JP2024004420A - 交差構造 - Google Patents

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憲峰 大倉
Kenho Okura
義邦 大倉
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Abstract

【課題】木造建築の骨格を構成する柱と梁など、交差する二部材を剛接合することができ、部材の経年変形を抑制可能であり、美観にも配慮された交差構造の提供。【解決手段】直立材71に設けた貫通穴78に横行材81を差し込む交差構造は、貫通穴78に底板11と押圧板21と天井板31を収容し、底板11と押圧板21で横行材81を挟み込み、押圧板21と天井板31との隙間にクサビ51を配置し、一対のクサビ51を連結ボルト64で互いに接近させることで、押圧板21と天井板31との隙間が増大して押圧板21が横行材81に密着し、直立材71と横行材81を剛接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築の骨格を構成する柱と梁など、交差する二部材を剛接合するための交差構造に関する。
神社の入り口などに設置される鳥居は、二本の柱の上部を笠木などで結んだ門型構造になっており、笠木のやや下方には、強度を確保するため、貫と称される部材を配置することがある。この貫を架空で保持するため、柱の上部側面には穴を設けてあるが、この穴の縦断面は、貫よりもやや大きくなっている。そのため貫を差し込んだ後も穴に余裕空間が残っており、そこにクサビを打ち込むことで、柱と貫が剛接合された状態になる。このように、クサビを打ち込むことで部材同士を剛接合する技術は、木造建築でも広く導入されており、その具体例として後記の特許文献が挙げられる。
特許文献1では、回転剛性の低下を抑制可能な貫接合構造が開示されており、ここでは、十字状に交差する柱と貫を接合することを想定しており、この柱には、その両側面を貫く貫穴を設けてあり、そこに貫を差し込んでいる。貫穴の縦断面は、貫を余裕で差し込むことのできる大きさを確保してあり、貫を差し込んだ後、貫穴に残る余裕空間を埋めるように第一楔と第二楔を差し込むが、この二個の楔は、柱を挟んで対向するように配置する。さらにこの対向する楔は、ボルトとナットとからなる連結構造を介して互いに引き寄せ合う状態になるため、楔の抜けを防ぐことができ、地震に遭遇した場合でも、回転剛性の低下を抑制可能である。
また特許文献2では、柱と貫との交差構造において、一対の楔を向かい合うように配置する場合において、この一対の楔が相手方の挙動に影響されることなく、柱の中心に向けて押し込むことができる自動貫入装置付楔が開示されている。前記の特許文献1では、対向する楔をボルトなどで連結しているが、その場合、繰り返しの水平荷重を受けて柱の傾斜が大きくなった際、ボルトに変形を生じてしまい、互いに引き寄せ合う状態を維持できなくなる恐れがある。そこでこの文献では、個々の楔の背後に圧縮バネと固定部を配置することを提案しており、この固定部はL字状の金属板であり、その一辺側を貫の上面に固定した上、楔と固定部との間に圧縮バネを挟み込み、その反力で楔を押し込んでいる。これにより、柱の傾斜が大きくなった際も、対向する楔は、相手方の挙動に影響されることがなく、本来の機能を維持することができる。
特開2010-7436号公報 特開2016-56647号公報
伝統的な木造建築では、採光や通気や防犯などのため、その正面部分などが格子構造になっていることがある。この格子構造は、伝統的な木造建築を象徴するデザインとして広く認識されており、新たに施工される建築物においても、美観の向上などを目的として格子構造を取り入れ、その幾何学的な模様を意図的に視認可能な状態にすることがある。その場合、建築物の骨格となる部材同士の交差箇所では、強度を確保するため、前記の両特許文献のように、双方を剛接合することがある。
