JP2024005095A - ケミカルリサイクル由来エチレンを含むオレフィンから得られるエチレン系重合体、および該エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

ケミカルリサイクル由来エチレンを含むオレフィンから得られるエチレン系重合体、および該エチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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武志 狩野
Takeshi Karino
貴憲 古田
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Abstract

【課題】エチレン系重合体の製造から利用、廃棄に至るライフサイクルにおける環境負荷(温室効果ガス発生)を低減し、ケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料を用いて、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有するエチレン系重合体を提供すること、および該重合体の製造方法などを提供することである。また、本発明の他の目的は、市場ニーズなどを考慮した、コストを抑えた、ケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料を用いて、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有するエチレン系重合体を提供すること。【解決手段】エチレン単独重合体、またはエチレンと特定のオレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体であり、上記エチレン系重合体の原料に含まれるエチレンがケミカルリサイクル由来エチレンと化石燃料由来エチレンが特定の条件を満たすエチレン系重合体。【選択図】なし

Description

エチレン系重合体、および該重合体の製造方法に関する。より詳しくは、ケミカルリサイクルにより得られたエチレンを含むエチレンを重合して得られるエチレン系重合体、および該重合体の製造方法に関する。
近年、持続可能な社会への変革が求められており、プラスチック製品による環境負荷低減の観点から、利用・廃棄されたポリエステルを埋め立てや焼却をせずに、解重合後、得られたモノマーあるいは低重合体を再度重合することにより、再生ポリエステルを製造することが検討されている(特許文献1、特許文献2)。ポリアミドでも同様に、利用・廃棄されたポリアミドを埋め立てや焼却をせずに、解重合後、得られたモノマーを再度重合することにより、再生ポリアミドを製造することが検討されている(特許文献3)。
ミカルリサイクルポリエステルフィルムは化石燃料ポリエステルフィルムと比較して、GPCの測定から得た分子量分布曲線における分子量1,000以下の領域の面積割合が小さく、衛生性に優れる(フィルムに起因した味の変化が無い)とされる(特許文献4)。
ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィンにおいては、廃棄ポリオレフィンの熱分解により炭化水素油を製造し、得られた炭化水素油は燃料に好適とされる(特許文献5)。また、廃棄ポリオレフィンの熱分解により炭素数2~4のオレフィンを製造する検討がされており、炭素数2~4のオレフィンガスはプラスチック原料として再利用でき、又水素は燃料電池用燃料、水添・脱硫用原料として再利用でき、液相は蒸留塔によってベンゼン、トルエン、キシレンに分離することで化学/医薬用原料として再利用できることが開示されている(特許文献6)。
特開2003-119316号公報 特開2009-173732号公報 特開平7-310204号公報 特開2022-002890号公報 特開10-330764号公報 特開2002-121318号公報
しかし、特許文献6では、廃棄ポリオレフィンの熱分解によりオレフィンを原料として再利用し、ポリオレフィンを製造した場合に得られるポリオレフィンの構造・性能がどのようになるのかは明らかにされていない。
本発明の目的は、エチレン系重合体の製造から利用、廃棄に至るライフサイクルにおける環境負荷(温室効果ガス発生)を低減し、ケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料を用いて、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有するエチレン系重合体を提供すること、および該重合体の製造方法などを提供することである。また、本発明の他の目的は、市場ニーズなどを考慮した、コストを抑えた、ケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料を用いて、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有するエチレン系重合体を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン系重合体の原料となるエチレンが、特定のケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料であることにより、得られるエチレン系重合体が、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有することなどにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下の[1]~[24]に関する。
[1] エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンから成る群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体であり、前記エチレン系重合体の原料に含まれるエチレンがケミカルリサイクル由来エチレン0.1重量%以上を含む、エチレン系重合体。
[2] 下記(i)~(ii)を満たす、[1]に記載のエチレン系重合体。
(i)エチレン系重合体の密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(ii)エチレン系重合体の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1500g/10分
[3] 上記エチレン系重合体が、下記(iii)~(iv)を満たすエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X1)20質量%以上80質量%以下と、
(iii) 密度dx1が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(iv) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1,500g/10分
下記(v)~(vi)を満たすエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y1)80質量%以下20質量%以上と、
(v) 密度dy1が0.890g/cm3~0.960g/cm3
(vi) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~500g/10分
の混合物(ただし、前記重合体(X1)と前記重合体(Y1)との合計は100重量%である)であり、
該エチレン系重合体は下記(vii)~(viii)を満たし、
(vii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(viii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~60.0g/10分
かつ、下記(iii’)および(iv’)から選ばれる少なくとも1つの条件を満たす、
(iii’)前記重合体(X1)の密度が前記重合体(Y1)の密度よりも大きい。
(iv’)前記重合体(X1)の上記MFRが前記重合体(Y1)の上記MFRよりも大きい。
[1]に記載のエチレン系重合体。
[4] 上記エチレン系重合体が、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X2)5重量%以上95重量%以下と、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y2)5重量%以上95重量%以下との混合物(ただし、前記重合体(X2)と前記重合体(Y2)との合計は100質量%である)であるエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)であり、
上記共重合体(X2)の密度dX2と上記共重合体(Y2)の密度dY2との比(dX2/dY2)が1未満であり、
上記共重合体(X2)の極限粘度[ηX2]と上記共重合体(Y2)の極限粘度[ηY2]との比([ηX2]/[ηY2])が1以上であり、
上記共重合体(X2)が下記(ix)~(xii)を満たし、
(ix)密度dX2が0.890g/cm3~0.940g/cm3
(x)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηX2]が1.0~10.0dl/g
(xi)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dX2)とが、Tm<400×dX2-250を満たす。
(xii)室温におけるデカン可溶部(W(重量%))と密度(dX2)とが、
W<80×exp(-100(dX2-0.88))+0.1を満たす。
上記共重合体(Y2)が下記(xiii)~(xv)を満たし、
(xiii)密度dY2が0.910g/cm3~0.970g/cm3
(xiv)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηY2]が0.5~2.0dl/g
(xv)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dY2)とが、Tm>138×dY2-6を満たす。
上記共重合体(A2-2)の密度が0.890~0.955g/cm3の範囲であり、
該共重合体(A2-2)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1~100g/10分の範囲を満たす、
[1]に記載のエチレン系重合体。
[5] [4]に記載のエチレン系重合体と、
下記(xvi)~(xvii)を満たす高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(D)とを含み、
(xvi)190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1g/10分~50g/10分
(xvii)GPC測定により得られた分子量分布(Mw/Mn)と上記MFRとが、下記関係を満たす。
Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-1.2
前記エチレン系重合体(A2-2)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比 (A2-2):(D)が99:1~60:40の範囲内にある、
エチレン系重合体混合物。
[6] 上記エチレン系重合体が下記(xviii)~(xxii)を満たす、[1]に記載のエチレン系重合体。
(xviii) 13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量[MMe+Et(mol%)]と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量[Mall(mol%)]との比[MMe+Et/Mall]が0.30~1.00の範囲である。
(xix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxi) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が1.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
(xxii) 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-1)を満たす。
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1)
[7] 上記エチレン系重合体が下記(xxiii)~(xxviii)を満たす、[1]に記載のエチレン系重合体。
(xxiii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxiv) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxv) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が2.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
(xxvi)13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
(xxvii)200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-2)を満たす。
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2)
(xxviii) GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.30~1.0×104.50
[8] 上記エチレン系重合体が、下記(xxix)~(xxxii)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体である、[1]に記載のエチレン系重合体。
(xxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxxi) 13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
(xxxii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[[η](dl/g)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-3)を満たす。
0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 (Eq-3)
[9] 上記エチレン系重合体が、下記(xxxiii)~(xxxv)を満たす、エチレン系重合体(X3)30質量%以上85質量%以下と、
(xxxiii) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηX3])が0.50dl/g~1.50dl/g
(xxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0~8.0
(xxxv) 密度dX3が0.940g/cm3~0.980g/cm3
下記(xxxvi)~(xxxviii)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y3)15質量%以上70質量%以下と、
(xxxvi) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηY3])が2.0dl/g~8.0dl/g
(xxxvii) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0~15.0
(xxxviii) 密度dY3が0.910g/cm3~0.950g/cm3(ただし、密度dX3≧密度dY3
の混合物(ただし、前記重合体(X3)と前記重合体(Y3)との合計は100質量%である)であり、
該エチレン系重合体は下記(xxxix)~(xxxxi)を満たす、
(xxxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~20g/10分
(xxxx) 密度が0.930g/cm3~0.960g/cm3
(xxxxi) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下
[1]に記載のエチレン系重合体。
[10] 上記エチレン系重合体が下記(xxxxii)~(xxxxiv)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体である、[1]に記載のエチレン系重合体。
(xxxxii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxxxiii) 密度が0.890g/cm3~0.925g/cm3
(xxxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.50~3.00
[11] エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体の製造方法であり、
エチレンを含む原料を重合器に供給し、重合触媒により重合する工程を含み、該原料に含まれるエチレンがケミカルリサイクル由来エチレン0.1重量%以上を含む、エチレン系重合体の製造方法。
[12] 上記エチレン系重合体が下記(i)~(ii)を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
(i) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(ii) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1g/10分~200g/10分
[13] 下記(iii)~(iv)を満たすエチレン系重合体(X1)20質量%以上80質量%以下を重合する工程(x1)と、
(iii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(iv) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1,500g/10分
下記(v)~(vi)を満たすエチレン系重合体(Y1)80質量%以下20質量%以上(ただし、前記重合体(X1)と前記重合体(Y1)との合計は100重量%である)を重合する工程(y1)とを含み、
(v) 密度が0.890g/cm3~0.960g/cm3
(vi) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~500g/10分
上記工程(x1)および(y1)を経て得られるエチレン系重合体が、下記(vii)~(viii)を満たす、
(vii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(viii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~60.0g/10分
[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
[14] エチレン系重合体が、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)であり、
該共重合体(A2-2)の製造方法が、
エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、下記(ix)~(xii)を満たす、共重合体(X2)5重量%以上95重量%以下を作製する工程(x2)と、
(ix)密度dX2が0.890g/cm3~0.940g/cm3
(x)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηX2]が1.0~10.0dl/g
(xi)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dX2)とが、Tm<400×dX2-250を満たす。
(xii)室温におけるデカン可溶部(W(重量%))と密度(dX2)とが、
W<80×exp(-100(dX2-0.88))+0.1を満たす。
エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、下記(xiii)~(xv)を満たす、共重合体(Y2)5重量%以上95重量%以下を作製する工程(y2)とを含み、
(xiii)密度dY2が0.910g/cm3~0.970g/cm3
(xiv)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηY2]が0.5~2.0dl/g
(xv)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dY2)とが、Tm>138×dY2-6を満たす。
上記共重合体(X2)の密度dX2と上記共重合体(Y2)の密度dY2との比(dX2/dY2)が1未満であり、
上記共重合体(X2)の極限粘度[ηX2]と上記共重合体(Y2)の極限粘度[ηY2]との比([ηX2]/[ηY2])が1以上であり、
得られる共重合体(A2-2)の密度が0.890~0.955g/cm3の範囲であり、
該共重合体(A2-2)の190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1~100g/10分の範囲を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
[15] [14]に記載の製造方法で得られた、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)と、
下記(xvi)~(xvii)を満たす高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(D)とを、
(xvi)MFRが0.1g/10分~50g/10分
(xvii)GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn)とMFRとが、Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-1.2
エチレン系重合体(A2-2)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比が99:1~60:40の範囲となるように溶融混練して、
エチレン系重合体(A2-2)および高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)を含むエチレン系重合体混合物を製造する方法。
[16] エチレン系重合体が下記(xviii)~(xxii)を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
(xviii) 13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量[MMe+Et(mol%)]と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量[Mall(mol%)]との比[MMe+Et/Mall]が0.30~1.00の範囲である。
(xix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxi) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が1.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
(xxii) 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-1)を満たす。
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1)
[17] エチレン系重合体が下記(xxiii)~(xxviii)を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
(xxiii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxiv) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxv) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が2.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
(xxvi)13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
(xxvii)200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-2)を満たす。
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2)
(xxviii) GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.30~1.0×104.50
[18] エチレン系重合体が下記(xxix)~(xxxii)を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
(xxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
(xxxi) 13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
(xxxii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[[η](dl/g)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-3)を満たす。
0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 (Eq-3)
[19] 下記(xxxiii)~(xxxv)を満たすエチレン系重合体(X3)30質量%以上85質量%以下を重合する工程(x3)と、
(xxxiii) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηX3])が0.50dl/g~1.50dl/g
(xxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0~8.0
(xxxv) 密度dX3が0.940g/cm3~0.980g/cm3
下記(xxxvi)~(xxxviii)を満たすエチレン系重合体(Y3)15質量%以上70質量%以下(ただし、前記重合体(X3)と前記重合体(Y3)との合計は100質量%である)を重合する工程(y3)を含み、
(xxxvi) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηY3])が2.0dl/g~8.0dl/g
(xxxvii) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0~15.0
(xxxviii) 密度dY3が0.910g/cm3~0.950g/cm3(ただし、密度dX3≧密度dY3
上記工程(x3)および(y3)を経て得られるエチレン系重合体(A2-3)が下記(xxxix)~(xxxxi)を満たす、
(xxxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~20g/10分
(xxxx) 密度が0.930g/cm3~0.960g/cm3
(xxxxi) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下
[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
[20] エチレン系重合体が下記(xxxxii)~(xxxxiv)を満たす、[11]に記載のエチレン系重合体の製造方法。
(xxxxii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
(xxxxiii) 密度が0.860g/cm3~0.925g/cm3
(xxxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.50~3.00
[21] [1]~[4]、および[6]~[10]のいずれか1つに記載のエチレン系重合体を含む樹脂組成物。
[22] [5]に記載のエチレン系重合体混合物を含む樹脂組成物。
[23] [1]~[4]、および[6]~[10]のいずれか1つに記載のエチレン系重合体からなる成形体。
[24] [5]に記載のエチレン系重合体混合物からなる成形体。
本発明のエチレン系重合体および該重合体の製造方法によれば、ライフサイクルにおける環境負荷(温室効果ガス発生)を低減できる。また、本発明のエチレン系重合体および該重合体の製造方法によれば、ケミカルリサイクル由来エチレンを含む原料を用いて、エチレンとして化石燃料由来のエチレンのみを含む原料から得られるエチレン系重合体と同等の性能を有するエチレン系重合体が作製可能となり、市場ニーズなどを考慮し、コストを抑えた、かかるエチレン系重合体の普及を促進できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
[ケミカルリサイクル由来オレフィン]
本発明では、廃ポリオレフィン樹脂を含む廃プラスチック(未使用のポリオレフィン樹脂を含んでもよい)、化石燃料由来の廃油を原料として、熱分解等により得られたエチレン、プロピレンなどのオレフィンをケミカルリサイクル由来オレフィン(ケミカルリサイクル由来エチレン、ケミカルリサイクル由来プロピレン)とする。
また、廃ポリオレフィン樹脂(未使用のポリオレフィン樹脂を含んでもよい)は、バイオマス由来炭素(バイオマス由来オレフィン)を含む廃ポリオレフィン樹脂であってもよい。バイオマス由来炭素濃度はASTM D6866-21に準拠して、炭素中の14C存在比率から求めることが出来る。
[化石燃料由来オレフィン]
化石燃料とは、石油、石炭、天然ガス、シェールガスなど、動植物の死骸が何億年という時間をかけて体積・加圧されるなどして化石化したもののことをいい、化石燃料由来オレフィン(エチレン、プロピレン、その他α-オレフィン等)は、この化石燃料から得られるオレフィンのことである。14C同位体の半減期である5,730年よりも十分に長い年月が経過していることから、化石由来炭素からは14Cは検出されない。
[エチレン系重合体(A)]
本発明のエチレン系重合体(A)とは、エチレンから導かれる構成単位を主体として含む(エチレンから導かれる構成単位を、典型的には50重量%を超えて含む、好ましくは60重量%を超えて含む)重合体である。かかるエチレン系重合体(A)は、典型的には、エチレン単独重合体(Aα)、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィン(b)(以下、炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンを単にオレフィン(b)とも称する。)との共重合体(Aβ)(以下、エチレン系共重合体(Aβ)とも称する。)などが含まれる。
エチレン系共重合体(Aβ)としては、エチレンとオレフィン(b)とのランダム共重合体(Aβ-1)(例えば、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体などが含まれる。)(以下、エチレンとオレフィン(b)とのランダム共重合体(Aβ-1)を単にエチレン系ランダム共重合体(Aβ-1)とも称する。)などが挙げられる。
エチレン系共重合体(Aβ)の構成単位となり得る炭素数3~20のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらα-オレフィンの中でも、重合のし易さ、得られる共重合体の機械強度などの観点から、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、が好ましい。
(エチレン系重合体(A)の原料エチレン)
本発明のエチレン系共重合体(A)では、その原料に含まれるエチレン(a)(以下、エチレン系重合体(A)の原料に含まれるエチレン(a)を単に原料エチレン(a)とも称する。)が、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)0.1重量%以上を含む。原料エチレン(a)には、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)のみが含まれていてもよいが、ケミカルリサイクル由来エチレン以外に、化石燃料由来エチレン(a2)、バイオマス由来エチレン(a3)、または化石燃料由来エチレン(a2)とバイオマス由来エチレン(a3)とが含まれていてもよい。なおバイオマスとは、菌類、酵母、藻類および細菌類を含む、植物由来または動物由来などの、あらゆる再生可能な天然原料およびその残渣のことをいい、バイオマス由来オレフィン(エチレン、α-オレフィン等)は、このバイオマスから得られるオレフィンのことである。バイオマス由来炭素は、炭素として14C同位体を一定量含有する(10-12程度の割合)。
例えば、原料エチレン(a)が、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と必要に応じて化石燃料エチレン(a2)を含むことが、好ましい一形態であるが、この場合、典型的には、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)0.1重量%以上100重量%以下と化石燃料由来エチレン(a2)0重量%以上99.9重量%以下とを含む。つまりケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と必要に応じて化石燃料エチレン(a2)を含む場合には、原料エチレン(a)は、上記条件を満たす限り、全てケミカルリサイクル由来エチレンである形態と、ケミカルリサイクル由来エチレンと化石燃料由来エチレンとの混合物である形態が好ましい。
原料エチレン(a)が、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料エチレン(a2)との混合物である場合には、前記原料エチレン(a)は、好ましくはケミカルリサイクル由来エチレン(a1)1重量%以上95重量%以下と化石燃料由来エチレン(a2)5重量%以上99重量%以下とを含み、より好ましくはケミカルリサイクル由来エチレン(a1)5重量%以上90重量%以下と化石燃料由来エチレン(a2)10重量%以上95重量%以下とを含み、さらに好ましくはケミカルリサイクル由来エチレン(a1)10重量%以上69重量%以下と化石燃料由来エチレン(a2)31重量%以上90重量%以下とを含む。ここで、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)との合計は100重量%である。また、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)とは原料エチレン(a)に含まれるケミカルリサイクル由来エチレンを意味し、化石燃料由来エチレン(a2)とは原料エチレン(a)に含まれる化石燃料由来エチレンを意味し、バイオマス由来エチレン(a3)とは原料エチレン(a)に含まれるバイオマス由来エチレンを意味する。
上記原料エチレン(a)に含まれるケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)との割合(重量%)を所望の割合とするためには、例えば、別途入手したケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)とを所望の割合(重量%)となるように、混合すればよい。また原料エチレン(a)に、バイオマス由来エチレンが含まれる場合も、同様の手法により所望の割合となるように混合すればよい。
上述の条件を満たすケミカルリサイクル由来エチレン(a1)を含む原料エチレン(a)を用いて製造したエチレン系重合体は、ライフサイクルにおける環境負荷低減に寄与しつつ、コストを抑えたエチレン系重合体の普及を促進できる。
