JP2024003723A - フローアイス製造装置及びフローアイス製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な粒径を含む氷粒子を、高い氷濃度(IPF)で含むフローアイスを効率的かつ容易に製造することを可能とする。【解決手段】原料処理液の凍結が行われるドラム状部材21の内周面を、氷の膜が形成されるような過剰な低温にすることなく必要かつ十分な冷却温度に維持するとともに、ドラム状部材21の内周面に摺接するスクレーパー状部材28の回転軸を、必要かつ十分な程度の高速で回転させる構成によって、ドラム状部材21の内周面に、より小さい粒子径の氷粒子を生成するとともに、氷の膜が形成される前の氷粒子をスクレーパー状部材28によって掻き取る構成を採用したものである。【選択図】図2

Description

本発明は、微細な氷粒子を生成するフローアイス製造装置及びフローアイス製造システムに関する。
一般に、微細な氷粒子を含むフローアイス(シャーベットアイス等とも呼ばれる)は、魚などの魚介類を初めとする生鮮食料品の鮮度を維持するために使用されるほか、氷菓子等の食品としても広く利用されているが、これらの目的に用いられるフローアイスは、氷粒径が小さく、かつ高い氷濃度(IPF)を有するものが望ましい。そのため従来から、例えば下記の特許文献1又は2のように、竪型ドラム内に原料処理液を供給して過冷却状態とし、その竪型ドラム内に配置された回転ブレードの過冷却解除作用や掻き取り作用によって、微細な氷粒子を得ようとする装置が提案されている。
特許第6589123号公報 特許第6294403号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示された装置では、竪型ドラムの冷却面が、極めて低い温度、例えば原料処理液の凝固点より15℃~25℃低い温度まで冷却され、しかも回転ブレードの回転数の上限が、比較的低い回転数、例えば150rpmまでに限定されている。そのため、一般に用いられている塩分濃度が1%から3.5%の海水を使用して実際に氷粒子を製造してみると、上記条件では竪型ドラムの冷却面に氷の膜が形成され、生成される氷粒子が期待された外径よりも拡大する傾向を生じて微細な粒子を良好に得ることができない場合がある。また、拡大した氷粒子によって回転ブレードがロック状態になるなど、円滑に回転されなくなることも考えられる。
さらに、原料処理液として海水を使用した場合には、海水の塩分濃度が1%のときよりも3.5%の海水の方が、氷の膜が形成され易くなることから、それに対処するためには回転ブレードの回転数を150rpm以上に上げる必要がある。従って、従来のように回転ブレードの回転数に上限があると、フローアイスの良好な製造が困難になり、特に、氷濃度(IPF)が50%以上のような高い濃度のフローアイスを効率的に製造することが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、微細な氷粒子を、高い氷濃度(IPF)で含むフローアイスを効率的に製造することができるようにしたフローアイス製造装置及びフローアイス製造システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1にかかる発明では、原料処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから循環的に供給される原料処理液を、冷凍機から循環的に供給される冷媒により冷却して氷粒子を生成する製氷機とを備えたものであって、前記製氷機が、前記冷凍機からの冷媒により冷却される内周面を有するドラム状部材と、前記ドラム状部材の中心軸に沿って配置された回転軸と、前記回転軸から半径方向の外方に向かって延出して前記ドラム状部材の内周面に摺接した状態に配置され、前記回転軸とともに回転されるスクレーパー状部材とを有するフローアイス製造装置において、前記ドラム状部材の内周面が-8℃~-10℃の温度に維持され、かつ前記スクレーパー状部材の回転軸が170rpm~190rpmで回転される構成が採用されている。
このような構成を備えた発明によれば、原料処理液の凍結が行われるドラム状部材の内周面に氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることがなく必要かつ十分な冷却温度にドラム状部材の内周面が維持されることから、当該ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子の粒径が従来よりも小さくなる。しかも、ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子が氷の膜を形成する前に、必要かつ十分な高速で回転されるスクレーパー状部材によって氷粒子の掻き取りが行われることから、通常用いられる塩分濃度1%から3.5%の海水を原料処理液に使用した場合でも、塩分濃度の相違(1%~3.5%)による氷点の温度差はあるが、例えば0.05mm~0.1mm程度の微細な粒径の氷粒子を含むフローアイスが問題なく製造されるとともに、例えば50%以上の高い氷濃度(IPF)を備えたフローアイスを効率的かつ容易に製造することも可能となる。
このとき、請求項2にかかる発明のように、前記貯留タンクから前記製氷機のドラム状部材へ供給される原料処理液が、前記ドラム状部材の単位体積当たり毎分100リットル~150リットルの循環量とされていることが望ましい。