このように、部材同士が交差する箇所を剛接合した場合において、双方の接触面に大きな圧縮荷重が常時作用すると、歳月の経過によってこの面が徐々に陥没していき、やがて部材同士の接触面に緩みを生じ、剛接合を維持できなくなる恐れがある。なお部材の木口面は、圧縮荷重による陥没を生じにくいため、緩みも生じにくい。しかし部材の側面は、木口面に対して直交しているため、そこに圧縮荷重が作用した場合、木目同士の間隔が押し潰されるような変形を生じやすく、必然的に陥没の可能性が高くなり、何らかの対策が必要である。そのほか部材同士の交差箇所は、施工後も視認可能な状態になる場合があるため、美観にも配慮することが望ましく、加えて施工作業を円滑に実施できることも重要である。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、木造建築の骨格を構成する柱と梁など、交差する二部材を剛接合することができるほか、部材の経年変形を抑制可能であり、しかも美観にも配慮された交差構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、直立材と横行材との交差構造であって、前記直立材の側面には、前記横行材を差し込むための貫通穴を設けてあり、前記貫通穴の最下部には、前記横行材を載せるための底板を配置してあり、また該貫通穴の最上部には、前記直立材に取り付けられる天井板を配置してあり、前記横行材の上面には押圧板を載せてあり、該押圧板は、前記天井板と隙間を隔てて対向しており、前記押圧板と前記天井板との隙間には、前記貫通穴の中間地点を挟んで対向するようにクサビを配置してあり、前記押圧板と前記天井板の両方またはいずれか一方には、対向するように配置された前記クサビが互いに接近することで該押圧板を押し下げることのできる傾斜面を設けてあり、対向する前記クサビは、連結ボルトを介して互いに引き寄せ合う状態にすることで、押し下げられた前記押圧板が前記横行材に密着し、前記横行材には、前記底板と前記押圧板の両方と接触する埋設具を埋め込んであることを特徴とする。
本発明は、木造建築などで使用される二本の部材が交差する箇所において、双方を剛接合するための技術であり、この二本の部材のうち、一方を直立材と称し、残る一方を横行材と称するものとするが、いずれも木製(集成材を含む)の棒材であり、直立材や横行材の長手方向は、素材となる樹木の上下方向と一致しており、直立材や横行材の端面が木口面になる。また直立材の側面には、横行材を差し込むため、貫通穴を設けるものとする。したがって横行材は、直立材よりも細くなり、貫通穴に横行材を差し込むと、直立材と横行材は十字状に交差することになる。そのほか直立材は、原則として垂直方向に沿って配置され、対する横行材は、水平方向に沿って配置されるが、これらの姿勢や交角については、自在に変更可能であり、直立材と横行材の双方が傾いている場合もあれば、全体が横倒しになることもあり得る。
底板と押圧板と天井板は、いずれも貫通穴に収容され、且ついずれも貫通穴から突出することのない大きさとする。そして底板は、貫通穴の最下部に嵌まり込むように配置し、その上面に横行材を載せる形態になるが、その脱落を防ぐため、何らかの手段で直立材と横行材のいずれかに取り付ける。また天井板は、貫通穴の最上部に嵌まり込むように配置した上、ネジ釘などを介して直立材に取り付ける。そのほか押圧板は、横行材の上面に載るように配置した上、何らかの手段で横行材に取り付ける。そのため押圧板と天井板は、隣接することになるが、双方は、接触することなく所定の隙間を確保できるよう、貫通穴の高さを調整する。なお底板と押圧板と天井板は、いずれも金属など、圧縮荷重に耐えることのできる硬質の素材を使用する。
クサビは、押圧板と天井板との隙間に配置し、押圧板と天井板との隙間を増大させる役割を担い、金属片をクサビ形状(台形を横倒しにしたような形状)に仕上げたものである。そしてクサビは、直立材の一側面とその反対面の両方から一個ずつ貫通穴に収容することになるが、この計二個のクサビは、貫通穴の中間地点(直立材の真ん中)を挟んで対向し、且つ一直線上に並ぶように配置する。その際、クサビの下部は押圧板に接触し、クサビの上部は天井板に接触する。さらに一直線上に並ぶ二個一対のクサビは、一組だけを配置する場合もあれば、横並びで複数組を配置する場合もある。