エチレン系重合体(A)がエチレン系共重合体(A2)の場合には、原料に含まれるエチレン以外のオレフィン種は、化石燃料由来オレフィンのみであっても、ケミカルリサイクル由来オレフィンのみであっても、バイオマス由来オレフィンのみであってもよく、あるいは、これらオレフィンの混合物であってもよい。例えば、環境負荷低減を重視するのであれば、エチレン以外のオレフィン種は、ケミカルリサイクル由来オレフィンを含むことが望ましい。また、例えば、コストの抑制を重視するのであれば、エチレン以外のオレフィン種は、化石燃料由来オレフィンを含むことが望ましい。さらに、例えば、エチレン系重合体(A)のバイオマス度向上を問題とするのであれば、エチレン以外のオレフィン種は、バイオマス由来オレフィンを含むことが望ましい。また、エチレン系重合体(A)の原料として使用するオレフィンの製造のしやすさなどを考慮して、エチレン以外のオレフィン種を選択することもできる。
なお、本発明者らの検討によれば、同じオレフィン種の、ケミカル由来オレフィンと化石燃料由来オレフィンは、同一の重合条件(重合触媒、重合温度など)における重合性能(活性、共重合性、立体規則性、立体規則性分布、分子量、分子量分布など)に有意差は無い。
本発明のエチレン系重合体(A)は、下記(i)~(ii)のいずれかを満たすことが望ましく、下記(i)~(ii)の両方を満たすことがより望ましい。
(i)エチレン系重合体の密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.900g/cm3~0.950g/cm3である。密度がこの範囲にあると、エチレン系重合体(A)の特性が十分に発揮できる。
(ii)エチレン系重合体(A)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1500g/10分であり、好ましくは0.03g/10分~200g/10分である。メルト・フロー・レート(MFR)がこの範囲内にあると、エチレン系重合体(A)の成形性などに優れる。
本発明のエチレン系重合体(A)は、その原料エチレン(a)が上記条件を満たしている限り、その製造方法に特に制限はない。本発明のエチレン系重合体(A)は、例えば、後述するエチレン系重合体(A)の製造方法により製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、好適には反応条件が一定の単段重合で製造できる以下のエチレン系重合体が、好ましい形態として挙げられる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、下記(xviii)~(xxii)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xviii)~(xxii)のすべてを満たす、エチレン系重合体(A1-1)が好ましい一形態である。
(xviii) 13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量[MMe+Et(mol%)]と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量[Mall(mol%)]との比[MMe+Et/Mall]が、0.30~1.00の範囲であり、好ましくは0.50~1.00の範囲、より好ましくは0.70~1.00の範囲である。
(xix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.1g/10分~100g/10分であり、好ましくは1.0g/10分~50g/10分、より好ましくは4.0g/10分~30g/10分である。
(xx) 密度が、0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.945g/cm3であり、より好ましくは0.900g/cm3~0.936g/cm3である。
(xxi) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が、1.50×10-4~9.00×10-4の範囲であり、好ましくは2.00×10-4~7.00×10-4の範囲であり、より好ましくは2.60×10-4~5.00×10-4の範囲である。
(xxii) 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが、下記関係式(Eq-1)を満たし、
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1)
好ましくは下記関係式(Eq-1-1)を満たし、
0.05×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1-1)
より好ましくは下記関係式(Eq-1-2)を満たし、
0.10×10-13×Mw3.4≦η0≦3.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1-2)
特に好ましくは下記関係式(Eq-1-3)を満たす。
0.15×10-13×Mw3.4≦η0≦1.80×10-13×Mw3.4 (Eq-1-3)
エチレン系重合体(A1-1)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常単段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A1-1)の製造方法によりエチレン系重合体(A1-1)は製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、下記(xxiii)~(xxviii)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xxiii)~(xxviii)のすべてを満たす、エチレン系重合体(A1-2)が好ましい一形態である。
(xxiii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.1g/10分~100g/10分であり、好ましくは1.0g/10分~50g/10分、より好ましくは1.0g/10分~30g/10分、特に好ましくは4.0g/10分~30g/10分である。
(xxiv) 密度が、0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.964g/cm3であり、より好ましくは0.903g/cm3~0.940g/cm3、特に好ましくは0.903g/cm3~0.935g/cm3である。
(xxv) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が、2.50×10-4~9.00×10-4の範囲であり、好ましくは2.50×10-4~7.00×10-4の範囲であり、より好ましくは3.00×10-4~5.00×10-4の範囲である。
(xxvi)13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が、1.8以下であり、好ましくは1.3以下、より好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下である。なお[(A+B)(/1000C)]の値は、通常0.1以上である。
(xxvii)200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが、下記関係式(Eq-2)を満たし、
0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2)
好ましくは下記関係式(Eq-2-1)を満たし、
0.05×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2-1)
より好ましくは下記関係式(Eq-2-2)を満たし、
0.10×10-13×Mw3.4≦η0≦3.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2-2)
特に好ましくは下記関係式(Eq-2-3)を満たす。
0.15×10-13×Mw3.4≦η0≦1.80×10-13×Mw3.4 (Eq-2-3)
(xxviii) GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が、1.0×104.30~1.0×104.50であり、好ましくは1.00×104.30~1.0×104.40である。
エチレン系重合体(A1-2)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常単段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A1-2)の製造方法によりエチレン系重合体(A1-2)は製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であり、下記(xxix)~(xxxii)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xxix)~(xxxii)のすべてを満たす、エチレン系重合体(A1-3)が好ましい一形態である。
(xxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.1g/10分~100g/10分であり、好ましくは1.0g/10分~50g/10分、より好ましくは4.0g/10分~30g/10分である。
(xxx) 密度が、0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.964g/cm3であり、より好ましくは0.905g/cm3~0.960g/cm3である。
(xxxi) 13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下、好ましくは1.3以下、より好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下である。なお[(A+B)(/1000C)]の値は、通常0.1以上である。
(xxxii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[[η](dl/g)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-3)を満たし、
0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 (Eq-3)
好ましくは下記関係式(Eq-3-1)を満たし、
0.90×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.55×10-4×Mw0.776 (Eq-3-1)
より好ましくは下記関係式(Eq-3-2)を満たす。
0.90×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.40×10-4×Mw0.776 (Eq-3-2)
エチレン系重合体(A1-3)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常単段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A1-3)の製造方法によりエチレン系重合体(A1-3)は製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であり、下記(xxxxii)~(xxxxiv)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xxxxii)~(xxxxiv)のすべてを満たす、エチレン系重合体(A1-4)が好ましい一形態である。
(xxxxii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.1g/10分~100g/10分であり、好ましくは1.0g/10分~30.0g/10分、より好ましくは1.0g/10分~20.0g/10分、特に好ましくは5.0g/10分~20.0g/10分である。
(xxxxiii) 密度が、0.890g/cm3~0.925g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.920g/cm3であり、より好ましくは0.890g/cm3~0.915g/cm3、特に好ましくは0.890g/cm3~0.910g/cm3である。
(xxxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、1.50~3.00であり、好ましくは1.50~2.50、より好ましくは1.50~2.20、特に好ましくは1.60~2.10である。
エチレン系重合体(A1-4)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常単段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A1-4)の製造方法によりエチレン系重合体(A1-4)は製造できる。
また、本発明のエチレン系重合体(A)としては、好適には、反応条件の異なる2段以上に分けた重合を行う多段重合で製造できる以下のエチレン系重合体が、他の好ましい形態として挙げられる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、特定の条件を満たす、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X1)(以下、エチレン系重合体(X1)とも称する。)と、特定の条件を満たす、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y1)(以下、エチレン系重合体(Y1)とも称する。)とを含む混合物である、エチレン系重合体(A2-1)が好ましい一形態である。
エチレン系重合体(A2-1)は、通常エチレン系重合体(X1)20質量%以上80質量%以下とエチレン系重合体(Y1)80質量%以下20質量%以上とを含む混合物であり、好ましくはエチレン系重合体(X1)25質量%以上75質量%以下とエチレン系重合体(Y1)75質量%以下25質量%以上とを含む混合物であり、より好ましくはエチレン系重合体(X1)30質量%以上70質量%以下とエチレン系重合体(Y1)70質量%以下30質量%以上とを含む混合物である。ただし、前記エチレン系重合体(X1)と前記エチレン系重合体(Y1)との合計は100重量%である。
前記エチレン系重合体(X1)は、下記(iii)~(iv)のいずれかを満たす、望ましくは下記(iii)~(iv)のすべてを満たす。
(iii) 密度dx1が、0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.960g/cm3、より好ましくは0.895g/cm3~0.950g/cm3である。
(iv) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が、0.01g/10分~1,500g/10分であり、好ましくは0.01g/10分~1400g/10分、より好ましくは0.01g/10分~1300g/10分である。
前記エチレン系重合体(Y1)は、下記(v)~(vi)のいずれかを満たす、望ましくは下記(v)~(vi)のすべてを満たす。
(v) 密度dy1が、0.890g/cm3~0.960g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.960g/cm3、より好ましくは0.890g/cm3~0.950g/cm3である。
(vi) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.01g/10分~500g/10分であり、好ましくは0.01g/10分~250g/10分、より好ましくは0.05g/10分~200g/10分である。
また、エチレン系重合体(X1)とエチレン系重合体(Y1)とは、下記(iii’)および(iv’)から選ばれる少なくとも1つの条件を満たす。
(iii’)エチレン・α-オレフィン共重合体(X1)の密度がエチレン・α-オレフィン共重合体(Y1)の密度よりも大きい。
(iv’)エチレン・α-オレフィン共重合体(X1)の上記MFRがエチレン・α-オレフィン共重合体(Y1)の上記MFRよりも大きい。
エチレン系重合体(X1)とエチレン系重合体(Y1)との混合物である、エチレン系重合体(A2-1)は、下記(vii)~(viii)のいずれかを満たす、望ましくは下記(vii)~(viii)のすべてを満たす。
(vii) 密度が、0.890g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.960g/cm3であり、より好ましくは0.890g/cm3~0.950g/cm3である。
(viii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが、0.01g/10分~60.0g/10分であり、好ましくは0.01g/10分~30g/10分、より好ましくは0.01g/10分~20g/10分である。
エチレン系重合体(A2-1)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常多段重合、典型的には、上記エチレン系重合体(X1)を製造する工程と、上記エチレン系重合体(Y1)を製造する工程を有する二段以上の段階を有する多段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A2-1)の製造方法によりエチレン系重合体(A2-1)は製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、特定の条件を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X2)(以下、エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)とも称する。)と、特定の条件を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y2)(以下、エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)とも称する。)とを含む混合物である、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)(以下、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)、またはエチレン系重合体(A2-2)とも称する)が好ましい一形態である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)は、通常エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)5質量%以上95質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)95質量%以下5質量%以上とを含む混合物であり、好ましくはエチレン・α-オレフィン共重合体(X2)20質量%以上80質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)80質量%以下20質量%以上とを含む混合物であり、より好ましくはエチレン・α-オレフィン共重合体(X2)30質量%以上70質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)70質量%以下30質量%以上とを含む混合物である。ただし、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)との合計は100重量%である。
まず、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)の密度dX2と上記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)の密度dY2との比(dX2/dY2)は、1未満である。上記密度の比(dX2/dY2)は、好ましくは0.930~0.999である。
さらに、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)の極限粘度[ηX2]と上記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)の極限粘度[ηY2]との比([ηX2]/[ηY2])が1以上である。上記極限粘度比([ηX2]/[ηY2])は、好ましくは1.05~10、より好ましくは1.1~5である。
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)は、下記(ix)~(xii)のいずれかを満たし、望ましくは下記(ix)~(xii)のすべてを満たす。
(ix)密度dX2が0.890g/cm3~0.940g/cm3であり、好ましくは0.890g/cm3~0.935g/cm3、より好ましくは0.900g/cm3~0.930g/cm3である。
(x)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηX2]が1.0~10.0dl/gであり、好ましくは1.25~8.0dl/g、より好ましくは1.27~6.0dl/gである。
(xi)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dX2)とが、Tm<400×dX2-250を満たし、好ましくはTm<450×dX2-297を満たし、より好ましくはTm<500×dX2-344を満たし、特に好ましくはTm<550×dX2-391を満たす。
(xii)室温におけるデカン可溶部(W(重量%))と密度(dX2)とが、
W<80×exp(-100(dX2-0.88))+0.1を満たし、好ましくはW<60×exp(-100(dX2-0.88)+0.1)を満たし、より好ましくはW<40×exp(-100(dX2-0.88)+0.1)を満たす。
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)は、下記(xiii)~(xv)のいずれかを満たし、望ましくは下記(xiii)~(xv)のすべてを満たす。
(xiii)密度dY2が0.910g/cm3~0.970g/cm3であり、好ましくは0.915g/cm3~0.960g/cm3、より好ましくは0.925g/cm3~0.960g/cm3である。
(xiv)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηY2]が0.5~2.0dl/gであり、好ましくは0.55~1.9dl/g、より好ましくは0.6~1.8dl/gである。
(xv)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dY2)とが、Tm>138×dY2-6を満たし、好ましくはTm>128×dY2+4を満たし、より好ましくはTm>110×dY2+21を満たす。
エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)との混合物である、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)の密度は、通常0.890~0.955g/cm3の範囲であり、好ましくは0.900g/cm3~0.950g/cm3である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)は、通常0.1~100g/10分であり、好ましくは0.2g/10分~50g/10分である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常多段重合、典型的には、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)を製造する工程と、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)を製造する工程を有する二段以上の段階を有する多段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)の製造方法によりエチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)は製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)としては、特定の条件を満たす、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X3)(以下、エチレン系重合体(X3)とも称する。)と、特定の条件を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y3)(以下、エチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)とも称する。)とを含む混合物である、エチレン系重合体(A2-3)が好ましい一形態である。
エチレン系重合体(A2-3)は、通常エチレン系重合体(X3)30質量%以上85質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)15質量%以上70質量%以下とを含む混合物であり、好ましくはエチレン系重合体(X3)30質量%以上70質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)70質量%以上30質量%以下とを含む混合物であり、より好ましくはエチレン系重合体(X3)30質量%以上60質量%以下とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)40質量%以上70質量%以下とを含む混合物である。ただし、前記エチレン系重合体(X3)と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)との合計は100重量%である。
前記エチレン系重合体(X3)は、下記(xxxiii)~(xxxv)のいずれかを満たし、望ましくは下記(xxxiii)~(xxxv)のすべてを満たす。
(xxxiii) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηX3])が0.50dl/g~1.50dl/gであり、好ましくは0.60~1.40dl/g、より好ましくは0.70~1.30dl/g、特に好ましくは0.80dl/g~1.20dl/gである。
(xxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0~8.0であり、好ましくは4.2~7.5、より好ましくは4.5~7.0、特に好ましくは5.0~6.5である。
(xxxv) 密度dX3が0.940g/cm3~0.980g/cm3であり、好ましくは0.950g/cm3~0.980g/cm3、より好ましくは0.960g/cm3~0.980g/cm3、特に好ましくは0.965g/cm3~0.975g/cm3である。
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)は、下記(xxxvi)~(xxxviii)のいずれかを満たし、望ましくは下記(xxxvi)~(xxxviii)のすべてを満たす。
(xxxvi) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηY3])が2.0dl/g~8.0dl/gであり、好ましくは2.0~6.0dl/g、より好ましくは2.0~5.0dl/gであり、特に好ましくは2.5dl/g~4.0dl/gである。
(xxxvii) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0~15.0であり、好ましくは6.0~13.0、より好ましくは7.0~11.0であり、特に好ましくは8.0~10.0である。
(xxxviii) 密度dY3が0.910g/cm3~0.950g/cm3であり、好ましくは0.915g/cm3~0.945g/cm3、より好ましくは0.920g/cm3~0.940g/cm3、特に好ましくは0.925g/cm3~0.935g/cm3である。ただし、エチレン系重合体(X3)の密度dX3≧エチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)の密度dY3、である。
エチレン系重合体(X3)とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)との混合物である、エチレン系重合体(A2-3)は、下記(xxxix)~(xxxxi)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xxxix)~(xxxxi)のすべてを満たす。
(xxxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~20g/10分であり、好ましくは0.05g/10分~10g/10分、より好ましくは0.1g/10分~2.0g/10分、特に好ましくは0.2g/10分~1.0g/10分である。
(xxxx) 密度が0.930g/cm3~0.960g/cm3であり、好ましくは0.935g/cm3~0.960g/cm3であり、より好ましくは0.940g/cm3~0.960g/cm3、特に好ましくは0.945g/cm3~0.955g/cm3である。
(xxxxi) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下であり、好ましくは9.5質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下である。なお、クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量は通常0.1質量%以上である。
エチレン系重合体(A2-3)の製造方法は、上記特性を満たす重合体が得られる限り特に制限はないが、通常多段重合、典型的には、上記エチレン系重合体(X3)を製造する工程と、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(Y3)を製造する工程を有する二段以上の段階を有する多段重合で重合は行われ、例えば、後述するエチレン系重合体(A2-3)の製造方法によりエチレン系重合体(A2-3)は製造できる。
エチレン系重合体(A)は、エチレン系重合体(A)以外のエチレン系重合体と混合して、エチレン系重合体混合物として使用してもよい。
例えば、エチレン系重合体(A2-2)(エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2))と、特定の要件を満たす高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(D)とを含む、エチレン系重合体混合物(A3)として用いることができる。
前記エチレン系重合体(A2-2)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比 (A2-2):(D)は、通常99:1~60:40の範囲であり、好ましくは98:2~70:30の範囲、より好ましくは98:2~80:20の範囲である。
前記低密度ポリエチレン(D)は、下記(xvi)~(xvii)のいずれかを満たす、望ましくは下記(xvi)~(xvii)のすべてを満たす。
(xvi)190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1g/10分~50g/10分であり、好ましくは0.2g/10分~10g/10分、より好ましくは0.2g/10分~8.0g/10分である。
(xvii)GPC測定により得られた分子量分布(Mw/Mn)と上記MFRとが、下記関係を満たし、
Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-1.2
好ましくは下記関係式を満たし、
Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-0.5
より好ましくは下記関係式を満たす。
Mw/Mn≧7.5×log(MFR)
低密度ポリエチレン(D)の原料となるエチレンを含むオレフィン(単量体)は、特に制限はなく、その原料オレフィンは、化石燃料由来のオレフィンのみからなるものであってもよく、ケミカルリサイクル由来のオレフィンのみからなるものであってもよく、バイオマス由来のオレフィンのみからなるものであってもよく、あるいは、これらオレフィンの混合物であってもよい。例えば、環境負荷低減を重視するのであれば、低密度ポリエチレン(D)の原料となるオレフィンは、ケミカルリサイクル由来オレフィンを含むことが望ましい。また、例えば、エチレン系重合体混合物(A3)のコストの抑制を重視するのであれば、低密度ポリエチレン(D)の原料となるオレフィンは、化石燃料由来オレフィンを含むことが望ましい。さらに、例えば、エチレン系重合体混合物(A3)のバイオマス度の向上を問題とするのであれば、低密度ポリエチレン(D)の原料となるオレフィンは、バイオマス由来オレフィンを含むことが望ましい。また、低密度ポリエチレン(D)の原料に含まれるエチレンとして、上述したエチレン系重合体(A)の原料である原料エチレン(a)と同様の条件を満たすように選択することもできる。
低密度ポリエチレン(D)は、上記条件を満たす限り特に制限はなく、例えば、高圧下ラジカル重合により製造された高圧ラジカル法低密度ポリエチレンであってもよいし、数十気圧以下の中・低圧下で遷移金属触媒を用いて配位アニオン重合で製造された、直鎖状低密度ポリエチレンであってもよいが、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンが好ましい。
上述した、エチレン系重合体混合物(A3)は、例えば、エチレン系重合体(A2-2)(エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2))と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比が所望の値となるように溶融混練することにより、製造できる。溶融混練に用いる装置としては、例えば、押出機、ニーダーなどが挙げられる。
[エチレン系重合体(A)の製造方法]
本発明のエチレン系重合体(A)は、上述した条件を満たす原料エチレン(a)と、必要に応じて含まれるオレフィン(b)を含有する原料を、重合触媒を用いて重合することにより製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)は、好適には、上述した条件を満たす原料エチレン(a)を含む原料を重合器に供給し、かかる原料を重合触媒により重合する工程を含む製造方法により、製造できる。
エチレン系重合体(A)の製造に用いられる原料であるオレフィン(エチレン、炭素数3~8のα-オレフィン)は、例えば下記の方法で製造できる。
ケミカルリサイクル由来エチレン、ケミカルリサイクル由来プロピレンなどのケミカルリサイクル由来オレフィンは、公知の方法により製造できる。
ケミカルリサイクル由来エチレン、ケミカルリサイクル由来プロピレンの製造方法としては、例えば特開2002-121318号に記載の方法、または特開平5-287281号、特開平9-302358号、特開平10-330764号、特開2001-123007号に記載の方法で廃プラスチックから得られた炭化水素で、特開昭51-095001号公報に記載の石油残油を置き換えた製造方法が挙げられる。
ケミカルリサイクル由来1-ブテンの製造方法としては、例えば、特開昭58-146518号、国際公開第1989/000553号に記載の方法において、原料のエチレンとしてケミカルリサイクル由来エチレンを用いて1-ブテンを製造する方法が挙げられる。
ケミカルリサイクル由来1-ペンテンの製造方法としては、例えば、特開平3-041036号、特開平8―109144、特開平8-133992号に記載の方法において、原料のエチレンあるいはプロピレンとしてケミカルリサイクル由来エチレンあるいはケミカルリサイクル由来プロピレンを用いて1-ペンテンを製造する方法が挙げられる。
ケミカルリサイクル由来1-ヘキセンの製造方法としては、例えば、特開平7-149672号、特開平8-183747号に記載の方法において、原料のエチレンとしてケミカルリサイクル由来エチレンを用いて1-ヘキセンを製造する方法が挙げられ、ケミカルリサイクル由来1-オクテンの製造方法としては、例えば、特開2009-072666号、国際公開第2008/088178号に記載の方法において、原料のエチレンとしてケミカルリサイクル由来エチレンを用いて1-オクテンを製造する方法が挙げられる。
ケミカルリサイクル由来4-メチル-1ペンテンの製造方法としては、例えば、特開昭60-132924号、特開昭61-083135号に記載の方法において、原料のプロピレンとしてケミカルリサイクル由来プロピレンを用いて4-メチル-1ペンテンを製造する方法が挙げられる。