このような構成を有する発明によれば、ドラム状部材の容量の大きさにかかわらず、好適な粒径及び氷濃度(IPF)を有するフローアイスが安定的に製造される。
また、請求項3にかかる発明のように、前記スクレーパー状部材は、当該スクレーパー状部材を前記ドラム状部材の内周面に押圧する付勢部材を備えていることが望ましい。
このような構成を有する発明によれば、ドラム状部材の内周面に対してスクレーパー状部材が、好適な接触圧で確実に摺接される。
さらに、請求項4にかかる発明のように、前記スクレーパー状部材が、前記回転軸に対して着脱される管状部材に取り付けられ、前記管状部材が、前記回転軸に対して着脱されることによって前記スクレーパー状部材が交換可能な構成になされていることが望ましい、
このような構成を有する発明によれば、スクレーパー状部材が摩耗又は破損した場合における交換作業が効率的に行われる。
さらにまた、請求項5にかかる発明のように、前記スクレーパー状部材が、樹脂材からなることが望ましい。
このような構成を有する発明によれば、ドラム状部材の内周面に対してスクレーパー状部材がより密接に摺接されるとともに、ドラム状部材の内周面における摩耗や破損が起きにくくなる。
一方、請求項6にかかる発明のように、前記貯留タンクには、当該貯留タンク内の原料処理液を予め冷却しておく予冷却手段が付設されていることが望ましい。
このような構成を有する発明によれば、貯留タンクから製氷機に供給される原料供給液が、予冷却手段によって供給前から事前に適宜の低温状態になされることから、製氷機における冷却が効率的かつ安定的に低コストで行われる。
さらに、請求項7にかかる発明のように、請求項1記載のフローアイス製造装置におけるプロセス状態量を操作・調整するプロセス制御手段を有するフローアイス製造システムであって、前記プロセス制御手段が、前記ドラム状部材の内周面を-8℃~-10℃の温度に維持する温度調整手段と、前記スクレーパー状部材の回転軸を170rpm~190rpmで回転させる回転駆動調整手段と、前記貯留タンクから前記製氷機のドラム状部材へ供給される原料処理液を、前記ドラム状部材の単位体積当たり毎分100リットル~150リットルの循環量に維持する液循環調整手段と、を備えた構成とすることが望ましい。
このような構成を備えた発明によれば、請求項1に係る発明の作用・効果が確実に得られる。
以上のように、本発明にかかるフローアイス製造装置及びフローアイス製造システムは、原料処理液を予冷し、原料処理液の凍結が行われるドラム状部材の内周面を、氷の膜が形成されるような過剰な低温にすることなく必要かつ十分な冷却温度に維持するとともに、ドラム状部材の内周面に摺接するスクレーパー状部材の回転軸を、必要かつ十分な高速で回転させる構成によって、ドラム状部材の内周面に、より小さい粒径の氷粒子を生成させるとともに、氷の膜が形成される前の氷粒子をスクレーパー状部材によって掻き取る構成を採用したものであり、例えば0.05mm~0.1mm程度の微細な粒径を有する氷粒子を、例えば塩分濃度差(1%から3.5%)及び又は50%以上の高い氷濃度(IPF)で含むフローアイスを効率的又は低コストで、かつ容易に製造することができる。
本発明の一実施形態にかかるフローアイス製造装置を含むシステム構成を表した模式的説明図である。 図1に示したフローアイス製造装置に用いられている製氷機の構造を表した縦断面説明図である。 図2中のIII-III線に沿った断面を拡大して表した横断面説明図である。 図3に示した製氷機のスクレーパー状部材における掻き爪部分の構造を更に拡大して表した平面説明図である。 図1に示したフローアイス製造システムに用いられているプロセス制御手段の構成を表したブロック図である。
以下、本発明かかるフローアイス製造装置及びフローアイス製造システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[全体構成について]
図1に示されているフローアイス製造装置を備えたフローアイス製造システムは、上方開口部を有する貯留タンク1を有しており、その貯留タンク1の内部に、氷粒子を生成するための原料処理液が貯留されている。本実施形態における原料処理液としては、塩水や海水などの塩分を含んだ水の他、純水や淡水などの塩分の含有量が極めて低い水など、塩分の有無や塩分濃度の大小にかかわらず、多種多様な原料処理液が好適に用いられる。
上述した貯留タンク1の上方位置には、氷粒子を生成する製氷機2が配設されているとともに、当該貯留タンク1の下方位置から送液管3が延出しており、当該送液管3の延出端部分が、製氷機2の上方位置に連結されている。前記送液管3の途中位置には循環ポンプ4が設置されており、その循環ポンプ4の駆動によって前記貯留タンク1内の原料処理液が、製氷機2の上方位置から当該製氷機2の内部に循環的に供給されるようになっている。
前記製氷機2には冷凍機5が付設されており、当該冷凍機5から送出される冷媒が、冷媒管6を通して製氷機2に循環的に供給されている。冷凍機5は、冷媒ガスを高温高圧に圧縮する圧縮機(図示せず)と、当該圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを冷却水等により熱交換させて凝縮液化して冷媒液とする凝縮器(図示せず)とを備えている。本実施形態における冷媒としては、例えばフレオンR-22が使用されており、気化された冷媒(冷媒ガス)を液状の冷媒(冷媒液)に相変化させ、その冷媒液によって製氷機2内の原料処理液の冷却が行われる。