クサビが本来の機能を発揮できるよう、押圧板や天井板において、クサビと接触する箇所には傾斜面を設ける。この傾斜面は、貫通穴の奥方に向かうに連れ、押圧板と天井板との隙間が狭くなるような傾斜を持たせた面であり、それにより、クサビが貫通穴の奥方に移動することで、押圧板と天井板との隙間を増大させることになる。当然ながらこの傾斜面は、クサビの形状に対応させる必要があり、押圧板と天井板の双方に傾斜面を設けることもあれば、いずれか一方だけに設けることもある。また押圧板や天井板は、その製造時、傾斜面の加工を簡素化するなどの目的から、二個に分割することがある。
連結ボルトは、一直線上に並んで対向する二個一対のクサビを互いに接近させるために使用され、一対のクサビを貫くように配置する。そしてクサビには、連結ボルトを差し込むため、中穴などを設ける。なお連結ボルトとして全ネジボルトを使用する場合、その両端部をクサビの中穴に差し込み、その反対側から突出した連結ボルトの両端部にナットを螺合させ、双方のナットを均等に締め付けていくと、一対のクサビが互いに引き寄せ合う状態になり、次第に接近していく。また連結ボルトとして頭付ボルトを使用する場合、一方のクサビの中穴をメネジに置き換えることもあり得る。このように連結ボルトは、様々な形態を導入可能である。
埋設具は、横行材に埋め込む金属棒であり、横行材の底面と上面を結ぶように配置する。そのため埋設具の下端面は底板に接触し、上端面は押圧板に接触することになり、底板と押圧板を接近させるような圧縮荷重は、横行材に伝達されることなく、埋設具を介して伝達され、横行材の底面や上面が陥没することを防ぐ。なお横行材の底面や上面は、必然的に木口面と直交しており、そこに底板と押圧板から圧縮荷重が作用すると、木目同士の間隔が押し潰されるような状態になり、陥没を生じやすくなるが、埋設具により、これを抑制することができる。
埋設具の具体例については、ラグスクリューや異形棒鋼やシャフトなど、様々なものを自在に選択可能である。仮にラグスクリューを使用する場合、その凸条が横行材に食い込み、割れなどを抑制する効果を期待できる。また埋設具は、圧縮荷重を確実に伝達できるよう、複数本を分散して配置することが多い。そのほか埋設具が横行材の底面や上面から突出すると、底板と押圧板で横行材を挟み込むことができなくなり、横行材の保持に緩みが生じるため、埋設具の長さについては十分に管理する必要がある。
このように、直立材と横行材との交差構造において、直立材に設けた貫通穴に横行材を差し込み、さらに貫通穴には底板と押圧板と天板を収容し、底板と押圧板で横行材を挟み込むほか、押圧板と天井板との隙間にはクサビを配置し、対向する一対のクサビを連結ボルトで互いに接近させることで、押圧板と天井板との隙間が増大していき、押圧板が横行材に密着するため、直立材と横行材を剛接合することができる。しかも横行材には、底板と押圧板の双方に接触する埋設具を埋め込むことで、横行材に作用する圧縮荷重が緩和されるため、横行材の底面や上面の陥没を抑制することができる。
請求項2記載の発明は、クサビ周辺の構成を特定するものであり、押圧板と天井板の両方またはいずれか一方には、クサビが嵌まり込む案内溝を形成してあり、クサビは案内溝に沿って移動することを特徴とする。この案内溝は、貫通穴を貫く方向に沿って伸びている必要があり、連結ボルトによる引き寄せを行った際、個々のクサビは案内溝に沿って貫通穴の奥方に移動していく。必然的に案内溝は、押圧板と天井板のいずれか一方だけに設けた場合でも、その役割を果たすことができる。なおクサビの移動により、押圧板と天井板との隙間を増大できるよう、案内溝の底部を傾斜面とすることがある。