上述したケミカルリサイクル由来のオレフィンは、上記以外の公知または公知に準ずる方法により製造されたものであってもよい。なお、エチレンまたはプロピレンを原料として製造する場合には、エチレンとしてケミカルリサイクル由来エチレンを、プロピレンとしてケミカルリサイクル由来プロピレンを用いる。
化石燃料由来オレフィン(化石燃料由来エチレン、化石燃料由来プロピレン、化石燃料由来炭素数が4~8のα-オレフィン)は、石油化学工業で実施されている公知の方法により製造できる。化石燃料由来エチレンおよび化石燃料由来プロピレンは、例えば、石油化学工業協会のホームページに掲載されるように、石油精製の過程で得られたナフサの熱分解と分留により、製造できる(石油化学コンビナートを探る(2)ナフサ分解工場[2021年9月 1日検索],インターネット<URL:https://www.jpca.or.JP/studies/junior/tour02.html>)。
炭素数が4~8の化石燃料由来α-オレフィンは、例えば、化石燃料由来プロピレン、化石燃料由来エチレンを原料として、公知の合成方法により製造できる。化石燃料由来1-ブテンの製造方法としては、例えば、特開昭58-146518号、国際公開第1989/000553号に記載の方法などが挙げられ、化石燃料由来1-ペンテンの製造方法としては、例えば、特開平3-041036号、特開平8―109144、特開平8-133992号に記載の方法などが挙げられ、化石燃料由来1-ヘキセンの製造方法としては、例えば、特開平7-149672号、特開平8-183747号に記載の方法などが挙げられ、化石燃料由来1-オクテンの製造方法としては、例えば、特開2009-072666号、国際公開第2008/088178号に記載の方法などが挙げられる。
化石燃料由来4-メチル-1ペンテンの製造方法としては、例えば、特開昭60-132924号、特開昭61-083135号に記載の方法で、化石燃料由来エチレン、化石燃料由来プロピレンを原料として4-メチル-1ペンテンを製造する方法などが挙げられる。
上述したケミカルリサイクル由来エチレン(a1)を含む原料エチレン(a)は、原料エチレン(a)が、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)との混合物である場合、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)とを所望の特定の比率で混合することで調製できる。なお、エチレン系重合体に含まれる原料としてエチレン以外のオレフィンを含み、そのエチレン以外のオレフィンとして、ケミカルリサイクル由来オレフィンと化石燃料由来オレフィンとのオレフィン混合物を用いたい場合には、上述した原料エチレン(a)と同様の製造方法により製造できる。
また、化石燃料由来の軽質ナフサと、例えば、特開平5-287281に記載の廃プラスチックを原料として得られたナフサとを所望の特定比率で混合し、この混合物を、熱分解炉に投入し、分解ガス分留装置から、エチレン、プロピレンとして取り出すことにより、ケミカルリサイクル由来エチレン、ケミカルリサイクル由来プロピレンを調製できる。なお、熱分解炉と分解ガス分留装置を一連で含むナフサ分解装置は、石油化学工業で「エチレンクラッカー」と称される装置である。
また、エチレン系重合体に含まれる原料として炭素数4~8のα-オレフィンを含み、かつその炭素数4~8のα-オレフィンとして、ケミカルリサイクル由来α-オレフィンと化石燃料由来α-オレフィンとのオレフィン混合物を用いたい場合は、上述のようにして得られた、ケミカルリサイクル由来エチレンと化石燃料由来エチレンのエチレン混合物またはケミカルリサイクル由来プロピレンと化石燃料由来プロピレンのプロピレン混合物を原料とし、公知の方法または公知に準ずる方法により製造できる。
本発明のエチレン系重合体(A)の製造方法では、重合器に導入したエチレンを含む原料を重合するが、その重合は、バルク重合法、溶液重合法、懸濁(スラリー)重合法などの液相重合法により実施してもよいし、気相重合法により実施してもよい。また、かかる重合は、これら重合方法を複数組み合わせて実施してもよい。
液相重合法で使用される重合溶媒としては、通常、不活性有機溶媒を使用する。不活性有機溶媒としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;脂環族炭化水素;芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。これらの中では、脂肪族炭化水素が好ましい。また、重合法としてスラリー重合法を採る場合、重合溶媒の少なくとも一部として、その重合温度において液状となるオレフィンを溶媒の役割を兼ねるものとして用いることもできる。
本発明のエチレン系重合体(A)の製造方法では、重合器に導入したエチレンを含む原料を、重合触媒を用いて重合する。重合触媒としては、通常、エチレンを含むオレフィンの重合に用いられる重合触媒を用いることができる。かかる重合触媒としては、例えば、チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒などが挙げられる。
本発明のエチレン系重合体(A)は、例えば上述した条件にしたがって、エチレンを含むオレフィンを重合することにより製造できる。エチレン系重合体(A)の物性値は、この条件などを適切に選択することにより、所望の値とすることができる。例えば、エチレン系重合体(A)の密度は、使用する触媒、重合圧力などの重合条件を適切に選択したり、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体の場合は、原料である、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの割合を適切な割合とすることなどにより、所望の値とすることができる。また、エチレン系重合体(A)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)は、エチレンを含むオレフィンと重合触媒の割合などを適切な割合とすることにより、所望の値とすることができる。
また、本発明のエチレン系重合体(A)を製造する際には、反応条件が一定の単段重合で製造してもよく、反応条件の異なる2段以上に分けて行う、多段重合で製造してもよい。
これらの中でも、エチレン系重合体(A1-1)~(A1-4)は、単段重合により製造することが好ましく、エチレン系重合体(A2-1)~(A2-3)は、多段重合により製造されることが好ましい。
[エチレン系重合体(A1-1)の製造方法]
エチレン系重合体(A1-1)は、例えば、上述した(xviii)~(xxii)を満たすエチレン系重合体(A1-1)を、反応条件が一定の単段重合により製造できる。
エチレン系重合体(A1-1)の物性値、例えば、13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐の量、MFR、密度、溶融張力、特定条件の下でのせん断粘度、重量平均分子量などは、重合条件を調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A1-1)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開2009-173798号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A1-2)の製造方法]
エチレン系重合体(A1-2)は、例えば、上述した(xxiii)~(xxviii)を満たすエチレン系重合体(A1-2)を、反応条件が一定の単段重合により製造できる。
エチレン系重合体(A1-2)の物性値、例えば、MFR、密度、溶融張力、特定条件の下でのせん断粘度、13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐の量、重量平均分子量などは、重合条件を調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A1-2)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開2009-197225号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A1-3)の製造方法]
エチレン系重合体(A1-3)は、例えば、上述した(xxix)~(xxxii)を満たすエチレン系重合体(A1-3)を、反応条件が一定の単段重合により製造できる。
エチレン系重合体(A1-3)の物性値、例えば、MFR、密度、13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐の量、極限粘度、重量平均分子量などは、重合条件を調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A1-3)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開2006-233207号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A1-4)の製造方法]
エチレン系重合体(A1-4)は、例えば、上述した(xxxxii)~(xxxxiv)を満たすエチレン系重合体(A1-4)を、反応条件が一定の単段重合により製造できる。
エチレン系重合体(A1-4)の物性値、例えば、MFR、密度、重量平均分子量、数平均分子量などは、重合条件を調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A1-4)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開2008-2312657号、特開2008-230068号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A2-1)の製造方法]
エチレン系重合体(A2-1)は、例えば、上述した(iii)~(iv)を満たすエチレン系重合体(X1)を重合する工程(x1)と、上述した(v)~(vi)を満たすエチレン系重合体(Y1)を重合する工程(y1)を含む、多段重合により製造できる。
前記工程(x1)および(y1)では、エチレン系重合体(A2-1)中の、エチレン系重合体(X1)とエチレン系重合体(Y1)とが所望の含有割合となるように、工程(x1)および工程(y1)で製造すればよい。
また、エチレン系重合体(X1)、(Y1)および(A2-1)の物性値、例えば、密度、MFRなどは、上述した各工程の重合条件、エチレン系重合体(X1)とエチレン系重合体(Y1)の割合などを調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A2-1)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開平10-182854号、特開平10-195263に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A2-2)の製造方法]
エチレン系重合体(A2-2)(エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2))は、例えば、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、上述した(ix)~(xii)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(X2)を作製する工程(x2)と、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、上述した(xiii)~(xv)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)を作製する工程(y1)を含む、多段重合により製造できる。
前記工程(x2)および(y2)では、エチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)中の、エチレン・α-オレフィン共重合体(X2)とエチレン・α-オレフィン共重合体(Y2)とが所望の含有割合となるように、工程(x2)および工程(y2)で製造すればよい。
また、エチレン系重合体(X2)、(Y2)および(A2-2)の物性値、例えば、密度、極限粘度、室温におけるデカン可溶部、吸熱曲線の最大ピーク位置の温度、などは、上述した各工程の重合条件、エチレン系重合体(X2)とエチレン系重合体(Y2)の割合などを調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A2-2)であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A2-2)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開平8-283477号、特開平9-169359号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[エチレン系重合体(A2-3)の製造方法]
エチレン系重合体(A2-3)は、例えば、上述した(xxxiii)~(xxxv)を満たすエチレン系重合体(X3)を重合する工程(x3)と、上述した(xxxvi)~(xxxviii)を満たすエチレン系重合体(Y3)を重合する工程(y3)を含む、多段重合により製造できる。
前記工程(x3)および(y3)では、エチレン系重合体(A2-3)中の、エチレン系重合体(X3)とエチレン系重合体(Y3)とが所望の含有割合となるように、工程(x3)および工程(y3)で製造すればよい。
また、エチレン系重合体(X3)、(Y3)および(A2-3)の物性値、例えば、極限粘度、重量平均分子量、数平均分子量、密度、MFR、クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量などは、上述した各工程の重合条件、エチレン系重合体(X3)とエチレン系重合体(Y3)の割合などを調整することにより、所望の値とすることができる。
エチレン系重合体(A2-3)の詳細な製造条件(重合触媒、重合温度、重合圧力など)は、例えば、特開2018-141099号に記載の重合条件を参考に決定することができる。
[樹脂組成物]
本発明により、上記のようにして得られたエチレン系重合体(A)またはエチレン系重合体混合物(A3)は、化石燃料由来のオレフィンのみを原料として得られる化石燃料由来エチレン系重合体の一部またはすべてを置き換え、エチレン系重合体を含む樹脂組成物として用いることができる。なお、かかる樹脂組成物には、その目的に応じて、エチレン系重合体として、バイオマス由来のオレフィンのみを原料として得られるバイオマス由来エチレン系重合体がさらに含まれていてもよい。また、前記樹脂組成物には、エチレン系重合体として、前記エチレン系重合体(A)のみが含まれていてもよいし、エチレン系重合体として、エチレン系重合体(A)と前記化石燃料由来エチレン系重合体との混合物が含まれていてもよい。
[その他の成分]
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、またはエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、下記添加剤等の他の成分を含んでいてもよい。
<添加剤>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、またはエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物には、添加剤が含まれていてもよい。かかる添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、および耐光安定剤などの安定剤、塩化吸収剤、無機充填剤などの充填剤、α結晶核剤、β結晶核剤、軟化剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、表面改質剤、アルミフレーク、その他公知の添加剤などが挙げられる。
<無機充填剤>
前記無機充填剤としては、例えば、タルク、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維(短繊維)、炭素繊維(短繊維)、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック等、有機フィラーとして木粉、セルロース、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ジュード繊維、米粉、澱粉、コーンスターチなどが挙げられる。これら無機充填剤の中でも、タルク、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維が好ましい。これら無機充填剤が、プロピレン系重合体(A)を含む樹脂組成物の成分として用いられる場合、無機充填剤の含有量は、通常1重量%以上75重量%以下である。
<安定剤>
前記安定剤としては、例えば公知のフェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、無機酸化物などが挙げられる。
<表面改質剤>
前記表面改質剤としては、帯電防止剤として知られているものが好適に用いられ、その代表的なものとしては、脂肪酸アミド、モノグリセリド等が挙げられ、中でも脂肪酸アミドが好ましい。前記脂肪酸アミドとしては、具体的に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、パルミチン酸アミド、ミリスチン酸アミド、ラウリン酸アミド、カプリル酸アミド、カプロン酸アミド、n-オレイルパルミトアミド、n-オレイルエルカアミド、およびそれらの2量体などが挙げられ、中でも、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドおよびエルカ酸アミドの2量体が好ましく、エルカ酸アミドがより好ましい。これらは1種単独または2種以上を混合して使用することができる。
<顔料>
前記顔料としては、例えば、有彩色の無機顔料および/または有機顔料などが挙げられる。無機顔料の具体例としては、例えば、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩などが挙げられる。有機顔料の具体例としては、例えばフタロシアニン系化合物、キナクリドン系化合物、ベンジジン系化合物などが挙げられる。
<カーボンブラック>
前記カーボンブラックとしては、公知のカーボンブラックを特に制限なく使用できる。カーボンブラックの平均粒径にも制限はないが、その一次粒子は好ましくは10~40nmである。
<アルミフレーク>
前記アルミフレークは、公知の方法によって製造できる。具体的には、例えば、アトマイズ粉、アルミニウム箔、蒸着アルミニウム箔等の材料をボールミル、アトライター、スタンプミル等の装置によって粉砕または摩砕処理することによって製造できる。特に、アトマイズ法によって得られるアルミニウムパウダーをボールミルによって摩砕処理して得られるアルミフレークが好ましい。アルミニウムの純度は、特に限定されず、展延性を有すれば他の金属との合金であっても良い。他の金属の具体例としては、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Znが挙げられる。
前記アルミフレークの平均粒径は、好ましくは5~90μm、より好ましくは10~70μmである。アルミフレークは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[変性]
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、α,β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物等の変性化合物により、公知の方法により変性されてもよい。かかる変性は、例えば、エチレン系重合体(A)またはエチレン系重合体(A)とα,β-不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物とを、溶媒に溶解した状態、あるいは重合体または樹脂組成物が溶融混練された状態において、ラジカル発生剤存在下で反応させることにより行うことができる。
α,β-不飽和カルボン酸およびその酸無水物としては、炭素数が20以下の物、特に4~16の物が好適であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、3,6-エンドメチレン-2,3,4,6-テトラヒドロシス-フタル酸およびこれらの酸無水物が挙げられる。
[プロピレン系重合体改質]
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、プロピレン系重合体の改質をするために用いることができる。なお、プロピレン系重合体とは、プロピレンから導かれる構成単位を主体として含む(プロピレンから導かれる構成単位を、典型的には50重量%を超えて含む、好ましくは60重量%を超えて含む)重合体である。プロピレン系重合体は、典型的には、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび炭素数4~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体が挙げられ、前記共重合体としては、例えば、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・α-オレフィン(炭素数4~20)ランダム共重合体、プロピレン・エチレン・α-オレフィン(炭素数4~20)ランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体などが挙げられる。
プロピレン系重合体改質は、例えば、国際公開2016/114393号に記載のエチレン系重合体の一部またはすべてをエチレン系重合体(A)またはエチレン系重合体混合物(A3)に置き換えることにより、行うことができる。
[成形体]
従来知られるエチレン系重合体(エチレン単独重合体、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体)の一部またはすべてをエチレン系重合体(A)(例えば、エチレン系重合体(A1-1)~(A1-4)、(A2-1)~(A2-3))またはエチレン系重合体混合物(A3)に置き換え、この置き換えられた重合体を成形することにより、本発明の成形体が得られる。また、従来知られるエチレン系重合体の一部またはすべてをエチレン系重合体(A)またはエチレン系重合体混合物(A3)で置き換えたエチレン系重合体を含む樹脂組成物を成形することにより、本発明の成形体が得られる。
従来知られるエチレン系重合体をエチレン系重合体(A)に置き換える際に、平均分子量、分子量分布、コモノマーの種類、コモノマー量などのこれら重合体の特性が同一であれば、置き換え後も、成形体の性能は同等とすることができる。この置き換えにより、重合体の製造・加工・使用・廃棄に至るライフサイクルにおける環境負荷の削減(温室効果ガス排出量の削減)が可能となる。
エチレン系重合体(A)は、コスト抑制、普及促進などの観点からその原料に含まれるエチレン(a)として、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)0.1重量%以上を含みかつ、そのエチレン(a)中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)の割合を所望の範囲に調整でき、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を所望の割合としたエチレン系重合体とすることができる。そのため、原料に含まれるエチレン(a)として、所望の割合のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)の混合物を用いた場合、成形体となるエチレン系重合体を含む材料中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を、重合体そのものを作製する時点で所望の値とすることができる。そのため、一旦、エチレン(a)としてケミカルリサイクル由来エチレン(a1)のみを含む原料を用いて得られる、ケミカルリサイクル由来エチレン系重合体を作製し、その後、エチレン(a)として化石燃料由来エチレン(a2)のみを含む原料を用いて得られる、化石燃料由来エチレン系重合体と混合して成形体となるエチレン系重合体を含む材料中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を調整する場合と比較して、追加で、化石燃料由来エチレン系重合体で希釈することが不要である。このことから、本発明の成形体では、その作製のための設備・工程の簡略化が可能となり環境負荷低減ができる。
本発明のエチレン系重合体(A)(例えば、エチレン系重合体(A1-1)~(A1-4)、(A2-1)~(A2-3))、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、プレス成形(圧縮成形)、真空成形、カレンダー成形、発泡成形、射出発泡成形、発泡ブロー成形、中空成形、延伸成形(一軸延伸成形、二軸延伸成形)、押出ラミネート成形、キャスト成形、回転成形などの公知の成形方法により、各種成形体に成形することができる。
<射出成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、射出成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
射出成形の方法としては、例えば、特開2001-064331号、特開2017-128692号、特開2018-172489、国際公開2019/139125号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物の射出成形の方法が挙げられる。
<中空成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、中空成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
中空成形の方法としては、例えば、特開平09-194534号、特開2003-292534号、国際公開2004/083265号、特開2006-083370号、国際公開2006/019147号、特開2018-197120号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物の中空成形の方法が挙げられる。
<射出延伸ブロー成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、射出延伸ブロー成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
射出延伸ブロー成形の方法としては、例えば、特開2021-138870号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物の射出延伸ブロー成形の方法が挙げられる。
<回転成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、回転成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
回転成形の方法としては、例えば、特開2001-089615号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物の回転成形の方法が挙げられる。
<インフレーション成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、インフレーション成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
インフレーション成形の方法としては、例えば、特開平11-012558号、国際公開2004/089626号、特開2008-31380号、特開2016-074900号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物のインフレーション成形の方法が挙げられる。
<延伸成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、延伸成形により、各種用途に用いる成形体(例えば、二軸延伸フィルムなどの延伸フィルム)とすることができる。
延伸成形の方法としては、例えば、特開2006-007529号、特開2006-239877号、特開2008-031381号、特開2009-007589号、国際公開2005/028553号、特開2016-187933号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物の延伸成形の方法が挙げられる。
延伸成形は、用途などに応じて、一軸延伸成形であってもよいし、二軸延伸成形であってもよい。また成形体が延伸フィルムな場合には、得られる延伸フィルムは、単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
<キャスト成形>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、キャスト成形により、各種用途に用いる成形体とすることができる。
キャスト成形の方法としては、例えば、国際公開2016/056524号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物のキャスト成形の方法が挙げられる。
上記成形方法により作製された成形品としては、例えば以下の物が挙げられる。
<チューブ、管>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物から、押出成形等の成形方法により、各種用途に用いるチューブ、管(パイプ)を成形できる。チューブ、管は、例えば、国際公開2017/093008号、特開2018-168228号、特開2018-168229号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物からチューブ、管を成形する方法により作製できる。
<押出ラミネート製品>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物から、押出ラミネート成形することにより、各種用途に用いる押出ラミネート製品が作製できる。押出ラミネート製品は、例えば、特開2008-031374号、特開2008-031377号、特開2008-031383号、特開2014-074103号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物から押出ラミネート製品を作製する方法により作製できる。なお、かかる押出ラミネート製品のラミネート層は、単層でも積層体であってもよい。
<電線被覆材>
本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、電線の絶縁体層としての電線被覆材として用いることができる。本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、またはエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物を、導体直上、または導体に被覆された半導電層、遮蔽層等の上に、押出被覆することにより、絶縁体層を有する電線とすることができる。電線被覆材を絶縁層として有する電線は、例えば、特開平11-029616号、特開2000-256422号に記載のエチレン系重合体またはエチレン系重合体を含む樹脂組成物から押出被覆などにより電線被覆材を絶縁層として有する電線を作製する方法により作製できる。
<用途>
上述した方法により、本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物から得られた成形体は、自動車部品、食品用途や医療用途などの容器、食品用途や電子材料用途の包材など公知の多様な用途に適用することができる。
食品用途や医療用途などの容器としては、例えば、食器、レトルト容器、冷凍保存容器、レトルトパウチ、電子レンジ耐熱容器、冷凍食品容器、冷菓カップ、カップ、飲料ボトルなどの食品容器、レトルト容器、ボトル容器、引きちぎりキャップ、液体紙器などや、輸血セット、医療用ボトル、医療用容器、医療用中空瓶、医療バッグ、輸液バッグ、血液保存バック、輸液ボトル薬品容器、洗剤容器、化粧品容器、香水容器、トナー容器などが挙げられる。
包材としては、例えば、食品包材、食肉包材、加工魚包材、野菜包材、果物包材、発酵食品包材、砂糖袋、油物包装材、水物包装材、液体スープ包装材、特殊形状液体包装材(スタンディングパウチなど)、菓子包装材、酸素吸収剤包材、レトルト食品用包材、鮮度保持フィルム、医薬包材、細胞培養バック、細胞検査フィルム、球根包材、種子包材、野菜・キノコ栽培用フィルム、耐熱真空成形容器、惣菜容器、惣菜用蓋材、業務用ラップフィルム、家庭用ラップフィルム、ベーキングカートン、規格袋、重袋、農業用資材などが挙げられる。
本発明の成形体がフィルム・シート・テープ等である場合には、その用途としては、例えば、偏光板用保護フィルム、液晶パネル用保護フィルム、光学部品用保護フィルム、レンズ用保護フィルム、電気部品・電化製品用保護フィルム、携帯電話用保護フィルム、パソコン用保護フィルム、マスキングフィルム、コンデンサー用フィルム、反射フィルム、積層体(ガラス含む)、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルムなどの保護フィルムなどが挙げられる。また、ナイロン、ポリエステル等の基材と貼り合わせて、多層フィルムとして用いることもできる。
本発明の成形体のその他の用途としては、例えば、家電製品の筐体、ホース、チューブ、電線被覆材、高圧電線用碍子、化粧品・香水スプレー用チューブ、医療用チューブ、輸液チューブ、パイプ、灯油缶、ドラム缶、ガソリンタンク、ワイヤーハーネス、自動二輪・鉄道車両・航空機・船舶等の内装材、インストルメントパネル表皮、ドアトリム表皮、リアーパッケージトリム表皮、天井表皮、リアピラー表皮、シートバックガーニッシュ、コンソールボックス、アームレスト、エアバックケースリッド、シフトノブ、アシストグリップ、サイドステップマット、リクライニングカバー、トランク内シート、シートベルトバックル、インナー・アウターモール、ルーフモール、ベルトモールなどのモール材、ドアシール、ボディシールなどの自動車用シール材、グラスランチャンネル、泥よけ、キッキングプレート、ステップマット、ナンバープレートハウジング、自動車用ホース部材、エアダクトホース、エアダクトカバー、エアインテークパイプ、エアダムスカート、タイミングベルトカバーシール、ボンネットクッション、ドアクッションなどの自動車内外装材、制振タイヤ、静動タイヤ、カーレースタイヤ、ラジコンタイヤなどの特殊タイヤ、パッキン、自動車ダストカバー、ランプシール、自動車用ブーツ材、ラックアンドピニオンブーツ、タイミングベルト、ワイヤーハーネス、グロメット、エンブレム、エアフィルタパッキン、家具・履物・衣料・袋物・建材等の表皮材、建築用シール材、防水シート、建材シート、建材ガスケット、建材用ウインドウフィルム、鉄芯保護部材、ガスケット、ドア、ドア枠、窓枠、廻縁、巾木、開口枠等、床材、天井材、壁紙、健康用品(例:滑り止めマット・シート、転倒防止フィルム・マット・シート、)、健康器具部材、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ、プロテクター)、スポーツ用防具、ラケット、マウスガード、ボール、ゴルフボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、制振パレット、衝撃吸収ダンパー、インシュレーター、履物用衝撃吸収材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルムなどの衝撃吸収材、グリップ材、雑貨、玩具、靴底、靴底ソール、靴のミッドソール・インナーソール、ソール、サンダル、吸盤、歯ブラシ、床材、体操用マット、電動工具部材、農機具部材、放熱材、透明基板、防音材、クッション材、電線ケーブル、形状記憶材料、医療用ガスケット、医療用キャップ、薬栓、ガスケット、ベビーフード・酪農製品・医薬品・滅菌水等を瓶に充填後、煮沸処理、高圧蒸気滅菌等高温処理される用途のパッキング材、工業用シール材、工業用ミシンテーブル、ナンバープレートハウジング、ペットボトルキャップライナーなどのキャップライナー、文房具、オフィス用品、OAプリンタ脚、FAX脚、ミシン脚、モータ支持マット、オーディオ防振材などの精密機器・OA機器支持部材、OA用耐熱パッキン、アニマルケージ、ビーカー、メスシリンダー等の理化学実験機器、光学測定用セル、衣装ケース、クリアーケース、クリアーファイル、クリアーシート、デスクマット、繊維としての用途として、例えば、不織布、伸縮性不織布、繊維、防水布、通気性の織物や布、紙おむつ、生理用品、衛生用品、フィルター、バグフィルター、集塵用フィルター、エアクリーナー、中空糸フィルター、浄水フィルター、ガス分離膜、などが挙げられる。
