ユニットPGU2での第2LCD12Bの温度上昇を抑制できる。
[車両情報およびセンサ]
図9は、HUD装置1の車両情報取得部1015(図10)、または車両2の制御ユニット100が、図1の車両情報4を取得するための、センサ等の構成例を示す。図9では、車両情報取得部1015または制御ユニット100に対し接続されている、各種のセンサ、言い換えると情報取得デバイス、計測デバイス、通信デバイス等の例を示している。例えば制御ユニット100は、車両2の各部に設置されたセンサ等から、車両情報4を取得する。各種のセンサは、車両2の内部や外部における走行状況などの状況に係わるパラメータ値を例えば定期的に検出する。また、制御ユニット100は、センサの検出情報に基づいて、車両2に係わる各種のイベントを判断・検出する。
車両情報4は、車両2の走行などの状況に係わる情報の総称である。車両情報4は、ADAS情報等を含む。車両情報4は、例えば、車両2の速度情報やギア情報、ハンドル操舵角情報、ランプ点灯情報、外光情報、距離情報、赤外線情報、エンジンON/OFF情報、カメラ映像情報、加速度ジャイロ情報、GPS(Global Positioning System)情報、ナビゲーション情報、車車間通信情報、および路車間通信情報などが含まれる。カメラ映像情報は、車内カメラ映像情報や車外カメラ映像情報がある。GPS情報には、現在時刻情報、緯度および経度情報が含まれる。
図4で、各種センサとして、車速センサ901、シフトポジションセンサ902、ハンドル操舵角センサ903、ヘッドライトセンサ904、照度センサ905、色度センサ906、測距センサ907、赤外線センサ908、エンジン始動センサ909、加速度センサ910、ジャイロセンサ911、温度センサ912、路車間通信用無線送受信機913、車車間通信用無線送受信機914、車内カメラ915、車外カメラ916、GPS受信機917、VICS(Vehicle Information and Communication System、登録商標)受信機918などがある。各種センサは、これらに限らず、追加、削除、置換などが可能である。
車速センサ901は、車両2の速度(車速とも記載)を検出し、検出結果となる速度情報を生成する。シフトポジションセンサ902は、現在のギアを検出し、検出結果となるギア情報を生成する。ハンドル操舵角センサ903は、現在のハンドル操舵角を検出し、検出結果となるハンドル操舵角情報を生成する。ヘッドライトセンサ904は、ヘッドライトのON/OFF等を検出し、検出結果となるランプ点灯情報を生成する。照度センサ905および色度センサ906は、外光を検出し、検出結果となる外光情報を生成する。
測距センサ907は、車両2と外部の物体との間の距離を検出し、検出結果となる距離情報を生成する。赤外線センサ908は、車両2の近距離における物体の有無や距離などを検出し、検出結果となる赤外線情報を生成する。エンジン始動センサ909は、エンジンのON/OFFを検出し、検出結果となるON/OFF情報を生成する。加速度センサ910およびジャイロセンサ911は、車両2の加速度および角速度を検出し、検出結果として、車両2の姿勢や挙動を表す加速度ジャイロ情報を生成する。温度センサ912は、車両2の内外の温度を検出し、検出結果となる温度情報を生成する。
車内カメラ915は、車両2内を撮影することで、車内カメラ映像情報を生成する。車外カメラ916は、車両2外を撮影することで、車外カメラ映像情報を生成する。具体例では、図2のカメラ90は、車内カメラ915および車外カメラ916に相当する。車内カメラ915は、例えば運転者の姿勢、眼の位置、動きなどを撮影し、DMS(Driver Monitoring System)を構成する。車内カメラ映像情報を解析することで、運転者の疲労状況や視線などが把握可能である。また、車外カメラ916は、例えば車両2の前方などの周囲の状況を撮影する。車外カメラ映像情報を解析することで、車両2の周辺に存在する他車両や人などの有無、建物や地形、雨や積雪、凍結、凹凸などといった路面状況、および道路標識などを把握可能である。また、車外カメラ916は、走行中の状況を映像で記録するドライブレコーダなども含まれる。
路車間通信用無線送受信機913は、車両2と、道路、標識、信号機等との間の路車間通信によって、路車間通信情報を生成する。車車間通信用無線送受信機914は、車両2と周辺の他車両との間の車車間通信によって、車車間通信情報を生成する。GPS受信機917は、GPS衛星からのGPS信号を受信することでGPS情報を生成する。例えばGPS情報として現在時刻、緯度および経度を取得可能である。VICS受信機918は、VICS信号を受信することで得られるVICS情報を生成する。GPS受信機917やVICS受信機918は、ナビゲーションシステムの一部として設けられてもよい。
[機能ブロック-第1構成例]