請求項3記載の発明は、クサビなどの配置に関するものであり、クサビと連結ボルトのいずれも、貫通穴に収容してあることを特徴とする。前記のように、押圧板と天井板には隙間を確保してあり、そこにクサビが挟み込まれる。そこでこの発明のように、クサビと連結ボルトを貫通穴に収容することで、直立材と横行材の表面からは、部品が全く突出していない状態にすることができる。そのため直立材と横行材との交差箇所では、何らの対策を講じることなく、直立材や横行材の表面に沿って床板や壁材などを隙間なく敷設できるほか、交差構造が視認可能な場合において、美観を損ねることがない。
請求項1記載の発明のように、直立材と横行材との交差構造において、直立材に設けた貫通穴に横行材を差し込み、さらに貫通穴には底板と押圧板と天井板を収容し、底板と押圧板で横行材を挟み込むほか、押圧板と天井板との隙間にはクサビを配置し、対向する一対のクサビを連結ボルトで互いに接近させることで、押圧板と天井板との隙間が増大していき、押圧板が横行材に密着するため、直立材と横行材を剛接合することができる。しかも横行材には、底板と押圧板の双方に接触する埋設具を埋め込むことで、横行材に作用する圧縮荷重が緩和されるため、横行材の底面や上面の陥没を抑制することができ、歳月が経過した後も、直立材と横行材との剛接合を維持することができる。
請求項2記載の発明のように、押圧板と天井板の両方またはいずれか一方には、クサビが嵌まり込む案内溝を形成することで、クサビは、緩みなく滑らかに移動することができる。そのため、クサビの角部などが押圧板や天井板に食い込んでしまい、クサビの移動を妨げるといった不具合を避けることができ、施工作業を円滑に実施できる。さらに何らかの理由で交差構造を解体する場合においても、無理なくクサビを取り外すことができる。そのほか案内溝の底部だけを傾斜面とすることが可能であり、押圧板や天井板の製造時、複雑な切削加工を行う面積を抑制することができる。
請求項3記載の発明のように、クサビと連結ボルトのいずれも、貫通穴に収容することで、直立材と横行材の表面からは、部品が全く突出していない状態にすることができる。そのため直立材と横行材との交差箇所では、何らの対策も講じることなく、直立材や横行材の表面に沿って床板や壁材などを隙間なく敷設できるほか、交差構造を視認可能な場合において、美観を損ねることがない。そのほかクサビを貫通穴に収容することで、必然的に連結ボルトの長さが抑制されるため、地震などによる外力を受けた後においても、一対のクサビが互いに引き寄せ合う機能を維持することができる。
本発明による直立材と横行材との交差構造の具体例を示す斜視図であり、直立材の側面を貫くように横行材が差し込まれる。 図1の横行材に底板と押圧板を取り付けていく過程を示す斜視図であり、図の上方では底板を取り付けており、図の下方では押圧板を取り付けている。 図2の後、直立材に横行材を差し込んでいく過程を示す斜視図であり、図の上方は差し込みの直前であり、図の下方は差し込み後だが、いずれも内部構造を示すため、直立材を半割で描いてある。 図3の後、直立材と横行材が剛接合された最終段階を示す斜視図である。なお図の上方は、内部構造を示すため、一部を縦断面で描いたものである。 図1とは異なる交差構造の一例を示す斜視図である。 図5の直立材と横行材を剛接合した状態を示す斜視図である。なお図の下方では、クサビとその周辺の部品だけを抜き出した状態を描いてある。
図1は、本発明による直立材71と横行材81との交差構造の具体例を示しており、直立材71の側面を貫くように横行材81が差し込まれる。そして直立材71は、垂直方向に沿って配置される木材であり、また横行材81は、水平方向に沿って配置される木材であり、直立材71の側面には、横行材81を差し込むため、貫通穴78を加工してある。当然ながら貫通穴78は、直立材71の両側面を貫いているが、その高さは、横行材81に対して十分な余裕を確保してある。対して貫通穴78の横幅は、横行材81を緩みなく挟み込むことのできる大きさとしてあり、実際に貫通穴78に横行材81を差し込んだ際は、直立材71と横行材81が十字状に交差する。