このような冷凍機5から供給される冷媒の冷却作用で、製氷機2内に供給された原料処理液が冷却されることによって、後述のように微細な氷粒子からなるフローアイスが製氷機2内に生成されることとなるが、その生成されたフローアイスは、製氷機2の下端部分に設けられた排出口(図2中の符号21cを参照)から落下されていき、製氷機2の下方に配置されている貯留タンク1の内部に受けられる。貯留タンク1内に受けられたフローアイスは、原料処理液に浮上した状態で保持される。これらの製氷機2及び貯留タンク1の詳細な構成については後述する。
[製氷機について]
次に、図2,図3及び図4を参照して、製氷機2の詳細について説明する。製氷機2は、中空状の円筒体からなるドラム状部材としての内筒体21と、その内筒体(ドラム状部材)21の外周に周設された同じく中空状の円筒体からなる外筒体22とを備えている。また、前記外筒体22には、当該外筒体22の外周面に密着する状態で発泡樹脂材等からなる断熱材23が装着されており、更にその断熱材23の外方部分が、略円筒状をなす外側パネル24により覆われている。
上述した内筒体(ドラム状部材)21の内周面は、縦長に延在する略円柱形状の空洞部分を形成しており、その縦長円柱状の空洞部分が、原料処理液を流動させる液下流路21aとなっている。また、内筒体21の上端部分には、上蓋部材25が着脱自在に取り付けられており、その上蓋部材25の直下位置、すなわち前記液下流路21aの上端部分に、原料処理液を送給するリング状の空間からなる液供給路21bが形成されている。さらに、前記内筒体21の下端部分には、下方に向かって開口する排出口21cが設けられている。
このような内筒体(ドラム状部材)21の構成部分のうちの液供給路21bは、内筒体21の上端部分に配置された円盤状の仕切板21dと、その仕切板21dの直上位置に対向配置された上蓋部材25との間に形成されたリング状の空間部分からなるものであって、当該液供給路21bにおける中心寄りの位置に装着されたシールリング21eから半径方向の外方寄りの円環状の空間部分が、原料処理液が流動する液供給路21bになされている。このとき、仕切板21dの外周縁部には、複数の切欠き穴21fが貫通形成されており、それらの切欠き穴21fを通して液供給路21bが、内筒体21の内部の液下流路21aに連通されている。
一方、上述したリング状の空間からなる液供給路21bには、上蓋部材25に形成された2箇所の貫通穴を介して、前述した送液管3(図示しない)の端部が二股状をなして連結されている。そして、その送液管3を通して原料処理液が液供給路21bに供給されると、当該液供給路21bにおける半径方向の外端部分の切欠き穴21fから液下流路21aに向かって、原料処理液が吐出されるようになっている。このようにして液供給路21bから液下流路21aに送り込まれた原料処理液は、内筒体(ドラム状部材)21の内周面に沿って、上方から下方に向かって流動していくこととなる。
また、上述した内筒体(ドラム状部材)21と外筒体22とで挟まれた間部分には、内筒体21を外方から螺旋状に取り巻く冷媒流路26が形成されている。この冷媒流路26は、断面略矩形状をなす長尺状の通路から形成されており、製氷機2の下端部分に開口している冷媒流路26の入口部26aから、製氷機2の上端部分に開口している冷媒流路26の出口部26bまで連続的に延在している。
その冷媒流路26は、上述した冷媒管6の配管経路の途中部分に配置された構成になされており、当該冷媒流路26おける入口部26a及び出口部26bに、冷媒管6の開口端部がそれぞれ連結されている。そして、冷凍機5から冷媒管6に送出された冷媒は、冷媒流路26の入口部26aから冷媒流路26内に送り込まれ、内筒体(ドラム状部材)21の外方を螺旋状に流動した後に、冷媒流路26の出口部26bから、再び冷媒管6に流入して冷凍機5に戻されるようになっている。このようにして冷媒の循環が行われることで、製氷機2内の原料処理液の冷却が行われ、それによって、後述するような微細な氷粒子からなるフローアイスが製氷機2内に生成される。
ここで、冷凍機5による原料処理液の冷却作用について説明しておくと、まず、冷凍機5から供給される高圧の冷媒液は、膨張により低圧化された状態で製氷機2の冷媒流路26内へ流入する。その冷媒流路26へ流入した冷媒液は、内筒体(ドラム状部材)21の周囲を螺旋状に上方へ向けて流動していくが、その際に、内筒体21の内周面を流動する原料処理液を、内筒体21越しに冷却し、原料処理液を過冷却状態とする。
このように本実施形態における冷媒流路26は、内筒体(ドラム状部材)21の周囲に螺旋状に形成されているので、例えば、直線状の経路を形成した場合に比べて、冷媒流路26の経路長さが大きくなっており、それによって冷媒の通過時間が長期化され、冷媒による原料処理液の冷却効率が向上される。この冷媒流路26を通過する冷媒液は、液下流路21a内の原料処理液との間で熱交換して原料処理液を冷却することによって気化される。
気化された冷媒ガスは、冷媒流路26を通過した後に冷媒管6を経て、冷凍機5へ送り戻される。この冷凍機5は、圧縮機によって冷媒ガスを高温高圧に圧縮した後、その高温高圧の冷媒ガスを凝縮器により凝縮液化して冷媒液に戻し、再び冷媒管6へ供給する。この一連の冷媒の循環によって、製氷機2の液下流路21aを通過する原料処理液は過冷却されるが、冷媒流路26内を流動する冷媒は、上述した断熱材23及び外側パネル24によって、外気との熱交換が防止される。後述する貯留タンク1に付設された「予冷却手段」としての冷却管12による冷却も同様に行われる。