図10は、HUD装置1の機能ブロックの第1構成例を示す。図10の第1構成例では、2つの映像表示装置10である第1画像形成ユニットPGU1および第2画像形成ユニットPGU2の構成に対応して、表示用ドライバおよび光源駆動部が、2セット設けられている。HUD装置1は、その2セットの部分として、第1表示用ドライバ1021、第1光源駆動部1022、第2表示用ドライバ1023、および第2光源駆動部1024を有する。また、第1構成例では、それらの2セットの表示用ドライバおよび光源駆動部に対し接続される映像処理部は、独立した1つの映像処理部1013として設けられている。HUD装置1は、制御部101において、映像処理部1013を有する。
図10で、HUD装置1は、制御部101、映像表示ユニット200、ミラー駆動部1020、上記2セットの表示用ドライバおよび光源駆動部、音声用ドライバ1025、音声出力装置1041、音声入力装置1042等を備える。制御部101は、MCU(マイクロ・コントロール・ユニット)1010、不揮発性メモリ1011、揮発性メモリ1012、映像処理部1013、音声処理部1014、車両情報取得部1015、通信部1016、操作入力部1017、保護処理部1060等を有する。これらの各部は、バスなどを介して相互に接続され、相互に入出力や通信が可能である。
制御部101は、言い換えると、コントローラ、制御装置である。制御部101は、プロセッサによる処理に基づいて、制御機能などを実現する。制御機能は、HUD装置1の全体および各部を制御する機能であり、表示領域5に虚像9を表示する機能を含む。制御部101は、ソフトウェアプログラム処理または専用回路によって機能を実現する。
HUD装置1の記憶部は、不揮発性メモリ1011および揮発性メモリ1012を有して構成される。記憶部には、コンピュータプログラムを含め、制御部101等が扱う各種のデータ・情報が格納される。
通信部103は、通信インタフェースが実装された装置である。通信部103は、通信インタフェースとして、車両2のCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等のインタフェースを介して、制御ユニット100(例えば電子制御ユニット:ECU)と接続され、通信可能である。
ミラー駆動部1020は、制御部101からの制御に基づいて、凹面ミラーM1の駆動機構61を駆動する装置である。
第1表示用ドライバ1021は、制御部101からの制御に基づいて、第1画像形成ユニットPGU1の第1LCD12Aを駆動する駆動回路等を含む装置である。第2表示用ドライバ1023は、制御部101からの制御に基づいて、第2画像形成ユニットPGU2の第2LCD12Bを駆動する駆動回路等を含む装置である。
第1光源駆動部1022は、制御部101からの制御に基づいて、第1画像形成ユニットPGU1の第1光源装置11Aを駆動する駆動回路等を含む装置である。第2光源駆動部1024は、制御部101からの制御に基づいて、第2画像形成ユニットPGU2の第2光源装置11Bを駆動する駆動回路等を含む装置である。
音声入力装置1042は、マイクおよび回路等で構成される。音声出力装置1041は、スピーカおよび回路等で構成される。なお、HUD装置1に音声入力装置1042や音声出力装置1041を備える場合を示しているが、これに限らず、HUD装置1は、外部で車両2内(例えば制御ユニット100)に接続される音声入力装置1042や音声出力装置1041を利用してもよい。
図10での制御部101は、車両情報取得部1015を通じて、車両情報4(図1)やADAS情報やイベント情報などの入力情報を取得する。または、制御部101は、通信部103を通じて、制御ユニット100から、CAN信号として、車両情報4(図1)やADAS情報やイベント情報などの入力情報を取得する。車両情報取得部1015は、通信部103と一体で実装されてもよい。入力情報は、図9のような各種センサの検出信号、あるいはそれを制御ユニット100が処理した結果の情報などを含む。入力情報は、例えばカメラ90の画像などに基づいて検出された、実景内の対象物の情報や、その対象物に対して重畳するためのアラート情報やナビゲーション情報も含む。制御部101は、制御機能により、そのような入力情報に基づいて、必要に応じて、表示領域5に虚像9として表示させるための映像データ・映像情報を生成する。制御部101は、その映像データ・映像情報に基づいて、表示用ドライバ等を制御するための映像信号等を生成する。
また、制御部101は、操作入力部1017を通じて、ユーザによる操作入力情報を取得してもよい。操作入力部1017は、リモコン等が挙げられる。また、制御部101は、HUD装置1による音声出力を行う場合には、音声出力情報を生成し、音声用ドライバ1025を制御する。また、制御部101は、運転者などのユーザの音声を入力する場合には、音声入力装置1042の入力音声に基づいて音声認識を行い、所定の指示などを受け付ける。