横行材81において、貫通穴78に収容される区間には、その底面と上面を貫く下穴84を四箇所に加工してあり、個々の下穴84に埋設具41を埋め込む。そしてこの図での埋設具41にはラグスクリューを使用しており、その側周面には凸条44が突出している。凸条44は螺旋状に伸びており、これが下穴84の内周面に食い込むことで、埋設具41は横行材81と強固に一体化される。また埋設具41の上端部には、六角形の頭部を設けてあり、埋め込みの際は、そこに工具を掛けて全体を回転させることになる。そのほか埋設具41の上下両方の端面中心には、メネジ46を設けてある。なお埋設具41の長さは、横行材81の高さに揃えてあり、下穴84と埋設具41の双方の端面は、上下のいずれも段差なく揃うものとする。
貫通穴78には横行材81が差し込まれるほか、底板11と押圧板21と天井板31などが収容される。そしてこの図での底板11と押圧板21と天井板31は、いずれも金属製を想定しており、そのうち底板11は、貫通穴78の最下部に配置され、その上面に横行材81を載せる。しかも底板11の大きさは、貫通穴78の長さと横幅に一致させてあり、底板11の全体が貫通穴78に収容される。また底板11を横行材81に取り付けるため、底板11の四隅には固定穴16を設けてある。固定穴16は、横行材81の下穴84と同心に揃うように配置してあり、底板11の下方から埋設具41のメネジ46に向け、固定ボルト66を差し込んでいく。なお固定ボルト66の頭部を底板11に埋め込むため、固定穴16の入り口側は内径を拡大させてある。
押圧板21は、横行材81の上面に載せることで下穴84や埋設具41を覆い隠す。なおこの図での押圧板21は、二個に分割されているが、いずれも同一形状であり、そのうち一方は、直立材71の一側面から貫通穴78に収容し、残る一方は、反対面から貫通穴78に収容する。また個々の押圧板21の上面には、二列の案内溝25を形成してある。案内溝25は、貫通穴78の長手方向に沿って伸びているが、その底部は傾斜面になっている。そして、二個の押圧板21が貫通穴78に収容された状態において、案内溝25は、貫通穴78の奥方に向かうに連れて深さが減るように配置する。さらに押圧板21は、ネジ釘76を介して横行材81に取り付ける。そのため押圧板21には、ネジ釘76を差し込むため、それぞれ六箇所に固定穴26を設けてある。そのほか案内溝25の下方には、埋設具41が配置されるため、固定ボルト66を介して押圧板21を埋設具41に取り付けることが難しく、押圧板21と埋設具41は、単に接触するだけである。
天井板31は、貫通穴78の最上部に取り付けるが、この図では二個に分割されているほか、案内溝35を形成してあり、押圧板21と同一形状としてある。ただし天井板31は、押圧板21に対して上下反転させて使用するため、押圧板21と天井板31では、双方の案内溝25、35が対向するほか、天井板31が貫通穴78に収容された状態において、天井板31の案内溝35は、貫通穴78の奥方に向かうに連れ、深さが減るように配置する。また天井板31は、ネジ釘76を介して直立材71に取り付ける。そのため天井板31にも、ネジ釘76を差し込むため、固定穴36を設けてある。なおこの図では、製造工程の簡素化などを目的として押圧板21と天井板31のいずれも、二個に分割してあり、しかも押圧板21と天井板31の計四個は、全て同一形状であり、配置に応じて個々の姿勢を変えている。
クサビ51は、押圧板21と天井板31との隙間に配置し、双方の案内溝25、35に嵌まり込む金属の塊だが、クサビ51の底面と上面は傾斜面としてあり、台形を横倒しにしたような形状である。そしてクサビ51は、直立材71の一側面と反対面の双方から貫通穴78に収容し、双方のクサビ51の先細り側が向かい合うように配置するため、クサビ51は二個で一対になり、この二個を互いに接近させていくと、案内溝25、35とクサビ51の傾斜面により、押圧板21と天井板31との隙間が増大し、押圧板21が横行材81に密着する。なおこの荷重は、埋設具41を介して底板11から直立材71にも伝達される。