従来のエチレン系重合体からなる成形体、エチレン系重合体を含む組成物、および該組成物からなる成形体において、エチレン系重合体の一部またはすべてを本発明のエチレン系重合体(A)またはエチレン系重合体混合物(A3)に置き換えることができる。このような置き換えにより、エチレン系重合体の製造から利用、廃棄に至るライフサイクルにおける環境負荷(温室効果ガス発生)を低減することができる。
本発明のエチレン系重合体(A)は、コスト抑制、普及促進などの観点からその原料に含まれるエチレン(a)として、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)0.1重量%以上を含みかつ、そのエチレン(a)中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)の割合を所望の範囲に調整でき、ケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を所望の割合としたエチレン系重合体とすることができる。そのため、原料に含まれるエチレン(a)として、所望の割合のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)と化石燃料由来エチレン(a2)の混合物を用いた場合、成形体となるエチレン系重合体を含む材料中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を、重合体そのものを作製する時点で所望の値とすることができる。そのため、一旦、エチレン(a)としてケミカルリサイクル由来エチレン(a1)のみを含む原料を用いて得られる、ケミカルリサイクル由来エチレン系重合体を作製し、その後、エチレン(a)として化石燃料由来エチレン(a2)のみを含む原料を用いて得られる、化石燃料由来エチレン系重合体と混合して成形体となるエチレン系重合体を含む材料中のケミカルリサイクル由来エチレン(a1)から導かれる構成単位の割合(ケミカルリサイクル由来エチレン含量)を調整する場合と比較して、追加で、化石燃料由来エチレン系共重合体を混合する工程が不要である。このことから、成形体を作製するための材料を得るために、インラインで配合するための設備・工程、溶融混練するための設備・工程が不要である。つまり、成形体を作製するための成形材料を得るために設備が簡素にすることができ、ケミカルリサイクル由来エチレン系重合体を作製した後の成形材料作製のための後工程が不要となる。これらのことから、消費電力節減により、環境負荷低減に寄与すると考えられる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。
<各種物性測定条件>
参考例、実施例等に記載の重合体の物性および成形体(フィルム)の物性は、以下の条件に従って測定した。
(1)原料モノマーにおけるケミカルリサイクル由来オレフィン(重量%)
1種のオレフィン(例えばエチレン)のケミカルリサイクル由来オレフィンのみを含む原料源(1)と、その1種のオレフィンと同一のオレフィンの化石燃料由来のオレフィンのみを含む原料源(2)を準備し、この原料源(1)と原料源(2)との混合割合を調整することで、原料モノマー中のケミカルリサイクル由来オレフィンの重量%および化石燃料由来オレフィンの重量%を所望の値となるようにした。なお2種以上のオレフィンがオレフィン(a)(ケミカルリサイクル由来オレフィンと化石燃料由来オレフィンの混合物)となる場合には、2種以上のケミカルリサイクル由来オレフィンのみを含む原料源(1’)と2種以上の化石燃料由来オレフィンのみを含む原料源(2’)とを混合し、さらに必要に応じて(例えば、オレフィン種ごとにケミカルリサイクル由来オレフィンの重量%を変更したい場合)、別途1種以上のケミカルリサイクル由来オレフィンのみからなる原料源(1’a)または1種以上の化石燃料由来オレフィンのみからなる原料源(2’a)を混合して、原料モノマー中のケミカルリサイクル由来オレフィンの重量%および化石燃料由来オレフィンの重量%を所望の値となるように調整してもよい。
(2)メルト・フロー・レート(MFR:〔g/10分〕)
ASTM D1238Eに準拠して、2.16kg荷重で測定した。測定温度は190℃とした。
(3)α-オレフィン含量(α-オレフィンから導かれる構成単位の含量)
核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR)の帰属及びα-オレフィン含量の定量方法は、J.Appl.Polym.Sci.第42巻、第399頁(1991年)記載の方法に準拠して求めた。
試料220mgを直径10mmのNMR試料管に入れ、1,2,4-トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10容量%)混合溶媒3ミリリットルを加え、次いで、アルミブロックヒーターを用いて140℃で均一に溶解した。
日本電子社製EX-400に試料管を装填し、プロトン完全デカップリング法により、下記の条件で核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR)を測定した。
(測定条件)
パルス幅:9.2μs(45°パルス)
スペクトル幅:25000Hz
測定温度:130℃
パルス繰り返し時間:4秒
積算回数:1000~10000回
(4)13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量〔MMe+Et(mol%)〕と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量〔Mall(mol%)〕との比〔MMe+Et/Mall
Me+Et/Mall13C-NMRを用いて下記のように決定される。測定は日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置(1H:500MHz)を用い、積算回数1万~3万回にて測定する。なお、化学シフト基準として主鎖メチレンのピーク(29.97ppm)を用いた。直径10mmの市販のNMR測定石英ガラス管中に、PEサンプル250~400mgと和光純薬工業(株)製特級o-ジクロロベンゼン:ISOTEC社製ベンゼン-d6=5:1(体積比)の混合液3mlを入れ、120℃にて加熱、均一分散させることにより行う。NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR-総説と実験ガイド[I]、p.132~133に準じて行う。
各分岐の含有量は、以下の領域に表れる吸収の積分強度比より算出することができる。メチル分岐:19.9ppm、エチル分岐:10.8ppm、プロピル分岐:14.4ppm、ブチル分岐:23.1ppm、イソブチル基:25.7ppm、ヘキシル分岐以上:31.9ppm
(5)13C-NMRにより測定されたメチル分岐数〔A(/1000C)〕とエチル分岐数〔B(/1000C)〕との和〔(A+B)(/1000C)〕
メチル分岐数およびエチル分岐数は、後述するように1000カーボン当たりの数で定義される。
13C-NMRにより測定されたメチル分岐数およびエチル分岐数は下記のように決定される。測定は日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置(1H:500MHz)を用い、積算回数1万~3万回にて測定する。なお、化学シフト基準として主鎖メチレンのピーク(29.97ppm)を用いた。直径10mmの市販のNMR測定石英ガラス管中に、PEサンプル250~400mgと和光純薬工業(株)製特級o-ジクロロベンゼン:ISOTEC社製ベンゼン-d6=5:1(体積比)の混合液3mlを入れ、120℃にて加熱、均一分散させることにより行う。NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR-総説と実験ガイド[I]、p.132~133に準じて行う。1,000カーボン当たりのメチル分岐数は、5~45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対する、メチル分岐由来のメチル基の吸収(19.9ppm)の積分強度比より算出する。また、エチル分岐数は、5~45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対する、エチル分岐由来のエチル基の吸収(10.8ppm)の積分強度比より算出する。
(6)密度
密度は、測定サンプルを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した。
(7)融点
JIS-K7121に準拠して、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製(Diamond DSC))を用いて測定した。下記条件で測定した第3stepにおける吸熱ピークの頂点を融点(Tm(℃))と定義した。吸熱ピークが複数ある場合は最大吸熱ピーク頂点を融点(Tm(℃))と定義した。
<測定条件>
・測定環境 :窒素ガス雰囲気
・サンプル量 :5mg
・サンプル形状:プレスフィルム(230℃成形、厚み200~400μm)
・サンプルセット:アルミパンに封入
・第1step:30℃より10℃/分で200℃まで昇温し、10分間保持する。
・第2step:10℃/分で30℃まで降温する。
・第3step:10℃/分で200℃まで昇温する。
(8)極限粘度([η](dl/g))
サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η]として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
(9)n-デカン可溶分量(23℃)
n-デカン可溶分量(23℃)は、130℃のn-デカン1Lにエチレン系重合体10gを、耐熱安定剤2,5-tert.ブチル-4-メチル-フェノールの共存下で溶解し、130℃に1時間保った後、1℃/min.の降温速度で23℃まで冷却した際に析出したエチレン系重合体の重量を求め、この値を試料10gから差し引いた重量の試料10gに対する百分率(重量%)で示した値である。
(10)ヘキサン可溶分率(沸騰ヘキサン可溶分率)
エチレン系重合体のペレットをロータリーカッター付き粉砕機(カスガ社製)により、最大長さ≦2mmになるまで粉砕した。得られた粉砕物約3gを用い、約1回/1分の割合でサイフォン現象が生じるように還流時間を調整しながら沸騰ヘキサンにてソックスレー抽出を6時間行った。
抽出終了後、残ったエチレン系重合体を70℃下、3時間乾燥した後、室温まで冷却しその重量を測定する。
抽出前及び後のエチレン系重合体重量をW1、W2とし、(W1-W2)/W1×100の値をヘキサン可溶分率(%)として求めた。
(11)溶融張力(MT(g))
溶融張力(MT(g))は、溶融させたポリマーを一定速度で延伸した時の応力を測定することにより決定される。すなわち、得られたエチレン系重合体の粉体を通常の方法で溶融後ペレット化して測定サンプルとし、東洋精機製作所製、MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押し出し速度15mm/分、巻取り速度10~20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で行なった。ペレット化の際、エチレン系重合体に、あらかじめ二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.05重量%、耐熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.1重量%、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.05重量%配合した。
(12)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)(表3-1、3-2、7-1、7-2、8、9-1、9-2、10-1、10-2、11-1、11-2、12、13)
重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のようにして算出した。
<使用装置および条件>
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower2(Waters社、登録商標)
カラム;TSKgel GMH6-HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー(株))
移動相;o-ジクロロベンゼン(和光純薬工業(株) 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー(株))/分子量495~分子量2060万
Z.Crubisic,P.Rempp,H.Benoit,J.Polym.Sci.,B5,753(1967)に記載された汎用較正の手順に従い、ポリエチレン分子量換算として計算した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を算出する。
(13)クロス分別クロマトグラフ(CFC)溶出成分量
エチレン系重合体について、クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量(CFC溶出成分量)を、PolymerChar社製CFC2型クロス分別クロマトグラフを用いて以下のように測定した。分離カラムにはShodex HT-806Mを3本用いた。溶離液にはo-ジクロロベンゼンを用いた。試料濃度は0.1~0.3質量/体積%であった。注入量は0.5mlであった。流速は1.0ml/minであった。
試料を145℃で2時間加熱後、0℃まで0.17℃/minで降温し、更に0℃で60分間保持して試料をコーティングさせた。検出器には、PolymerChar社製IR4型赤外分光光度計を用いた。溶出温度は0℃~145℃を35~55フラクションに分け、特に溶出ピーク付近では1℃きざみのフラクションに分けた。温度表示は全て整数であり、例えば90℃の溶出画分とは、89℃~90℃で溶出した成分のことを示す。0℃でもコーティングされなかった成分および各温度で溶出したフラクションの分子量を測定し、汎用較正曲線を使用して、ポリエチレン換算分子量を求めた。
SEC温度は145℃であった。データサンプリング時間は0.10minであった。なお、狭い温度範囲で溶出する成分が多すぎて圧力異常が生じる場合には、試料濃度を0.1質量/体積%未満とする場合もある。データ処理は、装置付属の解析プログラム「CFC Calc」で実施した。
(14)GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、最大重量分率での分子量(peak top M)、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)、Z平均分子量と重量平均分子量との比(Mz/Mw)(表8、9-1、9-2、10-1、10-2)
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、最大重量分率での分子量(peak top M)、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)、Z平均分子量と重量平均分子量との比(Mz/Mw)はウォーターズ社製GPC/V2000を用い、以下のようにして測定した。ガードカラムはShodex AT-G、分析カラムはAT-806を2本使用し、カラム温度は145℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT0.3重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、検出器として示差屈折計、3キャピラリー粘度計を用いた。標準ポリスチレンは、東ソー社製を用いた。分子量計算は、粘度計と屈折計から実測粘度を算出し、実測ユニバーサルキャリブレーションより算出する。
(15)200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度(η*
200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度(η*)は、測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.02512≦ω≦100の範囲で測定することにより決定される。測定には、レオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーターSR-5000を用い、サンプルホルダーとしては、25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとする。また、測定点はω一桁当たり5点とする。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3~10%の範囲で適宜選択する。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kg/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することにより調製する。
(16)200℃におけるゼロせん断粘度(η0
200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕は以下のようにして求める。測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.02512≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはレオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーターSR-5000を用いた。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとする。測定点はω一桁当たり5点とする。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3~10%の範囲で適宜選択する。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kg/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することで調製する。
ゼロせん断粘度η0は、下記数式(Eq-A)のCarreauモデルを非線形最小二乗法により実測のレオロジー曲線〔せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散〕にフィッティングさせることで算出する。
η*=η0〔1+(λω)a(n-1)/a …(Eq-A)
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小二乗法によるフィッティングは下記数式(Eq-B)におけるdが最小となるよう行われる。
ここで、ηexp(ω)は実測のせん断粘度、ηcalc(ω)はCarreauモデルより算出したせん断粘度を表す。
(17)ヤング率(フィルム引張弾性率)(表1~3-2、11-1、11-2)
ヤング率(フィルム引張弾性率)(MPa)は、JIS K7127に準拠して、下記条件で測定した。
<測定条件>
・評価用フィルムを幅10mm、長さ150mmの短冊状に切出し
・引張試験により、クロスヘッド速度=500mm/分で引張
・マシン方向(フィルム引き取り方向)をMD、MDに垂直方向をTDとした。
(18)降伏点応力(表5-1、5-2)
降伏点応力は、ASTM-D-882の方法に準拠して、引張試験を行うことにより求めた。なお、応力が増加していないにもかかわらず、ひずみが増加する点を降伏点とし、降伏点における応力を降伏点応力とする。マシン方向(フィルム引き取り方向)をMD、MDに垂直方向をTDとした。
(19)ダートインパクト強度(表1、2-1、2-2、3-1、3-2、11-1、11-2、12)
ダートインパクト強度は、ASTM D1709に従って、下記条件にて測定した。
<測定条件>
試験片をエアークランプ方式で締め付け、半球径のダートを一定の高さの位置から落下させ、試験片が50%破壊する荷重をグラフから読み取った。一水準の落下回数は10回とし、A法を用いた。
(20)フィルムインパクト強度(表4-1、4-2、5-1、5-2、6-1、6-2、7-1、7-2)
フィルムインパクト強度は、東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおいて1/2インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価した。
(21)低温落袋強度試験(表1)
フィルムの低温特性を下記の低温落袋強度試験(a)(b)により評価した。なお、表中の個数は下記(a)(b)試験の各高さにおいて破れた袋の合計個数である。
(a)低温縦落袋強度試験
内容重量を25kgにしてニューロングHS-33Dトップシーラ[商品名、テスター産業(株)製]でヒーターギャップが150%、クーラーギャップが200%の条件でトップとボトムをシールした袋を10袋用意し、-10℃雰囲気下で2mの高さから袋の底面より落下させて破れた袋の個数を調べた。また落下高さを1.75m、1.5m、1mにして同様に10袋ずつ試験を行なった。
(b)低温横落袋強度試験
内容重量を25kgにしてニューロングHS-33Dトップシーラ[商品名、テスター産業(株)製]でヒーターギャップが150%、クーラーギャップが200%の条件でトップとボトムをシールした袋を10袋用意し、-20℃雰囲気下で2mの高さから袋の側面より落下させて破れた袋の個数を調べた。また落下高さを1.75m、1.5m、1mにして同様に10袋ずつ試験を行なった。
(22)引裂強度(1)(表2-1、2-2、3-1、3-2)
エルメンドルフ引張試験機(東洋精機製作所製)を用い、JIS Z1702に準じて、フィルムの引き取り方向(MD)、MDに垂直方向(TD)について測定を行った。
(23)引裂強度(2)(表5-1、5-2)
ASTM-D-1004に準じて、フィルムの引き取り方向(MD)、MDに垂直方向(TD)について測定を行った。
(24)引裂強度(3)(表6-1、6-2、7-1、7-2、12)
引裂強度(3)(エルメンドルフ引裂強度)は、ASTM D1922にしたがい、下記の通り、測定した。
<測定条件>
軽荷重引裂試験機(東洋精機製作所製:振り子の左端に容量ウェイトB:79gを取り付け)を使用し、フィルムから引裂き方向に長さ63.5mm(長辺)及び引裂き方向と直角方向に幅50mm(短辺)の長方形の試験片を切出し、短辺の中央に端から12.7mmの切り込みを入れて複数枚の試験片を用意した。しかる後、試験機の指針(置き針)が20~80の範囲に収まるように、試験片を複数枚重ねて予備テストを行い、測定に用いる試験片の枚数を調整した後、引裂試験を行い、以下の式により引裂き強度(N/cm)を求めた。なお、試験機の測定レンジ(R)は200とした。
(25)引裂強度(4)(表11)
得られたフィルムから、引裂き方向(MD方向およびTD方向のそれぞれに対し)に63.5mm、および、引裂き方向と垂直な方向に75.0mmとなるように長方形の試験片を切り出し、引裂き方向の中央に端から20mmのスリットを入れて複数枚の試験片を用意した。東洋精機製作所製4NおよびSA-W(32N)を用い、JIS 7128-2に準拠して引裂強度(4)(エルメンドルフ引裂き強度)を測定した。
(26)ヘイズ(全ヘイズ)、内部ヘイズ(表3-1、3-2、5-1、5-2、6-1、6-2、7-1、7-2)
ヘイズ(全ヘイズ)は、ASTM D1003に従って、日本電色製ヘイズメーターを使用して測定した。内部ヘイズは、シクロヘキサノールを充填したセルにエチレン系重合体のフィルムを入れ、全ヘイズ同様に日本電色製ヘイズメーターを使用して測定した。
(27)グロス(表5-1、5-2)
ASTM-D-2457に従って測定した。
(28)完全ヒートシール温度(表2-1、2-2、3-1、3-2)
以下の方法で測定した。すなわち、120×120mmの大きさに切り出したフィルムを2枚重ねた状態で、90℃の温度に保った幅5mmのシールバーを圧力2kg/cm2、1秒間重ねたフィルムの一辺に押し当てることにより2枚のフィルムをヒートシールして、試験片とした。ヒートシーラーはインテスコ社製を用いた。次に、ヒートシール部を含めて15×15mmの大きさに2枚のフィルムを切出し、2枚のヒートシール部以外をはがして、ヒートシールした反対側を引張試験機のチャックに、チャック間距離15mmにしてセットした。引張速度300mm/分でフィルムが破断するまで延伸した。シール部が剥離した場合には、シールバーの温度を5℃刻みに昇温して上記操作を繰り返した。シール部が剥離せずに破断した時の、最も低いシールバーの温度を完全ヒートシール温度とした。
(29)ヒートシール開始温度(表6-1、6-2、7-1、7-2)
東洋テスター製ヒートシーラーを用い、指定温度で圧力2kg/cm2、シール時間1秒間でヒートシールした。試験片幅は15mmとし、剥離試験速度300mm/minとした。ヒートシール開始温度は、剥離試験の際、試験片の破断の仕方がシール面の剥離によらず、厚反部分の破断によるようになり始める温度(℃)とした。
(30)ヒートシール強度(1)(表5-1、5-2)
ヒートシール強度は、JIS X-1707に準じて測定をした。
(31)ヒートシール強度(2)(表8、9-1、9-2、10-1、10-2、13)
得られたエチレン系重合体を、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、基材上にエアギャップ130mm、ダイ下樹脂温度295℃、引取速度80m/分の条件下で、膜厚25μmになるように押出ラミネートした。基材には、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムONM、ユニチカ(株)製)の片面に、ウレタン系アンカーコート剤を塗布し、その後、チーグラー触媒により得られた直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンをそれぞれ50重量部ずつブレンドしたエチレン系混合樹脂を25μmの厚さで押出ラミネートした積層体を用いた。なお、エチレン系重合体は上記積層体のエチレン系混合樹脂層側に押出ラミネートした。
この押出ラミネートフィルムのエチレン系重合体層同士のヒートシール強度を下記方法に従って測定ないし評価した。
片面加熱バーシーラーを使用
ヒートシール圧力:2kg/cm2
ヒートシール時間:0.5秒
シールバーの幅:10mm
試験片幅:15mm
剥離角度:180度
剥離速度:300mm/分
(32)ブロッキング力(表2-1、2-2、3-1、3-2)
7(幅)×20cmの大きさに切り出したエチレン系重合体のフィルムをタイプ紙にはさみ、更にガラス板ではさんで50℃エアバス中において10kg荷重を24時間かける。開口性治具に取り付け200mm/分でフィルムを引き離し、この時の荷重をAgとし、ブロッキング力F(g/cm)をF=A/試験片幅で表わした。Fの値が小さいほどブロッキングしにくい、即ち耐ブロッキング性がよいことを表わす。
(33)フィッシュアイ(F.E.)(表4-1、4-2)
フィッシュアイ(F.E.)とは、フィルム面に現れる球状の塊及びスジ状態のものをいう。エチレン系重合体のフィルムを蛍光灯に透かして、目視でフィルム1000cm2中のF.E.の個数をカウントした。
(34)ネックイン(表8、9-1、9-2、10-1、10-2)
得られたエチレン系重合体を、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、基材である50g/m2のクラフト紙上に下記条件にて押出ラミネートした。
・エアギャップ:130mm
・ダイ下樹脂温度:295℃
・引取速度:50m/分、80m/分、120m/分、200m/分
・膜厚:引取速度80m/分の時は20μm、引取速度120m/分の時は13μm、引取速度200m/分の時は8μm
Tダイの幅をL0、各引取速度にてクラフト紙上にラミネートされたフィルムの幅をLとしたとき、ネックインはL0-Lにより算出される。
(35)膜切れ速度、引取サージング発生速度(表8、9-1、9-2、10-1、10-2)
得られたエチレン系重合体を、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、基材である50g/m2のクラフト紙上に、エアギャップ130mm、ダイ下樹脂温度295℃の条件にて押出ラミネートした。押出量は引取速度80m/分の時の膜厚が20μmになるよう設定した。
引取速度を上昇させていき、溶融膜が切れたとき(溶融膜の端部のみが切れた時も含む)の引取速度を膜切れ速度とした。また、引取速度を上昇させていき、各引取速度におけるネックインを5回測定し、そのネックインの平均値に対して±1.5mm以上になる値が2回以上測定された時の引取速度を引取サージング発生速度とした。
(36)樹脂圧力(表8、9-1、9-2、10-1、10-2)
得られたエチレン系重合体を、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、基材である50g/m2のクラフト紙上に、エアギャップ130mm、ダイ下樹脂温度295℃、引取速度80m/分の条件下で膜厚20μmになるよう押出ラミネートした。そのときのクロスヘッド部の樹脂圧力を測定した。
(37)ホットタック試験(表13)
ヒートシール強度の測定のために作製された積層体を用いて、長さ550mm×幅50mmの積層体のフィルム片を重ね合わせ、幅10mm、長さ300mmのシールバーにより、2.0kg/cm2の圧力、および所定の温度にて1秒間シールした後、除圧と同時に各フィルム片に45gの荷重をかけてヒートシール部分を剥離角22.5°で強制的に剥離し、各温度における剥離距離を求めて、ホットタック性の指標とした。
[参考例1](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-1-0)
(1-1)触媒の調製
250℃で10時間乾燥したシリカ10kgを154リットルのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(1.33mol/l)57.5リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温度を0℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で20時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄み液をデカンテーション法により除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン100リットルで再懸濁化した。この系内へビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=27.0mmol/l)16.8リットルを80℃で30分間かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。その後、上澄み液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当たり3.5mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
(1-2)予備重合触媒の調製
2.5molのトリイソブチルアルミニウムを含有する87リットルのヘキサンに、上記で得られた固体触媒870gおよび1-ヘキセン260gを加え、35℃で5時間エチレンの予備重合を行うことにより、固体触媒1g当たり10gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒を得た。
(1-3)重合
連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20kg/cm2-G、重合温度80℃でエチレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調整した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.33mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを10mmol/hrの割合で連続的に供給し、重合の間一定のガス組成を維持するためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス組成;1-ヘキセン/エチレン/=0.02、水素/エチレン=10.5×10-4、エチレン濃度=70%)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。このようにして得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-0)の樹脂物性を表1に示す。
(1-4)フィルムの製造
上記(1-3)で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-0)を、押出機にてペレット化し、下記の成形条件で空冷インフレーション法にて成形を行い、肉厚150μm、幅450mmのフィルムを製造した。
<成形条件>
成形機:モダンマシナリー(株)製90mmφインフレーション成形機(高圧法低密度ポリエチレン樹脂使用)
スクリュー:L/D=28、C・R=2.8、中間ミキシング付き
ダイス:200mmφ(径)、2.5mm(リップ幅)
エアーリング:2ギャップタイプ
成形温度:190℃
引取速度:20m/min
上記のようにして得られたフィルムについて、ヤング率、ダートインパクト強度および袋の低温特性(低温落球強度試験)を上述した測定方法で測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例1](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-1-1)
参考例1の(1-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例1の(1-1)~(1-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-1)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-1)の樹脂物性を表1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-1)を用いて、参考例1の(1-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表1に示す。
[実施例2](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-1-2)
参考例1の(1-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例1の(1-1)~(1-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-2)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-2)の樹脂物性を表1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-1-2)を用いて、参考例1の(1-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表1に示す。
Figure 2024005095000002
[参考例2-1](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-2-0)
(2-1)触媒の調製