図10の構成例に限定されず、HUD装置1には、例えば日射センサ66(図7)を含め、各種のセンサ等を備えてもよい。制御部101は、そのセンサの検出情報を利用して、HUD装置1の状態やHUD装置1の近傍の状態を判断・検出して、所定の制御を行ってもよい。
[機能ブロック-第2構成例]
図11は、HUD装置1の機能ブロックの第2構成例を示す。図11の第2構成例では、図10の第1構成例に対し異なる点としては、第1画像形成ユニットPGU1と第2画像形成ユニットPGU2との表示制御が独立しており、2セットの表示用ドライバおよび光源駆動部に対し接続される映像処理部は、並列である2つの映像処理部として設けられている。制御部101は、その2つの映像処理部として、第1映像処理部1101と第2映像処理部1102を有する。第1映像処理部1101は、第1画像形成ユニットPGU1のみに関する映像表示制御処理などを行う。第2映像処理部1102は、第2画像形成ユニットPGU2のみに関する映像表示制御処理などを行う。図11では図10と同様の構成要素については図示を省略している。
[映像表示制御例]
図10等の制御部101による映像表示制御例としては以下が挙げられる。制御部101は、入力情報である車両情報4や入力映像データなどに基づいて、表示領域5に虚像9を表示するための映像データを生成する。例えば、HUD装置1は、第1表示領域51には、第1虚像V1として、ARによるナビゲーション画像やアラート画像を表示し、それとともに、第2表示領域52には、第2虚像V2として、非ARである距離情報や車速情報などを表示する、と決定する。そのために、制御部101は、第1画像形成ユニットPGU1を出力先とする第1映像データや、第2画像形成ユニットPGU2を出力先とする第2映像データを生成する。
制御部101は、表示元の映像データに基づいて、ウィンドシールド3の曲率の違いを考慮した歪み補正や、光源のオン/オフや光量などの調整なども行う。制御部101は、映像データに基づいて、第1表示用ドライバ1021および第2表示用ドライバ1023を駆動制御するとともに、第1光源駆動部1022および第2光源駆動部1024を駆動制御する。例えば、第1表示用ドライバ1021は、制御部101からの信号に基づいて、第1LCD12Aを駆動する。第1光源駆動部1022は、制御部101からの信号に基づいて、第1光源装置11Aを駆動する。これにより、第1LCD12Aの表示面において映像が形成される。第1画像形成ユニットPGU1は、第1光源装置11Aからの光源光、および第1LCD12Aに形成された映像に基づいて、第1映像光A1を出射する。第2画像形成ユニットPGU2についても同様である。
また、図10での制御部101の保護処理部106は、前述のように、日射センサ66の検出情報に基づいて、通常表示モードと保護モードとの切り替えの制御に対応する処理を行う。
[画像形成ユニットの構成例]
映像表示装置10である画像形成ユニットの実装構成例としては以下が挙げられる。図12は、第1画像形成ユニットPGU1である第1映像表示装置10Aの実装構成例を示す。図12の第1画像形成ユニットPGU1は、光源装置11(前述の光源装置11A)とLCD12(前述のLCD12A)とを備える。光源装置11は、LED基板201、LED素子202、リフレクタ203、ヒートシンク204、偏光変換素子205、導光体206、拡散板206等を有して構成されている。光源装置11は、これらの構成要素がケースに固定されて、光源モジュールとして構成されている。
LED基板201には、複数のLED素子202が配列されている。図12では1つのLED素子202およびリフレクタ203のみを図示している。LED素子202は、半導体光源素子の例である。リフレクタ203は、LED素子202から発する拡散光を、方向を変えるように反射して、略平行光に変換するコリメータである。ヒートシンク204は、LED基板201を放熱・冷却する。
偏光変換素子205は、リフレクタ203からの略平行光を入射し、偏光特性を揃えるように偏光変換を行って、偏光変換後の略平行光を導光体206へ出射する。偏光変換素子205は、例えば、偏光変換プリズムと波長板とを組み合わせて構成されている。実施の形態1では、第1画像形成ユニットPGU1における偏光変換素子205での偏光変換は、LCD12が有する入射側偏光板の吸収軸と直交する偏光に揃えるための偏光変換である。
導光体206は、偏光変換素子205からの第1方向の略平行光を、反射部に入射して、第2方向に反射する。第2方向は、LCD12への方向である。導光体206の反射部は、一部拡大図に示すように、複数の反射面206aと複数の連接面206bとを有しており、各々の反射面206aと連接面206bとが交互に配置されている。導光体206の反射部は、所定の配光制御も実現する。複数の反射面206aの各々の反射面206aは、所定の配光制御に対応した反射方向を実現するように、それぞれの傾きを有する。