二個で一対となるクサビ51は、案内溝25、35に沿って一直線上に並んでおり、双方を引き寄せ合うため、連結ボルト64を使用している。連結ボルト64は、単純な丸棒状の全ネジボルトであり、またクサビ51には、連結ボルト64を差し込むため、中穴54を設けてあり、中穴54から突出した連結ボルト64の端部には、ナット67を螺合させる。したがって両端部のナット67を均等に締め付けると、対向するクサビ51が互いに接近していく。なお一個の押圧板21や天井板31には、二列の案内溝25、35を形成してある。そのためこの図では、二個一対のクサビ51を二組使用することになり、必然的に連結ボルト64も二本が並ぶことになる。
横行材81の下穴84に埋設具41を埋め込んだ後、横行材81の底面には、固定ボルト66を介して底板11を取り付けるほか、横行材81の上面には、ネジ釘76を介して二個の押圧板21を取り付け、底板11と押圧板21で横行材81を挟み込む。また貫通穴78の最上部には、ネジ釘76を介して二個の天井板31を取り付ける。その後、横行材81を貫通穴78に差し込み、底板11や押圧板21を貫通穴78に収容し、さらに、押圧板21と天井板31の双方の案内溝25、35を結ぶようにクサビ51を嵌め込み、対向する一対のクサビ51を連結ボルト64で互いに接近させると、押圧板21が横行材81に密着し、直立材71と横行材81が剛接合される。
このように、押圧板21が横行材81に密着した際、底板11と押圧板21によって横行材81に作用する圧縮荷重は、横行材81の木目同士の間隔を押し潰すような状態になり、陥没を生じやすいため、歳月の経過により、剛接合を維持できなくなる恐れがある。しかし実際には、埋設具41で横行材81の陥没が抑制されるため、剛接合を維持できることになる。なおクサビ51によって発生する圧縮荷重は、底板11と天井板31を介して直立材71にも伝達されるが、底板11や天井板31は、直立材71の木口面に接触するため、直立材71の木目同士の間隔が押し潰されることもなく、必然的に陥没が抑制される。
図2は、図1の横行材81に底板11と押圧板21を取り付けていく過程を示しており、図の上方では底板11を取り付けており、図の下方では押圧板21を取り付けている。この図では、既に横行材81の下穴84に埋設具41を埋め込んであるが、埋設具41の長さは横行材81の高さに合わせてあり、埋設具41の下端面は横行材81の底面と段差なく並ぶほか、埋設具41の上端面は横行材81の上面と段差なく並ぶ。そして横行材81の底面に底板11を接触させ、その固定穴16を埋設具41のメネジ46と同心に揃えた後、固定穴16からメネジ46に向けて固定ボルト66を差し込むと、底板11が横行材81に取り付けられる。なお固定ボルト66の頭部は、底板11に埋め込まれる。
横行材81の上面には、埋設具41を覆い隠すように二個の押圧板21を載せ、さらに二個の押圧板21は、底板11と段差なく上下に並ぶように位置調整を行い、その後、押圧板21の固定穴26にネジ釘76を差し込み、押圧板21を横行材81に取り付ける。なおネジ釘76は、埋設具41と接触しないように配置してある。そのほか埋設具41の上方には、案内溝25が配置されるため、押圧板21を埋設具41に取り付けることが難しく、押圧板21と埋設具41は、単に接触するだけである。
一個の押圧板21は、底板11の半分よりも小さいため、二個の押圧板21には隙間が確保されることになる。また個々の押圧板21には、二列の案内溝25を形成してあるが、隣接する二個の押圧板21において、双方の案内溝25は一直線上に並んでいる。さらに二個の押圧板21の隙間部分から見て、案内溝25の傾斜面は下向きに揃えてある。なおこの図のように、横行材81には、初期の段階で底板11と押圧板21を取り付けることができ、現地での作業を削減することができる。
図3は、図2の後、直立材71に横行材81を差し込んでいく過程を示しており、図の上方は差し込みの直前であり、図の下方は差し込み後だが、いずれも内部構造を示すため、直立材71を半割で描いてある。この図のように、直立材71の貫通穴78の最上部には、ネジ釘76を介して天井板31を取り付ける。天井板31は、押圧板21と同様、二個が隙間を確保された状態で並んでおり、その外縁は、直立材71の側面に揃えてある。また二個の天井板31の隙間部分から見て、天井板31の案内溝35の傾斜面は上向きに揃えてある。そして天井板31を取り付けた後、貫通穴78に横行材81を差し込んでいくが、この段階では、余裕で横行材81を差し込むことができる。