250℃で10時間乾燥したシリカ7.9kgを121リットルのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(1.47mol/l)41リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温度を0℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄み液をデカンテーション法により除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン125リットルで再懸濁化した。この系内へビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=28.4mmol/l)20リットルを30℃で30分間かけて滴下し、さらに30℃で2時間反応させた。その後、上澄み液を除去しヘキサンで2回洗浄することにより、1g当たり4.6mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
(2-2)予備重合触媒の調製
16molのトリイソブチルアルミニウムを含有する160リットルのヘキサンに、上記で得られた固体触媒4.3kgを加え35℃で3.5時間エチレンの予備重合を行うことにより、固体触媒1g当たり3gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒を得た。このエチレン重合体の極限粘度[η]は、1.27dl/gであった。
(2-3)重合
連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20kg/cm2-G、重合温度80℃でエチレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.05mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを10mmol/hrの割合で連続的に供給し重合の愛大一定のガス組成を維持するためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス組成(いずれも体積比);1-ヘキセン/エチレン=0.034、水素/エチレン=11.8×10-4、エチレン濃度=70%)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。このようにして得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-0)の樹脂物性を表2-1に示す。
(2-4)フィルムの製造
上記(2-3)で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-0)を、押出機にてペレット化し、下記の成形条件で空冷インフレーション法にて成形を行い、肉厚30μm、幅450mmのフィルムを製造した。
<成形条件>
成形機:プラコー LM 65mmφインフレーション成形機(株式会社プラコー製、高圧法低密度ポリエチレン樹脂仕様)
スクリュー:L/D=28、C・R=2.8、中間ミキシング付き
ダイス:200mmφ(径)、1.2mm(リップ幅)
エアーリング:2ギャップタイプ
成形温度:200℃
引取速度:18m/min
上記のようにして得られたフィルムについて、成形性、ヤング率、ダートインパクト強度、引裂強度(MD方向(縦方向(シート引き取り方向)))、完全シール温度およびブロッキング力を測定した。得られた結果を表2-1に示す。なお成形性は、成形時のバブルの安定性を観察し、良好な場合は〇、悪い場合は×とした。
[実施例3](エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-2-1)
参考例2-1の(2-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例2-1の(2-1)~(2-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-1)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-1)の樹脂物性を表2-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-1)を用いて、参考例2-1の(2-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表2-1に示す。
[実施例4](エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-2-2)
参考例2-1の(2-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例2-1の(2-1)~(2-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-2)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-2)の樹脂物性を表2-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-2-2)を用いて、参考例2-1の(2-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表2-1に示す。
Figure 2024005095000003
[参考例2-2](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-3-0)
密度、MFRを表2-2に示すように調整した以外は、参考例2-1の(2-1)~(2-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-0)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-0)の樹脂物性を表2-2に示す。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-0)を用いた以外は、参考例2-1の(2-4)と同様にしてフィルムを成形し、評価を行った。得られたフィルムの物性を表2-2に示す。
[実施例5](エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-3-1)
参考例2-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例2-2と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-1)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-1)の樹脂物性を表2-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-1)を用いて、参考例2-1の(2-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表2-2に示す。
[実施例6](エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体:PE-3-2)
参考例2-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例2-2と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-2)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-2)の樹脂物性を表2-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-3-2)を用いて、参考例2-1の(2-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表2-2に示す。
Figure 2024005095000004
[参考例3-1](化石燃料由来エチレン系重合体混合物:PE-4-0)
エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-0)の製造
(3-1-1)触媒成分の調製
250℃で10時間乾燥したシリカ10.0kgを154リットルのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.33mol/l)57.5リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温度を0℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で20時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法により除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン100リットルで再懸濁化した。この系内へビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=27.0mmol/l)16.8リットルを80℃で30分間かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。その後、上澄み液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当たり3.5mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
(3-1-2)予備重合触媒の調製
2.5molのトリイソブチルアルミニウムを含有する87リットルのヘキサンに、上記(3-1-1)で得られた固体触媒870gおよび1-ヘキセン260gを加え、35℃で5時間エチレンの予備重合を行うことにより、固体触媒1g当たり10gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒を得た。
(3-1-3)重合
連続式流動床気相重合装置を用い、全圧18kg/cm2-G、重合温度75℃でエチレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製した予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.15mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを10mmol/hrの割合で連続的に供給し、重合の間一定のガス組成を維持するためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス組成;1-ヘキセン/エチレン=0.022、水素/エチレン=0.00006、エチレン濃度=80%)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-0)の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-0)の製造
(3-1-4)触媒成分の調製
窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウム1モル(市販品)を脱水精製したヘキサン2リットルに懸濁させ、撹拌しながらエタノール6モルを1時間かけて滴下後、室温にて1時間反応した。反応後、これに2.6モルのジエチルアルミニウムクロリドを室温で滴下し、2時間撹拌を続けた。次に四塩化チタン6モルをさらに加えた後、系を80℃に昇温して3時間撹拌しながら反応を行った。反応後、得られた固体を分離し、精製ヘキサンを用いて繰り返し洗浄した。次に精製ヘキサンに懸濁したTiに換算して50ミリモルの量の上記固体に対し、500ミリモルのエタノールを室温で加え、50℃に昇温して1.5時間反応させた。反応後、得られた固体部を精製ヘキサンにて繰り返し洗浄した。生成した固体をH2O-アセトンで分解抽出後、ガスクロにてエタノールとして定量を行った。
(3-1-5)重合
内容積200リットルの連続反応器を用い、脱水精製したヘキサンを100l/hr、ジエチルアルミニウムクロリド7mmol/hr、エチルアルミニウムセスキクロリド14mmol/hrおよび上記(3-1-4)で調製した触媒をTiに換算して0.6mmol/hrをこのような割合で連続的に供給し、原料としてエチレン13kg/hr、4-メチル-1-ペンテン19kg/hr、水素45l/hrの割合で重合器内に連続的に供給し、重合温度165℃、全圧30kg/cm2-G、平均滞留時間1時間、溶媒ヘキサンに対する共重合体濃度が130g/lとなる条件下で共重合反応を行った。触媒活性は22100g-共重合体/mmol-Tiであった。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、4-メチル-1-ペンテンとして化石燃料由来4-メチル-1-ペンテンを用いた。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-0)の樹脂物性を表3-1に示す。
(3-1-6)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)の調製
上記(3-1-3)で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-0)と、上記(3-1-5)で得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-0)とを、60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)の樹脂物性を表3-1に示す。
(3-1-7)エチレン系重合体混合物(PE-4-0)の調製
上記(3-1-6)で得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)とを混合比Z-1-0/D=85/15でドライブレンドし、さらに樹脂100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.05重量部、耐熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.05重量部配合した。しかる後に、ハーケ社製コニカルテーパー状2軸押出機を用い、設定温度180℃で混練してエチレン系重合体混合物(PE-4-0)を得た。なお、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレンであっても、ケミカルリサイクル由来のエチレンであっても、化石燃料由来のエチレンとケミカルリサイクル由来のエチレンの混合物から構成されてもよい。得られたエチレン系重合体混合物(PE-4-0)の樹脂物性を表3-1に示す。
(3-1-8)フィルムの製造
上記(3-1-7)で得られたエチレン系重合体混合物(PE-4-0)を用い、50mmφ・L/D=26の単軸押出機、150mmφのダイ、リップ幅2.0mm、二段エアーリングを用い、フロストラインを20cmとなるようにエア流量を調整し、押出量380g/min、ブロー比=1.8、引き取り速度=18m/min、加工温度=200℃条件下で、厚み30μmのフィルムをインフレーション成形した。得られたフィルムにおいて、ヘイズ、ダートインパクト、完全ヒートシール温度、ブロッキング力、引裂強度およびヤング率を測定した。測定結果を表3-1に示す。
[実施例7](エチレン系重合体混合物:PE-4-1)
エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-1)の製造
参考例3-1の(3-1-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例3-1の(3-1-1)~(3-1-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-1)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-1)の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-1)の製造
参考例3-1の(3-1-5)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例3-1の(3-1-4)~(3-1-5)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-1)の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-1)の調製
参考例3-1の(3-1-6)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の調製と同様に、上記エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-1)と上記エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-1)とを60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-1)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン系重合体混合物(PE-4-1)の調製
化石燃料由来のエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)に替えて得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-1)を用いて、参考例3-1の(3-1-7)エチレン系重合体混合物の調製にしたがってエチレン系重合体混合物(PE-4-1)を得た。得られたエチレン系重合体混合物の樹脂物性を表3-1に示す。
フィルムの製造
化石燃料由来のエチレン系重合体混合物(PE-4-0)に替えて得られたエチレン系重合体混合物(PE-4-1)を用いて、参考例3-1の(3-1-8)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表3-1に示す。
[実施例8](エチレン系重合体混合物:PE-4-2)
エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-2)の製造
参考例3-1の(3-1-3)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレンのみを用いた以外は、参考例3-1の(3-1-1)~(3-1-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-2)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-2)の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-2)の製造
参考例3-1の(3-1-5)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレンのみを用いた以外は、参考例3-1の(3-1-4)~(3-1-5)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-2)の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-2)の調製
参考例3-1の(3-1-6)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の調製と同様に、上記エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-1-2)と上記エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-1-2)とを60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-2)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の樹脂物性を表3-1に示す。
エチレン系重合体混合物(PE-4-2)の調製
化石燃料由来のエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-0)に替えて得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-1-2)を用いて、参考例3-1の(3-1-7)エチレン系重合体混合物の調製にしたがってエチレン系重合体混合物(PE-4-2)を得た。得られたエチレン系重合体混合物の樹脂物性を表3-1に示す。
フィルムの製造
化石燃料由来のエチレン系重合体混合物(PE-4-0)に替えて得られたエチレン系重合体混合物(PE-4-2)を用いて、参考例3-1の(3-1-8)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表3-1に示す。
Figure 2024005095000005
[参考例3-2](化石燃料由来エチレン系重合体混合物:PE-5-0)
(3-2-1)エチレン・1-ヘキセン共重合体(A-2-0)の製造
密度、MFRを表3-2に示すように調整した以外は、参考例3-1の(3-1-1)~(3-1-3)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-0)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-0)の樹脂物性を表3-2に示す。
(3-2-2)エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-0)の製造
密度、MFRを表3-2に示すように調整した以外は、参考例3-1の(3-1-4)~(3-1-5)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-0)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-0)の樹脂物性を表3-2に示す。
(3-2-3)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)の調製
参考例3-1の(3-1-6)と同様にして、上記エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-0)と、上記エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-0)とを、60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)の樹脂物性を表3-2に示す。
(3-2-4)エチレン系重合体混合物(PE-5-0)の調製
上記エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)とを混合比C-2-0/D=85/15でドライブレンドし、参考例3-1の(3-1-7)と同様にしてエチレン系重合体混合物(PE-5-0)を得た。なお、高圧ラジカル法低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレンであっても、ケミカルリサイクル由来のエチレンであっても、化石燃料由来のエチレンとケミカルリサイクル由来のエチレンの混合物から構成されてもよい。得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-0)の樹脂物性を表3-2に示す。
(3-2-5)フィルムの製造
上記(3-2-4)で得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-0)を用いて参考例3-1の(3-1-8)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表3-2に示す。
[実施例9](エチレン系重合体混合物:PE-5-1)
エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-1)の製造
参考例3-2の(3-2-1)エチレン・1-ヘキセン共重合体の製造において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例3-2の(3-2-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-1)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-1)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-1)の製造
参考例3-2の(3-2-2)エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体の製造において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例3-2の(3-2-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-1)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-1)の調製
参考例3-2の(3-2-3)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の調製と同様に、上記エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-1)と上記エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-1)とを60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-1)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-1)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン系重合体混合物(PE-5-1)の調製
化石燃料由来のエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)に替えて得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-1)を用いて、参考例3-2の(3-2-4)エチレン系重合体混合物の調製にしたがってエチレン系重合体混合物(PE-5-1)を得た。得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-1)の樹脂物性を表3-2に示す。
フィルムの製造
化石燃料由来のエチレン系重合体混合物(PE-5-0)に替えて得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-1)を用いて、参考例3-2の(3-2-5)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表3-2に示す。
[実施例10](エチレン系重合体混合物:PE-5-2)
エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-2)の製造
参考例3-2の(3-2-1)エチレン・1-ヘキセン共重合体の製造において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレンのみを用いた以外は、参考例3-2の(3-2-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-2)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-2)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-2)の製造
参考例3-2の(3-2-2)エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体の製造において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来のエチレンのみを用いた以外は、参考例3-2の(3-2-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-2)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-2)の調製
参考例3-2の(3-2-3)エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物の調製と同様に、上記エチレン・1-ヘキセン共重合体(X2-2-2)と上記エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(Y2-2-2)とを60/40で溶融混練して、エチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-2)を得た。得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-2)の樹脂物性を表3-2に示す。
エチレン系重合体混合物(PE-5-2)の調製
化石燃料由来のエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-0)に替えて得られたエチレン・α-オレフィン共重合体の混合物(Z-2-2)を用いて、参考例3-2の(3-2-4)エチレン系重合体混合物の調製にしたがってエチレン系重合体混合物(PE-5-2)を得た。得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-2)の樹脂物性を表3-2に示す。
フィルムの製造
化石燃料由来のエチレン系重合体混合物(PE-5-0)に替えて得られたエチレン系重合体混合物(PE-5-2)を用いて、参考例3-2の(3-2-5)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表3-2に示す。
Figure 2024005095000006
[参考例4-1](化石燃料由来エチレン・1-ブテン共重合体:PE-6-0)
(4-1)触媒成分の製造
(4-1-1)固体物質の調製
撹拌機付きのガラス製反応器(内容積0.5リットル)を窒素ガスで十分に置換した後、金属マグネシウム8g、エタノール121gおよびヨウ素0.1gを投入し、撹拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状生成物を得た。この固体状生成物を含む反応溶液を減圧乾燥することにより得た固体25g、ヘキサン200ミリリットルをステンレス製ボールミル(内容積400ミリリットル、ステンレス製ボールの直径1.2cmを100個)に入れて10時間粉砕を行った。ヘキサンを減圧留去後、得られた固体物質の粒形は、平均で4.4μm、最大で11.0μmであった(レーザースキャン分析法を用いたGALAI社製粒形分布アナライザーCIS-1で、粒形を測定した)。
(4-1-2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで十分に置換したガラス製三ツ口フラスコ(内容積0.5リットル)に上記で得られた固体物質15gおよび脱水したヘキサン350ミリリットルを加え、撹拌下で四塩化ケイ素3.8ミリリットル、エタノール3.8ミリリットルを加えて、70℃で2時間反応を行った。
次いで、四塩化チタン20ミリリットルを加えて、70℃で6時間反応させた後、ヘキサンで洗浄して固体触媒成分を得た。この固体触媒成分1g当たりのチタン含有量を比色法により測定したところ44mgであった。
(4-2)重合
1段目重合を以下のようにして行った。すなわち、内容積200リットルの撹拌機付き重合装置に、エチレン6.0kg/hr、ヘキサン17l/hr、水素70l/hrの割合で連続的に供給するとともに、前記の固体触媒成分をチタン原子換算で1mmol/hr、トリエチルアルミニウムを2.8mmol/hr、およびジエチルアルミニウムクロライドを30.2mmol/hrの速度で導入し、重合温度80℃、滞留時間3.5時間の条件下で連続的に重合を行った。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ブテンとして化石燃料由来1-ブテンを用いた。
得られたポリエチレンを含むヘキサンの懸濁溶液を同温度(80℃)にて水素脱気層に導き、水素を分離した後、そのまま全量を次の2段目の重合反応器(内容積200リットル)へ導いた。
2段目の重合器には、さらにエチレンを5.3kg/hr、ヘキサン15.1l/hr、ブテン-1を280g/hr、および水素を0.1l/hrの速度で供給し、重合温度80℃、滞留時間2.6時間の条件下で連続的に行い、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)を得た。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ブテンとして化石燃料由来1-ブテンを用いた。
得られたエチレン系重合体のヘキサン懸濁溶液を60℃の雰囲気下、遠心分離機にて固液分離を行いウェットなパウダーケーキを分離する。
このパウダーケーキを100℃に調整したパウダー乾燥機にて滞留時間1時間の条件下で連続的に乾燥させた。
(4-3)ペレタイズ
上記(4-2)で得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)を一度も空気に触れないようにして、酸化防止剤としてイルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ製)1000ppm、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ製)500ppm、中和剤としてステアリン酸カルシウム3000ppmをブレンドし、連続的にタンデム型二軸混練押出機の供給ホッパー中に導入して溶融混練を行い、ストランドをカットすることでペレット状のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)の樹脂物性を表4-1に示す。
(4-4)フィルムの製造
上記(4-3)で得られたペレット状のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)を用いて下記の成形条件でインフレーション法にて成形を行い、厚み20μm、幅500mmのフィルムを製造した。
<成形条件>
押出機:プラコーNLM(50mmφ)
ダイス型式:プラコーSG-11-100F6特
リップ部 外径:100mmφ、ギャップ:1.2mm、ランド長:20mm
スパイラル部 外径:110mmφ、条数:6
吐出量:56kg/hr
引き取り速度:42m/min
設定温度:200℃
ブローアップ比:3.4
上記のようにして得られたフィルムについて、フィルムインパクト強度とフィッシュアイ(F.E.)を測定した。得られた結果を表4-1に示す。
[実施例11](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-6-1)
参考例4-1の(4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例4-1の(4-1)~(4-3)と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-1)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-1)の樹脂物性を表4-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-1)を用いて、参考例4-1の(4-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表4-1に示す。
[実施例12](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-6-2)
参考例4-1の(4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例4-1の(4-1)~(4-3)と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-2)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-2)の樹脂物性を表4-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-6-2)を用いて、参考例4-1の(4-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表4-1に示す。
Figure 2024005095000007
[参考例4-2](化石燃料由来エチレン・1-ブテン共重合体:PE-7-0)