導光体206の反射部により反射された第2方向の光は、拡散板206に入射し、拡散板206によって拡散される。拡散板206の上側には、LCD12のパネルが配置されている。LCD12のパネルには、フレキシブルケーブルを通じて駆動回路基板などが接続されている。LCD12のパネルは、拡散板206からの光を背面側から入射し、その光をバックライトとして、前面側の表示面sf1から映像光A1を出射する。この映像光A1は、特定の方向への指向性を有する光束である。
第2画像形成ユニットPGU2である第2映像表示装置10Bは、上記第2画像形成ユニットPGU1と同様の構成としてもよいし、別の構成としてもよい。
[実施の形態1の効果等]
以上のように、実施の形態1のHUD装置1によれば、虚像9が表示できる2つの表示領域5(51,52)、特にレイヤ型の表示エリアを、好適に形成できる。これにより、HUD装置1は、2つの表示領域5(51,52)を利用して、運転者U1に対し、運転支援などのための様々な虚像9を提供でき、安全運転に寄与できる。
<変形例1A>
図13は、実施の形態1の変形例として、変形例1AのHUD装置1における、映像表示ユニット200の構成を、図3と同様にY-Z面で示す。変形例1Aは、実施の形態1に対し異なる構成点として、ミラーM2は、ハーフミラー1301で構成されている。ハーフミラー1301は、実施の形態1と同様に、第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1を反射させ、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2を透過させる。また、変形例1Aでは、第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1と、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2とは、両方とも同じ偏光特性として第1偏光とし、図13の例では両方ともS偏光とする。すなわち、変形例1Aでは、ミラーM2としてハーフミラー1301は、S偏光を有する第1映像光A1を反射し、S偏光を有する第2映像光A2を透過する。他の変形例としては両方ともP偏光としてもよい。
凹面ミラーM1は、それらの第1偏光の映像光A1および映像光A2を、ウィンドシールド3へ向けて反射する。第1偏光(S波)の映像光A1に基づいて、第1表示領域51の虚像V1が形成され、第1偏光(S波)の映像光A2に基づいて、第2表示領域52の虚像V2が形成される。これにより、変形例1Aでは、虚像V1と虚像V2とに輝度差が生じにくい利点がある。
また、変形例1Aでは、開口部の透過部材71の構成としては、透明プラスチック板とする。変形例1Aでは、太陽光に関する対策の構成として、以下のように、偏光カットと赤外線(IR)カットとを組み合わせた構成とする。
まず、偏光カットのための構成は以下の通りである。透過部材71には、吸収型偏光板が設けられる。吸収型偏光板は、吸収軸が第1偏光と直交するものとする。もしくは、透過部材71から画像形成ユニットPGU1,PGU2までの光路上において、偏光カットのための偏光素子1302が設けられる。この偏光素子1302は、吸収型偏光素子と反射型偏光素子とのどちらでもよい。この偏光素子1302は、吸収軸または反射軸が、第1偏光と直交するものとする。
偏光素子1302の配置箇所としては、第1例として、図13のように、ミラーM1とハーフミラー1301であるミラーM2との間の光路上の位置に、1つの偏光素子1302が配置される。この偏光素子1302は、画像形成ユニットPGU1およびPGU2の両方に入射する太陽光を低減する。
偏光素子1302の配置箇所としては、第2例として、図14のように、ハーフミラー1301であるミラーM2とそれぞれの画像形成ユニットPGU1,PGU2との間の光路上の位置に、2つの偏光素子1302(1302A,1302B)が配置されてもよい。図14では、第1偏光素子1302Aは、第1画像形成ユニットPGU1へ入射する太陽光を低減し、第2偏光素子1302Bは、第2画像形成ユニットPGU2へ入射する太陽光を低減する。
次に、赤外線(IR)カットの構成は以下の通りである。変形例1Aでは、実施の形態1と同様に、透過部材71にIR吸収特性を持たせる。例えば透過部材71にIR吸収シートを備える。あるいは、上記図13,図14のように、光路上に設置された偏光素子1302において、IR反射特性を持たせてもよい。例えば、図13では偏光素子1302にホットミラーが設けられる。あるいは、図14では偏光素子1302Aおよび偏光素子1302Bにそれぞれホットミラーが設けられる。ホットミラーは、赤外線を反射させ、可視光を透過させるミラーである。
<変形例1B>
図15は、実施の形態1の他の変形例として、変形例1BのHUD装置1における、映像表示ユニット200の構成を、図3と同様にY-Z面で示す。変形例1Bは、実施の形態1に対し異なる構成点として、凹面ミラーであるミラーM1において、2つの反射面R1,R2を備える構成とする。第1反射面R1は、第1映像光A1を反射させる反射面であり、第2反射面R2は、第2映像光A2を反射させる反射面である。ミラーM1において、Y軸方向で前後に2つの反射面として第1反射面R1および第2反射面R2が構成されている。