図の下方のように、横行材81に取り付けられた底板11や押圧板21が貫通穴78に収容されると、押圧板21と天井板31が隙間を隔てて対向するほか、双方の案内溝25、35は、貫通穴78の奥方に向かうに連れ、徐々に上下の間隔が狭くなっていく。そして、直立材71を挟んで対向するようにクサビ51を配置した後、クサビ51を案内溝25、35に嵌め込み、さらにクサビ51の中穴54に連結ボルト64を差し込み、対向するクサビ51を結ぶように連結ボルト64を配置するほか、中穴54から突出した連結ボルト64の端部にナット67を螺合させる。その後、両端部のナット67を均等に締め付けると、対向するクサビ51が互いに接近していく。なおここでは、一対のクサビ51を二組使用しており、連結ボルト64も二本になる。
図4は、図3の後、直立材71と横行材81が剛接合された最終段階を示している。なお図の上方は、内部構造を示すため、一部を縦断面で描いたものである。連結ボルト64とナット67により、対向するクサビ51を互いに接近させていくと、クサビ51と案内溝25、35との接触により、押圧板21と天井板31との隙間が増大し、押圧板21が横行材81に密着するため、直立材71と横行材81が剛接合される。
このように、直立材71と横行材81が剛接合された段階では、底板11と押圧板21と天井板31とクサビ51と連結ボルト64とナット67のいずれも、貫通穴78に収容されており、直立材71や横行材81の表面からは、一切の部品が突出していない。そのため直立材71と横行材81との交差箇所では、床板などを隙間なく敷設することができるほか、一連の部品を覆い隠すことも容易である。
図5は、図1とは異なる交差構造の一例を示している。ここでは埋設具42として金属製のシャフトを使用しているほか、クサビ52は一組だけとしており、さらに天井板32は平面状の金属板に置き換えている。埋設具42については、横行材81の底面と上面との間に作用する圧縮荷重を伝達できるならば、どのような形態でも構わないため、この図では丸棒状のシャフトを使用しているが、当然ながらその長さは、横行材81の高さに揃えてある。また埋設具42の上下両端面にはメネジ46を設けてあり、固定ボルト66を介して底板11や押圧板22を取り付けることができる。
押圧板22は二分割されており、個々の押圧板22の中央には一列の案内溝25を形成してあり、二個の押圧板22は、隙間を確保して配置することになるが、この隙間部分から見て、案内溝25の傾斜面は下向きに揃えてある。また、中央の案内溝25を挟み込みように固定穴26を設けてあり、そこに固定ボルト66を差し込むことで、押圧板22を埋設具42に取り付けることができる。そのため底板11と押圧板22は、埋設具42を介して一体化するほか、底板11と押圧板22で横行材81を挟み込む。そのほか天井板32は、その四隅に固定穴36を設けただけの単純な形状であり、これを貫通穴78の最上部に配置した後、その固定穴36にネジ釘76を差し込み、天井板32を直立材71に取り付ける。
クサビ52は、押圧板22と天井板32との隙間に配置した上、押圧板22の案内溝25に嵌め込まれることになるが、クサビ52と天井板32については、単に面接触するだけである。そのためクサビ52は、その底面だけが傾斜面になっている。そして、同一直線上に並ぶ一対のクサビ52を連結ボルト64で結び、連結ボルト64の端部にナット67を螺合させた後、両端部のナット67を均等に締め付けることで、対向するクサビ52が互いに接近していき、その結果、押圧板22と天井板32との隙間が増大し、押圧板22が横行材81に密着する。