また、前述したように製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21における下端部分には、下方に向かって開口する排出口21cが設けられており、製氷機2内に生成された微細な氷粒子からなるフローアイスは、排出口21cを通して落下されて貯留タンク1内に受けられるようになっている。
[スクレーパー状部材について]
一方、前述した内筒体(ドラム状部材)21の液下流路21aの内部には、内筒体21の中心軸に沿って延在する長尺状のドラム軸27が配設されている。このドラム軸27は、本発明で言う「回転軸」をなすものであり、長手方向(図2の上下方向)の両端部分に設けられた上部軸受け27a及び下部軸受け27bを介して回転自在に支持されている。
このときの上部軸受け27aは、前述した上蓋部材25に固着されたベアリング部材から構成されており、上蓋部材25と一体的に長手方向(図2の上下方向)に着脱される。これに対して、下部軸受け27bは、内筒体(ドラム状部材)21の一部に装着された滑り軸受けから構成されており、当該下部軸受け27bからドラム軸(回転軸)27が上方に離脱可能になされている。従って、前述した上蓋部材25を製氷機2から取り外して上方に持ち上げると、その上蓋部材25と一体をなしてドラム軸27が上方に抜き出される構成になされている。
また、上述したドラム軸(回転軸)27には、掻き爪構造をなすスクレーパー状部材28が取り付けられており、そのスクレーパー状部材28がドラム軸27とともに回転することによって、後述するように内筒体(ドラム状部材)21の内周面に付着する氷膜が、内筒体21の長手方向のほぼ全域にわたって掻き取られるようになっている。
すなわち、本実施形態におけるスクレーパー状部材28は、ドラム軸(回転軸)27の外周に着脱可能に装着された管状部材(スリーブ)28aに沿って、軸方向(図2の上下方向)に3体のものが並列するように配置されている。このときの管状部材28aは、ドラム軸27に対して固定ボルト28dにより固定状態になされており、ドラム軸27と一体的に回転される構成になされている。一方、この管状部材28aは、固定ボルト28dを取り外すことにより、ドラム軸27に沿って軸方向に抜き出すようにして容易に取り外される構成になされている。
また、特に図3に示されているように、上述した管状部材(スリーブ)28aの外周には、リング状部材からなる回転支持板28bが嵌着されているとともに、その回転支持板28bの外周縁に、略等角間隔(略120度間隔)で3体の掻き爪28cが取着されている。
それらの各掻き爪28cは、特に図4に示されているように、ブラケット状をなす回転支持板28bから内筒体(ドラム状部材)21の内周面に向かってブレード状に突出する樹脂材から形成されている。それらの掻き爪28cは、回転支持板28bに対して、半径方向に往復移動可能に装着されているとともに、当該掻き爪28cの後端部分(半径方向の内端部分)には、回転支持板28bとの間に付勢手段としてのコイルバネ28eが配置されており、当該コイルバネ(付勢手段)28eの付勢力によって、掻き爪28cが半径方向外方に向かって突出しする状態に維持されている。
すなわち、上述したコイルバネ(付勢手段)28eの付勢力によって掻き爪28cの先端縁は、内筒体(ドラム状部材)21の内周面に対して、常時、接触する摺接状態に維持されることとなるが、このときの掻き爪28cの先端縁は、いわゆるエッジ構造になされており、当該掻き爪28cの先端エッジ部の摺擦作用が、内筒体21の内周面に対して常時付与されるようになっている。また、その掻き爪28cの先端エッジ部は、ドラム軸(回転軸)27の中心から半径方向に延びる線上に配置されており、当該掻き爪28cの先端エッジ部の摺擦作用が、内筒体21の内周面に対して効率的に付与される構成になされている。
このような構成を備えた各スクレーパー状部材28は、上述したようにドラム軸(回転軸)27の軸方向(図2の上下方向)に沿って3体にわたって並列されているが、軸方向(図2の上下方向)に隣り合う一対の掻き爪28c,28c同士は、回転方向において略60度の位相ズレを有するように配置されている。
一方、特に図2に示されているように、前述した内筒体(ドラム状部材)21の上方に配置されている上蓋部材25には、ドラム軸(回転軸)27の一端部(上端部)が連結される減速機29aに出力軸が連結される駆動モータ29が取り付けられている。当該駆動モータ29は、その出力軸を回転させることにより回転力を、ギヤ機構を有する減速機29aに伝達する駆動装置であり、減速機29aにより減速された駆動モータ29の出力軸の回転力によってドラム軸27が回転駆動され、上述したスクレーパー状部材28の回転掻き取り作用が行われるようになっている。
[貯留タンクについて]
次に、前述した貯留タンク1は、製氷機2へ供給される原料処理液、及び製氷機2により生成されるフローアイスを貯留するための貯留空間を有しており、その貯留空間内に、原料処理液及びフローアイスを攪拌するための攪拌機11が設置されている。
上記攪拌機11の上方部分には、駆動モータ11aが取り付けられており、その駆動モータ11aの出力軸に、貯留タンク1の上部から下部へ垂下される回転軸11bが連設されている。当該回転軸11bには、その軸方向(図1の上下方向)に間隔を隔てて一対のプロペラ状の攪拌羽根11c,11cが取着されている。それらの攪拌羽根11c,11cは、駆動モータ11aの回転駆動によって回転軸11bが回転されると、その回転に伴って貯留タンク1内で旋回され、この旋回により貯留タンク1内の原料処理液及びフローアイスを攪拌する。このような攪拌羽根11c,11cの攪拌作用によって、貯留タンク1内に貯留される原料処理液及びフローアイスからなる流動氷中の氷粒の成長が抑制されるとともに、流動氷の流動性の低下が抑制される。