変形例1Bでは、ミラーM2は、実施の形態1と同様に、反射型偏光素子1501で構成されている。また、変形例1Bでは、実施の形態1と同様に、第1画像形成ユニットPGU1からの第1映像光A1を第1偏光として例えばS偏光とし、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2を第1偏光に対し直交する第2偏光として例えばP偏光とする。他の変形例では、逆に、第1映像光A1をP偏光、第2映像光A2をS偏光としてもよい。
凹面ミラーM1において、2つの反射面R1,R2の光学的な設計によって、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からの2つの映像光A1,A2を、1つの共通のミラーM1を介して、2つの表示領域51,52の2つの虚像V1,V2を形成するための光学系の調整がされる。これにより、この変形例1Bでは、第1画像形成ユニットPGU1のレンズL1および第2画像形成ユニットPGU2のレンズL2での調整が必ずしも必要ではなくなり、レンズL1,L2の具備を省略できる可能性も生じる。
前述の実施の形態1(図3)では、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からの2つの映像光A1,A2を、1つの共通の凹面ミラーM1を介して、2つの表示領域51,52の2つの虚像V1,V2を形成する構成である。この構成のための光学系の調整は、主に、第1画像形成ユニットPGU1のレンズL1、ならびに第2画像形成ユニットPGU2のレンズL2により為されている。
一方、変形例1Bでは、実施の形態1と同様に、2つの画像形成ユニットPGU1,PGU2からの2つの映像光A1,A2を、1つの共通の凹面ミラーM1を介して、2つの表示領域51,52の2つの虚像V1,V2を形成する構成である。そして、変形例1Bでは、この構成のための光学系の調整は、主に、ミラーM1における2つの反射面R1,R2の光学的な設計によって為されている。
変形例1Bでは、図示のように視点6から見て第1虚像V1を第2虚像V2よりも遠方、車両前側に形成する設計である。この設計に対応させて、ミラーM1は、第1反射面R1がY軸方向で後側(車両前側)に構成され、第2反射面R2が前側(車両後側)に構成されている。
変形例1Bでは、ミラーM1における第1反射面R1と第2反射面R2とは、異なる形状および光学特性を有する。第1反射面R1は、第2反射面R2を透過した第1映像光A1(S偏光)を反射させる形状および光学特性を有する。第2反射面R2は、第1映像光A1(S偏光)を透過させ、第2映像光A2(P偏光)を反射させる形状および光学特性を有する。
実装例としては、第1反射面R1は、通常のミラーで構成されるか、または、所定の光学特性の偏光素子で構成される。所定の光学特性の偏光素子は、第2反射面R2を透過する偏光を反射し、第2反射面R2で反射される偏光を透過する光学特性を有する。
また、変形例1Bにおける透過部材71等の構成としては、前述の実施の形態1(図3)での透過部材71等の各種の構成を、同様に適用可能である。
また、変形例1Bにおける、太陽光に関する対策の構成としては、前述の実施の形態1(図6)での太陽光に関する対策の各種の構成を、同様に適用可能である。
図16は、図15に対する他の変形例を示し、ミラーM1において、第1反射面R1と第2反射面R2との光学特性が逆となっている。図16では、ミラーM1は、第1反射面R1bと第2反射面R2bを有する。第1反射面R1bは、第2反射面R2bを透過した第2映像光A2(P偏光)を反射させる形状および光学特性を有する。第2反射面R2bは、第2映像光A2(P偏光)を透過させ、第1映像光A1(S偏光)を反射させる形状および光学特性を有する。この変形例の場合、2つの映像光A1,A2の光路の光学距離に応じて、Y軸方向で、第1表示領域51の第1虚像V1の形成の位置はより近方になり、第2表示領域52の第2虚像V1の形成の位置はより遠方になる。
上記変形例1Bの凹面ミラーM1は、1枚の凹面ミラーにおいて前後に2つの反射面R1,R2が形成されており、反射面R1と反射面R2との間は透過部材である。上記変形例1Bの凹面ミラーM1に関する他の変形例としては、2つの反射面R1,R2を、2枚の凹面ミラーの重ね合わせによって構成してもよい。この構成では、それぞれの反射面R1,R2の反射エリアの位置、サイズ、傾き等に応じた構成を有するそれぞれの凹面ミラーが、Y軸方向で前後に所定の間隔で空間を介して配置される。
<変形例1C>