図6は、図5の直立材71と横行材81を剛接合した状態を示している。なお図の下方では、クサビ52とその周辺の部品だけを抜き出した状態を描いてある。横行材81に埋設具42を埋め込んだ後、横行材81の底面に底板11を取り付けると共に、横行材81の上面に押圧板22を取り付けると、底板11と押圧板22は、埋設具42を介して一体化するほか、底板11と押圧板22で横行材81を挟み込んだ状態になる。また直立材71の貫通穴78の最上部には、ネジ釘76を介して天井板32を取り付け、その後、貫通穴78に横行材81を差し込んでいく。
貫通穴78に横行材81を差し込んだだけでは、押圧板22と天井板32が接触することはなく隙間が確保されているが、その状態で直立材71の両側面から押圧板22の案内溝25にクサビ52を嵌め込み、さらに、対向するクサビ52を連結ボルト64で互いに接近させると、押圧板22が横行材81に密着し、直立材71と横行材81が剛接合することになる。このように本発明では、押圧板22と天井板32とクサビ52の形状や配置などは自在に決めることができる。ただしクサビ52については、貫通穴78に収容された状態で押圧板22と天井板32に挟み込まれるものとする。なお各図では、直立材71が垂直方向に沿って伸び、横行材81が水平方向に沿って伸びた状態で描いてあるが、これらの姿勢は自在であり、仮に直立材71が水平方向に沿って伸び、横行材81が垂直方向に沿って伸びていても構わない。
11 底板
16 固定穴
21 押圧板(案内溝が二列)
22 押圧板(案内溝が一列)
25 案内溝
26 固定穴
31 天井板(案内溝があるもの)
32 天井板(案内溝がないもの)
35 案内溝
36 固定穴
41 埋設具(ラグスクリュー)
42 埋設具(シャフト)
44 凸条
46 メネジ
51 クサビ(底面と上面が傾斜面)
52 クサビ(底面だけが傾斜面)
54 中穴
64 連結ボルト
66 固定ボルト
67 ナット
71 直立材
76 ネジ釘
78 貫通穴
81 横行材
84 下穴

Claims (3)

  1. 直立材(71)と横行材(81)との交差構造であって、
    前記直立材(71)の側面には、前記横行材(81)を差し込むための貫通穴(78)を設けてあり、
    前記貫通穴(78)の最下部には、前記横行材(81)を載せるための底板(11)を配置してあり、また該貫通穴(78)の最上部には、前記直立材(71)に取り付けられる天井板(31または32)を配置してあり、
    前記横行材(81)の上面には押圧板(21または22)を載せてあり、該押圧板(21または22)は、前記天井板(31または32)と隙間を隔てて対向しており、
    前記押圧板(21または22)と前記天井板(31または32)との隙間には、前記貫通穴(78)の中間地点を挟んで対向するようにクサビ(51または52)を配置してあり、
    前記押圧板(21または22)と前記天井板(31または32)の両方またはいずれか一方には、対向するように配置された前記クサビ(51または52)が互いに接近することで該押圧板(21または22)を押し下げることのできる傾斜面を設けてあり、
    対向する前記クサビ(51または52)は、連結ボルト(64)を介して互いに引き寄せ合う状態にすることで、押し下げられた前記押圧板(21または22)が前記横行材(81)に密着し、
    前記横行材(81)には、前記底板(11)と前記押圧板(21または22)の両方と接触する埋設具(41または42)を埋め込んであることを特徴とする交差構造。
  2. 前記押圧板(21または22)と前記天井板(31または32)の両方またはいずれか一方には、前記クサビ(51または52)が嵌まり込む案内溝(25、35)を形成してあり、該クサビ(51または52)は該案内溝(25、35)に沿って移動することを特徴とする請求項1記載の交差構造。
  3. 前記クサビ(51または52)と前記連結ボルト(64)のいずれも、前記貫通穴(78)に収容してあることを特徴とする請求項1または2記載の交差構造。
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