また、貯留タンク1の下部には、貯留空間と連通した開口である流出口(図示省略)が形成されており、その流出口に、前述した送液管3の端部が連通するように接続されている。すなわち、原料処理液及びフローアイスを含む流動氷が、貯留タンク1の貯留空間から、循環ポンプ4が配設された送液管3を通して、製氷機2の液下流路21aに至り、再び貯留タンク1の貯留空間に戻るという循環経路が形成されている。
一方、前述した冷凍機5からは、製氷機2への冷媒管6とは別個の冷媒管7が分岐する状態で延出しており、当該冷媒管7が、貯留タンク1の内壁面に沿って蛇行する状態に配設された冷却管12に連結されている。この冷却管12は、貯留タンク1の貯留空間内の原料処理液及びフローアイスを含む流動氷を事前に冷却しておく「予冷却手段」を構成するものであって、ステンレス等の耐腐蝕性を有する材料で形成されたフラット状の配管から形成されている。通常、予冷する場合は、海水チラーユニットが別置きとなり、別途に冷却装置が必要となるが、チラーユニットの冷却温度帯は、3℃~5℃までしか冷却できない。本貯留タンク1においては、製氷可能温度帯まで冷却できる。本発明のように貯留タンク1を四角形に形成することによりフラット状の冷却管が使用でき、イニシャルコスト及び予冷をすることによるランニングコストを低く抑えることができる。
そして、冷凍機5から冷媒管7を通して冷却管12に循環的に供給された冷媒によって、上述したように貯留タンク1内に収容されている原料処理液及びフローアイスが、供給前の段階から事前に予冷却されることによって所望の温度に維持される。このように、貯留タンク1から製氷機2に供給される原料供給液が、予冷却手段により供給前から事前に適宜の低温状態になされていることで、製氷機2における冷却が効率的、安定的かつ低コストで行われる。
このとき、前述した送液管3及び冷媒管6,7には、適宜の機能を有する止め弁8a、逆止弁9、電磁弁10及び手動弁10aが配設されており、それらの弁動作によって原料処理液を含む流動氷、及び冷媒の流動状態が適宜に調整されるようになっている。
[プロセス制御手段について]
このような構成からなる貯留タンク1、製氷機2、及び冷凍機5を備えたフローアイス製造装置には、例えば図5に示されているようなフローアイス製造システムが付設されており、そのフローアイス製造システムの「プロセス制御手段(コントローラ)」100から出力される指令信号に基づいて、必要な動作制御が行われるようになっている。
本実施形態にかかるフローアイス製造システムを構成しているプロセス制御手段(コントローラ)100においては、所望の状態量を有するフローアイスを製造する際における各種の駆動モータ及びアクチュエータの動作制御を実行する制御プログラムが、ROM101に記憶・格納されているとともに、フローアイス製造装置の各部における温度、流量及び回転数等の各種プロセス状態量を検知する温度センサ、流量センサ、回転センサ等の各種センサ102を備えている。そして、各種制御動作に必要なデータを揮発性メモリ103又は不揮発性メモリ104に記憶させながら、CPU(中央演算装置)105が必要な制御プログラムを実行し、それによってフローアイス製造装置全体の動作が好適に司られる構成になされている。
上述したCPU(中央演算装置)105は、適宜のインターフェース(I/O)106を介してフローアイスの製造に関与する各種駆動モータのモータドライバ107、及びバルブソレノイドを含む各種アクチュエータ108にパス接続されている。そして、操作制御盤(コントロールパネル)109を通して、フローアイスを製造するための条件に対応した制御動作値が設定される一方、各種の外部機器を接続するネットワークから転送された動作信号が転送されることによって、所望の状態量を有するフローアイスの製造に必要とされる製造動作が実行される構成になされている。
ここで、上述したROM105に格納された制御プログラムは、製氷機2に設けられた内筒体(ドラム状部材)21の内周面を必要な温度範囲に維持する温度調整手段を有している。この温度調整手段は、後述する液循環調整手段と協働して、貯留タンク1と製氷機2との間に配置された循環ポンプ4による原料処理液の循環量と、冷凍機5から送出される冷媒の温度及び流量等を、必要な状態にバランスさせるように制御するものであり、本実施形態においては、製氷機2における内筒体(ドラム状部材)21の内周面を、-8℃~-10℃の温度範囲に維持する制御機能を備えている。
また、上述したROM101における制御プログラムは、製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21内に配置されたスクレーパー状部材28のドラム軸(回転軸)27を、必要な回転量に維持する回転駆動調整手段を有している。この回転駆動調整手段は、スクレーパー状部材28のドラム軸27が連結されている駆動モータ29の駆動ドライバを、必要な状態に制御するものであり、本実施形態においては、スクレーパー状部材28のドラム軸27を、170rpm~190rpmの範囲で回転駆動させる制御機能を備えている。