密度、MFRを表4-2に示すように調整した以外は、参考例4-1の(4-1)~(4-3)と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-0)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-0)の樹脂物性を表4-2に示す。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-0)を用いた以外は、参考例4-1の(4-4)と同様にしてフィルムを成形し、評価を行った。得られたフィルムの物性を表4-2に示す。
[実施例13](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-7-1)
参考例4-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例4-2と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-1)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-1)の樹脂物性を表4-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-1)を用いて、参考例4-1の(4-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表4-2に示す。
[実施例14](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-7-2)
参考例4-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例4-2と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-2)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-2)の樹脂物性を表4-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-7-2)を用いて、参考例4-1の(4-4)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表4-2に示す。
Figure 2024005095000008
[参考例5-1](化石燃料由来エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-8-0)
(5-1)チタン触媒成分の調製
市販の無水塩化マグネシウム476gを窒素雰囲気下でn-デカン10リットルに懸濁させ、オレイルアルコール4.0kgを添加し、撹拌しながら135℃で5時間反応させた。その結果無色透明な液体が得られた。
この溶液を110℃に降温した後、Ti(OC254を0.45モル添加し、110℃で5時間反応を続けた。得られた溶液を室温で保存した。
(5-2)重合
内容積200リットルの連続重合反応器を用い、脱水精製したヘキサンを100l/hr、エチルアルミニウムセスキクロライド19.9mmol/hr、上記で得られたチタン触媒成分をTi原子に換算して0.50mmol/hrの割合で連続的に供給した。また同時に、エチレンを13kg/hr、1-ペンテンを2.2kg/hr、水素を9.0l/hrの割合で連続的に供給し、重合温度170℃、全圧31kg/cm2-G、滞留時間1時間、溶媒ヘキサンに対する共重合体濃度を105g/lとなる条件にて共重合を行った。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ペンテンとして化石燃料由来1-ペンテンを用いた。このようにして得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-0)の樹脂物性を表5-1に示す。
(5-3)フィルムの製造
上記(5-2)で得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-0)に耐熱安定剤を配合後、溶融押出してペレット化し、市販のポリオレフィン用チューブラーフィルム成形機で幅180mm、厚み30μmのフィルムを成形した。なお、成形時の樹脂温度は180℃、押出機のスクリュー回転数は60r.p.m.、ダイ径100mmφ、ダイスリット幅0.5mm、冷却エアーリング一段で行った。このようにして得られたフィルムについて、ヘイズ、グロス、フィルムインパクト強度(衝撃強度)、引裂強度、ヒートシール強度および降伏点応力を測定した。得られた結果を表5-1に示す。
[実施例15](エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-8-1)
参考例5-1の(5-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例5-1の(5-1)~(5-2)と同様にして、エチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-1)を得た。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-1)の樹脂物性を表5-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-0)に替えて得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-1)を用いて、参考例5-1の(5-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表5-1に示す。
[実施例16](エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-8-2)
参考例4-1の(4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例5-1の(5-1)~(5-2)と同様にして、エチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-2)を得た。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-2)の樹脂物性を表5-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-0)に替えて得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-8-2)を用いて、参考例5-1の(5-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表5-1に示す。
Figure 2024005095000009
[参考例5-2](化石燃料由来エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-9-0)
密度、MFRを表5-2に示すように調整した以外は、参考例5-1の(5-1)~(5-2)と同様にして、エチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-0)を得た。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-0)の樹脂物性を表5-2に示す。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-0)を用いた以外は、参考例5-1の(5-3)と同様にしてフィルムを成形し、評価を行った。得られたフィルムの物性を表5-2に示す。
[実施例17](エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-9-1)
参考例5-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例5-2と同様にして、エチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-1)を得た。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-1)の樹脂物性を表5-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-0)に替えて得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-1)を用いて、参考例5-1の(5-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表5-2に示す。
[実施例18](エチレン・1-ペンテン共重合体:PE-9-2)
参考例5-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例5-2と同様にして、エチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-2)を得た。得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-2)の樹脂物性を表5-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-0)に替えて得られたエチレン・1-ペンテン共重合体(PE-9-2)を用いて、参考例5-1の(5-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表5-2に示す。
Figure 2024005095000010
[参考例6-1](化石燃料由来エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-10-0)
(6-1)触媒の調製
窒素雰囲気下、市販の無水塩化マグネシウム1モルを脱水精製したヘキサン2リットルに懸濁させ、撹拌しながらエタノール6モルを1時間かけて滴下後、室温にて1時間反応した。これに2.6モルのジエチルアルミニウムクロライドを室温で滴下し、2時間撹拌を続けた。次に四塩化Ti6モルを加えた後、系を80℃に昇温して3時間撹拌しながら反応を行った。反応後の固体部を分離し、精製ヘキサンにより繰り返し洗浄した。さらに、精製ヘキサンに懸濁した該固体のTiに換算して50ミリモルに対し、500ミリモルのエタノールを室温で加え、50℃に昇温して1.5時間反応させた。反応後、固体部を精製ヘキサンにて繰り返し洗浄し、触媒を得た。
(6-2)重合
内容積200リットルの連続重合反応器を用い、脱水精製したヘキサンを100l/hr、ジエチルアルミニウムクロライド7mmol/hr、エチルアルミニウムセスキクロライド14mmol/hr、上記(6-1)で得られた触媒をTiに換算して0.6mmol/hrの割合で連続的に供給し、重合器内において同時に、エチレン13kg/hr、4-メチル-1-ペンテン19kg/hr、水素を45l/hrの割合で連続的に供給し、重合温度165℃、全圧30kg/cm2、滞留時間1時間、溶媒ヘキサンに対する共重合体濃度を130g/lとなる条件下で共重合を行い、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-0)を得た。触媒活性は21,700g-共重合体/mmol-Tiに相当した。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、4-メチル-1-ペンテンとして化石燃料由来4-メチル-1-ペンテンを用いた。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-0)の樹脂物性を表6-1に示す。
(6-3)フィルムの製造
上記(6-2)で得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-0)を押出機にてペレット化し、市販の高圧ポリエチレン用チューブラーフィルム成形機(モダンマシナリー製)を用いて幅350mm、厚さ30μmのフィルムを成形した。成形条件は、樹脂温度180℃、スクリュー回転数100r.p.m.、ダイ径100mm、ダイスリット幅0.7mmである。
上記のようにして得られたフィルムについて、ヘイズ、フィルムインパクト強度(衝撃強度)、エルメンドルフ引裂強度およびヒートシール開始温度を測定した。得られた結果を表6-1に示す。
[実施例19](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-10-1)
参考例6-1の(6-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例6-1の(6-1)~(6-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-1)の樹脂物性を表6-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-1)を用いて、参考例6-1の(6-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表6-1に示す。
[実施例20](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-10-2)
参考例6-1の(6-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例6-1の(6-1)~(6-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-2)の樹脂物性を表6-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-10-2)を用いて、参考例6-1の(6-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表6-1に示す。
Figure 2024005095000011
[参考例6-2](化石燃料由来エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-11-0)
密度、MFRを表6-2に示すように調整した以外は、参考例6-1の(6-1)~(6-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-0)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-0)の樹脂物性を表6-2に示す。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-0)を用いた以外は、参考例6-1の(6-3)と同様にしてフィルムを成形し、評価を行った。得られたフィルムの物性を表6-2に示す。
[実施例21](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-11-1)
参考例6-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例6-2と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-1)の樹脂物性を表6-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-1)を用いて、参考例6-1の(6-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表6-2に示す。
[実施例22](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-11-2)
参考例6-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例6-2と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-2)の樹脂物性を表6-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-11-2)を用いて、参考例6-1の(6-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表6-2に示す。
Figure 2024005095000012
[参考例7-1](化石燃料由来エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-12-0)
(7-1)触媒の調製
窒素雰囲気下、市販の無水塩化マグネシウム1モルを脱水精製したヘキサン2リットルに懸濁させ、撹拌しながらエタノール6モルを1時間かけて滴下後、室温にて1時間反応した。これに2.6モルのジエチルアルミニウムクロライドを室温で滴下し、2時間撹拌を続けた。次に四塩化Ti6モルを加えた後、系を80℃に昇温して3時間撹拌しながら反応を行った。反応後の固体部を分離し、精製ヘキサンにより繰り返し洗浄した。さらに、精製ヘキサンに懸濁した該固体のTiに換算して50ミリモルに対し、500ミリモルのエタノールを室温で加え、80℃に昇温して1時間反応させた。反応後、室温まで降温して150ミリモルのトリエチルアルミニウムを加え、1時間撹拌しながら反応を行った。反応後の固体部を精製ヘキサンにて繰り返し洗浄し、触媒を得た。
(7-2)重合
内容積200リットルの連続重合反応器を用い、脱水精製したヘキサンを100l/hr、エチルアルミニウムセスキクロライド15mmol/hr、上記(7-1)で得られた触媒をTiに換算して1.0mmol/hrの割合で連続的に供給し、重合器内において同時に、エチレン13kg/hr、4-メチル-1-ペンテン13kg/hr、水素を30l/hrの割合で連続的に供給し、重合温度165℃、全圧30kg/cm2、滞留時間1時間、溶媒ヘキサンに対する共重合体濃度を130g/lとなる条件下で共重合を行い、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-0)を得た。触媒活性は13,000g-共重合体/mmol-Tiに相当した。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、4-メチル-1-ペンテンとして化石燃料由来4-メチル-1-ペンテンを用いた。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-0)の樹脂物性を表7-1に示す。
(7-3)フィルムの製造
上記(7-2)で得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-0)を押出機にてペレット化し、市販の高圧ポリエチレン用チューブラーフィルム成形機(モダンマシナリー製)を用いて幅350mm、厚さ30μmのフィルムを成形した。成形条件は、樹脂温度180℃、スクリュー回転数100r.p.m.、ダイ径100mm、ダイスリット幅0.7mmである。
上記のようにして得られたフィルムについて、ヘイズ、フィルムインパクト強度(衝撃強度)、エルメンドルフ引裂強度およびヒートシール開始温度を測定した。得られた結果を表7-1に示す。
[実施例23](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-12-1)
参考例7-1の(7-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例7-1の(7-1)~(7-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-1)の樹脂物性を表7-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-1)を用いて、参考例7-1の(7-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表7-1に示す。
[実施例24](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-12-2)
参考例7-1の(7-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例7-1の(7-1)~(7-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-2)の樹脂物性を表7-1に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-12-2)を用いて、参考例7-1の(7-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表7-1に示す。
Figure 2024005095000013
[参考例7-2](化石燃料由来エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-13-0)
密度、MFRを表7-2に示すように調整した以外は、参考例7-1の(7-1)~(7-2)と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-0)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-0)の樹脂物性を表7-2に示す。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-0)を用いた以外は、参考例7-1の(7-3)フィルムの製造と同様にしてフィルムを成形し、評価を行った。得られたフィルムの物性を表7-2に示す。
[実施例25](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-13-1)
参考例7-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例7-2と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-1)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-1)の樹脂物性を表7-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-1)を用いて、参考例7-1の(7-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表7-2に示す。
[実施例26](エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体:PE-13-2)
参考例7-2の重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例7-2と同様にして、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-2)を得た。得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-2)の樹脂物性を表7-2に示す。
化石燃料由来のエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-0)に替えて得られたエチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体(PE-13-2)を用いて、参考例7-1の(7-3)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表7-2に示す。
Figure 2024005095000014
[参考例8](化石燃料由来エチレン・1-ブテン共重合体:PE-14-0)
(8-1)固体成分の調製
内容積200リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2:平均粒子径12μm)10kgを66.5リットルのトルエンに懸濁した後、0~5℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.575mmol/ml)19.8リットルを30.2リットルのトルエンで希釈した。この懸濁液に希釈したメチルアルモキサンのトルエン溶液を1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0~5℃に保った。引き続き0~5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95~100℃まで昇温して、そのまま4時間反応させた。その後、降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで4回洗浄した後、トルエンを加えて全量140リットルとし、固体成分のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分の一部を採取して濃度を調べたところ、スラリー濃度:98.04g/l、Al濃度:0.471mol/lであった。
(8-2)固体触媒成分の調製
内容積150リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン50.1リットルと上記(8-1)で調製した固体成分のトルエンスラリー12.9リットル(固体成分で1265g)を添加した。次に、2リットルガラス製反応器に窒素雰囲気下、メタロセン化合物(A2)(特開2009-173798号 合成例1で作製されたメタロセン化合物(A-1) ジメチルシリレン(3-n-プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド)5.72g(Zr原子換算で14.65mmol)とメタロセン化合物(B2)(特開2009-173798号 合成例6で作製されたメタロセン化合物(B-1) イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-2,7-ジ-ターシャリー-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド)9.00g(Zr原子換算で16.52mmol)を採取し(メタロセン化合物(A2)/メタロセン化合物(B2)のモル比=47/53)、トルエン2.0リットルに溶解し、上記反応器に圧送した。圧送後、内温20~25℃で1時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて2回固体触媒成分を洗浄した。その後、ヘキサンを加えて全量50リットルとし、固体触媒成分のヘキサンスラリーを調製した。なお、上記メタロセン化合物(A2)は、例えば、特開2009-173798号の合成例1の記載にしたがって合成でき、上記メタロセン化合物(B2)は、例えば、特開平4-069394号の実施例1の記載にしたがって合成できる。
(8-3)予備重合触媒の調製
上記(8-2)で得られた固体触媒成分のヘキサンスラリーを10.0℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10~15℃に保持し、次いでジイソブチルアルミニウムヒドリド2.7molと1-ヘキセン84mlを添加した。1-ヘキセン添加後、1.82kg/hrでエチレン供給を開始し、系内温度32~37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから58分後に1-ヘキセン43.0mlを添加、111分後にも1-ヘキセン43.0mlを添加し、予備重合開始から153分後にエチレン供給が3827gに到達したところで、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて3回固体触媒成分を洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を66リットルとした。
次に、系内温度を34~36℃にて、ケミスタッド2500(13.1g)のヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、引き続き、34~36℃で1時間保温し予備重合触媒にケミスタッド2500を担持させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回予備重合触媒を洗浄した。
次に、内容積43リットルの撹拌機付き蒸発乾燥機に、窒素雰囲気下、上記予備重合触媒のヘキサンスラリー25リットル(固体予備重合触媒で5269g)を移液した。移液後、乾燥機内を約3.5時間かけて-65kPaGまで減圧し、-65kPaGに到達したところで約4.0時間真空乾燥しヘキサン、予備重合触媒の揮発分を除去した。さらに100kPaGまで減圧し、-100kPaGに到達したところで6時間真空乾燥し、固体触媒成分1g当たり、3gのポリマーが重合された予備重合触媒を得た。
得られた予備重合触媒成分の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
(8-4)重合
内容積1.7m3の流動層型気相重合反応器において、上記(8-3)の予備重合触媒をZr原子換算で0.023mol/hrで供給し、全圧2.0MPaG、エチレンの分圧1.2MPaA、反応器中のガス線速0.75m/sec、重合温度80℃、滞留時間9.5時間という条件で共重合を行った。ガス組成が一定となるように、水素、エチレン(5.5kg/hr)、1-ブテン(500g/hr)を供給した(水素/エチレン比=15.7、1-ブテン/エチレン比=0.0334)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ブテンとして化石燃料由来1-ブテンを用いた。生成したエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)は、重合反応器から連続的に抜き出し、乾燥装置で乾燥した。
(8-5)フィルムの製造
上記(8-4)で得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)に、耐熱安定剤としてイルガノックス1076(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%となるように加え、株式会社プラコー製の単軸65mmφ押出機を用い、設定温度180℃、スクリュー回転数50r.p.m.の条件にて溶融混練した後、ストランド状に押出し、カッターにてペレット状のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)を得た。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)の樹脂物性を表8に示す。また、該試料を用いて押出ラミネート成形を行った結果を表8に示す。
[実施例27](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-14-1)
参考例8の(8-4)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例8の(8-1)~(8-4)と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-1)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-1)を用いて、参考例8の(8-5)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-1)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-1)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表8に示す。
[実施例28](エチレン・1-ブテン共重合体:PE-14-2)
参考例8の(8-4)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例8の(8-1)~(8-4)と同様にして、エチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-2)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-0)に替えて得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-2)を用いて、参考例8の(8-5)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-2)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ブテン共重合体(PE-14-2)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表8に示す。
Figure 2024005095000015
[参考例9-1](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-15-0)
(9-1-1)固体成分の調製
内容積200リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2:平均粒子径12μm)10kgを66.5リットルのトルエンに懸濁した後、0~5℃まで冷却した。メチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.575mmol/ml)19.8リットルを30.2リットルのトルエンで希釈した。この懸濁液に希釈したメチルアルモキサンのトルエン溶液を1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0~5℃に保った。引き続き0~5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95~100℃まで昇温して、引き続き95~100℃で4時間反応させた。その後、降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで4回洗浄した後、トルエンを加えて全量140リットルとし、固体成分のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分の一部を採取して濃度を調べたところ、スラリー濃度:98.04g/l、Al濃度:0.471mol/lであった。
(9-2-1)固体触媒成分の調製
内容積150リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン50.1リットルと上記(9-1-1)で調製した固体成分のトルエンスラリー12.9リットル(固体成分で1265g)を添加した。次に、2リットルガラス製反応器に窒素雰囲気下、メタロセン化合物(A3)(特開2009-197225号 合成例2で作製されたメタロセン化合物(A-2) ジメチルシリレン(3-n-プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド)5.72g(Zr原子換算で14.65mmol)とメタロセン化合物(B3)(特開2009-197225号 合成例3で作製されたメタロセン化合物(B-1) イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-2,7-ジ-ターシャリー-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド)9.00g(Zr原子換算で16.52mmol)を採取し(メタロセン化合物(A3)/メタロセン化合物(B3)のモル比=47/53)、トルエン2.0リットルに溶解し、上記反応器に圧送した。圧送後、内温20~25℃で1時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて2回固体触媒成分を洗浄した。その後、ヘキサンを加えて全量50リットルとし、固体触媒成分のヘキサンスラリーを調製した。なお、上記メタロセン化合物(A3)は、例えば、特開2009-197225号の合成例2の記載にしたがって合成でき、上記メタロセン化合物(B3)は、例えば、特開平4-069394号の実施例1の記載にしたがって合成できる。
(9-3-1)予備重合触媒の調製
上記(9-2-1)で得られた固体触媒成分のヘキサンスラリーを10.0℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10~15℃に保持し、次いでジイソブチルアルミニウムヒドリド2.7molと1-ヘキセン84mlを添加した。1-ヘキセン添加後、1.82kg/hrでエチレン供給を開始し、系内温度32~37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから58分後に1-ヘキセン43.0mlを添加、111分後にも1-ヘキセン43.0mlを添加し、予備重合開始から153分後にエチレン供給が3827gに到達したところで、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて3回固体触媒成分を洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を66リットルとした。