図17~図19は、実施の形態1に対する変形例1Cの構成を示す。変形例1Cは、実施の形態1(図3等)、変形例1A(図13等)、変形例1B(図15等)等のいずれの構成に対しても組み合わせて適用可能な変形例である。図17等の変形例1Cは、実施の形態1に対し、追加される特有の構成部分を適用した場合を示す。変形例1Cは、太陽光対策のための特有の構成として、第2画像形成ユニットPGU2への外光の入射をより低減させるために、ミラーM2と第2画像形成ユニットPGU2との間に、遮光部1700が設けられている。
図17は、映像表示ユニット200内のミラーM1、ミラーM2、第1画像形成ユニットPGU1、第2画像形成ユニットPGU2、および遮光部1700を、斜視で示す模式説明図である。図17ではレンズL1,L2等の図示を省略している。図18は、図17に対応する構成を図3と同様にY-Z面で示す。ミラーM2は、第2画像形成ユニットPGU2に向いた側の面sf4に、遮光部1700として遮光部材1700が設けられている。図19は、ミラーM2における遮光部1700の構成例を拡大で断面図として示す。
図17で、HUD装置1の通常表示モードにおいては、前述の図6と同様に、外光である太陽光a100は、映像光A1,A2の光路の光軸に対し逆方向の光路の光軸で、ミラーM1の反射面sf5に対し入射するとする。この太陽光a100は、破線矢印で示すように、ミラーM1のうちの反射面sf5に対応する有効領域、図17では有効エリア1711および有効エリア1712で反射されて、外光a800としてミラーM2に向かう。有効エリア1711は、例えば図4のような領域401に対応した、第1映像光A1が反射されるエリアであり、有効エリア1712は、領域402に対応した、第2映像光A2が反射されるエリアである。図17の例では、有効エリア1712は、有効エリア1711の一部と重複している。同様に、ミラーM2において、有効エリアとして、有効エリア1721は、第1映像光A1が反射されるエリアであり、有効エリア1722は、第2映像光A2が透過されるエリアである。
実施の形態1等の光学系の構成例では、図示のように、ミラーM1およびミラーM2において、第1映像光A1が入射する範囲である有効エリア1711および有効エリア1721と、第2映像光A2が入射する範囲である有効エリア1712および有効エリア1722とは、一致していない。
ここで、変形例1Cでは、ミラーM2と第2画像形成ユニットPGU2との間に、遮光部1700が設けられている。例えば、ミラーM2の裏面である面sf4に、遮光部材1700が、貼り付け等によって配置されている。この遮光部材1700は、第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2を透過する有効エリア1722に対応した開口、言い換えると非遮光部を有する。遮光部材1700は、図示の網掛けで示す領域に設けられている。この遮光部材1700の領域では、ミラーM1からの外光a800に基づいてミラーM1を透過した外光a802を、遮光する。第2画像形成ユニットPGU2からの第2映像光A2は、遮光部1700の開口に対応する有効エリア1722を通じて、ミラーM2を透過し、ミラーM1の有効エリア1712に入射する。
遮光部1700が無い構成の場合、ミラーM1からの外光a800の一部は、ミラーM2を透過して、図8と同様に、外光a802として、第2画像形成ユニットPGU2のLCD12Bの表示面に入射することになる。これにより、LCD12Bのパネル焼けに影響する。これに対し、変形例1Cでは、図示のように、ミラーM2の後ろに遮光部1700が設けられている構成により、外光a800のうちミラーM1を透過した外光は、遮光部材1700がある領域で遮られるので、その領域では、第2画像形成ユニットPGU2のLCD12Bの表示面に外光が入射することが防止または低減される。
図18では、ミラーM1からの外光a800のうちの一部は、ミラーM2を透過した後に、遮光部材1700がある領域で遮光されるため、第2画像形成ユニットPGU2のLCD12Bの表示面には入射しない。
図19で、ミラーM2は、ガラスによる基材1901に対し、Y軸方向で後側には、反射型偏光フィルム1902が設けられている。または、反射型偏光フィルム1902は、代わりに、誘電体多層膜によるハーフミラーとしてもよい。基材1901に対し、Y軸方向で前側(裏面側)には、遮光部材1700が設けられている。遮光部材1700は、ブラックマトリクスなど、可視光を遮光する光学素子である。遮光部材1700は、有効エリア1722に対応した位置に開口部1700bを有する。
図20は、変形例として、遮光部1700の配置に関する他の構成例を示す。遮光部1700の配置箇所は、ミラーM2と第2画像形成ユニットPGU2との間であればよい。図20の例では、遮光部1700は、ミラーM2と第2画像形成ユニットPGU2のレンズL2との間で、レンズL2に近い方の位置に、独立して配置されている。