さらに、上述したROM101における制御プログラムは、前述した貯留タンク1から製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21に供給される原料処理液を必要な供給量に維持する液循環調整手段を有しており、当該液循環調整手段によって、前述した循環ポンプ4による原料処理液の循環量を、製氷機2の内筒体21の単位体積当たり、毎分100リットル~150リットルに維持する制御動作が実行されるようになっている。
さらにまた、上述したROM101における制御プログラムは、貯留タンク1の原料処理液を予め冷やしておく予冷調整手段を有しており、当該予冷調整手段によって、製氷機2の冷却を効率的に行わせる制御動作が実行されることで、装置全体の冷却負荷が軽減されるようになっている。
以上の構成を有する本実施形態にかかるフローアイス製造装置を備えたフローアイス製造システムの動作について説明する。まず、循環ポンプ4が稼動されると、その循環ポンプ4の吸引力によって、貯留タンク1の貯留空間における下部から、予冷却で適宜の低温状態になされている原料処理液が吸引され、その吸引された原料処理液が、送液管3を経て製氷機2の上部から液供給路21b内へ流入する。液供給路21bへ流入した原料処理液は、内筒体(ドラム状部材)21の内周面に沿って、上方から下方へ向けて流動し、その流動中に冷凍機5が供給する冷媒によって冷却される。この冷却された原料処理液は、凝固温度以下に冷却されて過冷却状態となる。
過冷却状態になされた原料処理液は、内筒体(ドラム状部材)21の内周面や原料処理液中に対する衝撃で過冷却状態が解除されるが、原料処理液の過冷却状態が解除されると、原料処理液中に微細氷粒が生じるとともに、内筒体21の内周面に結晶氷が付着して析出される。このとき、原料処理液の凍結が行われる製氷機2の内筒体21の内周面が、氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることなく必要かつ十分な冷却温度に維持されるため、そこに生成される氷粒子の粒径は従来より小さくなる。
内筒体(ドラム状部材)21の内周面に付着した結晶氷は、スクレーパー状部材28の摺擦作用によって掻き取られる。このときの氷粒子の掻き取りは、内筒体21の内周面に生成される氷粒子が氷の膜を形成する前に、必要かつ十分な程度の高速で回転されるスクレーパー状部材28の摺擦作用により行われる。従って、従来の装置では出来なかった微細な粒径の氷粒子を含むフローアイスが、スクレーパー状部材28をロック状態等に陥らせることなく効率的かつ容易に製造される。
このように、スクレーパー状部材28によって掻き取られた結晶氷は、微細氷粒を含むフローアイスとなって下方に落下していき、貯留タンク1内に受けられる。貯留タンク1内に受けられたフローアイスは、原料処理液の水面に浮遊した状態で貯留される。
その後、製氷機2の稼動を継続すると、貯留タンク1内に貯留されている原料処理液は、送液管3を通して製氷機2での冷却処理を経ることによって、逐次フローアイスに変化し、貯留タンク1へ送り戻されて貯留される。この処理を繰り返し継続すると、貯留タンク1内の上部から底部に達するまでの量のフローアイスが蓄積される。
以上説明した通り、本実施形態にかかるフローアイス製造装置を備えたフローアイス製造システムによれば、原料処理液の凍結が行われる製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21の内周面が、氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることなく必要かつ十分な冷却温度に維持されるため、そこに生成される氷粒子の粒径が従来より小さくなる。しかも、製氷機2の内筒体21の内周面に生成される氷粒子の膜が形成される前に、必要かつ十分な程度の高速で回転されるスクレーパー状部材28によって氷粒子が掻き取られる結果、従来の装置では出来なかった微細な粒径、例えば0.05mm~0.1mm程度の氷粒子を含むフローアイスが、例えば50%以上の高い氷濃度(IPF)で効率的かつ容易に製造される。
特に、本実施形態においては、貯留タンク1から製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21へ供給される原料処理液が、予定された範囲(内筒体21の単位体積当たり毎分100リットル~150リットル)の循環量とされていることから、内筒体21の容量の大きさにかかわらず、好適な粒径及び氷濃度(IPF)を有するフローアイスが安定的に製造される。
また、本実施形態にかかる製氷機2では、スクレーパー状部材28の掻き爪28cの先端エッジ部が、コイルバネ(付勢手段)28eの付勢力によって内筒体(ドラム状部材)21の内周面に好適な接触圧で確実に摺接されていることから、微細な粒径を有するフローアイスが確実に得られる。さらに、そのスクレーパー状部材28の掻き爪28cが樹脂材からなることから、内筒体21の内周面に対してスクレーパー状部材28がより密接に摺接され、かつ内筒体21の内周面の摩耗や破損が起きにくくなる。
さらに、本実施形態では、スクレーパー状部材28が取り付けられている管状部材(スリーブ)28aが、ドラム軸(回転軸)27に対して着脱される構造になされているため、スクレーパー状部材28の交換が容易に行われ、スクレーパー状部材28の摩耗又は破損時における作業が効率的に行われる。