次に、系内温度を34~36℃にて、ケミスタッド2500(13.1g)のヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、引き続き、34~36℃で1時間保温し予備重合触媒にケミスタッド2500を担持させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回予備重合触媒を洗浄した。
次に、内容積43リットルの撹拌機付き蒸発乾燥機に、窒素雰囲気下、上記予備重合触媒のヘキサンスラリー25リットル(固体予備重合触媒で5269g)を移液した。移液後、乾燥機内を約3.5時間かけて-65kPaGまで減圧し、-65kPaGに到達したところで約4.0時間真空乾燥しヘキサン、予備重合触媒の揮発分を除去した。さらに100kPaGまで減圧し、-100kPaGに到達したところで6時間真空乾燥し、固体触媒成分1g当たり、3gのポリマーが重合された予備重合触媒を得た。
得られた予備重合触媒成分の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
(9-4-1)重合
内容積1.7m3の流動層型気相重合反応器において、上記(9-3-1)の予備重合触媒をZr原子換算で0.018mol/hrで供給し、全圧2.0MPaG、エチレンの分圧1.2MPaA、反応器中のガス線速0.8m/sec、重合温度80℃、滞留時間9.6時間という条件で共重合を行った。ガス組成が一定となるように、水素、エチレン(5.7kg/hr)、1-ヘキセン(350g/hr)を供給した(水素/エチレン比=9.1、1-ヘキセン/エチレン比=0.0077)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。生成したエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)は、重合反応器から連続的に抜き出し、乾燥装置で乾燥した。
(9-5-1)フィルムの製造
上記(9-4-1)で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)に、耐熱安定剤としてイルガノックス1076(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%となるように加え、株式会社プラコー製の単軸65mmφ押出機を用い、設定温度180℃、スクリュー回転数50r.p.m.の条件にて溶融混練した後、ストランド状に押出し、カッターにてペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)の樹脂物性を表9-1に示す。また、該試料を用いて押出ラミネート成形を行った結果を表9-1に示す。
[実施例29](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-15-1)
参考例9-1の(9-4-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例9-1の(9-1-1)~(9-4-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-1)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-1)を用いて、参考例9-1の(9-5-1)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-1)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-1)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表9-1に示す。
[実施例30](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-15-2)
参考例9-1の(9-4-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例9-1の(9-1-1)~(9-4-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-2)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-2)を用いて、参考例9-1の(9-5-1)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-2)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-15-2)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表9-1に示す。
Figure 2024005095000016
[参考例9-2](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-16-0)
(9-1-2)固体成分の調製
参考例9-1の(9-1-1)固体成分の調製と同様に調整した。
(9-2-2)固体触媒成分の調製
内容積150リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン31.3リットルと上記(9-1-2)で調製した固体成分のトルエンスラリー8.3リットル(固体成分で814g)を添加した。次に、2リットルガラス製反応器に窒素雰囲気下、上述したメタロセン化合物(A3)3.27g(Zr原子換算で8.38mmol)と上述したメタロセン化合物(B3)6.32g(Zr原子換算で11.57mmol)を採取し(メタロセン化合物(A3)/メタロセン化合物(B3)のモル比=42/58)、トルエン2.0リットルに溶解し、上記反応器に圧送した。圧送後、内温20~25℃で1時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて2回固体触媒成分を洗浄した。その後、ヘキサンを加えて全量50リットルとし、固体触媒成分のヘキサンスラリーを調製した。
(9-3-2)予備重合触媒の調製
上記(9-2-2)で得られた固体触媒成分のヘキサンスラリーを10.0℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10~15℃に保持し、次いでジイソブチルアルミニウムヒドリド1.7molと1-ヘキセン53mlを添加した。1-ヘキセン添加後、1.67kg/hrでエチレン供給を開始し、系内温度32~37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから35分後に1-ヘキセン28.0mlを添加、102分後にも1-ヘキセン28.0mlを添加し、予備重合開始から139分後にエチレン供給が2450gに到達したところで、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて3回固体触媒成分を洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を42リットルとした。
次に、系内温度を34~36℃にて、ケミスタッド2500(8.4g)のヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、引き続き、34~36℃で1時間保温し予備重合触媒にケミスタッド2500を担持させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回予備重合触媒を洗浄した。
次に、内容積43リットルの撹拌機付き蒸発乾燥機に、窒素雰囲気下、上記予備重合触媒のヘキサンスラリー25リットル(固体予備重合触媒で3372g)を移液した。移液後、乾燥機内を約3.5時間かけて-65kPaGまで減圧し、-65kPaGに到達したところで約4.0時間真空乾燥しヘキサン、予備重合触媒の揮発分を除去した。さらに100kPaGまで減圧し、-100kPaGに到達したところで6時間真空乾燥し、固体触媒成分1g当たり、3gのポリマーが重合された予備重合触媒を得た。
得られた予備重合触媒成分の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
(9-4-2)重合
内容積1.7m3の流動層型気相重合反応器において、上記(9-3-2)の予備重合触媒をZr原子換算で0.019mol/hrで供給し、全圧2.0MPaG、エチレンの分圧1.2MPaA、反応器中のガス線速0.8m/sec、重合温度70℃、滞留時間10.6時間という条件で共重合を行った。ガス組成が一定となるように、水素、エチレン(5.5kg/hr)、1-ヘキセン(520g/hr)を供給した(水素/エチレン比=6.3、1-ヘキセン/エチレン比=0.0100)。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。生成したエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)は、重合反応器から連続的に抜き出し、乾燥装置で乾燥し、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)を得た。
(9-5-2)フィルムの製造
参考例9-1の(9-5-1)フィルムの製造と同様に、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表9-2に示す。
[実施例31](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-16-1)
参考例9-2の(9-4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例9-2の(9-1-2)~(9-4-2)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-1)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-1)を用いて、参考例9-2の(9-5-2)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-1)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-1)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表9-2に示す。
[実施例32](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-16-2)
参考例9-2の(9-4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例9-2の(9-1-2)~(9-4-2)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-2)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-2)を用いて、参考例9-2の(9-5-2)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-2)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-16-2)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表9-2に示す。
Figure 2024005095000017
[参考例10-1](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-17-0)
(10-1-1)固体成分の調製
内容積260リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2:平均粒子径12μm)10kgを90.5リットルのトルエンに懸濁した後、0~5℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.0mmol/ml)45.5リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内の温度を0~5℃に保った。引き続き0~5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95~100℃まで昇温して、引き続き95~100℃で4時間反応させた。その後、常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエンを加えて全量129リットルとし、固体成分のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分の一部を採取して濃度を調べたところ、スラリー濃度:137.5g/l、Al濃度:1.1mol/lであった。
(10-2-1)固体触媒成分の調製
内容積114リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン21.0リットルと上記(10-1-1)で調製した固体成分のトルエンスラリー15.8リットル(固体成分で2400g)を添加した。一方、内容積100リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン31.0リットルを張り込み、撹拌下、下記化学式(A4)で示されるメタロセン化合物(A4)のトルエン溶液(Zr原子換算で8.25mmol/l)10.0リットルを投入し、続いて下記化学式(B4)で示されるメタロセン化合物(B4)のトルエン溶液(Zr原子換算で2.17mmol/l)2.0リットルを投入し数分間混合した(メタロセン化合物(A4)/メタロセン化合物(B4)のモル比=95/5)。続いて、調整した混合溶液を予め上記(10-1-1)で調製した固体成分のトルエンスラリーを張り込んだ上記反応器に圧送した。圧送後、内温20~25℃で1時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて3回固体触媒成分を洗浄した。その後、ヘキサンを加えて全量56リットルとし、固体触媒成分のヘキサンスラリーを調製した。
Figure 2024005095000018
(10-3-1)予備重合触媒の調製
上記(10-2-1)で得られた固体触媒成分のヘキサンスラリーを10℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10~15℃に保持した。その後、トリイソブチルアルミニウム2.8molと1-ヘキセン157mlを添加した。1-ヘキセン添加後にエチレンを1.8kg/hrで再度供給し、予備重合を開始した。予備重合を開始してから40分後に系内温度は24℃まで上昇し、それ以降の系内温度は24~26℃に保持した。予備重合を開始してから70分後に1-ヘキセン79.0mlを添加、140分後にも1-ヘキセン79.0mlを添加した。予備重合開始から220分後に、エチレン供給を停止し系内を窒素により置換し、予備重合を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた予備重合触媒をヘキサンで6回洗浄し、固体触媒成分1g当たり2.87gのポリマーが重合された予備重合触媒を得た。得られた予備重合触媒成分の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たりZr原子が0.72mg含まれていた。
(10-4-1)重合
内容積290リットルの完全撹拌混合型重合槽に、溶媒ヘキサンを45l/hr、上記(10-3-1)で得られた予備重合触媒をZr原子に換算して0.44mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを20.0mmol/hr、エチレンを6.6kg/hr、1-ヘキセンを500g/hrの割合となるように連続的に供給した。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。重合槽内の溶媒量が一定となるように重合槽より重合体スラリーを連続的に抜き出し、全圧0.8MPa-G、重合温度80℃、滞留時間2.6hrという条件で重合を行った。重合槽から連続的に抜き出された重合体スラリーは、フラッシュドラムで未反応エチレンが実質的に除去される。その後、重合体スラリー中のヘキサンを溶媒分離装置で除去し、乾燥し、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)の樹脂物性を表10-1に示す。
(10-5-1)フィルムの製造
上記(10-4-1)で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)に、耐熱安定剤としてイルガノックス1076(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.1重量%となるように加え、株式会社プラコー製の単軸65mmφ押出機を用い、設定温度180℃、スクリュー回転数50r.p.m.の条件にて溶融混練した後、ストランド状に押出し、カッターにてペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)を得た。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)の樹脂物性を表10-1に示す。また、該試料を用いて押出ラミネート成形を行った結果を表10-1に示す。
[実施例33](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-17-1)
参考例10-1の(10-4-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例10-1の(10-1-1)~(10-4-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-1)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-1)を用いて、参考例10-1の(10-5-1)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-1)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-1)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表10-1に示す。
[実施例34](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-17-2)
参考例10-1の(10-4-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例10-1の(10-1-1)~(10-4-1)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-2)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-2)を用いて、参考例10-1の(10-5-1)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-2)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-17-2)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表10-1に示す。
Figure 2024005095000019
[参考例10-2](化石燃料由来エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-18-0)
(10-1-2)固体成分の調製
参考例10-1の(10-1-1)固体成分の調製と同様に調整した。
(10-2-2)固体触媒成分の調製
内容積114リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン18.6リットルと上記(11-1-2)で調製した固体成分のトルエンスラリー7.9リットル(固体成分で1200g)を添加した。一方、内容積100リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン14.5リットルを張り込み、撹拌下、上述したメタロセン化合物(A4)のトルエン溶液(Zr原子換算で7.81mmol/l)5.0リットル投入し、続いて上述したメタロセン化合物(B4)のトルエン溶液(Zr原子換算で2.17mmol/l)2.0リットルを投入し数分間混合した(メタロセン化合物(A4)/メタロセン化合物(B4)のモル比=85/15)。続いて、調整した混合溶液を予め上記(11-1-2)で調製した固体成分のトルエンスラリーを張り込んだ上記反応器に圧送した。圧送後、内温20~25℃で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体触媒成分をヘキサンで3回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量30リットルとし、固体触媒成分のヘキサンスラリーを調製した。
(10-3-2)予備重合触媒の調製
上記(10-2-2)で得られた固体触媒成分のヘキサンスラリーを10℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10~15℃に保持した。その後、トリエチルアルミニウム1.6molと1-ヘキセン80mlを添加した。1-ヘキセン添加後にエチレンを1.8kg/hrで再度供給し予備重合を開始した。予備重合を開始してから25分後に系内温度は24℃まで上昇し、それ以降の系内温度は24~26℃を保持した。予備重合を開始してから35分後に1-ヘキセン39.0mlを添加、60分後にも1-ヘキセン39.0mlを添加した。
予備重合開始から85分後にエチレン供給を停止し、系内を窒素により置換して予備重合を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた予備重合触媒をヘキサンで4回洗浄し、固体触媒成分1g当たり2.93gのポリマーが重合された予備重合触媒を得た。得られた予備重合触媒成分の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たりZr原子が0.72mg含まれていた。
(10-4-2)重合
内容積290リットルの完全撹拌混合型重合槽に、溶媒ヘキサンを45l/hr、上記(10-3-2)で得られた予備重合触媒をZr原子に換算して0.1mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを20.0mmol/hr、エチレンを5kg/hr、1-ヘキセンを1900g/hrの割合となるように連続的に供給した。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。重合槽内の溶媒量が一定となるように重合槽より重合体スラリーを連続的に抜き出し、全圧1MPa-G、重合温度65℃、滞留時間2.7hrという条件で重合を行った。重合槽から連続的に抜き出された重合体スラリーは、フラッシュドラムで未反応エチレンが実質的に除去される。その後、重合体スラリー中のヘキサンを溶媒分離装置で除去し、乾燥し、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-0)を得た。
(10-5-2)フィルムの製造
参考例10-1の(10-5-1)フィルムの製造と同様に、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-0)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-0)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表10-2に示す。
[実施例35](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-18-1)
参考例10-2の(10-4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例10-2の(10-1-2)~(10-4-2)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-1)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-1)を用いて、参考例10-2の(10-5-2)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-1)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-1)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表10-2に示す。
[実施例36](エチレン・1-ヘキセン共重合体:PE-18-2)
参考例10-2の(10-4-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例10-2の(10-1-2)~(10-4-2)と同様にして、エチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-2)を得た。
化石燃料由来のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-0)に替えて得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-2)を用いて、参考例10-2の(10-5-2)フィルムの製造にしたがって、ペレット状のエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-2)を得、該試料を用いて押出ラミネート成形を行いフィルムを製造した。得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(PE-18-2)の樹脂物性、および押出ラミネート成形の結果を表10-2に示す。
Figure 2024005095000020
[参考例11-1](化石燃料由来エチレン系重合体:PE-19-0)
(11-1-1)固体触媒成分の調製
十分に窒素置換した室温下(20~25℃)の反応器中に、トルエン31.0リットルを投入し、固体状MAO成分をアルミニウム原子換算で7.15mol(9.34リットル)入れ、その懸濁液を10分間撹拌した。下記化学式(A5)で示されるメタロセン化合物(A5)21.0mmolをトルエン溶液2.40リットルに溶解させ、反応器に加えた後、10分撹拌した。続いて、下記化学式(A6)で示されるメタロセン化合物(A6)21.0mmolを添加して60分間撹拌し、固体触媒成分を得た。なお化学式(A6)中、tBuは、ターシャリー-ブチルを意味する。
Figure 2024005095000021
(11-2-1)重合
第1重合槽に、ヘキサンを53.0l/hr、前記(11-1-1)で得られた固体触媒成分をジルコニウム原子に換算して0.034mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを11.7mmol/hr、エチレンを7.50kg/hr、水素分子を39.4Nl/hr、アデカプロニックL-71(商品名、(株)ADEKA製、以下L-71とする)を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定となるように重合槽内容物を連続的に抜き出しながら、重合温度75.0℃、反応圧力0.400MPaG、平均滞留時間2.60hrの条件で重合を行い、エチレン重合体(X3-1)を得た。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを用いた。第1重合槽から連続的に抜き出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
その後、前記内容物をヘキサン130l/hr、エチレン9.40kg/hr、水素分子15.7Nl/hr、L-71 0.740g/hr、1-ヘキセン700g/hrとともに第2重合槽へ連続的に供給し、重合温度75.0℃、反応圧力0.570MPaG、平均滞留時間1.05hrの条件で引き続き重合を行い、重合体(Y3-1)を得た。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。第2重合槽においても重合槽内の液レベルが一定となるように重合槽内容物を連続的に抜き出した。1-ヘキセンを多量に含む重合体の生成など、意図しない重合を防止するために、第2重合槽から抜き出した内容物へメタノールを2.50l/hrで供給し、重合触媒を失活させた。その後、該内容物中のヘキサンおよび未反応モノマーを溶液分離装置で除去し、乾燥した。
前記重合体(X3-1)45質量%と前記重合体(Y3-1)55質量%とを混合することで、エチレン系重合体(PE-19-0)を得た。
得られたエチレン系重合体(PE-19-0)100質量部に対して、酸化防止剤として6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピンを0.12質量部、ステアリン酸カルシウムを0.03質量部配合した。その後、トミー社製の単軸押出機(スクリュー径65mmφ、L/D=28)を用い、設定温度200℃、樹脂押出量50kg/hrで造粒し、ペレット状のエチレン系重合体(PE-19-0)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-19-0)の樹脂物性を表11-1に示す。
(11-3-1)フィルムの製造
上記(11-2-1)で得られたエチレン系重合体(PE-19-0)を用いてフィルムを作製し、得られた物性を表11-1に示す。
[実施例37](エチレン系重合体:PE-19-1)
参考例11-1の(11-2-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例11-1の(11-1-1)~(11-2-1)と同様にして、エチレン系重合体(PE-19-1)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-19-1)の樹脂物性を表11-1に示す。
化石燃料由来のエチレン系重合体(PE-19-0)に替えて得られたエチレン系重合体(PE-19-1)を用いて、参考例11-1の(11-3-1)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表11-1に示す。
[実施例38](エチレン系重合体:PE-19-2)
参考例11-1の(11-2-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例11-1の(11-1-1)~(11-2-1)と同様にして、エチレン系重合体(PE-19-2)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-19-2)の樹脂物性を表11-1に示す。
化石燃料由来のエチレン系重合体(PE-19-0)に替えて得られたエチレン系重合体(PE-19-2)を用いて、参考例11-1の(11-3-1)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表11-1に示す。
Figure 2024005095000022
[参考例11-2](化石燃料由来エチレン系重合体:PE-20-0)
(11-1-2)固体触媒成分の調製
参考例11-1の(11-1-1)固体触媒成分の調製と同様に調整した。
(11-2-2)重合
第1重合槽に、ヘキサンを38.5l/hr、前記(11-1-2)で得られた固体触媒成分をジルコニウム原子に換算して0.035mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを8.5mmol/hr、エチレンを7.30kg/hr、水素分子を27.9Nl/hr、L-71を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定となるように重合槽内容物を連続的に抜き出しながら、重合温度74.9℃、反応圧力0.390MPaG、平均滞留時間3.48hrの条件で重合を行い、エチレン重合体(X3-2)を得た。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを用いた。第1重合槽から連続的に抜き出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
その後、前記内容物をヘキサン93.5l/hr、エチレン8.70kg/hr、水素分子14.6Nl/hr、L-71 0.740g/hr、1-ヘキセン580g/hrとともに第2重合槽へ連続的に供給し、重合温度74.7℃、反応圧力0.550MPaG、平均滞留時間1.40hrの条件で引き続き重合を行い、重合体(Y3-2)を得た。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-ヘキセンとして化石燃料由来1-ヘキセンを用いた。第2重合槽においても重合槽内の液レベルが一定となるように重合槽内容物を連続的に抜き出した。1-ヘキセンを多量に含む重合体の生成など、意図しない重合を防止するために、第2重合槽から抜き出した内容物へメタノールを2.50l/hrで供給し、重合触媒を失活させた。その後、該内容物中のヘキサンおよび未反応モノマーを溶液分離装置で除去し、乾燥した。
前記重合体(X3-2)45質量%と前記重合体(Y3-2)55質量%とを混合することで、エチレン系重合体(PE-20-0)を得た。
得られたエチレン系重合体(PE-20-0)100質量部に対して、酸化防止剤として6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピンを0.12質量部、ステアリン酸カルシウムを0.03質量部配合した。その後、トミー社製の単軸押出機(スクリュー径65mmφ、L/D=28)を用い、設定温度200℃、樹脂押出量50kg/hrで造粒し、ペレット状のエチレン系重合体(PE-20-0)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-20-0)の樹脂物性を表11-2に示す。
(11-3-2)フィルムの製造
上記(11-2-2)で得られたエチレン系重合体混合物(PE-20-0)を用いてフィルムを作製し、得られた物性を表11-2に示す。
[実施例39](エチレン系重合体:PE-20-1)
参考例11-2の(11-2-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例11-2の(11-1-2)~(11-2-2)と同様にして、エチレン系重合体(PE-20-1)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-20-1)の樹脂物性を表11-2に示す。
化石燃料由来のエチレン系重合体(PE-20-0)に替えて得られたエチレン系重合体(PE-20-1)を用いて、参考例11-2の(11-3-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表11-2に示す。
[実施例40](エチレン系重合体:PE-20-2)
参考例11-2の(11-2-2)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン3のみを用いた以外は、参考例11-2の(11-1-2)~(11-2-2)と同様にして、エチレン系重合体(PE-20-2)を得た。得られたエチレン系重合体(PE-20-2)の樹脂物性を表11-2に示す。
化石燃料由来のエチレン系重合体(PE-20-0)に替えて得られたエチレン系重合体(PE-20-2)を用いて、参考例11-2の(11-3-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表11-2に示す。
Figure 2024005095000023
[参考例12](化石燃料由来エチレン・1-オクテン共重合体:PE-21-0)
(12-1)重合