図21は、映像光の有効エリアおよび遮光部1700に関する他の構成例を示す。図21の構成例では、光学系の設計として、ミラーM1の反射面sf5において、第1映像光A1を反射する有効エリア1711に対し、第2映像光A2を反射する有効エリア1712が内包されている。有効エリア1711の中央付近に、有効エリア1712が重なっている。対応して、ミラーM2において、第1映像光A1を反射する有効エリア1721に対し、第2映像光A2を透過する有効エリア1722が内包されている。有効エリア1721の中央付近に、有効エリア1722が重なっている。
図21のような光学系の構成の場合でも、ミラーM1からウィンドシールド3に対し反射される映像光A1および映像光A2の方向などの設計に応じて、表示領域5の形成位置などを、図3や、図4または図5と同様の構成とすることができる。
そして、図21の構成例でも、図17と同様に、ミラーM2の裏面側に遮光部1700が設けられている。遮光部1700は、ミラーM2の有効エリア1722に対応させた開口を有する。これにより、図21の構成例でも、図17の変形例1Cと同様の効果が得られる。
[凹面ミラーの有効エリアとHUDの表示領域との関係について]
実施の形態1等において、凹面ミラーM1の反射面sf5における2つの映像光A1,A2の照射される有効エリアと、2つの表示領域5(51,52)の形成位置との関係について、各種の構成が可能であるため、以下に補足説明する。前述の図4、図5には2つの構成例を示したが、これに限定されない。変形例を図23、図24に示す。図23は第3構成例、図24は第4構成例とする。
図23の第3構成例では、凹面ミラーM1において、2つの映像光A1,A2による2つの有効エリアは、領域401,402として、分離して形成されている。それに対し、光学系等の設計の詳細に応じて、2つの表示領域5(51,52)は、視点6から見て、重なるように形成されている。光学系の設計の詳細としては、各画像形成ユニットの配置の位置・向きの設計や、ミラーM1の形状や各映像光の反射の方向などの設計が挙げられる。
図24の第4構成例では、凹面ミラーM1において、2つの映像光A1,A2による2つの有効エリアは、領域401,402として、重なるように形成されている。それに対し、光学系等の設計の詳細に応じて、2つの表示領域5(51,52)は、視点6から見て、分離して形成されている。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。各実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。各実施の形態を組み合わせた形態も可能である。
実施の形態に係る技術を用いると、前述したように、2つの画像形成ユニットからのそれぞれ映像光に対応した、2つの表示領域が好適に形成される。運転者の視点から見てウィンドシールドに対し前方に2つの表示領域に対応した2つの虚像を形成できる技術を提供することにより、安全運転などに寄与する情報表示装置(ヘッドアップディスプレイ装置)を提供できる。これにより、交通事故を防止することが可能となる。さらに、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3.すべての人に健康と福祉を」に貢献することが可能になる。
1…HUD装置、2…車両、3…ウィンドシールド、4…車両情報、5,51,52…表示領域(表示エリア)、6…視点、7…開口部、8…ハンドル、9,V1,V2…虚像、10,10A,10B…映像表示装置、60…筐体、71…透過部材、200…映像表示ユニット、PGU1…第1画像形成ユニット、PGU2…第2画像形成ユニット、L1,L2…レンズ、M1…ミラー、M2…ミラー、A1,A2…映像光。

Claims (16)

  1. 第1映像光を出射する第1画像形成ユニットと、
    第2映像光を出射する第2画像形成ユニットと、
    前記第1映像光を反射し、前記第2映像光を透過する光学素子と、
    前記光学素子からの前記第1映像光および前記第2映像光を反射する映像投射部と、
    を備え、
    前記映像投射部からの前記第1映像光に基づいて、第1虚像が表示可能な第1表示エリアである第1表示領域を形成し、
    前記映像投射部からの前記第2映像光に基づいて、第2虚像が表示可能な第2表示エリアである第2表示領域を形成する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1画像形成ユニットと前記第2画像形成ユニットの少なくとも一部、前記光学素子、及び前記映像投射部を収納する筐体を備え、