加えて、本実施形態では、貯留タンク1に付設された「予冷却手段」として冷却管12により、当該貯留タンク1内の原料処理液が、予め適宜に低温化された状態で製氷機2に供給されることから、製氷機2において効率的、低コストで、かつ安定的な冷却が行われ、微細氷粒子を含む高濃度なフローアイスの製造を実現しつつ、その生産性も向上させることが可能となっている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本実施形態は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
本発明は、生鮮食料品の鮮度を維持する冷却材や、氷菓子等の食品等の多種多様な分野で使用されるフローアイスの製造装置に関して広く適用することが可能である。
1 貯留タンク
11 攪拌機
11a 駆動モータ
11b 回転軸
11c 攪拌羽根
12 冷却管(予冷却手段)
2 製氷機
21 内筒体(ドラム状部材)
21a 液下流路
21b 液供給路
21c 排出口
21d 仕切板
21e シールリング
21f 切欠き穴
22 外筒体
23 断熱材
24 外側パネル
25 上蓋部材
26 冷媒流路
26a 入口部
26b 出口部
27 ドラム軸
27a 上部軸受け
27b 下部軸受け
28 スクレーパー状部材
28a 管状部材(スリーブ)
28b 回転支持板
28c 掻き爪
28d 固定ボルト
28e コイルバネ(付勢手段)
29 駆動モータ
29a 減速機
3 送液管
4 循環ポンプ
5 冷凍機
6 冷媒管
7 冷媒管
8 止め弁
9 逆止弁
10 電磁弁
10a 手動弁
100 プロセス制御手段
101 ROM
102 センサ
103 揮発性メモリ
104 不揮発性メモリ
105 CPU(中央演算装置)
106 インターフェース(I/O)
107 モータドライバ
108 アクチュエータ
109 操作制御盤(コントロールパネル)
上記目的を達成するため請求項1にかかる発明では、原料処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから循環的に供給される原料処理液を、冷凍機から循環的に供給される冷媒により冷却して氷粒子を生成する製氷機と、を備えたものであって、前記製氷機が、前記冷凍機からの冷媒により冷却される内周面を有するドラム状部材と、前記ドラム状部材の中心軸に沿って配置された回転軸と、前記回転軸から半径方向の外方に向かって延出して前記ドラム状部材の内周面に摺接した状態に配置され、前記回転軸とともに回転されるスクレーパー状部材とを有するフローアイス製造装置において、前記原料処理液は、塩分濃度が1%から3.5%の海水、又は当該海水の塩分と質量モル濃度が同範囲にある溶質を含む水溶液からなり、前記ドラム状部材の内周面が-8℃~-10℃の温度に維持され、かつ前記スクレーパー状部材の回転軸が170rpm~190rpmで回転されることにより、前記ドラム状部材の内周面に氷粒子の膜が形成される前における氷粒子の掻き取りを行う構成が採用されている。
このような構成を備えた発明によれば、原料処理液の凍結が行われるドラム状部材の内周面に氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることがなく必要かつ十分な冷却温度にドラム状部材の内周面が維持されることから、当該ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子の粒径が従来よりも小さくなる。しかも、ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子が氷の膜を形成する前に、必要かつ十分な高速で回転されるスクレーパー状部材によって氷粒子の掻き取りが行われることから、通常用いられる塩分濃度1%から3.5%の海水、又は当該海水と同等の凝固温度を有する水溶液を原料処理液に使用した場合には、塩分濃度の相違(1%~3.5%)や溶質濃度による氷点の温度差はあるが、例えば0.05mm~0.1mm程度の微細な粒径の氷粒子を含むフローアイスが問題なく製造されるとともに、例えば50%以上の高い氷濃度(IPF)を備えたフローアイスを効率的かつ容易に製造することも可能となる。
上記目的を達成するため請求項1にかかる発明では、原料処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから循環的に供給される原料処理液を、冷凍機から循環的に供給される冷媒により冷却して氷粒子を生成する製氷機と、を備えたものであって、前記製氷機が、前記冷凍機からの冷媒により冷却される内周面を有するドラム状部材と、前記ドラム状部材の中心軸に沿って配置された回転軸と、前記回転軸から半径方向の外方に向かって延出して前記ドラム状部材の内周面に摺接した状態に配置され、前記回転軸とともに回転されるスクレーパー状部材と、を有するフローアイス製造装置において、前記原料処理液は、塩分濃度が1%から3.5%の海水からなり、前記ドラム状部材の内周面-10℃の温度に維持され、かつ、前記スクレーパー状部材の回転軸190rpmで回転されることにより、前記ドラム状部材の内周面に氷粒子の膜が形成される前における0.05mmの粒径の氷粒子の掻き取りを行う構成が採用されている。