容積136リットルの連続重合器の一つの供給口に、脱水精製したn-ヘキサンを10.2l/hrの割合で、TMAO-341(東ソー・ファインケム社製)のヘキサンスラリー(アルミニウム原子として5mmol/l)を0.2l/hrの割合で、ジ(p―トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(0.1mmol/l)を0.02l/hrの割合で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(2mmol/l)を2.1l/hrの割合で連続的に供給した(合計ヘキサン12.5l/hr)。同時に連続重合器の別の供給口に、エチレンを4kg/hrの割合で、水素を10l/hrの割合で供給し、また別の供給口に1-オクテンを2kg/hrの割合で連続供給し、重合温度150℃、全圧3Mpa-G、滞留時間約75分、撹拌回転数250r.p.m.の条件下で連続溶液重合を行った。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-オクテンとして化石燃料由来1-オクテンを用いた。
重合器で生成したエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)のヘキサン溶液は、重合器側壁部に設けられた排出口を介して流量約22.4l/hrの割合で連続的に排出させ、ジャケット部が8kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導かれた。スチームジャケット付き連結パイプ内で170℃に加温されたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)のヘキサン溶液は、重合槽内溶液量約28リットルを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた液レベル制御バルブの開度の調節によって、10kg/cm2スチームで加熱された二重配管内管を通して連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、液レベル制御バルブの直後には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設され、1.0vol%へキサン希釈溶液として12l/hrの速度で注入されて該ヘキサン溶液に合流させた。フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が0.04MPa-G、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)の樹脂物性を表12に示す。
(12-2)フィルムの製造
上記(12-1)で得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)を用い、以下の成形条件で厚さ40μm、幅320mmの単層フィルムを製造した。
<成形条件>
モダンマシナリー製50mmφインフレーション成形機を用い、スクリューとしてバリアタイプスクリュー、ダイスは100mmφ(径)、2.0mm(リップ幅)のものを用い、エアーリングは2ギャップタイプ、押出量は28.8kg/hrとし、引取速度を20m/minとして成形した。
成形したフィルムを用い、全へイズ、内部ヘイズ、ダートインパクト強度およびエルメンドルフ引裂強度(MDおよびTD)を測定した。得られたフィルム物性を表12に示す。
[実施例41](エチレン・1-オクテン共重合体:PE-21-1)
参考例12の(12-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例12の(12-1)と同様にして、エチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-1)を得た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-1)の樹脂物性を表12に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)に替えて得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-1)を用いて、参考例12の(12-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表12に示す。
[実施例42](エチレン・1-オクテン共重合体:PE-21-2)
参考例12の(12-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例12の(12-1)と同様にして、エチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-2)を得た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-2)の樹脂物性を表12に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-0)に替えて得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-21-2)を用いて、参考例12の(12-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表12に示す。
Figure 2024005095000024
[参考例13](化石燃料由来エチレン・1-オクテン共重合体:PE-22-0)
(13-1)重合
容積136リットルの連続重合器の一つの供給口に、脱水精製したn-ヘキサンを8.1l/hrの割合で、TMAO-341(東ソー・ファインケム社製)のヘキサンスラリー(アルミニウム原子として5mmol/l)を0.2l/hrの割合で、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(0.1mmol/l)を0.02l/hrの割合で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(2mmol/l)を2.1l/hrの割合で連続的に供給した(合計ヘキサン10.4l/hr)。同時に連続重合器の別の供給口に、エチレンを4.5kg/hrの割合で、水素を30l/hrの割合で供給し、また別の供給口に1-オクテンを2.5kg/hrの割合で連続供給し、重合温度130℃、全圧3MPa-G、滞留時間70分、撹拌回転数250r.p.m.の条件下で連続溶液重合を行った。なお、エチレンとして化石燃料由来エチレンを、1-オクテンとして化石燃料由来1-オクテンを用いた。
重合器で生成したエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-0)のヘキサン溶液は、重合器側壁部に設けられた排出口を介して流量24l/hrの割合で連続的に排出させ、ジャケット部が8kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導かれた。スチームジャケット付き連結パイプ内で170℃に加温されたエチレン・1-オクテン共重合体のヘキサン溶液は、重合槽内溶液量約28リットルを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた液レベル制御バルブの開度の調節によって、10kg/cm2スチームで加熱された二重配管内管を通して連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、液レベル制御バルブの直後には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設され、1.0vol%ヘキサン希釈溶液として12l/hrの速度で注入されて該ヘキサン溶液に合流させた。フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が0.04MPa-G、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-0)の樹脂物性を表13に示す。
(13-2)フィルムの製造
上記(13-1)で得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-0)と高圧法低密度ポリエチレンを65mmφ単軸押出機(株式会社プラコー製)にて、設定温度180℃、スクリュー回転数50r.p.m.で溶融混練し、80重量%対20重量%の樹脂組成物とした後、ストランド状に押出し、カッターにてペレットとした。
得られたペレットを用いて、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、基材上にエアギャップ130mm、ダイ下樹脂温度
295℃、引取速度80m/minの条件下で、膜厚25μmになるよう押出ラミネートし、フィルムを形成した。成形したフィルムを用い、ヒートシール強度およびホットタック試験による剥離距離を測定した。得られた結果を表13に示す。
[実施例43](エチレン・1-オクテン共重合体:PE-22-1)
参考例13の(13-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレン40重量%と化石燃料由来エチレン60重量%とを含むエチレン混合物を用いた以外は、参考例13の(13-1)と同様にして、エチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-1)を得た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-1)の樹脂物性を表13に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-0)に替えて得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-1)を用いて、参考例13の(13-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表13に示す。
[実施例44](エチレン・1-オクテン共重合体:PE-22-2)
参考例13の(13-1)重合において、エチレンとして、化石燃料由来のエチレンに替えてケミカルリサイクル由来エチレンのみを用いた以外は、参考例13の(13-1)と同様にして、エチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-2)を得た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-2)の樹脂物性を表13に示す。
化石燃料由来のエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-0)に替えて得られたエチレン・1-オクテン共重合体(PE-22-2)を用いて、参考例13の(13-2)フィルムの製造にしたがってフィルムを作製した。得られたフィルムの物性を表13に示す。
Figure 2024005095000025
表1~13の結果から、本発明のエチレン系重合体(A)、エチレン系重合体混合物(A3)、エチレン系重合体(A)を含む樹脂組成物、およびエチレン系重合体混合物(A3)を含む樹脂組成物は、原料が化石燃料由来オレフィンである、環境負荷が大きい既存の化石燃料由来エチレン系重合体およびそのエチレン系重合体を含む樹脂組成物と同等の性能を有している。一方、本発明のエチレン系重合体(A)では、ケミカルリサイクル由来オレフィンのみを原料として得られるケミカルリサイクル由来エチレン系重合体を化石燃料由来エチレン系重合体で希釈することなく、任意の所望のケミカルリサイクル由来炭素濃度、任意の所望のケミカルリサイクル度とすることができる。本発明により、環境負荷を低減しつつ、コストを抑えて、環境負荷低減効果があるエチレン系重合体の普及を促進できる。

Claims (24)

  1. エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンから成る群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体であり、前記エチレン系重合体の原料に含まれるエチレンがケミカルリサイクル由来エチレン0.1重量%以上を含む、エチレン系重合体。
  2. 下記(i)~(ii)を満たす、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (i)エチレン系重合体の密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (ii)エチレン系重合体の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1500g/10分
  3. 上記エチレン系重合体が、下記(iii)~(iv)を満たすエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X1)20質量%以上80質量%以下と、
    (iii) 密度dx1が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (iv) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1,500g/10分
    下記(v)~(vi)を満たすエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y1)80質量%以下20質量%以上と、
    (v) 密度dy1が0.890g/cm3~0.960g/cm3
    (vi) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~500g/10分
    の混合物(ただし、前記重合体(X1)と前記重合体(Y1)との合計は100重量%である)であり、
    該エチレン系重合体は下記(vii)~(viii)を満たし、
    (vii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (viii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~60.0g/10分
    かつ、下記(iii’)および(iv’)から選ばれる少なくとも1つの条件を満たす、
    (iii’)前記重合体(X1)の密度が前記重合体(Y1)の密度よりも大きい。
    (iv’)前記重合体(X1)の上記MFRが前記重合体(Y1)の上記MFRよりも大きい。
    請求項1に記載のエチレン系重合体。
  4. 上記エチレン系重合体が、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(X2)5重量%以上95重量%以下と、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y2)5重量%以上95重量%以下との混合物(ただし、前記重合体(X2)と前記重合体(Y2)との合計は100質量%である)であるエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)であり、
    上記共重合体(X2)の密度dX2と上記共重合体(Y2)の密度dY2との比(dX2/dY2)が1未満であり、
    上記共重合体(X2)の極限粘度[ηX2]と上記共重合体(Y2)の極限粘度[ηY2]との比([ηX2]/[ηY2])が1以上であり、
    上記共重合体(X2)が下記(ix)~(xii)を満たし、
    (ix)密度dX2が0.890g/cm3~0.940g/cm3
    (x)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηX2]が1.0~10.0dl/g
    (xi)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dX2)とが、Tm<400×dX2-250を満たす。
    (xii)室温におけるデカン可溶部(W(重量%))と密度(dX2)とが、
    W<80×exp(-100(dX2-0.88))+0.1を満たす。
    上記共重合体(Y2)が下記(xiii)~(xv)を満たし、
    (xiii)密度dY2が0.910g/cm3~0.970g/cm3
    (xiv)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηY2]が0.5~2.0dl/g
    (xv)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dY2)とが、Tm>138×dY2-6を満たす。
    上記共重合体(A2-2)の密度が0.890~0.955g/cm3の範囲であり、
    該共重合体(A2-2)の190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1~100g/10分の範囲を満たす、
    請求項1に記載のエチレン系重合体。
  5. 請求項4に記載のエチレン系重合体と、
    下記(xvi)~(xvii)を満たす高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(D)とを含み、
    (xvi)190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1g/10分~50g/10分
    (xvii)GPC測定により得られた分子量分布(Mw/Mn)と上記MFRとが、下記関係を満たす。
    Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-1.2
    前記エチレン系重合体(A2-2)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比 (A2-2):(D)が99:1~60:40の範囲内にある、
    エチレン系重合体混合物。
  6. 上記エチレン系重合体が下記(xviii)~(xxii)を満たす、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (xviii) 13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量[MMe+Et(mol%)]と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量[Mall(mol%)]との比[MMe+Et/Mall]が0.30~1.00の範囲である。
    (xix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxi) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が1.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
    (xxii) 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-1)を満たす。
    0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1)
  7. 上記エチレン系重合体が下記(xxiii)~(xxviii)を満たす、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (xxiii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxiv) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxv) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が2.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
    (xxvi)13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
    (xxvii)200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-2)を満たす。
    0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2)
    (xxviii) GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.30~1.0×104.50
  8. 上記エチレン系重合体が、下記(xxix)~(xxxii)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体である、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (xxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxxi) 13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
    (xxxii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[[η](dl/g)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-3)を満たす。
    0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 (Eq-3)
  9. 上記エチレン系重合体が、下記(xxxiii)~(xxxv)を満たす、エチレン系重合体(X3)30質量%以上85質量%以下と、
    (xxxiii) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηX3])が0.50dl/g~1.50dl/g
    (xxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0~8.0
    (xxxv) 密度dX3が0.940g/cm3~0.980g/cm3
    下記(xxxvi)~(xxxviii)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(Y3)15質量%以上70質量%以下と、
    (xxxvi) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηY3])が2.0dl/g~8.0dl/g
    (xxxvii) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0~15.0
    (xxxviii) 密度dY3が0.910g/cm3~0.950g/cm3(ただし、密度dX3≧密度dY3
    の混合物(ただし、前記重合体(X3)と前記重合体(Y3)との合計は100質量%である)であり、
    該エチレン系重合体は下記(xxxix)~(xxxxi)を満たす、
    (xxxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~20g/10分
    (xxxx) 密度が0.930g/cm3~0.960g/cm3
    (xxxxi) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下
    請求項1に記載のエチレン系重合体。
  10. 上記エチレン系重合体が下記(xxxxii)~(xxxxiv)を満たす、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体である、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (xxxxii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxxxiii) 密度が0.890g/cm3~0.925g/cm3
    (xxxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.50~3.00
  11. エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体の製造方法であり、
    エチレンを含む原料を重合器に供給し、重合触媒により重合する工程を含み、該原料に含まれるエチレンがケミカルリサイクル由来エチレン0.1重量%以上を含む、エチレン系重合体の製造方法。
  12. 上記エチレン系重合体が下記(i)~(ii)を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (i) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (ii) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.1g/10分~200g/10分
  13. 下記(iii)~(iv)を満たすエチレン系重合体(X1)20質量%以上80質量%以下を重合する工程(x1)と、
    (iii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (iv) 190℃、2.16kg荷重におけるメルト・フロー・レート(MFR)が0.01g/10分~1,500g/10分
    下記(v)~(vi)を満たすエチレン系重合体(Y1)80質量%以下20質量%以上(ただし、前記重合体(X1)と前記重合体(Y1)との合計は100重量%である)を重合する工程(y1)とを含み、
    (v) 密度が0.890g/cm3~0.960g/cm3
    (vi) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~500g/10分
    上記工程(x1)および(y1)を経て得られるエチレン系重合体が、下記(vii)~(viii)を満たす、
    (vii) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (viii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~60.0g/10分
    請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  14. エチレン系重合体が、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)であり、
    該共重合体(A2-2)の製造方法が、
    エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、下記(ix)~(xii)を満たす、共重合体(X2)5重量%以上95重量%以下を作製する工程(x2)と、
    (ix)密度dX2が0.890g/cm3~0.940g/cm3
    (x)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηX2]が1.0~10.0dl/g
    (xi)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dX2)とが、Tm<400×dX2-250を満たす。
    (xii)室温におけるデカン可溶部(W(重量%))と密度(dX2)とが、
    W<80×exp(-100(dX2-0.88))+0.1を満たす。
    エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合して、下記(xiii)~(xv)を満たす、共重合体(Y2)5重量%以上95重量%以下を作製する工程(y2)とを含み、
    (xiii)密度dY2が0.910g/cm3~0.970g/cm3
    (xiv)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[ηY2]が0.5~2.0dl/g
    (xv)示差走査熱量計により測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度(dY2)とが、Tm>138×dY2-6を満たす。
    上記共重合体(X2)の密度dX2と上記共重合体(Y2)の密度dY2との比(dX2/dY2)が1未満であり、
    上記共重合体(X2)の極限粘度[ηX2]と上記共重合体(Y2)の極限粘度[ηY2]との比([ηX2]/[ηY2])が1以上であり、
    得られる共重合体(A2-2)の密度が0.890~0.955g/cm3の範囲であり、
    該共重合体(A2-2)の190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1~100g/10分の範囲を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  15. 請求項14に記載の製造方法で得られた、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共重合体(A2-2)と、
    下記(xvi)~(xvii)を満たす高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(D)とを、
    (xvi)MFRが0.1g/10分~50g/10分
    (xvii)GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn)とMFRとが、Mw/Mn≧7.5×log(MFR)-1.2
    エチレン系重合体(A2-2)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)との重量比が99:1~60:40の範囲となるように溶融混練して、
    エチレン系重合体(A2-2)および高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(D)を含むエチレン系重合体混合物を製造する方法。
  16. エチレン系重合体が下記(xviii)~(xxii)を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (xviii) 13C-NMRにより測定されたメチル分岐とエチル分岐との含有量[MMe+Et(mol%)]と、13C-NMRにより測定されたすべての分岐の含有量[Mall(mol%)]との比[MMe+Et/Mall]が0.30~1.00の範囲である。
    (xix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxi) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が1.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
    (xxii) 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-1)を満たす。
    0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-1)
  17. エチレン系重合体が下記(xxiii)~(xxviii)を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (xxiii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxiv) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxv) 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が2.50×10-4~9.00×10-4の範囲である。
    (xxvi)13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
    (xxvii)200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-2)を満たす。
    0.01×10-13×Mw3.4≦η0≦4.50×10-13×Mw3.4 (Eq-2)
    (xxviii) GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.30~1.0×104.50
  18. エチレン系重合体が下記(xxix)~(xxxii)を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (xxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxx) 密度が0.890g/cm3~0.970g/cm3
    (xxxi) 13C-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数[A(/1000C)]とエチル分岐数[B(/1000C)]との和[(A+B)(/1000C)]が1.8以下
    (xxxii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[[η](dl/g)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-3)を満たす。
    0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 (Eq-3)
  19. 下記(xxxiii)~(xxxv)を満たすエチレン系重合体(X3)30質量%以上85質量%以下を重合する工程(x3)と、
    (xxxiii) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηX3])が0.50dl/g~1.50dl/g
    (xxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0~8.0
    (xxxv) 密度dX3が0.940g/cm3~0.980g/cm3
    下記(xxxvi)~(xxxviii)を満たすエチレン系重合体(Y3)15質量%以上70質量%以下(ただし、前記重合体(X3)と前記重合体(Y3)との合計は100質量%である)を重合する工程(y3)を含み、
    (xxxvi) 135℃のデカリン中にて測定した極限粘度([ηY3])が2.0dl/g~8.0dl/g
    (xxxvii) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0~15.0
    (xxxviii) 密度dY3が0.910g/cm3~0.950g/cm3(ただし、密度dX3≧密度dY3
    上記工程(x3)および(y3)を経て得られるエチレン系重合体(A2-3)が下記(xxxix)~(xxxxi)を満たす、
    (xxxix) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.01g/10分~20g/10分
    (xxxx) 密度が0.930g/cm3~0.960g/cm3
    (xxxxi) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下
    請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  20. エチレン系重合体が下記(xxxxii)~(xxxxiv)を満たす、請求項11に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (xxxxii) 190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10分~100g/10分
    (xxxxiii) 密度が0.860g/cm3~0.925g/cm3
    (xxxxiv) GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.50~3.00
  21. 請求項1~4、および6~10のいずれか1項に記載のエチレン系重合体を含む樹脂組成物。
  22. 請求項5に記載のエチレン系重合体混合物を含む樹脂組成物。
  23. 請求項1~4、および6~10のいずれか1項に記載のエチレン系重合体からなる成形体。
  24. 請求項5に記載のエチレン系重合体混合物からなる成形体。
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