    前記筐体の一部に開口部を有し、前記開口部に透過部材が設けられている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 請求項2記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記開口部に設けられた前記透過部材が、位相差板である、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 請求項2記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記開口部に設けられた前記透過部材が、吸収型偏光板である、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1表示領域と前記第2表示領域は、車両の運転者の視点から見て透過部材に対し前方に、上下方向で分離または重畳されるように形成されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1表示領域と前記第2表示領域は、車両の運転者の視点から見て透過部材に対し前方に、前後方向で前記第1表示領域が前記第2表示領域に対し相対的に遠くに配置されるように形成されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1映像光は、S偏光またはP偏光である第1偏光を有し、
    前記第2映像光は、前記第1偏光に対して直交するP偏光またはS偏光である第2偏光を有する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記光学素子は、反射型偏光素子で構成されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  9. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記映像投射部は、ミラーで構成され、反射面において、前記第1映像光が照射される第1領域と前記第2映像光が照射される第2領域とが分離または重畳されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  10. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記ミラーは、横方向に延在する回転軸の周りに回転する駆動機構を有し、
    通常表示モードに対する保護モードでは、前記ミラーが回転され、前記ミラーに対し、映像光の光路の方向とは逆方向で外光が入射した場合に、前記ミラーで反射された前記外光の光路の方向は、前記第1画像形成ユニットの表示面、および前記第2画像形成ユニットの表示面に当たらないように外されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  11. 請求項10記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    日射センサまたは温度センサを備え、
    前記日射センサまたは温度センサの検出情報に基づいて、前記外光の入射が検知された場合に、前記通常表示モードから前記保護モードに切り替えられる、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  12. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1映像光および前記第2映像光は、両方ともS偏光またはP偏光である第1偏光を有し、
    前記光学素子は、ハーフミラーで構成されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  13. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記ミラーと前記光学素子との間の光路上に、偏光素子が配置されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  14. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記光学素子と前記第1画像形成ユニットとの間の光路上に、第1偏光素子が配置されており、
    前記光学素子と前記第2画像形成ユニットとの間の光路上に、第2偏光素子が配置されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  15. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記ミラーは、前後方向において、前記第1映像光を反射する第1反射面と、前記第2映像光を反射する第2反射面とを有する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  16. 請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記光学素子と前記第2画像形成ユニットとの間に、前記第2映像光を透過する領域と対応させた開口部を有する遮光部材が配置されている、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
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