このような構成を備えた発明によれば、原料処理液の凍結が行われるドラム状部材の内周面に氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることがなく必要かつ十分な冷却温度にドラム状部材の内周面が維持されることから、当該ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子の粒径が従来よりも小さくなる。しかも、ドラム状部材の内周面に生成される氷粒子が氷の膜を形成する前に、必要かつ十分な高速で回転されるスクレーパー状部材によって氷粒子の掻き取りが行われることから、通常用いられる塩分濃度1%から3.5%の海水原料処理液に使用した場合でも、塩分濃度の相違(1%~3.5%)よる氷点の温度差はあるが0.05mm微細な粒径の氷粒子を含むフローアイスが問題なく製造されるとともに、例えば50%以上の高い氷濃度(IPF)を備えたフローアイスを効率的かつ容易に製造することも可能となる。
さらに、請求項7にかかる発明のように、請求項1記載のフローアイス製造装置におけるプロセス状態量を操作・調整するプロセス制御手段を有するフローアイス製造システムであって、前記プロセス制御手段が、前記ドラム状部材の内周面-10℃の温度に維持する温度調整手段と、前記スクレーパー状部材の回転軸190rpmで回転させる回転駆動調整手段と、前記貯留タンクから前記製氷機のドラム状部材へ供給される原料処理液を、前記ドラム状部材の単位体積当たり毎分100リットル~150リットルの循環量に維持する液循環調整手段と、を備えた構成とすることが望ましい。
以上のように、本発明にかかるフローアイス製造装置及びフローアイス製造システムは、原料処理液を予冷し、原料処理液の凍結が行われるドラム状部材の内周面を、氷の膜が形成されるような過剰な低温にすることなく必要かつ十分な冷却温度に維持するとともに、ドラム状部材の内周面に摺接するスクレーパー状部材の回転軸を、必要かつ十分な高速で回転させる構成によって、ドラム状部材の内周面に、より小さい粒径の氷粒子を生成させるとともに、氷の膜が形成される前の氷粒子をスクレーパー状部材によって掻き取る構成を採用したものであり0.05mm微細な粒径を有する氷粒子を、例えば塩分濃度差(1%から3.5%)及び又は50%以上の高い氷濃度(IPF)で含むフローアイスを効率的又は低コストで、かつ容易に製造することができる。
以上説明した通り、本実施形態にかかるフローアイス製造装置を備えたフローアイス製造システムによれば、原料処理液の凍結が行われる製氷機2の内筒体(ドラム状部材)21の内周面が、氷の膜が形成されるような過剰な低温になされることなく必要かつ十分な冷却温度に維持されるため、そこに生成される氷粒子の粒径が従来より小さくなる。しかも、製氷機2の内筒体21の内周面に生成される氷粒子の膜が形成される前に、必要かつ十分な程度の高速で回転されるスクレーパー状部材28によって氷粒子が掻き取られる結果、従来の装置では出来なかった微細な粒径、具体的には0.05mm氷粒子を含むフローアイスが、例えば50%以上の高い氷濃度(IPF)で効率的かつ容易に製造される。

Claims (7)

  1. 原料処理液を貯留する貯留タンクと、
    前記貯留タンクから循環的に供給される原料処理液を、冷凍機から循環的に供給される冷媒により冷却して氷粒子を生成する製氷機と、を備えたものであって、
    前記製氷機が、
    前記冷凍機からの冷媒により冷却される内周面を有するドラム状部材と、
    前記ドラム状部材の中心軸に沿って配置された回転軸と、
    前記回転軸から半径方向の外方に向かって延出して前記ドラム状部材の内周面に摺接した状態に配置され、前記回転軸とともに回転されるスクレーパー状部材と、
    を有するフローアイス製造装置において、
    前記ドラム状部材の内周面が、-8℃~-10℃の温度に維持され、かつ、
    前記スクレーパー状部材の回転軸が、170rpm~190rpmで回転されることを特徴とするフローアイス製造装置。
  2. 前記貯留タンクから前記製氷機のドラム状部材へ供給される原料処理液が、前記ドラム状部材の単位体積当たり毎分100リットル~150リットルの循環量とされていることを特徴とする請求項1記載のフローアイス製造装置。
  3. 前記スクレーパー状部材は、当該スクレーパー状部材を前記ドラム状部材の内周面に押圧する付勢部材を備えていることを特徴とする請求項1記載のフローアイス製造装置。
  4. 前記スクレーパー状部材が、前記回転軸に対して着脱される管状部材に取り付けられ、
    前記管状部材が、前記回転軸に対して着脱されることによって前記スクレーパー状部材が交換可能な構成になされていることを特徴とする請求項1記載のフローアイス製造装置。
  5. 前記スクレーパー状部材が、樹脂材からなることを特徴とする請求項1記載のフローアイス製造装置。
  6. 前記貯留タンクには、当該貯留タンク内の原料処理液を予め冷却しておく予冷却手段が付設されていることを特徴とする請求項1記載のフローアイス製造装置。
  7. 請求項1記載のフローアイス製造装置におけるプロセス状態量を操作・調整するプロセス制御手段を有するフローアイス製造システムであって、
    前記プロセス制御手段が、
    前記ドラム状部材の内周面を-8℃~-10℃の温度に維持する温度調整手段と、
    前記スクレーパー状部材の回転軸を170rpm~190rpmで回転させる回転駆動調整手段と、
    前記貯留タンクから前記製氷機のドラム状部材へ供給される原料処理液を、前記ドラム状部材の単位体積当たり毎分100リットル~150リットルの循環量に維持する液循環調整手段と、
    を備えていることを特徴とするフローアイス製造システム。
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